WO2016016971A1 - ファスナーストリンガー、スライドファスナー、及びスライドファスナー付き物品 - Google Patents

ファスナーストリンガー、スライドファスナー、及びスライドファスナー付き物品 Download PDF

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Abstract

 本発明のファスナーストリンガー(1,2,3)は、噛合頭部(12,62)、上下脚部(14,64)、及び連結部(15,65,66)を備える連続状のファスナーエレメント(10,60)と、テープ状のエレメント支持部材(20,30)とを有し、エレメント支持部材(20,30)は、折曲部(21,31)と、上脚部(13,63)が縫着される上脚支持片部(22,32)と、下脚部(14,64)が縫着される下脚支持片部(23,33)とを有する。このようなファスナーストリンガー(1,2,3)を用いてスライドファスナー(5,5a,6,7)が形成されることにより、ファスナー被着部材(8,9)の厚さに応じた数種類のスライダーを用意する必要がない。また、ファスナーエレメント(10,60)がスライダー(40)のエレメント案内路内でがたつくことを防止し、スライダー(40)の摺動操作を軽快に安定して行うことができる。

Description

ファスナーストリンガー、スライドファスナー、及びスライドファスナー付き物品
 本発明は、連続状の複数のファスナーエレメントがエレメント支持部材に縫着されたファスナーストリンガー、そのファスナーストリンガーを有するスライドファスナー、及び、そのスライドファスナーを有するスライドファスナー付き物品に関する。
 スライドファスナーは、衣料品、日用雑貨品、産業用資材などの物品や、自動車、列車、航空機等の各種シート類などの物品の開閉具として多く使用されている。各種の物品の開閉部に使用されるスライドファスナーは、一般に、ファスナーテープのテープ側縁部にエレメント列が形成された一対のファスナーストリンガーと、エレメント列に沿って摺動可能に配されたスライダーとを有する。
 また、ファスナーストリンガーの代表的な例の一つとして、例えば熱可塑性樹脂製のモノフィラメントがコイル状又はジグザグ状に成形され、複数の噛合頭部が一続きに連結された連続状のファスナーエレメントを有するファスナーストリンガーが知られている。このファスナーストリンガーでは、連続したファスナーエレメントが、ファスナーテープの一側縁部(エレメント取付部)に縫製糸によって縫い付け固定されることにより、エレメント列が形成されている。
 例えばモノフィラメントがジグザグ状に成形される連続状のファスナーエレメントは、一般に、ファスナー厚さ方向に沿って配される噛合頭部と、噛合頭部の上下両端部からファスナー幅方向に延出する上脚部及び下脚部と、ファスナー長さ方向に隣接する上脚部の端部同士及び下脚部の端部同士を交互に連結する連結部とを有する。
 このようなジグザグ状に連続するファスナーエレメントでは、その連結部側からファスナーテープを上脚部及び下脚部間に挿入するとともに、上脚部及び下脚部をファスナーテープに縫製糸により一緒に縫い付け固定することによって、ファスナーストリンガーが形成される。
 そして、上述のようにして得られるファスナーストリンガーを2つ一組で組み合わせて、更に、ファスナーストリンガーの連続状のファスナーエレメントにより形成されるエレメント列にスライドファスナーが取り付けられることにより、スライドファスナーが製造される。また、このスライドファスナーは、各ファスナーストリンガーのファスナーテープが、衣服等のファスナー被着物に縫い付けられることにより、そのファスナー被着物に取り付けられる。
 一方、特公昭36-3037号公報(特許文献1)には、図16及び図17に示すような、モノフィラメント81がジグザグ状に成形された連続状のファスナーエレメント85を有するファスナーストリンガー80が記載されている。
 この特許文献1のファスナーストリンガー80は、モノフィラメント81を左右の反転部82で折り返すように屈曲させて略S字状に成形するとともに、その成形したモノフィラメント81における左右の反転部82の内側部分を、別々に形成された2つの支持部材83にそれぞれ第1縫製糸84によって縫い付け固定する。
 続いて、支持部材83に縫い付け固定された略S字状のモノフィラメント81は、左右の反転部82間に配される直線部分を、2つの支持部材83同士が互いに近づくようにU字状に折り曲げるとともに、その直線部分の中央部を押し潰してファスナー長さ方向に膨出する膨出部86を形成する。
 これにより、連続状のファスナーエレメント85が作製される。更に、ファスナーエレメント85を固定している支持部材83を、ファスナーテープ88に、第2縫製糸87によって縫い付け固定することによって、図17に示したファスナーストリンガー80が得られる。
 特許文献1においては、図17に示したようなファスナーストリンガー80により、スライドファスナーを比較的長く使用するときには個々のファスナーエレメント85の均等な間隔が相互に確保され、また、個々のファスナーエレメント85を形成する部分が僅かの自由長さを持つようにすることが達成できると説明されている。
特公昭36-3037号公報
 近年、各種物品、特に衣料品などの衣類、鞄類、及び靴類などの日用品においては、これに取り付けられるスライドファスナーもデザインの一つの要素として扱われるようになってきており、スライドファスナーを含めた物品全体の外観品質を高めることが求められている。さらに、従来は、ファスナー被着部材である物品に対して、スライドファスナーを直線状に取り付けることが一般的であったが、近年、物品の利便性やデザインなどの観点から、スライドファスナーを例えば湾曲状などに曲げた状態で、ファスナー被着部材に取り付けることもある。
 この点、上述の特許文献1に記載されているファスナーストリンガー80を有するような従来のスライドファスナーでは、連続状のファスナーエレメントが固定されたファスナーテープを、ファスナー被着部材(例えば、衣料品など)の開閉部に縫い付けて固定することによって用いられている。このため、ミシンによりスライドファスナーとファスナー被着部材との縫製を円滑に行うためは、ファスナーテープにおいてファスナーエレメントよりもテープ幅方向の外側に露呈するテープ主体部の幅寸法を縫い代としてある程度広く確保する必要があった。
 しかし、スライドファスナーをファスナー被着部材に対して例えば湾曲状などに曲げた状態で取り付ける場合には、スライドファスナーの外周部に当たるテープ主体部が部分的に大きく浮き上がったり、沈み込んだりすることや、また、湾曲状に曲げたスライドファスナーの内周側のファスナーテープに波打ち状の大きな皺が発生することがある。
 このため、ミシンによるファスナー被着部材への縫製が行いに難くなり、また、スライドファスナーが取り付けられた物品においても、ファスナーテープの浮き上がりや沈み込み、又は波打ち状の皺が発生していると、物品の見栄え(外観品質)を低減させるという問題があった。
 また、このような問題を解消するために、例えばファスナーテープを用いずに、例えばファスナー被着部材となる衣服などの生地に連続状のファスナーエレメントを直接縫い付けることが考えられる。この場合、連続状のファスナーエレメントを生地に縫い付ける作業が、例えばその製品(衣服)などを製造するメーカー側で行われることとなるが、このようなメーカー側では、連続状のファスナーエレメントの縫い付けを行う際に、生地に対するファスナーエレメントの位置合わせを適切に行うことや、各ファスナーエレメント間の間隔(取り付けピッチ)を一定の大きさに安定して保持することが難しい。
 また、生地の側縁部(被着縁部)にファスナーエレメントを直接縫い付ける場合に、例えば、その生地の側縁部の端面がむき出しの状態でファスナーエレメントが縫い付けられると、スライドファスナーの開閉操作が繰り返し行われるうちに生地の側縁部にほつれが生じ、左右のファスナーエレメントの噛み合わせやスライダーの摺動性に悪影響を与えるという問題もあった。
 更に、近年のようにスライドファスナーが取り付けられる衣服等の物品は多品種少量生産が行われるようになってきている。これに伴い、生地も様々な厚さのものが用いられるようになってきているが、例えば生地の側縁部にファスナーエレメントを直接縫い付ける場合に、物品の用途やデザインなどによって生地の厚さが厚くなると、その生地に縫い付けられるファスナーエレメントの厚さ寸法も大きくなる。
 このため、スライダーの摺動時にファスナーエレメントがスライダーの上下翼板と圧接するようになってスライダーの摺動抵抗が大きくなり、スライダーの摺動操作が軽快に行えなくなるという不具合が生じる。つまりは、スライダーの摺動性が低下することになる。また、スライダーとの摩擦により、ファスナーエレメントを生地に縫い付けている縫製糸が切れ易くなるという不具合が生じる。
 このような問題を解消するために、例えば上下翼板間の間隔を比較的大きく設定した1種類のスライダーを用意することや、上翼板と下翼板との間隔が異なる複数種類のスライダーを用意することが考えられる。
 しかし、前者の場合では、例えば厚さが薄い生地に連続状のファスナーエレメントが直接縫い付けられてスライドファスナーが形成されたときに、スライダーの摺動時にスライダーのエレメント案内路内でファスナーエレメントががたつき易くなり、スライダーの摺動性を低下させることやファスナーエレメントの噛み合わせを悪くするというデメリットが生じる。また一方、後者の場合では生地の厚さに応じた複数種類のスライダーを用意する必要があるため、コストへの負担が大きくなり、経済的でないというデメリットが生じる。
 本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであって、その具体的な目的は、スライドファスナーの軽量化やコスト削減を図り、湾曲状などに曲げた状態でも見栄え良く取り付けることが可能であると共に、被着部材(生地)の厚さに関わらず1種類のスライダーで対応可能で、且つ、スライダーの円滑な摺動を確保することが可能なファスナーストリンガー、そのファスナーストリンガーを有するスライドファスナー、及び、そのスライドファスナーを有するスライドファスナー付き物品を提供することにある。
