WO2014024917A1

WO2014024917A1 - 携帯端末装置および携帯端末装置の制御方法

Info

Publication number: WO2014024917A1
Application number: PCT/JP2013/071349
Authority: WO
Inventors: 賢一平子; 真一大成; 早紀山▲崎▼; 神井　敏宏; 佳奈政木
Original assignee: 京セラ株式会社
Priority date: 2012-08-10
Filing date: 2013-08-07
Publication date: 2014-02-13
Also published as: US20140235228A1; US8971870B2; US20150201379A1; US9565638B2

Abstract

【課題】ユーザに手間を掛けさせることなく、バッテリーの消耗を抑えることが可能となる携帯端末装置を提供する。【解決手段】携帯電話機１は、通信部１９と、通信部１９を介してアプリケーションによるバックグラウンド通信を行う制御部１１と、を備える。制御部１１は、アプリケーションのフォアグラウンドでの起動履歴に基づいて、バックグラウンド通信を制限する。制御部１１は、アプリケーション毎に、そのアプリケーションのフォアグラウンドでの起動履歴に基づいてバックグラウンド通信が不要であるか否かを判定する判定部２１と、バックグラウンド通信が不要と判定されたアプリケーションについて、前記バックグラウンド通信を許可する第１の設定から前記バックグラウンド通信を制限する第２の設定へ通信設定を切り替える設定切替部２２と、を含む。

Description

携帯端末装置および携帯端末装置の制御方法

　本発明は、携帯電話機、ＰＤＡ（Personal Digital Assistant）、タブレットＰＣ（Tablet PC）、電子書籍端末等の携帯端末装置に関する。また、本発明は、かかる携帯端末装置に用いて好適な制御方法に関する。

　近年、携帯電話機等の携帯端末装置では、複数のアプリケーションプログラム（以下、単に「アプリケーション」という）を同時に実行することができる。

　かかる携帯端末装置では、実行画面が表示面に表示されず、ユーザの操作対象とならない状態で実行されているアプリケーション、即ち、バックグラウンドで実行されているアプリケーションにおいて、データの更新等のために、定期的に外部の通信機器との間でデータ通信が行われる。このようなバックグラウンドで行われるデータ通信（以下、「バックグラウンド通信」という）の通信量が多くなると、電力消費が多くなるため、携帯端末装置のバッテリーが消耗しやすくなる。

　データの更新等が不要なアプリケーションについて、バックグラウンド通信の設定をオフにすることにより、バッテリーの消耗を抑えることができる。

　しかしながら、従来の携帯端末装置では、ユーザが手動でアプリケーション毎にバックグラウンド通信の設定をオンからオフに切り替える操作を行わなければならない。このような操作は、ユーザにとって手間となる。

　そこで、ユーザに手間を掛けさせることなく、バッテリーの消耗を抑えることが可能となる携帯端末装置および携帯端末装置の制御方法を提供することが望まれる。

　本発明の第１の態様に係る携帯端末装置は、通信部と、前記通信部を介してアプリケーションによるバックグラウンド通信を行う制御部と、を備える。ここで、前記制御部は、前記アプリケーションのフォアグラウンドでの起動履歴に基づいて、前記バックグラウンド通信を制限する。

　本発明の第２の態様は、アプリケーションによるバックグラウンド通信を行う携帯端末装置の制御方法に関する。本態様に係る制御方法は、前記アプリケーションのフォアグラウンドでの起動履歴を参照するステップと、前記起動履歴に基づいて前記バックグラウンド通信を制限するステップと、を含む。

　本発明によれば、ユーザに手間を掛けさせることなく、バッテリーの消耗を抑えることが可能となる。

　本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明によりさらに明らかとなろう。ただし、以下の実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。

第１の実施形態に係る、携帯電話機の構成を示す図である。第１の実施形態に係る、携帯電話機の全体構成を示すブロック図である。第１の実施形態に係る、通信設定データベースの構成を示す図である。第１の実施形態に係る、バックグラウンド通信の自動除処理および自動再開処理を示すフローチャートである。第１の実施形態に係る、バックグラウンド通信の一時再開処理を示すフローチャートである。第１の実施形態の変更例１に係る、通信設定データベースの構成を示す図である。変更例１に係る、バックグラウンド通信の自動除処理および自動再開処理を示すフローチャートである。第１の実施形態の変更例２に係る、携帯電話機の全体構成を示すブロック図である。変更例２に係る、オフ時刻記憶処理および規定期間延長処理を示すフローチャートである。第１の実施形態の変更例３に係る、携帯電話機の全体構成を示すブロック図である。変更例３に係る、除外設定処理を示すフローチャート、および除外設定処理において、表示面に表示される除外対象設定画面の一例を示す図である。第１の実施形態の変更例４に係る、バックグラウンド通信の一時再開処理を示すフローチャートである。変更例４に係る、表示面に表示される通知ウィンドウの一例を示す図である。第１の実施形態の変更例５に係る、携帯電話機の全体構成を示すブロック図である。変更例５に係る、広告ブロック処理について説明するための図である。第１の実施形態のその他の変更例に係る、通信設定データベースの構成を示す図である。その他の変更例に係る、バックグラウンド通信の自動解除処理を示すフローチャートである。第２の実施形態に係る、携帯電話機の全体構成を示すブロック図である。第２の実施形態の実施例１に係る、起動履歴データベースおよび通信設定テーブルの構成を示す図である。実施例１に係る、起動日時登録処理を示すフローチャートである。実施例１に係る、通信制限処理を示すフローチャートである。実施例１に係る、あるアプリケーションにおける、ある週のバックグラウンド通信の実行状況を例示した図である。実施例１の変更例１に係る、送信または受信の一方を制限する通信処理を示すフローチャートおよび時間帯に応じてバックグラウンド通信を制限する通信処理を示すフローチャートである。実施例１の変更例１に係る、表示部の点灯状況に応じてバックグラウンド通信を制限する通信処理を示すフローチャートおよび携帯電話機が操作された後の経過時間に応じてバックグラウンド通信を制限する通信処理を示すフローチャートである。実施例１の変更例２に係る、通信制限処理を示すフローチャートである。第２の実施形態の実施例２に係る、通信制限処理を示すフローチャートである。実施例２に係る、あるアプリケーションにおける、ある日のバックグラウンド通信の実行状況を例示した図である。第２の実施形態の実施例３に係る、接続履歴データベースおよび通信設定テーブルの構成を示す図である。実施例３に係る、接続日時登録処理を示すフローチャートである。実施例３に係る、通信制限処理を示すフローチャートである。実施例３の変更例に係る、通信制限処理を示すフローチャートである。第２の実施形態の実施例４に係る、通信制限処理を示すフローチャートである。第２の実施形態のその他の変更例に係る、ユーザが除外対象のアプリケーションを設定するための画面の一例を示す図である。

　＜第１の実施形態＞
　以下、本発明の第１の実施形態について、図面を参照して説明する。

　図１は、携帯電話機１の構成を示す図である。図１（ａ）および（ｂ）は、それぞれ、携帯電話機１の正面図および背面図である。

　以下、説明の便宜上、図１に示すように、キャビネット２の長手方向を上下方向と定義し、キャビネット２の短手方向を左右方向と定義する。

　携帯電話機１は、キャビネット２と、表示面３と、マイクロフォン４と、通話スピーカ５と、キー操作部６と、電源キー７と、外部スピーカ８とを備えている。

　キャビネット２は、正面から見て、ほぼ長方形の輪郭を有する。キャビネット２の正面には、後述する表示部１３の表示面３が配されている。表示面３には、各種の画像（画面）が表示される。

　キャビネット２の内部には、下端部にマイクロフォン４が配されており、上端部に通話スピーカ５が配されている。マイクロフォン４には、キャビネット２の正面に形成されたマイク孔４ａを通じて音声が入力される。マイクロフォン４は、入力した音に応じた電気信号を生成する。通話スピーカ５からは、音声が出力される。出力された音声は、キャビネット２の正面に形成された出力孔５ａを通じて外部に放出される。

　キャビネット２の正面には、キー操作部６および電源キー７が設けられている。キー操作部６は、複数の操作キーから構成されている。各操作キーには、実行中のプログラムを操作するための各種の機能が割り当てられる。携帯電話機１の電源がオフされた状態で電源キー７が押されると、携帯電話機１の電源がオン状態とされる。携帯電話機１の電源がオン状態で電源キー７が一定時間以上押し続けられると、携帯電話機１の電源はオフされる。

　キャビネット２の内部には、外部スピーカ８が配されている。キャビネット２の背面には、外部スピーカ８に対応する出力孔８ａが形成されている。外部スピーカ８から出力された音（音声、報知音等）は、出力孔８ａを通じて外部に放出される。

　図２は、携帯電話機１の全体構成を示すブロック図である。携帯電話機１は、制御部１１と、記憶部１２と、表示部１３と、タッチ検出部１４と、音声入力部１５と、音声出力部１６と、音声処理部１７と、キー入力部１８と、通信部１９と、電源部２０とを備えている。

　記憶部１２は、ＲＯＭ、ＲＡＭ、外部メモリー等から構成される。記憶部１２には、各種のプログラムが記憶されている。記憶部１２に記憶されるプログラムは、携帯電話機１の各部を制御するための制御プログラムの他、各種アプリケーション（たとえば、電話、電子メール、地図、ゲーム、スケジュール管理、等）を含む。プログラムは、メーカによって携帯電話機１の製造時に記憶部１２に記憶される他、ユーザによって通信網や記憶媒体を介して記憶部１２に記憶される。

　記憶部１２には、プログラムの実行の際、一時的に利用または生成されるデータを記憶するワーキング領域も含まれる。

　制御部１１は、ＣＰＵ等から構成されている。制御部１１は、プログラムに従って、携帯電話機１を構成する各部（記憶部１２、表示部１３、タッチ検出部１４、音声入力部１５、音声出力部１６、音声処理部１７、キー入力部１８、通信部１９等）を制御する。

　表示部１３は、液晶ディスプレイ等から構成される。表示部１３は、制御部１１からの制御信号と画像信号に基づき、表示面３に画像（画面）を表示する。表示部１３は、液晶ディスプレイに限らず、有機ＥＬディスプレイ等、他の表示装置から構成されてもよい。

　タッチ検出部１４は、表示面３への指の接触を検出するタッチパネル等から構成されている。タッチパネルは、透明なシート状に形成され、表示面３上を覆いキャビネット２の正面に配される。タッチパネルは、静電容量式、超音波式、感圧式、抵抗膜式、光検知式等、各種方式のタッチパネルであってよい。

　タッチ検出部１４は、前記表示面３へのユーザによるタッチ操作を検出する。即ち、タッチ検出部１４は、指が触れた表示面３上の位置を入力位置として検出し、検出した入力位置に応じた位置信号を制御部１１へ出力する。

　ユーザは、表示面３に指を触れることにより各種のタッチ操作を行うことができる。タッチ操作の種類として、タップ操作、フリック操作、スライド操作等が挙げられる。タップ操作は、表示面３に指を接触させた後、短時間のうちに指を離す操作である。フリック操作は、表示面３を指で任意の方向に弾く操作である。スライド操作は、表示面３に指を接触させたまま任意の方向へ移動させる操作である。

　タッチ操作についてより具体的に説明する。たとえば、タッチ検出部１４により表示面３に対する入力位置が検出された後、予め定めた第１時間以内に入力位置が検出されなくなった場合、制御部１１によりタップ操作がなされたと判定される。タッチ検出部１４により表示面３に対する入力位置が検出され、予め定めた第２時間以内に予め定めた第１距離以上入力位置が移動した後、入力位置が検出されなくなった場合、制御部１１によりフリック操作がなされたと判定される。タッチ検出部１４により表示面３に対する入力位置が検出された後、予め定めた第２距離以上入力位置が移動すると、制御部１１によりスライド操作がなされたと判定される。

