WO2014112333A1

WO2014112333A1 - 冷蔵庫

Info

Publication number: WO2014112333A1
Application number: PCT/JP2014/000051
Authority: WO
Inventors: 道雄福田
Original assignee: パナソニック株式会社
Priority date: 2013-01-17
Filing date: 2014-01-09
Publication date: 2014-07-24
Also published as: BR112015017041A2; JP2014137187A; BR112015017041B1; JP6097929B2

Abstract

　本発明に係る冷蔵庫は、冷蔵庫本体内の冷凍室に設けられた収納室（１５）と、収納室（１５）の前方開口を開閉可能に覆うためのカバーとを備える。収納室（１５）は、内側方向に対向して突出する一対の軸体（３５）を有し、カバーは、収納室（１５）の前方を覆う前板（３０）と、前板（３０）に設けられ一対の軸体（３５）の各々がそれぞれ挿入されるスロット（３２）をそれぞれ備えた一対の側板（３１）とを有し、軸体（３５）を中心に回転し、スロット（３２）に沿って軸体（３５）上で摺動可能に構成される。本発明によれば、内箱の形状の簡素化による金型の簡素化、および／または、部品点数の抑制により、コストダウンを図ることができる。

Description

冷蔵庫

　本発明は冷蔵庫に関し、特に冷蔵室内に設置される小物用の収納室の構造に関するものである。

　図１３は、従来の冷蔵庫の、扉を外した状態を示す斜視図である。図１３に示されるように、冷蔵庫１０１は、内部に収納室１０６が設けられた冷蔵室１０２を有する。

　収納室１０６は、冷蔵室１０２内に設けられた仕切板１０３、仕切板１０４と、仕切板１０３、１０４の前方に設けられた開閉自在の蓋板１０７と、仕切板１０３、１０４および蓋板１０７で区画された空間内で前後に摺動可能に収納された容器１０５とを備えている（例えば、特許文献１参照）。

　図１４は、従来の冷蔵庫における収納室の概要を示した分解斜視図であり、図１５は、従来の冷蔵庫において、収納室１０６に収納された容器１０５が半分ほど引き出された状態を示す横断面図である。

　図１４、１５に示されるように、蓋板１０７には、両側に複数のボス１０８が設けられ、仕切板１０３、１０４には、複数のボス１０８をそれぞれ挿入するための複数の溝１０９が形成されている。容器１０５は、前方の高さが後方より低い側壁を備えている。

　図１５に示されるように、蓋板１０７の一部分が容器１０５の側壁のエッジに当接し、ボス１０８が溝１０９に挿入されているため、容器１０５を手前に引き出すにつれ、蓋板１０７は溝１０９に沿って容器１０５の上方に移動する。

　従来の冷蔵庫の収納室１０６においては、このようにして蓋板１０７を開けて容器１０５が取り出され、容器１０５から食物を取り出すことができる。従来の冷蔵庫の収納室１０６は、容器１０５の前面が蓋板１０７で覆われるため良好な冷却効率を有しており、例えば、複数の冷却温度帯を有するチルド室として利用することが可能である。

　しかしながら、従来の冷蔵庫における収納室は、その構造のため、製造コストおよび組立性の点に課題があった。

　具体的には、ボス１０８が挿入される溝１０９は、容器１０５を引き出すにつれて、容器１０５の側壁が、蓋板１０７を押し上げて容器１０５の上方に移動させるように、少なくともその一部は円弧形状とする必要がある（上記従来技術においては、溝１０９は、円弧形状の溝と直線形状の溝からなる複雑な形状である）。

　従来の構成のように、冷蔵室１０２の内壁に、溝１０９が形成された仕切板１０４を別部品として設置すると、部品点数が増えて製造コストが高くなる。一方、溝１０９を冷蔵室の内壁に形成するには、製造コストの高い複雑な形状の金型が必要となる。

