WO2014097625A1

WO2014097625A1 - 空気調和機

Info

Publication number: WO2014097625A1
Application number: PCT/JP2013/007444
Authority: WO
Inventors: 大輔川添; 酒井　浩一; 靖人向井
Original assignee: パナソニック株式会社
Priority date: 2012-12-21
Filing date: 2013-12-18
Publication date: 2014-06-26
Also published as: JPWO2014097625A1; CN104870904B; CN104870904A; JP6179819B2

Abstract

　本発明の空気調和機は、室内機の内部にクロスフローファン２５を備える空気調和機であって、クロスフローファン２５は、両端部に設けられた端板２５ｆと、環状に配置された複数枚の翼を有する羽根車２５ｂと、前記複数の羽根車２５ｂの間に設けられた複数の支持板２５ａとを、直列に連結した構成を有し、クロスフローファン２５の少なくとも一方の端部に隣接する支持板２５ａ１には開口部２５ｅを設けない一方で、クロスフローファン２５の中央部近傍に位置する支持板２５ａ２には開口部２５ｅを設ける。

Description

空気調和機

　本発明は、住宅などの空調に用いられる空気調和機に関するものである。

　従来、室内機の内部にクロスフローファンを備える空気調和機が知られている。当該空気調和機においては、クロスフローファンの両端部を支持する側壁の近傍で摩擦損失が生じ、クロスフローファンの両端部における空気の吹き出し速度が他の部分に比べて小さくなる。このため、不安定空気流や逆吸い込みなどの空気流の乱れ（サージング）が生じ、耳障りな異常音が断続的に発生することがある。

　前記空気流の乱れを抑制する技術として、例えば、特許文献１（特開平５－８７０８７号公報）に記載された技術がある。図６は、特許文献１に記載された空気調和機の室内機の内部構造を模式的に示す斜視図である。

　図６に示すように、特許文献１の空気調和機の室内機は、クロスフローファン５と、スタビライザ７と、リアガイダ９とを備えている。スタビライザ７とリアガイダ９との間には、空気を吹き出す吹き出し口１１が形成されている。吹き出し口１１には、空気の吹き出し風向を偏向するルーバー１０が設けられている。リアガイダ９の少なくとも一方の端部で且つクロスフローファン５の近傍から吹き出し口１１までの間には、断面形状が略扇型のブロック８が設けられている。ブロック８は、リアガイダ９と成す角度が風上側の面と風下側の面とも小さくなるように形成されている。

　特許文献１の空気調和機によれば、ブロック８により、クロスフローファン５の少なくとも一方の端部近傍に発生した空気流の乱れを抑制・整流して、耳障りな異常音を抑えることができる。

特開平５－８７０８７号公報

　しかしながら、特許文献１の空気調和機では、ブロック８を設けたことによって、吹き出し口１１の通風抵抗が大きくなる。

　また、特許文献１の空気調和機では、クロスフローファン５の両端部近傍で発生した空気流の乱れ（乱れた渦、三次元流れともいう）が、ブロック８によって十分に抑制・整流されずに、クロスフローファン５の中央部側へ伝播し、耳障りな異常音の発生が継続することがある。

　本発明の目的は、前記課題を解決することにあって、吹き出し口の通風抵抗を増加させることなく、耳障りな異常音の発生を抑えることができる空気調和機を提供することにある。

　前記従来の課題を解決するために、本発明の空気調和機は、室内機の内部にクロスフローファンを備える空気調和機であって、前記クロスフローファンは、両端部に設けられた端板と、環状に配置された複数枚の翼を有する羽根車と、前記複数の羽根車の間に設けられた複数の支持板とを、直列に連結した構成を有し、前記クロスフローファンの少なくとも一方の端板に隣接する支持板は開口部を有しない一方で、前記クロスフローファンの中央部近傍に位置する支持板は開口部を有するように構成されている。

