WO2013069172A1

WO2013069172A1 - ナビゲーション装置および方法

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Publication number: WO2013069172A1
Application number: PCT/JP2012/003678
Authority: WO
Inventors: 悠希住吉; 友紀古本
Original assignee: 三菱電機株式会社
Priority date: 2011-11-10
Filing date: 2012-06-05
Publication date: 2013-05-16
Also published as: US8965697B2; US20140136109A1; DE112012004711T5; CN103917847B; CN103917847A

Abstract

　この発明のナビゲーション装置または方法によれば、ユーザの発話内容を常に認識して得られる認識結果から、地点情報や経路設定方法を特定し、その地点情報と経路設定方法に基づいて経路を設定するようにしたので、リアルタイムに、かつ、ユーザの手動操作を必要とせず、期待どおりの経路設定を行うことができる。

Description

ナビゲーション装置および方法

　この発明は、ユーザの発話内容を認識してナビゲーションを行うことが可能なナビゲーション装置および方法に関するものである。

　一般に、車載用などのナビゲーション装置は、設定された経路を走行中に所定の地点（例えば、進行方向を変更すべき交差点など）が近くなると、音声出力や図形表示などで運転者に対して道案内を行う。
　この際、ユーザの発話内容を録音しておき、音声認識ボタンが押されると、所定の時間だけ遡って録音しておいた発話内容を音声認識して地点情報（地点名称）を抽出し、その地点情報（地点名称）を目的地に設定するナビゲーション装置が知られている（例えば、特許文献１参照）。

特開２００５－３１６０２２号公報

　しかしながら、上記のような従来のナビゲーション装置では、ユーザが音声認識ボタンを押下するという操作を行ったときには、既に発話内容が新しく更新されており、所望の地点情報が得られない場合があるという課題があった。また、ユーザが音声認識ボタンを押下するなどといった手動操作を行う必要があり、煩わしいという課題もあった。

　この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、ユーザの発話内容を常に認識して得られる認識結果から、地点情報や経路設定方法を特定し、その地点情報と経路設定方法に基づいてリアルタイムに経路設定をすることができるナビゲーション装置および方法を提供することを目的とする。

　上記目的を達成するため、この発明は、移動体の位置を取得する位置取得部を備え、当該位置取得部により取得された移動体の位置と地図データとに基づいて、経路の道案内を行うナビゲーション装置において、入力された音声を検知して取得する音声取得部と、前記ナビゲーション装置が起動されている場合は常時、前記音声取得部により取得された音声データを認識する音声認識部と、地名および施設の名称を地点名称として記憶する地点名称記憶部と、ユーザが経路設定を行う際に用いる経路設定表現を記憶する経路設定表現記憶部と、前記地点名称記憶部と前記経路設定表現記憶部を参照して、前記音声認識部による認識結果から地点名称および経路設定表現を抽出するキーワード抽出部と、前記経路設定表現に対応する経路設定動作を、前記経路設定表現と対応付けて記憶する経路設定動作記憶部と、前記経路設定動作記憶部を参照して、前記キーワード抽出部により抽出された経路設定表現に基づいて、対応する経路設定動作を取得する経路設定動作取得部と、前記経路設定動作取得部により取得された設定動作に基づいて、前記キーワード抽出部により抽出された地点名称から特定される地点への経路を探索し、当該探索した経路を設定する経路決定部とを備えることを特徴とする。

　この発明のナビゲーション装置によれば、ユーザの発話内容を常に認識して得られる認識結果から、地点情報や経路設定方法を特定し、その地点情報と経路設定方法に基づいて経路を設定するようにしたので、リアルタイムに、かつ、ユーザの手動操作を必要とせず、期待どおりの経路設定を行うことができる。

実施の形態１によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。地点名称記憶部３の一例を示す図である。経路設定表現記憶部４の一例を示す図である。経路設定動作記憶部６の一例を示す図である。実施の形態１によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。経路設定部１０が設定した経路を示す図である。実施の形態２によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。実施の形態２によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。実施の形態３によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。実施の形態３によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。実施の形態４によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。実施の形態４によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。実施の形態５によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。実施の形態６によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。実施の形態６によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。実施の形態７によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。実施の形態８における経路設定表現記憶部４の一例を示す図である。実施の形態８によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。実施の形態９によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。実施の形態９によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。実施の形態９において、経路探索要否を確認させるためのダイアログを表示した画面例を示す図である。実施の形態１０によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。実施の形態１０において、複数の経路情報を表示した提示画面の一例を示す図である。実施の形態１０における経路設定表現記憶部４の一例を示す図である。実施の形態１０において、複数の経路情報を表示した提示画面の別の例を示す図である。実施の形態１１によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。実施の形態１２によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。提示方法記憶部１６の一例を示す図である。実施の形態１２によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。実施の形態１２において、複数の経路情報に重要度と提示方法を表示した提示画面の一例を示す図である。実施の形態１２における経路の提示画面例を示す図である。実施の形態１３における経路設定動作記憶部６の一例を示す図である。実施の形態１３によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。実施の形態１３によるナビゲーション装置の他の動作を示すフローチャートである。実施の形態１３において、検索された施設を経由地として経路を設定するか否かをユーザに確認するダイアログが表示された場合の画面遷移例を示す図である。実施の形態１３において、検索された施設が複数表示された場合の画面例を示す図である。

　以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
　この発明は、自車（移動体）の位置を取得する位置取得部を備え、当該位置取得部により取得された自車（移動体）の位置と地図データとに基づいて、経路の道案内を行うナビゲーション装置において、そのナビゲーション装置が起動されている場合は常時、ユーザの発話内容を認識し、その認識結果から、地点情報や経路設定方法を特定し、その地点情報と経路設定方法に基づいて自動的に経路を設定するものである。なお、以下の実施の形態では、この発明のナビゲーション装置を、車両等の移動体に搭載されるカーナビゲーションシステムに適用した場合を例に挙げて説明する。

実施の形態１．
　図１は、この発明の実施の形態１によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。このナビゲーション装置は、音声取得部１と、音声認識部２と、地点名称記憶部３と、経路設定表現記憶部４と、キーワード抽出部５と、経路設定動作記憶部６と、経路設定動作取得部７と、地図データ記憶部８と、自車位置取得部（位置取得部）９と、経路決定部１０と、提示制御部２１と、表示部２２、音声出力部２３により構成されている。なお、この提示制御部２１と、表示部２２および音声出力部２３が、提示制御出力部２０を構成する。また、図示は省略したが、このナビゲーション装置は、キーやタッチパネル等による入力信号を取得するキー入力部１２と、時刻を取得する時刻取得部１４も備えている。

　音声取得部１は、マイク等により集音されたユーザ発話、すなわち、入力された音声をＡ／Ｄ変換して、例えばＰＣＭ（Ｐｕｌｓｅ　Ｃｏｄｅ　Ｍｏｄｕｌａｔｉｏｎ）形式で取得する。
　音声認識部２は、認識辞書（図示せず）を有し、音声取得部１により取得された音声データから、同乗者などのユーザが発話した内容に該当する音声区間を検出し、特徴量を抽出し、その特徴量に基づいて認識辞書を用いて音声認識処理を行う。ここで、認識処理としては、例えばＨｉｄｄｅｎ　Ｍａｒｋｏｖ　Ｍｏｄｅｌのような一般的な方法を用いて行えばよい。また、音声認識部２は、ネットワーク上の音声認識サーバを使用してもよい。

　ところで、カーナビゲーションシステム等に搭載されている音声認識機能においては、ユーザが発話等の開始をシステムに対して明示（指示）するのが一般的である。そのために、音声認識開始を指示するボタン等（以下、「音声認識開始指示部」と呼ぶ）が、タッチパネルに表示されたりハンドルに設置されたりしている。そして、ユーザにより音声認識開始指示部が押下された後に、発話等された音声を認識する。すなわち、音声認識開始指示部が音声認識開始信号を出力し、音声認識部が当該信号を受けると、当該信号を受けた後に音声取得部により取得された音声データから、ユーザ発話等の内容に該当する音声区間を検出し、上述した認識処理を行う。

　しかし、この実施の形態１における音声認識部２は、上述したようなユーザによる音声認識開始指示がなくても、常に、ユーザ発話等の内容を認識する。すなわち、音声認識部２は、音声認識開始信号を受けなくても、音声取得部１により取得された音声データから、ユーザ発話等の内容に該当する音声区間を検出し、該音声区間の音声データの特徴量を抽出し、その特徴量に基づいて認識辞書を用いて認識処理を行い、音声認識結果の文字列を出力する処理を繰り返し行う。なお、以下の実施の形態においても同様である。

　地点名称記憶部３は、予想される地名や施設などの名称を、地点名称として記憶している。図２は、地点名称記憶部３の一例を示す図である。この図に示すように、地点名称記憶部３は、例えば、「清水寺」「金閣寺」「京都駅」といった施設の名称や、「三条河原町」「四条河原町」といった地名などを、地点名称として記憶している。
　経路設定表現記憶部４は、通常、ユーザが発する単語の中で、経路設定動作に関する表現を経路設定表現として記憶している。図３は、経路設定表現記憶部４の一例を示す図である。この図に示すように、経路設定表現記憶部４は、例えば、「行く」「行きたい」「行こう」「寄る」「立ち寄る」「休憩する」「やめる」などの動作表現を、経路設定動作に関する経路設定表現として記憶している。
　キーワード抽出部５は、地点名称記憶部３と経路設定表現記憶部４を参照しながら形態素解析を行い、音声認識部２の音声認識結果の文字列から地点名称および経路設定表現を抽出する。

　経路設定動作記憶部６は、キーワード抽出部５で抽出された経路設定表現を、当該経路設定表現に対応する経路設定動作と対応付けて記憶している。図４は、経路設定動作記憶部６の一例を示す図である。この図に示すように、例えば、「行く」「行きたい」「行こう」などの経路設定表現に対しては、最終的な目的地を発話しているものとして、「目的地に設定」という経路設定動作が対応付けて記憶されている。また、例えば、「立ち寄る」「休憩する」などの経路設定表現に対しては、途中の経由地を発話しているものとして、「経由地に設定」という経路設定動作が対応付けて記憶されている。さらに、例えば、「やめる」などの経路設定表現に対しては、その経路をやめると発話しているものとして、「経路を削除」という経路設定動作が対応付けて記憶されている。

　経路設定動作取得部７は、キーワード抽出部５により抽出された経路設定表現を検索キーとして、経路設定動作記憶部６を検索し、検索キーと一致する経路設定表現に対応する経路設定動作を取得する。
　地図データ記憶部８は、例えば道路データ、交差点データ、施設データ等の地図データを記憶している。この地図データ記憶部８は、例えばＤＶＤ－ＲＯＭ、ハードディスク、ＳＤカードなどの記憶媒体であってもよいし、ネットワーク上に存在し、通信ネットワークを介して道路データなどの情報を取得できる構成（地図データ取得部）であってもよい。

　自車位置取得部（位置取得部）９は、ＧＰＳ受信機やジャイロスコープなどから取得した情報を用いて、現在の自車（移動体）の位置（経緯度）を取得するものである。
　経路決定部１０は、キーワード抽出部５により抽出された地点名称から特定される地点の位置情報（経緯度）を、地図データ記憶部８に記憶されている地図データを参照して取得し、当該取得された位置情報と、自車位置取得部（位置取得部）９により取得された自車（移動体）の位置（経緯度）と、経路設定動作取得部７により取得された経路設定動作に基づいて、地点名称から特定される地点への経路を探索し、当該探索した経路を設定する。

　次に、前述のように構成された実施の形態１によるナビゲーション装置の動作について説明する。図５は、実施の形態１によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
　まず初めに、何等かの発話入力があると、音声取得部１が入力された音声を取得し、Ａ／Ｄ変換して、例えばＰＣＭ形式の音声データとして取得する（ステップＳＴ０１）。次に、音声取得部１で取得された音声データを音声認識部２が認識する（ステップＳＴ０２）。そして、キーワード抽出部５が、音声認識部２の認識結果から、地点名称記憶部３および経路設定表現記憶部４を参照しながら、地点名称と、その地点名称に対する経路設定表現を抽出する（ステップＳＴ０３）。ここで、経路設定表現が抽出された場合（ステップＳＴ０４のＹＥＳの場合）には、経路設定動作取得部７が、キーワード抽出部５により抽出された経路設定表現を検索キーとして、経路設定動作記憶部６を検索し、検索キーと一致する経路設定表現を検索することにより、その経路設定表現に対応する経路設定動作を取得する（ステップＳＴ０５）。

