WO2014171123A1

WO2014171123A1 - キャビネット

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Publication number: WO2014171123A1
Application number: PCT/JP2014/002095
Authority: WO
Inventors: 良平藤本; 慎哉棚田; 明子中谷
Original assignee: パナソニックＩｐマネジメント株式会社
Priority date: 2013-04-17
Filing date: 2014-04-14
Publication date: 2014-10-23
Also published as: TWI568378B; TW201501670A; CN105120715A; DE112014002018T5; CN110089861A; CN105120715B

Abstract

　本発明に係るキャビネットは、キャビネット本体と、扉と、照明ユニットとを備える。キャビネット本体は、前方に開口した収納空間が形成されている。扉は、キャビネット本体の前側に設けられて、収納空間を開閉可能に閉塞する。照明ユニットは、キャビネット本体の前側に扉と並べて設けられる。照明ユニットは、少なくとも１つの取付ベースと、照明装置とを有する。取付ベースは、キャビネット本体に対して取り付けられる。照明装置は、取付ベースの前側に取り付けられる。

Description

キャビネット

　本発明は、一般に、キャビネット、より詳細には照明装置を備えたキャビネットに関する。

　日本国公開特許公報第２００７－９８０３４号（以下、文献１）には従来のキャビネットが開示されている。この文献１に記載されたキャビネットは、キャビネット本体の収納空間を閉塞する扉に照明装置が設けられている。この扉は、扉体と鏡板とを備えている。鏡体は扉体の前面に取り付けられている。照明装置は、扉体の前面に、鏡体に並ぶように取り付けられている。

　ところで、文献１の照明装置は、扉体に直接に取り付けられている。このため、照明装置の厚さ次第で、当該照明装置の前端が鏡体の前面から大きく突出したり、鏡体の前面よりも大きく後側に位置したりしてしまう。

　本発明は前記事情に鑑みてなされたものであって、照明装置の前端の位置を扉の前面の位置に応じて配置できるキャビネットを提供することを課題とする。

　本発明に係る第１の形態のキャビネットは、キャビネット本体と、扉と、照明ユニットとを備える。キャビネット本体には、前方に開口した収納空間が形成されている。扉は、キャビネット本体の前側に設けられて、収納空間を開閉可能に閉塞する。照明ユニットは、キャビネット本体の前側に扉と並べて設けられる。照明ユニットは、少なくとも１つの取付ベースと、照明装置とを有する。取付ベースは、キャビネット本体に対して取り付けられる。照明装置は、取付ベースの前側に取り付けられる。

実施形態１におけるキャビネットの要部水平断面図であって、図３のＡ部拡大図である。実施形態１のキャビネットを具備する洗面化粧台の正面図である。実施形態１のキャビネットの水平断面図である。実施形態１の左側の扉を取り外したキャビネットの正面図である。実施形態１のキャビネットの扉を取り外した状態の要部斜視図である。実施形態１のキャビネットの扉を取り外した状態の要部正面図である。図６のＢ－Ｂ′線断面図である。実施形態１の照明装置の底面図である。実施形態１の照明ユニットの分解斜視図である。実施形態１の照明ユニットの分解斜視図である。厚みの大きい扉とこれに対応する取付ベースを取り付けたキャビネットの断面図である実施形態２のキャビネットの照明ユニットを示す斜視図である。実施形態２のキャビネットの水平断面図である。図１３のＡ部拡大図である。実施形態２の照明ユニットの下側且つ前側から見たときの斜視図である。実施形態２の照明ユニットにおいて取付ベースから照明装置を取り外した状態を示す斜視図である。実施形態２の取付ベース及びこれに取り付けられた光源ブロックを示す斜視図である。実施形態２の強磁性体及び磁石を設けたキャビネットの要部斜視図である。実施形態３のキャビネットの斜視図である。図２０Ａは実施形態３のキャビネットの断面図である。図２０Ｂは、図２０Ａの要部拡大図である。実施形態３のキャビネットの分解斜視図である。図２２Ａは、実施形態３の照明装置の斜視図である。図２２Ｂは、照明装置の分解斜視図である。実施形態３の変形例のキャビネットの断面図である。実施形態４のキャビネット本体の分解斜視図である。実施形態４のキャビネットの要部断面図である。図２６Ａは、実施形態４の照明装置の斜視図である。図２６Ｂは、照明装置の分解斜視図である。実施形態４の照明ユニットの分解図である。実施形態４のキャビネットの要部断面図である。実施形態５のキャビネットの分解斜視図である。実施形態５のキャビネットの斜視図である。実施形態５のキャビネットの平面図である。実施形態５のキャビネットの要部水平断面図である。実施形態５の照明装置の分解斜視図である。実施形態５のキャビネットの一方の照明装置及び扉の図示を省略した斜視図である。実施形態５の変形例のキャビネットの斜視図である。実施形態５の変形例のキャビネットの分解斜視図である。実施形態５の更なる変形例のキャビネットの側面図である。

　（実施形態１）
　図２に本実施形態のキャビネット１を含む洗面化粧台を示す。なお、以下では、図２に示すキャビネット１の設置状態における方向を基準にして記述する。すなわち、以下では、図２において、Ｄ１に示す方向を上方、Ｄ２に示す方向を下方と定義して記述する。また、以下では、図３においてＤ３に示す方向を前方、Ｄ４に示す方向を後方、Ｄ５に示す方向を左方、Ｄ６に示す方向を右方と定義して記述する。

　図２に示す洗面化粧台は、洗面台２とキャビネット１を備えている。洗面台２は、後面側を部屋の壁に沿わせた状態で床上に設置される。

　洗面台２は、洗面ボウル２０を備えている。洗面ボウル２０は、洗面台２の上部に設けられている。洗面ボウル２０の上面には、下方に凹み上方に開口したボウル部（不図示）が形成されている。洗面ボウル２０の上面の後端部には、上方に突出した立ち上がり壁部２００が形成されている。

　本実施形態のキャビネット１は、図３に示すように、キャビネット本体３、複数の照明ユニット４、及び複数の扉８を備えている。

　キャビネット本体３は、例えば合成樹脂製である。なお、キャビネット本体３の材料は、合成樹脂に限られない。

　キャビネット１は、例えばキャビネット本体３の後面側を部屋の壁に沿わせた状態で、複数のねじ等を用いて壁に固定される。なお、キャビネット本体３は、部屋の壁に対して固定されなくてもよい。

　キャビネット本体３は、洗面台２の立ち上がり壁部２００の上方に配置される。キャビネット本体３は、洗面台２の立ち上がり壁部２００よりも前方に突出する。

　図４に示すように、本実施形態のキャビネット本体３は、天井部３０（天板）、底部３１、一対の側壁部３２（一対の側板）、後壁部３３、複数の収納空間３４、及び複数の仕切壁部３５（図３）を有している。以下、特に区別する場合には、キャビネット本体３の両側の側壁部３２のうち、左側の側壁部３２を側壁部３２Ａと記載し、右側の側壁部３２を側壁部３２Ｂと記載する。

　天井部３０の上面は、キャビネット本体３の上面である。底部３１の下面は、キャビネット本体３の下面である。両側壁部３２の外面は、キャビネット本体３の外側面である。後壁部３３の後面は、キャビネット本体３の後面である。

　図３に示すように、複数の収納空間３４は左右に並べて形成されている。本実施形態では、収納空間３４がキャビネット本体３の左右方向における両側と中央の計三箇所に設けられている。各収納空間３４は前方に向かって開口している。

　以下、特に区別する場合には、キャビネット本体３の左側に形成された収納空間３４を収納空間３４Ａと記載する。また、キャビネット本体３の左右方向における中央に形成された収納空間３４を収納空間３４Ｂと記載する。また、キャビネット本体３の右側に形成された収納空間３４を収納空間３４Ｃと記載する。

　キャビネット本体３の両側壁部３２の間には、図３に示すように、２つの仕切壁部３５が形成されている。両仕切壁部３５は、左右に並んでいる。各仕切壁部３５は、後壁部３３から前方に向かって突出している。すなわち、仕切壁部３５は、後壁部３３の両側壁部３２の間の部分における左右両側に形成されている。各仕切壁部３５は縦長である。各仕切壁部３５は、天井部３０から底部３１にまで亘っている。

　各仕切壁部３５の前面は、天井部３０の前面及び底部３１の前面よりも後方に位置している。なお、天井部３０の前面と底部３１の前面は、前後方向において同じ位置である。

　以下、特に区別する場合には、キャビネット本体３の左側に形成された仕切壁部３５を仕切壁部３５Ａと記載し、キャビネット本体３の右側に形成された仕切壁部３５を仕切壁部３５Ｂと記載する。

　キャビネット本体３の左側の収納空間３４Ａは、正面視において、左側の側壁部３２Ａ、左側の仕切壁部３５Ａ、天井部３０、及び底部３１によって囲まれた空間である。キャビネット本体３の中央の収納空間３４Ｂは、正面視において、両仕切壁部３５Ａ、３５Ｂ、天井部３０、及び底部３１によって囲まれた空間である。左側の収納空間３４Ａと中央の収納空間３４Ｂの間には、左側の仕切壁部３５Ａが位置している。すなわち、左側の仕切壁部３５Ａは、左側の収納空間３４Ａと中央の収納空間３４Ｂの間の部分である。

　キャビネット本体３の右側の収納空間３４Ｃは、正面視において、右側の側壁部３２Ｂ、右側の仕切壁部３５Ｂ、天井部３０、及び底部３１によって囲まれた空間である。右側の仕切壁部３５Ｂは、右側の収納空間３４Ｃと中央の収納空間３４Ｂの間に位置している。すなわち、右側の仕切壁部３５Ｂは、右側の収納空間３４Ｃと中央の収納空間３４Ｂの間の部分である。

　このようにキャビネット本体３は、天井部３０、底部３１、両側の側壁部３２、及び後壁部３３で囲まれた空間が、縦長の２つの仕切壁部３５で仕切られている。これにより、キャビネット本体３には、内部が収納空間３４となった収納部が複数形成されている。

　図１～図３に示すように、各照明ユニット４は、キャビネット本体３の前側に設けられている。本実施形態では、各仕切壁部３５に照明ユニット４が設けられている。

　図１に示すように、各照明ユニット４は、取付ベース６と照明装置５を備えている。各照明ユニット４の取付ベース６は上下方向に延びる長形（縦長）であって、全長に亙って断面Ｕ字状に形成されている。

　各照明ユニット４の取付ベース６は、仕切壁部３５に取り付けられている。この状態で、取付ベース６の後面は、仕切壁部３５の前面に当たって接している。

　各取付ベース６は、例えば、アルミニウム、鉄、銅等の熱伝導性に優れた金属材料から形成される。各照明ユニット４の取付ベース６は、断面形状が前方に開口するＵ字状に形成されている。各照明ユニット４の取付ベース６は、後述するビス用孔６００が形成された箇所を除いて、長さ方向と直交する断面の形状が長さ方向に亘って一様である。各照明ユニット４の取付ベース６は、長尺部材を切断して形成される。長尺部材は、取付ベース６よりも長く、且つ長さ方向と直交する断面の形状が取付ベース６と同一である。なお、一の長尺部材から形成される取付ベース６は、１本であってもよいし、複数本であってもよい。

　各取付ベース６は、後片部６１、及び一対の側片部６０を有している。後片部６１は、取付ベース６の奥部分を構成している。後片部６１の後面は、取付ベース６の後面である。側片部６０は、後片部６１の両側（詳しくは両側端部）から前方に向かって突出している。各側片部６０の外面は、取付ベース６の外側面である。

　各取付ベース６は、前方及び上下に開口した収納溝６２を有している。各取付ベース６の収納溝６２は、両側片部６０と後片部６１とで形成されている。収納溝６２は、取付ベース６の上下方向の全長に亘っている。収納溝６２の奥面は、後片部６１の前面である。収納溝６２の内側面は、側片部６０の内面である。

　本実施形態のキャビネット本体３は、図１又は図５に示す、複数の凹部３７及び複数の嵌込溝部３６をさらに有している。

　図５に示すように、凹部３７は、キャビネット本体３の天井部３０の上面において各仕切壁部３５に対応する箇所に形成されている。各凹部３７は下方に向かって凹んでいる。各凹部３７の底面は、天井部３０の上面の一部である。各凹部３７は平面視矩形状に形成されており、上方及び前方に開口している。

　嵌込溝部３６は、キャビネット本体３の底部３１及び天井部３０において各仕切壁部３５に対応する箇所の前面に形成されている。各嵌込溝部３６は、前方に開口している。以下、特に区別する場合には、天井部３０に形成された嵌込溝部３６（図１０参照）を嵌込溝部３６Ａと記載し、底部３１に形成された嵌込溝部３６（図１参照）を嵌込溝部３６Ｂと記載する。

　天井部３０に形成された各嵌込溝部３６Ａは、図１０に示すように、各凹部３７の底面の前端部に形成されている。嵌込溝部３６Ａは、凹部３７の左右方向のいずれかの端部に寄せて設けられている。各嵌込溝部３６Ａは、天井部３０を上下に貫通している。各嵌込溝部３６Ａの上開口部は、凹部３７の底面に形成されている。各嵌込溝部３６Ａは、上開口部から上方に向かって開口している。

　底部３１に形成された各嵌込溝部３６Ｂは、図１に示すように、底部３１を上下に貫通している。各嵌込溝部３６Ｂの下開口部は、底部３１の下面に形成されている。各嵌込溝部３６Ｂは、下開口部から下方に向かって開口している。

　各取付ベース６の上端部は、図５に示すように、キャビネット本体３の天井部３０の嵌込溝部３６Ａに嵌め込まれている。各取付ベース６の収納溝６２は、上方に向かって開口し、対応する凹部３７に通じている。

　各取付ベース６の下端部は、図１に示すように、キャビネット本体３の底部３１の嵌込溝部３６Ｂに嵌め込まれている（取付ベース６の下端部は、嵌込溝部３６Ｂ内に位置している）。各取付ベース６の収納溝６２は、下方に向かって開口し、キャビネット本体３の底部３１の下側に通じている。

　各取付ベース６の後片部６１は、前方より挿入したねじ１３によって、仕切壁部３５に固定されている。これにより、キャビネット本体３において左右に並ぶ収納空間３４の間の部位である仕切壁部３５には、前方に開口する収納溝６２が設けられている。

　各取付ベース６の両側片部６０の前端部は、キャビネット本体３の天井部３０及び底部３１よりも前方に突出している。

　各照明装置５は、上下方向に延びる長形（縦長）である。各照明装置５は、対応する取付ベース６の前側に取り付けられている。すなわち、各照明装置５は、対応する取付ベース６を介してキャビネット本体３の前側に取り付けられている。

　各照明装置５は、図９に示すように、導光部材５１と光源ブロック５４を備えている。本実施形態の各照明装置５は、さらに、ホルダー５０、下キャップ５２（図８参照）、上キャップ５３、放熱シート５５、放熱板５６、表面カバー５７、及び放熱板カバー５８を備えている。

　各照明装置５のホルダー５０は、上下に延びる縦長の部材である。各ホルダー５０は例えば合成樹脂製である。

　各照明装置５のホルダー５０は、対応する取付ベース６と上下長さが略同じである。各照明装置５のホルダー５０は、保持溝部５００を有している。各保持溝部５００は、前方に向かって開口している。各保持溝部５００は、ホルダー５０の上下に亘って形成されている。

　各照明装置５の導光部材５１は、縦長棒状に形成されている。各導光部材５１は、当該導光部材５１の長さ方向と直交する断面の形状が長さ方向に亘って一様である。各導光部材５１の上下長さは、対応するホルダー５０の上下長さと略同じである。各導光部材５１は、例えばアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等の透明な樹脂から形成されている。各導光部材５１は、透光性を有している。各導光部材５１は、図１に示すように保持溝部５００内に嵌め込まれることで、対応するホルダー５０に保持されている。

　各導光部材５１は、図９に示すように、入光部５１０（入射面）、反射部５１１、及び出光部５１２（出射面）を有している。各導光部材５１の上端面は、ホルダー５０の保持溝部５００の上開口部から、ホルダー５０の上方に向かって露出している。本実施形態では、各導光部材５１の上端面が入光部５１０である。各導光部材５１の入光部５１０は、光源ブロック５４が有する光源５４１から発せられた光が入射する位置に配置されている。

　各導光部材５１の後面には、図１に示すように、反射部５１１が設けられている。各導光部材５１の反射部５１１は、例えば導光部材５１の後面に印刷や蒸着によって反射性の物質を設けたり、微細な凹凸を設けたり、二色成形によって反射部分を設けたりすることによって形成される。

　各導光部材５１の入光部５１０から導光部材５１に入射した光は、各導光部材５１の内部を下方に向かって進行する過程で反射部５１１において拡散して前側に反射する。換言すると、各導光部材５１の反射部５１１は、入光部５１０から導光部材５１に入射した光を、拡散して前側に反射するように構成されている。

