JPWO2013069060A1 - ナビゲーション装置、方法およびプログラム - Google Patents

ナビゲーション装置、方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

この発明のナビゲーション装置または方法によれば、同乗者などの発話者が運転者に行なった道案内表現のみを抽出し、抽象的な道案内表現を解釈して具体化し、その具体化された道案内表現に対応する提示内容を出力するようにしたので、運転者が直観的に内容を理解することができ、運転者の聞き間違いを防止し、発話者が意図しない方向に進むことを防止することができる。

Description

この発明は、ユーザの発話内容を認識してナビゲーションを行うことが可能なナビゲーション装置および方法に関するものである。
一般に、車載用などのナビゲーション装置は、設定された経路を走行中に所定の地点(例えば、進行方向を変更すべき交差点など)が近くなると、音声出力や図形表示などで運転者に対して道案内を行う。
しかし、ナビゲーション装置が予め設定した所定の地点での道案内を行うことはできても、走行中に同乗者が運転者に対して行なっている道案内の内容を、ナビゲーション装置の案内内容として運転者に提示することはできなかった。
このため、運転者が同乗者の道案内を聞き間違えてしまったり、周囲の騒音で聞き逃してしまったりすると、同乗者の道案内どおりに走行できないという問題があった。
このような問題に対し、例えば特許文献1には、音声を常時認識し、認識結果をそのまま文字で画面に表示する音声認識装置が記載されている。
特開2010−204637号公報
しかしながら、上記のような従来のナビゲーション装置では、音声認識した結果を、単にそのまま文字で画面に表示するだけであり、認識結果から道案内表現を抽出して表示する機能がないため、道案内とは関係のない内容も表示されてしまうおそれがあり、また、発話した内容をそのまま文字で表示するだけであるため運転者が直観的に内容を理解しにくいという課題があった。さらに、発話した内容が抽象的で曖昧な表現であったとしてもそのまま文字で表示するだけであるため、運転者が表示された内容を具体的な表現に解釈する必要があり煩わしいという課題もあった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、同乗者が運転者に対して行なった道案内表現のみを抽出し、抽象的な道案内表現を解釈して具体化し、その具体化された内容を直観的に理解しやすいように提示することができるナビゲーション装置および方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明は、移動体の位置を取得する位置取得部を備え、当該位置取得部により取得された移動体の位置と地図データとに基づいて道案内を行うナビゲーション装置において、入力された音声を取得する音声取得部と、前記音声取得部により取得された音声データから音声認識処理を行う音声認識部と、道案内表現を記憶する道案内表現記憶部と、前記道案内表現記憶部を参照して、前記音声認識部による認識結果から道案内表現を抽出する道案内表現抽出部と、前記道案内表現抽出部により抽出された道案内表現を解釈して、具体的道案内表現を特定する道案内表現解釈部と、前記具体的道案内表現に対応する提示内容を、前記具体的道案内表現と対応付けて記憶する道案内表現提示内容記憶部と、前記道案内表現提示内容記憶部を参照して、前記道案内表現解釈部により特定された具体的道案内表現に基づいて、対応する提示内容を取得する道案内表現提示内容取得部と、前記道案内表現提示内容取得部により取得された提示内容を出力する提示制御出力部とを備えることを特徴とする。
この発明のナビゲーション装置によれば、同乗者などの発話者が運転者に行なった道案内表現のみを抽出し、抽象的な道案内表現を解釈して具体化し、その具体化された道案内表現に対応する提示内容を出力するようにしたので、運転者が直観的に内容を理解することができ、運転者の聞き間違いを防止し、発話者が意図しない方向に進むことを防止することができる。
実施の形態1によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。 道案内表現記憶部3の一例を示す図である。 提示内容が視覚的提示内容である場合の道案内表現提示内容記憶部8の一例を示す図である。 実施の形態1によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態1において、提示内容が視覚的提示内容である場合にユーザに提示された道案内情報の画面例を示す図である。 実施の形態2によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。 実施の形態2によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態2において、提示内容が視覚的提示内容である場合にユーザに提示された道案内情報の画面の一例を示す図である。 実施の形態2において、提示内容が視覚的提示内容である場合にユーザに提示された道案内情報の画面の他の例を示す図である。 実施の形態3によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態3において、提示内容が視覚的提示内容であって、道案内表現の中に場所を表す道案内表現が含まれている場合に、ユーザに提示された道案内情報の画面例を示す図である。 実施の形態4によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。 実施の形態4における道案内表現記憶部3の一例を示す図である。 実施の形態4によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態5によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。 実施の形態5によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態6によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。 実施の形態6によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態7によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。 実施の形態7によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態8によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態9によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。 実施の形態9によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態10によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。 取り消し/訂正表現記憶部16の一例を示す図である。 実施の形態10によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態10において、取り消し表現が抽出された場合の画面遷移例を示す図である。 実施の形態10において、訂正表現が抽出された場合の画面遷移例を示す図である。
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
この発明は、地図データと自車(移動体)の位置に基づいて道案内を行うナビゲーション装置において、同乗者が運転者に対して行なった道案内表現のみを抽出し、抽象的な道案内表現を解釈して具体化し、その具体化された内容を運転者が直観的に理解しやすいように提示するものである。
図1は、この発明の実施の形態1によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。このナビゲーション装置は、音声取得部1と、音声認識部2と、道案内表現記憶部3と、道案内表現抽出部4と、地図データ記憶部5と、自車位置取得部(位置取得部)6と、道案内表現解釈部7と、道案内表現提示内容記憶部8と、道案内表現提示内容取得部9と、提示制御部10と、表示部21、音声出力部22により構成されている。なお、この提示制御部10と、表示部21および音声出力部22が、提示制御出力部20を構成する。また、図示は省略したが、このナビゲーション装置は、キーやタッチパネル等による入力信号を取得するキー入力部も備えている。
音声取得部1は、マイク等により集音されたユーザ発話、すなわち、入力された音声をA/D変換して、例えばPCM(Pulse Code Modulation)形式で取得する。
音声認識部2は、認識辞書(図示せず)を有し、音声取得部1により取得された音声データから、同乗者などの発話者が発話した内容に該当する音声区間を検出し、特徴量を抽出し、その特徴量に基づいて認識辞書を用いて音声認識処理を行う。なお、音声認識部2は、ネットワーク上の音声認識サーバを使用してもよい。
道案内表現記憶部3は、通常、人が道案内をする際に使用すると想定される表現を記憶している。
図2は、道案内表現記憶部3の一例を示す図である。この図に示すように、道案内表現記憶部3は、例えば、道案内を行うべき道案内地点にある目印を指し示す指示語を表す「あの」「その」「次の」「突き当り」「100メートル先」「200メートル先」など、目印を表す「交差点」「ファミレス」「車」「信号」など、また、進行方向を表す直接的表現として「右折」「右」「左」「西」など、および、進行方向を表す間接的表現として「道なりに」「こっち」などの道案内表現を記憶している。
道案内表現抽出部4は、道案内表現記憶部3を参照しながら形態素解析を行い、音声認識部2の音声認識結果の文字列から道案内表現を抽出する。
地図データ記憶部5は、例えば道路データ、交差点データ、施設データ等の地図データを記憶している。この地図データ記憶部5は、例えばDVD−ROM、ハードディスク、SDカードなどの記憶媒体であってもよいし、ネットワーク上に存在し、通信ネットワークを介して道路データなどの情報を取得できる構成(地図データ取得部)であってもよい。
自車位置取得部(位置取得部)6は、GPS受信機やジャイロスコープなどから取得した情報を用いて、現在の自車(移動体)の位置(経緯度)と進行方向を取得するものである。
道案内表現解釈部7は、道案内表現抽出部4により抽出された道案内表現を取得して、それぞれの道案内表現を解釈して具体的道案内表現を特定する。この実施の形態1では、進行方向を表す道案内表現についてのみ説明する。例えば、抽出された道案内表現の中に「右折」「右に」などの直接的な方向を示す表現が含まれている場合には、それがそのまま具体的な方向を示していると解釈し、「右折」「右に」を具体的道案内表現として特定する。一方、「道なりに」「こっち」などの間接的な方向を示す表現が含まれている場合には、地図データ記憶部5から取得した地図データと、自車位置取得部(位置取得部)6から取得した自車(移動体)の位置および進行方向を用いて、道案内表現の中に含まれていた間接的な方向を示す表現が示す具体的な方向を解釈して、具体的な道案内表現を特定する。例えば、道が斜め右上方向(北東方向)に徐々に曲がって行っている状態であれば、「道なりに」というのは斜め右上に進むことであると解釈し、「斜め右上に」という具体的道案内表現を特定する。
道案内表現提示内容記憶部8は、道案内表現解釈部7で特定された進行方向を表す具体的道案内表現を、当該具体的道案内表現に対応する提示内容(視覚的提示内容または聴覚的提示内容)と対応付けて記憶している。具体的道案内表現に対応する提示内容が視覚的提示内容である場合には、その提示内容は、ナビの表示画面上やダッシュボード上などに、運転者に対して視覚的に提示する内容であり、例えば矢印やその他の方向を指し示す図形、方向を表す文字、地図上の進むべき道を色替えや太さにより強調して提示するものなどである。
図3は、提示内容が視覚的提示内容である場合の道案内表現提示内容記憶部8の一例を示す図である。この図に示すように、例えば、「右折」「右へ」「右に」などの具体的道案内表現に対して、右矢印の図形データ、「右折」「右」などの文字表現(文字列データ)、地図上の右折すべき道の色や道の太さの情報などが記憶されている。なお、この図3では、右折の場合も左折の場合も、また、斜め右上方向の場合にも、道の色や道の太さは同じに設定されているが、道案内表現ごとに異なる色や太さとしてもよい。
また、提示内容が聴覚的提示内容である場合の道案内表現提示内容記憶部8については図示は省略するが、例えば、図2に示すような想定される具体的道案内表現を、それぞれ音声データ(合成音声)として記憶しておく他、「右折」「右へ」「右に」という具体的道案内表現に対して「右折」という音声データ(合成音声)、「左折」「左へ」「左に」という具体的道案内表現に対して「左折」という音声データ(合成音声)、などが記憶されている。
なお、図3に示す例では、進行方向を表す具体的道案内表現についてのみ対応する提示内容が記憶されているが、その他、交差点の名称やレストランの名称など、想定されるすべての具体的道案内表現について、音声データ(合成音声)を記憶しておくようにしてもよい。
道案内表現提示内容取得部9は、道案内表現解釈部7により抽出された具体的道案内表現を検索キーとして、道案内表現提示内容記憶部8を検索し、検索キーと一致する具体的道案内表現に対応する提示内容(視覚的提示内容または聴覚的提示内容)を取得する。
なお、ここでは、提示内容が聴覚的提示内容である場合には、予め合成音声を作成して道案内表現提示内容記憶部8に記憶しておくものとしたが、道案内表現提示内容記憶部8に記憶されている音声データに基づいて、道案内表現提示内容取得部9が合成音声を作成することにより提示内容を取得するようにしてもよい。なお、文字列から合成音声を生成する方法については、公知の方法であるためここでは説明を省略する。
提示制御部10は、道案内表現提示内容取得部9により取得された提示内容を、表示部21または音声出力部22(またはその両方)に出力する。すなわち、その提示内容が視覚的提示内容である場合には、表示部21(例えば、ナビの表示画面上や、ダッシュボート上、フロントガラス上など)に出力し、提示内容が聴覚的提示内容である場合には、音声出力部22(スピーカなど)に出力する。
次に、前述のように構成された実施の形態1によるナビゲーション装置の動作について説明する。図4は、実施の形態1によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
まず初めに、何等かの発話入力があると、音声取得部1が入力された音声を取得し、A/D変換して、例えばPCM形式の音声データとして取得する(ステップST01)。次に、音声取得部1で取得された音声データを音声認識部2が認識する(ステップST02)。そして、道案内表現抽出部4が、音声認識部2の認識結果から、道案内表現記憶部3を参照しながら道案内表現を抽出する(ステップST03)。その後、抽出された道案内表現を、道案内表現解釈部7が解釈して、具体的道案内表現を特定する(ステップST04〜ST11)。
まず、ステップST03において抽出された道案内表現の中に、進行方向を表す道案内表現が含まれているか否かを判断する(ステップST04)。そして、進行方向を表す道案内表現が含まれていなかった場合(ステップST04のNOの場合)には、処理を終了する。一方、含まれていた場合(ステップST04のYESの場合)には、その進行方向を表す道案内表現が、直接的な進行方向を表す道案内表現であるか否かを判断する(ステップST05)。ここで、例えば「道なりに」など、間接的な進行方向を表す道案内表現であった場合(ステップST05のNOの場合)には、その「道なりに」という道案内表現と、地図データと、自車(移動体)の位置および進行方向とに基づいて、具体的にはどの進行方向であるのかを解釈し、具体的道案内表現を特定する(ステップST06)。
一方、ステップST05において、例えば「右折」など、直接的な進行方向を表す道案内表現であった場合(ステップST05のYESの場合)には、「右折」という直接的な進行方向を表す道案内表現を、具体的道案内表現として特定する(ステップST07)。
上記のとおり、ステップST06またはST07において具体的道案内表現が特定された後、道案内表現提示内容取得部9が、道案内表現解釈部7により特定された具体的道案内表現を検索キーとして、道案内表現提示内容記憶部8を検索し、検索キーと一致する具体的道案内表現を検索することにより、その具体的道案内表現に対応する提示内容(視覚的提示内容または聴覚的提示内容)を検索する(ステップST08)。
そして、検索キーと一致する具体的道案内表現が見つかった場合(ステップST09のYESの場合)には、その具体的道案内表現に対応する提示内容(視覚的提示内容または聴覚的提示内容またはその両方)を取得し(ステップST10)、提示制御出力部20が、その提示内容を出力(表示または音声出力またはその両方により出力)する(ステップST11)。一方、検索キーと一致する具体的道案内表現が見つからなかった場合(ステップST09のNOの場合)には、処理を終了する。
具体的な例を挙げて説明すると、例えば、同乗者が「そのまま道なりに進んで」と発話した場合、音声取得部1がその音声データを取得し(ステップST01)、音声認識部2により「そのまま道なりに進んで」という認識結果が得られる(ステップST02)。そして、道案内表現抽出部4が、図2に示すような道案内表現記憶部3を参照して、道案内表現として文字列「道なりに」を抽出する(ステップST03)。その後、道案内表現解釈部7が、文字列「道なりに」は間接的な進行方向を表す道案内表現であると判断し(ステップST04のYES、かつ、ステップST05のNOの場合)、この「道なりに」という道案内表現を「走行している道が曲がっている方向に」であると解釈するとともに、地図データと、自車(移動体)の位置および進行方向とに基づいて、具体的にはどの進行方向であるのかを解釈する。すなわち、そのときの自車(移動体)が位置する道路が、斜め右上方向(北東方向)に徐々に曲がっているような道であり、その方向へ進んでいるとすると、「道なりに」とは「斜め右上に」という具体的道案内表現であると特定する(ステップST06)。
その後、文字列「斜め右上に」を検索キーとして、図3に示すような道案内表現提示内容記憶部8を検索する(ステップST08)。そして、図3の中に「斜め右上に」という具体的道案内表現が見つかるので(ステップST09のYESの場合)、その「斜め右上に」という具体的道案内表現に対応する視覚的提示内容である“斜め右上向きの矢印図形データ”や、聴覚的提示内容である“「斜め右上方向に」という音声データ”または“「北東方向に」という音声データ”を取得する(ステップST10)。そして、取得した提示内容が視覚的提示内容である場合には、表示画面上などに出力し、また、提示内容が聴覚的提示内容である場合には、スピーカから出力する(ステップST11)。なお、両方の提示内容が取得された場合には、表示および音声出力の両方を行う。
図5は、提示内容が視覚的提示内容である場合に、その提示内容を表示画面上に出力してユーザに提示した画面例を示す図である。図5(a)は、ナビゲーション画面31に自車32が三角形で表示されている表示画面と、同乗者により「そのまま道なりに進んで」と発話された状態を示しており、その発話内容が吹き出し33で示されている。そして、図5(b)は、この際にナビゲーション装置によって前述の図4に示すフローチャートの処理が行われた結果、図5(a)と同じナビゲーション画面31上に視覚的提示内容として“斜め右上向きの矢印図形データ”34が表示された状態を示している。
なお、提示内容が視覚的提示内容である場合、図3に示す具体的道案内表現に対応する提示内容として、図形データ以外に文字データもあれば、その文字情報も同時に表示するようにしてもよい。また、いずれの表示とするかをユーザが設定できるようにしてもよい。
また、図5(b)ではちょうど道路上に矢印が表示されている状態を示しているが、表示場所については画面上のどの場所でもよく、固定の表示場所としてもよいし、道路が隠れないような場所に表示されるようにしてもよい。また、ナビゲーション装置の表示画面上ではなく、フロントガラス上であってもよい。さらに、表示画面とフロントガラスなど、出力デバイスが複数ある場合には、提示デバイス特定部をさらに備える構成とし、どの出力デバイスに提示させるかを決定するようにしてもよい。
また、表示させる図形や文字を点滅させたり、右から左へ移動させたり、フェードインさせるように表示するなど、ユーザがより認識しやすい方法で表示させるようにしてもよい。また、いずれの方法で表示するかをユーザが設定できるようにしてもよい。
また、出力する提示内容として、視覚的提示内容のみを表示するか、聴覚的提示内容のみを音声出力するか、両方とも出力するかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
なお、提示内容として視覚的提示内容と聴覚的提示内容の両方が出力される場合には、聴覚的提示内容としては具体的道案内表現に対応する音声データではなく、例えば「ポーン」というような非言語音により注意を促すもの(気づかせるための効果音)としてもよい。また、視覚的提示内容のみが出力される場合に、そのような非言語音の聴覚的提示内容を合わせて出力するような構成としてもよい。
なお、この実施の形態では、同乗者の発話内容を常に認識するものとしているが、所定の期間(例えば、同乗者が道案内を開始すると、音声認識を行うためのボタンを押下し、そのボタンが押下されている間)のみ音声認識を行うようにしてもよい。また、常に認識するか、所定の期間のみ認識するかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態1によれば、同乗者などの発話者が発話した道案内表現のみを抽出し、抽象的な道案内表現を解釈して具体化し、その具体化された道案内表現を矢印などの図形データや文字データなどで視覚的に表示することができるので、運転者が直観的に理解しやすくなり、運転者の聞き間違いを防止し、発話者が意図しない方向に進むことを防止することができる。また、運転者への提示内容が視覚的提示内容ではなくて聴覚的提示内容である場合にも、同乗者などの発話者が発話した道案内表現を具体化した内容を音声で出力することにより、運転者の聞き間違いを防止し、発話者が意図しない方向に進むことを防止することができる。さらに、具体化された道案内表現に対応した視覚的提示内容と聴覚的提示内容の両方を出力することにより、運転者の聞き間違いによって発話者が意図しない方向に進むことを、より一層防止することができる。
実施の形態2.
