WO2014156995A1 - 五フッ化リンの製造方法、六フッ化リン酸リチウムの製造方法、六フッ化リン酸リチウム、電池用非水電解液、及びリチウム二次電池 - Google Patents

五フッ化リンの製造方法、六フッ化リン酸リチウムの製造方法、六フッ化リン酸リチウム、電池用非水電解液、及びリチウム二次電池 Download PDF

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Abstract

 本発明によれば、下記一般式(I)で表される化合物と、加水分解によりフッ化水素を生じる化合物と、を反応させる工程を有する五フッ化リンの製造方法が提供される。 一般式(I):POF(OH) 〔上記一般式(I)中、x及びyは、以下の式(1)~式(3)を満たす。 (1)0≦x≦3 (2)0≦y≦3 (3)x+y=3〕

Description

五フッ化リンの製造方法、六フッ化リン酸リチウムの製造方法、六フッ化リン酸リチウム、電池用非水電解液、及びリチウム二次電池
 本発明は、五フッ化リンの製造方法、六フッ化リン酸リチウムの製造方法、六フッ化リン酸リチウム、電池用非水電解液、及びリチウム二次電池に関する。
 五フッ化リン(PF)は、各種ヘキサフルオロリン酸塩の原料として用いられる化合物であり、例えば、リチウム電池及びリチウムイオン電池用の電解質として有用なヘキサフルオロリン酸リチウムの原料が挙げられる。また、ポリマーの重合触媒や半導体用ドーピング剤として、有用な化合物である。
 五フッ化リンの公知の製造方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
1.三フッ化砒素による五塩化リンのハロゲン交換反応(米国特許第3584999号明細書参照)
 式:3PCl+5AsF→3PF+5AsCl
2.三フッ化リンの塩素化(米国特許第3584999号明細書参照)
 式:5PF+3Cl→3PF+2PCl
3.フッ化ホスホリルとフッ化水素との反応(米国特許第3584999号明細書参照)
 式:POF+2HF→PF+H
4.金属フッ化物と、リン酸またはモノフルオロリン酸と、三酸化硫黄との加熱による反応(米国特許第3634034号明細書参照)
 式:2HPO+6SO+6CaF→PF+HPF・2HO+HF+6CaSO
5.塩化リンとフッ化水素との反応(特開平10-245211号公報参照)
 式:PCl+5HF+Cl→PF+5HCl
6.ヘキサフルオロリン酸と発煙硫酸との反応(特表2005-507849号公報参照)
 式:HPF+HSO(65%SO)→PF+HSO
 ここで、上記1、2及び3の製造方法は、混成ハロゲン化物(例えば、PClF、PCl)又はHClを五フッ化リンから分離する大規模な分離工程を必要とする。
 上記4の製造方法は、五フッ化リンに加えて、副生成物としてヘキサフルオロリン酸及び硫酸カルシウムが生成されるため、これらを分離する大規模な分離工程及び硫酸カルシウムを処分する工程を必要とする。
 上記5の製造方法は、反応に発熱を伴う傾向にあり、また、反応用に高耐圧容器が求められる。
 また、いずれの製造方法も、収率が十分でない傾向にある。
 そして、上記6の製造方法は、五フッ化リンを発生させるために約150℃~180℃の高温を必要とする。また、発煙硫酸や五フッ化リンなどの腐食性の高い物質を高温で扱うため、設備に高価な耐食材料を必要とし、コストが上がる傾向にある。
 そこで、本発明は、上記に鑑みて、大規模な分離工程及び高耐圧容器を必要とせずに、低温加熱による反応を経て五フッ化リンを高収率で製造するための製造方法を提供することを目的とする。
 また、本発明は、大規模な分離工程及び高耐圧容器を必要とせずに、低温加熱による反応を経て高収率で製造した五フッ化リンを用いた六フッ化リン酸リチウムの製造方法を提供することを目的とする。
 さらに、本発明は、塩化物イオンの濃度が抑制された、六フッ化リン酸リチウム、電池用非水電解液、及びリチウム二次電池を提供することを目的とする。
 なお、本明細書中では、低温加熱による反応とは、反応温度が150℃以下の反応を示す。
 本発明者は、上記課題に対し、下記一般式(I)で表される化合物と、フルオロスルホン酸と、を反応させる工程を有する五フッ化リンの製造方法により、大規模な分離工程及び高耐圧容器を必要とせずに、低温加熱による反応で五フッ化リンを高収率で製造することができることを見出し、本発明を完成した。
 すなわち本発明の課題を解決する手段は、以下のとおりである。
<1> 下記一般式(I)で表される化合物と、
 加水分解によりフッ化水素を生じる化合物と、
 を反応させる工程を有する五フッ化リンの製造方法。
 一般式(I):POF(OH)
 上記一般式(I)中、x及びyは、以下の式(1)~式(3)を満たす。
 (1)0≦x≦3
 (2)0≦y≦3
 (3)x+y=3
<2> 前記フッ化水素を生じる化合物が、フルオロ基を含有する硫黄化合物である<1>に記載の五フッ化リンの製造方法。
<3> 前記フッ化水素を生じる化合物が、少なくともフルオロ基及びスルホニル基をそれぞれ1以上有する化合物である<1>又は<2>に記載の五フッ化リンの製造方法。
<4> 前記フッ化水素を生じる化合物が、FSOOH(フルオロスルホン酸)、FS(O)F、FS(O)OS(O)F、FS(O)OS(O)OS(O)F、FS(O)[OS(O)OS(O)F、FS(O)[OS(O)OS(O)F、FS(O)[OS(O)OS(O)F、及び、FS(O)[OS(O)OS(O)Fから選択される少なくとも1種である<1>~<3>のいずれか1つに記載の五フッ化リンの製造方法。
<5> 前記フッ化水素を生じる化合物が、フルオロスルホン酸である<1>~<4>のいずれか1つに記載の五フッ化リンの製造方法。
<6> 前記一般式(I)で表される化合物が、モノフルオロリン酸及びジフルオロリン酸の少なくとも一方である<1>~<5>のいずれか1つに記載の五フッ化リンの製造方法。
<7> 前記モノフルオロリン酸及び前記ジフルオロリン酸が、リン酸、ポリリン酸、及び五酸化二リンから選択される少なくとも1種のリン化合物と、無水フッ化水素と、を反応させて得られる化合物である<6>に記載の五フッ化リンの製造方法。
<8> 前記一般式(I)で表される化合物と、前記フッ化水素を生じる化合物と、を40℃~150℃の範囲で反応させる<1>~<7>のいずれか1つに記載の五フッ化リンの製造方法。
<9> 前記一般式(I)で表される化合物に含まれるリン原子と、前記硫黄化合物に含まれる硫黄原子と、のモル比(硫黄原子/リン原子)が、1~10である<2>~<8>のいずれか1つに記載の五フッ化リンの製造方法。
<10> <1>~<9>のいずれか1つに記載の製造方法により五フッ化リンを製造する工程と、
 製造された五フッ化リンとフッ化リチウムとを反応させる工程と、
 を有する六フッ化リン酸リチウムの製造方法。
<11> <10>に記載の製造方法により得られる六フッ化リン酸リチウム。
<12> 非水溶媒と、電解質として<11>に記載の六フッ化リン酸リチウムと、を含む電池用非水電解液。
