以下に添付図面を参照して、本発明に係る商品収納装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1は、それぞれ本発明の実施の形態である商品収納装置が適用された商品販売装置を示す正面図である。ここで例示する商品販売装置は、例えば缶入り飲料やペットボトル入り飲料等の商品を冷却、若しくは加熱した状態で販売するもので、本体キャビネット1を備えている。
本体キャビネット1は、前面に形成された開口が外扉2によって開閉される直方体状の筐体である。外扉2は断熱材が適宜用いられて構成されており、断熱ガラス等の透明板材が嵌め込まれてなる窓部2aを有している。従って、商品販売装置は、外扉2の窓部2aを介して内部を視認することができるものである。外扉2の正面の右端側の中央部には把手2bが設けられている。
この外扉2は、ロック機構3(図12参照)により開閉が制限されるものである。すなわち、ロック機構3がロック状態となる場合には、外扉2は開移動することが規制される。その一方、ロック機構3がロック解除状態となる場合には、外扉2は開移動することが許容される。
上記本体キャビネット1の内部には、収納室1a及び機械室1bが設けられている。収納室1aは、その内部を予め設定された温度状態に保持する室であり、該収納室1aを構成する壁部材はそれぞれ断熱材によって構成されている。また収納室1aには、図には明示しないが、蒸発器等のような収納室1aの内部空気を冷却するための手段や電熱ヒータ等のような収納室1aの内部空気を加熱するための手段が設けられている。機械室1bは、収納室1aの下方に位置し、図には明示しないが、上記蒸発器とともに冷凍サイクルを構成する冷凍機や各種の制御機器等が設けられている。
このような本体キャビネット1の上方部には、カードリーダ4及び表示部5が設けられている。カードリーダ4は、カード挿入口4aより挿入されたクレジットカードの識別情報を読み出すもので、読み出した識別情報を後述する制御手段80(図12参照)に与えるものである。
尚、本実施の形態においてはクレジットカードでの商品の販売を行う商品販売装置について説明するが、本発明はこれに限られるものではなく、電子マネー等を記録した記録媒体での商品の販売を行う商品販売装置に商品収納装置を適用してもよい。
表示部5は、カード挿入口4aの左側に設けられている。かかる表示部5は、制御手段80から与えられる表示指令に応じて各種情報を表示するものである。
また本体キャビネット1の上方部の側面には、図示せぬ扉体が設けられている。この扉体は、商品販売装置の管理者等のみにより開閉されるものであり、かかる扉体が開成されると、補充ボタン6(図12参照)が露出するように設けられている。この補充ボタン6は、押圧操作されると、内蔵される補充スイッチ6a(図12参照)がオンとなって制御手段80に対して補充指令を与えるものである。
上記本体キャビネット1における収納室1aには、商品収納装置が設けられている。商品収納装置は、複数(図示の例では4つ)の商品収納ラック10を備えて構成されている。商品収納ラック10は、左右方向に沿って延在するラックロッド11が左右一対のラック支持側板(図示せず)に架け渡されることで上下方向に沿って複数段設けられている。
図2~図4は、それぞれ図1に示した1つの商品収納ラックの要部を示すもので、図2は正面図、図3は平面図、図4は右側面図である。これら図2~図4にも示すように、商品収納ラック10は、ペットボトル入り飲料の商品を収納するものであってそれぞれ同一の構成を有している。
ここでペットボトル入り飲料の商品は、キャップCが着脱可能に取り付けられるキャップ取付部W1から胴体部W2までの間に括れ部分W3を有する容器(ペットボトル)の内部に飲料が封入されたものである。
商品収納ラック10は、複数の商品収納コラム12がラックロッド11に連結されて左右方向に沿って並設されることにより構成されるものであり、各商品収納コラム12はカム機構13に連結されている。このカム機構13は、カム14とリンクバー15とを備えて構成されている。
カム14は、中心部分に六角形状の軸孔14aを有した略円板状部材である。このカム14は、軸孔14aが上下方向に沿って延在する六角柱状のカムロッド16に貫通されている。カムロッド16は、下端部が駆動源であるモータ17に伝達機構(図示せず)を介して連結されており、モータ17の駆動により自身の中心軸を軸心としてその軸心回りに回転するものである。これにより、カム14は、カムロッド16の中心軸を軸心としてその軸心回りに回転可能なものである。
ここでモータ17は、正逆回転なものであり、これによりカム14は、カムロッド16の中心軸回りに時計回り及び反時計回りに回転可能なものである。
かかるカム14は、商品収納ラック10の数だけ設けられており、それぞれ対応する商品収納ラック10に応じた高さレベルに設けられている。このようなカム14は、第1カム部141、第2カム部142及び第3カム部143が設けられている。
第1カム部141は、図2及び図3に示すように、待機状態となる場合にその周面がリンクバー15の左端面15aに当接する部分である。
第2カム部142は、第1カム部141に連続しており、該第1カム部141よりもカム14の径方向外部に向けて所定の大きさだけ突出する態様で形成されている。
第3カム部143は、第2カム部142に連続するとともに第1カム部141に連続しており、該第2カム部142よりもカム14の径方向外部に向けて所定の大きさだけ突出する態様で形成されている。
このようなカム14は、待機状態となる場合には、第1カム部141の周面がリンクバー15の左端面15aに当接するものであるが、図3において例えば反時計回りに120°回転(正転駆動)すると第2カム部142の周面がリンクバー15の左端面15aに当接するものである。また、カム14は、待機状態から図3において例えば時計回りに120°回転(逆転駆動)すると、第3カム部143の周面がリンクバー15の左端面15aに当接するものである。
リンクバー15は、商品収納ラック10毎に設けられており、対応する商品収納ラック10の上方において該商品収納ラック10を構成する複数の商品収納コラム12を跨るように配設されたロッド状部材である。このようなリンクバー15は、図示せぬ支持部材を介して左右方向に沿ってスライド移動可能に配設されている。また、リンクバー15には、各商品収納コラム12に対応して複数の連結溝15bが設けられている。
