WO2015071963A1

WO2015071963A1 - ドアクローザ

Info

Publication number: WO2015071963A1
Application number: PCT/JP2013/080580
Authority: WO
Inventors: 皿田具己
Original assignee: リョービ株式会社
Priority date: 2013-11-12
Filing date: 2013-11-12
Publication date: 2015-05-21

Abstract

　流量制御流路のハウジングへの加工を不要にすることができるとともに、扉の閉速度を所定角度において変化させるように調整することができるドアクローザを提供する。　ドアクローザ本体１は、作動油が充填された密閉空間２Ａを有するハウジング２と、ハウジング２に取付けられるエンドプラグ２７と、密閉空間２Ａに付勢手段１７、１８により付勢された状態で往復移動可能に配置されるピストン１３と、ハウジング２に支持される回転軸３とを備えている。エンドプラグ２７は、ピストン１３に形成された貫通孔２３Ａを挿通する延出部２７Ｂを備えており、延出部２７Ｂには速度調整弁３１、３３によって作動油の流量が調整される流量制御流路３２、３４が形成されている。

Description

ドアクローザ

　本発明は、開いた扉をゆっくりと自動的に閉めるドアクローザ（ドア自閉装置）の改良に関し、特に作動油の流量制御に関するものである。

　一般に、ドアクローザは、作動油が充填された密閉空間を有するハウジングを備え、該ハウジングの密閉空間には、コイルスプリングにより付勢されたピストンが往復移動可能に配置されている。また、上記ピストンにはラック・ピニオン機構が組み付けられ、該ラック・ピニオン機構のピニオンには、回転軸が上下ハウジングを貫挿するように連結されている。さらに、この回転軸の上端には、リンク機構の一端が連結され、該リンク機構の他端は建物の扉開口部の上枠側に連結されている。

　そして、扉を開操作すると、その回転動作が上記リンク機構を介して回転軸に伝達され、さらに上記ラック・ピニオン機構を介してピストンの直線運動に変換される。これにより、上記ピストンがハウジングの密閉空間を移動することでコイルスプリングを圧縮し、扉から手を離すと、この圧縮されたコイルスプリングの反発力により扉がゆっくりと自動的に閉まるようになっている。この扉の閉速度は、ピストンの移動に連動して流動する作動油の流量を速度調整弁で制御することで調整される。

　ところで、この種のドアクローザとして、下記特許文献１には、作動油の流路のハウジングへの加工を不要にすることを目的として、作動油の流量を制御する速度調整弁をエンドプラグに配設するようにしたドアクローザが開示されている。

　しかしながら、特許文献１のドアクローザは、扉が閉じる際の閉速度が扉が閉じる行程を通じて一定となる構成であり、扉の閉速度を扉が閉じる行程において変化させるように調整することができないという問題を有している。

米国特許第５，５０２，８７４号明細書

　それゆえに本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされ、作動油の流路のハウジングへの加工を不要にすることができるとともに、扉の閉速度を扉が閉じる行程において変化させるように調整することができるドアクローザを提供することを課題とする。

　本発明は上記課題を解決すべくなされたものであって、作動油が充填された密閉空間２Ａを有するハウジング２と、該ハウジング２に取り付けられるエンドプラグ２７と、該密閉空間２Ａに付勢手段１７、１８により付勢された状態で往復移動可能に配置されるピストン１３と、該ハウジング２に支持される回転軸３とを備え、扉の開操作による該回転軸３の回転動作を該ピストン１３の直線動作に変換して該ピストン１３を該付勢手段１７、１８に抗して該密閉空間２Ａで移動させ、扉から手を離すことにより該ピストン１３を該付勢手段１７、１８の付勢力により該密閉空間２Ａで移動させ扉を自動的に閉めるように構成されたドアクローザであって、該エンドプラグ２７は、該ピストン１３に形成された貫通孔２３Ａを挿通する延出部２７Ｂを備え、該延出部２７Ｂには速度調整弁３１、３３によって作動油の流量が調整される流量制御流路３２、３４が少なくとも２つ形成されていることを特徴とする。

