WO2016031784A1 - 空気清浄機 - Google Patents

Abstract

　本発明の実施形態にかかる１つの課題は、脱臭と加湿とを可能にしつつ、筐体を小型化しても、通風抵抗を抑えることができる空気清浄機を提供することにある。空気吸込口１３ａ～１３ｃと、空気吹出口１４ａ～１４ｃと、空気吸込口１３ａ～１３ｃと空気吹出口１４ａ～１４ｃとを連通する通風路と、脱臭フィルタ２３ａを備えた脱臭ユニット２３と、加湿フィルタ２４ａを備えた加湿ユニット２４と、を備え、脱臭ユニットと加湿ユニットとが通風路１０内で、通風方向に対して、脱臭ユニット２３の一部と加湿ユニット２４の一部とが重なりあうように通風路１０に沿って、この順に配置される。　

Description

空気清浄機

　本発明は、脱臭ユニットおよび加湿ユニットを備えた空気清浄機に関する。

　従来、空気清浄機は、たとえば、本体筐体内に設けられた送風機の駆動によって、本体筐体内に吸い込んだ空気を、集塵フィルタと脱臭ユニットと加湿ユニットとに、この順に、通過させる（例えば、特許文献１参照）。

　特許文献１に記載の空気清浄機は、空気吸込口から本体筐体内に吸い込まれた空気を、空気吹出口へ導くための送風路を有している。そして、空気吸込口から空気吹出口へ向かう方向に沿って、集塵フィルタと、脱臭ユニットと、加湿ユニットと、送風機とが、この順に、配置されている。

　集塵フィルタは、ゴミおよび塵を除去する。脱臭ユニットは、吸着された臭気を分解する触媒フィルタと、この触媒フィルタを加熱する加熱部とを含む。そして、触媒フィルタが加熱部で加熱されることにより、触媒フィルタの脱臭能力が再生される。加湿ユニットは、加湿フィルタと、加湿フィルタに水を供給する貯水タンクとを含む。送風機は、ファンモータと、ファンモータの出力軸に接続されたシロッコファンとを含む。

　送風機の駆動により空気吸込口から送風路に吸い込まれた空気は、集塵フィルタと、脱臭ユニットと、加湿ユニットとを、この順に通過する。集塵フィルタは、通過する空気に含まれる塵埃を除去する。脱臭ユニットは、通過する空気に含まれる臭気成分を除去する。加湿ユニットは、通過する空気を加湿する。このようにして浄化された空気は、送風機の駆動により、空気吹出口から室内に吹き出される。

特開２０１２－３４８８７号公報

　特許文献１に記載の空気清浄機では、送風機の駆動により空気吸込口から送風路に吸込まれた空気は、脱臭および加湿された後、空気吹出口から室内に吹き出される。しかしながら、脱臭ユニットおよび加湿ユニットは、空気吸込口から送風路に吸込まれた空気を順次通過させるために、直列的に配置されている。そのため、脱臭ユニットと加湿ユニットとが大きな通風抵抗を発生する。そのため、空気清浄機は、十分な風量を確保できない。

　一方、並列的に配置された脱臭ユニットと加湿ユニットとを有する空気清浄機も知られている。この空気清浄機によれば、空気吸込口から送風路に吸込まれた空気が脱臭ユニットまたは加湿ユニットだけを通過する。これにより、通風抵抗を抑えることはできるものの、広い送風路を形成する必要がある。そのため、空気清浄機の本体筐体が大きくなることが問題である。

　本発明の目的は、以上述べた問題点を解決することにある。すなわち、脱臭と加湿とを可能にしつつ、筐体を小型化し通風抵抗を抑えることができる空気清浄機を提供することが、本発明の目的である。

　本発明の実施態様に係る空気清浄機は、空気吸込口と、空気吹出口と、空気吸込口と空気吹出口とを連通させる通風路と、脱臭フィルタを備えた脱臭ユニットと、加湿フィルタを備えた加湿ユニットとを備え、脱臭ユニットは脱臭フィルタを備え、加湿ユニットは加湿フィルタを備え、脱臭ユニットと加湿ユニットとは、通風路内で、通風方向に対して、脱臭ユニットの一部と加湿ユニットの一部とが重なり合うように、通風路に沿ってこの順に配置されている。