　その後、経路決定部１０が、キーワード抽出部５により抽出された地点名称について、地図データ記憶部８を参照してその位置を取得し、当該取得された位置情報と、ステップＳＴ０５において取得された経路設定動作と、自車位置取得部（位置取得部）９により取得された現在の自車（移動体）の位置とに基づいて、経路を探索し、探索した経路を設定する（ステップＳＴ０６）。一方、経路設定表現が抽出されなかった場合（ステップＳＴ０４のＮＯの場合）には、処理を終了する。

　具体的な例を挙げて説明すると、例えば、ユーザが「清水寺に立ち寄ってから京都駅に行こう」と発話した場合、音声取得部１がその音声データを取得し（ステップＳＴ０１）、音声認識部２により「清水寺に立ち寄ってから京都駅に行こう」という認識結果が得られる（ステップＳＴ０２）。そして、キーワード抽出部５が、図２に示すような地点名称記憶部３と、図３に示すような経路設定表現記憶部４を参照して、地点名称として「清水寺」、それに対応する経路設定表現として「立ち寄って」を抽出し、さらに、地点名称として「京都駅」、それに対応する経路設定表現として「行こう」を抽出する（ステップＳＴ０３）。
　なお、ここでは図２に示すような地点名称記憶部３を参照して地点名称を抽出したが、地図データ記憶部８に記憶されている地図データを参酌して、施設、住所に関する情報等から、公知の形態素解析方法や公知の意味理解方法を用いて、地点名称を抽出するようにしてもよい。

　そして、経路設定表現「立ち寄って」および「行こう」が抽出されたので（ステップＳＴ０４のＹＥＳの場合）、経路設定動作取得部７が、経路設定表現「立ち寄って」および「行こう」を検索キーとして、図４に示すような経路設定動作記憶部６を検索し、検索キーと一致する経路設定表現を検索することにより、「立ち寄って」に対応する経路設定動作「経由地に設定」と、「行こう」に対応する経路設定動作「目的地に設定」を取得する（ステップＳＴ０５）。

　その後、経路決定部１０が、地図データ記憶部８を参照して、地点名称「清水寺」と「京都駅」の位置を取得し、その「清水寺」の位置情報とそれに対応する経路設定表現「立ち寄って」から取得された「経由地に設定」という経路設定動作、「京都駅」の位置情報とそれに対応する経路設定表現「行こう」から取得された「目的地に設定」という経路設定動作、および、自車（移動体）の位置とに基づいて、「清水寺」を経由地として、「京都駅」を目的地とする経路を探索し、その探索した経路を設定する（ステップＳＴ０６）。
　図６は、以上の処理により経路決定部１０が設定した情報を示す図であり、地点名称「清水寺」を「経由地に設定」、および、地点名称「京都駅」を「目的地に設定」する経路が示されている。

　以上のように、この実施の形態１によれば、ユーザの発話内容を常に認識して得られる認識結果から、地点情報や経路設定方法を特定し、その地点情報と経路設定方法に基づいて自動的に経路設定をするようにしたので、リアルタイムに経路を設定することができ、発話内容が更新されることによって所望の経路を設定できなくなることを防止することができる。また、ユーザの手動による経路設定操作を必要とせず、期待どおりの経路設定を行うことができ、使いやすさが向上する。さらに、ユーザが意識しなくてもナビゲーション装置が起動している場合には常時、音声取得および音声認識を行ってくれるため、音声取得や音声認識開始のためのユーザの手動操作や入力の意思なども必要としない。

実施の形態２．
　図７は、この発明の実施の形態２によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。なお、実施の形態１で説明したものと同様の構成には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。以下に示す実施の形態２では、実施の形態１と比べると、地点特定部１１をさらに備えている。そして、ユーザが発話した一の地点名称により特定される地点が複数ある場合（同一の地名で位置が異なる地点が複数ある場合）、現在地からの距離が近い地点を選択し、その選択された地点への経路を設定するものである。

　地点特定部１１は、キーワード抽出部５により抽出された地点名称により特定される地点が複数ある場合に、現在の自車（移動体）の位置からの距離が近い地点を特定し、その位置情報を出力する。
　また、経路決定部１０は、地点特定部１１により特定された地点の位置情報（経緯度）を、地図データ記憶部８に記憶されている地図データを参照して取得し、当該取得された位置情報と、自車位置取得部（位置取得部）９により取得された自車（移動体）の位置（経緯度）と、経路設定動作取得部７により取得された経路設定動作に基づいて、キーワード抽出部５により抽出された地点名称から特定される地点への経路を探索し、当該探索した経路を設定する。

　次に、前述のように構成された実施の形態２によるナビゲーション装置の動作について説明する。図８は、実施の形態２によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
　ステップＳＴ１１～ＳＴ１５までの処理については、実施の形態１における図５のフローチャートのステップＳＴ０１～ＳＴ０５と同じであるため、説明を省略する。そして、この実施の形態２では、地点特定部１１が、例えば地図データ記憶部８に記憶されている地図データを参照して、ステップＳＴ１３で抽出された地点名称から特定される地点が複数存在するか否かを判定する（ステップＳＴ１６）。そして、複数ある場合（ステップＳＴ１６のＹＥＳの場合）には、さらに地図データを参照して、現在地から各地点までの距離を計算し、最も距離が近い地点を特定し、その位置情報を出力する（ステップＳＴ１７）。一方、複数存在しない場合（ステップＳＴ１６のＮＯの場合）には、地点名称から特定される地点の位置情報を、例えば地図データから取得して出力する（ステップＳＴ１８）。

　最後に、経路決定部１０が、ステップＳＴ１７またはステップＳＴ１８において出力された位置情報と、ステップＳＴ１５において取得された経路設定動作と、自車位置取得部（位置取得部）９により取得された現在の自車（移動体）の位置とに基づいて、経路を探索し、探索した経路を設定する（ステップＳＴ１９）。

　具体的な例を挙げて説明すると、例えば、実施の形態１と同様に、ユーザが「清水寺に立ち寄ってから京都駅に行こう」と発話した場合、音声取得部１がその音声データを取得し（ステップＳＴ１１）、音声認識部２により「清水寺に立ち寄ってから京都駅に行こう」という認識結果が得られる（ステップＳＴ１２）。そして、キーワード抽出部５が、図２に示すような地点名称記憶部３と、図３に示すような経路設定表現記憶部４を参照して、地点名称として「清水寺」、それに対応する経路設定表現として「立ち寄って」を抽出し、さらに、地点名称として「京都駅」、それに対応する経路設定表現として「行こう」を抽出する（ステップＳＴ１３）。

　そして、経路設定表現「立ち寄って」および「行こう」が抽出されたので（ステップＳＴ１４のＹＥＳの場合）、経路設定動作取得部７が、経路設定表現「立ち寄って」および「行こう」を検索キーとして、図４に示すような経路設定動作記憶部６を検索し、検索キーと一致する経路設定表現を検索することにより、「立ち寄って」に対応する経路設定動作「経由地に設定」と、「行こう」に対応する経路設定動作「目的地に設定」を取得する（ステップＳＴ１５）。

　その後、地点特定部１１が、地点名称「清水寺」および「京都駅」それぞれについて、その一の地点名称により特定される地点が複数あるか否かを判定する（ステップＳＴ１６）。まず、地点名称「清水寺」について、地図データを参照すると、「清水寺」という名称のお寺は、京都府と兵庫県とに存在することがわかる。すなわち、この「清水寺」という一の地点名称により特定される地点が２箇所あるので（ステップＳＴ１６のＹＥＳの場合）、このうちの１箇所の地点を特定するために、現在地から京都府の清水寺までの距離と、現在地から兵庫県の清水寺までの距離を計算する。この際、例えば現在地が京都市内であるとすると、京都府の清水寺までの距離の方が近いため、京都府の清水寺が特定され、その位置情報を出力する（ステップＳＴ１７）。また、地点名称「京都駅」について、地図データを参照すると、この名称により特定される地点は１箇所であるため（ステップＳＴ１６のＮＯの場合）、その地点を特定し、位置情報を出力する（ステップＳＴ１８）。

　その後、経路決定部１０が、ステップＳＴ１７で出力された「清水寺」の位置情報と「経由地に設定」という経路設定動作、ステップＳＴ１８で出力された「京都駅」の位置情報と「目的地に設定」という経路設定動作、および、自車（移動体）の位置とに基づいて、京都府の「清水寺」を経由地として、「京都駅」を目的地とする経路を探索し、その探索した経路を設定する（ステップＳＴ１９）。

　なお、この実施の形態２における地点特定機能を使用するかしないかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。

　以上のように、この実施の形態２によれば、実施の形態１における効果に加えて、ユーザにより発話された地点名称から特定される地点が複数あった場合であっても、目的地や経由地となる可能性が高い地点が選択されて経路が設定されるため、ユーザの意図から乖離した経路が設定されることを防ぐことができる。

実施の形態３．
　図９は、この発明の実施の形態３によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。なお、実施の形態１～２で説明したものと同様の構成には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。以下に示す実施の形態３では、実施の形態２と比べると、実施の形態１，２では図示しなかったキー入力部１２が示されている。そして、ユーザが発話した一の地点名称により特定される地点が複数ある場合（同一の地名で位置が異なる地点が複数ある場合）、その複数の地点をユーザに提示して、ユーザによりいずれか１つの地点が選択されることにより、その選択された地点への経路を設定するものである。
　キー入力部１２は、キーボード、ボタン、マウス、タッチパネル等、ユーザにより手動操作入力を行うことができる入力部である。そして、キーワード抽出部５により抽出された地点名称により特定される地点が複数ある場合に、ユーザはこのキー入力部１２により複数の地点情報のうちいずれを採用するかを選択することができる。

　次に、前述のように構成された実施の形態３によるナビゲーション装置の動作について説明する。図１０は、実施の形態３によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
　ステップＳＴ２１～ＳＴ２６までの処理については、実施の形態２における図８のフローチャートのステップＳＴ１１～ＳＴ１６と同じであるため、説明を省略する。そして、この実施の形態３では、ステップＳＴ２６において、地点特定部１１が、例えば地図データ記憶部８に記憶されている地図データを参照して、ステップＳＴ１３で抽出された地点名称から特定される地点が複数存在するか否かを判定した結果、複数ある場合（ステップＳＴ２６のＹＥＳの場合）には、それら複数の地点情報を、リストとして表示したり、地図上にマーク表示する等、ユーザに提示する（ステップＳＴ２７）。その提示された複数の地点情報のうちのいずれを採用するかを、ユーザがキー入力部１２により選択することにより、１箇所の地点が特定されるので、その位置情報を出力する（ステップＳＴ２８）。一方、複数存在しない場合（ステップＳＴ２６のＮＯの場合）には、地点名称から特定される地点の位置情報を、例えば地図データから取得して出力する（ステップＳＴ２９）。

　最後に、経路決定部１０が、ステップＳＴ２８またはステップＳＴ２９において出力された位置情報と、ステップＳＴ２５において取得された経路設定動作と、自車位置取得部（位置取得部）９により取得された現在の自車（移動体）の位置とに基づいて、経路を探索し、探索した経路を設定する（ステップＳＴ３０）。

　具体的な例を挙げて説明すると、例えば、実施の形態１，２と同様に、ユーザが「清水寺に立ち寄ってから京都駅に行こう」と発話した場合、音声取得部１がその音声データを取得し（ステップＳＴ２１）、音声認識部２により「清水寺に立ち寄ってから京都駅に行こう」という認識結果が得られる（ステップＳＴ２２）。そして、キーワード抽出部５が、図２に示すような地点名称記憶部３と、図３に示すような経路設定表現記憶部４を参照して、地点名称として「清水寺」、それに対応する経路設定表現として「立ち寄って」を抽出し、さらに、地点名称として「京都駅」、それに対応する経路設定表現として「行こう」を抽出する（ステップＳＴ２３）。