　各導光部材５１の出光部５１２は、導光部材５１の前方に臨んだ前面である。各導光部材５１の出光部５１２は、ホルダー５０の保持溝部５００の前開口部から、ホルダー５０の前方に向かって露出している。各導光部材５１の出光部５１２は、反射部５１１で反射した光を前側に出射するように構成されている。

　各照明装置５の下キャップ５２（図８参照）は、ホルダー５０の下端面に沿って配置されている。各照明装置５の下キャップ５２は、図８に示すねじ１４によってホルダー５０の下端部に取り付けられている。各照明装置５の下キャップ５２は、ホルダー５０に保持された導光部材５１の直下に位置している。各照明装置５の下キャップ５２は、導光部材５１の下方への移動を規制する。

　各照明装置５の図９に示す上キャップ５３は、ホルダー５０の上端部に被せ付けられている。これにより、各ホルダー５０の上端部は、対応する上キャップ５３の内側に嵌め込まれている。

　各照明装置５の上キャップ５３は、ホルダー５０に保持された導光部材５１の直上に位置している。各照明装置５の上キャップ５３は、導光部材５１の上方への移動を規制する。

　各照明装置５の上キャップ５３は、窓部５３０を有している。各上キャップ５３の窓部５３０は、上キャップ５３において導光部材５１の入光部５１０に対向する箇所に形成されている。各上キャップ５３の窓部５３０は、例えば孔又は切欠である。各上キャップ５３の窓部５３０は、上下に貫通している。

　各照明装置５の上キャップ５３上には、光源ブロック５４が有する回路基板５４０がその一面を下に向けて載置されている。各照明装置５の回路基板５４０の下面の一部は、対応する上キャップ５３の窓部５３０に対向している。

　各照明装置５の回路基板５４０には、光源５４１が設けられている。本実施形態では、各照明装置５の光源ブロック５４は、回路基板５４０と光源５４１で構成されている。光源５４１は、点光源であり、例えば発光ダイオードである。なお、光源５４１は、発光ダイオード以外の点光源であってもよいし、点光源以外の光源であってもよい。

　各照明装置５の光源５４１は、対応する回路基板５４０の下面において窓部５３０に臨む部分に実装されている。

　各照明装置５の光源５４１は、上キャップ５３の窓部５３０に配置され、導光部材５１の入光部５１０に対向している。各照明装置５の光源５４１は、下方に向かって光を照射する。なお、本実施形態の光源５４１は、光源ブロック５４の発熱量を抑えるために回路基板５４０に一つだけ設けられているが、複数設けられてもよい。

　各照明装置５の回路基板５４０の上面には、放熱シート５５が積層されている。本実施形態の各放熱シート５５は、回路基板５４０の上面に直接積層されている。放熱シート５５は、例えばシリコーン等の熱伝導性に優れた材料から形成されている。

　各照明装置５の回路基板５４０上（詳しくは放熱シート５５上）には、放熱板５６が配置されている。各放熱板５６は、光源ブロック５４で発生した熱を放散する放熱部である。

　各照明装置５の放熱板５６は、放熱性に優れた材料から形成される。各放熱板５６は、例えばアルミニウム等の金属製である。なお、各放熱板５６は、例えば鉄、銅等のアルミニウム以外の材料から形成されてもよい。

　各照明装置５の放熱板５６は、平面視略矩形状に形成されている。各放熱板５６は、突出部５６０を有している。各放熱板５６の突出部５６０は、放熱板５６の前端部の一方の側端部に形成されている。各突出部５６０は、放熱板５６の側端部から前方に向かって突出している。

　平面視略矩形状の各放熱板５６の突出部５６０側の角部において、突出部５６０を含めた前側の部分は挟持部５６１である。また、平面視略矩形状の各放熱板５６の突出部５６０側の角部において、挟持部５６１よりも後側の部分は固定部５６２である。

　各放熱板５６の固定部５６２は、対応する上キャップ５３上に直接載置されている。各放熱板５６の固定部５６２には、固着具である複数のビス７０が上方から挿通されている。これらビス７０は、上キャップ５３を通して対応するホルダー５０にねじ込まれている。これにより、各放熱板５６は、対応するホルダー５０に取り付けられている。各照明装置５の上キャップ５３は、ホルダー５０と、このホルダー５０にビス７０で取り付けられた固定部５６２との間で上下に挟み込まれて固定されている。

　各照明装置５の放熱板５６の挟持部５６１は、放熱シート５５を介して回路基板５４０上に配置されている。各照明装置５にあっては、挟持部５６１と上キャップ５３によって回路基板５４０と放熱シート５５が上下に挟み込まれている。これにより、各照明装置５の放熱板５６は、放熱シート５５を介して回路基板５４０に熱的に接続されている。

　各照明装置５において光源ブロック５４の光源５４１が発光すると、光源５４１及び光源５４１が実装された回路基板５４０は発熱する。このように光源ブロック５４において発生した熱は、放熱シート５５を介して放熱板５６に伝わり、放熱板５６から放散される。

　各照明装置５の表面カバー５７の形状は、上下方向に延びる縦長である。各表面カバー５７は例えば合成樹脂製である。各表面カバー５７の上下長さは、対応するホルダー５０の上下長さ及び導光部材５１の上下長さと略同じである。

　各照明装置５の表面カバー５７は、図１に示すように、後方に開口したＵ字状である。本実施形態の各照明装置５の表面カバー５７は、長さ方向と直交する断面の形状が長さ方向に亘って一様である。

　各照明装置５の表面カバー５７は、前片部５７０と、一対の掛止片部５７１を有している。前片部５７０の前面は、表面カバー５７の前面である。掛止片部５７１は、前片部５７０の両側から、後方に向かって突出している。

　各照明装置５の表面カバー５７は、両掛止片部５７１をホルダー５０の前部に引っ掛けて固定（掛止）することで、導光部材５１の前面を覆うようにホルダー５０に前側から取り付けられる。各照明装置５の表面カバー５７の前片部５７０は、照明装置５の前端部に位置している。各表面カバー５７の前面は、照明装置５の前面である。

　各照明装置５の表面カバー５７は、透光性を有している。各照明装置５の導光部材５１の出光部５１２から出射された光は、表面カバー５７の前片部５７０を透過してキャビネット本体３の前側に出射する。すなわち、各表面カバー５７は、照明装置５において前方に光を出す発光部分となる。

　図９に示すように、各照明装置５の放熱板カバー５８は、下方に開口した厚みの薄い箱状に形成されている。各放熱板カバー５８は、図６に示すように、放熱板５６に被せ付けられている。各照明装置５の放熱板５６は、放熱板カバー５８に嵌め込まれ、放熱板カバー５８に収納されている。

　各照明装置５の放熱板カバー５８は、図９に示すように、突部５８２と複数の掛止部５８３を有している。各放熱板カバー５８の突部５８２は、放熱板カバー５８の前面部５８０の側端部に位置している。各放熱板カバー５８の突部５８２の水平断面形状は、後方に開口したＵ字状をしている。各放熱板カバー５８の突部５８２は、放熱板カバー５８から前方に突出するように屈曲している。各放熱板カバー５８の突部５８２には、放熱板５６の突出部５６０が収納されている。

　各放熱板カバー５８の両側面部５８１の下縁の前後には、掛止部５８３が形成されている。各掛止部５８３は、放熱板カバー５８の側面部５８１から下方に向かって突出している。

　図６に示すように、各掛止部５８３は、爪部５８４を有している。爪部５８４は、各掛止部５８３の下部に形成されている。各爪部５８４は、放熱板カバー５８の内側方（左右方向の内側）に向かって突出している。

　各掛止部５８３の爪部５８４は、対応する放熱板５６の側縁部の下面に引っ掛けて固定されている。これにより放熱板カバー５８は、放熱板５６に取り付けられている。

　図１に示すように、照明装置５のホルダー５０は、取付ベース６の収納溝６２に嵌め込まれている。

　各照明装置５のホルダー５０は、被規制部５０３を有している。各照明装置５の被規制部５０３は、一対の被掛止部５０４を有している。各照明装置５のホルダー５０の後面の両側には、引掛片部５０１が形成されている。各引掛片部５０１は、後方に向かって突出している。被掛止部５０４は、ホルダー５０の両引掛片部５０１に形成されている。各被掛止部５０４は、引掛片部５０１の後端部から、ホルダー５０の幅方向（左右方向）の外側に向かって突出している。

　一方、各取付ベース６は、規制部６３を有している。規制部６３は、対応する照明装置５の被規制部５０３の前後方向の移動を規制している。

　本実施形態の各規制部６３は、一対の掛止部６３０と、一対の後止部６３１を有している。掛止部６３０は、取付ベース６の各側片部６０に形成されている。各掛止部６３０は、側片部６０の後部から、取付ベース６の幅方向（左右方向）の内側に向かって突出している。

　後止部６３１は、取付ベース６の後片部６１の左右両側に形成されている。各後止部６３１は、後片部６１から前方に向かって突出している。各後止部６３１は、対応する掛止部６３０の後方に位置している。

　各引掛片部５０１の被掛止部５０４は、取付ベース６の対応する掛止部６３０と、対応する後止部６３１の間に嵌め込まれる。これにより、各被掛止部５０４は、前後方向の移動が規制される。すなわち、各被掛止部５０４は、取付ベース６の対応する掛止部６３０の後面に引っ掛けられて前方への移動が規制される。また、各被掛止部５０４は、対応する後止部６３１に対向し、この後止部６３１の前面の近傍に配置される又は接する。これにより、各被掛止部５０４は、後方への移動が規制される。各照明装置５の被規制部５０３は、対応する取付ベース６の規制部６３に対して上下方向にスライド可能である（つまり、規制部６３は、被規制部５０３の上下方向の移動を規制しない）。

　各照明装置５の取付ベース６は、一又は複数のビス用孔６００（図５参照）を有している。ビス用孔６００は、取付ベース６の長さ方向における一か所にのみ形成されている。なお、ビス用孔６００は、取付ベース６の長さ方向において同じ位置に形成されるのであれば、両側片部６０に形成されてもよいし、両側片部６０のうちの一方の側片部６０にのみ形成されてもよい。

　各ビス用孔６００には、取付ベース６の外側方から、固着具としてのビス７１が挿通されている。各ビス７１は、対応するホルダー５０にねじ込まれている。これによりホルダー５０は、取付ベース６の側片部６０に対して固定されている。各ホルダー５０は、対応する取付ベース６に対して長さ方向における一か所のみがビス７１により固定されるため、ビス７１により取付ベース６に固定された箇所以外の部分は、取付ベース６に対して上下にスライドできる。このため、取付ベース６とホルダー５０の熱による膨張率の違いによって取付ベース６又はホルダー５０が変形等することを抑制できる。

　各照明装置５のホルダー５０及び導光部材５１は、図１に示すように、キャビネット本体３の天井部３０の前面及び底部３１の前面よりも前方に突出している。また、各照明装置５の表面カバー５７の前面は、前後方向において、収納空間３４を閉塞した各扉８の前面と略同じ位置（詳しくは僅かに後方位置）に配置されている。

　キャビネット本体３の各凹部３７には、図６に示すように、対応する照明装置５の放熱板５６及び放熱板カバー５８が配置されている。各照明装置５の放熱板カバー５８は、キャビネット本体３の対応する凹部３７に嵌め込まれている。

　各放熱板カバー５８の各掛止部５８３の下端（詳しくは爪部５８４の下端）は、図７に示すように、キャビネット本体３の対応する凹部３７の底面に当たって接している、或いはキャビネット本体３の対応する凹部３７の底面の近傍に配置されている。これにより、各放熱板５６の下面と対応する凹部３７の底面との間には、放熱板５６の直下に位置する空間１２（隙間）が形成されている。

　各放熱板カバー５８の突出部５６０を除く前面部５８０と、対応する凹部３７の底面の前縁部との間には、図５に示す開口１０が形成されている。各放熱板５６の下側に位置する空間１２は、開口１０からキャビネット本体３の外方となる前方に開放されている。このため、各放熱板５６に伝導した熱は、対応する空間１２から開口１０を介してキャビネット本体３の外部となる前側に排出される。

　各取付ベース６の収納溝６２内における導光部材５１の後側には、図１に示す通気路７４が形成されている。各通気路７４は、平面視において、取付ベース６の収納溝６２とホルダー５０の後面部とで囲まれた空間である。各通気路７４は、上下方向に延び、縦長である。各通気路７４は、収納溝６２の上下方向の略全長に亘っている。

　図１及び図８に示すように、各ホルダー５０の下端部に設けられた下キャップ５２は、取付ベース６の後片部６１の前方に位置している。下キャップ５２と後片部６１との間には、隙間７３が介在している。各通気路７４の下端部は、隙間７３を介してキャビネット本体３の外方（詳しくは下方）に開放されている。これにより、各通気路７４の下端部は、キャビネット本体３の下方の空間に通じている。

　キャビネット本体３の外部に存在する空気は、隙間７３を介して各通気路７４に導入される。すなわち、各ホルダー５０の下端部に設けられた隙間７３は、対応する通気路７４にキャビネット本体３の外部の空気を取り入れるための吸気口となる。

　各通気路７４の上端部は、放熱板５６の直下に位置する空間１２に通じている。各通気路７４の上端部を、空間１２に通じさせるには、例えば図７に示すように、ホルダー５０上に配置された上キャップ５３の後部が、ホルダー５０の上端面よりも隙間７２を介して上方に配置される。この場合、ホルダー５０の上端面と上キャップ５３の後部との間に隙間７２が形成され、通気路７４の上端部は、隙間７２を介して放熱板５６直下の空間１２に通じる。このため、通気路７４に存在する空気は、通気路７４を上昇した後、隙間７２を介して空間１２に導入され、この後、空間１２から開口１０を介してキャビネット本体３の前方に導出される。なお、通気路７４の上端部を空間１２に通じさせる方法はこれに限られない。例えば、上キャップ５３に通気路７４と空間１２を通じさせる孔を形成し、この孔により通気路７４の上端部が空間１２に通じてもよい。

　キャビネット１が有する複数の扉８（図２参照）は、キャビネット本体３の前面に設けられている。本実施形態では、図３に示すように、キャビネット本体３の収納空間３４毎に扉８が設けられている。

　本実施形態の各扉８は、前面が鏡面となった鏡面扉である。すなわち、本実施形態のキャビネット１は、前面を構成する扉８を鏡面扉としたミラーキャビネットである。複数の扉８は、キャビネット本体３の前面において照明ユニット４と左右に並べて取り付けられている。

　各扉８の吊元となる側端部は、上端部が蝶番１１を介してキャビネット本体３の天井部３０の前面に取り付けられている。また、各扉８の吊元となる側端部は、下端部が蝶番１１を介してキャビネット本体３の底部３１の前面に取り付けられている。

　このように各扉８は蝶番１１を介してキャビネット本体３に取り付けられるため、対応する収納空間３４を閉塞する位置から収納空間３４の前方を開放する位置まで左右に回動可能になっている。なお、収納空間３４を閉塞する位置に配置された各扉８は、キャビネット本体３の天井部３０及び底部３１の前側に配置され、天井部３０及び底部３１の前側を覆う。

　以下、特に区別する場合には、キャビネット１の左側に配置された扉８を扉８Ａと記載する。また、キャビネット１の左右方向の中央に配置された扉８を扉８Ｂと記載する。また、キャビネット１の右側に配置された扉８を扉８Ｃと記載する。

　各扉８を閉じたとき、中央の扉８Ｂと左側の扉８Ａの間、並びに中央の扉８Ｂと右側の扉８Ｃの間には、隙間１５（図１参照）が形成される。これら隙間１５には、図１に示すように、照明装置５の取付ベース６から前方に突出した前端部が配置される。すなわち、隙間１５には、表面カバー５７の全体、ホルダー５０の前端部、及び導光部材５１の前部が配置される。

　キャビネット１に設けられた各照明装置５は、光源５４１が発光することで導光部材５１からキャビネット１の前側に光を発する。具体的に光源５４１から下向きに照射された光は、導光部材５１の上端面である入光部５１０から導光部材５１に導入され、この後、導光部材５１の下端側に向かう過程で反射部５１１において拡散して前側に反射する。この光は出光部５１２から前側に出射し、隣り合う扉８の間に位置する表面カバー５７の前片部５７０を透してキャビネット１の前側に出射する。これにより、扉８の前面に設けられた鏡面を利用する利用者は、出光部５１２から表面カバー５７を透して出射された光を利用して、化粧や洗面等を行うことができる。

　各照明装置５の光源５４１が発光したときには、各照明装置５の光源５４１及び回路基板５４０が発熱する。この熱は放熱シート５５を介して、キャビネット本体３の外面である上面に設けられた放熱板５６に伝わり、放熱板５６において放散される。

