WO2015015571A1

WO2015015571A1 - 搬送装置、整列装置、および被搬送物の整列方法

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Publication number: WO2015015571A1
Application number: PCT/JP2013/070645
Authority: WO
Inventors: 博之唐来; 智史江頭
Original assignee: 日本たばこ産業株式会社
Priority date: 2013-07-30
Filing date: 2013-07-30
Publication date: 2015-02-05

Abstract

　本発明は、前後の向きが不規則に配列された被搬送物（７）を供給部から受け取り、受け取った被搬送物（７）の前後の向きを整列して後段の搬送部に渡す整列部装置において、被搬送物（７）を揺動自在に且つ被搬送物（７）の一端が下向きとなるように吊り下げ支持した状態で、搬送軌道（Ｌ１ｂ）に沿って前方斜め下方へ搬送する揺動搬送部と、揺動搬送部による被搬送物（７）の搬送過程において、吊り下げ搬送されている被搬送物（７）の下端部（７ａ，７ｃ）を被搬送物（７）の搬送方向後方から斜め上方に向かって外力を加え、被搬送物（７）を所定の向きに傾倒させて整列する加力部（８１ａ）と、を有するものである。当該構成により、加力部で被搬送物を前方又は後方に傾倒させる際の衝撃を小さくすることができる。

Description

搬送装置、整列装置、および被搬送物の整列方法

　本発明は、被搬送物の搬送装置、整列装置、および被搬送物の整列方法に関する。

　シガレット用フィルタ内に組み込む部品においては、当該部品を特定の向きで配置する必要がある場合がある。

　これに関連して、部品を一定方向に整列させて搬送する整列装置が知られている（例えば特許文献１を参照）。特許文献１に記載のパーツフィーダは、部品の脚部を平行に固定された一対の帯状部材の間隙に通して、部品を懸吊して一列で搬送する懸吊搬送路と、この懸吊搬送路の出口付近下方に設けられ、部品の頭部を供給方向に向けて傾倒させる部品傾倒部とを有する整列部を備えている。

特開２００４－３５９４１３号公報

　しかしながら、特許文献１に記載の整列装置においては、懸吊搬送路の出口付近下方に設けられた部品傾倒部を搬送される部品の脚部に対して搬送方向の前方から衝突させることによって、部品の頭部を搬送方向に向けて傾倒させるため、整列時における部品への衝撃が大きくなり易く、部品が損傷し易いという課題がある。また、整列時における部品への衝撃が大きいと、部品の姿勢が暴れ易くなり、確実に整列を行うことができない虞がある。

　本発明は、このような課題に鑑みてなされてものであって、前後の向きが不規則に配列された状態で供給される被搬送物の前後の向きを整列する際に、大きな衝撃を与えることを抑制可能な搬送装置、整列装置、および被搬送物の整列方法を提供することを目的とする。

　本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。すなわち、本発明に係る搬送装置は、前後の向きが不規則に配列された被搬送物を供給する供給部と、前記被搬送物を、その前後の向きが整列された状態で搬送する後段の搬送部と、前記供給部および後段の搬送部の間に介在し、前記供給部から受け取った前記被搬送物の前後の向きを整列して前記後段の搬送部に渡す整列部と、を備え、前記整列部は、前記被搬送物を揺動自在に且つ当該被搬送物の一端が下向きとなるように吊り下げ支持した状態で前方斜め下方へ搬送する揺動搬送部と、前記揺動搬送部による前記被搬送物の搬送過程において、吊り下げ搬送されている前記被搬送物の下端部を当該被搬送物の搬送方向後方から斜め上方に向かって外力を加え、被搬送物を整列する加力部と、を有する。ここで、「揺動自在」とは、加力部から外力を与えられた際に被搬送物が揺動できることを意味する。

　本発明によれば、整列部は、前段の搬送部から受け取った前後の向きが不規則に配列された被搬送物を、揺動搬送部によって、揺動自在に且つ被搬送物の一端が鉛直下向きとなるように吊り下げた状態で支持する。これによれば、整列部に対して供給部から順次送られてくる被搬送物の前後の向きが不規則であっても、一旦、揺動搬送部において被搬送物を鉛直姿勢にすることができる。

　そして、本発明においては、揺動搬送部による被搬送物の搬送過程において、加力部が、被搬送物の下端部を被搬送物の搬送方向後方から斜め上方に向かって外力を加える。鉛直姿勢の状態で搬送方向の前方斜め下方に向かって搬送されている被搬送物に対して、被搬送物の下端部を搬送方向後方から斜め上方に向かって外力を加えると、揺動搬送部によって支持される被搬送物の支持点を支点として、被搬送物の下端部が搬送方向の前方又は後方のいずれかの方向に倒れ込むようになる。その際、加力部は、前段の搬送部から順次送られてくる被搬送物に対して、常に一定の方向へ傾倒する方向へ力を加えることができる。これにより、被搬送物の前後の向きを一定の方向に揃えることができる。

　また、本発明によれば、被搬送物の整列に際して、前方斜め下方に搬送されている被搬送物の後方から斜め上方に加力を行うため、被搬送物への衝撃を小さくすることができる。これにより、被搬送物に変形や破損等が生じることを抑制することができる。また、被搬送物への衝撃を小さくすることで、被搬送物が暴れることを抑制することができる。よって、被搬送物の前後の向きを一定の向きに精度よく整列することが可能となる。

　また、本発明において、前記加力部は、前記揺動搬送部に吊り下げ搬送されている前記被搬送物の下端部に接触して当該被搬送物の姿勢を変更する整列部材を有していてもよい。これによれば、被搬送物の整列を好適に行うことができる。

　また、本発明において、前記揺動搬送部が所定の搬送軌道に沿って前記被搬送物を搬送し、且つ、前記整列部材が前記搬送軌道に対向して配置された軌道対向面を有し、前記軌道対向面には、前記揺動搬送部による搬送過程の前記被搬送物と最初に接触する部分である初期接触部と、前記初期接触部に接触した後の前記被搬送物を前記後段の搬送部に案内するガイド部と、が形成されていてもよい。上記構成において、整列部材の軌道対向面には、初期接触部およびガイド部が形成される。そして、揺動搬送部によって所定の搬送軌道に沿って吊り下げ搬送された状態の被搬送物が初期接触部と接触（衝突）することにより、その姿勢が一旦傾倒される。ガイド部によれば、初期接触部との接触によって姿勢が一旦傾けられた被搬送物の姿勢が暴れることを抑制しつつ後段の搬送部まで被搬送物を案内することができる。

　また、本発明において、前記軌道対向面のうち、前記初期接触部よりも前記被搬送物の搬送方向の上流側に対応する領域は、前記揺動搬送部による被搬送物の支持点と前記軌道対向面との離間寸法が前記搬送方向の下流側に向かって連続的に狭まっていてもよい。このようにすることで、被搬送物における個体毎の揺動の挙動違い、あるいは個体の寸法バラつきがあった場合においても、それぞれの被搬送物に大きな衝撃を与えることを抑制できる。これにより、整列時に被搬送物が暴れることを抑制でき、被搬送物の前後の向きをより確実に整列することができる。

　また、本発明において、前記軌道対向面のうち、前記初期接触部よりも前記被搬送物の搬送方向の下流側に対応する領域は、前記揺動搬送部による被搬送物の支持点と前記軌道対向面との離間寸法が前記搬送方向の下流側に向かって連続的に狭まっていてもよい。このようにすることで、整列部材における初期接触部と衝突した後における被搬送物の姿勢を徐々に（連続的に）傾倒させながら、被搬送物を後段の搬送部までガイドすることができる。これにより、被搬送部の整列を安定して行うことができる。

　ここで、整列部材における軌道対向面のうち被搬送物と最初に接触する部分である初期接触部が水平面となす角度（以下、「接触部角度」という）が小さいほど、初期接触部から被搬送物の下端部に加えられる鉛直上向き成分の力が大きくなると共に搬送方向前向き成分の力が小さくなる。この場合には、揺動搬送部によって吊り下げられている被搬送物の上端部が搬送方向の前方側（下流側）に倒れやすくなる。これにより、吊り下げ搬送されている被搬送物の上端部が先頭配置されるように、被搬送物の向きを揃えることができる。逆に、上記の接触部角度が大きいほど、整列部材における初期接触部から被搬送物の下端部に加えられる鉛直上向き成分の力が小さくなると共に搬送方向前向き成分の力が大きくなる。この場合には、揺動搬送部によって吊り下げられている被搬送物の上端部が搬送方向の後方側（上流側）に倒れやすくなる。これにより、吊り下げ搬送されている被搬送物の下端部が先頭配置されるように、被搬送物の向きを揃えることができる。

　そこで、本発明に係る搬送装置において、前記揺動搬送部は所定の搬送軌道に沿って前記被搬送物を搬送し、且つ、前記整列部材は、前記搬送軌道に対向して配置された軌道対向面を有し、前記軌道対向面のうち、前記揺動搬送部により搬送されている前記被搬送物と最初に接触する部分である初期接触部が水平面となす角度は所定の第１基準角度以下であり、吊り下げ搬送されている状態の前記被搬送物の上端部を整列時において前記搬送方向の下流側に傾倒させるように構成されていてもよい。また、上記第１基準角度は、４５°より小さな角度として設定されてもよい。

　或いは、本発明に係る搬送装置において、前記揺動搬送部は所定の搬送軌道に沿って前記被搬送物を搬送し、且つ、前記整列部材は、前記搬送軌道に対向して配置された軌道対向面を有し、前記軌道対向面のうち、前記揺動搬送部による搬送過程の前記被搬送物と最初に接触する部分である初期接触部が水平面となす角度は所定の第２基準角度以上であり、吊り下げ搬送されている状態の前記被搬送物の上端部を整列時において前記搬送方向の上流側に傾倒させるように構成されていてもよい。ここで、上記第２基準角度は、４５°より大きな角度として設定されてもよい。

　揺動搬送部に吊り下げ搬送されている被搬送物の上端部を搬送方向下流側に傾倒して整列（以下、この方向の整列を「順整列」という）する場合、前記軌道対向面には、前記初期接触部に接触した後の前記被搬送物を前記後段の搬送部に案内するガイド部が更に形成されていてもよい。そして、前記ガイド部は、前記初期接触部の下流側に配置される第１ガイド領域と、前記第１ガイド領域の下流側に配置される第２ガイド領域と、を含み、前記第２ガイド領域が水平面となす角度（以下、「ガイド角度」ともいう）は前記第１基準角度より大きく、且つ、前記第１ガイド領域は、前記初期接触部と第２ガイド領域とを連続的に繋ぐ面として形成されていてもよい。

