WO2015118829A1 - レーザ加工装置 - Google Patents

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Abstract

 レーザ加工装置は、レーザ発振装置(2)と、音響光学素子(3)と、第1の測定器(6)と、加工部(5)と、制御部(7)とを有する。レーザ発振装置(2)は、出力ビーム(B0)を出力する。音響光学素子(3)は、出力ビーム(B0)が入射され、出力ビーム(B0)を第1の光路(R1)および第2の光路(R2)のいずれかに選択的に出射する。第1の測定器(6)は、第1の光路(R1)に設けられ、加工ビーム(B2)のエネルギを測定する。加工部(5)は第2の光路(R2)に設けられている。制御部(7)は、レーザ発振装置(2)および音響光学素子(3)を制御し、第1の測定器(6)が測定した第1の測定値を受信する。第1の光路(R1)に出射された出力ビーム(B0)は、音響光学素子(3)から第1の測定器(6)に直接入射される。制御部(7)は、第1の測定値に基づいて加工ビーム(B2)の異常を検知する。

Description

レーザ加工装置
 本開示は、音響光学素子を用いたレーザ加工技術に関する。
 図25は、従来のレーザ光を用いた開孔装置101を示した概念図である。図25に示す様に、従来の開孔装置101は、レーザ発振器102と、電源103と、音響光学モジュール104と、光学系105と、光ダンパ106と、強度検出器107と、出力制御部108とを有する。さらに光学系105は、反射ミラー105a、105b、105cと、ビームスプリッタ105d、105eと、集光レンズ105f、105gとを有する。従来の開孔装置101では、強度検出器107にて検出されたレーザ光の強度に応じて、出力制御部108が音響光学モジュール104の駆動電圧をフィードバック制御する。これにより、音響光学モジュール104が偏向出力するレーザ光の出力効率を変化し、レーザ光の強度を一定にするものである(例えば、特許文献1参照)。
 しかし、従来の開孔装置101は、レーザ発振器102が発振するレーザ光がすでにパルス状であり、パルスの立ち上がりや立ち下がりをさらに音響光学モジュール104でフィードバック制御することは困難である。また、レーザ光のパルスの谷においては、出力がゼロであるため、音響光学モジュール104で制御することはできない。そこで、さらに、レーザ光のパルス形状(立ち上がり、立ち下がり、パルスの谷)に対応したレーザ加工装置が提案されている。
 図26は、従来の別のレーザ加工装置201を示した概念図である。図26に示す様に、従来のレーザ加工装置201は、レーザ発振器202と、光路偏向手段203と、検知器204と、ダンパ205と、加工部206と、判定装置207と、制御装置208とを有する。さらに検知器204は、スプリッタ209とセンサ210とを有する。従来のレーザ加工装置201では、検知器204がレーザ光のエネルギを検知し、判定装置207が、レーザ光のエネルギが所定の範囲にあるかどうかを判定する。レーザ光のエネルギが所定の範囲内にある場合は、光路偏向手段203が作動し、レーザ光が加工部206に照射される。レーザ光のエネルギが所定の範囲内にない場合は、光路偏向手段203が作動せず、レーザ光がダンパ205に照射される(例えば、特許文献2参照)。
 これにより、レーザ光のパルスの形状(立ち上がり、立下り、パルスの谷)が検知され、選択的にレーザ光を加工部206に照射させることができる。
特開2000-5890号公報 特開2004-25292号公報
 しかし、従来のレーザ加工装置201は、スプリッタ209によって反射されたレーザ光のエネルギを検出しているため、スプリッタ209の精度誤差の影響を受け、レーザ光のエネルギを正確に検知できない。
 本開示に係るレーザ加工装置は、レーザ発振装置と、音響光学素子と、第1の測定器と、加工部と、制御部とを有する。レーザ発振装置は、出力ビームを出力する。音響光学素子は、出力ビームが入射され、出力ビームを第1の光路および第2の光路のいずれかに選択的に出射する。第1の測定器は、第1の光路に設けられ、加工ビームのエネルギを測定する。加工部は第2の光路に設けられている。制御部は、レーザ発振装置および音響光学素子を制御し、第1の測定器が測定した第1の測定値を受信する。第1の光路に出射された出力ビームは、音響光学素子から第1の測定器に直接入射される。制御部は、第1の測定値に基づいて加工ビームの異常を検知する。
 本開示に係るレーザ加工装置は、エネルギを正確に検知したレーザ光を用いて加工を行うため、より高い加工品質を実現する。
図1は、実施の形態1に係るレーザ加工装置1を示した概念図である。 図2は、実施の形態1に係るレーザ加工装置1の制御における、出力指令信号(A)、出力ビームのエネルギ(B)、状態指令信号(C)、加工ビームのエネルギ(D)および測定ビームのエネルギ(E)を示すタイムチャートである。 図3は、実施の形態1に係るレーザ加工装置1の、異常発生時の、出力指令信号(A)、出力ビームのエネルギ(B)、状態指令信号(C)、加工ビームのエネルギ(D)および測定ビームのエネルギ(E)を示すタイムチャートである。 図4は、実施の形態1の第1の変形例に係るレーザ加工装置11を示した概念図である。 図5は、実施の形態1の第1の変形例に係るレーザ加工装置11の制御における、出力指令信号(A)、出力ビームのエネルギ(B)、状態指令信号(C)、加工ビームのエネルギ(D)および測定ビームのエネルギ(E)を示すタイムチャートである。 図6は、実施の形態2に係るレーザ加工装置21を示した概念図である。 図7は、実施の形態2に係るレーザ加工装置21の制御における、出力指令信号(A)、出力ビームのエネルギ(B)、状態指令信号(C)、加工ビームのエネルギ(D)および測定ビームのエネルギ(E)を示すタイムチャートである。 図8は、実施の形態2に係るレーザ加工装置21の、異常発生時の、出力指令信号(A)、出力ビームのエネルギ(B)、状態指令信号(C)、加工ビームのエネルギ(D)および測定ビームのエネルギ(E)を示すタイムチャートである。 図9は、実施の形態2に係るレーザ加工装置21の、異常発生時の、出力指令信号(A)、出力ビームのエネルギ(B)、状態指令信号(C)、加工ビームのエネルギ(D)および測定ビームのエネルギ(E)を示すタイムチャートである。 図10は、実施の形態2に係るレーザ加工装置21の、異常発生時の、出力指令信号(A)、出力ビームのエネルギ(B)、状態指令信号(C)、加工ビームのエネルギ(D)および測定ビームのエネルギ(E)を示すタイムチャートである。 図11は、実施の形態2に係るレーザ加工装置21の制御における、出力指令信号(A)、出力ビームのエネルギ(B)、状態指令信号(C)、加工ビームのエネルギ(D)および測定ビームのエネルギ(E)を示すタイムチャートである。 図12は、実施の形態2の第2の変形例に係るレーザ加工装置31を示した概念図である。 図13は、実施の形態2の第2の変形例に係るレーザ加工装置31制御における、出力指令信号(A)、出力ビームのエネルギ(B)、状態指令信号(C)、加工ビームのエネルギ(D)および測定ビームのエネルギ(E)を示すタイムチャートである。 図14は、実施の形態3に係るレーザ加工装置51を示した概念図である。 図15は、実施の形態3に係るレーザ加工装置51の制御における、出力指令信号(A)、出力ビームのエネルギ(B)、状態指令信号(C)、加工ビームのエネルギ(D)および測定ビームのエネルギ(E)を示すタイムチャートである。 図16は、実施の形態3に係るレーザ加工装置51の制御における、出力ビームのエネルギ(A)、パワーモニタが検出する出力ビームのエネルギ(B)、測定ビームのエネルギ(C)およびパワーモニタが検出する測定ビームのエネルギ(D)を示すタイムチャートである。 図17は、実施の形態3に係るレーザ加工装置51の制御における、パワーモニタが検出する出力ビームのエネルギ(A)およびパワーモニタが検出する測定ビームのエネルギ(B)を示すタイムチャートである。 図18は、実施の形態3に係るレーザ加工装置51の、異常発生時に、パワーモニタが検出する出力ビームのエネルギ(A)およびパワーモニタが検出する測定ビームのエネルギ(B)を示すタイムチャートである。 図19は、実施の形態3に係るレーザ加工装置51の、異常発生時に、パワーモニタが検出する出力ビームのエネルギ(A)およびパワーモニタが検出する測定ビームのエネルギ(B)を示すタイムチャートである。 図20は、実施の形態3に係るレーザ加工装置51の、異常発生時に、パワーモニタが検出する出力ビームのエネルギ(A)およびパワーモニタが検出する測定ビームのエネルギ(B)を示すタイムチャートである。 図21は、実施の形態3に係るレーザ加工装置51の制御における、パワーモニタが検出する出力ビームのエネルギ(A)およびパワーモニタが検出する測定ビームのエネルギ(B)を示すタイムチャートである。 図22は、実施の形態3の第2の変形例に係るレーザ加工装置61を示した概念図である。 図23は、実施の形態3の第2の変形例に係るレーザ加工装置61の制御における、出力指令信号(A)、出力ビームのエネルギ(B)、状態指令信号(C)、加工ビームのエネルギ(D)および測定ビームのエネルギ(E)を示すタイムチャートである。 図24は、実施の形態3の第2の変形例に係るレーザ加工装置61の制御における、パワーモニタが検出する出力ビームのエネルギ(A)およびパワーモニタが検出する測定ビームのエネルギ(B)を示すタイムチャートである。 図25は、従来の開孔装置101を示した概念図である。 図26は、従来のレーザ加工装置201を示した概念図である。
