WO2013136554A1

WO2013136554A1 - 乗用車のホイールハウス構造

Info

Publication number: WO2013136554A1
Application number: PCT/JP2012/071568
Authority: WO
Inventors: 敬登渡部; 井上　法一
Original assignee: トヨタ車体株式会社
Priority date: 2012-03-12
Filing date: 2012-08-27
Publication date: 2013-09-19
Also published as: JP2013184685A

Abstract

　乗用車のホイールハウス構造は、車輪（１３）を覆うホイールハウスを構成するホイールハウスパネル（１４０）と、ホイールハウスパネル（１４０）を外側から覆って乗用車の意匠面（２０ｅ）を構成するボディパネル（２０）を有する。ボディパネル（２０）は、ホイールアーチを構成するフランジ（２２）を有する。ホイールハウスパネル（１４０）は、フランジ（１４２）を有する。ホイールハウスパネル（１４０）のフランジ（１４２）は、ボディパネル（２０）のフランジ（２２）に重ねられる重複部（１４３）と、ボディパネル（２０）のフランジ（２２）を超えて張り出しかつホイールアーチの半径方向外方に延出する張り出し部（１４４）を有する。ホイールハウスパネル（１４０）とボディパネル（２０）間をシールするシーラ（Ｃ）が張り出し部（１４４）に沿って表側から塗布される。

Description

乗用車のホイールハウス構造

　本発明は、乗用車の車輪を覆うホイールハウスの構造に関する。

　特開２００４－１４２７０５号公報には、乗用車の車輪１０２を覆うリヤホイールハウス１００の構造が開示される。リヤホイールハウス１００は、図４の側面図、及び図５の断面図（図４のV-V矢視断面図）に示すようにホイールハウスアウタパネル１０３を備える。ホイールハウスアウタパネル１０３には、図５に示すようにリヤホイールハウス１００のホイールアーチ１００ａを構成する端縁部分にフランジ１０３ｆが形成される。フランジ１０３ｆは、リヤホイールハウス１００の内側に入り込むように折り曲げられる。

　ホイールハウスアウタパネル１０３は、乗用車の意匠面１０５ｅを有するサイメンアウタパネル１０５によって覆われる。サイメンアウタパネル１０５には、リヤホイールハウス１００のホイールアーチ１００ａを構成する端縁部分にフランジ１０５ｆが形成される。フランジ１０５ｆにホイールハウスアウタパネル１０３のフランジ１０３ｆが内側から重ねられかつ固定される。

　ホイールハウスアウタパネル１０３のフランジ１０３ｆの端縁部は、サイメンアウタパネル１０５のフランジ１０５ｆと同方向に延出し、フランジ１０５ｆから突出する。フランジ１０３ｆの端縁部（突出部分）とフランジ１０５ｆに表側（図５で下側）からほぼ一定幅でシーラ１０８が塗布され、シーラ１０８がフランジ１０３ｆ，１０５ｆ間をシールする。

　ホイールハウスアウタパネル１０３に塗布されるシーラ１０８の幅と、サイメンアウタパネル１０５に塗布されるシーラ１０８の幅は、シール品質等を考慮して所定幅に設定される。このためシーラ１０８が塗布されるホイールハウスアウタパネル１０３のフランジ１０３ｆとサイメンアウタパネル１０５のフランジ１０５ｆの幅もシーラ１０８の幅を確保するように所定寸法に設定される。

　フランジ１０３ｆの先端部は、図５に示すようにフランジ１０５ｆから突出する。このためシーラ１０８の幅を確保するように、両パネル１０３，１０５のフランジ１０３ｆ，１０５ｆの幅寸法を設定すると、図５に示すようにサイメンアウタパネル１０５の意匠面１０５ｅからホイールハウスアウタパネル１０３のフランジ１０３ｆの先端までの寸法Ｄ０（入り込み量Ｄ０）が比較的大きくなる。