　本発明にかかる空気調和機によれば、前記構成を有することにより、吹き出し口の通風抵抗を増加させることなく、耳障りな異常音の発生を一層抑えることができる。

　本発明のこれらと他の目的と特徴は、添付された図面についての好ましい実施の形態に関連した次の記述から明らかになる。この図面においては、
図１は、本発明の実施の形態にかかる空気調和機の室内機を示す斜視図であり、図２は、図１の室内機の模式断面図であり、図３は、図２の部分拡大図であり、クロスフローファンの動作時の空気の流れを示す図であり、図４は、クロスフローファンの内部構造を示す斜視図であり、図５は、クロスフローファンを室内機本体が備える側壁に取り付けた状態を模式的に示す正面図であり、図６は、特許文献１の空気調和機の室内機の内部構造を模式的に示す斜視図であり、図７は、従来のクロスフローファンの構成を示す断面図であり、図８Ａは、図７のクロスフローファンが備える軸側組み立て体の平面図であり、図８Ｂは、図８ＡのＡ１－Ａ１線断面図であり、図９Ａは、図７のクロスフローファンが備えるファン体の平面図であり、図９Ｂは、図９ＡのＡ２－Ａ２線断面図であり、図１０Ａは、図７のクロスフローファンが備えるボス側組み立て体の平面図であり、図１０Ｂは、図１０ＡのＡ３－Ａ３線断面図であり、図１１は、本実施の形態に係るクロスフローファンの構成の一例を示す断面図であり、図１２Ａは、図１１のクロスフローファンが備える開口部を有するファン体の平面図であり、図１２Ｂは、図１２ＡのＡ４－Ａ４線断面図であり、図１３は、本実施の形態に係るクロスフローファンの構成の他の一例を示す断面図である。

　本発明の空気調和機は、室内機の内部にクロスフローファンを備える空気調和機であって、前記クロスフローファンは、両端部に設けられた端板と、環状に配置された複数枚の翼を有する羽根車と、前記複数の羽根車の間に設けられた複数の支持板とを、直列に連結した構成を有し、前記クロスフローファンの少なくとも一方の端板に隣接する支持板は開口部を有しない一方で、前記クロスフローファンの中央部近傍に位置する支持板は開口部を有するように構成されている。

　この構成によれば、端板に隣接する支持板は開口部を有しないので、当該支持板により、クロスフローファンの少なくとも一方の端部近傍に発生した空気流の乱れがクロスフローファンの中央部側へ伝播することを抑制することができる。したがって、耳障りな異常音の発生を抑えることができる。

　また、前記構成によれば、特許文献１の空気調和機のように吹き出し口にブロックを設ける必要がないので、吹き出し口の通風抵抗が増加することを避けることもできる。

　なお、端板に隣接する支持板以外の支持板は、前記開口部を有することが好ましい。この構成によれば、開口部を有しない支持板を設けたことによる摩擦抵抗を抑えることができ、空気調和機の空力特性を向上させることができる。

　なお、前記開口部は、前記クロスフローファンの回転軸を中心とする円形の開口部であることが好ましい。この構成によれば、クロスフローファンの回転により開口部を有する支持板が回転したときに、当該支持板により空気流に変動が生じることを抑えることができる。これにより、空力特性に悪影響を与えず、異常音の発生をより一層抑えることができる。

　なお、耳障りな異常音の原因となる空気流の乱れは、クロスフローファンの両端部から当該クロスフローファンの全長の５％未満の範囲に生じやすい。このため、前記クロスフローファンの少なくとも一方の端部から前記クロスフローファンの全長の５％以上離れた位置に、前記開口部を有しない支持板が設けられることが好ましい。

　この構成によれば、前記支持板により、クロスフローファンの少なくとも一方の端部近傍に発生した空気流の乱れがクロスフローファンの中央部側へ伝播することをより効果的に抑えることができる。したがって、耳障りな異常音の発生を一層抑えることができる。

　また、通常、クロスフローファンの一方の端部には、当該クロスフローファンを回転させるためのモータが取り付けられる。このモータは、クロスフローファンの一方の端部に位置するファン体の翼を少なくとも１枚欠損させ、当該欠損させた部分にビス等の固定部材により固定されるのが一般的である。この場合、翼を欠損させたことにより、クロスフローファンの一方の端部に生じる空気流の乱れが大きくなる。このため、前記クロスフローファンの少なくとも一方の端部から前記クロスフローファンの全長の１０％以上離れた位置に、前記開口部を有しない支持板が設けられることが好ましい。

　以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。

　（実施の形態）
　本発明の実施の形態にかかる空気調和機は、冷媒配管で互いに接続された室外機と室内機とで構成されている。図１は、本発明の実施の形態にかかる空気調和機の室内機を示す斜視図である。図２は、図１の室内機を、クロスフローファンの回転軸方向から見た模式断面図である。