　上記のように、ガイド部における第２ガイド領域のガイド角度を、第１基準角度より大きな角度となるように調整することで、第２ガイド領域において、被搬送物の上端部を搬送方向の下流（後方）側へとより確実に傾けることができる。更に、ガイド部における第１ガイド領域を、初期接触部と第２ガイド領域とを連続的に繋ぐ面として形成することで、被搬送物の姿勢を連続的に緩やかに変化させることができる。これによれば、被搬送物の順整列を行う際に、被搬送物の姿勢が暴れることを抑制することができる。

　また、被搬送物の順整列を行う場合、前記整列部は、前記整列部材を鉛直方向に振動駆動する発振機構を更に備えていてもよい。これにより、整列部材の初期接触部に被搬送物が接触（衝突）した際に、被搬送物の下端側を鉛直上向きに押し上げ易くなる。その結果、被搬送物の上端側が搬送方向の下流側（前方側）に倒れ込み易くなり、被搬送物の順整列がより確実なものとなる。

　また、被搬送物の順整列を行う場合、前記整列部材には、前記被搬送物の揺動軸と平行な軸を中心に該被搬送物の搬送方向における上流側に向かって回転駆動されるローラ部材が設けられており、前記揺動搬送部による搬送過程の前記被搬送物の下端部に対して、回転駆動されている前記ローラ部材が最初に接触するように構成されていてもよい。これによれば、被搬送物の下端部とローラ部材とが接触した際に、被搬送物における下端部が搬送方向における上流（後方）側に跳ね上げられるため、被搬送物の上端側を搬送方向の下流（前方）側へと好適に傾倒させることができる。これにより、被搬送物の順整列をより確実に行うことができる。

　一方、揺動搬送部に吊り下げ搬送されている被搬送物の上端部を搬送方向上流（後方）側に傾倒して整列（以下、この方向の整列を「逆整列」という）する場合、前記軌道対向面には、前記初期接触部に接触した後の前記被搬送物を前記後段の搬送部に案内するガイド部が更に形成されていてもよい。そして、前記ガイド部は、前記初期接触部の下流側に配置される第１ガイド領域と、前記第１ガイド領域の下流側に配置される第２ガイド領域と、を含み、前記第２ガイド領域が水平面となす角度は前記第２基準角度より小さく、且つ、前記第１ガイド領域は、前記初期接触部と第２ガイド領域とを連続的に繋ぐ面として形成されていてもよい。

　被搬送物の逆整列を行う場合、ガイド部における第２ガイド領域のガイド角度を、上述した第２基準角度より小さな角度となるように調整することで、第２ガイド領域において、被搬送物の上端部を搬送方向の上流（前方）側へとより確実に傾けることができる。更に、ガイド部における第１ガイド領域を、初期接触部と第２ガイド領域とを連続的に繋ぐ面として形成することで、被搬送物の姿勢を連続的に緩やかに変化させることができる。これによれば、被搬送物の逆整列を行う際に、被搬送物の姿勢が暴れることを抑制することができる。

　また、被搬送物の逆整列を行う場合、前記整列部は、前記整列部材を水平方向に振動駆動する発振機構を更に備えていてもよい。これにより、整列部材の初期接触部に被搬送物が接触（衝突）した際、被搬送物の下端側を搬送方向前向きに向かって押し込み易くなる。その結果、被搬送物の上端側が搬送方向の上流側（後方側）に倒れ込み易くなり、被搬送物の逆整列がより確実なものとなる。

　また、被搬送物の逆整列を行う場合、前記整列部材には、前記被搬送物の揺動軸と平行な軸を中心に該被搬送物の搬送方向における下流側に向かって回転駆動されるローラ部材が設けられており、前記揺動搬送部による搬送過程の前記被搬送物の下端部に対して、回転駆動されている前記ローラ部材が最初に接触するように構成されていてもよい。これによれば、被搬送物の下端部とローラ部材とが接触した際に、被搬送物における下端部が搬送方向における下流（前方）側に跳ね上げられるため、被搬送物の上端側を搬送方向の上流（後方）側へと好適に傾倒させることができる。これにより、被搬送物の逆整列をより確実に行うことができる。

　また、本発明は、整列装置として捉えることもできる。すなわち、本発明に係る整列装置は、前後の向きが不規則に配列された被搬送物を供給する供給部から被搬送物を受け取り、受け取った被搬送物の前後の向きを整列して後段の搬送部に渡す整列装置であって、前記被搬送物を揺動自在に且つ当該被搬送物の一端が下向きとなるように吊り下げ支持した状態で前方斜め下方へ搬送する揺動搬送部と、前記揺動搬送部による前記被搬送物の搬送過程において、吊り下げ搬送されている前記被搬送物の下端部を当該被搬送物の搬送方向後方から斜め上方に向かって外力を加え、被搬送物を整列する加力部と、を有する。

　また、本発明は、被搬送物の整列方法として捉えることもできる。すなわち、本発明に係る被搬送物の整列方法は、前後の向きが不規則に配列された被搬送物を供給部から受け取る工程と、前記供給部から受け取った前記被搬送物の前後の向きを整列する整列工程と、前後の向きを整列した被搬送物を後段の搬送部に渡す工程と、を含み、前記整列工程においては、前記被搬送物を揺動自在に且つ当該被搬送物の一端が下向きとなるように吊り下げ支持した状態で前方斜め下方へ搬送し、吊り下げ搬送されている前記被搬送物の下端部を当該被搬送物の搬送方向後方から斜め上方に向かって外力を加え、被搬送物を整列する。

　また、本発明における課題を解決するための手段は、可能な限り組み合わせて採用することができる。

　本発明によれば、前後の向きが不規則に配列された状態で供給される被搬送物の前後の向きを整列する際に、大きな衝撃を与えることを抑制可能な搬送装置、整列装置、および被搬送物の整列方法を提供することができる。

実施形態１に係る搬送装置の概略構成を示す図である。香料充填容器を示す図である。シガレットフィルタに組み込まれた香料充填容器を示す図である。図１に示すＣ―Ｃ矢視断面図である。図１に示すＤ―Ｄ矢視断面図である。実施形態１における溝付き円板の支持部に吊り下げられた香料充填容器の搬送軌道と整列ガイド部材との関係を示す図である。実施形態１における溝付き円板に吊り下げられた状態で搬送される香料充填容器と整列ガイド部材との関係を示す図である。図７において鎖線円で囲まれた部分の拡大図である。図７に示すＣの状態を拡大して示す図である。実施形態１における整列方法の各工程を示す図である。実施形態１の第１変形例に係る整列装置を説明する図である。実施形態１の第２変形例に係る整列装置を説明する図である。実施形態１に係る第３変形例に係る整列装置を説明する図である。実施形態２に係る溝付き円板に吊り下げられた状態で搬送される香料充填容器と整列ガイド部材との関係を示す図である。実施形態２に係る第１変形例に係る整列装置を説明する図である。

　本発明に係る整列装置およびそれを備えた搬送装置の実施形態について、図面に基づいて説明する。

＜実施形態１＞
　図１は、実施形態１に係る搬送装置１の概略構成を示す図である。搬送装置１は、供給部１０（前段の搬送部）、整列装置３０（整列部）、後段搬送部５０（後段の搬送部）を備える。搬送装置１は、図２に示す被搬送物を整列しつつ搬送する装置である。本実施形態において、搬送装置１は、シガレット用フィルタに組み込まれる一部品である香料充填容器７（図２を参照）を搬送する装置である。但し、香料充填容器７は、被搬送物の一例であり、搬送装置１は、他の被搬送物を搬送してもよい。

　香料充填容器７は、シガレット用フィルタに組み込まれる部品であり、内部に液体香料が封入されている。香料充填容器７は、図２に示すように容器本体７１および蓋部７２によって構成されている。容器本体７１は、有底円筒形状を有しており、その内部に液体香料が収容されている。蓋部７２は、容器本体７１の開口端側に貼り付けられ、この開口端をシールしている。蓋部７２は、容器本体７１に比べて若干直径が大きな円形状を有する薄いシール部材である。本明細書において、香料充填容器７のうち、蓋部７２が貼り付けられていない方における容器本体７１の外面を、香料充填容器７の「底面」と定義し、符合７ａによって示す。また、香料充填容器７の底面７ａの逆側に位置する蓋部７２の外面を、香料充填容器７の「頂面」と定義し、符合７ｂによって示す。

　図２に示した香料充填容器７は、図３に示すシガレット１００におけるたばこロッド２００の一端に接続されたシガレット用フィルタ３００の内部に組み込まれている。たばこロッド２００は、たばこ刻と、このたばこ刻を巻き取る巻紙を含んでいる。香料充填容器７は、シガレット用フィルタ３００内において、蓋部７２をたばこロッド２００側に面するように当該蓋部７２を前にした姿勢で組み込まれる。香料充填容器７が喫煙者によって潰されると、香料充填容器７の内部に封入されていた液体香料がたばこロッド２００のたばこ刻側に放出される。

　図１に示す搬送装置１の供給部１０は、整列装置３０に香料充填容器７を順次供給する装置である。供給部１０は、送り出し装置１１、導管１２、案内チューブ１３、溝付きレール部材１４などを有する。送り出し装置１１は、導管１２の一端に接続されており、導管１２の他端は案内チューブ１３の一端に接続されている。香料充填容器７は、送り出し装置１１から、導管１２に送り出され、この導管１２および案内チューブ１３の内部を通過することで、整列装置３０に移送される。案内チューブ１３の内径は導管１２の内径寸法に等しく、これらの内径寸法は香料充填容器７における蓋部７２の直径よりも若干大きい。但し、案内チューブ１３および導管１２の内径寸法は、香料充填容器７の長さ（高さ）寸法に比べて小さい。

　案内チューブ１３の送給方向には、溝付きレール部材１４が配設されている。また、溝付きレール部材１４と案内チューブ１３との間には、送給ローラ装置１５が設けられている。送給ローラ装置１５は、電動機１６、この電動機１６の軸に取り付けられた第１プーリ１７、ベルト１８、第２プーリ１９などを有する。第１プーリ１７と第２プーリ１９には、ベルト１８が巻かれており、このベルト１８を介して電動機１６の回転駆動力が第２プーリ１９に伝達されることで、第２プーリ１９が回転するように構成されている。

　第２プーリ１９の上には、ヒンジピン２０に枢着された第１アーム２１の端部に設けられたフローティングローラ２２が回転自在に設けられている。これにより、電動機１６の回転駆動によって回転する第２プーリ１９と、自重によって第２プーリ１９に接近しようとするフローティングローラ２２とに挟まれた香料充填容器７が、溝付きレール部材１４に順次繰り出されるようになっている。溝付きレール部材１４の上面には、溝１４１が形成されており、この溝１４１内を香料充填容器７が連なって搬送方向下流側に向かって繰り出される。