　また、本実施形態のキャビネット１の左右の扉８Ｃ，８Ａは、キャビネット１の品番毎に異なる。このため、キャビネット１は、左右の扉８Ｃ，８Ａとして、前後厚みの異なる、複数種類の扉８０，８１を備えている。そして、左右の扉８Ｃ，８Ａとして、キャビネット１毎に厚みの異なる扉８０，８１が用いられる。なお、同じキャビネット１における左右の扉８Ｃ，８Ａは、厚みが同じ同種の扉が用いられる（つまり、左の扉８Ａの厚みと、右の扉８Ｃの厚みとは、同じである。）。

　また、本実施形態のキャビネット１は、取付ベース６として、前後長さが異なる、複数種類の取付ベース６ａ，６ｂを備えている。そして、各照明ユニット４が有する取付ベース６には、複数種類の取付ベース６ａ，６ｂの中から、キャビネット１毎に異なる左右の扉８Ｃ，８Ａの厚みに応じて選択された取付ベース６ａ又は取付ベース６ｂが用いられる。

　本実施形態では、左右の扉８Ｃ，８Ａとして、図１に示す厚みの小さな扉８０（以下、第１扉８０）、又は図１１に示す厚みの大きな扉８１（以下、第２扉８１）が用いられる。このため、左右の扉８Ｃ，８Ａとして、第１扉８０又は第２扉８１を選択することで、図１に示す第１扉８０を備えたキャビネット１と、図１１に示す第２扉８１を備えたキャビネット１を製造できる。

　詳細な図示は省略するが、図１に示す第１扉８０は、後面を構成するパネルに、前面を構成する鏡板が取り付けられて全体として一枚の板状に形成されている。第１扉８０は、キャビネット１の左側の扉８Ａとして利用されるときには、閉じたときの右側が吊元側とされ、右側の扉８Ｃとして利用されるときには、閉じたときの左側が吊元側とされる。すなわち、左側の扉８Ａとして利用されるときには、閉じたときの右側の端部が蝶番１１を介してキャビネット本体３に取り付けられ、右側の扉８Ｃとして利用されるときには、閉じたときの左側の端部が蝶番１１を介してキャビネット本体３に取り付けられる。このため、キャビネット１の中央の扉８Ｂを閉じた状態で、左右の扉８Ｃ，８Ａを前側に回動することで、キャビネット本体３に設けられた三枚の扉８を三面鏡として利用できる。

　他方、図１１に示す厚みの大きな第２扉８１は、後扉体８３、蝶番８４、及び前扉体８５を有している。蝶番８４は、後扉体８３の側端部に取り付けられている。前扉体８５は、蝶番８４を介して後扉体８３に縦軸回り（左右）に回動可能に取り付けられている。

　前扉体８５は第１扉８０と略同じ厚みである。前扉体８５の前面は鏡面である。前扉体８５は、図１１に示すように後面が後扉体８３の前面に沿った閉じ位置から、後扉体８３の前面より前方に離れた開き位置まで回動可能である。

　図示は省略するが、後扉体８３は、蝶番８４と反対側の側端部が蝶番１１を介してキャビネット本体３に取り付けられている。このため、後扉体８３と前扉体８５の開き方向は逆方向である。

　具体的には、第２扉８１は、キャビネット１の左側の扉８Ａとして利用されるときには、閉じたときの左側が吊元側とされて後扉体８３の左側が蝶番１１を介してキャビネット本体３に取り付けられる。また、第２扉８１は、キャビネット１の右側の扉８Ｃとして利用されるとき、閉じたときの右側が吊元側とされて後扉体８３の右側が蝶番１１を介してキャビネット本体３に取り付けられる。これにより、左右の扉８Ｃ，８Ａの後扉体８３を前方に開くことで、対応する収納空間３４を開放できる。また、キャビネット１の中央の扉８Ｂを閉じ、左右の扉８Ｃ，８Ａの後扉体８３を閉じた状態で、左右の扉８Ｃ，８Ａの前扉体８５を前方に開くことで、キャビネット本体３に設けられた三枚の扉８Ａ～８Ｃを三面鏡として利用できる。つまり、第２扉８１をキャビネット１の左右の扉８Ｃ，８Ａとして利用することで、キャビネット１を両開き型三面鏡として利用できる。

　なお、第２扉８１は、左側の扉８Ａとして利用されるときに後扉体８３の右側が蝶番１１を介してキャビネット本体３に取り付けられ、右側の扉８Ｃとして利用されるときに後扉体８３の左側が蝶番１１を介してキャビネット本体３に取り付けられてもよい。また、本実施形態では、第２扉８１を、後扉体８３とこれに回動可能に取り付けられた前扉体８５とを有する両開き型の扉としたが、第２扉８１は一枚板状の扉であってもよい。

　ここで、本実施形態では、キャビネット１の左右の扉８Ｃ，８Ａとして第１扉８０及び第２扉８１のいずれの扉８が用いられる場合であっても、キャビネット１の中央の扉８Ｂは、第１扉８０と同じ厚みの扉が用いられる。

　また、中央の扉８Ｂは、蝶番１１を変更等することで、扉８Ａ，８Ｃが第１扉８０又は第２扉８１のいずれであっても、各扉８を閉じたときに扉８Ｂの前面と扉８Ａ，８Ｃの前面とが前後方向において同じ位置に配置されるようキャビネット本体３に取り付けられる。なお、キャビネット１の中央の扉８Ｂとしては、左右の扉８Ｃ，８Ａと同種の扉を利用しても構わない。

　また、本実施形態では、取付ベース６として、図１に示す前後長さの短い取付ベース６ａ（以下、第１取付ベース６ａ）と、図１１に示す前後長さの長い取付ベース６ｂ（以下、第２取付ベース６ｂ）の二種類が用意される。

　第１取付ベース６ａと第２取付ベース６ｂは、上下長さ及び左右幅が同じである。第１取付ベース６ａは第２取付ベース６ｂに比べて、後片部６１の両側から前方に突出した両側片部６０の突出長さが短くなっている。

　図１に示す第１取付ベース６ａの規制部６３と、図１１に示す第２取付ベース６ｂの規制部６３は、前端までの前後方向の距離が略同じになる位置に形成されている。具体的に、図１に示す第１取付ベース６ａの両側片部６０に形成された掛止部６３０と、図１１に示す第２取付ベース６ｂの両側片部６０に形成された掛止部６３０は、同大同形の半球状に形成されている。すなわち、第１取付ベース６ａ及び第２取付ベース６ｂは、共通（同大同形）の掛止部６３０を有している。このため、両取付ベース６ａ，６ｂには、共通（同大同形）の照明装置５のホルダー５０を引っ掛けて固定できる。

　また、第１取付ベース６ａの後面から第１取付ベース６ａの掛止部６３０までの前後方向の距離Ｌａ（図１参照）は、第２取付ベース６ｂの後面から第２取付ベース６ｂの掛止部６３０までの前後方向の距離Ｌｂ（図１１参照）よりも短くなっている。具体的に、距離Ｌａと距離Ｌｂの差ΔＬ（ΔＬ＝Ｌｂ－Ｌａ）は、第１扉８０の厚みｔａと第２扉８１の厚みｔｂの差Δｔ（Δｔ＝ｔｂ－ｔａ）と略同じ寸法になっている。

　また、第２取付ベース６ｂにあっては、後止部６３１が各側片部６０に形成されている。第２取付ベース６ｂの各後止部６３１は、取付ベース６ｂの内側方に向かって突出している。

　このように本実施形態では、第１取付ベース６ａの規制部６３と、第２取付ベース６ｂの規制部６３とが、前端までの前後方向の距離が略同じになる位置に形成されている。このため、キャビネット本体３に第１扉８０及び第２扉８１のいずれの扉８を取り付けた場合にも、照明装置５の発光部分となる表面カバー５７の閉じられた扉８の前面に対する前後方向の位置を、略一致させることができる。

　また、図示は省略するが、第１取付ベース６ａに形成されたビス用孔６００と、第２取付ベース６ｂに形成されたビス用孔６００は同大同形の孔である。このため、第１取付ベース６ａに形成されたビス用孔６００と、第２取付ベース６ｂに形成されたビス用孔６００には、同一（同大同形）のビス７１を挿通できるようになっている。

　ただし、第１取付ベース６ａの後面から第１取付ベース６ａのビス用孔６００までの前後方向の距離と、第２取付ベース６ｂの後面から第２取付ベース６ｂのビス用孔６００までの前後方向の距離とには差がある。この差は、第１扉８０の厚みｔａと第２扉８１の厚みｔｂの差Δｔと略同じ寸法である。このため、照明装置５は、共通のビス７１を用いて第１取付ベース６ａ及び第２取付ベース６ｂのいずれにも固定できるようになっている。つまり、照明装置５は第１取付ベース６ａ及び第２取付ベース６ｂのいずれにも、同様に引っ掛けて固定できるようになっている。

　ところで、従来のキャビネットは、キャビネット本体に直接照明装置を取り付けていた。このため、従来のキャビネットでは、キャビネット本体の前側に扉と並べて照明装置を設ける場合、例えば扉の厚みが大きい場合には、照明装置が扉に対して後寄りの位置に配置されやすい。また、扉の厚みが小さい場合には、照明装置が扉に対して前寄りの位置に配置されやすい。つまり、キャビネット本体に設けられる扉の厚みに応じて、照明装置が扉よりも前側に大きく突出したり、扉よりもかなり後側に配置されたりして、キャビネットの外観が大きく変わる可能性があった。また、キャビネット本体に設けられる扉の厚みに応じて照明装置の扉に対する前後位置が変わるため、照明装置の利用時における利用者に与える印象が変わることも懸念された。

　これに対し、照明装置の前後長さを扉の厚みに応じて変化させることも考えられるが、この場合は厚みのことなる扉毎に照明装置が必要となり、キャビネットのコストが高くなる可能性があった。

　本実施形態のキャビネット１は、以下の特徴によってこの従来の問題を解決することができる。

　すなわち、本実施形態のキャビネット１は、以下に示す第１の特徴を有する。すなわち、キャビネット１は、キャビネット本体３と、扉８と、照明ユニット４とを備える。キャビネット本体３には、前方に開口した収納空間３４が形成される。扉８は、キャビネット本体３の前側に設けられて収納空間３４を開閉可能に閉塞する。照明ユニット４は、キャビネット本体３の前側に扉８と並べて設けられる。照明ユニット４は、取付ベース６と、照明装置５とを有する。取付ベース６は、キャビネット本体３に対して取り付けられる。照明装置５は、取付ベース６の前側に取り付けられる。

　このキャビネット１は、扉８の厚みに応じて取付ベース６を変更するだけで、共通の照明装置５を扉８の厚みに応じた前後位置に配置できる。このため、扉８の厚みによって、照明装置５が扉８よりも前側に大きく突出したり、扉８よりもかなり後側に配置されたりすることを防止できる。また、扉８の厚みにかかわらず、照明装置５の扉８の前面に対する前後位置を略一定にして、照明したときに利用者に対して同様の印象を与えることもできる。また、共通の照明装置５を利用できるので、キャビネット１のコストの増加を抑えることができる。

　この結果、本実施形態のキャビネットによれば、共通の照明装置を扉の厚みに応じた前後位置に配置できる。また、共通の照明装置を利用できるので、コストの増加を抑制できる。

　また、第１の特徴を有するキャビネット１は、以下に示す第２の特徴を有することが好ましい。キャビネット１は、異なる前後長さを有する複数種類の取付ベース６（例えば、第１取付ベース６ａ，第２取付ベース６ｂ）を備える。キャビネット本体３に取り付けられた取付ベース６は、複数種類の取付ベース６の中から、キャビネット本体３に設けられる扉８の厚さに応じて選択される。このキャビネット１にあっては、異なる前後長さを有する複数種類の取付ベース６の中から選択された取付ベース６を設けることで、扉８に応じた位置に照明装置５を設けることができる。

　また、第１の特徴又は第２の特徴を有するキャビネット１は、以下に示す第３の特徴を有することが好ましい。照明装置５は前後方向と直交する方向に延びる長形である。取付ベース６は照明装置５に沿って延びる長形である。取付ベース６は前方に開口した収納溝６２を有する。照明装置５が収納溝６２の前側から嵌め込まれる。このキャビネット１は、照明装置５を取付ベース６の収納溝６２に前側から嵌め込んで簡単に取り付けることができる。

　また、第３の特徴を有するキャビネット１は、以下に示す第４の特徴を有することが好ましい。取付ベース６は規制部６３を有する。照明装置５は規制部６３によって前後方向の移動が規制される。例えば長形の照明装置５をねじだけで固定する場合、照明装置５の長さ方向の両端及び中央をねじで固定する等、照明装置５の長さ方向の多くの箇所をねじで固定する必要がある。しかし、第３の特徴を有するキャビネット１は、規制部６３によって照明装置５の前後方向の移動が規制できるため、ねじによって固定される箇所を少なくでき、容易に照明装置５をキャビネット１に取り付けることができる。

　また、第４の特徴を有するキャビネット１は、以下に示す第５の特徴を有することが好ましい。照明装置５は規制部６３に対して取付ベース６の長さ方向にスライド可能である。照明装置５を取付ベース６に固定した場合、照明装置５と取付ベース６とが熱による膨張率の違いによって照明装置５又は取付ベース６がゆがむ等する恐れがある。しかし、第５の特徴を有するキャビネット１のように照明装置５が規制部６３に対して取付ベース６の長さ方向にスライド可能であると、照明装置５と取付ベース６の熱による収縮率の違いを吸収することができて、前記ゆがみの発生を抑制できる。

　また、第３～第５のいずれかの特徴を有するキャビネット１は、以下に示す第６の特徴を有することが好ましい。取付ベース６は、取付ベース６よりも長く且つ長さ方向と直交する断面の形状が取付ベースと同一の長尺部材を切断して形成される。このキャビネット１にあっては、断面形状が取付ベース６と同一で且つ取付ベース６よりも長い部材を切断して、所望の長さを有する取付ベース６を形成できる。このため、キャビネット１のサイズ等に応じて、低コストで取付ベース６を製造できる。

　なお、第２～第６の特徴は第１の特徴に任意に付加される特徴である。

　また、本実施形態では、２種類の取付ベース６の中から選択された取付ベース６を設けるようにしたが、キャビネット１の種類数（扉８の種類数）に応じて、前後長さの異なる３種類以上の取付ベース６の中から選択された取付ベース６を用いるようにしてもよい。また、扉８の異なる複数種類のキャビネット１は、共通のキャビネット本体３を備えたものであってもよい。つまり、この場合は、キャビネット本体３に対して厚みの異なる複数種類の扉８の中から選択された扉８が取り付けられ、この扉８の厚みに対応した取付ベース６が用いられることとなる。また、本実施形態では、前後長さの異なる取付ベース６を付け替えるようにしたが、取付ベース６の前後長さを調節可能として、複数種類の扉８に対応できるようにしても構わない。

　また、本実施形態では、各通気路７４の下端部がキャビネット１の下方に開口しているが、キャビネット本体３の外部に通じるものであれば、例えばキャビネット１の前方に開口してもよい。

　また、本実施形態では、キャビネット本体３の上面と放熱板５６の下面との間に形成された空間１２がキャビネット本体３の前方に開口している。しかし、空間１２はキャビネット本体３の外部に通じるものであれば、側方や後方等の前方以外の方向に開口してもよい。

　また、本実施形態ではキャビネット１に二つの照明装置５を設けたが、キャビネット１には照明装置５を一つだけ設けてもよい。また、キャビネット１に設けられる扉８は、３枚に限られるものではない。また、扉８は鏡面扉以外の扉であってもよく、また、扉８を省略したキャビネットであってもよい。

　また、本実施形態では、照明装置５をビス７１により取付ベース６に固定したが、照明装置５をビス７１を用いずに取付ベース６に固定してもよい。例えばこの場合、照明装置５は、各被掛止部５０４を、取付ベース６の対応する掛止部６３０と、対応する後止部６３１の間に強く嵌め込むことでのみ取付ベース６に固定することが考えられる。また、この固定に加えて、キャビネット本体３の底部３１の一部で照明装置５を支持することも考えられる。

　また、本実施形態の照明装置５及び取付ベース６は、上下方向に延びる長形であるが、照明装置５及び取付ベース６の長さ方向は上下方向に限られず、例えば左右方向等、前後方向と直交する方向であってもよい。

　また、この他、キャビネット１は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、適宜変更可能である。

　（実施形態２）
　次に、実施形態２について、図１２～１８に基づいて説明する。実施形態２のキャビネットは、実施形態１のキャビネット１と大部分で同じ構造である。このため、以下においては、実施形態２について、実施形態１とは異なる箇所について主に説明し、共通する箇所については説明を省略する。

　実施形態１のキャビネット本体３は、合成樹脂によって形成されていた。しかし、キャビネット本体が合成樹脂製であると、キャビネット本体が変形してしまう可能性がある。キャビネット本体が変形すると、見栄えや機能が損なわれる可能性がある。また、例えばキャビネット本体に扉が設けられる場合には、扉が傾いたり、扉のキャビネット本体に対する位置がずれたりする可能性もある。また、キャビネット本体に、補強専用の補強部材を設けると、製造コストが増すことが懸念される。