　図１および図２において、本実施の形態にかかる空気調和機の室内機本体２１は、台枠２２と、この台枠２２の前方に取り付けられた前面カバー２３とを備えている。台枠２２および前面カバー２３の上部には、吸い込みグリル２４が設けられている。また、室内機本体２１内には、クロスフローファン２５と、熱交換器２６と、スタビライザ２７と、リアガイダ２８とが設けられている。

　クロスフローファン２５は、回転軸２５Ａを中心として回転自在に構成されている。熱交換器２６は、クロスフローファン２５の前部および上部を囲むように配置されている。スタビライザ２７とリアガイダ２８とは、ケーシング２９を構成し、両者の間には空気を吹き出す吹き出し口４０が形成されている。

　リアガイダ２８とクロスフローファン２５とは、それぞれクロスフローファン２５の回転軸方向（図２の紙面に対して垂直方向）に設けられている。これにより、両者が斜交するなど位置関係が変化するものに比べて２次元性が高くなっている。このため、空力特性が向上している。

　スタビライザ２７は、熱交換器２６で凝結した結露水を受けるように熱交換器２６の下方に配置されている。スタビライザ２７の上端部には、凸状部３０が設けられている。凸状部３０は、スタビライザ２７をクロスフローファン２５の回転軸方向から見たとき、スタビライザ２７の中でクロスフローファン２５との離間距離が最も短い部位である。すなわち、凸状部３０は、スタビライザ２７の中でクロスフローファン２５に最も近接している部位である。また、スタビライザ２７には、リアガイダ２８に最も近接する部分に、略円弧状の舌部３１が設けられている。

　図３は、凸状部３０の近傍の拡大図であり、クロスフローファン２５の動作時の空気の流れを示す図である。図３に示すように、クロスフローファン２５が回転軸２５Ａを中心として回転（図３では時計回りに回転）すると、凸状部３０がクロスフローファン２５の吸い込み側（上流側）と吹き出し側（下流側）を隔てる隔壁として機能し、クロスフローファン２５の内部に渦Ａが形成される。

　ここで、空気流の乱れ（サージング）が発生していないとき（以下、通常時という）においては、空気流は舌部３１から凸状部３０へ流れ、舌部３１と凸状部３０との間から空気流がクロスフローファン２５内に出入りをすることはない。したがって、図２に示す位置で渦Ａが定在する。

　しかしながら、空気流の乱れ（サージング）が発生したとき（以下、サージング発生時という）においては、空気流が舌部３１と凸状部３０との間からクロスフローファン２５内に出入りするなどして、渦Ａの大きさおよび位置に変化が生じる。

　図４は、クロスフローファン２５の内部構造を示す斜視図である。図５は、クロスフローファン２５を室内機本体２１が備える側壁３３に取り付けた状態を模式的に示す正面図である。

　図４および図５に示すように、クロスフローファン２５は、両端部に設けられた端板２５ｆと、複数個のファン体２５ｃを直列に連結した構成を有している。ファン体２５ｃは、環状に配置された複数枚の翼（ブレード）を有する羽根車２５ｂの少なくとも一方の端部に支持板２５ａが取り付けられた構成を有する。本実施の形態において、支持板２５ａ、端板２５ｆの外形は円形である。また、羽根車２５ｂの複数枚の翼は、クロスフローファン２５の回転軸方向に延在し、支持板２５ａまたは端板２５ｆの外周部に取り付けられている。なお、ファン体２５ｃは、支持板２５ａと羽根車２５ｂとを一体として、射出成型により形成されることが望ましい。

　図５に示すように、クロスフローファン２５の両端部は、室内機本体２１の側壁３３に回転自在に支持されている。クロスフローファン２５の一方の端部（図５では右側端部）には、クロスフローファン２５を回転させるためのモータ３２が取り付けられている。

　通常時においては、クロスフローファン２５の内部には、ほぼ２次元流れが形成される。これに対して、サージング発生時においては、クロスフローファン２５の両端部近傍の２次元流れがくずれて、３次元流れが生じる。このクロスフローファン２５の両端部近傍に生じた３次元流れは、クロスフローファン２５の中央部側へ伝播し、その結果、クロスフローファン２５の両端部近傍とは異なる箇所にも３次元流れが形成される。この３次元流れは、耳障りな異常音の原因となり得る。