<13> <12>に記載の電池用非水電解液と、正極と、負極と、を含むリチウム二次電池。
 本発明の五フッ化リンの製造方法によれば、大規模な分離工程及び高耐圧容器を必要とせずに、低温加熱による反応を経て五フッ化リンを高収率で製造することができる。
 また、本発明は、大規模な分離工程及び高耐圧容器を必要とせずに、低温加熱による反応を経て高収率で製造した五フッ化リンを用いた六フッ化リン酸リチウムの製造方法を提供することができる。
 さらに、本発明は、塩化物イオンの濃度が抑制された、六フッ化リン酸リチウム、電池用非水電解液、及びリチウム二次電池を提供することができる。
[五フッ化リンの製造方法]
 本発明における五フッ化リンの製造方法は、下記一般式(I)で表される化合物と、加水分解によりフッ化水素を生じる化合物(以下、「特定化合物」と称する場合がある)と、を反応させる工程を有する方法である。
 一般式(I):POF(OH)
 上記一般式(I)中、x及びyは、以下の式(1)~式(3)を満たす。
 (1)0≦x≦3
 (2)0≦y≦3
 (3)x+y=3
 以上より、本発明の五フッ化リンの製造方法においては、大規模な分離工程及び高耐圧容器を必要とせずに、低温加熱による反応で五フッ化リンを高収率で製造することができる。
 一般式(I)で表される化合物と、特定化合物と、の反応は、それぞれを反応容器中に添加して行うことができる。
 これらを添加する順序は、特に制限されない。
 また、添加は、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
 五フッ化リンの製造方法としてより好ましくは、例えば、後述するように、五酸化二リンがフルオロスルホン酸に溶解した溶液に無水フッ化水素を添加して生成した一般式(I)で表される化合物と、特定化合物と、を反応させる製造方法が挙げられる。
 まず、乾燥雰囲気下(例えば10RH%以下)において、五酸化二リンが特定化合物に溶解した溶液(以下、「特定五酸化二リン溶解液」と称する)を調製する。
 次に、該特定五酸化二リン溶解液に、無水フッ化水素を0℃~30℃(好ましくは0℃~20℃、さらに好ましくは0℃~10℃)の温度に冷却保持しながら添加して反応容器内に一般式(I)で表される化合物を生成する。
 そして、一般式(I)で表される化合物と特定化合物とを反応させ、五フッ化リンを製造する。
 なお、上記特定五酸化二リン溶解液は、五酸化二リンの含有量が、特定五酸化二リン溶解液全量に対して、7質量%~40質量%であることが好ましく、9質量%~26質量%であることがより好ましく、15質量%~26質量%であることがさらに好ましい。
 一般式(I)で表される化合物と特定化合物との反応温度は、室温(20℃~30℃)であってもよいが、加熱しながら行ってもよく、例えば、40℃~150℃の範囲で反応させることが好ましく、80℃~130℃の範囲で反応させることがより好ましく、90℃~100℃の範囲で反応させることがさらに好ましい。
 温度は、40℃以上とすることにより、五フッ化リンの収率が向上し、また、150℃以下とすることにより、五フッ化リンの収率が向上すると共に高価な耐食材料で構成される設備が必要でなくなると考えられる。
 なお、上記温度は、反応容器内の一般式(I)で表される化合物と特定化合物とが反応している反応液の温度を示す。
 一般式(I)で表される化合物に含まれるリン原子に対する、特定化合物および一般式(I)で表される化合物に含まれるフッ素原子のモル比(F/P)は、5~15となるように調整されることが好ましく、中でも、6~12がより好ましく、7~10がさらに好ましい。
 モル比F/Pは、上記範囲の下限値以上となることにより、五フッ化リンの収率低下が抑制されるため、好ましい。
 一方、これらのモル比は、上記範囲の上限値以下となることにより、五フッ化リンの収率低下の抑制、又は、過剰のフッ化水素と生成ガスとを分離するための労力が削減されることとなるため、好ましい。
 上記製造方法により得られた五フッ化リンは、微量のフッ化水素やオキシフッ化リン(POF)などのガスを含むことがある。フッ化水素やオキシフッ化リン等のガスが問題にならない場合はそのまま使用してもよいし、純度の高い五フッ化リンが必要な場合は、既知の方法でフッ化水素およびオキシフッ化リン等のガスを除去した後、使用してもよい。
 なお、本発明の五フッ化リンの製造方法においては、脱水剤を併用してもよい。
 脱水剤としては、例えば、化学物質が有する化学的作用により脱水する化学的脱水剤、又は多孔質表面が水分子を吸着しやすいことを利用して脱水する物理的脱水剤が挙げられる。
 化学的脱水剤としては、例えば、五酸化リン、過塩素酸マグネシウム、濃硫酸、塩化カルシウム、ナトリウム、硫酸ナトリウム(無水)、又は硫酸ナトリウム(無水)、及び硫酸銅(無水)が挙げられる。
 物理的脱水剤としては、例えば、シリカゲル、酸化アルミニウム、モレキュラーシーブ、又はゼオライトが挙げられる。
 以下、本発明において用いる、一般式(I)で表される化合物及び特定化合物について詳細に説明する。
(一般式(I)で表される化合物)
 一般式(I)で表される化合物は、POF(OH)で表される。
 上記一般式(I)中、x及びyは、以下の式(1)~式(3)を満たす。
 (1)0≦x≦3
 (2)0≦y≦3
 (3)x+y=3
 一般式(I)で表される化合物として、具体的には、以下の化合物が挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
 一般式(I)で表される化合物は、低温加熱による反応で五フッ化リンを高収率で製造する観点から、上記化合物のうち、リン酸、モノフルオロリン酸、又はジフルオロリン酸であることが好ましく、モノフルオロリン酸及びジフルオロリン酸の少なくとも一方であることが特に好ましい。
 また、これらの化合物は併用してもよい。
 本発明において出発反応物として使用する一般式(I)で表される化合物は、市販のものをそのまま用いてもよい。
 また、一般式(I)で表される化合物は、公知の方法により製造することができる。
 例えば、モノフルオロリン酸及びジフルオロリン酸の場合、リン酸、ポリリン酸、及び五酸化二リンから選択される少なくとも1種のリン化合物と、無水フッ化水素と、を反応させて得ることができる。
(特定化合物)
