WO2016024490A1 - 充電装置 - Google Patents
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Abstract
満充電等の充電状態を正確に検出でき、過充電の防止が簡単な構成で行える充電装置を提供する。交流電源(1)の交流を整流して脈流とする整流回路(2)と、充電対象機器(3)の充電端子に接続する出力端子(5)を有し前記整流回路(2)で整流された前記脈流を、電圧の平滑化を行うことなく出力する出力回路(6)とを設ける。充電対象機器(3)のバッテリー(4)の端子電圧を監視し前記脈流により生じる前記端子電圧のリップル電圧の変動幅によって充電程度を検出する充電程度検出手段(7)を設ける。
Description
本出願は、2014年8月11日出願の特願2014-163353の優先権を主張するものであり、その全体を参照により本願の一部をなすものとして引用する。
この発明は、電気自動車や、スマートフォン、充電式乾電池、DIY電動工具等の充電式バッテリーを備える種々の充電対象機器への急速充電等に適用される充電装置に関する。
従来、バッテリーの充電には、整流されかつ平滑化された直流電源を使用し、バッテリーの端子電圧を確認することでバッテリーの満充電等の蓄電状態を確認している。一方、研究・実験用途に設計されて、バッテリーの内部抵抗などの非常に小さい抵抗値を計測する機器として、交流4端子法を用いたバッテリテスタ・内部抵抗計測器が市販されている(非特許文献1)。
交流4端子法バッテリテスタ・内部抵抗計測器(東京デバイセズIW7807)、東京デバイセズ、http://tokyodevices.jp/categories/battery-testers (2014年6月13日検索)
従来のバッテリーの端子電圧により蓄電状態を確認する方法では正確な蓄電状態を把握することが困難であり、そのため、特に急速充電時に過充電を起こし、バッテリーの寿命を短くするという課題がある。そこで、本発明者は、バッテリーの内部抵抗と充電程度との増減が連動する関係にある、例えば比例する関係にあることに着眼し、内部抵抗を検出して充電程度を検出することを考えた。バッテリーの内部抵抗は、内部抵抗計測器を用いれば、精度良く検出することができる。しかし、従来の内部抵抗計測器は、上記の研究・実験用途向けの機器であって、高価であり、一般用途に用いることが困難であるうえ、端子の当て方による抵抗値の変動等で測定値が変動し、一般の者が正確に測定することが難しい。
この発明は、上記課題を解消するものであり、満充電等の充電状態を正確に検出でき、過充電の防止が簡単な構成で行える充電装置を提供することを目的とする。
この発明の充電装置は、交流電源の交流を整流して脈流とする整流回路と、充電対象機器の充電端子に接続する出力端子を有し前記整流回路で整流された前記脈流を、電圧の平滑化を行うことなく出力する出力回路と、前記充電対象機器のバッテリーの端子電圧を監視し前記脈流により生じる前記端子電圧のリップル電圧の変動幅によって充電程度を検出する充電程度検出手段とを備える。前記充電程度検出手段は、前記出力回路の出力端子間に接続されたものであっても良い。なお、この明細書,請求項で言う「脈流」は、電圧の大きさは周期的または非周期的に変動するが極性は同じで変動しない電流を言う。「リップル電圧」は、直流成分に重畳されて該直流値の周辺で値が周期的に変動する電圧を言う。
この構成の充電装置は、バッテリーの内部抵抗と充電状態とが比例する関係にあることに着眼し、内部抵抗を測定することで充電状態を検出するものであり、内部抵抗を正確かつ簡易に測定できるように、整流後に電圧の平滑化を行っていない脈流の状態で充電を行うようにした。平滑化されていない脈流で充電すると、バッテリーの端子電圧にリップル電圧が生じる。このリップル電圧の変動幅、つまり振幅は、バッテリーの内部抵抗に比例する。また、バッテリーの内部抵抗は充電が進むに従って小さくなる。そのため、前記充電程度検出手段によりバッテリーの端子電圧の変動幅を測定することにより、バッテリーの充電の程度を正確に検出することができる。これにより、満充電を精度良く検出し、急速充電等における過充電や満充電を回避し、バッテリーの寿命低下を防止することができる。なお、脈流で充電するが、電圧変動があっても、過充電の場合のようなバッテリーの寿命低下は生じない。このように、整流後に平滑化を行わない出力回路とバッテリーのリップル電圧の変動幅を監視する充電程度検出手段とを設けるだけの簡単な構成で、満充電等の充電状態を正確に検出でき、過充電の防止が行え、バッテリーの長寿命化が達成できる。
この発明の充電装置において、前記充電程度検出手段は、前記端子電圧の変動幅が設定変動幅以下になると充電完了と判定するようにしても良い。端子電圧の変動幅とバッテリーの充電程度とは比例するため、充電完了とする設定変動幅を適宜設定しておき、端子電圧の変動幅が設定変動幅以下になると充電完了と判定することで、充電完了が簡単かつ正確に検出できる。前記設定変動幅は、満充電になるときのリップル電圧の変動幅とすれば良いが、必ずしも満充電に対応する値とせず、残充電可能量に余裕を持たせた値としても良い。例えば、電気自動車のバッテリーでは残充電可能量に余裕を持たせておくことで、回生ブレーキの使用の余地(例えば、回生電流による充電)が得られる。
この発明において、前記充電程度検出手段が前記充電程度の検出結果に従って充電完了と判定すると、充電を停止する充電停止手段を設けても良い。充電対象機器がスマートフォン等である場合、充電対象機器を充電装置に接続したままに放置する場合が多いが、前記充電停止手段を設けることで、過充電を防止でき、バッテリーの長寿命化が得られる。
この発明において、充電電圧を変換する電圧変換回路を設けても良い。前記交流電源の電圧とバッテリーの電圧は大きく異なる場合があるため、電圧変換回路を設けて充電に適した電圧に変換したうえでバッテリーに充電を行うようにすることで、良好に充電で行える。この場合に、この充電装置では脈流で充電を行うため、充電端子に印加する充電電圧は、通常の平滑化された直流で充電する場合の充電電圧よりも高く設定しておくことが好ましい。これにより、脈流で充電することで生じる、直流による充電の場合に対する充電時間の長時間化が回避できる。
請求の範囲および/または明細書および/または図面に開示された少なくとも2つの構成のどのような組合せも、この発明に含まれる。特に、請求の範囲の各請求項の2つ以上のどのような組合せも、この発明に含まれる。
この発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施形態の説明から、より明瞭に理解されるであろう。しかしながら、実施形態および図面は単なる図示および説明のためのものであり、この発明の範囲を定めるために利用されるべきものではない。この発明の範囲は添付の請求の範囲によって定まる。添付図面において、複数の図面における同一の符号は、同一または相当する部分を示す。
この発明の第1の実施形態を図1と共に説明する。この充電装置は、交流電源1の交流を整流して脈流とする整流回路2と、充電対象機器3の充電端子に接続する出力端子5を有し前記整流回路2で整流された前記脈流を、電圧の平滑化を行うことなく出力する出力回路6と、前記充電対象機器3のバッテリー4の端子電圧を監視し前記脈流により生じる前記端子電圧のリップル電圧の変動幅によって充電程度を検出する充電程度検出手段7とを備える。さらに、この受電装置は、充電停止手段11および充電程度報知手段13を備える。
前記交流電源1は、例えば100Vまたは200Vの単相の交流商用電源であり、整流回路2の上流側に、前記交流電源1の配線におけるコンセント(図示せず)に差し込むプラグ等の入力端子8が設けられている。整流回路2は、全波整流回路であり、半導体スイッチング素子2aのブリッジ回路等で構成される。整流回路2は、半波整流回路であっても良い。
充電対象機器3は、充電可能なバッテリー4を備える機器であれば何でも良く、例えば、電気自動車、スマートフォン、パソコン、DIY電動工具、充電式乾電池の充電用ソケット等である。
出力回路6は、入力された前記脈流を前記出力端子5に印加する構成であれば良いが、図示の例では出力端子5,5と整流回路2との間に電流制限用の抵抗9を設けると共に、正負の出力端子5,5と並列にバッテリーの直流電圧を通さない目的でコンデンサ10を接続している。また、出力回路6における出力端子5の手前に、逆流防止用のダイオード(図示せず)を設けてもよい。
