WO2014073502A1

WO2014073502A1 - シェービングエイド付き剃刀

Info

Publication number: WO2014073502A1
Application number: PCT/JP2013/079818
Authority: WO
Inventors: 大介幅
Original assignee: 株式会社貝印刃物開発センター
Priority date: 2012-11-06
Filing date: 2013-11-05
Publication date: 2014-05-15
Also published as: CN104755235B; US9889570B2; CN104755235A; EP2918382A4; ES2780359T3; JP2014090932A; EP2918382B1; US20150290820A1; EP2918382A1; JP6071438B2

Abstract

刃体（１４）を有する組付部（９）と、シェービングエイド（２５）とを備えた剃刀が提供される。シェービングエイド（２５）は、皮膚面との接触に伴い変形し得る変形可能部を備える。そのため、剃刀の使用時に、シェービングエイド（２５）自体が変形して、シェービングエイド（２５）と皮膚面との間の摩擦抵抗が小さくなる。それにより、皮膚面に対する感触が向上し剃り味が向上する。

Description

シェービングエイド付き剃刀

　本発明は、身体の各種皮膚面に生える体毛を剃ることができるシェービングエイド付き剃刀に関する。

　特許文献１には、刃体を有する刃体組付部材と、シェービングエイドを有する台部材とを備えた剃刀が開示されている。台部材は、刃体組付部材に回動可能に支持されている。また、台部材には、刃体組付部材に対して台部材を弾性的に保持する板ばねが設けられている。この剃刀を使用して皮膚面上の体毛を剃る時には、台部材は板ばねの弾性力に抗して揺動することによって、シェービングエイドと皮膚面との間の摩擦抵抗を低減することができる。

特許第４９２１７４７号公報

　特許文献１に記載の剃刀は、刃体組付部材に台部材を回動可能に支持するとともに、板ばねにより弾性的に保持するような支持構造を有している。そのため、このような剃刀には、部品点数が増えるとともに刃体組付部材に対する台部材の組付作業を必要として、製造コストが増加する問題があった。また、特許文献１に記載の剃刀では、シェービングエイドが使用時に水分を含んで膨張して必要以上に突出するおそれがあった。この場合、シェービングエイドが皮膚面に対して必要以上に圧接されて、刃体の刃先が皮膚面に適切に当りにくくなり、剃り味が悪くなる。

　この発明は、シェービングエイドを備えた剃刀において、剃り味を向上させることを目的としている。また、シェービングエイドの支持構造を簡単にすることを目的としている。

　本発明の第１の態様によると、刃体を有する組付部と、シェービングエイドとを備えた剃刀が提供され、そのシェービングエイドは、皮膚面との接触に伴い変形し得る変形可能部を備えている。

　この場合、シェービングエイドが変形して、剃刀の使用時にシェービングエイドと皮膚面との間の摩擦抵抗を低減することができる。そのため、剃刀が皮膚面に接触する際の感触を良くして剃り味を向上させるとともに、シェービングエイドの支持構造を簡単にすることができる。

　前記シェービングエイドの変形可能部は可撓部を有していることが好ましい。この場合、シェービングエイドの変形可能部を可撓部により容易に設けることができる。

　前記シェービングエイドの変形可能部は薄肉部を有していることが好ましい。この場合、シェービングエイドの変形可能部を薄肉部により容易に設けることができる。

　前記シェービングエイドの変形可能部は溝部を有していることが好ましい。この場合、シェービングエイドの変形可能部を溝部により容易に設けることができる。

　前記シェービングエイドは、前記組付部に設けられていることが好ましい。この場合、シェービングエイドを組付部と一体に形成して、シェービングエイドの支持構造を簡単にすることができる。

　前記シェービングエイドは、環状の支持部と、該支持部の内側に配置された非支持部とを有し、前記シェービングエイドは、前記支持部において、刃体を有する組付部に支持され、前記非支持部において前記組付部に支持されておらず、前記変形可能部は前記非支持部に設けられていることが好ましい。この場合、シェービングエイドが環状の支持部において組付部によって支持されるとともに、シェービングエイドの変形可能部が非支持部に設けられるため、容易に変形できる。