　そして、経路設定表現「立ち寄って」および「行こう」が抽出されたので（ステップＳＴ２４のＹＥＳの場合）、経路設定動作取得部７が、経路設定表現「立ち寄って」および「行こう」を検索キーとして、図４に示すような経路設定動作記憶部６を検索し、検索キーと一致する経路設定表現を検索することにより、「立ち寄って」に対応する経路設定動作「経由地に設定」と、「行こう」に対応する経路設定動作「目的地に設定」を取得する（ステップＳＴ２５）。

　その後、地点特定部１１が、地点名称「清水寺」および「京都駅」それぞれについて、その一の地点名称により特定される地点が複数あるか否かを判定する（ステップＳＴ２６）。まず、地点名称「清水寺」について、地図データを参照すると、「清水寺」という名称のお寺は、京都府と兵庫県とに存在することがわかる。すなわち、この「清水寺」という一の地点名称により特定される地点が２箇所あるので（ステップＳＴ２６のＹＥＳの場合）、このうちの１箇所の地点を特定するために、「京都府の清水寺」と「兵庫県の清水寺」を、例えばリストとして表示したり、地図を表示して京都府の清水寺の位置と兵庫県の清水寺の位置をマーク表示する等、その２箇所の地点情報をユーザに提示する（ステップＳＴ２７）。そして、ユーザにより１つの地点が選択されると、当該選択された地点を地点特定部１１が特定し、その位置情報を出力する（ステップＳＴ２８）。一方、地点名称「京都駅」について、地図データを参照すると、この名称により特定される地点は１箇所であるため（ステップＳＴ２６のＮＯの場合）、その地点を地点特定部１１が特定し、位置情報を出力する（ステップＳＴ２９）。

　その後、経路決定部１０が、ステップＳＴ２８で出力された「清水寺」の位置情報と「経由地に設定」という経路設定動作、ステップＳＴ２９で出力された「京都駅」の位置情報と「目的地に設定」という経路設定動作、および、自車（移動体）の位置とに基づいて、京都府の「清水寺」を経由地として、「京都駅」を目的地とする経路を探索し、その探索した経路を設定する（ステップＳＴ３０）。

　なお、この実施の形態では、一の地点名称により特定される地点が複数ある場合には、その複数の地点をディスプレイ等に表示するものとして説明したが、音声出力することにより提示する等、ユーザへの提示の方法については、どのようなものであっても構わない。また、例えば音声出力により提示した場合には、ユーザによる選択も音声入力によるものとする等、選択方法についても、キー入力部１２による選択には限らないことは言うまでもない。

　なお、この実施の形態３における地点特定機能を使用するかしないかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。

　以上のように、この実施の形態３によれば、実施の形態１における効果に加えて、ユーザにより発話された一の地点名称から特定される地点が複数あった場合であっても、目的地や経由地となる地点をユーザが選択することにより１箇所の地点に特定されて経路が設定されるため、ユーザの意図から乖離した経路が設定されることを防ぐことができる。

実施の形態４．
　図１１は、この発明の実施の形態４によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。なお、実施の形態１～３で説明したものと同様の構成には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。以下に示す実施の形態４では、実施の形態２と比べると、知名度記憶部１３をさらに備えている。そして、ユーザが発話した一の地点名称により特定される地点が複数ある場合（同一の地名で位置が異なる地点が複数ある場合）、知名度が高い地点を選択し、その選択された地点への経路を設定するものである。
　知名度記憶部１３は、例えば神社や公園などの施設の位置情報と、その知名度を記憶したものである。また、知名度としては、例えば、年間来訪者数や、アンケート結果など、何らかの方法により取得されたデータに基づいて決定される。

　次に、前述のように構成された実施の形態４によるナビゲーション装置の動作について説明する。図１２は、実施の形態２によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
　ステップＳＴ３１～ＳＴ３６までの処理については、実施の形態２における図８のフローチャートのステップＳＴ１１～ＳＴ１６と同じであるため、説明を省略する。そして、この実施の形態４では、ステップＳＴ３６において、地点特定部１１が、例えば地図データ記憶部８に記憶されている地図データを参照して、ステップＳＴ３３で抽出された地点名称から特定される地点が複数存在するか否かを判定した結果、複数ある場合（ステップＳＴ３６のＹＥＳの場合）には、さらに知名度記憶部１３を参照して、その複数の地点の知名度を取得し、最も知名度が高い地点を特定して、その位置情報を出力する（ステップＳＴ３７）。一方、複数存在しない場合（ステップＳＴ３６のＮＯの場合）には、地点名称から特定される地点の位置情報を、例えば地図データから取得して出力する（ステップＳＴ３８）。

　最後に、経路決定部１０が、ステップＳＴ３７またはステップＳＴ３８において出力された位置情報と、ステップＳＴ３５において取得された経路設定動作と、自車位置取得部（位置取得部）９により取得された現在の自車（移動体）の位置とに基づいて、経路を探索し、探索した経路を設定する（ステップＳＴ３９）。

　具体的な例を挙げて説明すると、例えば、実施の形態１と同様に、ユーザが「清水寺に立ち寄ってから京都駅に行こう」と発話した場合、音声取得部１がその音声データを取得し（ステップＳＴ３１）、音声認識部２により「清水寺に立ち寄ってから京都駅に行こう」という認識結果が得られる（ステップＳＴ３２）。そして、キーワード抽出部５が、図２に示すような地点名称記憶部３と、図３に示すような経路設定表現記憶部４を参照して、地点名称として「清水寺」、それに対応する経路設定表現として「立ち寄って」を抽出し、さらに、地点名称として「京都駅」、それに対応する経路設定表現として「行こう」を抽出する（ステップＳＴ３３）。

　そして、経路設定表現「立ち寄って」および「行こう」が抽出されたので（ステップＳＴ３４のＹＥＳの場合）、経路設定動作取得部７が、経路設定表現「立ち寄って」および「行こう」を検索キーとして、図４に示すような経路設定動作記憶部６を検索し、検索キーと一致する経路設定表現を検索することにより、「立ち寄って」に対応する経路設定動作「経由地に設定」と、「行こう」に対応する経路設定動作「目的地に設定」を取得する（ステップＳＴ３５）。

　その後、地点特定部１１が、地点名称「清水寺」および「京都駅」それぞれについて、その一の地点名称により特定される地点が複数あるか否かを判定する（ステップＳＴ３６）。まず、地点名称「清水寺」について、地図データを参照すると、「清水寺」という名称のお寺は、京都府と兵庫県とに存在することがわかる。すなわち、この「清水寺」という一の地点名称により特定される地点が２箇所あるので（ステップＳＴ３６のＹＥＳの場合）、このうちの１箇所の地点を特定するために、知名度記憶部１３を参照して、それぞれの地点の知名度を取得する。その結果、例えば年間来訪者数により知名度を決定する場合には、京都府の清水寺の年間来訪者数は１００万人、兵庫県の清水寺の年間来訪者数は５千人という情報が、知名度記憶部１３から得られるため、知名度の高い方として、京都府の清水寺が特定され、その位置情報を出力する（ステップＳＴ３７）。また、地点名称「京都駅」について、地図データを参照すると、この名称により特定される地点は１箇所であるため（ステップＳＴ３６のＮＯの場合）、その地点を特定し、位置情報を出力する（ステップＳＴ３８）。

　その後、経路決定部１０が、ステップＳＴ３７で出力された「清水寺」の位置情報と「経由地に設定」という経路設定動作、ステップＳＴ３８で出力された「京都駅」の位置情報と「目的地に設定」という経路設定動作、および、自車（移動体）の位置とに基づいて、京都府の「清水寺」を経由地として、「京都駅」を目的地とする経路を探索し、その探索した経路を設定する（ステップＳＴ３９）。

　なお、この実施の形態４における地点特定機能を使用するかしないかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。

　以上のように、この実施の形態４によれば、実施の形態１における効果に加えて、ユーザにより発話された地点名称から特定される地点が複数あった場合であっても、目的地や経由地となる可能性が高い地点が選択されて経路が設定されるため、ユーザの意図から乖離した経路が設定されることを防ぐことができる。

実施の形態５．
　この発明の実施の形態５によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図は、実施の形態１における図１に示すブロック図と構成としては同じであるので、図示および説明を省略する。以下に説明する実施の形態５では、実施の形態１と比べると、最後に経路決定部１０が、経路を探索した結果、当該経路の総距離が予め定められた所定の距離を越える場合には、探索した経路を設定しない、というものである。

　図１３は、実施の形態５によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
　ステップＳＴ４１～ＳＴ４５までの処理については、実施の形態１における図５のフローチャートのステップＳＴ０１～ＳＴ０５と同じであるため、説明を省略する。そして、この実施の形態５では、経路決定部１０が、キーワード抽出部５により抽出された地点名称について、地図データ記憶部８を参照してその位置を取得し、当該取得された位置情報と、ステップＳＴ０５において取得された経路設定動作と、自車位置取得部（位置取得部）９により取得された現在の自車（移動体）の位置とに基づいて、経路を探索（ステップＳＴ４６）した後、探索された経路の総距離についての判定を行う。

　ステップＳＴ４６で探索された経路について、その経路の総距離が、予め定められた所定の閾値以下か否かを判定する（ステップＳＴ４７）。そして、所定の閾値以下の場合（ステップＳＴ４７のＹＥＳの場合）には、その経路を設定する（ステップＳＴ４８）。一方、ステップＳＴ４７の判定において、経路の総距離が所定の閾値より大きい場合（ステップＳＴ４７のＮＯの場合）には、その経路を設定せずに処理を終了する。

　具体的な例を挙げて説明すると、例えば、実施の形態１と同様に、ユーザが「清水寺に立ち寄ってから京都駅に行こう」と発話した場合、音声取得部１がその音声データを取得し（ステップＳＴ４１）、音声認識部２により「清水寺に立ち寄ってから京都駅に行こう」という認識結果が得られる（ステップＳＴ４２）。そして、キーワード抽出部５が、図２に示すような地点名称記憶部３と、図３に示すような経路設定表現記憶部４を参照して、地点名称として「清水寺」、それに対応する経路設定表現として「立ち寄って」を抽出し、さらに、地点名称として「京都駅」、それに対応する経路設定表現として「行こう」を抽出する（ステップＳＴ４３）。

　そして、経路設定表現「立ち寄って」および「行こう」が抽出されたので（ステップＳＴ４４のＹＥＳの場合）、経路設定動作取得部７が、経路設定表現「立ち寄って」および「行こう」を検索キーとして、図４に示すような経路設定動作記憶部６を検索し、検索キーと一致する経路設定表現を検索することにより、「立ち寄って」に対応する経路設定動作「経由地に設定」と、「行こう」に対応する経路設定動作「目的地に設定」を取得する（ステップＳＴ４５）。

　その後、経路決定部１０が、地図データ記憶部８を参照して、地点名称「清水寺」と「京都駅」の位置を取得し、その「清水寺」の位置情報と「経由地に設定」という経路設定動作、「京都駅」の位置情報と「目的地に設定」という経路設定動作、および、自車（移動体）の位置とに基づいて、「清水寺」を経由地として、「京都駅」を目的地とする経路を探索する（ステップＳＴ４６）。そしてさらに、経路決定部１０が、その経路の総距離を地図データと現在地とに基づいて算出する。例えば、現在値から京都府の清水寺を経由地として京都駅を目的地とする経路について、算出された総距離が７ｋｍであり、予め定められた所定の閾値（経路の最大距離）が５ｋｍであった場合には、この経路は設定されない（ステップＳＴ４７のＮＯの場合）。逆に、予め定められた所定の閾値が１０ｋｍであった場合には、ステップＳＴ４６で探索された経路（算出された総距離が７ｋｍの経路）が設定される（ステップＳＴ４８）。