　また、従来の構成では、蓋板１０７を湾曲させて、ボス１０８を溝１０９に挿入する必要があり、組み立てにくかった。

特開平１０－１０３８５４号公報

　本発明は、上記課題を解決するものであり、簡素な構成のため安価で組み立て易い冷蔵庫の収納室を提供することを目的とする。

　上記従来の課題を解決するために、本発明の冷蔵庫は、貯蔵室と、貯蔵室に設けられ内側方向に対向して突出する一対の軸体を有する収納室と、収納室の前方開口を開閉可能に覆うカバーとを備える。

　カバーは、収納室の前方を覆う前板と、前板に設けられ一対の軸体の各々がそれぞれ挿入されるスロットをそれぞれ備えた一対の側板とを有し、軸体を中心に回転し、スロットに沿って軸体上で摺動可能に構成される。

　本発明の冷蔵庫によれば、内箱の形状の簡素化による金型の簡素化、および／または、部品点数の抑制により、コストダウンを図ることができる。

図１は、本発明の実施の形態に係る冷蔵庫の外観を示す正面図である。図２は、本発明の実施の形態に係る冷蔵庫の内部を示す正面図である。図３は、本発明の実施の形態に係る冷蔵庫の縦断面図である。図４は、本発明の実施の形態に係る冷蔵庫の横断面図である。図５は、本発明の実施の形態に係る冷蔵庫において、冷気の流れを説明するために、背面の冷却室を露出させた状態を示す図である。図６は本発明の実施の形態に係る冷蔵庫の内箱の外観を示す斜視図である。図７は、本発明の実施の形態に係る冷蔵庫の収納室の外観を示す斜視図である。図８は、本発明の実施の形態に係る冷蔵庫の収納室の横断面図である。図９は、本発明の実施の形態に係る冷蔵庫の収納室の正面図である。図１０は、本発明の実施の形態に係る冷蔵庫において、カバーが閉じられた状態の収納室を示す側面図である。図１１は、本発明の実施の形態に係る冷蔵庫において、カバーが開けられた状態の収納室を示す側面図である。図１２（ａ）～図１２（ｆ）は、本発明の実施の形態に係る冷蔵庫の収納室のカバーが、どのように開けられるかを示す図である。図１３は、従来の冷蔵庫の、扉を外した状態を示す斜視図である。図１４は従来の冷蔵庫の収納室の構造を示す分解斜視図である。図１５は従来の冷蔵庫の収納室に設けられた蓋板の移動中の状態を示す断面図である。

　本発明に係る第１の態様の冷蔵庫は、貯蔵室と、貯蔵室に設けられ内側方向に対向して突出する一対の軸体を有する収納室と、収納室の前方を覆う前板と、前板に設けられ一対の軸体の各々がそれぞれ挿入されるスロットをそれぞれ備えた一対の側板とを有し、軸体を中心に回転し、スロットに沿って軸体上で摺動することにより、収納室の前方開口を開閉可能に覆うカバーと、を備えたものである。

　本態様によれば、内箱の形状の簡素化による金型の簡素化、および／または、部品点数の抑制により、コストダウンを図ることができる。

　本発明に係る第２の態様の冷蔵庫は、第１の態様において、軸体が、スロットからの逸脱を防止するフランジを有し、スロットは、フランジを挿入するための挿入部をさらに備えている。

　本態様によれば、軸体に設けられたフランジを挿入部から挿入すれば、カバーを収納室の前面に容易に確実に取り付けることができる。

　本発明に係る第３の態様の冷蔵庫は、第１の態様において、収納室が、側面壁に設けられ内側方向に突出したレールを備え、カバーが、側板がレールに当接するまでは軸体を中心に回転可能であり、側板と当接するとレールによって回転が制限されてレール上を摺動するように構成されている。

　本態様によれば、側面壁に設けられ内側方向に突出したレールにより、カバーの動きを容易に制限することが可能となる。

　本発明に係る第４の態様の冷蔵庫は、第３の態様において、スロットが、軸体を係止させることが可能な軸体係止部を有し、軸体係止部が軸体に係止し、側板がレールに支持されて、カバーが開いた状態で保持可能である。

