WO2014049851A1 - 記録媒体及び記録再生装置 - Google Patents

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Abstract

 記録媒体(11)は、630nmから680nmの範囲に含まれる波長を有するガイドレーザ光(LB1)が照射されるガイド層(12)と、400nmから410nmの範囲に含まれる波長を有する記録再生レーザ光(LB2)が照射される記録層(13)とが積層されており、ガイド層は、記録膜(122)と誘電体膜(121、124)と反射膜(125)とが積層された積層構造を有しており、ガイドレーザ光に対する反射膜の屈折率が記録再生レーザ光に対する反射膜の屈折率よりも小さく、記録再生レーザ光に対する前記誘電体膜の屈折率が2.0以上である。

Description

記録媒体及び記録再生装置
 本発明は、例えば多数の記録層を備える光ディスク等の記録媒体、及びこのような記録媒体に対して記録動作及び再生動作の少なくとも一方を行う記録再生装置の技術分野に関する。
 多数の記録層を備える記録媒体として、例えば記録動作及び再生動作の少なくとも一方の実際の対象となる複数の記録層と、トラッキング用のガイドトラックが形成されたガイド層とを有する記録媒体(例えば、いわゆるガイド層分離型光ディスク)が知られている(特許文献1等参照)。このような記録媒体に対する記録動作及び再生動作の少なくとも一方を行う記録再生装置は、ガイド層のガイドトラックを読み取るためのガイドレーザ光と、記録層に対する記録動作及び再生動作の少なくとも一方を行うための記録再生レーザ光とを照射する。記録再生装置は、ガイドレーザ光の戻り光から得られるプッシュプル信号に基づいてトラッキング制御を行いながら、記録再生レーザ光を記録層に照射することで記録動作及び再生動作の少なくとも一方を行う。
 その他、本願発明に関連する先行技術文献として、特許文献2及び特許文献3があげられる。
国際公開第2008/099708号パンフレット 特開2011-170937号公報 特開2002-63738号公報
 ところで、ガイド層には、複数の記録層に記録されるデータを管理するための管理情報が記録されることがある。このような管理情報は、ガイド層に照射されるガイドレーザ光に代えて、本来は記録層に照射される記録再生レーザ光によって記録され且つ再生されることがある。従って、ガイド層は、(i)ガイドレーザ光の戻り光から適切なプッシュプル信号を取得でき、且つ、(ii)記録層に対する干渉を避けながら、記録再生レーザ光を用いてガイド層に対する管理情報の好適な記録及び再生を実現することができる程度の光学特性を有していることが好ましい。
 一例として、例えば、ガイド層に照射されたガイドレーザ光の戻り光から適切なプッシュプル信号を取得するという観点から見れば、ガイド層におけるガイドレーザ光の反射率を確保する(例えば、所望値(例えば、20%以上の値)に設定する)ことが望まれる。
 また、記録再生レーザ光の照射側(つまり、光ピックアップの側)から見て、ガイド層は、複数の記録層の奥側に配置されることが多い。このため、管理情報を読み取るためにガイド層に照射された記録再生レーザ光の戻り光が、記録層に干渉してしまう恐れがある。このようなガイド層に照射された記録再生レーザ光の戻り光の記録層に対する干渉を避けるという観点からは、ガイド層における記録再生レーザ光の反射率を抑制する(例えば、所望値(例えば、5%以下の値)に設定する)ことが望まれる。
 また、記録再生レーザ光をガイド層に照射することでガイド層に管理情報を適切に記録するという観点から見れば、ガイドレーザ光を用いてガイド層に記録された管理情報の変調度が相対的に高い(例えば、所望値(例えば、40%)以上になる)ことが望まれる。
 このように、ガイド層は、記録再生レーザ光の反射率を抑制する一方で、ガイドレーザ光の反射率を確保しつつ、記録される管理情報の変調度が相対的に高くなるという条件を満たすことが望まれる。その結果、このようなガイド層を備える記録媒体に対する記録動作及び再生動作の少なくとも一方を行う記録再生装置は、ガイドレーザ光の戻り光を用いたトラッキング制御を行いながら、記録再生レーザ光を用いた複数の記録層に対する記録動作及び再生動作の少なくとも一方を好適に(言い換えれば、高品質に)行うことができる。
 尚、複数の記録層を備える記録媒体のみならず、ガイド層と単一の記録層とを備える記録媒体においても同様に、記録再生レーザ光の反射率を抑制する一方で、ガイドレーザ光の反射率を確保するという条件を満たすことが望まれることは言うまでもない。
 本発明は、例えば、ガイドレーザ光の戻り光から適切なプッシュプル信号を取得でき、且つ、記録層に対する干渉を避けながら、ガイド層に対する記録再生レーザ光を用いた管理情報の好適な記録及び再生を実現するガイド層を備える記録媒体、及びこのような記録媒体に対して記録動作及び再生動作の少なくとも一方を行う記録再生装置を提供することを課題とする。
 上記課題を解決するために、記録媒体は、630nmから680nmの範囲に含まれる波長を有するガイドレーザ光が照射されるガイドトラックが形成されているガイド層と、400nmから410nmの範囲に含まれる波長を有する記録再生レーザ光が照射される記録層とが積層されており、前記ガイド層は、(i)記録膜と、(ii)誘電体膜と、(iii)反射膜とが積層された積層構造を有しており、前記ガイドレーザ光に対する前記反射膜の屈折率が、前記記録再生レーザ光に対する前記反射膜の屈折率よりも小さく、前記記録再生レーザ光に対する前記誘電体膜の屈折率が2.0以上である。
 上記課題を解決するために、記録再生装置は、上述の記録媒体に対して記録動作及び再生動作のうちの少なくとも一方を行う
一枚の光ディスクを構成する複数の層を、その積層方向(図1中、上下方向)について相互に間隔をあけて分解することで、各層を見易くしてなる模式的な斜視図である。 光ディスクの断面を、ガイドレーザ光及び記録再生レーザ光の照射態様と共に示す断面図である。 本実施例の光ディスクが備えるガイド層及び複数の記録層の夫々の詳細な構成を示す断面図である。 第1具体例のガイド層を示す断面図である。 第2具体例のガイド層を示す断面図である。 第3具体例のガイド層を示す断面図である。 第4具体例のガイド層を示す断面図である。 第1比較例のガイド層を示す断面図である。 第2比較例のガイド層を示す断面図である。 第1具体例のガイド層の特性、第2具体例のガイド層の特性及び第3具体例のガイド層の特性、並びに、第1比較例のガイド層の特性及び第2比較例のガイド層の特性を示す表である。 記録再生装置の基本構成を示すブロック図である。 光ピックアップの構成を示すブロック図である。
 以下、記録媒体及び記録再生装置の実施形態について順に説明する。
 (記録媒体の実施形態)
 <1>
 本実施形態の記録媒体は、630nmから680nmの範囲に含まれる波長を有するガイドレーザ光が照射されるガイドトラックが形成されているガイド層と、400nmから410nmの範囲に含まれる波長を有する記録再生レーザ光が照射される記録層とが積層されており、前記記録層は、(i)記録膜と、(ii)誘電体膜と、(iii)反射膜とが積層された積層構造を有しており、前記ガイドレーザ光に対する前記反射膜の屈折率が、前記記録再生レーザ光に対する前記反射膜の屈折率よりも小さく、前記記録再生レーザ光に対する前記誘電体膜の屈折率が2.0以上である。
 本実施形態の記録媒体によれば、ガイド層と記録層とを備えている。
 記録層は、記録再生レーザ光が照射される(例えば、記録層上にフォーカスが合わせられている記録再生レーザ光が照射される)ことで、表面の又は内部の光学特性又は形状等が変化する層である。光学特性又は形状等の変化が生じている箇所がいわゆる「マーク部分」及び「スペース部分」のいずれか一方として取り扱われ且つ光学特性又は形状等の変化が生じていない箇所がいわゆる「マーク部分」及び「スペース部分」のいずれか他方として取り扱われることで、記録層に記録情報が記録される。
 ガイド層には、トラッキング用の溝構造(例えば、ガイドトラック)が形成されている。このため、当該記録媒体に対して(より具体的には、当該記録媒体が備える記録層に対して)記録動作及び再生動作の少なくとも一方を行う記録再生装置は、ガイド層に照射されるガイドレーザ光の戻り光(つまり、ガイド層によって反射されたガイドレーザ光)に基づいて、溝構造とガイドレーザ光のビームスポットとの位置関係に応じたプッシュプル信号を取得することができる。その結果、記録再生装置は、当該プッシュプル信号に基づいて、トラッキング制御を行うことができる。
 本実施形態では特に、ガイド層は、記録膜と誘電体膜と反射膜とが積層された積層構造を有している。尚、ガイドレーザ光又は記録再生レーザ光の出射側から見て、記録膜と誘電体膜と反射膜とがこの順に積層されていてもよい。或いは、ガイドレーザ光又は記録再生レーザ光の出射側から見て、誘電体膜と記録膜と反射膜とがこの順に積層されていてもよい。
 記録膜は、記録再生レーザ光が照射される(例えば、記録膜上にフォーカスが合わせられている記録再生レーザ光が照射される)ことで、表面の又は内部の光学特性又は形状等が変化する膜である。光学特性又は形状等の変化が生じている箇所がいわゆる「マーク部分」及び「スペース部分」のいずれか一方として取り扱われ且つ光学特性又は形状等の変化が生じていない箇所がいわゆる「マーク部分」及び「スペース部分」のいずれか他方として取り扱われることで、ガイド層にデータが記録される。尚、ガイド層に記録されるデータの一例として、記録層に記録された記録情報を管理するための管理情報があげられる。但し、ガイド層には、管理情報以外の任意のデータが記録されてもよい。
 誘電体膜は、記録膜におけるパワーの変動(つまり、記録膜に照射される記録再生レーザ光のパワーの変動)に対する信頼性を向上させるための膜である。尚、誘電体膜は、記録膜におけるパワーの変動に対する信頼性を向上させることに加えて又は代えて、記録膜を保護するために用いられてもよい。
 反射膜は、記録再生レーザ光を反射するための膜である。反射膜によって反射された記録再生レーザ光の光強度は、記録膜の光学特性に応じて変化する。従って、反射膜によって反射された記録再生レーザ光に基づいて、ガイド層が備える記録膜に記録された管理情報が再生される。
 加えて、反射膜は、ガイドレーザ光を反射するための膜である。反射膜によって反射されたガイドレーザ光(つまり、ガイドレーザ光の戻り光)から、上述したプッシュプル信号が取得される。
