WO2013089258A1 - 顕微鏡及び刺激装置 - Google Patents

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Abstract

 簡単な構成で、従来よりも深い領域を光により刺激することが可能な顕微鏡及び刺激装置を提供する。 走査型顕微鏡10は、第1の光源101からの光を、対物レンズ304を介して標本20に照射してこの標本20からの光を受光する第1の走査光学系100と、第1の光源101からの光、又は第1の光源101とは異なる第2の光源201からの光を、対物レンズ304を介して標本20に照射して特異現象を発現させる第2の走査光学系200と、を有し、第2の走査光学系200は、対物レンズ304を介して集光される、第1の光源101からの光、又は第2の光源201からの光の集光領域が、所定の条件を満たすように、第1の光源101からの光、又は第2の光源201からの光を整形するビーム整形光学系205を有することを特徴とする。

Description

顕微鏡及び刺激装置
 本発明は、顕微鏡及び刺激装置に関する。
 顕微鏡による標本の観察において、所定の波長のレーザ光を照射して標本上の特定の部位を刺激し、さらに、異なる波長のレーザ光を照射して励起させることによりこの標本で発生する蛍光を観察する方法が知られている。例えば、大脳皮質の樹上突起であるスパインにレーザ光を照射するとこのスパインをアンケイジングして蛍光観察をすることができるが、大脳皮質に厚みがあるため、観察面以外のスパインもアンケイジできると研究の幅が広がる。このスパインは1μm程度の突起であり、それ以外の場所は極力光刺激をしたくない。このような顕微鏡において、レーザ光により特異現象(上述のような光刺激による現象)を発現させることができる範囲は、対物レンズの焦点深度程度である。そのため、光刺激をする領域の深さ(光軸方向の幅)、すなわち、対物レンズの焦点深度を広げる方法として、対物レンズに入射するビームの径をビームエキスパンダにより可変にすることで、ビーム径を絞る構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
米国発行特許発明第7196843号明細書
 しかしながら、刺激する光のビーム径を絞り、NAを小さくすれば対物レンズの焦点深度は深くなるため、刺激する領域は光軸方向にある程度広がる(深くなる)が、NAを小さくすると、平面方向(光軸と直交する面内)におけるスポットも大きくなってしまうという課題があった。このように刺激する光のスポットが大きくなると、上述のような脳細胞を観察する場合、特定のスパインを高精度に刺激することができなくなる。
 本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で、従来よりも深い領域を光により刺激することが可能な顕微鏡及び刺激装置を提供することを目的とする。
 前記課題を解決するために、本発明に係る顕微鏡は、第1の光源からの光を、対物レンズを介して標本に照射してこの標本からの光を受光する第1の光学系と、第1の光源からの光、又は第1の光源とは異なる第2の光源からの光を、対物レンズを介して標本に照射して特異現象を発現させる第2の光学系と、を有し、第2の光学系は、対物レンズを介して集光される、第1の光源からの光、又は第2の光源からの光の集光領域が、以下の条件を満たすように、第1の光源からの光、又は第2の光源からの光を整形するビーム整形光学系を有することを特徴とする。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000003
 但し、
  ΔD:第1の光源からの光、又は第2の光源からの光の集光領域の最大距離
  λ :第1の光源からの光、又は第2の光源からの光の波長
  NA:対物レンズの開口数
 ここで、集光領域とは、集光された領域が連続的である場合は、最大強度の8割以上の強度を有する領域であり、集光された領域が断続的である場合は、各領域の中心間を結ぶ線の全て(各領域が集光点のときは、集光点の中心間を結ぶ線の全て)である。
 このような顕微鏡において、ビーム整形光学系は、第1の光源からの光、又は第2の光源からの光が、対物レンズを介して、第2の光学系の光軸を含む所定の断面内において互いに所定の距離離れ、互いに所定の角度をなす2光束となって集光されるように光を整形することが好ましい。
 また、このような顕微鏡において、ビーム整形光学系は、第1の光源からの光、又は第2の光源からの光が、対物レンズの瞳において光軸から所定の距離離れた領域を通過して対物レンズを介して集光されるように光の光軸に直交する面における形状を整形することが好ましい。
 また、このような顕微鏡において、ビーム整形光学系は、光の光軸に直交する面における形状を輪帯形状に整形することが好ましい。
 また、このような顕微鏡において、ビーム整形光学系は、互いの頂点が対向するように配置された2枚の円錐レンズで構成されることが好ましい。
 また、このような顕微鏡において、ビーム整形光学系は、互いの頂点が逆方向を向くように配置された2枚の円錐レンズで構成されることが好ましい。
 また、このような顕微鏡において、ビーム整形光学系は、円錐面がすり鉢状に形成された凹型の円錐レンズと、この円錐面と対向するように円錐面が配置された凸型の円錐レンズと、から構成されることが好ましい。
 また、このような顕微鏡は、円錐レンズ間の光軸方向の間隔を変化させて輪帯形状の光の外径を変化させることが好ましい。
 また、このような顕微鏡において、ビーム整形光学系は、光を反射する円錐面がすり鉢状に形成されるとともに、光軸上に貫通孔が形成された凹型の円錐ミラーと、光を反射する円錐面が形成され、貫通孔と位置整合して配置された凸型の円錐ミラーと、を有し、光源からの光を、貫通孔を通過させて凸型の円錐ミラーで反射させ、さらに、凹型の円錐ミラーで反射させるように構成されることが好ましい。
 また、このような顕微鏡は、円錐ミラー間の光軸方向の間隔を変化させて輪帯形状の光の外径を変化させることが好ましい。
 また、このような顕微鏡において、ビーム整形光学系は、光源側から順に、円錐レンズと、この円錐レンズを透過した光を反射し、さらに円錐レンズに入射させる平面ミラーと、光源からの光を円錐レンズに導き、円錐レンズからの光を標本に導く光路切換部材と、から構成されることが好ましい。
 また、このような顕微鏡は、円錐レンズと平面ミラーとの光軸方向の間隔を変化させて輪帯形状の光の外径を変化させることが好ましい。
 また、このような顕微鏡は、第1の光源又は第2の光源とビーム整形光学系との間、或いはビーム整形光学系と対物レンズとの間に配置され、光の径を変化させることにより、輪帯形状の光の輪帯幅を変化させるビームエキスパンダを有することが好ましい。
 また、このような顕微鏡において、ビーム整形光学系は、第1の光源からの光、及び第2の光源からの光のいずれか一方の光の一部と残りの光の少なくとも一部とに位相差を付与し、対物レンズを介して当該対物レンズの光軸上に複数の集光点を形成することが好ましい。
 また、このような顕微鏡において、ビーム整形光学系は、光を透過させる複数の透光部分を有し、該各透光部分のうち少なくとも一つの該透光部分を透過した光に他の透光部分を透過した光との間で位相差を付与することが好ましい。
 また、このような顕微鏡において、ビーム整形光学系は、板状部材であり、各透光部分における光の光学的光路長がそれぞれ異なるように形成されていることが好ましい。
 また、このような顕微鏡において、ビーム整形光学系は、空間光変調素子であり、各透光部分における光の光学的光路長が任意に切り替え可能であることが好ましい。
 また、このような顕微鏡において、各透光部分はそれぞれ光が入射する入射面を有し、該各入射面の面積は、該各入射面への入射光量がそれぞれ等しくなるように設定されていることが好ましい。
 また、このような顕微鏡は、光が対物レンズを介して集光される集光領域の大きさを入力する入力部と、集光領域の大きさに対応させて、ビーム整形光学系を制御する制御部と、を有することが好ましい。
