JP6481522B2 - 車両用シート - Google Patents

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Description

本発明は車両用シートに関する。
乗員が車両に装備されたシートベルトを正しく装着しているか否かを判定し、シートベルトが正しく装着されていない場合には、警告を報知する車両が提供されている。
シートベルトの装着の判定を行なうにあたっては、車両用シートのシートクッションに乗員が着座していることが前提となる。そのため、シートクッションには、乗員の着座の有無を検出するためのセンサが設けられている。シートクッションは、クッションパッドと、クッションパッドの表面を覆う布や皮革などの表皮部材とで構成されている。
特許文献1には、クッションパッドの表面にシート状のセンサが配置され、センサのコネクタを挿通させるコネクタ挿通用孔がクッションパッドに貫通形成されたシートクッションが開示されている。この場合、センサは、表皮部材で覆われている。
特開2012−225880号公報
上記従来技術では、コネクタ挿通用孔がクッションパッドの表面に開口しているため、乗員がシートクッションに着座するとコネクタ挿通用孔に対応する表皮部材の部分が押圧されて下方に窪んだ形状となる。そのため、乗員がシートクッションから離れても、表皮部材の部分が窪んだままの形状となる場合があり、見栄えが良くない。
そのため、コネクタ挿通用孔をなるべく小さくすることが考えられるが、コネクタ挿通用孔を小さくすると、センサのコネクタをコネクタ挿通用孔に挿通する際の作業性が低下する不利がある。また、表皮部材の生地を厚くして表皮部材を窪みにくくすることも考えられるが、この場合、表皮部材のコストアップが避けられない。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、見栄えの向上を図りつつ、作業性の向上とコストの抑制を図る上で有利な車両用シートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、シートクッションを構成するクッションパッドの上面にシート状のセンサが配置される車両用シートであって、前記クッションパッドに上下方向に貫通形成され、前記センサのコネクタを挿通可能なコネクタ挿通用孔と、前記クッションパッドと一体に形成され、前記コネクタ挿通用孔の前記クッションパッドの表面側の開口部を閉塞すると共に前記クッションパッドの表面の上方に揺動変形して前記コネクタ挿通用孔の開放を可能とした蓋体と、を備え、前記蓋体は、前記クッションパッドの上面と面一に前記開口部を閉塞するブロック状の本体部と、当該本体部より厚みが薄く形成されて前記クッションパッドに前記本体部を上下に揺動可能に連結するヒンジ部と、前記本体部の前記ヒンジ部下方に設けられ、前記コネクタ挿通用孔の内壁面と当接して前記本体部の下方側への揺動を抑制する当接部と、を有することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、前記コネクタ挿通用孔が前記蓋体で閉塞された状態で、前記コネクタ挿通用孔の内壁面と同内壁面に対向する前記本体部の縦壁面との間には、所定の間隔に形成されて前記センサの配線部が挿通される配線用スリットが設けられていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、前記コネクタ挿通用孔の前記開口部は、平面視で矩形状を呈し、前記蓋体は、平面視で前記クッションパッドに連結された前記ヒンジ部の部分を一辺とする矩形状を呈し、前記配線用スリットは、前記ヒンジ部の一辺を除いた前記蓋体の残りの3辺のうちの少なくともいずれか一辺と前記コネクタ挿通用孔の内壁面との間に設けられることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、前記コネクタ挿通用孔の前記開口部は、平面視で三角形状を呈し、前記蓋体は、平面視で前記クッションパッドに連結された前記ヒンジ部の部分を一辺とする三角形状を呈し、前記配線用スリットは、前記ヒンジ部の一辺を除いた前記蓋体の残りの2辺のうちの少なくともいずれか一辺と前記コネクタ挿通用孔の内壁面との間に設けられることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、前記コネクタ挿通用孔の前記開口部は、平面視で上底が下底よりも短い台形状を呈し、前記蓋体は、平面視で前記クッションパッドに連結された前記ヒンジ部の部分を上底とした台形状を呈し、前記配線用スリットは、前記蓋体の前記下底をなす一辺の外側に設けられることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、前記配線用スリットを形成する前記本体部の縦壁面は、前記蓋体の上面から下方へ離れるにつれて次第に前記蓋体の内側に変位する傾斜面で形成されていることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、前記本体部には、前記配線用スリットを形成する前記縦壁面の箇所から下方に向かうにつれて前記蓋体の表面から下方へ離れるにつれて次第に前記本体部の内側に変位するよう貫通形成された貫通溝が設けられ、前記貫通溝に前記配線用スリットに挿通された前記配線部が貫通保持されることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、前記本体部の縦壁面は、前記本体部の上面から下方へ離れるにつれて前記本体部の内側に次第に変位する傾斜面で形成され、前記本体部の縦壁面に対向する前記コネクタ挿通孔の内壁面は、前記クッションパッドの上面から下方へ離れるにつれて前記コネクタ挿通孔の内側に次第に変位する傾斜面で形成されていることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、シートクッションに乗員が着座すると、乗員の体重によってコネクタ挿通用孔を閉塞する蓋体が下方に押圧されるが、蓋体の当接部が、コネクタ挿通用孔の内壁面に当接することで蓋体の下方への揺動変形が抑制される。なお、当接部には、コネクタ挿通用孔の内壁面との当接による反力が作用されるので、シートクッションに着座していた乗員がシートクッションから離れた際に、蓋体が反力で押し返されて確実に元の状態に戻される。
したがって、コネクタ挿通用孔に対応する表皮部材の部分が部分的に窪むことがなく、表皮部材の見栄えの向上を図りつつ、センサのクッションパッドへの組み付けの作業性の向上を図ることができる。
また、表皮部材の見栄えの向上を図るために表皮部材の材料を厚い材料に変更する必要が無いため、コスト抑制を図る上で有利となる。
請求項2記載の発明によれば、クッションパッドの上面とコネクタ挿通用孔との境の箇所でセンサの配線部の屈曲部に丸みを持たせることができ、センサの耐久性の向上を図る上で有利となる。
請求項3、4記載の発明によれば、センサのレイアウトの自由度を高める上で有利となる。
請求項5記載の発明によれば、蓋体の下方への揺動変形を抑制する上でより有利となり、表皮部材の見栄えの向上を図る上で有利となる。
請求項6、7記載の発明によれば、クッションパッドの上面とコネクタ挿通用孔との境の箇所でセンサの配線部の屈曲部に丸みをより大きく持たせることができ、センサの耐久性の向上を図る上で有利となる。また、センサの屈曲部における弾性力による反力が蓋体に作用するため、蓋体の下方への揺動変形を抑制する上でより有利となり、表皮部材の見栄えの向上を図る上でより一層有利となる。
請求項8記載の発明によれば、蓋体の下方への揺動をより確実に抑制することができ、表皮部材の見栄えの向上を図る上でより一層有利となる。