図6は、この発明の実施の形態2によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。なお、実施の形態1で説明したものと同様の構成には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。以下に示す実施の形態2では、実施の形態1と比べると、道案内表現解釈部7が、具体的道案内表現を特定するだけではなく、道案内を行うべき目印(道案内地点)の名称を提示制御部10に出力したり、提示内容が視覚的提示内容である場合の表示位置(道案内地点の位置)を特定して提示制御部10に出力するものである。
道案内表現解釈部7は、道案内表現抽出部4により抽出された道案内表現を取得して、それぞれの道案内表現を解釈して具体的道案内表現を特定する。この実施の形態2では、実施の形態1と同様に進行方向を表す道案内表現について具体的道案内表現を特定するだけではなく、その他の道案内表現についても説明する。例えば、抽出された道案内表現の中に「その」「あの」「次の」「突き当り」「100メートル先」「200メートル先」などの指示語が含まれている場合には、地図データ記憶部5から取得した地図データと、自車位置取得部(位置取得部)6から取得した自車(移動体)の位置および進行方向を用いて、道案内表現の中に含まれていた指示語が指し示す目印や場所(道案内を行うべき道案内地点)を解釈して、その道案内地点の名称と位置を特定する。例えば、道案内表現抽出部4により抽出された「次の」「交差点」という道案内表現から、地図データと自車(移動体)の位置と進行方向を用いてどの交差点であるかを解釈し、「本町一丁目交差点」という具体的道案内表現とその位置を特定したり、「その」「ファミレス」という道案内表現から、地図データと自車(移動体)の位置と進行方向を用いてどのファミレスであるかを解釈し、「レストラン○○」という具体的道案内表現とその位置を特定する。また、例えば「突き当り」や「200メートル先」という指示語のみの(目印を表す道案内表現を含まない)道案内表現から、地図データと自車(移動体)の位置と進行方向を用いて、その道案内地点がどこであるかを解釈し、「本町一丁目交差点」という具体的道案内表現と位置を特定する。そして、具体的道案内表現については道案内表現提示内容取得部9に出力し、位置については提示制御部10に出力する。また、実施の形態1における道案内表現解釈部7と同様に、例えば、抽出された道案内表現の中に「右折」「右に」などの直接的な方向を示す表現が含まれている場合には、そのままであると解釈し、「右折」「右に」を具体的道案内表現として特定する。一方、「道なりに」「こっち」などの間接的な方向を示す表現が含まれている場合には、地図データ記憶部5から取得した地図データと、自車位置取得部(位置取得部)6から取得した自車(移動体)の位置および進行方向を用いて、道案内表現の中に含まれていた間接的な方向を示す表現が示す具体的な方向を解釈して、具体的な道案内表現を特定する。例えば、道が斜め右上方向(北東方向)に徐々に曲がって行っている状態であれば、「道なりに」というのは斜め右上に進むことであると解釈し、「斜め右上に」という具体的道案内表現を特定する。
提示内容が視覚的提示内容である場合の道案内表現提示内容記憶部8の一例を示す図としては、実施の形態1の図3と同じである。ただし、図3に示す例では、進行方向を表す具体的道案内表現についてのみ対応する提示内容が記憶されているが、この実施の形態2では、図3に示すような進行方向を表す具体的道案内表現以外に、交差点の名称やレストランの名称など、想定されるすべての具体的道案内表現について、音声データ(合成音声)を記憶しておくようにしてもよい。
提示制御部10は、道案内表現提示内容取得部9により取得された提示内容を、表示部21または音声出力部22(またはその両方)に出力する際に、提示内容が視覚的提示内容である場合には、道案内表現解釈部7により特定された道案内地点の位置にその提示内容を表示する。
次に、前述のように構成された実施の形態2によるナビゲーション装置の動作について説明する。図7は、実施の形態1によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
ステップST21〜ST26までの処理については、実施の形態1における図4のフローチャートのステップST01〜ST06と同じであるため、説明を省略する。そして、この実施の形態2では、ステップST25において、例えば「右折」など、直接的な進行方向を表す道案内表現であった場合(ステップST25のYESの場合)には、さらに、目印を指示または表す道案内表現があるか否かを判断する(ステップST27)。ここで、目印を指示または表す道案内表現がない場合(ステップST27のNOの場合)には、「右折」という直接的な進行方向を表す道案内表現を、具体的道案内表現として特定する(ステップST28)。その後の、ステップST32〜ST37の処理については、後述する。
一方、例えば「次の」など、目印を指示する道案内表現や、例えば「交差点」など、目印を表す道案内表現があった場合(ステップST27のYESの場合)には、さらにその目印を指示または表す道案内表現により目印である道案内地点の特定が可能か否かを判断する(ステップST29)。ここで、例えば「交差点」など、目印を表す道案内表現がある場合には、「次の」「交差点」という道案内表現と、地図データと、自車(移動体)の位置および進行方向とに基づいて、目印である道案内地点を特定することが可能である。また、目印を表す道案内表現がない場合であっても、例えば「突き当り」や「200メートル先」などの指示語の道案内表現のみで、地図データと、自車(移動体)の位置および進行方向とに基づいて、その指示語が指し示す道案内地点を特定することが可能である。このように、目印である道案内地点の特定が可能な場合(ステップST29のYESの場合)には、その道案内地点の名称と位置を取得する(ステップST30)。そして、取得された道案内地点の名称と、ステップST25において直接的な進行方向を表す道案内表現と判断された道案内表現とを、具体的道案内表現として特定する(ステップST31)。その後の、ステップST32〜ST37の処理については、後述する。
また、ステップST29において、道案内地点の特定ができなかった場合(ステップST29のNOの場合)には、ステップST25において直接的な進行方向を表す道案内表現と判断された道案内表現を、具体的道案内表現として特定する(ステップST28)。その後の、ステップST32〜ST37の処理について、以下に示す。
上記のとおり、ステップST26,ST28,ST31のいずれかにおいて具体的道案内表現が特定された後には、道案内表現提示内容取得部9が、道案内表現解釈部7により特定された具体的道案内表現を検索キーとして、道案内表現提示内容記憶部8を検索し、検索キーと一致する具体的道案内表現を検索することにより、その具体的道案内表現に対応する提示内容(視覚的提示内容または聴覚的提示内容)を検索する(ステップST32)。
そして、検索キーと一致する具体的道案内表現が見つかった場合(ステップST33のYESの場合)には、その具体的道案内表現に対応する提示内容(視覚的提示内容または聴覚的提示内容またはその両方)を取得する(ステップST34)。さらに、取得した提示内容が視覚的提示内容であり、かつ、ステップST30において道案内地点の位置を取得している場合(ステップST35のYESの場合)には、提示制御出力部20が、その視覚的提示内容を、その取得された位置に表示する(ステップST36)。一方、ステップST35において取得された提示内容が聴覚的提示内容であるか、または、ステップST30の道案内地点の位置を取得する処理を経由していない場合には、ステップST34で取得された提示内容を出力(表示または音声出力またはその両方により出力)する(ステップST37)。また、検索キーと一致する具体的道案内表現が見つからなかった場合(ステップST33のNOの場合)には、処理を終了する。
具体的な例を挙げて説明すると、例えば、同乗者が「次の交差点を右折して」と発話した場合、音声取得部1がその音声データを取得し(ステップST21)、音声認識部2により「次の交差点を右折して」という認識結果が得られる(ステップST22)。そして、道案内表現抽出部4が、図2に示すような道案内表現記憶部3を参照して、道案内表現として文字列「次の」「交差点」「右折」を抽出する(ステップST23)。その後、道案内表現解釈部7が、文字列「右折」は直接的な進行方向を表す道案内表現であると判断し(ステップST24のYES、かつ、ステップST25のYESの場合)、さらに目印を指示する道案内表現があるか否かを判断する(ステップST27)。ここで、「次の」および「交差点」という目印を指示または表す道案内表現があり(ステップST27のYESの場合)、かつ、「次の」「交差点」という道案内表現と、地図データと、自車(移動体)の位置および進行方向とに基づいて、具体的にはどの交差点のことであるのかという道案内地点を特定することができるので(ステップST29のYESの場合)、その道案内地点を解釈して特定する。すなわち、「次の」「交差点」が意味する道案内地点は「本町一丁目交差点」であるということを解釈し、その名称「本町一丁目交差点」とその位置を取得する(ステップST30)。そして、取得された道案内地点の「本町一丁目交差点」という名称と、進行方向を表す道案内表現「右折」とを、具体的道案内表現として特定する(ステップST31)。
その後、文字列「右折」を検索キーとして、図3に示すような道案内表現提示内容記憶部8を検索する(ステップST32)。そして、道案内表現提示内容記憶部8の中に「右折」という具体的道案内表現が見つかるので(ステップST33のYESの場合)、その「右折」という具体的道案内表現に対応する視覚的提示内容である“右矢印の図形データ”や“「右折」という文字データ”、聴覚的提示内容である“「右折」という音声データ”を取得する。また、道案内表現提示内容記憶部8の中に、「本町一丁目交差点」という交差点の名称に対応する音声データが記憶されている場合には、それを取得することもできる(ステップST34)。そして、取得した提示内容が視覚的提示内容である場合には、ステップST30において道案内地点である「本町一丁目交差点」の位置も取得しているので(ステップST35のYESの場合)、表示画面上の「本町一丁目交差点」の位置に、視覚的提示内容である“右矢印の図形データ”や“「右折」という文字データ”を出力する(ステップST36)。また、提示内容が聴覚的提示内容である場合には、その音声データをスピーカから出力する(ステップST37)。なお、両方の提示内容が取得された場合には、表示および音声出力の両方を行う。
図8は、提示内容が視覚的提示内容である場合に、その提示内容を表示画面上に出力してユーザに提示した画面の一例を示す図である。図8(a)は、ナビゲーション画面31に自車32が三角形で表示されている表示画面と、同乗者により「次の交差点を右折して」と発話された状態を示しており、その発話内容が吹き出し33で示されている。なお、2つの交差点の名称35はそれぞれ下から、「本町一丁目交差点」、「本町二丁目交差点」である。そして、図8(b)は、この際にナビゲーション装置によって前述の図7に示すフローチャートの処理が行われた結果、図8(a)と同じナビゲーション画面31上に視覚的提示内容として“右矢印の図形データ”34が、「本町一丁目交差点」の位置に表示された状態を示している。
また、図9は、提示内容が視覚的提示内容である場合に、その提示内容を表示画面上に出力してユーザに提示した画面の他の例を示す図である。図9(a)は、ナビゲーション画面31に自車32が三角形で表示されている表示画面と、同乗者により「突き当りを右折して」と発話された状態を示しており、その発話内容が吹き出し33で示されている。なお、2つの交差点の名称35はそれぞれ下から、「本町一丁目交差点」、「本町二丁目交差点」である。そして、図9(b)は、この際にナビゲーション装置によって前述の図7に示すフローチャートの処理が行われた結果、図9(a)と同じナビゲーション画面31上に視覚的提示内容として“右矢印の図形データ”34が、突き当りの「本町二丁目交差点」の位置に表示された状態を示している。
なお、提示内容が視覚的提示内容である場合、図3に示す具体的道案内表現に対応する提示内容として、図形データ以外に文字データもあれば、その文字情報も同時に表示するようにしてもよい。また、いずれの表示とするかをユーザが設定できるようにしてもよい。さらに、特定された道案内地点の名称も、表示するようにしてもよい。
また、提示内容が視覚的提示内容であっても、ステップST30の道案内地点の位置を取得する処理を経由していない場合には、表示場所については画面上のどの場所でもよく、固定の表示場所としてもよいし、道路が隠れないような場所に表示されるようにしてもよい。また、ナビゲーション装置の表示画面上ではなく、フロントガラス上であってもよい。さらに、表示画面とフロントガラスなど、出力デバイスが複数ある場合には、提示デバイス特定部をさらに備える構成とし、どの出力デバイスに提示させるかを決定するようにしてもよい。
また、表示させる図形や文字を点滅させたり、右から左へ移動させたり、フェードインさせるように表示するなど、ユーザがより認識しやすい方法で表示させるようにしてもよい。また、いずれの方法で表示するかをユーザが設定できるようにしてもよい。
また、出力する提示内容として、視覚的提示内容のみを表示するか、聴覚的提示内容のみを音声出力するか、両方とも出力するかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
なお、提示内容として視覚的提示内容と聴覚的提示内容の両方が出力される場合には、聴覚的提示内容としては具体的道案内表現に対応する音声データではなく、例えば「ポーン」というような非言語音により注意を促すもの(気づかせるための効果音)としてもよい。また、視覚的提示内容のみが出力される場合に、そのような非言語音の聴覚的提示内容を合わせて出力するような構成としてもよい。
また、聴覚的提示内容のみが出力される場合には、例えば、「本町一丁目交差点、右折」のように、道案内表現解釈部7により特定された道案内地点の名称と具体的な進行方向との両方の音声データを続けて出力するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、同乗者の発話内容を常に認識するものとしているが、所定の期間(例えば、同乗者が道案内を開始すると、音声認識を行うためのボタンを押下し、そのボタンが押下されている間)のみ音声認識を行うようにしてもよい。また、常に認識するか、所定の期間のみ認識するかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態2によれば、同乗者などの発話者が発話した道案内表現のみを抽出し、抽象的な道案内表現を解釈して具体化し、その具体化された道案内表現を矢印などの図形データや文字データなどで視覚的に、道案内地点の位置に表示することができるので、運転者が直観的に理解しやすくなり、運転者の聞き間違いを防止し、発話者が意図しない方向に進むことを防止することができる。また、運転者への提示内容が視覚的提示内容ではなくて聴覚的提示内容である場合にも、同乗者などの発話者が発話した道案内表現を具体化した内容を、道案内地点の名称とともに音声で出力することにより、運転者の聞き間違いを防止し、発話者が意図しない方向に進むことを防止することができる。さらに、具体化された道案内表現に対応した視覚的提示内容と聴覚的提示内容の両方を出力することにより、運転者の聞き間違いによって発話者が意図しない方向に進むことを、より一層防止することができる。
実施の形態3.
この発明の実施の形態3によるナビゲーション装置のブロック図については、実施の形態2における図6と同じであるので、図示および説明を省略する。以下に示す実施の形態3では、実施の形態2のナビゲーション装置において、現在設定されている経路(ルート)情報を考慮して、道案内表現に含まれる指示語が指し示す目印を特定するものである。
図10は、実施の形態3によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
このフローチャートのステップST50以外のステップST41〜ST49およびステップST51〜ST57までの処理については、実施の形態2における図7のフローチャートのステップST21〜ST29およびステップST31〜ST37と同じであるため、説明を省略する。
そして、この実施の形態3では、ステップST47において、例えば「次の」「交差点」など、目印を指示または表す道案内表現があった場合(ステップST47のYESの場合)に、それら「次の」「交差点」という道案内表現と、地図データと、自車(移動体)の位置および進行方向とに基づいて、具体的にはどの交差点のことであるのかという道案内地点を特定することができるので(ステップST49のYESの場合)、その道案内地点を解釈して特定する。この際、現在設定されている経路(ルート)情報も考慮して、道案内地点の名称と位置を取得する(ステップST50)。
一方、ステップST49において、道案内地点の特定ができなかった場合(ステップST49のNOの場合)には、ステップST45において直接的な進行方向を表す道案内表現と判断された道案内表現を、具体的道案内表現として特定する(ステップST48)。
具体的な例として、例えば、同乗者が「次の交差点を右折して」と発話した場合について、図11を参照しながら説明する。図11は、提示内容が視覚的提示内容であって、道案内表現の中に場所を表す道案内表現が含まれている場合に、その提示内容を表示画面上に出力してユーザに提示した画面例を示す図である。図11(a)は、図8(a)と同じ図であり、ナビゲーション画面31に自車32が三角形で表示されている表示画面と、同乗者により「次の交差点を右折して」と発話された状態を示しており、その発話内容が吹き出し33で示されている。なお、2つの交差点の名称35はそれぞれ下から、「本町一丁目交差点」、「本町二丁目交差点」であり、この時の設定経路(ルート)を矢印36で示している。そして、図11(b)は、この際にナビゲーション装置によって前述の図10に示すフローチャートの処理が行われた結果、図11(a)と同じナビゲーション画面31上に視覚的提示内容として“右矢印の図形データ”34が、設定経路(ルート)情報も考慮して「本町二丁目交差点」の位置に表示された状態を示している。
すなわち、実施の形態2では、道案内表現解釈部7は、「次の」「○○」(例えば「交差点」)という表現を取得した場合、現在の自車(移動体)の位置から進行方向を向いた場合における最も近い「○○」(交差点)を指し示すと解釈したが、この実施の形態3の場合には、経路(ルート)として設定されている「次の」「○○」(交差点)であると解釈する。これにより、「○○」(交差点)が近距離に連続して存在するような場合であっても、道案内表現解釈部7は「次の」が指し示す「○○」(交差点)を、正確に「本町二丁目交差点」であると特定することができる。
なお、提示内容が視覚的提示内容である場合、図3に示す具体的道案内表現に対応する提示内容として、図形データ以外に文字データもあれば、その文字情報も同時に表示するようにしてもよい。また、いずれの表示とするかをユーザが設定できるようにしてもよい。さらに、特定された道案内地点の名称も、表示するようにしてもよい。
また、提示内容が視覚的提示内容であっても、ステップST50の道案内地点の位置を取得する処理を経由していない場合には、表示場所については画面上のどの場所でもよく、固定の表示場所としてもよいし、道路が隠れないような場所に表示されるようにしてもよい。また、ナビゲーション装置の表示画面上ではなく、フロントガラス上であってもよい。さらに、表示画面とフロントガラスなど、出力デバイスが複数ある場合には、提示デバイス特定部をさらに備える構成とし、どの出力デバイスに提示させるかを決定するようにしてもよい。
また、表示させる図形や文字を点滅させたり、右から左へ移動させたり、フェードインさせるように表示するなど、ユーザがより認識しやすい方法で表示させるようにしてもよい。また、いずれの方法で表示するかをユーザが設定できるようにしてもよい。
また、出力する提示内容として、視覚的提示内容のみを表示するか、聴覚的提示内容のみを音声出力するか、両方とも出力するかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
なお、提示内容として視覚的提示内容と聴覚的提示内容の両方が出力される場合には、聴覚的提示内容としては具体的道案内表現に対応する音声データではなく、例えば「ポーン」というような非言語音により注意を促すもの(気づかせるための効果音)としてもよい。また、視覚的提示内容のみが出力される場合に、そのような非言語音の聴覚的提示内容を合わせて出力するような構成としてもよい。
また、聴覚的提示内容のみが出力される場合には、例えば、「本町二丁目交差点、右折」のように、道案内表現解釈部7により特定された道案内地点の名称と具体的な進行方向との両方の音声データを続けて出力するようにしてもよい。
なお、この実施の形態においても、同乗者の発話内容を常に認識するものとしているが、所定の期間(例えば、同乗者が道案内を開始すると、音声認識を行うためのボタンを押下し、そのボタンが押下されている間)のみ音声認識を行うようにしてもよい。また、常に認識するか、所定の期間のみ認識するかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
また、この実施の形態3における設定経路(ルート)情報を考慮する機能を使用するかしないかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態3によれば、実施の形態2と同様の効果に加え、現在設定されている経路(ルート)を考慮して、同乗者などの発話者が発話した抽象的な道案内表現で示された地点から、より正確に具体的な道案内地点の位置を特定して表示することができるので、運転者の聞き間違いや勘違いを防止し、発話者が意図しない方向に進むことを、より一層防止することができる。
実施の形態4.