　音声入力部１５は、マイクロフォン４等から構成される。音声入力部１５は、マイクロフォン４からの電気信号を音声処理部１７へ出力する。

　音声出力部１６は、通話スピーカ５、外部スピーカ８等から構成される。音声出力部１６には、音声処理部１７からの電気信号が入力され、通話スピーカ５または外部スピーカ８から音（音声、報知音等）が出力される。

　音声処理部１７は、音声入力部１５からの電気信号にＡ／Ｄ変換等を施し、変換後のデジタルの音声信号を制御部１１へ出力する。音声処理部１７は、制御部１１からのデジタルの音声信号にデコード処理およびＤ／Ａ変換等を施し、変換後の電気信号を音声出力部１６に出力する。

　キー入力部１８は、キー操作部６の各操作キーが押下されたときに、押下された操作キーに応じた信号を制御部１１へ出力する。

　通信部１９は、通話や通信を行うため、信号を変換するための回路、電波を送受信するアンテナ等を備える。通信部１９は、制御部１１から入力される通話や通信のための信号を無線信号に変換し、変換された無線信号を、アンテナを介して基地局や他の通信装置等の通信先へ送信する。さらに、通信部１９は、アンテナを介して受信した無線信号を制御部１１が処理できる形式の信号へ変換し、変換された信号を制御部１１へ出力する。

　電源部２０は、バッテリーを含み、制御部１１等に電力を供給する。さらに、電源部２０は、バッテリーの電圧を検出する電圧検出部を含み、電圧検出部により検出された電圧が制御部１１へ出力される。制御部１１は、検出された電圧に基づいてバッテリーの残量を検出する。

　記憶部１２には、後述するバックグラウンド通信の自動解除処理および自動再開処理に用いられる通信設定データベース１２ａが記憶されている。

　図３は、通信設定データベース１２ａの構成を示す図である。通信設定データベース１２ａには、携帯電話機１に搭載されている各アプリケーションについて、アプリケーション名、フォアグラウンドで起動された最終の日時（以下、「最終起動日時」という）、通信設定フラグ、除外設定フラグの各データが記憶されている。

　通信設定フラグは、バックグラウンド通信を行うか否かを設定するためのフラグである。通信設定フラグは、自動解除処理および自動再開処理においてオンまたはオフに設定される。

　除外設定フラグは、その除外設定フラグに対応するアプリケーションを、バックグラウンド通信の自動解除処理の対象から除外するか否かを設定するためのフラグである。本実施の形態では、除外設定フラグは、製造時に予めメーカによりオンまたはオフに設定される。除外フラグがオンに設定されるアプリケーションは、たとえば、緊急情報を提供するサイトと定期的に通信を行うことにより緊急情報を取得して報知するアプリケーションなど、バックグラウンド通信が安易に制限されることが望ましくないアプリケーションである。

　通信設定データベース１２ａは、携帯電話機１が最初に起動したときに、制御部１１により作成される。携帯電話機１に新たなアプリケーションが追加されると、追加されたアプリケーションについて、上記各データが通信設定データベース１２ａに追加される。

　携帯電話機１では、複数のアプリケーションを同時に実行することができる。操作対象となるアプリケーションは、フォアグラウンドで実行され、その実行画面（操作画面）が表示面３に表示される。残りのアプリケーションは、その実行画面が表示面３に表示されることなく、バックグラウンドで実行される。

　制御部１１は、バックグラウンドで実行されているアプリケーションであって、バックグラウンド通信がオンに設定されている、即ち、通信設定データベース１２ａの設定フラグがオンに設定されているアプリケーションについて、定期的にバックグラウンド通信を実行し、アプリケーションに係るデータの更新などを行う。

　制御部１１は、アプリケーションのフォアグラウンドでの起動状況、すなわち起動履歴に応じて、バックグラウンド通信のオン・オフを自動で設定するための自動解除処理および自動再開処理を実行する。また、制御部１１は、バックグラウンド通信がオフ設定されたアプリケーションのバックグラウンド通信を携帯電話機１の充電期間に一時的に再開するための一時再開処理を実行する。

　制御部１１は、判定部２１、設定切替部２２を備える。判定部２１は、自動解除処理において、各アプリケーションについて、通信設定データベース１２ａに記憶された最終起動日時に基づいて、そのアプリケーションが規定期間以上フォアグラウンドで起動されていないか否かの判定を行う。

　設定切替部２２は、バックグラウンド通信に関する通信設定を、オン設定とオフ設定との間で切り替える。設定切替部２２は、自動解除処理において、判定部２１により規定期間以上フォアグラウンドで起動されていないと判定されたアプリケーションであって、除外対象に設定されていないアプリケーションについて、オン設定からオフ設定へ通信設定を切り替える。また、設定切替部２２は、自動再開処理において、オフ設定に切り替えられたアプリケーションが、フォアグラウンドで起動された場合に、オフ設定からオン設定へ通信設定を切り替える。さらに、設定切替部２２は、一時再開処理において、携帯電話機１が充電中である場合に、オフ設定に切り替えられたアプリケーションについて、オフ設定からオン設定へ通信設定を切り替える。

　図４（ａ）および（ｂ）は、それぞれ、バックグラウンド通信の自動除処理および自動再開処理を示すフローチャートである。

　まず、図４（ａ）を参照し、自動解除処理について説明する。自動解除処理は、一定間隔（たとえば、数分から十数分）で繰り返し実行される。

　制御部１１は、通信設定データベース１２ａの中から参照するアプリケーションを選出する（Ｓ１０１）。制御部１１は、選出したアプリケーションについて、除外設定フラグを確認することにより、そのアプリケーションが除外対象であるか否かを判定する（Ｓ１０２）。除外設定フラグがオフであり、選出されたアプリケーションが除外対象でなければ（Ｓ１０２：ＮＯ）、制御部１１（判定部２１）は、最終起動日時と現在の日時とに基づいて、そのアプリケーションがフォアグラウンドで起動されていない期間（以下、「不起動期間」という）が規定期間（たとえば、１週間）以上であるか否かを判定する（Ｓ１０３）。最終起動日時は、アプリケーションがフォアグラウンドで起動される度に、後述する自動再開処理において更新される。

　選出されたアプリケーションの不起動期間が規定期間以上である場合（Ｓ１０３：ＹＥＳ）、制御部１１は、通信設定フラグを確認することにより、バックグラウンド通信がオンに設定されているか否かを判定する（Ｓ１０４）。通信設定フラグがオンであり、バックグラウンド通信がオンに設定されていれば（Ｓ１０４：ＹＥＳ）、制御部１１（設定切替部２２）は、通信設定フラグをオフに設定することにより、バックグラウンド通信をオフに設定する（Ｓ１０５）。

　制御部１１は、通信設定データベース１２ａに登録された全てのアプリケーションを参照したか否かを判定する（Ｓ１０６）。選出されたアプリケーションが除外対象である場合（Ｓ１０２：ＹＥＳ）、選出されたアプリケーションの不起動期間が規定期間未満である場合（Ｓ１０３：ＮＯ）、および、不起動期間が規定期間以上であっても既にバックグラウンド通信がオフに設定されている場合（Ｓ１０４：ＮＯ）は、バックグラウンド通信の通信設定が切り替えられることなく、ステップＳ１０６に移行する。

　制御部１１は、全てのアプリケーションを参照していないと判定すると（Ｓ１０６：ＮＯ）、ステップＳ１０１の処理に戻って、次に参照するアプリケーションを選出する。制御部１１は、選出したアプリケーションについて、ステップＳ１０２からＳ１０５の処理を実行する。制御部１１は、全てのアプリケーションを参照し終えると（Ｓ１０６：ＹＥＳ）、処理を終了する。

　このようにして、自動解除処理が実行されることにより、規定期間以上、フォアグラウンドで起動されていないアプリケーションについて、自動的にバックグラウンド通信がオン設定からオフ設定に切り替えられる。バックグラウンド通信がオフ設定に切り替えられたアプリケーションについては、その後、バックグラウンド通信が行われない。

　次に、図４（ｂ）を参照し、自動再開処理について説明する。

　制御部１１は、何れかのアプリケーションがフォアグラウンドで起動されたか否かを判定する（Ｓ２０１）。終了中のアプリケーションが起動された場合、そのアプリケーションは、フォアグラウンドで起動される。バックグラウンドで実行されているアプリケーションをフォアグラウンドで起動するための所定操作がなされると、そのアプリケーションがフォアグラウンドで起動される。

　何れかのアプリケーションがフォアグラウンドで起動された場合（Ｓ２０１：ＹＥＳ）、制御部１１は、そのアプリケーションについて、バックグラウンド通信がオフに設定されているか否かを判定する（Ｓ２０２）。バックグラウンド通信がオフに設定されていれば（Ｓ２０２：ＹＥＳ）、制御部１１（設定切替部２２）は、通信設定フラグをオンに設定することにより、フォアグラウンドで起動されたアプリケーションのバックグラウンド通信をオンに設定する（Ｓ２０３）。

　バックグラウンド通信がオン設定に切り替えられたアプリケーションについては、その後、フォアグラウンドからバックグラウンドへ切り替えられた際に、バックグラウンド通信が再開される。

　さらに、制御部１１は、通信設定データベース１２ａにおいて、フォアグラウンドで起動されたアプリケーションの最終起動日時を、起動された日時に更新し（Ｓ２０４）、処理を終了する。その後直ちに、自動再開処理は再び実行され、アプリケーションのフォアグラウンドでの起動が監視される（Ｓ２０１）。

　なお、規定期間が、ユーザの設定操作により任意に設定されてもよい。

　アプリケーションがフォアグラウンドで起動されると、データの更新などを行うため、フォアグラウンドにおいて、制御部１１により、サーバ等、所定の機器との間でデータ通信が行われる。

　アプリケーションによっては、バックグラウンド通信が中断されていた後にフォアグラウンドでデータ通信が行われた場合に、大量の通信データが発生してしまうものもある。たとえば、ＳＮＳ（ソーシャル・ネットワーキング・サービス）に係るアプリケーションでは、サーバと携帯電話機１のデータの状態を一致させるために同期通信が行われる。このため、フォアグラウンドにおいてデータ通信が再開されたときに大量の通信データが発生しやすい。このような同期通信により、バッテリーを急激に消耗してしまう虞がある。

　そこで、本実施の形態では、制御部１１により、バックグラウンド通信の一時再開処理が実行される。バッテリーの消耗を気にする必要がない充電期間中は、一時的にバックグラウンド通信のオフ設定が解除され（オン設定に変更され）、バックグラウンド通信が可能となる。

　図５は、バックグラウンド通信の一時再開処理を示すフローチャートである。

　制御部１１は、携帯電話機１への充電が開始されたか否かを監視し（Ｓ３０１）、充電の開始を検出すると（Ｓ３０１：ＹＥＳ）、上述した自動解除処理の実行を中断させる（Ｓ３０２）。これにより、充電中にバックグラウンド通信がオン設定からオフ設定に切り替わることがなくなる。

　次に、制御部１１（設定切替部２２）は、バックグラウンド通信がオフに設定されているアプリケーションについて、通信設定をオフ設定からオン設定に切り替える（Ｓ３０３）。これにより、オン設定に切り替えられたアプリケーションのバックグラウンド通信が再開される。

　制御部１１は、充電が終了したか否か、即ち、携帯電話機１が商用電源から切り離されたか否かを監視する（Ｓ３０４）。充電が終了すると（Ｓ３０４：ＹＥＳ）、制御部１１（設定切替部２２）は、オン設定に切り替えられたアプリケーションについて、通信設定をオン設定からオフ設定に戻す（Ｓ３０５）。これにより、オフ設定に戻されたアプリケーションのバックグラウンド通信が再び制限される。

　制御部１１は、自動解除処理の実行を再開させ（Ｓ３０６）、処理を終了する。その後直ちに、一時再開処理は再び実行され、充電の開始が監視される（Ｓ３０１）。

　以上、本実施の形態によれば、ユーザに利用されていないアプリケーションのバックグラウンド通信を自動的にオフに設定することができる。よって、携帯電話機１の電力消費を抑えることができるので、バッテリーの消耗を抑えることができる。