　本態様によれば、カバーを収納室の上方に保持することが可能となるため、収納室からの収納容器や食品の出し入れが容易に行える。

　本発明に係る第５の態様の冷蔵庫は、第１から第４の態様のいずれかにおいて、収納室が、貯蔵室の最上部に設けられ、収納室の上方の内壁が前方から後方に向かって下方に傾斜することで形成される収納室の上方の空間に、冷却動作を制御する制御部が備えられたものである。

　本態様によれば、収納室の前方開口をより大きくすることができ、収納容器や収納容器に収納した食品の出し入れをより容易に行うことができる。

　本発明に係る第６の態様の冷蔵庫は、第１から第５の態様のいずれかにおいて、冷蔵庫本体が、貯蔵室側に扉ポケットが備えられ冷蔵庫本体の前面を開閉する扉を有し、カバーの前板には、収納室内に供給される冷気の一部を通過させて扉ポケットに供給するための孔が設けられたものである。

　本態様によれば、カバーが設けられた収納室内に供給された冷気の一部を、収納室の前方に位置する扉ポケットに供給することが可能となる。

　以下、本発明に係る冷蔵庫の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。

　図１は、本発明の実施の形態に係る冷蔵庫の外観を示す正面図である。図２は、本実施の形態に係る冷蔵庫の内部を示す正面図である。

　図１、２に示されるように、冷蔵庫本体１は、貯蔵室である冷凍室２が、別の貯蔵室である冷蔵室３の上方に設けられた、いわゆるトップフリーザタイプの冷蔵庫である。

　冷凍室２には、前方開口を開閉可能に覆う扉７が取り付けられている。冷蔵室３には、前方開口を開閉可能に覆う扉８が取り付けられている。

　図３は、本実施の形態に係る冷蔵庫の縦断面図である。図３に示されるように、冷蔵庫本体１は、前方に開口を有する、鉄等の金属製の外箱４と、ＡＢＳ等の硬質樹脂製の内箱５とを備えている。外箱４と内箱５との間には、発泡充填した硬質ウレタン等の発泡断熱材６が設けられる。

　冷蔵室３は、複数の収納棚１４が着脱自在に設けられて、複数に仕切られた空間を内部に有している。

　扉７、８は、冷蔵庫本体１と同様の構成によって断熱性を有する。冷凍室２の背後には冷却室９が設けられる。冷却室９には、冷気を生成する冷却器１０と、冷気を各室に供給するための送風ファン１１とが設置される。冷蔵庫本体１の背面下方には圧縮機１２が設置される。圧縮機１２と、冷却器１０と、図示されないコンデンサ、放熱パイプ、キャピラリーチューブとから、冷却運転を行う冷凍サイクルが構成される。

　図２に示されるように、冷凍室２内の最上部には収納室１５が、冷蔵室３内の最上部には収納室１６がそれぞれ設置される。図３に示されるように、収納室１５の上面壁１７が前方から後方に向かって下方に傾斜するため、収納室１５の背面側上方に空間が形成される。この空間に、冷凍運転を制御する制御部１８が組み込まれる。

　図２に示されるように、冷凍室２は、その背面に、冷凍室２のための冷気吹出し口１３ａおよび冷気戻り口１３ｂを有している。冷気吹出し口１３ａは、収納室１５とその下方の空間とに冷気を供給できるように設けられる。

　図４は、本実施の形態に係る冷蔵庫の横断面図である。図５は、本実施の形態に係る冷蔵庫において、冷気の流れを説明するために、背面の冷却室を露出させた状態を示す図である。図６は、本実施の形態に係る冷蔵庫の内箱の外観を背面側から示す斜視図である。

　図４、５に示されるように、冷蔵室３の背面中央には、冷却器１０で生成された冷気を冷蔵室３に供給するための冷気ダクト１９が縦方向に設けられる。冷気ダクト１９の左右両側には、冷蔵室３のための冷気吹出し口２０が設けられる。

　冷気ダクト１９の横幅は、冷却器１０のそれよりも小さく、図６に示されるように、冷気ダクト１９に連結される連結ダクト２１が、冷却器１０の中央部分に連結されている。このようにして、冷気ダクト１９を介して、冷却器１０に冷気が供給される。