(A)は第1の実施の形態における車両用シートの斜視図、(B)はシートクッションの平面図、(C)は(B)のAA線断面図、(D)は蓋体を上方に揺動変形してコネクタ挿通用孔が開放された状態を示す断面図である。 (A)は第1の実施の形態におけるシートクッションのコネクタ挿通用孔周囲の平面図、(B)はコネクタ挿通用孔および蓋体の構成を示す一部を破断した斜視図、(C)は蓋体のヒンジ部を示す斜視図、(D)は(A)のBB線断面図である。 (A)は第2の実施の形態におけるシートクッションのコネクタ挿通用孔周囲の平面図、(B)はコネクタ挿通用孔および蓋体の構成を示す一部を破断した斜視図である。 (A)は第3の実施の形態におけるシートクッションのコネクタ挿通用孔周囲の平面図、(B)は(A)のAA線断面図である。 第4の実施の形態におけるシートクッションの断面図である。 (A)は第5の実施の形態におけるシートクッションの断面図、(B)は(A)のBB線断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
まず、本発明が適用される車両用シートについて説明する。
車両用シート10は、図1(A)に示すように、自動車などの車両に搭載されるものであり、乗員が着座するシートクッション12と、このシートクッション12の後端から起立しシートクッション12に着座した乗員の背面を支持する背もたれ部(シートバック)14と、背もたれ部14の上部に設けられ乗員の頭部を支持するヘッドレスト16とを備えている。
なお、本発明の車両用シート10は、運転席、助手席、後部席など何れの車両用シートにも適用可能である。
シートクッション12は、シートフレーム18に支持され、シートフレーム18は車幅方向の両側に位置して車両前後方向に延在する不図示の一対のレールを介して車両前後方向に移動調節可能に組み付けられている。
また、図中、符号FRは車両の前方を示し、符号RRは車両の後方を示し、符号HLは車幅方向を示し、符号UPは車両の上方を示し、符号DOWNは車両の下方を示す。
次に、シートクッション12について詳細に説明する。
シートクッション12は、図1(A)、(B)、(C)に示すように、クッションパッド20と、クッションパッド20の表面を覆う布や皮革などの表皮部材22とで構成されている。
クッションパッド20は、発泡ウレタンなどの発泡材が成形されることで形成され、乗員が着座する座面を構成する着座部20Aと、着座部20Aの車幅方向両側から上方に膨出する一対のサイドサポート部20Bとを備えている。
クッションパッド20の上面である着座部20Aの表面にシート状のセンサ24が配置されている。
センサ24は、センサ本体2402と、配線部2404とを備え、配線部2404の延在方向の端部にコネクタ26(図1(C)、(D))が設けられている。
センサ本体2402は、乗員の着座の有無を検出するものであり、シート状を呈し、本実施の形態では、着座部20Aの表面に車幅方向に延在させて配置される。
配線部2404は、センサ本体2402とほぼ同一の幅と厚さでシート状に形成され、センサ本体2402の延在方向の一端(基端)からセンサ本体2402の延在方向に沿って延在している。
コネクタ26は、センサ本体2402と反対側に位置する配線部2404の端部に設けられており、コネクタ26はセンサ本体2402および配線部2404の断面形状よりも大きな寸法の断面形状を有している。
コネクタ26は、クッションパッド20の下方に配置された不図示の配線部材に接続されることで、センサ本体2402の検出信号を配線部材に伝達する。
このようなセンサ24として、感圧点を複数配置し、その出力分布より乗員が着座しているか否かを検出する感圧フィルムセンサなど従来公知の様々なセンサが使用可能である。
クッションパッド20には、図1(C)、(D)、図2(A)、(B)に示すように、コネクタ挿通用孔28と、蓋体30と、配線用スリット32とが形成されている。
コネクタ挿通用孔28は、車体の組み立て時にセンサ24を配置する際に、コネクタ26および配線部2404をクッションパッド20の上方から下方に挿通させるためのものであり、コネクタ26が挿通可能な大きさでクッションパッド20を上下方向に貫通するよう構成されている。
本実施の形態では、コネクタ挿通用孔28を平面視した場合、図2(A)に示すように、コネクタ挿通用孔28の上方開口部2802は対向する2辺が車幅方向に延在し、残りの2辺が車両長手方向に延在する矩形を呈している。