 尚、主としてトラッキング制御に用いられるガイドレーザ光の波長は、630nmから680nmの範囲にある。言い換えれば、ガイドレーザ光の波長λ1は、630nm≦λ1≦680nmの条件を満たす。つまり、ガイドレーザ光は、実質的には、赤色レーザ光と等価であってもよい。一方で、主として記録層に対する記録動作及び再生動作の少なくとも一方に用いられる記録再生レーザ光の波長は、400nmから410nmの範囲にある。言い換えれば、記録再生レーザ光の波長λ2は、400nm≦λ2≦410nmの条件を満たす。つまり、記録再生レーザ光は、実質的には、青色レーザ光と等価であってもよい。
 本実施形態の記録媒体では特に、ガイド層を構成する反射膜の屈折率及び誘電体膜の屈折率が以下の条件を満たすように設計されている。具体的には、ガイドレーザ光に対する反射膜の屈折率が、記録再生レーザ光に対する反射膜の屈折率よりも小さくなるように設計されている。また、記録再生レーザ光に対する誘電体膜の屈折率が2.0以上となるように設計されている。
 このような屈折率を有する反射膜及び誘電体膜からガイド層が構成されることで、ガイド層は、(i-1)ガイドレーザ光の反射率を確保し(例えば、反射率を所定値(例えば、20%)以上に設定し)、且つ、(i-2)記録再生レーザ光の反射率を抑制する(例えば、反射率を所定値(例えば、5%)以下に設定する)と共に、(ii)ガイド層に記録されるデータの変調度が相対的に高くなる(例えば、変調度を所定値(例えば、40%)以上に設定する)という条件を満たすことができる。その結果、このようなガイド層を備える記録媒体に対する記録動作及び再生動作の少なくとも一方を行う記録再生装置は、ガイドレーザ光の戻り光から適切なプッシュプル信号を取得でき、且つ、記録層に対する干渉を避けながら、記録再生レーザ光を用いたガイド層に対する記録動作及び再生動作を好適に行うことができる。その結果、記録再生装置は、ガイドレーザ光の戻り光を用いたトラッキング制御を行いながら、記録再生レーザ光を用いた複数の記録層に対する記録動作及び再生動作の少なくとも一方を好適に(言い換えれば、高品質に)行うことができる。
 尚、ガイドレーザ光に対する反射膜の屈折率が記録再生レーザ光に対する反射膜の屈折率よりも小さくなるように設計されるだけでは、ガイドレーザ光に対するガイド層の反射率を確保する(例えば、反射率を所定値(例えば、20%)以上に設定する)ことができるものの、記録再生レーザ光に対するガイド層の反射率を抑制する(例えば、反射率を所定値(例えば、5%)以下に設定する)ことが困難であることが本願発明者の実験によって明らかになっている。本実施形態では、反射膜の屈折率の調整だけでは記録再生レーザ光に対するガイド層の反射率を抑制しきれない状況を鑑みて、記録再生レーザ光に対するガイド層の反射率を好適に抑制するために、反射膜とは異なる構造物である誘電体膜の屈折率を2.0以上に設定している。このように反射膜の屈折率を調整することに加えて誘電体膜の屈折率を調整することで、記録再生レーザ光に対するガイド層の反射率を好適に抑制することができると同時に、ガイドレーザ光を用いてガイド層に記録されたデータの変調度が相対的に高い(例えば、所望値(例えば、40%)以上になる)状態を実現することができることが、本願発明者によって確認されている。
 <2>
 本実施形態の記録媒体の他の態様では、前記反射膜は、単体金属及び合金の少なくとも一つを含む。
 この態様によれば、単体金属(つまり、1種類の金属)及び合金(つまり、2種類以上の金属の混合物)の少なくとも一方によって、上述した屈折率を有する反射膜を比較的容易に実現することができる。従って、上述した各種効果が好適に実現される。
 <3>
 上述の如く反射膜が単体金属及び合金の少なくとも一つを含む記録媒体の態様では、前記反射膜は、(i)Ag単体、Au単体及びCu単体、並びに(ii)Agを含む合金、Auを含む合金及びCuを含む合金のうちの少なくとも一つを含む。
 この態様によれば、(i)Ag単体、Au単体及びCu単体、並びに(ii)Agを含む合金、Auを含む合金及びCuを含む合金のうちの少なくとも一つによって、上述した屈折率を有する反射膜を比較的容易に実現することができる。従って、上述した各種効果が好適に実現される。
 尚、上述したように、(i)Ag単体、Au単体及びCu単体、並びに(ii)Agを含む合金、Auを含む合金及びCuを含む合金のうちの少なくとも一つによって反射膜が実現されるだけでは、ガイドレーザ光に対するガイド層の反射率を確保する(例えば、反射率を所定値(例えば、20%)以上に設定する)ことができるものの、記録再生レーザ光に対するガイド層の反射率を抑制する(例えば、反射率を所定値(例えば、5%)以下に設定する)ことが困難であることが本願発明者の実験によって明らかになっている。本実施形態では、反射膜とは異なる構造物である誘電体膜の屈折率を更に調整する(例えば、所望の屈折率を有する誘電体膜を用いてガイド層を構成する)ことで、記録再生レーザ光に対するガイド層の反射率を好適に抑制すると同時に、ガイドレーザ光を用いてガイド層に記録されたデータの変調度が相対的に高い(例えば、所望値(例えば、40%)以上になる)状態を実現している。
 <4>
 本実施形態の記録媒体の他の態様では、前記誘電体膜は、無機化合物及び無機化合物の混合物の少なくとも一方を含む。
 この態様によれば、無機化合物及び無機化合物の混合物の少なくとも一方によって、上述した屈折率を有する誘電体膜を比較的容易に実現することができる。従って、上述した各種効果が好適に実現される。
 <5>
 上述の如く誘電体膜が無機化合物及び無機化合物の混合物の少なくとも一方を含む記録媒体の態様では、前記誘電体膜は、(i)Znの酸化物、Nbの酸化物、Tiの酸化物、Snの酸化物若しくはSiの酸化物、又は(ii)Znの硫化物のうちの少なくとも一つを含む。
 この態様によれば、(i)Znの酸化物(つまり、ZnO)、Nbの酸化物(つまり、NbO、NbO又はNb)、Tiの酸化物(つまり、TiO)、Snの酸化物(つまり、SnO)若しくはSi(つまり、SiO)の酸化物、又は(ii)Znの硫化物(つまり、ZnS)によって、上述した屈折率を有する誘電体膜を比較的容易に実現することができる。従って、上述した各種効果が好適に実現される。
 <6>
 上述の如く誘電体膜が無機化合物及び無機化合物の混合物の少なくとも一方を含む記録媒体の態様では、前記誘電体膜は、(i)Znの酸化物、Nbの酸化物、Tiの酸化物、Snの酸化物及びSiの酸化物、並びに(ii)Znの硫化物のうちの少なくとも二つの混合物を含む。
 この態様によれば、(i)Znの酸化物(つまり、ZnO)、Nbの酸化物(つまり、NbO、NbO又はNb)、Tiの酸化物(つまり、TiO)、Snの酸化物(つまり、SnO)及びSi(つまり、SiO)の酸化物、並びに(ii)Znの硫化物(つまり、ZnS)のうちの少なくとも2つを含む混合物によって、上述した屈折率を有する誘電体膜を比較的容易に実現することができる。従って、上述した各種効果が好適に実現される。
 <7>
 本実施形態の記録媒体の他の態様では、前記ガイドレーザ光に対する前記誘電体膜の消衰係数が0.05以下であり、前記記録再生レーザ光に対する前記誘電体膜の消衰係数が0.05以下である。
 この態様によれば、誘電体膜におけるガイドレーザ光及び記録再生レーザ光の吸収(言い換えれば、誘電体膜から構成されるガイド層におけるガイドレーザ光及び記録再生レーザ光の吸収)を抑制することができる。その結果、記録層は、記録再生レーザ光の反射率を抑制する一方で、ガイドレーザ光の反射率を確保するという条件を満たすことができる。その結果、上述した各種効果が好適に実現される。
 <8>
 本実施形態の記録媒体の他の態様では、前記記録再生レーザ光の照射によって前記記録膜の特性(例えば、光学特性や形状)が変化することで前記記録層に記録されたデータの変調度が40%以上である。
 この態様によれば、このような記録層を備える記録媒体に対する記録動作及び再生動作の少なくとも一方を行う記録再生装置は、ガイドレーザ光の戻り光を用いたトラッキング制御を行いながら、記録再生レーザ光を用いた複数の記録層に対する記録動作及び再生動作の少なくとも一方を好適に(言い換えれば、高品質に)行うことができる。その結果、上述した各種効果が好適に実現される。
 尚、ここでいう「変調度」とは、特許文献1から特許文献3に開示されたガイド層分離型光ディスクで一般的に使用される「変調度」を意味する。つまり「変調度」とは、ガイド層に記録したデータを読み出して得られるRF信号の振幅と、RF信号のゼロレベルとピークレベルとの差の割合である。
 <9>
 本実施形態の記録媒体の他の態様では、前記ガイド層は、前記誘電体膜との間に前記記録膜を挟み込むように配置される他の誘電体膜を更に備える。
 この態様によれば、ガイド層が他の誘電体膜を更に備えている場合であっても、上述した各種効果が好適に実現される。
 尚、他の誘電体膜は、上述した誘電体膜と同様に、ガイド層におけるパワーの変動(つまり、ガイド層に照射される記録再生レーザ光のパワーの変動)に対する信頼性を向上させるための膜であってもよい。或いは、他の誘電体膜は、ガイド層を保護するための膜であってもよい。
 また、ガイド層が他の誘電体膜を更に備えている場合には、他の誘電体膜が上述の条件を満たす(つまり、上述の特性を有する)ように設計されていることが好ましい。但し、他の誘電体膜が上述の条件を満たさないように設計されていてもよい。
 <10>
 本実施形態の記録媒体の他の態様では、前記ガイド層は、前記記録膜、前記誘電体膜及び前記反射膜と共に前記積層構造を形成する光吸収膜を更に備える。
 この態様によれば、光吸収膜を記録媒体が更に備えている場合であっても、上述した各種効果が好適に実現される。尚、光吸収膜は、主として、記録再生レーザ光を吸収してガイド層(特に、ガイド層の記録膜)に対して必要なエネルギーを供給するための膜である。
 <11>
 本実施形態の記録媒体の他の態様では、前記光吸収膜は、Feの酸化物を主成分とする。
 この態様によれば、Feの酸化物によって、上述した光吸収膜を比較的容易に実現することができる。従って、上述した各種効果が好適に実現される。
 <12>
 本実施形態の記録媒体の他の態様では、前記記録膜は、Bi及びOを含む。
 この態様によれば、Bi及びOによって、上述した記録膜を比較的容易に実現することができる。従って、上述した各種効果が好適に実現される。
 <13>
 本実施形態の記録媒体の他の態様では、前記ガイド層には、溝構造が形成されている。
