WO2015064291A1

WO2015064291A1 - ロータリ耕耘装置の草藁巻付防止構造

Info

Publication number: WO2015064291A1
Application number: PCT/JP2014/076379
Authority: WO
Inventors: 平野隆司
Original assignee: ヤンマー株式会社
Priority date: 2013-10-31
Filing date: 2014-10-02
Publication date: 2015-05-07

Abstract

　線状部材を設けることなく、耕耘軸への草や藁の長稈巻き付きを防止することができるロータリ耕耘装置の草藁巻付防止構造を提供すること。　耕耘軸の外周面に、その軸線方向に間隔をあけて複数の耕耘爪取付体を突出状に取り付けて、各耕耘爪取付体に耕耘爪の基端部を取り付けたロータリ耕耘装置であって、耕耘軸の軸線方向に隣接する耕耘爪取付体間に、筒状の草藁巻付防止体を耕耘軸と同心円的に配置して、草藁巻付防止体により耕耘軸の外周面を被覆する。

Description

ロータリ耕耘装置の草藁巻付防止構造

　本発明は、ロータリ耕耘装置の草藁巻付防止構造に関する。

　従来、ロータリ耕耘装置の一形態として、耕耘軸の外周面に、その軸線方向に間隔をあけて複数の耕耘爪取付体を突出状に取り付け、各耕耘爪取付体に耕耘爪の基端部を取り付けて、両最外側に位置する耕耘爪取付体間に取付ステーを介して耕耘軸と略同一長さの線状部材を横架したものがある（特許文献１参照）。

　上記したロータリ耕耘装置では、雑草のすきこみや稲の刈取後の耕耘を行った際に、線状部材により耕耘軸に草や藁の長稈が巻き付くのを防止して、耕耘軸の回動抵抗が大きくなるのを抑制している。

実開平４－１１０４０２

　ところが、上記したロータリ耕耘装置では、線状部材に直接長稈が巻き付くことがあり、それが原因で耕耘軸の回動抵抗が大きくなって、耕耘効率が低下することがある。また、線状部材は、連結支持されている両端部に応力集中が生じて、連結部が損傷され易いという不具合を有しているとともに、圃場内の石等に衝突した際には破損され易いという不具合を有している。

　そこで、本発明は、線状部材を設けることなく、耕耘軸への草や藁の長稈巻き付きを防止することができるロータリ耕耘装置の草藁巻付防止構造を提供することを目的とする。

　請求項１記載の発明は、耕耘軸の外周面に、その軸線方向に間隔をあけて複数の耕耘爪取付体を突出状に取り付けて、各耕耘爪取付体に耕耘爪の基端部を取り付けたロータリ耕耘装置であって、耕耘軸の軸線方向に隣接する耕耘爪取付体間に、筒状の草藁巻付防止体を耕耘軸と同心円的に配置して、草藁巻付防止体により耕耘軸の外周面を被覆することを特徴とする。

　請求項２記載の発明は、請求項１記載の発明であって、筒状の草藁巻付防止体は、その内径を各耕耘爪取付体に各耕耘爪の基端部を取り付ける各取付ボルトの取付位置よりも大径となして、耕耘軸と同心円的に配置した草藁巻付防止体により各取付ボルトが外方から被覆されることを特徴とする。

　請求項３記載の発明は、請求項１又は２記載の発明であって、草藁巻付防止体は、半円弧状に形成した一対の巻付防止片と、各巻付防止片の両端縁部に形成した接続部とを具備し、両巻付防止片の接続部同士を接続することで筒状となし、接続された接続部同士は、巻付防止片の外周面より内方に陥没状に配置していることを特徴とする。

　請求項４記載の発明は、請求項１～３のいずれか１項記載の発明であって、草藁巻付防止体の周縁部は、耕耘軸の周方向に隣接する耕耘爪取付体間に位置する部分を、耕耘軸の軸方向に隣接する草藁巻付防止体の周縁部側に延出させて延出周縁部となし、隣接する延出周縁部同士は、耕耘軸の半径方向に重合状態となしていることを特徴とする。

　請求項５記載の発明は、請求項１～４のいずれか１項記載の発明であって、草藁巻付防止体の内周面と耕耘軸の外周面との間には、充填材を充填していることを特徴とする。

　本発明によれば、耕耘軸の軸線方向に隣接する耕耘爪取付体間に筒状の草藁巻付防止体を配置して、草藁巻付防止体により耕耘軸の外周面を被覆することで、耕耘軸に草や藁の長稈が巻き付くのを堅実に防止することができて、耕耘軸の回動抵抗が大きくなるのを抑制することができる。そのため、すきこみ深さを良好に確保することができる。その結果、耕耘効率を良好に確保することができる。

第１実施形態に係るロータリ耕耘装置と、それを牽引するトラクタの側面図。第１実施形態としてのロータリ耕耘装置の側面説明図。第１実施形態としてのロータリ耕耘装置の正面説明図。図３のI-I線断面図。図３のII-II線断面図。草藁巻付防止体の分解斜視説明図。草藁巻付防止体の展開平面説明図。変形例としての草藁巻付防止体の取付状態断面図。変形例としての草藁巻付防止体の斜視説明図。第２実施形態としてのロータリ耕耘装置の側面説明図。第２実施形態としてのロータリ耕耘装置の正面説明図。図１１のIII-III線断面図。図１１のIV-IV線断面図。草藁巻付防止体の分解断面説明図。草藁巻付防止体の分解斜視説明図。第３実施形態としてのロータリ耕耘装置の正面説明図。草藁巻付防止体の取付状態側面図。草藁巻付防止体の取付状態断面説明面図（ａ）と、草藁巻付防止体の展開説明図（ｂ）。一方の巻付防止片の右側面説明図（ａ）と正面図（ｂ）と左側面図（ｃ）。他方の巻付防止片の右側面説明図（ａ）と正面図（ｂ）と左側面図（ｃ）。