 本発明の五フッ化リンの製造方法において使用する特定化合物としては、例えば、FSOCF=CF、FSO、FSO(p-COCH)、FSO(p-CNO)、FSO(p-CF)、FSOCHFCFOCH、FSOCHFCF、FSOCHFCFBr、FSOCFClCFCl、FSOCFBrCFBr、FS(O)N=S=O、FS(O)N=S(O)F、FS(O)N=SF、FS(O)N=SCl、FS(O)=NS(O)F、FSONH、(FSONH、FSONF、(FSONF、FSOOH(フルオロスルホン酸)、FS(O)OCF、FS(O)OCFCl、FS(O)OCFCF、FS(O)OCF(CF)CFCF、FS(O)OCF(CF)CFBrCF、[FS(O)O]CF、[FS(O)O]CF、[FS(O)O]CFCF、FS(O)OCFCFNF、FS(O)OCFCF(NF)CF、FS(O)OC(O)CF、FS(O)OC(O)CFCl、FS(O)OC(O)CFCF、FS(O)OC(O)CFCFCF、FS(O)OC(O)CFCFOS(O)F、FS(O)ONF、FS(O)OOCF、FS(O)OOSOOF、FS(O)OOS(O)F、FS(O)OOF、FS(O)OF、[FS(O)O]PO、[FS(O)O]P(O)F、FS(O)OP(O)F、FS(O)OS(O)F、FS(O)OS(O)OS(O)F、FS(O)[OS(O)OS(O)F、FS(O)[OS(O)OS(O)F、FS(O)[OS(O)OS(O)F、FS(O)[OS(O)OS(O)F、FS(O)OSOOF、FS(O)OSF、FS(O)OCl、FS(O)OBr、CFCF[OS(O)F]CFNF、F(SOSOF、FS(O)F、FS(O)Br、LiPF、LiBF、LiAsPF、LiSbF、SF、SiF、BF、PF等が挙げられる。
 なお、これらの特定化合物は、2種以上を併用してもよい。
 また、特定化合物としては、例えば、以下の重合体が挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
 特定化合物中の硫黄原子は、少なくとも一つ又は全部が、ホウ素原子、ケイ素原子、リン原子、ヒ素原子、セレン原子、アンチモン原子又はテルル原子であってもよい。
 特定化合物は、これらの中でも、フルオロ基を含有する硫黄化合物であることが好ましく、少なくともフルオロ基及びスルホニル基をそれぞれ1以上有する化合物がより好ましい。
 フルオロ基を含有する硫黄化合物としては、上記製造方法により得られた五フッ化リンが不純物を含み難いという観点から、例えば、FS(O)OOSOOF、FS(O)OOS(O)F、FS(O)OOF、FS(O)OF、[FS(O)O]PO、[FS(O)O]P(O)F、FS(O)OP(O)F、FS(O)OS(O)F、FS(O)OS(O)OS(O)F、FS(O)[OS(O)OS(O)F、FS(O)[OS(O)OS(O)F、FS(O)[OS(O)OS(O)F、FS(O)[OS(O)OS(O)F、FS(O)OSOOF、FS(O)OSF、F(SOSOF、FS(O)F、FSOOH(フルオロスルホン酸)が挙げられる。
 これらの中でも、FSOOH(フルオロスルホン酸)、FS(O)F、FS(O)OS(O)F、FS(O)OS(O)OS(O)F、FS(O)[OS(O)]2OS(O)F、FS(O)[OS(O)OS(O)F、FS(O)[OS(O)OS(O)F、及び、FS(O)[OS(O)OS(O)Fが好ましい。
 特定化合物は、これらの中でも、フルオロスルホン酸が特に好ましい。
 本発明において使用するフルオロスルホン酸は、市販のフルオロスルホン酸(HSOF)をそのまま用いることができる。
 また、本発明において使用するフルオロスルホン酸は、硫酸、発煙硫酸又は三酸化硫黄から選択される少なくとも1種の化合物と、無水フッ化水素と、を反応して得られるフルオロスルホン酸であってもよい。
 上記発煙硫酸は、三酸化硫黄を硫酸中に溶解することにより調製される。発煙硫酸は、遊離三酸化硫黄の含有量が、80質量%以下であることが好ましく、5質量%以上80質量%以下であることがより好ましく、60質量%が最も好ましい。
 なお、純粋な三酸化硫黄そのものを用いてもよい。
 本発明の五フッ化リンの製造方法において、例えば、特定化合物としてフルオロスルホン酸を適用した場合、まず、フルオロスルホン酸が加水分解されることによって、硫酸及びフッ化水素が生成され、その後、硫酸による脱水作用及びフッ化水素によるフッ素置換が進行することとなると考えられる。フルオロスルホン酸を適用したこの反応によって、先行技術に示されるヘキサフルオロリン酸を経由せずに、高収率で目的物である五フッ化リンを得ることができ、さらに従来技術よりも低温で平易に反応が進行する。
 その結果、本発明の大規模な分離工程及び高耐圧容器を必要とせずに、低温加熱による反応で五フッ化リンを高収率で製造し易くなる。
 なお、特定化合物としてフルオロスルホン酸を適用した上記反応においては、脱水剤を併用してもよい。
 脱水剤としては、上述した脱水剤が挙げられる。
 特定化合物が硫黄原子を有する硫黄化合物である場合、一般式(I)で表される化合物と特定化合物との添加比は、一般式(I)で表される化合物に含まれるリン原子に対する、特定化合物に含まれる硫黄原子のモル比(S/P)が、1~10となるように調整されることが好ましく、中でも、2~7がより好ましく、2~4がさらに好ましい。
 モル比S/Pは、上記範囲の下限値以上となることにより、五フッ化リンの収率低下が抑制されるため、好ましい。
 一方、これらのモル比は、上記範囲の上限値以下となることにより、五フッ化リンの収率低下の抑制、又は、過剰のフッ化水素と生成ガスとを分離するための労力が削減されることとなるため、好ましい。
[六フッ化リン酸リチウムの製造方法]
 本発明における六フッ化リン酸リチウムの製造方法は、上述五フッ化リンを製造する工程と、得られた五フッ化リンとフッ化リチウムとを反応させる工程と、を有する六フッ化リン酸リチウムの製造方法である。
 五フッ化リンとフッ化リチウムとの反応は、六フッ化リン酸リチウムを製造する際に通常行われる公知の方法で行うことができる。
 本発明における六フッ化リン酸リチウムの製造方法は、原料として塩化物を用いないため、六フッ化リン酸リチウム中の塩化物イオンの濃度が抑制できる。
 そのため、本発明における六フッ化リン酸リチウムの製造方法は、例えば、塩化物イオンの濃度が2ppm以下の六フッ化リン酸リチウムを得ることができ、さらに、塩化物イオンが含まれていない六フッ化リン酸リチウムを得ることもできる。
[六フッ化リン酸リチウム]
 本発明における六フッ化リン酸リチウムは、上述の六フッ化リン酸リチウムの製造方法により得られる。
 本発明の六フッ化リン酸リチウムは、原料として塩化物を用いない本発明の六フッ化リン酸リチウムの製造方法により得られるため、塩化物イオンの濃度が抑制されたものとなる。
 そのため、本発明の六フッ化リン酸リチウムは、例えば、塩化物イオンの濃度が2ppm以下の六フッ化リン酸リチウムとなり得るものであり、さらに、塩化物イオンが含まれていない六フッ化リン酸リチウムともなり得る。
 なお、本発明の六フッ化リン酸リチウムには、五フッ化リン生成反応の収率によっては、ジフルオロリン酸リチウムが生成物中に含まれうる。
[電池用非水電解液]
 本発明における電池用非水電解液は、非水溶媒と、電解質として、本発明における上記六フッ化リン酸リチウムと、を含む。
 なお、本発明における電池用非水電解液は、例えば、電池抵抗を改善する目的、高温環境下における、リチウム遷移金属酸化物の変質、電解液の分解、又は負極表面に形成された保護皮膜の破壊等を抑制する目的で、添加剤等を含んでいてもよい。
 本発明における上記六フッ化リン酸リチウムは、上述のように塩化物イオンの濃度が抑制されているため、本発明における電池用非水電解液もまた、塩化物イオンを除去する工程を経なくても、塩化物イオンの濃度が抑制されたものとなる。