　溝付きレール部材１４の搬送方向下流端には整列装置３０が設けられており、供給部１０は、溝付きレール部材１４を通じて整列装置３０に香料充填容器７を供給する。供給部１０における送り出し装置１１は、香料充填容器７を導管１２に送り出す際、香料充填容器７における前後の向きを不規則（ランダム）に送り出す。ここでいう前後とは、香料充填容器７における底面７ａ、頂面７ｂの向きを指し、前後の向きが不規則とは、底面７ａおよび頂面７ｂの何れが先端側に位置して送給されるかが不規則であることを意味する。また、導管１２および案内チューブ１３の内径は、香料充填容器７における蓋部７２の外径よりも若干大きい程度となっている。そのため、供給部１０は、香料充填容器７における底面７ａ又は頂面７ｂの何れかを搬送方向前方に向けた姿勢（前後の向きを不規則に配列した状態）で、香料充填容器７を整列装置３０に移送する。

　次に、整列装置３０について説明する。整列装置３０は、溝付き円板３１、第２電動機３２、第３プーリ３３、第４プーリ３４、第２ベルト３５、整列部材８などを有する。第３プーリ３３は、第２電動機３２の駆動軸３２１に取り付けられている。また、第４プーリ３３および溝付き円板３１は、共に軸４１に固着されており、第３プーリ３３と第４プーリ３４とに第２ベルト３５が巻き回されている。第４プーリ３４および溝付き円板３１の中心軸である軸４１は、搬送装置１の不動箇所に対して回転自在に設けられている。第２ベルト３５を介して第２電動機３２の回転駆動力が伝達されることで、第４プーリ３４および溝付き円板３１は、図１の矢印Ａ方向に回転するように構成されている。

　ここで、溝付き円板３１および整列部材８の詳細については後述するが、溝付き円板３１は、整列装置３０の前段に配設された供給部１０（溝付きレール部材１４）から受け取った香料充填容器７を、順次、整列装置３０の後段に配設された後段搬送部５０に受け渡すために使用される。また、整列部材８は、供給部１０から前後の向きが不規則に配列された香料充填容器７における前後の向きを整列させるために使用される。

　次に、後段搬送部５０の詳細を説明する。後段搬送部５０は、繰り出しレール部材５１、送出管５２、搬送ベルト５３、第３電動機５４、第５プーリ５５～第９プーリ５９、第２フローティングローラ６０、ヒンジピン６１、第２アーム６２、第３ベルト６３などを有する。第５プーリ５５～第７プーリ５７は、整列装置３０における溝付き円板３１の周囲に配設されており、これらに搬送ベルト５３が巻き回されている。第５プーリ５５～第７プーリ５７は、それぞれ三角形の各頂点に対応する位置に配置されており、第５プーリ５５および第６プーリ５６の高さが等しく、これらに比べて第７プーリ５７が低い位置に配置されている。

　また、図１に示すように、第５プーリ５５の下方には、第３電動機５４および第８プーリ５８が配置されている。第８プーリ５８は、第３電動機５４の駆動軸５４１に取り付けられている。また、第９プーリ５９は、第５プーリ５５の軸に固着されており、この第９プーリ５９と第８プーリ５８とに第３ベルト６３が巻き回されている。第３ベルト６３を介して第３電動機５４の回転駆動力が第５プーリ５５に伝達されることで、搬送ベルト５３が図１に示すＢ方向に走行する。

　図４は、図１に示すＣ―Ｃ矢視断面図である。具体的には、図４は、溝付き円板３１の後段（香料充填容器７の搬送方向下流側）に溝付き円板３１と隣接配置された繰り出しレール部材５１の横断面を示している。なお、ここでいう横断面とは、繰り出しレール部材５１の長手方向と直交する断面を指している。図４に示すように、繰り出しレール部材５１は、搬送ベルト５３とこの搬送ベルト５３上に載置・搬送されている香料充填容器７を収容可能な収容溝５１０を有している。収容溝５１０は、第１収容溝５１１および第２収容溝５１２を含んでいる。ここで、第１収容溝５１１は、搬送ベルト５３を収容するための空間であり、搬送ベルト５３の横幅よりも若干大きな幅寸法を有している。また、第２収容溝５１２は、搬送ベルト５３上に載置されている香料充填容器７を収容するための空間であり、繰り出しレール部材５１の上面から斜めに傾斜した案内面５１３によって、第２収容溝５１２の側面が形成されている。図示のように、第２収容溝５１２は、深さ方向に進むに従い溝幅が徐々に狭くなっている。本実施形態において、搬送ベルト５３はいわゆるチューブ状に形成されており、搬送ベルト５３の幅は香料充填容器７における容器本体７１の直径よりも小さい。そこで、第２収容溝５１２の側方に傾斜した案内面５１３を設け、搬送ベルト５３上に載置された香料充填容器７の姿勢を安定させるようにしている。

　また、図１に示すように、第９プーリ５９の上方には、ヒンジピン６１に枢着された第２アーム６２の端部に設けられた第２フローティングローラ６０が回転自在に設けられている。これにより、第３電動機５４の回転駆動によって回転する第９プーリ５９と、自重によって第９プーリ５９に接近しようとする第２フローティングローラ６０とに挟まれた香料充填容器７が、繰り出しレール部材５１の下流端に配置された送出管５２に順次繰り出される。なお、供給部１０および後段搬送部５０の間には整列装置３０が介在し、整列装置３０は供給部１０から受け取った香料充填容器７の前後の向きを整列して後段搬送部５０に受け渡す。ここでいう香料充填容器７の整列とは、前後（底面７ａ、頂面７ｂ）の向きが不規則に配列されている香料充填容器７の前後の向きを一定方向に揃えることを指す。このようにして、前後の向きが整列された香料充填容器７は、後段搬送部５０における送出管５２を経て、次工程に送られる。

　次に、整列装置３０における溝付き円板３１および整列部材８の詳細について説明する。図５は、図１に示すＤ―Ｄ矢視断面図である。溝付き円板３１は、その外周面には小さな凹凸を有する摩擦面が形成されており、外周面における幅方向の中央には溝（以下、「外周溝」という）３１０が周設されている。この外周溝３１０は、溝付き円板３１の全周に亘って形成されている。以下、外周溝３１０の幅を、溝付き円板３１の軸（以下「中心軸」という）４１に平行な方向の幅寸法として定義する。本実施形態において、外周溝３１０の幅は、香料充填容器７における容器本体７１の直径よりも大きく、蓋部７２の直径よりも小さい。また、外周溝３１０の深さは、香料充填容器７の長さ（高さ）よりも大きい。香料充填容器７の長さ（高さ）は、香料充填容器７の長手軸方向に沿った寸法をいい、前述の底面７ａから頂面７ｂまでの寸法を指す。

　ここで、溝付き円板３１における外周溝３１０の両側に残っている外周面を、以下では「支持部３１１」と呼ぶ。溝付き円板３１の支持部３１１は、供給部１０から移送された香料充填容器７の一端が鉛直下向きとなるように吊り下げ支持することが可能である。本実施形態では、外周溝３１０の幅よりも大きな直径を有する蓋部７２を支持部３１１によって引っ掛けることで、香料充填容器７の底面７ａを鉛直下向きに吊り下げた状態で支持することができる。また、図５に示すように、溝付き円板３１における外周溝３１０は、搬送ベルト５３の幅よりも若干大きな幅寸法を有しており、搬送ベルト５３は外周溝３１０内に収容されている。更に、溝付き円板３１における外周溝３１０には、整列部材８が配置されている。また、整列部材８は、回転する溝付き円板３１における外周溝３１０の壁面と接触しないように、搬送装置１における不動部位に固定されている。

　上記のように、供給部１０における溝付きレール部材１４を通じて、前後の向きが不規則に配列された香料充填容器７が整列装置３０に供給される。その際、図１に示すように、溝付き円板３１の外周面における頂部３１２およびその周辺部は、溝付きレール部材１４よりも高い位置に配置されている。そのため、溝付きレール部材１４の下流端まで移送されてきた香料充填容器７の蓋部７２を、回転する溝付き円板３１の支持部３１１によって引っ掛けることができる。

　例えば、蓋部７２側（頂面７ｂ側）を先頭にして溝付きレール部材１４の下流端まで移送された香料充填容器７は、そのまま蓋部７２が回転する溝付き円板３１の支持部３１１に引っ掛かることで、図５に示すように、支持部３１１に吊り下げられた（ぶら下がった）状態で支持される。一方、底面７ａを先端にして香料充填容器７が溝付きレール部材１４の下流端まで移送された場合、外周溝３１０の幅が容器本体７１の外径よりも大きいため、溝付き円板３１の支持部３１１に容器本体７１が掛止されず、外周溝３１０の内部に容器本体７１が進入する。そして、容器本体７１の略全体が外周溝３１０内に進入した時点で、蓋部７２が回転する溝付き円板３１の支持部３１１に引っ掛かる。その結果、この場合においても図５に示すように、支持部３１１に吊り下げられた状態で香料充填容器７が支持されることになる。

　以上のように、整列装置３０の溝付き円板３１は、供給部１０から供給される香料充填容器７を、揺動自在に、且つ、香料充填容器７の底面７ａが鉛直下向きとなるように吊り下げ支持した状態で、香料充填容器７を後段搬送部５０に搬送することが可能である。なお、溝付き円板３１の支持部３１１は摩擦面として形成されているため、支持部３１１に対して蓋部７２が滑りにくい構造となっている。また、溝付き円板３１の外周面における頂部３１２およびその周辺部は、溝付き円板３１の後段に配置されている後段搬送部５０の繰り出しレール部材５１に比べて高い位置に配置されている。

　図６は、実施形態１における溝付き円板３１の支持部３１１に吊り下げられた香料充填容器７の搬送軌道と整列部材８との関係を示す図である。図７は、実施形態１における溝付き円板３１に吊り下げられた状態で搬送される香料充填容器７と整列部材８との関係を示す図である。図７には、ある任意の香料充填容器７が搬送軌道に沿って搬送される際における香料充填容器７の姿勢の推移が示されている。溝付き円板３１による香料充填容器７の搬送軌道（図中、符号Ｌ１にて示す）は、溝付き円板３１の支持部３１１が香料充填容器７を揺動自在に支持する支持点の軌跡である。

　本実施形態において、溝付き円板３１は、所定の搬送軌道Ｌ１に沿って香料充填容器７を揺動自在に吊り下げた状態で搬送する。実施形態１では、溝付き円板３１を回転させることで、支持部３１１に揺動自在に支持した香料充填容器７を搬送するため、搬送軌道Ｌ１は円弧を描いている。図６、７中の符号ＣＬは、溝付き円板３１の中心軸４１を通り且つ鉛直方向に伸びるセンター仮想線を示している。

　溝付き円板３１の頂部３１２は、溝付きレール部材１４よりも高い位置に配置されている。そのため、溝付き円板３１に香料充填容器７の搬送開始後、香料充填容器７が頂部３１２に到達するまでの間、香料充填容器７は、後段搬送部５０に向かって（搬送方向Ｌ１下流側に向かって）前方斜め上方に搬送されることになる。