　さらに、本実施の形態によれば、バックグラウンド通信がオフに設定され後に再びフォアグラウンドで起動されたアプリケーションのバックグラウンド通信を自動的にオンに設定することができる。これにより、ユーザに利用される状態となったアプリケーションのバックグラウンド通信を速やかに再開させることができる。

　さらに、本実施の形態によれば、除外対象に設定されたアプリケーションについては、ユーザの利用状況によらず、バックグラウンド通信が制限されない。よって、バックグラウンド通信が制限されることが望ましくないアプリケーションについて、バックグラウンド通信が制限されるのを防止できる。

　さらに、本実施の形態によれば、充電期間中は、一時的にバックグラウンド通信のオフ設定が解除され、バックグラウンド通信が可能となる。これにより、バックグラウンド通信が中断されていた後にフォアグラウンドで通信が行われた場合に、大量の通信データが発生してしまうことを防止できる。

　＜第１の実施形態の変更例１＞
　上記実施の形態では、アプリケーションが規定期間以上フォアグラウンドで起動されていない場合に、アプリケーションがユーザに利用されておらず、バックグラウンド通信が不要であると看做され、該当するアプリケーションについて、バックグラウンド通信の通信設定がオン設定からオフ設定に切り替えられる。

　本変更例では、規定期間内におけるアプリケーションのフォアグラウンドでの起動回数が規定回数未満である場合に、バックグラウンド通信が不要であると看做され、該当するアプリケーションについて、バックグラウンド通信の通信設定がオン設定からオフ設定に切り替えられる。

　図６は、本変更例に係る、通信設定データベース１２ａの構成を示す図である。図６に示すように、通信設定データベース１２ａには、最終起動日時に替えて、フォアグラウンドでのアプリケーションの起動回数が記憶されている。

　図７（ａ）および（ｂ）は、それぞれ、本変更例に係る、バックグラウンド通信の自動解除処理および自動再開処理を示すフローチャートである。

　まず、図４（ａ）を参照し、本変更例の自動解除処理について説明する。自動解除処理は、規定期間（たとえば、一週間）が経過する度に実行される。

　制御部１１は、通信設定データベース１２ａの中から参照するアプリケーションを選出し（Ｓ４０１）、選出したアプリケーションが除外対象であるか否かを判定する（Ｓ４０２）。選出されたアプリケーションが除外対象でなければ（Ｓ４０２：ＮＯ）、制御部１１（判定部２１）は、起動回数が規定回数（たとえば、２回）未満であるか否かを判定する（Ｓ４０３）。

　選出されたアプリケーションの起動回数が規定回数未満である場合（Ｓ４０３：ＹＥＳ）、制御部１１は、バックグラウンド通信がオンに設定されているか否かを判定する（Ｓ４０４）。バックグラウンド通信がオンに設定されていれば（Ｓ４０４：ＹＥＳ）、制御部１１（設定切替部２２）は、バックグラウンド通信をオフに設定する（Ｓ４０５）。

　制御部１１は、通信設定データベース１２ａに登録された全てのアプリケーションを参照したか否かを判定する（Ｓ４０６）。選出されたアプリケーションが除外対象である場合（Ｓ４０２：ＹＥＳ）、選出されたアプリケーションの起動回数が規定回数以上である場合（Ｓ４０３：ＮＯ）、および、起動回数が規定回数未満であっても既にバックグラウンド通信がオフに設定されている場合（Ｓ４０４：ＮＯ）は、バックグラウンド通信の通信設定が切り替えられることなく、ステップＳ４０６に移行する。

　制御部１１は、全てのアプリケーションを参照していないと判定すると（Ｓ４０６：ＮＯ）、ステップＳ４０１の処理に戻って、次に参照するアプリケーションを選出する。制御部１１は、選出したアプリケーションについて、ステップＳ４０２からＳ４０５の処理を実行する。制御部１１は、全てのアプリケーションを参照し終えると（Ｓ４０６：ＹＥＳ）、通信設定データベース１２ａの全てのアプリケーションについて、起動回数をクリアし（Ｓ４０７）、処理を終了する。

　このようにして、自動解除処理が実行されることにより、規定期間内のフォアグラウンドで起動回数が規定回数未満であるアプリケーションについて、自動的にバックグラウンド通信がオン設定からオフ設定に切り替えられる。バックグラウンド通信がオフ設定に切り替えられたアプリケーションについては、その後、バックグラウンド通信が行われない。

　次に、図７（ｂ）を参照し、本変更例の自動再開処理について説明する。

　制御部１１は、何れかのアプリケーションがフォアグラウンドで起動された場合（Ｓ５０１：ＹＥＳ）、該当するアプリケーションの起動回数を更新する（Ｓ５０２）。即ち、制御部１１は、起動回数を１回増やす。

　次に、制御部１１は、起動回数が規定回数（本発明の所定回数に相当）に到達したか否かを判定し（Ｓ５０３）、到達していれば（Ｓ５０３：ＹＥＳ）、そのアプリケーションについて、バックグラウンド通信がオフに設定されているか否かを判定する（Ｓ５０４）。バックグラウンド通信がオフに設定されていれば（Ｓ５０４：ＹＥＳ）、制御部１１（設定切替部２２）は、フォアグラウンドで起動されたアプリケーションのバックグラウンド通信をオンに設定する（Ｓ５０５）。こうして、自動再開処理が終了する。

　本変更例によれば、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。

　なお、規定期間および規定回数の少なくとも１つが、ユーザの設定操作により任意に設定される構成とされてもよい。

　さらに、上記実施の形態において、図４（ｂ）に示す自動再開処理に替えて、本変更例の図７（ｂ）に示す自動再開処理が実行されてもよい。この場合、図３の通信設定データベース１２ａには、起動回数が記憶される。また、図４（ａ）のステップＳ１０５の処理に続いて、対象のアプリケーションの起動回数がクリアされる処理が実行される。さらに、図７（ｂ）のステップＳ５０５の処理に続いて、図４（ｂ）のステップＳ２０４の処理が実行され、最終起動日時が更新される。

　さらに、本変更例において、図７（ｂ）に示す自動再開処理に替えて、上記実施の形態の図４（ｂ）に示す自動再開処理が実行されてもよい。この場合、図４（ｂ）のステップＳ２０４の処理は省略される。

　＜第１の実施形態の変更例２＞
　本変更例では、図４（ｂ）の自動解除処理において不起動期間と比較される規定期間が、携帯電話機１の電源がオフされたことに基づいて延長される。

　図８は、本変更例に係る、携帯電話機１の全体構成を示すブロック図である。本変更例において、制御部１１は、判定部２１および設定切替部２２に加えて期間延長部２３を備える。期間延長部２３は、オフ時刻記憶処理および規定期間延長処理を実行する。その他の構成は、上記実施の形態と同様である。

　図９（ａ）および（ｂ）は、それぞれ、オフ時刻記憶処理および規定期間延長処理を示すフローチャートである。

　図９（ａ）に示すように、期間延長部２３は、携帯電話機１の電源をオフする操作、即ち、電源キー７が一定時間以上押し続けられる操作がなされると（Ｓ６０１：ＹＥＳ）、その時の日時（以下、「オフ日時」という）を記憶部１２に記憶する（Ｓ６０２）。

　図９（ｂ）の規定期間延長処理は、携帯電話機１の電源がオン状態とされ、携帯電話機１が起動したときに実行される。

　期間延長部２３は、制御部１１に備えられた時計部から現在の日時を取得するとともに（Ｓ６１１）、記憶部１２からオフ日時を読み出し（Ｓ６１２）、現在の日時とオフ日時とから電源のオフ期間を算出する（Ｓ６１３）。制御部１１は、規定期間を電源のオフ期間分延長する（Ｓ６１４）。たとえば、規定期間が１週間であった場合、携帯電話機１の電源が１週間オフされれば、その後、電源がオン状態とされた際、規定期間は２週間に延長される。

　期間延長部２３は、延長した規定期間による今回の自動解除処理が終了すると（Ｓ６１５：ＹＥＳ）、延長した規定期間を元に戻し（Ｓ６１６）、処理を終了する。

　本変更例によれば、携帯電話機１の電源がオフされた期間に影響されることなく、アプリケーションの利用状況を判別して、バックグラウンド通信を自動的にオフすることが可能となる。

　本変更例の構成を、変更例１の構成に適用することもできる。この場合、期間延長部２３は、規定期間延長処理のステップＳ５１４の処理において、図７（ｂ）の自動再開処理が繰り返される規定期間が延長される。

　なお、上記の例では、オフ期間が生じた場合に、常に規定期間がオフ期間分延長される。しかしながら、オフ期間が、所定の期間を超える場合に、規定期間がオフ期間分延長される構成とされてもよい。

　＜第１の実施形態の変更例３＞
　上記実施の形態では、除外対象となるアプリケーションがメーカにより予め設定された。本変更例では、除外対象となるアプリケーションをユーザが設定できる。

　図１０は、本変更例に係る、携帯電話機１の全体構成を示すブロック図である。本変更例において、制御部１１は、判定部２１および設定切替部２２に加えて除外設定部２４を備える。除外設定部２４は、除外設定処理を実行する。その他の構成は、上記実施の形態と同様である。

　図１１（ａ）は、除外設定処理を示すフローチャートである。図１１（ｂ）は、除外設定処理において、表示面３に表示される除外対象設定画面の一例を示す図である。

　ユーザにより、除外対象となるアプリケーションを設定するための所定操作がなされると、除外設定処理が開始される。除外設定部２４は、表示面３に除外対象設定画面を表示する（Ｓ７０１）。たとえば、図１１（ｂ）に示すように、除外対象設定画面は、通信設定データベース１２ａに登録されたアプリケーションの一覧が、一覧表示領域Ｒに表示される。一覧表示領域Ｒに対して、上方向または下方向にフリック操作がなされると、画面がスクロールして、表示されていなかったアプリケーションが一覧表示領域Ｒに表示される。

　各アプリケーションの表示領域１０１には、アプリケーションの名称の横に、通信設定ボックス１０２および除外設定ボックス１０３の２つのチェックボックスが設けられる。現在、バックグラウンド通信がオフに設定されているアプリケーションの通信設定ボックス１０２には、チェックマークが表示される。また、現在、除外対象に設定されているアプリケーションの除外設定ボックス１０３には、チェックマークが表示される。さらに、除外対象設定画面には、一覧表示領域Ｒの上方に、完了ボタン１０４が配される。

　ユーザは、除外対象に設定されていないアプリケーションを除外対象とする場合、所望のアプリケーションの除外設定ボックス１０３にタッチする。この除外設定ボックス１０３には、当初、チェックマークは表示されていない。また、ユーザは、除外対象に設定されているアプリケーションを除外対象から外す場合、所望のアプリケーションの除外設定ボックス１０３にタッチする。この除外設定ボックス１０３には、当初、チェックマークが表示されている。

　除外設定部２４は、何れかのアプリケーションの除外設定ボックス１０３がタッチされると（Ｓ７０２：ＹＥＳ）、タッチされた除外設定ボックス１０３にチェックマークが表示されているか否かを判定する（Ｓ７０３）。除外設定部２４は、除外設定ボックス１０３にチェックマークが表示されていなければ（Ｓ７０３：ＮＯ）、チェックマークを表示し（Ｓ７０４）、除外設定ボックス１０３にチェックマークが表示されていれば（Ｓ７０３：ＹＥＳ）、チェックマークを消去する（Ｓ７０５）。

　除外設定部２４は、完了ボタン１０４がタッチされるまで（Ｓ７０６：ＮＯ）、ステップＳ７０２からステップＳ７０５の処理を繰り返し実行する。完了ボタン１０４がタッチされると（Ｓ７０６：ＹＥＳ）、除外設定部２４は、除外設定ボックス１０３にチェックマークが表示されたアプリケーションについて、通信設定データベース１２ａの除外設定フラグをオンに設定することにより、そのアプリケーションを除外対象に設定する（Ｓ７０７）。その後、除外設定部２４は、除外対象設定画面を閉じて処理を終了する。