　以下に、本発明の第１～第３実施形態を、図面を参照しながら説明する。すなわち、図１に示すＡは本発明に係る第１実施形態としてのロータリ耕耘装置、Ｂは第１実施形態としてのロータリ耕耘装置Ａを牽引するトラクタ，ＣはトラクタＢとロータリ耕耘装置Ａとを連結する３点リンク機構である。トラクタＢは、３点リンク機構Ｃを介してロータリ耕耘装置Ａを昇降自在に連結して、ロータリ耕耘装置Ａを牽引しながら走行可能としている。図１０に示すＡ１は本発明に係る第２実施形態としてのロータリ耕耘装置、図１６に示すＡ２は本発明に係る第３実施形態としてのロータリ耕耘装置であり、これらのロータリ耕耘装置Ａ１,Ａ２は、ロータリ耕耘装置Ａと同様に、トラクタＢに３点リンク機構Ｃを介して昇降自在に連結している。

　次に、上記した第１実施形態としてのロータリ耕耘装置ＡとトラクタＢと３点リンク機構Ｃの構成について、それぞれこの順番で説明する。そして、その後に、第２実施形態としてのロータリ耕耘装置Ａ１と第３実施形態としてのロータリ耕耘装置Ａ２の構成について説明する。

I．第１実施形態の説明
　［ロータリ耕耘装置Ａの説明］
　ロータリ耕耘装置Ａは、図１～図３に示すように、相互に噛合する入・出力伝動ギヤ（図示せず）を収容した板金製のギヤボックス１０の左右側壁に、左右方向に軸線を向けた円筒状の左右側メインビーム１１,１２の内側端部を連通連結している。左側メインビーム１１の外側端部には上下方向に縦長の伝動ケース１３の上端部を連通連結する一方、右側メインビーム１２の外側端部には上下方向に縦長の軸受け体１４の上端部を連結し、伝動ケース１３の下端部と軸受け体１４の下端部との間に、左右方向に軸線を向けた耕耘軸１５をその軸線廻りに回動自在に横架状に軸架している。そして、ギヤボックス１０の前壁に開口した開口部１６から前後方向に軸線を向けた入力軸１７を突出させ、入力軸１７にはギヤボックス１０内に配設した入力伝動ギヤを連動連結している。左側メインビーム１１中には左右方向に軸線を向けた伝動軸１８を軸架しており、伝動軸１８の内側端部（右側端部）には出力伝動ギヤを連動連結するとともに、出力伝動ギヤと入力伝動ギヤとを噛合させて、伝動軸１８と入力軸１７とを連動連結している。伝動軸１８の外側端部（左側端部）には伝動ケース１３内に設けたチェン機構（図示せず）を介して耕耘軸１５の左側端部を連動連結している。耕耘軸１５の周面には多数の耕耘爪２２を軸線方向に間隔を開けて、かつ、周方向に位置ずれさせて取り付けている。

　伝動ケース１３の上部と軸受け体１４の上部との間には、耕耘軸１５の上方を被覆するように円弧状に湾曲させて形成したロータリカバー２３を張設している。ロータリカバー２３の後端縁部には、リヤカバー２４の上端縁部（基端縁部）を枢支連結し、リヤカバー２４の下端縁部（先端縁部）を圃場面上に滑動させて、耕耘爪２２により耕耘された凹凸状の圃場面をリヤカバー２４により均平に整地するようにしている。

　ロータリカバー２３とリヤカバー２４との間には、上下方向に軸線を向けた左右一対のハンガーロッド２５,２５を介設して、両ハンガーロッド２５,２５により圧縮スプリング２６，２６を介してリヤカバー２４を弾性支持している。圧縮スプリング２６は、ロータリ耕耘装置Ａが上昇された際に、リヤカバー２４に対して圧縮作用（押圧弾性付勢）することで、リヤカバー２４が急激に下方へ回動するのを抑制して、リヤカバー２４が耕耘爪２２と干渉するのを防止している。２７はハンガーロッド２５の上部を支持する上部ステー、２８はハンガーロッド２５の下部を支持する下部ステーである。２９はリヤカバー２４の側方を閉塞するサイドカバーである。

　ギヤボックス１０の上壁には、前上方へ向けて伸延する左右一対のトップリンク連結用ブラケット３０,３０の下端部を、左右方向に軸線を向けた枢軸３１を介して枢支連結している。トップリンク連結用ブラケット３０,３０の上部間には、左右方向に軸線を向けた上部連結用ピン３２を貫通状に横架している。

　左側メインビーム１１の内側部には、前下方へ向けて伸延する左右一対の左側ロワリンク連結用ブラケット３３,３３の後端部（基端部）を取り付け、左側ロワリンク連結用ブラケット３３,３３の前端部（先端部）には、左右方向に軸線を向けた左側ロワリンク連結用ピン３４を貫通状に横架している。左側ロワリンク連結用ブラケット３３,３３の後部には、左右方向に軸線を向けた左側連結用ピン３５を貫通状に横架し、内側の左側ロワリンク連結用ブラケット３３と左側のトップリンク連結用ブラケット３０との間には、左側連結用ピン３５とトップリンク連結用ピン３２を介して上下方向に伸延する左側補強ブラケット３６を介設している。

　右側メインビーム１２の内側部には、前下方へ向けて伸延する左右一対の右側ロワリンク連結用ブラケット４０,４０の後端部（基端部）を取り付け、右側ロワリンク連結用ブラケット４０,４０の前端部（先端部）には、左右方向に軸線を向けた右側ロワリンク連結用ピン４１を貫通状に横架している。右側ロワリンク連結用ブラケット４０,４０の後部には、左右方向に軸線を向けた右側連結用ピン４２を貫通状に横架し、内側の右側ロワリンク連結用ブラケット４０と右側のトップリンク連結用ブラケット３０との間には、右側連結用ピン４２とトップリンク連結用ピン３２を介して上下方向に伸延する右側補強ブラケット４３を介設している。

　左側ロワリンク連結用ブラケット３３,３３と右側ロワリンク連結用ブラケット４０,４０との間には、左右方向に軸線を向けた連結ロッド４４を貫通状に横架して、左右側ロワリンク連結用ブラケット３３,３３,４０,４０を補強している。