　本発明の空気清浄機の脱臭ユニットは、脱臭フィルタを備え、加湿ユニットは、加湿フィルタを備える。そして、脱臭ユニットと加湿ユニットとが、通風路内で、通風方向に対して、脱臭ユニットの一部と加湿ユニットの一部とが重なりあうように、通風路に沿ってこの順に配置される。そのため、脱臭と加湿とを可能にしつつ、小型の筐体で、通風抵抗を抑えることができる。

本発明の実施形態にかかる空気清浄機の外観斜視図である。 本発明の実施形態にかかる空気清浄機の上面図である。 図１におけるＸ－Ｘ断面図である。 図１におけるＹ－Ｙ断面図である。 本発明の実施形態にかかる空気清浄機の要部斜視図であり、集塵ユニットの配置説明図である。 本発明の実施形態にかかる空気清浄機の要部斜視図であり、脱臭ユニットおよび加湿ユニットの配置説明図である。 本発明の実施形態にかかる空気清浄機の要部斜視図であり、送風機の配置説明図である。

　以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。尚、本発明が以下の実施形態により制限されることはない。すなわち、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、以下の実施形態を種々変形することが可能である。

　図１および図２に示すように、本発明の一実施形態である空気清浄機１は、本体部１１、前面パネル１２およびリアパネル１４を有している。本体部１１は、合成樹脂材で成形された天面パネル１１ａ、右側面パネル１１ｂ、左側面パネル１１ｃおよび底部１１ｄを備えており、略直方体状に形成されている。前面パネル１２は、合成樹脂材の成形体であり、本体部１１の一方の面に配置されている。リアパネル１４は、合成樹脂材の成形体であり、本体部１１の他方の面に配置されている。尚、以降の説明では、必要に応じて、本体部１１の、前面パネル１２が配置されている側を本体部前面側と称するとともに、本体部１１の、リアパネル１４が配置されている側を本体部背面側と称する。

　前面パネル１２の前方には、合成樹脂材の成形体であるフロントパネル１３が配置されている。このフロントパネル１３と前面パネル１２との間に、本実施形態にかかる空気清浄機１の空気吸込口である上面吸込口１３ａ、右側面吸込口１３ｂ、および左側面吸込口１３ｃが形成される。また、本体部１１とリアパネル１４との間に、本実施形態にかかる空気清浄機１の空気吹出口である上面吹出口１４ａ、右側面吹出口１４ｂ、および左側面吹出口１４ｃが形成される。空気清浄機１では、上面吸込口１３ａ、右側面吸込口１３ｂ、および左側面吸込口１３ｃから、本体部１１に吸い込まれた空気が、上面吹出口１４ａ、右側面吹出口１４ｂ、および左側面吹出口１４ｃから、室内に吹き出される。この間に、空気の除塵、加湿および脱臭処理が行われる。
　尚、図３および図４に示すように、上面吸込口１３ａ、右側面吸込口１３ｂ、および左側面吸込口１３ｃと、上面吹出口１４ａ、右側面吹出口１４ｂ、および左側面吹出口１４ｃとを連通する、本体部１１内部の空間が、本実施形態の空気清浄機１における通風路１０となる。

　空気清浄機１の上面部には、上面吸込口１３ａの一部を覆うように、操作部１５が設けられている。操作部１５には、電源ボタンおよび運転モード切り換えボタン等の、空気清浄機１を操作するボタンが配置される。さらに、操作部１５には、表示部が配置されている。表示部は、空気清浄機１の運転状態、および、図示しない、塵埃センサ等の検出器における検出結果を表示する。

　図３に示すように、空気清浄機１の本体部１１内部の通風路１０には、空気吸込み口から空気吹出口に向かって、プレフィルタ２１、集塵ユニット２２、脱臭ユニット２３、加湿ユニット２４および送風機２５が、この順に配置されている。