　ここで、該貫通孔２３Ａの内周面は、該延出部２７Ｂの外周面と摺接しており、該ピストン１３が移動する際に、該ピストン１３は該エンドプラグ２７の延出部２７Ｂ上を摺動することが好ましい。

　本発明のドアクローザによれば、作動油の流路のハウジングへの加工を不要にすることができるとともに、扉の閉速度を扉の閉じる行程において変化させるように調整することができる。

本発明の一実施形態におけるドアクローザを示す縦断面図。図１のＡ－Ａ線断面図。同ドアクローザの左側面図。同ドアクローザの右側面図。扉の全閉状態における同ドアクローザの要部を示す断面図。扉の全開状態における同ドアクローザの要部を示す断面図。扉の全開状態から全閉状態へ移行する過程における同ドアクローザの要部を示す断面図。

　以下、本発明の一実施形態にかかるドアクローザについて図１～図７を参酌しつつ説明する。本実施形態におけるドアクローザは、図１～図７に示すようにドアクローザ本体１を備えている。尚、図１、図２及び図５は扉が全閉状態のときのドアクローザを示している。

　ドアクローザ本体１は、ハウジング２と、該ハウジング２に軸支されて上下方向の軸線まわりに回転する回転軸３とを備えている。回転軸３はハウジングを上下に貫挿しており、回転軸３の上端には図示しないリンク等のアームの基端部が相対回転不能に取り付けられる。そして、ドアクローザ本体１は、上下方向の軸線まわりに回動する扉に取り付けられる。

　図１において、ハウジング２は、全体としては水平方向（横方向）に長い横長の直方体形状であるが、前後方向（紙面奥行き方向）の寸法に対して上下方向（縦方向）の寸法が長い形状となっている。尚、図１において、向かって右側を横方向一端側とし、左側を横方向他端側として、以下の説明では端に右側、左側と称することとする。尚、扉の回動中心はドアクローザ本体１に対して向かって左側に位置することになる。

　ハウジング２は、正面壁４、背面壁５、上面壁６、下面壁７、左側面壁８及び右側面壁９の６面で直方体形状に形成され、背面壁５側には、背面壁５、上面壁６及び下面壁７によって溝部１０が画成されている。

　回転軸３はハウジング２の上面壁６と下面壁７を貫くようにして配置されている。回転軸３は、ハウジング２の横方向中央よりも左側に偏って配置されており、回転軸３からドアクローザ本体１の左側の端部までの寸法に対して、回転軸３からドアクローザ本体１の右側の端部までの寸法が長くなっている。回転軸３は、ハウジング２の上面壁６と下面壁７に取り付けられた上キャップ１１と下キャップ１２にそれぞれ軸受けを介して回転可能に支持されている。

　ハウジング２の内部は密閉空間２Ａとされており、密閉空間２Ａには作動油（図示せず）が充填されている。密閉空間２Ａにはピストン１３がコイルバネのバネ力により左側に付勢された状態で往復移動可能に配置され、密閉空間２Ａはこのピストン１３が移動することにより第１油室１４と第２油室１５（図６参照）とに分けられるようになっている。コイルバネは、ピストン１３と右側のエンドプラグ１６との間に配置された大小二つのコイルバネ１７、１８からなり、第１油室１４内に配置されている。大径のコイルバネ１７と小径のコイルバネ１８は互いに同軸上に配置されている。即ち、大径のコイルバネ１７の内側に小径のコイルバネ１８が挿入されている。ハウジング２の右側面壁９には嵌着孔９Ａが形成されており、エンドプラグ１６はこの嵌着孔９Ａに嵌着されることによりハウジング２に取り付けられている。エンドプラグ１６の左側には溝が形成されており、この溝内にＯリング１９とバックアップリング２０が配置されることにより、エンドプラグ１６と嵌着孔９Ａの隙間から作動油が外部に漏れることが防止されている。また、エンドプラグ１６の右側における上下の位置には、図１の前後方向に延びるノックピン２１、２１が嵌入されており、エンドプラグ１６が嵌着孔９Ａから外れることが防止されている。尚、大径のコイルバネ１７と小径のコイルバネ１８は本発明の付勢手段に相当する。