　そのため、本実施の形態では、クロスフローファン２５の両端部に位置するファン体２５ｃと当該両端部のファン体２５ｃに隣接するファン体２５ｃとの連結部に位置する支持板２５ａ１は開口部２５ｅを有しない一方で、当該支持板２５ａ１以外の支持板２５ａ２は開口部２５ｅを有するように構成している。換言すると、クロスフローファン２５の両端部に位置する端板２５ｆに羽根車２５ｂを介して隣接する支持板２５ａ１は開口部２５ｅを有しない一方で、当該支持板２５ａ１以外の支持板２５ａ２は開口部２５ｅを有するように構成している。

　この構成によれば、支持板２５ａ１は開口部２５ｅを有しないので、当該支持板２５ａ１により、クロスフローファン２５の両端部近傍に発生した３次元流れがクロスフローファン２５の中央部側へ伝播することを抑制することができる。したがって、耳障りな異常音の発生を抑えることができる。

　また、前記構成によれば、特許文献１の空気調和機のように吹き出し口にブロックを設ける必要がないので、吹き出し口４０の通風抵抗が増加することを避けることもできる。また、支持板２５ａに開口部２５ｅを設けることにより、クロスフローファン２５の製造に要する材料消費を軽減することができ、低コストでクロスフローファン２５を製造することができる。

　なお、本実施の形態では、開口部２５ｅを有しない支持板２５ａ１を２つ設けたが、本発明はこれに限定されず、開口部２５ｅを有しない支持板２５ａ１を１つのみ設けるようにしてもよい。この場合でも、クロスフローファン２５の一方の端部近傍に発生した３次元流れがクロスフローファン２５の中央部側へ伝播することを抑制することができるので、従来よりも、吹き出し口４０の通風抵抗の増加および耳障りな異常音の発生を抑えることができる。なお、この場合には、支持板２５ａ１を、モータ３２が接続される側の端板２５ｆ側に設けることが望ましい。モータ３２が接続される側では、モータ３２やモータ３２に電気的に接続された電源部（図示せず）が存在することにより、空気流の乱れが生じやすい。しかし、支持板２５ａ１を設けることで、３次元流れがクロスフローファン２５の中央部側へ伝播することを抑制し、耳障りな異常音の発生を抑えることができる。

　また、開口部２５ｅを有しない支持板２５ａ１は、３つ以上設けられてもよい。例えば、図４に示す支持板２５ａ１に隣接する支持板２５ａ２を、開口部２５ｅを有しない支持板２５ａ１に置き換えてもよい。この場合、クロスフローファン２５の両端部近傍に発生した３次元流れがクロスフローファン２５の中央部側へ伝播することをより一層抑制することができる。但し、開口部２５ｅを有しない支持板２５ａ１の数が多くなると、当該支持板２５ａ１による摩擦抵抗を無視できなくなり、空力特性が悪化するおそれがある。特に、開口部２５ｅを有しない支持板２５ａ１を、クロスフローファン２５の中央部近傍に配置すると、空力特性に悪影響を与える可能性がある。このため、本実施の形態のように、開口部２５ｅを有しない支持板２５ａ１をクロスフローファン２５の両端部側の２箇所のみに設けることが最も好ましい。

　なお、開口部２５ｅは、クロスフローファン２５の回転軸２５Ａを中心とする円形の開口部であることが好ましい。この構成によれば、クロスフローファン２５の回転により支持板２５ａ２が回転したときに、当該支持板２５ａ２により空気流に変動が生じることを抑えることができる。これにより、空力特性に悪影響を与えず、異常音の発生をより一層抑えることができる。したがって、より静音で空力特性の高い空気調和機を提供することができる。

　なお、耳障りな異常音の原因となる空気流の乱れは、クロスフローファン２５の両端部から当該クロスフローファン２５の全長の５％未満の範囲に生じやすい。このため、クロスフローファン２５の少なくとも一方の端部からクロスフローファン２５の全長の５％以上離れた位置に、開口部２５ｅを有しない支持板２５ａ１が設けられることが好ましい。

　この構成によれば、支持板２５ａ１により、クロスフローファン２５の少なくとも一方の端部近傍に発生した空気流の乱れがクロスフローファン２５の中央部側へ伝播することをより効果的に抑えることができる。したがって、耳障りな異常音の発生を一層抑えることができる。