　本実施形態は、これらの事情に鑑みてなされた。すなわち、本実施形態のキャビネット１０１は、製造コストを抑えつつ、キャビネット本体１０３が変形し難いキャビネットである。

　本実施形態のキャビネット１０１は、図１３に示すように、キャビネット本体１０３、複数の照明ユニット１０４、及び複数の扉１０８を備えている。

　キャビネット本体１０３は、合成樹脂製である。このキャビネット本体１０３は、実施形態１のキャビネット本体３と同じ構造である。

　各照明ユニット１０４は、キャビネット本体１０３の前側に設けられている。本実施形態では、各仕切壁部１３５に照明ユニット１０４が設けられている。

　図１２に示すように、本実施形態の各照明ユニット１０４は、取付ベース１０６と照明装置１０５を備えている。

　各照明ユニット１０４の取付ベース１０６は、金属製である。取付ベース１０６は、例えば、アルミニウム、鉄、銅等の熱伝導性に優れた金属材料から形成されている。取付ベース１０６は、上下方向に延びる長形（縦長）に形成されている。

　図１６に示すように、各照明ユニット１０４の取付ベース１０６は、収納溝部１６０と、延出部１６１を有している。各取付ベース１０６の収納溝部１６０は、縦長で前方及び上下に開口するＵ字状に形成されている。各取付ベース１０６の延出部１６１は、収納溝部１６０の上端部から上側に延び出ている。

　図１４に示すように、各取付ベース１０６の収納溝部１６０は、後片部６００と、一対の側片部６０１とを有している。各取付ベース１０６の後片部６００は、収納溝部１６０の溝奥部分である。各取付ベース１０６の後片部６００の後面は、収納溝部１６０の後面である。各取付ベース１０６の側片部６０１は、後片部６００の両側から前方に向かって突出している。各側片部６０１は収納溝部１６０の側壁である。各側片部６０１の外面は、収納溝部１６０の外側面である。

　各照明ユニット１０４の取付ベース１０６は、図１４に示すように、収納溝部１６０の後面が仕切壁部１３５の前面に当たって接している（当接している）。

　図１５に示すように、各取付ベース１０６の延出部１６１は、立上片部６１０と突出片部６１１を有している。各取付ベース１０６の立上片部６１０は、収納溝部１６０の後片部６００から上方に向かって延び出ている。各取付ベース１０６の突出片部６１１は、立上片部６１０の上端部から前側に向かって突出している。

　各取付ベース１０６の突出片部６１１は、後部が前部よりも一段高くなるように屈曲している。各取付ベース１０６の突出片部６１１の後部は、収納溝部１６０の上端開口から空間６１２を介して上方に離れた箇所に位置している。すなわち、空間６１２は突出片部６１１の下方に位置している。空間６１２は、左右両側方に開放されている。

　各取付ベース１０６の収納溝部１６０の上端部は、対応する嵌込溝部１３６Ａに嵌め込まれている。各取付ベース１０６の上端部に設けられた、図１５に示す突出片部６１１は、対応する凹部３７（図１０参照）内に配置される。突出片部６１１は、凹部３７の底面よりも上方に位置している。これにより、突出片部６１１の後部と収納溝部１６０の上端開口との間に形成された空間６１２は、凹部３７内の空間を経てキャビネット本体１０３の外方に通じている。

　各取付ベース１０６の収納溝部１６０の下端部は、図１４に示すように、キャビネット本体１０３の底部３１に形成された嵌込溝部３６Ｂに嵌め込まれている。各取付ベース１０６の収納溝部１６０の下端部は、下方に向かって開口し、キャビネット本体１０３の底部３１の下側に通じている。

　各取付ベース１０６の後片部６００は、前方より挿入したねじ１１３によって、仕切壁部１３５に固定されている。これにより、キャビネット本体１０３の前側には、キャビネット本体１０３の上端部から下端部にまで亘る取付ベース１０６が複数取り付けられる。また、キャビネット本体１０３において左右に並ぶ収納空間１３４の間の部位である仕切壁部１３５には、前方に開口する収納溝部１６０が設けられる。

　各取付ベース１０６の収納溝部１６０の両側片部６０１は、キャビネット本体１０３の天井部３０及び底部３１よりも前方に突出している（図５参照）。

　各照明装置１０５は、図１２に示すように、上下方向に延びる長形（縦長）である。各照明装置１０５は、取付ベース１０６の前側に取り付けられている。すなわち、各照明装置１０５は、対応する取付ベース１０６を介してキャビネット本体１０３の前側に取り付けられている。

　本実施形態の各照明装置１０５は、図１５～１７に示すように、光源ブロック１５４、ホルダー１５０、導光部材１５１、下キャップ１５２、及び表面カバー１５５を有している。

　図１７に示すように、各照明装置１０５の光源ブロック１５４は、回路基板５４０と、回路基板５４０に設けられた光源５４１を備えている。

　各照明装置１０５の回路基板５４０は、取付ベース１０６の上端部に設けられた突出片部６１１の前部の下面に沿って取り付けられている。これにより、各照明装置１０５の回路基板５４０は、取付ベース１０６に熱的に接続されている。このため、発光した光源５４１や光源５４１が実装された回路基板５４０において熱が発生したときには、この熱が取付ベース１０６に伝えられ、取付ベース１０６において放散する。すなわち、本実施形態の取付ベース１０６は、光源５４１や回路基板５４０で発生した熱を放散する放熱部になっている。

　なお、各照明装置１０５の回路基板５４０の上面は、突出片部６１１の前部の下面に直接接してもよいし、シリコーン等の熱伝導性の優れた材料によって形成された放熱シート等を介して突出片部６１１に間接的に接してもよい。

　光源５４１は、回路基板５４０の下面に実装されている。光源５４１は、点光源であり、例えば発光ダイオードである。なお、光源５４１は、発光ダイオード以外の点光源であってもよいし、点光源以外の光源であってもよい。

　各照明装置１０５の光源５４１は、下方に向けた状態で回路基板５４０に設けられている。各照明装置１０５の光源５４１は、下方に向かって光を出射する。なお、本実施形態では、光源ブロック１５４の発熱量を抑えるために、回路基板５４０に光源５４１が一つだけ設けられているが、回路基板５４０には光源５４１が複数設けられてもよい。

　各照明装置１０５のホルダー１５０は、図１６に示すように、上下に延びる縦長の部材である。各ホルダー１５０は例えば合成樹脂製である。各照明装置１０５のホルダー１５０は、対応する取付ベース１０６と上下長さが略同じである。このホルダー１５０は、実施形態１のホルダー５０と同じ構造である。

　各照明装置１０５の導光部材１５１は、縦長棒状に形成されている。各導光部材１５１は、長さ方向と直交する断面の形状が長さ方向に亘って一様である。この導光部材１５１は、実施形態１の導光部材５１と同じ構造である。

　各照明装置１０５の下キャップ１５２は、図１５に示すように、ホルダー５０の下端面に沿って配置されている。各照明装置１０５の下キャップ１５２は、ねじ１１４によってホルダー１５０の下端部に取り付けられている。下キャップ１５２は、ホルダー１５０に保持された導光部材１５１の直下に位置し、導光部材５１の下方への移動を規制する。この下キャップ１５２は、実施形態１の下キャップ５２と同じ構造である。

　各照明装置１０５のホルダー５０の後部上端面（図１６参照）は、回路基板５４０よりも後側の位置において、取付ベース１０６の突出片部６１１の前部の下面に当たって接している。各取付ベース１０６の突出片部６１１の前部は、複数のビス７０によりホルダー１５０の上端部に固定されている。

　各照明装置１０５の表面カバー１５５は上下方向に延びる縦長である。各照明装置１０５の表面カバー１５５の上下長さは、ホルダー１５０の上下長さ及び導光部材１５１の上下長さと略同じである。この表面カバー１５５は、実施形態１の表面カバー５７と同じ構造である。

　取付ベース１０６は、図１４に示すように、規制部１６３を有している。規制部１６３は、対応する照明装置１０５の被規制部５０３の前後方向の移動を規制している。なお、この規制部１６３は、実施形態１の規制部６３と同じ構造である。

　各照明装置１０５のホルダー１５０及び導光部材１５１は、キャビネット本体１０３の天井部３０の前面及び底部３１の前面よりも前方に突出している。また、各照明装置１０５の表面カバー１５５の前面は、前後方向において、収納空間１３４を閉塞した各扉１０８の前面と略同じ位置（詳しくは僅かに後方位置）に配置されている。

　本実施形態の各扉１０８は、前面が鏡面となった鏡面扉である。すなわち、本実施形態のキャビネット１０１は、前面を構成する扉１０８を鏡面扉としたミラーキャビネットである。

　キャビネット１０１に設けられた各照明装置１０５は、図１７に示す光源５４１を発光することで導光部材１５１からキャビネット１０１の前側に光を発する。すなわち、光源５４１から下向きに照射された光は、導光部材１５１の上端面である入光部５１０（入射面）（図１６参照）から導光部材１５１に導入され、この後、導光部材１５１の下端側に向かう過程で反射部５１１（図１４）において拡散して前側に反射する。この光は出光部５１２（出射面）から前側に出射し、表面カバー１５５を透してキャビネット１０１の前側に出射する。これにより、扉１０８の前面に設けられた鏡面を利用する利用者は、出光部５１２から表面カバー１５５を透して出射された光を利用して、化粧や洗面等を行うことができる。

　以上説明したように、本実施形態のキャビネット１０１は、以下に示す第７の特徴を有する。すなわち、キャビネット１０１は、キャビネット本体１０３、取付ベース１０６、及び照明装置１０５を備える。キャビネット本体１０３は、合成樹脂製である。取付ベース１０６は、キャビネット本体１０３に取り付けられる。取付ベース１０６は、金属製で長形である。照明装置１０５は、取付ベース１０６に取り付けられる。このキャビネット１０１は、合成樹脂製のキャビネット本体１０３を、金属製で長形の取付ベース１０６で補強でき、キャビネット本体１０３が変形することを抑制できる。例えばキャビネット本体１０３を後面を部屋の壁に沿わせた状態で複数のビス等を用いて壁に固定した場合、壁の不陸によってキャビネット本体１０３が変形する恐れがあるが、このような場合にもキャビネット本体１０３を変形し難くできる。また、照明装置１０５をキャビネット本体１０３に取り付けるための取付ベース１０６を利用してキャビネット本体１０３を補強できる。このため、キャビネット１０１の部材点数を減らし、キャビネット１０１の製造コストが増加することを抑制できる。

　また、第７の特徴を有するキャビネット１０１は、以下に示す第８の特徴を有することが好ましい。取付ベース１０６がキャビネット本体１０３の上端部から下端部にまで亘る。このキャビネット１０１にあっては、キャビネット本体１０３の上端部から下端部にまで亘る取付ベース１０６によって、キャビネット本体１０３を補強できる。

　ところで、従来のキャビネット（例えば、日本国公開特許公報第２００７－９８０３４号公報に開示されたミラーキャビネット）は、多数の発光ダイオードを発光させたときに熱が生じ、この熱が籠もって照明装置の不具合等が生じる可能性がある。

　このため、第７～８の特徴を有するキャビネット１０１は、以下に示す第９の特徴を有することが好ましい。照明装置１０５が、回路基板５４０、光源５４１、及び導光部材５１を有する。光源５４１は、回路基板５４０に設けられる。導光部材５１は、取付ベース１０６の長さ方向に延びる長形である。導光部材５１が取付ベース１０６に取り付けられる。取付ベース１０６が回路基板５４０に熱的に接続された金属製の放熱部である。このキャビネット１０１は、光源５４１が発光したときに、光源５４１及び回路基板５４０で発生した熱を取付ベース１０６に伝えて放散できる。従って、照明装置１０５による照明を行ったときには、キャビネット１０１に熱が籠もり難くなる。

　なお、第７の特徴は実施形態１における第１～５の特徴に任意に付加される特徴である。また、第９の特徴は第７または第８の特徴に任意に付加される特徴である。

　また、本実施形態のキャビネット１０１は、以下に示す構成を有することが好ましい。キャビネット１０１は、キャビネット本体１０３の前側に設けられる扉１０８を備える。キャビネット本体１０３は、前方に開口して扉１０８によって開閉される収納空間１３４を有する。キャビネット本体１０３の前側に取付ベース１０６が取り付けられる。このキャビネット１０１は、取付ベース１０６により、キャビネット本体１０３の前側の変形を抑制できる。このため、キャビネット本体１０３の前側部分の変形により、扉１０８がキャビネット本体１０３に対して設計位置よりずれた位置に配置されることを防止できる。

　例えば、キャビネット本体１０３の前面には、図１８に示すように、磁石１１７が設けられる場合がある。磁石１１７は、扉１０８を閉じたときに、扉１０８の裏面に設けられた強磁性体１１６を吸着して扉１０８を閉じた状態で保持する。

　しかし、このようなキャビネット１０１において、キャビネット本体１０３の前部が変形すると、磁石１１７の強磁性体１１６に対する位置がずれ、磁石１１７で強磁性体１１６を強い力で吸着できないことが懸念される。

　これに対し、本実施形態のキャビネット１０１は、取付ベース１０６により、キャビネット本体１０３の前側の変形を抑制できるため、このような事態を生じ難くできる。なお、図１８に示す例では、扉１０８に強磁性体１１６が設けられ、キャビネット本体１０３に磁石１１７が設けられているが、扉１０８に磁石１１７が設けられ、キャビネット本体１０３に強磁性体１１６が設けられてもよい。

　なお、本実施形態の通気路７４の下端部は、キャビネット１０１の下方に開口しているが、キャビネット本体１０３の外部に通じるものであれば、例えばキャビネット１０１の前方に開口するものであってもよい。また、通気路７４の上端部も凹部３７に開口したものに限られず、その他の方法によりキャビネット本体１０３の外部に通じてもよい。

　また、本実施形態のキャビネット１０１には、２つの照明装置１０５が設けられているが、キャビネット１０１には照明装置１０５が１又は３以上設けられてもよい。また、扉１０８は鏡扉以外の扉であってもよい。また、扉１０８を省略可能である。

　また、本実施形態では、照明装置１０５をビスにより取付ベース１０６に固定したが、照明装置１０５をビスを用いずに取付ベース１０６に固定してもよい。例えばこの場合、照明装置１０５は、各被掛止部５０４を、取付ベース１０６の対応する掛止部６３０と、対応する後止部６３１の間に強く嵌め込むことでのみ取付ベース１０６に固定することが考えられる。また、この固定に加えて、キャビネット本体１０３の底部３１の一部で照明装置１０５を支持することも考えられる。

　また、本実施形態の照明装置１０５及び取付ベース１０６は、上下方向に延びる長形であるが、照明装置１０５及び取付ベース１０６の長さ方向は上下方向に限られず、例えば左右方向等、前後方向と直交する方向であってもよい。

　また、この他、キャビネット１０１は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、適宜変更可能である。

　（実施形態３）
　次に、実施形態３について、図１９～２３に基づいて説明する。実施形態３のキャビネットは、実施形態１のキャビネット１と大部分で同じ構造である。このため、以下においては、実施形態３について、実施形態１とは異なる箇所について主に説明し、共通する箇所については説明を省略する。

　本実施形態のキャビネット２０１（照明付きキャビネット）は、ミラーキャビネットである。キャビネット２０１は、図１９に示すように、複数の収納体２０４と、照明ユニット２０６とを備えている。複数の収納体２０４は、図２０Ａに示すように、側板２４８同士が隣接するように（つまり、側板４８同士が当接した状態で）並設されている。

　キャビネット２０１は、キャビネット本体２４５と、扉２５４とを備えている。

　キャビネット本体２４５は、図２１に示すように、複数の収納体２０４を備えている。キャビネット本体４５は、複数の収納体２０４として、センター収納体２０４Ａと、サイド収納体２０４Ｂ，２０４Ｃとを備えている。左側のサイド収納体２０４Ｃは、正面視左側の収納体２０４である。センター収納体２０４Ａは、正面視中央の収納体２０４である。右側のサイド収納体２０４Ｂは、正面視右側の収納体２０４である。

　各収納体２０４（つまり、右側のサイド収納体２０４Ｂ、センター収納体２０４Ａ、左側のサイド収納体２０４Ｃ）は、図１９に示すように、前方に扉２５４が設けられている。

　扉２５４は、キャビネット本体２４５の前方に開閉自在に取り付けられる。扉２５４には、全面に亙って鏡板２５５が取り付けられており、これにより、扉２５４は鏡面扉を構成する。右側のサイド収納体２０４Ｂの扉２５４は、左端部がキャビネット本体２４５に枢支されている。センター収納体２０４Ａの扉２５４は、左端部がキャビネット本体２４５に枢支されている。また、左側のサイド収納体２０４Ｃの扉２５４は、右端部がキャビネット本体２４５に枢支されている。これにより、本実施形態のキャビネット２０１は三面鏡を構成する。