 この態様によれば、当該溝構造に照射されたガイドレーザ光の戻り光から適切なプッシュプル信号が取得されると共に、当該溝構造に合わせて形成されている記録膜に対して照射された記録再生レーザ光を用いて管理情報の記録及び再生が行われる。
 <14>
 本実施形態の記録媒体の他の態様では、前記記録層を複数備える。
 この態様によれば、記録媒体が複数の記録層を備えている場合であっても、上述した各種効果が好適に実現される。
 (記録再生装置の実施形態)
 <15>
 本実施形態の記録再生装置は、上述した本実施形態の記録媒体(但し、その各種態様を含む)に対して記録動作及び再生動作のうちの少なくとも一方を行う。
 本実施形態の記録再生装置は、(i-1)ガイドレーザ光の反射率を確保し(例えば、反射率を所定値(例えば、20%)以上に設定し)且つ(i-2)記録再生レーザ光の反射率を抑制する(例えば、反射率を所定値(例えば、5%)以下に設定する)と共に、(ii)ガイド層に記録されるデータの変調度が相対的に高くなる(例えば、変調度を所定値(例えば、40%)以上に設定する)という条件を満たすガイド層を有する記録媒体に対して、記録動作及び再生動作の少なくとも一方を行うことができる。その結果、本実施形態の記録再生装置は、ガイドレーザ光の戻り光から適切なプッシュプル信号を取得でき、且つ、記録層に対する干渉を避けながら、ガイド層に対する記録再生レーザ光を用いた管理情報の好適な記録及び再生を行うことができる。その結果、本実施形態の記録再生装置は、ガイドレーザ光の戻り光を用いたトラッキング制御を行いながら、記録再生レーザ光を用いた複数の記録層に対する記録動作及び再生動作の少なくとも一方を好適に(言い換えれば、高品質に)行うことができる。
 尚、本実施形態の記録媒体が採用し得る各種態様に対応して、本実施形態の記録再生装置もまた、各種態様を採用してもよい。
 本実施形態のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から更に明らかにされる。
 以上説明したように、本実施形態の記録媒体は、記録膜、誘電体膜及び反射膜を含むガイド層と、記録層とを備え、ガイドレーザ光に対する反射膜の屈折率が記録再生レーザ光に対する反射膜の屈折率よりも小さく、記録再生レーザ光に対する誘電体膜の屈折率が2.0以上である。本実施形態の記録再生装置は、本実施形態の記録媒体に対して記録動作及び再生動作のうちの少なくとも一方を行う。従って、ガイドレーザ光の戻り光から適切なプッシュプル信号を取得でき、且つ、記録層に対する干渉を避けながら、ガイド層に対する記録再生レーザ光を用いた管理情報の好適な記録及び再生を行うことができる。
 以下、図面を参照しながら、実施例について説明する。
 (1)光ディスクの構成
 はじめに、図1及び図2を参照して、光ディスク11の構成について説明する。図1は、一枚の光ディスク11を構成する複数の層を、その積層方向(図1中、上下方向)について相互に間隔をあけて分解することで、各層を見易くしてなる模式的な斜視図である。図2は、光ディスク11の断面を、ガイドレーザ光LB1及び記録再生レーザ光LB2の照射態様と共に示す断面図である。
 図1に示すように、光ディスク11は、単一のガイド層12と複数の(つまり、2層以上の)記録層13とを備える。つまり、光ディスク11は、いわゆるガイド層分離型光ディスクである。光ディスク11は、複数の記録層13に代えて、単一の記録層13を備えていてもよい。
 光ディスク11に対する記録動作(特に、所望の記録層13に対する記録動作)が行われる場合には、ガイド層12に集光されるトラッキング用のガイドレーザ光LB1と、複数の記録層13の夫々に集光される記録再生レーザ光LB2とが、記録再生装置101から同時に照射される。一方で、光ディスク11に対する再生動作(特に、所望の記録層13に対する再生動作)が行われる場合にもまた、ガイドレーザ光LB1と記録再生レーザ光LB2とが、記録再生装置101から同時に照射される。但し、光ディスク11に対する再生動作が行われる場合には、記録再生レーザ光LB2が、トラッキング用に用いられてもよい(つまり、ガイドレーザ光LB1が用いられなくともよい)。
 尚、主としてトラッキング制御に用いられるガイドレーザ光LB1の波長は、630nmから680nmの範囲にある。言い換えれば、ガイドレーザ光LB1の波長λ1は、630nm≦λ1≦680nmの条件を満たす。つまり、ガイドレーザ光LB1は、実質的には、赤色レーザ光と等価であってもよい。但し、ガイドレーザ光LB1の波長λ1の下限値は、上述した「630nm」という数値に対して所定のマージン(つまり、実質的には630nmと同視し得る程度の誤差)α1が考慮された上で設定されてもよい。同様に、ガイドレーザ光LB1の波長λ1の上限値は、上述した「680nm」という数値に対して所定のマージン(実質的には680nmと同視し得る程度の誤差)β1が考慮された上で設定されてもよい。従って、ガイドレーザ光LB1の波長λ1は、630±α1nm≦λ1≦680±β1nmの条件を満たしていてもよい。
 また、主として複数の記録層13の夫々に対する記録動作及び再生動作の少なくとも一方に用いられる記録再生レーザ光LB2の波長は、400nmから410nmの範囲にある。言い換えれば、記録再生レーザ光LB2の波長λ2は、400nm≦λ2≦410nmの条件を満たす。つまり、記録再生レーザ光LB2は、実質的には、青色レーザ光と等価であってもよい。但し、記録再生レーザ光LB2の波長λ2の下限値は、上述した「400nm」という数値に対して所定のマージン(つまり、実質的には400nmと同視し得る程度の誤差)α2が考慮された上で設定されてもよい。同様に、記録再生レーザ光LB2の波長λ2の上限値は、上述した「410nm」という数値に対して所定のマージン(実質的には410nmと同視し得る程度の誤差)β2が考慮された上で設定されてもよい。従って、記録再生レーザ光LB2の波長λ2は、400±α2nm≦λ2≦410±β2nmの条件を満たしていてもよい。
 尚、記録再生レーザ光LB2は、複数の記録層13の夫々に対する記録動作及び再生動作の少なくとも一方に用いられることに加えて、ガイド層12に対する記録動作及び再生動作の少なくとも一方に用いられる。ガイド層12に記録されるデータとして、例えば、複数の記録層13に記録された記録情報を管理するための管理情報が一例としてあげられる。
 光ディスク11はCLV方式を採用することが好ましい。同心円状又は螺旋状のガイドトラックTR(具体的には、後述するグルーブトラックGT及びランドトラックLT)には、CLV方式に準拠して、プリフォーマット情報(例えば、クロック情報やアドレス情報や記録開始タイミング情報等)が予め記録されている。
 尚、ガイド層12に形成されているガイドトラックTRは、シングルスパイラルであってもよい。この場合、グルーブトラックGTは、ガイド層12の所定の領域でランドトラックLTに切り替わることが好ましい。同様に、ランドトラックLTは、ガイド層12の所定の領域でグルーブトラックGTに切り替わることが好ましい。但し、ガイドトラックTRは、グルーブトラックGTとランドトラックLTとが分離しているダブルスパイラルであってもよい。
 図2に示すように、記録再生レーザ光LB2は、ガイド層12上に積層された複数の記録層13のうち記録対象又は再生対象たる一つの所望の記録層13に集光される。記録再生レーザ光LB2は、例えばBD(Blu-ray Disc:ブルーレイディスク)と同じく比較的短波長の青色レーザ光である。一方で、ガイドレーザ光LB1は、例えばDVDと同じく比較的長波長の赤色レーザ光である。ガイドレーザ光LB1によりガイド層12上に形成されるビームスポットの直径は、記録再生レーザ光LB2により記録層13上に形成されるビームスポットの直径と比べて、例えば数倍程度となる。
 複数の記録層13の夫々は、独立して記録情報を光学的に記録及び再生可能な記録層である。より具体的には、複数の記録層13は夫々、例えば、2光子吸収材料を含む半透明の薄膜から構成される。例えば、2光子吸収材料としては、2光子吸収が起こった領域の蛍光強度が変化する蛍光物質を用いる蛍光タイプ、電子の局在化によって屈折率が変化するフォトリフラクティブ物質を用いる屈折率変化タイプなどが、採用可能である。屈折率変化タイプの2光子吸収材料としては、フォトクロミック化合物やビス(アラルキリデン)シクロアルカノン化合物などの利用が有望視されている。
 2光子吸収材料を利用した光ディスク構造としては、(i)光ディスク11の全体が2光子吸収材料からなるバルク型と、(ii)2光子吸収材料の記録層13及び別の透明材料のスペーサ層15を交互に積層した層構造型とが存在する。層構造型は、記録層13とスペーサ層15との間の界面で反射される光を利用してフォーカス制御が可能となる利点がある。バルク型は、多層成膜工程が少なく、製造コストを抑えられる利点がある。
 複数の記録層13は夫々、上述の2光子吸収材料、無機材料を用いた相変化材料、合金化型、穴あけ型以外にも、例えば色素材料等であってもよい。複数の記録層13には夫々、未記録状態では、ガイドトラックTRは予め形成されておらず、例えば全域が鏡面或いは凹凸のない平面である。
 (2)光ディスクの詳細な構成
 続いて、図3を参照して、本実施例の光ディスク11が備えるガイド層12及び複数の記録層13の夫々の詳細な構成について説明する。図3は、本実施例の光ディスク11が備えるガイド層12及び複数の記録層13の夫々の詳細な構成を示す断面図である。
 図3に示すように、光ディスク11は、カバー層14と、複数の記録層13と、複数のスペーサ層15と、2P(Photo Polymer)層16と、ガイド層12と、基板17とを備えている。複数の記録層13及び複数のスペーサ層15は、隣り合う2つの記録層13が1つのスペーサ層15を挟み込むように配置される。尚、図3の上側が、ガイドレーザ光LB1及び記録再生レーザ光LB2の入射側となる。
 カバー層14は、光ディスク11の最も表面側に位置する層であって、カバー層14の下層側に形成される各層を保護するために用いられる。カバー層14は、例えば、54μmの厚さを有している。尚、カバー層14としては、一般的なカバー層(例えば、ガイド層分離型の光ディスク又はその他の既存の光ディスクで通常使用されるカバー層)が用いられてもよい。
 複数の記録層13の夫々は、ガイドレーザ光LB1及び記録再生レーザ光LB2の出射側から見て、誘電体膜131と、記録膜132と、光吸収膜133と、誘電体膜134とが積層された積層構造を有している。但し、複数の記録層13の夫々は、誘電体膜131及び誘電体膜134のいずれか一方を備えていなくともよい。或いは、複数の記録層13の夫々は、光吸収膜133を備えていなくともよい。
