JPH0815156A - レーザスキャン光学系及びレーザスキャン光学装置 - Google Patents

レーザスキャン光学系及びレーザスキャン光学装置

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JPH0815156A
JPH0815156A JP12148194A JP12148194A JPH0815156A JP H0815156 A JPH0815156 A JP H0815156A JP 12148194 A JP12148194 A JP 12148194A JP 12148194 A JP12148194 A JP 12148194A JP H0815156 A JPH0815156 A JP H0815156A
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JP
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light
laser
sample
scanning
emitted
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JP12148194A
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Koji Ichie
更治 市江
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Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 従来よりも短時間で実行するレーザスキャン
光学系及びレーザスキャン光学装置を提供する。 【構成】 レーザ1から出射されたレーザ光2は、平面
ミラー3、ビームエキスパンダ4、アキシコンペア6、
ビームレデューサ9、ダイクロイックミラー11、X−
Yスキャナ12、結像レンズ13及び対物レンズ14を
介して試料15を照射する。また、試料15の裏面側か
ら出射された蛍光16bは、コンデンサレンズ17及び
バリアフィルタ18を介してPMT19aにより検出さ
れる。一方、試料15の表面側から出射された蛍光16
aは、レーザ光2が通過した光路を逆方向に進行し、ダ
イクロイックミラー11を介してPMT20aにより検
出される。アキシコンペア6は2個のアキシコンプリズ
ム7a,7bから構成され、レーザ光はアキシコンペア
6により円筒状光線束8になった後、対物レンズ14に
よりベッセルビームとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生物学、医学及び半導
体工学などの多くの分野において、蛍光顕微鏡、光描画
装置及び集積回路リペア装置などに用いられ、レーザ光
の走査を実行するレーザスキャン光学系及びレーザスキ
ャン光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】通常の蛍光顕微鏡では、三次元的に厚さ
のある試料を観察する場合、焦点深度以外にある像がデ
フォーカスして焦平面の像に重畳する。そのため、顕微
画像のコントラストが全体に低下し、蛍光強度の定量が
困難となる。この問題に対処するアプローチについて、
以下に説明する。
【0003】図10は、従来の共焦点型レーザ走査蛍光
顕微鏡の構成を示す構成図である。レーザ1から出射さ
れたレーザ光2は、ビームエキスパンダ4により光線束
の径を拡大された後、ダイクロイックミラー11を透過
する。なお、レーザ1は、試料15に標識した蛍光色素
の吸収スペクトルにおけるピーク波長に相当する波長で
レーザ光2を発振する。ビームエキスパンダ4は、2個
の凸レンズ5a,5bから構成されている。ダイクロイ
ックミラー11は、蛍光16aを含む所定の波長範囲の
光成分に対して大きい反射率を有するとともに、レーザ
光2の発振波長に対して大きい透過率を有して形成され
ている。
【0004】X−Yスキャナ12により光軸に対して直
角方向に出射されたレーザ光2は、結像レンズ13によ
り対物レンズ14の前側像面に光スポットを結像した
後、対物レンズ14により回折限界まで絞り込まれた光
スポットを試料15の内部に結像する。ここで、X−Y
スキャナ12は、レーザ光2の進行方向を所定の角度範
囲内で変化させ、平面的に直交する二方向に振る。さら
に、対物レンズ14、あるいは試料15を設置した図示
しないステージが光軸に対して平行に移動する。そのた
め、試料15の内部では、レーザ光2の光スポットは、
光軸に対して垂直になる二次元的走査、例えばラスタ走
査に加えて光軸に対して平行になる走査を実行すること
により、三次元的走査を実行する。なお、試料15は、
例えば蛍光色素で標識した生物試料であり、レーザ光2
の光スポットにより励起する。
【0005】試料15から発散して放出された蛍光16
aは、対物レンズ14により集光された後、レーザ光2
が通過した光路を逆方向に進行する。X−Yスキャナ1
2から出射された蛍光16aは、ダイクロイックミラー
11により光軸に対して直角方向に反射された後、コリ
メータレンズ21によりコンフォーカルピンホール板3
0のピンホール中で結像する。コンフォーカルピンホー
ル板30から出射された蛍光16aは、試料15の内部
における光スポット前後から放出した蛍光成分を遮蔽さ
れており、PMT(Photo Multiplier Tube )20に受
光される。
【0006】このPMT20は、蛍光16aを光電変換
して光強度に対応する電気信号を出力する。PMT20
から出力された電気信号は、X−Yスキャナ12の走査
信号に同期し、図示しない画像読取装置のメモリに画像
データとして格納される。この画像データが通常の手法
に基づいて走査信号に対応して処理されることにより、
試料15の三次元顕微画像が得られる。
【0007】このような従来の共焦点型レーザ走査蛍光
顕微鏡では、理想的には点光源及び点光検出器を試料内
部の一点と共役な位置に配置することにより、レーザ光
は縮小した焦点深度を有する光スポットを結像する。ま
た、ピンホールを光検出器側に配置することにより、試
料内部における光スポット前後から放出した蛍光成分が
除去されている。そのため、焦平面以外のデフォーカス
した像はほとんど消えてしまう。したがって、試料内部
の焦平面付近における像のみが顕微画像として得られ
る。
【0008】なお、このような共焦点型レーザ走査蛍光
顕微鏡に関する先行技術については、公報「特開平2−
247605号」などに詳細に記載されている。
【0009】また、従来の二光子吸収励起型レーザ走査
蛍光顕微鏡では、極短時間幅を有するパルスとしてレー
ザ光を発振するレーザを用いることにより、このレーザ
光が高いエネルギー密度を有する光スポットを結像し、
この光スポットが上述した共焦点型レーザ走査蛍光顕微
鏡と同様にして試料内部で三次元的走査を実行する。そ
のため、試料内部において光スポットが位置する一点の
みから二光子吸収に基づいた励起による蛍光が発生し、
その他の部分からは二光子吸収に基づいた励起による蛍
光が発生しない。したがって、焦平面以外にあるデフォ
ーカスした像は現われずに、顕微画像のコントラストが
良好になる。
【0010】なお、このような二光子吸収励起型レーザ
走査蛍光顕微鏡に関する先行技術については、文献"Sci
ence,vol.248,pp.73-76,6.April.1990" ,"United Stat
es Patent,no.5034613,1991"などに詳細に記載されてい
る。
【0011】さらに、従来の一般的なレーザ走査蛍光顕
微鏡では、対物レンズをアキシコンプリズムに置換する
ことにより、レーザ光が光軸上で干渉して試料の厚さ程
度に大きい焦点深度を有する光線束、いわゆるベッセル
ビームに変換され、このベッセルビームが上述した共焦
点型レーザ走査蛍光顕微鏡と同様にして試料内部を三次
元的に走査する。そのため、焦点深度内にある像はボケ
ないことから、三次元像を二次元的に投影した顕微画像
が得られる。あるいは、輪帯開口を有するアパーチャを
介して円筒状の光線束として対物レンズにレーザ光を入
射することにより、このレーザ光は試料の厚さ程度に大
きい焦点深度を有するベッセルビームを結像し、このベ
ッセルビームが上述した共焦点型レーザ走査蛍光顕微鏡