 また、このような顕微鏡は、光が対物レンズを介して集光される集光領域の大きさを入力する入力部と、集光領域の大きさに対応させて、円錐レンズ位置、円錐ミラー位置の少なくとも1つを制御する制御部と、を有することが好ましい。
 また、このような顕微鏡は、光が対物レンズを介して集光される集光領域の大きさを入力する入力部と、集光領域の大きさに対応させて、円錐レンズの位置と平面ミラーの位置とを制御する制御部と、を有することが好ましい。
 また、このような顕微鏡は、光が対物レンズを介して集光される集光領域の大きさを入力する入力部と、集光領域の大きさに対応させて、ビームエキスパンダを制御する制御部と、を有することが好ましい。
 また、このような顕微鏡は、光が対物レンズを介して集光される集光領域の大きさを入力する入力部と、集光領域の大きさに対応させて、板状部材の切替を制御する、或いは空間光変調素子を制御する制御部と、を有することが好ましい。
 また、本発明に係る刺激装置は、対物レンズを介して励起光を標本に照射し、標本で発生した蛍光を集光する集光光学系を備えた顕微鏡に装着される刺激装置であって、励起光を出射した第1の光源からの光、又は第1の光源とは異なる第2の光源からの光を、対物レンズを介して標本に照射して特異現象を発現させる刺激光学系を有し、この刺激光学系は、対物レンズを介して集光される、第1の光源からの光、又は第2の光源からの光の集光領域が、以下の条件を満たすように、第1の光源からの光、又は第2の光源からの光を整形するビーム整形光学系を有することを特徴とする。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000004
 但し、
  ΔD:第1の光源からの光、又は第2の光源からの光の集光領域の最大距離
  λ :第1の光源からの光、又は第2の光源からの光の波長
  NA:対物レンズの開口数
 本発明によれば、簡単な構成で、従来よりも深い領域を光により刺激することが可能な顕微鏡及び刺激装置を提供することができる。
顕微鏡の一例である走査型顕微鏡の構成を示す説明図である。 第1の実施形態における、励起する領域及び刺激する領域と対物レンズとの関係を説明するための説明図である。 第1の実施形態に係るビーム整形光学系の構成例を示すための説明図であって、(a)は凸型の円錐レンズを、互いの頂点が対向するように配置した場合を示し、(b)は凸型の円錐レンズを、互いの頂点が逆方向を向くように配置した場合を示す。 第1の実施形態に係るビーム整形光学系の他の構成例を示すための説明図であって、(a)は2枚の円錐ミラーを組み合わせた場合を示し、(b)は凸型と凹型の円錐レンズを組み合わせた場合を示す。 第1の実施形態に係るビーム整形光学系の他の構成例を示すための説明図であって、一枚の円錐レンズと平面ミラーとを組み合わせた場合を示す。 第1の実施形態における、帯状のレーザ光の外径及び内径のNAを説明するための説明図である。 第1の実施形態における、輪帯状のレーザ光による対物レンズの規格化したNAと焦点深度との関係を説明するためのグラフである。 第1の実施形態において、ビーム整形光学系における輪帯状のレーザ光の外径のNAを変化させる方法を示す説明図であって、(a)は基準状態を示し、(b)はNAを大きくした状態を示し、(c)はNAを小さくした状態を示す。 第1の実施形態において、ビームエキスパンダによりレーザ光の径を変化させたときの輪帯状のレーザ光の輪帯幅を説明するための説明図であって、(a)は、ビーム整形光学系に入射する光束の径が細いときを示し、(b)は、ビーム整形光学系に入射する光束の径が太いときを示す。 第1の実施形態における、刺激用のレーザ光の断面形状の変形例を説明するための説明図である。 第1の実施形態における、輪帯状のレーザ光の断面形状と対物レンズの瞳との関係を示す説明図であって、(a)は対物レンズの瞳中心に略一致している場合を示し、(b)は瞳中心にかかっている場合を示し、(c)は瞳中心から外れている場合を示す。 第2の実施形態に係るビーム整形光学系の構成例を示すための説明図であって、(a)は平面図を示し、(b)は(a)のI-I縦断面図である。 第2の実施形態に係るビーム整形光学系を説明するための説明図であって,(a)は式(8)を説明するための説明図であり、(b)は標本上に集光されたレーザ光の光強度と光軸上の座標との関係を示すグラフである。 第2の実施形態において、対物レンズの光軸上に二つの集光点が形成された状態を概略的に示す説明図である。 上記二つの集光点のうち一方の光学的伝達関数の結果を示すグラフである。 三つの集光点を光軸上に形成するためのビーム整形光学系の構成例を示す説明図であって、(a)は平面図であり、(b)は(a)のII-II縦断面図である。 第2の実施形態において、対物レンズの光軸上に三つの集光点が形成された状態を概略的に示す説明図である。 第2の実施形態において、二つの集光点を形成するためのビーム整形光学系の変形例を示す説明図であって、(a)は平面図であり、(b)は(a)のIII-III縦断面図である。 第2の実施形態において、二つの集光点を形成するためのビーム整形光学系の別の変形例を示す説明図であって、(a)は平面図であり、(b)は(a)のIV-IV縦断面図である。 第2の実施形態において、三つの集光点を形成するためのビーム整形光学系の変形例を示す説明図であって、(a)は平面図であり、(b)は(a)のV-V縦断面図である。 第2の実施形態において、二つの集光点を形成するためのビーム整形光学系の別の変形例を示す説明図であって、(a)は平面図であり、(b)は(a)のVI-VI縦断面図である。
 以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、図1を用いて顕微鏡の一例である走査型顕微鏡10の構成について説明する。この走査型顕微鏡10は、第1の光源101から放射されたレーザ光を、対物レンズ304を介してステージ30上に載置された標本20に照射するとともに、このレーザ光を偏向して標本20を走査する第1の走査光学系100と、第2の光源201から放射されたレーザ光を、対物レンズ304を介して標本20に照射するとともに、このレーザ光を偏向して標本20を走査する第2の走査光学系200と、上記対物レンズ304を含み、第1及び第2の走査光学系100,200から射出したレーザ光を標本20上に集光するとともに、このレーザ光により刺激及び励起された標本20から発生する蛍光を集光する結像光学系300と、この蛍光を検出する第1の検出部400及び第2の検出部500と、を有して構成される。すなわち、この走査型顕微鏡10において、第1の走査光学系100、結像光学系300、並びに、第1及び第2の検出部400,500は、標本20に第1の光源101からのレーザ光を照射して励起させることにより発生する蛍光によりこの標本20を観察する第1の光学系を構成し、第2の走査光学系200及び結像光学系300は、標本20に第2の光源201からのレーザ光を照射して刺激することにより、この標本20に特異現象を発現させる第2の光学系を構成している。また、この第2の走査光学系200及び結像光学系300は、対物レンズ304を介して励起光を標本20に照射し、この標本20で発生した蛍光を集光する集光光学系である結像光学系300を備えた顕微鏡に装着される刺激光学系を有する刺激装置としても機能する。なお、第2の光源201の代わりに第1の光源101からの光を第2の走査光学系200で集光して標本20に照射するように構成しても良い。また、以降の説明において、結像光学系300の光軸方向をz軸とし、このz軸に直交する面内で互いに直交する方向をx軸及びy軸とする。
 第1の走査光学系100は、第1の光源101側から順に、レーザ導入光学系102と、第1の光路分割部材103と、第1の走査ユニット104と、から構成される。また、第2の走査光学系200は、第2の光源201側から順に、光ファイバ202と、ファイバ射出端203と、コリメートレンズ204と、ビーム整形光学系205と、第2の走査ユニット206と、第2の光路分割部材207と、から構成される。また、結像光学系300は、光源側から順に、瞳投影レンズ301と、第2対物レンズ302と、第3の光路分割部材303と、対物レンズ304と、から構成される。