 誘電体膜131は、記録膜132におけるパワーの変動(つまり、記録膜132に照射された時点での記録再生レーザ光LB2のパワー)に対する信頼性を向上させる膜として機能する。また、誘電体膜131は、基板17中の水分や外部の水分が記録膜132まで到達しにくくなる機能(つまり、記録膜132の変質を抑制する機能)を有していてもよい。また、誘電体膜131の膜厚は、例えば45nmである。但し、誘電体膜131の膜厚は、45nm以外の任意の値であってもよい。
 記録膜132は、無機反応膜として機能し、記録再生レーザ光LB2の照射により光学特性又は形状等の変化が生ずる。その結果、記録再生レーザ光LB2の照射の有無に応じて、記録膜132の反射率が変わる。その結果、記録膜132(つまり、記録層13)にデータが記録される。記録膜132の主成分として、Bi-O又はBi-M-O(ただしMは、Mg、Ca、Y、Dy、Ce、Tb、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Mo、W、Mn、Fe、Zn、Al、In、Si、Ge、Sn、Sb、Li、Na、K、Sr、Ba、Sc、La、Nd、Sm、Gd、Ho、Cr、Co、Ni、Cu、Ga、Pbの中から選択される少なくとも1種の元素)を主成分とすることが好ましい。本実施例では、説明の便宜上、記録膜132の主成分として、Bi-Ge-Oが用いられる例を用いて説明を進める。また、記録膜132の膜厚は、例えば10nmである。但し、記録膜132の膜厚は、10nm以外の任意の値であってもよい。
 光吸収膜133は、記録再生レーザ光LB2を吸収して、記録膜132に対して必要なエネルギーを供給する機能を有する。光吸収膜133の主成分として、Feが用いられることが好ましい。但し、光吸収膜133の主成分として、Feに代えて、Feや、FeOや、CrOや、Crや、MnOや、Mnや、MnOや、Vや、VOや、Vや、NiOや、Nd等が用いられてもよい。また、光吸収膜133の膜厚は、例えば2nmである。但し、光吸収膜133の膜厚は、2nm以外の任意の値であってもよい。
 尚、上述したように、本実施例では、記録膜132の材料としてBi-M-Oの過酸化物が用いられる。この記録膜132は、反応性スパッタによって成膜される。記録膜132の成膜中に光吸収膜133が酸化されることがあるので、光吸収膜133の材料としては、酸化物の状態の際に光吸収特性を有する材料が用いられることが好ましい。
 誘電体膜134は、記録膜132におけるパワーの変動(つまり、記録膜132に照射された時点での記録再生レーザ光LB2のパワー)に対する信頼性を向上させる膜として機能する。また、誘電体膜134は、基板17中の水分や外部の水分が記録膜132まで到達しにくくなる機能(つまり、記録膜132の変質を抑制する機能)を有していてもよい。また、誘電体膜134の膜厚は、例えば35nmである。但し、誘電体膜134の膜厚は、35nm以外の任意の値であってもよい。
 スペーサ層15は、隣り合う2つの記録層13の間に位置する部材(言い換えれば、隣り合う2つの記録層13を張り合わせるための部材)である。互いに隣接する1つの記録層13及び1つのスペーサ層15の厚さの合計は、例えば12μm又は16μmとなる。尚、スペーサ層15としては、一般的なスペーサ層(例えば、ガイド層分離型の光ディスク又はその他の既存の光ディスクで通常使用されるスペーサ層)が用いられてもよい。
 2P層16は、複数の記録層13とガイド層12との間に位置する部材である。2P層16は、例えば、146μmの厚さを有している。
 基板17は、光ディスク11の基礎となる部材である。基板15の材料は、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂等の種々の材料であってもよい。尚、基板15を構成する樹脂として、ポリカーボネート樹脂や、オレフィン樹脂や、アクリル樹脂や、エポキシ樹脂や、ポリスチレン樹脂や、ポリエチレン樹脂や、ポリプロピレン樹脂や、シリコーン樹脂や、フッ素系樹脂や、ABS樹脂や、ウレタン樹脂等が用いられてもよい。中でも加工や成型の容易性から、ポリカーボネート樹脂やオレフィン樹脂が好ましく、本実施例ではポリカーボネート樹脂を用いている。尚、基板17の屈折率は、例えば1.5である。但し、基板17の屈折率は、1.5以外の任意の値であってもよい。
 ガイド層12は、ガイドレーザ光LB1及び記録再生レーザ光LB2の出射側から見て、誘電体膜121と、記録膜122と、光吸収膜123と、誘電体膜124と、反射膜125が積層された積層構造を有している。但し、ガイド層12は、誘電体膜121及び誘電体膜124のいずれか一方を備えていなくともよい。或いは、ガイド層12は、光吸収膜123を備えていなくともよい。
 誘電体膜121は、記録膜122におけるパワーの変動(つまり、記録膜122に照射された時点での記録再生レーザ光LB2のパワー)に対する信頼性を向上させる膜として機能する。また、誘電体膜121は、基板17中の水分や、外部の水分を記録膜122まで到達しにくくする機能(つまり、記録膜122の変質を抑制する機能)を有していてもよい。また、誘電体膜121の膜厚は、例えば47.5nm、50nm又は75nmである。但し、誘電体膜131の膜厚は、47.5nm、50nm又は75nm以外の任意の値であってもよい。尚、誘電体膜121の特性については、後に詳述する。
 記録膜122は、無機反応膜として機能し、記録再生レーザ光LB2の照射により光学特性又は形状等の変化が生ずる。その結果、記録再生レーザ光LB2の照射の有無に応じて、記録膜132の反射率が変わる。その結果、記録膜122(つまり、ガイド層12)にデータが記録される。記録膜122の主成分として、Bi-O又はBi-M-O(ただしMは、Mg、Ca、Y、Dy、Ce、Tb、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Mo、W、Mn、Fe、Zn、Al、In、Si、Ge、Sn、Sb、Li、Na、K、Sr、Ba、Sc、La、Nd、Sm、Gd、Ho、Cr、Co、Ni、Cu、Ga、Pbの中から選択される少なくとも1種の元素)を主成分とすることが好ましい。本実施例では、説明の便宜上、記録膜122の主成分として、Bi-Ge-Oが用いられる例を用いて説明を進める。また、記録膜122の膜厚は、例えば10nm又は12.5mmである。但し、記録膜123の膜厚は、10nm及び12.5mm以外の任意の値であってもよい。
 光吸収膜123は、記録再生レーザ光LB2を吸収して、記録膜122に対して必要なエネルギーを供給する機能を有する。光吸収膜123の主成分として、Feが用いられることが好ましい。但し、光吸収膜123の主成分として、Feに代えて、Feや、FeOや、CrOや、Crや、MnOや、Mnや、MnOや、Vや、VOや、Vや、NiOや、Nd等が用いられてもよい。また、光吸収膜123の膜厚は、例えば2nmである。但し、光吸収膜123の膜厚は、2nm以外の任意の値であってもよい。
 尚、上述したように、本実施例では、記録膜122の材料としてBi-M-Oの過酸化物が用いられる。この記録膜122は、反応性スパッタによって成膜される。記録膜122の成膜中に光吸収膜123が酸化されることがあるので、光吸収膜123の材料としては、酸化物の状態の際に光吸収特性を有する材料が用いられることが好ましい。
 誘電体膜124は、記録膜122におけるパワーの変動(つまり、記録膜122に照射された時点での記録再生レーザ光LB2のパワー)に対する信頼性を向上させる膜として機能する。また、誘電体膜124は、基板17中の水分や、外部の水分が記録膜122まで到達しにくくする機能(つまり、記録膜122の変質を抑制する機能)を有していてもよい。尚、誘電体膜124の特性については、後に詳述する。また、誘電体膜124膜厚は、例えば30nmである。但し、誘電体膜124の膜厚は、30nm以外の任意の値であってもよい。
 反射膜125は、ガイド層12に照射されたガイドレーザ光LB1及び記録再生レーザ光LB2を反射する機能を有する。反射膜125によって反射されたガイドレーザ光LB1に基づいて、トラッキング制御が行われる。一方で、反射膜125によって反射された記録再生レーザ光LB2に基づいて、ガイド層12に記録されたデータ(より具体的には、ガイド層12が備える記録膜122に記録されたデータ)の再生が行われる。尚、反射膜125の特性については、後に詳述する。
 (3)ガイド層を構成する誘電体膜及び反射膜の特性
 続いて、ガイド層12を構成する誘電体膜121及び誘電体膜124並びに反射膜125の特性について説明する。
 尚、以下では、説明の簡略化のために、誘電体膜121の特性に着目して説明を進める。しかしながら、誘電体膜124の特性が、誘電体膜121の特性と一致していてもよいことは言うまでもない。但し、誘電体膜124の特性の一部が誘電体膜121の特性の一部と一致する一方で、誘電体膜124の特性の他の一部が誘電体膜121の特性の他の一部と一致していなくともよい。或いは、誘電体膜124の特性の全てが、誘電体膜121の特性と一致していなくともよい。
 まず、反射膜125は、ガイドレーザ光LB1に対する屈折率が、記録再生レーザ光LB2に対する屈折率よりも小さくなるという特性を有している。
 このような屈折率を有する反射膜125の材料として、Ag、Au又はCuが一例としてあげられる。言い換えれば、反射膜125は、Ag、Au又はCuであってもよい。或いは、このような屈折率を有する反射膜125の材料として、Ag合金(例えば、Agに対してPdやNd等が添加された合金)、Au合金又はCu合金が一例としてあげられる。或いは、このような屈折率を有する反射膜125の材料として、Ag、Au及びCuのうちの少なくとも2つの混合物(つまり、合金)が一例としてあげられる。
 具体的には、例えば、Agから構成される反射膜125は、ガイドレーザ光LB1に対する屈折率が0.16になり且つ記録再生レーザ光LB2に対する屈折率が0.2になるという特性を有している。従って、Agから構成される反射膜125は、ガイドレーザ光LB1に対する屈折率が記録再生レーザ光LB2に対する屈折率よりも小さくなるという特性を有している。或いは、例えば、Auから構成される反射膜125は、ガイドレーザ光LB1に対する屈折率が0.26になり且つ記録再生レーザ光LB2に対する屈折率が1.68になるという特性を有している。従って、Auから構成される反射膜125は、ガイドレーザ光LB1に対する屈折率が記録再生レーザ光LB2に対する屈折率よりも小さくなるという特性を有している。