　耕耘軸１５には、図３～図５に示すように、その同一円周上において、扁平筒状に形成した複数個（本実施形態では４個）の耕耘爪取付体５１を、円周方向に間隔をあけて半径方向に向けて突設している。そして、同一円周上に複数個突設された耕耘爪取付体５１の群を一つのユニットとして、耕耘軸１５の軸線方向に間隔をあけて多数のユニットを設けている。しかも、左右方向に隣接する各ユニットは、相互に耕耘軸１５の一側端部から他側端部へ向けて順次円周方向に僅かに位置ずれさせて配置している。そして、左右方向に隣接する耕耘爪取付体５１は、耕耘軸１５の周面上において同一の仮想の螺旋状の線上に配置されている。つまり、本実施形態では、４本の仮想の螺旋状の線上に、それぞれ多数個の耕耘爪取付体５１が耕耘軸１５の軸線方向に間隔をあけて配置されている。

　各耕耘爪取付体５１には、突出端部（先端部）５１ａから単一の耕耘爪２２の基端部を挿入して、耕耘爪２２の基端部に形成したボルト孔（図示せず）と各耕耘爪取付体５１の側壁に形成したボルト挿通孔（図示せず）とを整合させるとともに、整合させた両孔中に取付ボルト５２ａを挿通してナット５２ｂを締結することで、各耕耘爪取付体５１にそれぞれ耕耘爪２２を取り付けている。

　上記のように構成したロータリ耕耘装置Ａにおいて、耕耘軸１５の軸線方向に隣接する耕耘爪取付体５１,５１間には、筒状の草藁巻付防止体５０を耕耘軸１５と同心円的に配置して、草藁巻付防止体５０により耕耘軸１５の外周面を被覆している。本実施形態は、耕耘軸１５に取り付けた草藁巻付防止体５０の構成に特徴を有しており、以下に、この草藁巻付防止体５０の構成について図３～図７を参照しながら詳説する。

　すなわち、草藁巻付防止体５０は、円筒状に形成するとともに、その内径を各耕耘爪取付体５１に各耕耘爪２２の基端部を取り付ける各取付ボルト５２ａ及びナット５２ｂの取付位置よりも大径となして、各取付ボルト５２ａ及びナット５２ｂが、耕耘軸１５と同心円的に配置した草藁巻付防止体５０により外方から被覆されるようにしている。つまり、各取付ボルト及びナット５２ａ,５２ｂは、草藁巻付防止体５０により外方から被覆して露出しないようにすることで、突出部となる取付ボルトの頭部やナット５２ａ,５２ｂが、耕耘作業時に圃場に残置されている茎稈の巻付原因とならないようにしている。ここで、円筒状に形成している草藁巻付防止体５０は、その周長が耕耘作業時に圃場に残置されている茎稈の長さよりも大きくなるように外径を設定して、茎稈が草藁巻付防止体５０の外周面に巻き付かないようにしている。例えば、茎稈の長さが４０～５０ｃｍと仮定した場合には、草藁巻付防止体５０の周長を５０ｃｍ以上に形成している。

　草藁巻付防止体５０は、図６及び図７に示すように、半円筒状に形成した一対の巻付防止片５３,５３の両端部を対向状に接続して筒状となしている。巻付防止片５３は、その軸線方向の幅を、耕耘軸１５の軸線方向（左右方向）に隣接する耕耘爪取付体５１,５１同士の間隔Ｗ１と略同一幅に形成している。半円弧状に形成した各巻付防止片５３,５３の一側端縁部には、側面視「Ｖ」字状に折曲させて形成した一側接続部５３ａ,５３ａを設ける一方、各巻付防止片５３,５３の他側端縁部には、内方へ向けて突出させて形成した他側接続部５３ｂ,５３ｂを設けている。そして、一方の巻付防止片５３の他側接続部５３ｂの外面に、他方の巻付防止片５３の一側接続部５３ａの先端面部の内面を重合状態に面接させて、各接続部５３ａ,５３ｂに形成したボルト孔５３ｃ,５３ｄを整合させるとともに、整合するボルト孔５３ｃ,５３ｄ中に接続ボルト５５を挿通してナット５６に締結するようにしている。ナット５６は、他側接続部５３ｂの内面にボルト孔５３ｄに整合させて連設している。また、他方の巻付防止片５３の他側接続部５３ｂの外面に、一方の巻付防止片５３の一側接続部５３ａの先端面部の内面を重合状態に面接させて、各接続部５３ａ,５３ｂに形成したボルト孔５３ｃ,５３ｄを整合させるとともに、整合するボルト孔５３ｃ,５３ｄ中に接続ボルト５５を挿通してナット５６に締結するようにしている。ここで、接続された各接続部５３ａ,５３ｂ同士は、巻付防止片５３の外周面より内方に陥没状に配置されて、これらの外方には左右方向（草藁巻付防止体５０の軸線方向）に延伸する断面「Ｖ」字状の凹条溝５７が形成されている。各接続部５３ａ,５３ｂを締結して接続する接続ボルト５５の頭部は、凹条溝５７内に収容されて、巻付防止片５３の外周面から突出しないようにしている。つまり、接続ボルト５５の頭部が耕耘作業時に圃場に残置されている茎稈の巻付原因とならないようにしている。

　各巻付防止片５３の左右側の周縁部は、耕耘軸１５の円周方向に隣接する耕耘爪取付体５１,５１間に位置する部分を、耕耘軸１５の軸方向に隣接する各巻付防止片５３の周縁部側にそれぞれ延出させて延出周縁部５３ｅ,５３ｅとなしている。耕耘軸１５の軸方向に隣接する延出周縁部５３ｅ,５３ｅ同士は、耕耘軸１５の半径方向に（内外周面を）重合状態に配置している。各延出周縁部５３ｅの延出幅Ｗ３は、耕耘軸１５の軸方向に形成される耕耘爪取付体５１の短副幅Ｗ２よりもやや広幅に形成している。

