WO2015005440A1 - 環縮合フルオレン化合物またはフルオレン化合物を含む発光補助層用材料 - Google Patents

環縮合フルオレン化合物またはフルオレン化合物を含む発光補助層用材料 Download PDF

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Abstract

 例えば、効率的にTTF現象を利用して発光効率を高めた有機EL素子を提供することを課題とする。例えば、有機電界発光素子における発光層と電子輸送層との間の発光補助層を設け、この発光補助層を、フルオレンの2個のベンゼン環のうちのいずれかに1~3個のベンゼン環が縮合した環縮合フルオレン化合物および/またはフルオレン化合物、例えば下記式(1)~(3)で表されるベンゾフルオレン化合物またはフルオレン化合物で形成して、発光効率を高めた有機EL素子を提供する。(各式中、RおよびRは置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいフェニルもしくは縮合環系アリールなどでありそして、RおよびRは置換されていてもよいアルキルまたは置換されていてもよいアリールなどである。)

Description

環縮合フルオレン化合物またはフルオレン化合物を含む発光補助層用材料
 本発明は、環縮合フルオレン化合物および/またはフルオレン化合物、特に、ベンゾフルオレン化合物、ジベンゾフルオレン化合物、インデノトリフェニレン化合物、インデノピレン化合物および/またはフルオレン化合物を含む発光補助層用材料、これを用いた有機電界発光素子および表示装置などに関する。
 有機電界発光素子(以降、「有機EL素子」ともいう)は、自己発光型の発光素子であり、表示用または照明用の発光素子として期待されている。従来、電界発光する発光素子を用いた表示装置は、省電力化や薄型化が可能なことから、種々研究され、さらに、有機材料からなる有機EL素子は、軽量化や大型化が容易なことから活発に検討されてきた。特に、光の三原色の一つである青色をはじめとする発光特性を有する有機材料の開発、および正孔、電子などの電荷輸送能(半導体や超電導体となる可能性を有する)を備えた有機材料の開発については、高分子化合物、低分子化合物を問わずこれまで活発に研究されてきた。
 有機EL素子は、陽極および陰極からなる一対の電極と、当該一対の電極間に配置され、有機化合物で形成される発光層などからなる構造を有する。有機EL素子をその発光原理に従って分類すると、蛍光型と燐光型の二種類に分けることができる。有機EL素子に電圧を印加すると、陽極から正孔が、また陰極から電子が注入され、発光層においてこれらが再結合し励起子を形成する。電子スピンの統計則により、一重項励起子と三重項励起子が25%:75%の割合で生成する。蛍光型では一重項励起子による発光を用いるため、内部量子効率は25%が限界といわれていた。
 しかしながら、蛍光型素子の高効率化技術に関連し、これまで有効活用されていなかった三重項励起子から発光を取出す技術がいくつか開示されている。例えば特許文献1では、通常の有機分子では、最低三重項励起状態(T1)は最低一重項励起状態(S1)よりも低いが、高い三重項励起状態(T2)はS1よりも高い場合があり、このような場合にT2からS1への遷移が起こることにより、一重項励起状態からの発光を得ることができるとされている。また、非特許文献1では、アントラセン系化合物をホスト材料に用いたノンドープ素子を解析し、二つの三重項励起子が衝突融合することにより一重項励起子が生成し、その結果、蛍光発光が増加している。特に、この二つの三重項励起子の衝突融合により一重項励起子が生成する現象はTTF現象(Triplet-Triplet Fusion)と呼ばれる。
 さらに特許文献2では、このTTF現象を効率的に起こすことによる蛍光素子の高効率化が検討されている。具体的には、蛍光素子に用いることができるホスト材料と蛍光発光性ドーパント材料の三重項エネルギーに特定の関係を持たせ、さらに発光層の陰極側界面に三重項エネルギーが大きい材料で形成した障壁層を備えた場合に、三重項励起子が発光層内に閉じ込められ、TTF現象を効率的に起こして蛍光素子の高効率かつ長寿命を実現することができるとされている。
 特許文献2では、障壁層に使用される材料として、炭化水素芳香族化合物(請求項4)、例えばナフタレン、フェナントレン、クリセン、フルオランテン、トリフェニレンなどの誘導体(段落[0073]~[0094])が記載され、具体的にはフルオランテン系化合物やベンゾクリセン系化合物([化34])のEL特性が検討されている。
 また、特許文献3には、アリール基やアミノ基で置換されたベンゾフルオレン系化合物を用いて有機EL素子を作製することが記載されているが、TTF現象との関連性や三重項エネルギーのことについては触れられておらず、また、このベンゾフルオレン系化合物を発光層用材料として用いた場合のEL特性が確認されているだけである。
 また、ジベンゾフルオレン化合物を発光層用材料として使用したり(特許文献4)、インデノトリフェニレン化合物を発光層用材料として使用したり(特許文献5、特許文献6)、インデノピレン化合物を有機EL素子における各層用材料として使用した例が知られている(特許文献7、特許文献8)。
特開2004-214180号公報 国際公開2010/134350号 特開2008-291006号公報 国際公開2011/081403号 中国特許出願公開103508835号 国際公開2012/086366号 特開2011-079822号公報 国際公開2010/053210号
Journal of Applied Physics,102,114504(2007)
 このような状況下、TTF現象を効率的に利用できる有機EL素子、すなわち、該素子を得ることができる化合物の開発が望まれている。
 本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、有機EL素子における発光層と電子輸送層との間に設けた発光補助層を環縮合フルオレン化合物および/またはフルオレン化合物、特にある特定のベンゾフルオレン化合物、ジベンゾフルオレン化合物、インデノトリフェニレン化合物、インデノピレン化合物および/またはフルオレン化合物で形成することにより、効率よくTTF現象を利用でき、内部量子効率、そして外部量子効率を向上させた有機EL素子が得られることを見出した。
[1]
 有機電界発光素子における発光層と電子輸送層との間の発光補助層に用いられる発光補助層用材料であって、フルオレンの2個のベンゼン環のうちのいずれかに1~3個のベンゼン環が縮合した環縮合フルオレン化合物および/またはフルオレン化合物を含む発光補助層用材料であり、
 前記環縮合フルオレン化合物およびフルオレン化合物の五員環は、置換されていてもよいアルキルおよび/または置換されていてもよいアリールで置換されていてもよく、五員環に2つ置換基が置換する場合にはこれらの置換基は結合して環を形成していてもよく、
 前記環縮合フルオレン化合物のベンゼン環および/または縮合部位の少なくとも一部は、置換されていてもよいアリールで置換され、さらに置換されていてもよいアルキルおよび/または置換されていてもよいシクロアルキルで置換されていてもよく、そして、
 前記フルオレン化合物のベンゼン環の少なくとも一部は、置換されていてもよいフェニルまたは縮合環系アリールで置換され、さらに置換されていてもよいアルキルおよび/または置換されていてもよいシクロアルキルで置換されていてもよく、前記フェニルまたは縮合環系アリールへの置換基がアリールの場合には該アリールはフェニルまたは縮合環系アリールである、
 発光補助層用材料。
[2]
 前記発光補助層用材料は、ベンゾフルオレン化合物、ジベンゾフルオレン化合物、インデノトリフェニレン化合物、インデノピレン化合物および/またはフルオレン化合物を含む発光補助層用材料であり、
 前記ベンゾフルオレン化合物、ジベンゾフルオレン化合物、インデノトリフェニレン化合物、インデノピレン化合物およびフルオレン化合物の五員環は、置換されていてもよいアルキルおよび/または置換されていてもよいアリールで置換されていてもよく、五員環に2つ置換基が置換する場合にはこれらの置換基は結合して環を形成していてもよく、
 前記ベンゾフルオレン化合物、ジベンゾフルオレン化合物、インデノトリフェニレン化合物およびインデノピレン化合物のベンゼン環および/または縮合部位の少なくとも一部は、置換されていてもよいアリールで置換され、さらに置換されていてもよいアルキルおよび/または置換されていてもよいシクロアルキルで置換されていてもよく、そして、
 前記フルオレン化合物のベンゼン環の少なくとも一部は、置換されていてもよいフェニルまたは縮合環系アリールで置換され、さらに置換されていてもよいアルキルおよび/または置換されていてもよいシクロアルキルで置換されていてもよく、前記フェニルまたは縮合環系アリールへの置換基がアリールの場合には該アリールはフェニルまたは縮合環系アリールである、
 上記[1]に記載の発光補助層用材料。
[3]
 前記フルオレン化合物が下記一般式(1)で表され、前記ベンゾフルオレン化合物が下記一般式(2)または下記一般式(3)で表され、前記ジベンゾフルオレン化合物が下記一般式(4)で表され、前記インデノトリフェニレン化合物が下記一般式(5)または下記一般式(6)で表され、前記インデノピレン化合物が下記一般式(7)で表される、上記[2]に記載の発光補助層用材料。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
                
(上記式(2)~(7)におけるRおよびRは、それぞれ独立して、水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキルまたは置換されていてもよいアリールであり、RおよびRのうちの少なくとも1つは置換されていてもよいアリールであり、
 上記式(1)におけるRおよびRは、それぞれ独立して、水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、または、置換されていてもよいフェニルもしくは縮合環系アリールであり、RおよびRのうちの少なくとも1つは置換されていてもよいフェニルもしくは縮合環系アリールであり、前記フェニルもしくは縮合環系アリールへの置換基がアリールの場合には該アリールはフェニルもしくは縮合環系アリールであり、そして、
 上記式(1)~(7)におけるRおよびRは、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキルまたは置換されていてもよいアリールであり、RおよびRは結合して環を形成していてもよい。)
[4]
 上記式(2)~(7)におけるRおよびRは、それぞれ独立して、水素、置換されていてもよい炭素数1~24のアルキル、置換されていてもよい炭素数3~12のシクロアルキルまたは置換されていてもよい炭素数6~30のアリールであり、RおよびRのうちの少なくとも1つは置換されていてもよい炭素数6~30のアリールであり、
 上記式(1)におけるRおよびRは、それぞれ独立して、水素、置換されていてもよい炭素数1~24のアルキル、置換されていてもよい炭素数3~12のシクロアルキル、または、置換されていてもよい炭素数6~30のフェニルもしくは縮合環系アリールであり、RおよびRのうちの少なくとも1つは置換されていてもよい炭素数6~30のフェニルもしくは縮合環系アリールであり、
 上記式(1)~(7)におけるRおよびRは、それぞれ独立して、置換されていてもよい炭素数1~24のアルキルまたは置換されていてもよい炭素数6~30のアリールであり、RおよびRは結合して環を形成していてもよく、
 上記式(2)~(7)のRおよびRにおける置換基は、それぞれ独立して、炭素数1~24のアルキル、炭素数3~12のシクロアルキルまたは炭素数6~30のアリールである、
 上記式(1)のRおよびRにおける置換基は、それぞれ独立して、炭素数1~24のアルキル、炭素数3~12のシクロアルキルまたは炭素数6~30のフェニルもしくは縮合環系アリールである、そして、
 上記式(1)~(7)のRおよびRにおける置換基は、それぞれ独立して、炭素数1~24のアルキル、炭素数3~12のシクロアルキルまたは炭素数6~30のアリールである、
 上記[3]に記載する発光補助層用材料。
[5]
 上記式(2)~(7)におけるRおよびRは、置換されていてもよい炭素数6~24のアリールであり、
 上記式(1)におけるRおよびRは、置換されていてもよい炭素数6~24のフェニルもしくは縮合環系アリールであり、
 上記式(1)~(7)におけるRおよびRは、それぞれ独立して、置換されていてもよい炭素数1~12のアルキルまたは置換されていてもよい炭素数6~16のアリールであり、RおよびRがアリールの場合はアリール同士が結合して環を形成していてもよく、
 上記式(2)~(7)のRおよびRにおける置換基は、それぞれ独立して、炭素数1~12のアルキル、炭素数3~6のシクロアルキルまたは炭素数6~20のアリールであり、
 上記式(1)のRおよびRにおける置換基は、それぞれ独立して、炭素数1~12のアルキル、炭素数3~6のシクロアルキルまたは炭素数6~20のフェニルもしくは縮合環系アリールであり、そして、
 上記式(1)~(7)におけるRおよびRにおける置換基は、それぞれ独立して、炭素数1~12のアルキル、炭素数3~6のシクロアルキルまたは炭素数6~20のアリールである、
 上記[3]に記載する発光補助層用材料。
[6]
 前記一般式(2)または一般式(3)で表されるベンゾフルオレン化合物であって、
 RおよびRは、置換されていてもよい炭素数6~20のアリールであり、
 RおよびRは、それぞれ独立して、置換されていてもよい炭素数1~6のアルキルまたは置換されていてもよい炭素数6~12のアリールであり、RおよびRがアリールの場合はアリール同士が結合して環を形成していてもよく、そして、
 R、R、RおよびRにおける置換基は、それぞれ独立して、メチル、エチル、プロピル、t-ブチル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ビフェニリルまたはナフチルである、
 上記[3]に記載する発光補助層用材料。
[7]
 前記一般式(2)または一般式(3)で表されるベンゾフルオレン化合物であって、
 RおよびRは、それぞれ独立して、フェニル、ビフェニリル、テルフェニリル、クアテルフェニリル、ナフチルまたはフェナントリルであり、そして、
 RおよびRは、それぞれ独立して、メチル、エチル、プロピル、t-ブチル、フェニルまたはビフェニリルである、フェニルまたはビフェニリル同士が結合して環を形成していてもよく、
 上記[3]に記載する発光補助層用材料。
[8]
 下記式(2-1)、式(2-2)、式(2-3)、式(2-4)および式(2-5)のいずれかで表される、上記[3]に記載する発光補助層用材料。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
[9] 下記式(1-1)、式(1-71)、式(2-21)、式(2-41)、式(2-61)、式(2-62)、式(2-85)、式(2-87)、式(3-5)、式(3-6)、式(3-8)、式(5-7)および式(6-9)のいずれかで表される、上記[3]に記載する発光補助層用材料。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006
[10]
 陽極および陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に配置される発光層と、前記陰極と該発光層との間に配置される電子輸送層と、前記発光層と該電子輸送層との間に配置される発光補助層とを有する、有機電界発光素子であって、
 該発光補助層は上記[1]ないし[9]のいずれかに記載する発光補助層用材料で形成される、有機電界発光素子。
[11]
 前記発光層は、ホスト材料と、発光波長が400~500nmにピークを有する蛍光発光性のドーパント材料とからなり、
 前記ホスト材料の三重項エネルギーE が前記発光補助層用材料の三重項エネルギーE より小さい、
 上記[10]に記載する有機電界発光素子。
[12]
 前記発光層は、ホスト材料と、発光波長が400~500nmにピークを有する蛍光発光性のドーパント材料とからなり、
 前記ドーパント材料の三重項エネルギーE が前記ホスト材料の三重項エネルギーE より大きい、
 上記[10]または[11]に記載する有機電界発光素子。
[13]
 前記発光層は、ホスト材料と、発光波長が400~500nmにピークを有する蛍光発光性のドーパント材料とからなり、
 前記ホスト材料は、アントラセン誘導体およびピレン誘導体からなる群から選択される少なくとも1つを含有し、
 前記ドーパント材料は、アミン含有ベンゾフルオレン誘導体、アミン含有ピレン誘導体、アミン非含有ピレン誘導体、アミン含有クリセン誘導体およびアミン含有スチリル誘導体からなる群から選択される少なくとも1つを含有する、
 上記[10]ないし[12]のいずれかに記載する有機電界発光素子。
[14]
 前記電子輸送層用材料は、複素環含有化合物を含有する、上記[10]ないし[13]のいずれかに記載する有機電界発光素子。
[15]
 前記複素環含有化合物は、ピリジン誘導体、チアゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、フェナントロリン誘導体およびホスフィンオキサイド誘導体からなる群から選択される少なくとも1つである、上記[14]に記載する有機電界発光素子。
[16]
 前記発光補助層用材料のアフィニティAおよび前記電子輸送層を形成する電子輸送層用材料のアフィニティAの関係が、A>A-0.8eVである、
 上記[10]ないし[15]のいずれかに記載する有機電界発光素子。
[17]
 上記[10]ないし[16]のいずれかに記載する有機電界発光素子を備えた表示装置。
[18]
 上記[10]ないし[16]のいずれかに記載する有機電界発光素子を備えた照明装置。
 本発明の好ましい態様によれば、発光層内で生じるTTF現象を効率よく利用することができ、外部量子効率を向上させた有機EL素子を提供することができる。また、外部量子効率を向上させることで、印加された電荷を効率よく利用できるため、有機EL素子の劣化を抑制した、さらには素子寿命を向上させた有機EL素子を提供することができる。
本実施形態に係る有機EL素子を示す概略断面図である。
1.有機電界発光素子
 本発明に係る発光補助層用材料を用いた有機EL素子について図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る有機EL素子を示す概略断面図である。
<有機EL素子の構造>
 図1に示された有機EL素子100は、基板101と、基板101上に設けられた陽極102と、陽極102の上に設けられた正孔注入層103と、正孔注入層103の上に設けられた正孔輸送層104と、正孔輸送層104の上に設けられた発光層105と、発光層105の上に設けられた発光補助層110と、発光補助層110の上に設けられた電子輸送層106と、電子輸送層106の上に設けられた電子注入層107と、電子注入層107の上に設けられた陰極108とを有する。
 なお、有機EL素子100は、作製順序を逆にして、例えば、基板101と、基板101上に設けられた陰極108と、陰極108の上に設けられた電子注入層107と、電子注入層107の上に設けられた電子輸送層106と、電子輸送層106の上に設けられた発光補助層110と、発光補助層110の上に設けられた発光層105と、発光層105の上に設けられた正孔輸送層104と、正孔輸送層104の上に設けられた正孔注入層103と、正孔注入層103の上に設けられた陽極102とを有する構成としてもよい。
 上記各層すべてがなくてはならないわけではなく、最小構成単位を陽極102と発光層105と発光補助層110と電子輸送層106と陰極108とからなる構成として、正孔注入層103、正孔輸送層104および電子注入層107は任意に設けられる層である。また、上記各層は、それぞれ単一層からなってもよいし、複数層からなってもよい。
 有機EL素子を構成する層の態様としては、上述する「基板/陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/発光補助層/電子輸送層/電子注入層/陰極」の構成態様の他に、「基板/陽極/正孔輸送層/発光層/発光補助層/電子輸送層/電子注入層/陰極」、「基板/陽極/正孔注入層/発光層/発光補助層/電子輸送層/電子注入層/陰極」、「基板/陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/発光補助層/電子輸送層/陰極」、「基板/陽極/発光層/発光補助層/電子輸送層/電子注入層/陰極」、「基板/陽極/正孔輸送層/発光層/発光補助層/電子輸送層/陰極」、「基板/陽極/正孔注入層/発光層/発光補助層/電子輸送層/陰極」および「基板/陽極/発光層/発光補助層/電子輸送層/陰極」の構成態様であってもよい。
2.発光補助層
 発光補助層の役割は、まず、発光層において生成した三重項励起子が電子輸送層へ拡散するのを抑制または防止して(三重項励起子を発光層内に閉じ込めて)、発光層において効率的にTTF現象を生じさせることである。また、発光補助層の次の役割は、陰極から発光層へ効率よく電子を注入することである。この役割は、電子輸送層(および電子注入層)が本来担うものであるが、発光補助層は発光層と電子輸送層との間に配置されるため、電子輸送層から発光層への電子注入性を大きく低下させたり、阻害したりしないようにすることが好ましい。
<発光補助層用材料>
 本願発明に係る発光補助層用材料は、環縮合フルオレン化合物(フルオレンの2個のベンゼン環のうちのいずれかに1~3個のベンゼン環が縮合した化合物)および/またはフルオレン化合物、特に、ある特定のベンゾフルオレン化合物、ジベンゾフルオレン化合物、インデノトリフェニレン化合物、インデノピレン化合物および/またはフルオレン化合物を含み、
 この環縮合フルオレン化合物および/またはフルオレン化合物、特に、ベンゾフルオレン化合物、ジベンゾフルオレン化合物、インデノトリフェニレン化合物、インデノピレン化合物およびフルオレン化合物は、
 その五員環が置換されていてもよいアルキルおよび/または置換されていてもよいアリールで置換されていてもよく、五員環に2つ置換基が置換する場合にはこれらの置換基は結合して環を形成していてもよく、
 前記環縮合フルオレン化合物のベンゼン環(フルオレンの2個のベンゼン環のうちのベンゼン環が縮合していない方)および/または縮合部位の少なくとも一部は、置換されていてもよいアリールで置換され、さらに置換されていてもよいアルキルおよび/または置換されていてもよいシクロアルキルで置換されていてもよく、そして、
 前記フルオレン化合物のベンゼン環(フルオレンの2個のベンゼン環のうちのいずれか一方または両方)の少なくとも一部は、置換されていてもよいフェニルまたは縮合環系アリールで置換され、さらに置換されていてもよいアルキルおよび/または置換されていてもよいシクロアルキルで置換されていてもよく、前記フェニルまたは縮合環系アリールへの置換基がアリールの場合には該アリールはフェニルまたは縮合環系アリールである。
 環縮合フルオレン化合物は、フルオレンの2個のベンゼン環のうちのいずれかに1~3個のベンゼン環が縮合した化合物である。また、フルオレンの2個のベンゼン環のうちのいずれかに縮合するベンゼン環の数は1~3個であってもよいが、好ましくは1個または2個、より好ましくは1個である。「縮合する」とは以下に例として図説するようにフルオレン骨格に直接縮合する形態の他に、フルオレンに直接縮合したベンゼン環にさらに縮合する形態も含む。「縮合部位」とは以下に例として図説するようにフルオレン骨格に縮合してできた、フルオレン由来のベンゼン環を含む環の集合部分を意味する。環縮合フルオレン化合物の中では、フルオレンにおける片側のベンゼン環に1個のベンゼン環が縮合した化合物、すなわちベンゾフルオレン化合物が最も好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007
 発光補助層用材料として用いることができる環縮合フルオレン化合物およびフルオレン化合物、特に、ベンゾフルオレン化合物、ジベンゾフルオレン化合物、インデノトリフェニレン化合物、インデノピレン化合物およびフルオレン化合物は、上述するように、その構造中の五員環、フルオレン骨格に属するベンゼン環、およびフルオレン骨格にベンゼン環が縮合してできた縮合部位が各種置換基で置換され得るが、これらの置換基については後述する一般式(1)~(3)および式(4)~(7)において説明するものを引用できる。また、ベンゼン環および縮合部位への置換基の数、置換基の組み合わせ、または、置換位置は、電子輸送層への三重項励起子の拡散を全く防止できないとか、電子輸送層から発光層への電子注入性を大きく阻害するようなことがなければ、特に限定されない。
 発光補助層用材料として用いることができるベンゾフルオレン化合物およびフルオレン化合物としては、特に下記一般式(1)~(3)で表されるものが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008
 発光補助層用材料として用いることができるジベンゾフルオレン化合物、インデノトリフェニレン化合物およびインデノピレン化合物としては、特に下記一般式(4)~(7)で表されるものが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009
 一般式(1)において、
 RおよびRは、それぞれ独立して、水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、または、置換されていてもよいフェニルもしくは縮合環系アリールであり、RおよびRのうちの少なくとも1つは置換されていてもよいフェニルもしくは縮合環系アリールであり、そして、
 RおよびRは、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキルまたは置換されていてもよいアリールであり、RおよびRは結合して環を形成していてもよい。
 一般式(2)~(7)において、
 RおよびRは、それぞれ独立して、水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキルまたは置換されていてもよいアリールであり、RおよびRのうちの少なくとも1つは置換されていてもよいアリールであり、そして、
 RおよびRは、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキルまたは置換されていてもよいアリールであり、RおよびRは結合して環を形成していてもよい。
 一般式(1)のR及びRにおける「置換されていてもよいフェニルもしくは縮合環系アリール」の「フェニルもしくは縮合環系アリール」としては、例えば、炭素数6~30のフェニルもしくは縮合環系アリールがあげられる。R及びRの「フェニルもしくは縮合環系アリール」としては、好ましくは炭素数6~24のフェニルもしくは縮合環系アリール、より好ましくは炭素数6~20のフェニルもしくは縮合環系アリール、さらに好ましくは炭素数6~12のフェニルもしくは縮合環系アリールである。
 一般式(2)~(7)のR及びRにおける「置換されていてもよいアリール」の「アリール」としては、例えば、炭素数6~30のアリールがあげられる。R及びRの「アリール」としては、好ましくは炭素数6~24のアリール、より好ましくは炭素数6~20のアリール、さらに好ましくは炭素数6~12のアリールである。
 一般式(1)~(7)のR及びRにおける「置換されていてもよいアリール」の「アリール」としては、例えば、炭素数6~30のアリールがあげられる。R及びRの「アリール」としては、好ましくは炭素数6~16のアリール、より好ましくは炭素数6~12のアリールである。
 一般式(1)のR及びRについての具体的な「縮合環系アリール」としては、縮合二環系アリールである(1-,2-)ナフチル、縮合三環系アリールである、アセナフチレン-(1-,3-,4-,5-)イル、フルオレン-(1-,2-,3-,4-,9-)イル、フェナレン-(1-,2-)イル、(1-,2-,3-,4-,9-)フェナントリル、縮合四環系アリールであるトリフェニレン-(1-,2-)イル、ピレン-(1-,2-,4-)イル、ナフタセン-(1-,2-,5-)イル、縮合五環系アリールであるペリレン-(1-,2-,3-)イル、ペンタセン-(1-,2-,5-,6-)イルなどがあげられる。
 一般式(2)~(7)のR及びRについての具体的な「アリール」としては、単環系アリールであるフェニル、二環系アリールである(2-,3-,4-)ビフェニリル、縮合二環系アリールである(1-,2-)ナフチル、三環系アリールであるテルフェニリル(m-テルフェニル-2’-イル、m-テルフェニル-4’-イル、m-テルフェニル-5’-イル、o-テルフェニル-3’-イル、o-テルフェニル-4’-イル、p-テルフェニル-2’-イル、m-テルフェニル-2-イル、m-テルフェニル-3-イル、m-テルフェニル-4-イル、o-テルフェニル-2-イル、o-テルフェニル-3-イル、o-テルフェニル-4-イル、p-テルフェニル-2-イル、p-テルフェニル-3-イル、p-テルフェニル-4-イル)、縮合三環系アリールである、アセナフチレン-(1-,3-,4-,5-)イル、フルオレン-(1-,2-,3-,4-,9-)イル、フェナレン-(1-,2-)イル、(1-,2-,3-,4-,9-)フェナントリル、四環系アリールであるクアテルフェニリル(5’-フェニル-m-テルフェニル-2-イル、5’-フェニル-m-テルフェニル-3-イル、5’-フェニル-m-テルフェニル-4-イル、m-クアテルフェニル)、縮合四環系アリールであるトリフェニレン-(1-,2-)イル、ピレン-(1-,2-,4-)イル、ナフタセン-(1-,2-,5-)イル、縮合五環系アリールであるペリレン-(1-,2-,3-)イル、ペンタセン-(1-,2-,5-,6-)イルなどがあげられる。