蓋体30は、図1(C)に示すようにコネクタ挿通用孔28の上方開口部2802に設けられて、同コネクタ挿通用孔28(上方開口部2802)を閉塞すると共に、図1(D)に示すようにクッションパッド20の着座部20Aの上方に揺動変形してコネクタ挿通用孔28(上方開口部2802)を開放するものであり、蓋体30はクッションパッド20と一体に形成されている。
蓋体30は、図2(B)、(C)に示すように、コネクタ挿通用孔28の上方開口部2801内に嵌った状態で上方開口部2802を閉塞する本体部36と、本体部36をクッションパッド20に揺動可能に連結するヒンジ部34とを有している。つまり、蓋体30は、本体部36がヒンジ部34を介して上方に揺動可能とされており、本体部36がクッションパッド20の上方に揺動されてコネクタ挿通用孔28内から取り出された状態でコネクタ挿通用孔28の上方開口部2802が開放されるよう構成されている。
本体部36は、図2(A)、(B)に示すように、平面視の外形がコネクタ挿通用孔28の上方開口部2802の形状に合わせた矩形状を成し、上下方向に所定の厚みを有したブロック状に形成されている。そして、本実施形態の蓋体30は、ヒンジ部34のクッションパッド20に連結された部分を一辺35とした平面視矩形状を呈している。
一方、ヒンジ部34は、コネクタ挿通用孔28を開放する際に本体部36を上方に揺動変形し易いように本体部36よりも薄肉に形成されている。また上方への揺動変形時に破損しにくいように、図2(C)に示すように、ヒンジ部34の下面は円筒面3404で形成されている。
蓋体30は、コネクタ挿通用孔28を閉塞した状態で、その上面、すなわち本体部36の上面3602およびヒンジ部34の上面3402とが、クッションパッド20の上面である着座部20Aの表面と同一面上に位置するよう構成されている。 蓋体30でコネクタ挿通用孔28を閉塞した状態で、図2(A)、(B)に示すように、コネクタ挿通用孔28を形成するクッションパッド20の内壁面2002と内壁面2002に対向する本体部36の縦壁面3604との間に、配線部2404の挿通を可能とした配線用スリット32が形成されている。
配線用スリット32は、ヒンジ部34の一辺35を除いた蓋体30の残りの3辺のうちの少なくともいずれか一辺の外側に設けられている。本実施の形態では、配線用スリット32は、蓋体30のヒンジ部34側の一辺35と反対側の一辺の外側に設けられている。
一方、蓋体30の配線用スリット32を設けない他の2辺の外側は、図2(A)、(D)に示すようにコネクタ挿通用孔28との間に隙間を設けない切れ目40に設定されている。すなわち蓋体30の本体部36の縦壁面3608とコネクタ挿通用孔28の内壁面2006とが当接した状態とされている。
これにより、蓋体30とコネクタ挿通孔28の内壁面2006との間に摩擦を生じさせて蓋体30(本体部36)が簡単に揺動しないようにしている。なお、配線用スリット32は、一箇所だけでなく、ヒンジ部34の一辺35を除いた蓋体30(本体部36)の残りの3辺の外側であれば、どこに設けてもよい。
配線用スリット32は、本実施の形態では、図1(C)に示すように、配線部2404の厚さよりも大きい幅(間隔)で設けられている。したがって、クッションパッド20の着座部20Aの表面と配線用スリット32との境の箇所でセンサ24の配線部2404の屈曲部に丸みを持たせた状態で配索することができる。よって配線部2404に作用する負可を低減してセンサ24の耐久性の向上を図ることができる。
本体部36は、コネクタ挿通用孔28のヒンジ部34が設けられる側の内壁面2004に当接して本体部36の下方への揺動を抑制する当接部38を有している。
当接部38は、図2(B)、(C)に示すように、本体部36のヒンジ部34が設けられる部位の下方に設けられており、本実施形態では、本体部36のヒンジ部34側の縦壁面3606で形成されている。
次に、シートクッション12に対するセンサ24の組み付け作業について説明する。
センサ24をクッションパッド20に組み付けるに際しては、まず、図1(D)に示すように、蓋体30(本体部36)をヒンジ部34を支点として着座部20Aの表面の上方に揺動変形させ、コネクタ挿通用孔28を開放状態とする。
そして、コネクタ挿通用孔28の上方開口部2802からセンサ24のコネクタ26を挿入し、コネクタ26およびコネクタ26に続く配線部2404をクッションパッド20の下方から引き出す。