図12は、この発明の実施の形態4によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。なお、実施の形態1〜3で説明したものと同様の構成には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。以下に示す実施の形態4では、実施の形態3と比べると、外部対象物認識部11が示されており、道案内表現解釈部7が、外部対象物認識部11により出力された対象物に関する情報を用いて、道案内表現抽出部4により抽出された目印に関する道案内表現の内容を解釈するものである。
外部対象物認識部11は、例えばカメラなどのセンサにより取得された情報を解析して、周囲の対象物(例えば車やランドマークなどの対象物)を認識し、その対象物の特徴やその対象物までの距離を出力する。なお、カメラなどのセンサにより取得された画像を解析して対象物を認識する方法や、その対象物までの距離を計測する方法は公知であるため、ここでは説明を省略する。
また、図13は、この実施の形態4における道案内表現記憶部3の一例を示す図である。この図に示すとおり、この道案内表現記憶部3は、例えば「赤い」「白い」「背の高い」「大きい」「丸い」など、周囲の対象物の色や外観など、その対象物に関する付加情報を有している。
図14は、実施の形態4によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
このフローチャートのステップST69〜ST71以外のステップST61〜ST68およびステップST72〜ST78までの処理については、実施の形態2における図7のフローチャートのステップST21〜ST28およびステップST31〜ST37と同じであるため、説明を省略する。
そして、この実施の形態4では、ステップST67において、例えば「あの」「車」など、目印を指示または表す道案内表現があった場合(ステップST67のYESの場合)には、外部対象物認識部11により周囲(外部)の対象物を認識し、その対象物の特徴を出力する(ステップST69)。さらに、道案内表現解釈部7が、ステップST63で道案内表現抽出部4により抽出された道案内表現と、外部対象物認識部11により認識された対象物とが一致するか否かを判断する(ステップST70)。ここで、一致する場合(ステップST70のYESの場合)には、外部対象物認識部11により出力された対象物までの距離を公知の方法により取得し、その距離情報と、地図データと、自車(移動体)の位置および進行方向とに基づいて、目印となる対象物、すなわち、道案内を行うべき道案内地点を特定し、その名称と位置を取得する(ステップST71)。
一方、ステップST70において、一致しないと判断された場合(ステップST70のNOの場合)には、ステップST65において直接的な進行方向を表す道案内表現と判断された道案内表現を、具体的道案内表現として特定する(ステップST68)。
具体的な例を挙げて説明すると、例えば、自車(移動体)の前方で赤い車が交差点を右折しようとしているときに、同乗者が「あの赤い車が曲がったところを右折して」と発話したとする。この場合、音声取得部1がその音声データを取得し(ステップST61)、音声認識部2により「あの赤い車が曲がったところを右折して」という認識結果が得られる(ステップST62)。そして、道案内表現抽出部4が、図13に示すような道案内表現記憶部3を参照して、道案内表現として文字列「あの」「赤い」「車」「右折」などを抽出する(ステップST63)。この結果、ステップST64,ST65,ST67の判断はすべてYESであるので、カメラなどの外部対象物認識部11により周囲の対象物を認識し、その対象物の特徴を出力する(ステップST69)。さらに、ステップST63で抽出された道案内表現と、ステップST69で外部対象物認識部11により認識された対象物とが一致するか否かを判断する(ステップST70)。ここで、ステップST69では、カメラにより取得された画像が公知の技術で解析され、自車(移動体)の前方の対象物が「車」であり、その車の色が「赤い」ことが認識される。一方、同乗者の発話内容としては、目印を表す道案内表現「車」、付加情報を表す道案内表現「赤い」が抽出されている。したがって、画像分析により認識された対象物の内容と、道案内表現抽出部4により抽出された道案内表現とが一致するので(ステップST70のYESの場合)、発話内容の「赤い車」は、自車(移動体)の前方の車であると特定され、カメラにより取得された赤い車(対象物)までの距離を公知の方法により取得し、その赤い車が曲がった位置(道案内を行うべき道案内地点)を取得する(ステップST71)。そして、その道案内地点の名称と、進行方向を表す道案内表現「右折」を具体的道案内表現として特定し(ステップST72)、赤い車が曲がった表示画面上の位置に、例えば“右矢印の図形データ”が表示される(ステップST73〜ST78)。
なお、この実施の形態においても、同乗者の発話内容を常に認識するものとしているが、所定の期間(例えば、同乗者が道案内を開始すると、音声認識を行うためのボタンを押下し、そのボタンが押下されている間)のみ音声認識を行うようにしてもよい。また、常に認識するか、所定の期間のみ認識するかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
また、この実施の形態4における周囲(外部)対象物を認識する機能を使用するかしないかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態4によれば、同乗者などの発話者が発話した道案内表現が、周囲(外部)の対象物に関するものであったとしても、その指示内容を解釈して提示するようにしたので、発話者の多様な道案内表現に対応することができ、発話者が意図しない方向に進むことを防止することができる。
実施の形態5.
図15は、この発明の実施の形態5によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。なお、実施の形態1〜4で説明したものと同様の構成には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。以下に説明する実施の形態5では、実施の形態1と比べると、ジェスチャー認識部12を更に備え、同乗者などの発話者による情報にジェスチャーも含まれていた場合に、道案内表現解釈部7が、道案内表現抽出部4により抽出された道案内表現を、ジェスチャー認識部12によるジェスチャーの認識結果に基づいて解釈して、同乗者が意図する進行方向を表す具体的道案内表現を特定するものである。
図16は、実施の形態5によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
ステップST81〜ST83までの処理、および、ステップST87〜ST90までの処理については、実施の形態1における図4のフローチャートのステップST01〜ST03、および、ステップST08〜ST11と同じであるため、説明を省略する。そして、この実施の形態5では、このステップST81〜ST83の処理と並行して、同乗者によるジェスチャー入力があると、ジェスチャー認識部12が、例えば同乗者が発話した方向を指し示すジェスチャーを認識し、その方向を特定して出力する(ステップST84)。なお、ジェスチャーを認識し、指示された方向を特定する方法は公知であるため、ここでは説明を省略する。
その後、ステップST83において抽出された道案内表現の中に進行方向を表す道案内表現が含まれているか、または、ステップST84において認識されたジェスチャーが進行方向を表すジェスチャーであるかを判断する(ステップST85)。そして、進行方向を表す道案内表現が含まれておらず、かつ、進行方向を表すジェスチャーでなかった場合(ステップST85のNOの場合)には、処理を終了する。一方、進行方向を表す道案内表現またはジェスチャーがある場合(ステップST85のYESの場合)には、道案内表現解釈部7が、ステップST84においてジェスチャー認識部12により出力されたジェスチャーと、自車(移動体)の進行方向とに基づいて、ステップST83において道案内表現抽出部4により抽出された進行方向を表す道案内表現を解釈し、具体的道案内表現を特定する(ステップST86)。
具体的な例を挙げて説明すると、例えば、同乗者が「こっちに曲がって」と発話しながら、指で右方向を指し示すジェスチャーをした場合、音声取得部1がその音声データを取得し(ステップST81)、音声認識部2により「こっちに曲がって」という認識結果が得られる(ステップST82)。そして、道案内表現抽出部4が、図2に示すような道案内表現記憶部3を参照して、道案内表現として文字列「こっち」を抽出する(ステップST83)。また、ジェスチャー認識部12が、指で指し示した右方向のジェスチャーを認識する(ステップST84)。ここで、ジェスチャーが指し示す方向から求められる方位角が90度であり、自車位置取得部(位置取得部)6により取得された自車(移動体)の進行方向から求められる方位角が45度であったとすると、道案内表現解釈部7は、90度−45度>0から、進行方向を表す間接的な道案内表現「こっち」が「右」であると特定する。すなわち、道案内表現解釈部7が、進行方向を表す文字列「こっち」と、進行方向を表す右方向のジェスチャーと、自車(移動体)の進行方向とから、「右」という具体的道案内表現を特定する(ステップST85〜ST86)。
なお、この実施の形態においても、同乗者の発話内容を常に認識するものとしているが、所定の期間(例えば、同乗者が道案内を開始すると、音声認識を行うためのボタンを押下し、そのボタンが押下されている間)のみ音声認識を行うようにしてもよい。また、常に認識するか、所定の期間のみ認識するかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
また、この実施の形態5におけるジェスチャー認識の機能を使用するかしないかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態5によれば、同乗者などの発話者が発話した道案内表現が抽象的な道案内表現であって、かつ、地図データや自車(移動体)の位置から具体的な内容を解釈できない場合であっても、ジェスチャー認識の結果と対応付けることにより、具体的な道案内表現を特定することができるので、発話者が意図しない方向に進むことを防止することができる。
実施の形態6.
図17は、この発明の実施の形態6によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。なお、実施の形態1〜5で説明したものと同様の構成には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。以下に説明する実施の形態6では、実施の形態5と比べると、矛盾判定部13を更に備え、同乗者などの発話者による発話内容から抽出された道案内表現と、ジェスチャー認識の結果が矛盾する場合には、道案内表現解釈部7において判断された結果に基づいて道案内表現の内容を特定するものである。
図18は、実施の形態6によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
ステップST101〜ST105までの処理、および、ステップST109〜ST112までの処理については、実施の形態5における図16のフローチャートのステップST81〜ST85、および、ステップST87〜ST90と同じであるため、説明を省略する。そして、この実施の形態6では、ステップST103で抽出された道案内表現と、ステップST104で認識されたジェスチャーの認識結果とが一致するかどうかを判断する(ステップST106)。一致する場合(ステップST106のYESの場合)には、進行方向を表す道案内表現(=進行方向を表すジェスチャー)を具体的道案内表現として特定する(ステップST107)。
一方、ステップST106の判断において、道案内表現とジェスチャー認識の結果とが一致しない場合(ステップST106のNOの場合)には、道案内表現解釈部7における所定の規則にしたがって、具体的道案内表現を特定する(ステップST108)。この道案内表現解釈部7における所定の規則とは、例えば、同乗者が言い間違えることの方が、ジェスチャーで間違った方向を指し示すことよりも多いという統計に基づいて、「結果が矛盾する場合にはジェスチャー認識の結果を採択する」という規則や、「経路(ルート)設定がされている場合には、その設定経路(ルート)に合致する方を採択する」という規則など、予め設定しておけばよい。
具体的な例を挙げて説明すると、例えば、同乗者が「次の交差点を右に曲がって」と発話しながら、指で左方向を指し示すジェスチャーをした場合、音声取得部1がその音声データを取得し(ステップST101)、音声認識部2により「次の交差点を右に曲がって」という認識結果が得られる(ステップST102)。そして、道案内表現抽出部4が、図2に示すような道案内表現記憶部3を参照して、道案内表現として文字列「次の」「交差点」「右」を抽出する(ステップST103)。また、ジェスチャー認識部12が、指で指し示した左方向のジェスチャーを認識する(ステップST104)。この場合、ステップST103で抽出された道案内表現「右」と、ステップST104で認識されたジェスチャー「左」とが一致するか否かが判断される(ステップST105〜ST106)。
この例の場合には、一致しないので(ステップST106のNOの場合)、例えば、経路(ルート)設定がされている場合には、その設定経路(ルート)に合致する方を採用したり、また、経路(ルート)設定がされていない場合には、ジェスチャー認識の結果を採用するなど、予め定めておいた所定の規則にしたがって、道案内表現解釈部7が、具体的道案内表現を特定する。ここでは、「結果が矛盾する場合にはジェスチャー認識の結果を採択する」という規則が設定されていることとすると、その規則にしたがって、ジェスチャー認識の結果である「左」が具体的道案内表現として特定される(ステップST108)。
以上のように、この実施の形態6によれば、同乗者などの発話者が発話した道案内表現と、その同乗者によるジェスチャーの認識結果とが矛盾する場合であっても、道案内表現解釈部7における所定の規則にしたがって採択されるようにしたため、同乗者の言い間違いやジェスチャーの間違いにより、誤った方向に進むことを防止することができる。
なお、上記の実施の形態5〜6は、実施の形態1におけるナビゲーション装置が、さらにジェスチャー認識部12や矛盾判定部13を備えるものとして説明したが、実施の形態2におけるナビゲーション装置が、ジェスチャー認識部12や矛盾判定部13を備えるようにしてもよいことは、言うまでもない。
実施の形態7.
図19は、この発明の実施の形態7によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。なお、実施の形態1〜6で説明したものと同様の構成には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。以下に説明する実施の形態7では、実施の形態1と比べると、道案内表現適格性判定部14を更に備え、提示内容が適格であるか否かを判定してから道案内表現を提示するものである。
道案内表現適格性判定部14は、提示内容を提示してよいかどうかの適格性を判定する。ここで、適格性とは、例えば、発話者により指示された方向へ車両が通行できるか否かや、当該指示された方向へ進行した場合に設定された経路(ルート)を逸脱しないか否かなどをいう。
図20は、実施の形態7によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
ステップST141〜ST147までの処理については、実施の形態1における図4のフローチャートのステップST01〜ST07と同じであるため、説明を省略する。そして、この実施の形態7では、道案内表現適格性判定部14が、ステップST143で道案内表現抽出部により抽出された道案内表現と、自車位置取得部(位置取得部)6により取得された自車位置(移動体の位置)と、地図データ記憶部5に記憶されている地図データとに基づいて、道案内表現を提示することが適格か否かを判定する(ステップST148)。この際、適格性があると判定された場合(ステップST148のYESの場合)には、実施の形態1における図4のステップST08〜ST11と同様に、道案内表現に対応する提示内容を検索し(ステップST149)、対応する提示内容が見つかった場合には、その提示内容を取得して出力する(ステップST150〜ST152)。
一方、ステップST148において適格性がないと判定された場合(ステップST148のNOの場合)には、処理を終了する。
具体的な例を挙げて説明すると、例えば、同乗者が「次の交差点を右折して」と発話した場合、音声取得部1がその音声データを取得し(ステップST141)、音声認識部2により「次の交差点を右折して」という認識結果が得られる(ステップST142)。そして、道案内表現抽出部4が、図2に示すような道案内表現記憶部3を参照して、道案内表現として文字列「次の交差点」および「右折」を抽出する(ステップST143)。ここで、「右折」は直接的進行方向を表す道案内表現であるので(ステップST144がYES、かつ、ステップST145もYESの場合)、道案内表現解釈部7が、その道案内表現「右折」を具体的道案内表現として特定する(ステップST147)。
この際、自車位置と、地図データとに基づいて、「次の交差点」を特定し、当該交差点で右折したときの道路情報を地図データを用いて調べた結果が、例えば一方通行で進入禁止である場合には、道案内表現が適格でないと判定され(ステップST148のNOの場合)、処理を終了する。また、例えばその交差点を右折すると設定されている経路(ルート)から逸脱する場合にも同様に、道案内表現が適格でないと判定される。
一方、道案内表現が適格であると判定された場合(ステップST148のYESの場合)には、実施の形態1のステップST08〜ST11の処理と同様の処理(ステップST149〜ST152)を行い、 “右矢印の図形データ”や“「右折」の文字列データ”、“道の色を赤にする”や“道の太さを○○ドットにする”といった情報、または、聴覚的提示内容である“「右折」という音声データ”を出力する。
なお、この実施の形態においても、同乗者の発話内容を常に認識するものとしているが、所定の期間(例えば、同乗者が道案内を開始すると、音声認識を行うためのボタンを押下し、そのボタンが押下されている間)のみ音声認識を行うようにしてもよい。また、常に認識するか、所定の期間のみ認識するかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
また、この実施の形態7における道案内表現適格性判定の機能を使用するかしないかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態7によれば、同乗者などの発話者が発話した道案内表現が適格であるか否かを判定するようにしたので、実施の形態1における効果に加え、発話者の不適格な発話に基づいて提示内容が提示され、運転者が誤った経路を進むことや、交通違反を起こすことを防止することができる。
実施の形態8.