 一般式(1)~(7)のR及びRについての具体的な「アリール」としては、単環系アリールであるフェニル、二環系アリールである(2-,3-,4-)ビフェニリル、縮合二環系アリールである(1-,2-)ナフチル、三環系アリールであるテルフェニリル(m-テルフェニル-2’-イル、m-テルフェニル-4’-イル、m-テルフェニル-5’-イル、o-テルフェニル-3’-イル、o-テルフェニル-4’-イル、p-テルフェニル-2’-イル、m-テルフェニル-2-イル、m-テルフェニル-3-イル、m-テルフェニル-4-イル、o-テルフェニル-2-イル、o-テルフェニル-3-イル、o-テルフェニル-4-イル、p-テルフェニル-2-イル、p-テルフェニル-3-イル、p-テルフェニル-4-イル)、縮合三環系アリールである、アセナフチレン-(1-,3-,4-,5-)イル、フルオレン-(1-,2-,3-,4-,9-)イル、フェナレン-(1-,2-)イル、(1-,2-,3-,4-,9-)フェナントリル、四環系アリールであるクアテルフェニリル(5’-フェニル-m-テルフェニル-2-イル、5’-フェニル-m-テルフェニル-3-イル、5’-フェニル-m-テルフェニル-4-イル、m-クアテルフェニル)、縮合四環系アリールであるトリフェニレン-(1-,2-)イル、ピレン-(1-,2-,4-)イル、ナフタセン-(1-,2-,5-)イル、縮合五環系アリールであるペリレン-(1-,2-,3-)イル、ペンタセン-(1-,2-,5-,6-)イルなどがあげられる。
 一般式(1)のR及びRにおける、特に好ましい「フェニルもしくは縮合環系アリール」は、フェニル、ナフチルおよびフェナントリルであり、これらの中でも、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチルおよび9-フェナントリルが好ましい。また、R及びRが同じであっても異なっていてもよく、好ましくはR及びRが同じである。
 一般式(2)~(7)のR及びRにおける、特に好ましい「アリール」は、フェニル、ビフェニリル、テルフェニリル、クアテルフェニリル、ナフチルおよびフェナントリルであり、これらの中でも、フェニル、4-ビフェニリル、1-ナフチル、2-ナフチルおよび9-フェナントリルが好ましい。また、R及びRが同じであっても異なっていてもよく、好ましくはR及びRが同じである。
 また、一般式(1)のR及びRにおける「縮合環系アリール」や一般式(2)~(7)のR及びRにおける「アリール」は、一般式(1)~(7)の化合物(ただしR及びRを除いた構造部分)であってもよく、この場合は、一般式(1)~(7)の化合物のうちのいずれか2個が直接結合した化合物になる。
 R及びRにおける、特に好ましい「アリール」は、フェニル、4-ビフェニリル、1-ナフチルおよび2-ナフチルであり、R及びRが同じであっても異なっていてもよく、好ましくはR及びRが同じである。
 一般式(1)~(3)および一般式(4)~(7)のR、R、R及びRにおける「置換されていてもよいアルキル」の「アルキル」としては、直鎖及び分枝鎖のいずれでもよく、例えば、炭素数1~24の直鎖アルキル又は炭素数3~24の分枝鎖アルキルがあげられる。好ましい「アルキル」は、炭素数1~18のアルキル(炭素数3~18の分枝鎖アルキル)である。より好ましい「アルキル」は、炭素数1~12のアルキル(炭素数3~12の分枝鎖アルキル)である。さらに好ましい「アルキル」は、炭素数1~6のアルキル(炭素数3~6の分枝鎖アルキル)である。特に好ましい「アルキル」は、炭素数1~4のアルキル(炭素数3~4の分枝鎖アルキル)である。
 具体的な「アルキル」としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t-ペンチル、n-ヘキシル、1-メチルペンチル、4-メチル-2-ペンチル、3,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、n-ヘプチル、1-メチルヘキシル、n-オクチル、t-オクチル、1-メチルヘプチル、2-エチルヘキシル、2-プロピルペンチル、n-ノニル、2,2-ジメチルヘプチル、2,6-ジメチル-4-ヘプチル、3,5,5-トリメチルヘキシル、n-デシル、n-ウンデシル、1-メチルデシル、n-ドデシル、n-トリデシル、1-ヘキシルヘプチル、n-テトラデシル、n-ペンタデシル、n-ヘキサデシル、n-ヘプタデシル、n-オクタデシル、n-エイコシルなどがあげられる。
 一般式(1)~(3)および一般式(4)~(7)のR及びRにおける「置換されていてもよいシクロアルキル」の「シクロアルキル」としては、例えば、炭素数3~12のシクロアルキルがあげられる。好ましい「シクロアルキル」は、炭素数3~10のシクロアルキルである。より好ましい「シクロアルキル」は、炭素数3~8のシクロアルキルである。さらに好ましい「シクロアルキル」は、炭素数3~6のシクロアルキルである。
 具体的な「シクロアルキル」としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロペンチル、シクロヘプチル、メチルシクロヘキシル、シクロオクチル又はジメチルシクロヘキシルなどがあげられる。
 一般式(1)のR及びRにおける「置換基」としては、アルキル、シクロアルキル、フェニルもしくは縮合環系アリールがあげられるが、これらの好ましいものとしては、それぞれ、上記「アルキル」の欄で説明したもの、上記「シクロアルキル」の欄で説明したもの、一般式(1)のR及びRにおける「フェニルもしくは縮合環系アリール」の欄で説明したものと同様のものがあげられる。
 一般式(2)~(7)のR及びRにおける「置換基」としては、アルキル、シクロアルキル、アリールがあげられるが、これらの好ましいものとしては、それぞれ、上記「アルキル」の欄で説明したもの、上記「シクロアルキル」の欄で説明したもの、上記「アリール」の欄で説明したものと同様のものがあげられる。
 一般式(1)~(7)のR及びRにおける「置換基」としては、アルキル、シクロアルキル、アリールがあげられるが、これらの好ましいものとしては、それぞれ、上記「アルキル」の欄で説明したもの、上記「シクロアルキル」の欄で説明したもの、上記「アリール」の欄で説明したものと同様のものがあげられる。
 また、一般式(1)~(7)のR及びRにおける「置換基」は、一般式(1)~(7)の化合物(ただしR及びRを除いた構造部分)であってもよく、この場合は、一般式(1)~(7)の化合物のうちのいずれか2個が「アリール」または「フェニルもしくは縮合環系アリール」を介して連結した化合物になる。
 R、R、R及びRにおける「置換基」として、具体的には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、t-オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル、n-トリデシル、n-テトラデシル、n-ペンタデシル、n-ヘキサデシル、n-ヘプタデシル、n-オクタデシルなどのアルキル;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどのシクロアルキル;フェニル、ビフェニリル(一般式(1)のR及びRへの置換基としては除く)、ナフチル、テルフェニリル(一般式(1)のR及びRへの置換基としては除く)、フェナントリルなどのアリール;メチルフェニル、エチルフェニル、s-ブチルフェニル、t-ブチルフェニル、1-メチルナフチル、2-メチルナフチル、1,6-ジメチルナフチル、2,6-ジメチルナフチル、4-t-ブチルナフチルなどのアルキルアリールなどがあげられる。置換基の数は、例えば、最大置換可能な数であり、好ましくは0~3個、より好ましくは0~2個、更に好ましくは0個(無置換)である。
 RおよびRのうちの少なくとも1つは、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいフェニルもしくは縮合環系アリールが選択されるが、好ましくはRおよびRの両方が置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいフェニルもしくは縮合環系アリールであり、この場合、RおよびRの両方で同じ基が選択されることがより好ましい。
 RおよびRは結合して環を形成していてもよく、この結果、フルオレン骨格やベンゾフルオレン骨格の5員環には、シクロブタン、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサン、フルオレンまたはインデンなどがスピロ結合していてもよい。
 また、一般式(1)~(3)および一般式(4)~(7)で表される化合物を構成する、フルオレン環、ベンゾフルオレン環、ジベンゾフルオレン環、インデノトリフェニレン環またはインデノピレン環における水素原子、および、置換基であるR~Rにおける水素原子の全てまたは一部が重水素であってもよい。
<発光補助層用材料の三重項エネルギー>
 発光補助層の役割は、まず、発光層において生成した三重項励起子が電子輸送層へ拡散するのを抑制または防止して(三重項励起子を発光層内に閉じ込めて)、発光層において効率的にTTF現象を生じさせることである。本願発明は特定の原理に束縛されるわけではないが、この役割を達成するには、例えば、発光補助層用材料の三重項エネルギーE が発光層のホスト材料の三重項エネルギーE よりも大きい方が好ましい。また、後述するように、発光層を形成するホスト材料とドーパント材料の三重項エネルギーの関係はE <E の関係を満たすことが好ましいため、発光補助層用材料の三重項エネルギーE が発光層のドーパント材料の三重項エネルギーE よりも大きいことがより好ましい。このようにすると、発光層内においてホストの三重項励起子から効率的に一重項励起子を生成させることができ、この一重項励起子を蛍光発光性ドーパント上へ移動させてエネルギー失活を光学的に行うことができる。
 なお、本願明細書において三重項エネルギーは、最低励起三重項状態におけるエネルギーと基底状態におけるエネルギーの差をいい、一重項エネルギー(エネルギーギャップという場合もある)は、最低励起一重項状態におけるエネルギーと基底状態におけるエネルギーの差をいう。
 本願発明に係る発光補助層用材料としての環縮合フルオレン化合物および/またはフルオレン化合物、特に、ベンゾフルオレン化合物、ジベンゾフルオレン化合物、インデノトリフェニレン化合物、インデノピレン化合物およびフルオレン化合物は、上述した特定構造に由来する比較的高い三重項エネルギーE を有するため、有機EL素子用のホスト材料および蛍光発光性ドーパント材料として一般的に用いられているほとんどの材料に対して、発光層で生成した三重項励起子が電子輸送層へ拡散するのを抑制または防止することができる。この結果、発光層において効率的にTTF現象を生じさせることができる。また、特に後述する特定のホスト材料及び蛍光発光性ドーパント材料と組み合わせることで、この効果を高めることができる。
<発光補助層用材料のアフィニティ>
 発光補助層の次の役割は、陰極から発光層へ効率よく電子を注入することである。この役割は、電子輸送層(および電子注入層)が本来担うものであるが、発光補助層は発光層と電子輸送層との間に配置されるため、電子輸送層から発光層への電子注入性を大きく低下させたり、阻害したりしないようにすることが好ましい。発光層への電子注入性が大きく低下するなどした場合、発光層における電子-正孔の再結合が減ることで三重項励起子の密度が小さくなり、三重項励起子の衝突頻度が減る結果、効率よくTTF現象が起らなくなってしまう。本願発明は特定の原理に束縛されるわけではないが、この役割を達成するには、例えば、発光補助層用材料のアフィニティAおよび電子輸送層用材料のアフィニティAの関係が、A>A-0.8eVを満たすようにすることが好ましい。この関係は、A>A-0.6eVを満たすことがより好ましく、A>A-0.5eVを満たすことがさらに好ましい。仮に電子輸送層から発光補助層への電子注入が大きく損なわれる場合、電子輸送層に電子が蓄積し、高電圧化を引き起こすとともに、蓄積電子が三重項励起子と衝突してエネルギーがクエンチされる可能性がある。
 本願発明に係る発光補助層用材料としての環縮合フルオレン化合物および/またはフルオレン化合物、特に、ベンゾフルオレン化合物、ジベンゾフルオレン化合物、インデノトリフェニレン化合物、インデノピレン化合物およびフルオレン化合物は、上述した特定構造に由来する比較的大きいアフィニティAを有するため、有機EL素子用の電子輸送材料として一般的に用いられているほとんどの材料に対して、電子輸送層から発光層への電子注入性を大きく低下させたり、阻害したりすることがない。また、特に後述する特定の電子輸送層用材料と組み合わせることで、この効果を高めることができる。
<発光補助層用材料の具体的な化合物>
 発光補助層用材料の具体例としては、以下に示す中心骨格と、置換基RやRと、置換基RやRとの組み合わせから得られるすべての化合物があげられる。ただし、下記式(1)の中心骨格(フルオレン骨格)の置換基RやRとして下記式(5)~(12)は選択されない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000010
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000011
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000012
 すなわち、発光補助層用材料の具体的な化合物としては、上記式(1)~(3)および式(4)~(7)のいずれかから選択された中心骨格に、上記式(1)~(8)および式(13)~(19)のいずれかから選択された置換基RやR(RおよびRは異なっていても同じであってもよい)が結合し、上記式(1)~(10)のいずれかから選択された置換基RやR(RおよびRは異なっていても同じであってもよい)が結合した化合物があげられる。ただし、下記式(1)の中心骨格(フルオレン骨格)の置換基RやRとして下記式(5)~(12)は選択されない。なお、上記式中、置換基RやRの好ましい例の式(5)は中心骨格の5員環に式(5)の構造中の5員環がスピロ結合した形態を示し、「Me」はメチル、「Et」はエチル、「tBu」はt-ブチル、「Hexyl」はヘキシル、「Octyl」はオクチルを意味する。
 特に、一般式(1)のフルオレン化合物としては、下記式のいずれかで表される化合物が好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000013
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000014
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000015
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000016
 特に、一般式(2)のベンゾフルオレン化合物としては、下記式のいずれかで表される化合物が好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000017
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000018
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000019
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000020
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000021
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000022
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000023
 特に、一般式(3)のベンゾフルオレン化合物としては、下記式のいずれかで表される化合物が好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000024
 特に、一般式(4)のジベンゾフルオレン化合物としては、下記式のいずれかで表される化合物が好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000025
 特に、一般式(5)のインデノトリフェニレン化合物としては、下記式のいずれかで表される化合物が好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000026
 特に、一般式(6)のインデノトリフェニレン化合物としては、下記式のいずれかで表される化合物が好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000027
 特に、一般式(7)のインデノピレン化合物としては、下記式のいずれかで表される化合物が好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000028
 より好ましい化合物は、以下の化合物である。
式(1-1)、式(1-3)、式(1-5)、式(1-7)~式(1-9)、式(1-11);
式(1-21)、式(1-23)、式(1-25)、式(1-27)~式(1-29)、式(1-31);
式(1-41)、式(1-43)、式(1-45)、式(1-47)~式(1-49)、式(1-51);
式(1-63)、式(1-67)、式(1-73)、式(1-77)、式(1-81)、式(1-83)、式(1-87);
式(2-1)、式(2-3)、式(2-5)、式(2-7)~式(2-9)、式(2-11);
式(2-21)、式(2-23)、式(2-25)、式(2-27)~式(2-29)、式(2-31);
式(2-41)、式(2-43)、式(2-45)、式(2-47)~式(2-49)、式(2-51);
式(2-62)~式(2-68);
式(2-72)~式(2-78);
式(2-82)~式(2-88);
式(2-91)、式(2-93)、式(2-97)、式(2-101)、式(2-103)、式(2-107)、式(2-111)、式(2-113)、式(2-117);
式(3-1)、式(3-3)、式(3-5)、式(3-7)~式(3-9)、式(3-11);
式(4-1)、式(4-3)、式(4-5)、式(4-7)~式(4-9)、式(4-11);
式(5-41)、式(5-43)、式(5-45)、式(5-47)~式(5-49)、式(5-51);
式(6-1)、式(6-3)、式(6-5)、式(6-7)~式(6-9)、式(6-11);
式(7-1)、式(7-3)、式(7-5)、式(7-7)~式(7-9)、および式(7-11)。
<発光補助層用材料の製造方法>
 一般式(2)で表されるベンゾフルオレン化合物は、例えば、鈴木カップリング反応のような既知の合成法を利用して製造することができる。鈴木カップリング反応は、塩基の存在下パラジウム触媒を用いて、芳香族ハライドもしくはトリフラートと、芳香族ボロン酸もしくは芳香族ボロン酸エステルとをカップリングする方法である。この方法で一般式(2)を得る反応経路の具体例は下記の通りである(スキーム1~3)。なお、各スキーム中のR~Rは前記と同じであり、TfOはトリフラートである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000029
 この反応で用いられるパラジウム触媒の具体例は、Pd(PPh、PdCl(PPh、Pd(OAc)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)クロロホルム錯体、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)等である。反応を促進させるため、場合によりこれらのパラジウム化合物にホスフィン化合物を加えてもよい。そのホスフィン化合物の具体例は、トリ(t-ブチル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、1-(N,N-ジメチルアミノメチル)-2-(ジt-ブチルホスフィノ)フェロセン、1-(N,N-ジブチルアミノメチル)-2-(ジt-ブチルホスフィノ)フェロセン、1-(メトキシメチル)-2-(ジt-ブチルホスフィノ)フェロセン、1,1’-ビス(ジt-ブチルホスフィノ)フェロセン、2,2’-ビス(ジt-ブチルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル、2-メトキシ-2’-(ジt-ブチルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル等である。
 この反応で用いられる塩基の具体例は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt-ブトキシド、酢酸ナトリウム、リン酸三カリウム、フッ化カリウム等である。
 さらに、この反応で用いられる溶媒の具体例は、ベンゼン、トルエン、キシレン、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジエチルエ-テル、t-ブチルメチルエ-テル、1,4-ジオキサン、メタノ-ル、エタノール、イソプロピルアルコ-ル等である。これらの溶媒は、反応させる芳香族ハライド、トリフラート、芳香族ボロン酸エステルおよび芳香族ボロン酸の構造に応じて適宜選択できる。溶媒は単独で用いてもよく、混合溶媒として用いてもよい。
 また、一般式(2)で表されるベンゾフルオレン化合物においてRおよびRが結合して環(たとえば脂肪族環や芳香族環)を形成した化合物については、例えば特開2009-184993号公報に記載されたスピロ構造を有するベンゾフルオレン化合物の製造方法を参考にして製造することができる。当該公報の段落[0055]にはベンゾフルオレン環の五員環にフルオレン環がスピロ結合した化合物の製造方法(スキーム1c)が記載されており、これを参考にすると、下記スキーム4に従って本願の一般式(2)で表されるベンゾフルオレン化合物を製造することができる。なお、下記スキーム中のMはLi、MgCl、MgBr又はMgIである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000030
 以上は、一般式(2)で表されるベンゾフルオレン化合物の製造方法であるが、一般式(3)で表されるベンゾフルオレン化合物や一般式(1)で表されるフルオレン化合物についても同様にして製造することができる。また、本願発明の化合物には、少なくとも一部の水素原子が重水素で置換されているものも含まれるが、このような化合物は所望の箇所が重水素化された原料を用いることで、上記と同様にして製造することができる。
 また、一般式(4)で表されるジベンゾフルオレン化合物についても、原料をベンゾフルオレン化合物の代わりにジベンゾフルオレン化合物とすることで、上記スキーム(1)~(4)を参考にして同様に製造することができる。また、上記特許文献4(国際公開2011/081403号)に記載された製造方法も参考にすることができる。
 また、一般式(5)または(6)で表されるインデノトリフェニレン化合物についても、原料をベンゾフルオレン化合物の代わりにインデノトリフェニレン化合物とすることで、上記スキーム(1)~(4)を参考にして同様に製造することができる。また、上記特許文献5(中国特許出願公開103508835号)や文献6(国際公開2012/086366号)に記載された製造方法も参考にすることができる。
 また、一般式(7)で表されるインデノピレン化合物についても、原料をベンゾフルオレン化合物の代わりにインデノピレン化合物とすることで、上記スキーム(1)~(4)を参考にして同様に製造することができる。また、上記特許文献7(特開2011-079822号公報)や文献8(国際公開2010/053210号)に記載された製造方法も参考にすることができる。
<その他の発光補助層用材料>
 その他の発光補助層用材料としては、例えば特許文献2(国際公開第2010/134350号)の段落[0079]~[0093]に記載された、ナフタレン誘導体、フェナントレン誘導体、ベンゾフェナントレン誘導体、ジベンゾフェナントレン誘導体、クリセン誘導体、ベンゾクリセン誘導体、フルオランテン誘導体およびトリフェニレン誘導体などが挙げられ、本願発明に係る発光補助層用材料としてのベンゾフルオレン化合物およびフルオレン化合物と併用してもよい。
3.有機EL素子の基板
 基板101は、有機EL素子100の支持体となるものであり、通常、石英、ガラス、金属、プラスチックなどが用いられる。基板101は、目的に応じて板状、フィルム状またはシート状に形成され、例えば、ガラス板、金属板、金属箔、プラスチックフィルムまたはプラスチックシートなどが用いられる。なかでも、ガラス板、およびポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホンなどの透明な合成樹脂製の板が好ましい。ガラス基板であれば、ソーダライムガラスや無アルカリガラスなどが用いられ、また、厚みも機械的強度を保つのに十分な厚みがあればよいので、例えば、0.2mm以上あればよい。厚さの上限値としては、例えば、2mm以下、好ましくは1mm以下である。ガラスの材質については、ガラスからの溶出イオンが少ない方がよいので無アルカリガラスの方が好ましいが、SiOなどのバリアコートを施したソーダライムガラスも市販されているのでこれを使用することができる。また、基板101には、ガスバリア性を高めるために、少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜などのガスバリア膜を設けてもよく、特にガスバリア性が低い合成樹脂製の板、フィルムまたはシートを基板101として用いる場合にはガスバリア膜を設けるのが好ましい。
4.有機EL素子の陽極
 陽極102は、発光層105へ正孔を注入する役割を果たすものである。なお、陽極102と発光層105との間に正孔注入層103および/または正孔輸送層104が設けられている場合には、これらを介して発光層105へ正孔を注入することになる。
 陽極102を形成する材料としては、無機化合物および有機化合物があげられる。無機化合物としては、例えば、金属(アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、クロムなど)、金属酸化物(インジウムの酸化物、スズの酸化物、インジウム-スズ酸化物(ITO)など)、ハロゲン化金属(ヨウ化銅など)、硫化銅、カーボンブラック、ITOガラスやネサガラスなどがあげられる。有機化合物としては、例えば、ポリ(3-メチルチオフェン)などのポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリンなどの導電性ポリマーなどがあげられる。その他、有機EL素子の陽極として用いられている物質の中から適宜選択して用いることができる。
 透明電極の抵抗は、発光素子の発光に十分な電流が供給できさえすれば特に限定されないが、発光素子の消費電力の観点からは低抵抗であることが望ましい。例えば、300Ω/□以下のITO基板であれば素子電極として機能するが、現在では10Ω/□程度の基板の供給も可能になっていることから、例えば100~5Ω/□、好ましくは50~5Ω/□の低抵抗品を使用することが特に望ましい。ITOの厚みは抵抗値に合わせて任意に選ぶ事ができるが、通常100~300nmの間で用いられることが多い。
5.有機EL素子の正孔注入層および正孔輸送層
 正孔注入層103は、陽極102から移動してくる正孔を、効率よく発光層105内または正孔輸送層104内に注入する役割を果たすものである。正孔輸送層104は、陽極102から注入された正孔または陽極102から正孔注入層103を介して注入された正孔を、効率よく発光層105に輸送する役割を果たすものである。正孔注入層103および正孔輸送層104は、それぞれ、正孔注入・輸送材料の一種または二種以上を積層、混合するか、正孔注入・輸送材料と高分子結着剤の混合物により形成される。また、正孔注入・輸送材料に塩化鉄(III)のような無機塩を添加して層を形成してもよい。
 正孔注入・輸送性物質としては電界を与えられた電極間において正極からの正孔を効率よく注入・輸送することが必要で、正孔注入効率が高く、注入された正孔を効率よく輸送することが望ましい。そのためにはイオン化ポテンシャルが小さく、しかも正孔移動度が大きく、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時および使用時に発生しにくい物質であることが好ましい。