と同様にして試料内部で三次元的走査を実行する。その
ため、焦点深度内にある像はボケないことから、三次元
像を二次元的に投影した顕微画像が得られる。
【0012】図11(a)は、ベッセルビームを生成す
る従来の光変換部を示す構成図である。この光変換部で
は、輪帯状の開口部44を有するアパーチャ43が凸レ
ンズ46の焦平面上に配置されている。ここで、レーザ
光2が平行光としてアパーチャ43の開口部44を通過
すると、光軸に対して直交した輪帯状の断面強度を有す
る光線束として回折光45が生成される。凸レンズ46
を通過した回折光47は、光軸に対して一定角度で屈折
した平面波として進行した後、凸レンズ46の後側焦点
で光軸に対して軸対称となる円錐状波面を形成する。そ
のため、回折光45は光軸付近に波面が存在する全領域
で相互に干渉するので、干渉によって強め合った強度を
有するベッセルビーム47が生成される。
【0013】図11(b)は、光軸に対して直交する断
面内におけるベッセルビーム47の強度分布を示すグラ
フである。このベッセルビーム47の強度分布は、干渉
領域内でほぼ一定である。そのため、光軸付近の位置に
大きい強度を有する細長い線状の中心ビームが存在す
る。一方、光軸から離れた位置に小さい強度を有する同
軸円筒状の高次回折光が存在する。したがって、ベッセ
ルビーム47が高い分解能及び長い焦点深度を有するこ
とが分かる。
【0014】図12(a)は、アパーチャ43の形状を
示す構成図である。凸レンズ46の後側焦点近傍では、
ベッセルビーム47における三次元的強度分布の形状が
開口部44の輪帯幅によって変化する。そのため、ベッ
セルビーム47では、開口部44における外径αに対す
る内径α´の比β(=α´/α)の変化に対応し、中心
ビーム及び高次回折光の強度分布が変化する。
【0015】図12(b)は、開口部44における外径
に対する内径の比が変化した場合に、光軸に対して直交
する面内におけるベッセルビーム47の強度分布の変動
を示すグラフである。図12(c)は、図12(b)の
強度分布における要部を拡大して示すグラフである。こ
こで、横軸の目盛りは2πNA/λ(ただし、NA:レ
ンズ46の開口数,λ:レーザ光2の波長)を単位とし
て図示されている。開口部44における外径に対する内
径の比βが1に接近する程、中心ビームのスポット径が
小さくなる一方、中心ビームに対する高次回折光の強度
が大きくなる。
【0016】図13(a),(b)は、開口部44にお
ける外径に対する内径の比がそれぞれ0,0.7である
場合に、光軸を含む面内におけるベッセルビーム47の
強度分布を示すグラフである。ここで、凸レンズ46の
開口数NAは1.0であり、縦軸及び横軸の目盛はとも
にレーザ光2の波長λに基づいて規格化して図示されて
いる。開口部44における外径に対する内径の比βが0
である場合よりも0.7である場合に、中心ビーム及び
高次回折光の形状は光軸方向に長くなる。
【0017】したがって、開口部44の形状が円形であ
るよりも狭い幅を有する輪帯状になる程、ベッセルビー
ム47では焦点深度が増大するとともに分解能が低減す
ることが分かる。
【0018】なお、このようなレーザ走査蛍光顕微鏡に
おけるアパーチャを用いた輪帯状照明光学系に関する先
行技術については、文献「光学,第21巻第7号,p
p.489−497,1992年7月」などに詳細に記
載されている。また、アキシコンプリズムによるベッセ
ルビームの生成に関する先行技術については、文献「レ
ーザ顕微鏡研究会第10回講演会論文集,pp.22−
29,1992年11月」などに詳細に記載されてい
る。さらに、アキシコンプリズムを用いた輪帯状照明光
学系に関する先行技術については、"United States Pat
ent,no.4887592,1989"などに詳細に記載されている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の共焦点型レーザ走査蛍光顕微鏡では、光検出器側に
ピンホールを配置することにより、試料内部における光
スポット前後から放出された蛍光成分が遮蔽されてい
る。そのため、光検出器における蛍光の受光効率が極め
て低下するので、元来微弱である蛍光強度がさらに小さ
くなるという問題がある。
【0020】また、上記従来の二光子吸収励起型レーザ
走査蛍光顕微鏡では、試料内部における光スポットのみ
から蛍光が発生するので、三次元顕微画像を得るために
光スポットは試料内部を光軸に対して垂直になる二次元
的走査に加えて光軸に対して平行になる走査を行ってい
る。そのため、光スポットの走査時間として長時間が必
要となるので、この時間中に活動性を有する生物試料は
動いてしまい、正しい三次元顕微画像が得られない。あ
るいは、蛍光色素の脱色あるいは疲弊状態が部分的に異
なってしまうという問題がある。
【0021】さらに、上記従来の一般的なレーザ走査蛍
光顕微鏡では、対物レンズをアキシコンプリズムに置換
することにより、レーザ光は試料の厚さ程度に長い焦点
深度を有するベッセルビームを結像する。そのため、ア
キシコンプリズムには結像作用がないことから、試料に
照射した光線束の集束状態が悪いので、アキシコンプリ
ズムの光軸に対して垂直な面内における分解能が低いと
いう問題がある。あるいは、輪帯開口を有するアパーチ
ャを介し、光軸に対して直交した輪帯状の断面強度を有
する光線束として対物レンズにレーザ光を入射すること
により、レーザ光は試料の厚さ程度に長い焦点深度を有
するベッセルビームを結像する。そのため、ほぼガウス
分布に基づいた断面強度分布を有するレーザ光は、アパ
ーチャの円板状遮蔽部によりピーク強度の光線束を遮蔽
されるので、試料に照射されるレーザ光の利用効率は著
しく低下するという問題がある。また、上述した大きい
焦点深度を有するレーザ光の光線束または光スポット
は、線状ビームの回りに高次回折光による円環状ビーム
を伴う。そのため、このような光線束または光スポット
が試料内部を走査することにより、多くの偽信号が発生
するという問題がある。
【0022】そこで、本発明は、以上の問題点に鑑みて
なされたものであり、高いエネルギー利用効率、高い分
解能及び長い焦点深度を有するレーザ光の走査を従来よ
りも短時間で実行するレーザスキャン光学系及びレーザ
スキャン光学装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明のレーザスキャン
光学系は、上記の目的を達成するために、平行光として
入射したレーザ光の光線束を円筒状に形成する光変換部
と、この光変換部から入射したレーザ光の進行方向を変
動させて走査する光走査部と、この光走査部から入射し
たレーザ光を収束してベッセルビームを生成する光収束
部とを備え、光変換部は、所定間隔で各頂角を対向また
は背向するとともに各光軸を一致させて配置され、同一
の屈折率を有する材料で同一の頂角角度を有する形状に
形成されている2個のアキシコンプリズムから構成され
ていることを特徴とする。
【0024】ここで、上記光変換部は、2個のアキシコ
ンプリズムの間隔を可変に設定する移動手段をさらに有
することを特徴としてもよい。
【0025】また、上記光変換部の入射側または出射側
の少なくとも一方に配置され、レーザ光の光線束の径を
拡大するビームエキスパンダをさらに備えることを特徴
としてもよい。
【0026】さらに、上記光変換部の入射側または出射
側の少なくとも一方に配置され、レーザ光の光線束の径
を縮小するビームレデューサをさらに備えることを特徴
としてもよい。
【0027】一方、本発明のレーザスキャン光学装置
は、上記の目的を達成するために、レーザ光を出射する
光源と、この光源からレーザ光を入射されてベッセルビ
ームを所定の試料に照射する本発明のレーザスキャン光
学系とを備えることを特徴とする。
【0028】ここで、上記光源は極短時間幅を有するパ
ルスとしてレーザ光を発振し、上記試料は所定の蛍光色
素で標識されているとともに、ベッセルビームの照射に
よる多光子吸収に基づいて試料から放出された蛍光を検
出する光検出部をさらに備えており、レーザ光の走査に
同期して光検出部の出力信号を画素データとして蓄積
し、試料の顕微画像を得ることを特徴としてもよい。
【0029】また、上記試料の表面は所定の感光剤で被
覆されており、ベッセルビームの照射による露光に基づ