 第1の光源101は、標本20の多光子励起を誘発するための、所定の周期で射出される非常に短いパルス状のレーザ光(例えば、100フェムト秒のパルス光であって、以下、「IRパルス光」又は「励起光」と呼ぶ)を放射する。この第1の光源101から射出されたIRパルス光は、略平行光であって、レーザ導入光学系102を通過した後、第1の光路分割部材103を透過して第1の走査ユニット104に入射する。そして、このIRパルス光は第1の走査ユニット104で走査され、第2の光路分割部材207を透過して結像光学系300に入射する。
 ここで、第1の光路分割部材103はダイクロイックミラー若しくはハーフミラーで構成されている。また、第1の走査ユニット104は、光軸に直交する方向(上述のx軸方向及びy軸方向)にIRパルス光を2次元的に走査するものであり、例えば、IRパルス光を反射することによりこのIRパルス光を光軸に直交する面内で所定の方向(x軸方向)に偏向させる第1の偏向素子と、第1の偏向素子で反射されたIRパルス光をさらに反射することにより、このIRパルス光を所定の方向と略直交する方向(y軸方向)に偏向させる第2の偏向素子とにより構成される。
 また、第2の光源201は、標本20を刺激するための可視レーザ光(以下、「可視光」又は「刺激光」と呼ぶ)を放射する。この第2の光源201から放射された可視光は、光ファイバ202を通過したのち、ファイバ射出端203から拡がりのある光として射出され、コリメートレンズ204で略平行光にされて、ビーム整形光学系205を通過して第2の走査ユニット206に入射する。そして、この可視光はこの第2の走査ユニット206で走査され、第2の光路分割部材207で反射されて、IRパルス光と重ね合わされて結像光学系300に入射する。
 ここで、第2の光路分割部材207もダイクロイックミラー若しくはハーフミラーで構成されている。また、第2の走査ユニット206も、光軸に直交する方向(上述のx軸方向及びy軸方向)に可視光を2次元的に走査するものであり、例えば、可視光を反射することによりこの可視光を光軸に直交する面内で所定の方向(x軸方向)に偏向させる第1の偏向素子と、第1の偏向素子で反射された可視光をさらに反射することにより、この可視光を所定の方向と略直交する方向(y軸方向)に偏向させる第2の偏向素子とにより構成される。
 第2の光路分割部材207を射出したIRパルス光及び可視光は、瞳投影レンズ301により一度集光された後、第2対物レンズ302により略平行光にされ、第3の光路分割部材303を透過して対物レンズ304に入射し、この対物レンズ304を介してステージ30上に載置された標本20に集光される。ここで、第3の光路分割部材303もダイクロイックミラー若しくはハーフミラーで構成されている。なお、第1の走査ユニット104及び第2の走査ユニット206の偏向素子は、それぞれ、瞳投影レンズ301により形成される対物レンズ304の瞳像と略一致するか、若しくはその近傍に配置されている。
 可視光により刺激され、IRパルス光により励起されて標本20から発生した蛍光は、対物レンズ304で集光され、第3の光路分割部材303に入射する。
 第3の光路分割部材303に入射する蛍光のうち、所定の波長の蛍光は、この第3の光路分割部材303で反射されて第1の検出部400に入射する。この第1の検出部400は、第3の光路分割部材303側から順に、第1の集光レンズ401と、第2の集光レンズ402と、第1の光電変換素子403と、から構成されている。第3の光路分割部材303で反射された蛍光は、第1及び第2の集光レンズ401,402で集光された後、第1の光電変換素子403に入射して電気信号に変換される。
 この第3の光路分割部材303で反射される蛍光は、励起光による2光子励起で生じる蛍光である。2光子励起は対物レンズ304の焦点面でしか発生しないため、第1の検出部400に遮光板(ピンホール)を設ける必要はない。この第1の検出部400は、NDD(Non-Descan Detector)とも呼ばれる。
 一方、第3の光路分割部材303に入射する蛍光うち、上記所定の波長と異なる波長の蛍光は、この第3の光路分割部材303を透過し、第2対物レンズ302及び瞳投影レンズ301を通過し、さらに、第2の光路分割部材207を透過して第1の走査ユニット104に入射する。そして、この蛍光は第1の走査ユニット104でデスキャンされ、第1の光路分割部材103で反射されて第2の検出部500に入射する。
 第2の検出部500は、第1の光路分割部材103側から順に、第3の集光レンズ501と、対物レンズ304の標本側の焦点面と略共役な位置に配置された遮光版502と、第2の光電変換素子503と、から構成される。ここで、遮光板502にはピンホール502aが設けられており、このピンホール502aは、光軸を含むように配置されている。第1の光路分割部材103で反射された蛍光は、第3の集光レンズ501により遮光板502のピンホール502a上に集光され、このピンホール502aを通過した光のみが第2の光電変換素子503で検出されて電気信号に変換される。
 上述のように、遮光板502のピンホール502aは標本20上の走査面に集光されたレーザ光(励起光)の点像と共役であり、標本20上の照射領域(対物レンズ304の焦点面上)から出た蛍光はこのピンホール502aを通過することができる。一方、標本20上の他の領域から出た光のほとんどはこのピンホール502a上に集光されず、通過することができない。そのため、標本20の像の深さ方向の分解能を向上させることができる。
 また、この走査型顕微鏡10は、この走査型顕微鏡10の作動を制御する制御部40が接続されており、さらに、この制御部40には、走査型顕微鏡10を操作するための入力部50、操作のためのメニューや第1及び第2の光電変換素子403,503で得られた標本20の画像を表示するための出力部60、及び、この画像を記憶するための記憶部70が設けられている。
 以上より、制御部40が第1及び第2の走査ユニット104,206の走査に同期して第1又は第2の光電変換素子403,503で検出された光信号(電気信号)を処理することにより、標本20上のレーザ光が照射された座標と光信号から求められる輝度とを用いて、標本20の走査面における二次元的な画像を得ることができる。これにより、この走査型顕微鏡10は、高い分解能で標本20の像を得ることができる。また、この走査型顕微鏡10は、走査型多光子顕微鏡及び走査型共焦点顕微鏡の両方として使用することができる。
 それでは、以上のような構成の第2の走査光学系200に配置されているビーム整形光学系205について2つの実施形態に基づいて説明する。
[第1の実施形態]
 まず、第1の実施形態に係るビーム整形光学系205について図2~図11を用いて説明する。この第1の実施形態に係るビーム整形光学系205は、第2の光源201から放射されコリメートレンズ204で略平行光にされたレーザ光(刺激光)の断面形状(光軸に直交する面による断面の光束の形状)を、このレーザ光が、少なくとも対物レンズ304の瞳における光軸から所定の距離離れた領域を通過して対物レンズ304で集光されるように整形するものである。換言すると、ビーム整形光学系205によって整形されたレーザ光(刺激光)は、光軸を含む所定の面による断面において光軸に対して所定の角度をなす2光束であって、対物レンズ304を介して集光される。このようなレーザ光の断面形状としては、光軸を囲む輪帯形状がある。以下、レーザ光を輪帯形状に整形するビーム整形光学系205について説明する。