 正孔注入層103および正孔輸送層104を形成する材料としては、光導電材料において、正孔の電荷輸送材料として従来から慣用されている化合物、p型半導体、有機EL素子の正孔注入層および正孔輸送層に使用されている公知のものの中から任意のものを選択して用いることができる。それらの具体例は、カルバゾール誘導体(N-フェニルカルバゾール、ポリビニルカルバゾールなど)、ビス(N-アリールカルバゾール)またはビス(N-アルキルカルバゾール)などのビスカルバゾール誘導体、トリアリールアミン誘導体(芳香族第3級アミノを主鎖あるいは側鎖に持つポリマー、1,1-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N’-ジフェニル-N,N’-ジ(3-メチルフェニル)-4,4’-ジアミノビフェニル、N,N’-ジフェニル-N,N’-ジナフチル-4,4’-ジアミノビフェニル(以下、NPDと略記する。)、N,N’-ジフェニル-N,N’-ジ(3-メチルフェニル)-4,4’-ジフェニル-1,1’-ジアミン、N,N’-ジナフチル-N,N’-ジフェニル-4,4’-ジフェニル-1,1’-ジアミン、4,4’,4”-トリス(3-メチルフェニル(フェニル)アミノ)トリフェニルアミンなどのトリフェニルアミン誘導体、スターバーストアミン誘導体など、スチルベン誘導体、フタロシアニン誘導体(無金属、銅フタロシアニンなど)、ピラゾリン誘導体、ヒドラゾン系化合物、ベンゾフラン誘導体やチオフェン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ポルフィリン誘導体などの複素環化合物、ポリシランなどである。ポリマー系では上記単量体を側鎖に有するポリカーボネートやスチレン誘導体、ポリビニルカルバゾールおよびポリシランなどが好ましいが、発光素子の作製に必要な薄膜を形成し、陽極から正孔が注入できて、さらに正孔を輸送できる化合物であれば特に限定されるものではない。
 また、有機半導体の導電性は、そのドーピングにより、強い影響を受けることも知られている。このような有機半導体マトリックス物質は、電子供与性の良好な化合物、または電子受容性の良好な化合物から構成されている。電子供与物質のドーピングのために、テトラシアノキノンジメタン(TCNQ)または2,3,5,6-テトラフルオロテトラシアノ-1,4-ベンゾキノンジメタン(F4TCNQ)などの強い電子受容体が知られている(例えば、文献「M.Pfeiffer,A.Beyer,T.Fritz,K.Leo,Appl.Phys.Lett.,73(22),3202-3204(1998)」および文献「J.Blochwitz,M.Pheiffer,T.Fritz,K.Leo,Appl.Phys.Lett.,73(6),729-731(1998)」を参照)。これらは、電子供与型ベース物質(正孔輸送物質)における電子移動プロセスによって、いわゆる正孔を生成する。正孔の数および移動度によって、ベース物質の伝導性が、かなり大きく変化する。正孔輸送特性を有するマトリックス物質としては、例えばベンジジン誘導体(TPDなど)またはスターバーストアミン誘導体(TDATAなど)、あるいは、特定の金属フタロシアニン(特に、亜鉛フタロシアニンZnPcなど)が知られている(特開2005-167175号公報)。
6.有機EL素子の発光層
 発光層105は、電界を与えられた電極間において、陽極102から注入された正孔と、陰極108から注入された電子とを再結合させることにより発光するものである。発光層105を形成する材料としては、正孔と電子との再結合によって励起されて発光する化合物(発光性化合物)であればよく、安定な薄膜形状を形成することができ、かつ、固体状態で強い蛍光発光効率を示す化合物であるのが好ましい。
 発光層は単一層でも複数層からなってもどちらでもよく、それぞれ発光材料(ホスト材料、ドーパント材料)により形成され、これはホスト材料とドーパント材料との混合物であっても、ホスト材料単独であっても、いずれでもよい。すなわち、発光層の各層において、ホスト材料もしくはドーパント材料のみが発光してもよいし、ホスト材料とドーパント材料がともに発光してもよい。ホスト材料とドーパント材料は、それぞれ一種類であっても、複数の組み合わせであっても、いずれでもよい。ドーパント材料はホスト材料の全体に含まれていても、部分的に含まれていても、いずれであってもよい。ドーパントの使用量はドーパントによって異なり、そのドーパントの特性に合わせて決めればよい。ドーパントの使用量の目安は、好ましくは発光材料全体の0.001~50重量%であり、より好ましくは0.1~10重量%であり、さらに好ましくは1~5重量%である。ドーピング方法としては、ホスト材料との共蒸着法によって形成することができるが、ホスト材料と予め混合してから同時に蒸着してもよい。
 特に、ホスト材料と、発光波長が400~500nmにピークを有する蛍光発光性のドーパント材料とから発光層を形成することが好ましい(ピーク波長は、濃度10-5~10-6モル/リットルのトルエン溶液中で測定した発光スペクトラムにおける、発光強度が最大となる発光スペクトルのピーク波長をいう)。陽極から注入された正孔は正孔注入/輸送層を通して発光層へ注入され、陰極から注入された電子は電子注入/輸送層および発光補助層を通して発光層へ注入される。その後、発光層で正孔と電子が再結合し、一重項励起子と三重項励起子とが生成する。
 この場合、再結合はホスト分子上で起こる場合とドーパント分子上で起こる場合の二通りがある。ここで、ドーパント材料の三重項エネルギーE はホスト材料の三重項エネルギーE より大きいことが好ましい。このエネルギー関係(E <E )にすることにより、ホスト上で再結合し発生した三重項励起子は、より高い三重項エネルギーを持つドーパントには移動せず、また、ドーパント分子上で再結合し発生した三重項励起子は速やかにホスト分子にエネルギー移動する。すなわち、ホスト上の三重項励起子の密度を高めることができ、ホスト上で三重項励起子同士を効率的に衝突させることで、効率的に一重項励起子を生成することができる(効率的なTTF現象)。さらに、ドーパントの一重項エネルギーE は、ホストの一重項エネルギーE より小さいため、TTF現象によって生成された一重項励起子は、ホストからドーパントへエネルギー移動しドーパントの蛍光性発光に寄与する。本来、蛍光型素子に用いられるドーパントにおいては、励起三重項状態から基底状態への遷移は禁制であり、このような遷移では三重項励起子は光学的なエネルギー失活をせず、熱的失活を起こしていた。しかし、ホストとドーパントの三重項エネルギーの関係を上記のようにすることにより、三重項励起子が熱的失活を起こす前に互いの衝突により効率的に一重項励起子を生成し、発光効率を向上させることができる。
 また、発光補助層の三重項エネルギーを考慮したホスト材料およびドーパント材料の選択については、上述するように本願発明の発光補助層用材料としてのベンゾフルオレン化合物およびフルオレン化合物は比較的高い三重項エネルギーE を有するため、有機EL素子用のホスト材料および蛍光発光性ドーパント材料として一般的に用いられている材料を選択すれば、発光層で生成した三重項励起子を発光層内へ閉じ込めて効率的にTTF現象を生じさせることができる。
 さらに効率的にTTF現象を生じさせるためには、本願発明は特定の原理に束縛されるわけではないが、ホスト材料は、その三重項エネルギーE が発光補助層用材料の三重項エネルギーE よりも小さいものを選択することが好ましい。また、ドーパント材料も、その三重項エネルギーE が発光補助層用材料の三重項エネルギーE よりも小さいものを選択することが好ましい。
<ホスト材料>
 ホスト材料としては、例えば、アントラセン誘導体およびピレン誘導体などが挙げられる。
<ホスト材料としてのアントラセン誘導体>
 アントラセン誘導体は例えば下記式(H1)で表されるものである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000031
 上記式(H1)において、
 R11~R18は、それぞれ独立して、水素、アルキル(好ましくは炭素数1~12のアルキル)、シクロアルキル(好ましくは炭素数3~12のシクロアルキル)またはアリール(好ましくは炭素数6~30のアリール)であり、
 Ar11およびAr12は、それぞれ独立して、置換されていてもよいアリール(好ましくは置換されていてもよい炭素数6~30のアリール)であり、
 nは1~3の整数であり、nが2以上の場合は、角括弧内に示されるそれぞれのアントラセン構造が同じであっても異なっていてもよく、そして、
 アントラセン誘導体における少なくとも1つの水素が重水素で置換されていてもよい。
 Ar11およびAr12は、それぞれ独立して、置換されていてもよいアリール(好ましくは置換されていてもよい炭素数6~30のアリール)であり、Ar11とAr12が異なっていても同じであってもよい。好ましいアリールは炭素数6~18のアリールであり、より好ましくは炭素数6~14のアリールであり、さらに好ましくは炭素数6~12のアリールである。
 具体的な「炭素数6~30のアリール」としては、単環系アリールであるフェニル、縮合二環系アリールである(1-,2-)ナフチル、縮合三環系アリールである、アセナフチレン-(1-,3-,4-,5-)イル、フルオレン-(1-,2-,3-,4-,9-)イル、フェナレン-(1-,2-)イル、(1-,2-,3-,4-,9-)フェナントリル、縮合四環系アリールであるトリフェニレン-(1-,2-)イル、ピレン-(1-,2-,4-)イル、ナフタセン-(1-,2-,5-)イル、縮合五環系アリールであるペリレン-(1-,2-,3-)イル、ペンタセン-(1-,2-,5-,6-)イルなどがあげられる。
 好ましい「炭素数6~30のアリール」は、フェニル、ナフチル、フェナントリル、クリセニルまたはトリフェニレニルなどが挙げられ、さらに好ましくはフェニル、1-ナフチル、2-ナフチルまたはフェナントリルが挙げられ、特に好ましくはフェニル、1-ナフチルまたは2-ナフチルが挙げられる。
 「炭素数6~30のアリール」への置換基としては、所望の特性が得られるものであれば特に限定されないが、好ましくは、炭素数1~12のアルキル、炭素数3~12のシクロアルキルまたは炭素数6~18のアリールなどが挙げられる。
 この置換基としての「炭素数1~12のアルキル」については、直鎖および分枝鎖のいずれでもよい。すなわち、炭素数1~12の直鎖アルキルまたは炭素数3~12の分枝鎖アルキルである。より好ましくは、炭素数1~6のアルキル(炭素数3~6の分枝鎖アルキル)であり、さらに好ましくは、炭素数1~4のアルキル(炭素数3~4の分枝鎖アルキル)である。具体例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t-ペンチル、n-ヘキシル、1-メチルペンチル、4-メチル-2-ペンチル、3,3-ジメチルブチルまたは2-エチルブチルなどがあげられ、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチルまたはt-ブチルが好ましく、メチル、イソプロピルまたはt-ブチルがより好ましい。
 また、この置換基としての「炭素数3~12のシクロアルキル」については、具体例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロペンチル、シクロヘプチル、メチルシクロヘキシル、シクロオクチルまたはジメチルシクロヘキシルなどがあげられる。これらの中でも、シクロペンチルまたはシクロヘキシルが好ましい。
 また、この置換基としての「炭素数6~18のアリール」については、炭素数6~14のアリールが好ましく、炭素数6~10のアリールが特に好ましい。具体例としては、フェニル、(2-,3-,4-)ビフェニリル、(1-,2-)ナフチル、(1-,2-,3-,4-,9-)フェナントリル、(1-,2-)トリフェニレニルなどである。
 Ar11およびAr12(炭素数6~30のアリール)には「置換基」がないのが好ましいが、置換基を有する場合には、置換基の数は、例えば、最大置換可能な数であり、好ましくは1~3個、より好ましくは1~2個、さらに好ましくは1個である。
 R11~R18は、それぞれ独立して、水素、アルキル(好ましくは炭素数1~12のアルキル)、シクロアルキル(好ましくは炭素数3~12のシクロアルキル)またはアリール(好ましくは炭素数6~30のアリール)を表す。
 R11~R18である「炭素数1~12のアルキル」、「炭素数3~12のシクロアルキル」および「炭素数6~30のアリール」として、その具体的な説明は上記Ar11およびAr12の欄での説明を引用することができる。
 nは1~3の整数である。nが2以上の場合は、角括弧内に示されるそれぞれのアントラセン構造が同じであっても異なっていてもよい。好ましいnは1または2であり、より好ましいnは1である。
 上記式(H1)で表されるアントラセン誘導体は公知の原料と公知の合成方法を用いて製造することができる(例えば特開2012-104806号公報を参照)。
 また、アントラセン誘導体として下記式(H2)で表されるものも好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000032
 上記式(H2)において、
 R11~R18、Ar11およびnは、式(H1)におけるR11~R18、Ar11およびnの説明を引用することができ、
 Aは、それぞれ独立して、水素、炭素数1~4のアルキル、炭素数3~6のシクロアルキル、フェニルまたはナフチルであり、mは1~5の整数であり、そして、
 アントラセン誘導体における少なくとも1つの水素が重水素で置換されていてもよい。
 なお、炭素数1~4のアルキルおよび炭素数3~6のシクロアルキルについては、式(H1)における説明を引用することができる。
 上記式(H2)で表されるアントラセン誘導体は公知の原料と公知の合成方法を用いて製造することができる(例えば特開2012-104806号公報を参照)。
 上記式(H1)および(H2)で表されるアントラセン誘導体の具体例としては、例えば以下に示すものが挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000033
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000034
<ホスト材料としてのピレン誘導体>
 ピレン誘導体は例えば下記式(H3)で表されるものである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000035
 上記式(H3)において、
 R11~R18、Ar11、Ar12およびnは、式(H1)におけるR11~R18、Ar11、Ar12およびnの説明を引用することができ、そして、
 ピレン誘導体における少なくとも1つの水素が重水素で置換されていてもよい。
 上記式(H3)で表されるピレン誘導体は公知の原料と公知の合成方法を用いて製造することができる。
 また、ピレン誘導体として下記式(H4)で表されるものも好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000036
 上記式(H4)において、
 R11~R18、Ar11およびAr12は、いずれか1つがφとの結合基であり、それ以外は式(H1)におけるR11~R18、Ar11およびAr12の説明を引用することができ、
 φは、n価のアリール環(好ましくはn価のベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環、ベンゾフルオレン環、フェナレン環、フェナントレン環またはトリフェニレン環)であり、nは1~4の整数であり、そして、
 ピレン誘導体における少なくとも1つの水素が重水素で置換されていてもよい。
 上記式(H4)で表されるピレン誘導体は公知の原料と公知の合成方法を用いて製造することができる。
<その他のホスト材料>
 その他のホスト材料としては、例えばトリス(8-キノリノラト)アルミニウムをはじめとする金属キレート化オキシノイド化合物、ビススチリルアントラセン誘導体やジスチリルベンゼン誘導体などのビススチリル誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピロロピリジン誘導体、ペリノン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、ピロロピロール誘導体、フルオレン誘導体、ベンゾフルオレン誘導体、ポリマー系では、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、そして、化学工業2004年6月号13頁、および、それにあげられた参考文献などに記載された化合物などが挙げられ、上述したホスト材料と併用することができる。
<ドーパント材料>
 ドーパント材料としては、例えば、アミン含有ベンゾフルオレン誘導体、アミン含有ピレン誘導体、アミン非含有ピレン誘導体、アミン含有クリセン誘導体およびアミン含有スチリル誘導体などが挙げられる。
<ドーパント材料としてのアミン含有ベンゾフルオレン誘導体>
 アミン含有ベンゾフルオレン誘導体は例えば下記式(D1)で表されるものである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000037
 上記式(D1)において、
 R11およびR12は、それぞれ独立して、アルキル(好ましくは炭素数1~12のアルキル)、シクロアルキル(好ましくは炭素数3~12のシクロアルキル)またはアリール(好ましくは炭素数6~30のアリール)であり、
 Ar11~Ar14は、それぞれ独立して、置換されていてもよいアリール(好ましくは置換されていてもよい炭素数6~30のアリール)であり、Ar11とAr13またはAr12とAr14が結合して環を形成していてもよく、そして、
 アミン含有ベンゾフルオレン誘導体における少なくとも1つの水素が重水素で置換されていてもよい。
 また、上記式(D1)では2つのアミノ基(-N(Ar))が置換した例を示しているが、いずれか一方が水素原子になったアミン含有ベンゾフルオレン誘導体、すなわち、アミノ基(-N(Ar))が1つだけ置換したアミン含有ベンゾフルオレン誘導体であってもよい。
 Ar11~Ar14は、それぞれ独立して、置換されていてもよいアリール(好ましくは置換されていてもよい炭素数6~30のアリール)であり、Ar11~Ar14の全てが異なっていても同じであってもよい。好ましいアリールは炭素数6~18のアリールであり、より好ましくは炭素数6~14のアリールであり、さらに好ましくは炭素数6~12のアリールである。
 具体的な「炭素数6~30のアリール」としては、単環系アリールであるフェニル、縮合二環系アリールである(1-,2-)ナフチル、縮合三環系アリールである、アセナフチレン-(1-,3-,4-,5-)イル、フルオレン-(1-,2-,3-,4-,9-)イル、フェナレン-(1-,2-)イル、(1-,2-,3-,4-,9-)フェナントリル、縮合四環系アリールであるトリフェニレン-(1-,2-)イル、ピレン-(1-,2-,4-)イル、ナフタセン-(1-,2-,5-)イル、縮合五環系アリールであるペリレン-(1-,2-,3-)イル、ペンタセン-(1-,2-,5-,6-)イルなどがあげられる。
 好ましい「炭素数6~30のアリール」は、フェニル、ナフチル、フェナントリル、クリセニルまたはトリフェニレニルなどが挙げられ、さらに好ましくはフェニル、1-ナフチル、2-ナフチルまたはフェナントリルが挙げられ、特に好ましくはフェニル、1-ナフチルまたは2-ナフチルが挙げられる。
 Ar11とAr13またはAr12とAr14が結合して環を形成していてもよく、例えばAr11とAr13(またはAr12とAr14)がフェニル基の場合には、これらが結合することで、アミン含有ベンゾフルオレン誘導体中の「N(窒素原子)」を含んでカルバゾール環が形成され、一方または両方がナフチル基の場合にはベンゾカルバゾール環またはジベンゾカルバゾール環が形成される。
 「炭素数6~30のアリール」への置換基としては、所望の特性が得られるものであれば特に限定されないが、好ましくは、アルキル、シクロアルキル、アリール、置換シリル、シアノ、フッ素があげられる。
 具体的な置換基としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、t-オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシルなどのアルキル;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどのシクロアルキル;フェニル、ビフェニリル、ナフチル、テルフェニリル、フェナントリルなどのアリール;メチルフェニル、エチルフェニル、s-ブチルフェニル、t-ブチルフェニル、1-メチルナフチル、2-メチルナフチル、1,6-ジメチルナフチル、2,6-ジメチルナフチル、4-t-ブチルナフチルなどのアルキルアリール;シアノ;フッ素などがあげられる。
 置換基がアルキル基であって、Ar11(またはAr12~Ar14)に2つ置換している場合には、これらが結合して環を形成してもよく、この環としては例えばシクロペンタン環やシクロヘキサン環などが挙げられる。
 置換基が「置換シリル」の場合、シリル基における3つの水素が、それぞれ独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s-ブチル、t-ブチル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ビフェニリルまたはナフチルなどで置換されているものが挙げられる。
 具体的な「置換シリル」としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリイソプロピルシリル、トリブチルシリル、トリs-ブチルシリル、トリt-ブチルシリル、エチルジメチルシリル、プロピルジメチルシリル、イソプロピルジメチルシリル、ブチルジメチルシリル、s-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジメチルシリル、メチルジエチルシリル、プロピルジエチルシリル、イソプロピルジエチルシリル、ブチルジエチルシリル、s-ブチルジエチルシリル、t-ブチルジエチルシリル、メチルジプロピルシリル、エチルジプロピルシリル、ブチルジプロピルシリル、s-ブチルジプロピルシリル、t-ブチルジプロピルシリル、メチルジイソプロピルシリル、エチルジイソプロピルシリル、ブチルジイソプロピルシリル、s-ブチルジイソプロピルシリル、t-ブチルジイソプロピルシリルなどのトリアルキルシリルが挙げられる。また、フェニルジメチルシリル、フェニルジエチルシリル、フェニルジt-ブチルシリル、メチルジフェニルシリル、エチルジフェニルシリル、プロピルジフェニルシリル、イソプロピルジフェニルシリル、ブチルジフェニルシリル、s-ブチルジフェニルシリル、t-ブチルジフェニルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。
 R11およびR12における「炭素数1~12のアルキル」については、直鎖および分枝鎖のいずれでもよい。すなわち、炭素数1~12の直鎖アルキルまたは炭素数3~12の分枝鎖アルキルである。より好ましくは、炭素数1~6のアルキル(炭素数3~6の分枝鎖アルキル)であり、さらに好ましくは、炭素数1~4のアルキル(炭素数3~4の分枝鎖アルキル)である。具体例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t-ペンチル、n-ヘキシル、1-メチルペンチル、4-メチル-2-ペンチル、3,3-ジメチルブチルまたは2-エチルブチルなどがあげられ、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチルまたはt-ブチルが好ましく、メチル、イソプロピルまたはt-ブチルがより好ましい。
 R11およびR12における「炭素数3~12のシクロアルキル」については、具体例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロペンチル、シクロヘプチル、メチルシクロヘキシル、シクロオクチルまたはジメチルシクロヘキシルなどがあげられる。これらの中でも、シクロペンチルまたはシクロヘキシルが好ましい。
 R11およびR12における「炭素数6~30のアリール」として、その具体的な説明は上記Ar11~Ar14の欄での説明を引用することができる。
 上記式(D1)で表されるアミン含有ベンゾフルオレン誘導体は公知の原料と公知の合成方法を用いて製造することができる。
<ドーパント材料としてのアミン含有ピレン誘導体>
 アミン含有ピレン誘導体は例えば下記式(D2)で表されるものである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000038
 上記式(D2)において、
 R11~R18は、それぞれ独立して、水素、置換されていてもよいアルキル(好ましくは置換されていてもよい炭素数1~12のアルキル)、置換されていてもよいシクロアルキル(好ましくは置換されていてもよい炭素数3~12のシクロアルキル)、置換されていてもよいアリール(好ましくは置換されていてもよい炭素数6~30のアリール)、または置換されていてもよいヘテロアリール(好ましくは置換されていてもよい環形成原子数5~30のヘテロアリール)であり、
 Ar11~Ar14は、それぞれ独立して、置換されていてもよいアリール(好ましくは置換されていてもよい炭素数6~30のアリール)、または置換されていてもよいヘテロアリール(好ましくは置換されていてもよい環形成原子数5~30のヘテロアリール)であり、そして、
 アミン含有ピレン誘導体における少なくとも1つの水素が重水素で置換されていてもよい。
 また、上記式(D2)では2つのアミノ基(-N(Ar))が置換した例を示しているが、いずれか一方が水素原子になったアミン含有ピレン誘導体、すなわち、アミノ基(-N(Ar))が1つだけ置換したアミン含有ピレン誘導体であってもよい。
 Ar11~Ar14における「置換されていてもよいアリール」の「アリール」は、炭素数6~30のアリールであり、好ましい「アリール」は炭素数6~16のアリールであり、より好ましくは炭素数6~12のアリールである。
 具体的な「アリール」としては、単環系アリールであるフェニル、縮合二環系アリールである(1-,2-)ナフチル、縮合三環系アリールである、アセナフチレン-(1-,3-,4-,5-)イル、フルオレン-(1-,2-,3-,4-,9-)イル、フェナレン-(1-,2-)イル、(1-,2-,3-,4-,9-)フェナントリル、縮合四環系アリールであるトリフェニレン-(1-,2-)イル、ピレン-(1-,2-,4-)イル、ナフタセン-(1-,2-,5-)イル、縮合五環系アリールであるペリレン-(1-,2-,3-)イル、ペンタセン-(1-,2-,5-,6-)イルなどがあげられる。
 Ar11~Ar14における、特に好ましい「アリール」は、フェニル、ビフェニリル、テルフェニリル、クアテルフェニリル、ナフチルおよびフェナントリルであり、これらの中でも、フェニル、4-ビフェニリル、1-ナフチル、2-ナフチルが好ましい。
 Ar11~Ar14における「置換されていてもよいヘテロアリール」の「ヘテロアリール」は、環形成原子数5~30のヘテロアリールであり、好ましい「ヘテロアリール」は、環形成原子数5~24のヘテロアリールであり、より好ましくは環形成原子数5~18のヘテロアリールであり、特に好ましくは環形成原子数5~12のヘテロアリールである。
 また、「ヘテロアリール」としては、例えば環構成原子として炭素以外に酸素、硫黄および窒素から選ばれるヘテロ原子を1ないし5個含有する複素環基などがあげられ、例えば、芳香族複素環基などがあげられる。
 「複素環基」としては、例えば、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、インドリル、イソインドリル、1H-インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1H-ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリル、キナゾリル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、インドリジニルなどがあげられ、イミダゾリル、ピリジル、カルバゾリルなどが好ましい。
 「芳香族複素環基」としては、例えば、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、フラザニル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、ベンゾ[b]チエニル、ジベンゾチオフェニル、インドリル、イソインドリル、1H-インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1H-ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリル、キナゾリル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、インドリジニルなどがあげられ、チエニル、イミダゾリル、ピリジル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、カルバゾリルなどが好ましい。