 上記目的を達成するために、本発明により提供されるファスナーストリンガーは、基本的な構成として、エレメント列を有するファスナーストリンガーにおいて、前記エレメント列を形成する連続状の複数のファスナーエレメントと、前記エレメント列に沿って配され、前記ファスナーエレメントが縫着されるテープ状のエレメント支持部材とを有し、前記ファスナーエレメントは、噛合頭部と、前記噛合頭部から前記エレメント支持部材を間に挟んでファスナー幅方向に延出する上脚部及び下脚部と、ファスナー長さ方向に隣接する前記上脚部同士及び前記下脚部同士を交互に又は連続して連結する連結部とを備え、前記エレメント支持部材は、前記上脚部及び下脚部間で折り曲げられる折曲部と、前記折曲部の一端から前記上脚部に沿って延びるとともに前記上脚部が縫着される上脚支持片部と、前記折曲部の他端から前記下脚部に沿って延びるとともに前記下脚部が縫着される下脚支持片部とを有してなることを最も主要な特徴とするものである。
 本発明に係るファスナーストリンガーにおいて、前記上脚支持片部及び下脚支持片部は、ファスナー幅方向において、前記ファスナーエレメントの前記上脚部及び前記下脚部の形成領域内に配されていることが好ましい。また、前記エレメント支持部材は、前記上脚支持片部及び前記下脚支持片部からファスナー幅方向に前記上脚部及び下脚部を超えて延出する延出部を有していても良い。
 本発明のファスナーストリンガーにおいて、前記上脚支持片部に、前記上脚部が第1の一次縫製糸により縫着されるとともに、前記上脚支持片部は、前記第1の一次縫製糸による前記上脚部の縫着箇所の両側に前記上脚部に沿って延びており、前記下脚支持片部に、前記下脚部が第2の一次縫製糸により縫着されるとともに、前記下脚支持片部は、前記第2の一次縫製糸による前記下脚部の縫着箇所の両側に前記下脚部に沿って延びていることが好ましい。
 更に本発明のファスナーストリンガーにおいて、前記ファスナーエレメントは、ジグザグ状に成形されたモノフィラメントからなり、前記上脚部と前記下脚部とは、前記上脚部及び前記下脚部間の間隔が、前記噛合頭部側から前記連結部側の端部に向けて漸増するように、ファスナー厚さ方向に直交する面に対して傾斜していることが好ましい。
 また、前記ファスナーエレメントの前記連結部は、ファスナー長さ方向に沿って配される第1及び第2連結紐部を有し、前記第1及び第2連結紐部は、各ファスナーエレメントの前記上脚部間、及び前記下脚部間をそれぞれ連結していても良い。
 更に本発明において、前記エレメント支持部材は、織組織を備えるテープ部材、経編組織を備えるテープ部材、不織布により構成されるテープ部材、又は合成樹脂製のフィルム部材により形成されていることが好ましい。
 次に、本発明により提供されるスライドファスナーは、上述した構成を有する前記ファスナーストリンガーと、前記ファスナーストリンガーの前記エレメント列に取着されるスライダーとを有するスライドファスナーにおいて、前記ファスナーストリンガーは、ファスナー被着部材の被着縁部を前記エレメント支持部材の前記上脚支持片部と前記下脚支持片部とで挟み込んで、当該被着縁部に固定されてなることを主要な特徴とするものである。
 また、本発明のスライドファスナーにおいて、前記ファスナーストリンガーは、前記ファスナー被着部材の前記被着縁部に二次縫製糸により固定され、前記二次縫製糸は、前記上脚支持片部に前記上脚部を縫着する第1の一次縫製糸、及び前記下脚支持片部に前記下脚部を縫着する第2の一次縫製糸とは、別の糸により形成されていることが好ましい。
 更に、本発明によれば、上述した構成を有するスライドファスナーが、前記ファスナー被着部材の前記被着縁部に配されてなることを主要な特徴とするスライドファスナー付き物品が提供される。
 本発明により提供されるファスナーストリンガーは、噛合頭部、上脚部、下脚部、及び連結部を備える連続状の複数のファスナーエレメントと、上脚部と下脚部の間に半分に折り曲げられた状態でファスナー長さ方向に沿って配されるテープ状のエレメント支持部材とを有する。
 また、エレメント支持部材は、ファスナーエレメントの上脚部及び下脚部間で噛合頭部側に向けて略U字状に折り曲げられる折曲部と、折曲部の一端から上脚部に沿って延びるとともに上脚部が縫着される上脚支持片部と、折曲部の他端から下脚部に沿って延びるとともに下脚部が縫着される下脚支持片部とを有する。この場合、エレメント支持部材は、ファスナー長さ方向に伸縮し難い難伸縮性の構造を備えていることが好ましい。
 このような本発明におけるファスナーストリンガーでは、エレメント支持部材にファスナーエレメントの上脚部及び下脚部が縫着されているため、各ファスナーエレメント間の間隔(取り付けピッチ)をエレメント固定部材によって一定の大きさに安定して保持することができる。
 また、本発明のエレメント支持部材は、従来の所謂ファスナーテープのようにファスナーエレメントよりも外側に露呈する部分を縫い代として広く確保する必要がないため、スライドファスナーの軽量化やコスト削減を実現することができる。なお、本発明では、エレメント支持部材が、ファスナーエレメントよりも外側に露呈する部分を有することも可能であり、そのエレメント支持部材のファスナーエレメントよりも外側に露呈する部分を、従来のファスナーテープにおける縫い代としての役割とは異なる目的(例えば後述するように、スライダーのフランジ部からファスナー被着部材を保護する目的など)で使用することも可能となる。
 更に本発明のファスナーストリンガーでは、エレメント支持部材がファスナーエレメントよりも外側に露呈する部分を広く確保する必要がないため、例えばファスナーストリンガーをファスナー被着部材に対し湾曲状などに曲げた状態で安定して取り付けることが可能となる。また、ファスナーストリンガーを曲げた状態でファスナー被着部材に取り付けても、エレメント支持部材に浮き上がりや沈み込み、又は波打ち状の皺等が発生し難いため、スライドファスナー付き物品の見栄え(外観品質)を向上させることができる。
 更に、本発明のファスナーストリンガーでは、エレメント支持部材の上脚支持片部と下脚支持片部との間に、ファスナー被着部材の被着縁部(側縁部)が挟み込まれて収容される収容部が設けられる。これにより、本発明のファスナーストリンガーをファスナー被着部材の被着縁部に、当該被着縁部が上脚支持片部及び下脚支持片部間の収容部に挟み込まれるようにして縫着するときに、その被着縁部が噛合頭部に近付き過ぎないように被着縁部の位置をエレメント支持部材で規制することができ、それによって、ファスナー被着部材の被着縁部に対するファスナーエレメントの位置合わせを適切に行うことが可能となり、ファスナーストリンガーを、ファスナー被着部材の所定の位置に安定して取り付けることができる。
 また、本発明のファスナーストリンガーをファスナー被着部材の被着縁部に取り付けたときに、ファスナー被着部材の被着縁部の側端面が、エレメント支持部材の折曲部で包み込むように保護される。それにより、その後にファスナーストリンガーのエレメント列にスライダーが取り付けられてスライドファスナーが形成されたときに、スライダーを摺動させてスライドファスナーの開閉操作が繰り返し行われても、折曲部で保護されている被着縁部の側端面にほつれを生じさせ難くすることができるため、ほつれに起因する従来の種々の不具合を解消することができる。
 更に、本発明のファスナーストリンガーは、当該ファスナーストリンガーのファスナー被着部材を収容する収容部の厚さ寸法を、ファスナー被着部材の被着縁部の厚さに応じて、ファスナーエレメントが噛合頭部を中心に弾性変形することにより増減させることが可能に形成されている。これにより、ファスナー被着部材の被着縁部の厚さに応じてファスナーエレメントの上脚部及び下脚部間の間隔は変化することはあるものの、同ファスナーエレメントの噛合頭部における上下方向の寸法(高さ寸法)を、ファスナー被着部材の被着縁部の厚さに関わらず、所定の範囲内の大きさに安定して維持することが可能となる。
 そして、このようにファスナー被着部材の被着縁部の厚さが薄くても又は厚くても、ファスナーエレメントの噛合頭部の高さが安定することにより、例えば本発明のファスナーストリンガーのエレメント列に、後述するような上ランド部及び下ランド部を有するような1種類のスライダーが摺動可能に取り付けられたときに、スライダーの上ランド部及び下ランド部間で噛合頭部を安定してガイドできるとともに、そのガイドによって、スライダーの摺動時におけるがたつきを生じ難くすることができる。
 その上、スライダーが摺動時にファスナーエレメントの噛合頭部をガイドすることにより、ファスナーエレメントの上脚部及び下脚部を、従来の一般的なスライドファスナーのように、スライダーの上翼板及び下翼板に摺接させなくても良いため、例えばファスナーエレメントの上脚部及び下脚部間の高さ寸法に関わらず、スライダーの上翼板及び下翼板間の間隔をある程度大きく設定しておくことが可能となる。
 それにより、ファスナーストリンガーがファスナー被着部材の被着縁部に取り付けられたときに、ファスナー被着部材の被着縁部が厚いためにファスナーエレメントの上脚部及び下脚部間の高さ寸法が比較的大きくなっても、スライダーの摺動時に、ファスナーエレメントの上脚部及び下脚部がスライダーの上翼板及び下翼板と圧接することを防止できるため、スライダーの軽快で円滑な摺動を安定して確保できる。また、ファスナーエレメントをエレメント支持部材に縫い付けている縫製糸(一次縫製糸)や、ファスナーストリンガーをファスナー被着部材の被着縁部に縫い付けている縫製糸(二次縫製糸)もスライダーと擦れ難くなるため、これらの縫製糸がスライダーとの摩擦によって切断されるという不具合も解消される。
 このような本発明のファスナーストリンガーにおいて、上脚支持片部及び下脚支持片部が、ファスナー幅方向において、ファスナーエレメントの上脚部及び下脚部の形成領域内に配されるように、ファスナーエレメントの上脚部及び下脚部よりも短く形成されている。これにより、スライドファスナーの軽量化やコスト削減を実現することができる。また、ファスナーストリンガーをファスナー被着部材に対し湾曲状などに曲げた状態で取り付ける際に、エレメント支持部材に波打ち状の皺等を発生させることなく、ファスナーストリンガーの取り付けを安定して行うことが可能となる。