　本変更例によれば、ユーザは、バックグラウンド通信を自動的にオフさせたくない所望のアプリケーションを除外対象のアプリケーションとして設定することができる。

　なお、除外対象設定画面には、通信設定データベース１２ａに登録された全てのアプリケーションが一覧表示されるのではなく、過去の所定期間（たとえば、１カ月）にバックグラウンド通信が行われたアプリケーションが一覧表示されてもよい。

　また、ユーザがチェックマークの付された通信設定ボックス１０２をタッチすることにより、タッチされたアプリケーションのバックグラウンド通信の通信設定がオフ設定からオン設定に切り替えられ、ユーザがチェックマークの付されていない通信設定ボックス１０２をタッチすることにより、タッチされたアプリケーションのバックグラウンド通信の通信設定がオン設定からオフ設定に切り替えられるような構成が採られてもよい。

　さらに、除外設定ボックス１０３にチェックマークが付され、対応するアプリケーションが除外対象に切り替えられた場合、バックグラウンド通信の通信設定がオフ設定であるときには、自動的に、オン設定に切り替えられる構成が採られてもよい。この場合、通信設定ボックス１０２に付されていたチェックマークが自動的に消去される。

　さらに、新たなアプリケーションがインストールされた場合、そのアプリケーションにおいて、予め、バックグラウンド通信の通信設定がオフに設定されている場合や除外対象とする設定がなされている場合があり得る。この場合、除外対象設定画面に新たなアプリケーションが追加される際に、通信設定ボックス１０２や除外設定ボックス１０３に自動的にチェックマークが付される構成が採られるとよい。

　＜第１の実施形態の変更例４＞
　図１２は、本変更例に係る、バックグラウンド通信の一時再開処理を示すフローチャートである。

　上記実施の形態では、携帯電話機１への充電期間中である場合に、一時的にバックグラウンド通信のオフ設定が解除される。これに対し、本変更例では、携帯電話機１への充電期間中であり且つ深夜時間帯である場合に、一時的にバックグラウンド通信のオフ設定が解除される。

　制御部１１は、深夜時間帯において携帯電話機１への充電が開始されたか否かを監視する（Ｓ３１１）。たとえば、深夜時間帯として、午前０時から午前５時の時間帯が設定される。制御部１１は、深夜時間帯に充電が開始されたことを検出すると（Ｓ３１１：ＹＥＳ）、自動解除処理の実行を中断させる（Ｓ３１２）。次に、制御部１１（設定切替部２２）は、バックグラウンド通信がオフに設定されているアプリケーションについて、通信設定をオフ設定からオン設定に切り替える（Ｓ３１３）。

　制御部１１は、充電が終了したか否か、および深夜時間帯から外れたか否かを監視する（Ｓ３１４）。充電が終了かするか深夜時間帯から外れれば（Ｓ３１４：ＹＥＳ）、制御部１１（設定切替部２２）は、一時的にオン設定に切り替えられたアプリケーションについて、通信設定をオフ設定に戻す（Ｓ３１５）。制御部１１は、自動解除処理の実行を再開させ（Ｓ３１６）、処理を終了する。

　バックグラウンド通信のオフ設定が一時的に解除され、バックグラウンド通信が再開された場合には、それまで通信が行われていなかった分、通信量が多くなりやすい。よって、ユーザが、他のアプリケーションに係るデータ通信を行っている場合には、トラフィックの一時的な増加により、そのデータ通信に係る通信速度が一時的に低下し、ユーザに不便感を与えてしまう虞がある。

　本変更例によれば、ユーザが携帯電話機１を使用する頻度の少ない深夜時間帯にバックグラウンド通信のオフ設定が一時的に解除されるので、ユーザに不便感を与えてしまうのを抑制できる。

　なお、上記実施の形態および本変更例の構成において、バックグラウンド通信が一時的に再開される場合には、図１３に示すように、データ通信速度が一時的に低下する虞があることを通知する通知ウィンドウ１０５が、制御部１１により、表示面３にポップアップ表示されてもよい。このようにすれば、ユーザは、データ通信速度が低下する虞があることを認識することができる。

　＜第１の実施形態の変更例５＞
　ゲームのアプリケーション等、その実行画面に様々な広告情報が掲載されるアプリケーションが存在する。アプリケーションがバックグラウンドにおいて実行されている間、広告情報がバックグラウンド通信により更新される。このような広告情報の更新は、ユーザにとって不要である場合が多い。

　そこで、本変更例の携帯電話機１では、バックグラウンド通信が広告情報に関するものである場合に、そのデータ通信を遮断する広告ブロック機能を備える。

　図１４は、本変更例に係る、携帯電話機１の全体構成を示すブロック図である。本変更例において、制御部１１は、判定部２１および設定切替部２２に加えて遮断制御部２５を備える。遮断制御部２５は、広告ブロック処理を実行する。記憶部１２には広告ブロック処理に用いられる広告ＵＲＬデータベース１２ｂが記憶されている。その他の構成は、上記実施の形態と同様である。

　図１５は、広告ブロック処理について説明するための図である。図１５（ａ）は、広告ブロック処理を示すフローチャートであり、図１５（ｂ）は、広告ＵＲＬデータベース１２ｂの構成を示す図である。

　広告ブロック処理は、ユーザが所定の設定画面を用いて予め広告遮断モードに設定した場合に実行される。

　遮断制御部２５は、バックグラウンド通信が開始されるか否かを監視し（Ｓ８０１）、バックグラウンド通信が開始される場合に（Ｓ８０１：ＹＥＳ）、通信先のＵＲＬを取得する（Ｓ８０２）。

　図１５（ｂ）に示すように、広告ＵＲＬデータベース１２ｂには、広告情報を更新するために通信される広告サイトのＵＲＬが登録されている。広告サイトのＵＲＬは、広告を管理する所定のサイトから定期的に取得される。これにより、広告ＵＲＬデータベース１２ｂ内のデータ更新が行われる。

　遮断制御部２５は、取得したＵＲＬを広告ＵＲＬデータベース１２ｂに登録されたＵＲＬと比較することにより、取得したＵＲＬが広告サイトのＵＲＬであるか否かを判定する（Ｓ８０３）。

　遮断制御部２５は、取得したＵＲＬが広告サイトのＵＲＬである場合（Ｓ８０３：ＹＥＳ）、取得したＵＲＬへのバックグラウンド通信を遮断する（Ｓ８０４）。これにより、取得したＵＲＬへのバックグラウンド通信が制御部１１により行われない。

　一方、遮断制御部２５は、取得したＵＲＬが広告サイトのＵＲＬである場合（Ｓ８０３：ＮＯ）、取得したＵＲＬへのバックグラウンド通信を許可する（Ｓ８０５）。これにより、取得したＵＲＬへのバックグラウンド通信が制御部１１により行われる。

　本変更例によれば、広告情報に係るバックグラウンド通信を遮断できるので、携帯電話機１のバッテリーの消耗を、より抑制することができる。

　＜第１の実施形態のその他の変更例＞
　以上、本発明の実施形態および変更例について説明したが、本発明は、上記実施形態等によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施形態も、上記以外に種々の変更が可能である。

　たとえば、上記実施の形態では、一定の間隔でアプリケーションの状態を検出することにより、規定期間以上フォアグラウンドで起動されていないアプリケーションを抽出し、そのアプリケーションのバックグラウンド通信をオフ設定にする構成が採られている。

　しかしながら、規定期間以上フォアグラウンドで起動されていないアプリケーションを検出して、バックグラウンド通信をオフ設定にするために、以下の構成が採られてもよい。

　図１６に示すように、通信設定データベース１２ａには、最終起動日時が記憶されない。代わりに、制御部１１には、自動解除処理に用いられる複数のタイマーが備えられている。タイマーは規定期間（たとえば、１週間）を計時する。

　図１７は、本変更例に係る、バックグラウンド通信の自動解除処理を示すフローチャートである。

　電源がオン状態とされ、携帯電話機１が起動すると、制御部１１は、既にアプリケーションに割り当てられているタイマーを作動させる（Ｓ９０１）。次に、制御部１１は、何れかのアプリケーションがフォアグラウンドで起動されたか否を監視する（Ｓ９０２）。

　何れかのアプリケーションがフォアグラウンドで起動されると（Ｓ９０２：ＹＥＳ）、制御部１１は、該当するアプリケーションが除外対象のアプリケーションでない場合に（Ｓ９０３：ＮＯ）、該当するアプリケーションに既にタイマーが割り当てられているか否かを判定する（Ｓ９０４）。

　制御部１１は、未だタイマーが割り当てられていなければ（Ｓ９０４：ＮＯ）、該当するアプリケーションにタイマーを割り当てて、タイマーに計時を開始させる（Ｓ９０５）。制御部１１は、該当するアプリケーションに既にタイマーが割り当てられていれば（Ｓ９０４：ＹＥＳ）、そのタイマーは動作中であるため、タイマーをリセットし、再びタイマーに計時を開始させる（Ｓ９０６）。

　制御部１１（判定部２１）は、何れかのタイマーがタイムアップしたか否かを判定する（Ｓ９０７）。何れかのアプリケーションがフォアグラウンドで起動されないまま規定期間が経過すると、そのアプリケーションに割り当てられたタイマーがタイムアップする。

　何れかのタイマーがタイムアップした場合（Ｓ９０７：ＹＥＳ）、制御部１１（設定切替部２２）は、そのタイマーが割り当てられたアプリケーションについて、バックグラウンド通信をオフに設定する（Ｓ９０８）。さらに、制御部１１は、オフ設定したアプリケーションについて、タイマーの割り当てを解除する（Ｓ９０９）。

　携帯電話機１の電源をオフする操作がなされない間（Ｓ９１０：ＮＯ）、即ち、携帯電話機１が動作している間、ステップＳ９０２からＳ９０９の処理が繰り返される。これにより、規定期間、フォアグラウンドで起動されず、割り当てられたタイマーがタイムアップしたアプリケーションがについて、バックグラウンド通信の通信設定がオン設定からオフ設定に切り替えられる。

　携帯電話機１の電源をオフする操作がなされた場合（Ｓ９１０：ＹＥＳ）、制御部１１は、アプリケーションに割り当てられたタイマーを停止する（Ｓ９１１）。計時していた時間は、タイマーに記憶されたままになる。携帯電話機１が、再び起動されると、ステップＳ９０１の処理により、再び続きの時間からタイマーの計時が開始される。

　本変更例においても、図４（ｂ）と同様の自動再開処理が実行され、バックグラウンド通信がオフに設定されたアプリケーションがフォアグラウンドで起動されると、そのアプリケーションについて、バックグラウンド通信がオンに設定される。ただし、本変更例では、自動再開処理において、最終起動日時を更新するステップＳ２０４の処理は実行されない。

　上記実施の形態において、携帯電話機１の充電が開始されることによりバックグラウンド通信が再開される際、バックグラウンド通信を行うアプリケーションの優先順位付けが行われてもよい。この場合、たとえば、通信量の多いアプリケーションほど、優先してバックグラウンド通信が行われる構成とされ得る。あるいは、使用頻度の高いアプリケーションほど、優先してバックグラウンド通信が行われる構成とされ得る。あるいは、バックグラウンド通信の通信設定をオフにした時刻が新しいアプリケーションから優先してバックグラウンド通信が行われる構成とされ得る。このような構成とすれば、充電が行われている間に効率的に必要なバックグラウンド通信を行うことができる。

　上記変更例１ないし変更例５の構成は、それぞれ、適宜、組み合せることができる。

　＜第２の実施形態＞
　以下、本発明の第２の実施形態について、図面を参照して説明する。

　本実施形態の携帯電話機１は、第１の実施形態と同様、図１に示された、キャビネット２と、表示面３と、マイクロフォン４と、通話スピーカ５と、キー操作部６と、電源キー７と、外部スピーカ８とを備えている。

　図１８は、携帯電話機１の全体構成を示すブロック図である。携帯電話機１は、第１の実施形態と同様、制御部１１と、記憶部１２と、表示部１３と、タッチ検出部１４と、音声入力部１５と、音声出力部１６と、音声処理部１７と、キー入力部１８と、通信部１９と、電源部２０とを備えている。