　このように形成した両巻付防止片５３,５３の延出周縁部５３ｅ,５３ｅは、耕耘軸１５の円周方向に隣接する耕耘爪取付体５１,５１間において、内外周面が重合状態に接合されているため、延出周縁部５３ｅ,５３ｅ同士が相互に補強し合って接合部が強固となるとともに、円周方向に隣接する耕耘爪取付体５１,５１間に配置されて、草藁巻付防止体５０を位置決めする。つまり、草藁巻付防止体５０が耕耘軸１５の円周方向に移動されると、耕耘爪取付体５１に延出周縁部５３ｅ,５３ｅ同士が係合するため、草藁巻付防止体５０の円周方向への移動が規制される。

　なお、両巻付防止片５３,５３は、可撓性素材により平板状に形成しておき、一方の巻付防止片５３の一側接続部５３ａと、他方の巻付防止片５３の他側接続部５３ｂとを接続するとともに、耕耘軸１５の周りに両巻付防止片５３,５３を屈曲させて、一方の巻付防止片５３の他側接続部５３ｂと、他方の巻付防止片５３の一側接続部５３ａとを接続することで、草藁巻付防止体５０となして組み付けることもできる。

　このように構成して、耕耘軸１５を中心にしてその周囲において各巻付防止片５３の各接続部５３ａ,５３ｂ同士を接続ボルト５５とナット５６の締結により接続することで、筒状の草藁巻付防止体５０をロータリ耕耘装置Ａに軸架されている耕耘軸１５の周囲に組み付けることができる。そして、所要個数の草藁巻付防止体５０を耕耘軸１５の周囲にその軸線方向に順次連続的に組み付けして、所要個数の草藁巻付防止体５０により耕耘軸１５の全外周を被覆することができる。この際、草藁巻付防止体５０を形成する巻付防止片５３,５３の延出周縁部５３ｅ,５３ｅ同士は、耕耘軸１５の円周方向に隣接する耕耘爪取付体５１,５１間において、内外周面が重合状態に接合するように配置することで、延出周縁部５３ｅ,５３ｅ同士を相互に補強するとともに、草藁巻付防止体５０内への耕耘土等の侵入を抑制し、さらに、各巻付防止片５３の各接続部５３ａ,５３ｂ同士を接続する接続ボルト５５の頭部は、凹条溝５７内に収容することで、耕耘軸１５への茎稈の巻付を防止することができる。

　図８及び図９は、変形例としての草藁巻付防止体５０を示している。すなわち、草藁巻付防止体５０は、その内周面と耕耘軸１５の外周面との間に、スポンジや発泡剤等の軽量な充填材５４を充填している。本実施形態では、各巻付防止片５３の内周面に、厚肉の半円筒状に形成した充填材５４を付着させている。ここで、充填材５４の肉厚は、組み付けられた草藁巻付防止体５０の内周面と耕耘軸１５の外周面との間隔と略同一に形成している。そして、充填材５４が付着された一対の巻付防止片５３,５３は、耕耘軸１５を挟むように接続して草藁巻付防止体５０を組み付けることで、草藁巻付防止体５０の内周面と耕耘軸１５の外周面との間に充填材５４が充填状態に配置される。このように形成された草藁巻付防止体５０内には、充填材５４が充填されているため、耕耘軸１５の回動負荷となる耕耘土等が草藁巻付防止体５０内に侵入するという不具合を防止することができる。

　なお、本実施形態では、一対の巻付防止片５３,５３の両側端部を接続ボルト５５及びナット５６により締結しているが、一側端部は枢支連結しておくことで、他側端部のみを接続ボルト５５及びナット５６により締結して接続することもできる。この際、枢支連結部は、巻付防止片５３,５３の外周面よりも内方に配置することで、茎稈の巻き付きを防止する。また、一対の巻付防止片５３,５３の両接続部は、嵌合接続部となすことで、ワンタッチで一対の巻付防止片５３,５３の両側端部を接続可能とすることで、簡単かつ迅速に草藁巻付防止体５０を組み付けることもできる。

　［トラクタＢの説明］
　トラクタＢは、図１に示すように、左右一対の前車輪１００,１００と左右一対の後車輪１０１,１０１とにより走行機体１０２が支持されている。走行機体１０２は、エンジン支持機枠１０３上にエンジン１０４を搭載し、エンジン１０４の後端部に、前後方向に伸延する筒状のクラッチハウジング１０５の前端部を連結し、クラッチハウジング１０５の後端部にミッションケース１０６を連結して構成している。エンジン支持機枠１０３は、左右方向に伸延する筒状のフロントアクスルケース１０７を介して左右一対の前車輪１００,１００により支持されている。ミッションケース１０６は、その左右側壁から外側方へ向けて突設したリヤアクスルケース１０８,１０８を介して左右一対の後車輪１０１,１０１により支持されている。１０９は、フロントアクスルケース１０７中に軸架して、前車輪１００,１００に連動連結した前車軸である。１１０は、リヤアクスルケース１０８,１０８中に軸架して、後車輪１０１,１０１に連動連結した後車軸である。１１１は、エンジン１０４を開閉蓋自在に被覆しているボンネットである。

　クラッチハウジング１０５及びミッションケース１０６の上には、運転部１１２を配設している。運転部１１２は、エンジン１０４の背後にダッシュボード１１３を設け、ダッシュボード１１３にハンドル１１４を取り付け、ハンドル１１４の後方に座席１１５を配置している。ミッションケース１０６上には、油圧昇降ケース１１６を載設し、油圧昇降ケース１１６の左右側壁には、左右方向に軸線を向けたリフトアーム回動支軸１１８を介して左右一対のリフトアーム１１７,１１７を後上方へ向けて突出させて、両リフトアーム１１７,１１７を昇降作動可能としている。１１９は油圧昇降ケース１１６の後壁に設けた連結片、１２０はミッションケース１０６上に配置した燃料タンク、１２１はリヤアクスルケース１０８,１０８間に跨架状に立設した門型のロプスフレームである。１２２はミッションケース１０６の後壁から後方へ突出させたＰＴＯ軸であり、ＰＴＯ軸１２２にドライブシャフト１２３を介してロータリ耕耘装置Ａに設けたギヤボックス１０を連動連結して、ロータリ耕耘装置Ａに耕耘動力を伝達するようにしている。