いて感光剤に所定のパターンを形成することを特徴とし
てもよい。
【0030】さらに、上記試料の表面は露出されてお
り、ベッセルビームの照射による励起に基づいて試料の
表面領域を所定の形状に成形することを特徴としてもよ
い。
【0031】なお、上記光検出部は、試料の表面側から
出射された蛍光を検出する第1の光電検出器と、試料の
裏面側から出射された蛍光を検出する第2の光電検出器
とから構成されており、第1及び第2の光電検出器の出
力信号の合算に基づいて顕微画像を生成することが好適
である。
【0032】
【作用】本発明のレーザスキャン光学系においては、光
変換部が2個のアキシコンプリズムから構成されてい
る。これらのアキシコンプリズムは、所定間隔で各頂角
を対向または背向するとともに各光軸を一致させて配置
されており、同一の屈折率を有する材料で同一の頂角角
度を有する形状に形成されている。
【0033】これにより、平行光として光変換部に入射
したレーザ光は、一方のアキシコンプリズムによりすべ
て光軸に対して等しい角度で屈折して円錐状波面を形成
した後、光軸に対して直交した輪帯状の断面強度を有し
て発散する光線束になる。このアキシコンプリズムから
出射されたレーザ光は、他方のアキシコンプリズムによ
りすべて光軸に対して等しい角度で屈折し、光軸に対し
て進行方向を平行にした平行光である円筒状の光線束に
なる。
【0034】このように光変換部から出射されたレーザ
光は、光走査部により進行方向を変動されて走査すると
ともに、光収束部により収束してベッセルビームとな
る。このベッセルビームの回折光強度分布では、光軸方
向に大きい強度を有する極めて細長い線状の中心ビーム
と、その周辺に存在する多数の同軸円筒状の高次回折光
とが存在する。ここで、中心ビームは高次回折光に比較
して極度に大きい強度を有するので、ベッセルビームは
高い分解能及び長い焦点深度を有することになる。
【0035】したがって、本発明のレーザスキャン光学
系によれば、円筒状の光線束がレーザ光の強度を損失せ
ずに形成されるので、ベッセルビームの走査が高いエネ
ルギー利用効率で実行される。
【0036】例えば、光変換部が2個のアキシコンプリ
ズムの間隔を可変に設定する移動手段をさらに有する場
合、光変換部から出射される円筒状光線束の外径は2個
のアキシコンプリズムの間隔に基づいて決定される。こ
こで、円筒状光線束における外径と内径との差異である
輪帯状幅が入射側のアキシコンプリズムに入射するレー
ザ光の光線束の径に基づいて一定であるので、円筒状光
線束における外径に対する内径の比が2個のアキシコン
プリズムの間隔に対応して連続的に変動する。そのた
め、ベッセルビームにおいて高次回折光に対する中心ビ
ームの径及び強度が変化するので、分解能及び焦点深度
の調整が可能になる。
【0037】また、光変換部の入射側にビームエキスパ
ンダまたはビームレデューサをさらに備える場合、光変
換部に入射するレーザ光の光線束の径が調整されるの
で、光変換部から出射される円筒状光線束における外径
と内径との差異である輪帯状幅が入射側のアキシコンプ
リズムに入射するレーザ光の光線束の径に基づいて決定
される。ここで、円筒状光線束の外径は2個のアキシコ
ンプリズムの間隔に基づいて一定であるので、円筒状光
線束における外径に対する内径の比がビームエキスパン
ダまたはビームレデューサに対応して連続的に変動す
る。そのため、ベッセルビームにおいて高次回折光に対
する中心ビームの径及び強度が変化するので、分解能及
び焦点深度の調整が可能になる。
【0038】また、光変換部の出射側にビームエキスパ
ンダまたはビームレデューサをさらに備える場合、光変
換部から出射される円筒状光線束の外径が光収束部の開
口径に一致するように調整される。そのため、レーザ光
のケラレがほとんど無い、すなわちレーザ光のエネルギ
ー利用効率が増大するので、高いエネルギー密度を有す
るベッセルビームが生成される。
【0039】一方、本発明のレーザスキャン光学装置に
おいては、光源から出射されたレーザ光が本発明のレー
ザスキャン光学系を介して所定の試料に照射される。こ
れにより、試料は高いエネルギー密度、高い分解能及び
長い焦点深度を有するベッセルビームによる走査を受け
る。
【0040】例えば、光源が極短時間幅パルスのレーザ
光を発振し、試料が所定の蛍光色素で標識されていると
ともに、ベッセルビームの照射による多光子吸収に基づ
いて試料から放出された蛍光を検出する光検出部をさら
に備える場合、光検出部はレーザ光の発振波長の数分の
1に相当する波長で蛍光色素が励起した場合の蛍光を受
光する。ここで、多光子吸収はレーザ光のエネルギーレ
ベルが所定値以上である部分のみに生ずることから、ベ
ッセルビームの中心ビームに伴う高次回折光により多光
子吸収が生じないようにレーザ光の出力調整を行うこと
により、試料の内部でベッセルビームの中心ビームの照
射位置のみから蛍光が生じる。そのため、ベッセルビー
ムに伴う高次回折光による偽信号が発生しないので、レ
ーザ光の走査に同期して光検出部の出力信号を画素デー
タとして蓄積して得られた試料の顕微画像の解像度が向
上する。
【0041】なお、ベッセルビームが線状に結像した中
心ビームを有して試料の内部で二次元的走査を実行する
ことにより、試料の三次元像を二次元に投影した顕微画
像が厚さ方向の積分値として得られる。そのため、試料
の内部を三次元的に走査する必要がなくなるので、光ス
ポットの走査時間は大きく低減する。
【0042】さらに、光検出部が試料の表面側から出射
された蛍光を検出する第1の光電検出器と、試料の裏面
側から出射された蛍光を検出する第2の光電検出器とか
ら構成されている場合、試料から放出された蛍光はほと
んど損失を受けずに各光電検出器に到達する。これによ
り、各光電検出器の出力信号の合算に基づいて生成され
た顕微画像におけるコントラストが良好になる。そのた
め、レーザ光を出射する光源として低出力のものを使用
することができるので、生物試料等の損傷が低減する。
【0043】また、試料の表面が所定の感光剤で被覆さ
れ、ベッセルビームの照射による露光に基づいて感光剤
に所定のパターンを形成する場合、ベッセルビームが長
い焦点深度を有するので、基板上にある感光剤は基板表
面の凹凸に影響されずに露光される。そのため、レーザ
光の光スポットの位置を感光剤に対して厳密に合わせる
必要がなくなるので、作業の能率が向上する。なお、ベ
ッセルビームは高い分解能を有するので、基板上にある
感光剤に集積回路のパターンを露光することにより、こ
のパターンに基づいて形成される集積回路の集積度を増
大することが可能となる。
【0044】さらに、試料の表面が露出され、ベッセル
ビームの照射による励起に基づいて試料の表面領域を所
定の形状に成形する場合、ベッセルビームが長い焦点深
度を有するので、基板の表面領域は自体の凹凸に影響さ
れずにエッチングを受ける。そのため、レーザ光の光ス
ポットの位置を基板に対して厳密に合わせる必要がなく
なるので、作業の能率が向上する。なお、ベッセルビー
ムは高い分解能を有するので、試料が表面領域に集積回
路を有するICチップである場合には、その集積回路に
発生した構造的に微細な障害を修復することが可能とな
る。
【0045】
【実施例】以下、本発明に係る実施例の構成および作用
について、図1および図9を参照して説明する。なお、
図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重
複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明
のものと必ずしも一致していない。
【0046】図1は、本発明のレーザスキャン光学系を
用いた蛍光顕微鏡に係る第1実施例を示す構成図であ
る。この蛍光顕微鏡では、レーザ(光源)1から出射さ
れたレーザ光2の進行方向に沿って、平面ミラー3が配
置されている。この平面ミラー3で光軸に対して直角方
向に反射されたレーザ光2の進行方向に沿って、ビーム
エキスパンダ4、アキシコンペア(光変換部)6、ビー
ムレデューサ9、ダイクロイックミラー11及びX−Y
スキャナ(光走査部)12がほぼ一列に配列されてい
る。このX−Yスキャナ12から光軸に対して直角方向
に出射されたレーザ光2の進行方向に沿って、結像レン
ズ13、対物レンズ14(光収束部)及び試料15がほ