充電程度検出手段7は、この例では、出力回路6の正負の端子5,5間に接続した電圧計からなる電圧検出部7aと、判定部7bとからなる。判定部7bは、電圧検出部7aで検出される前記端子電圧の変動幅によって充電程度を検出する手段であり、本実施形態では、前記端子電圧の変動幅が設定変動幅以下または設定変動幅未満になると充電完了と判定する手段である。前記設定変動幅は、満充電になるときのリップル電圧の変動幅とすれば良いが、必ずしも満充電に対応する値とせず、残充電可能量に余裕を持たせた値としても良い。例えば、電気自動車のバッテリーでは残充電可能量に余裕を持たせておくことで、回生ブレーキによる充電の余地が得られる。前記設定変動幅は、充電対象のバッテリー4の種類等に応じて設定されるが、複数種類のバッテリー4に対応できるようにモードスイッチ(図示せず)等で切換可能とされても良い。
具体的には、電圧検出部7aは、例えばオペアンプ、フィルター、およびロジック回路等から構成されるデジタル電圧計であり、前記端子電圧を監視して検出し、当該検出した電圧値を所与の信号形式で出力する。また、判定部7bは、ソフトウエアやハードウエアで実現されたLUT(Look Up Table)、またはソフトウエアのライブラリ(Library)に収められた所定の変換関数または比較関数やそれに等価のハードウエア等を用いて、前記端子電圧の変動幅、および前記設定変動幅の入力を受けて、前記端子電圧の変動幅と前記設定変動幅との比較結果としてのフラグ、すなわち前記充電完了の判定信号を出力しうるハードウエア回路またはソフトウエア関数で構成されている。なお、ソフトウエアは、ROM(Read Only Memory)に格納され、プロセッサが、読みだして処理および実行し、例えば外部への電気信号をドライブする。
充電停止手段11は、充電程度検出手段7が充電完了と判定すると充電を停止する手段であり、例えば、出力回路6に設けた開閉スイッチ12を開くことで充電を停止する。開閉スイッチ12は、半導体スイッチング素子であっても、リレー等の有接点のスイッチであっても良い。充電停止手段11は、例えば、充電程度検出手段7の充電完了との判定信号の入力を受けて、開閉スイッチ12を開閉させる信号を出力するドライブ回路を含むハードウエア回路である。
充電程度報知手段13は、充電程度検出手段7により検出された充電の程度を人に知らせる手段であり、液晶パネルまたは報知ランプ等からなる。充電程度報知手段13は、充電の程度を、ランプのオン、オフ、点滅で段階的に知らせる構成であっても、またパーセント表示や指針、グラフ等で液晶画面のようなスクリーンに表示する構成であっても良い。
上記構成の充電装置によると、出力回路6は、整流回路2で全波整流された後に平滑化されていない脈流aでバッテリー4を充電する。このため、バッテリー4の端子電圧に充電電圧である脈流aに対応するリップル電圧(図中に波形bで示す電圧)が生じる。このリップル電圧bの変動幅、つまり振幅は、バッテリー4の内部抵抗rに比例する。また、バッテリー4の内部抵抗rは充電が進むに従って小さくなる。そのため、充電が進むに従って、リップル電圧b(の振幅)が、図中に符号「b′」で示す波形のように小さくなり、充電程度検出手段7によりバッテリー4の端子電圧の変動幅を測定することによって、バッテリー4の充電の程度を正確に検出することができる。
充電程度検出手段7により検出した充電の程度は、充電程度報知手段13により段階的に、またはパーセント表示等で表示する。充電程度検出手段7により、リップル電圧bの変動幅が設定変動幅以下になると、充電程度検出手段7は充電完了と判定し、この判定に応答して充電停止手段11は開閉スイッチ12を開き、充電を停止する。
スマートフォン等の多くの充電対象機器3は、充電装置に接続したままに放置する場合が多いが、前記充電停止手段11を設けることで、特に人による操作を必要とせずに、過充電を防止し、バッテリー4の寿命低下を回避できる。
