WO2013099924A1 - 核酸導入された細胞の製造方法 - Google Patents
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- cytokine genes such as VEGF gene, HGF gene and FGF gene, c-myc antisense, c-myb antisense, cdc2 kinase antisense, PCNA antisense, E2F decoy and p21 (sdi-1) gene can be used.
- SOX2, c-Myc, OCT3, OCT4, Klf-4, NanoG, or the like can also be used.
- the nucleic acid is used in such a form that when introduced into a cell, the function can be expressed in the cell.
- DNA it is used as a plasmid in which the DNA is placed so that the DNA is transcribed in the introduced cell and functionally expressed through production of the polypeptide encoded thereby.
- a promoter region, a start codon, DNA encoding a protein having a desired function, a stop codon, and a terminator region are sequentially arranged.
- two or more nucleic acids can be included in one plasmid.
- Example 2 In Example 1, instead of mixing Tris A and B so that the polymer is 4 times the weight of the polymer, and adding 200 ⁇ L of the cell lysing agent, 20 ⁇ L of the cell lysing agent droplet was added to the bottom of the culture dish. A GFP fluorescence microscope image of the bottom surface of the culture dish of the obtained sample was shown in FIG.
- Example 2 it was confirmed that the GFP gene was expressed according to the dot pattern and emitted green fluorescence. From this result, it can be seen that the GFP gene is not expressed except at the site where the nucleic acid complex is attached, and patterning control is possible, that is, the target gene can be introduced only into the target portion.
- a plurality of nucleic acid complex solutions are printed as intended using an inkjet printer or the like (localized by heating), and various genes are introduced only into controlled parts. It can be said that this indicates that a cell layer can be formed.
- Example 3 In Example 1, except that A liquid and B liquid were mixed so that Tris was 4 times by weight with respect to the polymer, and the solution was dried by performing incubation at 37 ° C. for 24 hours without humidification. When gene transfer was conducted in the same manner and gene transfer activity was evaluated in the same manner, the gene transfer activity was about 100 times that of Example 1 not including the drying step.