　また、左右方向に隣接する扉２５４同士は、一定の隙間を介して配置されている。左右方向に隣接する扉２５４の間の隙間の左右方向の幅は、図２０Ａに示すように、収納体２０４の側板２４８の厚さと略同じ寸法となっている。

　キャビネット本体２４５は、図２１に示すように、天板２４６、底板２４７、一対の側板２４８、奥板２４９を備え、前方に向かって開口している。キャビネット本体２４５は、内部に収納空間２５０を有している。この収納空間２５０は、天板２４６、底板２４７、一対の側板２４８に囲まれた空間である。キャビネット本体２４５は、木質板により構成されている。収納空間２５０は、例えば、仕切り板２５１によって仕切られて使用される。ユーザーは、仕切り板２５１を対向する側板２４８間の所望の高さ位置で架設し、これにより、収納空間２５０を上下に仕切ることができる。

　天板２４６は、前後方向に幅を有し、左右方向に長さを有している。天板２４６は、キャビネット本体２４５の上端面を構成する。なお、センター収納体２０４Ａの天板２４６の上面は、サイド収納体２０４Ｂ，２０４Ｃの天板２４６の上面よりも下方に位置している。

　底板２４７は、前後方向に幅を有し、左右方向に長さを有している。底板２４７は、キャビネット本体２４５の下端面を構成する。センター収納体２０４Ａの底板２４７の下面と、サイド収納体２０４Ｂ，２０４Ｃの底板２４７の下面とは同一平面上に位置している。

　各側板２４８は、前後方向に幅を有し、上下方向に長さを有している。一対の側板２４８は、左右方向に離れた状態で対向配置されている。センター収納体２０４Ａの側板２４８の幅は、サイド収納体２０４Ｂ，２０４Ｃの側板４８の幅よりも短く形成されている。また、センター収納体２０４Ａの一対の側板２４８の前端面は、天板２４６および底板２４７の前端面、及びサイド収納体２０４Ｂ，２０４Ｃの前端面よりも後方に位置している。

　言い換えると、収納体２０４の一対の側板２４８のうち隣り合う収納体２０４（サイド収納体２０４Ｂまたは２０４Ｃ）側の側板２４８（つまり、センター収納体２０４Ａの両側の側板２４８）の前端面は、天板２４６および底板２４７の前端面よりも後方に位置している。さらに、本実施形態の収納体２０４は、収納体２０４の互いに隣り合う２つの側板２４８のうちのいずれか一方の側板２４８の前端面が、天板２４６および底板２４７の前端面よりも後方に位置している。

　また、側板２４８の後端部には、上下方向に連続した溝部２５２が設けられている。溝部２５２は、側板２４８の後端面からやや前方に位置する箇所に設けられている。溝部２５２は、左右方向に対向する両側板２４８に設けられており、互いに平行に形成されている。溝部２５２は、互いに向き合うように設けられている。溝部２５２は、内側および上方に向かって開口している。この溝部２５２には、奥板２４９が上方から差し込まれる。

　奥板２４９は、上下方向に長さを有し、左右方向に幅を有し、正面視矩形状に形成されている。奥板２４９は、収納体２０４の内部の奥面を構成する。

　収納体２０４は、図２０Ｂに示すように、センター収納体２０４Ａの一対の側板２４８の前端面が、他の部分の前端面（センター収納体２０４Ａの天板２４６および底板２４７の前端面、サイド収納体２０４Ｂ，２０４Ｃの各前端面）よりも後方に位置しており、これにより、収容部２５３が形成される。つまり、収容部２５３は、センター収納体２０４Ａの側板２４８の前端面よりも前方で、且つサイド収納体２０４Ｂ，２０４Ｃの側板２４８に隣接する。この収容部２５３には、後述の照明ユニット２０６の導光部２０８が収納配置される。

　照明ユニット２０６は、収納空間２５０に取り付けられている。照明ユニット２０６は、照明装置２１６と、取付ベース２８１とを備えている。照明装置２１６は、図２２Ａに示すように、光源部２０７と、導光部２０８とを備えている。導光部２０８は、上下方向に長く形成されている。光源部２０７は、導光部２０８の長手方向の一方の端部に取り付けられている。

　光源部２０７は、図２０Ｂに示すように、光源ブロック２７７と、放熱板２７３と、放熱板カバー２７６とを備えている。光源ブロック２７７は、光源２７１と、回路基板２７２とを備える。光源部２０７は、導光部２０８に固定されている。

　光源２７１は、導光部２０８の長手方向の端面（入射面）に向かって発光するように配設されている。光源２７１は、例えば、発光ダイオード（ＬＥＤ（Light　Emitting　Diode））により構成された点光源である。光源２７１は、回路基板２７２の下面に実装されている。なお、光源２７１は、回路基板２７２に一つだけ設けられているが、複数設けられていてもよい。

　回路基板２７２には、放熱板２７３が取り付けられている。放熱板２７３は、回路基板２７２の上面に接触状態で取り付けられる。放熱板２７３は、例えば、アルミニウム等の金属により構成されている。放熱板２７３は、平面視矩形状の放熱部２７４と、この放熱部２７４の前端部の一部から前方に向かって突出した突出部２７５とを備えている。突出部２７５は、後述のホルダー２８７に固着具を介して固定されており、回路基板２７２に熱的に接続される。これにより、光源２７１が発光することで発生した熱は、回路基板２７２を介して突出部２７５に伝導し、その後、放熱部２７４に伝導する。そして、放熱部２７４は外気と熱交換を行なう。これにより、光源２７１から発生した熱は、放熱板２７３を介して放熱される。

　また、この放熱板２７３には、放熱板カバー２７６が取り付けられる。この放熱板カバー２７６は、下方に開口する箱形状に形成されている。放熱板カバー２７６の内部には、放熱板２７３が嵌め込まれる。これにより、放熱板カバー２７６は、放熱板２７３の上方および側方を覆う。また、放熱板カバー２７６の下端は、放熱板２７３の下面よりも下方に位置するように構成されている。これにより、放熱板２７３に放熱板カバー２７６が取り付けられた状態で、放熱板カバー２７６は、設置面（つまり、収納体２０４の天板２４６の上面）と放熱板２７３の下面との間に隙間を形成する。

　導光部２０８は、上下方向に長さを有している。導光部２０８は、図２０Ａに示すように、収容部２５３に収納配置される。また、導光部２０８が収容部２５３に収納配置されると、導光部２０８の前面は、天板２４６および底板２４７の前端面に面一となるように構成されている。この導光部２０８は、取付ベース２８１と、ホルダー２８７と、導光部材２９１と、表面カバー２９５とを備えている。

　なお、ここで言う「面一」とは、厳密な面一だけでなく、面一とみなせる範囲をも含むものとし、多少の誤差は「面一」の範囲に含まれるものとする。

　取付ベース２８１は、上下方向に長さを有し、左右方向に幅を有し、前後方向に奥行きを有している。取付ベース２８１の幅は、センター収納体２０４Ａの側板２４８の幅と同じ大きさである。取付ベース２８１は、後片２８２と、この後片２８２の左右方向の両端から前方に向かって延出した側片２８３とを備え、断面略Ｕ字状に形成されている。取付ベース２８１の後片２８２には、側板２４８に固定するための固定部２８４が設けられている。固定部２８４は、例えば、固着具挿通孔により構成される。

　なお、この固定部２８４は、側片２８３に設けられてもよい。固定部２８４が側片２８３に設けられた場合、取付ベース２８１は、サイド収納体２０４Ｂ，２０４Ｃの側板２４８の側面に固着具を介して固定される。

　各側片２８３には、図２０Ｂに示すように、係止部２８５が設けられている。係止部２８５は、ホルダー２８７を前後方向に着脱自在に係止する。係止部２８５は、互いに向き合う方向（中央側）に向かって突出した突起２８６により構成されている。

　ホルダー２８７には、導光部材２９１が固定される。ホルダー２８７は、取付ベース２８１の側片２８３間に嵌め込まれて固定される。ホルダー２８７は、上下方向に長さを有している。ホルダー２８７の長さは、取付ベース２８１の長さと同じ大きさである。ホルダー２８７には、前方に開口する保持溝部２８８が長さ方向の全長に亘って設けられている。ホルダー２８７の後端部には、係止部２８５に着脱自在に係合する被係止部２８９が設けられている。また、ホルダー２８７の前端部には、表面カバー２９５を保持するための保持部２９０が設けられている。

　導光部材２９１は、上下方向に長さを有し、棒状に形成されている。導光部材２９１には、後方突出部２９２が設けられている。導光部材２９１は、後方突出部２９２が保持溝部２８８に保持されることで、ホルダー２８７に固定される。導光部材２９１は、例えば、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等の透明な樹脂を用いて形成されており、透光性を有している。

　導光部材２９１は、長さ方向のいずれか一方の端面に入射面（図示せず）を有し、前面に出射面２９３を有している。また、導光部材２９１の後面には、反射部２９４が設けられている。反射部２９４は、例えば、導光部材２９１の後面に印刷や蒸着によって反射性の物質を設けたり、微細な凹凸を設けたり、二色成形によって反射部分を設けたりすることによって形成される。

　導光部材２９１の上端面は、ホルダー２８７から露出している。導光部材２９１の上端面は、光源２７１に対向配置される。これにより、光源２７１から発せられた光は、入射面を介して導光部材２９１に入射する。

　表面カバー２９５は、ホルダー２８７の保持部２９０に着脱自在に取り付けられる。表面カバー２９５は、上下方向に長さを有している。表面カバー２９５の長さは、ホルダー２８７や導光部材２９１の長さと略同じ大きさに形成される。表面カバー２９５は、断面略Ｃ字状に形成されている。表面カバー２９５は、導光部材２９１の前面（つまり、出射面２９３）を覆う。表面カバー２９５は透光性を有しており、導光部材２９１から出射する光を透過可能となっている。

　光源２７１から光が発せられると、その光は、導光部材２９１の入射面を介して導光部材２９１に入射する。入射面から導光部材２９１に入射した光は、導光部材２９１の内部を下方に向かって全反射しながら進行し、反射部２９４で拡散反射する。反射部２９４で拡散反射した光は、出射面２９３を介して出射し、表面カバー２９５を介して、前方に向かって進む。これにより、照明装置２１６は、扉２５４の間の隙間から、収納体２０４の上下方向の全長に亙って光る。

　このような構成の照明装置２１６は、導光部２０８が収容部２５３に収納配置されるようにして、収納体２０４に取り付けられる。照明装置２１６は、センター収納体２０４Ａの左右方向の両側の収容部２５３にそれぞれ収納配置される。

　施工者は、取付ベース２８１を、固着具を介してセンター収納体２０４Ａの２つの側板２４８の前端面に固定する。この後、施工者は、導光部材２９１および表面カバー２９５が取り付けられたホルダー２８７を、前方から取付ベース２８１側に向かって嵌め込む。

　図２０Ｂに示すように、導光部２０８の奥行き（前後方向の寸法）は、センター収納体２０４Ａの側板２４８の前端面から天板２４６および底板２４７の前端面までの寸法と略同寸となるように形成されている。また、導光部２０８の幅（左右方向の寸法）は、センター収納体２０４Ａの側板２４８の厚さと略同寸となるように形成されている。これにより、導光部２０８の幅方向の一方の側面（センター収納体２０４Ａの内部側の側面）は、センター収納体２０４Ａの側板２４８の内側面と面一となっている。

　光源部２０７は、図１９に示すように、センター収納体２０４Ａの天板２４６の上面に載設される。このとき、センター収納体２０４Ａの天板２４６の上面は、サイド収納体２０４Ｂ，２０４Ｃの天板２４６の上面よりもやや下方に位置しているため、光源部２０７の上面は、サイド収納体２０４Ｂ，２０４Ｃの天板２４６の上面と面一となる。

　なお、実施形態３のキャビネット２０１は、複数の収納体２０４のうち、センター収納体２０４Ａの側板２４８のみが、前後方向に短く形成されていた。しかしながら、この構成は、例えば図２３に示すように構成されてもよい。なお、図２３は、センター収納体２０４Ａと右側のサイド収納体２０４Ｂとの隣り合う部分の図であるが、センター収納体２０４Ａと左側のサイド収納体２０４Ｃとも同じ構造である。

　すなわち、このキャビネット２０１は、センター収納体２０４Ａの側板２４８の前端面と、サイド収納体２０４Ｂ，２０４Ｃの側板２４８の前端面とが、天板２４６および底板２４７よりも後方に位置している。つまり、収納体２０４の互いに隣り合う２つの側板２４８の前端面が、いずれも、天板２４６及び底板２４７の前端面よりも後方に位置している。

　センター収納体２０４Ａの側板２４８の前端面と、サイド収納体２０４Ｂ，２０４Ｃの側板２４８の前端面とは面一となっている。このセンター収納体２０４Ａの側板２４８と、サイド収納体２０４Ｂ，２０４Ｃの側板２４８との両側板２４８の前方には、収容部２５３が形成されている。

　導光部２０８の幅（左右方向の寸法）は、センター収納体２０４Ａの側板２４８の厚さとサイド収納体２０４Ｂ，２０４Ｃの側板２４８の厚さとを合わせた寸法と同じ大きさに形成されている。つまり、導光部２０８の幅方向の側面は、収納体２０４の側板２４８の内側面と面一となるように形成されている。また、導光部２０８の前面は、天板２４６および底板２４７の前端面に面一となっている。

　また、左右方向に隣接する扉２５４同士は、一定の隙間を介して配置されている。左右方向に隣接する扉２５４の間の隙間の左右方向の幅は、センター収納体２０４Ａの側板４８の厚さとサイド収納体２０４Ｂ，２０４Ｃの側板２４８の厚さとを合わせた寸法と略同じに形成されている。

　以上説明したように、本実施形態のキャビネット２０１は、以下に示す第１０の特徴を有する。すなわち本実施形態の第１０の特徴は、実施形態１，２における第１～９の特徴に加えて、キャビネット本体２４５が、複数の収納体２０４を備える。複数の収納体２０４は、側板２４８同士が隣接するように隣り合って配置される。隣り合う収納体２０４のうちの少なくとも一方の収納体２０４は、他の収納体２０４側の側板２４８の前端面が、天板２４６及び底板２４７の前端面よりも後方に位置する。照明ユニット２０６が、天板２４６及び底板２４７の前端面よりも後方に位置する側板２４８の前端面の前側に配置される。

　このように、本実施形態のキャビネット２０１は、照明ユニット２０６が側板４８の前端面の前方に収容配置される。これにより、照明装置２１６を収まりよく収納体２０４に取り付けることができる。

　また、第１０の特徴を有するキャビネット１は、以下に示す第１１の特徴を有することが好ましい。第１１の特徴は、一対の収納体２０４の互いに隣り合う２つの側板２４８のうちのいずれか一方の側板２４８の前端面が、天板２４６及び底板２４７の前端面よりも後方に位置する。このように本実施形態のキャビネット２０１によれば、隣接する収納体２０４のうちの一方の収納体２０４のみ、側板２４８の前後方向の幅を短くすればよいため、製造性を良くすることができる。

　また、第１０の特徴を有するキャビネット１は、以下に示す第１２の特徴を有することが好ましい。第１２の特徴は、キャビネット本体２４５の互いに隣り合う２つの側板２４８の前端面が、いずれも、天板２４６及び底板２４７の前端面よりも後方に位置する。このため、本実施形態のキャビネット２０１によれば、側板２４８の厚みが薄いキャビネット２０１に対しても、導光部２０８を収まりよく設置することができる。

　また、第１０～１２の特徴を有するキャビネット１は、以下に示す第１３の特徴を有することが好ましい。第１３の特徴は、導光部２０８の前面が、天板２４６及び底板２４７の前端面に面一となっている。このため、本実施形態のキャビネット２０１によれば、収納体２０４の前端面から導光部２０８が突出して邪魔になるのを防ぐことができる。

　特に、本実施形態のキャビネット２０１は、前面に扉２５４が取り付けられている。このため、扉２５４を開くと、収納体２０４の前端面が露出する。つまり、導光部２０８の前面が収納体２０４の前端面に面一となっていることで、扉２５４が開いた状態でも、ユーザーが導光部２０８に物や手指等を引掛けてしまうのを防ぐことができる。

　さらに、本実施形態のキャビネット２０１によれば、光源部２０７が、収納体２０４の天板２４６の上方に配置されている。このため、収納体２０４内の収納空間２５０をできる限り広くすることができる。この結果、本実施形態のキャビネット２０１によれば、収納空間２５０の間に照明装置２１６を配置しながら、収納空間２５０をできる限り広くすることができる。

　なお、本実施形態のキャビネット２０１は、センター収納体２０４Ａの側板２４８の前端面が、天板２４６および底板２４７の前端面よりも後方に位置するものであったが、これに限定されない。すなわち、センター収納体２０４Ａの側板２４８の前端面を天板２４６および底板２４７の前端面と面一とし、サイド収納体２０４Ｂ，２０４Ｃの側板２４８の前端面を、天板２４６および底板２４７の前端面よりも後方に位置させたものであってもよい。つまり、サイド収納体２０４Ｂ，２０４Ｃの側板２４８の前方に収容部２５３を形成してもよい。