　なお、この実施の形態５における経路の総距離の比較をする機能を使用するかしないかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
　また、この実施の形態５では、実施の形態１を基にして説明したが、実施の形態２～４についても同様に、経路を探索した後に、その探索した経路の総距離により経路を設定しないようにしてもよい。

　以上のように、この実施の形態５によれば、実施の形態１～４における効果に加え、ユーザが所望しない、非現実的な走行距離となる経路が設定されることを防ぐことができる。

実施の形態６．
　図１４は、この発明の実施の形態６によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。なお、実施の形態１～５で説明したものと同様の構成には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。以下に示す実施の形態６では、実施の形態１と比べると、実施の形態１では図示しなかった時刻取得部１４が示されており、最後に経路決定部１０が、経路を探索した結果、当該経路により目的地に到着する予定時刻（到着予定時刻）が予め定められた所定の時刻を越える場合、または、当該経路により目的地に到着するまでにかかる所要時間が予め定められた所定の時間を越える場合には、探索した経路を設定しない、というものである。
　時刻取得部１４は、公知の情報を用いて時刻を取得する。

　図１５は、実施の形態６によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
　ステップＳＴ５１～ＳＴ５６までの処理については、実施の形態５における図１２のフローチャートのステップＳＴ４１～ＳＴ４６と同じであるため、説明を省略する。そして、ステップＳＴ５６で探索された経路について、その経路により目的地に到着する予定時刻（到着予定時刻）が所定の閾値以前か否か、または、その経路により目的地に到着するまでにかかる所要時間が所定の閾値以下か否かを判定する（ステップＳＴ５７）。その後、到着予定時刻が所定の閾値以前の場合、または、所要時間が所定の閾値以下の場合（ステップＳＴ５７のＹＥＳの場合）には、その経路を設定する（ステップＳＴ５８）。一方、ステップＳＴ５７の判定において、到着予定時刻が所定の閾値より後の場合、または、目的地までの所要時間が所定の閾値より大きい場合（ステップＳＴ５７のＮＯの場合）には、その経路を設定せずに処理を終了する。

　具体的な例を挙げて説明すると、例えば、実施の形態１と同様に、ユーザが「清水寺に立ち寄ってから京都駅に行こう」と発話した場合、音声取得部１がその音声データを取得し（ステップＳＴ５１）、音声認識部２により「清水寺に立ち寄ってから京都駅に行こう」という認識結果が得られる（ステップＳＴ５２）。そして、キーワード抽出部５が、図２に示すような地点名称記憶部３と、図３に示すような経路設定表現記憶部４を参照して、地点名称として「清水寺」、それに対応する経路設定表現として「立ち寄って」を抽出し、さらに、地点名称として「京都駅」、それに対応する経路設定表現として「行こう」を抽出する（ステップＳＴ５３）。

　そして、経路設定表現「立ち寄って」および「行こう」が抽出されたので（ステップＳＴ５４のＹＥＳの場合）、経路設定動作取得部７が、経路設定表現「立ち寄って」および「行こう」を検索キーとして、図４に示すような経路設定動作記憶部６を検索し、検索キーと一致する経路設定表現を検索することにより、「立ち寄って」に対応する経路設定動作「経由地に設定」と、「行こう」に対応する経路設定動作「目的地に設定」を取得する（ステップＳＴ５５）。

　その後、経路決定部１０が、地図データ記憶部８を参照して、地点名称「清水寺」と「京都駅」の位置を取得し、その「清水寺」の位置情報と「経由地に設定」という経路設定動作、「京都駅」の位置情報と「目的地に設定」という経路設定動作、および、自車（移動体）の位置とに基づいて、「清水寺」を経由地として、「京都駅」を目的地とする経路を探索する（ステップＳＴ５６）。そしてさらに、経路決定部１０が、その経路により目的地である京都駅に到着する予定時刻（到着予定時刻）を、時刻取得部１４により取得された時刻と、地図データと現在地等に基づいて算出する。例えば、現在値から京都府の清水寺を経由地として京都駅を目的地とする経路で京都駅に到着する算出された予定時刻が１８：１０であり、予め定められた所定の閾値が１８：００であった場合には、この経路は設定されない（ステップＳＴ５７のＮＯの場合）。逆に、予め定められた所定の閾値が１８：３０であった場合には、ステップＳＴ５６で探索された経路が設定される（ステップＳＴ５８）。

　また、ステップＳＴ５７において比較する時刻は、到着予定時刻ではなく、目的地までにかかる所要時間としてもよい。この場合、ステップＳＴ５６において、経路決定部１０が、「清水寺」を経由地として、「京都駅」を目的地とする経路を探索した後、その経路により目的地である京都駅に到着するまでにかかる所要時間を、地図データと現在地等に基づいて算出する。例えば、現在値から京都府の清水寺を経由地として京都駅を目的地とする経路で京都駅に到着するまでにかかる算出された所要時間が１時間３０分であり、予め定められた所定の閾値が１時間であった場合には、この経路は設定されない（ステップＳＴ５７のＮＯの場合）。逆に、予め定められた所定の閾値が２時間であった場合には、ステップＳＴ５６で探索された経路が設定される（ステップＳＴ５８）。

　なお、この実施の形態６における経路の目的地までの到着予定時刻または所要時間の比較をする機能を使用するかしないかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
　また、この実施の形態６では、実施の形態１を基にして説明したが、実施の形態２～４についても同様に、経路を探索した後に、その探索した経路の目的地までの到着予定時刻または所要時間により経路を設定しないようにしてもよい。

　以上のように、この実施の形態６によれば、実施の形態１～４における効果に加え、ユーザが所望しない、非現実的な走行時間となる経路が設定されることを防ぐことができる。

実施の形態７．
　この発明の実施の形態７によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図は、実施の形態１における図１に示すブロック図と構成としては同じであるので、図示および説明を省略する。以下に説明する実施の形態７では、実施の形態１と比べると、経路が既に設定されている場合には、経路設定動作の内容にかかわらず、地点名称により特定された地点を「経由地」として追加して経路を再探索するものである。

　図１６は、実施の形態７によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
　ステップＳＴ６１～ＳＴ６５までの処理については、実施の形態１における図５のフローチャートのステップＳＴ０１～ＳＴ０５と同じであるため、説明を省略する。そして、この実施の形態７では、ステップＳＴ６５において経路設定動作を取得した後に、経路決定部１０が、経路が既に設定されているか否かを判定する（ステップＳＴ６６）。ここで、経路が既に設定されていた場合（ステップＳＴ６６のＹＥＳの場合）には、キーワード抽出部５により抽出された地点名称について、例えば地図データを参照してその位置を取得し、当該取得された位置情報を、ステップＳＴ６５において経路設定動作取得部７により取得された経路設定動作の内容にかかわらず、「経由地に追加」して経路を再探索し、その経路を設定する（ステップＳＴ６７）。一方、経路が設定されていなかった場合（ステップＳＴ６６のＮＯの場合）には、実施の形態１における図５のフローチャートのステップＳＴ０６と同様に、キーワード抽出部５により抽出された地点名称について、地図データを参照してその位置を取得し、当該取得された位置情報と、ステップＳＴ６５において取得された経路設定動作と、自車位置取得部（位置取得部）９により取得された現在の自車（移動体）の位置とに基づいて、経路を探索し、探索した経路を設定する（ステップＳＴ６８）。

　具体的な例を挙げて説明すると、例えば、既に京都府の清水寺を経由地として京都駅を目的地とする経路が設定されている状態で、ユーザが「八坂神社に行く」と発話した場合、音声取得部１がその音声データを取得し（ステップＳＴ６１）、音声認識部２により「八坂神社に行く」という認識結果が得られる（ステップＳＴ６２）。そして、キーワード抽出部５が、図２に示すような地点名称記憶部３と、図３に示すような経路設定表現記憶部４を参照して、地点名称として「八坂神社」、それに対応する経路設定表現として「行く」を抽出する（ステップＳＴ６３）。

　そして、経路設定表現「行く」が抽出されたので（ステップＳＴ６４のＹＥＳの場合）、経路設定動作取得部７が、経路設定表現「行く」を検索キーとして、図４に示すような経路設定動作記憶部６を検索し、検索キーと一致する経路設定表現を検索することにより、「行く」に対応する経路設定動作「目的地に設定」を取得する（ステップＳＴ６５）。その後、経路決定部１０が、経路が既に設定されているか否かを判定する（ステップＳＴ６６）。

　ここでは、既に経路は設定されているので（ステップＳＴ６６のＹＥＳの場合）、経路決定部１０が、地図データ記憶部８を参照して、地点名称「八坂神社」の位置を取得し、ステップＳＴ６５で取得された「目的地に設定」という経路設定動作にかかわらず、八坂神社の位置を「経由地に追加」して経路を再探索し、その経路を設定する（ステップＳＴ６７）。すなわち、八坂神社が目的地に設定されるのではなく、経由地に追加され、京都府の清水寺を経由し八坂神社を経由して京都駅を目的地とする経路が再探索され、その経路が設定される。

　なお、この実施の形態では、既に経路が設定されている場合には、キーワード抽出部５により抽出された地点名称の地点を常に経由地に追加するものとして説明したが、例えば、抽出された地点名称の位置が現在の自車（移動体）の位置の周辺（例えば、半径５００ｍ以内）であれば、経由地に追加する、などの条件付きの構成としてもよい。

　また、この実施の形態７における道案内表現適格性判定の機能を使用するかしないかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
　なお、この実施の形態７では、実施の形態１を基にして説明したが、実施の形態２～６についても同様に、経路が既に設定されている場合には、取得された経路設定動作にかかわらず、取得された地点名称の位置を経由地として追加するようにしてもよい。

　以上のように、この実施の形態７によれば、実施の形態１～６における効果に加え、設定済みの目的地がむやみに変更されることを防止することができ、途中で立ち寄りたい場所を効率よく経由地に追加設定することができる。また、手動で経由地を追加設定する操作が不要になる。

実施の形態８．
　この発明の実施の形態８によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図は、実施の形態１における図１に示すブロック図と構成としては同じであるので、図示および説明を省略する。以下に説明する実施の形態８では、実施の形態１と比べると、経路設定表現記憶部４が、時期を表す表現も備えており、キーワード抽出部５が、ユーザが発話した内容から時期を表す表現も抽出し、当該表現が、「今日」を表す表現でない場合、すなわち、所定以上先の将来の時期を表す表現であった場合には、経路を設定しないようにするものである。

　図１７は、この実施の形態８における経路設定表現記憶部４の一例を示す図である。この図に示すように、経路設定表現記憶部４は、図３と同様に、例えば「行きたい」「立ち寄る」「休憩する」などの動作表現を、経路設定動作に関する経路設定表現として記憶するとともに、例えば「今日」「明日」「今度」などの時期を表す経路設定表現も記憶している。

　図１８は、実施の形態８によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
　ステップＳＴ７１～ＳＴ７５までの処理については、実施の形態１における図５のフローチャートのステップＳＴ０１～ＳＴ０５と同じであるため、説明を省略する。そして、この実施の形態８では、ステップＳＴ７５において経路設定動作を取得した後に、経路決定部１０が、ステップＳＴ７３においてキーワード抽出部５が抽出した表現の中に、時期を表す経路設定表現のうち、「今日」を表す表現以外のものが含まれていないかどうか、すなわち、所定以上先の将来の時期を表す表現が含まれていないかどうか、判定する（ステップＳＴ７６）。

　ここで、「今日」を表す表現以外のものが含まれていなければ（ステップＳＴ７６のＹＥＳの場合）、実施の形態１における図５のフローチャートのステップＳＴ０６と同様に、キーワード抽出部５により抽出された地点名称について、地図データを参照してその位置を取得し、当該取得された位置情報と、ステップＳＴ７５において取得された経路設定動作と、自車位置取得部（位置取得部）９により取得された現在の自車（移動体）の位置とに基づいて、経路を探索し、探索した経路を設定する（ステップＳＴ７７）。
　一方、ステップＳＴ７６の判定において、例えば「明日」「今度」「来月」など、「今日」を表す表現以外のもの、すなわち、所定以上先の将来の時期を表す表現が含まれていた場合（ステップＳＴ７６のＮＯの場合）には、所定以上先の将来のことを話しているものと判断し、経路を設定せずにそのまま処理を終了する。