　プレフィルタ２１は、例えば、糸状のＰＥＴ材を編みこむことによって形成され、網目構造を有する。プレフィルタ２１は、本体部１１内部に吸い込まれる空気に含まれる塵埃を捕集する。図４に示すように、プレフィルタ２１は、本体部前面側に向かって凸となるようなアーチ形状を有している。プレフィルタ２１がアーチ形状を有する場合、プレフィルタ２１が平坦な形状を有する場合と比べて、上面吸込口１３ａ、右側面吸込口１３ｂ、および左側面吸込口１３ｃから本体部１１の内部に吸い込まれた空気が通過する、プレフィルタ２１の面積が大きくなる。このため、プレフィルタ２１は、より多くの塵埃を捕集することができる。

　図３および図５に示すように、集塵ユニット２２は、第１電気集塵機２２ａと第２電気集塵機２２ｂとを含む。第１電気集塵機２２ａと第２電気集塵機２２ｂとは、上下方向に並べて配置されている。第１電気集塵機２２ａおよび第２電気集塵機２２ｂは、図示しない放電電極と集塵電極とを有している。第１電気集塵機２２ａおよび第２電気集塵機２２ｂは、放電電極によるコロナ放電によりプレフィルタ２１によって捕集できなかった、細かな塵埃および花粉等を帯電させ、帯電した塵埃および花粉等を集塵電極によって捕集する。第１電気集塵機２２ａおよび第２電気集塵機２２ｂは、主に、上述した放電電極、集塵電極、および、これらを保持する筐体から構成されている。このため、背景技術で説明した、プリーツ形状に形成された不織布からなる集塵フィルタに比べて、集塵ユニット２２の空気抵抗が小さい。尚、図５においては、集塵ユニット２２（第１電気集塵機２２ａおよび第２電気集塵機２２ｂ）が視認しやすいように、フロントパネル１３の描画を省略している。

　図３、図４、および図６に示すように、脱臭ユニット２３は、脱臭フィルタ２３ａと、加熱手段である加熱部２３ｆとを有する。図６に示すように、脱臭フィルタ２３ａは、例えば、波形構造あるいはハニカム構造のような多孔構造を有する円板形状の基材２３ａａを有する。波形構造は、たとえば、交互に積層された平板材、および、波形に連続屈曲した屈曲材を有する。基材２３ａａには、臭気成分を吸着して分解する触媒層２３ａｂを設けられている。図３および図４に示すように、加熱部２３ｆは、ＰＴＣヒータ２３ｂと、２枚の放熱板２３ｃと、２個の断熱材２３ｄと、２個のケース２３ｅとを含む。ＰＴＣヒータ２３ｂは、２枚の放熱板２３ｃのうちの本体部前面側に配置された放熱板２３ｃに取り付けられる。ＰＴＣヒータ２３ｂは、２枚の放熱板２３ｃを加熱する。２枚の放熱板２３ｃは、各々が略三角形状に形成された金属板である。図３および図４に示すように、２枚の放熱板２３ｃは、脱臭フィルタ２３ａの一部を覆うように配置される。２枚の放熱板２３ｃは、脱臭フィルタ２３ａの中央部に位置する箇所、および、脱臭フィルタ２３ａの外径側で接触するように構成されている。そのため、ＰＴＣヒータ２３ｂにより、本体前面側に配置された放熱板２３ｃだけではなく、本体背面側の放熱板２３ｃも加熱される。断熱材２３ｄは、ＰＴＣヒータ２３ｂおよび放熱板２３ｃを覆うように配置される。断熱材２３ｄにより、ＰＴＣヒータ２３ｂおよび放熱板２３ｃからの熱が外部に逃げることが抑制される。ケース２３ｅは、ＰＴＣヒータ２３ｂ、放熱板２３ｃ、および断熱材２３ｄを保持できる形状に形成されている。
　このように、脱臭フィルタ２３ａは多孔構造を有している。また、脱臭フィルタ２３ａの構造では、加熱部２３ｆが脱臭フィルタ２３ａの一部のみ覆っている。そのため、脱臭フィルタ２３ａの空気抵抗は小さい。