 レーザ光の断面形状を、少なくとも対物レンズ304の瞳における光軸から所定の距離離れた領域を通過するように整形すると、対物レンズ304の周辺部(光軸から所定の距離離れた領域)からこの対物レンズ304の焦点面に集光される。このように、対物レンズ304の周辺部からレーザ光を集光すると、このレーザ光により刺激される領域のうち、光軸方向の幅(深さ)、すなわち、対物レンズ304の焦点深度は深くなる。特に、ビーム整形光学系205によりレーザ光の断面形状を輪帯状にすると、対物レンズ304により集光されたレーザ光は、その断面の動径方向の強度分布が第1種ベッセル関数で表されるベッセルビームとなり、その焦点深度は非常に深くなる。つまり、光軸方向(深さ方向)に、より長い刺激光が形成される(深さ方向に広がった刺激光が形成される)。図2において、第1の走査光学系100により集光され観察される平面はA1で示されており、第2の走査光学系200からのベッセルビームにより刺激される領域(集光領域)はA2で示されている。このように、第1の走査光学系100により平面A1を観察しつつも、第2の走査光学系200で形成されたベッセルビームにより、観察面では狭い1点の領域であるが、光軸方向のより深い領域を刺激することができる。そのため、この走査型顕微鏡10は、上述したような脳細胞の観察に適している。
 図3(a)は、略平行のレーザ光(可視光又は刺激光)の断面形状を輪帯状に整形するビーム整形光学系205の構成の一例を示している。このビーム整形光学系205は、2つの透過型で凸型の円錐レンズ(アキシコンレンズ)205a,205bを、その頂点が対向するように配置している。なお、図3において、第2の光源201から射出されたレーザ光は、左から右に進む場合を示している。ビーム整形光学系205を、このような構成にすると、第2の光源201からの略平行のレーザ光が、第1の円錐レンズ205aで拡散する輪帯状のレーザ光に変換され、さらに第2の円錐レンズ205bで略平行の輪帯状のレーザ光に変換される。なお、図3(b)に示すように、第1及び第2の円錐レンズ205a,205bを、その頂点が互いに逆方向を向くように配置しても、図3(a)と同様に、輪帯状のレーザ光を得ることができる。
 また、図4(a)に示すように、光源側に頂点が向くように配置された凸型の第1の円錐ミラー215aと、光軸を含む領域に貫通孔が形成され、その周囲にすり鉢状の円錐面が反射面として形成された凹型の第2の円錐ミラー215bとを組み合わせても、レーザ光の断面形状を輪帯状に整形することができる。この図4(a)の構成の場合、第2の光源201からの略平行のレーザ光は、第2の円錐ミラー215bの貫通孔を通過して第1の円錐ミラー215aの反射面に入射する。そして、この第1の円錐ミラー215aの反射面で反射されたレーザ光は、拡散する輪帯状のレーザ光に変換され、さらに、第2の円錐ミラー215bの反射面に入射し、この反射面で反射されて略平行の輪帯状のレーザ光に変換される。
 また、図4(b)に示すように、すり鉢状の円錐面が形成された透過型で凹型の第1の円錐レンズ225aと、凸型の第2の円錐レンズ225bとを、その頂点が光源側を向くように配置しても、レーザ光の断面形状を輪帯状に整形することができる。この図4(b)の場合、第1の円錐ミラー225aのすり鉢状の円錐面で、第2の光源201からの略平行のレーザ光が拡散する輪帯状のレーザ光に変換され、さらに第2の円錐レンズ225bで略平行の輪帯状のレーザ光に変換される。
 また、図5に示すように、標本側に頂点が向いた透過型で凸型の円錐レンズ235aと、この円錐レンズ235aを透過したレーザ光を反射する平面ミラー235bとを組み合わせても、レーザ光の断面形状を輪帯状に整形することができる。この図5の場合、円錐レンズ235aの光源側には光軸に対して傾いた(例えば45度傾いた)中空ミラー235cが配置されており、第2の光源201からの略平行のレーザ光はこの中空ミラー235cの中空部分を通過して円錐レンズ235aに入射し、この円錐レンズ235aで拡散する輪帯状のレーザ光に変換される。そして、平面ミラー235bで反射されて再度円錐レンズ235aに入射して略平行の輪帯状のレーザ光に変換され、中空ミラー235cで反射されて射出される。このように、1枚の円錐ミラー235aに1枚の平面ミラー235bを組み合わせることにより、このビーム整形光学系205において、高価な円錐レンズを1枚で構成することができる。また、中空ミラー235cを配置することにより、この中空ミラー235cを光路切換部材として機能させ、ビーム整形光学系205に対する入射光と射出光とを分離することができる。
 このようなビーム整形光学系205で整形されたレーザ光(ベッセルビーム)は、図6に示すように輪帯状の瞳形状IAを有している。ここで、この輪帯状の瞳形状IAの外径の開口数をNAとし、内径の開口数をNA′とすると、開口数NA及びNA′に対する波面収差φは、次式(1)及び(2)のように表される。なお、この式(1),(2)において、λは波長を示し、Δzはデフォーカス量を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000005
 また、上述の図6に示す輪帯状のレーザ光(ベッセルビーム)の波面収差をΔφとすると、上記式(1),(2)の差として表されるため、以下の式(3)のようになる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000006
 ここで、波面収差がλ/4発生するところまでデフォーカスした領域をベッセルビームの焦点深度とし、この焦点深度の範囲をレーザ光により標本20を刺激することができる領域であるとすると、上述の式(3)から、ベッセルビームの開口数と焦点深度との関係は図7のようになる。なお、この図7において、横軸は、規格化されたNA、すなわち、ベッセルビームの内径の開口数NA′を外径の開口数NAで除した値を示し、縦軸はこのベッセルビームに対する対物レンズ304の焦点深度を示している(ベッセルビームの焦点面からの光源側若しくは標本側の焦点深度)。なお、この図7に示すグラフの算出において、対物レンズ304は液浸系の対物レンズであって、標本20及び浸液の屈折率はいずれも1.35であるとする。また、レーザ光の波長は0.405μmであるとする。また、図7のグラフは、ベッセルビームの外径の開口数NAを0.1~1.3まで0.1刻みで変化させたときを表しており、最も上側の線がNA=0.1のときを示し、最も下側の線がNA=1.3のときを示している。
 このように、ビーム整形光学系205で整形されたレーザ光のビーム形状の外径のNAにより、対物レンズ304により集光されるスポットの径が決定され、また、外径のNA及び規格化されたNA(=NA′/NA)により、焦点深度を決定することができる。
 なお、図8に示すように、第1及び第2の円錐レンズ205a,205bの光軸方向の間隔を変化させることにより、輪帯状のレーザ光の外径のNAを変化させることができる。また、図9に示すように、ビーム整形光学系205の光源側にビームエキスパンダ208を配置し、ビーム整形光学系205に入射する光束の径を変化させることにより、輪帯状のレーザ光の輪帯幅を変化させることができる。すなわち、第1及び第2の円錐レンズ205a,205bの間隔を広げると輪帯状のレーザ光の外径のNAを大きくすることでき、これらの間隔を狭めると外径のNAを小さくすることができる。また、ビームエキスパンダ208によりビーム整形光学系205に入射する光束の径を細くすることにより輪帯幅を狭くし、光束の径を太くすることにより輪帯幅を広くすることができる。円錐レンズ225a,225bや円錐ミラー215a,215bを組み合わせた構成、及び、円錐レンズ235aと平面ミラー235bを組み合わせた構成でも同様である
 本実施形態に係る走査型顕微鏡10は、ビーム整形光学系205に上述した円錐レンズ、円錐ミラー又は平面ミラーの位置を光軸方向に移動させるアクチュエータを設け、制御部40でその作動を制御することにより、標本20の所望の領域をレーザ光で刺激することができる。また、制御部40でビームエキスパンダ208から出射する光束径を制御しても同様である。この場合、第2の光源201からのレーザ光が対物レンズ304を介して集光される集光領域の大きさを入力部50を用いて制御部40に設定し、制御部40が上述したビーム整形光学系205のアクチュエータやビームエキスパンダ208の作動を制御することにより設定された集光領域を刺激する(照明する)ように構成される。なお、ビーム整形光学系205やビームエキスパンダ208の作動を制御するときの制御量(例えば、デフォーカス量Δz)は、上述した式等を用いて制御部40で演算して求めても良いし、予め記憶部70にこれらの関係をテーブルとして記憶しておき、制御部40でその値を読み出しても良い。