この発明の実施の形態8によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図は、実施の形態7における図19に示すブロック図と構成としては同じであるので、図示および説明を省略する。以下に説明する実施の形態8では、実施の形態7と比べると、道案内表現適格性判定部14により道案内表現が適格でないと判定された場合に、道案内表現が適格でない旨の提示内容を提示するものである。
また、その際、道案内表現提示内容取得部9は、道案内表現提示内容記憶部8から、道案内表現が適格でない旨を表す提示内容を取得する。なお、道案内表現提示内容記憶部8に記憶されている、道案内表現が適格でない旨を表す提示内容については、図示を省略するが、道案内表現適格性判定部14により道案内表現が適格でないと判定された場合に対応する提示内容として、例えば、「×」という図形データや、「通行できません」という文字列、「経路を逸脱します」という文字列などを記憶している。
図21は、実施の形態8によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
ステップST161〜ST172までの処理については、実施の形態7における図20のフローチャートのステップST141〜ST152とほぼ同じであるため、同一の処理については説明を省略する。そして、この実施の形態9では、道案内表現適格性判定部14が、ステップST168において道案内表現を提示することが適格か否かを判定した際に、適格性があると判定された場合(ステップST168のYESの場合)には、実施の形態7における図20のステップST149〜ST152と同様に、道案内表現に対応する提示内容を検索し(ステップST169)、対応する提示内容が見つかった場合には、その提示内容を取得して出力する(ステップST170〜ST172)。
一方、ステップST168において適格性がないと判定された場合(ステップST168のNOの場合)には、実施の形態7では処理を終了するのみであったが、この実施の形態8では、道案内表現提示内容取得部9が、道案内表現が適格でない旨の提示内容を取得し(ステップST173)、その提示内容を出力する(ステップST172)。
具体的な例を挙げて説明すると、実施の形態7と同様に、例えば、同乗者が「次の交差点を右折して」と発話した場合、音声取得部1がその音声データを取得し(ステップST161)、音声認識部2により「次の交差点を右折して」という認識結果が得られる(ステップST162)。そして、道案内表現抽出部4が、図2に示すような道案内表現記憶部3を参照して、道案内表現として文字列「次の交差点」および「右折」を抽出する(ステップST163)。ここで、「右折」は直接的進行方向を表す道案内表現であるので(ステップST164がYES、かつ、ステップST165もYESの場合)、道案内表現解釈部7が、その道案内表現「右折」を具体的道案内表現として特定する(ステップST167)。
この際、自車位置と、地図データとに基づいて、「次の交差点」を特定し、当該交差点で右折したときの道路情報を地図データを用いて調べた結果が、例えば一方通行で進入禁止である場合には、道案内表現が適格でないと判定される(ステップST168のNOの場合)。また、例えばその交差点を右折すると設定されている経路(ルート)から逸脱する場合にも同様に、道案内表現が適格でないと判定される。この際、道案内表現提示内容取得部9が、道案内表現提示内容記憶部8から、例えば「×」という図形データや、「通行できません」という文字列データや、「経路を逸脱します」という文字列データなどを取得して(ステップST173)、出力する(ステップST172)。
なお、この実施の形態においても、同乗者の発話内容を常に認識するものとしているが、所定の期間(例えば、同乗者が道案内を開始すると、音声認識を行うためのボタンを押下し、そのボタンが押下されている間)のみ音声認識を行うようにしてもよい。また、常に認識するか、所定の期間のみ認識するかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
また、この実施の形態8における道案内表現適格性判定の機能を使用するかしないかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態8によれば、同乗者などの発話者が発話した道案内表現が適格であるか否かを判定し、適格でない場合にはその旨を提示するようにしたので、実施の形態1における効果に加え、発話者の不適格な発話に基づいて提示内容が提示されないだけでなく、運転者は自身が認識した発話内容が不適格であることがわかり、誤った経路を進むことや、交通違反を起こすことを防止することができる。
実施の形態9.
図22は、この発明の実施の形態9によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。なお、実施の形態1〜8で説明したものと同様の構成には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。以下に説明する実施の形態9では、実施の形態7と比べると、経路再設定部15を更に備え、道案内表現適格性判定部14により、設定された経路(ルート)を逸脱するために、提示内容(道案内表現)が適格でないと判定された場合に、当該逸脱した経路を経由地とした目的地への経路を再設定するものである。
経路再設定部15は、道案内表現適格性判定部14により、設定された経路から逸脱するために道案内表現が適格でないと判定された場合に、当該逸脱した経路を経由地とする目的地への経路を再設定する。
図23は、実施の形態9によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
ステップST181〜ST192までの処理については、実施の形態7における図20のフローチャートのステップST141〜ST152とほぼ同じであるため、同一の処理については説明を省略する。そして、この実施の形態9では、道案内表現適格性判定部14が、ステップST188において道案内表現を提示することが適格か否かを判定した際に、適格性があると判定された場合(ステップST188のYESの場合)には、実施の形態7における図20のステップST149〜ST152と同様に、道案内表現に対応する提示内容を検索し(ステップST189)、対応する提示内容が見つかった場合には、その提示内容を取得して出力する(ステップST190〜ST192)。
一方、ステップST188において道案内表現が適格でないと判定された場合(ステップST188のNOの場合)には、実施の形態7では処理を終了するのみであったが、この実施の形態9では、さらに、設定された経路から逸脱するために適格性がないと判定されたのかどうかを判断し(ステップST193)、設定経路から逸脱するためにステップST188において適格でないと判定された場合(ステップST193のYESの場合)には、経路再設定部15が、その逸脱した経路を経由するように目的地への経路を再設定する(ステップST194)。一方、別の理由で適格性がないと判定された場合(ステップST193のNOの場合)には、処理を終了する。
具体的な例を挙げて説明すると、実施の形態7と同様に、例えば、同乗者が「次の交差点を右折して」と発話した場合、音声取得部1がその音声データを取得し(ステップST181)、音声認識部2により「次の交差点を右折して」という認識結果が得られる(ステップST182)。そして、道案内表現抽出部4が、図2に示すような道案内表現記憶部3を参照して、道案内表現として文字列「次の交差点」および「右折」を抽出する(ステップST183)。ここで、「右折」は直接的進行方向を表す道案内表現であるので(ステップST184がYES、かつ、ステップST185もYESの場合)、道案内表現解釈部7が、その道案内表現「右折」を具体的道案内表現として特定する(ステップST187)。
この際、自車位置と、地図データとに基づいて、「次の交差点」を特定し、当該交差点で右折したときの道路情報を地図データを用いて調べた結果が、例えば一方通行で進入禁止である場合には、道案内表現が適格でないと判定される(ステップST188のNOの場合)。そしてさらに、適格でないと判定された理由が、設定経路から逸脱するためであったかどうかが判断され(ステップST188)、NOであるため処理を終了する。一方、ステップST188の判定の際に、例えばその交差点を右折すると設定されている経路(ルート)から逸脱する場合には、ステップST188では同様に道案内表現が適格でないと判定され(ステップST188のNOの場合)、適格でないと判定された理由が、設定経路から逸脱するためであるので(ステップST193のYESの場合)、経路再設定部15が、その逸脱した経路を経由するように目的地への経路を再設定する(ステップST194)。
なお、この実施の形態においても、同乗者の発話内容を常に認識するものとしているが、所定の期間(例えば、同乗者が道案内を開始すると、音声認識を行うためのボタンを押下し、そのボタンが押下されている間)のみ音声認識を行うようにしてもよい。また、常に認識するか、所定の期間のみ認識するかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
また、この実施の形態9における経路再設定の機能を使用するかしないかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態9によれば、同乗者などの発話者が発話した道案内表現が適格であるか否かを判定し、経路を逸脱するために適格でないと判定された場合には、その逸脱した経路を経由するように目的地への経路を再設定するようにしたので、実施の形態1における効果に加え、発話者が経路の変更を意図して道案内をした場合に、不適格と判定されてその意図が反映されないということを防止することができる。
なお、上記の実施の形態7〜9は、実施の形態1におけるナビゲーション装置が、さらに道案内表現適格性判定部14や経路再設定部15を備えるものとして説明したが、実施の形態2におけるナビゲーション装置が、道案内表現適格性判定部14や経路再設定部15を備えるようにしてもよいことは、言うまでもない。
実施の形態10.
図24は、この発明の実施の形態10によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。なお、実施の形態1〜9で説明したものと同様の構成には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。以下に説明する実施の形態10では、実施の形態1と比べると、取り消し/訂正表現記憶部16および取り消し/訂正表現抽出部17を更に備え、提示内容の提示を取り消す旨の表現が抽出された場合は、当該提示内容を出力しないようにし、また、提示内容の提示を訂正する旨の表現が抽出された場合には、訂正後の提示内容を出力するようにしたものである。
取り消し/訂正表現記憶部16は、通常、人が道案内をしていて言い間違えたり、案内を間違えたりした場合に使用すると想定される表現を記憶している。
図25は、取り消し/訂正表現記憶部16の一例を示す図である。この図に示すように、取り消し/訂正表現記憶部16は、例えば、「違う」「違った」「間違えた」などの取り消し表現や、「〜ではなくて」「やめて」などの訂正表現を記憶している。
取り消し/訂正表現抽出部17は、取り消し/訂正表現記憶部16を参照しながら形態素解析を行い、音声認識部2の音声認識結果の文字列から取り消し表現および訂正表現を抽出する。また、訂正表現を抽出した場合には、道案内表現記憶部3を参照して当該表現に続く、すなわち、訂正後の道案内表現も抽出する。
図26は、実施の形態10によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
ステップST201,ST202の処理については、実施の形態1における図4のフローチャートのステップST01,ST02と同じであるため、説明を省略する。そして、この実施の形態10では、ステップST202による音声認識部2の認識結果から、道案内表現抽出部4が道案内表現記憶部3を参照しながら道案内表現を抽出するとともに、取り消し/訂正表現抽出部17が、取り消し/訂正表現記憶部16を参照しながら取り消し/訂正表現を抽出する。この際、取り消し/訂正表現抽出部17により取り消し/訂正表現が抽出されなかった場合(ステップST203のNOの場合)には、このフローチャートとしては処理を終了し、実施の形態1〜9と同じように、道案内表現抽出部4が道案内表現を抽出して提示する処理(ここでは、図示および説明を省略する)を行う。
そして、取り消し/訂正表現抽出部17により、取り消し/訂正表現記憶部16に記憶されている取り消し/訂正表現が抽出された場合(ステップST203のYESの場合)であって、その抽出された取り消し/訂正表現が、例えば「間違えた」などの取り消し表現であった場合(ステップST204のYESの場合)、取り消し訂正表現抽出部17は、提示制御部10に対して、提示内容が視覚的提示内容である場合にはその視覚的提示内容の表示を取り消す旨の通知を行う。すなわち、既に視覚的提示内容が表示されている場合(ステップST205のYESの場合)には、提示制御部10が当該視覚的提示内容の表示をやめる(ステップST206)。また、まだ視覚的提示内容が表示されていない場合(ステップST205のNOの場合)には、何も表示せずに終了する。
一方、取り消し/訂正表現抽出部17により抽出された表現が、例えば「〜ではなくて」のような、取り消し表現ではなくて訂正表現であった場合(ステップST204のNOの場合)には、既に視覚的提示内容が表示されている場合(ステップST207のYESの場合)には、提示制御部10が当該視覚的提示内容の表示をやめる(ステップST208)。また、まだ視覚的提示内容が表示されていない場合(ステップST207のNOの場合)には、そのままステップST209の処理を行う。ステップST209では、取り消し/訂正表現抽出部17が道案内表現記憶部3を参照して、その訂正表現の後に続く道案内表現を抽出する(ステップST209)。そして、当該道案内表現に基づいて道案内表現提示内容取得部9が対応する提示内容を取得し(ステップST210)、提示制御出力部20が、その提示内容を出力する(ステップST211)。
具体的な例を挙げて説明すると、例えば、同乗者が「次の交差点を右折して」と発話した後に「あっ、違った」と発話をした場合、音声取得部1がその音声データを取得し(ステップST201)、音声認識部2により「次の交差点を右折して」および「あっ、違った」という認識結果が得られる(ステップST202)。この際、取り消し/訂正表現抽出部17が、取り消し/訂正表現記憶部16を参照して、取り消し表現として文字列「違った」が抽出される。すなわち、音声認識結果から、取り消し/訂正表現が抽出され(ステップST203のYESの場合)、その抽出された表現が取り消し表現であるので(ステップST204のYESの場合)、「右折」を表す視覚的提示内容が既に表示されている場合(ステップST205のYESの場合)には、その視覚的提示内容の表示をやめる(ステップST206)。また、まだ視覚的提示内容が表示されていなければ(ステップST205のNOの場合)、何も表示せずに処理を終了する。
図27は、取り消し表現が抽出された場合の画面遷移例を示す図である。図27(a)は、ナビゲーション画面31に自車32が三角形で表示されている表示画面と、同乗者により「次の交差点を右折して」と発話された状態を示しており、その発話内容が吹き出し33で示されている。そして、図27(b)は、この際にナビゲーション装置によって実施の形態2で説明した提示内容を出力する処理が行われた結果、図27(a)と同じナビゲーション画面31上に視覚的提示内容として“右矢印の図形データ”34が、右折した後に通過する道路上に表示された状態と、ここで同乗者により「あっ、違った」と発話された状態を示している。なお、この発話内容についても、吹き出し33で示されている。これにより、前述の図26に示すフローチャートの処理のうち、ステップST204〜ST206の処理が行われ、“右矢印の図形データ”34の表示が取り消され(図27(c)参照)、図27(d)に示す状態となる。なお、同乗者による発話内容が「次の交差点を右折して。あっ、違った。」のように一連のものであり、図27(b)に示すような視覚的提示内容が表示される前に、「違った」という取り消し表現が抽出された場合には、何も表示せずに終了する。すなわち、図27(a)から直接、図27(d)の状態に遷移することになり、表示上は何も変化しない。
また、例えば同乗者が「次の交差点を右折・・・ではなくて左折」と発話した場合、取り消し/訂正表現抽出部17により「ではなくて」という訂正表現が抽出される。すなわち、ステップST204のNOの場合であるので、さらに、その「ではなくて」に続く道案内表現として、道案内表現記憶部3を参照することにより「左折」を抽出する(ステップST209)。そして、その「左折」に対応する提示内容を道案内表現提示内容記憶部8を参照することにより取得し(ステップST210)、表示または音声出力する(ステップST211)。
図28は、訂正表現が抽出された場合の画面遷移例を示す図である。図28(a)は、ナビゲーション画面31に自車32が三角形で表示されている表示画面と、同乗者により「次の交差点を右折・・・ではなくて左折」と発話された状態を示しており、その発話内容が吹き出し33で示されている。そして、図28(b)は、この際にナビゲーション装置によって実施の形態2で説明した提示内容を出力する処理が行われた結果、図28(a)と同じナビゲーション画面31上に視覚的提示内容として“右矢印の図形データ”34が、右折した後に通過する道路上に表示された状態を示している。しかしながら、発話内容の中に「ではなくて」という訂正表現が含まれているので、この訂正表現が抽出されることにより、前述の図26に示すフローチャートの処理のうち、ステップST204,ST207〜ST208の処理が行われ、“右矢印の図形データ”34の表示が削除される(図28(c)参照)。さらに、その「ではなくて」に続く道案内表現として「左折」が抽出されることにより、図26に示すフローチャートのステップST209〜ST211の処理が行われ、図28(d)に示すように、「左折」に対応する“左矢印の図形データ”34が表示される。なお、図28(b)に示すような視覚的提示内容が表示される前に、「ではなくて」という訂正表現が抽出された場合には、図28(a)から直接、図28(d)の状態に遷移する。
なお、この実施の形態においても、同乗者の発話内容を常に認識するものとしているが、所定の期間(例えば、同乗者が道案内を開始すると、音声認識を行うためのボタンを押下し、そのボタンが押下されている間)のみ音声認識を行うようにしてもよい。また、常に認識するか、所定の期間のみ認識するかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
また、この実施の形態10においては、取り消すべき視覚的提示内容が既に表示されていた場合には、取り消す(削除する)ものとして説明したが、表示されている視覚的提示内容を取り消すか、当該提示内容と取り消す旨の視覚的提示内容を表示するかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。また、この実施の形態10における取り消し/訂正表現抽出の機能を使用するかしないかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態10によれば、同乗者などの発話者が発話した道案内表現に取り消し/訂正表現が含まれている場合にはそれも抽出するようにしたので、実施の形態1における効果に加え、同乗者などの発話者が誤って案内したことを汲み取り、取り消すべき視覚的提示内容の取り消しや訂正をすることで、運転者が誤った経路を進むことを防止することができる。
なお、上記の実施の形態10は、実施の形態1におけるナビゲーション装置が、さらに取り消し/訂正表現記憶部16や取り消し/訂正表現抽出部17を備えるものとして説明したが、実施の形態2におけるナビゲーション装置が、取り消し/訂正表現記憶部16や取り消し/訂正表現抽出部17を備えるようにしてもよいことは、言うまでもない。
本発明の実施の形態では、車両用のナビゲーション装置として説明したが、この発明のナビゲーション装置は車両用に限らず、人、車両、鉄道、船舶または航空機等を含む移動体用のナビゲーション装置であって、特に車両への持ち込みあるいは車載に適したナビゲーション装置に関するものであり、携帯型ナビゲーション装置等、ユーザと装置との音声対話によりナビゲーションを行うことが可能な装置であれば、どのような形態のものにも適用することができる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
この発明のナビゲーション装置は、ユーザと装置との音声対話によりナビゲーションを行うことが可能な車載用ナビゲーション装置や携帯型ナビゲーション装置に適用することができる。
1 音声取得部、2 音声認識部、3 道案内表現記憶部、4 道案内表現抽出部、5 地図データ記憶部、6 自車位置取得部(位置取得部)、7 道案内表現解釈部、8 道案内表現提示内容記憶部、9 道案内表現提示内容取得部、10 提示制御部、11 外部対象物認識部、12 ジェスチャー認識部、13 矛盾判定部、14 道案内表現適格性判定部、15 経路再設定部、16 取り消し/訂正表現記憶部、17 取り消し/訂正表現抽出部、20 提示制御出力部、21 表示部、22 音声出力部、31 ナビゲーション画面、32 自車マーク、33 吹き出し、34 図形データ、35 交差点の名称、36 赤色の道路、37 道幅の太い道路。
この発明は、ユーザの発話内容を認識してナビゲーションを行うことが可能なナビゲーション装置、方法およびプログラムに関するものである。
一般に、車載用などのナビゲーション装置は、設定された経路を走行中に所定の地点(例えば、進行方向を変更すべき交差点など)が近くなると、音声出力や図形表示などで運転者に対して道案内を行う。