 具体的には、本発明における電池用非水電解液は、塩化物イオンの濃度が0.2ppm以下の電池用非水電解液とすることができ、さらに、塩化物イオンが含まれていない電池用非水電解液とすることもできる。
 なお、電池用非水電解液は、電極となる金属の腐食を抑制する観点から、塩化物イオンの濃度が低いことが好ましい。
(非水溶媒)
 非水溶媒としては、種々公知のものを適宜選択することができるが、環状の非プロトン性溶媒及び/又は鎖状の非プロトン性溶媒を用いることが好ましい。
 電池の安全性の向上のために、溶媒の引火点の向上を志向する場合は、非水溶媒として環状の非プロトン性溶媒を使用することが好ましい。
 環状の非プロトン性溶媒としては、環状カーボネート、環状カルボン酸エステル、環状スルホン、環状エーテルを用いることができる。
 環状の非プロトン性溶媒は単独で使用してもよいし、複数種混合して使用してもよい。
 環状の非プロトン性溶媒の非水溶媒中の混合割合は、10質量%~100質量%、さらに好ましくは20質量%~90質量%、特に好ましくは30質量%~80質量%である。このような比率にすることによって、電池の充放電特性に関わる電解液の伝導度を高めることができる。
 環状カーボネートの例として具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2-ブチレンカーボネート、2,3-ブチレンカーボネート、1,2-ペンチレンカーボネート、2,3-ペンチレンカーボネートなどが挙げられる。これらのうち、誘電率が高いエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートが好適に使用される。負極活物質に黒鉛を使用した電池の場合は、エチレンカーボネートがより好ましい。また、これら環状カーボネートは2種類以上を混合して使用してもよい。
 環状カルボン酸エステルとして、具体的にはγ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、あるいはメチルγ-ブチロラクトン、エチルγ-ブチロラクトン、エチルδ-バレロラクトンなどのアルキル置換体などを例示することができる。
 環状カルボン酸エステルは、蒸気圧が低く、粘度が低く、かつ誘電率が高く、電解液の引火点と電解質の解離度を下げることなく電解液の粘度を下げることができる。このため、電解液の引火性を高くすることなく電池の放電特性に関わる指標である電解液の伝導度を高めることができるという特徴を有するので、溶媒の引火点の向上を指向する場合は、上記環状の非プロトン性溶媒として環状カルボン酸エステルを使用することが好ましい。環状カルボン酸エステルの中でも、γ-ブチロラクトンが最も好ましい。
 また、環状カルボン酸エステルは、他の環状の非プロトン性溶媒と混合して使用することが好ましい。例えば、環状カルボン酸エステルと、環状カーボネート及び/又は鎖状カーボネートとの混合物が挙げられる。
 環状スルホンの例としては、スルホラン、2-メチルスルホラン、3―メチルスルホラン、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジプロピルスルホン、メチルエチルスルホン、メチルプロピルスルホンなどが挙げられる。
 環状エーテルの例としてジオキソランを挙げることができる。
 本発明の鎖状の非プロトン性溶媒としては、鎖状カーボネート、鎖状カルボン酸エステル、鎖状エーテル、鎖状リン酸エステルなどを用いることができる。
 鎖状の非プロトン性溶媒の非水溶媒中の混合割合は、10質量%~100質量%、さらに好ましくは20質量%~90質量%、特に好ましくは30質量%~80質量%である。
 鎖状カーボネートとして具体的には、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、エチルブチルカーボネート、ジブチルカーボネート、メチルペンチルカーボネート、エチルペンチルカーボネート、ジペンチルカーボネート、メチルヘプチルカーボネート、エチルヘプチルカーボネート、ジヘプチルカーボネート、メチルヘキシルカーボネート、エチルヘキシルカーボネート、ジヘキシルカーボネート、メチルオクチルカーボネート、エチルオクチルカーボネート、ジオクチルカーボネート、メチルトリフルオロエチルカーボネートなどが挙げられる。これら鎖状カーボネートは2種類以上を混合して使用してもよい。
 鎖状カルボン酸エステルとして具体的には、ピバリン酸メチルなどが挙げられる。
 鎖状エーテルとして具体的には、ジメトキシエタンなどが挙げられる。
 鎖状リン酸エステルとして具体的には、リン酸トリメチルなどが挙げられる。
(溶媒の組み合わせ)
 本発明の非水電解液で使用する非水溶媒は、1種類でも複数種類を混合して用いてもよい。また、環状の非プロトン性溶媒のみを1種類又は複数種類用いても、鎖状の非プロトン性溶媒のみを1種類又は複数種類用いても、又は環状の非プロトン性溶媒及び鎖状のプロトン性溶媒を混合して用いてもよい。電池の負荷特性、低温特性の向上を特に意図した場合は、非水溶媒として環状の非プロトン性溶媒と鎖状の非プロトン性溶媒を組み合わせて使用することが好ましい。
 さらに、電解液の電気化学的安定性から、環状の非プロトン性溶媒には環状カーボネートを、鎖状の非プロトン性溶媒には鎖状カーボネートを適用することが最も好ましい。また、環状カルボン酸エステルと環状カーボネート及び/又は鎖状カーボネートの組み合わせによっても電池の充放電特性に関わる電解液の伝導度を高めることができる。
 環状カーボネートと鎖状カーボネートの組み合わせとして、具体的には、エチレンカーボネートとジメチルカーボネート、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジエチルカーボネート、プロピレンカーボネートとジメチルカーボネート、プロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、プロピレンカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネートなどが挙げられる。
 環状カーボネートと鎖状カーボネートの混合割合は、質量比で表して、環状カーボネート:鎖状カーボネートが、5:95~80~20、さらに好ましくは10:90~70:30、特に好ましくは15:85~55:45である。このような比率にすることによって、電解液の粘度上昇を抑制し、電解質の解離度を高めることができるため、電池の充放電特性に関わる電解液の伝導度を高めることができる。また、電解質の溶解度をさらに高めることができる。よって、常温又は低温での電気伝導性に優れた電解液とすることができるため、常温から低温での電池の負荷特性を改善することができる。