　一方、溝付き円板３１の頂部３１２に香料充填容器７が到達した後、後段搬送部５０に向かって（搬送方向Ｌ１下流側に向かって）前方斜め下方に香料充填容器７が搬送されるようになる。以下では、香料充填容器７の搬送軌道Ｌ１のうち、溝付き円板３１の頂部３１２に到達する前までの軌道を上昇搬送軌道Ｌ１ａ（図６および図７中、ＣＬよりも右側の領域）と呼び、頂部３１２に到達した以降の軌道を下降搬送軌道Ｌ１ｂ（図６および図７中、ＣＬよりも左側の領域）と呼ぶ。香料充填容器７は、上昇搬送軌道Ｌ１ａにおいて搬送方向下流側に向かって前記斜め上方に搬送される。また、香料充填容器７は、下降搬送軌道Ｌ１ｂにおいて搬送方向下流側に向かって前方斜め下方に搬送される。本実施形態では、下降搬送軌道Ｌ１ｂにおいて香料充填容器７を吊り下げ搬送する溝付き円板３１が本発明における揺動搬送部に対応している。

　整列部材８は、溝付き円板３１による香料充填容器７の搬送過程において、吊り下げ搬送されている香料充填容器７の底面７ａに接触（衝突）することで香料充填容器７の姿勢を変更させ、香料充填容器７を整列するための部材である。本実施形態においては整列部材８が、本発明における整列部材に対応している。また、整列部材８は、搬送軌道Ｌ１に対して下方に対向配置された軌道対向面８１を有している（図６、７等を参照）。整列部材８を作製する材料としては、例えばアルミニウム等の金属を用いてもよいし、樹脂やその他の材料であってもよい。

　整列部材８の軌道対向面８１は、上に凸となるように湾曲した凸面として形成されている。なお、整列部材８のうち、溝付き円板３１の中心軸４１に沿った方向を「幅方向」とする。軌道対向面８１は、整列部材８の幅方向に関して変化しない。本実施形態においては、整列部材８のうち、主として下降搬送軌道Ｌ１ｂの下方に位置する部分は、後段搬送部５０の繰り出しレール部材５１に接近するに従って（言い換えると、下降搬送軌道Ｌ１ｂの搬送方向前方（下流側）に進むに従って）、軌道対向面８１の高さが徐々に低くなっている。

　図６、７に示すように、下降搬送軌道Ｌ１ｂと軌道対向面８１との相対関係は、下降搬送軌道Ｌ１ｂにおける下流側ほど、下降搬送軌道Ｌ１ｂと軌道対向面８１との鉛直方向の離間寸法が小さくなっていくように（狭くなってゆくように）、これらの相対関係が規定されている。これにより、下降搬送軌道Ｌ１ｂに沿って香料充填容器７を搬送する過程において、溝付き円板３１における支持部３１１に揺動自在に吊り下げられている香料充填容器７の鉛直方向下端部に位置する底面７ａに、軌道対向面８１を接触（衝突）させ、香料充填容器７の姿勢を変更することができる。

　ここで、図８は、図７において鎖線円で囲まれた部分の拡大図である。ここで、溝付き円板３１が香料充填容器７を揺動自在に支持する支持点を、「揺動支持点Ｐｓ」という。また、図８に示すように搬送中における香料充填容器７の姿勢が鉛直姿勢を保持していると仮定した場合において、底面７ａのうち、揺動支持点Ｐｓよりも搬送方向後方（上流側）の領域に位置すると共に整列部材８の軌道対向面８１との間の鉛直離間寸法が最も小さくなる部分を「下端当接部７ｃ」という。下端当接部７ｃは、下降搬送軌道Ｌ１ｂを吊り下げ状態で搬送されている搬送過程において、香料充填容器７における底面７ａが整列部材８の軌道対向面８１に対して最初に接触する。本実施形態では、香料充填容器７における底面７ａと頂面７ｂが、香料充填容器７の揺動支持中において水平面と平行であり香料充填容器７の長さが一定となっている。また、整列部材８の軌道対向面８１の高さは、下降搬送軌道Ｌ１ｂの下流側にいくほど低くなるように、整列部材８が配設されている。このような条件下において、図８に示す例では、香料充填容器７は、その底面７ａにおける後端部（後端位置）において軌道対向面８１との間の鉛直離間寸法が最も小さくなっている。つまり、図８に示す例では、香料充填容器７における底面７ａの後端部が、下端当接部７ｃに該当し、溝付き円板３１による搬送過程において最初に整列部材８の軌道対向面８１に接触（衝突）することになる。但し、香料充填容器７における底面７ａのうち、香料充填容器７の形状、整列部材８における軌道対向面８１の形状、その他の要因によって下端当接部７ｃに対応する部位が変更され得るものである。

　次に、図８において、香料充填容器７の下端当接部７ｃから鉛直方向に仮想線ＬＶを伸ばし、当該仮想線ＬＶと軌道対向面８１とが交わる交点を符号Ｐｏ１によって表す。本明細書では、この軌道対向面８１上における交点Ｐｏ１と、揺動支持点Ｐｓとにおける鉛直離間寸法を「支持点－対向面間距離Ｄｓ１」と定義する。この支持点－対向面間距離Ｄｓ１は、図８に示すように、揺動支持点Ｐｓを通る水平仮想平面ＰＨと、上記仮想線ＬＶとの交点Ｐｏ２と交点Ｐｏ１とを結ぶ線分の長さに相当する。このように定義される支持点－対向面間距離Ｄｓ１は、溝付き円板３１によって吊り下げ搬送されている香料充填容器７の姿勢が鉛直姿勢を保持していると仮定した場合に、香料充填容器７の下端当接部７ｃに対応する位置での揺動支持点Ｐｓと軌道対向面８１との間の垂直離間寸法を表している。

　更に、香料充填容器７の下端当接部７ｃと揺動支持点Ｐｓとの間の鉛直離間寸法を「支持点－初期接触部間距離Ｄｓ２」と定義する。この支持点－初期接触部間距離Ｄｓ２は、上記交点Ｐｏ２と香料充填容器７の下端当接部７ｃとを結ぶ線分の長さに相当する。なお、本実施形態では、香料充填容器７の頂面７ｂ側に位置する蓋部７２を支持部３１１に引っ掛けることで香料充填容器７を吊り下げる構造を採用しているため、支持点－初期接触部間距離Ｄｓ２は容器本体７１の長さと実質的に等しい。

　整列装置３０は、上述した支持点－対向面間距離Ｄｓ１および支持点－初期接触部間距離Ｄｓ２の相対関係を以下のように規定している。すなわち、下降搬送軌道Ｌ１ｂの始点においては支持点－初期接触部間距離Ｄｓ２より支持点－対向面間距離Ｄｓ１の方が大きく、下降搬送軌道Ｌ１ｂの途中で支持点－対向面間距離Ｄｓ１と支持点－初期接触部間距離Ｄｓ２とが等しくなり、それ以降は支持点－初期接触部間距離Ｄｓ２より支持点－対向面間距離Ｄｓ１の方が小さくなっている。

　図７に示した符号Ａ～Ｇは、整列装置３０による香料充填容器７の搬送過程における香料充填容器７の各状態を示している。Ａ～Ｆは、下降搬送軌道Ｌ１ｂに沿って搬送されている香料充填容器７の各状態を表し、Ｇは後段搬送部５０の繰り出しレール部材５１に受け渡された後における香料充填容器７の状態を表している。

　溝付き円板３１は、香料充填容器７を搬送する際、揺動自在に吊り下げた状態で支持するため、支持点－対向面間距離Ｄｓ１が支持点－初期接触部間距離Ｄｓ２よりも大きく確保されているＡ、Ｂに示す各状態では、香料充填容器７の底面７ａが鉛直下方を向くと共に香料充填容器７の底面７ａと軌道対向面８１との間に隙間が形成された状態となる。なお、本実施形態では、下降搬送軌道Ｌ１ｂの下流位置に進むほど支持点－対向面間距離Ｄｓ１および支持点－初期接触部間距離Ｄｓ２の差が徐々に小さくなるように下降搬送軌道Ｌ１ｂと軌道対向面８１との相対関係が調整されている。つまり、溝付き円板３１による香料充填容器７の揺動支持点Ｐｓと軌道対向面８１との離間寸法が、下降搬送軌道Ｌ１ｂの下流側になるほど、連続的に狭められている。従って、図７に示すＡよりもＢの状態の方が、香料充填容器７の底面７ａと軌道対向面８１との間の離間寸法が小さくなっていることが判る。

　更に、図７に示すＣの状態で、支持点－対向面間距離Ｄｓ１と支持点－初期接触部間距離Ｄｓ２とが等しくなり、溝付き円板３１の支持部３１１に吊り下げ支持されることで鉛直姿勢を保持する香料充填容器７の底面７ａと軌道対向面８１とが接触（衝突）する。より詳しくは、本実施形態において香料充填容器７における底面７ａの後端部に位置する下端当接部７ｃが、軌道対向面８１に最初に接触する。Ｃの状態は、溝付き円板３１によって前方斜め下方に搬送されている香料充填容器７の下端当接部７ｃが、ちょうど整列部材８の軌道対向面８１に衝突した状態を示している。ここで、整列部材８における軌道対向面８１のうち、搬送過程における香料充填容器７の下端当接部７ｃに対して最初に接触する部分を「初期接触部８１ａ」と称する。また、整列部材８における軌道対向面８１のうち、初期接触部８１ａの下流側には、初期接触部８１ａに接触した後の香料充填容器７を後段搬送部５０に案内するガイド部８１ｂが設けられている。なお、軌道対向面８１において或る基準点より下流側（上流側）とは、下降搬送軌道Ｌ１ｂにおいて当該基準点に対応する位置よりも相対的に下流側（上流側）の位置に対応する部分を指す。初期接触部８１ａおよびガイド部８１ｂは、それぞれ軌道対向面８１の一部である。ガイド部８１ｂの詳細については後述する。以下、香料充填容器７の下端当接部７ｃである底面７ａの後端部が軌道対向面８１の初期接触部８１ａに接触した際における香料充填容器７の挙動を説明する。

　上記の通り、整列装置３０における溝付き円板３１は、下降搬送軌道Ｌ１ｂに沿って香料充填容器７を下流側に向かって前方斜め下方に搬送する。そして、下降搬送軌道Ｌ１ｂの下方に配置された整列部材８の軌道対向面８１は、繰り出しレール部材５１に接近するに従って、すなわち、下降搬送軌道Ｌ１ｂの下流側に向かって、高さが連続的に低くなっている。本実施形態では、下降搬送軌道Ｌ１上を推移する揺動支持点Ｐｓと、その下方に位置する軌道対向面８１との離間寸法が搬送方向の下流側に向かって連続的に狭まっている。そして、図７の状態Ａ、Ｂに示したように、支持点－初期接触部間距離Ｄｓ２より支持点－対向面間距離Ｄｓ１の方が大きい状態から、図７の状態Ｃに示したように支持点－対向面間距離Ｄｓ１と支持点－初期接触部間距離Ｄｓ２とが等しくなった状態へ推移したときに、香料充填容器７における底面７ａの後端部に位置する下端当接部７ｃが、軌道対向面８１の初期接触部８１ａに接触（衝突）することになる。