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Abstract
Description
2) 細胞培養器の庫内の温度を37℃に安定して維持させる都合上、実験室の環境温度は、なるべく37℃から差があるように、例えば25℃程度と低く設定されている。この環境温度へ前記コーティング層が曝されることと、疎水化した層がLCSTよりも低温度となり、溶出してしまい、所謂リバーストランスフェクションの状態・条件とならなくなる。
3) 細胞膜表面のレセプターなどが、接着基材面へ配向する現象(所謂、キャッピング現象)が存在するためか、遺伝子導入には通常のトランスフェクションよりもリバーストランスフェクションの方が、使用する核酸量や発現量などの観点から効率が良いという説がある。例えば、ゼラチンゲル材料や分解性樹脂材料などを利用した核酸デリバリー技術は、核酸を包埋混合した材料の分解に伴って徐々に核酸を放出させて接着細胞へ接着面(底面)から核酸を供給する技術で、その有用性を評価してこの技術を専門に研究しているグループが存在する。また、温度感応性ポリマーを利用したリバーストランスフェクションでは、コーティング層が剥がれないように放射線グラフト重合などで培養皿へ温度感応性ポリマーを直接固定するような技術が検討されている。これらの技術では、いずれも事前に煩雑なコーティング作業にて培養皿へ支持層を固定し、これを滅菌する必要があり、研究者がめいめいの培養皿へ目的とする核酸を使用して実験を行うことには踏襲できない。
4) 従来技術では、核酸及びポリマー材料を含む培地中の該ポリマー材料(粒径は約250nm以下)が細胞に取り込まれ、細胞傷害性が認められることがある。
また、前記付着工程と培養工程との間に温度感応性組成物を乾燥させる乾燥工程を有することが好ましい。
本発明でいう温度感応性組成物の『曇点』とは、厳密な意味で『温度感応性材料が、ある一定の温度未満で水に溶解するが、その温度以上では不溶化して疎水凝集するために水溶液懸濁する時の温度』を指すものではない。これは、温度感応性組成物の水溶液を冷却・加温する速度、水溶液を入れる容器のサイズと伝熱効率、温度感応性組成物の濃度などの人為的因子が測定値に影響するために厳密な『曇点』が測定がしにくい事情を考慮してのことであり、従って、本発明では、37℃で不溶化凝集させた温度感応性組成物が所定の温度未満の条件とした際に該温度感応性組成物が再溶解する際の所要時間が数分以上かかる場合にその所定の温度を曇点と呼ぶ場合もある。
本発明方法の一態様は、2-N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート及び/又はその誘導体を重合主成分とする温度感応性ポリマー材料の水溶液に2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオールを添加してなる温度感応性組成物に対し、その曇点よりも低い温度で核酸を混合して混合液を調製する混合工程と、この混合液を培養容器の内面に付着させてコーティング層を形成する付着工程と、必要に応じてこのコーティング層の乾燥を行った後、該曇点よりも高い温度で細胞浮遊液を該培養容器に供給して細胞を培養する培養工程とを有する。
培養容器としては、シャーレ、フラスコ、培養プレート(マルチウェルプレート)などが例示される。その材質は、合成樹脂、ガラス、金属などのいずれでもよい。遺伝子導入組成物を培養容器の内面に付着させる場合、培養容器の内面に遺伝子導入材料を0.7ng/mm2~70μg/mm2程度の密度で付着させるのが好ましい。
当業者に周知の通り、細胞培養用のインキュベーターは、培養皿中の培地が揮発して濃縮されることを防ぐことや庫内の炭酸ガス濃度を安定化させる目的で加湿されている。上記した培養容器内面へ付着した遺伝子導入材料を乾燥させる際には、インキュベーターの加湿を一時的に停止することですみやかな乾燥が可能であり、たとえ加湿していても遺伝子導入組成物が培地と比較して少ない液量であるため(例えば、24Well培養皿を使用する場合、通常の培地量は1mLであるが、本発明の遺伝子導入組成物としては150μL程度の添加となる)24時間程度で乾燥が可能となる。