　具体的な例を挙げて説明すると、例えば、ユーザが「明日、京都駅に行くよ」と発話した場合、音声取得部１がその音声データを取得し（ステップＳＴ７１）、音声認識部２により「明日、京都駅に行くよ」という認識結果が得られる（ステップＳＴ７２）。そして、キーワード抽出部５が、図２に示すような地点名称記憶部３と、図３に示すような経路設定表現記憶部４を参照して、地点名称として「京都駅」、それに対応する経路設定表現として「明日」および「行く」を抽出する（ステップＳＴ７３）。

　そして、経路設定表現「行く」が抽出されたので（ステップＳＴ７４のＹＥＳの場合）、経路設定動作取得部７が、経路設定表現「行く」を検索キーとして、図４に示すような経路設定動作記憶部６を検索し、検索キーと一致する経路設定表現を検索することにより、「行く」に対応する経路設定動作「目的地に設定」を取得する（ステップＳＴ７５）。その後、経路決定部１０が、時期を表す経路設定表現のうち、「今日」を表す表現以外のものが含まれていないかどうか、判定する（ステップＳＴ７６）。ここでは、時期を表す経路設定表現が、「明日」という「今日」を表す表現以外のもの、すなわち、所定以上先の将来の時期を表す表現であったので（ステップＳＴ７６のＮＯの場合）、所定以上先の将来のことを話しているものと判断し、経路を設定せずにそのまま処理を終了する。

　なお、この実施の形態では、経路設定表現記憶部４が、時期を表す表現も記憶しているものとして説明したが、図３に示すような経路設定表現記憶部４とは別に、時期表現記憶部を備えるようにしてもよい。
　また、通常の会話において、今から行く場所のことを話す際に、わざわざ「今日」と発話することは少ないと考えられるため、ステップＳＴ７６において“「今日」を表す表現以外のものが含まれていないか否か”で判断するようにしたが、「今日」「今から」など、“「今日」を表す表現が含まれているか否か”で判断するようにしてもよい。

　なお、この実施の形態８における、時期を表す表現のうち「今日」を表す表現以外のものが含まれていないかどうかの判断をする機能を使用するかしないかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
　また、この実施の形態８では、実施の形態１を基にして説明したが、実施の形態２～７についても同様に、時期を表す表現が「今日」を表す表現以外のもの、すなわち、所定以上先の将来の時期を表す表現であった場合には、経路の設定を行わないようにしてもよい。

　以上のように、この実施の形態８によれば、実施の形態１～７における効果に加え、ユーザが将来のことを発話しただけであった場合など、現時点では所望していない経路が設定されることを防止することができる。

実施の形態９．
　図１９は、この発明の実施の形態９によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。なお、実施の形態１～８で説明したものと同様の構成には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。以下に説明する実施の形態９では、実施の形態１と比べると、経路探索要否選択部１５をさらに備え、また、実施の形態１では図示しなかったキー入力部１２が示されている。そして、経路を探索するか否かをユーザが選択できるようにしたものである。
　経路探索要否選択部１５は、キーワード抽出部５により抽出された地点名称と、その地点に対する経路設定動作に基づいて、経路を探索するか否かを、例えば画面に表示したり音声出力することによりユーザに提示して、経路探索の要否をユーザに選択させる。

　図２０は、実施の形態９によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
　ステップＳＴ８１～ＳＴ８５の処理については、実施の形態１における図４のフローチャートのステップＳＴ０１～ＳＴ０５と同じであるため、説明を省略する。そして、この実施の形態９では、経路探索要否選択部１５が、キーワード抽出部５により抽出された地点名称と、経路設定動作について、その経路を探索するか否かの要否確認を行う（ステップＳＴ８６）。要否確認の方法としては、図６に示すような地点名称と経路設定動作を対応付けたテーブルを表示して、ユーザに対して経路探索の要否選択のためのボタン等を提示するようにしたり、音声によりユーザに提示するようにすればよい。

　そして、ユーザにより探索「要」が選択された場合（ステップＳＴ８７のＹＥＳの場合）には、実施の形態１における図５のフローチャートのステップＳＴ０６と同様に、キーワード抽出部５により抽出された地点名称について、地図データを参照してその位置を取得し、当該取得された位置情報と、ステップＳＴ７５において取得された経路設定動作と、自車位置取得部（位置取得部）９により取得された現在の自車（移動体）の位置とに基づいて、経路を探索し、探索した経路を設定する（ステップＳＴ８８）。
　一方、ユーザにより探索「否」が選択された場合（ステップＳＴ８７のＮＯの場合）には、そのまま処理を終了する。

　具体的な例を挙げて説明すると、例えば、実施の形態１と同様に、ユーザが「清水寺に立ち寄ってから京都駅に行こう」と発話した場合、音声取得部１がその音声データを取得し（ステップＳＴ８１）、音声認識部２により「清水寺に立ち寄ってから京都駅に行こう」という認識結果が得られる（ステップＳＴ８２）。そして、キーワード抽出部５が、図２に示すような地点名称記憶部３と、図３に示すような経路設定表現記憶部４を参照して、地点名称として「清水寺」、それに対応する経路設定表現として「立ち寄って」を抽出し、さらに、地点名称として「京都駅」、それに対応する経路設定表現として「行こう」を抽出する（ステップＳＴ８３）。

　そして、経路設定表現「立ち寄って」および「行こう」が抽出されたので（ステップＳＴ８４のＹＥＳの場合）、経路設定動作取得部７が、経路設定表現「立ち寄って」および「行こう」を検索キーとして、図４に示すような経路設定動作記憶部６を検索し、検索キーと一致する経路設定表現を検索することにより、「立ち寄って」に対応する経路設定動作「経由地に設定」と、「行こう」に対応する経路設定動作「目的地に設定」を取得する（ステップＳＴ８５）。

　ここで、経路探索要否選択部１５が、例えば図２１に示すような、抽出された地点名称と経路設定動作を表示するとともに、ユーザに経路探索の要否を選択させるダイアログを提示することにより、経路選択の要否をユーザに確認する（ステップＳＴ８６）。そして、ユーザがキー入力部１２を用いて「はい」を選択した場合（ステップＳＴ８７のＹＥＳの場合）には、経路決定部１０が、地図データ記憶部８を参照して、地点名称「清水寺」と「京都駅」の位置を取得し、その「清水寺」の位置情報と「経由地に設定」という経路設定動作、「京都駅」の位置情報と「目的地に設定」という経路設定動作、および、自車（移動体）の位置とに基づいて、「清水寺」を経由地として、「京都駅」を目的地とする経路を探索し、その探索した経路を設定する（ステップＳＴ８８）。
　一方、ユーザが「いいえ」を選択した場合（ステップＳＴ８７のＮＯの場合）には、経路を探索して設定する処理を行わずに、終了する。

　なお、ステップＳＴ８６における要否確認の方法としては、例えば「清水寺を経由して京都駅を目的地とする経路を探索しますか？」と音声によりユーザに提示する等、他の方法を用いてもよい。このように音声出力によりユーザに提示した場合には、ユーザが「はい」と発話すれば、経路を探索して設定し、「いいえ」と発話すれば、そのまま終了すればよい。

　また、この実施の形態９における経路探索要否確認の機能を使用するかしないかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
　なお、この実施の形態９では、実施の形態１を基にして説明したが、実施の形態２～８についても同様に、経路探索要否の確認をするようにしてもよい。

　以上のように、この実施の形態９によれば、実施の形態１～８における効果に加え、ユーザが所望しない経路が探索されて設定されることを防止することができる。

実施の形態１０．
　この発明の実施の形態１０によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図は、実施の形態１における図１に示すブロック図と構成としては同じであるので、図示および説明を省略する。以下に説明する実施の形態１０では、実施の形態１と比べると、複数の経路が探索された場合に、経路決定部１０が、ユーザにそれらの経路を提示するようにしたものである。
　この実施の形態１０における経路決定部１０は、探索すべき経路が複数あるか否かを判定し、探索すべき経路が複数ある場合に、それら複数の経路を探索し、ユーザにそれらの経路を提示する。

　図２２は、実施の形態１０によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
　ステップＳＴ９１～ＳＴ９５までの処理については、実施の形態１における図４のフローチャートのステップＳＴ０１～ＳＴ０５と同じであるため、説明を省略する。そして、この実施の形態１０では、経路決定部１０が、探索すべき経路が複数あるか否かを判断し（ステップＳＴ９６）、複数ある場合（ステップＳＴ９６のＹＥＳの場合）には、キーワード抽出部５により抽出された地点名称について、地図データを参照してその位置を取得し、当該取得された位置情報と、ステップＳＴ９５において取得された経路設定動作と、自車位置取得部（位置取得部）９により取得された現在の自車（移動体）の位置とに基づいて、すべての経路を探索する（ステップＳＴ９７）。そして、その探索された複数の経路を、ユーザに提示するよう提示制御部２１に指示を出し、表示部２２または音声出力部２３を介して提示される（ステップＳＴ９８）。そして、ユーザにより選択された経路が設定される（ステップＳＴ９９）。

　一方、ステップＳＴ９６の判断において、探索すべき経路が複数ではなくて１つのみであった場合（ステップＳＴ９６のＮＯの場合）には、実施の形態１における図５のフローチャートのステップＳＴ０６と同様に、キーワード抽出部５により抽出された地点名称について、地図データを参照してその位置を取得し、当該取得された位置情報と、ステップＳＴ９５において取得された経路設定動作と、自車位置取得部（位置取得部）９により取得された現在の自車（移動体）の位置とに基づいて、経路を探索し、探索した経路を設定する（ステップＳＴ１００）。

　具体的な例を挙げて説明すると、例えば、ユーザ数人により、Ａ「清水寺を経由して京都駅に行きたい。」、および、Ｂ「え～、清水寺と三十三間堂を経由して京都駅に行きたいよ。」という会話が行われたとする。この結果、音声取得部１がその音声データを取得し（ステップＳＴ９１）、音声認識部２によりＡ「清水寺を経由して京都駅に行きたい。」とＢ「え～、清水寺と三十三間堂を経由して京都駅に行きたいよ。」という認識結果が得られる（ステップＳＴ９２）。そして、キーワード抽出部５が、図２に示すような地点名称記憶部３と、図３に示すような経路設定表現記憶部４を参照して、Ａの認識結果からは、地点名称として「清水寺」、それに対応する経路設定表現として「経由して」を抽出し、また、地点名称として「京都駅」、それに対応する経路設定表現として「行きたい」を抽出する。さらに、Ｂの認識結果からは、地点名称として「清水寺」と「三十三間堂」に対応する経路設定表現として「経由して」を抽出し、また、地点名称として「京都駅」に対応する経路設定表現として「行きたい」を抽出する。（ステップＳＴ９３）

　そして、経路設定表現「経由して」および「行きたい」が抽出されたので（ステップＳＴ９４のＹＥＳの場合）、経路設定動作取得部７が、経路設定表現「経由して」および「行きたい」を検索キーとして、図４に示すような経路設定動作記憶部６を検索し、検索キーと一致する経路設定表現を検索することにより、「経由して」に対応する経路設定動作「経由地に設定」と、「行きたい」に対応する経路設定動作「目的地に設定」を取得する（ステップＳＴ９５）。

　この場合、図２３に示すように、Ａの認識結果から取得された情報（番号１）と、Ｂの認識結果から取得された情報（番号２）の２種類の経路が存在する。そのため、探索すべき経路は２つ（複数）あると判断される（ステップＳＴ９６のＹＥＳの場合）。そこで、経路決定部１０が、地図データ記憶部８を参照して、Ａの認識結果について、地点名称「清水寺」と「京都駅」の位置を取得し、その「清水寺」の位置情報と「経由地に設定」という経路設定動作、「京都駅」の位置情報と「目的地に設定」という経路設定動作、および、自車（移動体）の位置とに基づいて、「清水寺」を経由地として、「京都駅」を目的地とする経路を探索し、また、Ｂの認識結果についても、地点名称「清水寺」「三十三間堂」「京都駅」の位置を取得し、その「清水寺」の位置情報と「経由地に設定」という経路設定動作、「三十三間堂」の位置情報と「経由地に設定」という経路設定動作、「京都駅」の位置情報と「目的地に設定」という経路設定動作、および、自車（移動体）の位置とに基づいて、「清水寺」と「三十三間堂」を経由地として、「京都駅」を目的地とする経路を探索する（ステップＳＴ９７）。