　脱臭フィルタ２３ａの脱臭能力を再生するときは、ＰＴＣヒータ２３ｂにより２枚の放熱板２３ｃが加熱される。このとき、２枚の放熱板２３ｃにより覆われた脱臭フィルタ２３ａの一部が加熱される。図示しないモータが脱臭フィルタ２３ａを回転させながら、脱臭フィルタ２３ａが加熱される。これによって、脱臭フィルタ２３ａの触媒層２３ａｂに吸着されていた臭気成分の分解が促進される。このようにして、脱臭フィルタ２３ａの脱臭能力が再生される。尚、脱臭フィルタ２３ａが回転するかわりに、放熱板２３ｃが移動することによって脱臭フィルタ２３ａが加熱されてもよい。また、脱臭ユニット２３は、上述のユニットに限られない。例えば、加熱手段（ＰＴＣヒータ２３ｂおよび放熱板２３ｃ）は、設けられなくともよい。この場合、触媒層の代わりに、活性炭のような臭気成分の吸着材が添加された基材を含む脱臭フィルタで、脱臭ユニットが構成されてもよい。そして、吸着能力が低下したときに、新しい脱臭フィルタに交換するようにしてもよい。

　図３、図４、および図６に示すように、加湿ユニット２４は、加湿フィルタ２４ａと水を貯留する貯水タンク２４ｂとを有する。加湿フィルタ２４ａは、円板形状に形成されている。加湿フィルタ２４ａは、その一部が、貯水タンク２４ｂに溜められた水に浸った状態で、回転軸により回転可能に支持されている。加湿フィルタ２４ａは、図示しないモータにより回転する。これにより、加湿フィルタ２４ａの外周に設けられた水汲み桶が、貯水タンク２４ｂから汲み上げた水で、加湿フィルタ２４ａを湿潤する。尚、加湿ユニット２４は、上記の構成を有していなくてもよい。加湿ユニット２４は、加湿フィルタ２４ａに代えて、毛細管現象によって水分を吸い上げる加湿フィルタを備えていてもよい。また、図６においては、脱臭ユニット２３および加湿ユニット２４を明示するために、フロントパネル１３、底部１１ｄ以外の、本体部１１を構成する部材、および、集塵ユニット２２等の描画を適宜省略している。

　図３、図４、および図７に示すように、送風機２５は、ターボファン２５ａとファンモータ２５ｂとを有する。ターボファン２５ａは、合成樹脂材から形成されており、ファンモータ２５ｂの出力軸に接続されている。ファンモータ２５ｂは、回転数可変型のモータである。ファンモータ２５ｂが回転することで、ターボファン２５ａも回転する。ターボファン２５ａの回転によって、空気清浄機１内部へ空気が流入するとともに、空気清浄機１内部から空気が流出する。尚、図７においては、送風機２５が視認しやすいように、フロントパネル１３および底部１１ｄ以外の本体部１１に含まれる部材、集塵ユニット２２、脱臭ユニット２３、および、加湿ユニット２４等の描画を適宜省略している。

　以上説明した構成を有する空気清浄機１では、使用者が、操作部１５を操作することによって、空気清浄機１の運転を開始すると、送風機２５が駆動するとともに、集塵ユニット２２の第１電気集塵機２２ａおよび第２電気集塵機２２ｂへの通電が開始される。さらに、加湿ユニット２４の加湿フィルタ２４ａが、回転し始める。送風機２５が駆動すると、上面吸込口１３ａ、右側面吸込口１３ｂ、および左側面吸込口１３ｃから、本体部１１内部に空気が吸い込まれる。

　本体部１１内部に吸い込まれた空気は、以下のように流れる。
（１）通風路１０内で、脱臭ユニット２３の下部と加湿ユニット２４の上部とが、前後方向に重なって配置される箇所では、プレフィルタ２１→集塵ユニット２２→脱臭ユニット２３→加湿ユニット２４の順に、空気が流れる。
（２）通風路１０内で、脱臭ユニット２３の下部と加湿ユニット２４の上部とが前後方向に重なって配置されていない箇所（すなわち、脱臭ユニット２３の下部と加湿ユニット２４の上部とが前後方向に重なって配置される箇所以外）では、プレフィルタ２１→集塵ユニット２２→脱臭ユニット２３の順に、または、プレフィルタ２１→集塵ユニット２２→加湿ユニット２４の順に、空気が流れる。
　本体部１１内部に吸い込まれた空気は、（１）または（２）のように流れたあと、上面吹出口１４ａ、右側面吹出口１４ｂ、および左側面吹出口１４ｃから、空気清浄機１が設置された室内に吹き出される。