 上述の式(3)から、刺激光の集光領域の光軸方向の距離、つまり、集光された光の最大強度の8割以上の強度を有する領域の光軸方向の距離ΔDは、レーザ光の波長をλとすると、次式(4)のようになる。なお、集光された光の最大強度の8割以上の強度を有する領域の光軸方向の距離は、換言すると、対物レンズ304の焦点面を中心に、最大強度の8割の強度を有する光源側の位置から最大強度の8割の強度を有する光源と反対側の位置までの光軸方向の距離でもある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000007
 例えば、NA=0.9、NA′=0.88とし、λ=488nmとすると、ΔD=1.99μmとなる。
 一方、対物レンズ304に入射するビームの径をビームエキスパンダにより可変にする場合、刺激光の集光領域の光軸方向の距離、つまり、集光された光の最大強度の8割以上の強度を有する領域の光軸方向の距離ΔDSは、次式(5)のようになる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000008
 例えば、NA=0.9とすると、ΔDS=0.43μmとなる。
 ここで、次式(6)の関係から、式(4)に示した、集光領域の光軸方向の距離ΔDは、次式(7)の関係を有していると言える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000009
 なお、浸液がある対物レンズ304が液浸対物レンズの場合は、浸液の屈折率をnとすると、上述の式(4)~(7)において、λをλ/nに置き換え、NAをNA/nに置き換える必要がある。
 また、刺激光の集光領域の光軸方向の距離ΔD、ΔDSは、対物レンズ304に入射するビームの中心が光軸に略一致し、光軸方向の距離が最大距離となるので、光軸方向の距離=最大距離であるが、対物レンズ304に入射するビームの中心が、光軸に略一致しない場合は、光軸方向の距離が最大距離とはならないので、刺激光の集光領域の最大距離に置き換える必要がある。
 また、以上の説明では、観察用のレーザ光(励起光)をIRパルス光とし、刺激用のレーザ光(刺激光)を可視光とした場合について説明したが、励起光を可視光とし、刺激光をIRパルス光としても良いし、両方を可視光としても良いし、両方をIRパルス光としても良い。励起光を可視光とした場合、例えば脳細胞が標本20の場合、浅い部分しか励起(観察)できないが、刺激光をIRパルス光とすることにより、深いところまで刺激することができる。また、励起光及び刺激光をIRパルス光とすると、標本20の深部でも、励起(観察)及び刺激をすることができる。また、以上の説明では、第2の走査光学系200にのみ、ビーム整形光学系205を設けた場合について説明したが、第1の走査光学系100にもこのビーム整形光学系を設けることも可能である。また、対物レンズ304の焦点面と異なる面を中心に標本20を刺激する場合には、第2の走査光学系200に、刺激光の集光の中心が対物レンズ304の焦点面よりも標本側若しくは光源側にずれるように、結像位置を調整する光学系を設けても良い(例えば、略平行光である刺激光を、やや発散若しくは収斂させて対物レンズ304の焦点面よりも標本側若しくは像側に集光させる光学系を設ける)。もちろん、このビーム整形光学系は、上述の走査型顕微鏡10だけでなく、その他の顕微鏡における刺激光の光学系にも適用することができる。
 また、以上の説明では、第2の走査光学系200に配置されたビーム整形光学系205の光源側、すなわち、ビーム整形光学系205と第2の光源201(ファイバ射出端203)との間にビームエキスパンダ208を配置した場合について説明したが、このビームエキスパンダ208は、ビーム整形光学系205の標本側、すなわち、ビーム整形光学系205と対物レンズ304との間に配置しても良い。また、第1の走査光学系100にビーム整形光学系を設ける場合も、このビーム整形光学系と第1の光源101との間、或いは、ビーム整形光学系と対物レンズ304との間にビームエキスパンダを配置することができる。
 また、以上の説明では、可視光(刺激光)を輪帯状のレーザ光(ベッセルビーム)に変換した場合について説明したが、図10(a)に示すように、そのビーム形状IAは、輪帯の一部が欠けた形状でも良い。また、図10(b)に示すように、複数の光源からの光、若しくは、一つ以上の光源からの光を分割して、それぞれを輪帯状に配置しても良い。図10(a),(b)のいずれの例も、ビーム整形光学系205によって整形されたレーザ光(刺激光)は、光軸を含む所定の面による断面において光軸に対して所定の角度をなす2光束である。また、円錐レンズや円錐ミラーを使用せず、ビーム整形光学系205として、輪帯状の開口部が形成された絞りを配置しても良い。
 また、ビーム整形光学系205で整形されたレーザ光は、その輪帯状の瞳形状IMが、図11(a)に示すように、対物レンズ304の瞳Pの中心に略一致していても構わないし、図11(b)に示すように、瞳Pの中心にかかっていても構わないし、図11(c)に示すように、瞳Pの中心から外れていても構わない。
[第2の実施形態]
 次に、第2の実施形態に係るビーム整形光学系205の構成について図12~図21を用いて説明する。この第2の実施形態に係るビーム整形光学系205は、図12に示すように円盤状の光学部材として構成されている。このビーム整形光学系205の一方の面220aには、図12(a)の平面図及び(b)の縦断面図に示すように、ビーム整形光学系205の周面220cに開放し且つビーム整形光学系205の周方向に伸びる段部221が形成されている。この段部221の深さ寸法hは、ガラス基盤の屈折率をnとし、レーザ光の波長をλとすると、h(n-1)=λ/2の関係を満たすように設定されている。従って、例えばレーザ光の波長がλ=488nmであり、屈折率がn=1.5である場合、h=488nmとなる。また、段部221は、例えば従来よく知られたリソグラフィ技術を用いて形成することができる。この段部221の形成により、ビーム整形光学系205の中央部には円柱状をなした第一の透光部分222が形成され、ビーム整形光学系205の周縁部には第一の透光部分222の板厚寸法よりも小さい板厚寸法を有する環状の第二の透光部分223が形成されている。
 第一及び第二の各透光部分222,223は、それぞれレーザ光が入射する入射面222a,223aを有する。各入射面222a,223aの大きさは、該各入射面への入射光量がそれぞれ等しくなるように設定されている。図示の例では、各入射面222a,223aで構成されるビーム整形光学系205の他方の面220bにレーザ光が均一に照射されると考えて、各入射面222a,223aの面積が互いに等しくなるように段部221が形成されている。すなわち、ビーム整形光学系205の他方の面220bの半径をRとし、第一の透光部分222の半径をrとすると、R及びrは、R=r・21/2の関係を満たす。
 ビーム整形光学系205にその他方の面220b側からレーザ光(刺激光)が照射されると、レーザ光の半分は第一の透光部分222を透過し、レーザ光の残りの半分は第二の透光部分223を透過する。このとき、段部221の深さ寸法hが、前記したように、h(n-1)=λ/2の関係を満たすことから、第一及び第二の各透光部分222,223を透過した各レーザ光間に位相差πが付与される。位相差が生じた二つのレーザ光は、それぞれ第2の操作ユニット206及び第2の光路分割部材207を経た後、対物レンズ304で球面波に変換されて標本20に向けて集光される。なお、図12に示す位相差「0」及び「π」は一例であり逆でも良い。