　前記シェービングエイドは支持部と非支持部とを有し、前記シェービングエイドは、前記支持部において、前記組付部に支持され、前記非支持部において前記組付部に支持されておらず、前記変形可能部は前記非支持部と前記支持部との境界において前記非支持部に設けられていることが好ましい。この場合、シェービングエイドが支持部において組付部によって支持されるとともに、変形可能部を境としてシェービングエイドの変形度を変えて、組付部に対するシェービングエイドの支持及び変形を容易に行うことができる。

　本発明の第２の態様によると、刃体を有する組付体とシェービングエイドとを備えた剃刀が提供され、そのシェービングエイドは、水分を含んだ際のシェービングエイドの前方への膨張を緩和する膨出緩和部を備えている。

　この場合、シェービングエイドが前方へ向けて必要以上に膨張することを防止できる。そのため、剃刀の使用時にシェービングエイドが皮膚面に対して必要以上に圧接されることを防止するとともに刃体の刃先が皮膚面に適切に当たるようにして剃り味を向上させることができる。

　前記シェービングエイドの膨出緩和部は溝部を有していることが好ましい。この場合、シェービングエイドの前方への膨張を緩和する膨出緩和部を溝部により容易に設けることができる。

　本発明の第３の態様によると、刃体を有する組付体とシェービングエイドとを備えた剃刀が提供され、そのシェービングエイドは薄肉状に形成されて、前記シェービングエイドの前側および後側で露出している。この場合、例えば、厚み方向の両側のうち少なくとも一方で刃体の刃先が皮膚面に当たるように、剃刀を構成することが可能である。

　また、剃刀の使用時にシェービングエイドが水分を含んで前方および後方へ膨張する。シェービングエイドが前方のみへ膨張するのではなく、前方および後方へ膨張するため、膨張の方向が分散され、シェービングエイドが前方へ必要以上に膨張するのを抑えることができる。そのため、剃刀の使用時にシェービングエイドが皮膚面に対して必要以上に圧接されるのを防止するとともに刃体の刃先が皮膚面に適切に当たるようにして剃り味を向上させることができる。

　前記組付部には該組付部を貫通する貫通孔が形成され、前記シェービングエイドは、前記貫通孔の周部において互いに対向する一対の縁部の間に設けられていることが好ましい。この場合、シェービングエイドが貫通孔の外側へ必要以上に膨張することを抑えることができる。そのため、剃刀の使用時にシェービングエイドが皮膚面に対して必要以上に圧接されることを防止するとともに刃体の刃先が皮膚面に適切に当たるようにして剃り味を向上させることができる。

　前記組付部において刃体は刃先を有し、前記刃体は前記刃先が前記シェービングエイドから離間するように傾斜していることが好ましい。この場合、組付部にシェービングエイドを設けるスペースを容易に確保することができる。

　前記シェービングエイドは、変形可能部を境として、互いに変形度の異なる部分を有していることが好ましい。この場合、変形可能部を境としてシェービングエイドの変形度を変えて、組付部に対するシェービングエイドの支持及び変形を容易に行うことができる。

　前記シェービングエイドは支持部と非支持部とを有し、前記シェービングエイドは、前記支持部において前記組付部に支持され、前記非支持部において前記組付部に支持されておらず、前記変形可能部は前記非支持部に設けられていることが好ましい。この場合、シェービングエイドを支持部で組付部に支持することができるとともに、シェービングエイドを非支持部の変形可能部で容易に変形させることができる。

　非支持部は、前記シェービングエイドの前側および後側で露出していることが好ましい。この場合、例えば、厚み方向の両側のうち少なくとも一方で刃体の刃先が皮膚面に当たるように剃刀を構成することが可能である。また、剃刀の使用時にシェービングエイドが水分を含んで前方および後方へ膨張するため、シェービングエイドの膨張の方向が分散され、シェービングエイドが前方へ必要以上に膨張するのを抑えることができる。そのため、剃刀の使用時にシェービングエイドが皮膚面に対して必要以上に圧接されるのを防止するとともに刃体の刃先が皮膚面に適切に当たるようにして剃り味を向上させることができる。