 R11~R18における「置換されていてもよいアルキル」の「アルキル」としては、直鎖および分枝鎖のいずれでもよい。すなわち、炭素数1~12の直鎖アルキルまたは炭素数3~12の分枝鎖アルキルである。より好ましくは、炭素数1~6のアルキル(炭素数3~6の分枝鎖アルキル)であり、さらに好ましくは、炭素数1~4のアルキル(炭素数3~4の分枝鎖アルキル)である。具体例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t-ペンチル、n-ヘキシル、1-メチルペンチル、4-メチル-2-ペンチル、3,3-ジメチルブチルまたは2-エチルブチルなどがあげられ、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチルまたはt-ブチルが好ましく、メチル、イソプロピルまたはt-ブチルがより好ましい。
 R11~R18における「置換されていてもよいシクロアルキル」の「シクロアルキル」は、炭素数3~12のシクロアルキルであり、好ましい「シクロアルキル」は、炭素数3~10のシクロアルキルである。より好ましい「シクロアルキル」は、炭素数3~8のシクロアルキルである。さらに好ましい「シクロアルキル」は、炭素数3~6のシクロアルキルである。
 具体的な「シクロアルキル」としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロペンチル、シクロヘプチル、メチルシクロヘキシル、シクロオクチルまたはジメチルシクロヘキシルなどがあげられる。
 R11~R18である「置換されていてもよいアリール」および「置換されていてもよいヘテロアリール」として、その具体的な説明は上記Ar11~Ar14の欄での説明を引用することができる。
 Ar11~Ar14およびR11~R18における「置換されていてもよい~」の置換基としては、アルキル、シクロアルキル、アリール、置換シリル、シアノ、フッ素があげられるが、これらの好ましいものとしては、それぞれ、R11~R18における「アルキル」、「シクロアルキル」の欄で説明したもの、Ar11~Ar14における「アリール」の欄で説明したものがあげられる。
 Ar11~Ar14およびR11~R18には「置換基」がないのが好ましいが、置換基を有する場合には、具体的には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、t-オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシルなどのアルキル;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどのシクロアルキル;フェニル、ビフェニリル、ナフチル、テルフェニリル、フェナントリルなどのアリール;メチルフェニル、エチルフェニル、s-ブチルフェニル、t-ブチルフェニル、1-メチルナフチル、2-メチルナフチル、1,6-ジメチルナフチル、2,6-ジメチルナフチル、4-t-ブチルナフチルなどのアルキルアリール;シアノ;フッ素などがあげられる。
 「置換基」がアルキル基であって、Ar11(またはAr12~Ar14)に2つ置換している場合には、これらが結合して環を形成してもよく、この環としては例えばシクロペンタン環やシクロヘキサン環などが挙げられる。
 「置換されていてもよい~」の置換基として「置換シリル」の場合、シリル基における3つの水素が、それぞれ独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s-ブチル、t-ブチル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ビフェニリルまたはナフチルなどで置換されているものが挙げられる。
 具体的な「置換シリル」としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリイソプロピルシリル、トリブチルシリル、トリs-ブチルシリル、トリt-ブチルシリル、エチルジメチルシリル、プロピルジメチルシリル、イソプロピルジメチルシリル、ブチルジメチルシリル、s-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジメチルシリル、メチルジエチルシリル、プロピルジエチルシリル、イソプロピルジエチルシリル、ブチルジエチルシリル、s-ブチルジエチルシリル、t-ブチルジエチルシリル、メチルジプロピルシリル、エチルジプロピルシリル、ブチルジプロピルシリル、s-ブチルジプロピルシリル、t-ブチルジプロピルシリル、メチルジイソプロピルシリル、エチルジイソプロピルシリル、ブチルジイソプロピルシリル、s-ブチルジイソプロピルシリル、t-ブチルジイソプロピルシリルなどのトリアルキルシリルが挙げられる。また、フェニルジメチルシリル、フェニルジエチルシリル、フェニルジt-ブチルシリル、メチルジフェニルシリル、エチルジフェニルシリル、プロピルジフェニルシリル、イソプロピルジフェニルシリル、ブチルジフェニルシリル、s-ブチルジフェニルシリル、t-ブチルジフェニルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。
 Ar11~Ar14およびR11~R18には「置換基」がないのが好ましいが、置換基を有する場合には、置換基の数は、例えば、最大置換可能な数であり、好ましくは1~3個、より好ましくは1~2個、さらに好ましくは1個である。また、アミン含有ピレン誘導体における少なくとも1つの水素が重水素で置換されていてもよい。
 上記式(D2)で表されるアミン含有ピレン誘導体は公知の原料と公知の合成方法を用いて製造することができる。
<ドーパント材料としてのアミン非含有ピレン誘導体>
 アミン非含有ピレン誘導体は例えば下記式(D3)で表されるものである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000039
 上記式(D3)において、
 R11~R16は、式(D2)におけるR11~R18の説明を引用することができ、
 Ar11~Ar14は、式(D2)におけるAr11~Ar14の説明を引用することができ、そして、
 アミン非含有ピレン誘導体における少なくとも1つの水素が重水素で置換されていてもよい。
 上記式(D3)で表されるアミン非含有ピレン誘導体は公知の原料と公知の合成方法を用いて製造することができる。
<ドーパント材料としてのアミン含有クリセン誘導体>
 アミン含有クリセン誘導体は例えば下記式(D4)で表されるものである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000040
 上記式(D4)において、
 R11~R18は、式(D2)におけるR11~R18の説明を引用することができ、
 Ar11~Ar14は、式(D2)におけるAr11~Ar14の説明を引用することができ、そして、
 アミン含有クリセン誘導体における少なくとも1つの水素が重水素で置換されていてもよい。
 また、上記式(D4)では2つのアミノ基(-N(Ar))が置換した例を示しているが、いずれか一方が水素原子になったアミン含有クリセン誘導体、すなわち、アミノ基(-N(Ar))が1つだけ置換したアミン含有クリセン誘導体であってもよい。
 上記式(D4)で表されるアミン含有クリセン誘導体は公知の原料と公知の合成方法を用いて製造することができる。
<ドーパント材料としてのアミン含有スチリル誘導体>
 アミン含有スチリル誘導体は例えば下記式(D5)で表されるものである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000041
 上記式(D5)において、
 Ar11~Ar14は、それぞれ独立して、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリールであり、
 Ar15~Ar17は、それぞれ独立して、置換されていてもよいアリーレンまたは置換されていてもよいヘテロアリーレンであり、
 l、m、及びnは、それぞれ独立して、1~3の整数であり、pは0~2の整数であり、
 lが2以上の場合、Ar15がそれぞれ同じでも異なってもよく、
 mが2以上の場合、Ar16がそれぞれ同じでも異なってもよく、
 pが1以上で、nが2以上の場合、Ar17がそれぞれ同じでも異なってもよく、
 pが2以上で、nが1の場合、Ar17がそれぞれ同じでも異なってもよく、
 Ar11~Ar17の置換基は、ハロゲン、アルキル、アリール、ヘテロアリール、置換されていてもよいシリルまたはシアノである。
 また、上記式(D5)では2つのアミノ基(-N(Ar))が置換した例を示しているが、いずれか一方が水素原子になったアミン含有スチリル誘導体、すなわち、アミノ基(-N(Ar))が1つだけ置換したアミン含有スチリル誘導体であってもよい。
 Ar11~Ar17における置換されていてもよいアリールおよび置換されていてもよいヘテロアリールとしては、式(D2)におけるAr11~Ar14の説明を引用することができ、Ar11~Ar17の置換基であるアルキル、アリール、ヘテロアリールおよび置換されていてもよいシリルとしては、式(D2)におけるAr11~Ar14およびR11~R18における置換基として説明したものを引用することができる。
 より具体的なアミン含有スチリル誘導体は例えば下記式(D6)で表されるものである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000042
 上記式(D6)において、
 Ar11~Ar14は、式(D2)におけるAr11~Ar14の説明を引用することができ、そして、
 アミン含有スチリル誘導体における少なくとも1つの水素が重水素で置換されていてもよい。
 また、上記式(D6)では2つのアミノ基(-N(Ar))が置換した例を示しているが、いずれか一方が水素原子になったアミン含有スチリル誘導体、すなわち、アミノ基(-N(Ar))が1つだけ置換したアミン含有スチリル誘導体であってもよい。
 上記式(D5)および(D6)で表されるアミン含有スチリル誘導体は公知の原料と公知の合成方法を用いて製造することができる。
 他のアミン含有スチリル誘導体としては、例えば、N,N,N’,N’-テトラ(4-ビフェニリル)-4、4’-ジアミノスチルベン、N,N,N’,N’-テトラ(1-ナフチル)-4、4’-ジアミノスチルベン、N,N,N’,N’-テトラ(2-ナフチル)-4、4’-ジアミノスチルベン、N,N’-ジ(2-ナフチル)-N,N’-ジフェニル-4、4’-ジアミノスチルベン、N,N’-ジ(9-フェナントリル)-N,N’-ジフェニル-4、4’-ジアミノスチルベン、4,4’-ビス[4”-ビス(ジフェニルアミノ)スチリル]-ビフェニル、1,4-ビス[4’-ビス(ジフェニルアミノ)スチリル]-ベンゼン、2,7-ビス[4’-ビス(ジフェニルアミノ)スチリル]-9,9-ジメチルフルオレン、4,4’-ビス(9-エチル-3-カルバゾビニレン)-ビフェニル、4,4’-ビス(9-フェニル-3-カルバゾビニレン)-ビフェニルなどがあげられる。また、特開2003-347056号公報、および特開2001-307884号公報などに記載されたアミン含有スチリル誘導体を用いてもよい。
<その他のドーパント材料>
 その他のドーパント材料としては、例えばペリレン誘導体、ボラン誘導体、芳香族アミン誘導体およびクマリン誘導体、さらに、化学工業2004年6月号13頁、および、それにあげられた参考文献などに記載された化合物などが挙げられ、上述したドーパント材料と併用してもよい。
 ペリレン誘導体としては、例えば、3,10-ビス(2,6-ジメチルフェニル)ペリレン、3,10-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)ペリレン、3,10-ジフェニルペリレン、3,4-ジフェニルペリレン、2,5,8,11-テトラ-t-ブチルペリレン、3,4,9,10-テトラフェニルペリレン、3-(1’-ピレニル)-8,11-ジ(t-ブチル)ペリレン、3-(9’-アントリル)-8,11-ジ(t-ブチル)ペリレン、3,3’-ビス(8,11-ジ(t-ブチル)ペリレニル)などがあげられる。また、特開平11-97178号公報、特開2000-133457号公報、特開2000-26324号公報、特開2001-267079号公報、特開2001-267078号公報、特開2001-267076号公報、特開2000-34234号公報、特開2001-267075号公報、および特開2001-217077号公報などに記載されたペリレン誘導体を用いてもよい。
 ボラン誘導体としては、例えば、1,8-ジフェニル-10-(ジメシチルボリル)アントラセン、9-フェニル-10-(ジメシチルボリル)アントラセン、4-(9’-アントリル)ジメシチルボリルナフタレン、4-(10’-フェニル-9’-アントリル)ジメシチルボリルナフタレン、9-(ジメシチルボリル)アントラセン、9-(4’-ビフェニリル)-10-(ジメシチルボリル)アントラセン、9-(4’-(N-カルバゾリル)フェニル)-10-(ジメシチルボリル)アントラセンなどがあげられる。また、国際公開第2000/40586号などに記載されたボラン誘導体を用いてもよい。
 芳香族アミン誘導体としては、例えば、N,N,N,N-テトラフェニルアントラセン-9,10-ジアミン、9,10-ビス(4-ジフェニルアミノ-フェニル)アントラセン、9,10-ビス(4-ジ(1-ナフチルアミノ)フェニル)アントラセン、9,10-ビス(4-ジ(2-ナフチルアミノ)フェニル)アントラセン、10-ジ-p-トリルアミノ-9-(4-ジ-p-トリルアミノ-1-ナフチル)アントラセン、10-ジフェニルアミノ-9-(4-ジフェニルアミノ-1-ナフチル)アントラセン、10-ジフェニルアミノ-9-(6-ジフェニルアミノ-2-ナフチル)アントラセン、[4-(4-ジフェニルアミノ-フェニル)ナフタレン-1-イル]-ジフェニルアミン、[4-(4-ジフェニルアミノ-フェニル)ナフタレン-1-イル]-ジフェニルアミン、[6-(4-ジフェニルアミノ-フェニル)ナフタレン-2-イル]-ジフェニルアミン、4,4’-ビス[4-ジフェニルアミノナフタレン-1-イル]ビフェニル、4,4’-ビス[6-ジフェニルアミノナフタレン-2-イル]ビフェニル、4,4”-ビス[4-ジフェニルアミノナフタレン-1-イル]-p-テルフェニル、4,4”-ビス[6-ジフェニルアミノナフタレン-2-イル]-p-テルフェニルなどがあげられる。また、特開2006-156888号公報などに記載された芳香族アミン誘導体を用いてもよい。
 クマリン誘導体としては、クマリン-6、クマリン-334などがあげられる。また、特開2004-43646号公報、特開2001-76876号公報、および特開平6-298758号公報などに記載されたクマリン誘導体を用いてもよい。
7.有機EL素子の電子注入層および電子輸送層
 電子注入層107は、陰極108から移動してくる電子を、効率よく電子輸送層106内に注入する役割を果たすものである。電子輸送層106は、陰極108から注入された電子または陰極108から電子注入層107を介して注入された電子を、効率よく発光補助層110に輸送する役割を果たすものである。電子輸送層106および電子注入層107は、それぞれ、電子輸送・注入材料の一種または二種以上を積層、混合するか、電子輸送・注入材料と高分子結着剤の混合物により形成される。
 電子注入・輸送層とは、陰極から電子が注入され、さらに電子を輸送することを司る層であり、電子注入効率が高く、注入された電子を効率よく輸送することが望ましい。そのためには電子親和力が大きく、しかも電子移動度が大きく、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時および使用時に発生しにくい物質であることが好ましい。しかしながら、正孔と電子の輸送バランスを考えた場合に、陽極からの正孔が再結合せずに陰極側へ流れるのを効率よく阻止できる役割を主に果たす場合には、電子輸送能力がそれ程高くなくても、発光効率を向上させる効果は電子輸送能力が高い材料と同等に有する。したがって、本実施形態における電子注入・輸送層は、正孔の移動を効率よく阻止できる層の機能も含まれてもよい。
 本願発明では、電子輸送層からの電子は発光補助層を介して発光層へ輸送されることになるため、電子輸送層から発光補助層への電子輸送が滞ることで発光層への電子注入性が大きく低下するなどした場合、発光層における電子-正孔の再結合が減ることで三重項励起子の密度が小さくなり、三重項励起子の衝突頻度が減る結果、効率よくTTF現象が起らなくなってしまう。仮に電子輸送層から発光補助層への電子注入が大きく損なわれる場合、電子輸送層に電子が蓄積し、高電圧化を引き起こすとともに、蓄積電子が三重項励起子と衝突してエネルギーがクエンチされる可能性がある。
 本願発明に係る発光補助層用材料としてのベンゾフルオレン化合物およびフルオレン化合物は、上述した特定構造に由来する比較的大きいアフィニティAを有するため、有機EL素子用の電子輸送材料として一般的に用いられているほとんどの材料に対して、電子輸送層から発光層への電子注入性を大きく低下させたり、阻害したりすることがない。
 さらに効率的に電子輸送層から発光層へ電子注入するためには、本願発明は特定の原理に束縛されるわけではないが、電子輸送材料は、そのアフェニティAが発光補助層用材料のアフィニティAと、A>A-0.8eVの関係を満たすようなものを選択することが好ましい。この関係は、A>A-0.6eVを満たすことがより好ましく、A>A-0.5eVを満たすことがさらに好ましい。
<電子輸送層用材料>
 電子輸送層用材料としては、複素環含有化合物が好ましく、例えば、ピリジン誘導体、チアゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、フェナントロリン誘導体およびホスフィンオキサイド誘導体などが挙げられる。なお、これらの材料は、電子注入層用の材料として用いてもよい。
<電子輸送層用材料としてのピリジン誘導体>
 ピリジン誘導体は例えば下記式(ET1)~(ET3)で表されるものである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000043
 上記式(ET1)において、
 φは、n価のアリール環(好ましくはn価のベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環、ベンゾフルオレン環、フェナレン環、フェナントレン環またはトリフェニレン環)であり、nは1~4の整数であり、
 上記式(ET2)において、
 R11~R18は、それぞれ独立して、水素、アルキル(好ましくは炭素数1~24のアルキル)、シクロアルキル(好ましくは炭素数3~12のシクロアルキル)またはアリール(好ましくは炭素数6~30のアリール)であり、
 上記式(ET3)において、
 R11およびR12は、それぞれ独立して、水素、アルキル(好ましくは炭素数1~24のアルキル)、シクロアルキル(好ましくは炭素数3~12のシクロアルキル)またはアリール(好ましくは炭素数6~30のアリール)であり、R11およびR12は結合して環を形成していてもよく、
 上記式(ET1)~式(ET3)において、
 「ピリジン系置換基」は、下記式(Py-1)~式(Py-15)のいずれかであり、ピリジン系置換基はそれぞれ独立して炭素数1~4のアルキルで置換されていてもよく、そして、
 各ピリジン誘導体における少なくとも1つの水素が重水素で置換されていてもよい。
 また、上記式(ET2)および式(ET3)における2つの「ピリジン系置換基」のうちの一方はアリールで置き換えられていてもよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000044
 R11~R18における「アルキル」としては、直鎖及び分枝鎖のいずれでもよく、例えば、炭素数1~24の直鎖アルキル又は炭素数3~24の分枝鎖アルキルがあげられる。好ましい「アルキル」は、炭素数1~18のアルキル(炭素数3~18の分枝鎖アルキル)である。より好ましい「アルキル」は、炭素数1~12のアルキル(炭素数3~12の分枝鎖アルキル)である。さらに好ましい「アルキル」は、炭素数1~6のアルキル(炭素数3~6の分枝鎖アルキル)である。特に好ましい「アルキル」は、炭素数1~4のアルキル(炭素数3~4の分枝鎖アルキル)である。
 具体的な「アルキル」としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t-ペンチル、n-ヘキシル、1-メチルペンチル、4-メチル-2-ペンチル、3,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、n-ヘプチル、1-メチルヘキシル、n-オクチル、t-オクチル、1-メチルヘプチル、2-エチルヘキシル、2-プロピルペンチル、n-ノニル、2,2-ジメチルヘプチル、2,6-ジメチル-4-ヘプチル、3,5,5-トリメチルヘキシル、n-デシル、n-ウンデシル、1-メチルデシル、n-ドデシル、n-トリデシル、1-ヘキシルヘプチル、n-テトラデシル、n-ペンタデシル、n-ヘキサデシル、n-ヘプタデシル、n-オクタデシル、n-エイコシルなどがあげられる。
 ピリジン系置換基に置換する炭素数1~4のアルキルとしては、上記アルキルの説明を引用することができる。
 R11~R18における「シクロアルキル」としては、例えば、炭素数3~12のシクロアルキルがあげられる。好ましい「シクロアルキル」は、炭素数3~10のシクロアルキルである。より好ましい「シクロアルキル」は、炭素数3~8のシクロアルキルである。さらに好ましい「シクロアルキル」は、炭素数3~6のシクロアルキルである。
 具体的な「シクロアルキル」としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロペンチル、シクロヘプチル、メチルシクロヘキシル、シクロオクチル又はジメチルシクロヘキシルなどがあげられる。
 R11~R18における「アリール」としては、好ましいアリールは炭素数6~30のアリールであり、より好ましいアリールは炭素数6~18のアリールであり、さらに好ましくは炭素数6~14のアリールであり、特に好ましくは炭素数6~12のアリールである。
 具体的な「炭素数6~30のアリール」としては、単環系アリールであるフェニル、縮合二環系アリールである(1-,2-)ナフチル、縮合三環系アリールである、アセナフチレン-(1-,3-,4-,5-)イル、フルオレン-(1-,2-,3-,4-,9-)イル、フェナレン-(1-,2-)イル、(1-,2-,3-,4-,9-)フェナントリル、縮合四環系アリールであるトリフェニレン-(1-,2-)イル、ピレン-(1-,2-,4-)イル、ナフタセン-(1-,2-,5-)イル、縮合五環系アリールであるペリレン-(1-,2-,3-)イル、ペンタセン-(1-,2-,5-,6-)イルなどがあげられる。
 好ましい「炭素数6~30のアリール」は、フェニル、ナフチル、フェナントリル、クリセニルまたはトリフェニレニルなどが挙げられ、さらに好ましくはフェニル、1-ナフチル、2-ナフチルまたはフェナントリルが挙げられ、特に好ましくはフェニル、1-ナフチルまたは2-ナフチルが挙げられる。
 上記式(ET3)におけるR11およびR12は結合して環を形成していてもよく、この結果、フルオレン骨格の5員環には、シクロブタン、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサン、フルオレンまたはインデンなどがスピロ結合していてもよい。
 上記式(ET1)~(ET3)において、「ピリジン系置換基」は、上記式(Py-1)~式(Py-15)のいずれかであるが、これらの中でも、下記式(Py-21)~式(Py-44)のいずれかであることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000045
 上記式(ET1)~式(ET3)で表されるピリジン誘導体は公知の原料と公知の合成方法を用いて製造することができる。
<電子輸送層用材料としてのチアゾール誘導体およびベンゾチアゾール誘導体>
 チアゾール誘導体は例えば下記式(ET4)で表されるものである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000046
 ベンゾチアゾール誘導体は例えば下記式(ET5)で表されるものである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000047
 上記式(ET4)または式(ET5)において、
 φは、n価のアリール環(好ましくはn価のベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環、ベンゾフルオレン環、フェナレン環、フェナントレン環またはトリフェニレン環)であり、nは1~4の整数であり、
 「チアゾール系置換基」や「ベンゾチアゾール系置換基」は、上記式(ET1)~(ET3)における「ピリジン系置換基」の中のピリジル基がチアゾール基やベンゾチアゾール基に置き換わったものであり、
 チアゾール誘導体およびベンゾチアゾール誘導体における少なくとも1つの水素が重水素で置換されていてもよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000048
 φは、さらに、アントラセン環またはフルオレン環であることが好ましく、この場合の構造は上記式(ET2)または(ET3)のものを引用することができ、各式中のR11~R18は上記式(ET2)または(ET3)で説明したものを引用することができる。また、上記式(ET2)または(ET3)では2つのピリジン系置換基が結合した形態で説明されているが、これらをチアゾール系置換基(またはベンゾチアゾール系置換基)に置き換えるときには、両方のピリジン系置換基をチアゾール系置換基(またはベンゾチアゾール系置換基)で置き換えてもよいし(すなわちn=2)、いずれか1つのピリジン系置換基をチアゾール系置換基(またはベンゾチアゾール系置換基)で置き換えて他方のピリジン系置換基をR11~R18で置き換えてもよい(すなわちn=1)。さらに、例えば上記式(ET2)におけるR11~R18の少なくとも1つをチアゾール系置換基(またはベンゾチアゾール系置換基)で置き換えて「ピリジン系置換基」をR11~R18で置き換えてもよい。
 上記式(ET4)および式(ET5)で表されるチアゾール誘導体またはベンゾチアゾール誘導体は公知の原料と公知の合成方法を用いて製造することができる。
<電子輸送層用材料としてのベンゾイミダゾール誘導体>
 ベンゾイミダゾールは例えば下記式(ET6)で表されるものである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000049
 上記式(ET6)において、
 φは、n価のアリール環(好ましくはn価のベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環、ベンゾフルオレン環、フェナレン環、フェナントレン環またはトリフェニレン環)であり、nは1~4の整数であり、
 「ベンゾイミダゾール系置換基」は、上記式(ET1)~(ET3)における「ピリジン系置換基」の中のピリジル基がベンゾイミダゾール基に置き換わったものであり、
 ベンゾイミダゾール誘導体における少なくとも1つの水素が重水素で置換されていてもよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000050
 上記ベンゾイミダゾール基におけるR11は、水素、炭素数1~24のアルキル、炭素数3~12のシクロアルキルまたは炭素数6~30のアリールであり、上記式(ET2)および式(ET3)におけるR11の説明を引用することができる。
 φは、さらに、アントラセン環またはフルオレン環であることが好ましく、この場合の構造は上記式(ET2)または(ET3)のものを引用することができ、各式中のR11~R18は上記式(ET2)または(ET3)で説明したものを引用することができる。また、上記式(ET2)または(ET3)では2つのピリジン系置換基が結合した形態で説明されているが、これらをベンゾイミダゾール系置換基に置き換えるときには、両方のピリジン系置換基をベンゾイミダゾール系置換基で置き換えてもよいし(すなわちn=2)、いずれか1つのピリジン系置換基をベンゾイミダゾール系置換基で置き換えて他方のピリジン系置換基をR11~R18で置き換えてもよい(すなわちn=1)。さらに、例えば上記式(ET2)におけるR11~R18の少なくとも1つをベンゾイミダゾール系置換基で置き換えて「ピリジン系置換基」をR11~R18で置き換えてもよい。
 上記式(ET6)で表されるベンゾイミダゾール誘導体は公知の原料と公知の合成方法を用いて製造することができる。
 ベンゾイミダゾール誘導体の具体例は、1-フェニル-2-(4-(10-フェニルアントラセン-9-イル)フェニル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール、2-(4-(10-(ナフタレン-2-イル)アントラセン-9-イル)フェニル)-1-フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール、2-(3-(10-(ナフタレン-2-イル)アントラセン-9-イル)フェニル)-1-フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール、5-(10-(ナフタレン-2-イル)アントラセン-9-イル)-1,2-ジフェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール、1-(4-(10-(ナフタレン-2-イル)アントラセン-9-イル)フェニル)-2-フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール、2-(4-(9,10-ジ(ナフタレン-2-イル)アントラセン-2-イル)フェニル)-1-フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール、1-(4-(9,10-ジ(ナフタレン-2-イル)アントラセン-2-イル)フェニル)-2-フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール、5-(9,10-ジ(ナフタレン-2-イル)アントラセン-2-イル)-1,2-ジフェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾールである。