　［３点リンク機構Ｃの説明］
　３点リンク機構Ｃは、図１に示すように、前後方向に軸線を向けたトップリンク１３０及び左右一対のロワリンク１３１,１３１と、上下方向に軸線を向けた左右一対のリフトリンク１３２,１３２とを具備している。

　トップリンク１３０は、トラクタＢの連結片１１９に前端部を連結する一方、ロータリ耕耘装置Ａに設けたトップリンク連結用ブラケット３０,３０の上端部間にトップリンク連結用ピン１３３を介して後端部を連結している。左右一対のロワリンク１３１,１３１は、トラクタＢに設けたミッションケース１０６の左右側壁下部に、各前端部を連結する一方、ロータリ耕耘装置Ａに設けた左右側ロワリンク連結用ブラケット３３,３３,４０，４０に左右側ロワリンク連結用ピン３４,３４,４１,４１を介して各後端部を連結している。

II．第２実施形態の説明
　［ロータリ耕耘装置Ａ１の説明］
　第２実施形態としてのロータリ耕耘装置Ａ１は、前記した第１実施形態としてのロータリ耕耘装置Ａと基本的構造を同じくしており、耕耘軸１５の軸線方向に隣接する耕耘爪取付体５１,５１間には、耕耘軸１５の外周面を囲繞して耕耘軸１５を大径化する草藁巻付防止体１５０を後付け可能としている。Ｗ６は、耕耘軸１５の外周面から突出する耕耘爪取付体５１の突出幅である。以下に、この草藁巻付防止体１５０の構成について図１０～図１５を参照しながら詳説する。

　すなわち、草藁巻付防止体１５０は、耕耘軸１５の周りに複数個の巻付防止片１５３を配置するとともに、隣接する巻付防止片１５３,１５３同士を接続して形成している。本実施形態では、同一形状となした一対の巻付防止片１５３,１５３同士を、耕耘軸１５の外周面を囲繞するように対向状態に接続して形成している。

　巻付防止片１５３は、半円筒状に形成した内周壁部１５４と、内周壁部１５４よりも大径の半円筒状に形成して内周壁部１５４の外方に間隔をあけて配置した外周壁部１５５と、外周壁部１５５の軸線方向の一側縁部及び内周壁部１５４の軸線方向の一側縁部間に架設した一側壁部１５６と、外周壁部１５５の軸線方向の他側縁部及び内周壁部１５４の軸線方向の他側縁部間に架設した他側壁部１５７と、内外周壁部１５４,１５５及び両側壁部１５６,１５７の一側端縁部を閉塞する一側端壁部１５８と、内外周壁部１５４,１５５及び両側壁部１５６,１５７の他側端縁部を閉塞する他側端壁部１５９とから中空ケース状に形成している。本実施形態では、巻付防止片１５３を一体にブロー成形して、耕耘軸１５への負荷を軽減するために軽量に成形している。なお、巻付防止片１５３を耕耘軸１５への負荷が軽減可能な軽量素材で成形する場合には、中実ケース状に成形することもできる。

　内周壁部１５４は、その内周面を円形パイプ状に形成した耕耘軸１５の外周面に面接触して嵌合可能な半円筒状に形成し、軸線方向の幅Ｗ４を、耕耘軸１５の軸線方向に隣接する耕耘爪取付体５１,５１の間隔Ｗ５よりもやや短幅に形成している。外周壁部１５５は、その外径を耕耘爪取付体５１の突出幅Ｗ６よりもやや大径となした半円筒状に形成し、軸線方向の幅を内周壁部１５４の軸線方向の幅Ｗ４と同一幅に形成している。一側壁部１５６は、外周壁部１５５の軸線方向の一側縁部及び内周壁部１５４の軸線方向の一側縁部間を閉塞可能な四角形板状に形成し、その幅を内周壁部１５４の軸線方向の幅Ｗ４と同一幅に形成している。他側壁部１５７は、外周壁部１５５の軸線方向の他側縁部及び内周壁部１５４の軸線方向の他側縁部間を閉塞可能な横長の長方形板状に形成し、長手幅を内周壁部１５４の軸線方向の幅Ｗ４と同一幅に形成している。一側端壁部１５８は、内外周壁部１５４,１５５及び両側壁部１５６,１５７の一側端縁部を閉塞可能な半リング板状に形成している。他側端壁部１５９は、内外周壁部１５４,１５５及び両側壁部１５６,１５７の他側端縁部を閉塞可能な半リング板状に形成している。

　外周壁部１５５の両端部には、連結具を収容するための収容凹部１６０,１６１を陥没状に形成している。各収容凹部１６０（１６１）には各側壁部１５６（１５７）と平行状態に対向する平坦な平坦面壁部１６２（１６３）を形成し、各平坦面壁部１６２（１６３）と各側壁部１５６（１５７）の中途部間に、両壁部１６２（１６３）,１５６（１５７）と直交状態に円筒状の連通孔形成用筒部１６４（１６５）を介設して、各連通孔形成用筒部１６４（１６５）中に、各収容凹部１６０（１６１）と外部とを連通する連通孔１６６（１６７）を形成している。各連通孔１６６（１６７）中には連結具としての連結ボルト１６８を挿通可能としている。各収容凹部１６０（１６１）内には、各連通孔１６６（１６７）中に挿通した連結ボルト１６８、ないしは、連結ボルト１６８に締結するナット１６９を、外周壁部１５５の外周面から外方へ突出させることがないように収容可能としている。