 また、本発明のファスナーストリンガーにおいて、エレメント支持部材は、上脚支持片部及び下脚支持片部から、ファスナー幅方向に上脚部及び下脚部を超えて延出する延出部を有していても良い。
 このようにエレメント支持部材が、ファスナーエレメントの上脚部及び下脚部を超える上下の延出部を有することにより、当該ファスナーストリンガーを用いてスライドファスナーを形成したときに、エレメント支持部材の上下延出部を、スライダーの上フランジ部及び下フランジ部とファスナー被着部材との間に介在させることができる。それにより、スライダーの摺動時に、当該スライダーの上フランジ部及び下フランジ部がファスナー被着部材に直接接触することを防いで、ファスナー被着部材をスライダーとの摩擦から保護することができる。
 更に本発明のファスナーストリンガーでは、上脚支持片部に、上脚部が第1の一次縫製糸により縫着されるとともに、上脚支持片部は、第1の一次縫製糸による上脚部の縫着箇所の両側に前記上脚部に沿って延びている。また、下脚支持片部に、下脚部が第2の一次縫製糸により縫着されるとともに、下脚支持片部は、第2の一次縫製糸による下脚部の縫着箇所の両側に前記下脚部に沿って延びている。
 すなわち、本発明では、上脚支持片部に上脚部を縫い付ける第1の一次縫製糸の縫着箇所(縫製部の位置)とエレメント支持部材の折曲部との間に、及び下脚支持片部に下脚部を縫い付ける第2の一次縫製糸の縫着箇所(縫製部の位置)とエレメント支持部材の折曲部との間には、それぞれ所定の間隔が設けられている。
 エレメント支持部材の上脚支持片部及び下脚支持片部と第1及び第2の一次縫製糸の縫着箇所とが上述のような位置関係にあることにより、それぞれの一次縫製糸によりエレメント支持部材の上脚支持片部及び下脚支持片部に、上脚部及び下脚部を所定の位置でしっかりと安定して縫い付けることができる。また、ファスナーストリンガーをファスナー被着部材の被着縁部に二次縫製糸で縫い付け固定するときに、ファスナーエレメントの位置合わせが安定するとともに、二次縫製糸による固定もしっかりさせることができる。
 また、本発明は、モノフィラメントがジグザグ状に成形されたファスナーエレメントを有するファスナーストリンガーに好適に適用される。この場合、このファスナーエレメントの上脚部と下脚部とは、上脚部及び下脚部間の間隔が、噛合頭部側から連結部側の端部に向けて漸増するように、ファスナー厚さ方向に直交する面に対して傾斜している。これにより、ファスナー被着部材の被着縁部が様々な厚さ寸法を有していても、そのファスナー被着部材の被着縁部をファスナーエレメントの上脚部及び下脚部間に安定して挿入でき、また、当該被着縁部の厚さ寸法に応じた所定の位置に上脚部及び下脚部を二次縫製糸でしっかりと縫い付け固定することができる。
 更に、本発明は、ファスナーエレメントの連結部が、ファスナー長さ方向に沿って配される第1及び第2連結紐部を有し、これらの第1及び第2連結紐部は、各ファスナーエレメントの上脚部間及び下脚部間をそれぞれ連続的に連結する形態のファスナーストリンガーに好適に適用され、例えば、噛合頭部、上脚部、及び下脚部が、合成樹脂の射出成形により、第1及び第2連結紐を上脚部の端部及び下脚部の端部にそれぞれ挿入するように成形されたファスナーエレメントを有するファスナーストリンガーに特に好適に適用される。
 更にまた、本発明のファスナーストリンガーにおいては、エレメント支持部材として、織組織を備えるテープ部材、経編組織を備えるテープ部材、不織布により構成されるテープ部材、又は合成樹脂製のフィルム部材を用いることができる。このようなテープ部材又はフィルム部材によってエレメント支持部材が形成されることにより、エレメント支持部材を簡単な構造でファスナー長さ方向に伸縮し難くすることができ、それにより、ストリンガーにおけるファスナーエレメントの取付ピッチを安定して保持することができる。また、このようなテープ部材又はフィルム部材であれば、例えばミシンを用いてテープ部材又はフィルム部材にファスナーエレメントの上下脚部を縫い付ける際に、テープ部材又はフィルム部材にミシン針を安定して刺通させることができ、縫製作業を円滑に行うことができる。
 そして、本発明により提供されるスライドファスナー及びスライドファスナー付き物品は、上述した構成を有するファスナーストリンガーと、そのファスナーストリンガーのエレメント列に取着されるスライダーとを有しており、ファスナーストリンガーは、ファスナー被着部材の被着縁部をエレメント支持部材の上脚支持片部と下脚支持片部とで挟み込んで、当該被着縁部に固定されている。
 このように構成されるスライドファスナー及びスライドファスナー付き物品は、前述したように、軽量化やコスト削減を実現でき、また、ファスナーストリンガーがファスナー被着部材に対し湾曲状などに曲げた状態で取り付けられても、エレメント支持部材に浮き上がりや沈み込み、又は波打ち状の皺等が発生し難いため、外観品質を向上させることができる。
 更に、本発明のスライドファスナー及びスライドファスナー付き物品では、ファスナーストリンガーがファスナー被着部材の被着縁部の所定の位置に安定して取り付けられているとともに、ファスナー被着部材の被着縁部の側端面が、エレメント支持部材の折曲部で包み込むように保護されているため、当該側端面を折り返す等の端部処理が行われていなくても、被着縁部の側端面にほつれを生じさせ難くすることができる。
 このような本発明のスライドファスナー及びスライドファスナー付き物品において、左右のファスナーストリンガーは、ファスナー被着部材の被着縁部に二次縫製糸によりそれぞれ固定されており、その二次縫製糸は、上脚支持片部に上脚部を縫着する第1の一次縫製糸、及び下脚支持片部に下脚部を縫着する第2の一次縫製糸とは、別の糸により形成されている。これにより、ファスナーエレメントがエレメント支持部材に第1及び第2の一次縫製糸でしっかりと安定して縫着され、且つ、そのファスナーエレメント及びエレメント支持部材を有するファスナーストリンガーを、ファスナー被着部材にミシン等を用いて二次縫製糸によって容易に且つ安定してしっかりと縫い付けることができる。
本発明の実施例1に係るファスナーストリンガーを模式的に示す斜視図である。 同ファスナーストリンガーの平面図である。 図2に示したIII-III線における断面図である。 同ファスナーストリンガーの製造について説明する説明図である。 図4に示したV-V線における断面図である。 同ファスナーストリンガーが生地に取着された状態を示す断面図である。 同ファスナーストリンガーを用いて形成されたスライドファスナーを模式的に示す断面図である。 実施例1の変形例に係るファスナーストリンガーが生地に取着された状態を示す断面図である。 同ファスナーストリンガーを用いて形成されたスライドファスナーを模式的に示す断面図である。 本発明の実施例2に係るファスナーストリンガーを模式的に示す断面図である。 同ファスナーストリンガーを用いて形成されたスライドファスナーの要部を模式的に示す断面図である。 本発明の実施例3に係るファスナーストリンガーを模式的に示す平面図である。 図12に示したXIII-XIII線における断面図である。 同ファスナーストリンガーの製造について説明する説明図である。 同ファスナーストリンガーを用いて形成されたスライドファスナーを模式的に示す断面図である。 従来のファスナーストリンガーの製造について説明する説明図である。 従来のファスナーストリンガーを示す斜視図である。
 図1は、本実施例1に係るファスナーストリンガーを模式的に示す斜視図であり、図2及び図3は、同ファスナーストリンガーの平面図及び断面図である。なお、図1では、ファスナーエレメントとエレメント支持部材との関係を判り易く表すために、一次縫製糸の図示が省略されており、図2及び図3では、二重環縫いによる構造を簡略化して一次縫製糸を表している。
 また、以下のファスナーストリンガー及びスライドファスナーに関する説明において、前後方向とは、ファスナーストリンガー及びスライドファスナーの長さ方向又はエレメント固定部材の長さ方向を言い、特に、スライダーがスライドファスナーのエレメント列を噛合させるように摺動する方向を前方とし、エレメント列を分離させるように摺動する方向を後方とする。
 左右方向とは、ファスナーストリンガー及びスライドファスナーのファスナー幅方向を言い、例えば、ファスナーストリンガーが縫着されるファスナー被着部材(生地)の表裏面に平行で、且つ、テープ長さ方向に直交する方向である。更に、上下方向とは、前後方向と左右方向とに直交する方向を言い、例えばファスナー被着部材の表裏面に直交する厚さ方向を指す。特に、ファスナーエレメントに対してスライダーの引手が配されている側の方向を上方とし、その反対側の方向を下方とする。
 本実施例1のファスナーストリンガー1は、図1~図3に示したように、エレメント列11を形成するジグザグ状に連続した複数のファスナーエレメント10と、エレメント列11に沿ってファスナー長さ方向(前後方向)に延在するテープ状のエレメント支持部材20とを有しており、ファスナーエレメント10が一次縫製糸51でエレメント支持部材20に縫着されることにより形成されている。
 ファスナーエレメント10は、ポリアミドやポリエステルなどの熱可塑性樹脂製のモノフィラメントをジグザグ状に成形することによって連続状に形成されており、噛合頭部12と、噛合頭部12からファスナー幅方向に延出する上脚部(第1脚部とも言う)13及び下脚部(第2脚部とも言う)14と、ファスナー長さ方向に隣接するファスナーエレメント10の上脚部13同士及び下脚部14同士を交互に連結する連結部15とを有する。
 噛合頭部12は、上下方向に所定の高さ寸法Aを有するとともに、その上下方向の中央部分には前後方向に膨出する膨出部12aを備えている。この噛合頭部12の高さ寸法Aとなる噛合頭部12の上端(又は上面)から下端(又は下面)までの上下方向における寸法は、本実施例1のファスナーストリンガー1を用いてスライドファスナー5を形成したときに、そのスライドファスナー5に配される後述するスライダー40の上ランド部48及び下ランド部49間の間隔よりも小さく設定されている(図7を参照)。