<電子輸送層用材料としてのフェナントロリン誘導体>
 フェナントロリン誘導体は例えば下記式(ET7)または式(ET8)で表されるものである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000051
 上記式(ET8)において、
 φは、n価のアリール環(好ましくはn価のベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環、ベンゾフルオレン環、フェナレン環、フェナントレン環またはトリフェニレン環)であり、nは1~4の整数であり、
 上記式(ET7)および式(ET8)において、
 R11~R18は、それぞれ独立して、水素、アルキル(好ましくは炭素数1~24のアルキル)、シクロアルキル(好ましくは炭素数3~12のシクロアルキル)またはアリール(好ましくは炭素数6~30のアリール)であり、
 各フェナントロリン誘導体における少なくとも1つの水素が重水素で置換されていてもよい。
 R11~R18におけるアルキル、シクロアルキルおよびアリールとしては、上記式(ET1)におけるR11~R18の説明を引用することができる。また、φは上記したもののほかに、例えば、以下の構造式のものがあげられる。なお、下記構造式中のRは、それぞれ独立して、水素、メチル、エチル、イソプロピル、シクロヘキシル、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、ビフェニリルまたはテルフェニリルである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000052
 上記式(ET7)または式(ET8)で表されるフェナントロリン誘導体は公知の原料と公知の合成方法を用いて製造することができる。
 フェナントロリン誘導体の具体例としては、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン、2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン、9,10-ジ(1,10-フェナントロリン-2-イル)アントラセン、2,6-ジ(1,10-フェナントロリン-5-イル)ピリジン、1,3,5-トリ(1,10-フェナントロリン-5-イル)ベンゼン、9,9’-ジフルオル-ビス(1,10-フェナントロリン-5-イル)、バソクプロインや1,3-ビス(2-フェニル-1,10-フェナントロリン-9-イル)ベンゼンなどがあげられる。
<電子輸送層用材料としてのホスフィンオキサイド誘導体>
 ホスフィンオキサイド誘導体は例えば下記式(ET9)で表されるものである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000053
 上記式(ET9)において、R~Rは、同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、複素環基、ハロゲン、シアノ基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、および隣接置換基との間に形成される縮合環の中から選ばれる。
 ArおよびArは、同じでも異なっていてもよく、アリール基またはヘテロアリール基である。ただし、ArおよびArのうち少なくとも一方は置換基を有しているか、または隣接置換基との間に縮合環を形成している。nは1~3の整数であり、nが3のときR1は存在しない。
 これらの置換基の内、アルキル基とは、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。置換されている場合の置換基には特に制限は無く、例えば、アルキル基、アリール基、複素環基等を挙げることができ、この点は、以下の記載にも共通する。また、アルキル基の炭素数は特に限定されないが、入手の容易性やコストの点から、通常、1~20の範囲である。
 また、シクロアルキル基とは、例えば、シクロプロピル、シクロヘキシル、ノルボルニル、アダマンチルなどの飽和脂環式炭化水素基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。アルキル基部分の炭素数は特に限定されないが、通常、3~20の範囲である。
 また、アラルキル基とは、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基などの脂肪族炭化水素を介した芳香族炭化水素基を示し、脂肪族炭化水素と芳香族炭化水素はいずれも無置換でも置換されていてもかまわない。脂肪族部分の炭素数は特に限定されないが、通常、1~20の範囲である。
 また、アルケニル基とは、例えば、ビニル基、アリル基、ブタジエニル基などの二重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。アルケニル基の炭素数は特に限定されないが、通常、2~20の範囲である。
 また、シクロアルケニル基とは、例えば、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキセン基などの二重結合を含む不飽和脂環式炭化水素基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。
 また、アルキニル基とは、例えば、アセチレニル基などの三重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。アルキニル基の炭素数は特に限定されないが、通常、2~20の範囲である。
 また、アルコキシ基とは、例えば、メトキシ基などのエーテル結合を介した脂肪族炭化水素基を示し、脂肪族炭化水素基は無置換でも置換されていてもかまわない。アルコキシ基の炭素数は特に限定されないが、通常、1~20の範囲である。
 また、アルキルチオ基とは、アルコキシ基のエーテル結合の酸素原子が硫黄原子に置換されたものである。
 また、アリールエーテル基とは、例えば、フェノキシ基などのエーテル結合を介した芳香族炭化水素基を示し、芳香族炭化水素基は無置換でも置換されていてもかまわない。アリールエーテル基の炭素数は特に限定されないが、通常、6~40の範囲である。
 また、アリールチオエーテル基とは、アリールエーテル基のエーテル結合の酸素原子が硫黄原子に置換されたものである。
 また、アリール基とは、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、ターフェニル基、ピレニル基などの芳香族炭化水素基を示す。アリール基は、無置換でも置換されていてもかまわない。アリール基の炭素数は特に限定されないが、通常、6~40の範囲である。
 また、複素環基とは、例えば、フラニル基、チオフェニル基、オキサゾリル基、ピリジル基、キノリニル基、カルバゾリル基などの炭素以外の原子を有する環状構造基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。複素環基の炭素数は特に限定されないが、通常、2~30の範囲である。
 ハロゲンとは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を示す。
 アルデヒド基、カルボニル基、アミノ基には、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、複素環などで置換されたものも含むことができる。
 また、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、複素環は無置換でも置換されていてもかまわない。
 シリル基とは、例えば、トリメチルシリル基などのケイ素化合物基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。シリル基の炭素数は特に限定されないが、通常、3~20の範囲である。また、ケイ素数は、通常、1~6である。
 隣接置換基との間に形成される縮合環とは、例えば、ArとR、ArとR、ArとR、ArとR、RとR、ArとAr等の間で共役または非共役の縮合環を形成するものである。ここで、nが1の場合、2つのR同士で共役または非共役の縮合環を形成してもよい。これら縮合環は、環内構造に窒素、酸素、硫黄原子を含んでいてもよいし、さらに別の環と縮合してもよい。
 上記式(ET9)で表されるホスフィンオキサイド誘導体は公知の原料と公知の合成方法を用いて製造することができる。
<その他の電子輸送材料>
 電子輸送層および電子注入層に用いられるその他の材料としては、光導電材料において電子伝達化合物として従来から慣用されている化合物、有機EL素子の電子注入層および電子輸送層に使用されている公知の化合物の中から任意に選択して用いることができる。上述した電子輸送層用材料と併用してもよい。
 具体的には、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、ペリノン誘導体、クマリン誘導体、ナフタルイミド誘導体、アントラキノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ペリレン誘導体、チオフェン誘導体、チアジアゾール誘導体、キノキサリン誘導体、キノキサリン誘導体のポリマー、ベンザゾール類化合物、ピラゾール誘導体、パーフルオロ化フェニレン誘導体、トリアジン誘導体、ピラジン誘導体、イミダゾピリジン誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、キノリン誘導体、アルダジン誘導体、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、ビススチリル誘導体などがあげられる。また、オキサジアゾール誘導体(1,3-ビス[(4-t-ブチルフェニル)1,3,4-オキサジアゾリル]フェニレンなど)、トリアゾール誘導体(N-ナフチル-2,5-ジフェニル-1,3,4-トリアゾールなど)、ベンゾキノリン誘導体(2,2’-ビス(ベンゾ[h]キノリン-2-イル)-9,9’-スピロビフルオレンなど)、ナフチリジン誘導体(ビス(1-ナフチル)-4-(1,8-ナフチリジン-2-イル)フェニルホスフィンオキサイドなど)などがあげられる。これらの材料は単独でも用いられるが、異なる材料と混合して使用しても構わない。
 また、電子受容性窒素を有する金属錯体を用いることもでき、例えば、キノリノール系金属錯体やヒドロキシフェニルオキサゾール錯体などのヒドロキシアゾール錯体、アゾメチン錯体、トロポロン金属錯体、フラボノール金属錯体およびベンゾキノリン金属錯体などがあげられる。これらの材料は単独でも用いられるが、異なる材料と混合して使用しても構わない。
 キノリノール系金属錯体は、下記一般式(E-1)で表される化合物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000054
 式中、R~Rは水素または置換基であり、MはLi、Al、Ga、BeまたはZnであり、nは1~3の整数である。
 キノリノール系金属錯体の具体例としては、8-キノリノールリチウム、トリス(8-キノリノラート)アルミニウム、トリス(4-メチル-8-キノリノラート)アルミニウム、トリス(5-メチル-8-キノリノラート)アルミニウム、トリス(3,4-ジメチル-8-キノリノラート)アルミニウム、トリス(4,5-ジメチル-8-キノリノラート)アルミニウム、トリス(4,6-ジメチル-8-キノリノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(フェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(2-メチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(3-メチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(4-メチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(2-フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(3-フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(4-フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(2,3-ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(2,6-ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(3,4-ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(3,5-ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(3,5-ジ-t-ブチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(2,6-ジフェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(2,4,6-トリフェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(2,4,6-トリメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(2,4,5,6-テトラメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(1-ナフトラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(2-ナフトラート)アルミニウム、ビス(2,4-ジメチル-8-キノリノラート)(2-フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4-ジメチル-8-キノリノラート)(3-フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4-ジメチル-8-キノリノラート)(4-フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4-ジメチル-8-キノリノラート)(3,5-ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4-ジメチル-8-キノリノラート)(3,5-ジ-t-ブチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)アルミニウム-μ-オキソ-ビス(2-メチル-8-キノリノラート)アルミニウム、ビス(2,4-ジメチル-8-キノリノラート)アルミニウム-μ-オキソ-ビス(2,4-ジメチル-8-キノリノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-4-エチル-8-キノリノラート)アルミニウム-μ-オキソ-ビス(2-メチル-4-エチル-8-キノリノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-4-メトキシ-8-キノリノラート)アルミニウム-μ-オキソ-ビス(2-メチル-4-メトキシ-8-キノリノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-5-シアノ-8-キノリノラート)アルミニウム-μ-オキソ-ビス(2-メチル-5-シアノ-8-キノリノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-5-トリフルオロメチル-8-キノリノラート)アルミニウム-μ-オキソ-ビス(2-メチル-5-トリフルオロメチル-8-キノリノラート)アルミニウム、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリン)ベリリウムなどがあげられる。
 電子輸送層または電子注入層には、さらに、電子輸送層または電子注入層を形成する材料を還元できる物質を含んでいてもよい。この還元性物質は、一定の還元性を有するものであれば、様々なものが用いられ、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属のハロゲン化物(例えばLiFなど)、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、希土類金属の酸化物、希土類金属のハロゲン化物、アルカリ金属の有機錯体、アルカリ土類金属の有機錯体および希土類金属の有機錯体からなる群から選択される少なくとも1つを好適に使用することができる。
 好ましい還元性物質としては、Na(仕事関数2.36eV)、K(同2.28eV)、Rb(同2.16eV)またはCs(同1.95eV)などのアルカリ金属や、Ca(同2.9eV)、Sr(同2.0~2.5eV)またはBa(同2.52eV)などのアルカリ土類金属があげられ、仕事関数が2.9eV以下のものが特に好ましい。これらのうち、より好ましい還元性物質は、K、RbまたはCsのアルカリ金属であり、さらに好ましくはRbまたはCsであり、最も好ましいのはCsである。これらのアルカリ金属は、特に還元能力が高く、電子輸送層または電子注入層を形成する材料への比較的少量の添加により、有機EL素子における発光輝度の向上や長寿命化が図られる。また、仕事関数が2.9eV以下の還元性物質として、これら2種以上のアルカリ金属の組み合わせも好ましく、特に、Csを含んだ組み合わせ、例えば、CsとNa、CsとK、CsとRb、またはCsとNaとKとの組み合わせが好ましい。Csを含むことにより、還元能力を効率的に発揮することができ、電子輸送層または電子注入層を形成する材料への添加により、有機EL素子における発光輝度の向上や長寿命化が図られる。
8.有機EL素子の陰極
 陰極108は、電子注入層107、電子輸送層106および発光補助層110を介して、発光層105に電子を注入する役割を果たすものである。
 陰極108を形成する材料としては、電子を有機層に効率よく注入できる物質であれば特に限定されないが、陽極102を形成する材料と同様のものを用いることができる。なかでも、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金、鉄、亜鉛、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムおよびマグネシウムなどの金属またはそれらの合金(マグネシウム-銀合金、マグネシウム-インジウム合金、フッ化リチウム/アルミニウムなどのアルミニウム-リチウム合金など)などが好ましい。電子注入効率をあげて素子特性を向上させるためには、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、カルシウム、マグネシウムまたはこれら低仕事関数金属を含む合金が有効である。しかしながら、これらの低仕事関数金属は一般に大気中で不安定であることが多い。この点を改善するために、例えば、有機層に微量のリチウム、セシウムやマグネシウムをドーピングして、安定性の高い電極を使用する方法が知られている。その他のドーパントとしては、フッ化リチウム、フッ化セシウム、酸化リチウムおよび酸化セシウムのような無機塩も使用することができる。ただし、これらに限定されるものではない。
 さらに、電極保護のために白金、金、銀、銅、鉄、錫、アルミニウムおよびインジウムなどの金属、またはこれら金属を用いた合金、そしてシリカ、チタニアおよび窒化ケイ素などの無機物、ポリビニルアルコール、塩化ビニル、炭化水素系高分子化合物などを積層することが、好ましい例としてあげられる。これらの電極の作製法も、抵抗加熱、電子線ビーム、スパッタリング、イオンプレーティングおよびコーティングなど、導通を取ることができれば特に制限されない。
9.有機EL素子の作製方法
 有機EL素子を構成する各層は、各層を構成すべき材料を蒸着法、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、分子積層法、インクジェット方式を用いるなどした印刷法、スピンコート法またはキャスト法、コーティング法などの方法で薄膜とすることにより、形成することができる。このようにして形成された各層の膜厚については特に限定はなく、材料の性質に応じて適宜設定することができるが、通常2nm~5000nmの範囲である。膜厚は通常、水晶発振式膜厚測定装置などで測定できる。
 例えば、蒸着法を用いて薄膜化する場合、その蒸着条件は、材料の種類、膜の目的とする結晶構造および会合構造などにより異なる。蒸着条件は一般的に、ボート加熱温度+50~+400℃、真空度10-6~10-3Pa、蒸着速度0.01~50nm/秒、基板温度-150~+300℃、膜厚2nm~5μmの範囲で適宜設定することが好ましい。
 また、例えば、インクジェット印刷法、すなわち、有機EL材料含有溶液を使用して有機EL素子の各層を形成する方法の場合、有機EL材料に対して良溶媒を選択し、均一溶液を調整して使用することも可能であるし、貧溶媒を用いたり、良溶媒と貧溶媒の混合溶媒を用いて分散液を調製して使用することも可能である。ただし、インクジェットヘッドのノズル詰まりを抑えるため、良溶媒を用いることが好ましい。例えば、良溶媒であることが多いものとしては芳香族系溶媒、ハロゲン系溶媒、エーテル系溶媒などがあげられ、貧溶媒であることが多いものとしては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、パラフィン系溶媒、あるいは炭素数4以上のアルキルベンゼン誘導体などがあげられる。より具体的には、良溶媒であることが多いものとしては、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族系溶媒、クロロベンゼンなどのハロゲン系溶媒、ジフェニルエーテルなどのエーテル系溶媒などがあげられ、貧溶媒であることが多いものとしては、炭素数1~20の直鎖又は分岐アルコールであるメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノールなどのアルコール系溶媒、ベンジルアルコール誘導体、ヒドロキアルキルベンゼン誘導体、直鎖または分岐のブチルベンゼン、ドデシルベンゼン、テトラリン、シクロヘキシルベンゼンなどのアルキルベンゼン誘導体などがあげられる。溶媒の使用量は、有機EL材料の量や種類、有機薄膜層の厚さなどを考慮して適宜調製することができる。
 次に、有機EL素子を作製する方法の一例として、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/ホスト材料とドーパント材料からなる発光層/発光補助層/電子輸送層/電子注入層/陰極からなる有機EL素子の作製法について説明する。適当な基板上に、陽極材料の薄膜を蒸着法などにより形成させて陽極を作製した後、この陽極上に正孔注入層および正孔輸送層の薄膜を形成させる。この上にホスト材料とドーパント材料を共蒸着し薄膜を形成させて発光層とし、この発光層の上に発光補助層、電子輸送層および電子注入層を形成させ、さらに陰極用物質からなる薄膜を蒸着法などにより形成させて陰極とすることにより、目的の有機EL素子が得られる。なお、上述の有機EL素子の作製においては、作製順序を逆にして、陰極、電子注入層、電子輸送層、発光補助層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、そして陽極の順に作製することも可能である。
 このようにして得られた有機EL素子に直流電圧を印加する場合には、陽極を+、陰極を-の極性として印加すればよく、電圧2~40V程度を印加すると、透明または半透明の電極側(陽極または陰極、および両方)より発光が観測できる。また、この有機EL素子は、パルス電流や交流電流を印加した場合にも発光する。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
10.有機EL素子の応用例
 また、本発明は、有機EL素子を備えた表示装置または有機EL素子を備えた照明装置などにも応用することができる。有機EL素子を備えた表示装置または照明装置は、本実施形態にかかる有機EL素子と公知の駆動装置とを接続するなど公知の方法によって製造することができ、直流駆動、パルス駆動、交流駆動など公知の駆動方法を適宜用いて駆動することができる。
 表示装置としては、例えば、カラーフラットパネルディスプレイなどのパネルディスプレイ、フレキシブルカラー有機ELディスプレイなどのフレキシブルディスプレイなどがあげられる(例えば、特開平10-335066号公報、特開2003-321546号公報、特開2004-281086号公報など参照)。また、ディスプレイの表示方式としては、例えば、マトリクスおよび/またはセグメント方式などがあげられる。なお、マトリクス表示とセグメント表示は同じパネルの中に共存していてもよい。
 マトリクスとは、表示のための画素が格子状やモザイク状など二次元的に配置されたものをいい、画素の集合で文字や画像を表示する。画素の形状やサイズは用途によって決まる。例えば、パソコン、モニター、テレビの画像および文字表示には、通常一辺が300μm以下の四角形の画素が用いられ、また、表示パネルのような大型ディスプレイの場合は、一辺がmmオーダーの画素を用いることになる。モノクロ表示の場合は、同じ色の画素を配列すればよいが、カラー表示の場合には、赤、緑、青の画素を並べて表示させる。この場合、典型的にはデルタタイプとストライプタイプがある。そして、このマトリクスの駆動方法としては、線順次駆動方法やアクティブマトリックスのどちらでもよい。線順次駆動の方が構造が簡単であるという利点があるが、動作特性を考慮した場合、アクティブマトリックスの方が優れる場合があるので、これも用途によって使い分けることが必要である。
 セグメント方式(タイプ)では、予め決められた情報を表示するようにパターンを形成し、決められた領域を発光させることになる。例えば、デジタル時計や温度計における時刻や温度表示、オーディオ機器や電磁調理器などの動作状態表示および自動車のパネル表示などがあげられる。
 照明装置としては、例えば、室内照明などの照明装置、液晶表示装置のバックライトなどがあげられる(例えば、特開2003-257621号公報、特開2003-277741号公報、特開2004-119211号公報など参照)。バックライトは、主に自発光しない表示装置の視認性を向上させる目的に使用され、液晶表示装置、時計、オーディオ装置、自動車パネル、表示板および標識などに使用される。特に、液晶表示装置、中でも薄型化が課題となっているパソコン用途のバックライトとしては、従来方式のものが蛍光灯や導光板からなっているため薄型化が困難であることを考えると、本実施形態に係る有機EL素子を用いたバックライトは薄型で軽量なことが特徴になる。
<光補助層用材料の合成例>
 以下、式(2-1)~式(2-5)、式(2-21)、式(2-41)、式(2-61)、式(2-62)、式(2-85)、式(2-87)、式(1-1)、式(1-71)、式(3-5)、式(3-6)、式(3-8)、式(5-7)、式(6-9)および式(EAL-1)で表される化合物の合成例について説明する。なお、化合物(EAL-1)は比較化合物である。
<化合物(2-1)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000055
 窒素雰囲気下、7,7-ジフェニル-5,9-ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-7H-ベンゾ[c]フルオレン(6.66g)、2-ナフチレンボロン酸(5.16g)をテトラヒドロフランとイソプロピルアルコールの混合溶媒(100ml、テトラヒドロフラン/イソプロピルアルコール=1/4(容積比))に溶解させ、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.16g)を加えて5分間攪拌し、その後、リン酸カリウム(12.7g)を加えて4時間還流した。反応後、溶剤を50ml除去した。水を100ml添加して、沈殿をろ過した。沈殿をさらに水とメタノールで洗浄し、化合物(2-1)の粗製品が得られた。その粗製品をシリカゲルでカラム精製(溶媒:へプタン/トルエン=3/1(容積比))を行った後、昇華精製して、目的の化合物(2-1)を5.0g(収率:80.5%)得た。
 MSスペクトルおよびNMR測定により化合物(2-1)の構造を確認した。
H-NMR(CDCl):δ=8.93(d,1H)、8.53(d,1H)、8.06~8.04(m,2H)、7.93~7.21(m,28H).