　また、本実施形態の光源２７１は、導光部２０８の上端側に設けられていたが、これに限定されない。すなわち、光源２７１を導光部２０８の下端面に対向配置してもよい。

　また、本実施形態の導光部２０８の前面は、収納体２０４の天板２４６や底板２４７と面一となっていたが、必ずしも面一でなくてもよい。

　（実施形態４）
　次に、実施形態４について、図２４～２８に基づいて説明する。実施形態４のキャビネットは、実施形態１のキャビネット１と大部分で同じ構造である。このため、以下においては、実施形態４について、実施形態１とは異なる箇所について主に説明し、共通する箇所については説明を省略する。

　本実施形態のキャビネット（照明付きキャビネット）は、実施形態１～３と同様に、図２４，２５に示すように、キャビネット本体３４５と、扉３５４と、複数の照明ユニット３０６とを備えている。また、キャビネット本体３４５は、複数の収納体３０４を備えている。

　本実施形態のキャビネット本体３４５は、複数の収納体３０４として、センター収納体３０４Ａと、サイド収納体３０４Ｂ，３０４Ｃとを備えている。サイド収納体３０４Ｂ，３０４Ｃは、右側のサイド収納体３０４Ｂと、左側のサイド収納体３０４Ｃとを有する。サイド収納体３０４Ｃは、正面視左側の収納体３０４である。センター収納体３０４Ａは、正面視中央の収納体３０４である。サイド収納体３０４Ｂは、正面視右側の収納体３０４である。

　扉３５４は、図２５に示すように、キャビネット本体３４５の前方に開閉自在に取り付けられる。扉３５４は、複数の鏡面扉３５６を有している。鏡面扉３５６は、各収納体３０４に１つずつ取り付けられている。右側のサイド収納体３０４Ｂの鏡面扉３５６は、左端部が枢支されている。センター収納体３０４Ａの鏡面扉３５６は、左端部が枢支されている。また、左側のサイド収納体３０４Ｃの鏡面扉３５６は、右端部が枢支されている。これにより、本実施形態のキャビネットは三面鏡を構成する。

　鏡面扉３５６は、図２５に示すように、扉本体３５７と、鏡板３５５とを備えている。鏡板３５５は、扉本体３５７の前面に取り付けられている。鏡板３５５は、扉本体３５７の全面に亙って設けられている。

　また、左右方向に隣接する鏡面扉３５６同士は、一定の隙間を介して配置されている。左右方向に隣接する鏡面扉３５６同士の間の隙間の左右方向の幅は、図２５に示すように、収納体３０４の側板３４８の厚さと略同じ寸法となっている。

　キャビネット本体３４５は、図２４に示すように、天板３４６（上壁部）、下壁部３４７、一対の側板３４８（縦壁部）、奥壁部３４９を備え、前方に向かって開口している。

　天板３４６は、前後方向に幅を有し、左右方向に長さを有している。天板３４６は、キャビネット本体３４５の上端面を構成する。なお、センター収納体３０４Ａの天板３４６の上面は、サイド収納体３０４Ｂ，３０４Ｃの天板３４６の上面よりも下方に位置している。

　下壁部３４７は、前後方向に幅を有し、左右方向に長さを有している。下壁部３４７は、キャビネット本体３４５の下端面を構成する。センター収納体３０４Ａの下壁部３４７の下面と、サイド収納体３０４Ｂ，３０４Ｃの下壁部３４７の下面とは同一平面上に位置している。

　側板３４８は、前後方向に幅を有し、上下方向に長さを有している。側板３４８は、一対設けられており、左右方向に離れた状態で対向配置されている。

　この天板３４６の前端面と、下壁部３４７の前端面と、側板３４８の前端面とは、同一平面上に位置している。なお、ここで言う「同一平面上」とは、厳密な同一平面上という意味だけでなく、同一平面上とみなせる範囲をも含むものとし、多少の誤差は「同一平面上」の範囲に含まれるものとする。

　なお、キャビネット本体３４５の構造は、実施形態３のキャビネット本体２４５と比較して、すべての側板３４８の前端面が、下壁部３４７の前端面および天板３４６の前端面と面一である点で異なっており、その他の構造は同じである。

　照明ユニット３０６は、図２５に示すように、照明装置３１６と、取付ベース３８１とを備えている。照明装置３１６は、実施形態３の光源部２０７と同様の光源部３０７と、導光部３０８とを備えている。導光部３０８は、上下方向に長く形成されている。光源部３０７は、導光部３０８の長手方向の一方の端部に取り付けられている。

　照明装置３１６は、扉３５４の左右方向の端縁に沿うように設けられている。具体的に言うと、照明装置３１６は、センター収納体３０４Ａの鏡面扉３５６の左右方向の両側の端縁に沿うようにして設けられている。照明装置３１６は、キャビネット本体３４５の前側に取り付けられた取付ベース３８１に固定されている。照明装置３１６は、図２６Ａに示すように、光源部３０７と、導光部３０８とを備えている。導光部３０８は、上下方向に長く形成されている。光源部３０７は、導光部３０８の長手方向の一方の端部に取り付けられている。

　光源部３０７は図２６Ｂに示すように、光源３７１と、回路基板３７２と、放熱板３７３と、放熱板カバー３７６とを備えている。光源３７１と回路基板３７２とで光源ブロックを構成する。光源部３０７は、キャップ部材３９６を介して導光部３０８に固定されている。なお、光源部３０７の構造は、実施形態３の光源部３０７の構造と同じである。

　導光部３０８は、上下方向に長さを有している。導光部３０８は、図２５に示すように、後端部がキャビネット本体３４５の前端面（側板３４８の前端面）に、取付ベース３８１を介して固定されている。また、導光部３０８の前端は、扉３５４の前面よりも後方に位置している（言い換えると、導光部３０８の先端は、扉３５４の前面から非突出となっている）。この導光部３０８は、図２７に示すように、ホルダー３８７と、導光部材３９１と、表面カバー３９５とを備えている。

　取付ベース３８１は、上下方向に長さを有し、左右方向に幅を有し、前後方向に奥行きを有している。取付ベース３８１の幅は、センター収納体３０４Ａの側板３４８の厚さと同じ寸法に形成されている。取付ベース３８１は、後片３８２と、この後片３８２の左右方向の両端から前方に向かって延出した側片３８３とを備え、断面略Ｃ字状に形成されている。取付ベース３８１の後片３８２には、側板３４８に固定するための固定部３８４が設けられている。固定部３８４は、例えば、固着具挿通孔により構成される。取付ベース３８１は、例えば、アルミなどの金属材により構成される。

　各側片３８３の前端部には、係止部３８５が設けられている。係止部３８５は、ホルダー３８７を前後方向に着脱自在に係止する。係止部３８５は、互いに向き合う方向（中央側）に向かって突出している。

　ホルダー３８７には、導光部材３９１が固定される。ホルダー３８７は、取付ベース３８１の側片３８３間に嵌め込まれて固定される。ホルダー３８７は、上下方向に長さを有している。ホルダー３８７の長さは、取付ベース３８１の長さと同じ大きさである。ホルダー３８７には、保持溝部３８８が設けられている。保持溝部３８８は、左右方向に凹没している。保持溝部３８８は、ホルダー３８７の長さ方向の全長に亘って設けられている。

　ホルダー３８７の後端部には、被係止部３８９が設けられている。被係止部３８９は、ホルダー３８７の左右方向の側面から側方に向かって突出した凸条により構成されている。被係止部３８９は、取付ベース３８１の係止部３８５によって、前後方向に係止される。

　また、ホルダー３８７には、表面カバー３９５を保持するための保持部３９０が設けられている。

　導光部材３９１は、上下方向に長さを有し、棒状に形成されている。導光部材３９１には、係止凸部３９２が設けられている。導光部材３９１は、係止凸部３９２が保持溝部３８８に保持されることで、ホルダー３８７に固定される。導光部材３９１は、例えば、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等の透明な樹脂を用いて形成されており、透光性を有している。

　導光部材３９１は、長さ方向のいずれか一方の端面に入射面（図示せず）を有し、前面に出射面３９３を有している。また、導光部材３９１の後面には、反射部３９４が設けられている。反射部３９４は、例えば、導光部材３９１の後面に印刷や蒸着によって反射性の物質を設けたり、微細な凹凸を設けたり、二色成形によって反射部分を設けたりすることによって形成される。導光部材９１内を全反射して進行する光が反射部３９４に反射すると、反射部３９４は、当該光を乱反射させて拡散させ、出射面３９３から出射させる。

　導光部材３９１の上端面は、ホルダー３８７から露出している。導光部材３９１の上端面は、光源３７１に対向配置される。これにより、光源３７１から発せられた光は、入射面を介して導光部材３９１に入射するようになっている。

　表面カバー３９５は、ホルダー３８７の保持部３９０に着脱自在に取り付けられる。表面カバー３９５は、上下方向に長さを有している。表面カバー３９５の長さは、ホルダー３８７や導光部材３９１の長さと略同じ大きさに形成される。表面カバー３９５は、断面略Ｃ字状に形成されている。表面カバー３９５は、導光部材３９１の前面（つまり、出射面３９３）を覆う。表面カバー３９５は透光性を有しており、導光部材３９１から出射する光を透過可能となっている。

　光源３７１から光が発せられると、その光は、導光部材３９１の入射面を介して導光部材３９１に入射する。入射面から導光部材３９１に入射した光は、導光部材３９１の内部を下方に向かって全反射しながら進行し、反射部３９４で拡散反射する。反射部３９４で拡散反射した光は、出射面３９３を介して出射し、表面カバー３９５を介して、前方に向かって進む。これにより、照明装置３１６は、扉３５４の間の隙間から前方に向かって、収納体３０４の上下方向の全長に亙って光る。

　このような構成の照明ユニット３０６は、取付ベース３８１の後端面が側板３４８の前端に当接した状態で、キャビネット本体３４５に取り付けられる。

　施工者は、取付ベース３８１を、固着具を介してセンター収納体３０４Ａの側板３４８の前端面に固定する。この後、施工者は、導光部材３９１および表面カバー３９５が取り付けられたホルダー３８７を、取付ベース３８１の前方から取付ベース３８１側に向かって嵌め込む。

　図２５に示すように、導光部３０８の奥行き（前後方向の寸法）は、収納体３０４の前端面から扉３５４の前面までの寸法よりも短く形成されている。また、導光部３０８の幅（左右方向の寸法）は、センター収納体３０４Ａの鏡面扉３５６の端縁と、これに対向するサイド収納体３０４Ｂ，３０４Ｃの鏡面扉３５６の端縁との間の寸法よりも短く形成されている。

　光源部３０７は、図２４に示すように、センター収納体３０４Ａの天板３４６の上面に載設される。言い換えると、光源部３０７は、キャビネット本体３４５の上端部に設けられている。このとき、センター収納体３０４Ａの天板３４６の上面は、サイド収納体３０４Ｂ，３０４Ｃの天板３４６の上面よりもやや下方に位置しているため、光源部３０７の上面は、サイド収納体３０４Ｂ，３０４Ｃの天板３４６の上面と面一となる。

　なお、この光源部３０７は、上下逆にして、下壁部３４７の下端部に設けられてもよい。

　また、本実施形態の照明装置３１６は、導光部３０８を備えていたが、導光部３０８を備えない図２８のような構成であってもよい。

　キャビネット本体３４５は、天板３４６と、下壁部３４７と、側板３４８とを備えている（図２４参照）。キャビネット本体３４５は、合成樹脂によって構成されている。なお、このキャビネット本体３４５は、実施形態４のキャビネット本体３４５と同じ構造である。

　側板３４８（実施形態１では仕切壁部３５）には、取付ベース３８１が取り付けられる。取付ベース３８１は前方に開口した略Ｃ字状をしている。この取付ベース３８１には、係止部３８５が設けられている。この係止部３８５には、ホルダー３８７が着脱自在に取り付けられている。

　ホルダー３８７は、取付ベース３８１の係止部３８５に取り付けられる被係止部３８９が設けられている。被係止部３８９は、ホルダー３８７の後端部に設けられている。また、ホルダー３８７は、光源収容部３９７を有している。光源収容部３９７には、回路基板にＬＥＤ（光源）が実装された光源３７１が配置されている。

　この光源３７１は、扉３５４の長辺（上下方向に延びる辺）に沿って、複数設けられている。複数の光源３７１は、一定の間隔を置いて並べられている。この光源３７１の前方には、表面カバー３９５が設けられている。

　表面カバー３９５は、透光性を有しており、光源３７１から発せられた光を拡散しながら透過する。表面カバー３９５は、ホルダー３８７に着脱自在に取り付けられる。表面カバー３９５の前端は、鏡面扉３５６の前面よりも後方に位置しており、すなわち、扉３５４の前面から非突出となっている。

　以上説明したように、本実施形態のキャビネットは、実施形態１～３のキャビネットの第１～９の特徴に加えて、以下に示す第１４の特徴を有する。第１４の特徴は、照明装置３１６の前端が扉３５４の前面から非突出となっている。このように、本実施形態のキャビネットは、照明装置３１６がキャビネット本体４５の前端面に固定されており、これによって、照明装置３１６の前端が扉３５４の前面から非突出となっている。従って、本実施形態のキャビネットによれば、扉３５４の前面から照明装置３１６の前端が突出して見栄えが損なわれるのを防ぐことができる。

　また、第１４の特徴を有するキャビネットは、以下に示す第１５の特徴を有することが好ましい。すなわち第１５の特徴は、照明装置３１６の前端が、扉３５４の前面よりも後方に位置している。

　ところで、照明装置３１６の前端が扉３５４の前面と面一である場合、キャビネットとしての見栄えをよくできる。しかし、この場合、照明装置３１６の前端を全長に亙って扉３５４の前面に一致させる必要があり、高い精度を要する。つまり、照明装置３１６や扉３５４にひずみが生じると、部分的に面一でない箇所が存在することになって、かえって見栄えの低下を招くことになる。

　そこで、本実施形態のキャビネットにおいて、照明装置３１６の前端を、扉３５４の前面よりも後方に位置するように構成した。これにより、本実施形態のキャビネットによれば、製造上の誤差が生じても見栄えが損なわれるのを防ぐことができる。

　また、第１４または１５の特徴を有するキャビネットは、以下に示す第１６の特徴を有することが好ましい。すなわち第１６の特徴は、照明装置３１６が、光源部３０７と、導光部３０８とを備えている。光源部３０７は、キャビネット本体３４５の上端部または下端部に配置されている。導光部３０８は、扉３５４の左右方向の端縁に沿うように設けられている。また、導光部３０８は、光源部３０７からの光が長手方向の端面から入射し且つ入射した光が前面から出射するように構成されている。

　このように、本実施形態のキャビネットは、光源部３０７がキャビネット本体３４５の上端部または下端部に設けられることで、導光部３０８をキャビネット本体３４５の前端面に配置することができる。これにより、本実施形態のキャビネットによれば、キャビネット本体３４５と扉３５４との間に熱がこもりにくい。さらに、本実施形態のキャビネットは、光源部３０７がキャビネット本体３４５の上端部または下端部に配置されており、つまり、光源部３０７が、キャビネット本体３４５と扉３５４との間とは別の場所に配置されている。これにより、導光部３０８の前端を扉３５４の前面から非突出となるような設計を行いやすくすることができる。

　また、第１４～１６の特徴を有するキャビネットは、以下に示す第１７の特徴を有することが好ましい。すなわち第１７の特徴は、扉３５４が少なくとも一対の鏡面扉３５６を備えている。照明装置３１６は、一対の鏡面扉３５６の間に配置されている。

　このため、本実施形態のキャビネットによれば、一対の鏡面扉３５６の間からユーザーに向かって発光させることができる。この結果、ユーザーは、望む部分（顔など）を効果的に照らしながら、自らの鏡像を確認することができる。

　また、第１４～１７の特徴を有するキャビネットは、以下に示す第１８の特徴を有することが好ましい。すなわち第１８の特徴は、天板３４６と、下壁部３４７と、側板３４８とを備えている。天板３４６の前端面と、下壁部３４７の前端面と、側板３４８の前端面とは、同一平面上に位置している。そして、導光部３０８の後端部は、側板３４８の前端面に固定されている。

　このため、本実施形態のキャビネットによれば、導光部３０８を取り付けるためのスペースをキャビネット本体３４５に設ける必要がない。これにより、従来のキャビネット本体３４５を本実施形態のキャビネットに用いることができる。

　なお、本実施形態のキャビネット本体３４５は、天板３４６と、下壁部３４７と、側板３４８との各前端面が同一平面上に位置していたが、これに限定されない。すなわち、実施形態１のキャビネット本体３のように、側板３４８の前端面が、天板３４６の前端面および下壁部３４７の前端面よりも後方に位置していてもよい。