 環状カルボン酸エステルと環状カーボネート及び/又は鎖状カーボネートの組み合わせの例として、具体的には、γ-ブチロラクトンとエチレンカーボネート、γ-ブチロラクトンとエチレンカーボネートとジメチルカーボネート、γ-ブチロラクトンとエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、γ-ブチロラクトンとエチレンカーボネートとジエチルカーボネート、γ-ブチロラクトンとプロピレンカーボネート、γ-ブチロラクトンとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネート、γ-ブチロラクトンとプロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、γ-ブチロラクトンとプロピレンカーボネートとジエチルカーボネート、γ-ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネート、γ-ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネート、γ-ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、γ-ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジエチルカーボネート、γ-ブチロラクトンとエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネート、γ-ブチロラクトンとエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、γ-ブチロラクトンとエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、γ-ブチロラクトンとエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、γ-ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネート、γ-ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、γ-ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、γ-ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、γ-ブチロラクトンとスルホラン、γ-ブチロラクトンとエチレンカーボネートとスルホラン、γ-ブチロラクトンとプロピレンカーボネートとスルホラン、γ-ブチロラクトンとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとスルホラン、γ-ブチロラクトンとスルホランとジメチルカーボネートなどが挙げられる。
(その他の溶媒)
 本発明に係る非水電解液は、非水溶媒として、上記以外の他の溶媒を含んでいてもよい。他の溶媒としては、具体的には、ジメチルホルムアミドなどのアミド、メチル-N,N-ジメチルカーバメートなどの鎖状カーバメート、N-メチルピロリドンなどの環状アミド、N,N-ジメチルイミダゾリジノンなどの環状ウレア、ほう酸トリメチル、ほう酸トリエチル、ほう酸トリブチル、ほう酸トリオクチル、ほう酸トリメチルシリル等のホウ素化合物、及び下記の一般式で表されるポリエチレングリコール誘導体などを挙げることができる。
 HO(CHCHO)
 HO[CHCH(CH)O]
 CHO(CHCHO)
 CHO[CHCH(CH)O]
 CHO(CHCHO)CH
 CHO[CHCH(CH)O]CH
 C19PhO(CHCHO)[CH(CH)O]CH
 (Phはフェニル基)
 CHO[CHCH(CH)O]CO[OCH(CH)CHOCH
 上記式中、a~fは、5~250の整数、g~jは2~249の整数、5≦g+h≦250、5≦i+j≦250である。
[リチウム二次電池]
 本発明におけるリチウム二次電池は、本発明における上記電池用非水電解液と、正極と、負極と、を含む。通常、負極と正極との間にはセパレータが設けられている。
 以下、リチウム二次電池の構成について説明する。
(正極)
 上記正極を構成する正極活物質としては、MoS、TiS、MnO、Vなどの遷移金属酸化物又は遷移金属硫化物、LiCoO、LiMnO、LiMn、LiNiO、LiNiCo(1-X)〔0<X<1〕、LiFePOなどのリチウムと遷移金属とからなる複合酸化物、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリアセン、ジメルカプトチアジアゾール、ポリアニリン複合体などの導電性高分子材料等が挙げられる。これらの中でも、特にリチウムと遷移金属とからなる複合酸化物が好ましい。負極がリチウム金属又はリチウム合金である場合は、正極として炭素材料を用いることもできる。また、正極として、リチウムと遷移金属との複合酸化物と、炭素材料と、の混合物を用いることもできる。
 上記の正極活物質は、1種類で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。正極活物質は導電性が不充分である場合には、導電性助剤とともに使用して正極を構成することができる。導電性助剤としては、カーボンブラック、アモルファスウィスカー、グラファイトなどの炭素材料を例示することができる。
(負極)
 上記負極を構成する負極活物質は、金属リチウム、リチウム含有合金、リチウムとの合金化が可能な金属もしくは合金、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な酸化物、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な遷移金属窒素化物、及び、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な炭素材料からなる群から選ばれた少なくとも1種(単独で用いてもよいし、これらの2種以上を含む混合物を用いてもよい)を用いることができる。
 リチウム(又はリチウムイオン)との合金化が可能な金属もしくは合金としては、シリコン、シリコン合金、スズ、スズ合金などを挙げることができる。また、チタン酸リチウムでもよい。
 これらの中でもリチウムイオンをドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料が好ましい。このような炭素材料としては、カーボンブラック、活性炭、黒鉛材料(人造黒鉛、天然黒鉛)、非晶質炭素材料、等が挙げられる。上記炭素材料の形態は、繊維状、球状、ポテト状、フレーク状いずれの形態であってもよい。
 上記非晶質炭素材料として具体的には、ハードカーボン、コークス、1500℃以下に焼成したメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、メソペーズビッチカーボンファイバー(MCF)などが例示される。