このように、この構成の充電装置によると、整流後に平滑化を行わず脈流を出力する出力回路6とバッテリー4のリップル電圧の変動幅を監視する充電程度検出手段7とを設けると言う簡単な構成で、満充電等の充電状態を正確に検出でき、過充電の防止が行え、バッテリーの長寿命化が達成できる。
図2は、この発明の他の実施形態を示す。この例では、第1の実施形態の図1に対して、充電電圧を変換する電圧変換回路14が設けられたものである。電圧変換回路14は、レギュレータや半導体素子等からなるハードウエア回路である。電圧変換回路14は、図示の例では整流回路2の後段となる出力回路6内に設けられているが、整流回路2の前段に設けられても良い。その他の事項は第1の実施形態と同様である。
前記交流電源1の電圧とバッテリー4の電圧は大きく異なる場合があるため、電圧変換回路14を設けて、入力側の整流回路の出力電圧に対してバッテリー4が接続されている出力側の充電電圧を変換することで、充電に適した電圧に変換したうえで充電を行うようにすることで、良好に充電が行える。この場合に、この充電装置では脈流で充電を行うため、バッテリー4の充電端子に印加する充電電圧は、通常の平滑化された直流で充電する場合の充電電圧よりも高く設定しておくことが好ましい。これにより、脈流で充電することで生じる、直流による充電の場合に対する充電時間の長時間化が回避できる。
図3は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この例では、第1の実施形態の図1に対して、力率変換手段15が設けられたものである。力率変換手段15は、充電する脈流の電流がサイン波ではなく矩形波となるように、波形変換する回路からなる。力率変換手段15は、例えば、キャパシター、インダクター、チョッパー回路、およびフィルター回路等が使用され、出力電圧をフィードバックしながら波形変換を行う。力率変換手段15は、図示の例では出力回路6の一部として設けられている。力率変換手段15は、上記のように入力側と出力側とで電圧を変換する電圧変換手段(図示せず)を内蔵していても良い。その他は第1の実施形態と同様である。
充電する脈流の電圧は、電流との関係で電力が変化する。そのため、電流の脈流がサイン波であると十分な電力を得ることが難しいが、電流を矩形波とすることで、力率を改善することができるので、脈流で充電しながら、平滑化された電圧の場合と比べて電力の低下を抑えることができる。
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施形態を説明したが、当業者であれば、本件明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる発明の範囲内のものと解釈される。
1…交流電源
2…整流回路
3…充電対象機器
4…バッテリー
5…出力端子
6…出力回路
7…充電程度検出手段
11…充電停止手段
13…充電程度報知手段
14…電圧変換回路
15…力率改善手段
2…整流回路
3…充電対象機器
4…バッテリー
5…出力端子
6…出力回路
7…充電程度検出手段
11…充電停止手段
13…充電程度報知手段
14…電圧変換回路
15…力率改善手段
Claims (4)
- 交流電源の交流を整流して脈流とする整流回路と、充電対象機器の充電端子に接続する出力端子を有し前記整流回路で整流された前記脈流を、電圧の平滑化を行うことなく出力する出力回路と、前記充電対象機器のバッテリーの端子電圧を監視し前記脈流により生じる前記端子電圧のリップル電圧の変動幅によって充電程度を検出する充電程度検出手段とを備える充電装置。
- 請求項1に記載の充電装置において、前記充電程度検出手段は、前記端子電圧の変動幅が設定変動幅以下になると充電完了と判定する充電装置。
- 請求項1または請求項2に記載の充電装置において、前記充電程度検出手段が前記充電程度の検出結果に従って充電完了と判定すると、充電を停止する充電停止手段を設けた充電装置。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の充電装置において、充電する電圧を変換する電圧変換回路を設けた充電装置。
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