上記商品収納ラック10を構成する商品収納コラム12について説明する。
図5及び図6は、それぞれ図2~図4に示した商品収納ラックを構成する1つの商品収納コラムを示すものであり、図5は斜視図、図6は分解斜視図である。尚、商品収納ラック10を構成する商品収納コラム12は同様の構成を有しているので、以下においては1つの商品収納コラム12について説明する。
これら図5及び図6にも示すように、商品収納コラム12は、レール部材20、スライダ30、リンクレバー40、第1ゲート50、第2ゲート60、カバー部材70を備えて構成されている。
レール部材20は、前後方向に沿って延在することで商品収納通路18を画成するものである。このレール部材20は、第1レール20aと第2レール20bとを備えて構成されている。
第1レール20aは、鋼板を適宜屈曲して形成されたものであり、前後方向が長手方向となる長尺状のものである。この第1レール20aは、第1レール基部21aと、第1レール左側部22aと、第1レール右側部23aとが一体的に形成されることで、正面から見た場合に下方に開口するコ字状を成している。
第1レール基部21aは、前後方向に沿って延在する略水平部分である。この第1レール基部21aは、前端部分に上方に向けて延在する第1上延部21a1が形成されており、この第1上延部21a1が上記ラックロッド11に締結部材を介して締結されるとともに、後端部分が図示せぬ支持部材に支持されている。
この第1レール基部21aには、左右一対となる舌片状の軸支片21a2が切り起こしにより形成されている。これら軸支片21a2には、それぞれ軸支孔21a3が形成されている。各軸支孔21a3は、ロッド状のゲート軸部24に貫通されるものであり、これにより左右一対の軸支片21a2は、ゲート軸部24を軸支している。
上記第1レール基部21aには、軸支片21a2よりも前方域に矩形状の第1ゲート開口21a4が形成されている。また第1レール基部21aには、軸支片21a2よりも後方域の後端部において左右に突出する計4つの舌片状の突出片21a5が形成されている。
より詳細に説明すると、第1レール基部21aの後端部の右縁部には、右方に向けて突出する2つの突出片21a5が前後に並ぶよう形成されている。第1レール基部21aの後端部の左縁部には、左方に向けて突出する2つの突出片21a5が前後に並ぶよう形成されている。これら突出片21a5には、それぞれ孔部21a6が形成されている。
第1レール左側部22aは、第1レール基部21aの左端部から下方に向けて延在するとともに、その延在端部が右方に向けて屈曲することで第1左側縁端部22a1が形成され、正面から見た場合にL字状を成している。この第1レール左側部22aの前端部には、前後方向が長手方向となる矩形状の第1左側ストッパ開口22a2が形成されている。
第1レール右側部23aは、第1レール基部21aの右端部から下方に向けて延在するとともに、その延在端部が左方に向けて屈曲することで第1右側縁端部23a1が形成され、正面から見た場合に逆L字状を成している。
この第1レール右側部23aの前端部には、上記第1左側ストッパ開口22a2に対向するよう第1右側ストッパ開口23a2が形成されている。
これら第1レール左側部22a及び第1レール右側部23aは、左右一対となっており、互いの間隙で商品収納通路18の一部を画成しており、その幅(第1左側縁端部22a1と第1右側縁端部23a1との最小幅)は、本実施の形態である商品収納装置の対象とする商品よりも飲み口が大径となる商品(以下、大径商品ともいう)の括れ部分の最大幅よりも大きく、かつ該商品のキャップ取付部の最大幅よりも小さいものである。
第2レール20bは、鋼板を適宜屈曲して形成されたものであり、前後方向が長手方向となる長尺状のものである。この第2レール20bは、第1レール20aよりも左右幅が狭いものであり、第2レール基部21bと、第2レール左側部22bと、第2レール右側部23bとが一体的に形成されることで、正面から見た場合に下方に開口するコ字状を成している。
第2レール基部21bは、前後方向に沿って延在する略水平部分である。この第2レール基部21bは、前端部分に上方に向けて延在する第2上延部21b1が形成されている。また、第2レール基部21bには、上記第1ゲート開口21a4と同じ形状で同じ大きさの第2ゲート開口21b2が形成されている。
第2レール左側部22bは、第2レール基部21bの左端部から下方に向けて延在するとともに、その延在端部が右方に向けて屈曲することで第2左側縁端部22b1が形成され、正面から見た場合にL字状を成している。この第2レール左側部22bの前端部には、上記第1左側ストッパ開口22a2と同じ形状で同じ大きさの第2左側ストッパ開口22b2が形成されている。
第2レール右側部23bは、第2レール基部21bの右端部から下方に向けて延在するとともに、その延在端部が左方に向けて屈曲することで第2右側縁端部23b1が形成され、正面から見た場合に逆L字状を成している。この第2レール右側部23bの前端部には、上記第2左側ストッパ開口22b2に対向するよう第2右側ストッパ開口23b2が形成されている。この第2右側ストッパ開口23b2は、上記第1右側ストッパ開口23a2と同じ形状で同じ大きさを有している。
これら第2レール左側部22b及び第2レール右側部23bは、左右一対となっており、互いの間隙で商品収納通路18の一部を画成しており、その幅(第2左側縁端部22b1と第2右側縁端部23b1との最小幅)は、本実施の形態である商品収納装置の対象とする商品、すなわち大径商品よりも幅狭となる商品(以下、小径商品ともいう)の括れ部分W3の最大幅よりも大きく、かつ該商品のキャップ取付部W1の最大幅よりも小さいものである。
このような第2レール20bは、第1レール20aの前方側から進入して、第2左側縁端部22b1が第1左側縁端部22a1に載置され、かつ第2右側縁端部23b1が第1右側縁端部23a1に載置された状態で、第2上延部21b1が第1上延部21a1を介在した状態でラックロッド11に締結部材により締結されることにより配設されている。このとき、第2ゲート開口21b2は第1ゲート開口21a4に一致するとともに、第2左側ストッパ開口22b2が第1左側ストッパ開口22a2に一致し、かつ第2右側ストッパ開口23b2が第1右側ストッパ開口23a2に一致している。