　そして、例えば図２３に示すようなテーブルを表示画面に表示したり、表示画面に表示した地図上に経路（ルート）を表示するなど、ステップＳＴ９７において探索された複数の経路を、ユーザに提示する（ステップＳＴ９８）。そして、ユーザが選択したい経路を、例えばテーブルに表示された番号を入力したり、地図上に表示された経路をタッチする等により選択すると、経路決定部１０は、そのユーザにより選択された経路を設定する（ステップＳＴ９９）。

　また、別の例として、経路設定表現記憶部４が、訂正表現も記憶している場合には、キーワード抽出部５が、「ではなくて」や「やめて」などの訂正表現に続く地点名称を抽出するような構成としておく。
　図２４は、この実施の形態１０における経路設定表現記憶部４の一例を示す図である。この図に示すように、経路設定表現記憶部４は、図１７と同様に、例えば「行きたい」「立ち寄る」「休憩する」などの動作表現を、経路設定動作に関する経路設定表現として記憶し、例えば「今日」「明日」「今度」などの時期を表す経路設定表現も記憶するとともに、例えば「ではなくて」「やめて」「やめる」「やめよう」「削除する」など訂正表現／取り消し表現も経路設定表現として記憶している。

　この場合について、具体的な例を挙げて説明すると、例えば、ユーザにより、Ａ「清水寺を経由して京都駅に行きたい。」、および、Ｂ「え～、清水寺ではなくて三十三間堂を経由して京都駅に行きたいよ。」という会話が行われたとする。この結果、音声取得部１がその音声データを取得し（ステップＳＴ９１）、音声認識部２によりＡ「清水寺を経由して京都駅に行きたい。」とＢ「え～、清水寺ではなくて三十三間堂を経由して京都駅に行きたいよ。」という認識結果が得られる（ステップＳＴ９２）。そして、キーワード抽出部５が、図２に示すような地点名称記憶部３と、図２４に示すような経路設定表現記憶部４を参照して、Ａの認識結果からは、地点名称として「清水寺」、それに対応する経路設定表現として「経由して」を抽出し、また、地点名称として「京都駅」、それに対応する経路設定表現として「行きたい」を抽出する。さらに、Ｂの認識結果からは、地点名称として、訂正表現である「ではなくて」に続く「三十三間堂」を抽出し、それに対応する経路設定表現として「経由して」を抽出、また、地点名称として「京都駅」と、それに対応する経路設定表現として「行きたい」を抽出する。（ステップＳＴ９３）

　この場合、図２５に示すように、Ａの認識結果から取得された情報（番号１）と、Ｂの認識結果から取得された情報（番号２）の２種類の経路が存在する。そのため、探索すべき経路は２つ（複数）あると判断される（ステップＳＴ９６のＹＥＳの場合）。そこで、経路決定部１０が、地図データ記憶部８を参照して、Ａの認識結果について、地点名称「清水寺」と「京都駅」の位置を取得し、その「清水寺」の位置情報と「経由地に設定」という経路設定動作、「京都駅」の位置情報と「目的地に設定」という経路設定動作、および、自車（移動体）の位置とに基づいて、「清水寺」を経由地として、「京都駅」を目的地とする経路を探索し、また、Ｂの認識結果についても、地点名称「三十三間堂」と「京都駅」の位置を取得し、その「三十三間堂」の位置情報と「経由地に設定」という経路設定動作、「京都駅」の位置情報と「目的地に設定」という経路設定動作、および、自車（移動体）の位置とに基づいて、「清水寺」と「三十三間堂」を経由地として、「京都駅」を目的地とする経路を探索する（ステップＳＴ９７）。

　そして、例えば図２５に示すようなテーブルを表示画面に表示したり、表示画面に表示した地図上に経路（ルート）を表示するなど、ステップＳＴ９７において探索された複数の経路を、ユーザに提示する（ステップＳＴ９８）。そして、ユーザが選択したい経路を、例えばテーブルに表示された番号を入力したり、地図上に表示された経路をタッチする等により選択すると、経路決定部１０は、そのユーザにより選択された経路を設定する（ステップＳＴ９９）。

　なお、この実施の形態１０では、実施の形態１を基にして説明したが、実施の形態２～９についても同様に、複数の経路が探索された場合にそれらを提示するようにしてもよい。

　以上のように、この実施の形態１０によれば、実施の形態１～９における効果に加え、手動による複数の経路設定が不要になり、さらに、提示された複数の経路候補をユーザが確認して選択することができるため、利便性が向上する。

実施の形態１１．
　この発明の実施の形態１１によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図は、実施の形態１における図１に示すブロック図と構成としては同じであるので、図示および説明を省略する。以下に説明する実施の形態１１では、実施の形態１０と同様に、複数の経路が探索された場合を前提にしており、実施の形態１０と比べると、経路に設定されている地点を削除するような取り消し表現が抽出された場合に、経路決定部１０が、その地点を経路から削除した新しい経路を探索して設定するようにしたものである。
　この実施の形態１１における経路設定表現記憶部４は、例えば、図２４に示すものと同じように、経路設定動作を表す表現と、時期を表す表現以外に、訂正表現／取り消し表現を含むものである。また、キーワード抽出部５は、それら訂正表現／取り消し表現も抽出する。

　図２６は、実施の形態１１によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。このフローチャートは、実施の形態１における図４のフローチャートと同じであるため、各ステップについての説明を省略し、具体的な例を挙げて説明する。

　例えば、ユーザにより、Ａ「清水寺を経由して京都駅に行きたい。」、Ｂ「え～、清水寺と三十三間堂を経由して京都駅に行きたいよ。」、および、Ｃ「やっぱり、三十三間堂は、やめよう。」という会話が行われたとする。この結果、音声取得部１がその音声データを取得し（ステップＳＴ１０１）、音声認識部２によりＡ「清水寺を経由して京都駅に行きたい。」とＢ「え～、清水寺と三十三間堂を経由して京都駅に行きたいよ。」とＣ「やっぱり、三十三間堂は、やめよう」いう認識結果が得られる（ステップＳＴ１０２）。そして、キーワード抽出部５が、図２に示すような地点名称記憶部３と、図２４に示すような経路設定表現記憶部４を参照して、Ａの認識結果からは、地点名称として「清水寺」、それに対応する経路設定表現として「経由して」を抽出し、また、地点名称として「京都駅」、それに対応する経路設定表現として「行きたい」を抽出する。また、Ｂの認識結果からは、地点名称として「清水寺」と「三十三間堂」に対応する経路設定表現として「経由して」を抽出し、また、地点名称として「京都駅」に対応する経路設定表現として「行きたい」を抽出する。さらに、Ｃの認識結果からは、地点名称として「三十三間堂」を抽出し、それに対応する経路設定表現として「やめよう」を抽出する。（ステップＳＴ１０３）

　そして、経路設定表現「経由して」「行きたい」「やめよう」が抽出されたので（ステップＳＴ１０４のＹＥＳの場合）、経路設定動作取得部７が、経路設定表現「経由して」「行きたい」「やめよう」を検索キーとして、図４に示すような経路設定動作記憶部６を検索し、検索キーと一致する経路設定表現を検索することにより、「経由して」に対応する経路設定動作「経由地に設定」と、「行きたい」に対応する経路設定動作「目的地に設定」と、「やめよう」に対応する経路設定動作「経路を削除」を取得する（ステップＳＴ１０５）。

　この結果、Ｃの認識結果が存在しなければ、図２３に示すような、Ａの認識結果から取得された「清水寺を経由して京都駅を目的地とする経路」と、Ｂの認識結果から取得された「清水寺と三十三間堂を経由して京都駅を目的地とする経路」の２種類の経路が存在することになる。しかし、この実施の形態１１では、さらにＣの認識結果から、「三十三間堂」に対して「経路を削除」という経路設定動作が取得されているため、Ｂの認識結果から得られた「清水寺と三十三間堂を経由して京都駅を目的地とする経路」が削除される。これにより、最終的に「清水寺を経由して京都駅を目的地とする経路」のみが残るため、この経路を探索し、設定する（ステップＳＴ１０６）。

　また、例えばＡとＢの会話のあと、しばらく経ってからＣの発話があった場合には、実施の形態１０に示すように、既にＡの認識結果とＢの認識結果とにより、例えば図２３に示すようなテーブルが表示画面に表示されたり、表示した地図上に経路（ルート）が表示されるなど、２種類の経路（ルート）がユーザに提示されている。そして、その状態でＣ「やっぱり、三十三間堂は、やめよう。」と発話されると、音声取得部１がその音声データを取得し（ステップＳＴ１０１）、音声認識部２により「やっぱり、三十三間堂は、やめよう」いう認識結果が得られる（ステップＳＴ１０２）。そして、キーワード抽出部５が、図２に示すような地点名称記憶部３と、図２４に示すような経路設定表現記憶部４を参照して、地点名称として「三十三間堂」を抽出し、それに対応する経路設定表現として「やめよう」を抽出する。（ステップＳＴ１０３）

　そして、経路設定表現「やめよう」が抽出されたので（ステップＳＴ１０４のＹＥＳの場合）、経路設定動作取得部７が、経路設定表現「やめよう」を検索キーとして、図４に示すような経路設定動作記憶部６を検索し、検索キーと一致する経路設定表現を検索することにより、「やめよう」に対応する経路設定動作「経路を削除」を取得する（ステップＳＴ１０５）。その結果、地点名称「三十三間堂」の位置が特定され、その地点を含む経路が削除される。すなわち、図２３に示す番号２の経路「清水寺と三十三間堂を経由して京都駅を目的地とする」が削除され、提示されなくなる。そこで、残った番号１の経路「清水寺を経由して京都駅を目的地とする」について、経路を探索し、設定する（ステップＳＴ１０６）。

　以上のように、この実施の形態１１によれば、手動による複数の経路設定が不要になり、さらに、ユーザが取り消し後の経路候補を確認することができるため、利便性が向上する。

実施の形態１２．
　図２７は、この発明の実施の形態１２によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。なお、実施の形態１～１１で説明したものと同様の構成には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。以下に説明する実施の形態１２では、実施の形態１０と同様に、複数の経路が探索された場合を前提にしており、実施の形態１０（ブロック図としては、実施の形態１の図１と同じ）と比べると、提示方法記憶部１６と提示方法決定部１７をさらに備えている。そして、複数の経路を提示する方法を、その経路の重要度によって変更するようにしたものである。

　提示方法記憶部１６は、提示する経路の重要度と、それに対応する提示方法を記憶している。図２８は、提示方法記憶部１６の一例を示す図である。この図に示すように、提示方法記憶部１６は、経路の重要度に応じて、例えば、色を変えて提示する提示方法１や、経路（ルート）の太さを変えて提示する提示方法２など、それぞれの経路の重要度に対応する提示方法を記憶している。図２８に示す例では、重要度が１の場合には、提示方法１では「赤色」、提示方法２では「極太」が設定されている。また、重要度が２の場合には、提示方法１では「黄色」、提示方法２では「太」、重要度が３の場合には、提示方法１では「青色」、提示方法２では「細」が設定されている。また、図２８に示すような提示方法以外に、重要度や探索された順序を経路に付する提示方法や、複数の提示方法を組み合わせて提示する方法など、どのような提示方法を採用するかは、適宜決定すればよい。なお、この実施の形態１２では、図２８に示す提示方法記憶部１６のうち、特別な事情や条件がなければ、提示方法１を採用すると予め設定してあるものとする。