　車輪１０２とホイールハウスアウタパネル１０３のフランジ１０３ｆとの接触を避けるため、ホイールハウスアウタパネル１０３のフランジ１０３ｆの先端は車輪１０２の移動可能範囲を表すタイヤ包絡１０２ｋの外側に配置される。このため入り込み量Ｄ０に応じて車輪１０２をリヤホイールハウス１００の奥側に配置する必要がある。即ち、車輪１０２がリヤホイールハウス１００の奥側に入り込む量Ｄ１（奥目量Ｄ１）が大きくなる。さらに車輪１０２の外周面から両パネル１０３，１０５のフランジ１０３ｆ，１０５ｆまでの車輪径方向における隙間寸法Ｈ（上下隙Ｈ）も大きくなる。これにより乗用車の車輪回りの見栄えが低下する問題がある。

　そのため乗用車の車輪回りの見栄えを向上できるホイールハウスの構造が従来、求められている。すなわちシーラによるシール品質を確保しつつ、車輪がボディパネルの意匠面からホイールハウスの内側に入り込む量（奥目量）が小さく、かつ車輪の外周面とホイールアーチ間の隙間寸法（上下隙）が小さい構造が従来、求められている。

　本発明の１つの特徴によると乗用車のホイールハウス構造は、車輪を覆うホイールハウスを構成するホイールハウスパネルと、ホイールハウスパネルを外側から覆って乗用車の意匠面を構成するボディパネルを有する。ボディパネルは、ホイールアーチを構成するフランジを有する。ホイールハウスパネルは、フランジを有する。ホイールハウスパネルのフランジは、ボディパネルのフランジに重ねられる重複部と、ボディパネルのフランジを超えて張り出しかつホイールアーチの半径方向外方に延出する張り出し部を有する。ホイールハウスパネルとボディパネル間をシールするシーラが張り出し部に沿って表側から塗布される。

　したがって張り出し部が重複部の延長線上にある場合と比較して、ボディパネルの意匠面からホイールハウスパネルのフランジの先端までの寸法（入り込み量）を小さくできる。即ち、ホイールハウスパネルに塗布されるシーラの幅とボディパネルに塗布されるシーラの幅を確保しつつ、入り込み量を小さくできる。この結果、シーラによるシール品質を確保しつつ、車輪がボディパネルの意匠面に対してホイールハウスの内側に入り込む量（奥目量）を少なくできる。さらに車輪の外周面とホイールアーチ間の隙間寸法（上下隙）も小さくできる。

本発明の実施形態に係るホイールハウス構造を備える乗用車のリヤホイールハウス回りの側面図である。図１のII-II矢視断面図である。図２のIII矢視拡大図である。従来のホイールハウス構造を備える乗用車のリヤホイールハウス回りの側面図である。図４のV-V矢視拡大図である。

　図１～図３に従って本発明の実施形態に係る乗用車のリヤホイールハウス構造について説明する。図中の前後左右、及び上下は乗用車１０の前後左右、及び上下に対応する。

　図１に示すように乗用車１０の後部乗降口１２の下方後側にホイールハウス（リヤホイールハウス）１４が設けられる。ホイールハウス１４は、車輪１３を周方向から囲む円弧形である。ホイールハウス１４は、図２に示すようにホイールハウスアウタパネル１４０とホイールハウスインナパネル１４５を有する。ホイールハウスアウタパネル１４０は、車輪１３の周囲を車両外側から覆う。ホイールハウスインナパネル１４５は、車輪１３の周囲、及び側面を車両内側から覆う。ホイールハウスアウタパネル１４０の外周フランジ１４１とホイールハウスインナパネル１４５の外周フランジ１４６が合わせられて溶接等により固定される。ホイールハウスアウタパネル１４０には、ホイールハウス１４のホイールアーチ１４ａを構成する端縁部分にフランジ１４２が形成される。フランジ１４２は、ホイールハウス１４の端部から内側に入り込むように折り曲げられる。

　ホイールハウスアウタパネル１４０は、図１，２に示すように、乗用車１０の意匠面２０ｅを構成するサイメンアウタパネル２０によって外側から覆われる。サイメンアウタパネル２０には、ホイールハウス１４のホイールアーチ１４ａを構成する端縁部分にフランジ２２が形成される。フランジ２２にホイールハウスアウタパネル１４０のフランジ１４２が上（内側）から重ねられて固定される。サイメンアウタパネル２０のフランジ２２は、ホイールハウス１４の内側に入り込むように、90°近く折り曲げられている。フランジ２２は、全長においてほぼ一定幅を有する。