　また、本実施形態のキャビネットは、３つの収納体３０４が左右方向に並設されていたが、これに限らず、１つの収納体により構成されたものであってもよい。この場合、側板３４８は、キャビネット本体３４５の左右方向の両端の側壁と、キャビネット本体３４５の左右方向の中間の仕切り壁とを含む。

　また、本実施形態の照明装置３１６は、センター収納体３０４Ａの扉３５４の左右方向の両端縁に沿って設けられていたが、左右方向のいずれか一方の端縁に沿って設けられてもよい。

　（実施形態５）
　次に、実施形態５について、図２９～３４に基づいて説明する。実施形態５のキャビネットは、実施形態１のキャビネット１と大部分で同じ構造である。このため、以下においては、実施形態５について、実施形態１とは異なる箇所について主に説明し、共通する箇所については説明を省略する。

　実施形態５のキャビネット（システムキャビネット）は、図３０に示されるように、照明装置が取り付けられたセンターキャビネット（照明付きキャビネット）と、照明装置が取り付けられていない他のキャビネットとが並べて設置されてシステムキャビネットを構成する。なお、以下では、センターキャビネットを、第一キャビネット４０２と記載し、第一キャビネット４０２に隣接する他の一対のキャビネットを、第二キャビネット４０５と記載する。

　キャビネットは、第一キャビネット４０２と、第一キャビネット４０２の左右に並べられる第二キャビネット４０５とで構成される。第一キャビネット４０２は、システムキャビネットのセンターキャビネットとして利用される。第二キャビネット４０５は、システムキャビネットのサイドキャビネットとして利用される。

　第一キャビネット４０２及び第二キャビネット４０５は、扉４２１を備えている。扉４２１は、第一キャビネット４０２の前側に設けられる。また、扉４２１は、第二キャビネット４０５の前側に設けられる。扉４２１の前面には、鏡板が取り付けられる（この鏡板が取り付けられた扉４２１を鏡面扉とする）。従って、本実施形態のキャビネットは、ミラーキャビネットである。

　キャビネットは、図３５に示されるように、第一キャビネット４０２に取り付けられた取付具４０３に照明ユニット４０４が取り付けられている。キャビネットは、第一キャビネット４０２、第二キャビネット４０５、取付具４０３、及び照明ユニット４０４を備えている。

　第二キャビネット４０５の基本的な構成は第一キャビネット４０２と同じである。従って、以下では、主に第一キャビネット４０２について説明し、第二キャビネット４０５において第一キャビネット４０２と共通する点については説明を極力省略する。

　図３０に示すように、第一キャビネット４０２は、前後長さ及び上下長さが第二キャビネット４０５と略同じであるが、左右幅が第二キャビネット４０５よりも大きい。第一キャビネット４０２は、図３１に示すように、センター収納体４２０Ａと、扉４２１とを備えている。センター収納体４２０Ａは、木製であって、図３４に示されるように、天板４２００、底板４２０１、一対の側板４２０２、及び背板４２０３を組み合わせて前方に開口する箱状に形成されている。センター収納体４２０Ａには、天板４２００、底板４２０１、一対の側板４２０２、及び背板４２０３で囲まれた前方に開放された収納空間４２０４が形成されている。収納空間４２０４には、物品を収納できるようになっている。

　センター収納体４２０Ａの天板４２００には、板状のスペーサー４２２が天板４２００の上面に沿った状態で取り付けられている。スペーサー４２２は天板４２００から上方に突出した部分となるため、天板４２００の左右両端部の上面は、スペーサー４２２の上面よりも一段低くなっている。これにより、スペーサー４２２の左右両側方には、上方及び外側方に開口した凹所４２０６が形成されている。

　すなわち、本実施形態のキャビネットは、キャビネット本体４０６と、扉４２１とを備えている。扉４２１は、キャビネット本体４０６の前部に取り付けられる。キャビネット本体４０６は、複数の収納体４２０（センター収納体４２０Ａ，右側のサイド収納体４２０Ｂ，左側のサイド収納体４２０Ｃ）を備えている。つまり、キャビネット本体４０６は、少なくとも一対の収納体４２０を備える。

　なお、スペーサー４２２は、第二キャビネット４０５には設けられていない。

　本実施形態では、図２９に示すように、センター収納体４２０Ａの両側に一対の取付具４０３が取り付けられている。各取付具４０３には照明装置４１４が取り付けられている。各取付具４０３は、センター収納体４２０Ａの外側面である側板４２０２の外面に取り付けられている。取付具４０３は、センター収納体４２０Ａの前側に取り付けられており、つまり、キャビネット本体４０６の前側に取り付けられている。

　両取付具４０３は左右対称である。各取付具４０３は金属製である。各取付具４０３は、図２９に示されるように、照明ユニット取付部４３０と、照明ユニット取付部４３０から後方に突出した突出部４３１を有している。照明ユニット取付部４３０は、全体として側面視Ｌ字状に形成されている。

　照明ユニット取付部４３０は、縦長であって、第一キャビネット４０２と略同じ上下長さを有している。照明ユニット取付部４３０は、図３２に示すように、前方及び上下に開口した縦長の溝部４３００と、溝部４３００の両側片部４３０２の前後方向の中間部同士を接続する接続片部４３０１とで構成されている。

　突出部４３１は、図２９に示すように、横長であって、第一キャビネット４０２と略同じ前後長さを有している。突出部４３１は、長さ方向の断面形状が照明ユニット取付部４３０と同じである。突出部４３１は、上方及び前後に開口した横長の溝部４３１０と、溝部４３１０の両側片部４３１２の上下方向の中間部同士を接続する接続片部４３１１（図３２参照）とで構成されている。

　突出部４３１は、図２９に示すように、前端が照明ユニット取付部４３０の溝部４３００の下端部から後方に向かって突出している。突出部４３１は、溝部４３００に、例えば溶接等によって接続されている。

　照明ユニット取付部４３０の左右幅と、突出部４３１の左右幅は同じである。照明ユニット取付部４３０の第一キャビネット４０２側の側面（側片部４３０２の外面）と、突出部４３１の第一キャビネット４０２側の側面（側片部４３１２の外面）とが、段差無く面一に接続されている。また、照明ユニット取付部４３０の第一キャビネット４０２と反対側の側面（側片部４３０２の外面）と、突出部４３１の第一キャビネット４０２と反対側の側面（側片部４３１２の外面）も、段差無く面一に接続されている。

　照明ユニット取付部４３０の第一キャビネット４０２側の側片部４３０２と、突出部４３１の第一キャビネット４０２側の側片部４３１２とで、第一キャビネット４０２のセンター収納体４２０Ａの外側面に取り付けられる被取付部４３２が構成されている。

　照明ユニット取付部４３０の第一キャビネット４０２と反対側の側片部４３０２と、突出部４３１の第一キャビネット４０２と反対側の側片部４３１２とで、第二キャビネット４０５のサイド収納体４２０Ｂ，４２０Ｃの外側面に当接される当接部４３３が構成されている。

　被取付部４３２には、ねじ４９３を挿通するための、左右に貫通するねじ用孔（不図示）が複数形成されている。また、当接部４３３において各ねじ用孔に対応する箇所には、図２９に示すように、ねじ４９３を回転操作するドライバー等の工具を通すための左右に貫通する作業用孔４３３０が形成されている。図示例では、ねじ用孔及び作業用孔４３３０が照明ユニット取付部４３０の上下方向の複数箇所及び突出部４３１の左右方向の複数箇所に設けられている。

　取付具４０３をセンター収納体４２０Ａの外側面に取り付けるには、まず、照明ユニット取付部４３０の被取付部４３２を、第一キャビネット４０２の側板４２０２の外面に沿って配置する。そして、この状態で、ねじ４９３を第一キャビネット４０２と反対側から各ねじ用孔に通し、これらねじ４９３を第一キャビネット４０２の側板４２０２にねじ込む。なお、取付具４０３は、センター収納体４２０Ａの内側から側板４２０２に通したねじを、照明ユニット取付部４３０の被取付部４３２にねじ込んで取り付けてもよい。

　取付具４０３の照明ユニット取付部４３０の長さ方向は、第一キャビネット４０２の側板４２０２の前端面と平行になり、且つ、突出部４３１の長さ方向は、第一キャビネット４０２の側板４２０２の下端面と平行になっている。照明ユニット取付部４３０は、第一キャビネット４０２の側板４２０２の上端部から下端部に亙って形成される。突出部４３１は、第一キャビネット４０２の側板４２０２の前端部から後端部に亘って形成される。また、前後方向において、被取付部４３２の前端（両側片部４３０２の前端）と第一キャビネット４０２の側板４２０２の前端面は揃っている。また、上下方向において、突出部４３１の下端面（溝部４３１０の下面）と第一キャビネット４０２の側板４２０２の下端面は揃っている。また、照明ユニット取付部４３０の下端部には、照明ユニット取付部４３０の下端開口を閉塞するエンドキャップ４３４が取り付けられている。

　照明ユニット４０４は、取付具４０３の前側に取り付けられている。照明ユニット４０４は、図３２に示される、ホルダー４４１、導光部材４４２、表面カバー４４７、上キャップ４４４（図３３）、光源ブロック４４５、放熱板４４６、放熱板カバー４４８、下キャップ４４３（これらによって照明装置４１４が構成される）、及び取付ベース４４０を有している。つまり、本実施形態の照明ユニット４０４は、照明装置４１４と、取付ベース４４０とを備えている。このうち、放熱板４４６は光源ブロック４４５で発生した熱を放散する放熱部４４６Ａを構成している。

　取付ベース４４０は、図３２に示されるように、縦長で断面形状が前方に開口したＵ字状に形成されている。なお、取付ベース４４０の構造は、実施形態１の取付ベース６の構造と同じである。

　ホルダー４４１は縦長の部材である。ホルダー４４１の上下長さは取付ベース４４０と略同じである。ホルダー４４１には、前方に開口する保持溝部４４１０が上下に亘って形成されている。このホルダー４４１の構造は、実施形態１のホルダー５０の構造と同じである。

　導光部材４４２は縦長棒状に形成され、ホルダー４４１に保持される。導光部材４４２は、光入射部４４２２（入射面）と、光反射部４４２０（反射部）と、光出射部４４２１（出射面）とを有している。

　導光部材４４２は、例えばアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等の透明な樹脂を用いて形成されており、透光性を有している。導光部材４４２は、ホルダー４４１の保持溝部４４１０内に嵌め込まれてホルダー４４１に保持されている。

　導光部材４４２の上端面は、ホルダー４４１の上方に露出している。導光部材４４２の上端面は、図３３に示される光源ブロック４４５が有する点光源４４５１から発せられた光が入射する光入射部４４２２を構成している。

　図３２に示されるように、導光部材４４２の後面には、光反射部４４２０が設けられている。光反射部４４２０は、例えば導光部材４４２の後面に印刷や蒸着によって反射性の物質を設けたり、微細な凹凸を設けたり、二色成形によって反射部分を設けたりすることによって形成される。光入射部４４２２から導光部材４４２に入射した光は、導光部材４４２の内部を下方に向かって進行する過程で光反射部４４２０において拡散して前側に反射するようになっている。導光部材４４２の前面は、光出射部４４２１である。光出射部４４２１は、キャビネット本体４０６の前方に臨んでおり、光反射部４４２０で反射した光を前側に出射する。

　下キャップ４４３は、図２９に示されるように、ホルダー４４１の下端面に沿って配置されている。下キャップ４４３は、ねじ止めによってホルダー４４１の下端部に取り付けられている。下キャップ４４３は、ホルダー４４１に保持された導光部材４４２の直下に位置し、導光部材４４２の下方への移動を規制する。

　上キャップ４４４は、ホルダー４４１の上端部に被せるように嵌め込まれている。上キャップ４４４は、ホルダー４４１に保持された導光部材４４２の直上に位置し、導光部材４４２の上方への移動を規制する。

　表面カバー４４７は縦長であり、その長さはホルダー４４１や導光部材４４２と略同じである。表面カバー４４７の前面は、照明装置４１４の前面部を構成している。なお表面カバー４４７の構造は、実施形態１の表面カバー５７と同じ構造である。

　表面カバー４４７の前面（前片部）は、前方に光を出す出光部分となっている。照明装置４１４は、この出光部分を前側に向けた状態で取付具４０３に取り付けられている。

　光源ブロック４４５の点光源４４５１を発光させると、点光源４４５１及びこれが実装された回路基板４４５０は発熱する。このように光源ブロック４４５において発生した熱は、放熱板４４６に伝わり、放熱板４４６から放散される。

　放熱板カバー４４８は、下方に開口する箱状に形成されている。放熱板カバー４４８は、実施形態１の放熱板カバー５８と同じ構成である。

　図３２に示されるように、照明ユニット４０４のホルダー４４１は、Ｕ字状の取付ベース４４０に嵌め込まれている。ホルダー４４１の後面両側には、後方に突出した引掛片部４４１１が形成されている。各引掛片部４４１１は、取付ベース４４０の対応する側片部の内面に突出して設けられた掛止部４４００に掛止されている。なお、ホルダー４４１は、ねじ止めによって取付ベース４４０に取り付けられてもよい。

　ホルダー４４１及び導光部材４４２は、センター収納体４２０Ａの天板４２００や底板４２０１よりも前方に突出している。表面カバー４４７の前面は、前後方向において、センター収納体４２０Ａの扉４２１の前面と略同じ位置に配置されている。

　第一キャビネット４０２、及び第二キャビネット４０５は、固着具等を用いて、前記部屋の壁に個別に取り付けられる。この際、第一キャビネット４０２の両側に位置する第二キャビネット４０５は、第一キャビネット４０２側の外側面（側板４２０２の外面）を対応する取付具４０３の当接部４３３に当接した状態で、第一キャビネット４０２に並べて配置される。図３１に示されるように、第一キャビネット４０２の両側に設けられた取付具４０３及びこれに取り付けられた照明ユニット４０４は、第一キャビネット４０２の外側面と第二キャビネット４０５の外側面の間に形成された隙間に配置される。

　また、図３０に示すように、第一キャビネット４０２は、スペーサー４２２の上面が、一対の第二キャビネット４０５の上面（天板４２００の上面）と同じ高さに位置する。このため、第一キャビネット４０２の上方に天袋等の設置物を設置するときには、この設置物をスペーサー４２２の上面に当接又は近傍に位置させて収まりよく配置することができる。

　図３２に示されるように、第一キャビネット４０２の扉４２１及び第二キャビネット４０５の扉４２１を閉じたとき、両扉４２１の間には隙間が形成される。この隙間には、照明ユニット４０４の取付ベース４４０から前方に突出した前端部、すなわち、表面カバー４４７やホルダー４４１の前部、及び導光部材４４２の前部（つまり、照明装置４１４）が配置される。

　第一キャビネット４０２に設けられた各照明ユニット４０４は、点光源４４５１を発光させることで導光部材４４２から前側に光を発することができる。すなわち、点光源４４５１から下向きに照射された光は、導光部材４４２の上端面である光入射部４４２２から導光部材４４２に導入され、この後、導光部材４４２の下端側に向かう過程で光反射部４４２０において拡散して前側に反射する。この光は光出射部４４２１から前側に出射され、隣り合う扉４２１の間に位置する表面カバー４４７の前片部４４７０を透して第一キャビネット４０２の前側に出される。これにより、洗面化粧台を利用する利用者は、光出射部４４２１から表面カバー４４７を透して出射された光を利用して、化粧や洗面等を行うことができる。

　以上説明したように、本実施形態のキャビネット１は、実施形態１～４のキャビネットの第１～９，１４～１８の特徴に加えて、以下に示す第１９の特徴を有する。第１９の特徴は、照明ユニット４０４は、キャビネット本体４０６に対して、取付具４０３によって当該キャビネット本体４０６の前側に取り付けられている。取付具４０３は、照明ユニット取付部４３０と、被取付部４３２とを備えている。照明ユニット取付部４３０は、照明ユニット４０４の出光部分が前方に向けられた状態で、当該照明ユニット４０４を保持する。被取付部４３２は、この照明ユニット取付部４３０に設けられており、キャビネット本体４０６の外側面に取り付けられる。

　このようにすることで、被取付部４３２をキャビネット４０２の外側面に取り付け、照明ユニット取付部４３０に照明ユニット４０４を取り付けて、照明ユニット４０４を取付具４０３を介してキャビネット本体４０６に取り付けることができる。このため、キャビネットに大掛かりな加工を施すことを抑制しつつ、キャビネットに照明ユニット４０４を取り付けることができ、コストの増加を抑えることができる。また、取付具４０３や照明ユニット４０４をキャビネット本体４０６の外側面に設けることができるので、キャビネットの収納空間４２０４を支障なく利用することがきる。

　また、第１９の特徴を有するキャビネットは、以下に示す第２０の特徴を有することが好ましい。第２０の特徴は、照明ユニット取付部４３０は、縦長に形成されてキャビネット本体４０６の外側面の前部に沿って配置されている。取付具４０３は、照明ユニット取付部４３０からキャビネット本体４０６の外側面に沿って後側に突出する突出部４３１を備えている。突出部４３１の左右幅は、照明ユニット取付部４３０の左右幅と同じ寸法である。