このようなレール部材20では、本実施の形態のように対象商品を小径商品とする場合には、第2レール20bが必要であるが、大径商品を対象商品とする場合には、第2レール20bは不要である。そのため、大径商品が対象商品となる場合、第1レール20aのみでレール部材20を構成することになる。
そして、レール部材20においては、前方より商品収納通路18に商品の括れ部分W3が挿入されるよう商品が起立した姿勢で投入されると、第2左側縁端部22b1及び第2右側縁端部23b1に商品のキャップ取付部W1の一部が載置する。これにより、レール部材20は、商品のキャップ取付部W1を支持することでこの商品を吊り下げた状態で支持するとともに、この商品を商品収納通路18に前後方向に沿って並ぶよう収納させるものである。そして、レール部材20自体を前方に向かうに連れて漸次下方に傾斜する態様で取り付けることにより、商品は、自身の自重により前方に向けて移動可能な状態で商品収納通路18に収納されることになる。
図7は、図5及び図6に示したスライダを示す斜視図である。スライダ30は、例えば樹脂材を加工して形成されるもので、スライダ基部31と、スライダ左側部32と、スライダ右側部33とが一体的に形成されることで、正面から見た場合に下方に開口するコ字状を成している。
スライダ基部31は、前後方向に沿って延在する水平延在部位である。このスライダ基部31は、第1レール基部21aよりも左右幅が大きいものである。このスライダ基部31には、連結孔31a、係止突部31b、前方突片34が形成されている。連結孔31aは、スライダ基部31の後端部に形成されており、左右方向が長手方向となる長孔である。
係止突部31bは、スライダ基部31の後端部における右方側において上方に向けて突出する態様で形成されている。この係止突部31bは、詳細は後述するが、後端部分にスライダバネ35が係止されるものである。前方突片34は、スライダ基部31の前端部において前方に向けて突出するよう形成された左右一対の二股状部位である。
これら前方突片34のうち右側前方突片34aは、後方に向かうに連れて漸次右方に傾斜する傾斜面34a1を有している。また、右側前方突片34aの上面には、上方に突出する態様で右側前方突部34a2が形成されている。この右側前方突部34a2は、後方に向かうに連れて漸次下方に傾斜する傾斜面34a3を有している。
また左側前方突片34bは、後方に向かうに連れて漸次左方に傾斜する傾斜面34b1を有している。また、左側前方突片34bの上面には、上方に突出する態様で左側前方突部34b2が形成されている。この左側前方突部34b2は、右側前方突部34a2と左右一対となるもので、後方に向かうに連れて漸次下方に傾斜する傾斜面34b3を有している。
スライダ左側部32は、スライダ基部31の後端部の左端部から下方に延在する部位であり、その前端部がスライダ基部31の前方突片34よりも前方に位置するよう前後方向に沿って延在するものである。このスライダ左側部32の右側面の前端部、すなわち前方突片34よりも前方側となる領域には、右方に向けて突出する左側ストッパ32aが設けられている。この左側ストッパ32aは、上方から見た場合に三角形状を成すものであり、左側ストッパ32aの頂部32a1から前方に向けて漸次左方に傾斜する傾斜面32a2が形成されるとともに、頂部32a1から後方に向けて漸次左方に傾斜する傾斜面32a3が形成されている。
スライダ右側部33は、スライダ基部31の後端部の右端部から下方に延在する部位であり、その前端部がスライダ基部31の前方突片34よりも前方に位置するよう前後方向に沿って延在するものである。このスライダ右側部33の左側面の前端部、すなわち前方突片34よりも前方側となる領域には、左方に向けて突出する右側ストッパ33aが設けられている。この右側ストッパ33aは、上方から見た場合に三角形状を成すものであり、右側ストッパ33aの頂部33a1から前方に向けて漸次右方に傾斜する傾斜面33a2が形成されるとともに、頂部33a1から後方に向けて漸次右方に傾斜する傾斜面33a3が形成されている。
これらスライダ左側部32及びスライダ右側部33は、左右一対の関係であり、左側ストッパ32aの頂部32a1と右側ストッパ33aの頂部33a1との離間距離は、対象商品(小径商品)のキャップ取付部W1の左右幅よりも小さいものである。
このような構成を有するスライダ30は、図5に示すように、レール部材20(第1レール20a)の第1レール基部21aの上面にスライダ基部31が載置されるよう配置され、左側ストッパ32aが第1左側ストッパ開口22a2及び第2左側ストッパ開口22b2を挿通して商品収納通路18に進出移動する一方、右側ストッパ33aが第1右側ストッパ開口23a2及び第2右側ストッパ開口23b2を挿通して商品収納通路18に進出移動している。尚、このとき、第1レール基部21aの軸支片21a2は、スライダ基部31の長孔31cを貫通している。
リンクレバー40は、例えば樹脂材を加工して形成されるもので、リンク基部41と、第1リンク腕部42と、第2リンク腕部43とが一体的に形成されることで構成されている。リンク基部41は、円筒状の形態を成すものである。このリンク基部41は、中空部を貫通するリンク軸41aがレール部材20(第1レール20a)における右側前方側の突出片21a5の孔部21a6を挿通することで該突出片21a5の上面に載置されるよう配設されている。これにより、リンクレバー40は、リンク軸41aの中心軸を軸心としてその軸心回りに回転可能なものである。
第1リンク腕部42は、リンク基部41の周面より該リンク基部41の径方向外部に向けて延在するものであり、その先端に第1連結部42aを有している。この第1連結部42aは、小径部と大径部とが連続した段付き円筒形状を成している(図6参照)。そして、この第1連結部42aの小径部がスライダ30の連結孔31aに上方から進入することでリンクレバー40は、第1リンク腕部42を介してスライダ30に連結されている。
第2リンク腕部43は、リンク基部41の周面より第1リンク腕部42に直交する態様で該リンク基部41の径方向外部に向けて延在するものであり、その先端に円柱状の第2連結部43aを有している。この第2連結部43aは、リンクバー15の対応する連結溝15bに進入している。つまり、リンクレバー40は、第2リンク腕部43を介してリンクレバー40に連結されている。これにより、リンクレバー40は、スライダ30とカム機構13とを自身を介して連結するものである。