この際、配線部2404を、ヒンジ部34と対向する配線用スリット32を構成するコネクタ挿通用孔28の内壁面2002上に位置させる。
そして、センサ24のセンサ本体2402を、着座部20Aの表面で車幅方向に延在させて位置決めし、センサ本体2402を着座部20Aの表面に接着剤、あるいは、両面粘着テープなどを用いて固定する。また、クッションパッド20の下方から引き出された配線部2404を予め定められた箇所に引き回しコネクタ26を配線部材に接続する。
次いで、図1(C)に示すように、蓋体30をコネクタ挿通用孔28内に戻し、蓋体30でコネクタ挿通用孔28の上側開口部2802を閉塞した状態とする。
これにより、ヒンジ部34に対向する配線用スリット32にセンサ24の配線部2404が挿通された状態となる。
最後に表皮部材22でクッションパッド20の表面を覆うことでシートクッション12が完成する。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
上述のように構成されたシートクッション12を備える車両用シート10に乗員が着座すると、乗員の体重によって着座部20Aの表面が下方に押圧されてクッションパッド20が変形する。
このとき、コネクタ挿通用孔28を閉塞する蓋体30も下方に押圧され、ヒンジ部34を支点に本体部36が下方側に揺動するが、本体部36のヒンジ部34側の縦壁面3606で構成される当接部38が、コネクタ挿通用孔28のヒンジ部34側の内壁面2004に当接することで蓋体30(本体部36)のそれ以上の下方への揺動が抑制される。
したがって、蓋体30に対応する表皮部材22の部分が押圧されて表皮部材22の部分が下方に窪んだ形状となることが抑制される。しかも、本体部36の当接部38には、クッションパッド20の内壁面2004に当接されることによる反力が作用される。そのため、シートクッション12に着座していた乗員がシートクッション12から離れた際に、本体部36の当接部38が反力で押し返され、蓋体30が確実に元の状態に戻るので、コネクタ挿通用孔28に対応する表皮部材22の部分が部分的に窪むことはない。
したがって、簡単な構成で表皮部材22の見栄えの向上を図りつつ、センサ24のクッションパッド20への組み付けの作業性の向上を図ることができる。
また、表皮部材22の見栄えの向上を図るために表皮部材22の材料を厚い材料に変更する必要が無いため、コスト抑制を図る上で有利となる。
また、配線用スリット32に配線部2404を配置するようにしたので、例えば、コネクタ挿通用孔28と蓋体30との境目である隙間の無い切れ目に配線部2404を配置する場合に比べ、配線部2404に負苛がかかり難くなりセンサ24の耐久性の向上を図る上で有利となる。
この場合、実施の形態のように配線用スリット32を配線部2404の厚さよりも大きい幅で設けると、クッションパッド20の上面とコネクタ挿通用孔28との境の箇所で配線部2404の屈曲部に丸みを持たせて配索することができるので、センサ24の耐久性の向上を図る上でより有利となる。
なお、本実の施形態では、図2(D)に示すように、蓋体30とコネクタ挿通用孔28との間の切れ目40を構成するコネクタ挿通用孔28の互いに対向する内壁面2006および蓋体30(本体部36)の互いに対向する縦壁面3608とが、上下方向に垂直に延びる面とされているが、内壁面2006および縦壁面3608を下方側に向かうに従って互いの間隔が次第に狭くなるよう傾斜した傾斜面に構成してもよい。この場合、クッションパッド20の着座部20Aに乗員が着座して蓋体30が下方に押圧されたとき、コネクタ挿通用孔28(クッションパッド20)の内壁面2006で本体部36の縦壁面3608を下方から支持して蓋体30の下方への揺動に対する抵抗を増すことができるので、蓋体30の下方側への揺動を抑制する上で、より一層有利となる。
また、本実施の形態では、配線用スリット32を、蓋体30のヒンジ部34の一辺35の反対側の一辺の外側に設けているが、ヒンジ部34の一辺35を除いた蓋体30の残りの3辺すべての外側に設けてもよい。