　回転軸３の中央部にはピニオンギア２２が設けられている。ピニオンギア２２は、回転軸３とは別部材の構成ではなく、回転軸３と一つの部材を構成するように一体的に加工形成されたものである。ピストン１３は密閉空間２Ａを画成する内壁面を摺動するヘッド部２３、２４を左右両端に有しており、両ヘッド部２３、２４間にラック２５（図２参照）が形成され、該ラック２５に回転軸３のピニオンギア２２が螺合している。左側のヘッド部２３の中心部分には貫通孔２３Ａが形成されており、右側のヘッド部２４の中心部分にも貫通孔２４Ａが形成されている。ピストン１３は両ヘッド部２３、２４間に空洞部１３Ａを有しており、空洞部１３Ａは右側のヘッド部２４の貫通孔２４Ａを介して、第１油室１４と連通している。また、左側のヘッド部２３はその中心部分から背面壁５側にオフセットした位置に空洞部１３Ａと連通する貫通孔２３Ｂを備えており、この貫通孔２３Ｂには逆止弁２６が設けられている（図２参照）。開扉動作時には回転軸３の回転動作がピストン１３の直線動作に変換され、ピストン１３は図２の右側に移動するが、その時には逆止弁２６の弁体であるボールが油圧によって押されて左側に移動して弁を開き、作動油は貫通孔２３Ｂを挿通できる。その一方、ピストン１３が図２の左側に移動する閉扉動作時には、逆止弁２６のボールが油圧によって右側に押されて貫通孔２３Ｂを閉じるので、作動油は貫通孔２３Ｂを挿通できない。

　ハウジング２の左側面壁８には嵌着孔８Ａが形成されており、エンドプラグ２７がこの嵌着孔８Ａに嵌着されることにより、ハウジング２に取り付けられている。エンドプラグ２７は、略円柱状の基部２７Ａと、該基部２７Ａから右側に向けて延出する円柱状の延出部２７Ｂとにより構成されている。エンドプラグ２７の基部２７Ａの右側には溝が形成されており、この溝内にＯリング２８とバックアップリング２９が配置されることにより、エンドプラグ２７と嵌着孔８Ａの隙間から作動油が外部に漏れることが防止されている。また、エンドプラグ２７の基部２７Ａの左側における上下の位置には、図１の前後方向に延びるノックピン３０、３０が嵌入されており、エンドプラグ２７が嵌着孔８Ａから外れることが防止されている。エンドプラグ２７の延出部２７Ｂはピストン１３の左側のヘッド部２３に形成された貫通孔２３Ａを挿通しており、扉の全閉状態においては延出部２７Ｂの先端（右端）はピストン１３の空洞部１３Ａ内に位置している。延出部２７Ｂの外周面は、左側のヘッド部２３に形成された貫通孔２３Ａの内周面と摺接しており、貫通孔２３Ａのシール性が確保されている。開扉動作時にはピストン１３が図１及び図２の右側に移動するが、その時にピストン１３の左側のヘッド部２３はエンドプラグ２７の延出部２７Ｂに案内されて摺動する。