<化合物(2-2)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000056
 窒素雰囲気下、5,9-ジブロモ-7,7-ジフェニル-7H-ベンゾ[c]フルオレン(2.2g)、1-ナフチレンボロン酸(1.6g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh)(0.1g)、リン酸カリウム(3.6g)およびトルエン(21ml)をフラスコに入れて5分間攪拌した。その後、水(4ml)を加え4時間還流した。加熱終了後に反応液を冷却し、水(10ml)を添加した。その反応混合液をトルエンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、乾燥剤を除去し、溶媒を減圧留去して得られた粗製品をシリカゲルでショートカラム精製(溶媒:トルエン)を行った。その後、酢酸エチルで再結晶を行い、さらに、昇華精製して、目的の化合物(2-2)「5,9-ジ(ナフタレン-1-イル)-7,7-ジフェニル-7H-ベンゾ[c]フルオレン」を0.8g(収率:31%)得た。
 MSスペクトルおよびNMR測定により化合物(2-2)の構造を確認した。
H-NMR(CDCl):δ=8.96(d,1H)、8.56(d,1H)、7.94~7.84(m,5H)、7.69~7.63(m,4H)、7.57~7.26(m,15H)、7.20~7.17(m,6H).
<化合物(2-3)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000057
 窒素雰囲気下、5,9-ジブロモ-7,7-ジフェニル-7H-ベンゾ[c]フルオレン(5.26g)、4-ビフェニルボロン酸(4.36g)をトルエンとエタノールの混合溶媒(50ml、トルエン/エタノール=4/1(容積比))に溶解させ、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.69g)を加えて5分間攪拌し、その後、2Mの炭酸ナトリウム水溶液20mlを加えて8時間還流した。加熱終了後反応混合物を冷却し、有機層を分取して、これを飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を除去し、溶媒を減圧留去して得られた固体を、シリカゲルでカラム精製(溶媒:へプタン/トルエン=3/1(容積比))を行った後、昇華精製して、目的の化合物(2-3)を3.9g(収率:58%)得た。
 MSスペクトルおよびNMR測定により化合物(2-3)の構造を確認した。
H-NMR(CDCl):δ=8.91(d,1H)、8.49(d,1H)、8.11(d,1H)、7.79~7.77(m,2H)、7.73~7.20(m,31H).
<化合物(2-4)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000058
 窒素雰囲気下、5,9-ジブロモ-7,7-ジフェニル-7H-ベンゾ[c]フルオレン(2.2g)、9-フェナンレンボロン酸(2.3g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh)(0.1g)、リン酸カリウム(3.6g)およびトルエン(21ml)をフラスコに入れて5分間攪拌した。その後、水(4ml)を加え4時間還流した。加熱終了後に反応液を冷却し、水(20ml)を添加した。その反応混合液をトルエンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、乾燥剤を除去し、溶媒を減圧留去して得られた粗製品をシリカゲルでカラム精製(溶媒:ヘプタン/トルエン=3/1(容量比))を行った。さらに、昇華精製して、目的の化合物(2-4)「5,9-ジ(フェナンレン-9-イル)-7,7-ジフェニル-7H-ベンゾ[c]フルオレン」を1.6g(収率:53%)得た。
 MSスペクトルおよびNMR測定により化合物(2-4)の構造を確認した。
H-NMR(CDCl):δ=8.99(d,1H)、8.80~8.76(m,3H)、8.72(d,1H)、8.61(d,1H)、7.97(d,1H)、7.92~7.87(q,2H)、7.77~7.60(m,13)、7.51~7.48(m,2H)、7.40~7.33(m,6H)、7.21~7.17(m,6H).
<化合物(2-5)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000059
 まず、窒素雰囲気下、化合物(2-5a)「5-メトキシ-2-(4-メトキシナフタレン-1-イル)-安息香酸メチルエステル」(21.0g)にメタンスルホン酸(130mL)を加え、65℃で1.5時間加熱撹拌した。反応混合物を氷水に加え、析出した固体をろ過により分離し、メタノールで洗浄した。得られた固体(22.5g)を再結晶(溶媒:酢酸エチル)により精製して、中間体化合物(2-5c)(14.6g)を得た(収率77%)。
 次に、窒素雰囲気下、中間体化合物(2-5c)(13.2g)のTHF(120mL)懸濁液に、2-ブロモビフェニル(17.0g)、マグネシウム(1.77g)及びTHF(150mL)を用いて調製した2-ビフェニルマグネシウムブロマイドのTHF溶液を、0℃で滴下して加えた後、さらに還流温度で1.5時間加熱撹拌した。反応混合物に水を加え、トルエンで目的成分を抽出し、有機層を濃縮して固体状の目的成分の粗製品(25.4g)を得た。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン/酢酸エチル=9/1(容積比))により精製して、中間体化合物(2-5e)(17.4g)を得た(収率86%)。
 次に、窒素雰囲気下、中間体化合物(2-5e)(17.4g)の酢酸(230mL)懸濁液に、濃硫酸(0.1mL)を室温で加えた後、さらに100℃で3時間加熱撹拌した。反応混合物に水を加え、析出した固体をろ過により分離した。得られた固体をメタノールで洗浄して、中間体化合物(2-5f1)(16.2g)を得た(収率97%)。
 次に、窒素雰囲気下、中間体化合物(2-5f1)(16.2g)のジクロロメタン(250mL)溶液に、1mol/Lの三臭化ホウ素/ジクロロメタン溶液(100mL)を0℃で滴下して加えた後、さらに室温で終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで目的成分を抽出し、有機層を濃縮して固体状の目的成分の粗製品を得た。得られた固体をヘプタンで洗浄して、中間体化合物(2-5f2)(15.1g)を得た(収率100%)。
 次に、窒素雰囲気下、中間体化合物(2-5f2)(15.1g)のピリジン(200mL)溶液に、無水トリフルオロメタンスルホン酸(32.2g)を0℃で滴下して加えた後、さらに室温で終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、析出した固体をろ過により分離した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン)により精製して、中間体化合物(2-5f3)「5,9-ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)-7H-ベンゾ[c]フルオレン-7-スピロ-9’-フルオレン」(23.6g)を得た(収率94%)。
 最後に、窒素雰囲気下、中間体化合物(2-5f3)(6.63g)、2-ナフチレンボロン酸(3.78g)、リン酸カリウム(12.7g)、テトラヒドロフラン(20mL)及びイソプロピルアルコール(80mL)の混合溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.16g)を加え、還流温度で7.5時間加熱撹拌した。反応混合物に水を加え、トルエンで目的成分を抽出し、有機層を濃縮して固体状の目的成分の粗製品(8.90g)を得た。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘプタン/トルエン=2/1(容積比))及び再結晶(溶媒:酢酸エチル)により精製して、化合物(2-5)(2.28g)を得た(収率37%)。
 得られた化合物のガラス転移温度(Tg)は164℃であった。また、NMR測定により得られた化合物(2-5)の構造を確認した。
H-NMR(CDCl):δ=6.86~6.87(m,3H),7.12~7.17(m,3H),7.37~7.53(m,8H),7.62~7.64(dd,1H),7.76~7.93(m,12H),8.02~8.04(d,1H),8.58~8.60(d,1H),8.99~9.01(d,1H).
<化合物(2-21)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000060
 まず、1-ナフタレンボロン酸および2-ブロモ-5-クロロ安息香酸メチルエステルを鈴木カップリングさせることにより得られた中間体化合物(2-21a)を合成した。得られた中間体化合物(2-21a)に2-ブロモナフタレンをn-ブチルリチウムでリチオ化したものを反応させることで中間体化合物(2-21b)とし、さらに硫酸により環化させることで、中間体化合物(2-21c)を得た。得られた中間体化合物(2-21c)をNBSにて臭素化することで中間体化合物(2-21d)「5-ブロモ-9-クロロ-7,7-ジ(ナフタレン-2-イル)-7H-ベンゾ[c]フルオレン」を得た。
 次に、窒素雰囲気下、中間体化合物(2-21d)(3.82g)、2-ナフタレンボロン酸(2.48g)、Pd(dba)2(0.38g)、トリシクロヘキシルホスフィン(0.28g)、リン酸三カリウム(8.40g)、トルエン(24ml)、エタノール(6ml)および水(3ml)の入ったフラスコを還流温度で6時間加熱撹拌した。反応液を室温まで冷却し、析出した沈殿を吸引ろ過にて採取し、得られた沈殿を水で洗浄した。さらに活性炭カラムクロマトグラフィー(トルエン)にて精製した後、トルエン/IPA=1混合溶媒から再結晶させることで目的化合物(2-21)を1.78g(収率39%)得た。
<化合物(2-41)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000061
 窒素雰囲気下、5,9-ジブロモ-7,7-ジメチル-7H-ベンゾ[c]フルオレン(6.00g)、2-ナフタレンボロン酸(5.65g)、炭酸カリウム(6.19g)、テトラブチルアンモニウムブロミド(TBAB)(0.96g)、Pd(PPhCl(0.31g)、トルエン(30ml)及び水(15mL)の混合溶液を、還流温度で3時間加熱撹拌した。反応混合物に水を加え、トルエンで目的成分を抽出した後、有機層を濃縮した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘプタン/トルエン=3/1(容積比))で精製し、更に酢酸エチルで洗浄することで、化合物(2-41)を1.60g(収率22%)得た。
<化合物(2-61)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000062
 窒素雰囲気下、5-ブロモ-7,7-ジフェニル-7H-ベンゾ[c]フルオレン(2.3g)、ビス(ピナコラート)ジボロン(1.3g)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.4g)、酢酸カリウム(3.0g)およびジメチルスルホキシド(50ml)をフラスコに入れて80℃で5時間加熱した。その後、室温まで戻し、5-ブロモ-7,7-ジフェニル-7H-ベンゾ[c]フルオレン(1.8g)、ビス(ピナコラート)ジボロン(0.15g)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.15g)を添加して、さらに80℃で12時間加熱した。終了後に反応液を冷却し、水(50ml)を添加した。その反応混合液をトルエンで抽出し、溶媒を減圧留去して得られた粗製品をシリカゲルでショートカラム精製(溶媒:トルエン)を行った。その後、シリカゲルでカラム精製(溶媒:トルエン/ヘプタン=1/4(容量比))で精製を行った。溶媒を真空ポンプで除去した後、さらに、昇華精製して、目的の化合物(2-61)を0.7g(収率20%)得た。
<化合物(2-62)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000063
 まず、1-ナフタレンボロン酸および2-ブロモ-5-クロロ安息香酸メチルエステルを鈴木カップリングさせることにより得られた中間体化合物(2-62a)をフェニルリチウムと反応させることで中間体化合物(2-62b)とし、さらに硫酸により環化させることで中間体化合物(2-62c)「9-クロロ-7,7-ジフェニル-7H-ベンゾ[c]フルオレン」を得た。
 次に、窒素雰囲気下、中間体化合物(2-62c)(3.0g)、ビスピナコラートジボロン(0.95g)、Pd(dba)(0.21g)、トリシクロヘキシルホスフィン(0.21g)、リン酸三カリウム(4.74g)およびジメトキシエタン(15ml)の入ったフラスコを還流温度で2時間半加熱撹拌した。ビスピナコラートジボロンが消費されたことを確認した後、キシレン(30.0ml)を加え、還流させながらジメトキシエタンを除去した。さらに還流温度で9時間加熱撹拌した後、反応液を室温まで冷却してメタノールを加え、析出した沈殿を吸引ろ過にて採取し、得られた沈殿を水で洗浄した。さらにシリカゲルショートパスカラム(クロロベンゼン)にて精製した後、トルエンから再結晶させることで目的化合物(2-62)を0.79g(収率37%)得た。
<化合物(2-85)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000064
 まず、7,7-ジフェニル-7H-ベンゾ[c]フルオレンをNBSにて臭素化し、得られた中間体化合物(2-85a)をビスピナコラートジボロンと反応させることで中間体のボロン酸エステル(2-85b)「2-(7,7-ジメチル-7H-ベンゾ[c]フルオレン-5-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン」を得た。
 次に、窒素雰囲気下、中間体化合物(2-85b)(4.00g)、4,4’-ジブロモ-1,1’-ビフェニル(1.69g)、Pd-132(0.15g)、リン酸三カリウム(2.87g)、TBAB(0.17g)、トルエン(40ml)および水(5ml)の混合溶液を還流温度で4時間半加熱撹拌した。反応液を室温まで冷却し、析出した沈殿を吸引ろ過にて採取し、得られた沈殿を水およびメタノールで洗浄した。さらにオルトジクロロベンゼンから再結晶させることで目的化合物(2-85)を0.52g(収率15%)得た。
<化合物(2-87)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000065
 窒素雰囲気下、上記中間体化合物(2-85b)(4.00g)、2,6-ジブロモナフタレン(1.40g)、Pd-132(0.07g)、リン酸三カリウム(2.61g)、トルエン(40ml)、イソプロパノール(10ml)および水(5ml)の混合溶液を還流温度で4時間半加熱撹拌した。反応液を室温まで冷却し、析出した沈殿を吸引ろ過にて採取し、得られた沈殿を水およびメタノールで洗浄した。クロロベンゼン/酢酸エチル混合溶媒から再沈殿させた後、さらにオルトジクロロベンゼンから再結晶させることで目的化合物(2-87)を1.43g(収率48%)得た。
<化合物(1-1)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000066
 窒素雰囲気下、2,7-ジブロモ-9,9-ジフェニル-9H-フルオレン(3.00g)、2-ナフタレンボロン酸(2.38g)、炭酸カリウム(2.61g)、TBAB(0.20g)、Pd(PPhCl(0.13g)、トルエン(30ml)および水(15mL)の混合溶液を、還流温度で2時間加熱撹拌した。反応混合物に水を加え、トルエンで目的成分を抽出した後、有機層を濃縮した。濃縮中に析出した結晶を吸引ろ過にて採取し、クロロベンゼンから再結晶させることで、目的化合物(1-1)を0.57g(収率16%)得た。
<化合物(1-71)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000067
 株式会社オ-ジェック製の市販品(製品番号LT-E411 BSBF)を使用した。
<化合物(3-5)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000068
 特開2009-184993号公報に記載された合成法で合成した。
<化合物(3-6)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000069
 特開2009-184993号公報に記載された合成法で合成した。
<化合物(3-8)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000070
 特開2009-184993号公報に記載された合成法で合成した。
<化合物(5-7)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000071
 まず、窒素雰囲気下、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸メチル(25g)をジクロロメタン(200ml)に溶解した。ピリジン(15ml)を添加後、-20℃に冷却して、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(44g)を加えた。室温で10時間撹拌した後、反応混合液に水に加え、ジクロロメタンで析出した。抽出液を濃縮後シリカゲルカラム(トルエン/ヘプタン=2/1(容量比))で精製した。溶媒を除去して中間体化合物(5-7a)を28g(収率67%)得た。
 次に、窒素雰囲気下、中間体化合物(5-7a)(8.7g)、1-ナフチレンボロン酸(5.0g)をトルエンと水の混合溶媒(100ml、トルエン/水=1/1(容積比))に溶解させ、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.0g)とリン酸カリウム(14.5g)を加えて6時間還流した。反応後、水を除去して、溶液を濃縮した。粗製品をシリカゲルでカラム精製(溶媒:酢酸エチル/トルエン=1/10(容積比))を行ってをオイル状の中間体化合物(5-7b)を5.7g(収率:70%)得た。
 次に、窒素雰囲気下、中間体化合物(5-7b)(5.7g)をテトラヒドロフラン(100ml)に溶解させ、-70℃に冷却した。フェニルリチウム/ジブチルエーテル溶液(2.0mol/ml)(45ml)を加えて、室温で10時間攪拌した。反応後、塩化アンモニウム水溶液を添加して過剰のフェニルリチウムをクエンチした。有機層を集めて濃縮した粗製品をシリカゲルでカラム精製(溶媒:トルエン)を行ってオイル状の中間体化合物(5-7c)を5.1g(収率67%)得た。
 次に、中間体化合物(5-7c)(5.1g)を酢酸(50ml)に溶解させ、濃硫酸数滴を添加して、80℃で加熱1時間攪拌した。水を加えて析出した粗製品をシリカゲルでカラム精製(溶媒:トルエン)を行って、白色の固体として中間体化合物(5-7d)を3.6g(収率73%)得た。
 次に、窒素雰囲気下、中間体化合物(5-7d)(3.6g)を酢酸/ジクロロメタンの混合溶媒(100ml、酢酸/ジクロロメタン=1/1(容積比))に溶解させ、塩化亜鉛(3.1g)を添加して、55℃で加熱した。滴下ロートからベンジルトリメチルアンモニウムトリブロミド/ジクロロメタン溶液(10.6g/25ml)を滴下した後55℃に加熱したまま5時間攪拌した。反応混合液に水を加えて、クロロホルムで抽出した。溶媒を減圧除去した粗製品をシリカゲルでカラム精製(溶媒:トルエン/ヘプタン=1/1(容積比))を行って、薄い黄色の固体として中間体化合物(5-7e)を2.8g(収率52%)得た。
 最後に、窒素雰囲気下、中間体化合物(5-7e)(2.8g)とフェニルボロン酸(1.3g)をトルエン/エタノールの混合溶媒(50ml、トルエン/エタノール=4/1(容積比))に溶解させ、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.0g)と炭酸ナトリウム水溶液(4.1g/20ml)を加えて6時間還流した。反応後、水を添加して塩を溶解して、有機層を集めて溶液を濃縮した。粗製品をシリカゲルでカラム精製(溶媒:トルエン)を行った。さらにトルエン再結晶を行った後、昇華精製して、目的の化合物(5-7)「5,7,7,9-テトラフェニル-7H-ジベンゾ[c,g]フルオレン」を0.58g(収率20%)得た。
<化合物(6-9)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000072
 まず、窒素雰囲気下、中間体化合物(5-7a)(8.7g)、2-ナフチレンボロン酸(5.0g)をトルエン/エタノール/水の混合溶媒(50ml/15ml/15ml(容量比))に溶解させ、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.0g)とリン酸カリウム(14.5g)を加えて6時間還流した。反応後、水を除去して、溶液を濃縮した。粗製品をシリカゲルでカラム精製(溶媒:ヘプタン/トルエン=1/1(容積比))を行って、オイル状の中間体化合物(6-9a)を8.0g(収率99%)得た。
 次に、窒素雰囲気下、中間体化合物(6-9a)(8.0g)をテトラヒドロフラン(80ml)に溶解させ、-70℃に冷却した。フェニルリチウム/ジブチルエーテル溶液(2.0mol/ml)(38ml)を加えて、室温で10時間攪拌した。反応後、塩化アンモニウム水溶液を添加して過剰のフェニルリチウムをクエンチした。有機層を集めて濃縮した粗製品をシリカゲルでカラム精製(溶媒:トルエン)を行って、溶媒を除去した。白色の固体として中間体化合物(6-9b)を9.3g(収率96%)得た。
 次に、中間体化合物(6-9b)(9.3g)を酢酸(50ml)に溶解させ、濃硫酸数滴を添加して、80℃で加熱1時間攪拌した。水を加えて析出した固体を炭酸水素ナトリウム水溶液、水さらにメタノールで洗浄して、白色の固体として中間体化合物(6-9c)を8.8g(収率99%)得た。
 次に、窒素雰囲気下、中間体化合物(6-9c)(3.3g)を酢酸/クロロホルムの混合溶媒(100ml、酢酸/クロロホルム=2/3(容積比))に溶解させ、塩化亜鉛(1.3g)を添加して、-30℃に冷却した。ベンジルトリメチルアンモニウムトリブロミド(3.4g)を添加した後、室温で2時間攪拌した。反応混合液に水を加えて、クロロホルムで抽出した。溶媒を減圧除去した粗製品をシリカゲルでカラム精製(溶媒:トルエン)を行って、薄い黄色の固体として中間体化合物(6-9d)を3.5g(収率92%)得た
 最後に、窒素雰囲気下、中間体化合物(6-9d)(2.7g)と2-ナフチルボロン酸(1.0g)をトルエン/エタノールの混合溶媒(50ml、トルエン/エタノール=4/1(容積比))に溶解させ、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.1g)と炭酸ナトリウム水溶液(2.3g/10ml)を加えて6時間還流した。反応後、水を添加して塩を溶解して、有機層を集めて溶液を濃縮した。粗製品をシリカゲルでカラム精製(溶媒:トルエン/ヘプタン=1/4(容積比))を行った。さらにトルエン再結晶を行った後、昇華精製して、目的の化合物(6-9)を1.0g(収率33%)得た。
<比較化合物(EAL-1)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000073
 国際公開2010/074087号に記載された合成法で合成した。
<ホスト材料の合成例>
 以下、式(BH-1)~式(BH-5)で表される化合物の合成例について説明する。
<化合物(BH-1)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000074
 式(BH-1)で表される化合物は、韓国公開特許公報第10-2010-0007552号(2010年1月22日公開)に記載された化合物1(公報の4頁を参照)であり、公知の化合物である。式(BH-1)で表される化合物は、当該公報に記載された合成方法を参考にして合成した。
<化合物(BH-2)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000075
 式(BH-2)で表される化合物は、国際公開公報第2007/065548号(2007年6月14日公開)に記載された化合物H1(公報の10頁を参照)であり、公知の化合物である。式(BH-2)で表される化合物は、当該公報に記載された合成方法を参考にして合成した。
<化合物(BH-3)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000076
 まず、窒素雰囲気下、ナフタレン-2,7-ジイル ビス(トリフルオロメタンスルホナート)(31.8g)、2-ナフタレンボロン酸(12.9g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh)(1.73g)、リン酸カリウム(31.8g)およびテトラヒドロフラン(THF)とイソプロピルアルコール(IPA)との混合溶媒(300ml、THF/IPA=4/1(容量比))をフラスコに入れ、5時間還流した。加熱終了後に反応液を冷却し、水を加え、トルエンで目的成分を抽出した。さらに、有機層を減圧濃縮して得られた粗製品をシリカゲルでカラム精製(溶媒:ヘプタン)を行い、中間体化合物である[2,2’-ビナフタレン]-7-イル トリフルオロメタンスルホナート13.4g(収率:44%)を得た。
 次に、窒素雰囲気下、[2,2’-ビナフタレン]-7-イル トリフルオロメタンスルホナート(10g)、(10-フェニルアントラセン-9-イル)ボロン酸(7.4g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.57g、Pd(PPh)、リン酸カリウム(10.55g)およびトルエンとエタノールとの混合溶媒(100ml、トルエン/エタノール=4/1(容量比))をフラスコに入れて5分間攪拌した。その後、水10mlを加え3時間還流した。加熱終了後に反応液を冷却し、メタノールを60ml添加して、沈殿をろ過した。沈殿をさらにメタノールと水で洗浄し、目的の式(BH-3)で表される化合物の粗製品が得られた。その粗製品をシリカゲルでショートカラム精製(溶媒:トルエン)を行った後、メタノールと酢酸エチルとの混合溶剤(メタノール/酢酸エチル=4/1(容量比))で洗浄し、トルエンで再結晶を行い、さらに、昇華精製をして、目的の(BH-3)化合物である9-([2,2’-ビナフタレン]-7-イル)-10-フェニルアントラセン6.6g(収率:53%)を得た。
 MSスペクトルおよびNMR測定により目的化合物(BH-3)の構造を確認した。
H-NMR(CDCl):δ=8.24(s,1H)、8.22(s,1H)、8.15~8.08(q,2H)、8.08(s,1H)、8.02~7.89(m,5H)、7.78~7.73(m,4H)、7.65~7.50(m,8H)、7.37~7.31(m,4H).