　提示方法決定部１７は、探索すべき経路が複数あるか否かを判定し、複数あると判定された場合は、それら複数の経路それぞれの重要度に応じて、例えば図２８に示すような提示方法記憶部１６を参照して、提示方法を決定して経路決定部１０に出力する。なお、この実施の形態１２では、探索すべき経路が複数あった場合に、それら複数の経路それぞれの重要度に応じて提示方法を決定するものとしているが、ユーザが、キー入力部１２（図２７のブロック図においては図示せず）を介して、どの提示方法を採用するかを選択できるようにしてもよい。
　そして、この実施の形態１２における経路決定部１０は、複数の経路を探索し、提示方法決定部１７により決定された提示方法で、ユーザにそれぞれの経路を提示する。

　図２９は、実施の形態１２によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
　ステップＳＴ１１１～ＳＴ１１５までの処理については、実施の形態１０における図２２のフローチャートのステップＳＴ９１～ＳＴ９５と同じであるため、説明を省略する。そして、この実施の形態１２では、提示方法決定部１７が、探索すべき経路が複数あるか否かを判断し（ステップＳＴ１１６）、複数ある場合（ステップＳＴ１１６のＹＥＳの場合）には、提示方法記憶部１６を参照して、提示方法を決定して経路決定部１０に出力する（ステップＳＴ１１７）。そして、経路決定部１０は、キーワード抽出部５により抽出された地点名称について、地図データを参照してその位置を取得し、当該取得された位置情報と、ステップＳＴ１１５において取得された経路設定動作と、自車位置取得部（位置取得部）９により取得された現在の自車（移動体）の位置とに基づいて、すべての経路を探索する（ステップＳＴ１１８）。そして、その探索された複数の経路を、その経路の重要度に応じて、ステップＳＴ１１７で決定された提示方法によりユーザに提示するよう、提示制御部２１に指示を出し、表示部２２または音声出力部２３を介して提示される（ステップＳＴ１１９）。そして、ユーザにより選択された経路が設定される（ステップＳＴ１２０）。

　一方、ステップＳＴ１１６の判断において、探索すべき経路が複数ではなくて１つのみであった場合（ステップＳＴ１１６のＮＯの場合）には、実施の形態１における図５のフローチャートのステップＳＴ０６と同様に、キーワード抽出部５により抽出された地点名称について、地図データを参照してその位置を取得し、当該取得された位置情報と、ステップＳＴ１１５において取得された経路設定動作と、自車位置取得部（位置取得部）９により取得された現在の自車（移動体）の位置とに基づいて、経路を探索し、探索した経路を設定する（ステップＳＴ１２１）。

　具体的な例を挙げて説明すると、例えば、ユーザにより、Ａ「清水寺を経由して京都駅に行きたい。」、および、Ｂ「え～、清水寺と三十三間堂を経由して京都駅に行きたいよ。」という会話が行われたとする。この結果、音声取得部１がその音声データを取得し（ステップＳＴ１１１）、音声認識部２によりＡ「清水寺を経由して京都駅に行きたい。」とＢ「え～、清水寺と三十三間堂を経由して京都駅に行きたいよ。」という認識結果が得られる（ステップＳＴ１１２）。そして、キーワード抽出部５が、図２に示すような地点名称記憶部３と、図３，図１７，図２４等に示すような経路設定表現記憶部４を参照して、Ａの認識結果からは、地点名称として「清水寺」、それに対応する経路設定表現として「経由して」を抽出し、また、地点名称として「京都駅」、それに対応する経路設定表現として「行きたい」を抽出する。さらに、Ｂの認識結果からは、地点名称として「清水寺」と「三十三間堂」に対応する経路設定表現として「経由して」を抽出し、また、地点名称として「京都駅」に対応する経路設定表現として「行きたい」を抽出する。（ステップＳＴ１１３）

　そして、経路設定表現「経由して」および「行きたい」が抽出されたので（ステップＳＴ１１４のＹＥＳの場合）、経路設定動作取得部７が、経路設定表現「経由して」および「行きたい」を検索キーとして、図４に示すような経路設定動作記憶部６を検索し、検索キーと一致する経路設定表現を検索することにより、「経由して」に対応する経路設定動作「経由地に設定」と、「行きたい」に対応する経路設定動作「目的地に設定」を取得する（ステップＳＴ１１５）。

　この場合、図２３に示すように、Ａの認識結果から取得された情報（番号１）と、Ｂの認識結果から取得された情報（番号２）の２種類の経路が存在する。そのため、提示方法決定部１７により、探索すべき経路は２つ（複数）あると判断される（ステップＳＴ１１６のＹＥＳの場合）。そして、提示方法決定部１７は、提示方法記憶部１６を参照して、この実施の形態１２で設定されている提示方法１（重要度が１であれば赤色、２であれば黄色、３であれば青色）を提示方法として決定し、経路決定部１０に出力する（ステップＳＴ１１７）。

　経路決定部１０は、地図データ記憶部８を参照して、Ａの認識結果について、地点名称「清水寺」と「京都駅」の位置を取得し、その「清水寺」の位置情報と「経由地に設定」という経路設定動作、「京都駅」の位置情報と「目的地に設定」という経路設定動作、および、自車（移動体）の位置とに基づいて、「清水寺」を経由地として、「京都駅」を目的地とする経路を探索し、また、Ｂの認識結果についても、地点名称「清水寺」「三十三間堂」「京都駅」の位置を取得し、その「清水寺」の位置情報と「経由地に設定」という経路設定動作、「三十三間堂」の位置情報と「経由地に設定」という経路設定動作、「京都駅」の位置情報と「目的地に設定」という経路設定動作、および、自車（移動体）の位置とに基づいて、「清水寺」と「三十三間堂」を経由地として、「京都駅」を目的地とする経路を探索する（ステップＳＴ１１８）。

　そして、ステップＳＴ１１７で決定された提示方法により、ユーザに経路を提示する（ステップＳＴ１１９）。
　ここで、重要度の判定方法について説明する。判定方法の一例として、例えば、会話の後の方に出てきた経路の重要度を高くする方法が考えられる。図３０は、Ａの認識結果から取得された経路（番号１）と、Ｂの認識結果から取得された経路（番号２）に、重要度と提示方法を追加して示したテーブルである。重要度については、後の発話情報Ｂを重要度１とし、先の発話情報Ａを重要度２としている。また、ステップＳＴ１１７で決定された提示方法により、重要度１の経路（番号２）を赤色、重要度２の経路（番号１）を黄色で提示することが示されている。

　図３１は、経路の提示画面例を示す図である。図３１（ａ）は、経路の重要度に応じて経路の色を変更したものであり、上記の具体例で決定された提示方法である。また、図３１（ｂ）は、経路の重要度に応じて道路の太さを変更したものであり、図３１（ｃ）は、重要度を経路に付して表示したものである。
　そして、ここでは、図３１（ａ）のようにユーザに提示された画面において、ユーザが選択したい経路をタッチする等により選択すると、経路決定部１０が、その選択された経路を設定する（ステップＳＴ１２０）。

　なお、この実施の形態１２における提示方法決定の機能を使用するかしないかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。

　以上のように、この実施の形態１２によれば、手動による複数の経路設定が不要になり、さらに、ユーザが複数の経路候補のうち、設定される可能性の高い経路を確認しやすくなり、その確認をした上で選択することができるため、利便性が向上する。

実施の形態１３．
　この発明の実施の形態１３によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図は、実施の形態６における図１４に示すブロック図と構成としては同じであるので、図示および説明を省略する。以下に説明する実施の形態１３では、経路設定表現のみが抽出されて地点名称が抽出されなかった場合に、その経路設定表現に対応する施設を時刻に基づいて検索し、その施設を提示したり、その施設を経由するように経路を探索して設定したりするようにしたものである。
　この実施の形態１３では、経路設定表現記憶部４は、例えば図１７または図２４に示すように、時期表現を含むものであり、特に「～時」という時間表現を含むものとする。また、経路設定動作記憶部６は、例えば図３２に示すように、経路設定表現に対応する地点名称が抽出されなかった場合の経路設定動作についても、設定されているものである。なお、ここでは、「休憩する」という経路設定表現について、地点名称が抽出されなかった場合に、「サービスエリアまたは飲食店を表示」という経路設定動作を対応付けている。

　図３３は、実施の形態１３によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
　ステップＳＴ１２１～ＳＴ１２５までの処理については、実施の形態１における図５のフローチャートのステップＳＴ０１～ＳＴ０５と同じであるため、説明を省略する。そして、この実施の形態１３では、経路設定表現は抽出できたものの、それに対応する地点名称がステップＳＴ１２３において抽出されていなかった場合（ステップＳＴ１２６のＹＥＳの場合）に、さらに、時間表現が抽出されたか否かを判定する（ステップＳＴ１２８）。

　ユーザが、例えば「１２時頃に休憩したいね。」と発話したとすると、「１２時」という時間表現が抽出されているので（ステップＳＴ１２７のＹＥＳの場合）、経路決定部１０が、地図データ、自車（移動体）の位置、現在時刻に基づいて、その「１２時」に到着しそうな、経路の周辺にある該当施設（図３２における経路設定動作に設定されている「サービスエリアまたは飲食店を表示」するための、サービスエリアまたは飲食店）を検索する（ステップＳＴ１２８）。一方、ユーザが、例えば「ちょっと休憩したいね。」と発話したとすると、時間表現は抽出されないので（ステップＳＴ１２７のＮＯの場合）、ユーザが今すぐに休憩したいものと判断し、現在位置の周辺の該当施設（サービスエリアまたは飲食店）を検索する（ステップＳＴ１２９）。そして、その検索された施設を表示する（ステップＳＴ１３０）。この場合、ステップＳＴ１２３において抽出された時間表現（この例では「１２時」）に最も近い時間に到着すると予測される施設を、検索して表示するものとする。その後、その検索して表示された施設の位置情報を経由地に設定した経路を探索し、設定する（ステップＳＴ１３１）。

　一方、ステップＳＴ１２６の判断において、経路設定表現に対応する地点名称が抽出されていた場合には、実施の形態１における図５のフローチャートのステップＳＴ０６と同様に、経路決定部１０が、キーワード抽出部５により抽出された地点名称について、地図データ記憶部８を参照してその位置を取得し、当該取得された位置情報と、ステップＳＴ１２５において取得された経路設定動作と、自車位置取得部（位置取得部）９により取得された現在の自車（移動体）の位置とに基づいて、経路を探索し、探索した経路を設定する（ステップＳＴ１３２）。

　また、図３３におけるフローチャートのステップＳＴ１２８～ＳＴ１３１では、抽出された時間表現（この例では「１２時」）に最も近い時間に到着する該当施設を検索して表示し、その施設を経由地として設定した経路を、自動的に探索して設定するものとして説明したが、その表示した施設を経由地として設定するか否かを、ユーザが、音声またはキー入力部１２（図１４のブロック図においては図示せず）により、選択できるようにしてもよい。また、検索した施設が複数あった場合には、その複数の施設を表示して、ユーザがその中から１つの施設を経由地として選択した上で設定できるようにしてもよい。

　図３４は、そのように、検索された施設を経由地として設定するか否かを、ユーザが選択できるようにした場合の動作を示すフローチャートである。
　この図３４において、ステップＳＴ１２１～ＳＴ１３０およびＳＴ１３２については、図３３と同じであるので説明を省略する。そして、ステップＳＴ１２８またはＳＴ１２９において、検索された施設を表示（ステップＳＴ１３０）する際に、さらに、その施設を経由地として、経路を設定するか否かをユーザに確認する（ステップＳＴ１４１）。

　図３５（ａ）は、検索された施設を表示する際に、その施設を経由地として経路を設定するか否かをユーザに確認するダイアログが表示された画面例である。この図３５（ａ）では、ナビゲーション画面３１に現在の自車（移動体）の位置を示す三角形の自車マーク３２と現在走行中の設定ルート（設定されている経路）３３が表示されている表画面上に、抽出された時間表現「１２時」頃に到着すると予測される施設として、レストラン○○が表示され、さらに、その施設（レストラン○○）を経由地として経路を設定するか否かをユーザに確認するための「経由地にして経路を設定しますか？」というダイアログ３４が表示されている。この際、図３５（ａ）に示すように、ダイアログ３４の中に「はい」および「いいえ」というユーザが選択できるボタンを表示するようにしてもよいし、検索された施設（レストラン○○）を表示すると同時に、「経由地にして経路を設定しますか？」という音声出力をして、ユーザが「はい」または「いいえ」と発話することにより選択できるようにしてもよい。