　　上記のように、空気清浄機１内部の通風路１０を、空気が通過する際に、プレフィルタ２１および通電されている集塵ユニット２２によって、塵埃および花粉等が除去される。また、脱臭ユニット２３で臭気成分が除去されるとともに、加湿ユニット２４で通過する空気が加湿される。尚、上述したように、脱臭ユニット２３より各空気吸込口側に、集塵ユニット２２が配置されている。このため、脱臭ユニット２３に流入する空気は、塵埃および花粉等が除去された空気である。このため、塵埃および花粉等によって、脱臭ユニット２３の脱臭フィルタ２３ａが目詰まりすることがない。

　図３および図６を用いて、脱臭ユニット２３と加湿ユニット２４との配置についてさらに詳述する。図３および図６に示すように、脱臭ユニット２３と加湿ユニット２４とは、通風路１０内で、脱臭ユニット２３が備える脱臭フィルタ２３ａの一部と、加湿ユニット２４が備える加湿フィルタ２４ａの一部とが、通風方向に対して重なり合うように、通風路１０に沿ってこの順に、配置されている。具体的には、脱臭ユニット２３が通風路１０の上部に配置され、加湿ユニット２４が通風路１０の下部に配置される。このとき、脱臭フィルタ２３ａの下部と加湿フィルタ２４ａの上部とが通風方向に対して前後方向に重なり合うように、両ユニットが通風路１０内で、通風方向に沿って配置されている（図３のＡ部分）。このように、脱臭ユニット２３と加湿ユニット２４とを配置することにより、脱臭および加湿を可能にしつつ、筐体を小型化して、通風抵抗を抑えることができる。さらに、脱臭後の空気の一部を加湿フィルタ２４ａで加湿することもできる。また、脱臭ユニット２３が通風路１０の上部に、また、加湿ユニット２４が通風路１０の下部に配置される。このように配置することで、図６に示すように、脱臭ユニット２３が備える加熱部２３ｆと、加湿ユニット２４が備える貯水タンク２４ｂをお互いに離れた位置に配置することができる。そのため、加湿ユニット２４において、加湿フィルタ２４ａの回転によって貯水タンク２４ｂに溜められた水を汲み上げることにより、加湿フィルタ２４ａを湿潤させる際に、汲み上げた水が脱臭ユニット２３の加熱部２３ｆに飛散することがない。

　図６に示すように、脱臭ユニット２３は、加湿ユニット２４の風上側に配置されている。脱臭ユニット２３は、脱臭フィルタ２３ａを回転可能に保持する保持部２３ｇを有する。保持部２３ｇは、その内形が脱臭フィルタ２３ａの円板形状に沿った円筒形状に形成される。また、その外形は、矩形状に形成されている。さらに、保持部２３ｇ下部の、通風方向に対して加湿フィルタ２４ａと重なり合う部分に、本体部１１内部に吸込まれた空気を通風するための通風孔２３ｇａ（通風部）が形成されている。尚、通風部として、通風孔２３ｇａに替えて切欠きが形成されていてもよい。上述したように、加湿ユニット２４よりも風上側に脱臭ユニット２３が配置されている。そのため、加湿された水分を含んだ空気によって脱臭ユニット２３の脱臭フィルタ２３ａが目詰まりすることがない。

　なお、加湿ユニット２４は、図示しないモータの駆動を制御することにより、加湿フィルタ２４ａの湿潤状態を制御することができる。操作部１５の運転モード切り換えボタンの押下により、脱臭のみの運転モードが選択されると、図示しないモータの駆動が停止する。そのため、加湿フィルタ２４ａの回転が停止し、さらに、加湿フィルタ２４ａへの水の供給が停止することにより、空気の加湿運転が停止する。

　また、以上説明したように、本実施形態の空気清浄機１は、２台の電気集塵機からなる集塵ユニット２２と、２枚の放熱板２３ｃが脱臭フィルタ２３ａの一部のみを覆うように構成された脱臭ユニット２３と、ターボファン２５ａを有する送風機２５とを有する。そして、前述したように、集塵ユニット２２は、背景技術で説明した、プリーツ形状に形成した不織布を含む集塵フィルタに比べて、通風抵抗が小さい。また、脱臭ユニット２３も、背景技術で説明した、触媒フィルタとほぼ同面積を有するように形成された板形状加熱部を有する脱臭ユニットに比べて小さな通風抵抗を有する。