　図５に示されるように、冷蔵室３の最上部の空間の背面には、冷蔵室３のための冷気戻り口２２が設けられる。冷気戻り口２２は、冷気ダクト１９の外側に位置している。

　冷気ダクト１９は、冷気吹出し口２０が、収納棚１４によって仕切られた各空間に対応するように形成される。しかし、最上段の空間に関しては、冷気吹出し口は設けられず、収納室１６に対向するダクトの前面の最上部に、小さな補助冷気吹出し口２０ａが形成されている。

　図６に示されるように、冷気戻り口２２に連結される冷気戻りダクト２３が、冷却器１０の左右部分に連結されている。このようにして、冷蔵用の冷気戻り口２２を介して冷気が冷却器１０に還る。

　次に、本発明の要部である収納室の構成について詳述する。二つの収納室１５、１６は同様の構成を有するため、冷凍室内に設けられた収納室１５について図面を用いて説明する。

　図７は、本実施の形態に係る冷蔵庫の収納室の外観を示す正面図である。図８は、本実施の形態に係る冷蔵庫の収納室の横断面図である。

　図７に示されるように、収納室１５は、冷凍室２の上面壁と背面壁とに取り付けられた仕切壁２４の右側の空間に形成される。仕切壁２４の左側には製氷室２６が設けられる。図８に示されるように、レール２５は、冷凍室２の側面壁から内側に突出する突起物である。収納容器２８は、レール２５上に着脱自在に装着される。

　収納室１５の前面には、収納容器２８の前方を覆うカバー２９が装着される。カバー２９は、前板３０と、前板３０と一体成型された側板３１とを有する。側板３１には、貫通孔であるスロット３２が形成される。

　カバー２９の前板３０には、複数の孔３０ａが設けられる（図９参照）。孔３０ａを通して、収納室１５内に供給された冷気の一部が、前板３０の前方に位置する扉７の扉ポケット７ａに供給される（図３参照）。

　収納室１５の側面壁には、スロット３２に挿入されて、カバー２９を移動自在に支持する軸体３５が設けられる。レール３８は、収納室１５の側壁面から内側に突出する突起物であり、軸体３５より下方に位置し、側板３１のすぐ後ろから後方に延在している。

　図９は、本実施の形態に係る冷蔵庫の収納室を示す一部切欠正面図である。図１０は、本実施の形態に係る冷蔵庫において、カバーが閉じられた状態の収納室を示す側面図である。

　図１０に示されるように、挿入部３３がスロット３２の最下端に設けられる。挿入部３３はスロット３２の幅より径の大きい貫通孔である。スロット３２には、挿入部３３に隣接して軸体係止部３４が形成される。

　図９に示されるように、軸体３５は、その一方の端部が止めネジ３６で固定されることにより、収納室１５の右側壁面から内側方向に突出するように収納室１５の側面壁に設置される。

　軸体３５の他方の端部にはフランジ３７が設けられる。フランジ３７の外径は，スロット３２の挿入部３３の内径より小さいため、軸体３５はフランジ３７とともに挿入部３３に挿入可能である。

　軸体３５をフランジ３７とともに挿入部３３から挿入し、スロット３２の形状に沿ってカバー２９を移動させると、収納室１５の前方にカバー２９を装着することができる。フランジ３７の外形がスロット３２の幅より大きいため、軸体３５はスロット３２から逸脱することがない。

　上記側板３１は、図９に示された前板３０の右側に設けられたものであるが、前板３０の左側にも、前板３０と一体成型され、スロットと挿入部と軸体係止部とを有するもう一つの側板が設けられる。

　仕切壁２４には、軸体３５と対向して仕切壁２４から収納室１５の内側方向に突出し、端部にフランジを備えたもう一つの軸体が設けられる。この軸体も、前板３０の左側の側板に形成されたスロットに挿入部を経由して挿入される。

　すなわち、カバー２９は、それぞれ、スロット３２と挿入部３３とが形成され、前板３０の左右両側から略平行に延在する一対の側板３１を有する。収納室１５は、内側方向に対向して突出しそれぞれフランジ３７を有する一対の軸体３５を有している。