　ここで、図９は、図７に示すＣの状態を拡大して表示した図である。図９に示すように、本実施形態においては、整列部材８の軌道対向面８１は、上に凸の曲面形状を有している。このように形成された軌道対向面８１に対して香料充填容器７の底面７ａにおける下端当接部７ｃが接触（衝突）すると、香料充填容器７に対して搬送方向の後方から斜め上方に向かって外力が加えられることになる。香料充填容器７は、溝付き円板３１の支持部３１１によって揺動自在に吊り下げ支持されているため、外力を加えることによって香料充填容器７の姿勢を好適に変更することができる。ここで、香料充填容器７の底面７ａに搬送方向後方から斜め上方に向かって外力を加える軌道対向面８１を有する整列部材８は、本発明における加力部の一例である。

　ここで、整列部材８における軌道対向面８１の初期接触部８１ａが水平面となす角度を「接触部角度Ｄｃ」と呼ぶ。より詳しくは、接触部角度Ｄｃは、初期接触部８１ａにおける接平面Ｐ１と水平面Ｐ２とがなす角度として定義される。本実施形態では、整列部材８（軌道対向面８１）における初期接触部８１ａの接触部角度Ｄｃの大きさを調節することによって、香料充填容器７の底面７ａ側と頂面７ｂ側のどちらが搬送方向の前方（下流側）に配置するかを決定している。ここでは、吊り下げ搬送されている状態の香料充填容器７の上端部である蓋部７２（頂面７ｂ）側を整列時において搬送方向の下流側に傾倒させる場合を例に説明する。ここで、香料充填容器７の下端当接部７ｃと軌道対向面８１の初期接触部８１ａとが最初に接触（衝突）する際の接触部角度Ｄｃが小さいほど、初期接触部８１ａから香料充填容器７の底面７ａにおける後端部に位置する下端当接部７ｃに加えられる鉛直上向き成分の力が大きくなり、搬送方向前向き成分の力が小さくなる。逆に、接触部角度Ｄｃが大きいほど、初期接触部８１ａから香料充填容器７の底面７ａの後端部に位置する下端当接部７ｃに加えられる鉛直上向き成分の力が小さくなり、搬送方向前向き成分の力が大きくなる。

　本実施形態における整列装置３０は、前後の向きが不規則に配列された香料充填容器７を供給部１０から受け取った後、香料充填容器７の蓋部７２（頂面７ｂ）側を搬送方向の前方側（下流側）に位置するように整列し（以下、この方向への香料充填容器７の整列を「順整列」という）、後段搬送部５０に受け渡す仕様としている。つまり、上記の順整列によれば、蓋部７２（頂面７ｂ）が先頭となった姿勢で整列装置３０から後段搬送部５０に香料充填容器７が移送される。

　香料充填容器７の順整列を行う場合、図７に示すＣの状態から、Ｄ～Ｆに示すように香料充填容器７の蓋部７２（頂面７ｂ）側を搬送方向前方（下流側）へ向けて倒す必要がある。そのため、香料充填容器７の順整列を行う場合、搬送方向前向き成分が小さく且つ鉛直上向き成分が大きな外力を、香料充填容器７の底面７ａに加えることが好ましい。そこで、香料充填容器７の順整列を行う場合、接触部角度Ｄｃが４５°よりも小さな所定の第１基準角度Ｄｂ１以下となるように、整列部材８における軌道対向面８１および下降搬送軌道Ｌ１ｂの相対関係を調整するようにした。

　ここで、香料充填容器７の順整列を行う際の接触部角度Ｄｃを、接触部角度Ｄｃが４５°よりも小さく設定するのは、接触部角度Ｄｃが４５°のときに軌道対向面８１の初期接触部８１ａから香料充填容器７の底面７ａの後端部に位置する下端当接部７ｃに加えられる鉛直上向き成分の力と搬送方向前向き成分の力の大きさが等しくなることを考慮したものである。従って、接触部角度Ｄｃを、４５°よりも小さな第１基準角度Ｄｂ１以下に設定することにより、整列部材８の軌道対向面８１における初期接触部８１ａに衝突した香料充填容器７に対して、搬送方向前向き成分よりも鉛直上向き成分の大きな外力を香料充填容器７の前方斜め上方に加えることができる。なお、第１基準角度Ｄｂ１は、４５°よりも小さい角度であれば特定の角度に限定されないが、例えば３０°、２０°、１０°などを例示することができる。

　以上のように、本実施形態に係る整列方法においては、香料充填容器７を揺動自在に且つ香料充填容器７の底面７ａが鉛直下向きとなるように吊り下げ支持した状態で、後段搬送部５０に向かって前方斜め下方へ搬送し、吊り下げ搬送されている香料充填容器７の下端部に相当する底面７ａを香料充填容器７の搬送方向後方から斜め上方に向かって外力を加え、被搬送物を整列するようにした（整列工程）。そして、香料充填容器７の搬送方向後方側（上流側）から斜め上方に向かって外力を加えるに当たり、本実施形態では接触部角度Ｄｃが４５°よりも小さな第１基準角度Ｄｂ１以下となるように調節されている。このため、香料充填容器７の搬送方向前向き成分よりも鉛直上向き成分の方が大きな外力を香料充填容器７の底面７ａの後端部に位置する下端当接部７ｃに後方から作用させることができる。これにより、香料充填容器７の蓋部７２を搬送方向前方側（下流側）へ向けて傾倒させることができる（図７のＤ～Ｆを参照）。

　ここで、香料充填容器７の底面７ａにおける後端部に位置する下端当接部７ｃが整列部材８（軌道対向面８１）における初期接触部８１ａと最初に接触した後、香料充填容器７は、底面７ａをガイド部８１ｂに摺接させながら蓋部７２側を前方に傾倒させてゆく。図６および図７に示すように、整列部材８における軌道対向面８１の一部として形成されるガイド部８１ｂは、第１ガイド領域８１１および第２ガイド領域８１２を含んで構成されている。軌道対向面８１における第１ガイド領域８１１は、初期接触部８１ａの下流側に該初期接触部８１ａと隣接するように配置されており、この第１ガイド領域８１１の下流側に該第１ガイド領域８１１と隣接するように第２ガイド領域８１２が配置されている。第１ガイド領域８１１および第２ガイド領域８１２からなるガイド部８１ｂは、初期接触部８１ａとの衝突によって一旦傾けた香料充填容器７の姿勢が不安定となる（暴れる）ことを抑制しつつ後段の繰り出しレール部材５１まで案内する機能を有する。

　本実施形態においては、第２ガイド領域８１２における接平面が水平面となす角度（以下、「ガイド角度」という）は、第１基準角度Ｄｂ１よりも大きな角度となるように調整されている。ここで、第１基準角度Ｄｂ１よりも大きな角度として規定されるガイド角度と第１基準角度Ｄｂ１との相対的な角度差は、例えば、１０°、２０°、３０°などを例示することができる。このように、第２ガイド領域８１２におけるガイド角度を、第１基準角度Ｄｂ１よりも大きくすることで、整列部材８における初期接触部８１ａと最初に接触（衝突）させた後の香料充填容器７を繰り出しレール部材５１に受け渡すまでの過程において、香料充填容器７の蓋部７２（頂面７ｂ）を搬送方向前方（下流側）へとより確実に傾倒させることができる。なお、香料充填容器７の蓋部７２（頂面７ｂ）を搬送方向前方（下流側）へとより確実に傾倒させる観点からは、ガイド角度と第１基準角度Ｄｂ１との角度差をより大きくすることが好ましい。

　更に、本実施形態においては、図６および図７に示すように、整列部材８における軌道対向面８１に形成されるガイド部８１ｂのうち、第２ガイド領域８１２の上流側に位置する第１ガイド領域８１１を、初期接触部８１ａおよび第２ガイド領域８１２を連続的に繋ぐ曲面として形成するようにした。これにより、香料充填容器７の姿勢を連続的、且つ緩やかに変化させることができる。これによれば、香料充填容器７の整列時において、香料充填容器７の姿勢が暴れることを抑制できる。なお、本実施形態において、整列部材８のガイド部８１ｂにおける第２ガイド領域８１２は曲面として形成されていてもよいし、平面として形成されてもいてもよい。

　更に、図９に示すように、整列部材８における軌道対向面８１のうち、初期接触部８１ａよりも香料充填容器７の搬送方向の上流側に対応する領域は、溝付き円板３１による香料充填容器７の揺動支持点Ｐｓと軌道対向面８１との離間寸法が搬送方向の下流側に向かって連続的に狭まっている。これによれば、溝付き円板３１による香料充填容器７の搬送過程において、香料充填容器７における底面７ａの後端部に位置する下端当接部７ｃが軌道対向面８１の初期接触部８１ａと接触（衝突）する際に、大きな衝撃が香料充填容器７に及ぶことを抑制できる。これにより、整列時に香料充填容器７が暴れることを抑制でき、香料充填容器７を安定して整列することができる。なお、本実施形態において、整列部材８における軌道対向面８１のうち、初期接触部８１ａよりも香料充填容器７の搬送方向の上流側に対応する領域は、曲面として形成されていてもよいし、平面として形成されてもいてもよい。

　更に、図９に示すように、整列部材８における軌道対向面８１のうち、初期接触部８１ａよりも香料充填容器７の搬送方向の下流側に対応する領域であるガイド部８１ｂは、溝付き円板３１による香料充填容器７の揺動支持点Ｐｓと軌道対向面８１との離間寸法が搬送方向の下流側に向かって連続的に狭まっている。これによれば、初期接触部８１ａと衝突した後における香料充填容器７の姿勢を連続的に変化させてゆき、香料充填容器７の蓋部７２（頂面７ｂ）側を搬送方向の前方（下流側）に向けて連続的に傾倒させてゆくことができる。これにより、香料充填容器７の順整列を安定して行うことができる。