　ホイールハウスアウタパネル１４０のフランジ１４２は、図２，３に示すようにサイメンアウタパネル２０のフランジ２２に重ねられる。フランジ１４２は、フランジ２２からホイールハウス１４の内側方向に張り出す。フランジ１４２は、フランジ２２に重ねられる重複部１４３（図３参照）と、フランジ２２の端縁から張り出す張り出し部１４４を有する。張り出し部１４４は、張り出し部１４４の途中位置で90°近い角度を有して折り曲がり、ホイールアーチ１４ａの半径方向に外側に延出する。張り出し部１４４は、基端部１４４ｍと張り出し傾斜部１４４ｅを有する。基端部１４４ｍは、重複部１４３の延長線上に設けられる。張り出し傾斜部１４４ｅは、張り出し基端部１４４ｍとの間に角度を有して延出する。張り出し基端部１４４ｍと張り出し傾斜部１４４ｅの境界位置にフランジ２２の長手方向（ホイールアーチ１４ａに沿う方向）に延びる折り曲げ線Ｋが設けられる。

　サイメンアウタパネル２０は、図２に示すようにフランジ２２の周縁に縦壁部２３を有する。縦壁部２３に接着剤Ｚが塗布され、接着剤Ｚがホイールアーチ１４ａに沿って延びる。サイメンアウタパネル２０のフランジ２２にホイールハウスアウタパネル１４０のフランジ１４２が内側から重ねられる。ホイールハウスアウタパネル１４０の縦壁部１４８がサイメンアウタパネル２０の縦壁部２３に押し付けられてホイールハウスアウタパネル１４０とサイメンアウタパネル２０が接着される。ホイールハウスアウタパネル１４０とサイメンアウタパネル２０は、ホイールハウス１４の周方向において複数箇所でスポット溶接される。これによりホイールハウスアウタパネル１４０がサイメンアウタパネル２０に固定される。

　フランジ２２の端縁とフランジ１４２の張り出し部１４４にシーラＣがサイメンアウタパネル２０の表側（図２では下側）から塗布される。シーラＣは、合成ゴムを主成分とする接着シール剤である。シーラＣは、張り出し部１４４の表面全体に塗布される。フランジ２２の表面に塗布されるシーラＣの幅は、張り出し部１４４がフランジ２２から張り出す寸法とほぼ等しい。シーラ幅の大きさは、シーラＣがシール等の品質を確保できる大きさに設定される。

　張り出し部１４４は、フランジ２２に重ねられる重複部１４３からホイールアーチ１４ａの半径方向外側に延出し、張り出し部１４４と重複部１４３の間に角度を有する。張り出し部１４４が重複部１４３の延長線上にある場合と比較して、意匠面２０ｅからフランジ１４２の先端までの寸法Ｄ０（入り込み量Ｄ０）が小さい。したがってホイールハウスアウタパネル１４０に塗布されるシーラＣの幅と、サイメンアウタパネル２０に塗布されるシーラの幅を確保しつつ、寸法Ｄ０を小さく設定できる。

　タイヤ包絡１３ｋは、車輪１３の移動可能範囲を表す。タイヤ包絡１３ｋとの干渉を避けてホイールハウスアウタパネル１４０のフランジ１４２が設定される。そのため入り込み量Ｄ０を小さくすることで、フランジ１４２と車輪１３を近接できる。これにより車輪１３をホイールハウス１４の外側寄りに配置でき、車輪１３がホイールハウス１４の内側に入り込む量Ｄ１（奥目量Ｄ１）を小さくできる。車輪１３の外周面とホイールアーチ１４ａ間の隙間寸法Ｈ（上下隙Ｈ）も小さくできる。サイメンアウタパネル２０がボディパネルであり、ホイールハウスアウタパネル１４０がホイールハウスパネルである。

　以上のようにホイールハウスアウタパネル１４０のフランジ１４２は、サイメンアウタパネル２０（ボディパネル）のフランジ２２に重ねられる重複部１４３と、フランジ２２を超えて張り出しかつホイールアーチ１４ａの半径方向外方に延出する張り出し部１４４を有する。ホイールハウスアウタパネル１４０とサイメンアウタパネル２０間をシールするシーラＣが張り出し部１４４に沿って表側から塗布される。これにより張り出し部１４４とフランジ２２に塗布されたシーラＣが断面略Ｌ字形になる。