　バックグラウンドで実行されたアプリケーションは、フォアグラウンドで実行されているアプリケーションに係るユーザの操作と関係なく、データの更新等のため、定期的に他の装置との間で通信を行う。

　また、携帯電話機１では、ＷｉＦｉ（登録商標）、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）等、各種の通信方式の近距離無線通信によって他の装置とデータの送受信を行うことができる。携帯電話機１は、通信方式毎に、近距離無線通信のためのアプリケーションを備える。以下、説明の便宜上、近距離無線通信のためのアプリケーションを「通信アプリケーション」と称することとする。各通信アプリケーションは、バックグラウンドで実行され、フォアグラウンドで実行されているアプリケーションに係るユーザの操作と関係なく、定期的に、アクセスポイントのサーチのための通信を行う。

　このようなバックグラウンドでの通信（以下、「バックグラウンド通信」という）の通信量が多くなると、バッテリーの電力消費が増大する。

　そこで、本実施の形態では、不要なバックグラウンド通信に対して自動的に通信制限が行われる。すなわち、本実施の形態では、周期的に訪れる所定期間毎、より詳しくは、曜日毎あるいは予め定めた時間帯毎に、当該所定期間において、バックグラウンド通信を制限するための所定条件が満たされているか否かが判定される。そして、所定条件が満たされたと判定された場合、所定期間のバックグラウンド通信が制限される。

　通信制限に係る処理は、図１８の制御部１１によって行われる。すなわち、記憶部１２に保持されたプログラムによって、制御部１１に通信制限のための機能が付与され、この機能によって、通信制限処理が実行される。図１８には、便宜上、制御部１１によって実現される通信制限のための機能が、判定部３１、通信制御部３２および記憶制御部３３として示されている。

　以下、通信制限処理の具体的実施例について説明する。

　＜実施例１＞
　本実施例では、携帯電話機１に搭載された各アプリケーションについて、曜日毎に、過去のその曜日における各アプリケーションのフォアグラウンドでの起動頻度が判定される。そして、各アプリケーションについて、過去のフォアグラウンドでの起動頻度が低い曜日のバックグラウンド通信が制限される。

　記憶部１２には、通信制限処理に用いられる起動履歴データベース１２ｃおよび通信設定テーブル１２ｄが記憶されている。

　図１９（ａ）は、起動履歴データベース１２ｃの構成を示す図であり、図１９（ｂ）は、通信設定テーブル１２ｄの構成を示す図である。起動履歴データベース１２ｃには、携帯電話機１に搭載されている各アプリケーションについて、フォアグラウンドで起動された日時（以下、「起動日時」という）が記憶される。通信設定テーブル１２ｄには、各アプリケーションについて、通信制限処理により設定されたバックグラウンド通信の通信モードが記憶される。通信モードは、バックグラウンド通信が制限されない非制限モードとバックグラウンド通信が制限される制限モードを含む。

　判定部３１は、曜日毎に、過去のその曜日における各アプリケーションのフォアグラウンドでの起動頻度を判定する。たとえば、判定部３１は、各アプリケーションについて、起動履歴データベース１２ｃを参照して、過去の所定期間（たとえば、３週間）において、現在の曜日と同じ曜日に一度でもフォアグラウンドで起動されたか否かを判定する。

　通信制御部３２は、各曜日において、過去のその曜日のフォアグラウンドでの起動頻度が所定頻度より低いアプリケーション、たとえば、過去の所定期間、その曜日に一度もフォアグラウンドで起動されていないアプリケーションについて、そのアプリケーションのバックグラウンド通信を制限する。たとえば、通信制御部３２は、アプリケーションの通信モードを制限モードに設定することにより、そのアプリケーションのバックグラウンド通信の実行を禁止する。

　記憶制御部３３は、起動日時登録処理を実行し、各アプリケーションの起動日時を起動履歴データベース１２ｃに登録する。

　図２０は、起動日時登録処理を示すフローチャートである。起動日時登録処理は、携帯電話機１の電源がオン状態である間、繰り返し実行される。

　記憶制御部３３は、何れかのアプリケーションがフォアグラウンドで起動されたか否かを判定する（Ｓ１０１）。たとえば、終了中（起動していない）のアプリケーションが起動された場合、そのアプリケーションは、フォアグラウンドで起動される。さらに、バックグラウンドで実行されているアプリケーションをフォアグラウンドで起動するための所定操作がなされた場合も、そのアプリケーションがフォアグラウンドで起動される。

　何れかのアプリケーションがフォアグラウンドで起動された場合（Ｓ１０１：ＹＥＳ）、記憶制御部３３は、そのアプリケーションのフォアグラウンドでの動作時間が所定時間より長いか否かを判定する（Ｓ１０２）。ここで、所定時間は、ユーザが誤ってアプリケーションを起動したことを判断するための基準となる時間であり、数秒程度の短い時間、たとえば、５秒に設定されている。

　起動されたアプリケーションが所定時間を経過してもフォアグラウンドで実行されている場合、記憶制御部３３は、動作時間が所定時間より長いと判定し（Ｓ１０２：ＹＥＳ）、そのアプリケーションの起動日時を起動履歴データベース１２ｃに登録する（Ｓ１０３）。

　一方、起動されたアプリケーションが、所定時間経過前に終了された場合あるいは所定時間経過前にバックグラウンドへ移行された場合、記憶制御部３３は、動作時間が所定時間より短いと判定し（Ｓ１０２：ＮＯ）、そのアプリケーションの起動日時を起動履歴データベース１２ｃに登録しない。

　このような処理により、バックグラウンド通信を制限するか否かの判定に、ユーザの誤操作によるアプリケーションの起動が反映されることを防止できる。

　図２１は、通信制限処理を示すフローチャートである。通信制限処理は、携帯電話機１の電源がオン状態にある間、繰り返し実行される。

　制御部１１は、日付が変わったか否かを監視する（Ｓ２０１）。日付が変わると（Ｓ２０１：ＹＥＳ）、制御部１１は、起動履歴データベース１２ｃの中から、参照するアプリケーションを選出する（Ｓ２０２）。制御部１１（判定部３１）は、起動履歴データベース１２ｃを参照し、選出されたアプリケーションが、過去の所定期間、たとえば、過去３週間において、現在の曜日と同じ曜日に一度でもフォアグラウンドで実行されたことがあるか否かを判定する（Ｓ２０３）。

　選出されたアプリケーションが過去の所定期間において現在の曜日と同じ曜日に一度でもフォアグラウンドで実行されたことがある場合（Ｓ２０３：ＹＥＳ）、制御部１１（通信制御部３２）は、通信モードが制限モードに設定されていれば（Ｓ２０４：ＹＥＳ）、通信モードを非制限モードに設定する（Ｓ２０５）。通信モードが、既に非制限モードであれば（Ｓ２０４：ＮＯ）、非制限モードが維持される。通信設定テーブル１２ｄにおいて、選出されたアプリケーションの通信モードの欄に、「非制限モード」の登録がなされる。

　一方、選出されたアプリケーションが過去の所定期間において現在の曜日と同じ曜日に一度もフォアグラウンドで実行されたことがない場合（Ｓ２０３：ＮＯ）、制御部１１（通信制御部３２）は、通信モードが非制限モードに設定されていれば（Ｓ２０６：ＹＥＳ）、通信モードを制限モードに設定する（Ｓ２０７）。通信モードが、既に制限モードであれば（Ｓ２０６：ＮＯ）、制限モードが維持される。通信設定テーブル１２ｄにおいて、選出されたアプリケーションの通信モードの欄に、「制限モード」の登録がなされる。

　制御部１１は、起動履歴データベース１２ｃに登録された全てのアプリケーションを参照したか否かを判定する（Ｓ２０８）。制御部１１は、全てのアプリケーションを参照していないと判定すると（Ｓ２０８：ＮＯ）、ステップＳ２０２の処理に戻って、次に参照するアプリケーションを選出する。制御部１１は、選出したアプリケーションについて、ステップＳ２０３からＳ２０７の処理を実行する。制御部１１は、全てのアプリケーションを参照し終えると（Ｓ２０８：ＹＥＳ）、処理を終了する。

　このようにして、通信制限処理が実行されることにより、全てのアプリケーションについて、その日の通信モードの設定が完了する。通信制御部３２は、通信設定テーブル１２ｄを参照し、通信モードが非制限モードに設定されたアプリケーションについて、その日にバックグラウンド通信のタイミングが到来すると、バックグラウンド通信を行う。一方、通信制御部３２は、通信モードが制限モードに設定されたアプリケーションについて、その日にバックグラウンド通信のタイミングが到来するか否かに係わらずバックグラウンド通信を行わない。

　日付が変わる度、すなわち曜日毎に、全てのアプリケーションについて通信モードが設定され、設定された通信モードに基づいて、バックグラウンド通信が実行される。

　図２２は、あるアプリケーションにおける、ある週のバックグラウンド通信の実行状況を例示した図である。

　ユーザの様々な使用状況から、あるアプリケーションの使用頻度が、決められた曜日に高くなる場合がある。たとえば、一例として、ユーザが、決められた曜日に、スケジュールのアプリケーションを使用してスケジュールを登録する場合が挙げられる。

　たとえば、図２２のように、あるアプリケーションの使用頻度が水曜日と日曜日に高く、他の曜日に低い場合、本実施例の通信制限処理が行われることにより、水曜日と日曜日には、そのアプリケーションに係る、データ更新等ためのバックグラウンド通信が行われ、それ以外の曜日にはバックグラウンド通信が行われない。

　このように、本実施例では、各アプリケーションについて、あるアプリケーションが使用される可能性が低い曜日には、そのアプリケーションに係るバックグラウンド通信が実行されない。よって、バックグラウンド通信の不要な実行によるバッテリーの電力消費を抑制できる。

　＜実施例１の変更例１＞
　上記実施例１では、制限モードに設定された場合、バックグラウンド通信を行わない。しかしながら、このように完全な制限ではなく、本変更例のように、部分的な制限が行われてもよい。たとえば、通信制御部３２は、バックグラウンド通信の頻度を下げてもよい。

　たとえば、送信および受信のうち、一方に関するバックグラウンド通信は行うが他方に関するバックグラウンド通信は行わない通信処理が行われてもよい。図２３（ａ）は、送信または受信の一方を制限する通信処理を示すフローチャートである。

　バックグラウンド通信の開始タイミングが到来すると（Ｓ３０１：ＹＥＳ）、通信制御部３２は、データ等の送信に係るバックグラウンド通信であるか、データ等の受信に係るバックグラウンド通信であるかを判定する（Ｓ３０２）。通信制御部３２は、送信である場合（３０２：送信）、バックグラウンド通信を開始する（Ｓ３０３）。一方、通信制御部３２は、受信である場合（Ｓ３０２：受信）、バックグラウンド通信を中止する（Ｓ３０４）。なお、図２３（ａ）の通信処理とは反対に、通信制御部３２が、送信である場合にバックグラウンド通信を中止し、受信である場合にバックグラウンド通信を開始するような構成が採られてもよい。

　また、時間帯に応じてバックグラウンド通信を開始するあるいは中止する通信処理が行われてもよい。図２３（ｂ）は、時間帯に応じてバックグラウンド通信を制限する通信処理を示すフローチャートである。

　バックグラウンド通信の開始タイミングが到来すると（Ｓ３１１：ＹＥＳ）、通信制御部３２は、現在時刻が奇数時刻の時間帯であるか否かを判定する（Ｓ３１２）。通信制御部３２は、現在時刻が奇数時刻の時間帯である場合（Ｓ３１２：ＹＥＳ）、バックグラウンド通信を開始する（Ｓ３１３）。一方、通信制御部３２は、現在時刻が偶数時刻の時間帯である場合（Ｓ３１２：ＮＯ）、バックグラウンド通信を中止する（Ｓ３１４）。なお、図２３（ｂ）の通信処理とは反対に、通信制御部３２が、現在時刻が奇数時刻の時間帯である場合にバックグラウンド通信を中止し、現在時刻が偶数時刻の時間帯である場合にバックグラウンド通信を開始するような構成が採られてもよい。