　ここで、図１０は、本実施形態に係る整列装置３０を用いた香料充填容器７の整列方法の各工程を示す図である。本実施形態に係る整列方法において、整列装置３０は、前後の向きが不規則に配列された香料充填容器７を供給部１０から受け取る（ステップＳ１０１）。そして、整列装置３０は、供給部１０から受け取った香料充填容器７の前後の向きを整列する（ステップＳ１０２）。その後、整列装置３０は、前後の向きを整列した香料充填容器７を後段搬送部５０に渡す（ステップＳ１０３）。ステップＳ１０２において、整列装置３０は、図５～９を参照して説明したように、香料充填容器７を揺動自在に且つ当該香料充填容器７の一端が下向きとなるように吊り下げ支持した状態で前方斜め下方へ搬送し、吊り下げ搬送されている香料充填容器７の下端部（下端当接部７ｃ）を香料充填容器７の搬送方向後方から斜め上方に向かって外力を加え、香料充填容器７を整列する。以上のように、本実施形態における整列装置３０およびこれを用いた整列方法によれば、供給部１０から前後の向きが不規則に移送されてくる香料充填容器７を所望の方向に整列した上で、後段搬送部５０に受け渡すことができる。

　また、本実施形態における整列装置３０においては、香料充填容器７の搬送方向前方からではなく、後方側から外力を加えることによって香料充填容器７の姿勢を変更している。よって、香料充填容器７を整列する際に、香料充填容器７に大きな衝撃を与えることがないため、香料充填容器７に変形や破損等が生じることを抑制することができる。また、整列時に香料充填容器７に大きな衝撃が作用しないため、その衝撃に起因して香料充填容器７の姿勢が暴れることを抑制できる。従って、図２に示す香料充填容器７の如く、アスペクト比（長さ高さ／幅）が比較的小さい被搬送物においても、被搬送物の前後の向きを一定の方向に揃えることができる。例えば、アスペクト比（長さ／幅）が１．５程度と比較的小さな被搬送物においても、被搬送物における前後の向きを精度良く揃えることができる。また、整列装置３０によれば、上記のように被搬送物における前後の向きを精度良く揃えることができるため、搬送装置１において被搬送物の高速搬送を行うことが可能となる。言い換えると、搬送装置１において被搬送物を高速搬送した場合においても、被搬送物の整列を精度よく行うことができるため、被搬送物を組み込む製品の生産効率を向上させることができる。

　また、本実施形態における整列装置３０では、溝付き円板３１による香料充填容器７の揺動支持点Ｐｓと軌道対向面８１との離間寸法を、下降搬送軌道Ｌ１ｂの下流側に進むに従い、連続的に（徐々に）狭めるようにした。香料充填容器７の揺動支持点Ｐｓと軌道対向面８１との離間寸法を急激に変化させないようにすることで、香料充填容器７の搬送過程において、香料充填容器７と軌道対向面８１が衝突する際の衝撃を小さくすることができる。よって、整列部材８との衝突によって香料充填容器７の姿勢を変更する際、香料充填容器７が暴れることを好適に抑制することができる。

　また、本実施形態においては、香料充填容器７における蓋部７２および容器本体７１のように、蓋部７２が容器本体７１の側方に突出しているため、すなわち、被搬送物の特定部位が他の部位に比べて側方に突出しているため、容易に被搬送物を揺動自在に吊り下げ支持することができる。なお、本実施形態においては、シガレット用フィルタに組み込む香料充填容器７を被搬送物とする例について説明したが、搬送装置１が搬送する被搬送物は香料充填容器７に限定されないのは勿論である。

　また、本実施形態における整列装置３０は、香料充填容器７の一端に設けられた蓋部７２を支持部３１１に引っ掛けることで香料充填容器７を揺動自在に支持しているが、香料充填容器７を揺動自在に吊り下げ支持することができれば他の支持機構を採用してもよい。例えば、香料充填容器７の長軸方向の中間箇所を一組の支持ピン等によって両側方から挟み込み、香料充填容器７を揺動自在に吊り下げ支持してもよい。また、平行に並べた一組のベルトに香料充填容器７における蓋部７２の縁を掛け渡すことで、香料充填容器７を揺動自在に吊り下げ支持してもよい。また、香料充填容器７における頂面７ｂ或いは底面７ａに被係止部を形成しておき、この被係止部に整列装置３０側に設けられる係止部を引っ掛けることで香料充填容器７を揺動自在に吊り下げてもよい。或いは、香料充填容器７における頂面７ｂ或いは底面７ａを、整列装置３０側に設けられる吸着部によって吸着することで香料充填容器７を揺動自在に吊り下げてもよい。

　また、本実施形態においては、溝付き円板３１による搬送過程における香料充填容器７に整列部材８を衝突させて香料充填容器７に外力を加えるようにしたが、これには限られない。例えば、ブローやサクション等による気体の圧力変化を利用して搬送過程における香料充填容器７に外力を加え、香料充填容器７の姿勢を変更しても構わない。

　また、本実施形態においては種々の変形例を採用することができる。例えば、供給部１０、整列装置３０、後段搬送部５０において、香料充填容器７を搬送する搬送機構として振動コンベアやベルトコンベア等といった他の搬送機構を利用してもよい。また、本実施形態における整列装置３０は、整列部材８を振動駆動する発振器を備えていてもよい。ここで、図１に示す符号９は、整列部材８を整列装置３０の不動箇所に固定する固定部である。この固定部９は、例えば圧電素子である水晶振動子を有する発振器を備えていてもよい。水晶（石英）の圧電効果を利用すれば、高い周波数精度の発振を起こすことが可能である。

　本実施形態に係る整列装置３０のように、香料充填容器７の順整列を行う場合、整列部材８の固定部９に設けられた発振器によって、鉛直方向（上下）方向に整列部材８を振動駆動させることが好ましい。整列部材８を鉛直方向に振動させることで、初期接触部８１ａに香料充填容器７が接触（衝突）した際に、香料充填容器７の底面７ａを鉛直上向きに一層押し上げやすくなるからである。これにより、香料充填容器７の蓋部７２（頂面７ｂ）側が前方により一層倒れ込み易くなり、香料充填容器７の順整列をより円滑に行うことができるようになる。

　なお、上記発振機構によって整列部材８を上下方向に振動駆動する際の振幅は特に限定されるものではないが、例えば±０．５ｍｍ程度に設定してもよい。また、発振器による整列部材８の振動周期は、一の香料充填容器７が初期接触部８１ａに衝突してから次の香料充填容器７が初期接触部８１ａに衝突するまでの間隔よりも短くなるように調節するとよい。これにより、溝付き円板３１によって順次搬送されてくる香料充填容器７の底面７ａ（下端当接部７ｃ）を初期接触部８１ａと確実に衝突させ、香料充填容器７の整列を好適に行うことができる。

　また、整列部材８における軌道対向面８１の形状は種々の変形を加えることができる。図１１は、実施形態１の第１変形例に係る整列装置を説明する図である。図１１に示す整列部材８は、平面形状を有する軌道対向面８１を備えている。このように、整列部材８における軌道対向面８１は、図６、７に示したような曲面形状を有していてもよいし、図１１に示すように平面形状であってもよい。本変形例においては、整列部材８における軌道対向面８１と溝付き円板３１による香料充填容器７の揺動支持点Ｐｓとの離間寸法を下降搬送軌道Ｌ１ｂの下流側になるに従って連続的に狭めてゆくことが好ましい。これにより、香料充填容器７の底面７ａと軌道対向面８１の初期接触部８１ａが衝突する際の衝撃をできるだけ小さくすることができる。その結果、香料充填容器７の整列時に整列部材８における軌道対向面８１と衝突した香料充填容器７の姿勢が暴れることがなく、香料充填容器７を所望の方向に安定して整列することができる。また、整列時に香料充填容器７に与える衝撃を小さくすることができるため、香料充填容器７に変形や破損等が起こることを抑制できる。

　また、実施形態１においては、溝付き円板３１を用いて円弧状の搬送軌道に沿って香料充填容器７を搬送したが、これには限られない。図１２は、実施形態１の第２変形例に係る整列装置を説明する図である。図１２に示す第２変形例では、下降搬送軌道Ｌ１ｂが直線状に設定されている。このように、整列装置３０は、下降搬送軌道Ｌ１ｂの下流側に向かって前方斜め下方に香料充填容器７を搬送することができれば、直線軌道上を搬送する直線搬送としてもよい。なお、香料充填容器７の直線搬送には、振動コンベアやベルトコンベア等を好適に用いることができる。また、本変形例で説明した直線搬送に、図６、７等に示した曲面として形成される軌道対向面８１を有する整列部材８を適用して香料充填容器７の整列を行ってもよいのは勿論である。

　図１３は、実施形態１に係る第３変形例に係る整列装置３０を説明する図である。図１３に示す第３変形例は、上述した第１変形例のバリエーションである。本変形例において、整列部材８には、回転ローラ８２が回転自在に取り付けられている。回転ローラ８２は、香料充填容器７の揺動軸と平行な軸を中心に回転駆動されている。そして、回転ローラ８２は、下降搬送軌道Ｌ１ｂ（搬送軌道Ｌ１）と対向する表面（ローラ面）の回転方向が香料充填容器７の搬送方向上流側（後方）に向かって、図中の矢印Ｘ方向に回転駆動されている。また、本変形例では、整列装置３０が下降搬送軌道Ｌ１ｂに沿って香料充填容器７を搬送する過程において、香料充填容器７の底面７ａの後端部に位置する下端当接部７ｃと回転ローラ８２が最初に接触（衝突）するように構成されている。更に、回転ローラ８２は、回転ローラ８２に接触した香料充填容器７の底面７ａ（下端当接部７ｃ）が香料充填容器７の搬送方向後方側に変位するように、その回転方向が規定されている。

　これによれば、香料充填容器７の下端当接部７ｃと回転ローラ８２とが接触した際に、香料充填容器７における下端当接部７ｃが搬送方向における後方（上流）側に跳ね上げられるため、香料充填容器７の蓋部７２（頂面７ｂ）側を搬送方向の前方側（下流側）へ好適に傾倒させることができる。これにより、香料充填容器７の順整列をより確実に行うことができる。以上のように、本変形例では、回転ローラ８２の回転力を利用して、香料充填容器７の順整列を好適に行うことができる。なお、本変形例においては、整列部材８の一部である回転ローラ８２を回転駆動するようにしているが、整列部材８における軌道対向面８１を、例えばシート状の被覆部材によって覆い、当該被覆部材を、香料充填容器７の搬送方向上流側に向けて軌道対向面８１に対して相対変位させてもよい。このように、軌道対向面８１を覆う被覆部材が香料充填容器７と接触する被覆部材の接触部を、香料充填容器７の搬送方向上流側に向けて軌道対向面８１に対して相対変位させることで、香料充填容器７が被覆部材に接触した際に、香料充填容器７の蓋部７２（頂面７ｂ）側を搬送方向の前方側（下流側）へ好適に傾倒し、香料充填容器７の順整列をより確実に行うことができる。