図8は、図5及び図6に示した第1ゲートを示す斜視図である。第1ゲート50は、例えば樹脂材を加工して形成されるもので、前後方向が長手方向となる長尺状の第1ゲート基部51を有している。この第1ゲート基部51には、ゲート挿入孔52、第1軸支部53、第1当接下延部54、第1ゲート突部55、第1押圧片56、第1ゲート傾斜面57が形成されている。
ゲート挿入孔52は、前後方向が長手方向となる態様で第1ゲート基部51の中央域に形成された矩形状のものである。第1軸支部53は、第1ゲート基部51の前後方向の略中央域においてゲート挿入孔52を介して左右に分離した形態で形成されており、それぞれにゲート軸部24を貫通させる貫通孔53aを有している。
第1当接下延部54は、第1ゲート基部51の後端部を下方に屈曲させて形成されたものであり、下方に向けて延在している。第1ゲート突部55は、第1ゲート基部51の前端部の下面より下方に向けて突出する態様で形成されている。この第1ゲート突部55の後方側中央部には、ゲート溝55a(図13等参照)が形成されている。また第1ゲート突部55の後縁部には、該第1ゲート突部55の先端部分より上方に向かうに連れて漸次後方に向けて傾斜した後に前方に向けて延在することで係止部55bが形成されている。
第1押圧片56は、第1ゲート基部51における第1軸支部53よりも前方側であって、ゲート挿入孔52よりも右方側となる上面に立設されている。この第1押圧片56は、その上面が後方に向かうに連れて漸次上方に向けて傾斜する傾斜面となっている。
第1ゲート傾斜面57は、第1ゲート基部51における第1軸支部53よりも前方側であって、第1ゲート突部55よりも後方側となる下面に形成されるもので、下方に向かうに連れて漸次後方に傾斜するものである。
図9は、図5及び図6に示した第2ゲートを示す斜視図である。第2ゲート60は、例えば樹脂材を加工して形成されるもので、前後方向が長手方向となる長尺状の第2ゲート基部61を有している。この第2ゲート基部61は、前後方向及び左右方向の長さは、第1ゲート50のゲート挿入孔52に挿入可能な大きさに調整されている。この第2ゲート基部61には、第2軸支部62、第2当接下延部63、第2ゲート突部64、第2押圧片65、拡幅部66が形成されている。
第2軸支部62は、第2ゲート基部61の前後方向の略中央域において形成されており、ゲート軸部24を貫通させる貫通孔62aを有している。
第2当接下延部63は、第2ゲート基部61の後端部を下方に屈曲させて形成されたものであり、下方に向けて延在している。第2ゲート突部64は、第2ゲート基部61の前端部より前方に向けて延在するとともに下方に向けて突出する態様で形成されている。この第2ゲート突部64は上記ゲート溝55aに進入可能な大きさを有している。
第2押圧片65は、第2軸支部62の上方において該第2軸支部62より右方に向けて突出する態様で形成されている。
拡幅部66は、平板状の形態を成しており、第2ゲート基部61における第2軸支部62よりも前方側の下部より左右に突出する態様で形成されている。この拡幅部66の左右幅は、第2ゲート基部61の左右幅よりも大きいものであり、これにより、拡幅部66は、第1ゲート50のゲート挿入孔52の左右幅よりも大きいものである。また、この拡幅部66の前端部は、第2ゲート突部64の側面に連続している。そして、この拡幅部66の前後方向中央部より後端部にかけての両側縁部には、左右に向けて突出する突出部66aが設けられており、この突出部66aの前端面66bは、下方に向かうに連れて漸次後方に傾斜する傾斜面となっている。以下、突出部66aの前端面66bを第2ゲート傾斜面66bとも称する。
このような構成の第2ゲート60を第1ゲート50に対して下方より相対的に近接させることで、第2ゲート基部61をゲート挿入孔52に下方より挿入させて第2軸支部62の貫通孔62aと第1軸支部53の貫通孔53aとを一直線上となるように一致させるとともに、第2ゲート突部64を第1ゲート突部55のゲート溝55aに進入させる。このとき第2ゲート60の拡幅部66は、ゲート挿入孔52よりも左右幅が大きいから、上面が第1ゲート基部51の下面に当接した状態となる。
その後、図10に示すように、スライダ30のスライダ基部31の上面に第1ゲート50及び第2ゲート60を載置して、第1軸支部53の貫通孔53aと、第2軸支部62の貫通孔62aと、スライダ基部31の長孔31cを貫通する第1レール20aの軸支片21a2の軸支孔21a3とを一直線上となるように一致させて、これら貫通孔53a,62a及び軸支孔21a3にゲート軸部24を貫通させる。これにより、第2ゲート60は、第1ゲート50に連結される。
このとき、第1ゲート50の第1当接下延部54及び第2ゲート60の第2当接下延部63の端面は、スライダ30のスライダ基部31の上面に当接している。また、第1ゲート50及び第2ゲート60は、第1ゲート突部55及び第2ゲート突部64が第1ゲート開口21a4及び第2ゲート開口21b2を通じて商品収納通路18に進出するよう進出移動している。つまり、第2ゲート60は、第1ゲート50よりも商品収納通路18の上流側となる後方側に位置している。
商品収納通路18に進出移動する第1ゲート突部55及び第2ゲート突部64は、それぞれの先端部が左側ストッパ32a及び右側ストッパ33aの頂部32a1,33a1よりも前方側に位置している。
またこの場合においては、第1ゲート50の第1ゲート傾斜面57は、第2ゲート傾斜面66bに連続している。
カバー部材70は、第1レール20aの軸支片21a2の周辺を覆うように第1レール20aに配設されるもので、軸支片21a2より左右に突出するゲート軸部24の両端部を保持するとともに、図10に示したように、第1センサ71及び第2センサ72を所定の個所に配置するものである。
ここで第1センサ71は、第1接触子71aが揺動可能に配設されてなるものであり、第1接触子71aは図示せぬ第1センサバネにより付勢されている。このような第1センサ71は、第1接触子71aが第1センサバネにより付勢されて基準位置に位置する場合はオフ状態となる一方、第1接触子71aが第1センサバネの付勢力に抗して押圧して揺動した場合には、オン状態となってオン信号を制御手段80に与える検知手段である。