　前記支持部は上側部と下側部とを備え、前記非支持部は前記上側部および前記下側部の間に設けられていることが好ましい。この場合、組付部に対するシェービングエイドの支持及び変形を容易に行うことができる。

　前記支持部は環状であり、前記非支持部は該支持部の内側に設けられていることが好ましい。この場合、組付部に対するシェービングエイドの支持及び変形を容易に行うことができる。

　前記非支持部において、前記変形可能部は、前記支持部との境界に設けられていることが好ましい。この場合、変形可能部を境としてシェービングエイドの変形度を変えて組付部に対するシェービングエイドの支持及び変形を容易に行うことができる。

　前記非支持部の最大厚みは前記支持部の最大厚みより薄く設定されていることが好ましい。この場合、シェービングエイドにおいて非支持部を容易に変形させることができる。

　前記刃体の刃先に対して交叉する方向の幅は、刃体の刃先の延設方向における中間において最も広く設定され、両端に近づくほど狭く設定されていることが好ましい。この場合、刃体の刃先の延設方向の中間部でシェービングエイドの幅を広く設けることにより、剃刀の使用時にシェービングエイドと皮膚面との間の摩擦抵抗を低減し易くして剃り味を向上させることができる。

　前記シェービングエイドは、射出成形により成形されて、前記組付部に設けられていることが好ましい。この場合、組付部にシェービングエイドを容易に一体に成形することができる。

　前記シェービングエイドは、少なくとも、水溶性成分と、軟質樹脂を含む非水溶性成分とにより成形され、非水溶性成分に含まれる軟質樹脂がシェービングエイドの全体に対して占める重量割合は、水溶性成分がシェービングエイドの全体に対して占める重量割合より大きく設定されていることが好ましい。この場合、剃り味を向上させるシェービングエイドを提供することができる。

（ａ）は首振り式剃刀において、剃刀ヘッドの中立位置でキャップを装着して正面側から見た全体斜視図であり、（ｂ）は同じく背面側から見た全体斜視図である。（ａ）は図１（ａ）の首振り式剃刀において、ホルダの頭部及び剃刀ヘッドを示す部分拡大側面図であり、（ｂ）は同じく側面側から見た部分拡大断面図である。（ａ）は図１（ａ）の首振り式剃刀において、ホルダの頭部及び剃刀ヘッドを示す部分拡大正面図であり、（ｂ）は同じく部分拡大背面図である。図３（ａ）に示される上側のシェービングエイドを示す部分拡大縦断面図である。図３（ａ）に示される上側のシェービングエイドを示す部分拡大横断面図である。

　以下、本発明の一実施形態にかかる剃刀について図面を参照して説明する。

　図１（ａ）及び図１（ｂ）に示すように、剃刀はホルダ１を備え、ホルダ１は、把持部２と、その上端部に設けられた頭部３とを備えている。頭部３の正面には剃刀ヘッド４が首振り機構５を介して取り付けられている。剃刀ヘッド４の下部は、キャップ４ａ内に上方から着脱可能に嵌め込まれている。

　図２（ａ）及び図２（ｂ）に示すように、ホルダ１の頭部３には環状の支持体部６が形成され、剃刀ヘッド４には被支持体部７が形成されている。支持体部６および被支持体部７の間には環状の弾性部８が介在されている。首振り機構５は、支持体部６、被支持体部７、及び弾性部８から構成されている。弾性部８は、剃刀ヘッド４をその中立位置へ向けて付勢しており、剃刀ヘッド４は中立位置に静止する。剃刀ヘッド４は、中立位置から、その弾性部８の付勢力に抗して三次元方向に傾動した首振り位置に移動され得る。三次元方向には、剃刀ヘッド４が頭部３の正面に対向する方向が含まれる。