 (実施の形態1)
 実施の形態1について、図1~図5を用いて、説明する。
 [1]レーザ加工装置1の構成
 図1は、本実施の形態に係るレーザ加工装置1を示した概念図である。図1に示す様に、レーザ加工装置1は、レーザ発振装置2と、音響光学素子3と、加工ヘッド4と、加工対象Tが載せられる加工テーブル5(加工部)と、第1の光検出器6(第1の測定器)と、制御部7とを有している。レーザ発振装置2は、電源8を有しており、電源8は、レーザ発振装置2に電力を供給することによりレーザ媒質を励起させる。それにより、レーザ発振装置2は、出力ビームとしてレーザ光を出力する。レーザ発振装置2には、COレーザやYAGレーザ等の発振を可能にする種々のレーザ媒質を用いることが出来る。
 レーザ発振装置2から出力されたレーザ光は、出力ビームB0として、音響光学素子3に入射される。
 音響光学素子3は、制御部7からの指令に基づいて、入射されたレーザ光(出力ビームB0)を回折するオン状態と、入射されたレーザ光(出力ビームB0)を回折せずに通過させるオフ状態とに選択的に設定される。音響光学素子3がオン状態に設定されている場合、出力ビームB0は音響光学素子3によって回折され、回折光Ld(測定ビームB1)が得られる。一方、音響光学素子3がオフ状態に設定されている場合、出力ビームB0は、音響光学素子3によって回折されずに音響光学素子3を通過し、非回折光Ln(加工ビームB2)が得られる。レーザ加工装置1には、出力ビームB0が音響光学素子3にて回折された後に進む光路R1(第1の光路)と、出力ビームB0が音響光学素子3にて回折されずに音響光学素子3を通過した後に進む光路R2(第2の光路)とが存在している。
 本実施の形態においては、光路R2を進む非回折光Lnが加工ビームB2としてレーザ加工に用いられる。具体的には、制御部7からの指令に基づいて音響光学素子3の状態が切り替えられることにより、出力ビームB0の一部が非回折光Ln(加工ビームB2)として抽出される。そして、非回折光Ln(加工ビームB2)が加工ヘッド4を介して加工対象Tの照射位置Pwに導かれ、レーザ加工に用いられる。ここで、音響光学素子3には挿入損失が存在し、挿入損失は、通常、7%程度である。従って、非回折光Ln(加工ビームB2)のエネルギは、音響光学素子3に入射されるレーザ光(出力ビームB0)のエネルギの93%程度である。よって、本実施の形態においては、エネルギの大きいレーザ光がレーザ加工に用いられる。また、音響光学素子3の挿入損失が小さくなれば、それに従って、非回折光Ln(加工ビームB2)のエネルギが大きくなる。
 一方、制御部7からの指令に基づいて音響光学素子3の状態が切り替えられることにより、出力ビームB0の一部が回折光Ld(測定ビームB1)として抽出される。回折光Ld(測定ビームB1)は、光路R1を進み、後述する第1の光検出器6へ導かれる。ここで、音響光学素子3の回折効率は、通常、80%程度である。従って、音響光学素子3の挿入損失(7%程度)を考慮すると、回折光Ld(測定ビームB1)のエネルギは、音響光学素子3に入射されるレーザ光(出力ビームB0)のエネルギの70~75%程度となる。この回折光Ld(測定ビームB1)が、第1の光検出器6によって検出され、レーザ光(出力ビームB0)の異常検知に用いられる。
 加工ヘッド4は、加工対象Tの照射位置Pwに加工ビームB2を導くための光路Rを、制御部7の指令に基づいて設定する。加工ヘッド4は、第1のガルバノミラー41、第2のガルバノミラー42、及びスキャンレンズ43を有する。第1のガルバノミラー41は、その反射面の角度を変化させることにより、照射位置PwをX軸方向において移動させる。第2のガルバノミラー42は、その反射面の角度を変化させることにより、照射位置PwをY軸方向において移動させる。そして、音響光学素子3から加工ヘッド4へ導かれた加工ビームB2は、第1のガルバノミラー41及び第2のガルバノミラー42にて順に反射されることにより、スキャンレンズ43へ導かれる。スキャンレンズ43は、入射された加工ビームB2を照射位置Pwに集光させる。
 第1の光検出器6は、音響光学素子3を出た回折光Ldが直接入射されるように、光路R1に設置されている。従って、第1の光検出器6は、音響光学素子3に入射された出力ビームB0のうち、第1の光検出器6へ導かれる回折光Ld(測定ビームB1)を検出する。一方、音響光学素子3を出た非回折光Ln(加工ビームB2)が進む光路R2には、第1の光検出器6やそれに類するものは設置されていない。よって、非回折光Ln(加工ビームB2)は、照射位置Pwへ導かれる過程においてエネルギの低下を殆ど生じない。
 制御部7は、レーザ発振装置2、音響光学素子3、及び加工ヘッド4を制御する。レーザ発振装置2に対する制御において、制御部7は、電源8を制御する。具体的には、制御部7は、電源8に対して出力指令信号S1を送信する。電源8は、出力指令信号S1の立ち上がり時にレーザ発振装置2への電力の供給を開始し、出力指令信号S1の立ち下がり時にレーザ発振装置2への電力の供給を停止する。この様にして、制御部7は、電源8に対する制御を通じて、レーザ発振装置2にレーザ光(出力ビームB0)の出力開始及び出力停止を指令する。そして、出力指令信号S1が立ち上がる時点が、レーザ発振装置2にレーザ光の出力開始が指令される時点となり、出力指令信号S1が立ち下がる時点が、レーザ発振装置2にレーザ光の出力停止が指令される時点となる。
 音響光学素子3に対する制御において、制御部7は、音響光学素子3に対して状態指令信号S2を送信し、音響光学素子3をオン状態又はオフ状態に設定する。音響光学素子3は、状態指令信号S2の立ち上がり時にオフ状態からオン状態に切り替えられ、状態指令信号S2の立ち下がり時にオン状態からオフ状態に切り替えられる。
 レーザ発振装置2を制御する出力指令信号S1と、音響光学素子3を制御する状態指令信号S2とは、出力ビームB0の出力開始及び出力停止の指令と音響光学素子3の状態の切替えとの間に所望のタイミングが生じる様に、互いに関連付けられている。具体的には、制御部7は、レーザ発振装置2にレーザ光(出力ビームB0)を出力させつつ、音響光学素子3の状態を切り替えることにより、音響光学素子3に入射されたレーザ光(出力ビームB0)の一部を非回折光Ln(測定ビームB1)として抽出する。
 加工ヘッド4に対する制御において、制御部7は、加工ビームB2を加工対象Tへ導くための光路Rを加工ヘッド4に設定させる。具体的には、制御部7は、第1のガルバノミラー41の駆動系を制御することにより、第1のガルバノミラー41の反射面の角度を変更する。また、制御部7は、第2のガルバノミラー42の駆動系を制御することにより、第2のガルバノミラー42の反射面の角度を変更する。この様にして、制御部7は、XY平面内で照射位置Pwを移動させる。なお、制御部7は、さらに加工テーブル5を制御してもよい。具体的には、制御部7は、加工テーブル5の駆動系(図示せず)を制御し、X軸、Y軸、及びZ軸によって規定される空間内で加工テーブル5を移動させると共に加工テーブル5の位置を調整するようにしてもよい。
 制御部7は、上述した制御に加えて、レーザ光(出力ビームB0)の異常を検知する。具体的には、制御部7は、出力ビームB0の異常を第1の光検出器6の測定値に基づいて検知する。
 [2]レーザ加工装置1の制御
 次に、制御部7が行うレーザ加工装置1の具体的な制御について、図2に示されるタイムチャートに沿って説明する。ここでは特に、レーザ発振装置2によってレーザ光がパルス発振される場合について説明する。図2の(A)は、制御部7から電源8へ送信される出力指令信号S1を示すタイムチャートである。図2の(B)は、出力指令信号S1に基づいてレーザ発振装置2から出力されるレーザ光(出力ビームB0)のエネルギE0を示すタイムチャートである。図2の(C)は、制御部7から音響光学素子3へ送信される状態指令信号S2を示すタイムチャートである。図2の(D)は、非回折光LnのエネルギEw1を示すタイムチャートである。図2の(E)は、第1の光検出器6へ導かれる回折光LdのエネルギEw2を示すタイムチャートである。なお、図2の(B)、(D)、(E)は、出力ビームB0が正常なときのそれぞれのエネルギの時間変化をそれぞれ示している。
 <レーザ発振装置2に対する制御>
 図2の(A)に示すように、制御部7は、パルス発振用の出力指令信号S1として、時刻tsにて立ち上がると共に時刻teにて立ち下がるパルス信号を、電源8へ送信する。電源8は、出力指令信号S1を受信すると、時刻tsにおいてレーザ発振装置2への電力の供給を開始する。これにより、レーザ媒質の励起が始まる。
 図2の(B)に示すように、レーザ光の出力が可能となる迄には、レーザ媒質の励起が始まってから所定の期間T1が必要である。そして、時刻tsから所定の期間T1が経過した時刻t1に、レーザ発振装置2からのレーザ光(出力ビームB0)の出力が開始される。即ち、時刻t1が、レーザ光の出力期間の始点となる。時刻t1にレーザ光の出力が開始されると、レーザ光のエネルギE0が上昇し、所定の期間T2が経過した時刻t2に、レーザ光のエネルギE0はピーク(正常時のピーク値E0p)に達する。