しかし、ナビゲーション装置が予め設定した所定の地点での道案内を行うことはできても、走行中に同乗者が運転者に対して行なっている道案内の内容を、ナビゲーション装置の案内内容として運転者に提示することはできなかった。
このため、運転者が同乗者の道案内を聞き間違えてしまったり、周囲の騒音で聞き逃してしまったりすると、同乗者の道案内どおりに走行できないという問題があった。
このような問題に対し、例えば特許文献1には、音声を常時認識し、認識結果をそのまま文字で画面に表示する音声認識装置が記載されている。
特開2010−204637号公報
しかしながら、上記のような従来のナビゲーション装置では、音声認識した結果を、単にそのまま文字で画面に表示するだけであり、認識結果から道案内表現を抽出して表示する機能がないため、道案内とは関係のない内容も表示されてしまうおそれがあり、また、発話した内容をそのまま文字で表示するだけであるため運転者が直観的に内容を理解しにくいという課題があった。さらに、発話した内容が抽象的で曖昧な表現であったとしてもそのまま文字で表示するだけであるため、運転者が表示された内容を具体的な表現に解釈する必要があり煩わしいという課題もあった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、同乗者が運転者に対して行なった道案内表現のみを抽出し、抽象的な道案内表現を解釈して具体化し、その具体化された内容を直観的に理解しやすいように提示することができるナビゲーション装置、方法およびプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明は、入力された音声を取得する音声取得部と、前記音声取得部により取得された音声データから音声認識処理を行う音声認識部と、移動体の位置を取得する位置取得部を備え、前記音声認識部による認識結果と前記位置取得部により取得された移動体の位置と地図データとに基づいて道案内を行うナビゲーション装置において、道案内表現を記憶する道案内表現記憶部と、前記道案内表現記憶部を参照して、前記音声認識部による認識結果から道案内表現を抽出する道案内表現抽出部と、前記道案内表現抽出部により抽出された道案内表現を解釈して、具体的道案内表現を特定する道案内表現解釈部と、前記具体的道案内表現に対応する視覚的提示内容を、前記具体的道案内表現と対応付けて記憶する道案内表現提示内容記憶部と、前記道案内表現提示内容記憶部を参照して、前記道案内表現解釈部により特定された具体的道案内表現に基づいて、対応する視覚的提示内容を取得する道案内表現提示内容取得部と、前記道案内表現提示内容取得部により取得された視覚的提示内容を出力する提示制御出力部とを備えることを特徴とする。
この発明のナビゲーション装置によれば、同乗者などの発話者が運転者に行なった道案内表現のみを抽出し、抽象的な道案内表現を解釈して具体化し、その具体化された道案内表現に対応する提示内容を出力するようにしたので、運転者が直観的に内容を理解することができ、運転者の聞き間違いを防止し、発話者が意図しない方向に進むことを防止することができる。
実施の形態1によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。 道案内表現記憶部3の一例を示す図である。 提示内容が視覚的提示内容である場合の道案内表現提示内容記憶部8の一例を示す図である。 実施の形態1によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態1において、提示内容が視覚的提示内容である場合にユーザに提示された道案内情報の画面例を示す図である。 実施の形態2によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。 実施の形態2によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態2において、提示内容が視覚的提示内容である場合にユーザに提示された道案内情報の画面の一例を示す図である。 実施の形態2において、提示内容が視覚的提示内容である場合にユーザに提示された道案内情報の画面の他の例を示す図である。 実施の形態3によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態3において、提示内容が視覚的提示内容であって、道案内表現の中に場所を表す道案内表現が含まれている場合に、ユーザに提示された道案内情報の画面例を示す図である。 実施の形態4によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。 実施の形態4における道案内表現記憶部3の一例を示す図である。 実施の形態4によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態5によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。 実施の形態5によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態6によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。 実施の形態6によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態7によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。 実施の形態7によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態8によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態9によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。 実施の形態9によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態10によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。 取り消し/訂正表現記憶部16の一例を示す図である。 実施の形態10によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態10において、取り消し表現が抽出された場合の画面遷移例を示す図である。 実施の形態10において、訂正表現が抽出された場合の画面遷移例を示す図である。
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
この発明は、地図データと自車(移動体)の位置に基づいて道案内を行うナビゲーション装置において、同乗者が運転者に対して行なった道案内表現のみを抽出し、抽象的な道案内表現を解釈して具体化し、その具体化された内容を運転者が直観的に理解しやすいように提示するものである。
図1は、この発明の実施の形態1によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。このナビゲーション装置は、音声取得部1と、音声認識部2と、道案内表現記憶部3と、道案内表現抽出部4と、地図データ記憶部5と、自車位置取得部(位置取得部)6と、道案内表現解釈部7と、道案内表現提示内容記憶部8と、道案内表現提示内容取得部9と、提示制御部10と、表示部21、音声出力部22により構成されている。なお、この提示制御部10と、表示部21および音声出力部22が、提示制御出力部20を構成する。また、図示は省略したが、このナビゲーション装置は、キーやタッチパネル等による入力信号を取得するキー入力部も備えている。
音声取得部1は、マイク等により集音されたユーザ発話、すなわち、入力された音声をA/D変換して、例えばPCM(Pulse Code Modulation)形式で取得する。
音声認識部2は、認識辞書(図示せず)を有し、音声取得部1により取得された音声データから、同乗者などの発話者が発話した内容に該当する音声区間を検出し、特徴量を抽出し、その特徴量に基づいて認識辞書を用いて音声認識処理を行う。なお、音声認識部2は、ネットワーク上の音声認識サーバを使用してもよい。
道案内表現記憶部3は、通常、人が道案内をする際に使用すると想定される表現を記憶している。
図2は、道案内表現記憶部3の一例を示す図である。この図に示すように、道案内表現記憶部3は、例えば、道案内を行うべき道案内地点にある目印を指し示す指示語を表す「あの」「その」「次の」「突き当り」「100メートル先」「200メートル先」など、目印を表す「交差点」「ファミレス」「車」「信号」など、また、進行方向を表す直接的表現として「右折」「右」「左」「西」など、および、進行方向を表す間接的表現として「道なりに」「こっち」などの道案内表現を記憶している。
道案内表現抽出部4は、道案内表現記憶部3を参照しながら形態素解析を行い、音声認識部2の音声認識結果の文字列から道案内表現を抽出する。
地図データ記憶部5は、例えば道路データ、交差点データ、施設データ等の地図データを記憶している。この地図データ記憶部5は、例えばDVD−ROM、ハードディスク、SDカードなどの記憶媒体であってもよいし、ネットワーク上に存在し、通信ネットワークを介して道路データなどの情報を取得できる構成(地図データ取得部)であってもよい。
自車位置取得部(位置取得部)6は、GPS受信機やジャイロスコープなどから取得した情報を用いて、現在の自車(移動体)の位置(経緯度)と進行方向を取得するものである。
道案内表現解釈部7は、道案内表現抽出部4により抽出された道案内表現を取得して、それぞれの道案内表現を解釈して具体的道案内表現を特定する。この実施の形態1では、進行方向を表す道案内表現についてのみ説明する。例えば、抽出された道案内表現の中に「右折」「右に」などの直接的な方向を示す表現が含まれている場合には、それがそのまま具体的な方向を示していると解釈し、「右折」「右に」を具体的道案内表現として特定する。一方、「道なりに」「こっち」などの間接的な方向を示す表現が含まれている場合には、地図データ記憶部5から取得した地図データと、自車位置取得部(位置取得部)6から取得した自車(移動体)の位置および進行方向を用いて、道案内表現の中に含まれていた間接的な方向を示す表現が示す具体的な方向を解釈して、具体的な道案内表現を特定する。例えば、道が斜め右上方向(北東方向)に徐々に曲がって行っている状態であれば、「道なりに」というのは斜め右上に進むことであると解釈し、「斜め右上に」という具体的道案内表現を特定する。
道案内表現提示内容記憶部8は、道案内表現解釈部7で特定された進行方向を表す具体的道案内表現を、当該具体的道案内表現に対応する提示内容(視覚的提示内容または聴覚的提示内容)と対応付けて記憶している。具体的道案内表現に対応する提示内容が視覚的提示内容である場合には、その提示内容は、ナビの表示画面上やダッシュボード上などに、運転者に対して視覚的に提示する内容であり、例えば矢印やその他の方向を指し示す図形、方向を表す文字、地図上の進むべき道を色替えや太さにより強調して提示するものなどである。
図3は、提示内容が視覚的提示内容である場合の道案内表現提示内容記憶部8の一例を示す図である。この図に示すように、例えば、「右折」「右へ」「右に」などの具体的道案内表現に対して、右矢印の図形データ、「右折」「右」などの文字表現(文字列データ)、地図上の右折すべき道の色や道の太さの情報などが記憶されている。なお、この図3では、右折の場合も左折の場合も、また、斜め右上方向の場合にも、道の色や道の太さは同じに設定されているが、道案内表現ごとに異なる色や太さとしてもよい。
また、提示内容が聴覚的提示内容である場合の道案内表現提示内容記憶部8については図示は省略するが、例えば、図2に示すような想定される具体的道案内表現を、それぞれ音声データ(合成音声)として記憶しておく他、「右折」「右へ」「右に」という具体的道案内表現に対して「右折」という音声データ(合成音声)、「左折」「左へ」「左に」という具体的道案内表現に対して「左折」という音声データ(合成音声)、などが記憶されている。
なお、図3に示す例では、進行方向を表す具体的道案内表現についてのみ対応する提示内容が記憶されているが、その他、交差点の名称やレストランの名称など、想定されるすべての具体的道案内表現について、音声データ(合成音声)を記憶しておくようにしてもよい。
道案内表現提示内容取得部9は、道案内表現解釈部7により抽出された具体的道案内表現を検索キーとして、道案内表現提示内容記憶部8を検索し、検索キーと一致する具体的道案内表現に対応する提示内容(視覚的提示内容または聴覚的提示内容)を取得する。
なお、ここでは、提示内容が聴覚的提示内容である場合には、予め合成音声を作成して道案内表現提示内容記憶部8に記憶しておくものとしたが、道案内表現提示内容記憶部8に記憶されている音声データに基づいて、道案内表現提示内容取得部9が合成音声を作成することにより提示内容を取得するようにしてもよい。なお、文字列から合成音声を生成する方法については、公知の方法であるためここでは説明を省略する。
提示制御部10は、道案内表現提示内容取得部9により取得された提示内容を、表示部21または音声出力部22(またはその両方)に出力する。すなわち、その提示内容が視覚的提示内容である場合には、表示部21(例えば、ナビの表示画面上や、ダッシュボート上、フロントガラス上など)に出力し、提示内容が聴覚的提示内容である場合には、音声出力部22(スピーカなど)に出力する。
次に、前述のように構成された実施の形態1によるナビゲーション装置の動作について説明する。図4は、実施の形態1によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
まず初めに、何等かの発話入力があると、音声取得部1が入力された音声を取得し、A/D変換して、例えばPCM形式の音声データとして取得する(ステップST01)。次に、音声取得部1で取得された音声データを音声認識部2が認識する(ステップST02)。そして、道案内表現抽出部4が、音声認識部2の認識結果から、道案内表現記憶部3を参照しながら道案内表現を抽出する(ステップST03)。その後、抽出された道案内表現を、道案内表現解釈部7が解釈して、具体的道案内表現を特定する(ステップST04〜ST11)。
まず、ステップST03において抽出された道案内表現の中に、進行方向を表す道案内表現が含まれているか否かを判断する(ステップST04)。そして、進行方向を表す道案内表現が含まれていなかった場合(ステップST04のNOの場合)には、処理を終了する。一方、含まれていた場合(ステップST04のYESの場合)には、その進行方向を表す道案内表現が、直接的な進行方向を表す道案内表現であるか否かを判断する(ステップST05)。ここで、例えば「道なりに」など、間接的な進行方向を表す道案内表現であった場合(ステップST05のNOの場合)には、その「道なりに」という道案内表現と、地図データと、自車(移動体)の位置および進行方向とに基づいて、具体的にはどの進行方向であるのかを解釈し、具体的道案内表現を特定する(ステップST06)。
一方、ステップST05において、例えば「右折」など、直接的な進行方向を表す道案内表現であった場合(ステップST05のYESの場合)には、「右折」という直接的な進行方向を表す道案内表現を、具体的道案内表現として特定する(ステップST07)。
上記のとおり、ステップST06またはST07において具体的道案内表現が特定された後、道案内表現提示内容取得部9が、道案内表現解釈部7により特定された具体的道案内表現を検索キーとして、道案内表現提示内容記憶部8を検索し、検索キーと一致する具体的道案内表現を検索することにより、その具体的道案内表現に対応する提示内容(視覚的提示内容または聴覚的提示内容)を検索する(ステップST08)。
そして、検索キーと一致する具体的道案内表現が見つかった場合(ステップST09のYESの場合)には、その具体的道案内表現に対応する提示内容(視覚的提示内容または聴覚的提示内容またはその両方)を取得し(ステップST10)、提示制御出力部20が、その提示内容を出力(表示または音声出力またはその両方により出力)する(ステップST11)。一方、検索キーと一致する具体的道案内表現が見つからなかった場合(ステップST09のNOの場合)には、処理を終了する。
具体的な例を挙げて説明すると、例えば、同乗者が「そのまま道なりに進んで」と発話した場合、音声取得部1がその音声データを取得し(ステップST01)、音声認識部2により「そのまま道なりに進んで」という認識結果が得られる(ステップST02)。そして、道案内表現抽出部4が、図2に示すような道案内表現記憶部3を参照して、道案内表現として文字列「道なりに」を抽出する(ステップST03)。その後、道案内表現解釈部7が、文字列「道なりに」は間接的な進行方向を表す道案内表現であると判断し(ステップST04のYES、かつ、ステップST05のNOの場合)、この「道なりに」という道案内表現を「走行している道が曲がっている方向に」であると解釈するとともに、地図データと、自車(移動体)の位置および進行方向とに基づいて、具体的にはどの進行方向であるのかを解釈する。すなわち、そのときの自車(移動体)が位置する道路が、斜め右上方向(北東方向)に徐々に曲がっているような道であり、その方向へ進んでいるとすると、「道なりに」とは「斜め右上に」という具体的道案内表現であると特定する(ステップST06)。
その後、文字列「斜め右上に」を検索キーとして、図3に示すような道案内表現提示内容記憶部8を検索する(ステップST08)。そして、図3の中に「斜め右上に」という具体的道案内表現が見つかるので(ステップST09のYESの場合)、その「斜め右上に」という具体的道案内表現に対応する視覚的提示内容である“斜め右上向きの矢印図形データ”や、聴覚的提示内容である“「斜め右上方向に」という音声データ”または“「北東方向に」という音声データ”を取得する(ステップST10)。そして、取得した提示内容が視覚的提示内容である場合には、表示画面上などに出力し、また、提示内容が聴覚的提示内容である場合には、スピーカから出力する(ステップST11)。なお、両方の提示内容が取得された場合には、表示および音声出力の両方を行う。
図5は、提示内容が視覚的提示内容である場合に、その提示内容を表示画面上に出力してユーザに提示した画面例を示す図である。図5(a)は、ナビゲーション画面31に自車32が三角形で表示されている表示画面と、同乗者により「そのまま道なりに進んで」と発話された状態を示しており、その発話内容が吹き出し33で示されている。そして、図5(b)は、この際にナビゲーション装置によって前述の図4に示すフローチャートの処理が行われた結果、図5(a)と同じナビゲーション画面31上に視覚的提示内容として“斜め右上向きの矢印図形データ”34が表示された状態を示している。
なお、提示内容が視覚的提示内容である場合、図3に示す具体的道案内表現に対応する提示内容として、図形データ以外に文字データもあれば、その文字情報も同時に表示するようにしてもよい。また、いずれの表示とするかをユーザが設定できるようにしてもよい。
また、図5(b)ではちょうど道路上に矢印が表示されている状態を示しているが、表示場所については画面上のどの場所でもよく、固定の表示場所としてもよいし、道路が隠れないような場所に表示されるようにしてもよい。また、ナビゲーション装置の表示画面上ではなく、フロントガラス上であってもよい。さらに、表示画面とフロントガラスなど、出力デバイスが複数ある場合には、提示デバイス特定部をさらに備える構成とし、どの出力デバイスに提示させるかを決定するようにしてもよい。
また、表示させる図形や文字を点滅させたり、右から左へ移動させたり、フェードインさせるように表示するなど、ユーザがより認識しやすい方法で表示させるようにしてもよい。また、いずれの方法で表示するかをユーザが設定できるようにしてもよい。
また、出力する提示内容として、視覚的提示内容のみを表示するか、聴覚的提示内容のみを音声出力するか、両方とも出力するかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
なお、提示内容として視覚的提示内容と聴覚的提示内容の両方が出力される場合には、聴覚的提示内容としては具体的道案内表現に対応する音声データではなく、例えば「ポーン」というような非言語音により注意を促すもの(気づかせるための効果音)としてもよい。また、視覚的提示内容のみが出力される場合に、そのような非言語音の聴覚的提示内容を合わせて出力するような構成としてもよい。
なお、この実施の形態では、同乗者の発話内容を常に認識するものとしているが、所定の期間(例えば、同乗者が道案内を開始すると、音声認識を行うためのボタンを押下し、そのボタンが押下されている間)のみ音声認識を行うようにしてもよい。また、常に認識するか、所定の期間のみ認識するかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態1によれば、同乗者などの発話者が発話した道案内表現のみを抽出し、抽象的な道案内表現を解釈して具体化し、その具体化された道案内表現を矢印などの図形データや文字データなどで視覚的に表示することができるので、運転者が直観的に理解しやすくなり、運転者の聞き間違いを防止し、発話者が意図しない方向に進むことを防止することができる。また、運転者への提示内容が視覚的提示内容ではなくて聴覚的提示内容である場合にも、同乗者などの発話者が発話した道案内表現を具体化した内容を音声で出力することにより、運転者の聞き間違いを防止し、発話者が意図しない方向に進むことを防止することができる。さらに、具体化された道案内表現に対応した視覚的提示内容と聴覚的提示内容の両方を出力することにより、運転者の聞き間違いによって発話者が意図しない方向に進むことを、より一層防止することができる。
実施の形態2.