 このときの対物レンズ304の光軸L上でのレーザ光の強度は、次式(8)で表される。この式(8)において、NAは、対物レンズ304の開口数である。式(8)は、このNAが小さいときの近似式であり、図13(a)で表される透過率を有する位相マスクをレーザ光が透過した後、対物レンズで集光されたときの光軸上の光強度分布を示している。(参考文献:M.Born and E.Wolf,Principles of Optics(5th.ed,Pergamon Press,1974))
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000010
 図13(b)は、式(8)をプロットしたグラフである。図13(b)のグラフの縦軸はレーザ光の光強度を示し、横軸は光軸L上の座標を示す。この図13(b)から明らかなように、光軸L上には、光強度が最大になる二つのピークが対物レンズ304の幾何光学焦点の前後に現れている。すなわち、互いに位相が異なる二つのレーザ光が対物レンズ304を通過したとき、光軸L上には、図14に示すように、光強度の値が極大値をとる二つの集光点224,225が形成される。両集光点224,225の間隔は、図示の例では、レーザ光の波長をλとし、対物レンズ304の開口数をNAとすると、NAが小さいとき、例えばNA<0.3である場合は、4.6λ/NA2となる。NAが大きいとき、例えばNA=0.9である場合、両集光点224,225間の間隔は、約2λとなる。従って、例えばλ=488nmである場合、両集光点224,225間の間隔は約1μmである。なお、NAが大きいときは式(8)は成立せず、両集光点224,225の間隔は約2λ/NA2となる。すなわち、両集光点224,225の間隔(集光点の中心間の距離)をdとすると、次式(9)の関係がある。
d = A(NA)×λ/NA2           (9)
 但し、A(NA)は比例係数であり、NAの関数である。A(NA)は、NAが小さいとき値4.6となり、NA大きいとき値2となり、NAが中程度のとき2と4.6との間の値となる。つまり、比例係数A(NA)の範囲は、2≦A(NA)≦4.6である。
 また、各集光点224,225に対応する光学的伝達関数(Optical Transfer Function:以下、OTFと称す。)は略同程度になった。図15は、各集光点224,225のうち一方のOTFの結果を示す。図15の縦軸はXY平面内の空間周波数を示し、横軸は光軸方向の空間周波数を示す。この図15から明らかなように、十分な奥行き分解能を有することが分かる。奥行き分解能とは、従来よく知られているように、格子ベクトルを光軸方向にもつ三次元格子を分解する能力である。
 対物レンズ304を経た各レーザ光は、それぞれ標本20に照射される。なお、この第2の実施形態においても、集光点224,225は、第2の走査ユニット206により走査される。
 この第2の実施形態によれば、上述したように、ビーム整形光学系205の一方の透光部分222を透過した光束と、他方の透光部分223を透過した光束との間に位相差が生じている。このことから、ビーム整形光学系205を経たレーザ光が対物レンズ304により集光されたとき、対物レンズ304の光軸L上には、位相差を有する透光部分222,223の個数と同数の集光点224,225がそれぞれレーザ光の波長に応じて規定される間隔をおいて形成される。これにより、標本20の異なる高さ位置において対物レンズ304の光軸Lに直交する二つの断面上にそれぞれレーザ光を同時に照射することができる。
 また、両集光点224,225の間隔(集光点の中心間の光軸L上の距離)が、所定の距離d離れることにより、光軸方向のより深い領域を刺激することができる。
 また、上述したように、第一及び第二の各透光部分222,223の入射面222a,223aの大きさは、該各入射面への入射光量がそれぞれ等しくなるように設定されていることから、第一の透光部分222を透過するレーザ光の光量と第二の透光部分223を透過するレーザ光の光量とを等しくすることができる。これにより、各集光点224,225における標本20に対する刺激を同じ条件で行うことができる。なお、レーザ光の光量分布が、光軸に直交する断面の動径方向にガウス分布を有する場合は、このガウス分布の比率を乗じて第1及び第2の透光部分222,223に入射する光量が等しくなるように入射面222a,223aの大きさを決定する必要がある。第1及び第2の透光部分222,223の間の光量に差があると、2つの集光点224,225の間隔は変化しないが、これらの集光点224,225の光軸方向の外側に第3、第4の集光点が形成されて、また、2つの集光点224,225の光量のバランスも崩れてしまう。
 この第2の実施形態では、光軸L上に二つの集光点224,225が形成される例を示したが、これに代えて、三つ以上の集光点を光軸L上に形成することができる。例えば三つの集光点を光軸L上に形成する場合、図16(a)及び(b)に示すようなビーム整形光学系205を用いることができる。
 図16に示す例では、ビーム整形光学系205の一方の面220aには、このビーム整形光学系205の周面220cに開放し且つビーム整形光学系205の周方向に伸びる段部234に加えて、ビーム整形光学系205の中央部で凹部235が形成されている。段部234の深さ寸法h1と凹部235の深さ寸法h2とは互いに等しい。深さ寸法h1及びh2は、それぞれh1・(n-1)=λ/2及びh2・(n-1)=λ/2の関係を満たすように設定されている。この段部234及び凹部235の形成により、ビーム整形光学系205には、その周縁部に第一の透光部分236が形成され、中央部に該第一の透光部分236の板厚寸法と等しい板厚寸法を有する第二の透光部分237が形成され、更に、第一及び第二の透光部分236,237間に該各透光部分の板厚寸法よりも大きい板厚寸法を有する環状の第三の透光部分238が形成されている。
 ここで、第一~第三の各透光部分236,237,238の入射面236a,237a,238aの面積は、それぞれ等しい。すなわち、レーザ光の光量が光軸に直交する断面で均一である場合、第一~第三の透光部分236,237,238を透過する光量は等しくなる。
 また、入射面の面積が等しい必要は必ずしも無く、具体的には、このビーム整形光学系205の全体の半径、すなわち、第一の透光部分236の外周の半径をRとし、凹部235の半径、すなわち、第二の透光部分237の外周の半径をr1とし、第三の透光部分238の外周の半径をr2としたとき、次式(10)、(11)が成り立つように、第一~第三の透光部分236,237,238の大きさを決定すると、よりコントラストが上がる。
r1=17×R/25               (10)
r2=20×R/25               (11)
 図16に示す例によれば、第一の透光部分236を透過したレーザ光と第二の透光部分237を透過したレーザ光との間に位相差πが付与され、第二の透光部分237を透過したレーザ光と第三の透光部分238を透過したレーザ光との間に位相差πが付与される。なお、図16に示す位相差「0」、「π」及び「0」は一例であり逆でも良い。
 この場合、上述した式(8)を用いて光軸方向に沿った光強度の分布を求めると、図17に示す結果が得られる。この図17から明らかなように、光軸L上には、対物レンズ304の幾何光学焦点上と該焦点の前後とにそれぞれ光強度の値が極大値をとる集光点239,240,241が現れている。すなわち、図16に示すビーム整形光学系205を通過したレーザ光が対物レンズ304を通過したとき、光強度の値が極大値をとる三つの集光点239,240,241を光軸L上に形成することができる。従って、標本20の三つの異なる高さ位置において対物レンズ304の光軸Lに直交する三つの断面上にそれぞれ光束を同時に照射することができる。なお、この場合も、上述したように、ビーム整形光学系205の第一~第三の透光部分236,237,238を透過する光量が等しくなるように構成されているため、3つの集光点239,240,241の光量もほぼ等しくなる。また、この集光点239,240,241も、第2の走査ユニット206により走査される。