　また、クロスフローファン２５の一方の端部には、当該クロスフローファン２５を回転させるためのモータ３２が取り付けられている。このモータ３２は、例えば、クロスフローファン２５のボス（図示せず）に回転軸が挿入された後、ビスなどの固定部材により固定される。この場合、ボスおよび固定部材を設けるために、クロスフローファン２５の一方の端部に位置するファン体２５ｃの羽根車２５ｂの翼を少なくとも一枚欠損させる必要がある。翼を欠損させると、クロスフローファン２５の一方の端部に生じる空気流の乱れが大きくなる。このため、クロスフローファン２５の少なくとも一方の端部からクロスフローファン２５の全長の１０％以上離れた位置に、開口部２５ｅを有しない支持板２５ａ１が設けられることが好ましい。

　次に、図７～図１０Ｂを用いて、従来の一般的なクロスフローファン３５の構成について説明する。図７は、従来のクロスフローファン３５の構成を示す断面図である。図８Ａ～図１０Ｂは、従来のクロスフローファン３５を構成する各部品の平面図又は断面図である。

　図７に示すように、従来のクロスフローファン３５は、軸側組み立て体３５ａと、複数個のファン体３５ｂと、ボス側組み立て体３５ｃとを備えている。

　図８Ａ及び図８Ｂに示すように、軸側組み立て体３５ａは、円形の端板３５ａ１と、端板３５ａ１の一方の面の中心部に立設され、クロスフローファン３５の回転軸となる回転軸３５ａ２とを備えている。

　図９Ａ及び図９Ｂに示すように、ファン体３５ｂは、円形の支持板３５ｂ１と、支持板３５ｂ１の一方の面の外周部に立設された複数枚の翼（ブレード）３５ｂ２とを備えている。

　図１０Ａ及び図１０Ｂに示すように、ボス側組み立て体３５ｃは、円形の端板３５ｃ１と、端板３５ｃ１の一方の面の外周部に立設された複数枚の翼（ブレード）３５ｃ２と、端板３５ｃ１の他方の面の中心部に立設され、モータ３２の軸が取り付けられるボス３５ｃ３とを備えている。

　また、軸側組み立て体３５ａ及びボス側組み立て体３５ｃには、翼３５ｂ２又は３５ｃ２を差し込むための溝（図示せず）が設けられている。クロスフローファン３５の組み立ては、軸側組み立て体３５ａ２の溝に翼３５ｂ２の端部を差し込むとともに、ファン体３５ｂの溝にブレード３５ｂ２又は３５ｃ２の端部を差し込んだ後、当該差し込み箇所を超音波などにより溶着することにより行われる。

　次に、図１１～図１２Ｂを用いて、本実施の形態に係るクロスフローファン４５の構成の一例について説明する。図１１は、本実施の形態に係るクロスフローファン４５の構成の一例を示す断面図である。図１２Ａは、本実施の形態に係るクロスフローファン４５の一部を構成するファン体４５ｂの平面図であり、図１２Ｂは、ファン体４５ｂの断面図である。

　本実施の形態に係るクロスフローファン４５が従来のクロスフローファン３５と異なる点は、図１１に示すように、中央部側に配置された複数個のファン体３５ｂを、ファン体４５ｂに置き換えた点である。ファン体４５ｂがファン体３５ｂと異なる点は、図１２Ａ及び図１２Ｂに示すように、円形の支持板３５ｂ１の中央部に開口部４５ｂ１を設けている点である。すなわち、本実施の形態に係るクロスフローファン４５においては、中央部近傍には開口部４５ｂ１を有するファン体４５ｂを用い、両端部には開口部４５ｂ１を有しないファン体３５ｂを用いるようにしている。

　この構成によれば、支持板３５ｂ１は開口部４５ｂ１を有しないので、当該支持板３５ｂ１により、クロスフローファン４５の両端部近傍に発生した３次元流れがクロスフローファン４５の中央部側へ伝播することを抑制することができる。したがって、耳障りな異常音の発生を抑えることができる。また、クロスフローファン４５の中央部近傍の支持板４５ｂ１が開口部４５ｂ１を有することにより、クロスフローファン４５の中央部の風量を増加させて、送風性能を向上させることができる。