 この場合、噛合頭部12の高さ寸法Aは、図3に示したように、ファスナー幅方向における噛合頭部12の内周面の位置における上下方向の寸法と規定する。また、この噛合頭部12の高さ寸法Aは、スライダー40のエレメント案内路内で左右のファスナーエレメント10が上下方向にがたつくことを防止できる大きさ、例えば上述した上ランド部48及び下ランド部49間の間隔の85%以上の大きさとなるように設定されることが好ましい。更に、噛合頭部12が所定の高さ寸法Aを有することにより、本実施例1のファスナーストリンガー1を用いてスライドファスナー5を形成したときに、左右のファスナーエレメント10を安定して適切に噛み合わせることができる。
 上脚部13及び下脚部14は、平面視(又は底面視)にて噛合頭部12からファスナー幅方向に向けて延出するとともに、正面視(又は背面視)にて上脚部13及び下脚部14間の間隔が連結部15側の端部(外側端部)に向けて漸増するように、ファスナー厚さ方向に直交する面に対して傾斜する方向に直線状に配されている。
 この場合、上脚部13及び下脚部14の傾斜角度は、ファスナーストリンガー1がファスナー被着部材(生地8)に取り付けられたときに、上脚部13及び下脚部14がそのファスナー被着部材を挟持するようにファスナー被着部材に固定されるため、そのファスナー被着部材の厚さに応じて変化する。
 連結部15は、ファスナーエレメント10の上脚部13と、当該ファスナーエレメント10に対して前後方向の一方側に隣接するファスナーエレメント10の上脚部13とを連結するとともに、当該ファスナーエレメント10の下脚部14と、当該ファスナーエレメント10に対して前後方向の他方側に隣接するファスナーエレメント10の下脚部14とを連結するようにファスナー長さ方向に沿って配されている。
 また、ファスナーエレメント10は、噛合頭部12を中心に、上脚部13及び下脚部14間の間隔を増減させるように弾性変形可能に形成されている。なお、本実施例1では、ファスナーエレメント10自体に着色やメッキ処理等を行うことにより、ファスナーエレメント10に装飾を施すことも可能である。
 本実施例1のエレメント支持部材20は、織組織を備えるテープ部材、好ましくは、複数の経糸と2本の単糸を引き揃えて1組とした緯糸とにより一重織で織成された平織組織に織成され、ファスナー長さ方向の伸縮が抑えられた伸縮し難い構造を備えるテープ部材により形成されている。
 なお、エレメント支持部材20としては、上記の平織組織に織成されたテープ部材以外にも、各ウェールに鎖編糸が配された経編組織を備えるテープ部材、不織布により構成されるテープ部材、又は、合成樹脂製のフィルム部材などを用いることも可能である。
 エレメント支持部材20は、長さ方向に沿って半分に折り曲げられた状態でファスナーエレメント10の上脚部13及び下脚部14間に配されており、このエレメント支持部材20は、断面視にてU字状に湾曲するように折り曲げられた折曲部21と、折曲部21の一端部(エレメント支持部材20を上脚部13及び下脚部14間に配した状態で、上脚部13側である上端部)から上脚部13に沿って延びる上脚支持片部22と、折曲部21の他端部(エレメント支持部材20を上脚部13及び下脚部14間に配した状態で、上脚部13側である下端部)から下脚部14に沿って延びる下脚支持片部23とを有する。
 また、エレメント支持部材20は、ファスナーエレメント10に対し、折曲部21を噛合頭部12側に向け、開口側をファスナー幅方向の外側に向けた向きで配されており、上脚支持片部22と下脚支持片部23との間には、ファスナー被着部材(生地8)の被着縁部8aが、ファスナーエレメント10の上脚部13の外側端部と下脚部14の外側端部の間から挿入されて収容される収容部24が設けられている。この収容部24は、ファスナーエレメント10が噛合頭部12を中心に弾性変形することにより、上脚支持片部22と下脚支持片部23との間の間隔を増減させることが可能である。
 この場合、エレメント支持部材20の折曲部21は、ファスナーエレメント10の噛合頭部12から内側に離間した位置に噛合頭部12に対向して配されており、その折曲部21と噛合頭部12との間には、スライドファスナー5を形成したときに噛合相手方のファスナーエレメント10の噛合頭部12(特に膨出部12a)が入ることが可能である。
 更に、エレメント支持部材20の上脚支持片部22には、ファスナーエレメント10の上脚部13が上側の一次縫製糸(第1の一次縫製糸)51の二重環縫いにより縫着されており、エレメント支持部材20の下脚支持片部23には、ファスナーエレメント10の下脚部14が下側の一次縫製糸(第2の一次縫製糸)51の二重環縫いにより縫着されている。
 また本実施例1では、エレメント支持部材20の上脚支持片部22及び下脚支持片部23は、それぞれ上側及び下側の一次縫製糸51による縫着箇所(一次縫製部)を横切るように、一次縫製糸51による縫着箇所の左右両側に上脚部13又は下脚部14に沿って延びている。従って、上側及び下側の一次縫製糸51による縫着箇所(一次縫製部)は、エレメント支持部材20の折曲部21から離間して配置されており、上側及び下側の一次縫製糸51による縫着箇所と、エレメント支持部材20の折曲部21との間には、所定の間隔が設けられている。
 この場合、上下の二重環縫いを行う一次縫製糸51のルーパ糸は、上脚部13又は下脚部14の外面側を跨いでおり、また、一次縫製糸51の針糸は、エレメント支持部材20の内周面側に配されるとともに、互いに隣接するファスナーエレメント10間にてエレメント支持部材20を刺通して、上脚部13又は下脚部14の外面側を通るルーパ糸と交錯している。
 これにより、一次縫製糸51が、ファスナーエレメント10の上脚部13及び下脚部14を保持するように上脚部13及び下脚部14をエレメント支持部材20に縫着固定することができ、それによって、ファスナーエレメント10の上脚部13及び下脚部14がエレメント支持部材20の所定位置にしっかりと固定されて支持されており、また、ファスナーエレメント10の取付ピッチ(言い換えると、噛合頭部12間の間隔)が一定の大きさに保持されている。
 しかも、一次縫製糸51のステッチ形式として二重環縫いを採用することによって、縫い目の強度に優れ、たとえ一次縫製糸51が途中で切れたとしても、一次縫製糸51のほつれを生じ難くすることができる。特に、本実施例1では、一次縫製糸51の針糸がファスナーエレメント10の内周側に隠れるように配されるため、針糸がファスナーエレメント10によって保護されて切断され難くなり、一次縫製糸51がほつれることをより効果的に防止できる。
 更に、一次縫製糸51の二重環縫いでファスナーエレメント10とエレメント支持部材20とを縫い合わせることによって、ファスナーストリンガー1を高い生産性で製造することが可能となる。なお、本発明では、一次縫製糸51のステッチ形式として、本縫いなどの二重環縫い以外のものを採用することも可能である。
 また、本実施例1のエレメント支持部材20は、エレメント支持部材20がファスナーエレメント10を縫着している状態で、ファスナー幅方向において、ファスナーエレメント10の上脚部13及び下脚部14の形成領域内に配されている。言い換えると、エレメント支持部材20の上脚支持片部22及び下脚支持片部23は、これら上脚支持片部22及び下脚支持片部23の外側縁(折曲部21側とは反対側の端縁)のファスナー幅方向における位置が、ファスナーエレメント10の上脚部13及び下脚部14における外側縁の位置よりも噛合頭部12側に配されるように、上脚部13及び下脚部14よりも短く形成されている。
 これにより、エレメント支持部材20がファスナーエレメント10の外側に露呈することがないため、後述するようにスライドファスナー5及びスライドファスナー5付き物品(衣服)を形成したときに、エレメント支持部材20が見え難くなり、その見栄え(外観品質)を向上させることができる。
 次に、上述した本実施例1のファスナーストリンガー1を製造する方法について説明する。
 先ず、ファスナーエレメント10を形成する熱可塑性樹脂製の1本のモノフィラメントと、長さ方向に長尺なテープ状のエレメント支持部材20とを準備する。このとき、エレメント支持部材20は、形成するファスナーエレメント10の大きさに応じて所定のテープ幅寸法を有する。
 次に、準備したモノフィラメントを、図4に示すように、略S字形状が連続的に繰り返されるジグザグ状の形態が長さ方向(前後方向)に平面状に延びるように折り曲げて左右の折り返し部を形成する曲げ加工を行う。それとともに、そのジグザグ状の形態における左右の折り返し部間に形成された直線部の中央部分を、厚さ方向(上下方向)に押し潰して、長さ方向に膨出させるプレス加工を行う。
 これによって、一次エレメント成形体10aが成形される。このとき、一次エレメント成形体10aは、ファスナーエレメント10の上脚部13及び下脚部14が噛合頭部12を中心にして左右に平面状に開いた形態を有しており、この一次エレメント成形体10aの折り返し部がファスナーエレメント10の連結部15となり、上記プレス加工によって形成された膨出部が噛合頭部12の膨出部12aとなる。
 続いて、成形された一次エレメント成形体10aの一方の面(ファスナーエレメント10にて内周側となる面)にエレメント支持部材20を積層(載置)して、エレメント縫製用ミシンを用いて、一次縫製糸51の二重環縫いにより、一次エレメント成形体10aをエレメント支持部材20に縫い付けて固定する縫製加工を行う。
 このとき、第1の一次縫製糸51で一次エレメント成形体10aの一方の折り返し部(例えば左側の折り返し部)と膨出部12aとの間を前後方向に沿って縫製を行うとともに、第2の一次縫製糸51で他方の折り返し部(例えば右側の折り返し部)と膨出部12aとの間を前後方向に沿って縫製を行う。これにより、一次エレメント成形体10aが、一次縫製糸51により形成される左右2つの一次縫製部(一次縫製線)によりエレメント支持部材20に縫着される(図4及び図5を参照)。このとき、左右の一次縫製糸51による一次縫製部は幅方向において、折り返し部と膨出部12aの略中間の位置に形成される。