 また、図16に示すビーム整形光学系205の場合、対物レンズ304の開口数NAが小さいときは3つの集光点が形成されない。一方、NAが大きいときは、3つの集光点239,240,241の隣接する2つの集光点の間隔はそれぞれ、1.75λ/NA2となる。ここで、3つの集光点239,240,241のうち、隣接する2つの集光点の間隔(集光点の中心間の距離)をdとすると(換言すると、3つの集光点239,240,241のそれぞれの間隔dは)、前述の式(9)の関係となり、比例係数A(NA)は、NAが大きいとき値1.75となり、NAが中くらいのとき1.75と4.6との間の値となるので、比例係数A(NA)の範囲は、1.75≦A(NA)≦4.6となる。
 なお、距離dは、集光点が2つの場合の集光点の中心間の距離4.6λ/NA2より大きくなることはない。従って、集光点を結んだ直線全体の距離2dは、レーザ光の波長をλとすると、次式(12)となる。
2d = 2×A(NA)×λ/NA2        (12)
 また、集光点が4つ以上あっても、各集光点の中心間の距離は、集光点が2つの場合の集光点の中心間の距離4.6λ/NA2より大きくなることはない。
 もちろん、レーザ光の光量がガウス分布を有する場合は、このガウス分布の比率を考慮する必要がある。なお、この図16の構成の場合も、第一~第三の透光部分236,237,238の間の光量に差があると、第一~第三の集光点239,240,241の間隔は変化しないが、これらの集光点239,240,241の光軸方向の外側に第4、第5の集光点が形成され、また、3つの集光点239,240,241の光量のバランスも崩れてしまう。
 以上のように、この第2の実施形態に係るビーム整形光学系205において、第2の光源201からのレーザ光の光束径φを絞ると、対物レンズ304の焦点距離fとすると、φ=2×f×NAから、標本20に照射されるレーザ光のNAが小さくなる。この場合、集光点の光軸方向間隔は、上述した式(9)、(12)から明らかなように、レーザ光のNAに比例するので、集光点の間隔は第2の光源201からのレーザ光の光束径に比例する。すなわち、ビーム整形光学系205により広がるレーザ光の集光領域(対物レンズ304の焦点面を中心光軸方向に広がる集光領域)は、第2の光源201からのレーザ光の光束径に比例することになる。
 また、図12(a)及び(b)に示す例では、ビーム整形光学系205の周縁部に段部221を形成することによりこのビーム整形光学系205に板厚寸法が異なる二つの透光部分222,223を形成した例を示した。これに代えて、例えば図18(a)及び(b)に示すように、ビーム整形光学系205の一方の面220aの中央部に凹部242を形成することにより、このビーム整形光学系205に板厚寸法が異なる二つの透光部分243,244を形成することもできる。
 また、以上の説明では、ビーム整形光学系205に段部221,234及び凹部235を形成することにより、このビーム整形光学系205に板厚寸法が異なる複数の透光部分222,223,236,237,238を形成した例を示した。これに代えて、互いに大きさが異なる複数のガラス板を重ね合わせることより、板厚寸法が異なる複数の透光部分をビーム整形光学系205に形成することもできる。この場合、例えば図19(a)及び(b)に示すように、二つの集光点を形成すべく二つの透光部分をビーム整形光学系205に形成する場合、互いに径が異なる二つのガラス板245,246をそれぞれの間に間隔をおいて配置することもできる。
 また、この場合、図16(a)及び(b)に示す例では、三つの集光点239,240,241を光軸L上に形成するためにビーム整形光学系205に段部234及び凹部235を形成することにより三つの透光部分236,237,238を形成した例を示したが、これに代えて、例えば図20(a)及び(b)に示すように、径がそれぞれ異なる三つのガラス板247,248,249をその径の大きさに関係なく重ね合わせることにより、ビーム整形光学系205に三つの透光部分を形成することもできる。
 なお、図19及び図20に示したように複数のガラス板245,246,247,248,249を重ね合わせる場合、屈折力がそれぞれ等しいガラス板を用いることが好ましい。
 更に、以上に示す例では、ビーム整形光学系205が円盤状をなした例を示したが、これに代えて、例えば図21(a)及び(b)に示すように、矩形状をなすビーム整形光学系205を用いることも可能である。
 なお、ビーム整形光学系205として、ガラス板によって、入射したレーザ光に位相差を付与する例を説明したが、これに限らず、各透光部分における光の光学的光路長を任意に切り替えることにより、任意に位相差を付与可能な、いわゆる空間光変調素子を用いることが可能である。
 本実施形態に係る走査型顕微鏡10は、ビーム整形光学系205に上述したガラス板を、切替制御する、或いは空間光変調素子を制御する制御部40でその作動を制御することにより、標本20の所望の領域をレーザ光で刺激することができる。この場合、第2の光源201からのレーザ光が対物レンズ304を介して集光される領域の大きさを入力部50を用いて制御部40に設定し、制御部40が上述したビーム整形光学系205のアクチュエータやビームエキスパンダ208の作動を制御することにより設定された領域を刺激する(照明する)ように構成される。なお、ビーム整形光学系205の作動を制御するときの制御量(例えば、隣接する2つの集光点の間隔(集光点の中心間の距離d)は、上述した式等を用いて制御部40で演算して求めても良いし、予め記憶部70にこれらの関係をテーブルとして記憶しておき、制御部40でその値を読み出しても良い。
 上述の式(9)、(12)から、複数の集光点を結んだ直線全体の距離ΔDは、対物レンズ304の開口数をNAとし、レーザ光の波長をλとすると、次式(13)のようになる。
ΔD = (N-1)×A(NA)×λ/NA2    (13)
 但し、A(NA)は比例係数であり、NAの関数であり、Nは集光点の数であり、比例係数A(NA)の範囲は、1.5≦A(NA)≦4.6である。
 例えば、NA=0.9とし、λ=488nmとすると、ΔD=1.20μmとなる。
 一方、対物レンズ304に入射するビームの径をビームエキスパンダにより可変にする場合、刺激光の集光領域の光軸方向の距離、つまり、集光された光の最大強度の8割以上の強度を有する領域の光軸方向の距離ΔDSは、波長をλとすると次式(14)のようになる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000011
 例えば、NA=0.9とし、λ=488nmとすると、ΔDS=0.43μmとなる。
 ここで、上述した複数の集光点を結んだ直線全体の距離ΔDを刺激光の集光領域の最大距離とすると、ΔDは、次式(15)の関係を有していると言える。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000012
 なお、浸液がある対物レンズ304が液浸対物レンズの場合は、浸液の屈折率をnとすると、上述の式(13)~(15)において、λをλ/nに置き換え、NAをNA/nに置き換える必要がある。
 また、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
10 走査型顕微鏡(顕微鏡)  20 標本
40 制御部  50 入力部
100 第1の走査光学系(第1の光学系)  101 第1の光源
200 第2の走査光学系(第2の光学系)  201 第2の光源
205 ビーム整形光学系
205a,205b,225a,225b,235a 円錐レンズ
215a,215b 円錐ミラー  235b 平面ミラー
235c 中空ミラー(光路切換部材)  208 ビームエキスパンダ
300 結像光学系  304 対物レンズ

Claims (24)

  1.  第1の光源からの光を、対物レンズを介して標本に照射して前記標本からの光を受光する第1の光学系と、