　さらに、表示部１３の点灯状況に応じてバックグラウンド通信を開始するあるいは中止する通信処理が行われてもよい。図２４（ａ）は、表示部１３の点灯状況に応じてバックグラウンド通信を制限する通信処理を示すフローチャートである。

　バックグラウンド通信の開始タイミングが到来すると（Ｓ３２１：ＹＥＳ）、通信制御部３２は、表示部１３が点灯しているか否かを判定する（Ｓ３２２）。

　携帯電話機１への操作が所定時間行われない場合に、表示部１３が消灯する。よって、表示部１３が点灯している場合には、ユーザが携帯電話機１を使用しているため、アプリケーションが利用される可能性がある。

　通信制御部３２は、表示部１３が点灯している場合（Ｓ３２２：ＹＥＳ）、バックグラウンド通信を開始する（Ｓ３２３）。一方、通信制御部３２は、表示部１３が消灯している場合（Ｓ３２２：ＮＯ）、バックグラウンド通信を中止する（Ｓ３２４）。

　さらに、携帯電話機１が操作された後の経過時間に応じてバックグラウンド通信を開始する、あるいは、中止する通信処理が行われてもよい。図２４（ｂ）は、携帯電話機１が操作された後の経過時間に応じてバックグラウンド通信を制限する通信処理を示すフローチャートである。

　バックグラウンド通信の開始タイミングが到来すると（Ｓ３３１：ＹＥＳ）、通信制御部３２は、携帯電話機１への操作後、所定時間内であるか否かを判定する（Ｓ３３２）。

　携帯電話機１が操作された後、間もない場合、ユーザが携帯電話機１の使用を継続し、アプリケーションが利用される可能性がある。

　通信制御部３２は、携帯電話機１が操作された後、所定時間内である場合（Ｓ３３２：ＹＥＳ）、バックグラウンド通信を開始する（Ｓ３３３）。一方、通信制御部３２は、携帯電話機１が操作された後、所定時間を超えている場合（Ｓ３３２：ＮＯ）、バックグラウンド通信を中止する（Ｓ３３４）。

　＜実施例１の変更例２＞
　上記実施例１では、各アプリケーションについて、過去の各曜日におけるアプリケーションのフォアグラウンドでの起動頻度が判定され、この判定の結果に基づき、曜日毎に、アプリケーションの通信モードが、非制限モードまたは制限モードに設定された。

　本変更例では、上記判定条件に加えて、アプリケーションがフォアグラウンドで起動されていない期間（以下、「非起動期間」という）が所定日数を超えているか否かが判定される。本変更例では、これら２つの判定条件に基づいて、通信モードが非制限モード、第１制限モードまたは第２制限モードに設定される。第１制限モードは、上述した部分的な制限が行われる通信モードであり、第２制限モードは、上述した完全な制限が行われる通信モードである。

　図２５は、通信制限処理を示すフローチャートである。本変更例の通信制限処理では、図２１に示す実施例１の通信制限処理のステップＳ２０４ないしＳ２０７の処理が、ステップＳ２１１ないしＳ２１８の処理に置き換えられる。なお、図２５では、ステップＳ２０１、Ｓ２０２およびＳ２０８の処理の図示が省略されている。

　選出されたアプリケーションが過去の所定期間において現在の曜日と同じ曜日に一度でもフォアグラウンドで実行されたことがある場合（Ｓ２０３：ＹＥＳ）、制御部１１（判定部３１）は、非起動期間が所定日数（たとえば、７日）を超えているか否かを判定する（Ｓ２１１）。非起動期間が所定日数を超えていなければ（Ｓ２１１：ＮＯ）、制御部１１（通信制御部３２）は、非制限モード以外であった通信モードを非制限モードに設定する（Ｓ２１２：ＹＥＳ→Ｓ２１３）。一方、非起動期間が所定日数を超えていれば（Ｓ２１１：ＹＥＳ）、制御部１１（通信制御部３２）は、第１制限モード以外であった通信モードを第１制限モードに設定する（Ｓ２１５：ＹＥＳ→Ｓ２１６）。

　選出されたアプリケーションが過去の所定期間において現在の曜日と同じ曜日に一度もフォアグラウンドで実行されたことがない場合も（Ｓ２０３：ＮＯ）、制御部１１（判定部３１）は、非起動期間が所定日数を超えているか否かを判定する（Ｓ２１４）。非起動期間が所定日数を超えていなければ（Ｓ２１４：ＮＯ）、制御部１１（通信制御部３２）は、第１制限モード以外であった通信モードを第１制限モードに設定する（Ｓ２１５：ＹＥＳ→Ｓ２１６）。一方、非起動期間が所定日数を超えていれば（Ｓ２１４：ＹＥＳ）、制御部１１（通信制御部３２）は、第２制限モード以外であった通信モードを第２制限モードに設定する（Ｓ２１７：ＹＥＳ→Ｓ２１８）。

　本変更例によれば、曜日毎に、その曜日におけるアプリケーションのフォアグラウンドでの起動頻度、および、そのアプリケーションがフォアグラウンドで起動されていない期間を判定し、その判定結果に基づいて、バックグラウンド通信をより細かに制限するため、より効果的にバックグラウンド通信による電力消費を抑制することができる。

　＜実施例２＞
　本実施例では、一日が１時間毎の時間帯あるいは数時間毎の時間帯に区分される。本実施例では、たとえば、一日が４時間毎の時間帯に区分される。この場合、一日が、０時～４時、４時～８時、８時～１２時、１２時～１６時、１６時～２０時および２０時～２４時の６個の時間帯に分かれる。

　本実施例では、携帯電話機１に搭載された各アプリケーションについて、時間帯毎に、過去のその時間帯における各アプリケーションのフォアグラウンドでの起動頻度が判定される。そして、各アプリケーションについて、過去の同様の時間帯におけるフォアグラウンドでの起動頻度が低い時間帯のバックグラウンド通信が制限される。

　本実施例においても、図１９（ａ）の起動履歴データベース１２ｃおよび図１９（ｂ）の通信設定テーブル１２ｄが用いられる。

　判定部３１は、時間帯毎に、過去のその時間帯における各アプリケーションのフォアグラウンドでの起動頻度を判定する。たとえば、判定部３１は、時間帯毎に、各アプリケーションについて、起動履歴データベース１２ｃを参照して、過去の所定期間（たとえば、３日間）において、現在の時間帯と同じ時間帯に一度でもフォアグラウンドで起動されたか否か判定する。

　通信制御部３２は、各時間帯において、過去のその時間帯のフォアグラウンドでの起動頻度が所定頻度より低いアプリケーション、たとえば、過去の所定期間、その時間帯に一度もフォアグラウンドで起動されていないアプリケーションについて、そのアプリケーションのバックグラウンド通信を制限する。

　図２６は、通信制限処理を示すフローチャートである。通信制限処理は、携帯電話機１の電源がオン状態にある間、繰り返し実行される。

　制御部１１は、時間帯が変わったか否かを監視する（Ｓ４０１）。時間帯が変わると（Ｓ４０１：ＹＥＳ）、制御部１１は、起動履歴データベース１２ｃの中から参照するアプリケーションを選出する（Ｓ４０２）。制御部１１（判定部３１）は、起動履歴データベース１２ｃを参照し、選出されたアプリケーションが、過去の所定期間、たとえば、過去３日間において、現在の時間帯と同じ時間帯に一度でもフォアグラウンドで実行されたことがあるか否かを判定する（Ｓ４０３）。

　選出されたアプリケーションが過去の所定期間において現在の時間帯と同じ時間帯に一度でもフォアグラウンドで実行されたことがある場合（Ｓ４０３：ＹＥＳ）、制御部１１（通信制御部３２）は、通信モードが制限モードに設定されていれば（Ｓ４０４：ＹＥＳ）、通信モードを非制限モードに設定する（Ｓ４０５）。通信モードが、既に非制限モードであれば（Ｓ４０４：ＮＯ）、非制限モードが維持される。

　一方、選出されたアプリケーションが過去の所定期間において現在の時間帯と同じ時間帯に一度もフォアグラウンドで実行されたことがない場合（Ｓ４０３：ＮＯ）、制御部１１（通信制御部３２）は、通信モードが非制限モードに設定されていれば（Ｓ４０６：ＹＥＳ）、通信モードを制限モードに設定する（Ｓ４０７）。通信モードが、既に制限モードであれば（Ｓ４０６：ＮＯ）、制限モードが維持される。

　制御部１１は、全てのアプリケーションを参照していないと判定すると（Ｓ４０８：ＮＯ）、ステップＳ４０２の処理に戻って、次に参照するアプリケーションを選出する。制御部１１は、選出したアプリケーションについて、ステップＳ４０３からＳ４０７の処理を実行する。制御部１１は、全てのアプリケーションを参照し終えると（Ｓ４０８：ＹＥＳ）、処理を終了する。

　このようにして、通信制限処理が実行されることにより、全てのアプリケーションについて、その時間帯の通信モードの設定が完了する。通信制御部３２は、通信設定テーブル１２ｄを参照し、通信モードが非制限モードに設定されたアプリケーションについて、その時間帯にバックグラウンド通信のタイミングが到来すると、バックグラウンド通信を行う。一方、通信制御部３２は、通信モードが制限モードに設定されたアプリケーションについて、その時間帯にバックグラウンド通信のタイミングが到来するか否かに係わらずバックグラウンド通信を行わない。

　時間帯が変わる度、すなわち時間帯毎に、全てのアプリケーションについて通信モードが設定され、設定された通信モードに基づいて、バックグラウンド通信が実行される。

　図２７は、あるアプリケーションにおける、ある日のバックグラウンド通信の実行状況を例示した図である。

　曜日の場合と同様、ユーザの使用状況から、あるアプリケーションの使用頻度が、決められた時間帯に高くなる場合がある。一例として、決められた時刻に、電子メールのアプリケーションを使用して電子メールを確認する場合が挙げられる。

　たとえば、図２７のように、あるアプリケーションの使用頻度が１２時～１６時の時間帯と２０時～２４時の時間帯に高く、他の時間帯に低い場合、本実施例の通信制限処理が行われることにより、１２時～１６時の時間帯と２０時～２４時の時間帯には、そのアプリケーションに係る、データ更新等ためのバックグラウンド通信が行われ、それ以外の時間帯にはバックグラウンド通信が行われない。

　このように、本実施例では、各アプリケーションについて、あるアプリケーションが使用される可能性が低い時間帯には、そのアプリケーションに係るバックグラウンド通信が実行されない。よって、バックグラウンド通信の不要な実行によるバッテリーの電力消費を抑制できる。

　＜実施例３＞
　本実施例では、近距離無線通信の各通信方式について、曜日毎に、過去のその曜日における各通信方式による他の装置への接続頻度が判定される。そして、各通信方式に対応する通信アプリケーションについて、各通信方式による他の装置への接続頻度が低い曜日におけるアクセスポイントのサーチのためのバックグラウンド通信が制限される。

　記憶部１２には、通信制限処理に用いられる接続履歴データベース１２ｅおよび通信設定テーブル１２ｆが記憶されている。

　図２８（ａ）は、接続履歴データベース１２ｅの構成を示す図であり、図２８（ｂ）は、通信設定テーブル１２ｆの構成を示す図である。接続履歴データベース１２ｅには、各通信方式について、各通信方式により他の装置への通信接続が行われた日時（以下、「接続日時」という）が記憶される。通信設定テーブル１２ｆには、各通信方式に対応する通信アプリケーションについて、通信制限処理により設定されたサーチ間隔が記憶される。本実施例では、サーチ間隔として、第１時間（たとえば、５秒）および第１時間より長い第２時間（たとえば、１分）が設定される。

　判定部３１は、曜日毎に、過去のその曜日における各通信方式による他の装置への接続頻度を判定する。たとえば、判定部３１は、曜日毎に、各通信方式について、接続履歴データベース１２ｅを参照して、過去の所定期間（たとえば、３週間）において、現在の曜日と同じ曜日に一度でも他の装置への通信接続が行われたか否か判定する。