 その後、電源8は、時刻teにおいてレーザ発振装置2への電力の供給を停止する。これにより、レーザ媒質の励起が停止される。時刻teにレーザ発振装置2への電力の供給が停止されると、レーザ光のエネルギE0は減少し、所定の期間T3が経過した時刻t3にゼロとなる。即ち、時刻t3が、レーザ光の出力期間の終点となる。
 この様な制御部7の制御により、レーザ発振装置2からは、レーザパルスが出力ビームB0として出力される。
 <音響光学素子3に対する制御>
 図2の(C)に示すように、制御部7は、状態指令信号S2として、時刻ta0で立ち上がると共に時刻ta1で立ち下がるパルス信号と、時刻ta2で立ち上がると共に時刻ta3で立ち下がるパルス信号とを、音響光学素子3へ送信する。ここで、時刻ta0は、レーザ発振装置2への電力の供給が開始される時刻ts(レーザ発振装置2にレーザ光の出力開始が指令される時刻)に設定されている。なお、時刻ta0は、時刻tsとレーザ光の出力が開始される時刻t1(出力期間の始点)との間に設定されてもよいし、時刻tsより前に設定されてもよい。時刻ta1は、レーザ加工の開始時点であり、レーザ光のエネルギE0がピーク値E0pに達する時刻t2の直後に設定されることが好ましい。なお、時刻ta1は、時刻t2に設定されてもよいし、時刻t2の直前に設定されてもよい。時刻ta2は、レーザ加工の終了時点であり、レーザ発振装置2への電力の供給が停止される時刻te(レーザ発振装置2にレーザ光の出力停止が指令される時刻)の直前に設定されることが好ましい。なお、時刻ta2は、時刻teに設定されてもよいし、時刻teの直後に設定されてもよい。時刻ta3は、レーザ発振装置2からのレーザ光の出力が終わる時刻t3(出力期間の終点)の直後に設定されている。尚、時刻ta3は、時刻t3に設定されてもよい。
 音響光学素子3は、状態指令信号S2に基づいて、時刻ta0迄はオフ状態に設定され、時刻ta0になるとオフ状態からオン状態へ切り替えられる。即ち、レーザ光の出力がない時刻ta0迄の期間では、音響光学素子3は、電力を殆ど必要としないオフ状態に設定される。時刻ta0にて状態が切り替えられた後、時刻ta1迄、音響光学素子3はオン状態に設定される。従って、時刻ta1迄は、音響光学素子3に入射されたレーザ光(出力ビームB0)は音響光学素子3により回折され、得られた回折光Ldが測定ビームB1として第1の光検出器6により検出される。但し、音響光学素子3の回折効率は、通常、80%程度である。従って、音響光学素子3がオン状態であっても、出力ビームB0が持つエネルギの20%程度(音響光学素子3の挿入損失(7%程度)を考慮すると18%程度)のレーザ光が、回折されずに音響光学素子3を通過する。よって、図2の(D)に示すように、時刻t1から時刻ta1迄の期間は、音響光学素子3がオン状態であっても、出力ビームB0の一部が加工ビームB2として加工ヘッド4へ導かれる。
 時刻ta1になると、音響光学素子3は、オン状態からオフ状態へ切り替えられる。これにより、音響光学素子3に入射されたレーザ光(出力ビームB0)は、回折されずに音響光学素子3を通過し、非回折光Ln(加工ビームB2)が加工ヘッド4へ導かれる。上述した様に、音響光学素子3の挿入損失(7%程度)を考慮したとしても、非回折光LnのエネルギEw1は、出力ビームB0のエネルギの93%程度になる。従って、非回折光LnのエネルギEw1は、回折光LdのエネルギEw2(測定ビームB1のエネルギの70~75%程度)に比べて著しく大きい。よって、非回折光Lnは、レーザ加工に用いるレーザ光(加工ビームB2)として好ましい。
 その後、時刻ta2になると、音響光学素子3は、オフ状態からオン状態へ切り替えられる。これにより、音響光学素子3に入射されたレーザ光(出力ビームB0)は音響光学素子3により回折され、得られた回折光Ldが第1の光検出器6により検出される。但し、音響光学素子3の回折効率を考慮すると、時刻t1から時刻ta1迄の期間と同様、時刻ta2から時刻t3迄の期間においても、出力ビームB0の一部が加工ビームB2として加工ヘッド4へ導かれることになる。
 更にその後、時刻ta3になると、音響光学素子3は、オン状態からオフ状態に切り替えられる。即ち、レーザ光の出力がない時刻ta3からの期間では、音響光学素子3は、電力を殆ど必要としないオフ状態に設定される。
 この様にして、制御部7は、レーザ発振装置2によるレーザ光(出力ビームB0)の出力期間において、レーザ加工時には音響光学素子3をオフ状態に設定し、それ以外の時には音響光学素子3をオン状態に設定する。
 本実施形態の制御においては、音響光学素子3がオフ状態となる時刻ta1から時刻ta2迄の期間が、出力ビームB0のエネルギE0がピーク値E0pに達している期間(時刻t2から時刻te迄の期間)内に設定されている。従って、加工ビームB2は、矩形のレーザパルスとなる(図2の(D)参照)。よって、レーザ発振装置2から照射位置Pwに至る過程でレーザ光に生じるエネルギ損失は、音響光学素子3の挿入損失(7%程度)で済む。従って、レーザ加工に回折光Ldを用いる場合に比べて、エネルギ損失が著しく小さくなる。その結果、フィラー等の強化剤を含む加工対象にレーザ加工を施す場合でも、高い加工精度及び加工品質が得られる。
 更に、本実施の形態においては、レーザ光の出力がない時刻ta0迄の期間及び時刻ta3から後の期間において、音響光学素子3は、電力を殆ど必要としないオフ状態に設定される。従って、本実施形態の制御によれば、音響光学素子3の消費電力が低減される。音響光学素子3の消費電力をより低減させるためには、時刻ta0は、時刻tsと時刻t1との間に設定されることが好ましく、時刻t1に設定されることが特に好ましい。又、時刻ta3は、時刻t3に設定されることが好ましい。
 <加工ヘッド4に対する制御>
 本実施の形態においては、時刻ts迄の期間及び時刻t3から後の期間では、レーザ発振装置2からのレーザ光の出力がない。従って、本実施の形態では、時刻ts迄の期間と時刻t3からの期間とを、加工ヘッド4に光路Rを設定させることが可能な期間(加工ヘッド4の調整が可能な期間)として設定することが出来る。そして、この期間において、第1のガルバノミラー41又は第2のガルバノミラー42の反射面の角度が変更される。具体的には、時刻ts迄に、レーザ光の照射位置Pwが加工対象Tの加工位置に一致する様に、第1のガルバノミラー41及び第2のガルバノミラー42の反射面の角度が調整される。
 この様な加工ヘッド4の制御によれば、エネルギの大きいレーザ光が照射位置Pwに達する期間(時刻ta1から時刻ta2迄の期間)は勿論のこと、エネルギの小さいレーザ光が照射位置Pwに達する期間(時刻t1から時刻ta1迄の期間、及び時刻ta2から時刻t3迄の期間)においても、レーザ光の照射位置Pwと加工位置とが一致することになる。よって、加工位置とは異なる位置がレーザ光によって傷付けられることが防止される。なお、加工ヘッド4の調整が可能な期間において、加工テーブル5の移動及び位置調整が行われてもよい。
 加工対象Tが、エネルギの小さいレーザ光では殆ど傷付くことがないものである場合、時刻ts迄の期間及び時刻t3からの期間に加えて、時刻tsから時刻ta1迄の期間及び時刻ta2から時刻t3迄の期間についても、加工ヘッド4の調整が可能な期間として用いることが出来る。その様な加工対象として、例えば、フィラー等の強化剤を含むものが挙げられる。この制御によれば、レーザ光の出力期間のうちレーザ加工時以外の期間が、加工ヘッド4の調整が可能な期間として用いられることになる。よって、加工サイクルの短縮化が可能となる。
 <レーザ光の異常検知>
 次に、レーザ光(出力ビームB0)の異常検知について、図3を用いて説明する。図3は、出力ビームB0にエネルギ異常が発生している場合を示している。
 レーザ光の異常検知のために、制御部7には、判定時点tc(図3の(B)、(E)参照)が予め設定されている。ここで、判定時点tcは、レーザ光の出力の開始時点(時刻t1)からレーザ加工の開始時点(時刻ta1)迄の期間Tc1内(図2参照)、又はレーザ加工の終了時点(時刻ta2)からレーザ光の出力の終了時点(時刻t3)迄の期間Tc2内(図2参照)に設定された時点である。即ち、判定時点tcは、レーザ光の出力期間であって、かつ、音響光学素子3がオン状態に設定される期間内に設定されている。本実施の形態においては、判定時点tcは、時刻t2から時刻ta1迄の期間内に設定されている。即ち、判定時点tcとして、出力ビームB0が正常なときにエネルギE0がピーク値E0pに一致する時点が設定されている。なお、判定時点tcは、エネルギE0がピーク値E0pに一致する、時刻ta2から時刻te迄の期間内に設定されてもよい。また、判定時点tcは、エネルギE0がピーク値E0pに一致する時点に限定されない、様々な時点に設定されてもよい。更に、判定時点tcは、期間Tc1及びTc2内に複数設定され、各判定時点tcにおいて以下に説明する異常検知が行われてもよい。