この場合、センサ本体2402の配置の方向に応じて、配線部2404を挿通させる配線用スリット32を選択することができるので、センサ24のレイアウトの自由度を高める上で有利となる。また蓋体30の開閉(揺動)操作が容易となり、センサ24を組み付ける上で有利となる。
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について図3(A)、(B)を参照して説明する。
なお、以下の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の部分、部材については第1の実施の形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
第2の実施の形態は、コネクタ挿通用孔28および蓋体30を平面視した場合の形状が第1の実施の形態と異なり三角形状を呈している。
すなわち、コネクタ挿通用孔28を平面視した場合、三角形状を呈している。
本実施の形態では、コネクタ挿通用孔28を平面視した場合、図3(A)に示すように、三角形の一辺35が車両前後方向に延在し、残りの2辺が車幅方向に対して45度の角度をもって傾斜している。
また、蓋体30を平面視した場合、クッションパッド20に連結されたヒンジ部34の部分を一辺35とする三角形状を呈している。
配線用スリット32は、ヒンジ部34の一辺35を除いた蓋体30の残りの2辺のうちの少なくとも一辺の外側に位置しており、本実施の形態では、配線用スリット32は、ヒンジ部34の一辺35を除いた蓋体30の残りの2辺の外側に位置し、配線部2404の厚さよりも大きい幅(間隔)で設けられている。
そのため、2つの配線用スリット32の延在方向は、それぞれ車幅方向に対して45度の角度をもって交差している。
したがって、第2の実施の形態によれば第1の実施の形態と同様の効果が奏されることは無論のこと、クッションパッド20の上面にセンサ本体2402を前後方向に対して斜めに配置する場合において配線部2404のねじれを抑制して配索することができる。したがって、センサ24のレイアウトの自由度を高める上で有利となる。
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態について図4(A)、(B)を参照して説明する。
第3の実施の形態では、コネクタ挿通用孔28および蓋体30を平面視した場合の形状が第1の実施の形態と異なり台形状を呈している。
すなわち、コネクタ挿通用孔28を平面視した場合、上底が下底よりも短い台形状を呈している。
本実施の形態では、コネクタ挿通用孔28および蓋体30が、平面視した場合、図4(A)に示すように、上底および下底が車両前後方向に延在し、上底と下底を結ぶ2辺が下底から上底側に向かうに従って次第に互いの間隔が近付くよう傾斜している。より具体的には、コネクタ挿通用孔28および蓋体30は、クッションパッド20に連結されたヒンジ部34側の部分を上底とした台形状を呈しており、上底側(ヒンジ部34側)に向かうに従って次第に前後方向の幅が狭くなるよう構成されている。
そして、配線用スリット32は、蓋体30のヒンジ部34の一辺35と対向する反対側の一辺の外側、すなわち台形状の下底に対応する一辺の外側に位置し、他の実施形態同様、配線部2404の厚さよりも大きい幅(間隔)で設けられている。また、台形状の上底と下底と結ぶ傾斜した2辺の外側には隙間を設けずに切れ目40が設定されており、蓋体30の縦壁面3608とコネクタ挿通用孔28の内壁面2006とが当接するよう構成されている。
このように、本実施形態では、コネクタ挿通用孔28を台形状とし、コネクタ挿通用孔28の内壁面2006間の幅(間隔)がヒンジ部34側に向かって次第に狭くなるよう構成されているので、クッションパッド20の着座部20Aに乗員が着座して蓋体30(本体部36)が下方に押圧された際に、蓋体30(本体部36)の下方への揺動に対して、コネクタ挿通用孔28の内壁面2006と蓋体30(本体部36)の縦壁面3608との摩擦による抵抗を増すことができる。このため蓋体30の下方への揺動をより一層抑制することができる。