第2センサ72は、第2接触子72aが揺動可能に配設されてなるものであり、第2接触子72aは図示せぬ第2センサバネにより付勢されている。このような第2センサ72は、第2接触子72aが第2センサバネにより付勢されて基準位置に位置する場合はオフ状態となる一方、第2接触子72aが第2センサバネの付勢力に抗して押圧して揺動した場合には、オン状態となってオン信号を制御手段80に与える検知手段である。
そして、第1センサ71は、第1接触子71aが第1押圧片56の後方に位置するよう配置されるとともに、第2センサ72は、第2接触子72aが第2押圧片65の後方に位置するよう配置されている。
また、上記カバー部材70には、後方に突出する態様でバネ係止部73が設けられている。このバネ係止部73には、スライダバネ35の一端部が係止されている。かかるスライダバネ35の他端部がスライダ30の係止突部31bの後端部に係止されている。これにより、スライダ30は、スライダバネ35によりカバー部材70に近接する態様で前方に向けて付勢されている。
このようにスライダ30がスライダバネ35により前方に向けて付勢されると、図11に示すように、スライダ30の前方突片34は、第1ゲート50の係止部55bの上面に位置する。これにより、第1ゲート50は商品収納通路18から退行移動することが規制されている。また第1ゲート50が商品収納通路18から退行移動することが規制されていることで、拡幅部66が第1ゲート基部51に当接する第2ゲート60も商品収納通路18から退行移動することが規制されている。更に、スライダ30の左側前方突部34a2及び右側前方突部34b2は、第1ゲート傾斜面57及び第2ゲート傾斜面66bと離隔している。
図12は、上記商品収納装置の特徴的な制御系を模式的に示すブロック図である。この図12に示すように、商品収納装置は、扉開閉センサ75及び制御手段80を備えている。
扉開閉センサ75は、外扉2の開閉を検知するものであり、外扉2が閉成している場合にはオフ状態となって閉信号を制御手段に与える一方、外扉2が開成する場合にはオン状態となって開信号を制御手段80に与えるものである。
制御手段80は、メモリ90に記憶されたプログラムやデータに従って商品収納装置の動作を統括的に制御するものであり、入力処理部81、通信処理部82、計測処理部83、決済処理部84、表示処理部85、モータ駆動処理部86及びロック駆動処理部87を備えている。
入力処理部81は、各種センサ71等からの信号や補充ボタン6(補充スイッチ6a)からの信号、あるいはカードリーダ4が読み出した情報を入力するものである。通信処理部82は、管理センター100との間でデータの送受信を行うものである。本実施の形態における管理センター100は、クレジットカードを取り扱う会社のサーバ等が該当する。
計測処理部83は、第1センサ71及び第2センサ72の検知結果に基づき、商品収納装置から取り出された商品の本数をカウントするものである。決済処理部84は、計測処理部83を通じてカウントされた本数と、取り出された商品の価格とに基づいて決済処理を行うものである。
表示処理部85は、表示部5に対して表示指令を与えて表示部5に各種情報を表示させるものである。モータ駆動処理部86は、モータ17に対して駆動指令若しくは駆動停止指令を与えてモータ17の駆動若しくは駆動停止にさせるものである。ロック駆動処理部87は、ロック機構3にロック指令若しくはロック解除指令を与えることでロック機構3をロック状態若しくはロック解除状態にさせるものである。
以下に上記構成を有する商品収納装置の動作を説明する。尚、以下においては、説明の便宜上、商品収納装置を構成する1つの商品収納ラック10の1つの商品収納コラム12について説明する。
図13は、図5等に示した待機状態における商品収納コラムを右側より模式的に示す説明図である。待機状態においてはスライダ30の前方突片34が第1ゲート50の係止部55bの上面に位置することで、図13に示すように、第1ゲート50及び第2ゲート60は商品収納通路18から退行移動することが規制されている。このように第1ゲート50及び第2ゲート60が商品収納通路18から退行移動することが規制されているので、商品収納通路18に吊り下げられた状態で収納された商品を前方に向けて移動させることができず、該商品の取り出しが規制されている。尚、最も前方にある最前商品は、左側ストッパ32aの頂部32a1と右側ストッパ33aの頂部33a1との間よりも後方側に収納されている。
図14は、図12に示した制御手段が実施する販売制御処理の処理内容を示すフローチャートである。
この販売制御処理において制御手段80は、クレジットカードがカード挿入口4aより挿入されてカードリーダ4によりクレジットカードの識別情報(以下、カード情報ともいう)が読み出されることにより、入力処理部81を通じてカード情報を入力した場合(ステップS101:Yes)、通信処理部82を通じて管理センター100にカード情報を送出する(ステップS102)。
管理センター100にカード情報を送出した制御手段80は、管理センター100からの認証結果の応答待ちとなる(ステップS103)。通信処理部82を通じて管理センター100より認証結果を入力し、かつ認証結果の内容が利用者が適正でない場合(ステップS103:Yes,ステップS104:No)、制御手段80は、表示処理部85を通じて表示部5に異常表示出力を行って(ステップS105)、表示部5に当該クレジットカードでは利用できない旨を表示させてから手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
これによれば、利用者に対して表示部5を通じてカード挿入口4aより挿入されたクレジットカードは使用できないことを認識させるとともに、他のクレジットカードでの利用を促すことが可能になる。
通信処理部82を通じて管理センター100より認証結果を入力し、かつ認証結果により利用者が適正である場合(ステップS103:Yes,ステップS104:Yes)、制御手段80は、ロック駆動処理部87を通じてロック機構3にロック解除指令を出力して(ステップS106)、ロック機構3をロック解除状態にさせる。ロック機構3にロック解除指令を出力した制御手段80は、その後に取出制御処理を実施する(ステップS200)。
図15は、図14に示した販売制御処理における取出制御処理の処理内容を示すフローチャートである。