ぼ一列に配列されている。この試料15の裏面側から出
射された蛍光16bの進行方向に沿って、コンデンサレ
ンズ17、バリアフィルタ18及びPMT19aがほぼ
一列に配列されている。一方、試料15の表面側から出
射されて対物レンズ14、結像レンズ13及びX−Yス
キャナ12を介してダイクロイックミラー11で光軸に
対して直角方向に反射された蛍光16aの進行方向に沿
って、PMT20aが配置されている。
【0047】レーザ1は、極短時間幅を有するパルスと
してレーザ光2を発振する光源である。このレーザ光2
は、数十〜数百fsの光パルス幅と、数十〜数百MHz
の繰り返し周波数と、試料15に標識した蛍光色素の吸
収スペクトルにおけるピーク波長に対して2倍または3
倍の波長とを有する平行光である。平面ミラー3は、レ
ーザ1から出射されたレーザ光2の進行方向に対してほ
ぼ45度に傾斜した鏡面を有し、この鏡面でレーザ1か
ら入射したレーザ光2を反射する。
【0048】ビームエキスパンダ4は、2個の凸レンズ
5a,5bから構成されており、平面ミラー3から入射
したレーザ光2の光線束を所定の径に拡大する。これら
凸レンズ5a,5bは、所定間隔で各光軸を一致させて
配置されている。また、ビームエキスパンダ4は、レン
ズ群の一部に対する図示しない移動手段を含んで構成さ
れており、レーザ光2の光線束の径に対する変倍率を連
続的に、つまりズーム式に変動可能であることが望まし
い。
【0049】図2は、アキシコンペア6をより詳細に示
す構成図である。図3は、アキシコンペア6におけるア
キシコンプリズムの構成を示す斜視図である。アキシコ
ンペア6は、2個のアキシコンプリズム7a,7bから
構成されている。これらアキシコンプリズム7a,7b
は、同一の屈折率を有する材料で円柱と円錐との各底面
を合わせた形状に形成されている。また、アキシコンプ
リズム7a,7bは、所定間隔で同一の角度を有する各
頂角を所定間隔で対向または背向するとともに各光軸を
一致させて配置されている。このようなアキシコンプリ
ズム7a,7bの間隔は、図示しない移動手段によって
可変に設定される。
【0050】図4(a)は、アキシコンペア6に入射す
るレーザ光2において光軸に対して垂直になる面内の強
度分布を示すグラフである。図4(b)は、2個のアキ
シコンプリズム7a,7b間の距離を可変に設定する場
合を示す構成図である。図4(c)は、アキシコンペア
6から出射されたレーザ光2において光軸に対して垂直
になる面内の強度分布を示すグラフである。
【0051】アキシコンペア6では、アキシコンプリズ
ム7aが光軸に直交してほぼガウス分布に基づいた断面
強度を有する平行光としてビームエキスパンダ4から入
射したレーザ光2を光軸に対して一定角度で屈折し、光
軸に対して直交した輪帯状の断面強度を有する円錐状光
線束として出射する。一方、アキシコンプリズム7b
は、アキシコンプリズム7aから入射したレーザ光2を
光軸に対して一定角度で屈折し、光軸に対して進行方向
を平行にした円筒状光線束8として出射する。この円筒
状光線束8では、外径αはアキシコンプリズム7a,7
bの間隔に基づいて決定されており、外径αと内径α´
との差異である輪帯状幅がアキシコンプリズム7aに入
射するレーザ光2の光線束の径に基づいて決定されてい
る。そのため、アキシコンプリズム7a,7bの間隔に
対応し、円筒状光線束8における外径αに対する内径α
´の比β(=α´/α)が連続的に、つまりズーム式に
変動して設定される。
【0052】ビームレデューサ9は、2個の凸レンズ1
0a,10bから構成されており、アキシコンペア6か
ら円筒状光線束8として入射したレーザ光2の外径を対
物レンズ14の開口径に一致するように縮小する。これ
ら凸レンズ10a,10bは、所定間隔で各光軸を一致
させて配置されている。また、ビームレデューサ9は、
レンズ群の一部に対する図示しない移動手段を含んで構
成されており、レーザ光2の光線束の径に対する変倍率
を連続的に、つまりズーム式に変動可能であることが望
ましい。
【0053】ダイクロイックミラー11は、ビームレデ
ューサ9から入射したレーザ光2の発振波長に対して大
きい透過率を有するとともに、X−Yスキャナ12から
入射した蛍光16aを含む所定の波長範囲の光成分に対
して大きい反射率を有して形成されている。X−Yスキ
ャナ12は、例えばガルバノメータ型スキャナ、レゾナ
ント型スキャナ、ピエゾ振動型スキャナ、回転多面体ス
キャナ、超音波振動子偏向器(Acousto-Optic Deflecto
r )等である。このX−Yスキャナ12は、ダイクロイ
ックミラー11から入射したレーザ光2の進行方向を所
定の角度範囲内で変化させて平面的に直交する二方向に
振るとともに、結像レンズ13から入射した蛍光16a
の進行方向を同様に変化させてダイクロイックミラー1
1に向かう方向に振る。
【0054】結像レンズ13は、X−Yスキャナ12か
ら入射したレーザ光2の光スポットを対物レンズ14の
前側像面に結像する。この結像レンズ13は、その後側
像面に結像した光スポットを仮想光源として入射した蛍
光16aを平行光として出射する。対物レンズ14は、
その前側像面に結像した光スポットを仮想光源として入
射したレーザ光2を収束し、回折限界まで絞り込まれた
光スポットとしてべッセルビームを生成して試料15の
内部を通過させる。この対物レンズ14は、試料15の
表面側から放出した蛍光16aを集光し、結像レンズ1
3の後側像面に光スポットを結像する。
【0055】試料15は、例えば所定の蛍光色素で標識
された生物試料であり、対物レンズ14の後側像面かつ
コンデンサレンズ17の前側像面にほぼ位置して配置さ
れている。この試料15は、対物レンズ14からべッセ
ルビームとして入射したレーザ光2の照射位置における
多光子吸収に基づいて励起されて蛍光16a,16bを
発散する。また、試料15は、図示しないステージ上に
設置されており、このステージにともなって光軸方向に
移動される。
【0056】コンデンサレンズ17は、試料15の裏面
側から出射されたレーザ光2及び蛍光16bを集光して
ほぼ平行光として出射する。バリアフィルタ18は、試
料15から放出された蛍光16bを含む所定の波長範囲
の光成分に対して大きい透過率を有するとともに、試料
15を透過したレーザ光2の発振波長に対して大きい吸
収率を有する。
【0057】PMT(Photo Multiplier Tube )19
a,20aは、ホトマルチプライヤ等の光電検出器であ
る。このPMT19aは、バリアフィルタ18から出射
された蛍光16bを受光し、光強度に対応した電気信号
に光電変換して出力する。一方、PMT20aは、ダイ
クロイックミラー11から入射した蛍光16aを受光
し、光強度に対応した電気信号に光電変換して出力す
る。
【0058】次に、蛍光顕微鏡に係る上記第1実施例の
作用について説明する。
【0059】実線で図示したレーザ光2は、レーザ1か
ら出射された後、平面ミラー3により光軸に対して直角
方向に反射される。平面ミラー3から出射されたレーザ
光2は、ビームエキスパンダ4により光軸方向に進行方
向を保持しつつ光線束の径を所定値に拡大される。
【0060】アキシコンペア6では、ビームエキスパン
ダ4からコリメートした平面波として出射されたレーザ
光2は、アキシコンプリズム7aによりすべて光軸に対
して等しい角度で屈折して円錐状波面を形成した後、光
軸に対して直交した輪帯状の断面強度を有して発散する
光線束となる。アキシコンプリズム7aから出射された
レーザ光2は、アキシコンプリズム7bによりすべて光
軸に対して等しい角度で屈折し、光軸に対して進行方向
を平行にした平行光である円筒状光線束8になる。ここ
で、実線で図示した円筒状光線束8のビーム径は、アキ
シコンプリズム7a,7bの間隔に対応して自由かつ連
続して可変であり、ビームレデューサ9を通過した後に
おいて結像レンズ13の瞳結像倍率を含めた総合倍率の
下に対物レンズ14の開口径に一致するように設定され
る。
【0061】アキシコンペア6から円筒状光線束8とし
て出射されたレーザ光2は、ビームレデューサ9により
光軸方向に進行方向を保持しつつ光線束の径を所定値に
縮小される。このとき、円筒状光線束8における光軸に
対して直交した輪帯状の断面においては、輪帯状幅が同
時に圧縮される。ビームレデューサ9から出射されたレ