　図２（ｂ）、図３（ａ）及び図３（ｂ）に示すように、剃刀ヘッド４には組付部９が設けられており、組付部９は、主体部１０と枠体部１１とを備えている。組付部９の主体部１０は、台部１２と、覆い部１３と、台部１２および覆い部１３の間に組み付けられた複数の刃体１４とを備えている。前記被支持体部７は、台部１２から後方へ突出した第１連結部７ａと、前記弾性部８に取着された第２連結部７ｂとを有し、両連結部７ａ，７ｂが互いに連結されている。それにより、組付部９が頭部３に連結されている。

　各刃体１４は、その先端に左右方向Y（以下、延設方向Yという）に沿って延びた刃先１４ａを備えており、刃先１４ａは、各刃体１４の刃先１４ａの延設方向Ｙ（左右方向）に対して直交する上下方向Ｚにおいて下方へ向けて配向されている。組付部９の枠体部１１は、上下方向Ｚにおいて互いに対向する下側の外枠部１５および上側の外枠部１６と、刃先１４ａの延設方向Ｙ（左右方向）において互いに対向するとともに、下側の外枠部１５および上側の外枠部１６を互いにつなぐ左側の外枠部１７及び右側の外枠部１８とを備えている。外枠部１５，１６，１７，１８は、前後方向Ｘに開放された開口１９を囲んで画定している。主体部１０は開口１９に嵌め込まれ、主体部１０の下側と上側と左側と右側とを互いにつなぐ外周が外枠部１５，１６，１７，１８で囲まれている。刃体１４の刃先１４ａは開口１９で前方へ露出している。

　図２（ｂ）、図３（ａ）、図３（ｂ）、図４、及び図５に示すように、枠体部１１は、上側の外枠部１６を前後方向Ｘ（貫通方向）に沿って貫通するように貫通孔２０が形成されて開放されている。貫通孔２０の周部において、その前縁部２０ａと後縁部２０ｂとの間で、下側に設けられた第１内側部２１と、上側に設けられた第２内側部２４と、左側に設けられた第３内側部２２と、右側に設けられた第４内側部２３とが形成されている。第３内側部２２は第３内側面２２ａを有しており、第３内側面２２ａは前縁部２０ａおよび後縁部２０ｂの間において、段差面２２ｂを有している。第４内側部２３は第４内側面２３ａを有しており、第４内側面２３ａは前縁部２０ａおよび後縁部２０ｂの間において段差面２３ｂを有している。第２内側部２４は、第２内側面２４ａを有しており、第２内側面２４ａは前縁部２０ａと後縁部２０ｂとの間の全体にわたり第３内側面２２ａ及び第４内側面２３ａと連続して形成されている。第１内側部２１は、第１内側面２１ａと、第１内側面２１ａから下方へ延びた段差面２１ｂとを備えている。段差面２１ｂは、第１内側面２１ａと、前記主体部１０の覆い部１３の上部との間で段差を形成している。

　貫通孔２０の内側部２１，２２，２３，２４において、環状に連続する前縁部２０ａと後縁部２０ｂとの間には、シェービングエイド２５が射出成形により組付部９の枠体部１１と一体に取着されている。シェービングエイド２５は、水溶性のポリエチレンオキシドなどの水溶性成分と、エラストマー樹脂などの軟質樹脂を含む非水溶性成分とを含んでいる。非水溶性成分に含まれる軟質樹脂がシェービングエイド２５の全体に対して占める重量割合は、水溶性成分がシェービングエイド２５の全体に対して占める重量割合より大きく設定されている。エラストマー樹脂は３０％以上の重量割合（例示的実施形態では５０％若しくはそれ以上の重量割合）に設定され、水溶性成分は５０％以下の重量割合（例示的実施形態では１５％の重量割合）に設定されている。

　剃刀ヘッド４における刃体１４以外の部分、すなわち組付部９の枠体部１１および被支持体部７、ならびに主体部１０の台部１２および覆い部１３は合成樹脂により成形されている。