　エンドプラグ２７の延出部２７Ｂには流量制御流路が形成されている。流量制御流路は、第１速度調整弁３１により作動油の流量を調整される第１流路３２と、第２速度調整弁３３により作動油の流量が調整される第２流路３４とにより構成されている。第１流路３２は、延出部２７Ｂの先端面において開口し、扉の全閉状態においてはピストン１３の空洞部１３Ａと連通する孔３２Ａと、延出部２７Ｂの外周面において開口し、扉の全開状態においては第２の油室１５（図６参照）と連通する孔３２Ｂとを備えている。第２流路３４は、延出部２７Ｂの外周面において開口し、扉の全閉状態においてはピストン１３の空洞部１３Ａと連通する孔３４Ａと、延出部２７Ｂの外周面において開口し、扉の全開状態においては第２の油室１５と連通する孔３４Ｂとを備えている。エンドプラグ２７の基部２７Ａ側において開口するネジ孔内には第１速度調整弁３１が螺合設置されており、その弁先３１Ａは第１流路３２内に位置している。また、エンドプラグ２７の基部２７Ａ側において開口するネジ孔内には第２速度調整弁３３が螺合設置されており、その弁先３３Ａは第２流路３４内に位置している。従って、第１速度調整弁３１を回転操作することにより第１流路３２を流れる作動油の流量を調整することができ、第２速度調整弁３３を回転操作することにより第２流路３４を流れる作動油の流量を調整することができるようになっている。

　ドアクローザ本体１は、扉に固定された取付板３５を介して扉に設置される。ドアクローザ本体１を扉に設置する際には、先ずハウジング２の溝部１０内に取付板３５が収容されるように、扉に固定されている取付板３５に対してハウジング２を位置合わせする。次に、取付板３５に対してハウジング２を図２の左側に向けて摺動させ、取付板３５の左端に設けられているフック部３５Ａをハウジング２の背面壁５に形成されているフック係合部５Ａに係合させる。そして、取付板３５の右端の上部に設けられているネジ孔３５Ｂを用いて取付板３５にハウジング２の上面壁６を不図示のネジで固定し、取付板３５の右端の下部に設けられているネジ孔３５Ｃを用いて取付板３５にハウジング２の下面壁７を不図示のネジで固定する。

　次に、図５～図７を用いて、本実施形態におけるドアクローザの動作について説明する。まず、扉が全閉状態にあるときは、ドアクローザは図５に示す状態となっており、第１流路３２の孔３２Ｂと、第２流路３４の孔３４Ｂとは、ピストン１３の左側のヘッド部２３に形成されている貫通孔２３Ａの内周面により塞がれている。図５に示す状態から扉が開かれると、ピストン１３は図５の右側に移動し、逆止弁２６の弁体であるボールが油圧によって押されて左側に移動して弁を開き、ピストン１３の空洞部１３Ａ内の作動油が貫通孔２３Ｂを挿通し、作動油はピストン１３の移動によりエンドプラグ２７とピストン１３の間に画成される第２油室１５（図６参照）に流入する。

　図６に示す扉の全開状態において、エンドプラグ２７の延出部２７Ｂの先端（右端）はピストン１３の貫通孔２３Ａ内に位置しており、ピストン１３の空洞部１３Ａと第２油室１５とは第１流路３２により連通している。従って、扉から手が離されてピストン１３が図６に示されている位置から左側に移動すると、第１速度調整弁３１により調整された流量の作動油が第２油室１５から第１流路３２を通ってピストン１３の空洞部１３Ａに流入するようになり、扉は第１速度調整弁３１により調整されている第１の速度で閉まっていくことになる。

　ピストン１３が図７に示す位置まで移動すると、第１流路３２の孔３２Ｂはピストン１３の左側のヘッド部２３に形成されている貫通孔２３Ａの内周面により塞がれる。従って、第２油室１５の作動油は第１流路３２を通ってピストン１３の空洞部１３Ａに流入することができなくなる。一方、ピストン１３の貫通孔２３Ａの内周面により塞がれていた第２流路３３の孔３４Ａが開くようになるので、ピストン１３の空洞部１３Ａと第２油室１５とが第２流路３４によって連通し、第２速度調整弁３３により調整された流量の作動油が第２流路３４を通ってピストン１３の空洞部１３Ａに流入する。扉は第２速度調整弁３３により調整されている第２の速度により閉まっていき、図５に示されている扉の全閉状態となる。

