WO2015132918A1 - 永久磁石型回転電機 - Google Patents

Abstract

　円筒状のフレーム、該フレームの一端に固定される負荷側ブラケット及び前記フレームの他端に固定される反負荷側ブラケットを有し、前記負荷側ブラケットの円形凹部にベアリングの外輪が嵌合されるハウジングと、珪素鋼板を積層して円筒状に形成され、内周部に複数個のティースが設けられ、前記ティースに巻線が施され、前記ハウジングのフレームに嵌合される固定子と、外周部に等間隔に複数の永久磁石が固着される構造用鋼材製の薄肉円筒部、該薄肉円筒部の一端に接続する段付円板部及び該段付円板部の中心に固定されるシャフトを有し、前記ベアリングの内輪に前記段付円板部の段部が嵌合され、前記ハウジングの負荷側ブラケットに回転自在に片持ち支持される回転子と、珪素鋼板を積層して円柱状に形成され、前記回転子の薄肉円筒部内に微小なエアギャップを隔てて挿入され、前記ハウジングの反負荷側ブラケットに片持ち支持されるバックヨークと、を備える。

Description

永久磁石型回転電機

　本発明は、回転子の外周面に永久磁石を配置した永久磁石型回転電機に関する。

　従来、外周面及び内周面とを含む円筒形状を呈し、界磁磁束を供給する界磁用磁石を有する回転子と、前記内周面側から前記回転子に対向し、電機子巻線が巻回された内周側固定子と、前記外周面側から前記回転子に対向し、電機子巻線が巻回された外周側固定子とを備え、前記内周側固定子の極対数と前記外周側固定子の極対数との比と、前記外周側固定子の前記電機子巻線に鎖交する前記界磁磁束の大きさと前記内周側固定子の前記電機子巻線に鎖交する前記界磁磁界の大きさとの比とは、等しく選定される回転電機が開示されている（例えば、特許文献１参照）。

　また、反負荷側の端部につば部を有する中空シャフトと、反負荷側の端部に前記つば部が着脱可能に固定された円筒状のフレームと、前記フレームに固定されたステータおよびその内側に設けられ前記負荷側に開口を有するカップ形状のロータとからなるモータと、前記ロータに結合されたウェーブジェネレータ、フレックススプラインおよびサーキュラスプラインからなる減速機と、前記中空シャフト側に設けられた磁気センサおよび前記ロータの前記開口側に当該磁気センサに対向して設けられたマグネットとからなる角度検出用の位置検出器と、前記フレームと前記減速機の出力側との間に設けられた低速軸受と、前記減速機の出力側に設けられ低速動作する出力フランジとを備え、前記ロータは前記モータの負荷側の高速軸受だけで片持ち支持されており、前記ロータに結合されたウェーブジェネレータは前記出力フランジに設けた高速軸受の外輪回転支持で軸受支持されており、前記低速軸受の内輪は前記出力フランジをハウジングとして取り付けられており、アクチュエータの中心を貫通する中空部は、前記中空シャフトと前記出力フランジとで構成し、前記位置検出器を前記モータの反負荷側に設けた中空アクチュエータが開示されている（例えば、特許文献２参照）。

特開２００７－１６６７９８号公報 特許第４６５０７１９号公報

　上記特許文献１に記載された従来の技術によれば、磁路を確保してトルク出力を向上させるために、回転子内周側に相当の厚みを持つ磁性体を有する構造となっている。そのため、ロータ重量（慣性）が大きくなり、出力トルクの一部はこの慣性の加速に用いられるので、加減速性能及び効率が悪い、という問題がある。

　また、上記特許文献２に記載された従来の技術によれば、ブレーキ部とモータ部が軸方向に並んで配置されるため、モータの全長が長い、という問題がある。

　本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、低慣性化とトルク向上を両立させて加速性能を向上させると共に、ブレーキを搭載しても全長が長くならないコンパクトな構造を有する永久磁石型回転電機を得ることを目的とする。

　上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、円筒状のフレーム、該フレームの一端に固定される負荷側ブラケット及び前記フレームの他端に固定される反負荷側ブラケットを有し、前記負荷側ブラケットの円形凹部にベアリングの外輪が嵌合されるハウジングと、珪素鋼板を積層して円筒状に形成され、内周部に複数個のティースが設けられ、前記ティースに巻線が施され、前記ハウジングのフレームに嵌合される固定子と、外周部に等間隔に複数の永久磁石が固着される構造用鋼材製の薄肉円筒部、該薄肉円筒部の一端に接続する段付円板部及び該段付円板部の中心に固定されるシャフトを有し、前記ベアリングの内輪に前記段付円板部の段部が嵌合され、前記ハウジングの負荷側ブラケットに回転自在に片持ち支持される回転子と、珪素鋼板を積層して円柱状に形成され、前記回転子の薄肉円筒部内に微小なエアギャップを隔てて挿入され、前記ハウジングの反負荷側ブラケットに片持ち支持されるバックヨークと、を備えることを特徴とする。