 上記黒鉛材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛が挙げられる。人造黒鉛としては、黒鉛化MCMB、黒鉛化MCFなどが用いられる。また、黒鉛材料としては、ホウ素を含有するものなども用いることができる。また、黒鉛材料としては、金、白金、銀、銅、スズなどの金属で被覆したもの、非晶質炭素で被覆したもの、非晶質炭素と黒鉛を混合したものも使用することができる。
 これらの炭素材料は、1種類で使用してもよく、2種類以上混合して使用してもよい。
上記炭素材料としては、特にX線解析で測定した(002)面の面間隔d(002)が0.340nm以下の炭素材料が好ましい。また、炭素材料としては、真密度が1.70g/cm3以上である黒鉛又はそれに近い性質を有する高結晶性炭素材料も好ましい。以上のような炭素材料を使用すると、電池のエネルギー密度をより高くすることができる。
(セパレータ)
 セパレータは、正極と負極とを電気的に絶縁し且つリチウムイオンを透過する膜であって、多孔性膜や高分子電解質が例示される。
 上記多孔性膜としては微多孔性高分子フィルムが好適に使用され、材質としてポリオレフィン、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル等が例示される。
 特に、多孔性ポリオレフィンが好ましく、具体的には多孔性ポリエチレンフィルム、多孔性ポリプロピレンフィルム、又は多孔性のポリエチレンフィルムとポリプロピレンフィルムとの多層フィルムを例示することができる。多孔性ポリオレフィンフィルム上には、熱安定性に優れる他の樹脂がコーティングされてもよい。
 上記高分子電解質としては、リチウム塩を溶解した高分子や、電解液で膨潤させた高分子等が挙げられる。
 本発明の非水電解液は、高分子を膨潤させて高分子電解質を得る目的で使用してもよい。
(電池の構成)
 本発明の実施形態に係るリチウム二次電池は、上記の負極活物質、正極活物質及びセパレータを含む。
 本発明のリチウム二次電池は、種々公知の形状をとることができ、円筒型、コイン型、角型、フィルム型その他任意の形状に形成することができる。しかし、電池の基本構造は、形状によらず同じであり、目的に応じて設計変更を施すことができる。
 なお、本発明のリチウム二次電池は、負極と、正極と、上記本発明の非水電解液と、を含むリチウム二次電池(充放電前のリチウム二次電池)を、充放電させて得られたリチウム二次電池であってもよい。
 即ち、本発明のリチウム二次電池は、まず、負極と、正極と、上記本発明の非水電解液と、を含む充放電前のリチウム二次電池を作製し、次いで、この充放電前のリチウム二次電池を1回以上充放電させることによって作製されたリチウム二次電池(充放電されたリチウム二次電池)であってもよい。
 本発明のリチウム二次電池の用途は特に限定されず、種々公知の用途に用いることができる。例えば、ノートパソコン、モバイルパソコン、携帯電話、ヘッドホンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、電子手帳、電卓、ラジオ、バックアップ電源用途、モーター、自動車、電気自動車、バイク、電動バイク、自転車、電動自転車、照明器具、ゲーム機、時計、電動工具、カメラ等、小型携帯機器、大型機器を問わず広く利用可能なものである。
 以下に実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって制限されるものではない。なお、以下の実施例において、「%」は質量%を表す。
[実施例1]
 熱電対、還流冷却器、および液体窒素で冷却したガス捕集用トラップを備えた内容量250mlのテフロン(登録商標)製反応容器に、不活性ガス雰囲気下、ジフルオロリン酸・0.5水和物13.6g(0.12モル)を添加し、次いでフルオロスルホン酸50.4g(0.49モル)を、攪拌しながら添加した。
 この反応を、温度を室温(20℃~30℃)に保持しながら24時間行ったところ、4.83gの気体が発生した。発生した気体をFT-IR(製品名 FTIR8000、島津製作所製)により分析した結果、五フッ化リンであることがわかった。収率は(リン含量基準で)31%であった。
[実施例2]
 熱電対、還流冷却器、および液体窒素で冷却したガス捕集用トラップを備えた内容量250mlのテフロン(登録商標)製反応容器に、不活性ガス雰囲気下、フルオロスルホン酸35.2g(0.35モル)を添加し、さらに、五酸化二リン9.87g(0.07モル)を攪拌しながら添加し、溶解した。次いで、気体の無水フッ化水素7.0g(0.35モル)を攪拌および冷却すると同時に温度を0℃~30℃の範囲に保持しながら40分かけて添加した。
 得られた反応液を31PNMR(製品名 ECX-400P、日本電子製)および19FNMR(製品名 ECX-400P、日本電子製)により分析した結果、フルオロスルホン酸47.7質量%、ジフルオロリン酸9.0質量%、オキシフッ化リン6.3質量%、リン酸1.7質量%、モノフルオロリン酸0.54質量%を含有していた。
 この反応液を130℃まで徐々に加熱し、五フッ化リンを発生させ、液体窒素で冷却したトラップに捕捉した。捕捉した五フッ化リンの重量は11.6gであり、FT-IRにより分析した結果、不純物としてオキシフッ化リンを4.8質量%、フッ化水素を3000wtppm含有していた。五フッ化リンの収率は(リン含量基準で)62%であった。
[実施例3]
 熱電対、還流冷却器、および液体窒素で冷却したガス捕集用トラップを備えた内容量250mlのテフロン(登録商標)製反応容器に、不活性ガス雰囲気下、フルオロスルホン酸34.9g(0.35モル)を添加し、さらに、五酸化二リン9.95g(0.07モル)を攪拌しながら添加し、溶解した。次いで、気体の無水フッ化水素13.0g(0.65モル)を攪拌および冷却すると同時に温度を0℃~30℃の範囲に保持しながら70分かけて添加した。
 得られた反応液を31PNMR(製品名 ECX-400P、日本電子製)および19FNMR(製品名 ECX-400P、日本電子製)により分析した結果、フルオロスルホン酸61.3質量%、ジフルオロリン酸7.4質量%、オキシフッ化リン7.2質量%、モノフルオロリン酸0.57質量%を含有していた。
 この反応液を130℃まで徐々に加熱し、五フッ化リンを発生させ、液体窒素で冷却したトラップに捕捉した。捕捉した五フッ化リンの重量は17.9gであり、FT-IR(製品名 FTIR8000、島津製作所製)により分析した結果、不純物としてオキシフッ化リンを0.87質量%、フッ化水素を2400wtppm含有していた。五フッ化リンの収率は(リン含量基準で)99%以上であった。
[実施例4]
 熱電対、還流冷却器、および液体窒素で冷却したガス捕集用トラップを備えた内容量250mlのテフロン(登録商標)製反応容器に、不活性ガス雰囲気下、フルオロスルホン酸35.7g(0.36モル)を添加し、さらに、五酸化二リン5.02g(0.035モル)を攪拌しながら添加し、溶解した。次いで、気体の無水フッ化水素7.0g(0.36モル)を攪拌および冷却すると同時に温度を0℃~30℃の範囲に保持しながら70分かけて添加した。