なお、切れ目40は、本実施の形態のように蓋体30をクッションパッド20から切り離す面で形成してもよいが、切れ目40は、僅かな幅のスリットで形成されていても同様の効果が奏される。
そのため、第1の実施の形態と同様の効果が奏されることは無論のこと、簡単な構成でより一層、蓋体30の下方への揺動を抑制する上で有利となる。
(第4の実施の形態)
次に第4の実施の形態について図5を参照して説明する。
第4の実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、センサ挿通用スリット32を形成する本体部36の縦壁面3604は、クッションパッド20の上面に配置されるセンサ本体2402と配線用スリット32に挿通される配線部2404とが鈍角をなすような傾斜面で形成されている。
本実施の形態では、配線用スリット32を形成するコネクタ挿通用孔28の内壁面2002がクッションパッド20の上面に対して直交しているのに対して、蓋体30(本体部36)の縦壁面3604は、蓋体30の上面、すなわち本体部36の上面3602から離れるにつれて蓋体30の内側、つまり配線用スリット32と反対側のヒンジ部34側に次第に変位する傾斜面で形成されている。なお、コネクタ挿通用孔28の内壁面2002は、蓋体30の縦壁面3604に平行する傾斜面で形成してもよい。
したがって、配線用スリット32に挿通された配線部2404を傾斜面で構成される縦壁面3604に当て付けることで、例えば、クッションパッド20の上面に直交する配線用スリットに配線部2404を配置する場合に比べ、クッションパッド20の上面とコネクタ挿通用孔28との境の箇所でのセンサ24の屈曲部に丸みをより大きく持たせることができ、センサ24の耐久性の向上を図る上で有利となる。
また、クッションパッド20の着座部20Aに乗員が着座して蓋体30が下方に押圧されたとき、蓋体30の縦壁面3604(傾斜面)から配線部2404に荷重が加わるものの、クッションパッド20の上面とコネクタ挿通用孔28との境の箇所でのセンサ24の屈曲部の弾性力による反力が縦壁面3604(傾斜面)から蓋体30に作用するため、蓋体30の下方への揺動を抑制する上でより有利となり、表皮部材22の見栄えの向上を図る上でより一層有利となる。
(第5の実施の形態)
次に第5の実施の形態について図6(A)、(B)を参照して説明する。
第5の実施の形態は、第4の実施の形態の変形例であり、クッションパッド20の上面に配置されるセンサ本体2402と配線用スリット32に挿通される配線部2404とが鈍角をなすような貫通溝42が本体部36に貫通形成されている。すなわち、貫通溝42は、配線用スリット32を形成する蓋体30の縦壁面3604の上面3402,3602の近傍の箇所から、蓋体30の上面3402,3602から下方へ離れるにつれて次第に蓋体30の内側に変位するよう傾斜されて蓋体30の下面まで貫通されている。貫通溝42の幅は、配線部2404の厚さと同一か、あるいは、配線部2404の厚さよりも大きい寸法で形成され、配線部2404の挿通溝42への挿入作業の円滑化が図られている。
したがって、配線用スリット32に通された配線部2404を貫通溝42に挿通させることで、例えば、クッションパッド20の上面に直交する配線用スリット32に配線部2404を通す場合に比べ、クッションパッド20の上面とコネクタ挿通用孔28との境の箇所でのセンサ24の配線部2404の屈曲部に丸みをより大きく持たせることができ、センサ24の耐久性の向上を図る上で有利となる。
また、クッションパッド20の着座部20Aに乗員が着座して蓋体30が下方に押圧されたとき、蓋体30の貫通溝42から配線部2404に荷重が加わるものの、クッションパッド20の上面とコネクタ挿通用孔28との境の箇所でのセンサ24の屈曲部の弾性力による反力が貫通溝42から蓋体30に作用するため、蓋体30の下方への揺動変形を抑制する上でより有利となり、表皮部材22の見栄えの向上を図る上でより一層有利となる。
10 車両用シート
12 シートクッション
20 クッションパッド
2002 内壁面
2004 内壁面
2006 内壁面
22 表皮部材
24 センサ
2402 センサ本体