　通信制御部３２は、各曜日において、過去のその曜日の他の装置への接続頻度が、所定頻度より低い通信方式に対応する通信アプリケーション、たとえば、その曜日に、他の装置への通信接続が一度も行われていない通信方式に対応する通信アプリケーションについて、その通信アプリケーションのバックグラウンド通信を制限する。たとえば、通信制御部３２は、通信アプリケーションのサーチ間隔を第２時間に設定することにより、その通信アプリケーションのサーチのためのバックグラウンド通信の頻度を低下させる。

　記憶制御部３３は、接続日時登録処理を実行し、各通信方式の接続日時を接続履歴データベース１２ｅに登録する。

　図２９は、接続日時登録処理を示すフローチャートである。接続日時登録処理は、携帯電話機１の電源がオン状態である間、繰り返し実行される。

　何れかの通信方式によって他の装置との通信接続が行われた場合（Ｓ５０１：ＹＥＳ）、記憶制御部３３は、その通信接続における接続時間が所定時間より長いか否かを判定する（Ｓ５０２）。ここで、所定時間は、ユーザが誤った操作により通信接続を行ったことを判断するための基準となる時間であり、数秒程度の短い時間、たとえば、５秒に設定されている。

　所定時間を経過しても通信接続が継続している場合、記憶制御部３３は、接続時間が所定時間より長いと判定し（Ｓ５０２：ＹＥＳ）、その通信方式の接続日時を接続履歴データベース１２ｅに登録する（Ｓ５０３）。

　一方、所定時間経過前に通信接続が遮断された場合、記憶制御部３３は、接続時間が所定時間より短いと判定し（Ｓ５０２：ＮＯ）、その通信方式の接続日時を接続履歴データベース１２ｅに登録しない。このような処理により、バックグラウンド通信を制限するか否かの判定に、ユーザの誤操作による通信接続が反映されることを防止できる。

　図３０は、通信制限処理を示すフローチャートである。通信制限処理は、携帯電話機１の電源がオン状態にある間、繰り返し実行される。

　制御部１１は、日付が変わったか否かを監視する（Ｓ６０１）。日付が変わると（Ｓ６０１：ＹＥＳ）、制御部１１は、接続履歴データベース１２ｅの中から参照する通信方式を選出する（Ｓ６０２）。制御部１１（判定部３１）は、接続履歴データベース１２ｅを参照し、選出された通信方式による他の装置への通信接続が、過去の所定期間、たとえば、過去３週間において、現在の曜日と同じ曜日に一度でも行われたことがあるか否かを判定する（Ｓ６０３）。

　選出された通信方式による他の装置への通信接続が過去の所定期間において現在の曜日と同じ曜日に一度でも行われたことがある場合（Ｓ６０３：ＹＥＳ）、制御部１１（通信制御部３２）は、選出された通信方式に対応する通信アプリケーションのサーチ間隔が第２時間に設定されていれば（Ｓ６０４：ＹＥＳ）、サーチ間隔を第１時間に設定する（Ｓ６０５）。サーチ間隔が、既に第１時間であれば（Ｓ６０４：ＮＯ）、第１時間が維持される。通信設定テーブル１２ｆにおいて、選出された通信方式に対応する通信アプリケーションのサーチ間隔の欄に、「第１時間」の登録がなされる。

　一方、選出された通信方式による他の装置への通信接続が過去の所定期間において現在の曜日と同じ曜日に一度も行われたことがない場合（Ｓ６０３：ＮＯ）、制御部１１（通信制御部３２）は、サーチ間隔が第１時間に設定されていれば（Ｓ６０６：ＹＥＳ）、サーチ間隔を第２時間に設定する（Ｓ６０７）。サーチ間隔が、既に第２時間であれば（Ｓ６０６：ＮＯ）、第２時間が維持される。通信設定テーブル１２ｆにおいて、選出された通信方式に対応する通信アプリケーションのサーチ間隔の欄に、「第２時間」の登録がなされる。

　制御部１１は、接続履歴データベース１２ｅに登録された全ての通信方式を参照したか否かを判定する（Ｓ６０８）。制御部１１は、全ての通信方式を参照していないと判定すると（Ｓ６０８：ＮＯ）、ステップＳ６０２の処理に戻って、次に参照する通信方式を選出する。制御部１１は、選出した通信方式について、ステップＳ６０３からＳ６０７の処理を実行する。制御部１１は、全ての通信方式を参照し終えると（Ｓ６０８：ＹＥＳ）、処理を終了する。

　このようにして、通信制限処理が実行されることにより、全ての通信方式に対応する通信アプリケーションについて、その日のサーチ間隔の設定が完了する。通信制御部３２は、通信設定テーブル１２ｆを参照し、設定されたサーチ間隔に従ってアクセスポイントのサーチのためのバックグラウンド通信を行う。通信制御部３２は、サーチ間隔が第１時間であれば、第１時間の間隔でサーチのためのバックグラウンド通信を行う。一方、通信制御部３２は、サーチ間隔が第２時間であれば、第２時間の間隔でサーチのためのバックグラウンド通信を行う。

　日付が変わる度、すなわち曜日毎に、近距離無線通信の全ての通信方式についてサーチ間隔が設定され、設定されたサーチ間隔によるサーチのバックグラウンド通信が実行される。

　以上、本実施例では、近距離無線通信の各通信方式について、過去に接続頻度が低く、その通信方式による通信接続が行われる可能性が低い曜日には、その通信方式に対応する通信アプリケーションにより、アクセスポイントのサーチが長いサーチ間隔にて行われる。よって、不要なサーチのためのバックグラウンド通信の実行によるバッテリーの電力消費を抑制できる。

　なお、本実施例では、ある通信方式による他の装置への通信接続が過去の所定期間に一度も行われていない場合、即ち、その通信方式による接続頻度が小さい場合、その通信方式に対応する通信アプリケーションのサーチ間隔が長くされる。しかしながら、このようにサーチ間隔が長くされるのではなく、サーチのためのバックグラウンド通信が行われないようにされてもよい。

　＜実施例３の変更例＞
　上記実施例では、各通信方式について、過去の各曜日におけるその通信方式による他の装置への接続頻度が判定され、この判定の結果に基づき、曜日毎に、その通信方式に対応する通信アプリケーションのサーチ間隔が、第１時間または第２時間に設定された。

　本変更例では、上記判定条件に加えて、各通信方式による他の装置への通信接続がなされていない期間（以下、「非接続期間」という）が所定日数を超えているか否かが判定される。本変更例では、これら２つの判定条件に基づいて、サーチ間隔を第１時間とする設定、サーチ間隔を第２時間とする設定、サーチを中止する設定が行われる。サーチを中止する設定がなされた場合、通信制御部３２は、サーチのためのバックグラウンド通信を行わない。

　図３１は、通信制限処理を示すフローチャートである。本変更例の通信制限処理では、図３０に示す実施例３の通信制限処理のステップＳ６０４ないしＳ６０７の処理が、ステップＳ６１１ないしＳ６１８の処理に置き換えられる。なお、図３１では、ステップＳ６０１、Ｓ６０２およびＳ６０８の処理の図示が省略されている。

　選出された通信方式による他の装置への通信接続が過去の所定期間において現在の曜日と同じ曜日に一度でも行われたことがある場合（Ｓ６０３：ＹＥＳ）、制御部１１（判定部３１）は、非接続期間が所定日数（たとえば、７日）を超えているか否かを判定する（Ｓ６１１）。非接続期間が所定日数を超えていなければ（Ｓ６１１：ＮＯ）、制御部１１（通信制御部３２）は、第１時間以外であったサーチ間隔を第１時間に設定する（Ｓ６１２：ＹＥＳ→Ｓ６１３）。一方、非接続期間が所定日数を超えていれば（Ｓ６１１：ＹＥＳ）、制御部１１（通信制御部３２）は、第２時間以外であったサーチ間隔を第２時間に設定する（Ｓ６１５：ＹＥＳ→Ｓ６１６）。

　選出された通信方式による他の装置への通信接続が、過去の所定期間において現在の曜日と同じ曜日に一度もフォアグラウンドで実行されたことがない場合も（Ｓ６０３：ＮＯ）、制御部１１（判定部３１）は、非接続期間が所定日数を超えているか否かを判定する（Ｓ６１４）。非接続期間が所定日数を超えていなければ（Ｓ６１４：ＮＯ）、制御部１１（通信制御部３２）は、第２時間以外であったサーチ間隔を第２時間に設定する（Ｓ６１５：ＹＥＳ→Ｓ６１６）。一方、非接続期間が所定日数を超えていれば（Ｓ６１４：ＹＥＳ）、制御部１１（通信制御部３２）は、サーチの中止以外であった設定を、サーチの中止に設定する（Ｓ６１７：ＹＥＳ→Ｓ６１８）。

　本変更例によれば、曜日毎に、その曜日における、各通信方式による他の装置への接続頻度、および、各通信方式による他の装置への通信接続がなされていない期間が判定され、その判定結果に基づいて、各通信方式に対応する通信アプリケーションついて、サーチのためのバックグラウンド通信がより細かに制限される。そのため、より効果的にバックグラウンド通信による電力消費を抑制することができる。

　なお、サーチを中止した通信方式による他の装置への通信接続に関しては、ユーザ操作等により通信接続を再開することが可能である。たとえば、ホーム画面上に表示された通信接続のオンオフを切り替えるアイコンへの操作がタッチ検出部１４より受け付けられると、制御部１１（通信制御部３２）はアイコンに対応する通信方式による他の装置への通信接続を再開する。

　＜実施例４＞
　本実施例では、上記実施例２と同様、一日が１時間毎の時間帯あるいは数時間毎の時間帯に区分される。本実施例では、たとえば、上記実施例２と同様に、一日が、４時間毎の時間帯、すなわち、０時～４時、４時～８時、８時～１２時、１２時～１６時、１６時～２０時および２０時～２４の６個の時間帯に区分される。

　本実施例では、近距離無線通信の各通信方式について、時間帯毎に、過去のその時間帯における各通信方式による他の装置への接続頻度が判定される。そして、各通信方式に対応する通信アプリケーションについて、各通信方式による他の装置への接続頻度が低い時間帯におけるアクセスポイントのサーチのためのバックグラウンド通信が制限される。

　本実施例においても、図２８（ａ）の接続履歴データベース１２ｅおよび図２８（ｂ）の通信設定テーブル１２ｆが用いられる。

　判定部３１は、時間帯毎に、過去のその時間帯における各通信方式による他の装置への接続頻度を判定する。たとえば、判定部３１は、時間帯毎に、各通信方式について、接続履歴データベース１２ｅを参照して、過去の所定期間（たとえば、３日間）において、現在の時間帯と同じ時間帯に一度でも他の装置への通信接続が行われたか否か判定する。

　通信制御部３２は、各時間帯において、過去のその時間帯の他の装置への接続頻度が、所定頻度より低い通信方式に対応する通信アプリケーション、たとえば、その時間帯に、他の装置への通信接続が一度も行われていない通信方式に対応する通信アプリケーションについて、その通信アプリケーションのバックグラウンド通信を制限する。

　図３２は、通信制限処理を示すフローチャートである。通信制限処理は、携帯電話機１の電源がオン状態にある間、繰り返し実行される。

　制御部１１は、時間帯が変わったか否かを監視する（Ｓ７０１）。時間帯が変わると（Ｓ７０１：ＹＥＳ）、制御部１１は、接続履歴データベース１２ｅの中から参照する通信方式を選出する（Ｓ７０２）。制御部１１（判定部３１）は、接続履歴データベース１２ｅを参照し、選出された通信方式による他の装置への通信接続が、過去の所定期間、たとえば、過去３日間において、現在の時間帯と同じ時間帯に一度でも行われたことがあるか否かを判定する（Ｓ７０３）。