 目的化合物(BH-3)のガラス転移温度(Tg)は、116.0℃であった。
[測定機器:Diamond DSC (PERKIN-ELMER社製); 測定条件: 冷却速度200℃/Min.、昇温速度10℃/Min.]
<化合物(BH-4)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000077
 式(BH-4)で表される化合物は、Luminescence Technology Corp.社から市販されているもの(製品名:LT-N473 m-Bpye、製品情報におけるTg=97℃)を使用した。
<化合物(BH-5)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000078
 特開2012-104806号公報に記載された合成法で合成した。
<ドーパント材料の合成例>
 以下、式(BD-1)~式(BD-8)で表される化合物の合成例について説明する。
<化合物(BD-1)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000079
 窒素雰囲気下、5,9-ジブロモ-7,7-ジメチル-7H-ベンゾ[C]フルオレン(9.5g)とアニリン(4.5g)を脱水トルエン(80ml)に溶解させ、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(140mg)、ナトリウム t-ブトキシド(7.0g)、そしてトリス(t-ブチル)ホスフィン(0.15g)を加えて50℃で2時間加熱した。反応後、1-ブロモ-4-(トリメチルシリル)ベンゼン(11g)、酢酸パラジウム(27mg)、ナトリウム t-ブトキシド(7.0g)を添加して、80℃で4時間加熱を行った。水を100ml添加して、分液ロートを用いて、有機層を水洗した。水層を除去した後、有機層を集めて、ロータリーエバポレーターにて、濃縮を行い粗製品を得た。その粗製品をシリカゲルでカラム精製(溶媒:へプタン/トルエン=5/1(容積比))を行った後、昇華精製して、化合物(BD-1)を3.1g(収率18%)得た。
 MSスペクトルおよびNMR測定により化合物(BD-1)の構造を確認した。
H-NMR(CDCl):δ=8.68(d,1H)、8.15(d,1H)、8.05(d,1H)、7.56(t,1H,J=8Hz)、7.45-6.94(m,32H)、1.41(s,6H)、0.27(s,9H)、0.22(s,9H).
<化合物(BD-2)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000080
 窒素雰囲気下、5,9-ジブロモ-7,7-ジメチル-7H-ベンゾ[C]フルオレン(8.0g)とp-メチルアニリン塩酸塩(5.7g)を脱水トルエン(200ml)に溶解させ、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(115mg)、ナトリウム t-ブトキシド(15g)、そして4-(ジメチルアミノ)フェニル)ビス t-ブチルホスフィン(0.160g)を加えて80℃で2時間加熱した。反応後、1-ブロモ-4-(トリメチルシリル)ベンゼン(10g)を添加して、80℃で4時間加熱を行った。これに、水を100ml添加して、分液ロートを用いて、有機層を水洗した。水層を除去した後、有機層を集めて、ロータリーエバポレーターにて、濃縮を行い粗製品を得た。その粗製品をアルミナでカラム精製(溶媒:へプタン/トルエン=5/1(容量比))を行った後、昇華精製して、化合物(BD-2)6.9gを得た(収率46%)。
 NMR測定により化合物(BD-2)の構造を確認した。
H-NMR(Toluene-d8):δ=8.67(d,1H)、8.30(d,1H)、8.00(d,1H)、7.52(t,1H,J=8Hz)、7.42-6.83(m,20H)、2.13(s,3H)、2.06(s,3H)、1.16(s,6H)、0.24(s,9H)、0.20(s,9H).
<化合物(BD-3)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000081
 アルゴン雰囲気下、5,9-ジヨード-7,7-ジメチル-7H-ベンゾ[C]フルオレン(6.1g)とアニリン(2.3g)を脱水キシレン(100ml)に溶解させ、パラジウム ビス(ジベンジリデン)(0.12g)、ナトリウム t-ブトキシド(7.2g)および(4-(ジメチルアミノ)フェニル)ジt-ブチルホスフィン(0.16g)を加えて70℃で2時間加熱した。そこにさらに1-ブロモ-ナフタレン(5.2g)を添加し、100℃で3時間加熱した。室温に冷却後、水を100ml添加した後、分液ロートを用いて、有機層を水洗した。水層を除去した後、有機層を集めて、ロータリーエバポレーターにて、濃縮を行い粗製品を得た。その粗製品をアルミナでカラム精製(溶媒:トルエン)を行って着色成分を除いた後、さらにシリカゲルでカラム精製(溶媒:トルエン/ヘプタン=1/3(容量比))を行った。さらにトルエン/ヘプタンで再結晶を行った後、これを昇華精製して、化合物(BD-3)を1.9g(収率23%)得た。
 MSスペクトルおよびNMR測定により化合物(BD-3)の構造を確認した。
H-NMR(CDCl):δ=8.62(d,1H)、8.14(d,1H)、8.07(d,1H)、7.96(d,1H)、7.88(t,1H)、7.77(d,1H)、7.66(d,1H)、7.52-6.73(m,25H)、1.27(s,6H).
<化合物(BD-4)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000082
 特開2011-37837号公報に記載された合成法で合成した。
<化合物(BD-5)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000083
 特開2013-080961号公報に記載された合成法で合成した。
<化合物(BD-6)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000084
 米国出願公開2010-0141124号に記載された合成法で合成した。
<化合物(BD-7)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000085
 国際公開2004/044088号に記載された合成法で合成した。
<化合物(BD-8)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000086
 国際公開2002/020459号に記載された合成法で合成した。
<電子輸送材料の合成例>
 以下、式(ETL-1)および式(ETL-6)で表される化合物の合成例について説明する。
<化合物(ETL-1)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000087
 まず、2-クロロアントラセン(5.00g)、フェニルボロン酸(4.3g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(538mg)、トリシクロヘキシルホスフィン(494mg)、リン酸三カリウム(9.98g)、およびトルエン(75ml)をフラスコに入れ、アルゴン雰囲気下、還流温度で2時間攪拌した。加熱終了後、反応液に1.5リットルのトルエンを加え、室温まで冷却後濾別し、濾液をトルエンを移動層に用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:トルエン)により精製した。溶媒を減圧留去し、濃縮物をトルエンから再結晶して、2-フェニルアントラセン(5.0g)を得た。
 次に、窒素雰囲気下のフラスコ中に、2-フェニルアントラセン(3.32g)を400mlのジクロロメタンに溶かした。そこに、5.00gの臭素を30mlの四塩化炭素に溶かした物を、15分掛けて滴下した。滴下終了後、2時間室温で攪拌し、チオ硫酸ナトリウム水溶液で反応を停止した。分液ロートで有機層を抽出し、エバポレーターで濃縮した。濃縮物をトルエン(50ml)で再結晶し、9,10-ジブロモ-2-フェニルアントラセン(4.4g)を得た。
 次に、9,10-ジブロモ-2-フェニルアントラセン(10.0g)、ビス(ピナコラート)ジボロン(14.8g)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(838mg)、トリシクロヘキシルホスフィン(1.02g)、酢酸カリウム(7.15g)および1,4-ジオキサン(50ml)をフラスコに入れ、アルゴン雰囲気下、還流温度で8時間攪拌した。加熱終了後、反応液にトルエンを加え、室温まで冷却後濾別し、濾液をエバポレータにより濃縮した。濃縮物を移動層にトルエンを用いた、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した後、テトラヒドロフラン/ヘプタン混合溶液で再結晶し、9,10-ビス(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラニル)-2-フェニルアントラセン(8.3g)を得た。
 最後に、9,10-ビス(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラニル)-2-フェニルアントラセン(0.80g)、5-ブロモ-2,2’-ビピリジン(0.83g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(88mg)、トリシクロヘキシルホスフィン(81mg)、リン酸三カリウム(1.36g)、トルエン(35ml)をフラスコに入れて、アルゴン雰囲気下、還流温度で27時間半攪拌した。加熱終了後、反応液を室温まで冷却して純水を加え有機層を抽出した。有機層をエバポレータにより濃縮し、濃縮物を移動層にトルエンを用いた活性アルミナカラムクロマトグラフィーにて精製した。クロロホルム/酢酸エチル混合溶媒にて、再結晶を行い、化合物(ETL-1)「9,10-ビス(2,2’-ビピリジン-5-イル)-2-フェニルアントラセン」(198mg)を得た。
 NMR測定により得られた化合物の構造を確認した。
H-NMR(CDCl):δ=7.3(t,1H),7.4(m,6H),7.6(d,2H),7.7(m,3H),7.8(d,1H),7.9(m,3H),8.0(m,2H),8.6(d,2H),8.7(d,2H),8.8(m,2H),8.9(m,2H).
<化合物(ETL-2)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000088
 9,10-ビス(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラニル)-2-フェニルアントラセン(5.0g)、4-(2-ピリジル)ブロモベンゼン(5.0g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.57g)、トルエン(20ml)、エタノール(7mL)、炭酸カリウム水溶液(炭酸カリウム4.2g-水7ml)をフラスコに入れて、アルゴン雰囲気下、還流温度で14.5時間攪拌した。加熱終了後、反応液を室温まで冷却し、ろ過した。得られた粗生成物を水、メタノールで洗浄した後、クロロベンゼンで再結晶して、化合物(ETL-2)「9,10-ビス(4-(2-ピリジル)フェニル)-2-フェニルアントラセン」(3.5g)を得た。得られた化合物のガラス転移温度(Tg)は134℃であった。
 NMR測定により得られた化合物の構造を確認した。
H-NMR(CDCl):δ=8.8(d,2H),8.3(d,4H),8.0~7.7(m,8H),7.6~7.4(m,5H),7.4(d,2H)7.4~7.3(m,7H).
<化合物(ETL-3)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000089
 国際公開2012/060374号に記載された合成法で合成した。
<化合物(ETL-4)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000090
 国際公開2010/137678号に記載された合成法で合成した。
<化合物(ETL-5)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000091
 国際公開2003/060956号に記載された合成法で合成した。
<化合物(ETL-6)の合成例>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000092
 国際公開2004/080975号に記載された合成法で合成した。
 原料の化合物を適宜選択することにより、上記の合成例に準じた方法で、他のフルオレン化合物、ベンゾフルオレン化合物、ジベンゾフルオレン化合物、インデノトリフェニレン化合物、インデノピレン化合物を合成することができる。
<電界発光素子に用いた場合の特性>
 以下、本発明をさらに詳細に説明するために、本発明の化合物を用いた有機EL素子の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
 実施例1~11、実施例12~31および比較例1~6に係る有機EL素子を作製し、それぞれ1000cd/m発光時の特性である電圧(V)、発光波長(nm)、CIE色度(x,y)、外部量子効率(%)を測定し、次に初期輝度の80%(800cd/m)以上の輝度を保持する時間(h)を測定した。なお、一部の例で初期輝度の90%(900cd/m)以上の輝度を保持する時間(h)を測定した。
 なお、発光素子の量子効率には、内部量子効率と外部量子効率とがあるが、発光素子の発光層に電子(または正孔)として注入される外部エネルギーが純粋に光子に変換される割合を示したものが内部量子効率である。一方、この光子が発光素子の外部にまで放出された量に基づいて算出されるものが外部量子効率であり、発光層において発生した光子は、その一部が発光素子の内部で吸収されたりあるいは反射され続けたりして、発光素子の外部に放出されないため、外部量子効率は内部量子効率よりも低くなる。
 外部量子効率の測定方法は次の通りである。アドバンテスト社製電圧/電流発生器R6144を用いて、素子の輝度が1000cd/mになる電圧を印加して素子を発光させた。TOPCON社製分光放射輝度計SR-3ARを用いて、発光面に対して垂直方向から可視光領域の分光放射輝度を測定した。発光面が完全拡散面であると仮定して、測定した各波長成分の分光放射輝度の値を波長エネルギーで割ってπを掛けた数値が各波長におけるフォトン数である。次いで、観測した全波長領域でフォトン数を積算し、素子から放出された全フォトン数とした。印加電流値を素電荷で割った数値を素子へ注入したキャリア数として、素子から放出された全フォトン数を素子へ注入したキャリア数で割った数値が外部量子効率である。
 作製した実施例1~11に係る有機EL素子における各層の材料構成、およびEL特性データを下記表1に示す。また、作製した実施例12~31および比較例1~6に係る有機EL素子における各層の材料構成、およびEL特性データを下記表2に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000093
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000094
 表1において、「HI」(正孔注入層材料)はN,N4’-ジフェニル-N,N4’-ビス(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジアミン、「HT」(正孔輸送層材料)はN-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-9,9-ジメチル-N-(4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル)-9H-フルオレン-2-アミンである。以下に化学構造を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000095
<実施例1>
<化合物(2-1)を発光補助層に用いた素子>
 スパッタリングにより180nmの厚さに製膜したITOを150nmまで研磨した、26mm×28mm×0.7mmのガラス基板((株)オプトサイエンス製)を透明支持基板とした。この透明支持基板を市販の蒸着装置(昭和真空(株)製)の基板ホルダーに固定し、HI(正孔注入層材料)を入れたモリブデン製蒸着用ボート、HT(正孔輸送層材料)を入れたモリブデン製蒸着用ボート、BH-1を入れたモリブデン製蒸着用ボート、BD-1を入れたモリブデン製蒸着用ボート、化合物(2-1)を入れたモリブデン製蒸着用ボート、ETL-1を入れたモリブデン製蒸着用ボート、LiF(電子注入層材料)を入れたモリブデン製蒸着用ボート、およびAl(陰極材料)を入れたモリブデン製蒸着用ボートを装着した。
 透明支持基板のITO膜の上に順次、下記各層を形成した。真空槽を5×10-4Paまで減圧し、まず、HI(正孔注入層材料)が入った蒸着用ボートを加熱して膜厚40nmになるように蒸着して正孔注入層を形成し、次いで、HT(正孔輸送層材料)が入った蒸着用ボートを加熱して膜厚30nmになるように蒸着して正孔輸送層を形成した。次に、BH-1が入った蒸着用ボートとBD-1が入った蒸着用ボートを同時に加熱して膜厚30nmになるように蒸着して発光層を形成した。BH-1とBD-1の重量比がおよそ95対5になるように蒸着速度を調節した。次に、化合物(2-1)が入った蒸着用ボートを加熱して膜厚20nmになるように蒸着して発光補助層を形成した。次に、ETL-1が入った蒸着用ボートを加熱して膜厚10nmになるように蒸着して電子輸送層を形成した。さらに、LiF(電子注入層材料)が入った蒸着用ボートを加熱して膜厚1nmになるように蒸着して電子注入層を形成した。以上の蒸着速度は0.01~1nm/秒であった。
 その後、Al(陰極材料)が入った蒸着用ボートを加熱して膜厚100nmになるように蒸着して陰極を形成した。このとき、蒸着速度が0.1~10nmになるように陰極を形成し有機電界発光素子を得た。
 ITO電極を陽極、Al電極を陰極として、直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長456nm、CIE色度(x,y)=(0.140,0.120)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は4.90V、外部量子効率は5.61%であった。また、初期輝度の80%(800cd/m)以上の輝度を保持する時間は400時間であった。
<実施例2>
<化合物(2-1)を発光補助層に用いた素子>
 電子輸送層用材料としてのETL-1をETL-2に替えた以外は実施例1に準じた方法で有機EL素子を得た。直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長455nm、CIE色度(x,y)=(0.140,0.120)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は4.54V、外部量子効率は5.90%であった。また、初期輝度の80%以上の輝度を保持する時間は356時間であった。
<実施例3>
<化合物(2-2)を発光補助層に用いた素子>
 発光補助層用材料としての化合物(2-1)を化合物(2-2)に替えた以外は実施例1に準じた方法で有機EL素子を得た。直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長455nm、CIE色度(x,y)=(0.140,0.120)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は6.71V、外部量子効率は3.82%であった。また、初期輝度の80%以上の輝度を保持する時間は554時間であった。
<実施例4>
<化合物(2-3)を発光補助層に用いた素子>
 発光補助層用材料としての化合物(2-1)を化合物(2-3)に替えた以外は実施例1に準じた方法で有機EL素子を得た。直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長455nm、CIE色度(x,y)=(0.140,0.120)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は5.17V、外部量子効率は5.55%であった。また、初期輝度の80%以上の輝度を保持する時間は407時間であった。
<実施例5>
<化合物(2-4)を発光補助層に用いた素子>
 発光補助層用材料としての化合物(2-1)を化合物(2-4)に替えた以外は実施例1に準じた方法で有機EL素子を得た。直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長455nm、CIE色度(x,y)=(0.140,0.120)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は6.49V、外部量子効率は4.03%であった。また、初期輝度の80%以上の輝度を保持する時間は335時間であった。
<実施例6>
<化合物(2-5)を発光補助層に用いた素子>
 発光補助層用材料としての化合物(2-1)を化合物(2-5)に替えた以外は実施例1に準じた方法で有機EL素子を得た。直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長454nm、CIE色度(x,y)=(0.140,0.120)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は5.08V、外部量子効率は4.90%であった。また、初期輝度の80%以上の輝度を保持する時間は530時間であった。
<実施例7>
<化合物(2-1)を発光補助層に用いた素子>
 ホスト材料としてのBH-1をBH-2に替えた以外は実施例1に準じた方法で有機EL素子を得た。直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長456nm、CIE色度(x,y)=(0.140,0.130)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は5.07V、外部量子効率は5.17%であった。また、初期輝度の80%以上の輝度を保持する時間は570時間であった。
<実施例8>
<化合物(2-1)を発光補助層に用いた素子>
 ホスト材料としてのBH-1をBH-3に替えた以外は実施例1に準じた方法で有機EL素子を得た。直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長455nm、CIE色度(x,y)=(0.140,0.120)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は4.86V、外部量子効率は5.15%であった。また、初期輝度の80%以上の輝度を保持する時間は591時間であった。
<実施例9>
<化合物(2-1)を発光補助層に用いた素子>
 ホスト材料としてのBH-1をBH-3に替え、ドーパント材料としてのBD-1をBD-2に替えた以外は実施例1に準じた方法で有機EL素子を得た。直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長466nm、CIE色度(x,y)=(0.140,0.200)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は4.98V、外部量子効率は5.43%であった。また、初期輝度の80%以上の輝度を保持する時間は748時間であった。
<実施例10>
<化合物(2-1)を発光補助層に用いた素子>
 ホスト材料としてのBH-1をBH-3に替え、ドーパント材料としてのBD-1をBD-3に替えた以外は実施例1に準じた方法で有機EL素子を得た。直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長459nm、CIE色度(x,y)=(0.140,0.150)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は5.41V、外部量子効率は3.79%であった。また、初期輝度の80%以上の輝度を保持する時間は408時間であった。
<実施例11>
<化合物(2-1)を発光補助層に用いた素子>
 ホスト材料としてのBH-1をBH-4に替えた以外は実施例1に準じた方法で有機EL素子を得た。直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長460nm、CIE色度(x,y)=(0.140,0.140)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は4.61V、外部量子効率は6.20%であった。また、初期輝度の80%以上の輝度を保持する時間は312時間であった。
<実施例12>
<化合物(2-1)を発光補助層に用いた素子>
 実施例1と同様にして、有機電界発光素子を得た。ITO電極を陽極、Al電極を陰極として、直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長454nm、CIE色度(x,y)=(0.143,0.120)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は4.80V、外部量子効率は6.42%であった。また、初期輝度の80%(800cd/m)以上の輝度を保持する時間は560時間であった。
<比較例1>
<化合物(EAL-1)を発光補助層に用いた素子>
 発光補助層用材料としての化合物(2-1)を化合物(EAL-1)に替えた以外は実施例12に準じた方法で有機EL素子を得た。直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長453nm、CIE色度(x,y)=(0.143,0.121)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は3.72V、外部量子効率は6.99%であった。また、初期輝度の80%以上の輝度を保持する時間は244時間であった。
<実施例13>
<化合物(2-1)を発光補助層に用いた素子>
 電子輸送層用材料としてのETL-1をETL-5に替えた以外は実施例12に準じた方法で有機EL素子を得た。直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長454nm、CIE色度(x,y)=(0.143,0.121)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は5.95V、外部量子効率は5.12%であった。また、初期輝度の80%以上の輝度を保持する時間は463時間であった。
<実施例14>
<化合物(2-1)を発光補助層に用いた素子>
 電子輸送層用材料としてのETL-1をETL-3に替えた以外は実施例12に準じた方法で有機EL素子を得た。直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長454nm、CIE色度(x,y)=(0.143,0.118)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は4.38V、外部量子効率は7.40%であった。また、初期輝度の80%以上の輝度を保持する時間は155時間であった。