 一方で、誘電体膜121は、記録再生レーザ光LB2に対する屈折率が2.0以上になるという特性を有している。尚、「2.0」という数値は、記録再生レーザ光LB2に対する誘電体膜121の屈折率の下限値に相当する。一方で、記録再生レーザ光LB2に対する誘電体膜121の屈折率の上限値が設定されてもよい。例えば、誘電体膜121は、記録再生レーザ光LB1に対する屈折率が2.8以下になるという特性を有していてもよい。
 このような屈折率を有する誘電体膜131の材料として、Znの酸化物(つまり、ZnO)、Nbの酸化物(つまり、NbOや、NbOや、Nb等)、Tiの酸化物(つまり、TiO)、Snの酸化物(つまり、SnO)若しくはSiの酸化物(つまり、SiO)、又はZnの硫化物(つまり、ZnS)が一例としてあげられる。言い換えれば、誘電体膜131は、ZnO、NbO、TiO、SiO、又はZnSであってもよい。
 或いは、このような屈折率を有する誘電体膜121の材料として、Znの酸化物(つまり、ZnO)、Nbの酸化物(つまり、NbOや、NbOや、Nb等)、Tiの酸化物(つまり、TiO)、Snの酸化物(つまり、SnO)又はSiの酸化物(つまり、SiO)、並びにZnの硫化物(つまり、ZnS)のうちの少なくとも2つの混合物が一例としてあげられる。言い換えれば、誘電体膜121は、ZnO、NbO、TiO、SiO及びZnSのうちの少なくとも1つとその他の材料との混合物であってもよい。
 或いは、このような屈折率を有する誘電体膜121の材料として、Znの酸化物(つまり、ZnO)、Nbの酸化物(つまり、NbOや、NbOや、Nb等)、Tiの酸化物(つまり、TiO)、Snの酸化物(つまり、SnO)又はSiの酸化物(つまり、SiO)、並びにZnの硫化物(つまり、ZnS)のうちの少なくとも2つの混合物が一例としてあげられる。言い換えれば、誘電体膜121は、ZnO、NbO、TiO、SiO及びZnSのうちの少なくとも2つの混合物であってもよい。
 具体的には、例えば、TiOから構成される誘電体膜121は、記録再生レーザ光LB2に対する屈折率が2.55になる(つまり、2.0以上になる)という特性を有している。或いは、例えば、TiO-SiOから構成される誘電体膜121は、記録再生レーザ光LB2に対する屈折率が2.05になる(つまり、2.0以上になる)という特性を有している。或いは、例えば、ZnS-SiOから構成される誘電体膜121は、記録再生レーザ光LB2に対する屈折率が2.35になる(つまり、2.0以上になる)という特性を有している。
 また、上述した屈折率の条件を満たす誘電体膜121を実現するために、誘電体膜121は、ガイドレーザ光LB1に対する消衰係数が0.05以下になるという特性を有していることが好ましい。言い換えれば、ガイドレーザ光LB1に対する誘電体膜121の消衰係数の上限値が、0.05であることが好ましい。
 また、上述した屈折率の条件を満たす誘電体膜121を実現するために、誘電体膜121は、記録再生レーザ光LB2に対する消衰係数が0.05以下になるという特性を有していることが好ましい。言い換えれば、記録再生レーザ光LB2に対する誘電体膜121の消衰係数の上限値が、0.05であることが好ましい。
 尚、消衰係数の上限値は、上述した「0.05」という数値に対して所定のマージン(つまり、実質的には0.05と同視し得る程度の誤差)δが考慮された上で設定されてもよい。つまり、消衰係数の上限値は、0.05±δであってもよい。
 また、誘電体膜121は、ガイド層12の変調度(つまり、記録再生レーザ光LB2の照射によってガイド層12にデータが記録される場合の変調度)が40%以上となるという特性を有していることが好ましい。言い換えれば、ガイド層12の変調度の下限値が、40%であることが好ましい。
 尚、変調度の下限値は、上述した「40%」という数値に対して所定のマージン(つまり、実質的には40%と同視し得る程度の誤差)εが考慮された上で設定されてもよい。つまり、変調度の下限値は、40±ε%であってもよい。
 以上説明した特性を有する誘電体膜121及び反射膜125を有するガイド層12は、(i-1)ガイドレーザ光LB1の反射率を確保し(例えば、反射率を所定値(例えば、20%)以上に設定し)、且つ、(i-2)記録再生レーザ光LB2の反射率を抑制する(例えば、反射率を所定値(例えば、5%)以下に設定する)と共に、(ii)ガイド層12に記録されるデータの変調度が相対的に高くなる(例えば、変調度を所定値(例えば、40%)以上に設定する)という条件を満たすことができる。尚、ここでいう「反射率」及び「透過率」は、いずれも、記録再生レーザ光LB2の照射によって記録膜122が溶融していない状態での反射率及び透過率を意味する。その結果、このようなガイド層12を備える光ディスク11に対する記録動作及び再生動作の少なくとも一方を行う記録再生装置101は、ガイドレーザ光LB1の戻り光から適切なプッシュプル信号を取得でき、且つ、複数の記録層13に対する干渉を避けながら、記録再生レーザ光LB1を用いたガイド層12に対するデータの記録動作及び再生動作を好適に行うことができる。その結果、記録再生装置101は、ガイドレーザ光LB1の戻り光を用いたトラッキング制御を行いながら、記録再生レーザ光LB2を用いた複数の記録層13に対する記録動作及び再生動作の少なくとも一方を好適に(言い換えれば、高品質に)行うことができる。
 (4)記録層を構成する誘電体膜の特性
 尚、上述の説明では、ガイド層12の特性に着目した説明をしている。一方で、複数の記録層13の夫々もまた、所望の特性を有していることが好ましい。以下、記録層13を構成する誘電体膜131及び誘電体膜134の特性について説明する。
 尚、以下では、説明の簡略化のために、誘電体膜131の特性に着目して説明を進める。しかしながら、誘電体膜134の特性が、誘電体膜131の特性と一致していてもよいことは言うまでもない。但し、誘電体膜134の特性の一部が誘電体膜131の特性の一部と一致する一方で、誘電体膜134の特性の他の一部が誘電体膜131の特性の他の一部と一致していなくともよい。或いは、誘電体膜134の特性の全てが、誘電体膜131の特性と一致していなくともよい。
 加えて、複数の記録層13の夫々を構成する誘電体膜131が、以下に示す特性を有していることが好ましい。つまり、光ディスク11が備えている全ての誘電体膜131が、以下に示す特性を有していることが好ましい。但し、複数の記録層13のうちの一部の記録層13を構成する誘電体膜131が、以下に示す特性の少なくとも一部を有する一方で、複数の記録層13のうちの他の一部の記録層13を構成する誘電体膜131が、以下に示す特性を有していなくともよい。
 まず、誘電体膜131は、ガイドレーザ光LB1に対する屈折率が2.2以下になるという特性を有している。尚、「2.2」という数値は、ガイドレーザ光LB1に対する誘電体膜131の屈折率の上限値に相当する。一方で、ガイドレーザ光LB1に対する誘電体膜131の屈折率の下限値が設定されてもよい。例えば、誘電体膜131は、ガイドレーザ光LB1に対する屈折率が1.35以上になるという特性を有していてもよい。
 加えて、誘電体膜131は、記録再生レーザ光LB2に対する屈折率が1.85以上になるという特性を有している。尚、「1.85」という数値は、記録再生レーザ光LB2に対する誘電体膜131の屈折率の下限値に相当する。一方で、記録再生レーザ光LB2に対する誘電体膜131の屈折率の上限値が設定されてもよい。例えば、誘電体膜131は、記録再生レーザ光LB1に対する屈折率が2.8以下になるという特性を有していてもよい。
 このような屈折率を有する誘電体膜131の材料として、Znの酸化物(つまり、ZnO)、Tiの酸化物(つまり、TiO)、Zrの酸化物(つまり、ZrO)、Sn(つまり、SnO)の酸化物、Alの窒化物(つまり、AlN)、又はZnの硫化物(つまり、ZnS)が一例としてあげられる。言い換えれば、誘電体膜131は、ZnO、TiO、ZrO、SnO、AlN又はZnSであってもよい。
 或いは、このような屈折率を有する誘電体膜131の材料として、Znの酸化物(つまり、ZnO)、Tiの酸化物(つまり、TiO)、Zrの酸化物(つまり、ZrO)、Siの酸化物(つまり、SiO)、Sn(つまり、SnO)の酸化物、Alの窒化物(つまり、AlN)、及びZnの硫化物(つまり、ZnS)のうちの少なくとも2つの混合物が一例としてあげられる。言い換えれば、誘電体膜131は、ZnO、TiO、ZrO、SiO、SnO、AlN及びZnSのうちの少なくとも1つとその他の材料との混合物であってもよい。
 或いは、このような屈折率を有する誘電体膜131の材料として、Znの酸化物(つまり、ZnO)、Tiの酸化物(つまり、TiO)、Zrの酸化物(つまり、ZrO)、Siの酸化物(つまり、SiO)、Sn(つまり、SnO)の酸化物、Alの窒化物(つまり、AlN)、及びZnの硫化物(つまり、ZnS)のうちの少なくとも2つの混合物が一例としてあげられる。言い換えれば、誘電体膜131は、ZnO、TiO、ZrO、SiO、SnO、AlN及びZnSのうちの少なくとも2つの混合物であってもよい。
 具体的には、例えば、ZnOから構成される誘電体膜131は、ガイドレーザ光LB1に対する屈折率が1.93になり(つまり、2.2以下になり)且つ記録再生レーザ光LB2に対する屈折率が2.06になる(つまり、1.85以上になる)という特性を有している。或いは、例えば、AlNから構成される誘電体膜131は、ガイドレーザ光LB1に対する屈折率が1.85になり(つまり、2.2以下になり)且つ記録再生レーザ光LB2に対する屈折率が1.95になる(つまり、1.85以上になる)という特性を有している。或いは、例えば、ZrO-Y(但し、Yの重量百分率が5wt%)から構成される誘電体膜131は、ガイドレーザ光LB1に対する屈折率が2.06になり(つまり、2.2以下になり)且つ記録再生レーザ光LB2に対する屈折率が2.11になる(つまり、1.85以上になる)という特性を有している。或いは、例えば、TiOとSiOとの混合物(但し、SiOの含有率が35mol%)から構成される誘電体膜131は、ガイドレーザ光LB1に対する屈折率が1.95になり(つまり、2.2以下になり)且つ記録再生レーザ光LB2に対する屈折率が2.08になる(つまり、1.85以上になる)という特性を有している。或いは、例えば、TiOとAlとの混合物(但し、Alの含有率が50mol%)から構成される誘電体膜131は、ガイドレーザ光LB1に対する屈折率が1.87になり(つまり、2.2以下になり)且つ記録再生レーザ光LB2に対する屈折率が1.91になる(つまり、1.85以上になる)という特性を有している。或いは、例えば、ZnSとSiOとの混合物(但し、SiOの含有率が20mol%)から構成される誘電体膜131は、ガイドレーザ光LB1に対する屈折率が2.14になり(つまり、2.2以下になり)且つ記録再生レーザ光LB2に対する屈折率が2.36になる(つまり、1.85以上になる)という特性を有している。或いは、例えば、ZnOとSnOとの混合物(但し、SnOの含有率が30mol%)から構成される誘電体膜131は、ガイドレーザ光LB1に対する屈折率が2.01になり(つまり、2.2以下になり)且つ記録再生レーザ光LB2に対する屈折率が2.195になる(つまり、1.85以上になる)という特性を有している。