核酸としては、各種siRNA、アンチセンス、デコイや単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ遺伝子(HSV1-TK遺伝子)、p53癌抑制遺伝子及びBRCA1癌抑制遺伝子やサイトカイン遺伝子としてTNF-α遺伝子、IL-2遺伝子、IL-4遺伝子、HLA-B7/IL-2遺伝子、HLA-B7/B2M遺伝子、IL-7遺伝子、GM-CSF遺伝子、IFN-γ遺伝子及びIL-12遺伝子などのサイトカイン遺伝子並びにgp-100、MART-1及びMAGE-1などの癌抗原ペプチド遺伝子が利用できる。また、VEGF遺伝子、HGF遺伝子及びFGF遺伝子などのサイトカイン遺伝子並びにc-mycアンチセンス、c-mybアンチセンス、cdc2キナーゼアンチセンス、PCNAアンチセンス、E2Fデコイやp21(sdi-1)遺伝子が利用できる。また、SOX2,c-Myc,OCT3,OCT4,Klf-4,NanoGなどを用いることもできる。
培養容器内面に本発明の遺伝子導入組成物のコーティング層を形成し、該コーティング層を乾燥させた後、このコーティング層上に別の核酸複合体の層を積層してもよく、これにより、本発明の用途を拡大させることができる。
また、遺伝子導入組成物のコーティング層の形成に当たり、例えばインクジェットプリンター等を用いて所定の模様に印刷し、その後必要に応じて乾燥するなどしてパターンニングを行うことにより、マイクロアレイ、DNAチップ、異種細胞の集合体の作製等への応用も期待される。
i)感温性カチオン性ホモポリマーの光重合による合成
2-(N,N-ジメチルアミノエチル)メタクリレート7.0gを50mL容の透明軟質ガラス製のバイアル瓶へ加えてマグネットスタラーで混合し、高純度窒素ガスで10分間パージした後に、丸型ブラック蛍光灯で紫外線を21時間照射した。約5時間で増粘し、15時間で固化した。光照射物をクロロホルムへ溶解して回収し、n-ヘキサンで重合物を再沈殿させ、クロロホルム/n-ヘキサン系で6回再沈殿を繰り返して精製し、n-ヘキサンを蒸散させた後に少量のベンゼンへ溶解し、0.2μmフィルターで濾過してから凍結乾燥させて感温性カチオン性ホモポリマーを得た。
i)で合成した感温性カチオン性ホモポリマー(以下、単に「ポリマー」と称す。)の3重量%(以下、「%」は「重量%」を示す。)水溶液(以下、単に「ポリマー溶液」と称すことがある。)を調製し、660nmでの吸光度の温度依存性を20℃~40℃の間で測定した。なお、このii)での測定は、40℃で懸濁させたポリマーの水溶液を毎分1℃の速度で20℃まで降温させて行き、溶液が透明となった時の温度を曇点とした。その結果、32℃付近に曇点を有することが分かった。
2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(和光純薬製、Tris999、以下「Tris」と記載する。)の顆粒をii)で調製したポリマー溶液と混合し、水を加えて終濃度を1mM~1000mMの範囲に調整した。ポリマーの終濃度は0.01%~2.5%の範囲で調整した。
ホタルルシフェラーゼをコードするDNA(プロメガ社、pGL3コントロール)20μgを2000μLの生理食塩水へ溶解して4℃で保管した。上記i)で合成したポリマー1580μgを500μLの生理食塩水へ4℃で溶解しA液とした。Tris 1580μgを500μLの生理食塩水へ4℃で溶解しB液とした。A液とB液を300μLずつ分取して混合し、4℃で保管した。
上記i)で合成したポリマーを単独で使用する(Trisを混合しないで等量の生理食塩水を混合した)こと以外はすべて実施例1に準拠して実験を行った。まず、24Well培養皿へポリマー溶液と核酸と生理食塩水の混合溶液を滴下し、流延した後に37℃へ3分間加温し、その後室温へ戻して15分間放置した後に吸引除去を行なった。
比較例1において37℃に加温した後に速やかに(温度が下がらないように)、液体を吸引除去することなく細胞浮遊液を加えてただちに37℃へ戻し、遺伝子導入活性を評価した。その結果、核酸複合体はコーティングされなかった。また、細胞浮遊液へ混合して新品の培養皿へ播種した際の導入活性の値とt検定により優位差を認めなかった。いずれの系でも培地溶液中へ分解溶解している核酸複合体が培地側からCOS細胞へ取り込まれた結果であると考えられる。
実施例1において、Trisをポリマーに対して4重量倍となるようにA液とB液を混合し、細胞溶解剤200μLを添加する代りに、20μLの細胞溶解剤の液滴を培養皿の底面にドット模様で部分的に付着させた以外は、同様にして遺伝子導入を行い、得られた試料の培養皿の底面のGFP蛍光顕微鏡像を図2に示した。
実施例2において、TrisのB液を混合しなかったこと以外は同様にして遺伝子導入を行い、GFP蛍光顕微鏡像を図2に示した。
実施例1において、Trisをポリマーに対して4重量倍となるようにA液とB液を混合し、37℃でのインキュベートを加湿を行うことなく24時間行って溶液を乾燥させたこと以外は同様にして遺伝子導入を行い、同様に遺伝子導入活性を評価したところ、遺伝子導入活性は、乾燥工程を含まない実施例1の約100倍となった。