ーザ光2は、ダイクロイックミラー11を透過し、X−
Yスキャナ12により光軸に対して直角方向に出射され
ると共に、所定の角度範囲内で変化され、平面的に直交
する二方向に振られる。
【0062】X−Yスキャナ12から出射されたレーザ
光2は、結像レンズ13により対物レンズ14の前側像
面に光スポットを結像する。この光スポットは、X−Y
スキャナ12により二次元的に振られる仮想光源ともい
うべきものである。この光スポットから円錐状光線束と
して出射されたレーザ光2は、対物レンズ14の周縁部
のみを透過して出射され、回折限界まで絞り込まれた光
スポットであるベッセルビームとして試料15に照射さ
れる。このベッセルビームは、光軸方向に大きい強度を
有する極めて細長い線状の中心ビームと、その周辺に存
在する多数の同軸円筒状の高次回折光とから構成された
回折光強度分布を有する。また、ベッセルビームは、X
−Yスキャナ12により試料15の内部を二次元的走
査、例えばラスタ走査を実行する。
【0063】試料15では、所定の閾値以上の光強度部
分を有するベッセルビームが照射された部分のみに、い
わゆる多光子吸収が生じる。これにより、試料15に標
識されている蛍光色素は、レーザ光2の発振波長の1/
2または1/3に相当する吸収スペクトルのピーク波長
で励起された場合と同様に、その蛍光色素量に比例した
線状の二次光源として破線で図示した蛍光16a,16
bを発散する。
【0064】試料15を透過して出射されたレーザ光2
は、コンデンサレンズ17により光軸に対して進行方向
をほぼ平行にした平行光になった後、バリアフィルタ1
8により吸収される。試料15の裏面側から出射された
蛍光16bは、コンデンサレンズ17により集光されて
光軸に対して進行方向をほぼ平行にした平行光となり、
バリアフィルタ18を透過してPMT19により受光さ
れる。一方、試料15の表面側から出射された蛍光16
aは、対物レンズ14により集光されてレーザ光2が通
過した光路を逆方向に進行する。X−Yスキャナ12か
ら出射された蛍光16aは、ダイクロイックミラー11
により光軸に対して直角方向に反射された後、PMT2
0により受光される。
【0065】PMT19,20から蛍光16a,16b
の光強度に対応した光電変換により出力された電気信号
は合算され、X−Yスキャナ12の走査信号に同期し、
図示しない画像読取装置のメモリに画素データとして格
納される。この画素データが通常の手法に基づいて走査
信号に対応して処理されることにより、試料15の三次
元像を二次元に投影した顕微画像が得られる。
【0066】このような蛍光顕微鏡に係る上記第1実施
例によれば、極短時間幅パルスとして発振されたレーザ
光は、2個のアキシコンプリズムを用いることにより、
光軸に対して直交した幅の狭い輪帯状の断面強度を有す
る円筒状光線束に変換される。これにより、円筒状光線
束を生成する際に、レーザ光の強度はほとんど損失を受
けていない。そのため、レーザ光のエネルギー利用効率
が増大するとともに、試料の内部における多光子吸収に
寄与する高いエネルギー密度が維持される。
【0067】また、極短時間幅パルスとして発振された
レーザ光は、円筒状光線束として対物レンズの周縁部の
みを通過することにより、光軸方向に大きい強度を有し
て結像した細長い線状の中心ビームであるベッセルビー
ムとして試料の内部に照射される。これにより、試料は
ベッセルビームの照射位置のみで多光子吸収によって励
起される。そのため、試料に標識した蛍光試料に基づい
て発散した蛍光は、ピンホールを必要とせずに光電検出
器で高効率に受光される。また、試料における多光子吸
収は、レーザ光のエネルギー密度を調節することによ
り、ベッセルビームの中心領域にさらに近い極細い部分
のみで起こる。そのため、蛍光顕微鏡としては、いっそ
う高い分解能及び長い焦点深度を有する。
【0068】また、試料の表裏両側から発散された蛍光
は複数個の光電検出器で受光され、これら光電検出器の
出力信号を合算することにより顕微画像が得られてい
る。これにより、蛍光はほとんど損失を受けずに光電検
出器に到達する。そのため、低出力のレーザを用いるこ
とができるので、生物試料等の損傷が低減する。
【0069】さらに、ベッセルビームが線状に結像した
中心ビームを有して試料の内部で二次元的走査を実行し
ている。これにより、試料の三次元像が二次元に投影さ
れた顕微画像を厚さ方向の積分値として得られる。その
ため、試料の内部を三次元的に走査する必要がなくなる
ので、光スポットの走査時間は大きく低減する。
【0070】図5は、本発明のレーザスキャン光学系を
用いた蛍光顕微鏡に係る第2実施例を示す構成図であ
る。本実施例は、蛍光顕微鏡に係る上記第1実施例とほ
ぼ同様にして構成されている。ただし、試料15の裏面
側から出射された蛍光を計測するためのコンデンサレン
ズ17、バリアフィルタ18及びPMT19は、配置さ
れていない。また、ダイクロイックミラー11の反射側
には、試料15の表面側から出射された蛍光16aの進
行方向に沿って、コリメータレンズ21及び積層型セン
サアレイ22がほぼ一列に配列されている。コリメータ
レンズ21は、その後側焦点が積層型センサアレイ22
の中心に位置するように配置されている。また、積層型
センサアレイ22は、その積層方向の中心軸が蛍光16
aの線状蛍光像に一致するように配置されている。
【0071】図6(a)は、積層型センサアレイ22の
構成を示す斜視図である。図6(b)は、積層型センサ
アレイ22における単一センサの層厚方向に沿った断面
図である。積層型センサアレイ22は、多数個の光電検
出器を同軸上に積層して構成されている。各光電検出器
では、円柱状のn型Si層24の上部に偏平な円柱状の
p型Si層25を有する光電検出部が、透明基板23上
に形成されている。この光電検出部を含む透明基板23
上には、SiO2 層26、28を絶縁層として介在し、
信号電荷を出力する透明電極27が配設されている。こ
の透明電極27には、外部に露出した金属配線29が接
続されている。
【0072】次に、蛍光顕微鏡に係る上記第2実施例の
作用について説明する。
【0073】本実施例は、蛍光顕微鏡に係る上記第1実
施例とほぼ同様にして作用する。ただし、試料15の表
面側から出射された蛍光16aは、対物レンズ14によ
り集光されてレーザ光2が通過した光路を逆方向に進行
し、ダイクロイックミラー11aより光軸に対して直角
方向に反射された後、コリメータレンズ21により積層
型センサアレイ22の中心に光スポットを結像する。こ
の光スポットは、コリメータレンズ21の後側焦点付近
に細い線状の蛍光像を生じ、積層型センサアレイ22に
より受光される。この積層型センサアレイ22は、積層
した各光電検出器により蛍光16aを電気信号に変換
し、各金属配線29から出力する。
【0074】センサアレイ22の各光電検出器から光強
度に対応した光電変換により出力された電気信号は、X
−Yスキャナ12の走査信号に同期し、図示しない画像
読取装置のメモリに画素データとして並列に格納され
る。この画素データは通常の手法で走査信号に対応して
処理され、試料15の三次元像を光電検出器の個数に等
しい二次元断面像に分割した顕微画像が同時に得られ
る。
【0075】このような蛍光顕微鏡に係る上記第2実施
例によれば、ベッセルビームが線状に結像した中心ビー
ムを有して試料の内部で二次元的走査を実行し、試料か
ら発散された蛍光はコリメータレンズにより細い線状の
光スポットに結像して積層型センサアレイにより受光さ
れている。これにより、試料の三次元像が光軸方向に分
割した多数枚の二次元断面像として得られる。そのた
め、試料の内部で三次元的に走査する必要がなくなるの
で、光スポットの走査時間は大きく低減する。
【0076】図7は、本発明のレーザスキャン光学系を
用いた蛍光顕微鏡に係る第3実施例を示す構成図であ
る。本実施例は、蛍光顕微鏡に係る上記第1実施例とほ
ぼ同様にして構成されている。ただし、試料15には、
複数種類の蛍光色素が標識されており、各蛍光色素は相
互に異なる蛍光の発光波長を有する。また、ダイクロイ
ックミラー11aの反射側には、試料15の表面側から
出射された蛍光16aの進行方向に沿って、ダイクロイ
ックミラー11b,11c及びPMT20aがほぼ一列
に配列されている。これらダイクロイックミラー11