　２つの側板３１の間隔は、仕切壁２４と収納室１５の右側壁面との間隔より少し狭く、かつ、２つのフランジ３７の間隔より少し広く、２つの軸体３５を対応するスロット３２にそれぞれ挿入すれば、カバー２９の装着が完了するように構成されている。

　図１１は、本実施の形態に係る冷蔵庫において、カバー２９が完全に開けられた状態の収納室１５を示す側面図である。図１１に示されるように、軸体３５が軸体係止部３４に係止すると、側板３１のエッジがレール３８に支持されているため、カバー２９は、この状態で保持される。

　なお、軸体係止部３４は、図１１に示されるように、カバー２９を軸体３５上で一時的に静止させることが可能な突出部材であればよく、カバー２９を完全に固定するような部材である必要はない。

　本実施の形態に係る冷蔵庫においては、カバー２９に設けられた側板３１に貫通孔であるスロット３２が形成され、収納室１５の側面壁には軸体３５が設けられる。換言すると、冷蔵庫本体１の内箱５の側面壁には溝またはスロットを形成する必要がない。

　従って、従来の構成より金型が簡素化されてコストダウンが図れる。収納室１５の側面壁に、溝が形成された仕切板を別部品として設ける必要もないので、部品点数の削減によりコストダウンが図れる。

　また、挿入部３３を経由することで、フランジ３７が設けられた状態で軸体３５を容易にスロット３２に挿入することができる。

　より具体的には、前板３０の右側の挿入部を右側の軸体に、前板３０の左側の挿入部を左側の軸体にそれぞれ向けて、カバー２９を収納室１５内に押し込むと、一対の側板が、一対の軸体にそれぞれ押されて内側方向に湾曲する。

　各軸体が、対応する挿入部にそれぞれ挿入されると、湾曲した２つの側板が自動的に元の形状に戻り、カバー２９の装着が完了する。このように、前板３０を無理に湾曲させることなく、カバー２９を収納室１５の前面開口に容易に装着することができ、組立性が向上する。

　さらに、フランジ３７により、カバー２９の移動時に軸体３５からカバー２９が脱落することを防止できるので、製品の信頼性を担保することができる。

　本実施の形態においては、収納室１５の上方の内壁が、前方から後方に向かって下方に傾斜しているため、収納室１５の前方により大きな開口を設けることができる。そのため、収納容器２８や収納容器２８に収納した食品の出し入れをより容易に行うことができる。収納室１５の背面側上方の空間に、制御部１８を設置することも可能である。

　以下、図１２（ａ）～図１２（ｆ）を用いて、本実施の形態に係る冷蔵庫の収納室のカバーが、どのように開けられるかについて説明する。

　図１２（ａ）は、カバー２９が収納室１５の前方を覆っている状態を示す。図１２（ａ）に示されるように、軸体３５はスロット３２の最上端に位置し、側板３１のエッジの下部がレール３８の前端に接触している。この状態では、カバー２９は軸体３５を中心に回転（図１２（ａ）では右回り）することができない。

　図１２（ｂ）に示されるように、カバー２９を持ち上げると、カバー２９は、軸体３５を中心に回転（図１２（ｂ）では左回り）する。図１２（ｃ）に示される位置で側板３１のエッジがレール３８に当接すると、カバー２９はそれ以上回転できない。

　図１２（ｄ）、（ｅ）に示されるように、カバー２９をさらに持ち上げると、側板３１はスロット３２の形状に沿って軸体３５上を摺動し、かつ、側板３１のエッジはレール３８上を後方に摺動する。図１２（ｆ）に示されるように、軸体３５が軸体係止部３４に係止すると、側板３１のエッジがレール３８に支持されているため、カバー２９はこの状態で保持される。

　カバー２９を開けたままの状態にしておくと、収納室１５からの収納容器２８や食品の出し入れが容易に行える。収納室１５の上方で保持されたカバー２９は、背面の冷気吹出し口１３ａを塞がないため、カバー２９を開けたままで収納室１５を使用することも可能である。