図6は、この発明の実施の形態2によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。なお、実施の形態1で説明したものと同様の構成には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。以下に示す実施の形態2では、実施の形態1と比べると、道案内表現解釈部7が、具体的道案内表現を特定するだけではなく、道案内を行うべき目印(道案内地点)の名称を提示制御部10に出力したり、提示内容が視覚的提示内容である場合の表示位置(道案内地点の位置)を特定して提示制御部10に出力するものである。
道案内表現解釈部7は、道案内表現抽出部4により抽出された道案内表現を取得して、それぞれの道案内表現を解釈して具体的道案内表現を特定する。この実施の形態2では、実施の形態1と同様に進行方向を表す道案内表現について具体的道案内表現を特定するだけではなく、その他の道案内表現についても説明する。例えば、抽出された道案内表現の中に「その」「あの」「次の」「突き当り」「100メートル先」「200メートル先」などの指示語が含まれている場合には、地図データ記憶部5から取得した地図データと、自車位置取得部(位置取得部)6から取得した自車(移動体)の位置および進行方向を用いて、道案内表現の中に含まれていた指示語が指し示す目印や場所(道案内を行うべき道案内地点)を解釈して、その道案内地点の名称と位置を特定する。例えば、道案内表現抽出部4により抽出された「次の」「交差点」という道案内表現から、地図データと自車(移動体)の位置と進行方向を用いてどの交差点であるかを解釈し、「本町一丁目交差点」という具体的道案内表現とその位置を特定したり、「その」「ファミレス」という道案内表現から、地図データと自車(移動体)の位置と進行方向を用いてどのファミレスであるかを解釈し、「レストラン○○」という具体的道案内表現とその位置を特定する。また、例えば「突き当り」や「200メートル先」という指示語のみの(目印を表す道案内表現を含まない)道案内表現から、地図データと自車(移動体)の位置と進行方向を用いて、その道案内地点がどこであるかを解釈し、「本町一丁目交差点」という具体的道案内表現と位置を特定する。そして、具体的道案内表現については道案内表現提示内容取得部9に出力し、位置については提示制御部10に出力する。また、実施の形態1における道案内表現解釈部7と同様に、例えば、抽出された道案内表現の中に「右折」「右に」などの直接的な方向を示す表現が含まれている場合には、そのままであると解釈し、「右折」「右に」を具体的道案内表現として特定する。一方、「道なりに」「こっち」などの間接的な方向を示す表現が含まれている場合には、地図データ記憶部5から取得した地図データと、自車位置取得部(位置取得部)6から取得した自車(移動体)の位置および進行方向を用いて、道案内表現の中に含まれていた間接的な方向を示す表現が示す具体的な方向を解釈して、具体的な道案内表現を特定する。例えば、道が斜め右上方向(北東方向)に徐々に曲がって行っている状態であれば、「道なりに」というのは斜め右上に進むことであると解釈し、「斜め右上に」という具体的道案内表現を特定する。
提示内容が視覚的提示内容である場合の道案内表現提示内容記憶部8の一例を示す図としては、実施の形態1の図3と同じである。ただし、図3に示す例では、進行方向を表す具体的道案内表現についてのみ対応する提示内容が記憶されているが、この実施の形態2では、図3に示すような進行方向を表す具体的道案内表現以外に、交差点の名称やレストランの名称など、想定されるすべての具体的道案内表現について、音声データ(合成音声)を記憶しておくようにしてもよい。
提示制御部10は、道案内表現提示内容取得部9により取得された提示内容を、表示部21または音声出力部22(またはその両方)に出力する際に、提示内容が視覚的提示内容である場合には、道案内表現解釈部7により特定された道案内地点の位置にその提示内容を表示する。
次に、前述のように構成された実施の形態2によるナビゲーション装置の動作について説明する。図7は、実施の形態1によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
ステップST21〜ST26までの処理については、実施の形態1における図4のフローチャートのステップST01〜ST06と同じであるため、説明を省略する。そして、この実施の形態2では、ステップST25において、例えば「右折」など、直接的な進行方向を表す道案内表現であった場合(ステップST25のYESの場合)には、さらに、目印を指示または表す道案内表現があるか否かを判断する(ステップST27)。ここで、目印を指示または表す道案内表現がない場合(ステップST27のNOの場合)には、「右折」という直接的な進行方向を表す道案内表現を、具体的道案内表現として特定する(ステップST28)。その後の、ステップST32〜ST37の処理については、後述する。
一方、例えば「次の」など、目印を指示する道案内表現や、例えば「交差点」など、目印を表す道案内表現があった場合(ステップST27のYESの場合)には、さらにその目印を指示または表す道案内表現により目印である道案内地点の特定が可能か否かを判断する(ステップST29)。ここで、例えば「交差点」など、目印を表す道案内表現がある場合には、「次の」「交差点」という道案内表現と、地図データと、自車(移動体)の位置および進行方向とに基づいて、目印である道案内地点を特定することが可能である。また、目印を表す道案内表現がない場合であっても、例えば「突き当り」や「200メートル先」などの指示語の道案内表現のみで、地図データと、自車(移動体)の位置および進行方向とに基づいて、その指示語が指し示す道案内地点を特定することが可能である。このように、目印である道案内地点の特定が可能な場合(ステップST29のYESの場合)には、その道案内地点の名称と位置を取得する(ステップST30)。そして、取得された道案内地点の名称と、ステップST25において直接的な進行方向を表す道案内表現と判断された道案内表現とを、具体的道案内表現として特定する(ステップST31)。その後の、ステップST32〜ST37の処理については、後述する。
また、ステップST29において、道案内地点の特定ができなかった場合(ステップST29のNOの場合)には、ステップST25において直接的な進行方向を表す道案内表現と判断された道案内表現を、具体的道案内表現として特定する(ステップST28)。その後の、ステップST32〜ST37の処理について、以下に示す。
上記のとおり、ステップST26,ST28,ST31のいずれかにおいて具体的道案内表現が特定された後には、道案内表現提示内容取得部9が、道案内表現解釈部7により特定された具体的道案内表現を検索キーとして、道案内表現提示内容記憶部8を検索し、検索キーと一致する具体的道案内表現を検索することにより、その具体的道案内表現に対応する提示内容(視覚的提示内容または聴覚的提示内容)を検索する(ステップST32)。
そして、検索キーと一致する具体的道案内表現が見つかった場合(ステップST33のYESの場合)には、その具体的道案内表現に対応する提示内容(視覚的提示内容または聴覚的提示内容またはその両方)を取得する(ステップST34)。さらに、取得した提示内容が視覚的提示内容であり、かつ、ステップST30において道案内地点の位置を取得している場合(ステップST35のYESの場合)には、提示制御出力部20が、その視覚的提示内容を、その取得された位置に表示する(ステップST36)。一方、ステップST35において取得された提示内容が聴覚的提示内容であるか、または、ステップST30の道案内地点の位置を取得する処理を経由していない場合には、ステップST34で取得された提示内容を出力(表示または音声出力またはその両方により出力)する(ステップST37)。また、検索キーと一致する具体的道案内表現が見つからなかった場合(ステップST33のNOの場合)には、処理を終了する。
具体的な例を挙げて説明すると、例えば、同乗者が「次の交差点を右折して」と発話した場合、音声取得部1がその音声データを取得し(ステップST21)、音声認識部2により「次の交差点を右折して」という認識結果が得られる(ステップST22)。そして、道案内表現抽出部4が、図2に示すような道案内表現記憶部3を参照して、道案内表現として文字列「次の」「交差点」「右折」を抽出する(ステップST23)。その後、道案内表現解釈部7が、文字列「右折」は直接的な進行方向を表す道案内表現であると判断し(ステップST24のYES、かつ、ステップST25のYESの場合)、さらに目印を指示する道案内表現があるか否かを判断する(ステップST27)。ここで、「次の」および「交差点」という目印を指示または表す道案内表現があり(ステップST27のYESの場合)、かつ、「次の」「交差点」という道案内表現と、地図データと、自車(移動体)の位置および進行方向とに基づいて、具体的にはどの交差点のことであるのかという道案内地点を特定することができるので(ステップST29のYESの場合)、その道案内地点を解釈して特定する。すなわち、「次の」「交差点」が意味する道案内地点は「本町一丁目交差点」であるということを解釈し、その名称「本町一丁目交差点」とその位置を取得する(ステップST30)。そして、取得された道案内地点の「本町一丁目交差点」という名称と、進行方向を表す道案内表現「右折」とを、具体的道案内表現として特定する(ステップST31)。
その後、文字列「右折」を検索キーとして、図3に示すような道案内表現提示内容記憶部8を検索する(ステップST32)。そして、道案内表現提示内容記憶部8の中に「右折」という具体的道案内表現が見つかるので(ステップST33のYESの場合)、その「右折」という具体的道案内表現に対応する視覚的提示内容である“右矢印の図形データ”や“「右折」という文字データ”、聴覚的提示内容である“「右折」という音声データ”を取得する。また、道案内表現提示内容記憶部8の中に、「本町一丁目交差点」という交差点の名称に対応する音声データが記憶されている場合には、それを取得することもできる(ステップST34)。そして、取得した提示内容が視覚的提示内容である場合には、ステップST30において道案内地点である「本町一丁目交差点」の位置も取得しているので(ステップST35のYESの場合)、表示画面上の「本町一丁目交差点」の位置に、視覚的提示内容である“右矢印の図形データ”や“「右折」という文字データ”を出力する(ステップST36)。また、提示内容が聴覚的提示内容である場合には、その音声データをスピーカから出力する(ステップST37)。なお、両方の提示内容が取得された場合には、表示および音声出力の両方を行う。
図8は、提示内容が視覚的提示内容である場合に、その提示内容を表示画面上に出力してユーザに提示した画面の一例を示す図である。図8(a)は、ナビゲーション画面31に自車32が三角形で表示されている表示画面と、同乗者により「次の交差点を右折して」と発話された状態を示しており、その発話内容が吹き出し33で示されている。なお、2つの交差点の名称35はそれぞれ下から、「本町一丁目交差点」、「本町二丁目交差点」である。そして、図8(b)は、この際にナビゲーション装置によって前述の図7に示すフローチャートの処理が行われた結果、図8(a)と同じナビゲーション画面31上に視覚的提示内容として“右矢印の図形データ”34が、「本町一丁目交差点」の位置に表示された状態を示している。
また、図9は、提示内容が視覚的提示内容である場合に、その提示内容を表示画面上に出力してユーザに提示した画面の他の例を示す図である。図9(a)は、ナビゲーション画面31に自車32が三角形で表示されている表示画面と、同乗者により「突き当りを右折して」と発話された状態を示しており、その発話内容が吹き出し33で示されている。なお、2つの交差点の名称35はそれぞれ下から、「本町一丁目交差点」、「本町二丁目交差点」である。そして、図9(b)は、この際にナビゲーション装置によって前述の図7に示すフローチャートの処理が行われた結果、図9(a)と同じナビゲーション画面31上に視覚的提示内容として“右矢印の図形データ”34が、突き当りの「本町二丁目交差点」の位置に表示された状態を示している。
なお、提示内容が視覚的提示内容である場合、図3に示す具体的道案内表現に対応する提示内容として、図形データ以外に文字データもあれば、その文字情報も同時に表示するようにしてもよい。また、いずれの表示とするかをユーザが設定できるようにしてもよい。さらに、特定された道案内地点の名称も、表示するようにしてもよい。
また、提示内容が視覚的提示内容であっても、ステップST30の道案内地点の位置を取得する処理を経由していない場合には、表示場所については画面上のどの場所でもよく、固定の表示場所としてもよいし、道路が隠れないような場所に表示されるようにしてもよい。また、ナビゲーション装置の表示画面上ではなく、フロントガラス上であってもよい。さらに、表示画面とフロントガラスなど、出力デバイスが複数ある場合には、提示デバイス特定部をさらに備える構成とし、どの出力デバイスに提示させるかを決定するようにしてもよい。
また、表示させる図形や文字を点滅させたり、右から左へ移動させたり、フェードインさせるように表示するなど、ユーザがより認識しやすい方法で表示させるようにしてもよい。また、いずれの方法で表示するかをユーザが設定できるようにしてもよい。
また、出力する提示内容として、視覚的提示内容のみを表示するか、聴覚的提示内容のみを音声出力するか、両方とも出力するかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
なお、提示内容として視覚的提示内容と聴覚的提示内容の両方が出力される場合には、聴覚的提示内容としては具体的道案内表現に対応する音声データではなく、例えば「ポーン」というような非言語音により注意を促すもの(気づかせるための効果音)としてもよい。また、視覚的提示内容のみが出力される場合に、そのような非言語音の聴覚的提示内容を合わせて出力するような構成としてもよい。
また、聴覚的提示内容のみが出力される場合には、例えば、「本町一丁目交差点、右折」のように、道案内表現解釈部7により特定された道案内地点の名称と具体的な進行方向との両方の音声データを続けて出力するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、同乗者の発話内容を常に認識するものとしているが、所定の期間(例えば、同乗者が道案内を開始すると、音声認識を行うためのボタンを押下し、そのボタンが押下されている間)のみ音声認識を行うようにしてもよい。また、常に認識するか、所定の期間のみ認識するかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態2によれば、同乗者などの発話者が発話した道案内表現のみを抽出し、抽象的な道案内表現を解釈して具体化し、その具体化された道案内表現を矢印などの図形データや文字データなどで視覚的に、道案内地点の位置に表示することができるので、運転者が直観的に理解しやすくなり、運転者の聞き間違いを防止し、発話者が意図しない方向に進むことを防止することができる。また、運転者への提示内容が視覚的提示内容ではなくて聴覚的提示内容である場合にも、同乗者などの発話者が発話した道案内表現を具体化した内容を、道案内地点の名称とともに音声で出力することにより、運転者の聞き間違いを防止し、発話者が意図しない方向に進むことを防止することができる。さらに、具体化された道案内表現に対応した視覚的提示内容と聴覚的提示内容の両方を出力することにより、運転者の聞き間違いによって発話者が意図しない方向に進むことを、より一層防止することができる。
実施の形態3.