　シェービングエイド２５は、貫通孔２０の内側部２１，２２，２３，２４において、内側面２１ａ，２２ａ，２３ａ，２４ａ及び段差面２１ｂ，２２ｂ，２３ｂに取着された環状の支持部２６と、その支持部２６の内側に形成された非支持部２７とを有している。支持部２６及び非支持部２７は一体に成形され、前後方向Ｘ（厚み方向）の両側において貫通孔２０から露出している。支持部２６は、内側面２１ａ，２２ａ，２３ａ，２４ａに取着された連結部２６ａと、段差面２１ｂ，２２ｂ，２３ｂに取着された連結部２６ｂとを有している。段差面２１ｂに取り付けられた連結部２６ｂは主体部１０の覆い部１３の上部に隣接している。支持部２６の内側において、非支持部２７の後方には空域部２６ｃが形成されている。非支持部２７は、支持部２６との境界に環状に形成された変形可能部２８と、その変形可能部２８の内側に形成された可動部２９とを有している。変形可能部２８は、環状の溝部２８ａ（膨出緩和部）と、その溝部２８ａを形成することにより薄くされた環状の薄肉部２８ｂ（可撓部）とを有している。可動部２９は、薄肉部２８ｂの内周で前方へ屈曲されている。空域部２９ａは、薄肉部２８ｂの内側に形成されており、可動部２９は空域部２９ａの前方へ膨出し、溝部２８ａにより囲まれている。貫通孔２０の周部の前縁部２０ａを通る平面上には支持部２６の連結部２６ａ，２６ｂの前面及び非支持部２７の可動部２９の前面が配置されている。貫通孔２０の周部の後縁部２０ｂを通る平面上には支持部２６の連結部２６ａの後面が配置されている。非支持部２７の最大厚みは支持部２６の最大厚みより薄く設定されている。刃先１４ａの延設方向Ｙ（左右方向）に対して交叉する上下方向Ｚに沿ったシェービングエイド２５の幅は、延設方向Ｙにおける両端に近づくほど狭く設定され、その両端の間の中間で最も広く設定されている。

　図１（ａ）、図３（ａ）及び図４に示すように、主体部１０の覆い部１３の上部において、左右方向Yにおける両端の近傍には一対の凹部１３ａがそれぞれ形成されており、一対の凹部１３ａの間には複数の凹部１３ｂが貫通孔２０の周部の前縁部２０ａに沿って左右方向Ｙに並設されている。すなわち、覆い部１３の上部は、凹部１３ａ及び１３ｂにおいて、シェービングエイド２５へ向かって開放されている。図示はされていないが、中間の各凹部１３ｂが形成された覆い部１３の表面は、両端の凹部１３ａが形成された覆い部１３の表面よりもわずかに後方に変位した位置にある。シェービングエイド２５から溶け出た水溶性成分や、皮膚に予め塗布されたシェービングフォームなどのシェービング補助剤が、左右方向Ｙにおける両端の近傍に配置された一対の凹部１３ａより中間の凹部１３ｂに入り易くなって溜まり易い。

　主体部１０の覆い部１３の左右方向Yにおける両側には上下方向Ｚに沿って延びる一対の帯状の突部１３ｃが形成され、それらの突部１３ｃの頂面は各刃体１４の刃先１４ａを通る面上にほぼ位置する。一対の突部１３ｃは、剃刀の使用時に皮膚面に対して各刃先１４ａとともに接触し、剃刀ヘッド４を安定させながら上下方向Ｚに沿って案内する。

　また、図２（ｂ）に示すように、枠体部１１において下側の外枠部１５の後側には段差部３０が形成されている。段差部３０にはシェービングエイド３１が組付部９の枠体部１１と一体に取り付けられている。シェービングエイド３１は、上側の外枠部１６に取り付けられたシェービングエイド２５とともに同時に射出成形されて、組付部９の枠体部１１と一体に取着されている。段差部３０のシェービングエイド３１は主体部１０の覆い部１３の下部に隣接している。

　図３（ａ）及び図３（ｂ）において剃刀ヘッド４の組付部９（主体部１０及び枠体部１１）は、左右方向Ｙの最大寸法が約４８ｍｍ、上下方向Ｚの最大寸法が約３０ｍｍとなるように設定されている。また、図４及び図５において、シェービングエイド２５の支持部２６の最大厚みが約３ｍｍに設定され、シェービングエイド２５の非支持部２７の薄肉部２８ｂ及び可動部２９の最大厚みは約０．８ｍｍに設定され、０．５～１．５ｍｍに設定されることが好ましい。