　更に、図１３において、整列部材８のガイド部８１ｂ表面には、突起８３が形成されている。図１３に示す例では、ガイド部８１ｂの先端表面に突起８３が突設されている。上記のように、整列部材８のガイド部８１ｂは、溝付き円板３１に吊り下げ搬送されている香料充填容器７の底面７ａと整列部材８の初期接触部８１ａが接触した後、香料充填容器７を後段搬送部５０の繰り出しレール部材５１に案内する。本変形例においては、ガイド部８１ｂ表面に突起８３を設けるようにしたため、香料充填容器７の蓋部７２が搬送方向の前方側（下流側）に位置するような姿勢まで香料充填容器７をより確実に倒し込むことができる。なお、ガイド部８１ｂ表面に設置する突起８３は、香料充填容器７が衝突した際に香料充填容器７に変形や破損が生じたり、或いは繰り出しレール部材５１への香料充填容器７の円滑な案内が阻害されないように、その大きさを決定することが好ましい。

＜実施形態２＞
　次に、実施形態２について説明する。前述までの実施形態１においては、整列装置３０によって香料充填容器７を順整列する場合を説明したが、実施形態２では、香料充填容器７の蓋部７２（頂面７ｂ）側が搬送方向の後方側（上流側）に位置するように整列する「逆整列」を行う場合について説明する。なお、実施形態２に係る搬送装置１において、供給部１０および後段搬送部５０は実施形態１と共通である。また、本実施形態に係る整列装置３０は、整列部材８（軌道対向面８１）の初期接触部８１ａにおける接触部角度Ｄｃの設定方法が、香料充填容器の順整列を行う実施形態１と相違する。以下では、実施形態１に係る整列装置３０との相違点を中心に説明する。

　図１４は、実施形態２に係る溝付き円板３１に吊り下げられた状態で搬送される香料充填容器７と整列部材８Ａとの関係を示す図であり、実施形態１における図７に対応するものである。整列部材８Ａは、実施形態１と同様に、上に凸状に湾曲した凸面として形成された軌道対向面８１を有している。実施形態２においても、下降搬送軌道Ｌ１ｂ（香料充填容器７の搬送方向）下流側に進むに従い、下降搬送軌道Ｌ１ｂに対する軌道対向面８１の離間寸法が連続的に小さくなるように、下降搬送軌道Ｌ１ｂと軌道対向面８１との相対関係を規定している。これにより、下降搬送軌道Ｌ１ｂ上を香料充填容器７が搬送される搬送過程において、溝付き円板３１における支持部３１１に吊り下げ支持されている香料充填容器７の鉛直方向下端部に位置する底面７ａに軌道対向面８１を接触（衝突）させることができる。

　ここで、搬送過程における香料充填容器７の底面７ａの後端部に位置する下端当接部７ｃと最初に接触（衝突）する初期接触部８１ａの接触部角度Ｄｃが大きいほど、軌道対向面８１の初期接触部８１ａから香料充填容器７の底面７ａ（下端当接部７ｃ）に加えられる鉛直上向き成分の力が小さくなり、搬送方向前向き成分の力が大きくなる。そして、軌道対向面８１の初期接触部８１ａにおける接触部角度Ｄｃが４５°よりも大きい場合、初期接触部８１ａに香料充填容器７の底面７ａの後端部に位置する下端当接部７ｃが接触（衝突）した際に、初期接触部８１ａから下端当接部７ｃに加えられる鉛直上向き成分の力に比べて搬送方向前向き成分の力の方が大きくなる。

　実施形態２においては、香料充填容器７を整列する際に、その蓋部７２（頂面７ｂ）側が搬送方向の後方側（上流側）に位置するように整列する逆整列を行う。このため、本実施形態では、香料充填容器７における底面７ａの後端部に位置する下端当接部７ｃが整列部材８Ａの軌道対向面８１に形成される初期接触部８１ａと接触した際に、香料充填容器７の下端側が搬送方向の前方側に押し出されるように、香料充填容器７の順整列を行う実施形態１と比べて接触部角度Ｄｃを大きな角度に設定するようにした。具体的には、香料充填容器７の逆整列を行う場合、接触部角度Ｄｃが４５°よりも大きな所定の第２基準角度Ｄｂ２以上となるように、整列部材８Ａにおける軌道対向面８１および下降搬送軌道Ｌ１ｂの相対関係を調整している。第２基準角度Ｄｂ２は、４５°よりも大きな角度であれば特定の角度に限定されないが、例えば６０°、７０°、８０°などを例示することができる。

　本実施形態においては、上記のように整列部材８（軌道対向面８１）の初期接触部８１ａにおける接触部角度Ｄｃを所定の第２角度Ｄｂ２以上となるように調整する。これによれば、溝付き円板３１により搬送されている香料充填容器７が整列部材８Ａの初期接触部８１ａに接触（衝突）した際に、鉛直上向き成分よりも搬送方向前向き成分の方が大きな外力を香料充填容器７の下端当接部７ｃに後方から作用させることができる。これにより、香料充填容器７の下端当接部７ｃを軌道対向面８１（ガイド部８１ｂ）に沿って滑らせることができる。その結果、香料充填容器７の蓋部７２（頂面７ｂ）側が搬送方向後方（上流側）に位置する姿勢に香料充填容器７を整列しつつ、整列した香料充填容器７を繰り出しレール部材５１に受け渡すことができる。そして、本実施形態においても、実施形態１と同様、香料充填容器７を整列する際に下端当接部７ｃに対して後方から外力を作用させるようにしたため、整列時に大きな衝撃が香料充填容器７に及ぶことを抑制することができる。これにより、整列時に香料充填容器７の姿勢が暴れることを抑制することが可能となり、香料充填容器７をより安定して整列することができる。また、整列時に香料充填容器７への衝撃が過度に大きくなる抑制されるため、これに起因して香料充填容器７が損傷することを抑制することができる。

　更に、図１４に示すように、整列部材８Ａにおける軌道対向面８１の一部として形成されるガイド部８１ｂは、第１ガイド領域８１１および第２ガイド領域８１２を含んで構成されている。軌道対向面８１における第１ガイド領域８１１は、初期接触部８１ａの下流側に該初期接触部８１ａと隣接して配置されており、この第１ガイド領域８１１の下流側に該第１ガイド領域８１１と隣接して第２ガイド領域８１２が配置されている。また、本実施形態において、第２ガイド領域８１２における接平面が水平面となすガイド角度は、第２基準角度Ｄｂ２より小さな角度となるように調整されている。ここで、第２基準角度Ｄｂ２よりも小さな角度として規定されるガイド角度と第２基準角度Ｄｂ２との相対的な角度差は、例えば、１０°、２０°、３０°などを例示することができる。

　これにより、整列部材８における初期接触部８１ａと最初に接触（衝突）させた後の香料充填容器７を繰り出しレール部材５１に受け渡すまでの過程において、香料充填容器７の蓋部７２（頂面７ｂ）を搬送方向後方側（上流側）へとより確実に傾倒させることができる。なお、香料充填容器７の蓋部７２（頂面７ｂ）を搬送方向後方（上流側）へとより確実に傾倒させる観点からは、ガイド角度と第２基準角度Ｄｂ２との角度差をより大きくすることが好ましい。また、ガイド部８１ｂにおける第２ガイド領域８１２は曲面として形成されていてもよいし、平面として形成されてもいてもよい。

　更に、図１４に示すように、整列部材８Ａの軌道対向面８１に形成されるガイド部８１ｂのうち、第２ガイド領域８１２の上流側に位置する第１ガイド領域８１１を、初期接触部８１ａおよび第２ガイド領域８１２を連続的に繋ぐ曲面として形成するようにした。これにより、香料充填容器７の姿勢を連続的に且つ緩やかに変化させることができる。これによれば、香料充填容器７の整列時において、香料充填容器７の姿勢が暴れることを抑制できる。なお、整列部材８のガイド部８１ｂにおける第２ガイド領域８１２は、曲面として形成されていてもよいし、平面として形成されてもいてもよい。

　また、図１４に示すように、整列部材８における軌道対向面８１のうち、初期接触部８１ａよりも香料充填容器７の搬送方向の上流側に対応する領域は、溝付き円板３１による香料充填容器７の揺動支持点Ｐｓと軌道対向面８１との離間寸法が搬送方向の前方（下流側）に向かって連続的に狭まっている。これによれば、溝付き円板３１による香料充填容器７の搬送過程において、香料充填容器７における底面７ａの後端部に位置する下端当接部７ｃが軌道対向面８１の初期接触部８１ａと接触（衝突）する際、香料充填容器７に及ぼす衝撃が過度に大きくなることを抑制できる。これにより、香料充填容器７の整列時に香料充填容器７が暴れることを抑制でき、香料充填容器７をより確実に整列することができる。

　更に、図１４に示すように、軌道対向面８１のうち、初期接触部８１ａよりも香料充填容器７の搬送方向の下流側に対応する領域であるガイド部８１ｂは、溝付き円板３１による香料充填容器７の揺動支持点Ｐｓと軌道対向面８１との離間寸法が搬送方向の下流側に向かって連続的に狭まっている。これによれば、整列部材８の初期接触部８１ａと衝突した後における香料充填容器７の姿勢を連続的に且つ緩やかに変化させることができる。つまり、香料充填容器７の蓋部７２（頂面７ｂ）を搬送方向の後方（上流側）に向けて徐々に傾倒させてゆくことができる。その結果、香料充填容器７の逆整列をより安定して行うことができる。

　次に、実施形態２に係る変形例について説明する。実施形態２のように整列装置３０を用いて香料充填容器７の逆整列を行う場合、初期接触部８１ａを水平（左右）方向に振動駆動させてもよい。例えば、図１に示した固定部９に、上述した発振器を備えてもよい。そして、発振器を作動させることにより、整列部材８Ａを水平方向に振動駆動させた状態で、香料充填容器７の逆整列を行うようにする。これによれば、整列部材８Ａの初期接触部８１ａに香料充填容器７が接触（衝突）した際に、香料充填容器７の底面７ａの後端部に位置する下端当接部７ｃを搬送方向前向きに一層押し込みやすくなる。その結果、香料充填容器７の下端当接部７ｃが前方に向かって滑り込み易くなり、香料充填容器７の逆整列をより確実に行うことができる。

　なお、整列部材８Ａを水平方向に振動駆動する際の振幅は特に限定されるものではないが、例えば±０．５ｍｍ程度に設定してもよい。また、発振器による整列部材８Ａの振動周期は、一の香料充填容器７が初期接触部８１ａに衝突してから次の香料充填容器７が初期接触部８１ａに衝突するまでの間隔よりも短くなるように調節するとよい。これにより、溝付き円板３１によって順次搬送される香料充填容器７の底面７ａ（下端当接部７ｃ）を初期接触部８１ａと確実に衝突させ、香料充填容器７の整列を好適に行うことができる。