この取出制御処理において制御手段80は、モータ駆動処理部86を通じてモータ17に駆動指令を与えてモータ17を正転駆動させる(ステップS201)。すなわち、モータ17を図3において反時計回りに約120°回転させる。
モータ17を正転駆動させることにより、カム14の第2カム部142の周面がリンクバー15の左端面15aに当接することでリンクバー15が右方に向けて所定距離(例えば5mm程度)だけ移動する。このようにリンクバー15が右方に向けて移動すると、該リンクバー15の連結溝15bに第2連結部43aが進入するリンクレバー40がリンク軸41aの中心軸回りに回転する。つまり、リンクレバー40は、図3において時計回りの方向に所定角度だけ回転する。
リンクレバー40が回転することにより、該リンクレバー40の第1連結部42aが進入する連結孔31aを有するスライダ30が、図16に示すようにスライダバネ35の付勢力に抗して後方に向けてスライド移動する。
このようにスライダ30が後方に向けてスライド移動することでスライダ30の前方突片34が第1ゲート50の係止部55bの上面から離脱する。これにより、第1ゲート50及び第2ゲート60は、商品収納通路18からの退行移動が規制された状態が解除される。尚、この場合においてスライダ30の右側前方突部34a2及び左側前方突部34b2は、第1ゲート傾斜面57及び第2ゲート傾斜面66bからは依然として離隔している。
モータ17を正転駆動させた制御手段80は、予め設定された所定時間が経過するまで入力処理部81を通じて扉開閉センサ75からの開信号の入力待ちとなる(ステップS202,ステップS203)。
予め設定された所定時間が経過するまでに入力処理部81を通じて扉開閉センサ75からの開信号を入力しない場合(ステップS202:No,ステップS203:Yes)、すなわち所定時間が経過するまでに外扉2が開成されない場合、制御手段80は、ロック駆動処理部87を通じてロック機構3にロック指令を出力して(ステップS204)、ロック機構3をロック状態にさせる。
そして、制御手段80は、モータ駆動処理部86を通じてモータ17に駆動指令を与えてモータ17を逆転駆動させ(ステップS205)、その後に手順をリターンさせて今回の取出制御処理を終了する。
これによれば、モータ17を図3において時計回りに約120°回転させることとなり、カム14の第1カム部141の周面がリンクバー15の左端面15aに対向することでリンクバー15が左方に向けて所定距離(例えば5mm程度)だけ移動して図2~図4に示したような待機状態に戻る。従って、スライダ30も前方に向けてスライド移動する結果、前方突片34が第1ゲート50の係止部55bの上面に位置して第1ゲート50及び第2ゲート60が商品収納通路18から退行移動することが規制されることになる。
一方、所定時間が経過するまでに入力処理部81を通じて扉開閉センサ75からの開信号を入力した場合(ステップS202:Yes,ステップS203:No)、すなわち所定時間が経過するまでに外扉2が開成された場合、制御手段80は、予め設定された所定時間が経過するまでに入力処理部81を通じて第1センサ71及び第2センサ72からオン信号の入力待ちとなる(ステップS206,ステップS207)。
予め設定された所定時間が経過するまでに入力処理部81を通じて第1センサ71及び第2センサ72からオン信号を入力しない場合(ステップS206:No,ステップS207:Yes)、制御手段80は、上述したステップS204及びステップS205の処理を行って、その後に手順をリターンさせて今回の取出制御処理を終了する。
ところで、図17に示すように、最前商品が前方に向けて取り出されることにより、スライダ30のスライダ左側部32及びスライダ右側部33が、左側ストッパ32aの頂部32a1と右側ストッパ33aの頂部33a1との離間距離が対象商品(小径商品)のキャップ取付部の左右幅よりも大きくなるよう弾性変形する。これらスライダ左側部32及びスライダ右側部33は、最前商品の通過後にそれぞれの弾性復元力により、左側ストッパ32aの頂部32a1と右側ストッパ33aの頂部33a1との離間距離が対象商品(小径商品)のキャップ取付部の左右幅よりも小さくなり、最前商品の後方側にある商品が自重により左側ストッパ32aの頂部32a1と右側ストッパ33aの頂部33a1との間よりも前方に移動することを規制する。
このようにして前方に向けて取り出される商品が第1ゲート突部55及び第2ゲート突部64に当接すると、これら第1ゲート50及び第2ゲート60は、第1ゲート突部55及び第2ゲート突部64が商品収納通路18から離脱するよう退行移動する。より詳細には、第1ゲート50の第1当接下延部54の端面がスライダ30のスライダ基部31の上面に当接し、かつ第2ゲート60の第2当接下延部63の端面がスライダ基部31の上面に当接しているので、第1ゲート50及び第2ゲート60は、弾性変形して退行移動する。
第1ゲート50及び第2ゲート60が退行移動すると、第1ゲート50の第1押圧片56が第1センサ71の第1接触子71aを押圧し、第2ゲート60の第2押圧片65が第2センサ72の第2接触子72aを押圧する。これにより、第1接触子71aは、第1センサバネの付勢力に抗して基準位置から揺動し、第2接触子72aは、第2センサバネの付勢力に抗して基準位置から揺動し、第1センサ71及び第2センサ72は、それぞれオン信号を出力する。
このようにして所定時間が経過するまでに入力処理部81を通じて第1センサ71及び第2センサ72からオン信号を入力した場合(ステップS206;Yes,ステップS207;No)、制御手段80は、第2センサ72から出力されるオフ信号の入力待ちとなる(ステップS208)。
図18に示すように、第1ゲート50よりも後方側に位置する第2ゲート60は、第1ゲート50よりも先に最前商品が通過するので、自身の弾性復元力により第2ゲート突部64が商品収納通路18に進出するよう進出移動する。このように第2ゲート60が先に進出移動することにより、一旦取り出された最前商品が再び商品収納通路18に戻されることを抑制している。
そして、第2ゲート60の進出移動により、第2押圧片65による押圧力が解除されることで第2接触子72aが第2センサバネの付勢力により基準位置に揺動して第2センサ72はオフ信号を出力する。
そのようにして入力処理部81を通じて第2センサ72からオフ信号を入力した場合(ステップS208:Yes)、制御手段80は、所定時間が経過するまでに、第1センサ71から出力されるオフ信号の入力待ちとなる(ステップS209,ステップS210)。