b,11cの反射側には、PMT20b,20cがそれ
ぞれ配置されている。一方、バリアフィルタ18の出射
側には、試料15の裏面側から出射された蛍光16bの
進行方向に沿って、ダイクロイックミラー31b,31
c及びPMT19aがほぼ一列に配列されている。これ
らダイクロイックミラー31b,31cの反射側には、
PMT19b,19cがそれぞれ配置されている。
【0077】ダイクロイックミラー11aは、ビームレ
デューサ9から入射したレーザ光2の発振波長に対して
大きい透過率を有するとともに、X−Yスキャナ12か
ら入射した蛍光16aを含む所定の波長範囲の光成分に
対して大きい反射率を有して形成されている。ダイクロ
イックミラー11b,11cは、ダイクロイックミラー
11aから出射された蛍光16a中の相互に異なる発光
波長を有する蛍光成分をそれぞれ含むように、相互に異
なる波長帯に対して大きい反射率を有する。ダイクロイ
ックミラー31b,31cは、バリアフィルタ18から
出射された蛍光16b中の相互に異なる発光波長を有す
る光成分をそれぞれ含むように、相互に異なる波長帯に
対して大きい反射率を有する。
【0078】PMT19a〜19c,20a〜20c
は、ホトマルチプライヤ等の光電検出器である。PMT
19bは、ダイクロイックミラー31bにより反射され
た蛍光16bを受光し、光強度に対応した電気信号に光
電変換して出力する。PMT19cは、ダイクロイック
ミラー31cにより反射された蛍光16bを受光し、光
強度に対応した電気信号に光電変換して出力する。PM
T19aは、ダイクロイックミラー31b,31cを透
過した蛍光16bを受光し、光強度に対応した電気信号
に光電変換して出力する。PMT20bは、ダイクロイ
ックミラー11bにより反射された蛍光16aを受光
し、光強度に対応した電気信号に光電変換して出力す
る。PMT20cは、ダイクロイックミラー11cによ
り反射された蛍光16aを受光し、光強度に対応した電
気信号に光電変換して出力する。PMT20aは、ダイ
クロイックミラー11b,11cを透過した蛍光16a
を受光し、光強度に対応した電気信号に光電変換して出
力する。
【0079】次に、蛍光顕微鏡に係る上記第3実施例の
作用について説明する。
【0080】本実施例は、蛍光顕微鏡に係る上記第1実
施例とほぼ同様にして作用する。ただし、試料15の表
面側から出射された蛍光16aは、対物レンズ14によ
り集光されてレーザ光2が通過した光路を逆方向に進行
し、ダイクロイックミラー11aにより光軸に対して直
角方向に反射された後、ダイクロイックミラー11b,
11cにより一部の光成分を反射されてそれぞれPMT
20b,20cにより受光され、その他の光成分をPM
T20aにより受光される。
【0081】一方、試料15の裏面側から出射された蛍
光16bは、コンデンサレンズ17により集光されて光
軸に対して進行方向をほぼ平行にした平行光となり、バ
リアフィルタ18を透過した後、ダイクロイックミラー
31b,31cにより一部の光成分を反射されてそれぞ
れPMT19b,19cにより受光されるとともに、そ
の他の光成分をPMT19aにより受光される。
【0082】PMT20a〜20cから蛍光16aの各
光成分における光強度に対応した光電変換により出力さ
れた電気信号と、PMT19a〜19cから蛍光16b
の各光成分における光強度に対応した光電変換により出
力された電気信号とは合算され、X−Yスキャナ12の
走査信号に同期し、図示しない画像読取装置のメモリに
画素データとして格納される。この画素データが通常の
手法に基づいて走査信号に対応して処理されることによ
り、試料15の三次元像を二次元に投影した顕微画像が
蛍光16a,16bの各蛍光成分、すなわち試料15に
標識された各蛍光色素の発光波長について得られる。
【0083】このような蛍光顕微鏡に係る上記第3実施
例によれば、相互に異なる発光波長を有する複数種類の
蛍光色素が試料に標識されており、試料から発散した蛍
光の各光成分がダイクロイックミラーにより単離して光
電検出器で受光されている。これにより、ベッセルビー
ムが線状に結像した中心ビームを有して試料の内部で二
次元的走査を一度だけ実行すると、試料の三次元像が各
蛍光色素の発光波長に基づいて二次元に投影された複数
の顕微画像として同時に得られる。そのため、試料の内
部で三次元的に走査する必要がなくなるので、光スポッ
トの走査時間は大きく低減する。
【0084】図8は、本発明のレーザスキャン光学系を
用いた光描画装置に係る一実施例を示す構成図である。
この光描画装置では、レーザ1(光源)から出射された
レーザ光2の進行方向に沿って、光モジュレータ32及
び平面ミラー3が配置されている。この平面ミラー3で
光軸に対して直角方向に反射されたレーザ光2の進行方
向に沿って、アキシコンペア(光変換部)6、ビームレ
デューサ33及びX−Yスキャナ(光走査部)12がほ
ぼ一列に配列されている。このX−Yスキャナ12から
光軸に対して直角方向に出射されたレーザ光2の進行方
向に沿って、結像レンズ13、開口絞り35、対物レン
ズ14(光収束部)及びX−Yステージ36がほぼ一列
に配列されている。なお、光モジュレータ32、X−Y
スキャナ12及びX−Yステージ36の各入力端子に
は、制御装置37の出力端子がそれぞれ電気的に接続さ
れている。X−Yステージ36上には、感光剤39によ
り表面を被覆された基板38が設置されている。
【0085】光モジュレータ32は、レーザ1から入射
したレーザ光2における強度、周波数、位相及び偏光面
などの変調を行う光変調器であり、特に強度変調によっ
てレーザ光2の連続照射及びパルス照射を選択する。ビ
ームレデューサ33は、凸レンズ34a及び凹レンズ3
4bから構成されており、アキシコンペア6から円筒状
光線束8として入射したレーザ光2の外径を対物レンズ
14の開口径に一致するように縮小する。これら凸レン
ズ34a及び凹レンズ34bは、各光軸を一致させて配
置されている。また、ビームレデューサ33は、レンズ
群の一部に対する図示しない移動手段を含んで構成され
ており、レーザ光2の光線束の径に対する変倍率を連続
的に、つまりズーム式に変動可能であることが望まし
い。
【0086】開口絞り35は、円形開口を有するアパー
チャ35であり、結像レンズ13から円筒状光線束8と
して入射したレーザ光2の光線束の外径を制限する。X
−Yステージ36は、X−Yスキャナ12によるレーザ
光2の走査方向に対して共役な方向に基板38を走査す
る。制御装置37はマイクロコンピュータ等であり、光
モジュレータ32によりレーザ光2の光変調を設定する
とともに、X−Yスキャナ12及びX−Yステージ36
の走査速度及び走査時期を同期して設定する。基板38
は、半導体材料から形成されているウエハまたはウエハ
から分割したチップであり、対物レンズ14の後側像面
に配置されている。感光剤39はホトレジスト等であ
り、対物レンズ14からべッセルビームとして入射した
レーザ光2の照射位置で高いコントラストを有して露光
される。
【0087】次に、光描画装置に係る上記実施例の作用
について説明する。
【0088】レーザ1から出射されたレーザ光2は、光
モジュレータ32により光変調を受けた後、平面ミラー
3により光軸に対して直角方向に反射される。アキシコ
ンペア6では、平面ミラー3から出射されたレーザ光2
は、アキシコンレンズ7a,7bにより光軸に対して進
行方向をほぼ平行にした平行光になるとともに、光軸に
対して直交した輪帯状の断面強度を有する円筒状光線束
8になる。ここで、実線で図示した円筒状光線束8の径
は、アキシコンプリズム7a,7bの間隔に対応して自
由かつ連続して可変であり、ビームレデューサ33を通
過した後において結像レンズ13の瞳結像倍率を含めた
総合倍率の下に対物レンズ14の開口径に一致するよう
に設定される。
【0089】アキシコンペア6から円筒状光線束8とし
て出射されたレーザ光2は、ビームレデューサ33によ
り光軸方向に進行方向を保持しつつ光線束の径を所定値
に縮小される。このとき、円筒状光線束8における光軸
に対して直交した輪帯状の断面においては、輪帯状幅が
同時に圧縮される。ビームレデューサ33から出射され
たレーザ光2は、X−Yスキャナ12により光軸に対し
て直角方向に出射されると共に、所定の角度範囲内で変
化され、平面的に直交する二方向に振られる。