 加工ビームB2のエネルギ異常を検知する場合、制御部7は、判定時点tcにおいて第1の光検出器6にて検出されたレーザ光(本実施の形態において回折光Ld)のエネルギEw2(tc)が、第1の閾値Et1以上であるか否かを判定する(図3の(E)参照)。ここで、レーザ加工の使用に適した加工ビームB2を対象として、その加工ビームB2の生成に伴って生じる回折光Ldに許容することが出来る、判定時点tcでのエネルギ範囲の下限値が、第1の閾値Et1として設定される。そして、エネルギEw2(tc)が第1の閾値Et1より小さかった場合(図3の(E)参照)、制御部7は、「ノー」(「No」)と判定して加工ビームB2の異常を検知する。このとき検知される異常の原因としては、レーザ光の出力エネルギが低下しているか、レーザ光のビーム軸のズレが発生しているか、レーザ光のスポット径の異常が発生しているか、それらの組み合わせである。本実施の形態では、図3の(B)に示すように、レーザ光の出力エネルギが異常であると仮定して説明しているが、いずれの異常であっても、加工ビームB2としては適していないため、加工ビームB2が加工対象Tを加工しないようにレーザ発振装置2や音響光学素子3を制御する。
 (実施の形態1の第1の変形例)
 次に、本実施の形態の第1の変形例について、図4~図5を用いて説明する。
 [1]レーザ加工装置11の構成
 図4は、第1の変形例に係るレーザ加工装置11を示した概念図である。図4に示す様に、第1の変形例においては、光路R1を進む回折光Ldが、加工ビームB2としてレーザ加工に用いられる。具体的には、制御部7からの指令に基づいて音響光学素子3の状態が切り替えられることにより、測定ビームB1の一部が回折光Ldとして抽出される(図5の(C)及び(D)参照)。そして、その回折光Ldが、加工ヘッド4を介して加工対象Tへの照射位置Pwに導かれることにより、レーザ加工に用いられる。
 一方、加工ビームB2の生成に伴って生じる非回折光Lnは、光路R2を進む。そして、第1の変形例においては、光路R2に第1の光検出器6が設定されており、非回折光Lnが、第1の光検出器6によって検出されると共に、レーザ光の異常検知に用いられる。音響光学素子3を出た回折光Ldが進む光路R1には、第1の光検出器6やそれに類するものは設置されていない。よって、加工ビームB2は、照射位置Pwへ導かれる過程においてエネルギの低下を殆ど生じない。尚、第1の変形例のレーザ加工装置11について、その他の構成は実施の形態1の構成(図1参照)と同じであるので、説明を省略する。
 [2]レーザ加工装置11の制御
 次に、第1の変形例において、レーザ加工装置11の制御部7が行う具体的な制御について、図5を用いて説明する。ここで、図5はそれぞれ、図2と同様、各種指令信号、及び、出力ビームが正常であるときの各種エネルギを示すタイムチャートである。尚、レーザ発振装置2に対する制御(図5の(A)参照)については、実施の形態1の制御(図2の(A)参照)と同じであるので、説明を省略する。
 <音響光学素子に対する制御>
 音響光学素子3に対する制御において、制御部7は、状態指令信号S2として、時刻ta1で立ち上がると共に時刻ta2で立ち下がるパルス信号を、音響光学素子3へ送信する(図5の(C)参照)。
 音響光学素子3は、状態指令信号S2に基づいて、時刻ta1迄はオフ状態に設定され、時刻ta1になるとオフ状態からオン状態へ切り替えられる。従って、時刻ta1迄は、音響光学素子3に入射されたレーザ光(出力ビームB0)は、音響光学素子3によって回折されずに音響光学素子3を通過し、その結果として、非回折光Ln(測定ビームB1)が第1の光検出器6により検出される。時刻ta1にて状態が切り替えられた後、時刻ta2迄、音響光学素子3はオン状態に設定される。従って、時刻ta2迄は、音響光学素子3に入射されたレーザ光(出力ビームB0)は音響光学素子3により回折され、得られた回折光Ld(加工ビームB2)が、加工ヘッド4へ導かれる。
 時刻ta2になると、音響光学素子3は、オン状態からオフ状態へ切り替えられる。これにより、音響光学素子3に入射されたレーザ光(出力ビームB0)は、音響光学素子3によって回折されずに音響光学素子3を通過し、その結果として、非回折光Ln(測定ビームB1)が第1の光検出器6により検出される。
 この様にして、制御部7は、レーザ発振装置2によるレーザ光(出力ビームB0)の出力期間において、レーザ加工時には音響光学素子3をオン状態に設定し、それ以外の時には音響光学素子3をオフ状態に設定する。この制御によれば、加工ビームB2(第1の変形例において回折光Ld)は、矩形のレーザパルスとなる(図5の(D)参照)。
 <レーザ光の異常検知>
 加工ビームB2の異常を検知する場合、制御部7は、判定時点tcにおいて第1の光検出器6にて検出されたレーザ光(第1の変形例において非回折光Ln)のエネルギEw2’(tc)が、第1の閾値Et1’以上であるか否かを判定する(図5の(E)参照)。ここで、レーザ加工への使用に適した加工ビームB2を対象として、その加工ビームB2の生成に伴って生じる非回折光Lnに許容することが出来る、判定時点tcでのエネルギ範囲の下限値が、第1の閾値Et1’として設定される。そして、エネルギEw2’(tc)が第1閾値Et1’より小さかった場合、制御部7は、「No」と判定して加工ビームB2の異常を検知することになる。
 出力ビームB0の異常を検知する場合、制御部7は、上述した実施形態と同様の判定を行う。
 以上により、本実施の形態のレーザ加工装置1、11は、レーザ光に対する高い監視能力を持ち、その監視能力を発揮することにより高い加工品質を実現する。また、本実施の形態のレーザ加工装置1、11によれば、音響光学素子3からの測定ビームB1を直接測定しているため、レーザ加工装置の構成が簡略化される。
 (実施の形態2)
 実施の形態2について、図6~図13を用いて、説明する。
 [1]レーザ加工装置21の構成
 図6は、本実施の形態に係るレーザ加工装置21を示した概念図である。実施の形態1にかかるレーザ加工装置1と共通する部分については説明を省略する。図6に示す様に、レーザ加工装置21は、レーザ加工装置1に、さらに、光学調整部22と、スプリッタ23(光学装置)と、第2の光検出器24(第2の測定器)とを有する。光学調整部22は、コリメータレンズ25と、開口部26を有する絞り機構27とを有する。スプリッタ23とコリメータレンズ25と絞り機構27とは、この順に、レーザ発振装置2と音響光学素子3との間に設けられている。レーザ発振装置2から出力されるレーザ光(出力ビームB0)の一部は、スプリッタ23を透過してコリメータレンズ25に入射する。レーザ発振装置2から出力されるレーザ光(出力ビームB0)の一部は、スプリッタ23によって反射され、第2の光検出器24(第2の測定器)に入射される。すなわち、スプリッタ23は、レーザ発振装置2からのレーザ光(出力ビームB0)を透過させる第3の光路と、反射させる第4の光路とに分離する。
 コリメータレンズ25は、入射されたレーザ光(出力ビームB0)を平行化する。絞り機構27は、開口部26が形成された金属板であり、レーザ光(出力ビームB0)の理想的なビーム軸に、開口部26の中心が位置するように配置されている。そして、レーザ光(出力ビームB0)のビーム軸がずれていない場合は、レーザ光(出力ビームB0)の径(ビーム径)が、開口部26の大きさ(絞り量)に応じた大きさに調整される。なお、絞り機構27は、開口部26の直径が異なる複数のマスクが、回転動作やスライド動作によって切り替え可能に配置されたものでもよい。開口部26から外れたレーザ光(出力ビームB0)は、絞り機構27によって遮られる。特に、レーザ光(出力ビームB0)が、開口部26の中心(理想的なビーム軸)からずれている場合は、通常より多くのレーザ光(出力ビームB0)が絞り機構27に遮られることになる。絞り機構27を通過したレーザ光(出力ビームB0)は、音響光学素子3に入射される。そのあとは、実施の形態1と同じである。
 第2の光検出器24は、スプリッタ23によって反射されたレーザ光(出力ビームB0)が入射されるように配置されている。第2の光検出器は、制御部7と接続され、入射されたレーザ光を検出し、レーザ光(出力ビームB0)の異常検知に用いられる。
 制御部7は、実施の形態1と同様に、出力指令信号S1や状態指令信号S2を用いて、レーザ発振装置2、音響光学素子3、及び加工ヘッド4を制御する。本実施の形態が実施の形態1と異なる点は、第1の光検出器6からの信号に加え、第2の光検出器24からの信号を受信し、レーザ発振装置2、音響光学素子3、及び加工ヘッド4の制御に反映することである。
 すなわち、制御部7は、出力ビームB0の異常を第1の光検出器6の測定値および第2の光検出器24の測定値に基づいて検知する。
 [2]レーザ加工装置21の制御
 次に、制御部7が行うレーザ加工装置21の具体的な制御について、図7に示されるタイムチャートに沿って説明する。ここでは特に、レーザ発振装置2によってレーザ光がパルス発振される場合について説明する。また、実施の形態1と同様の構成については、説明を省略する。図7の(A)は、制御部7から電源8へ送信される出力指令信号S1を示すタイムチャートである。図7の(B)は、第2の光検出器24へ導かれるレーザ光のエネルギErを示すタイムチャートである。図7の(C)は、制御部7から音響光学素子3へ送信される状態指令信号S2を示すタイムチャートである。図7の(D)は、非回折光LnのエネルギEw1を示すタイムチャートである。図7の(E)は、第1の光検出器6へ導かれる回折光LdのエネルギEw2を示すタイムチャートである。なお、図7の(B)、(D)、(E)は、出力ビームB0が正常なときの各エネルギのタイムチャートをそれぞれ示している。