 本実施例では、TiOとSiOとの混合物が、誘電体膜131の材料として用いられることが好ましい。つまり、誘電体膜131は、TiOとSiOとの混合物であることが好ましい。特に、この場合には、SiOの含有率が15mol%以上且つ59mol%以下であることが好ましい。言い換えれば、SiOの含有率の下限値が15mol%であり且つSiOの含有率の上限値が59mol%であることが好ましい。その理由について、以下に簡単に説明する。ガイドレーザ光LB1に対する誘電体膜131の屈折率及び記録再生レーザ光LB2に対する誘電体膜131の屈折率は、共に、誘電体膜131中のSiOの含有率が増加するにつれて低下する。ここで、SiOの含有率が15mol%となった時点で、ガイドレーザ光LB1の屈折率が2.2となる。従って、ガイドレーザ光LB1の屈折率を2.2以下にするためには、SiOの含有率が15mol%以上となることが好ましい。加えて、SiOの含有率が59mol%となった時点で、記録再生レーザ光LB2の屈折率が1.85となる。従って、記録再生レーザ光LB2の屈折率を1.85以上にするためには、SiOの含有率が59mol%以下となることが好ましい。但し、SiOの含有率の下限値は、上述した「15mol%」という数値に対して所定のマージン(つまり、実質的には15mol%と同視し得る程度の誤差)γ1が考慮された上で設定されてもよい。同様に、SiOの含有率の上限値は、上述した「59mol%」という数値に対して所定のマージン(つまり、59mol%と同視し得る程度の誤差)γ2が考慮された上で設定されてもよい。従って、SiOの含有率は、15±γ1mol%≦SiOの含有率≦59±γ2mol%の条件を満たしていてもよい。
 また、上述した屈折率の条件を満たす誘電体膜131を実現するために、誘電体膜131は、ガイドレーザ光LB1に対する消衰係数が0.05以下になるという特性を有していることが好ましい。言い換えれば、ガイドレーザ光LB1に対する誘電体膜131の消衰係数の上限値が、0.05であることが好ましい。
 また、上述した屈折率の条件を満たす誘電体膜131を実現するために、誘電体膜131は、記録再生レーザ光LB2に対する消衰係数が0.05以下になるという特性を有していることが好ましい。記録再生レーザ光LB2に対する誘電体膜131の消衰係数の上限値が、0.05であることが好ましい。
 尚、消衰係数の上限値は、上述した「0.05」という数値に対して所定のマージン(つまり、実質的には0.05と同視し得る程度の誤差)δが考慮された上で設定されてもよい。つまり、消衰係数の上限値は、0.05±δであってもよい。
 また、上述した屈折率の条件を満たす誘電体膜131を実現するために、誘電体膜131の膜厚は、20nm以上であって且つ110nmであることが好ましい。好ましくは言い換えれば、誘電体膜131の膜厚の下限値が20nmであり且つ誘電体膜131の膜厚の上限値が110nmであることが好ましい。
 尚、誘電体膜131の膜厚の下限値は、上述した「20nm」という数値に対して所定のマージン(つまり、実質的には20nmと同視し得る程度の誤差)φ1が考慮された上で設定されてもよい。同様に、誘電体膜の厚さの上限値は、上述した「110nm」という数値に対して所定のマージン(つまり、実質的には110nmと同視し得る程度の誤差)φ2が考慮された上で設定されてもよい。従って、誘電体膜は、20±φ1nm≦誘電体膜の厚さ≦110nm±φ2nmの条件を満たしていてもよい。
 また、誘電体膜131は、記録層13の変調度(つまり、記録再生レーザ光LB2の照射によって記録層13にデータが記録される場合の変調度)が40%以上となるという特性を有していることが好ましい。言い換えれば、記録層13の変調度の下限値が、40%であることが好ましい。
 尚、変調度の下限値は、上述した「40%」という数値に対して所定のマージン(つまり、実質的には40%と同視し得る程度の誤差)εが考慮された上で設定されてもよい。つまり、変調度の下限値は、40±ε%であってもよい。
 ここで、記録再生レーザ光LB2に対する誘電体膜131の屈折率が1.85以上になる場合には、変調度が40%以上になることが多い。というのも、記録再生レーザ光LB2に対する誘電体膜131の屈折率が増加するにつれて、変調度もまた増加していくが。記録再生レーザ光LB2に対する誘電体膜131の屈折率が1.85となった時点で、変調度が40%となるからである。従って、記録再生レーザ光LB2に対する誘電体膜131の屈折率が1.85以上になる場合には、変調度が40%以上になることが多い。
 以上説明した特性を有する誘電体膜131を有する複数の記録層13の夫々は、(i-1)ガイドレーザ光LB1の反射率を抑制し(例えば、反射率を所定値(例えば、10%)以下に設定し)且つ(i-2)記録再生レーザ光LB2の反射率を抑制する(例えば、反射率を所定値(例えば、3%)以下に設定する)一方で、(ii-1)ガイドレーザ光LB1の透過率を確保し(例えば、透過率を所定値(例えば、85%)以上に設定し)且つ(ii-2)記録再生レーザ光LB2の透過率を確保する(例えば、透過率を所定値(例えば、80%)以上に設定する)という条件を満たすことができる。尚、ここでいう「反射率」及び「透過率」は、いずれも、記録再生レーザ光LB2の照射によって記録膜132が溶融していない状態での反射率及び透過率を意味する。その結果、このような記録層13を備える光ディスク11に対する記録動作及び再生動作の少なくとも一方を行う記録再生装置101は、ガイドレーザ光LB1の戻り光を用いたトラッキング制御を行いながら、記録再生レーザ光LB2を用いた複数の記録層13に対する記録動作及び再生動作の少なくとも一方を好適に(言い換えれば、高品質に)行うことができる。
 (5)ガイド層の具体例
 続いて、図4から図10を参照して、ガイド層12の具体例について、上述した特性を有していない反射膜125を備える比較例と対比させながら説明する。図4は、第1具体例のガイド層12aを示す断面図である。図5は、第2具体例のガイド層12bを示す断面図である。図6は、第3具体例のガイド層12cを示す断面図である。図7は、第4具体例のガイド層12dを示す断面図である。図8は、第1比較例のガイド層12eを示す断面図である。図9は、第2比較例のガイド層12fを示す断面図である。図10は、第1具体例のガイド層12aの特性、第2具体例のガイド層12bの特性、第3具体例のガイド層12cの特性及び第4具体例のガイド層12dの特性、並びに、第1比較例のガイド層12eの特性及び第2比較例のガイド層12fの特性を示す表である。
 (5-1)第1具体例
 図4に示すように、第1具体例のガイド層12aは、TiOから構成され且つ膜厚が47.5nmである誘電体膜121と、BiGeOから構成され且つ膜厚が12.5nmである記録膜122と、Feから構成され且つ膜厚が2nmである光吸収膜123と、TiOから構成され且つ膜厚が30nmである誘電体膜124と、Agから構成され且つ膜厚が11nmである反射膜125が積層された積層構造を有している。
 尚、第1具体例のガイド層12aは、以下の条件で、トラックピッチが0.64μmとなり且つグルーブ溝の深さが52.5nmとなるランドグルーブ構造を有する基板17上に形成された。誘電体膜121及び124の夫々は、90sccmで供給され且つガス圧力が0.63Paのアルゴンガスをスパッタリングガスとして用いながら、高周波投入電力を500Wに設定したRFスパッタ法で形成された。記録膜122は、75sccmで供給されるアルゴンガス及び15sccmで供給される酸素ガスから構成されるガス圧力が0.58Paの混合ガスをスパッタリングガスとして用いながら、高周波投入電力を150Wに設定したRFスパッタ法で形成された。光吸収膜123は、90sccmで供給されるアルゴンガス及び1sccmで供給される酸素ガスから構成されるガス圧力が0.65Paの混合ガスをスパッタリングガスとして用いながら、高周波投入電力を500Wに設定したRFスパッタ法で形成された。反射膜125は、12sccmで供給されるアルゴンガスをスパッタリングガスとして用いながら、投入電力を750Wに設定したDCスパッタ法で形成された。
 図10に示すように、第1具体例のガイド層12aが備える反射膜125は、記録再生LB2に対する屈折率が0.2になり且つガイドレーザ光LB1に対する屈折率が0.16になるという特性を有している。また、第1具体例のガイド層12aが備える反射膜125は、記録再生レーザ光LB2に対する消衰係数が2.44になり且つガイドレーザ光LB1に対する消衰係数が4.8になるという特性を有している。
 加えて、図10に示すように、第1具体例のガイド層12aが備える誘電体膜121及び誘電体膜124の夫々は、記録再生レーザ光LB2に対する屈折率が2.55になる(つまり、2.0以上になる)という特性を有している。
 このような第1具体例のガイド層12aに対して記録動作を行った際の反射率及び変調度を測定した。尚、記録動作は、開口率NAが0.85となる光学系を介してガイド層12aに照射される、波長が405nmとなる記録再生レーザLB2を用いて行われた。また、記録動作は、開口率NAが0.85となる光学系を介してガイド層12aに照射される、波長が405nmとなる記録再生レーザLB2の戻り光に基づくトラッキング制御を行いながら行われた。また、記録動作は、線速度が7.68m/sであり、データビット長87.39nmであり、且つ変調方式が1-7変調であるという条件でランダム信号の記録を行った。
 その結果、第1具体例のガイド層12aでは、(i)ガイドレーザ光LB1の反射率が27%になり且つ(ii)記録再生レーザ光LB2の反射率が4.5%になるという条件を満たす。つまり、第1具体例のガイド層12aは、(i)ガイドレーザ光LB1の反射率が20%以上になり且つ(ii)記録再生レーザ光LB2の反射率が5%以下になるという条件を満たす。加えて、第1具体例のガイド層12aの変調度は、74.6%になる。つまり、第1具体例のガイド層12aは、変調度が40%以上になるという条件を満たす。