【0090】X−Yスキャナ12から出射されたレーザ
光2は、結像レンズ13により対物レンズ14の前側像
面に光スポットを結像する。この光スポットは、X−Y
スキャナ12により二次元的に振られる仮想光源ともい
うべきものである。この光スポットから円筒状光線束8
として出射されたレーザ光2は、開口絞り35により光
線束の外径を所定値に設定された後、対物レンズ14の
周縁部のみを透過して出射され、回折限界まで絞り込ま
れた光スポットであるベッセルビームとして基板38に
照射される。このベッセルビームは、光軸方向に大きい
強度を有する極めて細長い線状の中心ビームと、その周
辺に存在する多数の同軸円筒状の高次回折光とから構成
された回折光強度分布を有する。
【0091】X−Yスキャナ12及びX−Yステージ3
6は、制御装置38から出力された制御信号に基づいて
相互に同期した走査速度及び走査時期に設定される。そ
のため、ベッセルビームがX−Yスキャナ12及びX−
Yステージ36により基板38の表面で二次元的走査、
例えばラスタ走査を実行する。感光剤39では、所定の
閾値以上の光強度部分を有するベッセルビームが照射さ
れた部分のみが露光する。したがって、制御装置37に
入力した集積回路の各種パターンが基板38の表面にあ
る感光剤38に露光される。
【0092】このような光描画装置の上記実施例によれ
ば、レーザ光が円筒状光線束として対物レンズの周縁部
のみを通過することにより、光軸方向に大きい強度を有
して結像した細長い線状の中心ビームとしてベッセルビ
ームが基板の表面に照射される。これにより、ベッセル
ビームが長い焦点深度を有するので、基板上にある感光
剤は基板表面の凹凸に影響されずに露光される。そのた
め、レーザ光の光スポットの位置を感光剤に対して厳密
に合わせる必要がなくなるので、作業の能率が向上す
る。
【0093】また、ベッセルビームは、線状の中心ビー
ムの周りに同軸円筒状の周縁ビームを伴うが、高いコン
トラストを有する感光剤に対する書き込み光としてオン
/オフからなる2種類のレベルのみを有する場合には問
題にならない。そのため、ベッセルビームは高い分解能
を有するので、基板上にある感光剤に収束回路のパター
ンを露光することにより、このパターンに基づいて形成
される集積回路の集積度が増大する。
【0094】図9は、本発明のレーザスキャン光学系を
用いたレーザリペア装置に係る一実施例を示す構成図で
ある。本実施例は、光描画装置に係る上記実施例とほぼ
同様にして構成されている。ただし、X−Yステージ3
6上には、基板38ではないIC(Integrated Circuit
s )チップ42が設置されている。また、図示しない移
動手段により、結像レンズ13と対物レンズ14との間
の光路中に偏角プリズム40が挿入して配置される。こ
の場合にICチップ41からの反射光が対物レンズ14
及び開口絞り35を介して偏角プリズム40から出射さ
れる方向に、接眼レンズ41が配置されている。
【0095】偏角プリズム40は、光軸に対して30°
または45°等の方向に偏角を行う全反射面を有し、I
Cチップ42から対物レンズ14及び開口絞り35を介
して入射した光を反射する。接眼レンズ41は、偏角プ
リズム40から入射した光を収束して結像する。ICチ
ップ42は、表面領域に集積回路を形成されており、対
物レンズ14の後側像面に配置されている。ICチップ
42を構成する集積回路は、部分的な障害が製造中に造
り混まれたり、動作中に発生したりしたものである。
【0096】次に、レーザリペア装置に係る上記実施例
の作用について説明する。
【0097】本実施例は、光描画装置に係る上記実施例
とほぼ同様にして作用する。ただし、対物レンズ14の
周縁部のみを透過して出射されたレーザ光2は、回折限
界まで絞り込まれた光スポットであるベッセルビームと
してICチップ42に照射される。ICチップ42で
は、所定の閾値以上の光強度部分を有するベッセルビー
ムの照射部分のみがエッチング除去を受ける。そのた
め、制御装置37に入力した集積回路の各種パターンに
対応し、ICチップ42に形成された集積回路が修復さ
れる。
【0098】このようなレーザリペア装置に係る上記実
施例によれば、レーザ光が円筒状光線束として対物レン
ズの周縁部のみを通過することにより、光軸方向に大き
い強度を有して結像した細長い線状の中心ビームとして
ベッセルビームが基板の表面に照射される。これによ
り、ベッセルビームが長い焦点深度を有するので、IC
チップの表面領域にある集積回路は、集積回路自体の凹
凸に影響されずにエッチングを受ける。そのため、レー
ザ光の光スポットをレーザ光の基板に対して厳密に合わ
せる必要がなくなるので、作業の能率が向上する。
【0099】また、ベッセルビームは、線状の中心ビー
ムの周りに同軸円筒状の周縁ビームを伴うが、レーザの
出力調整によって中心ビームに対する周縁ビームのエネ
ルギーを低減することができる。そのため、ベッセルビ
ームは高い分解能を有するので、集積回路に発生した構
造的に微細な障害が修復される。
【0100】本発明は上記諸実施例に限られるものでは
なく、種々の変形が可能である。
【0101】例えば、蛍光顕微鏡に係る上記諸実施例で
は、ビームレデューサとX−Yスキャナとの間の光路中
にダイクロイックミラーを配置している。しかしなが
ら、レーザとX−Yスキャナとの間の光路中であれば、
ダイクロイックミラーをいかなる位置に配設しても、上
記諸実施例と同様な作用効果が得られる。
【0102】また、蛍光顕微鏡に係る上記第3実施例で
は、3個のダイクロイックミラーを用いている。しかし
ながら、試料に塗布する蛍光色素の種類に対応した個数
であれば、3個以外の複数のダイクロイックミラーを配
置しても、上記実施例と同様な作用効果が得られる。
【0103】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のレーザス
キャン光学系においては、光変換部が2個のアキシコン
プリズムから構成されている。これらのアキシコンプリ
ズムは、所定間隔で各頂角を対向または背向するととも
に各光軸を一致させて配置されており、同一の屈折率を
有する材料で同一の頂角角度を有する形状に形成されて
いる。これにより、平行光として光変換部に入射したレ
ーザ光は、光軸に対して直交した輪帯状の断面強度を有
するとともに、光軸に対して進行方向を平行にした平行
光である円筒状の光線束になる。そのため、光変換部か
ら出射されたレーザ光は、光走査部により進行方向を変
動されて走査するとともに、光収束部により収束してベ
ッセルビームとなる。
【0104】したがって、円筒状光線束がレーザ光の強
度を損失せずに形成されるので、高いエネルギー利用効
率、高い分解能及び長い焦点深度を有するベッセルビー
ムの走査を実行するレーザスキャン光学系を提供するこ
とができる。
【0105】一方、本発明のレーザスキャン光学装置に
おいては、光源から出射されたレーザ光が本発明のレー
ザスキャン光学系を介して所定の試料に照射される。こ
れにより、試料は高いエネルギー密度、高い分解能及び
長い焦点深度を有するベッセルビームによる走査を受け
る。
【0106】ここで、光源が極短時間幅パルスのレーザ
光を発振し、試料が所定の蛍光色素で標識されていると
ともに、ベッセルビームの照射による多光子吸収に基づ
いて試料から放出された蛍光を検出する光検出部をさら
に備える場合、レーザ光の出力調整に基づいてベッセル
ビームの中心ビームの照射位置のみから蛍光が生じるの
で、ベッセルビームに伴う高次回折光による偽信号が発
生しない。そのため、レーザ光の走査に同期して光検出
部の出力信号を画素データとして蓄積して得られた試料
の顕微画像の解像度が向上する。また、試料の内部にお
けるベッセルビームの二次元的走査に基づいて試料の三
次元像を二次元に投影した顕微画像が厚さ方向の積分値
として得られるので、試料の内部を三次元的に走査する
必要がなく、光スポットの走査時間は従来よりも大きく
低減する。なお、光検出部が試料の表面側及び裏面側か
らそれぞれ出射された蛍光を検出する第1及び第2の光
電検出器から構成されている場合、試料から放出された
蛍光はほとんど損失を受けずに各光電検出器に到達する
ので、各光電検出器の出力信号の合算に基づいて生成さ
れた顕微画像におけるコントラストが良好になる。その