　本発明に係る永久磁石型回転電機は、低慣性化とトルク向上を両立させて加速性能を向上させると共に、ブレーキを搭載しても全長が長くならない、という効果を奏する。

図１は、本発明に係る永久磁石型回転電機の実施の形態１を示す横断面図である。 図２は、実施の形態１の永久磁石型回転電機の縦断面図である。 図３は、本発明に係る永久磁石型回転電機の実施の形態２を示す縦断面図である。 図４は、実施の形態２の永久磁石型回転電機の図３とは位相の異なる縦断面図である。

　以下に、本発明にかかる永久磁石型回転電機の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。

実施の形態１．
　図１は、本発明に係る永久磁石型回転電機の実施の形態１を示す横断面図であり、図２は、実施の形態１の永久磁石型回転電機の縦断面図である。図１及び図２に示すように、実施の形態１の永久磁石型回転電機９１は、円筒状のフレーム４１と、フレーム４１の一端に固定される負荷側ブラケット４２と、フレーム４１の他端に固定される反負荷側ブラケット４３を有し、負荷側ブラケット４２の中央部の円形凹部にベアリング４４の外輪が勘合されるハウジング４０を備えている。ベアリング４４は、クロスローラーベアリングである。

　また、永久磁石型回転電機９１は、円筒状に形成され、内周部に夫々複数（実施の形態１の永久磁石型回転電機９１では１２個）のティース２２及びスロット２３が設けられ、ティース２２に巻線２４が施され、ハウジング４０のフレーム４１に嵌合される固定子２０を備えている。

　また、永久磁石型回転電機９１は、外周部に等間隔に複数（実施の形態１の永久磁石型回転電機９１では８個）の永久磁石３４が固着される薄肉円筒部３１と、薄肉円筒部３１の一端に接続する段付円板部３２と、段付円板部３２の中心に固定されるシャフト３３と、を有し、ベアリング４４の内輪に段付円板部３２の段部が嵌合され、ハウジング４０の負荷側ブラケット４２に回転自在に片持ち支持される回転子３０を備えている。固定子２０のティース２２の先端と回転子３０の永久磁石３４の磁極端部とは、エアギャップを隔てて対向している。

　また、永久磁石型回転電機９１は、円柱状に形成され、回転子３０の薄肉円筒部３１内に微小なエアギャップを隔てて挿入され、ハウジング４０の反負荷側ブラケット４３の支持台４３ａに、複数のボルト４３ｂにより固定され、支持台４３ａにより片持ち支持されるバックヨーク５０を備えている。バックヨーク５０には、回転子３０の回転位置を検出するホールセンサ５２が埋め込まれている。

　固定子２０の鉄心及びバックヨーク５０は、鉄損を低減するために、多数の珪素鋼板を積層して形成されている。回転子３０の薄肉円筒部３１、段付円板部３２及びシャフト３３は、強度を確保するために、構造用鋼材により形成されている。薄肉円筒部３２の径方向の厚さを、永久磁石３４の周方向の幅の１／４以下として、永久磁石３４及び巻線２４から発生する磁束をバックヨーク５０に通す構造としている。

　以上説明したように、実施の形態１の永久磁石型回転電機９１は、回転子３０の鉄心（薄肉円筒部３１）を薄肉化することにより、回転子３０の加減速性能を向上させることができると共に、バックヨーク５０に磁束を流す磁路を設けることにより、トルク出力を向上させることができる。さらに、バックヨーク５０を、珪素鋼板を積層して形成することにより、鉄損を低減することができ、効率が向上する。

実施の形態２．
　図３は、本発明に係る永久磁石型回転電機の実施の形態２を示す縦断面図であり、図４は、実施の形態２の永久磁石型回転電機の図３とは位相の異なる縦断面図である。図３及び図４に示すように、実施の形態２の永久磁石型回転電機９２は、ハウジング４０、固定子２０及び回転子３０が、実施の形態１の永久磁石型回転電機９１と同等であるので、その詳細な説明を省略し、特徴的な構成を有するバックヨーク６０について説明する。

　実施の形態２のバックヨーク６０は、多数の珪素鋼板を積層して円柱状に形成され、回転子３０の薄肉円筒部３１内に微小なエアギャップを隔てて挿入され、ハウジング４０の反負荷側ブラケット４３に複数のコイルばね６１により接続されている。図４に示すように、バックヨーク６０の反負荷側には、複数の軸方向穴６７が設けられ、反負荷側ブラケット４３には、軸方向穴６７にスライド自在に嵌合する複数の支持棒６６が固定されている。複数の支持棒６６は、バックヨーク６０のリニアスライド機構を構成している。リニアスライド機構（複数の支持棒６６）は、バックヨーク６０を軸方向に変位可能に、軸回りに回転不能に片持ち支持している。