　次に、剃刀の作用について、シェービングエイド２５，３１を中心に説明する。

　本実施形態による剃刀によって体毛を剃る際、中立位置に配置された剃刀ヘッド４が皮膚面に押さえ付けられる。剃刀ヘッド４は、押さえ付けられる向きに応じて首振り機構５の弾性部８の付勢力に抗して傾動し、体毛を剃る際の抵抗を和らげる。剃刀ヘッド４のシェービングエイド２５，３１は水分を含んだ状態で皮膚面に接触させられ、剃刀ヘッド４の滑りを良くして剃り味を向上させる。非支持部２７に変形可能部２８を有するシェービングエイド２５は、皮膚面との接触に伴い、変形可能部２８の溝部２８ａ及び薄肉部２８ｂで変形し得るため、皮膚面に対する感触が良くなる。また、シェービングエイド２５は、溝部２８ａを備えているため、水分を含んだ際に、厚み方向Ｘに沿って前方へ膨張するだけでなく、厚み方向Ｘに沿って後方へ膨張するとともに、溝部２８ａ内へ向けて膨張する。そのため、シェービングエイド２５の前方へ向かう膨出量が分散されて、膨張に伴う皮膚面への圧接が緩和され、より一層剃り味が向上する。

　本実施形態は下記の効果を有する。

　（１）　シェービングエイド２５自体が変形して、剃刀の使用時にシェービングエイド２５と皮膚面との間の摩擦抵抗を低減させるので、皮膚面に対する感触が良くなり、剃り味が向上する。

　（２）　シェービングエイド２５自体が変形するので、シェービングエイドを有する台部材が揺動する従来の剃刀と比較して、シェービングエイド２５の支持構造を簡単にすることができる。

　（３）　シェービングエイド２５は、膨出緩和部として溝部２８ａを備えている。そのため、シェービングエイド２５は、水分を含んだ際に、厚み方向Ｘに沿って前方へ膨張するだけでなく、厚み方向Ｘに沿って後方へ膨張するとともに、溝部２８ａ内へ向けて膨張する。それにより、シェービングエイド２５が前方へ向けて過度に膨張することが抑制され、膨張に伴う皮膚面への圧接を緩和するとともに、刃体１４の刃先１４ａが皮膚面に適切に当り易くして剃り味を向上させることができる。

　前記実施形態以外にも例えば下記のように構成してもよい。

　・　前記実施形態において、首振り機構５を省略し、剃刀ヘッド４をホルダ１の頭部３に対して首振り不能に支持してもよい。

　・　前記実施形態において、主体部１０と枠体部１１とを一体に形成した剃刀ヘッド４にシェービングエイド２５，３１を設けてもよい。

　・　前記実施形態において、剃刀ヘッド４のシェービングエイド３１を省略してもよい。

　・　シェービングエイド２５を剃刀ヘッド４以外、例えばホルダ１またはキャップ４ａに設けてもよい。

　９…組付部、１４…刃体、１４ａ…刃先、２０…貫通孔、２５…シェービングエイド、２６…支持部、２７…非支持部、２８…変形可能部、２８ａ…溝部（膨出緩和部）、２８ｂ…薄肉部（可撓部）、Ｘ…厚み方向。