 得られた反応液を31PNMR(製品名 ECX-400P、日本電子製)および19FNMR(製品名 ECX-400P、日本電子製)により分析した結果、フルオロスルホン酸74.8質量%、ジフルオロリン酸4.1質量%、オキシフッ化リン8.0質量%、モノフルオロリン酸0.60質量%を含有していた。
 この反応液を130℃まで徐々に加熱し、五フッ化リンを発生させ、液体窒素で冷却したトラップに捕捉した。捕捉した五フッ化リンの重量は8.9gであり、FT-IRにより分析した結果、不純物としてオキシフッ化リンを0.34質量%、フッ化水素を900wtppm含有していた。五フッ化リンの収率は(リン含量基準で)99%以上であった。
[実施例5]
 熱電対、還流冷却器、および液体窒素で冷却したガス捕集用トラップを備えた内容量250mlのテフロン(登録商標)製反応容器に、不活性ガス雰囲気下、フルオロスルホン酸35.2g(0.35モル)を添加し、さらに、五酸化二リン5.05g(0.036モル)を攪拌しながら添加し、溶解した。次いで、気体の無水フッ化水素7.1g(0.35モル)を攪拌および冷却すると同時に温度を0~30℃の範囲に保持しながら70分かけて添加した。
 得られた反応液を31PNMR(製品名 ECX-400P、日本電子製)および19FNMR(製品名 ECX-400P、日本電子製)により分析した結果、フルオロスルホン酸74.4質量%、ジフルオロリン酸4.4質量%、オキシフッ化リン8.2質量%、モノフルオロリン酸0.50質量%を含有していた。
 この反応液を100℃まで徐々に加熱し、五フッ化リンを発生させ、液体窒素で冷却したトラップに捕捉した。捕捉した五フッ化リンの重量は8.9gであり、FT-IRにより分析した結果、不純物としてオキシフッ化リンを0.2質量%、フッ化水素を1500wtppm含有していた。五フッ化リンの収率は(リン含量基準で)99%であった。
[実施例6]
 熱電対、還流冷却器、および液体窒素で冷却したガス捕集用トラップを備えた内容量250mlのテフロン(登録商標)製反応容器に、不活性ガス雰囲気下、フルオロスルホン酸35.1g(0.35モル)を添加し、さらに、五酸化二リン5.09g(0.036モル)を攪拌しながら添加し、溶解した。次いで、気体の無水フッ化水素7.0g(0.35モル)を攪拌および冷却すると同時に温度を0℃~30℃の範囲に保持しながら70分かけて添加した。
 得られた反応液を31PNMR(製品名 ECX-400P、日本電子製)および19FNMR(製品名 ECX-400P、日本電子製)により分析した結果、フルオロスルホン酸75.0質量%、ジフルオロリン酸4.0質量%、オキシフッ化リン7.8質量%、モノフルオロリン酸0.66質量%を含有していた。
 この反応液を80℃まで徐々に加熱し、五フッ化リンを発生させ、液体窒素で冷却したトラップに捕捉した。捕捉した五フッ化リンの重量は7.4gであり、FT-IRにより分析した結果、不純物としてオキシフッ化リンを1.0質量%、フッ化水素を900wtppm含有していた。五フッ化リンの収率は(リン含量基準で)81%であった。
[実施例7]
 熱電対、還流冷却器、および液体窒素で冷却したガス捕集用トラップを備えた内容量250mlのテフロン(登録商標)製反応容器に、不活性ガス雰囲気下、フルオロスルホン酸35.7g(0.35モル)を添加し、さらに、五酸化二リン5.02g(0.036モル)を攪拌しながら添加し、溶解した。次いで、気体の無水フッ化水素7.0g(0.35モル)を攪拌および冷却すると同時に温度を0℃~30℃の範囲に保持しながら70分かけて添加した。
 得られた反応液を31PNMR(製品名 ECX-400P、日本電子製)および19FNMR(製品名 ECX-400P、日本電子製)により分析した結果、フルオロスルホン酸74.8質量%、ジフルオロリン酸4.1質量%、オキシフッ化リン8.0質量%、モノフルオロリン酸0.60質量%を含有していた。
 この反応液を40℃まで徐々に加熱し、五フッ化リンを発生させ、液体窒素で冷却したトラップに捕捉した。捕捉した五フッ化リンの重量は6.6gであり、FT-IRにより分析した結果、不純物としてオキシフッ化リンを1.2質量%、フッ化水素を530wtppm含有していた。五フッ化リンの収率は(リン含量基準で)73%であった。
[実施例8]
 熱電対、還流冷却器、および液体窒素で冷却したガス捕集用トラップを備えた内容量250mlのテフロン(登録商標)製反応容器に、不活性ガス雰囲気下、85%リン酸8.07g(0.07モル)を添加し、次いでフルオロスルホン酸56.0g(0.56モル)を、攪拌しながら添加した。
 この反応液を130℃まで徐々に加熱し、五フッ化リンを発生させ、液体窒素で冷却したトラップに捕捉した。捕捉した五フッ化リンの重量は6.6gであり、FT-IRにより分析した結果、不純物としてオキシフッ化リンを1.4質量%、フッ化水素を230wtppm含有していた。五フッ化リンの収率は(リン含量基準で)75%であった。
[実施例9]
 熱電対、還流冷却器、および液体窒素で冷却したガス捕集用トラップを備えた内容量250mlのテフロン(登録商標)製反応容器に、不活性ガス雰囲気下、モノフルオロリン酸7.00g(0.07モル)を添加し、次いでフルオロスルホン酸49.0g(0.49モル)を、攪拌しながら添加した。
 この反応液を130℃まで徐々に加熱し、五フッ化リンを発生させ、液体窒素で冷却したトラップに捕捉した。捕捉した五フッ化リンの重量は6.8gであり、FT-IRにより分析した結果、不純物としてオキシフッ化リンを1.3質量%、フッ化水素を250wtppm含有していた。五フッ化リンの収率は(リン含量基準で)77%であった。
[実施例10]
 熱電対、還流冷却器、および液体窒素で冷却したガス捕集用トラップを備えた内容量250mlのテフロン(登録商標)製反応容器に、不活性ガス雰囲気下、ジフルオロリン酸・0.5水和物7.77g(0.07モル)を添加し、次いでフルオロスルホン酸42.0g(0.42モル)を、攪拌しながら添加した。
 この反応液を130℃まで徐々に加熱し、五フッ化リンを発生させ、液体窒素で冷却したトラップに捕捉した。捕捉した五フッ化リンの重量は7.1gであり、FT-IRにより分析した結果、不純物としてオキシフッ化リンを1.2質量%、フッ化水素を300wtppm含有していた。五フッ化リンの収率は(リン含量基準で)80%であった。
[実施例11]
 熱電対、還流冷却器、および液体窒素で冷却したガス捕集用トラップを備えた内容量250mlのテフロン(登録商標)製反応容器に、不活性ガス雰囲気下、フルオロスルホン酸84.1g(0.84モル)を添加し、さらに、五酸化二リン4.97g(0.035モル)を攪拌しながら添加し、溶解した。次いで、気体の無水フッ化水素1.4g(0.07モル)を攪拌および冷却すると同時に温度を0℃~30℃の範囲に保持しながら10分かけて添加した。
 得られた反応液を31PNMR(製品名 ECX-400P、日本電子製)および19FNMR(製品名 ECX-400P、日本電子製)により分析した結果、フルオロスルホン酸83.4質量%、オキシフッ化リン7.7質量%、モノフルオロリン酸0.50質量%を含有していた。