　このように構成した草藁巻付防止体１５０は、同一形状に形成した一対の巻付防止片１５３,１５３を、ロータリ耕耘装置Ａ１に装着された耕耘軸１５に、次のようにして後付けすることができる。すなわち、耕耘軸１５の軸線方向に隣接する耕耘爪取付体５１,５１間において、耕耘軸１５を間に挟むように一対の巻付防止片１５３,１５３を対向配置し、一方の巻付防止片１５３の一側壁部１５６と他方の巻付防止片１５３の他側壁部１５７とを突き合わせ状態に面接触させるとともに、一方の巻付防止片１５３の他側壁部１５７と他方の巻付防止片１５３の一側壁部１５６とを突き合わせ状態に面接触させる。続いて、各側壁部１５６,１５７に形成した連通孔１６６,１６７同士を符合させて、符合させた連通孔１６６,１６７中に連結ボルト１６８を挿通するとともに、連結ボルト１６８の先端側にナット１６９を締結することで、耕耘軸１５に１個の草藁巻付防止体１５０を装着することができる。同様の作業を繰り返すことにより、耕耘軸１５に所望個数の草藁巻付防止体１５０を装着して、耕耘軸１５を大径化して、耕耘軸１５に茎稈等が巻き付くのを防止することができる。

　この際、耕耘軸１５の外周面を囲繞するように装着している草藁巻付防止体１５０は、その円周長が耕耘作業時に圃場に残置されている茎稈の長さよりも大きくなるように外径を設定することで、茎稈が草藁巻付防止体１５０の外周面に巻き付かないようにしている。例えば、茎稈の長さが４０～５０ｃｍと仮定した場合には、草藁巻付防止体１５０の周長を５０ｃｍ以上に形成している。また、連結ボルト１６８及びナット１６９は、外周壁部１５５の外周面から外方へ突出されることがないように収容凹部１６０（１６１）内に収容されるため、茎稈等の巻付原因とならない。また、草藁巻付防止体１５０を形成する巻付防止片１５３の外周壁部１５５は、その外径を隣接する草藁巻付防止体１５０,１５０間に位置する耕耘爪取付体５１の突出幅Ｗ６よりもやや大径となした半円筒状に形成しているため、耕耘爪取付体５１に茎稈等が巻き付くのを抑制することができる。

III．第３実施形態の説明
　［ロータリ耕耘装置Ａ２の説明］
　第３実施形態としてのロータリ耕耘装置Ａ２は、前記した第１実施形態としてのロータリ耕耘装置Ａと基本的構造を同じくしており、耕耘軸１５の軸線方向に隣接する耕耘爪２２,２２間には、耕耘爪取付体５１の先端面を被覆可能な内径を有する筒状の草藁巻付防止体５０を耕耘軸１５と同心円的に配置して、草藁巻付防止体５０により耕耘軸１５の外周面を被覆可能としている。Ｗ７は耕耘軸１５の軸線方向に隣接する耕耘爪２２,２２の外側面間の間隔、Ｗ９は、耕耘軸１５の外周面から突出する耕耘爪取付体５１の突出幅、Ｗ１０は一方の巻付防止片の軸線方向幅、Ｗ１１は他方の巻付防止片の軸線方向幅であり、両軸線方向幅Ｗ１０,Ｗ１１は同一幅となしている。以下に、この草藁巻付防止体５０の構成について図１６～図２０を参照しながら詳説する。

　すなわち、草藁巻付防止体２５０は、比較的小径となした一方の円筒状の巻付防止片２５３と、その内径よりもやや大径（比較的大径）となした他方の円筒状の巻付防止片２５４とを、それらの周縁部同士を内外側重合状態となすとともに、軸線方向に伸縮調整自在に連結して形成している。耕耘爪２２に近接する各巻付防止片２５３,２５４の両周縁部には、耕耘爪取付体５１の先端から露出している耕耘爪２２の基端部に嵌合する嵌合凹部２６０,２６１,２６２,２６３を切欠して形成している。両巻付防止片２５３,２５４は、伸長調整して連結するとともに、近接する耕耘爪２２に各巻付防止片２５３,２５４の嵌合凹部２６１,２６２を嵌合させることで、両巻付防止片２５３,２５４をそれらの軸線方向及び周方向に位置決め可能としている。つまり、耕耘軸１５の軸線方向に隣接する耕耘爪２２,２２間に、草藁巻付防止体２５０を固定することができる。

　上記した草藁巻付防止体２５０は、耕耘軸１５が組み付けられる前に、つまり、伝動ケース１３の下端部と軸受け体１４の下端部との間に横架状に軸架される前に配設するようにしており、次の手順で配設することができる。すなわち、１個目の草藁巻付防止体２５０を耕耘軸１５の一方から外嵌させることで耕耘軸１５の他方の端部に同心円的に配置しておき、その１個目の草藁巻付防止体２５０の両側周縁部に近接する各耕耘爪取付体５１,５１に耕耘爪２２,２２の基端部を取り付ける。続いて、２個目の草藁巻付防止体２５０を、耕耘軸１５の一方から外嵌させることで耕耘軸１５の他方に配置した１個目の草藁巻付防止体２５０に近接させて同心円的に配置しておき、２個目の草藁巻付防止体２５０の一側周縁部に近接する各耕耘爪取付体５１に耕耘爪２２の基端部を取り付ける。同様に、順次、草藁巻付防止体２５０の配置と耕耘爪２２の基端部の取り付け作業を所要回数だけ繰り返すことで、所要個数（本実施形態では１５個）配置した草藁巻付防止体２５０により耕耘軸１５の外周面を被覆することができる。

　次に、上記した草藁巻付防止体２５０の構成をより具体的に説明する。すなわち、一方の巻付防止片２５３は、その内径を比較的小径となした円筒状に形成するとともに、耕耘軸１５に突設された耕耘爪取付体５１を被覆可能な大きさに形成している。他方の巻付防止片２５４は、その内径を一方の巻付防止片２５３の外径よりよりもやや大径となした円筒状に形成して、一方の巻付防止片２５３に他方の巻付防止片２５４をその軸線方向及び円周方向に摺動自在に外嵌している。両巻付防止片２５３,２５４の両軸線方向幅Ｗ１０,Ｗ１１は同一幅に形成している。草藁巻付防止体２５０は、これらの巻付防止片２５３,２５４を、両側縁部同士が揃った完全内外側重合状態（短縮状態）と、一部の側縁部同士が内外側重合状態（伸長状態）との間で相互に軸線方向に摺動自在となして伸縮自在に形成している。そして、草藁巻付防止体２５０は、耕耘軸１５の一方から外嵌して所望の位置に配置するとともに、耕耘軸１５の軸線方向に隣接する耕耘爪２２,２２間に配置可能としている。