Claims

　刃体を有する組付部と、シェービングエイドとを備えた剃刀において、前記シェービングエイドは、皮膚面との接触に伴い変形し得る変形可能部を備えることを特徴とするシェービングエイド付き剃刀。
　前記シェービングエイドの変形可能部は可撓部を有していることを特徴とする請求項１に記載のシェービングエイド付き剃刀。
　前記シェービングエイドの変形可能部は薄肉部を有していることを特徴とする請求項１に記載のシェービングエイド付き剃刀。
　前記シェービングエイドの変形可能部は溝部を有していることを特徴とする請求項１に記載のシェービングエイド付き剃刀。
　前記シェービングエイドは、前記組付部に設けられていることを特徴とする請求項１～４のうちいずれか一項に記載のシェービングエイド付き剃刀。
　前記シェービングエイドは、環状の支持部と、該支持部の内側に配置された非支持部とを有し、前記シェービングエイドは、前記支持部において、前記組付部に支持され、前記非支持部において前記組付部に支持されておらず、前記変形可能部は前記非支持部に設けられていることを特徴とする請求項１～５のうちいずれか一項に記載のシェービングエイド付き剃刀。
　前記シェービングエイドは支持部と非支持部とを有し、前記シェービングエイドは、前記支持部において、前記組付部に支持され、前記非支持部において前記組付部に支持されておらず、前記変形可能部は前記非支持部と前記支持部との境界において前記非支持部に設けられていることを特徴とする請求項１～５のうちいずれか一項に記載のシェービングエイド付き剃刀。
　刃体を有する組付部と、シェービングエイドとを備えた剃刀において、そのシェービングエイドは、水分を含んだ際の該シェービングエイドの前方への膨張を緩和する膨出緩和部を備えていることを特徴とするシェービングエイド付き剃刀。
　前記シェービングエイドの膨出緩和部は溝部を有していることを特徴とする請求項８に記載のシェービングエイド付き剃刀。
　刃体を有する組付部と、シェービングエイドとを備えた剃刀において、そのシェービングエイドは薄肉状に形成されて、前記シェービングエイドの前側および後側で露出していることを特徴とするシェービングエイド付き剃刀。
　前記組付部には該組付部を貫通する貫通孔が形成され、前記シェービングエイドは、前記貫通孔の周部において互いに対向する一対の縁部の間に設けられていることを特徴とする請求項５に記載のシェービングエイド付き剃刀。
　前記組付部において刃体は刃先を有し、前記刃体は前記刃先が前記シェービングエイドから離間するように傾斜していることを特徴とする請求項５又は１１に記載のシェービングエイド付き剃刀。
　前記シェービングエイドは、変形可能部を境として、互いに変形度の異なる部分を有していることを特徴する請求項５、１１、及び１２のいずれか一項に記載のシェービングエイド付き剃刀。
　前記シェービングエイドは支持部と非支持部とを有し、前記シェービングエイドは、前記支持部において前記組付部に支持され、前記非支持部において前記組付部に支持されておらず、前記変形可能部は前記非支持部に設けられていることを特徴とする請求項１～５及び１１～１３のいずれか一項に記載のシェービングエイド付き剃刀。
　前記非支持部は、前記シェービングエイドの前側および後側で露出していることを特徴とする請求項１４に記載のシェービングエイド付き剃刀。
　前記支持部は上側部と下側部とを備え、
　前記非支持部は前記上側部および前記下側部の間に設けられていることを特徴とする請求項１４又は１５に記載のシェービングエイド付き剃刀。
　前記支持部は環状であり、前記非支持部は該支持部の内側に設けられていることを特徴とする請求項１４又は１５に記載のシェービングエイド付き剃刀。
　前記非支持部において、前記変形可能部は、前記支持部との境界に設けられていることを特徴とする請求項１４～１７のいずれか一項に記載のシェービングエイド付き剃刀。
　前記非支持部の最大厚みは前記支持部の最大厚みより薄く設定されていることを特徴とする請求項１４～１８のいずれか一項に記載のシェービングエイド付き剃刀。
　前記刃体の刃先に対して交叉する方向の幅は、刃体の刃先の延設方向における中間において最も広く設定され、両端に近づくほど狭く設定されていることを特徴とする請求項１～１９のいずれか一項に記載のシェービングエイド付き剃刀。
　前記シェービングエイドは、射出成形により成形されて、前記組付部に設けられていることを特徴とする請求項１～２０のいずれか一項に記載のシェービングエイド付き剃刀。
　前記シェービングエイドは、少なくとも、水溶性成分と、軟質樹脂を含む非水溶性成分とにより成形され、非水溶性成分に含まれる軟質樹脂がシェービングエイドの全体に対して占める重量割合は、水溶性成分がシェービングエイドの全体に対して占める重量割合より大きく設定されていることを特徴とする請求項１～２１のいずれか一項に記載のシェービングエイド付き剃刀。