　カバー２９を手前方向に引くと、上述の動きとは逆の動きで収納室１５の前方開口がカバー２９で覆われる。

　収納室１５の前方開口がカバー２９で覆われた場合でも、前板３０に設けられた孔３０ａから冷気の一部が流れ出し、その前方に位置する扉ポケット７ａに供給される。これによって、扉ポケット７ａに収納した食品も冷却することができる。

　以上、収納室１５に設けられたカバー２９について説明したが、冷蔵室３に設けられた収納室１６も同様の構成を有する。ただし、必ずしも同一構成である必要はない。例えば孔３０ａを設けない構成も適応可能である。収納室１５内に設けられた収納容器（図示せず）を引き出す動きに連動して、カバー２９が開くような構成なども適応可能である。

　以下、この冷蔵庫の冷却動作を簡単に説明する。冷却室９で生成された冷気は、冷凍室２に流れるとともに、連結ダクト２１を介して冷気ダクト１９に流れ、冷気ダクト１９の両側に設けられた複数の冷気吹出し口２０から冷蔵室３内に供給される。

　冷蔵室３内に供給された冷気は、冷蔵室３内の食品を冷却した後、冷蔵室３の上部の冷気戻り口２２および冷気戻りダクト２３を介して冷却室９に還る。

　冷気ダクト１９は、横幅が冷却器１０のそれよりも短く、冷却器１０の中央部に接続されている。このため、冷気ダクト１９には、冷却器１０によって冷却された冷気のうち、最も温度の低い冷気が流れる。

　より具体的には、冷却器１０は、冷蔵室３から冷気戻り口２２を経由して冷却室９に還る比較的温度の高い冷気を再冷却する。この還流冷気は、冷気戻りダクト２３から冷却器１０の両側の外周部を流れる。冷却器１０の外周部を流れた比較的温度の高い冷気は、冷却器１０の中央部で再冷却され、中央部分では最も温度の低い状態となる。

　この冷気が、冷却器１０の中央部に繋がる連結ダクト２１を介して冷気ダクト１９へと流れる。一方、冷却器１０の外周部を流れた比較的温度の高い冷気は、連結ダクト２１の開口部から冷気ダクト１９に流れることはない。

　このようにして、冷蔵室３には最も温度が低い冷気が供給されるため、効率の良い冷却が可能となる。冷蔵室３に設けられた収納室１６についても同様である。

　冷気ダクト１９は、冷蔵室背面の略中央に位置し、両側に冷気吹出し口２０が設けられる。冷気吹出し口２０を経由して、冷気は、冷蔵室３の背面中央から左右方向へと供給され、冷蔵室３内に分散する。

　冷気戻り口２２が冷蔵室３の上部に設けられるため、低温であるため下方に停滞しがちな冷気は、冷蔵室３の上方に設けられた冷気戻り口２２へと反転上昇し、冷却器１０に還る。

　このようにして、冷蔵室３内に冷気が行き渡り、冷蔵室３内に収納された食品が均一に冷却される。

　本実施の形態に係る冷蔵庫においては、図４に示されるように、冷気吹出し口２０の背面に設けられた冷気ガイド３ａにより、冷気を前方へと向かわせることができる。これにより、冷蔵室３をより均一に冷却することができる。

　冷気ダクト１９の両側に設けられた冷気吹出し口２０は、収納棚１４によって仕切られた各空間に対応している。これにより、各空間に冷気を確実に供給することができる。

　収納棚１４の背面側端１４ａは、冷気吹出し口２０よりも後ろに位置しているので、冷蔵室３の背面壁と収納棚１４の背面側端１４ａとの間からの冷気の漏出を低減することができる。従って、冷蔵室３内の各空間の冷却をより均一に行うことができる。

　冷気ダクト１９は冷蔵室背面部の略中央に設置され、冷気吹出し口２０は冷気ダクト１９の両側に開口を有するため、左右に分岐した冷気ダクト１９を設けない簡単な構成で、冷蔵室３内を均一に冷却することができる。