　なお、ファン体３５ｂとファン体４５ｂとは、色を異ならせることが好ましい。例えば、ファン体３５ｂを青色とし、ファン体４５ｂを黒色にすることが好ましい。この構成によれば、ファン体３５ｂとファン体４５ｂとを明確に区別することができるので、それらを組み立てる際に当該組み立ての順番を誤ることを防止することができる。その結果、生産性を向上させることができる。

　なお、図１１では、ボス側組み立て体３５ｃとファン体３５ｂとファン体４５ｂとの回転軸方向の長さがそれぞれ同じであるとして示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図１３に示すように、開口部４５ｂ１を有しないファン体３５ｂの長さＬ２と、開口部４５ｂ１を有するファン体４５ｂの長さＬ３とを異なる長さとしてもよい。この構成によれば、ファン体３５ｂとファン体４５ｂとを明確に区別することができるので、それらを組み立てる際に当該組み立ての順番を誤ることを防止することができる。その結果、生産性を向上させることができる。

　さらに、ボス側組み立て体３５ｃの長さＬ１と、ファン体３５ｂの長さＬ２と、ファン体４５ｂの長さＬ３とが、Ｌ２＞Ｌ３＞Ｌ１の関係を満たすように、それぞれ設定されていてもよい。この場合には、ボス側組み立て体３５ｃとファン体３５ｂとファン体４５ｂとを明確に区別することができるので、それらを組み立てる際に当該組み立ての順番を誤ることを防止することができる。また、Ｌ１＞Ｌ２＞Ｌ３やＬ３＞Ｌ２＞Ｌ１のように順次、翼の長さを変化させる場合に比べて、翼の長さがランダムな配置となるので、送風騒音の発生のランダム性を助長して低騒音化を図ることができる。特に、ＮＺ音（回転音）を減少させることができる。

　なお、クロスフローファン４５においては、ボス側組み立て体３５ｃが複数枚の翼３５ｃ２を有するものとして説明したが、ボス側組み立て体３５ｃには、円形の端板３５ｃ１と、モータ３２の軸が取り付けられるボス３５ｃ３とを設け、軸側組み立て体３５ａが、円形の端板３５ａ１と、回転軸３５ａ２と、複数枚の翼を有するものとしてもよい。

　以上のように、本発明にかかる空気調和機は、吹き出し口の通風抵抗を増加させることなく、耳障りな異常音の発生を抑えることができるので、壁掛け式のみならず各種の空気調和機の用途に適用できる。

　本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。

　平成２４年１２月２１日に出願された日本国特許出願Ｎｏ．２０１２－２７８９９１号の明細書、図面、および特許請求の範囲の開示内容は、全体として参照されて本明細書の中に取り入れられるものである。

　２１　室内機本体
　２２　台枠
　２３　前面カバー
　２４　吸い込みグリル
　２５　クロスフローファン
　２５Ａ　回転軸
　２５ａ、２５ａ１、２５ａ２　支持板
　２５ｂ　羽根車
　２５ｃ　ファン体
　２５ｅ　開口
　２５ｆ　端板
　２６　熱交換器
　２７　スタビライザ
　２８　リアガイダ
　２９　ケーシング
　３０　凸状部
　３１　舌部
　３２　モータ
　３３　側壁
　４０　吹き出し口

Claims

　室内機の内部にクロスフローファンを備える空気調和機であって、
　前記クロスフローファンは、両端部に設けられた端板と、環状に配置された複数枚の翼を有する羽根車と、前記複数の羽根車の間に設けられた複数の支持板とを、直列に連結した構成を有し、
　前記クロスフローファンの少なくとも一方の端板に隣接する支持板は開口部を有しない一方で、前記クロスフローファンの中央部近傍に位置する支持板は開口部を有する、空気調和機。
　前記端板に隣接する支持板以外の支持板は、前記開口部を有する、請求項１に記載の空気調和機。
　前記開口部は、前記クロスフローファンの回転軸を中心とする円形の開口部である、請求項１又は２に記載の空気調和機。
　前記クロスフローファンの少なくとも一方の端部から前記クロスフローファンの全長の５％以上離れた位置に、前記開口部を有しない支持板が設けられている、請求項１～３のいずれか１項に記載の空気調和機。
　前記クロスフローファンの少なくとも一方の端部から前記クロスフローファンの全長の１０％以上離れた位置に、前記開口部を有しない支持板が設けられている、請求項１～４のいずれか１項に記載の空気調和機。