　一方の巻付防止片２５３の他側周縁部２５３ｂには、耕耘爪取付体５１の先端から露出している４本の耕耘爪２２の基端部にそれぞれ嵌合する４個の嵌合凹部２６１を、円周方向に間隔をあけて四角形状に切欠して形成している。また、他方の巻付防止片２５４の一側周縁部２５４ａには、耕耘爪取付体５１の先端から露出している４本の耕耘爪２２の基端部にそれぞれ嵌合する４個の嵌合凹部２６２を、円周方向に間隔をあけて四角形状に切欠して形成している。嵌合凹部２６１と嵌合凹部２６２は、それぞれに２個ずつが耕耘軸１５の軸芯を中心点とする点対称の位置に配置された耕耘爪２２の基部に嵌合するようにしている。一方の巻付防止片２５３の一側周縁部２５３ａには、嵌合凹部２６２と整合する嵌合凹部２６０を形成している。また、他方の巻付防止片２５４の他側周縁部２５４ｂには、嵌合凹部２６１と整合する嵌合凹部２６３を形成している。Ｋ１は嵌合凹部２６１ないしは嵌合凹部２６３が耕耘爪２２に嵌合する嵌合位置、Ｋ２は嵌合凹部２６２ないしは嵌合凹部２６０が耕耘爪２２に嵌合する嵌合位置である。各嵌合凹部２６０,２６１,２６２,２６３は、耕耘爪２２の基端部の横断面形状とやや同形状に形成するとともに、外側方へ開口させて形成して、耕耘爪２２の基端部にそれと直交する耕耘軸１５の軸線方向から嵌合可能としている。Ｗ８は、草藁巻付防止体２５０の軸線方向に沿った嵌合凹部２６０,２６１,２６２,２６３の嵌合深さ幅であり、嵌合凹部２６０,２６１,２６２,２６３の嵌合深さ幅Ｗ８は、耕耘爪２２の肉厚と同一幅に形成されている。

　このように形成することで、巻付防止片２５３の嵌合凹部２６０（２６１）と巻付防止片２５４の嵌合凹部２６２（２６３）を内外側で重合状態に整合させることにより、草藁巻付防止体２５０を完全に内外側に重合させた短縮状態となすことができる。この際、嵌合凹部２６０,２６２は、巻付防止片２５３,２５４のいずれか一方を摺動（スライド）するとともに、必要量だけ円周方向に回転させることで整合させることができる。そして、耕耘爪２２の基部に、整合させた嵌合凹部２６０,２６２（２６１,２６３）を嵌合させることができて、草藁巻付防止体２５０の他側縁部側を最大限に大きく開口させることができる。そのため、草藁巻付防止体２５０の他側縁部側に近接する耕耘爪取付体５１に、耕耘爪２２の基部を取付ボルト５２ａ及びナット５２ｂにより締結して取り付ける作業が楽に行える。

　巻付防止片２５３の一側周縁部２５３ａと巻付防止片２５４の他側周縁部２５４ｂとは、内外側（半径方向）に重合状態となしており、一側周縁部２５３ａには、その円周方向に間隔をあけて複数個（本実施形態では４個）の内方連結孔２５７を形成する一方、他側周縁部２５４ｂには、その円周方向に間隔をあけて複数個（本実施形態では４個）の外方連結孔２５８を形成している。そして、内方連結孔２５７と外方連結孔２５８とは符合可能に形成しており、他方の４本の耕耘爪２２の基端部に、他側周縁部２５３ｂに形成した４個の嵌合凹部２６１をそれぞれ嵌合させるとともに、一方の４本の耕耘爪２２の基端部に、一側周縁部２５４ａに形成した４個の嵌合凹部２６２をそれぞれ嵌合させた状態となすことで、内方連結孔２５７と外方連結孔２５８を符合可能としている。符合させた両連結孔２５７,２５８中には、外方から連結用ビス２５９を締結することで、巻付防止片２５３,２５４を一体的に連結可能としている。ここで、外方連結孔２５８は、巻付防止片２５４の軸線方向に長手状の長孔に形成して、両巻付防止片２５３,２５４からなる草藁巻付防止体２５０の軸線方向の長手幅を微調整可能としている。

　このように構成した草藁巻付防止体２５０は、伝動ケース１３の下端部と軸受け体１４の下端部との間に耕耘軸１５が横架状に軸架される前に、耕耘軸１５に次の手順で配設することができる。すなわち、短縮状態となした１個目の草藁巻付防止体２５０を、耕耘軸１５の一方から外嵌させることで耕耘軸１５の他方の端部に同心円的に配置しておき、耕耘軸１５の他方の端部に突設した４個の耕耘爪取付体５１と、それらの４個の耕耘爪取付体５１と耕耘軸１５の軸線方向に隣接する４個の耕耘爪取付体５１に、それぞれ計４本の耕耘爪２２,２２の基端部を取り付ける。そして、他方の４本の耕耘爪２２の基端部に、一方の巻付防止片２５３の他側周縁部２５３ｂに切欠して形成した４個の嵌合凹部２６１を、それぞれ耕耘軸１５の軸線方向に沿わせた方向から嵌合させる。続いて、１個目の草藁巻付防止体２５０を伸長状態となす、すなわち、他方の巻付防止片２５４を耕耘軸１５の軸線方向にスライドさせるとともに、円周方向にスライドさせることで、耕耘軸１５の軸線方向に隣接する４本の耕耘爪２２の基端部に、他方の巻付防止片２５４の一側周縁部２５４ａに切欠して形成した４個の嵌合凹部２６２を、それぞれ耕耘軸１５の軸線方向に沿わせた方向から嵌合させる。そうすると、一方の巻付防止片２５３の一側周縁部２５３ａに形成した４個の内方連結孔２５７と、他方の巻付防止片２５４の他側周縁部２５４ｂに形成した４個の外方連結孔２５８とが符合する。そこで、符合している両連結孔２５７,２５８中に、外方から連結用ビス２５９を締結することで、巻付防止片２５３,２５４を一体的に連結することができる。この際、外方連結孔２５８は巻付防止片２５４の軸線方向にやや長孔に形成して、両巻付防止片２５３,２５４からなる草藁巻付防止体２５０の軸線方向の長手幅を微調整可能としているため、耕耘軸１５の軸線方向に隣接する耕耘爪取付体５１,５１に取り付けた耕耘爪２２,２２の基部間に、草藁巻付防止体２５０をその軸線方向と円周方向の動きが規制された状態で堅実に配置することができる。