 (5-2)第2具体例
 図5に示すように、第2具体例のガイド層12bは、TiO-SiOから構成され且つ膜厚が75nmである誘電体膜121と、BiGeOから構成され且つ膜厚が10nmである記録膜122と、Feから構成され且つ膜厚が2nmである光吸収膜123と、TiO-SiOから構成され且つ膜厚が30nmである誘電体膜124と、Agから構成され且つ膜厚が11nmである反射膜125が積層された積層構造を有している。
 尚、第2具体例のガイド層12bは、以下の条件で、トラックピッチが0.64μmとなり且つグルーブ溝の深さが52.5nmとなるランドグルーブ構造を有する基板17上に形成された。誘電体膜121及び124の夫々は、90sccmで供給され且つガス圧力が0.63Paのアルゴンガスをスパッタリングガスとして用いながら、高周波投入電力を750Wに設定したRFスパッタ法で形成された。記録膜122、光吸収膜123及び反射膜125は、第1具体例と同様の態様で形成された。
 図10に示すように、第2具体例のガイド層12bが備える反射膜125は、記録再生LB2に対する屈折率が0.2になり且つガイドレーザ光LB1に対する屈折率が0.16になるという特性を有している。また、第2具体例のガイド層12bが備える反射膜125は、記録再生レーザ光LB2に対する消衰係数が2.44になり且つガイドレーザ光LB1に対する消衰係数が4.8になるという特性を有している。
 加えて、図10に示すように、第2具体例のガイド層12bが備える誘電体膜121及び誘電体膜124の夫々は、記録再生レーザ光LB2に対する屈折率が2.05になる(つまり、2.0以上になる)という特性を有している。
 このような第2具体例のガイド層12bに対して記録動作を行った際の反射率及び変調度を測定した。尚、記録動作は、第1具体例と同様の条件下で行われた。
 その結果、第2具体例のガイド層12bでは、(i)ガイドレーザ光LB1の反射率が27.1%になり且つ(ii)記録再生レーザ光LB2の反射率が3.35%になる。つまり、第2具体例のガイド層12bは、(i)ガイドレーザ光LB1の反射率が20%以上になり且つ(ii)記録再生レーザ光LB2の反射率が5%以下になるという条件を満たす。加えて、第2具体例のガイド層12bの変調度は、43.6%になる。つまり、第2具体例のガイド層12bは、変調度が40%以上になるという条件を満たす。
 (5-3)第3具体例
 図6に示すように、第3具体例のガイド層12cは、TiOから構成され且つ膜厚が50nmである誘電体膜121と、BiGeOから構成され且つ膜厚が10nmである記録膜122と、Feから構成され且つ膜厚が2nmである光吸収膜123と、TiOから構成され且つ膜厚が30nmである誘電体膜124と、Auから構成され且つ膜厚が20nmである反射膜125が積層された積層構造を有している。
 尚、第3具体例のガイド層12cは、以下の条件で、トラックピッチが0.64μmとなり且つグルーブ溝の深さが52.5nmとなるランドグルーブ構造を有する基板17上に形成された。誘電体膜121、記録膜122、光吸収膜123及び誘電体膜124は、第1具体例と同様の態様で形成された。反射膜125は、90sccmで供給されるアルゴンガスをスパッタリングガスとして用いながら、投入電力を150Wに設定したDCスパッタ法で形成された。
 図10に示すように、第3具体例のガイド層12cが備える反射膜125は、記録再生LB2に対する屈折率が1.68になり且つガイドレーザ光LB1に対する屈折率が0.26になるという特性を有している。また、第3具体例のガイド層12cが備える反射膜125は、記録再生レーザ光LB2に対する消衰係数が1.97になり且つガイドレーザ光LB1に対する消衰係数が3.83になるという特性を有している。
 加えて、図10に示すように、第3具体例のガイド層12cが備える誘電体膜121及び誘電体膜124の夫々は、記録再生レーザ光LB2に対する屈折率が2.55になる(つまり、2.0以上になる)という特性を有している。
 このような第3具体例のガイド層12cに対して記録動作を行った際の反射率及び変調度を測定した。尚、記録動作は、第1具体例と同様の条件下で行われた。
 その結果、第3具体例のガイド層12cでは、(i)ガイドレーザ光LB1の反射率が38.89%になり且つ(ii)記録再生レーザ光LB2の反射率4.78%になる。つまり、第3具体例のガイド層12cは、(i)ガイドレーザ光LB1の反射率が20%以上になり且つ(ii)記録再生レーザ光LB2の反射率が5%以下になるという条件を満たす。加えて、第3具体例のガイド層12cの変調度は、54%になる。つまり、第3具体例のガイド層12cは、変調度が40%以上になるという条件を満たす。
 (5-4)第4具体例
 図7に示すように、第4具体例のガイド層12dは、TiO-SiOから構成され且つ膜厚が75nmである誘電体膜121と、BiGeOから構成され且つ膜厚が10nmである記録膜122と、Feから構成され且つ膜厚が2nmである光吸収膜123と、TiO-SiOから構成され且つ膜厚が30nmである誘電体膜124と、Auから構成され且つ膜厚が25nmである反射膜125が積層された積層構造を有している。
 尚、第4具体例のガイド層12dは、以下の条件で、トラックピッチが0.64μmとなり且つグルーブ溝の深さが52.5nmとなるランドグルーブ構造を有する基板17上に形成された。誘電体膜121、記録膜122、光吸収膜123及び誘電体膜124は、第2具体例と同様の態様で形成された。反射膜125は、第3具体例と同様の態様で形成された。
 図10に示すように、第4具体例のガイド層12dが備える反射膜125は、記録再生LB2に対する屈折率が1.68になり且つガイドレーザ光LB1に対する屈折率が0.26になるという特性を有している。また、第4具体例のガイド層12dが備える反射膜125は、記録再生レーザ光LB2に対する消衰係数が1.97になり且つガイドレーザ光LB1に対する消衰係数が3.83になるという特性を有している。
 加えて、図10に示すように、第4具体例のガイド層12dが備える誘電体膜121及び誘電体膜124の夫々は、記録再生レーザ光LB2に対する屈折率が2.05になる(つまり、2.0以上になる)という特性を有している。
 このような第4具体例のガイド層12dに対して記録動作を行った際の反射率及び変調度を測定した。尚、記録動作は、第1具体例と同様の条件下で行われた。
 その結果、第4具体例のガイド層12dでは、(i)ガイドレーザ光LB1の反射率が32.2%になり且つ(ii)記録再生レーザ光LB2の反射率4.52%になる。つまり、第4具体例のガイド層12dは、(i)ガイドレーザ光LB1の反射率が20%以上になり且つ(ii)記録再生レーザ光LB2の反射率が5%以下になるという条件を満たす。加えて、第4具体例のガイド層12dの変調度は、48.1%になる。つまり、第4具体例のガイド層12dは、変調度が40%以上になるという条件を満たす。
 (5-5)第1比較例
 図8に示すように、第1比較例のガイド層12eは、TiOから構成され且つ膜厚が55nmである誘電体膜121と、BiGeOから構成され且つ膜厚が10nmである記録膜122と、Feから構成され且つ膜厚が2nmである光吸収膜123と、TiOから構成され且つ膜厚が35nmである誘電体膜124と、Alから構成され且つ膜厚が8nmである反射膜125が積層された積層構造を有している。
 尚、第1比較例のガイド層12eは、以下の条件で、トラックピッチが0.64μmとなり且つグルーブ溝の深さが52.5nmとなるランドグルーブ構造を有する基板17上に形成された。誘電体膜121、記録膜122、光吸収膜123及び誘電体膜124は、第1具体例と同様の態様で形成された。反射膜125は、15sccmで供給されるアルゴンガスをスパッタリングガスとして用いながら、投入電力を2kWに設定したDCスパッタ法で形成された。
 図10に示すように、第1比較例のガイド層12eが備える反射膜125は、記録再生LB2に対する屈折率が0.47になり且つガイドレーザ光LB1に対する屈折率が1.27になるという特性を有している。つまり、第1比較例のガイド層12eが備える反射膜125は、ガイドレーザ光LB1に対する屈折率が記録再生LB2に対する屈折率よりも小さくなるという特性を有していない。また、第1比較例のガイド層12eが備える反射膜125は、記録再生レーザ光LB2に対する消衰係数が4.25になり且つガイドレーザ光LB1に対する消衰係数が6.44になるという特性を有している。
 加えて、図10に示すように、第1比較例のガイド層12eが備える誘電体膜121及び誘電体膜124の夫々は、記録再生レーザ光LB2に対する屈折率が2.55になる(つまり、2.0以上になる)という特性を有している。
 このような第1比較例のガイド層12eに対して記録動作を行った際の反射率及び透過率並びに変調度を測定した。尚、記録動作は、第1具体例と同様の条件下で行われた。
 その結果、第1比較例のガイド層12eでは、記録再生レーザ光LB2の反射率が3.38%になる。つまり、第1比較例のガイド層12eは、記録再生レーザ光LB2の反射率が3%以下になるという条件を満たす。加えて、第1比較例のガイド層12eの変調度は、56%になる。つまり、第1比較例のガイド層12eは、変調度が40%以上になるという条件を満たす。
 しかしながら、第1比較例のガイド層12eでは、ガイドレーザ光LB1の反射率が16.5%になる。つまり、第1比較例のガイド層12eは、ガイドレーザ光LB1の反射率が20%以上になるという条件を満たさない。従って、第1比較例のガイド層12eに対しては、ガイドレーザ光LB1の戻り光から適切なプッシュプル信号を取得でき、且つ、複数の記録層13に対する干渉を避けながら、記録再生レーザ光LB1を用いたガイド層12に対するデータの記録動作及び再生動作を好適に行うことができるとは限らない。
 (4-6)第2比較例
 図9に示すように、第2比較例のガイド層12fは、TiO-SiOから構成され且つ膜厚が75nmである誘電体膜121と、BiGeOから構成され且つ膜厚が10nmである記録膜122と、Feから構成され且つ膜厚が2nmである光吸収膜123と、TiO-SiOから構成され且つ膜厚が35nmである誘電体膜124と、Alから構成され且つ膜厚が8nmである反射膜125が積層された積層構造を有している。