 この反応液を130℃まで徐々に加熱し、五フッ化リンを発生させ、液体窒素で冷却したトラップに捕捉した。捕捉した五フッ化リンの重量は0.4gであり、FT-IRにより分析した結果、不純物としてオキシフッ化リンを2質量%、フッ化水素を200wtppm含有していた。五フッ化リンの収率は(リン含量基準で)9%であった。
[実施例12]
 熱電対、還流冷却器、および液体窒素で冷却したガス捕集用トラップを備えた内容量250mlのテフロン(登録商標)製反応容器に、不活性ガス雰囲気下、フルオロスルホン酸10.5g(0.11モル)を添加し、さらに、五酸化二リン4.97g(0.035モル)を攪拌しながら添加し、溶解した。次いで、気体の無水フッ化水素9.1g(0.46モル)を攪拌および冷却すると同時に温度を0℃~30℃の範囲に保持しながら90分かけて添加した。
 得られた反応液を31PNMR(製品名 ECX-400P、日本電子製)および19FNMR(製品名 ECX-400P、日本電子製)により分析した結果、フルオロスルホン酸55.8質量%、ジフルオロリン酸8.7質量%、オキシフッ化リン6.8質量%、モノフルオロリン酸0.60質量%を含有していた。
 この反応液を130℃まで徐々に加熱し、五フッ化リンを発生させ、液体窒素で冷却したトラップに捕捉した。捕捉した五フッ化リンの重量は3.1gであり、FT-IRにより分析した結果、不純物としてオキシフッ化リンを1.2質量%、フッ化水素を550wtppm含有していた。五フッ化リンの収率は(リン含量基準で)70%であった。
[比較例1]
 熱電対、還流冷却器、および液体窒素で冷却したガス捕集用トラップを備えた内容量250mlのテフロン(登録商標)製反応容器に、不活性ガス雰囲気下、ジフルオロリン酸・0.5水和物45.1g(0.41モル)のみを添加した。
 この反応液を130℃まで徐々に加熱し、発生した気体を、液体窒素で冷却したトラップに捕捉した。捕捉した気体の重量は7.2gであり、FT-IRにより分析した結果、主成分はフッ化水素であり、五フッ化リンは検出されなかった。
[比較例2]
 熱電対、還流冷却器、および液体窒素で冷却したガス捕集用トラップを備えた内容量250mlのテフロン(登録商標)製反応容器に、不活性ガス雰囲気下、過剰量のフルオロスルホン酸43.6g(0.42モル)を添加し、さらに、五酸化二リン1.69g(0.012モル)を攪拌しながら添加した。次いで、この反応液を130℃まで徐々に加熱したが、液体窒素で冷却したトラップには何も捕捉されていなかった。
[比較例3]
 熱電対、還流冷却器、および液体窒素で冷却したガス捕集用トラップを備えた内容量250mlのテフロン(登録商標)製反応容器に、不活性ガス雰囲気下、85%リン酸8.07g(0.07モル)を添加し、次いでフッ化水素酸11.21g(0.56モル)を、攪拌しながら添加した。
 この反応液を130℃まで徐々に加熱したが、液体窒素で冷却したトラップには何も捕捉されていなかった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 上記の結果より、本発明の五フッ化リンの製造方法によれば、比較例の製造方法に比べ、低温加熱による反応で五フッ化リンを高収率で製造することができることが明らかとなった。
 2013年3月25日に出願された日本国特許出願2013-062613号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
 本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (13)

  1.  下記一般式(I)で表される化合物と、
     加水分解によりフッ化水素を生じる化合物と、
     を反応させる工程を有する五フッ化リンの製造方法。
     一般式(I):POF(OH)
    〔上記一般式(I)中、x及びyは、以下の式(1)~式(3)を満たす。
     (1)0≦x≦3
     (2)0≦y≦3
     (3)x+y=3〕
  2.  前記フッ化水素を生じる化合物が、フルオロ基を含有する硫黄化合物である請求項1に記載の五フッ化リンの製造方法。
  3.  前記フッ化水素を生じる化合物が、少なくともフルオロ基及びスルホニル基をそれぞれ1以上有する化合物である請求項1又は請求項2に記載の五フッ化リンの製造方法。
  4.  前記フッ化水素を生じる化合物が、FSOOH(フルオロスルホン酸)、FS(O)F、FS(O)OS(O)F、FS(O)OS(O)OS(O)F、FS(O)[OS(O)OS(O)F、FS(O)[OS(O)OS(O)F、FS(O)[OS(O)OS(O)F、及び、FS(O)[OS(O)OS(O)Fから選択される少なくとも1種である請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の五フッ化リンの製造方法。
  5.  前記フッ化水素を生じる化合物が、フルオロスルホン酸である請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の五フッ化リンの製造方法。
  6.  前記一般式(I)で表される化合物が、モノフルオロリン酸及びジフルオロリン酸の少なくとも一方である請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の五フッ化リンの製造方法。
  7.  前記モノフルオロリン酸及び前記ジフルオロリン酸が、リン酸、ポリリン酸、及び五酸化二リンから選択される少なくとも1種のリン化合物と、無水フッ化水素と、を反応させて得られる化合物である請求項6に記載の五フッ化リンの製造方法。
  8.  前記一般式(I)で表される化合物と、前記フッ化水素を生じる化合物と、を40℃~150℃の範囲で反応させる請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の五フッ化リンの製造方法。
  9.  前記一般式(I)で表される化合物に含まれるリン原子と、前記硫黄化合物に含まれる硫黄原子と、のモル比(硫黄原子/リン原子)が、1~10である請求項2~請求項8のいずれか1項に記載の五フッ化リンの製造方法。
  10.  請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の製造方法により五フッ化リンを製造する工程と、
     製造された五フッ化リンとフッ化リチウムとを反応させる工程と、
     を有する六フッ化リン酸リチウムの製造方法。
  11.  請求項10に記載の製造方法により得られる六フッ化リン酸リチウム。
  12.  非水溶媒と、電解質として請求項11に記載の六フッ化リン酸リチウムと、を含む電池用非水電解液。
  13.  請求項12に記載の電池用非水電解液と、正極と、負極と、を含むリチウム二次電池。
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