　選出された通信方式による他の装置への通信接続が過去の所定期間において現在の時間帯と同じ時間帯に一度でも行われたことがある場合（Ｓ７０３：ＹＥＳ）、制御部１１（通信制御部３２）は、選出された通信方式に対応する通信アプリケーションのサーチ間隔が第２時間に設定されていれば（Ｓ７０４：ＹＥＳ）、サーチ間隔を第１時間に設定する（Ｓ７０５）。サーチ間隔が、既に第１時間であれば（Ｓ７０４：ＮＯ）、第１時間が維持される。

　一方、選出された通信方式による他の装置への通信接続が過去の所定期間において現在の時間帯と同じ時間帯に一度も行われたことがない場合（Ｓ７０３：ＮＯ）、制御部１１（通信制御部３２）は、サーチ間隔が第１時間に設定されていれば（Ｓ７０６：ＹＥＳ）、サーチ間隔を第２時間に設定する（Ｓ７０７）。サーチ間隔が、既に第２時間であれば（Ｓ７０６：ＮＯ）、第２時間が維持される。

　制御部１１は、全ての通信方式を参照していないと判定すると（Ｓ７０８：ＮＯ）、ステップＳ７０２の処理に戻って、次に参照する通信方式を選出する。制御部１１は、選出した通信方式について、ステップＳ７０３からＳ７０７の処理を実行する。制御部１１は、全ての通信方式を参照し終えると（Ｓ７０８：ＹＥＳ）、処理を終了する。

　このようにして、通信制限処理が実行されることにより、全ての通信方式に対応する通信アプリケーションについて、その時間帯のサーチ間隔の設定が完了する。通信制御部３２は、通信設定テーブル１２ｆを参照し、設定されたサーチ間隔に従ってアクセスポイントのサーチのためのバックグラウンド通信を行う。通信制御部３２は、サーチ間隔が第１時間であれば、第１時間の間隔でサーチのためのバックグラウンド通信を行う。一方、通信制御部３２は、サーチ間隔が第２時間であれば、第２時間の間隔でサーチのためのバックグラウンド通信を行う。

　時間帯が変わる度、すなわち時間帯毎に、近距離無線通信の全ての通信方式についてサーチ間隔が設定され、設定されたサーチ間隔によるサーチのバックグラウンド通信が実行される。

　以上、本実施例では、近距離無線通信の各通信方式について、過去に接続頻度が低く、その通信方式による通信接続が行われる可能性が低い時間帯には、その通信方式に対応する通信アプリケーションにより、アクセスポイントのサーチが長いサーチ間隔にて行われる。よって、不要なサーチのためのバックグラウンド通信の実行によるバッテリーの電力消費を抑制できる。

　なお、本実施例においても、実施例３と同様、ある通信方式による他の装置への通信接続が過去の所定期間に一度も行われていない場合、サーチ間隔が長くされるのではなく、サーチのためのバックグラウンド通信が行われないようにされてもよい。

　＜第２の実施形態のその他の変更例＞
　以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態等によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も、上記以外に種々の変更が可能である。

　たとえば、実施例１では、各曜日におけるアプリケーションのフォアグラウンドでの起動頻度の判定の一例として、過去の所定期間において、現在の曜日と同じ曜日にアプリケーションがフォアグラウンドで一度でも起動されたか否かが判定された。しかしながら、これに限らず、過去の所定期間において、現在の曜日と同じ曜日にアプリケーションがフォアグラウンドで起動された回数が、所定の複数回数以上であるか否かが判定されてもよい。

　同様に、実施例２においても、過去の所定期間において、現在の時間帯と同じ時間帯にアプリケーションがフォアグラウンドで起動された回数が、所定の複数回数以上であるか否かが判定されてもよい。さらに、実施例３においても、過去の所定期間において、現在の曜日と同じ曜日に、通信方式による他の装置への通信接続が行われた回数が、所定の複数回数以上であるか否かが判定されてもよい。さらに、実施例４においても、過去の所定期間において、現在の時間帯と同じ時間帯に、通信方式による他の装置への通信接続が行われた回数が、所定の複数回数以上であるか否かが判定されてもよい。

　さらに、ユーザが、バックグラウンド通信を自動的に制限したくないアプリケーションを除外対象のアプリケーションとして設定できるようにしてもよい。

　図３３は、ユーザが除外対象のアプリケーションを設定するための画面の一例を示す図である。

　図３３（ａ）に示すように、アプリケーションを起動するためのアイコンＩＣが配列されたホーム画面の一部の領域に除外領域Ｒが形成される。図３３（ｂ）に示すように、ユーザにより、所望のアイコンＩＣが指で除外領域Ｒに移動される操作が行われると、制御部１１はそのアイコンＩＣを除外領域Ｒに移動する。結果、制御部１１は、除外領域Ｒに移動されたアイコンＩＣに対応するアプリケーションを除外対象のアプリケーションに設定する。制御部１１は、除外対象としたアプリケーションは、常に、通信モードを非制限モードに維持し、バックグラウンド通信を制限しない。

　なお、アイコンＩＣが複製されることにより、同じアプリケーションに対応するアイコンＩＣが複数個、ホーム画面上に配置される場合がある。この場合、同じアプリケーションに対応する複数個のアイコンＩＣの１つが除外領域Ｒに移動すると、移動されたアイコンＩＣ以外の残りのアイコンＩＣも除外領域Ｒに移動するような構成が採られてもよい。あるいは、残りのアイコンＩＣが消去される構成が採られてもよい。さらに、残りのアイコンＩＣの周りに除外領域Ｒと同じ色の背景領域が形成されるなど、残りのアイコンＩＣの表示状態が変化するような構成が採られてもよい。さらに、残りのアイコンＩＣへの操作が無効とされ、残りのアイコンＩＣが操作されてもアプリケーションが起動しないような構成が採られてもよい。

　さらに、実施例２および実施例４では、各時間帯が同じ長さに設定されているが、少なくとも一部の時間帯が他の時間帯と異なる長さに設定されてもよい。

　さらに、本発明は、折り畳み式の携帯電話機にも適用できる。この場合、実施例１の変更例１で説明した、バックグラウンド通信の部分的な制限として、バックグラウンド通信の開始タイミングが到来したときに、携帯電話機が開いた状態にあれば、バックグラウンド通信を開始し、携帯電話機が閉じた状態にあれば、バックグラウンド通信を中止する通信処理が行われてもよい。

　さらに、本発明は、近距離無線通信時のアクセスポイントのサーチに限らず、ＰＴＴ（PushTo Talk）等における受信待ち受け状態のサーチに適用することとしてもよい。ここで、受信待ち受け状態とは、他端末からＰＴＴ通話を開始するための信号が、ＰＴＴサーバを介して自端末にて受信されたか否かを定期的にサーチしている状態である。この受信待ち受け状態において、過去の同時間帯、または、同曜日にＰＴＴ通話の接続頻度が低い場合、同時間帯または同曜日におけるサーチ間隔を長くするような構成が採られてもよい。上記構成によれば、ＰＴＴ通話の待ち受け状態における不要な電力の消費を抑制することができる。

　＜その他＞
　本発明は、携帯電話機に限られず、ＰＤＡ（Personal DigitalAssistant）、タブレットＰＣ（Tablet PC）、電子書籍端末等の各種の携帯端末装置に適用可能である。

　この他、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。

　　　　　　１１　制御部
　　　　　　１２　記憶部
　　　　　　１９　通信部
　　　　　　２１　判定部
　　　　　　２２　設定切替部
　　　　　　２３　期間延長部
　　　　　　２４　除外設定部
　　　　　　２５　遮断制御部
　　　　　　３１　判定部
　　　　　　３２　通信制御部
　　　　　　３３　記憶制御部

Claims

携帯端末装置において、
　通信部と、
　前記通信部を介してアプリケーションによるバックグラウンド通信を行う制御部と、を備え、
　前記制御部は、前記アプリケーションのフォアグラウンドでの起動履歴に基づいて、前記バックグラウンド通信を制限する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
請求項１に記載の携帯端末装置において、
　前記制御部は、
　　前記アプリケーション毎に、そのアプリケーションのフォアグラウンドでの起動履歴に基づいて前記バックグラウンド通信が不要であるか否かを判定する判定部と、
　　前記判定部により前記バックグラウンド通信が不要と判定された前記アプリケーションについて、前記バックグラウンド通信を許可する第１の設定から前記バックグラウンド通信を制限する第２の設定へ通信設定を切り替える設定切替部と、を含む、
ことを特徴とする携帯端末装置。
請求項２に記載の携帯端末装置において、
　前記判定部は、前記アプリケーションが規定期間以上フォアグラウンドで起動されていない場合に、前記バックグラウンド通信が不要であると判定する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
請求項２に記載の携帯端末装置において、
　前記判定部は、規定期間内における前記アプリケーションのフォアグラウンドでの起動回数が規定回数未満である場合に、前記バックグラウンド通信が不要であると判定する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
請求項２に記載の携帯端末装置において、
　前記設定切替部は、前記判定部による判定結果に基づいて前記第２の設定に切り替えられた前記アプリケーションがフォアグラウンドで起動された場合に、前記第２の設定から前記第１の設定へ通信設定を切り替える、
ことを特徴とする携帯端末装置。
請求項２に記載の携帯端末装置において、
　前記設定切替部は、前記判定部による判定結果に基づいて前記第２の設定に切り替えられた前記アプリケーションがフォアグラウンドで起動された回数が所定回数に到達した場合に、前記第２の設定から前記第１の設定へ通信設定を切り替える、
ことを特徴とする携帯端末装置。
請求項２に記載の携帯端末装置において、
　前記設定切替部は、前記携帯端末装置が充電中である場合に、前記判定部による判定結果に基づいて前記第２の設定に切り替えられた前記アプリケーションについて、前記第２の設定から前記第１の設定へ通信設定を切り替える、
ことを特徴とする携帯端末装置。
請求項１に記載の携帯端末装置において、
　前記制御部は、
　　周期的に訪れる所定期間毎に、当該所定期間における前記アプリケーションのフォアグラウンドでの過去の起動頻度を判定する判定部と、
　　前記判定部により判定された前記過去の起動頻度が、所定頻度より低い前記所定期間の前記バックグラウンド通信を制限する通信制御部と、を含む、
ことを特徴とする携帯端末装置。
請求項８に記載の携帯端末装置において、
　前記判定部は、曜日毎に、当該曜日における前記アプリケーションのフォアグラウンドでの過去の起動頻度を判定し、
　前記通信制御部は、前記判定部により判定された前記過去の起動頻度が、所定頻度より低い前記曜日の前記バックグラウンド通信を制限する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
請求項８に記載の携帯端末装置において、
　前記通信制御部は、前記バックグラウンド通信を行わない、または前記バックグラウンド通信の頻度を下げる、
ことを特徴とする携帯端末装置。
請求項９に記載の携帯端末装置において、
　前記判定部は、さらに、前記アプリケーションがフォアグラウンドで起動されていない非起動期間が所定日数を超えているか否かを判定し、
　前記通信制御部は、前記過去の起動頻度が前記所定頻度より低いが前記非起動期間が前記所定日数を超えていない場合、または、前記過去の起動頻度が前記所定頻度より低くないが前記非起動期間が前記所定日数を超えている場合は、前記バックグラウンド通信の頻度を下げ、前記過去の起動頻度が前記所定頻度より低く且つ前記非起動期間が前記所定日数を超えている場合は、前記バックグラウンド通信を行わない、
ことを特徴とする携帯端末装置。
請求項９に記載の携帯端末装置において、
　前記制御部は、前記アプリケーションがフォアグラウンドで起動した日を記憶部に記憶する記憶制御部を、さらに含み、
　前記記憶制御部は、前記アプリケーションのフォアグラウンドでの実行時間が所定時間より短い場合、当該アプリケーションに関して前記起動した日を前記記憶部に記憶しない、
ことを特徴とする携帯端末装置。
アプリケーションによるバックグラウンド通信を行う携帯端末装置の制御方法であって、
　前記アプリケーションのフォアグラウンドでの起動履歴を参照するステップと、
　前記起動履歴に基づいて前記バックグラウンド通信を制限するステップと、
を含む制御方法。