 尚、第2比較例のガイド層12fは、以下の条件で、トラックピッチが0.64μmとなり且つグルーブ溝の深さが52.5nmとなるランドグルーブ構造を有する基板17上に形成された。誘電体膜121、記録膜122、光吸収膜123及び誘電体膜124は、第2具体例と同様の態様で形成された。反射膜125は、第1比較例と同様の態様で形成された。
 図10に示すように、第2比較例のガイド層12fが備える反射膜125は、記録再生LB2に対する屈折率が0.47になり且つガイドレーザ光LB1に対する屈折率が1.27になるという特性を有している。つまり、第2比較例のガイド層12fが備える反射膜125は、ガイドレーザ光LB1に対する屈折率が記録再生LB2に対する屈折率よりも小さくなるという特性を有していない。また、第2比較例のガイド層12fが備える反射膜125は、記録再生レーザ光LB2に対する消衰係数が4.25になり且つガイドレーザ光LB1に対する消衰係数が6.44になるという特性を有している。
 加えて、図10に示すように、第2比較例のガイド層12fが備える誘電体膜121及び誘電体膜124の夫々は、記録再生レーザ光LB2に対する屈折率が2.05になる(つまり、2.0以上になる)という特性を有している。
 このような第2比較例のガイド層12fに対して記録動作を行った際の反射率及び透過率並びに変調度を測定した。尚、記録動作は、第1具体例と同様の条件下で行われた。
 その結果、第2比較例のガイド層12fでは、ガイドレーザ光LB1の反射率が16.8%になる。つまり、第2比較例のガイド層12fは、ガイドレーザ光LB1の反射率が20%以上になるという条件を満たさない。加えて、第2比較例のガイド層12fでは、記録再生レーザ光LB2の反射率が5.97%になる。つまり、第2比較例のガイド層12fは、記録再生レーザ光LB2の反射率が5%以下になるという条件を満たさない。加えて、第2比較例のガイド層12eの変調度は、29.9%になる。つまり、第2比較例のガイド層12fは、変調度が40%以上になるという条件を満たさない。従って、第2比較例のガイド層12fに対しては、ガイドレーザ光LB1の戻り光から適切なプッシュプル信号を取得でき、且つ、複数の記録層13に対する干渉を避けながら、記録再生レーザ光LB1を用いたガイド層12に対するデータの記録動作及び再生動作を好適に行うことができるとは限らない。
 尚、以上の第1具体例から第4具体例を比較すると、誘電体膜121及び124の夫々の屈折率が大きいほど、変調度が大きくなっていることが分かる。従って、誘電体膜121及び124の夫々の屈折率は大きいほど好ましいとも言える。但し、誘電体膜121及び124がTiO-SiOによって比較的容易に実現されることを考慮すれば、誘電体膜121及び124の夫々の屈折率は、TiO-SiOによって実現される2.05以上であることが好ましい。或いは、誘電体膜121及び124がTiOによって比較的容易に実現されることを考慮すれば、誘電体膜121及び124の夫々の屈折率は、TiOによって実現される2.55以上であることがより好ましい。一方で、本願発明者等の実験によれば、誘電体膜121及び124を構成する材料との兼ね合い(つまり、誘電体膜121及び124の実現容易性等)を踏まえた上での誘電体膜121及び124の夫々の屈折率は、2.3以上であることがより好ましい。
 (6)記録再生装置
 続いて、図11を参照して、本実施例の記録再生装置101について説明する。図11は、記録再生装置101の基本構成を示すブロック図である。
 図11に示すように、記録再生装置101は、ディスクドライブとして構成されている。記録再生装置101は、ホストコンピュータ201と接続されている。記録再生装置101は、光ピックアップ(PU:Pick Up)102、信号記録再生手段103、スピンドルモータ104、バス106、CPU(ドライブ制御部)111、メモリ112及びデータ入出力部113を備える。
 ここで、図12を参照しながら、光ピックアップ102の構成についてより詳細に説明する。図12は、光ピックアップ102の構成を示すブロック図である。
 図12に示すように、光ピックアップ102は、赤色レーザダイオードである光源LD1と、青色レーザダイオードである光源LD2を備えている。光源LD1からはガイドレーザ光LB1が出射され、光源LD2からは記録再生レーザ光LB2が出射される。
 光源LD1から出射されたガイドレーザ光LB1は、偏向ビームスプリッタ(PBS)、4分の1波長板(1/4WP)、対物レンズ102L等を介して、光ディスク11のガイド層12に集光される。ガイドレーザ光LB1のガイド層12からの戻り光は、対物レンズ102L、4分の1波長板、偏向ビームスプリッタ等を介して、受光素子PD1に入射する。
 光源LD2から出射された記録再生レーザ光LB2は、偏向ビームスプリッタ(PBS)、4分の1波長板、対物レンズ102L等を介して、光ディスク11の複数の記録層13のうち、記録対象又は再生対象である所望の記録層13に集光される。記録再生レーザ光LB2の戻り光は、対物レンズ102L、4分の1波長板、偏向ビームスプリッタ等を介して、受光素子PD2に入射する。
 尚、受光素子PD1及びPD2は、典型的には、二分割或いは四分割のCCD等の受光素子である。
 再び図11において、ホストコンピュータ201は、操作/表示制御部202、操作ボタン203、表示パネル204、バス206、CPU211、メモリ212及びデータ入出力制御部213を備えて構成される。記録時には、記録すべき記録データが、データ入出力制御部213から記録再生装置101へ入力される。再生時には、記録再生装置101から再生された記録データが、データ入出力制御部213を経て出力される。
 メモリ112及びメモリ212は、(i)記録再生装置101におけるCPU111等の各要素、及びホストコンピュータ201におけるCPU211等の各要素を、後述する記録再生動作が行われるように制御するためのコンピュータプログラム、並びに(ii)記録再生動作に必要な、制御データ、処理中データ、処理済みデータ等の各種データを、バス106、バス206等を介して一時的又は恒久的に保存するために適宜用いられる。
 また、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う記録媒体及び記録再生装置もまた本発明の技術思想に含まれる。
 11 光ディスク
 12 ガイド層
 121 誘電体膜
 122 記録膜
 123 光吸収膜
 124 誘電体膜
 125 反射膜
 13 記録層
 131 誘電体膜
 132 記録膜
 133 光吸収膜
 134 誘電体膜
 14 カバー層
 15 スペーサ層
 16 2P層
 17 基板
 101 記録再生装置
 LB1 ガイドレーザ光
 LB2 記録再生レーザ光

Claims (15)

  1.  630nmから680nmの範囲に含まれる波長を有するガイドレーザ光が照射されるガイドトラックが形成されているガイド層と、
     400nmから410nmの範囲に含まれる波長を有する記録再生レーザ光が照射される記録層と
     が積層されており、
     前記ガイド層は、(i)記録膜と、(ii)誘電体膜と、(iii)反射膜とが積層された積層構造を有しており、
     前記ガイドレーザ光に対する前記反射膜の屈折率が、前記記録再生レーザ光に対する前記反射膜の屈折率よりも小さく、
     前記記録再生レーザ光に対する前記誘電体膜の屈折率が2.0以上であることを特徴とする記録媒体。
  2.  前記反射膜は、単体金属及び合金の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。
  3.  前記反射膜は、(i)Ag単体、Au単体及びCu単体、並びに(ii)Agを含む合金、Auを含む合金及びCuを含む合金のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項2に記載の記録媒体。
  4.  前記誘電体膜は、無機化合物及び無機化合物の混合物の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の記録媒体。
  5.  前記誘電体膜は、(i)Znの酸化物、Nbの酸化物、Tiの酸化物、Snの酸化物若しくはSiの酸化物、又は(ii)Znの硫化物を含むことを特徴とする請求項4に記載の記録媒体。
  6.  前記誘電体膜は、(i)Znの酸化物、Nbの酸化物、Tiの酸化物、Snの酸化物及びSiの酸化物、並びに(ii)Znの硫化物のうちの少なくとも二つの混合物を含むことを特徴とする請求項4に記載の記録媒体。
  7.  前記ガイドレーザ光に対する前記誘電体膜の消衰係数が0.05以下であり、
     前記記録再生レーザ光に対する前記誘電体膜の消衰係数が0.05以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録媒体。
  8.  前記記録再生レーザ光の照射によって前記記録膜の特性が変化することで前記ガイド層に記録されたデータの変調度が40%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録媒体。
  9.  前記ガイド層は、前記誘電体膜との間に前記記録膜を挟み込むように配置される他の誘電体膜を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録媒体。
  10.  前記ガイド層は、前記記録膜、前記誘電体膜及び前記反射膜と共に前記積層構造を形成する光吸収膜を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録媒体。
  11.  前記光吸収膜は、Feの酸化物を主成分とすることを特徴とする請求項10に記載の記録媒体。
  12.  前記記録膜は、Bi及びOを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の記録媒体。
  13.  前記ガイド層には、溝構造が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録媒体。
  14.  前記記録層を複数備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録媒体。
  15.  請求項1又は2に記載の記録媒体に対して記録動作及び再生動作のうちの少なくとも一方を行うことを特徴とする記録再生装置。
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