 <レーザ発振装置2、音響光学素子3、加工ヘッド4に対する制御>
 図7の(A)、(C)に示すように、レーザ発振装置2に対する出力指令信号S1や音響光学素子3に対する状態指令信号S2については、実施の形態1と同様である。また、レーザ発振装置2、音響光学素子3の制御が、実施の形態1と同様であることから、図7の(D)および(E)に示すように、非回折光(加工ビームB2)のエネルギEw1や回折光Ld(測定ビームB1)のエネルギEw2も、実施の形態1と同様である。特に実施の形態1と異なる点は、図2の(B)では正常であることを仮定した出力ビームB0のエネルギE0であるが、本実施の形態の図7の(B)では、第2の光検出器24にて測定したエネルギErである点である。これにより、レーザ光(出力ビームB0)の異常検知を、より詳細に判定できるものである。なお、第2の光検出器24で測定されたエネルギErをスプリッタ23の反射率で除すると、出力ビームB0のエネルギE0を求めることができる。
 <レーザ光の異常検知>
 次に、レーザ光の異常検知について、図8、図9、図10を用いて説明する。図8は、出力ビームB0においてエネルギ異常が発生している場合を示している。ここで、エネルギ異常は、出力ビームB0のエネルギE0に生じる異常であり、例えば、レーザパルスの欠落や、エネルギE0のピークの低下、エネルギE0の立ち上がりの遅延等を含んでいる。図9は、出力ビームB0において、ビーム径の大きさが所定の径より大きくなる異常や、ビーム軸の異常(ズレ)が発生している場合を示している。図10は、出力ビームB0において、ビーム径の大きさが所定の径より小さくなる異常が発生している場合を示している。
 レーザ光の異常検知のために、制御部7には、判定時点tcが予め設定されている。判定時点tcを含め、時刻t1~t3、時刻ta0~ta3、時刻tsおよびteについては、実施の形態1や図7と同じであるため説明を省略する。
 加工ビームB2の異常を検知する場合、制御部7は、判定時点tcにおいて第1の光検出器6にて検出されたレーザ光(本実施形態において回折光Ld)のエネルギEw2(tc)が、第1の閾値Et1以上であるか否かを判定する(図8の(E)参照)。そして、エネルギEw2(tc)が第1の閾値Et1より小さかった場合(図8の(E)及び図9の(E)参照)、制御部7は、「No」と判定して加工ビームB2の異常を検知する。
 出力ビームB0の異常を検知する場合、制御部7は、判定時点tcにおいて第2の光検出器24にて検出された反射光のエネルギEr(tc)が、第2の閾値Et2以上であるか否かを判定する。ここで、レーザ加工に適した加工ビームB2を生成することが可能な出力ビームB0を対象として、その出力ビームB0から得られる反射光に許容することが出来る、判定時点tcでのエネルギ範囲の下限値が、第2の閾値Et2として設定される。そして、判定時点tcでの反射光のエネルギEr(tc)が第2の閾値Et2より小さかった場合(図8の(B)参照)、制御部7は、「No」と判定して出力ビームB0の異常を検知する。
 更に、制御部7は、加工ビームB2及び出力ビームB0に対する異常検知の結果を用いて、次の様な判断を行う(表1参照)。即ち、制御部7は、出力ビームB0の異常を検知すると共に、加工ビームB2の異常を検知した場合(図8の(B)及び(E)参照)、出力ビームB0においてエネルギ異常が発生していると判断する。又、制御部7は、出力ビームB0の異常を検知せず、その一方で、加工ビームB2の異常を検知した場合(図9の(B)及び(E)参照)、出力ビームB0において特性異常が発生していると判断する。この判断により検知される特性異常とは、主に、ビーム径の大きさが所定の径より大きくなる異常や、ビーム軸の異常である。ビーム軸の異常には、ビーム軸の位置が開口部26の中心からずれる異常や、開口部26の中心周りにビーム軸が振れる異常が含まれる。更に、制御部7は、出力ビームB0の異常を検知する一方で、加工ビームB2の異常を検知しなかった場合、光検出器(第1の光検出器6又は第2の光検出器24)に異常が発生していると判断する。これらの判断は、例えば、表1に示される関係を記憶部に記憶させておき、その関係を制御部7が記憶部から読み出すことにより、読み出された関係と異常検知の結果とに基づいて行われる。尚、表1では、異常が検知された場合を「+」で表し、異常が検知されなかった場合を「-」で表している。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 制御部7が行うこれらの判断は、上述したエネルギEw2(tc)と第1の閾値Et1との比較により得られる判定結果と、上述したエネルギEr(tc)と第2の閾値Et2との比較により得られる判定結果とから、直接的に行われてもよい(表2参照)。この場合、制御部7は、エネルギEr(tc)が第2の閾値Et2以上でないとの判定結果を得ると共に、エネルギEw2(tc)が第1の閾値Et1以上でないとの判定結果を得た場合(図8の(B)及び(E)参照)、出力ビームB0においてエネルギ異常が発生していると判断する。又、制御部7は、エネルギEr(tc)が第2の閾値Et2以上であるとの判定結果を得る一方で、エネルギEw2(tc)が第1の閾値Et1以上でないとの判定結果を得た場合(図9の(B)及び(E)参照)、出力ビームB0において特性異常が発生していると判断する。更に、制御部7は、エネルギEr(tc)が第2の閾値Et2以上でないとの判定結果を得る一方で、エネルギEw2(tc)が第1の閾値Et1以上であるとの判定結果を得た場合、光検出器に異常が発生していると判断する。これらの判断は、例えば、表2に示される関係を記憶部に記憶させておき、その関係を制御部7が記憶部から読み出すことにより、読み出された関係と判定結果とに基づいて行われる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 制御部7が行う上記判断によれば、出力ビームB0に生じている異常の種類が判別される。従って、オペレータは、判別された異常の種類に基づいて、レーザ発振装置2に対して適切な補正やメンテナンスを行うことが可能となる。
 一方、上述した判断手法では、制御部7は、出力ビームB0のビーム径の大きさが所定の径より小さくなる異常(特性異常の1つ。図10の(D)及び(E)参照)を検知することが出来ない。即ち、この異常は、上述したエネルギと閾値との比較からでは抽出することが出来ない。なぜなら、ビーム径の大きさが所定の径より小さい場合、絞り機構27で遮られる光の量が減るため、測定ビームB1のエネルギが、正常である場合に得られる測定ビームB1のエネルギより大きくなるからである。このため、出力ビームB0及び加工ビームB2の何れにも異常が検知されなかった場合でも、出力ビームB0が正常であると制御部7に判断させることは出来ない。即ち、制御部7において、出力ビームB0の異常が検知されず(エネルギEr(tc)が第2の閾値Et2以上であると判定され)、且つ、加工ビームB2の異常も検知されなかった(エネルギEw2(tc)が第1の閾値Et1以上であると判定された)場合、その判定結果には、出力ビームB0が正常である場合(図7参照)と、出力ビームB0のビーム径の大きさが所定の径より小さくなる異常が生じている場合(図9参照)とが含まれている。
 そこで、制御部7は、エネルギEr(tc)が第2の閾値Et2以上であり、且つ、エネルギEw2(tc)が第1の閾値Et1以上であるとの判定結果を得た場合、更に次の様な判定を行うことが好ましい(表3参照)。先ず、制御部7は、判定時点tcにおいて第1の光検出器6及び第2の光検出器24にてそれぞれ検出された2つのエネルギEw2(tc)及びEr(tc)について、それらの比率rE(=Ew2(tc)/Er(tc))を求める。そして、制御部7は、求めた比率rEが所定の範囲(下限値rE1から上限値rE2迄の範囲)内の値であるか否かを判定する。ここで、この判定に用いられる所定の範囲は、正常な出力ビームB0とレーザ加工に適した加工ビームB2とから得られる比率rEについて許容される範囲である。この範囲の下限値rE1及び上限値rE2について、それらの具体的な数値は、要求される加工内容により異なる。一例として、穴あけ加工を行う場合、加工対象Tの材質や厚さ、更には要求される上穴径、下穴径、穴の品質、及び許容される穴径のばらつき等を考慮して、様々な条件で加工実験や試し加工を予め行い、その結果に基づいて下限値rE1及び上限値rE2が決められる。この様に設定された所定の範囲によれば、出力ビームB0のビーム径の大きさが所定の径より小さかった場合、比率rEは、上記所定の範囲の上限値rE2より大きくなる。よって、比率rEが所定の範囲を外れて大きくなった場合、制御部7は、「No」と判定することにより、出力ビームB0において、ビーム径の大きさが所定の径よりも小さくなる異常が発生していると判断する。一方、比率rEが所定の範囲内の値であった場合、制御部7は、「イエス」(「Yes」)と判定して、出力ビームB0は正常であると判断する。これらの判断は、例えば、表3に示される関係を記憶部に記憶させておき、その関係を制御部7が記憶部から読み出すことにより、読み出された関係と判定結果とに基づいて行われる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 制御部7が行う上記判断によれば、出力ビームB0に生じている異常の種類が、より詳細に判別される。従って、オペレータは、判別された異常の種類に基づいて、レーザ発振装置2に対して、より適切な補正やメンテナンスを行うことが可能となる。