　本実施形態のドアクローザによれば、エンドプラグ２７の延出部２７Ｂに第１流路３２と第２流路３４が形成されているので、ハウジング２には流量制御流路を形成するための加工を施す必要性がない。また、第１流路３２の作動油の流量を第１速度調整弁３１により調整することができ、第２流路３４の作動油の流量を第２速度調整弁３３により調整することができるので、扉が閉じる際の閉速度を扉が閉じる行程において変化させることができる。

　また、本実施形態のドアクローザによれば、左側のヘッド部２３に形成された貫通孔２３Ａの内周面とエンドプラグ２７の延出部２７Ｂの外周面とを摺接させ、ピストン１３が直線動作をする際にはピストン１３がエンドプラグ２７の延出部２７Ｂ上を摺動するように構成しているので、ピストン１３の空洞部１３Ａと第２油室１５との間のシール性を貫通孔２３Ａの内周面により十分に確保することができる。

　以上、本発明の一実施形態のドアクローザについて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。

　例えば、上記実施形態では、エンドプラグ２７には流量制御流路は２つ形成されていたが、流量制御流路は２以上の複数が形成されていればよい。

　また、上記実施形態では、エンドプラグ２７の延出部２７Ｂは基部２７Ａと一体に形成されるものであったが、延出部を別部材としてもよい。

　また、左側のヘッド部２３の貫通孔２３Ｂの内周面に溝部を形成し、この溝部にＯリング等のシール部材を配設するようにしてもよい。シール部材を配設することにより、ピストン１３の空洞部１３Ａと第２油室１５との間のシール性を更に高いものとすることができる。

　１　ドアクローザ本体、２　ハウジング、２Ａ　密閉空間、３　回転軸、４　正面壁、５　背面壁、５Ａ　フック係合部、６　上面壁、７　下面壁、８　左側面壁、８Ａ　嵌着孔、９　右側面壁、９Ａ　嵌着孔、１０　溝部、１１　上キャップ、１２　下キャップ、１３　ピストン、１３Ａ　空洞部、１４　第１油室、１５　第２油室、１６　エンドプラグ、１７　大径のコイルバネ、１８　小径のコイルバネ、１９　Ｏリング、２０　バックアップリング、２１　ノックピン、２２　ピニオンギア、２３　左側のヘッド部、２３Ａ　貫通孔、２３Ｂ　貫通孔、２４　右側のヘッド部、２４Ａ　貫通孔、２５　ラック、２６　逆止弁、２７　エンドプラグ、２７Ａ　基部、２７Ｂ　延出部、２８　Ｏリング、２９　バックアップリング、３０　ノックピン、３１　第１速度調整弁、３１Ａ　弁先、３２　第１流路、３３　第２速度調整弁、３３Ａ　弁先、３４　第２流路、３５　取付板、３５Ａ　フック部、３５Ｂ　ネジ孔、３５Ｃ　ネジ孔

Claims

　作動油が充填された密閉空間を有するハウジングと、
　該ハウジングに取り付けられるエンドプラグと、
　該密閉空間に付勢手段により付勢された状態で往復移動可能に配置されるピストンと、
　該ハウジングに支持される回転軸とを備え、
　扉の開操作による該回転軸の回転動作を該ピストンの直線動作に変換して該ピストンを該付勢手段に抗して該密閉空間で移動させ、扉から手を離すことにより該ピストンを該付勢手段の付勢力により該密閉空間で移動させ扉を自動的に閉めるように構成されたドアクローザであって、
　該エンドプラグは、該ピストンに形成された貫通孔を挿通する延出部を備え、該延出部には速度調整弁によって作動油の流量が調整される流量制御流路が少なくとも２つ形成されていることを特徴とするドアクローザ。
　該貫通孔の内周面は、該延出部の外周面と摺接しており、
　該ピストンが移動する際に、該ピストンは該エンドプラグの延出部上を摺動することを特徴とする請求項１に記載のドアクローザ。