 なおこの場合、ファスナーストリンガー1が製造されたときにエレメント支持部材20の折曲部21を前述のようにファスナーエレメント10の噛合頭部12から離間させるため、例えば平らなエレメント支持部材20を幅方向(左右方向)の外側に向けて引っ張るような所定のテンションをエレメント支持部材20に加えながら、上記縫製加工が行われることが好ましい。
 また例えば、一次エレメント成形体10aを、噛合頭部12がエレメント支持部材20から少し離間するように略V字状に屈曲させる曲げ加工を予め行っておき、その略V字状の一次エレメント成形体10aにエレメント支持部材20を載置した状態で、上記縫製加工を行うことも可能である。
 その後、エレメント支持部材20に縫着された一次エレメント成形体10aを折り曲げる曲げ加工を行う。この曲げ加工では、一次エレメント成形体10aにおける幅方向に延びた直線部の中央領域(噛合頭部12となる領域)を中心に、当該直線部における左右両側の部分(上脚部13及び下脚部14となる部分)がエレメント支持部材20を内側に挟む方向に折り畳まれるようにして一次エレメント成形体10aを略U字状に折り曲げる。これによって、一次エレメント成形体10aを縫着しているエレメント支持部材20も、一次エレメント成形体10aと同様に折り曲げられて、図1~図3に示したような本実施例1のファスナーストリンガー1が製造される。
 このように製造された本実施例1のファスナーストリンガー1では、ファスナーエレメント10がエレメント支持部材20に縫い付けられて固定されているため、ファスナーエレメント10の取付ピッチ(ファスナー長さ方向における噛合頭部12間の間隔)が一定の大きさに安定して保持されている。
 また、エレメント支持部材20について、例えば従来の所謂ファスナーテープのように、ファスナーエレメント10よりも外側に露呈する部分を縫い代として広く確保する必要がないため、本実施例1のファスナーストリンガー1を用いて形成されるスライドファスナー5の軽量化を図ることや、製造コストを安く抑えることができる。
 次に、上述のような本実施例1のファスナーストリンガー1を、ファスナー被着物品である衣服の生地8に取着して、スライドファスナー5を形成する方法について説明する。
 なお本発明において、ファスナーストリンガー1が取着されるファスナー被着部材の代表的なものとしては、衣服(衣料品)の生地8が挙げられ、この衣服の前身頃の前立て部に配された開閉部や、前身頃の胸部及び腹部に設けられたポケット部の開閉部(開口周縁部)などにファスナーストリンガー1が取り付けられることにより、スライドファスナー5が形成される。
 この場合、衣服の開閉部では、左右の生地8の側縁部が、スライドファスナー5の開閉により互いに接離可能に対向して配されており、これらの対向する左右の側縁部が、それぞれファスナーストリンガー1が取り付けられる被着縁部8aとなる。なお、ファスナーストリンガー1が取り付けられてスライドファスナー5が形成される物品(製品)は、衣服に限定されるものではなく、靴類、鞄類及びシーツ類などの日用雑貨品、産業用資材などの物品、自動車、列車、航空機等の各種シート類などの様々な物品が含まれる。
 本実施例1のスライドファスナー5を形成する場合、先ず、ファスナー被着部材となる衣服の生地8を、ファスナーストリンガー1におけるファスナーエレメント10の上脚部13及び下脚部14間に挿入するとともに、エレメント支持部材20における上脚支持片部22及び下脚支持片部23間に形成された収容部24内に差し込む。
 このとき、生地8としては、エレメント支持部材20の上脚支持片部22の外側縁と下脚支持片部23の外側縁との間の高さ寸法の大きさ以下の厚さを有するものが用いられることが好ましい。なお、本実施例1では、生地8の厚さが、エレメント支持部材20の上記高さ寸法以下となる範囲内において比較的厚い(例えば後述する変形例の生地9よりも厚い)場合について説明する。
 本実施例1のエレメント支持部材20は、ファスナーエレメント10の上脚部13及び下脚部14間に、折曲部21を噛合頭部12側に向けて略U字状に折り曲げて配されている。このため、エレメント支持部材20によって、収容部24に差し込まれる生地8が噛合頭部12に近寄りすぎることを防いで、生地8の被着縁部8aを当該被着縁部8aの側縁端がエレメント支持部材20に当接する所定の位置で保持できる。
 これにより、生地8の被着縁部8aに対するファスナーエレメント10の位置合わせを適切に行うことができ、スライドファスナー5を形成したときに左右のファスナーエレメント10を適切に且つ安定して噛み合わせることができる。それとともに、生地8の被着縁部8aがエレメント支持部材20に包み込まれるため、その被着縁部8a(特に、被着縁部8aの側端面)をエレメント支持部材20で被覆保護することができる。
 次に、ファスナーストリンガー1の収容部24に生地8が適切な位置まで挿入された状態で、ストリンガー縫製用ミシンを用いて、ファスナーストリンガー1の上脚部13及び下脚部14と、エレメント支持部材20の上脚支持片部22及び下脚支持片部23とを、収容部24内に挿入された生地8の被着縁部8aに、ファスナー長さ方向全体に亘って、二次縫製糸52の本縫いによって同時に縫い付けて固定する。この二次縫製糸52は、第1の一次縫製糸51及び第2の一次縫製糸51とは別の糸である。
 この場合、二次縫製糸52の本縫いにより形成される二次縫製部(二次縫製線)は、ファスナーストリンガー1を生地8にしっかりと縫着するために、ファスナー幅方向において、一次縫製糸51の縫製位置と、ファスナーエレメント10の上脚部13及び下脚部14の外側縁の位置との間に配置されることが好ましい。
 なお本発明において、ファスナーストリンガー1を生地8に縫い付ける二次縫製糸52のステッチ形式は特に限定されず、任意に変更することができるが、二次縫製糸52のステッチ形式として本縫いを採用することによって、ファスナーストリンガー1と生地8とを円滑に且つ安定して縫い合わせることができるとともに、二次縫製糸52の縫い目が解け難く、強度に優れるという利点も得られる。
 また本実施例1では、ファスナーストリンガー1を生地8に縫着することによって固定しているが、本発明では、縫着の他に、例えば超音波溶着などの溶着、又は接着剤による接着などを利用してエレメント支持部材20を生地8に固定することによって、ファスナーストリンガー1を生地8に取り付けることも可能である。
 本実施例1では、上述のようなストリンガー縫製用ミシンによる縫製加工を行うことにより、図6に示すように、ファスナーストリンガー1におけるファスナーエレメント10の上脚部13及び下脚部14が二次縫製糸52により締め付けられて、エレメント支持部材20の上脚支持片部22及び下脚支持片部23間に生地8の被着縁部8aが挟持されるとともに、ファスナーストリンガー1が生地8に縫い付けられて固定される。
 そして、上述のようにして、本実施例1のファスナーストリンガー1を、衣服の生地8の開閉部に対向して配される左右一対の被着縁部8aに二次縫製糸52によってそれぞれ縫着した後、左右のファスナーストリンガー1のエレメント列11にスライダー40を取り付ける。その後、エレメント列11の前端及び後端に隣接するように、図示しない第1止具及び第2止具を形成する。これにより、本実施例1のスライドファスナー5が形成され、また、スライドファスナー5付きの製品(衣服)が製造される。
 ここで、本実施例1のスライドファスナー5に用いられるスライダー40は、図7に示したように、スライダー胴体41と、そのスライダー胴体41に取り付けられる引手42とを有する。また、スライダー胴体41は、上翼板43と、上翼板43と離間して平行に配された下翼板44と、上下翼板43,44の前端部(肩口側端部)間を連結する案内柱45と、上翼板43の左右側縁部から下翼板44に向けて垂設された上フランジ部46と、下翼板44の左右側縁部から上翼板43に向けて立設された下フランジ部47と、上翼板43の内面(エレメント案内面)に形成された上ランド部48(上中仕切り部とも言う)と、下翼板44の内面(エレメント案内面)に形成された下ランド部49(下中仕切り部とも言う)と、上翼板43の上面に配された引手取付部50とを有する。
 このスライダー胴体41における上下ランド部48,49は、上下翼板43,44の各内面における幅方向の中央部に、所定の高さ寸法をもって形成されており、上下ランド部48,49間の上下方向における間隔は、ファスナーストリンガー1の噛合頭部12における高さ寸法Aに対応する所定の大きさに設定されている。
 また、スライダー胴体41の前端部には、案内柱45を間に挟んで左右の肩口が形成され、スライダー胴体41の後端部には後口が形成されている。また、上下翼板43,44間には、左右の肩口と後口とを連通するように略Y字形状のエレメント案内路が形成されている。
 スライドファスナー5の第1止具は、スライダー40がエレメント列11の前端側から脱落しないように、左右のエレメント列11の前端に隣接して生地8に取着されている。また、第2止具は、スライダー40がエレメント列11の後端側から脱落しないように、左右のエレメント列11の後端に隣接するとともに左右のエレメント列11に跨るようにして生地8に取着されている。
 なお、本発明において、第1及び第2止具を生地8に取着する手段は特に限定されず、例えば第1及び第2止具を接着又は溶着により生地8に固定しても良いし、また、金属製の第1及び第2止具を加締め加工等によって塑性変形させることにより生地8に固定しても良い。
 また本発明では、第2止具の代わりに開離嵌挿具をエレメント列11の後端に隣接して設けることも可能である。更に、例えばエレメント列11の後端部を押圧して押し潰すことにより幅広に形成することや、エレメント列11の後端部を横切るように縫うことによって、第2止具を形成することも可能である。
 なお本実施例1では、一対のファスナーストリンガー1を生地8に縫い付けた後に、当該ファスナーストリンガー1のエレメント列11にスライダー40を取り付けるとともに第1止具及び第2止具を生地8に取着している。しかし、本発明では、例えば一対のファスナーストリンガー1のエレメント列11にスライダー40を取り付けた後に、当該ファスナーストリンガー1を二次縫製糸52の本縫いによって生地8に縫い付けることも可能である。