　次に、短縮状態となした２個目の草藁巻付防止体２５０を、耕耘軸１５の一方から外嵌させることで、１個目の草藁巻付防止体２５０に近接させて同心円的に配置しておき、上記した１個目の草藁巻付防止体２５０の取付手順と同様に、その２個目の草藁巻付防止体２５０の一側周縁部に近接する４個の耕耘爪取付体５１にそれぞれ耕耘爪２２の基端部を取り付ける。つまり、４個の耕耘爪取付体５１の先端から露出している４本の耕耘爪２２の基端部に、一方の巻付防止片２５３の他側周縁部２５３ｂに切欠して形成した４個の嵌合凹部２６１をそれぞれ耕耘軸１５の軸線方向に沿わせた方向から嵌合させる。続いて、２個目の草藁巻付防止体２５０を伸長状態となして、耕耘爪取付体５１の先端から露出している４本の耕耘爪２２の基端部に、他方の巻付防止片２５４の一側周縁部２５４ａに切欠して形成した４個の嵌合凹部２５６ａをそれぞれ耕耘軸１５の軸線方向に沿わせた方向から嵌合させる。そうすると、一方の巻付防止片２５３の一側周縁部２５３ａに形成した４個の内方連結孔２５７と、他方の巻付防止片２５４の他側周縁部２５４ｂに形成した４個の外方連結孔２５８とが符合する。符号状態を必要に応じて微調整した後に両連結孔２５７,２５８中に、外方から連結用ビス２５９を締結することで、巻付防止片２５３,２５４を一体的に連結する。この際、２個目の草藁巻付防止体２５０を形成する一方の巻付防止片２５３の他側周縁部２５３ｂは、１個目の草藁巻付防止体２５０を形成する他方の巻付防止片２５４の一側周縁部２５４ａの内方に内外重合状態に配置される。このようにして、草藁巻付防止体２５０内への掘削土等の侵入を抑制している。

　次に、３個目以降の草藁巻付防止体２５０は、上記した１個目や２個目の草藁巻付防止体２５０の取付手順と同様に順次、所要回数だけ繰り返すことで、耕耘軸１５に所要個数（本実施形態では１５個）の草藁巻付防止体２５０を装着して、草藁巻付防止体２５０により耕耘軸１５の外周面を被覆することができる。その結果、草藁巻付防止体２５０により耕耘軸１５を大径化することができて、耕耘軸１５に茎稈等が巻き付くのを防止することができる。

　ここで、耕耘軸１５の外周面を囲繞するように装着している草藁巻付防止体２５０は、その円周長が耕耘作業時に圃場に残置されている茎稈の長さよりも大きくなるように外径を設定することで、茎稈が草藁巻付防止体２５０の外周面に巻き付くのを防止している。例えば、茎稈の長さが４０～５０ｃｍと仮定した場合には、草藁巻付防止体２５０の周長を５０ｃｍ以上に形成している。また、草藁巻付防止体２５０は、耕耘爪取付体５１の先端面を被覆可能な内径を有する筒状に形成しているため、耕耘爪取付体５１に茎稈等が巻き付くのを抑制することができる。

　Ａ　ロータリ耕耘装置
　Ｂ　トラクタ
　Ｃ　３点リンク機構
　１５　耕耘軸
　２２　耕耘爪
　５０　草藁巻付防止体
　５１　耕耘爪取付体
　５３　巻付防止片
　５３ａ　一側接続部
　５３ｂ　他側接続部
　５３ｅ　延出周縁部
　５４　充填材

Claims

　耕耘軸の外周面に、その軸線方向に間隔をあけて複数の耕耘爪取付体を突出状に取り付けて、各耕耘爪取付体に耕耘爪の基端部を取り付けたロータリ耕耘装置であって、
　耕耘軸の軸線方向に隣接する耕耘爪取付体間に、筒状の草藁巻付防止体を耕耘軸と同心円的に配置して、草藁巻付防止体により耕耘軸の外周面を被覆することを特徴とするロータリ耕耘装置の草藁巻付防止構造。
　筒状の草藁巻付防止体は、その内径を各耕耘爪取付体に各耕耘爪の基端部を取り付ける各取付ボルトの取付位置よりも大径となして、
　耕耘軸と同心円的に配置した草藁巻付防止体により各取付ボルトが外方から被覆されることを特徴とする請求項１記載のロータリ耕耘装置の草藁巻付防止構造。
　草藁巻付防止体は、半円弧状に形成した一対の巻付防止片と、各巻付防止片の両端縁部に形成した接続部とを具備し、両巻付防止片の接続部同士を接続することで筒状となし、
　接続された接続部同士は、巻付防止片の外周面より内方に陥没状に配置していることを特徴とする請求項１又は２記載のロータリ耕耘装置の草藁巻付防止構造。
　草藁巻付防止体の周縁部は、耕耘軸の周方向に隣接する耕耘爪取付体間に位置する部分を、耕耘軸の軸方向に隣接する草藁巻付防止体の周縁部側に延出させて延出周縁部となし、
　隣接する延出周縁部同士は、耕耘軸の半径方向に重合状態となしていることを特徴とする請求項１～３のいずれか１項記載のロータリ耕耘装置の草藁巻付防止構造。
　草藁巻付防止体の内周面と耕耘軸の外周面との間には、充填材を充填していることを特徴とする請求項１～４のいずれか１項記載のロータリ耕耘装置の草藁巻付防止構造。