所定時間が経過するまでに入力処理部81を通じて第1センサ71からオフ信号を入力しない場合(ステップS209:No,ステップS210:Yes)、制御手段80は、表示処理部85を通じて表示部5に異常表示出力を行って(ステップS211)、表示部5に異常が発生した旨を表示させてから手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
一方、所定時間が経過するまでの間に入力処理部81を通じて第1センサ71よりオフ信号を入力した場合(ステップS209:Yes,ステップS210:No)、すなわち、図19に示すように、最前商品が商品収納通路18から取り出されることで第1ゲート50が自身の弾性復元力により第1ゲート突部55が商品収納通路18に進出するよう進出移動することで、第1押圧片56による押圧力が解除されることで第1接触子71aが第1センサバネの付勢力により基準位置に揺動して第1センサ71がオフ信号を出力した場合、制御手段80は、計測処理部83を通じて取り出された商品の本数を「+1」として取り出される本数をカウントする(ステップS212)。
制御手段80は、入力処理部81を通じて閉信号を入力するまで、すなわち外扉2が閉成されるまで上記ステップS206~ステップS212の処理を繰り返す。そして、入力処理部81を通じて閉信号を入力した場合(ステップS213:Yes)、制御手段80は、ロック駆動処理部87を通じてロック機構3にロック指令を出力して(ステップS214)、ロック機構3をロック状態にさせる。そして、制御手段80は、決済処理部84を通じて決済する(ステップS215)。制御手段80は、計測処理部83を通じてカウントされた本数と、取り出された商品の価格とに基づいて決済する。
このようにして決済処理を行った制御手段80は、通信処理部82を通じて管理センター100に対して決済情報を送出する(ステップS216)。その後、制御手段80は、表示処理部85を通じて表示部5に決済完了表示出力を行う(ステップS217)。これにより、表示部5に決済が完了した旨の表示を行わせることができる。
決済完了表示出力を行った制御手段80は、モータ駆動処理部86を通じてモータ17に駆動指令を与えてモータ17を逆転駆動させ(ステップS218)、その後に手順をリターンさせて今回の取出制御処理を終了する。
これによれば、モータ17を図3において時計回りに約120°回転させることとなり、カム14の第1カム部141の周面がリンクバー15の左端面15aに対向することでリンクバー15が左方に向けて所定距離(例えば5mm程度)だけ移動して図2~図4に示したような待機状態に戻る。
以上説明したような取出制御処理を実施した制御手段80は、その後に手順をリターンさせて今回の販売制御処理を終了する。
図20は、図12に示した制御手段が実施する補充制御処理の処理内容を示すフローチャートである。
この補充制御処理において制御手段80は、入力処理部81を通じて補充信号の入力待ちとなる(ステップS301)。
そして、補充ボタン6が管理者に押圧操作されることで補充スイッチ6aから出力された補充信号を、入力処理部81を通じて入力した場合(ステップS301:Yes)、制御手段80は、ロック駆動処理部87を通じてロック機構3にロック解除指令を出力して(ステップS302)、ロック機構3をロック解除状態にさせる。
ロック機構3をロック解除状態にさせた制御手段80は、予め設定された所定時間が経過するまで入力処理部81を通じて扉開閉センサ75からの開信号の入力待ちとなる(ステップS303,ステップS304)。
予め設定された所定時間が経過するまでに入力処理部81を通じて扉開閉センサ75からの開信号を入力しない場合(ステップS303:No,ステップS304:Yes)、すなわち所定時間が経過するまでに外扉2が開成されない場合、制御手段80は、ロック駆動処理部87を通じてロック機構3にロック指令を出力して(ステップS305)、ロック機構3をロック状態にさせる。そして、制御手段80は、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
一方、所定時間が経過するまでに入力処理部81を通じて扉開閉センサ75からの開信号を入力した場合(ステップS303:Yes,ステップS304:No)、すなわち所定時間が経過するまでに外扉2が開成された場合、制御手段80は、モータ駆動処理部86を通じてモータ17に駆動指令を与えてモータ17を逆転駆動させる(ステップS306)。すなわち、モータ17を図3において時計回りに約120°回転させる。
モータ17を逆転駆動させることにより、カム14の第3カム部143の周面がリンクバー15の左端面15aに当接することでリンクバー15が右方に向けて所定距離(例えば15mm程度)だけ移動する。このようにリンクバー15が右方に向けて移動すると、該リンクバー15の連結溝15bに第2連結部43aが進入するリンクレバー40がリンク軸41aの中心軸回りに回転する。つまり、リンクレバー40は、図3において時計回りの方向に所定角度だけ回転する。
リンクレバー40が回転することにより、該リンクレバー40の第1連結部42aが進入する連結孔31aを有するスライダ30が、図21に示すようにスライダバネ35の付勢力に抗して後方に向けてスライド移動する。このときのスライダ30の移動量は、販売制御処理の際の移動量よりも大きくなる。
そのため、スライダ30が後方に向けてスライド移動することで、図21に示すように、右側前方突部34a2及び左側前方突部34b2が第1ゲート傾斜面57及び第2ゲート傾斜面66bに当接して摺動した後に、拡幅部66の突出部66aの下面に摺動する。この結果、第1ゲート50及び第2ゲート60が弾性変形して退行移動する。これにより第1ゲート突部55及び第2ゲート突部64は商品収納通路18から離脱する。この結果、第1押圧片56及び第2押圧片65が第1接触子71a及び第2接触子72aをそれぞれ押圧することにより第1センサ71及び第2センサ72はオン信号を出力する。
このようにして第1センサ71及び第2センサ72が出力するオン信号を、入力処理部81を通じて入力した場合(ステップS307:Yes)、制御手段80は、入力処理部81を通じて扉開閉センサ75からの閉信号の入力待ちとなる(ステップS308)。