     前記第1の光源からの光、又は前記第1の光源とは異なる第2の光源からの光を、前記対物レンズを介して前記標本に照射して特異現象を発現させる第2の光学系と、を有し、
     前記第2の光学系は、前記対物レンズを介して集光される、前記第1の光源からの前記光、又は前記第2の光源からの前記光の集光領域が、以下の条件を満たすように、前記第1の光源からの前記光、又は前記第2の光源からの前記光を整形するビーム整形光学系を有することを特徴とする顕微鏡。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
     但し、
      ΔD:前記第1の光源からの前記光、又は前記第2の光源からの前記光の前記集光領域の最大距離
      λ :前記第1の光源からの前記光、又は前記第2の光源からの前記光の波長
      NA:前記対物レンズの開口数
  2.  前記ビーム整形光学系は、前記第1の光源からの前記光、又は前記第2の光源からの前記光が、前記対物レンズを介して、前記第2の光学系の光軸を含む所定の断面内において互いに所定の距離離れ、互いに所定の角度をなす2光束となって集光されるように前記光を整形することを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡。
  3.  前記ビーム整形光学系は、前記第1の光源からの前記光、又は前記第2の光源からの前記光が、前記対物レンズの瞳において前記光軸から所定の距離離れた領域を通過して前記対物レンズを介して集光されるように前記光の前記光軸に直交する面における形状を整形することを特徴とする請求項2に記載の顕微鏡。
  4.  前記ビーム整形光学系は、前記光の前記光軸に直交する面における形状を輪帯形状に整形することを特徴とする請求項3に記載の顕微鏡。
  5.  前記ビーム整形光学系は、互いの頂点が対向するように配置された2枚の円錐レンズで構成されることを特徴とする請求項4に記載の顕微鏡。
  6.  前記ビーム整形光学系は、互いの頂点が逆方向を向くように配置された2枚の円錐レンズで構成されることを特徴とする請求項4に記載の顕微鏡。
  7.  前記ビーム整形光学系は、円錐面がすり鉢状に形成された凹型の円錐レンズと、前記円錐面と対向するように円錐面が配置された凸型の円錐レンズと、から構成されることを特徴とする請求項4に記載の顕微鏡。
  8.  前記円錐レンズ間の光軸方向の間隔を変化させて前記輪帯形状の光の外径を変化させることを特徴とする請求項5~7のいずれか一項に記載の顕微鏡。
  9.  前記ビーム整形光学系は、光を反射する円錐面がすり鉢状に形成されるとともに、光軸上に貫通孔が形成された凹型の円錐ミラーと、光を反射する円錐面が形成され、前記貫通孔と位置整合して配置された凸型の円錐ミラーと、を有し、前記光源からの前記光を、前記貫通孔を通過させて前記凸型の円錐ミラーで反射させ、さらに、前記凹型の円錐ミラーで反射させるように構成されることを特徴とする請求項4に記載の顕微鏡。
  10.  前記円錐ミラー間の光軸方向の間隔を変化させて前記輪帯形状の光の外径を変化させることを特徴とする請求項9に記載の顕微鏡。
  11.  前記ビーム整形光学系は、光源側から順に、円錐レンズと、前記円錐レンズを透過した前記光を反射し、さらに前記円錐レンズに入射させる平面ミラーと、前記光源からの光を前記円錐レンズに導き、前記円錐レンズからの光を標本に導く光路切換部材と、から構成されることを特徴とする請求項4に記載の顕微鏡。
  12.  前記円錐レンズと前記平面ミラーとの光軸方向の間隔を変化させて前記輪帯形状の光の外径を変化させることを特徴とする請求項11に記載の顕微鏡。
  13.  前記第1の光源又は前記第2の光源と前記ビーム整形光学系との間、或いは前記ビーム整形光学系と前記対物レンズとの間に配置され、前記光の径を変化させることにより、前記輪帯形状の光の輪帯幅を変化させるビームエキスパンダを有することを特徴とする請求項5~12のいずれか一項に記載の顕微鏡。
  14.  前記ビーム整形光学系は、前記第1の光源からの前記光、及び前記第2の光源からの前記光のいずれか一方の前記光の一部と残りの前記光の少なくとも一部とに位相差を付与し、前記対物レンズを介して当該対物レンズの光軸上に複数の集光点を形成することを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡。
  15.  前記ビーム整形光学系は、前記光を透過させる複数の透光部分を有し、該各透光部分のうち少なくとも一つの該透光部分を透過した前記光に他の前記透光部分を透過した前記光との間で位相差を付与することを特徴とする請求項14に記載の顕微鏡。
  16.  前記ビーム整形光学系は、板状部材であり、前記各透光部分における前記光の光学的光路長がそれぞれ異なるように形成されていることを特徴とする請求項15に記載の顕微鏡。
  17.  前記ビーム整形光学系は、空間光変調素子であり、前記各透光部分における前記光の光学的光路長が任意に切り替え可能であることを特徴とする請求項15に記載の顕微鏡。
  18.  前記各透光部分はそれぞれ前記光が入射する入射面を有し、該各入射面の面積は、該各入射面への入射光量がそれぞれ等しくなるように設定されていることを特徴とする請求項16又は17に記載の共焦点顕微鏡。
  19.  前記光が前記対物レンズを介して集光される前記集光領域の大きさを入力する入力部と、
     前記集光領域の大きさに対応させて、前記ビーム整形光学系を制御する制御部と、を有することを特徴とする請求項1~18のいずれか一項に記載の顕微鏡。
  20.  前記光が前記対物レンズを介して集光される前記集光領域の大きさを入力する入力部と、
     前記集光領域の大きさに対応させて、前記円錐レンズ位置、前記円錐ミラー位置の少なくとも1つを制御する制御部と、を有することを特徴とする請求項5~11のいずれか一項に記載の顕微鏡。
  21.  前記光が前記対物レンズを介して集光される前記集光領域の大きさを入力する入力部と、
     前記集光領域の大きさに対応させて、前記円錐レンズの位置と前記平面ミラーの位置とを制御する制御部と、を有することを特徴とする請求項12に記載の顕微鏡。
  22.  前記光が前記対物レンズを介して集光される前記集光領域の大きさを入力する入力部と、
     前記集光領域の大きさに対応させて、前記ビームエキスパンダを制御する制御部と、を有することを特徴とする請求項13に記載の顕微鏡。
  23.  前記光が前記対物レンズを介して集光される前記集光領域の大きさを入力する入力部と、
     前記集光領域の大きさに対応させて、前記板状部材の切替を制御する、或いは前記空間光変調素子を制御する制御部と、を有することを特徴とする請求項16又は17に記載の顕微鏡。
  24.  対物レンズを介して励起光を標本に照射し、前記標本で発生した蛍光を集光する集光光学系を備えた顕微鏡に装着される刺激装置であって、
     前記励起光を出射した第1の光源からの光、又は前記第1の光源とは異なる第2の光源からの光を、前記対物レンズを介して前記標本に照射して特異現象を発現させる刺激光学系を有し、
     前記刺激光学系は、前記対物レンズを介して集光される、前記第1の光源からの前記光、又は前記第2の光源からの前記光の集光領域が、以下の条件を満たすように、前記第1の光源からの前記光、又は前記第2の光源からの前記光を整形するビーム整形光学系を有することを特徴とする刺激装置。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-M000002
     但し、
      ΔD:前記第1の光源からの前記光、又は前記第2の光源からの前記光の前記集光領域の最大距離
      λ :前記第1の光源からの前記光、又は前記第2の光源からの前記光の波長
      NA:前記対物レンズの開口数
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