　そして、ユーザによって「はい」（設定する）が選択された場合（ステップＳＴ１４２のＹＥＳの場合）には、その施設の位置情報を地図データから取得して、その位置情報を経由地に設定した経路を探索し、設定する（ステップＳＴ１３１）。
　図３５（ｂ）は、図３５（ａ）に表示されたダイアログ３４において、ユーザにより「はい」が選択された場合に、その検索された施設（レストラン○○）を経由地として経路が設定された結果、新たに設定ルート３３’が表示された状態を示している。
　一方、ステップＳＴ１４２において、ユーザにより「いいえ」が選択された（設定する、が選択されなかった）場合（ステップＳＴ１４２のＮＯの場合）には、そのまま処理を終了する。

　また、ステップＳＴ１２８またはＳＴ１２９において、該当する施設を複数検索するようにしてもよい。例えば、「１２時」から前後１０分以内、すなわち、１１時５０分～１２時１０分の間に到着すると予測される該当施設（サービスエリアまたは飲食店）をすべて表示し、その中からユーザが希望する施設を選択して設定できるようにしてもよい。
　図３６は、検索された施設が複数表示された画面例である。この図３６では、ナビゲーション画面３１に現在の自車（移動体）の位置を示す三角形の自車マーク３２と現在走行中の設定ルート（設定されている経路）３３が表示されている表画面上に、抽出された時間表現「１２時」頃に到着すると予測される施設として、「喫茶○○」「日本料理○○」「レストラン○○」「ファミレス○○」および「サービスエリア○○」の５つが表示されている。

　この状態で、ユーザが経由地として設定したい施設にタッチすることにより、その施設を選択できるようにしてもよいし、各施設に番号が付された状態で表示され、その番号を入力または発話することにより選択できるようにしてもよい。また、施設を選択することにより、自動的にその施設を経由地とした経路が探索され、設定されるようにしてもよいし、図３５（ａ）に示したダイアログ３４と同様に、「経由地にして経路を設定しますか？」というダイアログが表示されたり、音声出力されるようにしておき、そこでユーザが「はい」を選択するか発話することにより、経路として設定されるようにしてもよい。
　そして、ユーザによって、例えば「レストラン○○」が選択された場合には、その施設の位置情報を地図データから取得して、その位置情報を経由地に設定した経路を探索し、設定する。これにより、図３５（ｂ）に示す図と同様に、選択された施設（レストラン○○）を経由地として経路が設定され、新たに設定ルート３３’が表示される。

　なお、この実施の形態１３における地点名称が抽出されなかった場合に施設を検索して経由地を設定する機能を使用するかしないかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。

　以上のように、この実施の形態１３によれば、具体的な場所や名称は不明なまま休憩したい時間を発話することにより、ユーザに休憩できる地点を提示し、その地点を経由地として経路設定でき、さらに、その確認をした上で選択することができるため、利便性が向上する。

　なお、この実施の形態では、車両用のナビゲーション装置として説明したが、この発明のナビゲーション装置は車両用に限らず、人、車両、鉄道、船舶または航空機等を含む移動体用のナビゲーション装置であって、特に車両への持ち込みあるいは車載に適したナビゲーション装置に関するものであり、携帯型ナビゲーション装置等、ユーザと装置との音声対話によりナビゲーションを行うことが可能な装置であれば、どのような形態のものにも適用することができる。

　なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。

　この発明のナビゲーション装置は、ユーザと装置との音声対話によりナビゲーションを行うことが可能な車載用ナビゲーション装置や携帯型ナビゲーション装置に適用することができる。

　１　音声取得部、２　音声認識部、３　地点名称記憶部、４　経路設定表現記憶部、５　キーワード抽出部、６　経路設定動作記憶部、７　経路設定動作取得部、８　地図データ記憶部、９　自車位置取得部（位置取得部）、１０　経路決定部、１１　地点特定部、１２　キー入力部、１３　知名度記憶部、１４　時刻取得部、　１５　経路探索要否選択部、１６　提示方法記憶部、１７　提示方法決定部、２０　提示制御出力部、２１　提示制御部、２２　表示部、２３　音声出力部、３１　ナビゲーション画面、３２　自車マーク、３３　設定ルート、３４　ユーザ確認ダイアログ。

Claims

　移動体の位置を取得する位置取得部を備え、当該位置取得部により取得された移動体の位置と地図データとに基づいて、経路の道案内を行うナビゲーション装置において、
　入力された音声を検知して取得する音声取得部と、
　前記ナビゲーション装置が起動されている場合は常時、前記音声取得部により取得された音声データを認識する音声認識部と、
　地名および施設の名称を地点名称として記憶する地点名称記憶部と、
　ユーザが経路設定を行う際に用いる経路設定表現を記憶する経路設定表現記憶部と、
　前記地点名称記憶部と前記経路設定表現記憶部を参照して、前記音声認識部による認識結果から地点名称および経路設定表現を抽出するキーワード抽出部と、
　前記経路設定表現に対応する経路設定動作を、前記経路設定表現と対応付けて記憶する経路設定動作記憶部と、
　前記経路設定動作記憶部を参照して、前記キーワード抽出部により抽出された経路設定表現に基づいて、対応する経路設定動作を取得する経路設定動作取得部と、
　前記経路設定動作取得部により取得された経路設定動作に基づいて、前記キーワード抽出部により抽出された地点名称から特定される地点への経路を探索し、当該探索した経路を設定する経路決定部とを備える
　ことを特徴とするナビゲーション装置。
　前記キーワード抽出部により抽出された一の地点名称により特定される地点が複数存在する場合に、当該複数の地点から１箇所の地点を特定する地点特定部をさらに備え、
　前記経路決定部は、前記地点特定部により特定された地点への経路を、前記経路設定動作取得部により取得された経路設定動作に基づいて探索し、当該探索した経路を設定する
　ことを特徴とする請求項１記載のナビゲーション装置。
　前記地点特定部は、前記位置取得部により取得された移動体の位置と、前記複数の地点の位置とに基づいて、前記複数の地点から１箇所の地点を特定する
　ことを特徴とする請求項２記載のナビゲーション装置。
　前記地点の知名度を記憶する知名度記憶部をさらに備え、
　前記地点特定部は、前記知名度記憶部に記憶された知名度に基づいて、前記複数の地点から１箇所の地点を特定する
　ことを特徴とする請求項２記載のナビゲーション装置。
　前記経路決定部は、前記探索された経路の長さを算出し、当該算出された経路の長さが所定の閾値より大きい場合には当該経路を設定しない
　ことを特徴とする請求項１記載のナビゲーション装置。
　前記経路決定部は、前記探索された経路の目的地までの所要時間を算出し、当該算出された所要時間が所定の閾値より大きい場合には当該経路を設定しない
　ことを特徴とする請求項１記載のナビゲーション装置。
　現在の時刻を取得する時刻取得部をさらに備え、
　前記経路決定部は、前記時刻取得部により取得された現在の時刻に基づいて、前記探索された経路の目的地への到着予想時刻を算出し、当該算出された到着予想時刻が所定時刻より後の場合には当該経路を設定しない
　ことを特徴とする請求項１記載のナビゲーション装置。
　前記経路決定部は、既に経路が設定されているか否かを判定し、既に経路が設定されていると判定された場合には、前記経路設定動作取得部により取得された経路設定動作にかかわらず、前記キーワード抽出部により抽出された地点名称から特定される地点を、経由地として追加した経路を探索し、当該探索した経路を設定する
　ことを特徴とする請求項１記載のナビゲーション装置。
　前記経路決定部は、前記キーワード抽出部により抽出された地点名称から特定される地点を前記経由地として追加する際に、当該特定される地点が、前記位置取得部により取得される移動体の位置または前記既に設定されている経路の目的地から所定の範囲内にあるか否かを判定し、所定の範囲内にあると判定された場合には、前記特定された地点を前記経由地として追加した経路を探索して、当該探索した経路を設定し、前記特定される地点が、前記移動体の位置からも前記経路の目的地からも所定の範囲内にないと判定された場合には、前記特定された地点を経由地として追加した経路を設定しない
　ことを特徴とする請求項８記載のナビゲーション装置。
　前記経路設定表現記憶部は、時期を表す経路設定表現を含み、
　前記キーワード抽出部は、前記経路設定表現記憶部を参照して、前記音声認識部による認識結果から時期を表す経路設定表現も抽出し、
　前記経路決定部は、前記キーワード抽出部により抽出された時期を表す経路設定表現が、所定以上先の将来の時期を表す表現であった場合には、前記経路を設定しない
　ことを特徴とする請求項１記載のナビゲーション装置。
　前記経路決定部による経路探索の要否をユーザに選択させる経路設定要否選択部をさらに備え、
　前記経路決定部は、前記経路設定要否選択部により探索「要」が選択された場合には、前記経路を探索し、探索「否」が選択された場合には、前記経路を探索しない
　ことを特徴とする請求項１記載のナビゲーション装置。
　前記経路決定部は、前記経路を探索した結果、複数の経路が探索された場合には、当該複数の経路を提示し、当該複数の経路の中から一の経路を選択して設定する
　ことを特徴とする請求項１記載のナビゲーション装置。
　前記経路設定表現記憶部は、取り消しまたは訂正する際に使用される取り消し／訂正表現を含み、
　前記キーワード抽出部は、前記経路設定表現記憶部を参照して、前記音声認識部による認識結果から取り消し／訂正表現も抽出し、
　前記経路決定部は、前記キーワード抽出部により抽出された取り消し／訂正表現に基づいて、前記経路設定を変更する
　ことを特徴とする請求項１２記載のナビゲーション装置。
　前記提示する経路の重要度と、当該重要度に対応する提示方法を記憶する提示方法記憶部と、
　前記提示方法記憶部を参照して、前記複数の経路それぞれの重要度に応じて提示方法を決定する提示方法決定部とをさらに備え、
　前記経路決定部は、前記提示方法決定部により決定された提示方法に基づいて、前記複数の経路を提示する
　ことを特徴とする請求項１２記載のナビゲーション装置。
　前記経路設定動作記憶部は、前記キーワード抽出部により地点名称および経路設定表現が抽出された場合の経路設定動作に加えて、前記キーワード抽出部により経路設定表現のみが抽出されて地点名称が抽出されなかった場合の経路設定動作を前記経路設定表現に該当する施設とともに前記経路設定表現に対応付けて記憶しており、
　前記経路決定部は、前記キーワード抽出部により経路設定表現のみが抽出されて地点名称が抽出されなかった場合には、当該抽出された経路設定表現に対応する前記施設を検索して提示する
　ことを特徴とする請求項１記載のナビゲーション装置。
　位置取得部が、移動体の位置を取得するステップと、前記位置取得部により取得された移動体の位置と地図データとに基づいて、経路の道案内を行うステップを有するナビゲーション方法において、
　音声取得部が、入力された音声を検知して取得するステップと、
　前記ナビゲーション装置が起動されている場合は常時、音声認識部が、前記音声取得部により取得された音声データを認識するステップと、
　地点名称記憶部が、地名および施設の名称を地点名称として記憶するステップと、
　経路設定表現記憶部が、ユーザが経路設定を行う際に用いる経路設定表現を記憶するステップと、
　キーワード抽出部が、前記地点名称記憶部と前記経路設定表現記憶部を参照して、前記音声認識部による認識結果から地点名称および経路設定表現を抽出するステップと、
　経路設定動作記憶部記憶部が、前記経路設定表現に対応する経路設定動作を、前記経路設定表現と対応付けて記憶するステップと、
　経路設定動作取得部が、前記経路設定動作記憶部を参照して、前記キーワード抽出部により抽出された経路設定表現に基づいて、対応する経路設定動作を取得するステップと、
　経路設定部が、前記経路設定動作取得部により取得された経路設定動作に基づいて、前記キーワード抽出部により抽出された地点名称から特定される地点への経路を探索し、当該探索した経路を設定するステップとを備える
　ことを特徴とするナビゲーション方法。