 又、本実施形態のレーザ加工装置においては、加工ビームB2の生成に伴って生じた、従来であればビームダンパ等で吸収されていた光(本実施形態において回折光Ld)が、第1の光検出器6によって検出されることにより、加工ビームB2の異常検知に有効に利用される。そして、加工ビームB2の異常を検知することにより、従来の監視技術では検知することが困難であった異常(主に特性異常)が検知されることになる。よって、本実施形態のレーザ加工装置は、レーザ光に対する高い監視能力を持ち、その監視能力を発揮することにより高い加工品質を実現する。
 (実施の形態2の第1の変形例)
 次に、上述したレーザ加工装置21の第1の変形例について説明する。
 図11は、第1の変形例に係るレーザ加工装置21の制御の説明に用いられるタイムチャートである。ここで、図11に示された波形はそれぞれ、図7に示されたものと同じである。即ち、図11は、出力ビームB0が正常である場合を示している。尚、第1の変形例に係るレーザ加工装置の構成は、上述したレーザ加工装置21の構成(図6参照)と同じであるので、説明を省略する。以下では、レーザ加工装置の制御部7が行う制御、特にレーザ光の異常検知について、図11を用いて説明する。
 レーザ光の異常検知のために、第1の変形例では、制御部7に判定時点tcを予め設定することに代えて、制御部7に、期間Tc1及びTc2(図11の(B)参照)に含まれた少なくとも一部の期間を、判定期間Tcとして設定する。ここで、期間Tc1は、レーザ光の出力の開始時点(時刻t1)からレーザ加工の開始時点(時刻ta1)迄の期間である。又、期間Tc2は、レーザ加工の終了時点(時刻ta2)からレーザ光の出力の終了時点(時刻t3)迄の期間である。これらの期間Tc1及びTc2は、音響光学素子3がオン状態に設定される期間である。第1変形例において、判定期間Tcは、期間Tc1に一致している。尚、判定期間Tcは、期間Tc2に一致していてもよい。又、判定期間Tcは、期間Tc1又はTc2に一致した期間に限定されない様々な期間であってもよい。更に、判定期間Tcは、期間Tc1及びTc2内に複数設定され、各判定期間Tcにおいて以下に説明する異常検知が行われてもよい。
 加工ビームB2の異常を検知する場合、制御部7は、第1の光検出器6にて検出されたレーザ光(本変形例において回折光Ld)のエネルギEw2の積分値Iwを判定期間Tcについて求め、その積分値Iwが第3の閾値It1以上であるか否かを判定する(図11の(E)参照)。ここで、レーザ加工への使用に適した加工ビームB2を対象として、その加工ビームB2の生成に伴って生じる回折光Ldに許容することが出来る、判定期間Tc内の各時点でのエネルギ範囲を考えた場合、例えば、それらのエネルギ範囲の下限値を用いて算出される積分値Iwが、第3の閾値It1として設定される。そして、積分値Iwが第3の閾値It1より小さかった場合、制御部7は、「No」と判定して加工ビームB2の異常を検知する。
 出力ビームB0の異常を検知する場合、制御部7は、第2の光検出器24にて検出された反射光(又は透過光)のエネルギErの積分値Irを判定期間Tcについて求め、その積分値Irが第4の閾値It2以上であるか否かを判定する。ここで、レーザ加工に適した加工ビームB2を生成することが可能な出力ビームB0を対象として、その出力ビームB0から得られる反射光(又は透過光)に許容することが出来る、判定期間Tc内の各時点でのエネルギ範囲を考えた場合、例えば、それらのエネルギ範囲の下限値を用いて算出される積分値Irが、第4の閾値It2として設定される。そして、積分値Irが第4の閾値It2より小さかった場合、制御部7は、「No」と判定して出力ビームB0の異常を検知する。
 更に、制御部7は、加工ビームB2及び出力ビームB0に対する異常検知の結果を用いて、上述した実施形態と同様の判断を行う(表1参照)。本変形例において、この判断は、上述した積分値Iwと第3の閾値It1との比較により得られる判定結果と、上述した積分値Irと第4の閾値It2との比較により得られる判定結果とから、直接的に行われてもよい(表4参照)。この場合、制御部7は、積分値Irが第4の閾値It2以上でないとの判定結果を得ると共に、積分値Iwが第3の閾値It1以上でないとの判定結果を得た場合、出力ビームB0においてエネルギ異常が発生していると判断する(説明のための例として図8参照)。又、制御部7は、積分値Irが第4の閾値It2以上であるとの判定結果を得る一方で、積分値Iwが第3の閾値It1以上でないとの判定結果を得た場合、出力ビームB0において特性異常が発生していると判断する(図9参照)。更に、制御部7は、積分値Irが第4の閾値It2以上でないとの判定結果を得る一方で、積分値Iwが第3の閾値It1以上であるとの判定結果を得た場合、光検出器に異常が発生していると判断する。これらの判断は、例えば、表4に示される関係を記憶部に記憶させておき、その関係を制御部7が記憶部から読み出すことにより、読み出された関係と判定結果とに基づいて行われる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 一方、上記実施形態にて説明した通り、上述した判断手法では、制御部7は、出力ビームB0のビーム径の大きさが所定の径より小さくなる異常(特性異常の1つ。図10の(B)及び(E)参照)を検知することが出来ない。
 そこで、制御部7は、積分値Irが第4の閾値It2以上であり、且つ、積分値Iwが第3の閾値It1以上であるとの判定結果を得た場合、更に次の様な判定を行うことが好ましい(表5参照)。先ず、制御部7は、求めた2つの積分値Iw及びIrについて、それらの比率rI(=Iw/Ir)を求める。そして、制御部7は、求めた比率rIが所定の範囲(下限値rI1から上限値rI2迄の範囲)内の値であるか否かを判定する。ここで、この判定に用いられる所定の範囲は、正常な出力ビームB0とレーザ加工に適した加工ビームB2とから得られる比率rIについて許容される範囲である。この範囲の下限値rI1及び上限値rI2について、それらの具体的な数値は、要求される加工内容により異なる。一例として、穴あけ加工を行う場合、加工対象Tの材質や厚さ、更には要求される上穴径、下穴径、穴の品質、及び許容される穴径のばらつき等を考慮して、様々な条件で加工実験や試し加工を予め行い、その結果に基づいて下限値rI1及び上限値rI2が決められる。この様に設定された所定の範囲によれば、出力ビームB0のビーム径の大きさが所定の径より小さかった場合、比率rIは、上記所定の範囲の上限値rI2より大きくなる。よって、比率rIが所定の範囲を外れて大きくなった場合、制御部7は、「No」と判定することにより、出力ビームB0において、ビーム径の大きさが所定の径よりも小さくなる異常が発生していると判断する。一方、比率rIが所定の範囲内の値であった場合、制御部7は、「Yes」と判定して、出力ビームB0は正常であると判断する。これらの判断は、例えば、表5に示される関係を記憶部に記憶させておき、その関係を制御部7が記憶部から読み出すことにより、読み出された関係と判定結果とに基づいて行われる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
 制御部7が行う上記判断によれば、出力ビームB0に生じている異常の種類が、より詳細に判別される。従って、オペレータは、判別された異常の種類に基づいて、レーザ発振装置2に対して、より適切な補正やメンテナンスを行うことが可能となる。よって、第1変形例のレーザ加工装置は、上述した実施形態と同様、レーザ光に対する高い監視能力を持ち、その監視能力を発揮することにより高い加工品質を実現する。
 又、第1変形例のレーザ加工装置によれば、積分値Iw及びIrを用いてレーザ光の異常検知が行われるため、ピンポイントで得られるエネルギEw2(tc)及びEr(tc)を用いてレーザ光の異常検知を行う場合(上述した実施形態)に比べて、エネルギEw2やErに含まれたノイズが制御部7の判定結果に影響し難くなる。よって、レーザ光の異常検知について高い精度が実現される。
 (実施の形態2の第2の変形例)
 次に、本実施の形態の第2の変形例について、図12~図13を用いて説明する。
 [1]レーザ加工装置31の構成
 図12は、第2の変形例に係るレーザ加工装置31を示した概念図である。図12に示す様に、第2の変形例においては、光路R1を進む回折光Ldが、加工ビームB2としてレーザ加工に用いられ、光路R2を進む非回折光Lnが測定ビームB1として抽出される(図13の(C)及び(D)参照)。すなわち、実施の形態1の第1の変形例と類似した関係であり、重複する説明は省略する。
 [2]レーザ加工装置31の制御