<実施例15>
<化合物(2-1)を発光補助層に用いた素子>
 電子輸送層用材料としてのETL-1をETL-6に替えた以外は実施例12に準じた方法で有機EL素子を得た。直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長454nm、CIE色度(x,y)=(0.142,0.117)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は5.62V、外部量子効率は5.96%であった。また、初期輝度の80%以上の輝度を保持する時間は232時間であった。
<実施例16>
<化合物(2-1)を発光補助層に用いた素子>
 ホスト材料としてのBH-1およびドーパント材料としてのBD-1を、それぞれBH-5およびBD-6に替えた以外は実施例12に準じた方法で有機EL素子を得た。直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長457nm、CIE色度(x,y)=(0.139,0.099)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は4.74V、外部量子効率は5.44%であった。また、初期輝度の80%以上の輝度を保持する時間は219時間であった。
<実施例17>
<化合物(2-1)を発光補助層に用いた素子>
 ホスト材料としてのBH-1およびドーパント材料としてのBD-1を、それぞれBH-5およびBD-4に替えた以外は実施例12に準じた方法で有機EL素子を得た。直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長460nm、CIE色度(x,y)=(0.139,0.143)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は4.99V、外部量子効率は6.74%であった。また、初期輝度の80%以上の輝度を保持する時間は500時間であった。
<比較例2>
<化合物(EAL-1)を発光補助層に用いた素子>
 ホスト材料としてのBH-1およびドーパント材料としてのBD-1を、それぞれBH-5およびBD-4に替え、発光補助層用材料としての化合物(2-1)を化合物(EAL-1)に替えた以外は実施例12に準じた方法で有機EL素子を得た。直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長460nm、CIE色度(x,y)=(0.139,0.143)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は3.78V、外部量子効率は7.54%であった。また、初期輝度の80%以上の輝度を保持する時間は301時間であった。
<実施例18>
<化合物(2-1)を発光補助層に用いた素子>
 ホスト材料としてのBH-1およびドーパント材料としてのBD-1を、それぞれBH-5およびBD-7に替えた以外は実施例12に準じた方法で有機EL素子を得た。直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長454nm、CIE色度(x,y)=(0.142,0.101)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は4.95V、外部量子効率は5.22%であった。また、初期輝度の80%以上の輝度を保持する時間は258時間であった。
<実施例19>
<化合物(2-1)を発光補助層に用いた素子>
 ホスト材料としてのBH-1およびドーパント材料としてのBD-1を、それぞれBH-5およびBD-8に替えた以外は実施例12に準じた方法で有機EL素子を得た。直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長455nm、CIE色度(x,y)=(0.144,0.157)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は4.64V、外部量子効率は6.34%であった。また、初期輝度の80%以上の輝度を保持する時間は439時間であった。
<比較例3>
<化合物(EAL-1)を発光補助層に用いた素子>
 ホスト材料としてのBH-1およびドーパント材料としてのBD-1を、それぞれBH-5およびBD-8に替え、発光補助層用材料としての化合物(2-1)を化合物(EAL-1)に替えた以外は実施例12に準じた方法で有機EL素子を得た。直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長455nm、CIE色度(x,y)=(0.147,0.158)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は3.59V、外部量子効率は6.61%であった。また、初期輝度の80%以上の輝度を保持する時間は174時間であった。
<実施例20>
<化合物(2-1)を発光補助層に用いた素子>
 ホスト材料としてのBH-1およびドーパント材料としてのBD-1を、それぞれBH-4およびBD-6に替えた以外は実施例12に準じた方法で有機EL素子を得た。直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長460nm、CIE色度(x,y)=(0.135,0.115)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は4.47V、外部量子効率は7.19%であった。また、初期輝度の80%以上の輝度を保持する時間は180時間であった。
<比較例4>
<化合物(EAL-1)を発光補助層に用いた素子>
 ホスト材料としてのBH-1およびドーパント材料としてのBD-1を、それぞれBH-4およびBD-6に替え、発光補助層用材料としての化合物(2-1)を化合物(EAL-1)に替えた以外は実施例12に準じた方法で有機EL素子を得た。直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長460nm、CIE色度(x,y)=(0.135,0.118)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は3.60V、外部量子効率は7.39%であった。また、初期輝度の80%以上の輝度を保持する時間は94時間であった。
<実施例21>
<化合物(2-1)を発光補助層に用いた素子>
 ホスト材料としてのBH-1およびドーパント材料としてのBD-1を、それぞれBH-4およびBD-5に替えた以外は実施例12に準じた方法で有機EL素子を得た。直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長461nm、CIE色度(x,y)=(0.135,0.125)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は4.44V、外部量子効率は7.07%であった。また、初期輝度の80%以上の輝度を保持する時間は350時間であった。
<比較例5>
<化合物(EAL-1)を発光補助層に用いた素子>
 ホスト材料としてのBH-1およびドーパント材料としてのBD-1を、それぞれBH-4およびBD-5に替え、発光補助層用材料としての化合物(2-1)を化合物(EAL-1)に替えた以外は実施例12に準じた方法で有機EL素子を得た。直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長462nm、CIE色度(x,y)=(0.134,0.128)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は3.58V、外部量子効率は7.58%であった。また、初期輝度の80%以上の輝度を保持する時間は109時間であった。
<実施例22>
<化合物(2-62)を発光補助層に用いた素子>
 発光補助層用材料としての化合物(2-1)を化合物(2-62)に替えた以外は実施例12に準じた方法で有機EL素子を得た。直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長457nm、CIE色度(x,y)=(0.139,0.126)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は5.63V、外部量子効率は6.29%であった。また、初期輝度の80%以上の輝度を保持する時間は360時間であった。
<実施例23>
<化合物(2-21)を発光補助層に用いた素子>
 発光補助層用材料としての化合物(2-1)を化合物(2-21)に替えた以外は実施例12に準じた方法で有機EL素子を得た。直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長456nm、CIE色度(x,y)=(0.140,0.117)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は4.77V、外部量子効率は6.96%であった。また、初期輝度の80%以上の輝度を保持する時間は396時間であった。
<実施例24>
<化合物(2-41)を発光補助層に用いた素子>
 発光補助層用材料としての化合物(2-1)を化合物(2-41)に替えた以外は実施例12に準じた方法で有機EL素子を得た。直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長459nm、CIE色度(x,y)=(0.137,0.135)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は5.38V、外部量子効率は5.84%であった。また、初期輝度の80%以上の輝度を保持する時間は600時間であった。
<実施例25>
<化合物(2-1)を発光補助層に用いた素子>
 実施例1と同様にして、有機電界発光素子を得た。ITO電極を陽極、Al電極を陰極として、直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長456nm、CIE色度(x,y)=(0.140,0.120)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は4.90V、外部量子効率は5.61%であった。また、初期輝度の80%以上の輝度を保持する時間は400時間であった。
<実施例26>
<化合物(2-3)を発光補助層に用いた素子>
 発光補助層用材料としての化合物(2-1)を化合物(2-3)に替えた以外は実施例12に準じた方法で有機EL素子を得た。直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長456nm、CIE色度(x,y)=(0.140,0.120)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は5.17V、外部量子効率は5.55%であった。また、初期輝度の80%以上の輝度を保持する時間は407時間であった。
<実施例27>
<化合物(2-5)を発光補助層に用いた素子>
 発光補助層用材料としての化合物(2-1)を化合物(2-5)に替えた以外は実施例12に準じた方法で有機EL素子を得た。直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長456nm、CIE色度(x,y)=(0.140,0.120)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は5.08V、外部量子効率は5.00%であった。また、初期輝度の80%以上の輝度を保持する時間は530時間であった。
<比較例6>
<化合物(EAL-1)を発光補助層に用いた素子>
 発光補助層用材料としての化合物(2-1)を化合物(EAL-1)に替えた以外は実施例12に準じた方法で有機EL素子を得た。直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長456nm、CIE色度(x,y)=(0.143,0.121)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は3.72V、外部量子効率は6.99%であった。また、初期輝度の90%(900cd/m)以上の輝度を保持する時間は65時間であった。
<実施例28>
<化合物(3-5)を発光補助層に用いた素子>
 発光補助層用材料としての化合物(2-1)を化合物(3-5)に替えた以外は実施例12に準じた方法で有機EL素子を得た。直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長457nm、CIE色度(x,y)=(0.139,0.124)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は5.32V、外部量子効率は6.63%であった。また、初期輝度の90%以上の輝度を保持する時間は228時間であった。
<実施例29>
<化合物(3-8)を発光補助層に用いた素子>
 発光補助層用材料としての化合物(2-1)を化合物(3-8)に替えた以外は実施例12に準じた方法で有機EL素子を得た。直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長456nm、CIE色度(x,y)=(0.140,0.121)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は7.50V、外部量子効率は5.00%であった。また、初期輝度の90%以上の輝度を保持する時間は258時間であった。
<実施例30>
<化合物(1-1)を発光補助層に用いた素子>
 発光補助層用材料としての化合物(2-1)を化合物(1-1)に替えた以外は実施例12に準じた方法で有機EL素子を得た。直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長457nm、CIE色度(x,y)=(0.139,0.127)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は5.89V、外部量子効率は6.29%であった。また、初期輝度の90%以上の輝度を保持する時間は331時間であった。
<実施例31>
<化合物(2-87)を発光補助層に用いた素子>
 発光補助層用材料としての化合物(2-1)を化合物(2-87)に替え、電子輸送層用材料としてのETL-1をETL-4に替えた以外は実施例12に準じた方法で有機EL素子を得た。直流電圧を印加して1000cd/m発光時の特性を測定したところ、波長456nm、CIE色度(x,y)=(0.140,0.123)の青色発光が得られた。また、駆動電圧は4.64V、外部量子効率は6.28%であった。また、初期輝度の90%以上の輝度を保持する時間は131時間であった。
 本発明の好ましい態様によれば、発光層内で生じるTTF現象を効率よく利用することができ、外部量子効率を向上させた有機EL素子、それを備えた表示装置およびそれを備えた照明装置などを提供することができる。
 100  有機EL素子
 101  基板
 102  陽極
 103  正孔注入層
 104  正孔輸送層
 105  発光層
 106  電子輸送層
 107  電子注入層
 108  陰極
 110  発光補助層

Claims (18)

  1.  有機電界発光素子における発光層と電子輸送層との間の発光補助層に用いられる発光補助層用材料であって、フルオレンの2個のベンゼン環のうちのいずれかに1~3個のベンゼン環が縮合した環縮合フルオレン化合物および/またはフルオレン化合物を含む発光補助層用材料であり、
     前記環縮合フルオレン化合物およびフルオレン化合物の五員環は、置換されていてもよいアルキルおよび/または置換されていてもよいアリールで置換されていてもよく、五員環に2つ置換基が置換する場合にはこれらの置換基は結合して環を形成していてもよく、
     前記環縮合フルオレン化合物のベンゼン環および/または縮合部位の少なくとも一部は、置換されていてもよいアリールで置換され、さらに置換されていてもよいアルキルおよび/または置換されていてもよいシクロアルキルで置換されていてもよく、そして、
     前記フルオレン化合物のベンゼン環の少なくとも一部は、置換されていてもよいフェニルまたは縮合環系アリールで置換され、さらに置換されていてもよいアルキルおよび/または置換されていてもよいシクロアルキルで置換されていてもよく、前記フェニルまたは縮合環系アリールへの置換基がアリールの場合には該アリールはフェニルまたは縮合環系アリールである、
     発光補助層用材料。
  2.  前記発光補助層用材料は、ベンゾフルオレン化合物、ジベンゾフルオレン化合物、インデノトリフェニレン化合物、インデノピレン化合物および/またはフルオレン化合物を含む発光補助層用材料であり、
     前記ベンゾフルオレン化合物、ジベンゾフルオレン化合物、インデノトリフェニレン化合物、インデノピレン化合物およびフルオレン化合物の五員環は、置換されていてもよいアルキルおよび/または置換されていてもよいアリールで置換されていてもよく、五員環に2つ置換基が置換する場合にはこれらの置換基は結合して環を形成していてもよく、
     前記ベンゾフルオレン化合物、ジベンゾフルオレン化合物、インデノトリフェニレン化合物およびインデノピレン化合物のベンゼン環および/または縮合部位の少なくとも一部は、置換されていてもよいアリールで置換され、さらに置換されていてもよいアルキルおよび/または置換されていてもよいシクロアルキルで置換されていてもよく、そして、
     前記フルオレン化合物のベンゼン環の少なくとも一部は、置換されていてもよいフェニルまたは縮合環系アリールで置換され、さらに置換されていてもよいアルキルおよび/または置換されていてもよいシクロアルキルで置換されていてもよく、前記フェニルまたは縮合環系アリールへの置換基がアリールの場合には該アリールはフェニルまたは縮合環系アリールである、
     請求項1に記載の発光補助層用材料。
  3.  前記フルオレン化合物が下記一般式(1)で表され、前記ベンゾフルオレン化合物が下記一般式(2)または下記一般式(3)で表され、前記ジベンゾフルオレン化合物が下記一般式(4)で表され、前記インデノトリフェニレン化合物が下記一般式(5)または下記一般式(6)で表され、前記インデノピレン化合物が下記一般式(7)で表される、請求項2に記載の発光補助層用材料。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001

    (上記式(2)~(7)におけるRおよびRは、それぞれ独立して、水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキルまたは置換されていてもよいアリールであり、RおよびRのうちの少なくとも1つは置換されていてもよいアリールであり、
     上記式(1)におけるRおよびRは、それぞれ独立して、水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、または、置換されていてもよいフェニルもしくは縮合環系アリールであり、RおよびRのうちの少なくとも1つは置換されていてもよいフェニルもしくは縮合環系アリールであり、前記フェニルもしくは縮合環系アリールへの置換基がアリールの場合には該アリールはフェニルもしくは縮合環系アリールであり、そして、
     上記式(1)~(7)におけるRおよびRは、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキルまたは置換されていてもよいアリールであり、RおよびRは結合して環を形成していてもよい。)
  4.  上記式(2)~(7)におけるRおよびRは、それぞれ独立して、水素、置換されていてもよい炭素数1~24のアルキル、置換されていてもよい炭素数3~12のシクロアルキルまたは置換されていてもよい炭素数6~30のアリールであり、RおよびRのうちの少なくとも1つは置換されていてもよい炭素数6~30のアリールであり、
     上記式(1)におけるRおよびRは、それぞれ独立して、水素、置換されていてもよい炭素数1~24のアルキル、置換されていてもよい炭素数3~12のシクロアルキル、または、置換されていてもよい炭素数6~30のフェニルもしくは縮合環系アリールであり、RおよびRのうちの少なくとも1つは置換されていてもよい炭素数6~30のフェニルもしくは縮合環系アリールであり、
     上記式(1)~(7)におけるRおよびRは、それぞれ独立して、置換されていてもよい炭素数1~24のアルキルまたは置換されていてもよい炭素数6~30のアリールであり、RおよびRは結合して環を形成していてもよく、
     上記式(2)~(7)のRおよびRにおける置換基は、それぞれ独立して、炭素数1~24のアルキル、炭素数3~12のシクロアルキルまたは炭素数6~30のアリールである、
     上記式(1)のRおよびRにおける置換基は、それぞれ独立して、炭素数1~24のアルキル、炭素数3~12のシクロアルキルまたは炭素数6~30のフェニルもしくは縮合環系アリールである、そして、
     上記式(1)~(7)のRおよびRにおける置換基は、それぞれ独立して、炭素数1~24のアルキル、炭素数3~12のシクロアルキルまたは炭素数6~30のアリールである、
     請求項3に記載する発光補助層用材料。
  5.  上記式(2)~(7)におけるRおよびRは、置換されていてもよい炭素数6~24のアリールであり、
     上記式(1)におけるRおよびRは、置換されていてもよい炭素数6~24のフェニルもしくは縮合環系アリールであり、
     上記式(1)~(7)におけるRおよびRは、それぞれ独立して、置換されていてもよい炭素数1~12のアルキルまたは置換されていてもよい炭素数6~16のアリールであり、RおよびRがアリールの場合はアリール同士が結合して環を形成していてもよく、
     上記式(2)~(7)のRおよびRにおける置換基は、それぞれ独立して、炭素数1~12のアルキル、炭素数3~6のシクロアルキルまたは炭素数6~20のアリールであり、
     上記式(1)のRおよびRにおける置換基は、それぞれ独立して、炭素数1~12のアルキル、炭素数3~6のシクロアルキルまたは炭素数6~20のフェニルもしくは縮合環系アリールであり、そして、
     上記式(1)~(7)におけるRおよびRにおける置換基は、それぞれ独立して、炭素数1~12のアルキル、炭素数3~6のシクロアルキルまたは炭素数6~20のアリールである、
     請求項3に記載する発光補助層用材料。
  6.  前記一般式(2)または一般式(3)で表されるベンゾフルオレン化合物であって、
     RおよびRは、置換されていてもよい炭素数6~20のアリールであり、
     RおよびRは、それぞれ独立して、置換されていてもよい炭素数1~6のアルキルまたは置換されていてもよい炭素数6~12のアリールであり、RおよびRがアリールの場合はアリール同士が結合して環を形成していてもよく、そして、
     R、R、RおよびRにおける置換基は、それぞれ独立して、メチル、エチル、プロピル、t-ブチル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ビフェニリルまたはナフチルである、
     請求項3に記載する発光補助層用材料。
  7.  前記一般式(2)または一般式(3)で表されるベンゾフルオレン化合物であって、
     RおよびRは、それぞれ独立して、フェニル、ビフェニリル、テルフェニリル、クアテルフェニリル、ナフチルまたはフェナントリルであり、そして、
     RおよびRは、それぞれ独立して、メチル、エチル、プロピル、t-ブチル、フェニルまたはビフェニリルである、フェニルまたはビフェニリル同士が結合して環を形成していてもよく、
     請求項3に記載する発光補助層用材料。
  8.  下記式(2-1)、式(2-2)、式(2-3)、式(2-4)および式(2-5)のいずれかで表される、請求項3に記載する発光補助層用材料。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
  9.  下記式(1-1)、式(1-71)、式(2-21)、式(2-41)、式(2-61)、式(2-62)、式(2-85)、式(2-87)、式(3-5)、式(3-6)、式(3-8)、式(5-7)および式(6-9)のいずれかで表される、請求項3に記載する発光補助層用材料。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
  10.  陽極および陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に配置される発光層と、前記陰極と該発光層との間に配置される電子輸送層と、前記発光層と該電子輸送層との間に配置される発光補助層とを有する、有機電界発光素子であって、
     該発光補助層は請求項1ないし9のいずれかに記載する発光補助層用材料で形成される、有機電界発光素子。
  11.  前記発光層は、ホスト材料と、発光波長が400~500nmにピークを有する蛍光発光性のドーパント材料とからなり、
     前記ホスト材料の三重項エネルギーE が前記発光補助層用材料の三重項エネルギーE より小さい、
     請求項10に記載する有機電界発光素子。
  12.  前記発光層は、ホスト材料と、発光波長が400~500nmにピークを有する蛍光発光性のドーパント材料とからなり、
     前記ドーパント材料の三重項エネルギーE が前記ホスト材料の三重項エネルギーE より大きい、
     請求項10または11に記載する有機電界発光素子。
  13.  前記発光層は、ホスト材料と、発光波長が400~500nmにピークを有する蛍光発光性のドーパント材料とからなり、
     前記ホスト材料は、アントラセン誘導体およびピレン誘導体からなる群から選択される少なくとも1つを含有し、
     前記ドーパント材料は、アミン含有ベンゾフルオレン誘導体、アミン含有ピレン誘導体、アミン非含有ピレン誘導体、アミン含有クリセン誘導体およびアミン含有スチリル誘導体からなる群から選択される少なくとも1つを含有する、
     請求項10ないし12のいずれかに記載する有機電界発光素子。
  14.  前記電子輸送層用材料は、複素環含有化合物を含有する、請求項10ないし13のいずれかに記載する有機電界発光素子。
  15.  前記複素環含有化合物は、ピリジン誘導体、チアゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、フェナントロリン誘導体およびホスフィンオキサイド誘導体からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項14に記載する有機電界発光素子。
  16.  前記発光補助層用材料のアフィニティAおよび前記電子輸送層を形成する電子輸送層用材料のアフィニティAの関係が、A>A-0.8eVである、
     請求項10ないし15のいずれかに記載する有機電界発光素子。
  17.  請求項10ないし16のいずれかに記載する有機電界発光素子を備えた表示装置。
  18.  請求項10ないし16のいずれかに記載する有機電界発光素子を備えた照明装置。
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