 以上のようにして得られる本実施例1のスライドファスナー5を備える衣服では、U字状に折り曲げられたエレメント支持部材20が上下脚部13,14間に配された本実施例1のファスナーストリンガー1を用いてスライドファスナー5が形成されているため、スライドファスナー5の軽量化やコスト削減を容易に実現することができる。
 また、例えば衣服にファスナーストリンガー1を湾曲状などに曲げるようにして取り付ける場合でも、本実施例1のファスナーストリンガー1では、エレメント支持部材20がファスナーエレメント10よりも外側に露呈していないため、従来のスライドファスナー5で問題とされるファスナーテープの浮き上がりや沈み込み、又は波打ち状の皺等が発生することがなく、製品の外観品質を向上させることができる。
 また、本実施例1のスライドファスナー5では、生地8における被着縁部8aの側端面が、エレメント支持部材20で包み込まれており、例えば生地8に被着縁部8aを折り返す等の端部処理が行われていなくても、被着縁部8aをエレメント支持部材20で保護することができる。
 これにより、スライダー40を摺動させてスライドファスナー5の開閉操作が繰り返し行われても、被着縁部8aの側端面にほつれを生じさせ難くすることができ、また、被着縁部8aの側端面にほつれが生じたとしても、スライダー40の摺動性を低下させることを効果的に防止できる。
 更に、本実施例1のスライドファスナー5では、生地8の被着縁部8aが、上下脚部13,14間でU字状に折り曲げられたエレメント支持部材20内に収容されるため、生地8の被着縁部8aが本実施例1のように比較的厚く形成されている場合、上下脚部13,14間の間隔(高さ寸法)は生地8の被着縁部8aによって少し拡げられるものの、噛合頭部12の高さ寸法は、その被着縁部8aの厚さに関わらず、所定の範囲内の大きさに安定して維持される。
 従って、スライドファスナー5を形成するときに、スライダー40として、生地8の被着縁部8aの厚さに関わらず、図7に示すような上ランド部48及び下ランド部49間の間隔がファスナーエレメント10の噛合頭部12の高さ寸法に適応した1種類の共通化されたスライダー40を用いることができる。これにより、例えば生地8の被着縁部8aの厚さに対応して上下翼板間の間隔が異なる複数種類のスライダーを準備する必要がなくなるため、経済性を高めることができ、スライドファスナー5付き物品の製造コストを削減することができる。
 またこの場合、左右のファスナーエレメント10がスライダー40のエレメント案内路内を挿通する際に、図7に示すように、スライダー40に対するファスナーエレメント10の位置を、スライダー40の上下ランド部48,49が噛合頭部12の上下方向の動きを規制するとともに、スライダー40の上下フランジ部46,47が、左右の上下脚部13,14の外側縁に対向してファスナーエレメント10の左右方向の動きを規制することによって安定させることができる。
 従って、ファスナーエレメント10をスライダー40の略Y字状のエレメント案内路に沿って円滑に安定してガイドすることができ、それによって、左右のファスナーエレメント10が、スライダー40のエレメント案内路内でがたつくことを効果的に防止して、左右のファスナーエレメント10の噛み合わせ動作や分離動作を安定して行うことができる。
 その上、スライダー40が摺動時にファスナーエレメント10の噛合頭部12がスライダー40の上ランド部48及び下ランド部49により案内されるため、スライダー40の上翼板43及び下翼板44間の間隔をある程度大きく設定しておくことが可能となる。
 それにより、生地8の被着縁部8aが厚いことによりファスナーエレメント10の上下脚部13,14間の高さ寸法が本実施例1のように比較的大きくなっても、スライダー40の摺動時に、ファスナーエレメント10の上下脚部13,14がスライダー40の上下翼板43,44と圧接することを防止し、スライダー40の軽快で円滑な摺動を安定して確保できる。また、ファスナーエレメント10をエレメント支持部材20に縫い付けている一次縫製糸51や、ファスナーストリンガー1を生地8に縫い付けている二次縫製糸52もスライダー40と擦れ難くなるため、これらの一次及び二次縫製糸51,52がスライダー40との摩擦によって切断されるという不具合を生じ難くすることができる。
 なお、上述した実施例1では、ファスナーストリンガー1が比較的厚い生地8に取り付けられる場合について説明しているが、この実施例1のファスナーストリンガー1は、生地の厚さがファスナーストリンガー1におけるエレメント支持部材20の上脚支持片部22の外側縁と下脚支持片部23の外側縁との間の高さ寸法の大きさ以下であれば、その生地に対して取着可能である。このため例えば図8及び図9に実施例1の変形例を示すように、厚さが比較的薄い生地9にファスナーストリンガー1を取り付けてスライドファスナー5aを形成することもできる。
 すなわち、この変形例に係るファスナーストリンガー1は、上述した実施例1のファスナーストリンガー1と同様のものであり、このファスナーストリンガー1を、実施例1で用いた生地8よりも厚さが薄い生地9の被着縁部9aに、実施例1と同じ様に取り付けることによって、変形例に係るスライドファスナー5aが形成されるとともに、スライドファスナー5a付き物品が製造される。この場合、スライダー40には、実施例1と同様の共通化されたスライダー40が用いられている。
 このように形成された変形例に係るスライドファスナー5aでは、厚さが比較的薄い生地9にファスナーストリンガー1が縫着されているため、生地9に縫い付けられたファスナーエレメント10の上下脚部13,14は、二次縫製糸52によりしっかりと締め付けられている。それにより、上脚部13の上面から下脚部14の下面までの高さ寸法が、実施例1の場合に比べて小さくなるものの、当該ファスナーエレメント10の噛合頭部12の高さ寸法Aは、実施例1の場合と略同様の大きさに維持されている。
 従って、左右のファスナーエレメント10がスライダー40のエレメント案内路内を挿通する際に、図9に示すように、スライダー40に対するファスナーエレメント10の位置を、スライダー40の上下ランド部48,49が噛合頭部12の上下方向の動きを規制するとともに、スライダー40の上下フランジ部46,47が、左右の上下脚部13,14の外側縁に対向してファスナーエレメント10の左右方向の動きを規制することによって安定させることができる。
 このため、ファスナーエレメント10をスライダー40の略Y字状のエレメント案内路に沿って円滑に安定してガイドすることができ、それによって、左右のファスナーエレメント10が、スライダー40のエレメント案内路内でがたつくことを効果的に防止して、左右のファスナーエレメント10の噛み合わせ動作や分離動作を安定して行うことができる。
 また、この変形例に係るスライドファスナー5aでは、実施例1の場合と同様に、スライダー40の摺動時に、ファスナーエレメント10の上脚部13及び下脚部14がスライダー40の上翼板43及び下翼板44と圧接することを防止し、スライダー40の軽快で円滑な摺動を安定して確保できる。また、一次縫製糸51や二次縫製糸52もスライダー40と擦れ難くなるため、一次及び二次縫製糸51,52がスライダー40との摩擦によって切断されるという不具合を生じ難くすることができる。
 図10は、本実施例2に係るファスナーストリンガーを模式的に示す断面図であり、図11は、同ファスナーストリンガーを用いて形成されたスライドファスナーの要部を模式的に示す断面図である。
 本実施例2のファスナーストリンガー2は、ファスナーエレメント10を縫い付けて支持するエレメント支持部材30が、ファスナーエレメント10の上脚部13及び下脚部14の外側縁よりも更にファスナー幅方向の外側に延びる上延出部35及び下延出部36を有することを除いては、前述の実施例1のファスナーストリンガー1と同様に形成されている。
 従って、本実施例2では、前述の実施例1に係るファスナーストリンガー1及びスライドファスナー5と実質的に同じ構成を有する部品及び部材については同じ符号を用いて表すことによって、その説明を省略することとする。
 本実施例2のファスナーストリンガー2は、エレメント列を形成するジグザグ状に連続した複数のファスナーエレメント10と、エレメント列に沿ってファスナー長さ方向に延在するテープ状のエレメント支持部材30とを有しており、ファスナーエレメント10が一次縫製糸51でエレメント支持部材30に縫着されることにより形成されている。この場合、本実施例2のファスナーエレメント10は、前述の実施例1のファスナーエレメント10と同様に形成されている。
 本実施例2のエレメント支持部材30は、U字状に折り曲げられた状態でファスナーエレメント10の上脚部13及び下脚部14間に配されている。このエレメント支持部材30は、断面視にて湾曲状に折り曲げられた折曲部31と、折曲部31の上端部から上脚部13に沿って延びる上脚支持片部32と、上脚支持片部32から上脚部13の外側縁を超えて更にファスナー幅方向に延出する上延出部35と、折曲部31の下端部から下脚部14に沿って延びる下脚支持片部33と、下脚支持片部33から下脚部14の外側縁を超えて更にファスナー幅方向に延出する下延出部36とを有する。
 また、エレメント支持部材30は、ファスナーエレメント10に対し、折曲部31を噛合頭部12側に向けるとともに、開口側をファスナー幅方向の外側に向けた向きで配されており、上脚支持片部32と下脚支持片部33との間には、ファスナー被着部材である生地8の被着縁部8aが、ファスナーエレメント10の上脚部13の外側端部と下脚部14の外側端部の間から挿入されて収容される収容部34が設けられている。
 更に、エレメント支持部材30の上脚支持片部32には、ファスナーエレメント10の上脚部13が上側の一次縫製糸51の二重環縫いにより縫着されており、エレメント支持部材30の下脚支持片部33には、ファスナーエレメント10の下脚部14が下側の一次縫製糸51の二重環縫いにより縫着されている。
 この実施例2に係るファスナーストリンガー2は、ファスナー被着物品である衣服の生地8の被着縁部8aに、前述した実施例1の場合と同様に取着されることにより、スライドファスナー6が形成され、また、スライドファスナー6付きの衣服が製造される。この場合、スライダー40には、実施例1と同様のスライダー40が用いられている。