 次に、第2の変形例において、レーザ加工装置31の制御部7が行う具体的な制御について、図13を用いて説明する。ここで、図13の(A)~(E)はそれぞれ、図7の(A)~(E)と同様、各種指令信号、及び出力ビームが正常であるときの各種エネルギを示すタイムチャートである。実施の形態2に対する本変形例は、実施の形態1に対する第1の変形例と類似しているため、重複する説明は省略する。さらに、実施の形態2と同様の説明についても省略する。
 <レーザ光の異常検知>
 レーザ光の異常検知のために、制御部7には、判定時点tc(図13の(B)参照)が予め設定されている。
 加工ビームB2の異常を検知する場合、制御部7は、判定時点tcにおいて第1の光検出器6にて検出されたレーザ光(第2の変形例において非回折光Ln)のエネルギEw2’(tc)が、第1の閾値Et1’以上であるか否かを判定する(図13の(E)参照)。そして、エネルギEw2’(tc)が第1閾値Et1’より小さかった場合、制御部7は、「No」と判定して加工ビームB2の異常を検知することになる。
 出力ビームB0の異常を検知する場合、制御部7は、上述した実施の形態2と同様の判定を行う。
 第2の変形例においても、上述した実施の形態2と同様、制御部7は、加工ビームB2及び出力ビームB0に対する異常検知の結果、更には2つのエネルギEw2’(tc)及びEr(tc)の比率rE’(=Ew2’(tc)/Er(tc))に対する判定結果を用いて、出力ビームB0に生じている異常の種類を詳細に判別することが出来る。又、第2の変形例において、第1の変形例と同様、エネルギEw2’の積分値Iw’を判定期間Tcについて求めると共に、エネルギErの積分値Irを判定期間Tcについて求め、これら2つの積分値Iw’及びIrを用いてレーザ光の異常検知を行ってもよい。
 (実施の形態3)
 実施の形態3について、図14~図24を用いて説明する。
 [1]レーザ加工装置51の構成
 本実施の形態に係るレーザ加工装置51は、図14に示すように、実施の形態2にかかるレーザ加工装置21において、第1の光検出器6および第2の光検出器24を第1のパワーモニタ52および第2のパワーモニタ53に変更したものである。その他については、実施の形態2と同様であるため、説明を省略する。本実施の形態の特徴は、光検出器ではなく、パワーモニタを用いた制御を行うことである。パワーモニタは、レーザ光によって上昇した温度を出力しても構わないし、周辺温度を考慮して温度上昇からレーザ光のエネルギーを算出し、レーザ光のエネルギを出力しても構わない。
 [2]レーザ加工装置51の制御
 次に、図15~図17を用いて、本実施の形態のレーザ加工装置51の制御について説明する。
 図15は、図7におけるパルスの回数を3回にした各パラメータ(信号、エネルギ)を示す図である。各図および各符号については、実施の形態2において説明しているため省略する。図16~図17は、本実施の形態のパワーモニタを用いたレーザ加工装置の制御を説明する図である。図16の(A)は、第2のパワーモニタ53が検出するレーザ光(出力ビームB0)のエネルギを示すタイムチャートである。図16の(B)および図17の(A)は、第2のパワーモニタ53から制御部7に出力される、レーザ光のエネルギを示すタイムチャートである。図16の(C)は、第1のパワーモニタ52が検出するレーザ光(測定ビームB1)のエネルギを示すタイムチャートである。図16の(D)および図17の(B)は、第1のパワーモニタ52から制御部7に出力される、レーザ光のエネルギを示すタイムチャートである。図16、図17において、レーザパルスの出力は、時刻tspに開始され、時刻tepに終了する。
 図17に示すように、第1のパワーモニタ52および第2のパワーモニタ53は、レーザパルスの出力を開始する時刻tspから期間Tr経過した(複数のパルスを受けた)、時刻trに制御部7への出力が安定する。正常な場合は、図17の(A)に示すように、レーザ光(出力ビームB0)のエネルギPErはピーク値PErpで安定し、図17の(B)に示すように、レーザ光(測定ビームB1)のエネルギPEw2はピーク値PEw2pで安定する。そして、時刻tr以降の判定時点tcにおいて、レーザ光(出力ビームB0および測定ビームB1)のエネルギを判定する。そして、時刻tspから期間Tpだけ経過した時刻tepにレーザ光の出力を停止する。時刻tepから期間Tdが経過するまで、第1のパワーモニタ52および第2のパワーモニタ53の出力が低下し、時刻tdに0となる。
 <レーザ光の異常検知>
 次に、レーザ光の異常検出について説明する。
 実施の形態2の図8で示した異常と同じ異常は、パワーモニタを用いた本実施の形態では、図18のようになる。実施の形態2の図9で示した異常と同じ異常は、パワーモニタを用いた本実施の形態では、図19のようになる。実施の形態2の図10で示した異常と同じ異常は、パワーモニタを用いた本実施の形態では、図20のようになる。図18の(A)、図19の(A)、図20の(A)は、第2のパワーモニタ53から制御部7に出力される、レーザ光のエネルギを示す図である。図18の(B)、図19の(B)、図20の(B)は、第1のパワーモニタ52から制御部7に出力される、レーザ光のエネルギを示す図である。
 すなわち、実施の形態2のErが本実施の形態のPErに対応し、実施の形態2のEw2が本実施の形態のPEw2に対応し、実施の形態2のErpが本実施の形態のPErpに対応し、実施の形態2のEw2pが本実施の形態のPEw2pに対応し、実施の形態2のEt1が本実施の形態のPEt1に対応する。そして、PErやPEw2を、第2の閾値Et2や第1の閾値PEt1と比較することで、第2の実施形態と同様に、異常が検出できる。さらに、本実施の形態の比率rEはPEw2(tc)/PEr(tc)であり、実施の形態2のrEと同様に用いることができる。そして、比率rEを下限値rE1や上限値rE2と比較することで、第2の実施形態と同様に、異常が検出できる。
 (実施の形態3の第1の変形例)
 次に、上述したレーザ加工装置51の第1の変形例について説明する。
 図21は、第1の変形例に係るレーザ加工装置51の制御の説明に用いられるタイムチャートである。ここで、図21の(A)および(B)に示された波形はそれぞれ、図17の(A)および(B)に示されたものと同じである。即ち、図21は、出力ビームB0が正常である場合を示している。尚、第1の変形例に係るレーザ加工装置の構成は、上述したレーザ加工装置51の構成(図14参照)と同じであるので、説明を省略する。
 本実施の形態の第1の変形例は、実施の形態2の第1の変形例と同様に、判定期間Tcを設け、積分値IrおよびIwを用いることである。そして、積分値Irと第3の閾値It1とを比較すること、積分値Iwと第4の閾値It2とを比較することは、実施の形態2の第1の変形例と同様であるので、説明を省略する。さらに、比率rI(=Iw/Ir)について、下限値rI1や上限値rI2との比較についても、実施の形態2の第1の変形例と同様であるので説明を省略する。
 (実施の形態3の第2の変形例)
 次に、本実施の形態の第2の変形例について、図22~図24を用いて説明する。
 図22は、第2の変形例に係るレーザ加工装置61を示した概念図である。本実施の形態の第2の変形例に係るレーザ加工装置61は、図22に示すように、実施の形態2にかかるレーザ加工装置31において、第1の光検出器6および第2の光検出器24を第1のパワーモニタ52および第2のパワーモニタ53に変更したものである。これについても、実施の形態2における第2の変形例と同様に、光路R1を進む回折光Ldが、加工ビームB2としてレーザ加工に用いられ、光路R2を進む非回折光Lnが測定ビームB1として抽出される(図23の(C)及び(D)参照)。すなわち、実施の形態2の第2の変形例と類似した関係であり、重複する説明は省略する。
 次に、第2の変形例において、レーザ加工装置61の制御部7が行う具体的な制御について、図23を用いて説明する。ここで、図23の(A)~(E)はそれぞれ、図15の(A)~(E)と同様、各種指令信号の時間変化、及び出力ビームが正常であるときの各種エネルギの時間変化を示したタイムチャートである。実施の形態3に対する本変形例は、実施の形態2に対する第2の変形例と類似しているため、重複する説明は省略する。さらに、実施の形態3と同様の説明についても省略する。
 <レーザ光の異常検知>
 レーザ光の異常検知のために、制御部7には、判定時点tc(図24の(B)参照)が予め設定されている。
 加工ビームB2の異常を検知する場合、制御部7は、判定時点tcにおいて第1のパワーモニタ52にて検出されたレーザ光(第2の変形例において非回折光Ln)のエネルギPEw2’(tc)が、第1の閾値PEt1’以上であるか否かを判定する(図24の(B)参照)。そして、エネルギPEw2’(tc)が第1の閾値PEt1’より小さかった場合、制御部7は、「No」と判定して加工ビームB2の異常を検知することになる。
 出力ビームB0の異常を検知する場合、制御部7は、上述した実施の形態3と同様の判定を行う。
 第2の変形例においても、上述した実施の形態3と同様、制御部7は、加工ビームB2及び出力ビームB0に対する異常検知の結果、更には2つのエネルギPEw2’(tc)及びPEr(tc)の比率rE’(=PEw2’(tc)/PEr(tc))に対する判定結果を用いて、出力ビームB0に生じている異常の種類を詳細に判別することが出来る。又、第2の変形例において、第1の変形例と同様、エネルギPEw2’の積分値Iw’を判定期間Tcについて求めると共に、エネルギPErの積分値Irを判定期間Tcについて求め、これら2つの積分値Iw’及びIrを用いてレーザ光の異常検知を行ってもよい。