この発明の実施の形態3によるナビゲーション装置のブロック図については、実施の形態2における図6と同じであるので、図示および説明を省略する。以下に示す実施の形態3では、実施の形態2のナビゲーション装置において、現在設定されている経路(ルート)情報を考慮して、道案内表現に含まれる指示語が指し示す目印を特定するものである。
図10は、実施の形態3によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
このフローチャートのステップST50以外のステップST41〜ST49およびステップST51〜ST57までの処理については、実施の形態2における図7のフローチャートのステップST21〜ST29およびステップST31〜ST37と同じであるため、説明を省略する。
そして、この実施の形態3では、ステップST47において、例えば「次の」「交差点」など、目印を指示または表す道案内表現があった場合(ステップST47のYESの場合)に、それら「次の」「交差点」という道案内表現と、地図データと、自車(移動体)の位置および進行方向とに基づいて、具体的にはどの交差点のことであるのかという道案内地点を特定することができるので(ステップST49のYESの場合)、その道案内地点を解釈して特定する。この際、現在設定されている経路(ルート)情報も考慮して、道案内地点の名称と位置を取得する(ステップST50)。
一方、ステップST49において、道案内地点の特定ができなかった場合(ステップST49のNOの場合)には、ステップST45において直接的な進行方向を表す道案内表現と判断された道案内表現を、具体的道案内表現として特定する(ステップST48)。
具体的な例として、例えば、同乗者が「次の交差点を右折して」と発話した場合について、図11を参照しながら説明する。図11は、提示内容が視覚的提示内容であって、道案内表現の中に場所を表す道案内表現が含まれている場合に、その提示内容を表示画面上に出力してユーザに提示した画面例を示す図である。図11(a)は、図8(a)と同じ図であり、ナビゲーション画面31に自車32が三角形で表示されている表示画面と、同乗者により「次の交差点を右折して」と発話された状態を示しており、その発話内容が吹き出し33で示されている。なお、2つの交差点の名称35はそれぞれ下から、「本町一丁目交差点」、「本町二丁目交差点」であり、この時の設定経路(ルート)を矢印36で示している。そして、図11(b)は、この際にナビゲーション装置によって前述の図10に示すフローチャートの処理が行われた結果、図11(a)と同じナビゲーション画面31上に視覚的提示内容として“右矢印の図形データ”34が、設定経路(ルート)情報も考慮して「本町二丁目交差点」の位置に表示された状態を示している。
すなわち、実施の形態2では、道案内表現解釈部7は、「次の」「○○」(例えば「交差点」)という表現を取得した場合、現在の自車(移動体)の位置から進行方向を向いた場合における最も近い「○○」(交差点)を指し示すと解釈したが、この実施の形態3の場合には、経路(ルート)として設定されている「次の」「○○」(交差点)であると解釈する。これにより、「○○」(交差点)が近距離に連続して存在するような場合であっても、道案内表現解釈部7は「次の」が指し示す「○○」(交差点)を、正確に「本町二丁目交差点」であると特定することができる。
なお、提示内容が視覚的提示内容である場合、図3に示す具体的道案内表現に対応する提示内容として、図形データ以外に文字データもあれば、その文字情報も同時に表示するようにしてもよい。また、いずれの表示とするかをユーザが設定できるようにしてもよい。さらに、特定された道案内地点の名称も、表示するようにしてもよい。
また、提示内容が視覚的提示内容であっても、ステップST50の道案内地点の位置を取得する処理を経由していない場合には、表示場所については画面上のどの場所でもよく、固定の表示場所としてもよいし、道路が隠れないような場所に表示されるようにしてもよい。また、ナビゲーション装置の表示画面上ではなく、フロントガラス上であってもよい。さらに、表示画面とフロントガラスなど、出力デバイスが複数ある場合には、提示デバイス特定部をさらに備える構成とし、どの出力デバイスに提示させるかを決定するようにしてもよい。
また、表示させる図形や文字を点滅させたり、右から左へ移動させたり、フェードインさせるように表示するなど、ユーザがより認識しやすい方法で表示させるようにしてもよい。また、いずれの方法で表示するかをユーザが設定できるようにしてもよい。
また、出力する提示内容として、視覚的提示内容のみを表示するか、聴覚的提示内容のみを音声出力するか、両方とも出力するかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
なお、提示内容として視覚的提示内容と聴覚的提示内容の両方が出力される場合には、聴覚的提示内容としては具体的道案内表現に対応する音声データではなく、例えば「ポーン」というような非言語音により注意を促すもの(気づかせるための効果音)としてもよい。また、視覚的提示内容のみが出力される場合に、そのような非言語音の聴覚的提示内容を合わせて出力するような構成としてもよい。
また、聴覚的提示内容のみが出力される場合には、例えば、「本町二丁目交差点、右折」のように、道案内表現解釈部7により特定された道案内地点の名称と具体的な進行方向との両方の音声データを続けて出力するようにしてもよい。
なお、この実施の形態においても、同乗者の発話内容を常に認識するものとしているが、所定の期間(例えば、同乗者が道案内を開始すると、音声認識を行うためのボタンを押下し、そのボタンが押下されている間)のみ音声認識を行うようにしてもよい。また、常に認識するか、所定の期間のみ認識するかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
また、この実施の形態3における設定経路(ルート)情報を考慮する機能を使用するかしないかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態3によれば、実施の形態2と同様の効果に加え、現在設定されている経路(ルート)を考慮して、同乗者などの発話者が発話した抽象的な道案内表現で示された地点から、より正確に具体的な道案内地点の位置を特定して表示することができるので、運転者の聞き間違いや勘違いを防止し、発話者が意図しない方向に進むことを、より一層防止することができる。
実施の形態4.
図12は、この発明の実施の形態4によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。なお、実施の形態1〜3で説明したものと同様の構成には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。以下に示す実施の形態4では、実施の形態3と比べると、外部対象物認識部11が示されており、道案内表現解釈部7が、外部対象物認識部11により出力された対象物に関する情報を用いて、道案内表現抽出部4により抽出された目印に関する道案内表現の内容を解釈するものである。
外部対象物認識部11は、例えばカメラなどのセンサにより取得された情報を解析して、周囲の対象物(例えば車やランドマークなどの対象物)を認識し、その対象物の特徴やその対象物までの距離を出力する。なお、カメラなどのセンサにより取得された画像を解析して対象物を認識する方法や、その対象物までの距離を計測する方法は公知であるため、ここでは説明を省略する。
また、図13は、この実施の形態4における道案内表現記憶部3の一例を示す図である。この図に示すとおり、この道案内表現記憶部3は、例えば「赤い」「白い」「背の高い」「大きい」「丸い」など、周囲の対象物の色や外観など、その対象物に関する付加情報を有している。
図14は、実施の形態4によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
このフローチャートのステップST69〜ST71以外のステップST61〜ST68およびステップST72〜ST78までの処理については、実施の形態2における図7のフローチャートのステップST21〜ST28およびステップST31〜ST37と同じであるため、説明を省略する。
そして、この実施の形態4では、ステップST67において、例えば「あの」「車」など、目印を指示または表す道案内表現があった場合(ステップST67のYESの場合)には、外部対象物認識部11により周囲(外部)の対象物を認識し、その対象物の特徴を出力する(ステップST69)。さらに、道案内表現解釈部7が、ステップST63で道案内表現抽出部4により抽出された道案内表現と、外部対象物認識部11により認識された対象物とが一致するか否かを判断する(ステップST70)。ここで、一致する場合(ステップST70のYESの場合)には、外部対象物認識部11により出力された対象物までの距離を公知の方法により取得し、その距離情報と、地図データと、自車(移動体)の位置および進行方向とに基づいて、目印となる対象物、すなわち、道案内を行うべき道案内地点を特定し、その名称と位置を取得する(ステップST71)。
一方、ステップST70において、一致しないと判断された場合(ステップST70のNOの場合)には、ステップST65において直接的な進行方向を表す道案内表現と判断された道案内表現を、具体的道案内表現として特定する(ステップST68)。
具体的な例を挙げて説明すると、例えば、自車(移動体)の前方で赤い車が交差点を右折しようとしているときに、同乗者が「あの赤い車が曲がったところを右折して」と発話したとする。この場合、音声取得部1がその音声データを取得し(ステップST61)、音声認識部2により「あの赤い車が曲がったところを右折して」という認識結果が得られる(ステップST62)。そして、道案内表現抽出部4が、図13に示すような道案内表現記憶部3を参照して、道案内表現として文字列「あの」「赤い」「車」「右折」などを抽出する(ステップST63)。この結果、ステップST64,ST65,ST67の判断はすべてYESであるので、カメラなどの外部対象物認識部11により周囲の対象物を認識し、その対象物の特徴を出力する(ステップST69)。さらに、ステップST63で抽出された道案内表現と、ステップST69で外部対象物認識部11により認識された対象物とが一致するか否かを判断する(ステップST70)。ここで、ステップST69では、カメラにより取得された画像が公知の技術で解析され、自車(移動体)の前方の対象物が「車」であり、その車の色が「赤い」ことが認識される。一方、同乗者の発話内容としては、目印を表す道案内表現「車」、付加情報を表す道案内表現「赤い」が抽出されている。したがって、画像分析により認識された対象物の内容と、道案内表現抽出部4により抽出された道案内表現とが一致するので(ステップST70のYESの場合)、発話内容の「赤い車」は、自車(移動体)の前方の車であると特定され、カメラにより取得された赤い車(対象物)までの距離を公知の方法により取得し、その赤い車が曲がった位置(道案内を行うべき道案内地点)を取得する(ステップST71)。そして、その道案内地点の名称と、進行方向を表す道案内表現「右折」を具体的道案内表現として特定し(ステップST72)、赤い車が曲がった表示画面上の位置に、例えば“右矢印の図形データ”が表示される(ステップST73〜ST78)。
なお、この実施の形態においても、同乗者の発話内容を常に認識するものとしているが、所定の期間(例えば、同乗者が道案内を開始すると、音声認識を行うためのボタンを押下し、そのボタンが押下されている間)のみ音声認識を行うようにしてもよい。また、常に認識するか、所定の期間のみ認識するかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
また、この実施の形態4における周囲(外部)対象物を認識する機能を使用するかしないかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態4によれば、同乗者などの発話者が発話した道案内表現が、周囲(外部)の対象物に関するものであったとしても、その指示内容を解釈して提示するようにしたので、発話者の多様な道案内表現に対応することができ、発話者が意図しない方向に進むことを防止することができる。
実施の形態5.
図15は、この発明の実施の形態5によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。なお、実施の形態1〜4で説明したものと同様の構成には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。以下に説明する実施の形態5では、実施の形態1と比べると、ジェスチャー認識部12を更に備え、同乗者などの発話者による情報にジェスチャーも含まれていた場合に、道案内表現解釈部7が、道案内表現抽出部4により抽出された道案内表現を、ジェスチャー認識部12によるジェスチャーの認識結果に基づいて解釈して、同乗者が意図する進行方向を表す具体的道案内表現を特定するものである。
図16は、実施の形態5によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
ステップST81〜ST83までの処理、および、ステップST87〜ST90までの処理については、実施の形態1における図4のフローチャートのステップST01〜ST03、および、ステップST08〜ST11と同じであるため、説明を省略する。そして、この実施の形態5では、このステップST81〜ST83の処理と並行して、同乗者によるジェスチャー入力があると、ジェスチャー認識部12が、例えば同乗者が発話した方向を指し示すジェスチャーを認識し、その方向を特定して出力する(ステップST84)。なお、ジェスチャーを認識し、指示された方向を特定する方法は公知であるため、ここでは説明を省略する。
その後、ステップST83において抽出された道案内表現の中に進行方向を表す道案内表現が含まれているか、または、ステップST84において認識されたジェスチャーが進行方向を表すジェスチャーであるかを判断する(ステップST85)。そして、進行方向を表す道案内表現が含まれておらず、かつ、進行方向を表すジェスチャーでなかった場合(ステップST85のNOの場合)には、処理を終了する。一方、進行方向を表す道案内表現またはジェスチャーがある場合(ステップST85のYESの場合)には、道案内表現解釈部7が、ステップST84においてジェスチャー認識部12により出力されたジェスチャーと、自車(移動体)の進行方向とに基づいて、ステップST83において道案内表現抽出部4により抽出された進行方向を表す道案内表現を解釈し、具体的道案内表現を特定する(ステップST86)。
具体的な例を挙げて説明すると、例えば、同乗者が「こっちに曲がって」と発話しながら、指で右方向を指し示すジェスチャーをした場合、音声取得部1がその音声データを取得し(ステップST81)、音声認識部2により「こっちに曲がって」という認識結果が得られる(ステップST82)。そして、道案内表現抽出部4が、図2に示すような道案内表現記憶部3を参照して、道案内表現として文字列「こっち」を抽出する(ステップST83)。また、ジェスチャー認識部12が、指で指し示した右方向のジェスチャーを認識する(ステップST84)。ここで、ジェスチャーが指し示す方向から求められる方位角が90度であり、自車位置取得部(位置取得部)6により取得された自車(移動体)の進行方向から求められる方位角が45度であったとすると、道案内表現解釈部7は、90度−45度>0から、進行方向を表す間接的な道案内表現「こっち」が「右」であると特定する。すなわち、道案内表現解釈部7が、進行方向を表す文字列「こっち」と、進行方向を表す右方向のジェスチャーと、自車(移動体)の進行方向とから、「右」という具体的道案内表現を特定する(ステップST85〜ST86)。
なお、この実施の形態においても、同乗者の発話内容を常に認識するものとしているが、所定の期間(例えば、同乗者が道案内を開始すると、音声認識を行うためのボタンを押下し、そのボタンが押下されている間)のみ音声認識を行うようにしてもよい。また、常に認識するか、所定の期間のみ認識するかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
また、この実施の形態5におけるジェスチャー認識の機能を使用するかしないかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態5によれば、同乗者などの発話者が発話した道案内表現が抽象的な道案内表現であって、かつ、地図データや自車(移動体)の位置から具体的な内容を解釈できない場合であっても、ジェスチャー認識の結果と対応付けることにより、具体的な道案内表現を特定することができるので、発話者が意図しない方向に進むことを防止することができる。
実施の形態6.
図17は、この発明の実施の形態6によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。なお、実施の形態1〜5で説明したものと同様の構成には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。以下に説明する実施の形態6では、実施の形態5と比べると、矛盾判定部13を更に備え、同乗者などの発話者による発話内容から抽出された道案内表現と、ジェスチャー認識の結果が矛盾する場合には、道案内表現解釈部7において判断された結果に基づいて道案内表現の内容を特定するものである。
図18は、実施の形態6によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
ステップST101〜ST105までの処理、および、ステップST109〜ST112までの処理については、実施の形態5における図16のフローチャートのステップST81〜ST85、および、ステップST87〜ST90と同じであるため、説明を省略する。そして、この実施の形態6では、ステップST103で抽出された道案内表現と、ステップST104で認識されたジェスチャーの認識結果とが一致するかどうかを判断する(ステップST106)。一致する場合(ステップST106のYESの場合)には、進行方向を表す道案内表現(=進行方向を表すジェスチャー)を具体的道案内表現として特定する(ステップST107)。
一方、ステップST106の判断において、道案内表現とジェスチャー認識の結果とが一致しない場合(ステップST106のNOの場合)には、道案内表現解釈部7における所定の規則にしたがって、具体的道案内表現を特定する(ステップST108)。この道案内表現解釈部7における所定の規則とは、例えば、同乗者が言い間違えることの方が、ジェスチャーで間違った方向を指し示すことよりも多いという統計に基づいて、「結果が矛盾する場合にはジェスチャー認識の結果を採択する」という規則や、「経路(ルート)設定がされている場合には、その設定経路(ルート)に合致する方を採択する」という規則など、予め設定しておけばよい。
具体的な例を挙げて説明すると、例えば、同乗者が「次の交差点を右に曲がって」と発話しながら、指で左方向を指し示すジェスチャーをした場合、音声取得部1がその音声データを取得し(ステップST101)、音声認識部2により「次の交差点を右に曲がって」という認識結果が得られる(ステップST102)。そして、道案内表現抽出部4が、図2に示すような道案内表現記憶部3を参照して、道案内表現として文字列「次の」「交差点」「右」を抽出する(ステップST103)。また、ジェスチャー認識部12が、指で指し示した左方向のジェスチャーを認識する(ステップST104)。この場合、ステップST103で抽出された道案内表現「右」と、ステップST104で認識されたジェスチャー「左」とが一致するか否かが判断される(ステップST105〜ST106)。
この例の場合には、一致しないので(ステップST106のNOの場合)、例えば、経路(ルート)設定がされている場合には、その設定経路(ルート)に合致する方を採用したり、また、経路(ルート)設定がされていない場合には、ジェスチャー認識の結果を採用するなど、予め定めておいた所定の規則にしたがって、道案内表現解釈部7が、具体的道案内表現を特定する。ここでは、「結果が矛盾する場合にはジェスチャー認識の結果を採択する」という規則が設定されていることとすると、その規則にしたがって、ジェスチャー認識の結果である「左」が具体的道案内表現として特定される(ステップST108)。
以上のように、この実施の形態6によれば、同乗者などの発話者が発話した道案内表現と、その同乗者によるジェスチャーの認識結果とが矛盾する場合であっても、道案内表現解釈部7における所定の規則にしたがって採択されるようにしたため、同乗者の言い間違いやジェスチャーの間違いにより、誤った方向に進むことを防止することができる。
なお、上記の実施の形態5〜6は、実施の形態1におけるナビゲーション装置が、さらにジェスチャー認識部12や矛盾判定部13を備えるものとして説明したが、実施の形態2におけるナビゲーション装置が、ジェスチャー認識部12や矛盾判定部13を備えるようにしてもよいことは、言うまでもない。
実施の形態7.
図19は、この発明の実施の形態7によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。なお、実施の形態1〜6で説明したものと同様の構成には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。以下に説明する実施の形態7では、実施の形態1と比べると、道案内表現適格性判定部14を更に備え、提示内容が適格であるか否かを判定してから道案内表現を提示するものである。
道案内表現適格性判定部14は、提示内容を提示してよいかどうかの適格性を判定する。ここで、適格性とは、例えば、発話者により指示された方向へ車両が通行できるか否かや、当該指示された方向へ進行した場合に設定された経路(ルート)を逸脱しないか否かなどをいう。
図20は、実施の形態7によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
ステップST141〜ST147までの処理については、実施の形態1における図4のフローチャートのステップST01〜ST07と同じであるため、説明を省略する。そして、この実施の形態7では、道案内表現適格性判定部14が、ステップST143で道案内表現抽出部により抽出された道案内表現と、自車位置取得部(位置取得部)6により取得された自車位置(移動体の位置)と、地図データ記憶部5に記憶されている地図データとに基づいて、道案内表現を提示することが適格か否かを判定する(ステップST148)。この際、適格性があると判定された場合(ステップST148のYESの場合)には、実施の形態1における図4のステップST08〜ST11と同様に、道案内表現に対応する提示内容を検索し(ステップST149)、対応する提示内容が見つかった場合には、その提示内容を取得して出力する(ステップST150〜ST152)。
一方、ステップST148において適格性がないと判定された場合(ステップST148のNOの場合)には、処理を終了する。
具体的な例を挙げて説明すると、例えば、同乗者が「次の交差点を右折して」と発話した場合、音声取得部1がその音声データを取得し(ステップST141)、音声認識部2により「次の交差点を右折して」という認識結果が得られる(ステップST142)。そして、道案内表現抽出部4が、図2に示すような道案内表現記憶部3を参照して、道案内表現として文字列「次の交差点」および「右折」を抽出する(ステップST143)。ここで、「右折」は直接的進行方向を表す道案内表現であるので(ステップST144がYES、かつ、ステップST145もYESの場合)、道案内表現解釈部7が、その道案内表現「右折」を具体的道案内表現として特定する(ステップST147)。
この際、自車位置と、地図データとに基づいて、「次の交差点」を特定し、当該交差点で右折したときの道路情報を地図データを用いて調べた結果が、例えば一方通行で進入禁止である場合には、道案内表現が適格でないと判定され(ステップST148のNOの場合)、処理を終了する。また、例えばその交差点を右折すると設定されている経路(ルート)から逸脱する場合にも同様に、道案内表現が適格でないと判定される。
一方、道案内表現が適格であると判定された場合(ステップST148のYESの場合)には、実施の形態1のステップST08〜ST11の処理と同様の処理(ステップST149〜ST152)を行い、 “右矢印の図形データ”や“「右折」の文字列データ”、“道の色を赤にする”や“道の太さを○○ドットにする”といった情報、または、聴覚的提示内容である“「右折」という音声データ”を出力する。
なお、この実施の形態においても、同乗者の発話内容を常に認識するものとしているが、所定の期間(例えば、同乗者が道案内を開始すると、音声認識を行うためのボタンを押下し、そのボタンが押下されている間)のみ音声認識を行うようにしてもよい。また、常に認識するか、所定の期間のみ認識するかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
また、この実施の形態7における道案内表現適格性判定の機能を使用するかしないかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態7によれば、同乗者などの発話者が発話した道案内表現が適格であるか否かを判定するようにしたので、実施の形態1における効果に加え、発話者の不適格な発話に基づいて提示内容が提示され、運転者が誤った経路を進むことや、交通違反を起こすことを防止することができる。
実施の形態8.