このように制御手段80が閉信号の入力待ちとなる状態で商品の補充作業が行われることになる。
上述したように第1ゲート50及び第2ゲート60は、弾性変形して退行移動しているので、作業者(管理者)は、前方域より商品収納通路18に商品を挿入して補充することができる。
このとき、左側ストッパ32aの頂部32a1と右側ストッパ33aの頂部33a1との離間距離がキャップ取付部の左右幅よりも小さいので、補充する商品が通過する際に、スライダ30のスライダ左側部32及びスライダ右側部33が、左側ストッパ32aの頂部32a1と右側ストッパ33aの頂部33a1との離間距離が対象商品(小径商品)のキャップ取付部の左右幅よりも大きくなるよう弾性変形する。
そして、図22に示すように、これらスライダ左側部32及びスライダ右側部33は、補充商品の通過後にそれぞれの弾性復元力により、左側ストッパ32aの頂部32a1と右側ストッパ33aの頂部33a1との離間距離が対象商品(小径商品)のキャップ取付部の左右幅よりも小さくなり、一旦補充された商品が自重により左側ストッパ32aの頂部32a1と右側ストッパ33aの頂部33a1との間よりも前方に移動することを規制するようにしている。
このようにして補充作業が行われた後に、作業者が外扉2を閉成させることで扉開閉センサ75は制御手段80に閉信号を出力する。
この結果、入力処理部81を通じて閉信号を入力した場合(ステップS308:Yes)、制御手段80は、モータ駆動処理部86を通じてモータ17に駆動指令を与えてモータ17を正転駆動させる(ステップS309)。
これによれば、モータ17を図3において反時計回りに約120°回転させることとなり、カム14の第1カム部141の周面がリンクバー15の左端面15aに対向することでリンクバー15が左方に向けて所定距離(例えば15mm程度)だけ移動して図2~図4に示したような待機状態に戻ることになる。この結果、第1ゲート50が進出移動することで第1押圧片56からの押圧が解除された第1接触子71aが基準位置に戻って第1センサ71がオフ信号を出力するとともに、第2ゲート60が進出移動することで第2押圧片65からの押圧が解除された第2接触子72aが基準位置に戻って第2センサ72がオフ信号を出力することとなる。
よって、入力処理部81を通じて第1センサ71及び第2センサ72からのオフ信号を入力した場合(ステップS310:Yes)、制御手段80は、ロック駆動処理部87を通じてロック機構3にロック指令を出力して(ステップS311)、ロック機構3をロック状態にさせて、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
以上説明したように、本実施の形態である商品収納装置においては、カム機構13、スライダ30及びリンクレバー40が、待機状態となる場合には、第1ゲート50及び第2ゲート60を最下流域に進出移動させた状態に保持する一方、動作指令が与えられた場合には、第1ゲート50及び第2ゲート60が最下流域から退行移動することを許容するゲート動作機構を構成している。また、第1センサ71、第2センサ72及び制御手段80が第2ゲート60が退行移動から進出移動へと変化してから第1ゲート50が退行移動から進出移動へと変化する数をカウントすることより商品収納通路18から取り出された商品の数を計測する計測手段を構成している。
以上によれば、本発明の実施の形態である商品収納装置によれば、待機状態となる場合には、第1ゲート50及び第2ゲート60を商品収納通路18における最前商品の前方域に進出移動させた状態に保持するので、商品収納通路18に収納された商品が取り出されることを規制することができる。また、動作指令が与えられた場合には、第1ゲート50及び第2ゲート60が上記前方域から退行移動することを許容するので、任意の数の商品が取り出されることを許容することができる。そして、第2センサ72がオン状態からオフ状態に変化してから第1センサ71がオン状態からオフ状態に変化する数をカウントすることで商品収納通路18から取り出された商品の数を計測するので、自身から取り出される商品の数を計測できる。従って、一度の販売機会で複数の商品を販売することが可能である。
上記商品収納装置によれば、第2センサ72がオン状態からオフ状態に変化してから第1センサ71がオフ状態からオン状態へ変化することなく予め設定された時間が経過した場合、異常が発生した旨を通知するので、商品の取り出し忘れ等を防止することができる。
上記商品収納装置によれば、スライダ30が、常態においては左側ストッパ32a及び右側ストッパ33aの離間距離を商品のキャップ取付部の左右幅よりも小さくする一方、商品が通過する際には該商品に押圧されることで弾性変形して左側ストッパ32a及び右側ストッパ33aの離間距離を該商品のキャップ取付部の左右幅よりも大きくするので、最前商品の取出時には、後方側の商品の自重が第1ゲート50や第2ゲート60に作用することを防止することができるし、商品の補充時には一旦補充した商品が商品収納通路18の最前方域まで戻ってくることを防止することができる。更に商品の通過時に弾性変形することにより、商品の取出時や補充時にクリック感を与えることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
上述した実施の形態では、第2センサ72がオン状態からオフ状態に変化してから第1センサ71がオン状態からオフ状態に変化する数をカウントすることで商品収納通路18から取り出された商品の数を計測していたが、本発明においては、第1ゲート及び第2ゲートの少なくとも一方が退行移動から進出移動に変化する数をカウントすることにより商品収納通路から取り出された商品の数を計測するようにしてもよい。
上述した実施の形態では、第1センサ71及び第2センサ72を用いて第1ゲート50が退行移動から進出移動に変化したことや第2ゲート60が退行移動から進出移動に変化したことが検知されたが、本発明においては、第1ゲート及び第2ゲートが退行移動から進出移動への変化のタイミングが判ればどのような形態で検知するようにしてもよい。
上述した実施の形態では、第1ゲート50及び第2ゲート60は、弾性変形することで商品収納通路18から退行移動し、弾性復元力により商品収納通路18に進出移動するものであったが、本発明においては、第1ゲート及び第2ゲートは、商品収納通路に進退移動する態様で揺動可能なものであってもよい。