 本実施例2の図11に示したスライドファスナー6では、例えば図7に示した実施例1のスライドファスナー5に対し、エレメント支持部材30の上延出部35及び下延出部36が、ファスナーエレメント10の上脚部13及び下脚部14の外側縁を超えて外側に延出するとともに、スライダー40の上フランジ部46及び下フランジ部47間に挟まれるように配置されており、これらの上延出部35及び下延出部36が生地8を上フランジ部46及び下フランジ部47から保護している。
 このような本実施例2のスライドファスナー6によれば、前述の実施例1のスライドファスナー5と同様に、ファスナーエレメント10をスライダー40の略Y字状のエレメント案内路に沿って円滑に安定してガイドでき、それによって、左右のファスナーエレメント10が、スライダー40のエレメント案内路内でがたつくことを効果的に防止して、左右のファスナーエレメント10の噛み合わせ動作や分離動作を安定して行うことができる。また、スライダー40の軽快で円滑な摺動を安定して確保できるとともに、一次縫製糸51や二次縫製糸52がスライダー40との摩擦によって切断されるという不具合を生じ難くすることができる。
 更に本実施例2のスライドファスナー6では、エレメント支持部材30が、上述したように、スライダー40の上フランジ部46及び下フランジ部47から生地8を保護し、スライダー40の摺動時に上フランジ部46及び下フランジ部47が生地8に直接接触することによって生地8が傷むことを効果的に防止することができる。
 図12は、本実施例3に係るファスナーストリンガーを模式的に示す平面図であり、図13は、図12に示したXIII-XIII線における断面図である。
 本実施例3のファスナーストリンガー3は、エレメント列61を形成する連続した複数のファスナーエレメント60と、エレメント列61に沿ってファスナー長さ方向(前後方向)に延在するテープ状のエレメント支持部材30とを有しており、ファスナーエレメント60が一次縫製糸51でエレメント支持部材30に縫着されることにより形成されている。
 本実施例3のファスナーエレメント60は、噛合頭部62と、噛合頭部62からファスナー幅方向に延出する上脚部63及び下脚部64と、ファスナー長さ方向に隣接するファスナーエレメント60の上脚部63同士を連続して連結する紐状の第1連結部(第1連結紐部)65と、ファスナー長さ方向に隣接するファスナーエレメント60の下脚部64同士を連続して連結する紐状の第2連結部(第2連結紐部)66とを有する。
 このような連続した複数のファスナーエレメント60は、図示しない成形金型に第1連結紐部65と第2連結紐部66とを挿入した状態で熱可塑性樹脂を射出するインサート成形を行うことにより形成されている。
 より具体的に説明すると、金型に、第1及び第2連結紐部65,66を互いに離間させるとともにファスナー長さ方向に沿って連続するように挿入して保持した後、当該金型内に、ポリアミド、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂を射出することにより、第1及び第2連結紐部65,66が上脚部63及び下脚部64にそれぞれ挿入されて一体化された本実施例3のファスナーエレメント60が成形される。つまり、ファスナー長さ方向に隣接する各ファスナーエレメント60において、上脚部63の間は第1連結紐部65により連結され、下脚部64の間は第2連結紐部66により連結されることになる。
 なお、本発明において、ファスナーエレメント60の材質は、上記した合成樹脂に限定されるものではなく、例えばファスナーエレメント60をその他の合成樹脂又は金属で構成することも可能である。また、本発明のファスナーエレメントは、熱可塑性樹脂を第1及び第2連結紐部65,66に射出成形してファスナーエレメント60が形成されたものに限定されず、例えば、熱可塑性樹脂を射出成形して所定の形状に形成されたファスナーエレメントを、第1及び第2連結紐部に溶着又は接着などによって固着されたものを含む。
 本実施例3の噛合頭部62は、スライドファスナー7に用いられるスライダー40の上ランド部48及び下ランド部49間の間隔に応じた所定の高さ寸法を有して形成されている。上脚部63及び下脚部64は、平面視(又は底面視)にて噛合頭部62からファスナー幅方向に向けて延出している。このファスナーエレメント60は、噛合頭部62を中心に、上脚部63及び下脚部64間の間隔を増減させるように弾性変形可能に形成されている。
 また、上脚部63及び下脚部64の噛合頭部62側の基端部には、スライドファスナー7を形成したときに噛合相手方のファスナーエレメント60の噛合頭部62を嵌入することが可能なように、ファスナー長さ方向の寸法を減少させる方向に括れた形状の嵌入凹部67が設けられている。また、上脚部63及び下脚部64における嵌入凹部67と、第1又は第2連結紐部65,66が挿入されている外側端部との間に挟まれた領域には、上脚部63又は下脚部64の外周面側と前後端面側とに連続する凹溝として、一次縫製糸51を収容保持することが可能な収容溝部68が設けられている。
 本実施例3のエレメント支持部材30は、平織組織を備えるテープ部材により形成されており、U字状に折り曲げられた状態でファスナーエレメント60の上脚部63及び下脚部64間に配されている。このエレメント支持部材30は、噛合頭部62から離間した位置で折り曲げられている折曲部31と、折曲部31の上端部から上脚部63に沿って延びる上脚支持片部32と、上脚支持片部32から上脚部63の外側縁を超えて更にファスナー幅方向に延出する上延出部35と、折曲部31の下端部から下脚部64に沿って延びる下脚支持片部33と、下脚支持片部33から下脚部64の外側縁を超えて更にファスナー幅方向に延出する下延出部36とを有する。
 また、エレメント支持部材30は、ファスナーエレメント60に対し、折曲部31を噛合頭部62側に向け、開口側をファスナー幅方向の外側に向けた向きで配されており、上脚支持片部32と下脚支持片部33との間には、生地8の被着縁部8aが、ファスナーエレメント60の上脚部63の外側端部と下脚部64の外側端部の間から挿入されて収容される収容部34が設けられている。
 更に、エレメント支持部材30の上脚支持片部32には、ファスナーエレメント60の上脚部63が上側の一次縫製糸51の二重環縫いにより縫着されており、エレメント支持部材30の下脚支持片部33には、ファスナーエレメント60の下脚部64が下側の一次縫製糸51の二重環縫いにより縫着されている。これにより、ファスナーエレメント60の上脚部63及び下脚部64が、エレメント支持部材30の所定位置にしっかりと固定されて支持されている。
 このような本実施例3のファスナーストリンガー3を製造する場合、先ず、ファスナー長さ方向に沿って互いに離間して配された第1及び第2連結紐部65,66に、合成樹脂製の噛合頭部62、上脚部63及び下脚部64を射出成形することによって連続状のファスナーエレメント60を製造する。
 次に、得られた連続状のファスナーエレメント60の上脚部63及び下脚部64を平面状に開いて保持するとともに、図14に表すように、そのファスナーエレメント60の内周面側にエレメント支持部材30を積層(載置)する。更に、エレメント支持部材30がファスナーエレメント60に積層された状態で、エレメント縫製用ミシンを用いて、ファスナーエレメント60をエレメント支持部材30に一次縫製糸51の二重環縫いにより縫い付けて固定する。
 このとき、第1の一次縫製糸51で各ファスナーエレメント60の上脚部63をファスナー長さ方向に沿ってエレメント支持部材30に縫着するとともに、第2の一次縫製糸51で各ファスナーエレメント60の下脚部64をファスナー長さ方向に沿ってエレメント支持部材30に縫着する。
 その後、ファスナーエレメント60を、噛合頭部62を中心に、エレメント支持部材30を内側に挟む方向に略U字状に折り曲げて、上脚部63と下脚部64を重ねるようにする。これによって、エレメント支持部材30も、ファスナーエレメント60と同様に折り曲げられて、図12及び図13に示した本実施例3のファスナーストリンガー3が製造される。
 そして、製造された本実施例3のファスナーストリンガー3を、ファスナー被着物品である衣服の生地8に取着してスライドファスナー7を形成する。
 具体的に説明すると、先ず、生地8の被着縁部8aをファスナーエレメント60の上脚部63及び下脚部64間に挿入し、更に、エレメント支持部材30の上脚支持片部32及び下脚支持片部33間の収容部34に差し込む。このとき、エレメント支持部材30は略U字状に折り曲げられているため、前述の実施例1の場合と同様に、生地8の被着縁部8aに対するファスナーエレメント60の位置合わせを適切に行うことができるとともに、生地8の被着縁部8aをエレメント支持部材30で被覆保護することができる。
 次に、図15に表すように、ファスナーストリンガー3の収容部34に生地8が適切な位置まで挿入された状態で、ストリンガー縫製用ミシンを用いて、ファスナーストリンガー3の上脚部63及び下脚部64とエレメント支持部材30の上脚支持片部32及び下脚支持片部33とを、生地8の被着縁部8aにファスナー長さ方向全体に亘って、図示しない二次縫製糸によって同時に縫い付けて固定する。
 なお二次縫製糸は、ファスナーエレメント60の上脚部63及び下脚部64に設けた収容溝部68に収容されるようにして、ファスナーストリンガー3を生地8に縫着することが好ましい。
 このとき、生地8の被着縁部8aの厚さが厚い場合には、上脚部63の上面から下脚部64の下面までの高さ寸法は大きくなり、また、生地8の被着縁部8aの厚さが薄い場合には、上脚部63の上面から下脚部64の下面までの高さ寸法は小さくなるものの、噛合頭部62の高さ寸法は、その被着縁部8aの厚さに関わらず、所定の範囲内の大きさに安定して維持される。
 そして、本実施例3のファスナーストリンガー3を生地8の左右一対の被着縁部8aに二次縫製糸によってそれぞれ縫着した後、左右のエレメント列61にスライダー40を摺動可能に取り付けるとともに、エレメント列61の前端及び後端に隣接するように図示しない第1止具及び第2止具を形成する。これにより、本実施例3のスライドファスナー7が形成され、また、スライドファスナー7付きの衣服(製品)が製造される。