　したがって張り出し部１４４が重複部１４３の延長線上にある場合と比較して入り込み量Ｄ０を小さくできる。ホイールハウスアウタパネル１４０に塗布されるシーラの幅とサイメンアウタパネル２０に塗布されるシーラの幅を確保しつつ、入り込み量Ｄ０を小さくできる。この結果、シーラＣによるシール品質を確保しつつ、入り込む量Ｄ１（奥目量Ｄ１）を少なくできる。入り込む量Ｄ１は、車輪１３がサイメンアウタパネル２０の意匠面２０ｅに対してホイールハウス１４の内側に入る量である。車輪１３の外周面とホイールアーチ１４ａ間の隙間寸法Ｈ（上下隙Ｈ）も小さくできる。これにより乗用車１０の車輪回りの見栄えを向上させ得る。

　張り出し部１４４は、重複部１４３の延長線上に延出する基端部１４４ｍと、基端部１４４ｍとの間に角度を有して基端部１４４ｍから延出する傾斜部１４４ｅを有する。したがって張り出し部１４４は、サイメンアウタパネル２０（ボディパネル）のフランジ２２を超えて延出し、フランジ２２を越えた位置（折り曲げ線Ｋ）において屈曲する。

　このため張り出し部１４４の基端部１４４ｍは、図３に示すようにサイメンアウタパネル２０のフランジ２２の延長線上に位置する。したがってフランジ２２の先端とフランジ１４２間に隙間が生じない。このためシーラＣを塗布したときに、フランジ２２の先端とフランジ１４２間においてシーラＣ内に空間が生じず、シール品質が確保され得る。シーラＣは、フランジ１４２の表側とフランジ２２の表側に塗布されているため、塗布するときに目視確認され得る。これによりシール品質が容易に確保され得る。

　本発明の形態を上記構造を参照して説明したが、本発明の目的を逸脱せずに多くの交代、改良、変更が可能であることは当業者であれば明らかである。したがって本発明の形態は、添付された請求項の精神と目的を逸脱しない全ての交代、改良、変更を含み得る。例えば本発明の形態は、前記特別な構造に限定されず、下記のように変更が可能である。

　張り出し部１４４の折り曲げ線Ｋは、図３に示すようにサイメンアウタパネル２０のフランジ２２の先端（端部）を超えた位置に設けられても良い。これに代えて、張り出し部１４４の折り曲げ線Ｋは、サイメンアウタパネル２０のフランジ２２の先端（端部）と一致する位置に設けられても良い。

　上記構造は、図１に示すようにリヤホイールハウス１４に適用されても良いし、フロントホイールハウスに適用されても良い。

Claims

　乗用車のホイールハウス構造であって、
　車輪を覆うホイールハウスを構成するホイールハウスパネルと、前記ホイールハウスパネルを外側から覆って乗用車の意匠面を構成するボディパネルを有し、
　前記ボディパネルは、ホイールアーチを構成するフランジを有し、
　前記ホイールハウスパネルは、フランジを有し、
　前記ホイールハウスパネルの前記フランジは、前記ボディパネルの前記フランジに重ねられる重複部と、前記ボディパネルの前記フランジを超えて張り出しかつ前記ホイールアーチの半径方向外方に延出する張り出し部を有し、
　前記ホイールハウスパネルと前記ボディパネル間をシールするシーラが前記張り出し部に沿って表側から塗布される乗用車のホイールハウス構造。
　請求項１に記載のホイールハウス構造であって、
　前記張り出し部は、前記重複部の延長線上に延出する基端部と、前記基端部との間に角度を有して前記基端部から延出する傾斜部を有する乗用車のホイールハウス構造。
　請求項１又は２に記載の乗用車のホイールハウス構造であって、
　前記シーラは、前記張り出し部の表面全体に塗布される部分と、前記ボディパネルの前記フランジの表面に塗布されかつ前記張り出し部の幅寸法とほぼ等しい幅寸法を有する部分を有する乗用車のホイールハウス構造。