 以上のように、実施の形態3は実施の形態2における光検出器をパワーモニタに置き換えたものであり、光検出器によって検出されるエネルギErやEw2をパワーモニタによって検出されるPErやPEw2に置き換えたものである。そのため、矛盾のない範囲で実施の形態2に記載した異常検出は、実施の形態3の異常検出に適用できるものである。また、実施の形態1の光検出器をパワーモニタに置き換えることも、同様に可能である。
 また、実施の形態2および3において、第2の光検出器24や第2のパワーモニタ53は、スプリッタ23による反射光を測定していたが、スプリッタ23による透過光を測定しても構わない。その場合、第2の光検出器24や第2のパワーモニタ53で測定されたエネルギEr、PErをスプリッタ23の透過率で除すると、出力ビームB0のエネルギE0を求めることができる。
 また、実施の形態3において、実施の形態2の第1の光検出器6と第2の光検出器24との両方を、第1のパワーモニタ52と第2のパワーモニタ53に置き換えたが、どちらか一方だけであっても構わない。
 以上のように、本開示に係るレーザ加工装置は、エネルギを正確に検知したレーザ光を用いて加工を行うため、より高い加工品質を実現し、産業上有用である。
  1,11,21,31,51,61 レーザ加工装置
  2 レーザ発振装置
  3 音響光学素子
  4 加工ヘッド
  5 加工テーブル
  6 光検出器
  7 制御部
  8 電源
  22 光学調整部
  23 スプリッタ
  24 光検出器
  25 コリメータレンズ
  26 開口部
  27 絞り機構
  41 第1のガルバノミラー
  42 第2のガルバノミラー
  43 スキャンレンズ
  52 第1のパワーモニタ
  53 第2のパワーモニタ
  B0 出力ビーム
  B1 測定ビーム
  B2 加工ビーム
  E0,Er,Ew1,Ew2,PEr,PEw2,PEw2’ エネルギ
  E0p,PErp,PEw2p ピーク値
  Ir,Iw,Iw’ 積分値
  Ld 回折光
  Ln 非回折光
  Pw 照射位置
  R,R1,R2 光路
  S1 出力指令信号
  S2 状態指令信号
  T 加工対象
  T1,T2,T3,Td,Tp,Tr,Tc1,Tc2 期間
  Tc 判定期間
  rE,rI 比率
  t1,t2,t3,td,te,tr,ts,ta0,ta1,ta2,ta3,tep,tsp 時刻
  tc 判定時点
  101 開孔装置
  102 レーザ発振器
  103 電源
  104 音響光学モジュール
  105 光学系
  105a 反射ミラー
  105d ビームスプリッタ
  105f 集光レンズ
  106 光ダンパ
  107 強度検出器
  108 出力制御部
  201 レーザ加工装置
  202 レーザ発振器
  203 光路偏向手段
  204 検知器
  205 ダンパ
  206 加工部
  207 判定装置
  208 制御装置
  209 スプリッタ
  210 センサ
  Et1,PEt1,PEt1’ 第1の閾値
  Et2 第2の閾値
  It1 第3の閾値
  It2 第4の閾値
  rE1,rI1 下限値
  rE2,rI2 上限値

Claims (15)

  1.  出力ビームを出力するレーザ発振装置と、
     前記出力ビームが入射され、前記出力ビームを加工ビームとして第1の光路または第2の光路に選択的に出射する音響光学素子と、
     前記第1の光路に設けられ、前記加工ビームのエネルギを測定する第1の測定器と、
     前記第2の光路に設けられた加工部と、
     前記レーザ発振装置および前記音響光学素子を制御し、前記第1の測定器が測定した第1の測定値を受信する制御部と、
     を備え、
     前記第1の光路に出射された前記出力ビームは、前記音響光学素子から前記第1の測定器に直接入射され、
     前記制御部は、前記第1の測定値に基づいて前記加工ビームの異常を検知する、レーザ加工装置。
  2.  前記第1の光路は、前記音響光学素子によって回折された前記加工ビームの進行方向であり、
     前記第2の光路は、前記音響光学素子を透過した前記加工ビームの進行方向である、請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3.  前記第2の光路は、前記音響光学素子によって回折された前記加工ビームの進行方向であり、
     前記第1の光路は、前記音響光学素子を透過した前記加工ビームの進行方向である、請求項1に記載のレーザ加工装置。
  4.  前記レーザ発振装置と前記音響光学素子との間に設けられ、前記出力ビームに対して光学調整を施す光学調整部と、
     前記レーザ発振装置と前記光学調整部との間に設けられ、前記出力ビームを第3の光路および第4の光路の両方に分離する光学装置と、
     前記第3の光路に設けられ、前記出力ビームのエネルギの一部を測定する第2の測定器と、を更に備え、
     前記第4の光路には前記光学調整部が設けられ、
     前記制御部は、前記第2の測定器が測定した第2の測定値を受信し、前記第2の測定値に基づいて前記出力ビームの異常を検知する、請求項1~3のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  5.  前記第2の測定値から前記出力ビームの異常を検知すると共に、前記第1の測定値から前記加工ビームの異常を検知した場合、前記制御部は、前記出力ビームが異常であると判断し、
     前記第2の測定値からは前記出力ビームの異常を検知せず、前記第1の測定値から前記加工ビームの異常を検知した場合、前記制御部は、前記出力ビームのビーム径の大きさが異常である、または、前記出力ビームのビーム軸の位置が異常であると判断する、請求項4に記載のレーザ加工装置。
  6.  前記第1の測定値が第1閾値よりも小さい場合、前記制御部は、前記加工ビームの異常を検知し、
     前記第2の測定値が第2閾値より小さい場合、前記制御部は、前記出力ビームの異常を検知する、請求項4または5に記載のレーザ加工装置。
  7.  前記制御部は、前記第2の測定値に対する前記第1の測定値の比率を算出し、
     前記第2の測定値が前記第2閾値以上であり、かつ、前記第1の測定値が前記第1閾値以上であり、かつ、前記比率が所定の範囲の上限より大きい場合、前記制御部は、前記出力ビームのビーム径の大きさが所定の径よりも小さくなる異常が発生していると判断する、請求項6に記載のレーザ加工装置。
  8.  前記制御部は、前記第2の測定値に対する前記第1の測定値の比率を算出し、
     前記比率が所定の範囲の下限より小さい場合、前記制御部は、前記出力ビームのビーム径の大きさが所定の径よりも大きくなる異常が発生している、または、前記出力ビームのビーム軸の位置に異常が発生していると判断する、請求項6に記載のレーザ加工装置。
  9.  前記制御部は、判定期間における前記第1の測定値を積分した第1の積分値が第3の閾値より小さい場合、前記加工ビームの異常を検知し、
     前記制御部は、判定期間における前記第2の測定値を積分した第2の積分値が第4の閾値より小さい場合、前記出力ビームの異常を検知する、請求項4または5に記載のレーザ加工装置。
  10.  前記制御部は、前記第2の積分値に対する前記第1の積分値の比率を算出し、
     前記第2の積分値が前記第4の閾値以上であり、かつ、前記第1の積分値が前記第3の閾値以上であり、かつ、前記比率が所定の範囲の上限より大きい場合、前記制御部は、前記出力ビームのビーム径の大きさが所定の径よりも小さくなる異常が発生していると判断する、請求項9に記載のレーザ加工装置。
  11.  前記制御部は、前記第2の積分値に対する前記第1の積分値の比率を算出し、
     前記比率が所定の範囲の下限より小さい場合、前記制御部は、前記出力ビームのビーム径の大きさが所定の径よりも大きくなる異常が発生している、または、前記出力ビームのビーム軸の位置に異常が発生していると判断する、請求項9に記載のレーザ加工装置。
  12.  前記第2の測定器は光検出器であり、前記第2の測定値は、前記加工ビームのエネルギである、請求項4~11のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  13.  前記第1の測定器は光検出器であり、前記第1の測定値は、前記出力ビームのエネルギである、請求項1~12のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  14.  前記第2の測定器はパワーモニタであり、前記第2の測定値は、前記第2の測定器の温度である、請求項4~11のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  15.  前記第1の測定器はパワーモニタであり、前記第1の測定値は、前記第1の測定器の温度である、請求項1~11および14のいずれかに記載のレーザ加工装置。
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