　また、集塵ユニット２２および脱臭ユニット２３の通風抵抗が小さいだけでなく、図３乃至図７に示したように、脱臭ユニット２３の一部と、加湿ユニット２４の一部とが重なり合うように、両ユニットが配置されている。このことから、空気吸込口から空気吹出口に向かって、集塵ユニット２２、脱臭ユニット２３、加湿ユニット２４および送風機２５を、この順に並べて配置した場合でも、通風抵抗が大きくならない。そのため、シロッコファンと比べて静圧が低い、つまり、同じ通風抵抗がある場合において、シロッコファンと比べて、風量は小さいものの、効率が高く、かつ、騒音が小さいターボファン２５ａを送風機２５に用いることができる。そのため、必要な集塵能力および脱臭能力を確保しつつ、騒音を抑制した空気清浄機１を実現できる。尚、ターボファン２５ａには、シロッコファンが備える渦巻きケーシングが不要である。このことから、本発明の空気清浄機を、シロッコファンより小型化および薄型化することができる。このため、空気清浄機１の筐体寸法が大きくなることをさらに防ぐことができる。そして、上記のように通風路１０に沿って順次各構成部材（集塵ユニット２２、脱臭ユニット２３、加湿ユニット２４、送風機２５）を並べて配置することによって、本体部１１における前後（奥行き）方向の寸法が長くなる。さらに、本体部１１の前面側に各空気吸込口が配置される一方、本体部１１の背面側に、各空気吹出口が配置されている。このため、図４に示す各空気吸込口と各空気吹出口との距離Ｌを大きくすることができる。これにより、各空気吹出口から室内に吹き出された空気が、すぐに、各空気吸込口から空気清浄機１内部に吸い込まれるという、いわゆる空気吸込口と空気吹出口との間のショートサーキットの発生が抑制される。

空気清浄機１では、上述したショートサーキットが発生しづらい距離Ｌを実現できる。このため、空気清浄機１は、本体部１１の前方の上端部、右側端部および左側端部の３方向から、空気清浄機１の内部に空気を吸込むための、上面吸込口１３ａ、右側面吸込口１３ｂ、および左側面吸込口１３ｃを備えることができる。さらに、空気清浄機１は、本体部１１の後方の上端部、右側端部および左側端部から、３方向へ空気を吹き出すための、上面吹出口１４ａ、右側面吹出口１４ｂ、および左側面吹出口１４ｃを備えることができる。従って、空気吸込口および空気吹出口の面積を大きくすることができる。その結果、空気清浄機１は、空気の吸い込み量および吹き出し量を十分に確保できる。さらに、空気清浄機１は、３方向からの、空気の吸い込みおよび吹き出しを行うことで、空気清浄機１が設置された室内の空気を、まんべんなく吸い込んで、集塵、加湿および脱臭することができるとともに、浄化した空気を吹き出して、室内に行き渡らせることができる。

　尚、図３の線分Ｐに示すように、ファンモータ２５ｂの中心の高さを、集塵ユニット２２の第１電気集塵機２２ａと第２電気集塵機２２ｂとの間の空間の高さに合せるように、集塵ユニット２２および送風機２５を配置することが望ましい。ファンモータ２５ｂの中心付近には、ターボファン２５ａの回転による、空気の流れが少ない。このため、本体部１１内部における、ファンモータ２５ｂの中心付近の空間では、空気の流れは少ない。一方、集塵ユニット２２のうち、第１電気集塵機２２ａと第２電気集塵機２２ｂとの間の空間は、通過する空気に対する集塵能力がない。このため、この空間の高さを、ファンモータ２５ｂの中心の高さに合わせることによって、空気の流れが多い、ターボファン２５ａの羽根が存在する空間に、第１電気集塵機２２ａと第２電気集塵機２２ｂとを配置することができる。これにより、集塵ユニット２２による除塵を、効率的に行える。