ため、レーザ光を出射する光源として低出力のものを使
用することができるので、生物試料等の損傷が低減す
る。
【0107】また、試料の表面が所定の感光剤で被覆さ
れ、ベッセルビームの照射による露光に基づいて感光剤
に所定のパターンを形成する場合、長い焦点深度を有す
るベッセルビームにより基板上にある感光剤は基板表面
の凹凸に影響されずに露光されるので、レーザ光の光ス
ポットの位置を感光剤に対して厳密に合わせる必要がな
く、作業の能率が向上する。なお、高い分解能を有する
ベッセルビームにより基板上にある感光剤に集積回路の
パターンを露光すると、このパターンに基づいて形成さ
れる集積回路の集積度が増大する。
【0108】さらに、試料の表面が露出され、ベッセル
ビームの照射による励起に基づいて試料の表面領域を所
定の形状に成形する場合、長い焦点深度を有するベッセ
ルビームにより基板の表面領域は自体の凹凸に影響され
ずにエッチングを受けるので、レーザ光の光スポットの
位置を基板に対して厳密に合わせる必要がなく、作業の
能率が向上する。なお、試料が表面領域に集積回路を有
するICチップである場合には、その集積回路に発生し
た構造的に微細な障害が高い分解能を有するベッセルビ
ームにより修復される。
【0109】したがって、高いエネルギー利用効率、高
い分解能及び長い焦点深度を有するベッセルビームの走
査を実行することにより、蛍光顕微鏡、光描画装置及び
集積回路リペア装置等として用いられるレーザスキャン
光学装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザスキャン光学系を用いた蛍光顕
微鏡に係る第1実施例を示す構成図である。
【図2】図1の蛍光顕微鏡におけるアキシコンペアをよ
り詳細に示す構成図である。
【図3】図2のアキシコンペアにおけるアキシコンプリ
ズムの構成を示す斜視図である。
【図4】(a)は図2のアキシコンペアに入射するレー
ザ光において光軸方向に対して垂直である面内の強度分
布を示すグラフであり、(b)は図2のアキシコンペア
における2個のアキシコンプリズム間の距離を可変に設
定する場合を示す構成図であり、(c)は図2のアキシ
コンペアから出射されたレーザ光において光軸方向に対
して垂直である面内の強度分布を示すグラフである。
【図5】本発明のレーザスキャン光学系を用いた蛍光顕
微鏡に係る第2実施例を示す構成図である。
【図6】(a)は図5の蛍光顕微鏡における積層型セン
サアレイの構成を示す斜視図であり、(b)は(a)の
積層型センサアレイにおける単一センサの層厚方向に沿
った断面図である。
【図7】本発明のレーザスキャン光学系を用いた蛍光顕
微鏡に係る第3実施例を示す構成図である。
【図8】本発明のレーザスキャン光学系を用いた光描画
装置に係る一実施例を示す構成図である。
【図9】本発明のレーザスキャン光学系を用いたレーザ
リペア装置に係る一実施例を示す構成図である。
【図10】従来の共焦点型レーザ走査蛍光顕微鏡を示す
構成図である。
【図11】(a)はベッセルビームを生成する従来の光
変換部を示す構成図であり、(b)は(a)の光変換部
から出射されたベッセルビームにおいて光軸方向に垂直
である面内の強度分布を示すグラフである。
【図12】(a)は図11(a)の光変換部におけるア
パーチャの形状を示す構成図であり、(b)は(a)の
アパーチャの開口部における外径に対する内径の比の変
化に対応した場合に、ベッセルビームにおいて光軸方向
に垂直である面内の強度分布の変動を示すグラフであ
り、(c)は(b)の強度分布における要部を拡大して
示すグラフである。
【図13】(a),(b)は図12(a)のアパーチャ
の開口部における外径に対する内径の比がそれぞれ0,
0.7である場合に、ベッセルビームにおいて光軸を含
む面内の強度分布を示すグラフである。
【符号の説明】
1…レーザ、2…レーザ光、3…平面ミラー、4…ビー
ムエキスパンダ、5a,5b…凸レンズ、6…アキシコ
ンペア、7a,7b…アキシコンプリズム、8…円筒状
光線束、9…ビームレデューサ、10a,10b…凸レ
ンズ、11a〜11c…ダイクロイックミラー、12…
X−Yスキャナ、13…結像レンズ、14…対物レン
ズ、15…試料、16a,16b…蛍光、17…コンデ
ンサレンズ、18…バリアフィルタ、19a〜19c…
PMT,20a〜20c…PMT、21…コリメータレ
ンズ、22…積層型センサアレイ、23…透明基板、2
4…n型Si層、25…p型Si層、26…SiO
2 層、27…透明電極、28…SiO2 層、29…金属
配線、30…コンフォーカルピンホール板、31b,3
1c…ダイクロイックミラー、32…光モジュレータ、
33…ビームレデューサ、34a,34b…凹レンズ、
35…接眼レンズ、36…開口絞り、37…X−Yスキ
ャナ、38…制御装置、39…基板、40…感光剤、4
1…直角プリズム、42…ICチップ、43…アパーチ
ャ、44…開口部、45…回折光、46…凸レンズ、4
7…ベッセルビーム。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平行光として入射したレーザ光の光線束
    を円筒状に形成する光変換部と、 この光変換部から入射した前記レーザ光の進行方向を変
    動させて走査する光走査部と、 この光走査部から入射した前記レーザ光を収束してベッ
    セルビームを生成する光収束部とを備え、 前記光変換部は、所定間隔で各頂角を対向または背向す
    るとともに各光軸を一致させて配置され、同一の屈折率
    を有する材料で同一の頂角角度を有する形状に形成され
    ている2個のアキシコンプリズムから構成されているこ
    とを特徴とするレーザスキャン光学系。
  2. 【請求項2】 前記光変換部は、前記2個のアキシコン
    プリズムの間隔を可変に設定する移動手段をさらに有す
    ることを特徴とする請求項1記載のレーザスキャン光学
    系。
  3. 【請求項3】 前記光変換部の入射側または出射側の少
    なくとも一方に配置され、前記レーザ光の光線束の径を
    拡大するビームエキスパンダをさらに備えることを特徴
    とする請求項1記載のレーザスキャン光学系。
  4. 【請求項4】 前記光変換部の入射側または出射側の少
    なくとも一方に配置され、前記レーザ光の光線束の径を
    縮小するビームレデューサをさらに備えることを特徴と
    する請求項1記載のレーザスキャン光学系。
  5. 【請求項5】 レーザ光を出射する光源と、 この光源から前記レーザ光を入射されてベッセルビーム
    を所定の試料に照射する請求項1記載のレーザスキャン
    光学系とを備えることを特徴とするレーザスキャン光学
    装置。
  6. 【請求項6】 前記光源は極短時間幅を有するパルスと
    して前記レーザ光を発振し、前記試料は所定の蛍光色素
    で標識されているとともに、前記ベッセルビームの照射
    による多光子吸収に基づいて前記試料から放出された蛍
    光を検出する光検出部をさらに備えており、前記レーザ
    光の走査に同期して前記光検出部の出力信号を画素デー
    タとして蓄積し、前記試料の顕微画像を得ることを特徴
    とする請求項5記載のレーザスキャン光学装置。
  7. 【請求項7】 前記試料の表面は所定の感光剤で被覆さ
    れており、前記ベッセルビームの照射による露光に基づ
    いて前記感光剤に所定のパターンを形成することを特徴
    とする請求項5のレーザスキャン光学装置。
  8. 【請求項8】 前記試料の表面は露出されており、前記
    ベッセルビームの照射による励起に基づいて前記試料の
    表面領域を所定の形状に成形することを特徴とする請求
    項5のレーザスキャン光学装置。
  9. 【請求項9】 前記光検出部は、前記試料の表面側から
    出射された前記蛍光を検出する第1の光電検出器と、前
    記試料の裏面側から出射された前記蛍光を検出する第2
    の光電検出器とから構成されており、前記第1及び第2
    の光電検出器の出力信号の合算に基づいて前記顕微画像
    を生成することを特徴とする請求項6記載のレーザスキ
    ャン光学装置。
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