 この場合、スライダー40として、実施例1のスライダー40と実質的に同様の構造を有し、且つ、上ランド部48及び下ランド部49間の間隔がファスナーエレメント60の噛合頭部62の高さ寸法に適応したものが用いられる。
 以上のようにして形成される本実施例3のスライドファスナー7を備える衣服では、生地8の被着縁部8aがエレメント支持部材30で包み込まれているため、その被着縁部8aに折り返すような端部処理が施されていなくても、被着縁部8aの側端面にほつれを生じさせ難くすることができる。また、被着縁部8aの側端面にほつれが生じたとしても、スライダー40の摺動性を低下させることを効果的に防止できる。
 更に、本実施例3のスライドファスナー7では、噛合頭部62の高さ寸法が被着縁部8aの厚さに関わらず所定の範囲内の大きさに維持されるため、前述の実施例1のスライドファスナー5と同様に、左右のファスナーエレメント60がスライダー40のエレメント案内路内を挿通する際に、スライダー40に対するファスナーエレメント60の上下方向及び左右方向の位置を安定させることができる。
 このため、ファスナーエレメント60をスライダー40の略Y字状のエレメント案内路に沿って円滑に安定してガイドすることができる。それによって、左右のファスナーエレメント60が、スライダー40のエレメント案内路内でがたつくことを効果的に防止して、左右のファスナーエレメント60の噛み合わせ動作や分離動作を安定して行うことができるとともに、スライダー40の軽快で円滑な摺動を安定して確保できる。
 また、本実施例3のスライドファスナー7においても、生地8の被着縁部8aの厚さに対応して上下翼板間の間隔が異なる複数種類のスライダーを準備する必要がないため、スライドファスナー7付き衣服の製造コストを削減することができる。
 更に本実施例3のスライドファスナー7では、エレメント支持部材30の上延出部35及び下延出部36が、ファスナーエレメント60の上脚部63及び下脚部64の外側縁を超えて外側に延出するとともに、スライダー40の上フランジ部46及び下フランジ部47間に挟まれるように配置されている。このため、上延出部35及び下延出部36によって生地8を上フランジ部46及び下フランジ部47から保護することができ、それによって、スライダー40の摺動時に上フランジ部46及び下フランジ部47が生地8に直接接触することによって生地8が傷むことを効果的に防止することができる。
 なお本実施例3において、図示していないが、エレメント支持部材30は、前述の実施例1の場合と同様に(図3を参照)、上脚部63及び下脚部64の形成領域内に配されるようにしても良い。
  1,2,3    ファスナーストリンガー
  5,5a     スライドファスナー
  6,7      スライドファスナー
  8,9      生地
  8a,9a    被着縁部
 10        ファスナーエレメント
 10a       一次エレメント成形体
 11        エレメント列
 12        噛合頭部
 12a       膨出部
 13        上脚部
 14        下脚部
 15        連結部
 20        エレメント支持部材
 21        折曲部
 22        上脚支持片部
 23        下脚支持片部
 24        収容部
 30        エレメント支持部材
 31        折曲部
 32        上脚支持片部
 33        下脚支持片部
 34        収容部
 35        上延出部
 36        下延出部
 40        スライダー
 41        スライダー胴体
 42        引手
 43        上翼板
 44        下翼板
 45        案内柱
 46        上フランジ部
 47        下フランジ部
 48        上ランド部
 49        下ランド部
 50        引手取付部
 51        一次縫製糸
 52        二次縫製糸
 60        ファスナーエレメント
 61        エレメント列
 62        噛合頭部
 63        上脚部
 64        下脚部
 65        第1連結紐部(紐状の第1連結部)
 66        第2連結紐部(紐状の第2連結部)
 67        嵌入凹部
 68        収容溝部
 A         噛合頭部の高さ寸法

Claims (10)

  1.  エレメント列(11,61) を有するファスナーストリンガー(1,2,3)において、
     前記エレメント列(11,61) を形成する連続状の複数のファスナーエレメント(10,60) と、前記エレメント列(11,61) に沿って配され、前記ファスナーエレメント(10,60) が縫着されるテープ状のエレメント支持部材(20,30) とを有し、
     前記ファスナーエレメント(10,60) は、噛合頭部(12,62) と、前記噛合頭部(12,62) から前記エレメント支持部材(20,30) を間に挟んでファスナー幅方向に延出する上脚部(13,63) 及び下脚部(14,64) と、ファスナー長さ方向に隣接する前記上脚部(13,63) 同士及び前記下脚部(14,64) 同士を交互に又は連続して連結する連結部(15,65,66)とを備え、
     前記エレメント支持部材(20,30) は、前記上脚部(13,63) 及び下脚部(14,64) 間で折り曲げられる折曲部(21,31) と、前記折曲部(21,31) の一端から前記上脚部(13,63) に沿って延びるとともに前記上脚部(13,63) が縫着される上脚支持片部(22,32) と、前記折曲部(21,31) の他端から前記下脚部(14,64) に沿って延びるとともに前記下脚部(14,64) が縫着される下脚支持片部(23,33) とを有してなる、
    ことを特徴とするファスナーストリンガー。
  2.  前記上脚支持片部(22,32) 及び下脚支持片部(23,33) は、ファスナー幅方向において、前記ファスナーエレメント(10,60) の前記上脚部(13,63) 及び前記下脚部(14,64) の形成領域内に配されてなる請求項1記載のファスナーストリンガー。
  3.  前記エレメント支持部材(30)は、前記上脚支持片部(32)及び前記下脚支持片部(33)からファスナー幅方向に前記上脚部(13,63) 及び下脚部(14,64) を超えて延出する延出部(35,36) を有してなる請求項1記載のファスナーストリンガー。
  4.  前記上脚支持片部(22,32)に、前記上脚部(13,63) が第1の一次縫製糸(51)により縫着されるとともに、前記上脚支持片部(22,32)は、前記第1の一次縫製糸(51)による前記上脚部(13,63) の縫着箇所の両側に前記上脚部(13,63) に沿って延び、
     前記下脚支持片部(23,33)に、前記下脚部(14,64) が第2の一次縫製糸(51)により縫着されるとともに、前記下脚支持片部(23,33)は、前記第2の一次縫製糸(51)による前記下脚部(14,64) の縫着箇所の両側に前記下脚部(14,64) に沿って延びてなる、
    請求項1~3のいずれかに記載のファスナーストリンガー。
  5.  前記ファスナーエレメント(10)は、ジグザグ状に成形されたモノフィラメントからなり、
     前記上脚部(13)と前記下脚部(14)とは、前記上脚部(13)及び前記下脚部(14)間の間隔が、前記噛合頭部(12)側から前記連結部(15)側の端部に向けて漸増するように、ファスナー厚さ方向に直交する面に対して傾斜してなる、
    請求項1~4のいずれかに記載のファスナーストリンガー。
  6.  前記ファスナーエレメント(60)の前記連結部(65,66) は、ファスナー長さ方向に沿って配される第1及び第2連結紐部(65,66) を有し、
     前記第1及び第2連結紐部(65,66) は、各ファスナーエレメント(60)の前記上脚部(63)間、及び前記下脚部(64)間をそれぞれ連結してなる、
    求項1~4のいずれかに記載のファスナーストリンガー。
  7.  前記エレメント支持部材(20,30) は、織組織を備えるテープ部材、経編組織を備えるテープ部材、不織布により構成されるテープ部材、又は合成樹脂製のフィルム部材により形成されてなる請求項1~6のいずれかに記載のファスナーストリンガー。
  8.  請求項1~7のいずれかに記載の前記ファスナーストリンガー(1,2,3)と、前記ファスナーストリンガー(1,2,3)の前記エレメント列(11,61) に取着されるスライダー(40)とを有するスライドファスナー(5,5a,6,7)において、
     前記ファスナーストリンガー(1,2,3)は、ファスナー被着部材(8,9) の被着縁部(8a,9a) を前記エレメント支持部材(20,30) の前記上脚支持片部(22,32) と前記下脚支持片部(23,33) とで挟み込んで、当該被着縁部(8a,9a) に固定されてなることを特徴とするスライドファスナー。
  9.  前記ファスナーストリンガー(1,2,3)は、前記ファスナー被着部材(8,9) の前記被着縁部(8a,9a) に二次縫製糸(52)により固定され、前記二次縫製糸(52)は、前記上脚支持片部(22,32)に前記上脚部(13,63) を縫着する第1の一次縫製糸(51)、及び前記下脚支持片部(23,33)に前記下脚部(14,64) を縫着する第2の一次縫製糸(51)とは、別の糸により形成されてなる請求項8記載のスライドファスナー。
  10.  請求項8又は9記載のスライドファスナー(5,5a,6,7)が、前記ファスナー被着部材(8,9) の前記被着縁部(8a,9a) に配されてなることを特徴とするスライドファスナー付き物品。
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