　このようにすることで、本実施形態のように、第一キャビネット４０２の側方に第二キャビネット４０５を並べて設置したときに、左右幅が同じ照明ユニット取付部４３０と突出部４３１とを、第一キャビネット４０２と第二キャビネット４０５の間に配置されるスペーサーとして利用できる。

　特にこの場合、第一キャビネット４０２と第二キャビネット４０５との間において、前部には、照明ユニット取付部４３０を配置でき、後部には突出部４３１を配置することができる。このため、第二キャビネット４０５の前部がキャビネット４０２の前部に近づくことを照明ユニット取付部４３０で抑制できる。また、第二キャビネット４０５の後部がキャビネット４０２の後部に近づくことを突出部４３１で抑制できる。従って、第二キャビネット４０５が第一キャビネット４０２に対して傾き難くなる。

　また、第２０の特徴を有するキャビネットは、以下に示す第２１の特徴を有することが好ましい。第２１の特徴は、キャビネット本体４０６が、少なくとも一対の収納体４２０を備えている。取付具４０３は、一対の収納体４２０の間に配置される。

　このようにすることで、取付具４０３及びこれに取り付けられた照明ユニット４０４を、第一キャビネット４０２と第二キャビネット４０５との間に配置することができる。このため、第二キャビネット４０５の収納空間４２０４を支障なく利用することがきる。

　また、第２１の特徴を有するキャビネットは、以下に示す第２２の特徴を有することが好ましい。第２２の特徴は、照明装置４１４は、縦長の導光部材４４２と、回路基板４４５０と、この回路基板４４５０に設けられた点光源４４５１（光源）とを備える。点光源４４５１は、導光部材４４２の上端面に対向する位置に設けられる。導光部材４４２は、光入射部４４２２と、光反射部４４２０と、光出射部４４２１とを有する。光入射部４４２２は、導光部材４４２の上端面に設けられ、点光源４４５０から発せられた光が導入される。導光部材４４２の後面に設けられ、光入射部４４２２から導入された光が反射する。光出射部４４２１は、導光部材４４２の前面に設けられ、光反射部４４２０に反射した光が出射する。照明装置４１４は、回路基板４４５０に熱的に接続された放熱部４４６Ａをさらに備える。この放熱部４４６Ａは、一対の収納体４２０の間に配置される。

　このようにすることで、点光源４４５１を発光させることで、点光源４４５１から照射された光を光入射部４４２２から導光部材４４２に導入し、この後、反射させて光出射部４４２１から出射させることができる。また、点光源４４５１を発光させたときに点光源４４５１や回路基板４４５０で発生した熱を放熱部４４６Ａに伝えて放散することができ、点光源４４５１の発光時に生じる熱によって照明装置４１４の不具合が生じることを抑制できる。また、放熱部４４６Ａを第一キャビネット４０２と第二キャビネット４０５の間に形成される隙間を利用して配置することができる。

　また、第１９～２２の特徴を有するキャビネットは、以下に示す第２３の特徴を有することが好ましい。第２３の特徴は、キャビネット本体４０６の一対の外側面に、取付具４０３が取り付けられている。

　このようにすることで、キャビネットの左右両側に設けられた照明装置４１４によって照明することができる。また、第一のキャビネット４０２の両側に、照明装置４１４が取り付けられていない第二キャビネット４０５を設けるだけで、収納空間を複数有するシステムキャビネットとすることができる。

　また、本実施形態のキャビネットは、取付具４０３と、第一キャビネット４０２と、照明装置４１４とを具備している。取付具４０３の被取付部４３２がキャビネット４０２の外側面に取り付けられている。取付具４０３の照明ユニット取付部４４３０が第一キャビネット４０２の外側面の前部に沿って配置されている。照明ユニット４１４がその出光部分を前側に向けた状態で、照明ユニット取付部４３０に取り付けられる。

　このキャビネットにあっては、照明装置４１４を、第一キャビネット４０２に取付具４０３を介して取り付けることができる。このため、第一キャビネット４０２に大掛かりな加工を施すことを抑制しつつ、キャビネット４０２に照明装置４１４を取り付けることができ、コストの増加を抑えることができる。

　なお、本実施形態の突出部４３１は、照明ユニット取付部４３０の下端部に１つだけ設けられていたが、図３６に示すように、照明ユニット取付部４３０の複数箇所に設けられてもよい。

　取付具４０３Ｂは、図３６に示されるように、照明ユニット取付部４３０Ｂから後方に突出する突出部４３１Ｂを、照明ユニット取付部４３０Ｂの長さ方向に複数有している。２つの突出部４３１Ｂのうちの１つは、照明ユニット取付部４３０Ｂの上端部に設けられる。２つの突出部４３１Ｂのうちの他の１つは、照明ユニット取付部４３０Ｂの下端部に設けられる。これにより、取付具４０３Ｂは、側面視略Ｃ字状に形成されている。

　取付具４０３Ｂの下端部に設けられた突出部４３１Ｂは、上述の突出部４３１と同じ構造である。取付具４０３Ｂの上端部に設けられた突出部４３１Ｂは、取付具４０３Ｂの下端部に設けられた突出部４３１Ｂを上下反転させたものである。すなわち、突出部４３１Ｂは、下方及び前後に開口した横長の溝部４３１０と、溝部４３００の両側片部４３１２の上下方向の中間部同士を接続する接続片部４３１１とで構成されている。

　照明ユニット取付部４３０Ｂの左右幅と、上下の突出部４３１Ｂの左右幅は同じである。このため、照明ユニット取付部４３０Ｂの第一キャビネット４０２側の側面と、上下の突出部４３１Ｂの第一キャビネット４０２側の側面とが、段差無く面一に接続されている。また、照明ユニット取付部４３０Ｂの第一キャビネット４０２と反対側の側面と、上下の突出部４３１Ｂの第一キャビネット４０２と反対側の側面も、段差無く面一に接続されている。

　また、照明ユニット取付部４３０Ｂの第一キャビネット４０２側の側片部４３０２と、上下の突出部４３１Ｂの第一キャビネット４０２側の側片部４３１２とで、第一キャビネット４０２のキャビネット本体４０６の外側面に取り付けられる被取付部４３２が構成されている。ここで、上の突出部４３１Ｂにも、下の突出部４３１Ｂと同様に、ねじ用孔及び作業用孔４３３０が設けられている。従って、上の突出部４３１Ｂも下の突出部４３１Ｂと同様に、第一キャビネット４０２にねじ止めされる。また、照明ユニット取付部４３０Ｂの第一キャビネット４０２と反対側の側片部４３０２と、上下の突出部４３１Ｂの第一キャビネット４０２と反対側の側片部４３１２とで、第二キャビネット４０５のキャビネット本体４０６の外側面に当接される当接部４３３が構成されている。

　このキャビネットにあっては、第一キャビネット４０２の照明ユニット取付部４３０Ｂよりも後側の部分において、第一キャビネット４０２第二キャビネット４０５との間に、複数の突出部４３１Ｂが配置される。このため、第二キャビネット４０５の後部が、第一キャビネット４０２の後部に近づくことを、複数の突出部４３１Ｂで抑制することができる。従って、第二キャビネット４０５は第一キャビネット４０２に対して一層傾き難くなる。

　また、導光部材４２の下方には、反射板４４９が設けられてもよい。この場合、照明ユニット４１４は、図３７に示されるように、導光部材４４２の下側に設けられた反射板４４９を備えている。反射板４４９は、後下がりで傾斜している（つまり、後方に行く程下方に位置するように傾斜している）。反射板４４９は、反射面部４９０を有する。反射面部４９０は、導光部材４２の下端面に対向する上側の面部で構成される。反射面部４９０は、後方に行く程下方に位置するように傾斜している。

　反射板４４９は、例えば導光部材４４２の下端面の前部又は全部を後方程下方に位置するように傾斜させ、この傾斜面に反射板４４９の上面である反射面部４９０を沿わせた状態で、照明ユニット４０４における導光部材４４２やホルダー４４１等に取り付けられる。なお、反射板４４９は、前記とは異なる方法で照明ユニット４０４に設けられても構わない。

　本実施形態のキャビネットにおいて点光源４４５１を発光させたときには、導光部材４４２に導入された光の一部が導光部材４４２の下端面からも下方に向けて出射される。そして、この光は、図３７の矢印で示されるように、反射板４４９の反射面部４９０に当たって後側に向かって反射される。従って、反射面部４９０で反射した光によって、第一キャビネット４０２の下面側を照明できる。

　すなわち、第１９～２３の特徴を有するキャビネットは、以下に示す第２４の特徴を有することが好ましい。第２４の特徴は、導光部材４４２の下方に、反射面部４９０が設けられる。反射面部４９０は、当該導光部材４４２の下端面から下方に向かって出射した光を反射させる。この反射面部４９０は、後方に行く程下方に位置するように傾斜している。

　この構成により、導光部材４４２の下端面から下方に向けて出射された光を反射面部４９０で後側に反射して、キャビネットの下面側を照明することができる。また、特にキャビネットを洗面台の上方に設けて利用するときには、第一キャビネット４０２の下面側の前後方向における広い範囲を照明することができ、洗面台の使い勝手を良くすることができる。

　なお、このキャビネットには反射面部４９０が設けられたが、反射面部４９０は、実施形態１～５のキャビネットのいずれかに設けても構わない。また、反射面部４９０を反射板４４９の一面で構成したが、例えば導光部材４４２の後下がりで傾斜させた下端面に印刷や蒸着によって反射性の物質を設けたり、微細な凹凸を設けたりすることで、反射面部４９０を形成しても構わない。

　また、実施形態５のキャビネットは、複数のキャビネットを有するシステムキャビネットであったが、単独のキャビネットであってもよい。また、扉４２１は鏡面扉以外の扉であってもよい。また、第一キャビネット４０２は、扉４２１を省略したキャビネットであってもよい。また、実施形態５のキャビネットは、第一キャビネット４０２に二つの照明ユニット４０４が設けられたが、第一キャビネット４０２に一又は３以上の照明ユニット４０１が設けられてもよい。

Claims

前方に開口した収納空間が形成されたキャビネット本体と、
前記キャビネット本体の前側に設けられて前記収納空間を開閉可能に閉塞する扉と、
前記キャビネット本体の前側に前記扉と並べて設けられた照明ユニットと
を備え、
　前記照明ユニットが、
　　前記キャビネット本体に対して取り付けられた少なくとも１つの取付ベースと、
　　前記取付ベースの前側に取り付けられた照明装置と
を有する
ことを特徴とするキャビネット。
当該キャビネットは、異なる前後長さを有する複数種類の取付ベースを備えており、
前記キャビネット本体に取り付けられた取付ベースが、前記複数種類の取付ベースの中から、前記キャビネット本体に設けられる扉の厚さに応じて選択される
ことを特徴とする請求項１に記載のキャビネット。
前記照明装置は前後方向と直交する方向に延びる長形であり、
前記取付ベースは前記照明装置に沿って延びる長形であり、
　前記取付ベースは、前方に開口した収納溝を有し、前記照明装置が前記収納溝の前側から嵌め込まれている
ことを特徴とする請求項１又は請求項２に記載のキャビネット。
前記取付ベースは規制部を有し、
　この規制部は、前記照明装置の前後方向の移動を規制する
ことを特徴とする請求項３に記載のキャビネット。
前記照明装置は、前記規制部に対して前記取付ベースの長さ方向にスライド可能である
ことを特徴とする請求項４に記載のキャビネット。
前記取付ベースは、長尺部材を切断して形成されており、
この長尺部材は、前記取付ベースよりも長く、且つ長さ方向と直交する断面の形状が前記取付ベースと同一形状である
ことを特徴とする請求項３～５のいずれか一項に記載のキャビネット。
前記キャビネット本体が合成樹脂製であり、
前記取付ベースが金属製で長形に形成されている
ことを特徴とする請求項１～６のいずれか一項に記載のキャビネット。
前記取付ベースは、前記キャビネット本体の上端部から下端部にまで亘る
ことを特徴とする請求項７に記載のキャビネット。
前記照明装置が、
　回路基板と、
　この回路基板に設けられた光源と、
　前記取付ベースの長さ方向に延びる長形の導光部材と
を有し、
　前記導光部材が前記取付ベースに取り付けられ、
　前記取付ベースが前記回路基板に熱的に接続された金属製の放熱部である
ことを特徴とする請求項７または請求項８に記載のキャビネット。
キャビネット本体は、天板と底板と一対の側板とを有する複数の収納体を備え、
前記複数の収納体は、側板同士が隣接するように隣り合って配置されており、
前記隣り合う収納体のうちの少なくとも一方の収納体は、他の収納体側の側板の前端面が、前記天板及び前記底板の前端面よりも後方に位置しており、
前記照明ユニットが、前記天板及び前記底板の前端面よりも後方に位置する側板の前端面の前側に配置されている
ことを特徴とする請求項１～９のいずれか一項に記載のキャビネット。
前記隣り合う側板のうちのいずれか一方の側板の前端面が、前記天板及び前記底板の前端面よりも後方に位置している
ことを特徴とする請求項１０記載のキャビネット。
前記キャビネット本体の互いに隣り合う２つの側板の前端面が、いずれも、前記天板及び前記底板の前端面よりも後方に位置している
ことを特徴とする請求項１０記載のキャビネット。
前記照明ユニットの前端面が、前記天板及び前記底板の前端面に面一となっている
ことを特徴とする請求項１０～１２のいずれか一項に記載のキャビネット。
前記照明装置の前端が前記扉の前面から非突出となっている
ことを特徴とする請求項１～９のいずれか一項に記載のキャビネット。
前記照明装置の前端は、前記扉の前面よりも後方に位置している
ことを特徴とする請求項１４に記載のキャビネット。
前記照明装置は、
前記キャビネット本体の上端部または下端部に設けられた光源部と、
前記扉の左右方向の端縁に沿うように設けられ、前記光源部からの光が長手方向の端面から入射し且つ入射した光が前面から出射する導光部材と
を備えている
ことを特徴とする請求項１４または請求項１５に記載のキャビネット。
前記扉は少なくとも一対の鏡面扉を備えており、
前記照明装置は、この一対の鏡面扉の間に配置されている
ことを特徴とする請求項１４～１６のいずれか一項に記載のキャビネット。
　前記キャビネット本体は、上壁部と、下壁部と、縦壁部とを備え、
前記上壁部の前端面と前記下壁部の前端面と前記縦壁部の前端面とは同一平面上に位置しており、
前記照明ユニットの後端部は、前記縦壁部の前端面に固定されている
ことを特徴とする請求項１４～１７のいずれか一項に記載のキャビネット。
前記照明ユニットは、キャビネット本体に対して、取付具によって当該キャビネット本体の前側に取り付けられており、
　前記取付具は、
　　前記照明ユニットの出光部分が前方に向けられた状態で当該照明ユニットを保持する照明ユニット取付部と、
　　この照明ユニット取付部に設けられ、前記キャビネット本体の外側面に取り付けられる被取付部と
を備えている
ことを特徴とする請求項１～９，１４～１８のいずれか一項に記載のキャビネット。
前記照明ユニット取付部は、縦長に形成されて前記キャビネット本体の外側面の前部に沿って配置されており、
　前記取付具は、
　　前記照明ユニット取付部から前記キャビネット本体の外側面に沿って後側に突出する突出部を備えており、
　　　前記突出部の左右幅は、前記照明ユニット取付部の左右幅と同じ寸法である
ことを特徴とする請求項１９に記載のキャビネット。
前記キャビネット本体は一対の収納体を備え、
前記取付具は、前記一対の収納体の間に配置される
ことを特徴とする請求項１９または請求項２０に記載のキャビネット。
前記照明装置は、
　縦長の導光部材と、
　回路基板と、
　この回路基板に設けられた光源と
を備え、
　　前記光源は、前記導光部材の上端面に対向する位置に設けられており、
　　前記導光部材は、
　　　上端面に設けられ、前記点光源から発せられた光が導入される光入射部と、
　　　後面に設けられ、光入射部から導入された光が反射する光反射部と、
　　　前面に設けられ、光反射部に反射した光が出射する光出射部と
を有しており、
　　前記照明装置は、前記回路基板に熱的に接続された放熱部をさらに備え、
　　　この放熱部は、前記一対の収納体の間に配置される
ことを特徴とする請求項２１に記載のキャビネット。
前記キャビネット本体の一対の外側面に前記取付具が取り付けられている
ことを特徴とする請求項１９～２２のいずれか一項に記載のキャビネット。
前記導光部材の下方に、当該導光部材の下端面から下方に向かって出射した光を反射させる反射面部が設けられ、
　この反射面部は、後方に行く程下方に位置するように傾斜している
ことを特徴とする請求項１９～２３のいずれか一項に記載のキャビネット。