　図１５は、実施形態２に係る第１変形例に係る整列装置３０を説明する図である。図示のように、図１５に示す整列部材８Ａには、回転ローラ８２Ａが回転自在に取り付けられている。回転ローラ８２Ａは、香料充填容器７の揺動軸と平行な軸を中心に回転駆動されている。そして、回転ローラ８２Ａは、下降搬送軌道Ｌ１ｂ（搬送軌道Ｌ１）と対向する表面（ローラ面）の回転方向が香料充填容器７の搬送方向下流側（前方）に向かって、図中の矢印Ｙ方向に回転駆動されている。そして、本変形例では、整列装置３０が下降搬送軌道Ｌ１ｂに沿って香料充填容器７を搬送する過程において、香料充填容器７における底面７ａの後端部に位置する下端当接部７ｃと回転ローラ８２Ａが最初に接触（衝突）するように構成されている。更に、回転ローラ８２Ａは、回転ローラ８２Ａに接触した香料充填容器７の底面７ａ（下端当接部７ｃ）が香料充填容器７の搬送方向前方側に変位するように、その回転方向（Ｙ方向）が規定されている。

　これによれば、香料充填容器７の下端当接部７ｃと回転ローラ８２Ａとが接触した際に、回転する回転ローラ８２Ａによって、香料充填容器７における下端当接部７ｃが搬送方向における前方（下流）側に向かって跳ね上げられる。このため、香料充填容器７における底面７ａ側をより好適に軌道対向面８１（ガイド部８１ｂ）に沿って滑らせることができる。つまり、香料充填容器７の蓋部７２（頂面７ｂ）を搬送方向の後方側（上流側）へ円滑に傾倒させることができ、香料充填容器７の逆整列を好適に行うことができる。なお、本変形例においては、整列部材８Ａの一部である回転ローラ８２Ａを回転駆動するようにしているが、整列部材８における軌道対向面８１を、例えばシート状の被覆部材によって覆い、当該被覆部材を、香料充填容器７の搬送方向下流側に向けて軌道対向面８１に対して相対変位させてもよい。このように、軌道対向面８１を覆う被覆部材が香料充填容器７と接触する被覆部材の接触部を、香料充填容器７の搬送方向下流側に向けて軌道対向面８１に対して相対変位させることで、香料充填容器７が被覆部材に接触した際に、香料充填容器７の蓋部７２（頂面７ｂ）側を搬送方向の後方側（上流側）へ好適に傾倒し、香料充填容器７の逆整列をより確実に行うことができる。

　また、回転ローラ８２Ａの回転速度は、溝付き円板３１による香料充填容器７の搬送速度よりも速い速度に制御することが好ましい。その結果、整列部材８Ａの回転ローラ８２Ａに対して香料充填容器７の底面７ａ（下端当接部７ｃ）が接触した際に、香料充填容器７の底面７ａ側を搬送方向の前方側へと好適に倒し込むことができ、香料充填容器７の逆整列を一層確実に行うことができるようになる。なお、回転ローラ８２Ａの回転速度と香料充填容器７の搬送速度との差が大きい程、香料充填容器７をより一層所望の方向へ倒し易くなる反面、香料充填容器７に与える衝撃が大きくなる傾向がある。このため、回転ローラ８２Ａの回転速度および香料充填容器７の搬送速度の差は、香料充填容器７に与える衝撃が許容できる範囲内で調節するとよい。

　以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、上記実施形態には本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜の変更を加えることができる。例えば、上述した各実施形態において、整列装置３０の整列部材８，８Ａは、何れもその軌道対向面８１にガイド部８１ｂを備えているが、ガイド部８１ｂは必須の構成ではない。整列部材８，８Ａにガイド部８１ｂを設けない場合には、整列部材８，８Ａの初期接触部８１ａが繰り出しレール部材５１の上流端に近接配置されるように調整するとよい。これによれば、初期接触部８１ａとの接触によって、香料充填容器７の姿勢が所望の方向に傾いていている状態のうちに、後段搬送部５０に香料充填容器７を受け渡すことができる。また、本発明の効果を奏する組み合わせであれば、上述した各実施形態における各構成要素及び各条件設定は、個別に独立してそれぞれを組み合せることができる。

１・・・搬送装置
７・・・香料充填容器
８・・・整列部材
１０・・・供給部
３０・・・整列装置
３１・・・溝付き円板
５０・・・後段搬送部
５３・・・搬送ベルト
７１・・・容器本体
７２・・・蓋部
８１・・・軌道対向面
８１ａ・・・初期接触部
８１ｂ・・・ガイド部
３１０・・・外周溝
３１１・・・支持部

Claims

　前後の向きが不規則に配列された被搬送物を供給する供給部と、
　前記被搬送物を、その前後の向きが整列された状態で搬送する後段の搬送部と、
　前記供給部および後段の搬送部の間に介在し、前記供給部から供給された前記被搬送物の前後の向きを整列して前記後段の搬送部に渡す整列部と、
　を備え、
　前記整列部は、
　前記被搬送物を揺動自在に且つ当該被搬送物の一端が下向きとなるように吊り下げ支持した状態で前方斜め下方へ搬送する揺動搬送部と、
　前記揺動搬送部による前記被搬送物の搬送過程において、吊り下げ搬送されている前記被搬送物の下端部を当該被搬送物の搬送方向後方から斜め上方に向かって外力を加え、被搬送物を整列する加力部と、
　を有する、搬送装置。
　前記加力部は、前記揺動搬送部に吊り下げ搬送されている前記被搬送物の下端部に接触して当該被搬送物の姿勢を変更する整列部材を有する、
　請求項１に記載の搬送装置。
　前記揺動搬送部は所定の搬送軌道に沿って前記被搬送物を搬送し、且つ、前記整列部材は前記搬送軌道に対向して配置された軌道対向面を有し、
　前記軌道対向面には、前記揺動搬送部による搬送過程の前記被搬送物と最初に接触する部分である初期接触部と、
　前記初期接触部に接触した後の前記被搬送物を前記後段の搬送部に案内するガイド部と、が形成されている、
　請求項２に記載の搬送装置。
　前記軌道対向面のうち、前記初期接触部よりも前記被搬送物の搬送方向の上流側に対応する領域は、前記揺動搬送部による被搬送物の支持点と前記軌道対向面との離間寸法が前記搬送方向の下流側に向かって連続的に狭まっている、
　請求項３に記載の搬送装置。
　前記軌道対向面のうち、前記初期接触部よりも前記被搬送物の搬送方向の下流側に対応する領域は、前記揺動搬送部による被搬送物の支持点と前記軌道対向面との離間寸法が前記搬送方向の下流側に向かって連続的に狭まっている、
　請求項３又は４に記載の搬送装置。
　前記揺動搬送部は所定の搬送軌道に沿って前記被搬送物を搬送し、且つ、前記整列部材は前記搬送軌道に対向して配置された軌道対向面を有し、
　前記軌道対向面のうち、前記揺動搬送部により搬送されている前記被搬送物と最初に接触する部分である初期接触部が水平面となす角度は所定の第１基準角度以下であり、
　吊り下げ搬送されている状態の前記被搬送物の上端部を整列時において前記搬送方向の下流側に傾倒させる、
　請求項２から５の何れか一項に記載の搬送装置。
　前記軌道対向面には、前記初期接触部に接触した後の前記被搬送物を前記後段の搬送部に案内するガイド部が更に形成されており、
　前記ガイド部は、前記初期接触部の下流側に配置される第１ガイド領域と、前記第１ガイド領域の下流側に配置される第２ガイド領域と、を含み、
　前記第２ガイド領域が水平面となす角度は前記第１基準角度より大きく、且つ、前記第１ガイド領域は、前記初期接触部と第２ガイド領域とを連続的に繋ぐ面として形成されている、
　請求項６に記載の搬送装置。
　前記整列部は、前記整列部材を鉛直方向に振動駆動する発振機構を更に備える、
　請求項６又は７に記載の搬送装置。
　前記整列部材には、前記被搬送物の揺動軸と平行な軸を中心に該被搬送物の搬送方向における上流側に向かって回転駆動されるローラ部材が設けられており、
　前記揺動搬送部による搬送過程の前記被搬送物の下端部に対して、回転駆動されている前記ローラ部材が最初に接触するように構成されている、
　請求項６から８の何れか一項に記載の搬送装置。
　前記揺動搬送部は所定の搬送軌道に沿って前記被搬送物を搬送し、且つ、前記整列部材は前記搬送軌道に対向して配置された軌道対向面を有し、
　前記軌道対向面のうち、前記揺動搬送部による搬送過程の前記被搬送物と最初に接触する部分である初期接触部が水平面となす角度は所定の第２基準角度以上であり、
　吊り下げ搬送されている状態の前記被搬送物の上端部を整列時において前記搬送方向の上流側に傾倒させる、
　請求項２から５の何れか一項に記載の搬送装置。
　前記軌道対向面には、前記初期接触部に接触した後の前記被搬送物を前記後段の搬送部に案内するガイド部が更に形成されており、
　前記ガイド部は、前記初期接触部の下流側に配置される第１ガイド領域と、前記第１ガイド領域の下流側に配置される第２ガイド領域と、を含み、
　前記第２ガイド領域が水平面となす角度は前記第２基準角度より小さく、且つ、前記第１ガイド領域は、前記初期接触部と第２ガイド領域とを連続的に繋ぐ面として形成されている、
　請求項１０に記載の搬送装置。
　前記整列部は、前記整列部材を水平方向に振動駆動する発振機構を更に備える、
　請求項１０又は１１に記載の搬送装置。
　前記整列部材には、前記被搬送物の揺動軸と平行な軸を中心に該被搬送物の搬送方向における下流側に向かって回転駆動されるローラ部材が設けられており、
　前記揺動搬送部による搬送過程の前記被搬送物の下端部に対して、回転駆動されている前記ローラ部材が最初に接触するように構成されている、
　請求項１０から１２の何れか一項に記載の搬送装置。
　前後の向きが不規則に配列された被搬送物を供給する供給部から被搬送物を受け取り、受け取った被搬送物の前後の向きを整列して後段の搬送部に渡す整列装置であって、
　前記被搬送物を揺動自在に且つ当該被搬送物の一端が下向きとなるように吊り下げ支持した状態で前方斜め下方へ搬送する揺動搬送部と、
　前記揺動搬送部による前記被搬送物の搬送過程において、吊り下げ搬送されている前記被搬送物の下端部を当該被搬送物の搬送方向後方から斜め上方に向かって外力を加え、被搬送物を整列する加力部と、
　を有する、整列装置。
　前後の向きが不規則に配列された被搬送物を供給部から受け取る工程と、
　前記供給部から受け取った前記被搬送物の前後の向きを整列する整列工程と、
　前後の向きを整列した被搬送物を後段の搬送部に渡す工程と、
　を含み、
　前記整列工程においては、
　前記被搬送物を揺動自在に且つ当該被搬送物の一端が下向きとなるように吊り下げ支持した状態で前方斜め下方へ搬送し、吊り下げ搬送されている前記被搬送物の下端部を当該被搬送物の搬送方向後方から斜め上方に向かって外力を加え、被搬送物を整列する、
　被搬送物の整列方法。