　以上説明した通り、本実施形態の空気清浄機１では、脱臭フィルタ２３ａの下部と、加湿フィルタ２４ａの上部とが通風方向に対して前後方向に重なり合うように、両ユニットが通風路１０内で、通風方向に沿って配置されている。このため、脱臭および加湿を可能にしつつ通風抵抗を抑え、かつ、空気清浄機１の筐体である本体部１１が大きくなることを避けることができる。また、脱臭ユニット２３の保持部２３ｇの下部に通風孔２３ｇａが形成されている。このため、脱臭ユニット２３の下部と加湿ユニット２４の上部とが重なり合う箇所でも通風抵抗を抑えることができる。
　また、本発明の実施形態に係る空気清浄機は、以下の第１～３の空気清浄機であってもよい。
　上記第１の空気清浄機は、筐体内に空気を吸い込む空気吸込口と、前記筐体内から外部へ空気を吹き出す空気吹出口と、前記空気吸込口と前記空気吹出口とを連通させる通風路を備える本体部とを有し、前記本体部内に、取り込んだ空気を脱臭する脱臭ユニットと、取り込んだ空気を加湿する加湿ユニットと、送風機とを備えた空気清浄機であって、前記脱臭ユニットは脱臭フィルタを備え、前記加湿ユニットは加湿フィルタを備え、通風方向に対して前記脱臭ユニットと前記加湿ユニットをお互いに一部が重なるように前記通風路に沿って順次配置することを特徴とする。
　上記第２の空気清浄機は、前記脱臭ユニットを前記加湿ユニットの風上側に配置し、前記脱臭ユニットは前記脱臭フィルタを保持する保持部を備え、前記保持部は、前記通風方向に対して前記加湿フィルタと一部が重なる位置に、取り込んだ空気を通風する通風部を形成することを特徴とする、上記第１の空気清浄機である。
　上記第３の空気清浄機は、前記脱臭ユニットは前記通風路の上部に沿って配置され、前記加湿ユニットは前記通風路の下部に沿って配置されており、前記通風方向に対して前記脱臭フィルタの下部と前記加湿フィルタの上部とが重なるように前記通風路に沿って順次配置することを特徴とする上記第１または第２の空気清浄機である。

　１　空気清浄機
　１０　通風路
　１１　本体部
　１２　前面パネル
　１３　フロントパネル
　１３ａ　上面吸込口
　１３ｂ　右側面吸込口
　１３ｃ　左側面吸込口
　１４　リアパネル
　１４ａ　上面吹出口
　１４ｂ　右側面吹出口
　１４ｃ　左側面吹出口
　１５　操作部
　２１　プレフィルタ
　２２　集塵ユニット
　２２ａ　第１電気集塵機
　２２ｂ　第２電気集塵機
　２３　脱臭ユニット
　２３ａ　脱臭フィルタ
　２３ａａ　基材
　２３ａｂ　触媒層
　２３ｂ　ＰＴＣヒータ
　２３ｃ　放熱板
　２３ｆ　加熱部
　２３ｇ　保持部
　２３ｇａ　通風孔（通風部）
　２４　加湿ユニット
　２４ａ　加湿フィルタ
　２４ｂ　貯水タンク
　２５　送風機
　２５ａ　ターボファン
　２５ｂ　ファンモータ

Claims (3)

1. 　空気吸込口と、空気吹出口と、前記空気吸込口と前記空気吹出口とを連通する通風路と、脱臭フィルタを備えた脱臭ユニットと、加湿フィルタを備えた加湿ユニットとを備え、
   　前記脱臭ユニットと前記加湿ユニットとは、前記通風路内で、通風方向に対して、前記脱臭ユニットの一部と前記加湿ユニットの一部とが重なり合うように、前記通風路に沿ってこの順に配置されている、空気清浄機。
2. 　前記脱臭ユニットは、前記加湿ユニットの風上側に配置され、
   　前記脱臭ユニットは、前記脱臭フィルタを保持する保持部を備え、
   　前記保持部のうちの、前記通風方向に沿って、前記加湿フィルタと重なり合う部分に形成されている通風部を有する請求項１に記載の空気清浄機。
3. 　前記脱臭ユニットは、前記通風路の上部に沿って配置され、前記加湿ユニットは前記通風路の下部に沿って配置され、さらに、前記脱臭フィルタの下部と前記加湿フィルタの上部とが重なり合うように、前記脱臭ユニットと、前記加湿ユニットとが、配置されている請求項１または請求項２に記載の空気清浄機。

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