この効果が得られる理由として、核酸複合体を100nm~200nmの微粒子として細胞へ取り込ませる従来法では、乾燥工程が入ると遺伝子の分解や微粒子の凝集によるマクロ粒子化(細胞へ取り込まれないサイズまで増大)してしまうのに対して、本発明では、元々固相からの遺伝子導入であり、乾燥させなくともポリマーの凝集層から遺伝子を細胞へ取り込ませているので、乾燥により失活することはないことが挙げられる。また、乾燥を行わない場合に比べて、100倍の活性が得られる理由は定かではないが、遺伝子が凝集層から抜けやすくなっていることが考えられる。
上記実施例1のi)で合成したポリマーとTrisを水に溶解し、終濃度をポリマー0.1%、Trisはポリマーとの重量比で0、0.5、1.0、2.0、4.0又は8.0となるように調整した。なお、0はTrisを添加しなかったものである。
上記実施例1のi)で合成したポリマーとTrisを水に溶解し、終濃度をポリマー0.1%、Trisはポリマーとの重量比で0、0.5、1.0、2.0、4.0又は8.0となるように調整した。なお、0はTrisを添加しなかったものである。
なお、上記Tris添加効果の測定例IIの実験の結果から、水溶液の温度を一定に維持した場合、約30~40分後にポリマーの状態が安定化することが分かっているため、このTris添加効果の測定例IIIの実験での測定値が外的因子の影響を受けにくい『曇点』であると言える。
上記実施例1のi)で合成したポリマーとTrisを重水に溶解し、終濃度をポリマー0.1%、Trisはポリマーとの重量比で0.65、1.3、2.6又は5.8となるように調整した。
上記実施例1のi)で合成したポリマーとTrisを水に溶解し、終濃度をポリマー0.1%、Trisはポリマーとの重量比で0、0.5、1.0、2.0、4.0又は8.0となるように調整した。なお、0はTrisを添加しなかったものである。
上記実施例1のi)で合成したポリマーとTrisを水に溶解し、終濃度をポリマー30%、Trisはポリマーとの重量比で0、0.5又は2.0となるように調整した。なお、0はTrisを添加しなかったものである。
本測定では、IRの検出感度の関係で遺伝子導入実験の20倍濃度で測定を行った。
ATR法により赤外吸収スペクトルを測定し、基材表面に残るポリマーのTris濃度依存性を調べた。
以上の原理の異なる4つの測定例、即ち、
測定例II:水中凝集による光透過性(濁り)
測定例IV:水中での疎水凝集による磁場遮蔽
測定例V:再溶解時の熱エネルギー変化
測定例VI:赤外吸収
の結果より、Trisを配合することによって、Tris/ポリマー組成物の熱的応答性が変化することが確認された。
この結果から、本発明によれば、Tris配合によって、25℃での操作中にポリマーのコーティング層が溶出してしまうことを防ぎ、温度感応的に形成された凝集層の目的を十に発揮できるという効果が得られることが分かる。
GFPをコードする遺伝子(TAKARA Biomedicals社、pQB125)を生理食塩水へ溶解して濃度1μg/30μLとし、4℃で保管した。上記実施例1のi)で合成したポリマーを生理食塩水へ4℃で溶解し濃度4μg/30μLのC液とした。Tris 1580μgを500μLの生理食塩水へ4℃で溶解しD液とした。C液とD液を300μLずつ分取して混合し、4℃で保管した。
実施例4において、C液及びD液の混合溶液の代わりにLipofectamine2000(invitrogen社)を用いたこと以外は同様にして実験を行った。結果を図7に示す。
(i) 従来法による遺伝子導入が、通常、細胞の分裂期へ核酸を供給するタイミングを合わせる必要がある(タイミングが合った細胞に導入の機会が与えられるとも言える)のに対して、長期に渡って核酸を供給することは、あらゆる細胞周期にある多くの細胞へ均等に導入の機会を与えことができる。
(ii) 増殖速度の小さい細胞への導入にも有利である。
なお、本出願は、2011年12月28日付で出願された日本特許出願(特願2011-287594)に基づいており、その全体が引用により援用される。
Claims (3)
- 2-N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート及び/又はその誘導体を重合主成分とする温度感応性ポリマー材料に2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオールを添加してなる温度感応性組成物の水溶液に対し、その曇点よりも低い温度で核酸を混合して遺伝子導入組成物を製造する遺伝子導入組成物製造工程と、
該遺伝子導入組成物を培養容器に付着させる付着工程と、
該曇点よりも高い温度で細胞浮遊液を該遺伝子導入剤に供給して培養する培養工程と
を有する核酸導入された細胞の製造方法。 - 請求項1において、前記付着工程と培養工程との間に、温度感応性組成物を乾燥させる乾燥工程を有することを特徴とする核酸導入された細胞の製造方法。
- 請求項1又は2において、前記ポリマー材料の分子量は、5,000~500,000であることを特徴とする核酸導入された細胞の製造方法。
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