2404 配線部
26 コネクタ
28 コネクタ挿通用孔
30 蓋体
32 配線用スリット
34 ヒンジ部
3402 上面
35 一辺
36 本体部
3602 上面
3604 縦壁面
3606 縦壁面
3608 縦壁面
38 当接部
42 貫通溝

Claims (8)

  1. シートクッションを構成するクッションパッドの上面にシート状のセンサが配置される車両用シートであって、
    前記クッションパッドに上下方向に貫通形成され、前記センサのコネクタを挿通可能なコネクタ挿通用孔と、
    前記クッションパッドと一体に形成され、前記コネクタ挿通用孔の前記クッションパッドの表面側の開口部を閉塞すると共に前記クッションパッドの表面の上方に揺動変形して前記コネクタ挿通用孔の開放を可能とした蓋体と、を備え、
    前記蓋体は、前記クッションパッドの上面と面一に前記開口部を閉塞するブロック状の本体部と、当該本体部より厚みが薄く形成されて前記クッションパッドに前記本体部を上下に揺動可能に連結するヒンジ部と、前記本体部の前記ヒンジ部下方に設けられ、前記コネクタ挿通用孔の内壁面と当接して前記本体部の下方側への揺動を抑制する当接部と、を有する
    ことを特徴とする車両用シートのシートクッション。
  2. 前記コネクタ挿通用孔が前記蓋体で閉塞された状態で、前記コネクタ挿通用孔の内壁面と同内壁面に対向する前記本体部の縦壁面との間には、所定の間隔に形成されて前記センサの配線部が挿通される配線用スリットが設けられている
    ことを特徴とする請求項1記載の車両用シート。
  3. 前記コネクタ挿通用孔の前記開口部は、平面視で矩形状を呈し、
    前記蓋体は、平面視で前記クッションパッドに連結された前記ヒンジ部の部分を一辺とする矩形状を呈し、
    前記配線用スリットは、前記ヒンジ部の一辺を除いた前記蓋体の残りの3辺のうちの少なくともいずれか一辺と前記コネクタ挿通用孔の内壁面との間に設けられる
    ことを特徴とする請求項2記載の車両用シート。
  4. 前記コネクタ挿通用孔の前記開口部は、平面視で三角形状を呈し、
    前記蓋体は、平面視で前記クッションパッドに連結された前記ヒンジ部の部分を一辺とする三角形状を呈し、
    前記配線用スリットは、前記ヒンジ部の一辺を除いた前記蓋体の残りの2辺のうちの少なくともいずれか一辺と前記コネクタ挿通用孔の内壁面との間に設けられる、
    ことを特徴とする請求項2記載の車両用シート。
  5. 前記コネクタ挿通用孔の前記開口部は、平面視で上底が下底よりも短い台形状を呈し、
    前記蓋体は、平面視で前記クッションパッドに連結された前記ヒンジ部の部分を上底とした台形状を呈し、
    前記配線用スリットは、前記蓋体の前記下底をなす一辺の外側に設けられる、
    ことを特徴とする請求項2記載の車両用シート。
  6. 前記配線用スリットを形成する前記本体部の縦壁面は、前記蓋体の上面から下方へ離れるにつれて次第に前記蓋体の内側に変位する傾斜面で形成されている、
    ことを特徴とする請求項2〜5の何れか1項記載の車両用シート。
  7. 前記本体部には、前記配線用スリットを形成する前記縦壁面の箇所から下方に向かうにつれて前記蓋体の表面から下方へ離れるにつれて次第に前記本体部の内側に変位するよう貫通形成された貫通溝が設けられ、
    前記貫通溝に前記配線用スリットに挿通された前記配線部が貫通保持される
    ことを特徴とする請求項2〜5の何れか1項記載の車両用シート。
  8. 前記本体部の縦壁面は、前記本体部の上面から下方へ離れるにつれて前記本体部の内側に次第に変位する傾斜面で形成され、
    前記本体部の縦壁面に対向する前記コネクタ挿通孔の内壁面は、前記クッションパッドの上面から下方へ離れるにつれて前記コネクタ挿通孔の内側に次第に変位する傾斜面で形成されている、
    ことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項記載の車両用シート。
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