　以上のように、本実施の形態に係る冷蔵庫によれば、簡素な構成のため安価で組み立て易い冷蔵庫の収納室を提供することができる。

　言うまでもなく、本実施の形態は本発明を実施するための一例であり、本発明の目的が達成できる限り、多少の修正と変更は可能である。

　例えば、本実施の形態においては、カバー２９は上方向に移動可能であるが、下方向に移動可能なカバーを用いても良い。

　本実施の形態においては、貫通孔であるスロット３２が側板３１に形成される。しかし、これに限定されるものではなく、凹形状のスロット、すなわち溝を用いても良い。

　本実施の形態においては、収納室は、冷凍室２および冷蔵室３の最上部にそれぞれ設けられる。しかし、収容室が、冷凍室２、冷蔵室３のいずれか一方のみに設けられても良く、最上部ではなく最下部に設けられても良い。

　本実施の形態においては、レール３８はカバー２９のすぐ後ろから収納室１５の最後部まで延在している。これは、内箱５が金型を用いて製造されるためである。必ずしも、レール３８が収納室１５の最後部まで延在する必要はない。例えば、軸体３５のような突起物により、カバー２９を支持するようにしても同様の効果が得られる。

　以上詳細に説明したように、本発明によれば、冷蔵庫の収納室を安価で組み立て易くすることができる。従って、本発明は、一般消費者向けの冷蔵庫はもちろん、業務用の冷蔵庫などの他の用途にも適用可能である。

　１　冷蔵庫本体
　２　冷凍室
　３，１０２　冷蔵室
　４　外箱
　５　内箱
　６　発泡断熱材
　７，８　扉
　９　冷却室
　１０　冷却器
　１１　送風ファン
　１２　圧縮機
　１３ａ，２０　冷気吹出し口
　１３ｂ，２２　冷気戻り口
　１４　収納棚
　１４ａ　背面側端
　１５，１６，１０６　収納室
　１７　上面壁
　１８　制御部
　１９　冷気ダクト
　２０ａ　補助冷気吹出し口
　２１　連結ダクト
　２３　冷気戻りダクト
　２４　仕切壁
　２５，３８　レール
　２６　製氷室
　２８　収納容器
　２９　カバー
　３０　前板
　３０ａ　孔
　３１　側板
　３２　スロット
　３３　挿入部
　３４　軸体係止部
　３５　軸体
　３６　止めネジ
　３７　フランジ
　１０１　冷蔵庫
　１０３，１０４　仕切板
　１０５　容器
　１０７　蓋板
　１０８　ボス
　１０９　溝

Claims

貯蔵室と、前記貯蔵室に設けられ内側方向に対向して突出する一対の軸体を有する収納室と、前記収納室の前方開口を開閉可能に覆うカバーであって、前記収納室の前方を覆う前板と、前記前板に設けられ前記一対の軸体の各々がそれぞれ挿入されるスロットをそれぞれ備えた一対の側板とを有し、前記軸体を中心に回転し、前記スロットに沿って前記軸体上で摺動するカバーと、を備えた冷蔵庫。
前記軸体が、前記スロットからの逸脱を防止するフランジを有し、前記スロットが、前記フランジを挿入するための挿入部をさらに備えた請求項１に記載の冷蔵庫。
前記収納室が、側面壁に設けられ内側方向に突出したレールを備え、前記カバーを開けるとき、前記カバーが、前記側板が前記レールに当接するまでは前記軸体を中心に回転可能であり、前記側板と当接すると前記レールによって回転が制限されて前記レール上を摺動するように構成された請求項１に記載の冷蔵庫。
前記スロットが、前記軸体を係止させることが可能な軸体係止部を有し、前記軸体係止部が前記軸体に係止し、前記側板が前記レールに支持されて、前記カバーが開いた状態で保持可能である請求項３に記載の冷蔵庫。
前記収納室が、前記貯蔵室の最上部に設けられ、前記収納室の上方の内壁が前方から後方に向かって下方に傾斜することで形成される前記収納室の上方の空間に、冷却動作を制御する制御部が備えられた請求項１に記載の冷蔵庫。
扉ポケットを内側に有し前記貯蔵室の前面を開閉する扉をさらに備え、前記カバーの前記前板には、前記収納室内に供給される冷気の一部を通過させて前記扉ポケットに供給するための孔が設けられた請求項１に記載の冷蔵庫。