　バックヨーク６０は、コイルばね６１の伸縮により、薄肉円筒部３１内で軸方向に変位可能であり、常時は、圧縮されたコイルばね６１の伸張力により、回転子３０の負荷側端面に押付けられている。バックヨーク６０には、回転子３０の回転位置を検出するホールセンサ５２が埋め込まれている。

　バックヨーク６０の反負荷側には、円形の凹部が形成され、凹部内に、フィールド６２内に巻装されたブレーキコイル６３が埋設されている。反負荷側ブラケット４３の中央部には、ブレーキコイル６３に対向するアーマチュア６４が取付けられている。

　ブレーキ未開放時（ブレーキコイル６３が励磁されていない時）は、コイルばね６１の伸張力により、バックヨーク６０の負荷側端面が回転子３０の負荷側端面に押付けられ、摩擦力により、回転子３０は回転できない。ブレーキ開放時（ブレーキコイル６３が励磁されている時）は、ブレーキコイル６３の磁気吸引力により、フィールド６２がアーマチュア６４に吸引され、バックヨーク６０が反負荷側に変位し、回転子３０は自由に回転することができる。フィールド６２を、圧粉磁心などで形成すれば、永久磁石３４及び巻線２４による磁束の影響を受けることがなく、モータ特性を悪化させる漏れ磁束を低減することができる。

　以上説明したように、実施の形態２の永久磁石型回転電機９２は、電磁ブレーキを構成するフィールド６２及びブレーキコイル６３を、バックヨーク６０内に埋設したので、永久磁石型回転電機９２の全長を短くすることができる。

　なお、実施の形態１の永久磁石型回転電機９１及び実施の形態２の永久磁石型回転電機９２は、外部から力を加えてシャフト３３を回転させれば、巻線２４から電力を得ることができ、発電機としても使用することができる。

　２０　固定子、２２　ティース、２３　スロット、２４　巻線、３０　回転子、３１　薄肉円筒部、３２　段付円板部、３３　シャフト、３４　永久磁石、４０　ハウジング、４１　フレーム、４２　負荷側ブラケット、４３　反負荷側ブラケット、４３ａ　支持台、４３ｂ　ボルト、４４　ベアリング、５０　バックヨーク、５２　ホールセンサ、６０　バックヨーク、６１　コイルばね、６２　フィールド、６３　ブレーキコイル、６４　アーマチュア、６６　支持棒（リニアスライド機構）、６７　軸方向穴、９１，９２　永久磁石型回転電機。

Claims (4)

1. 　円筒状のフレーム、該フレームの一端に固定される負荷側ブラケット及び前記フレームの他端に固定される反負荷側ブラケットを有し、前記負荷側ブラケットの円形凹部にベアリングの外輪が嵌合されるハウジングと、
   　珪素鋼板を積層して円筒状に形成され、内周部に複数個のティースが設けられ、前記ティースに巻線が施され、前記ハウジングのフレームに嵌合される固定子と、
   　外周部に等間隔に複数の永久磁石が固着される構造用鋼材製の薄肉円筒部、該薄肉円筒部の一端に接続する段付円板部及び該段付円板部の中心に固定されるシャフトを有し、前記ベアリングの内輪に前記段付円板部の段部が嵌合され、前記ハウジングの負荷側ブラケットに回転自在に片持ち支持される回転子と、
   　珪素鋼板を積層して円柱状に形成され、前記回転子の薄肉円筒部内に微小なエアギャップを隔てて挿入され、前記ハウジングの反負荷側ブラケットに片持ち支持されるバックヨークと、
   　を備えることを特徴とする永久磁石型回転電機。
2. 　前記ハウジングの反負荷側ブラケットに設けられ、前記バックヨークを軸方向に変位可能に、軸周りに回転不能に片持ち支持するリニアスライド機構と、
   　前記ハウジングの反負荷側ブラケットに設けられ、前記バックヨークを前記負荷側ブラケット方向に押圧するばねと、
   　前記バックヨークの反負荷側に埋設されたフィールド及びブレーキコイルと、
   　前記ハウジングの反負荷側ブラケットに固定されたアーマチュアと、
   　を、さらに備えることを特徴とする請求項１に記載の永久磁石型回転電機。
3. 　前記フィールドは、圧粉磁心により形成されていることを特徴とする請求項２に記載の永久磁石型回転電機。
4. 　発電機として用いられることを特徴とする請求項１に記載の永久磁石型回転電機。

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