この発明の実施の形態8によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図は、実施の形態7における図19に示すブロック図と構成としては同じであるので、図示および説明を省略する。以下に説明する実施の形態8では、実施の形態7と比べると、道案内表現適格性判定部14により道案内表現が適格でないと判定された場合に、道案内表現が適格でない旨の提示内容を提示するものである。
また、その際、道案内表現提示内容取得部9は、道案内表現提示内容記憶部8から、道案内表現が適格でない旨を表す提示内容を取得する。なお、道案内表現提示内容記憶部8に記憶されている、道案内表現が適格でない旨を表す提示内容については、図示を省略するが、道案内表現適格性判定部14により道案内表現が適格でないと判定された場合に対応する提示内容として、例えば、「×」という図形データや、「通行できません」という文字列、「経路を逸脱します」という文字列などを記憶している。
図21は、実施の形態8によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
ステップST161〜ST172までの処理については、実施の形態7における図20のフローチャートのステップST141〜ST152とほぼ同じであるため、同一の処理については説明を省略する。そして、この実施の形態9では、道案内表現適格性判定部14が、ステップST168において道案内表現を提示することが適格か否かを判定した際に、適格性があると判定された場合(ステップST168のYESの場合)には、実施の形態7における図20のステップST149〜ST152と同様に、道案内表現に対応する提示内容を検索し(ステップST169)、対応する提示内容が見つかった場合には、その提示内容を取得して出力する(ステップST170〜ST172)。
一方、ステップST168において適格性がないと判定された場合(ステップST168のNOの場合)には、実施の形態7では処理を終了するのみであったが、この実施の形態8では、道案内表現提示内容取得部9が、道案内表現が適格でない旨の提示内容を取得し(ステップST173)、その提示内容を出力する(ステップST172)。
具体的な例を挙げて説明すると、実施の形態7と同様に、例えば、同乗者が「次の交差点を右折して」と発話した場合、音声取得部1がその音声データを取得し(ステップST161)、音声認識部2により「次の交差点を右折して」という認識結果が得られる(ステップST162)。そして、道案内表現抽出部4が、図2に示すような道案内表現記憶部3を参照して、道案内表現として文字列「次の交差点」および「右折」を抽出する(ステップST163)。ここで、「右折」は直接的進行方向を表す道案内表現であるので(ステップST164がYES、かつ、ステップST165もYESの場合)、道案内表現解釈部7が、その道案内表現「右折」を具体的道案内表現として特定する(ステップST167)。
この際、自車位置と、地図データとに基づいて、「次の交差点」を特定し、当該交差点で右折したときの道路情報を地図データを用いて調べた結果が、例えば一方通行で進入禁止である場合には、道案内表現が適格でないと判定される(ステップST168のNOの場合)。また、例えばその交差点を右折すると設定されている経路(ルート)から逸脱する場合にも同様に、道案内表現が適格でないと判定される。この際、道案内表現提示内容取得部9が、道案内表現提示内容記憶部8から、例えば「×」という図形データや、「通行できません」という文字列データや、「経路を逸脱します」という文字列データなどを取得して(ステップST173)、出力する(ステップST172)。
なお、この実施の形態においても、同乗者の発話内容を常に認識するものとしているが、所定の期間(例えば、同乗者が道案内を開始すると、音声認識を行うためのボタンを押下し、そのボタンが押下されている間)のみ音声認識を行うようにしてもよい。また、常に認識するか、所定の期間のみ認識するかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
また、この実施の形態8における道案内表現適格性判定の機能を使用するかしないかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態8によれば、同乗者などの発話者が発話した道案内表現が適格であるか否かを判定し、適格でない場合にはその旨を提示するようにしたので、実施の形態1における効果に加え、発話者の不適格な発話に基づいて提示内容が提示されないだけでなく、運転者は自身が認識した発話内容が不適格であることがわかり、誤った経路を進むことや、交通違反を起こすことを防止することができる。
実施の形態9.
図22は、この発明の実施の形態9によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。なお、実施の形態1〜8で説明したものと同様の構成には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。以下に説明する実施の形態9では、実施の形態7と比べると、経路再設定部15を更に備え、道案内表現適格性判定部14により、設定された経路(ルート)を逸脱するために、提示内容(道案内表現)が適格でないと判定された場合に、当該逸脱した経路を経由地とした目的地への経路を再設定するものである。
経路再設定部15は、道案内表現適格性判定部14により、設定された経路から逸脱するために道案内表現が適格でないと判定された場合に、当該逸脱した経路を経由地とする目的地への経路を再設定する。
図23は、実施の形態9によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
ステップST181〜ST192までの処理については、実施の形態7における図20のフローチャートのステップST141〜ST152とほぼ同じであるため、同一の処理については説明を省略する。そして、この実施の形態9では、道案内表現適格性判定部14が、ステップST188において道案内表現を提示することが適格か否かを判定した際に、適格性があると判定された場合(ステップST188のYESの場合)には、実施の形態7における図20のステップST149〜ST152と同様に、道案内表現に対応する提示内容を検索し(ステップST189)、対応する提示内容が見つかった場合には、その提示内容を取得して出力する(ステップST190〜ST192)。
一方、ステップST188において道案内表現が適格でないと判定された場合(ステップST188のNOの場合)には、実施の形態7では処理を終了するのみであったが、この実施の形態9では、さらに、設定された経路から逸脱するために適格性がないと判定されたのかどうかを判断し(ステップST193)、設定経路から逸脱するためにステップST188において適格でないと判定された場合(ステップST193のYESの場合)には、経路再設定部15が、その逸脱した経路を経由するように目的地への経路を再設定する(ステップST194)。一方、別の理由で適格性がないと判定された場合(ステップST193のNOの場合)には、処理を終了する。
具体的な例を挙げて説明すると、実施の形態7と同様に、例えば、同乗者が「次の交差点を右折して」と発話した場合、音声取得部1がその音声データを取得し(ステップST181)、音声認識部2により「次の交差点を右折して」という認識結果が得られる(ステップST182)。そして、道案内表現抽出部4が、図2に示すような道案内表現記憶部3を参照して、道案内表現として文字列「次の交差点」および「右折」を抽出する(ステップST183)。ここで、「右折」は直接的進行方向を表す道案内表現であるので(ステップST184がYES、かつ、ステップST185もYESの場合)、道案内表現解釈部7が、その道案内表現「右折」を具体的道案内表現として特定する(ステップST187)。
この際、自車位置と、地図データとに基づいて、「次の交差点」を特定し、当該交差点で右折したときの道路情報を地図データを用いて調べた結果が、例えば一方通行で進入禁止である場合には、道案内表現が適格でないと判定される(ステップST188のNOの場合)。そしてさらに、適格でないと判定された理由が、設定経路から逸脱するためであったかどうかが判断され(ステップST188)、NOであるため処理を終了する。一方、ステップST188の判定の際に、例えばその交差点を右折すると設定されている経路(ルート)から逸脱する場合には、ステップST188では同様に道案内表現が適格でないと判定され(ステップST188のNOの場合)、適格でないと判定された理由が、設定経路から逸脱するためであるので(ステップST193のYESの場合)、経路再設定部15が、その逸脱した経路を経由するように目的地への経路を再設定する(ステップST194)。
なお、この実施の形態においても、同乗者の発話内容を常に認識するものとしているが、所定の期間(例えば、同乗者が道案内を開始すると、音声認識を行うためのボタンを押下し、そのボタンが押下されている間)のみ音声認識を行うようにしてもよい。また、常に認識するか、所定の期間のみ認識するかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
また、この実施の形態9における経路再設定の機能を使用するかしないかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態9によれば、同乗者などの発話者が発話した道案内表現が適格であるか否かを判定し、経路を逸脱するために適格でないと判定された場合には、その逸脱した経路を経由するように目的地への経路を再設定するようにしたので、実施の形態1における効果に加え、発話者が経路の変更を意図して道案内をした場合に、不適格と判定されてその意図が反映されないということを防止することができる。
なお、上記の実施の形態7〜9は、実施の形態1におけるナビゲーション装置が、さらに道案内表現適格性判定部14や経路再設定部15を備えるものとして説明したが、実施の形態2におけるナビゲーション装置が、道案内表現適格性判定部14や経路再設定部15を備えるようにしてもよいことは、言うまでもない。
実施の形態10.
図24は、この発明の実施の形態10によるナビゲーション装置の一例を示すブロック図である。なお、実施の形態1〜9で説明したものと同様の構成には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。以下に説明する実施の形態10では、実施の形態1と比べると、取り消し/訂正表現記憶部16および取り消し/訂正表現抽出部17を更に備え、提示内容の提示を取り消す旨の表現が抽出された場合は、当該提示内容を出力しないようにし、また、提示内容の提示を訂正する旨の表現が抽出された場合には、訂正後の提示内容を出力するようにしたものである。
取り消し/訂正表現記憶部16は、通常、人が道案内をしていて言い間違えたり、案内を間違えたりした場合に使用すると想定される表現を記憶している。
図25は、取り消し/訂正表現記憶部16の一例を示す図である。この図に示すように、取り消し/訂正表現記憶部16は、例えば、「違う」「違った」「間違えた」などの取り消し表現や、「〜ではなくて」「やめて」などの訂正表現を記憶している。
取り消し/訂正表現抽出部17は、取り消し/訂正表現記憶部16を参照しながら形態素解析を行い、音声認識部2の音声認識結果の文字列から取り消し表現および訂正表現を抽出する。また、訂正表現を抽出した場合には、道案内表現記憶部3を参照して当該表現に続く、すなわち、訂正後の道案内表現も抽出する。
図26は、実施の形態10によるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
ステップST201,ST202の処理については、実施の形態1における図4のフローチャートのステップST01,ST02と同じであるため、説明を省略する。そして、この実施の形態10では、ステップST202による音声認識部2の認識結果から、道案内表現抽出部4が道案内表現記憶部3を参照しながら道案内表現を抽出するとともに、取り消し/訂正表現抽出部17が、取り消し/訂正表現記憶部16を参照しながら取り消し/訂正表現を抽出する。この際、取り消し/訂正表現抽出部17により取り消し/訂正表現が抽出されなかった場合(ステップST203のNOの場合)には、このフローチャートとしては処理を終了し、実施の形態1〜9と同じように、道案内表現抽出部4が道案内表現を抽出して提示する処理(ここでは、図示および説明を省略する)を行う。
そして、取り消し/訂正表現抽出部17により、取り消し/訂正表現記憶部16に記憶されている取り消し/訂正表現が抽出された場合(ステップST203のYESの場合)であって、その抽出された取り消し/訂正表現が、例えば「間違えた」などの取り消し表現であった場合(ステップST204のYESの場合)、取り消し訂正表現抽出部17は、提示制御部10に対して、提示内容が視覚的提示内容である場合にはその視覚的提示内容の表示を取り消す旨の通知を行う。すなわち、既に視覚的提示内容が表示されている場合(ステップST205のYESの場合)には、提示制御部10が当該視覚的提示内容の表示をやめる(ステップST206)。また、まだ視覚的提示内容が表示されていない場合(ステップST205のNOの場合)には、何も表示せずに終了する。
一方、取り消し/訂正表現抽出部17により抽出された表現が、例えば「〜ではなくて」のような、取り消し表現ではなくて訂正表現であった場合(ステップST204のNOの場合)には、既に視覚的提示内容が表示されている場合(ステップST207のYESの場合)には、提示制御部10が当該視覚的提示内容の表示をやめる(ステップST208)。また、まだ視覚的提示内容が表示されていない場合(ステップST207のNOの場合)には、そのままステップST209の処理を行う。ステップST209では、取り消し/訂正表現抽出部17が道案内表現記憶部3を参照して、その訂正表現の後に続く道案内表現を抽出する(ステップST209)。そして、当該道案内表現に基づいて道案内表現提示内容取得部9が対応する提示内容を取得し(ステップST210)、提示制御出力部20が、その提示内容を出力する(ステップST211)。
具体的な例を挙げて説明すると、例えば、同乗者が「次の交差点を右折して」と発話した後に「あっ、違った」と発話をした場合、音声取得部1がその音声データを取得し(ステップST201)、音声認識部2により「次の交差点を右折して」および「あっ、違った」という認識結果が得られる(ステップST202)。この際、取り消し/訂正表現抽出部17が、取り消し/訂正表現記憶部16を参照して、取り消し表現として文字列「違った」が抽出される。すなわち、音声認識結果から、取り消し/訂正表現が抽出され(ステップST203のYESの場合)、その抽出された表現が取り消し表現であるので(ステップST204のYESの場合)、「右折」を表す視覚的提示内容が既に表示されている場合(ステップST205のYESの場合)には、その視覚的提示内容の表示をやめる(ステップST206)。また、まだ視覚的提示内容が表示されていなければ(ステップST205のNOの場合)、何も表示せずに処理を終了する。
図27は、取り消し表現が抽出された場合の画面遷移例を示す図である。図27(a)は、ナビゲーション画面31に自車32が三角形で表示されている表示画面と、同乗者により「次の交差点を右折して」と発話された状態を示しており、その発話内容が吹き出し33で示されている。そして、図27(b)は、この際にナビゲーション装置によって実施の形態2で説明した提示内容を出力する処理が行われた結果、図27(a)と同じナビゲーション画面31上に視覚的提示内容として“右矢印の図形データ”34が、右折した後に通過する道路上に表示された状態と、ここで同乗者により「あっ、違った」と発話された状態を示している。なお、この発話内容についても、吹き出し33で示されている。これにより、前述の図26に示すフローチャートの処理のうち、ステップST204〜ST206の処理が行われ、“右矢印の図形データ”34の表示が取り消され(図27(c)参照)、図27(d)に示す状態となる。なお、同乗者による発話内容が「次の交差点を右折して。あっ、違った。」のように一連のものであり、図27(b)に示すような視覚的提示内容が表示される前に、「違った」という取り消し表現が抽出された場合には、何も表示せずに終了する。すなわち、図27(a)から直接、図27(d)の状態に遷移することになり、表示上は何も変化しない。
また、例えば同乗者が「次の交差点を右折・・・ではなくて左折」と発話した場合、取り消し/訂正表現抽出部17により「ではなくて」という訂正表現が抽出される。すなわち、ステップST204のNOの場合であるので、さらに、その「ではなくて」に続く道案内表現として、道案内表現記憶部3を参照することにより「左折」を抽出する(ステップST209)。そして、その「左折」に対応する提示内容を道案内表現提示内容記憶部8を参照することにより取得し(ステップST210)、表示または音声出力する(ステップST211)。
図28は、訂正表現が抽出された場合の画面遷移例を示す図である。図28(a)は、ナビゲーション画面31に自車32が三角形で表示されている表示画面と、同乗者により「次の交差点を右折・・・ではなくて左折」と発話された状態を示しており、その発話内容が吹き出し33で示されている。そして、図28(b)は、この際にナビゲーション装置によって実施の形態2で説明した提示内容を出力する処理が行われた結果、図28(a)と同じナビゲーション画面31上に視覚的提示内容として“右矢印の図形データ”34が、右折した後に通過する道路上に表示された状態を示している。しかしながら、発話内容の中に「ではなくて」という訂正表現が含まれているので、この訂正表現が抽出されることにより、前述の図26に示すフローチャートの処理のうち、ステップST204,ST207〜ST208の処理が行われ、“右矢印の図形データ”34の表示が削除される(図28(c)参照)。さらに、その「ではなくて」に続く道案内表現として「左折」が抽出されることにより、図26に示すフローチャートのステップST209〜ST211の処理が行われ、図28(d)に示すように、「左折」に対応する“左矢印の図形データ”34が表示される。なお、図28(b)に示すような視覚的提示内容が表示される前に、「ではなくて」という訂正表現が抽出された場合には、図28(a)から直接、図28(d)の状態に遷移する。
なお、この実施の形態においても、同乗者の発話内容を常に認識するものとしているが、所定の期間(例えば、同乗者が道案内を開始すると、音声認識を行うためのボタンを押下し、そのボタンが押下されている間)のみ音声認識を行うようにしてもよい。また、常に認識するか、所定の期間のみ認識するかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
また、この実施の形態10においては、取り消すべき視覚的提示内容が既に表示されていた場合には、取り消す(削除する)ものとして説明したが、表示されている視覚的提示内容を取り消すか、当該提示内容と取り消す旨の視覚的提示内容を表示するかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。また、この実施の形態10における取り消し/訂正表現抽出の機能を使用するかしないかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態10によれば、同乗者などの発話者が発話した道案内表現に取り消し/訂正表現が含まれている場合にはそれも抽出するようにしたので、実施の形態1における効果に加え、同乗者などの発話者が誤って案内したことを汲み取り、取り消すべき視覚的提示内容の取り消しや訂正をすることで、運転者が誤った経路を進むことを防止することができる。
なお、上記の実施の形態10は、実施の形態1におけるナビゲーション装置が、さらに取り消し/訂正表現記憶部16や取り消し/訂正表現抽出部17を備えるものとして説明したが、実施の形態2におけるナビゲーション装置が、取り消し/訂正表現記憶部16や取り消し/訂正表現抽出部17を備えるようにしてもよいことは、言うまでもない。
本発明の実施の形態では、車両用のナビゲーション装置として説明したが、この発明のナビゲーション装置は車両用に限らず、人、車両、鉄道、船舶または航空機等を含む移動体用のナビゲーション装置であって、特に車両への持ち込みあるいは車載に適したナビゲーション装置に関するものであり、携帯型ナビゲーション装置等、ユーザと装置との音声対話によりナビゲーションを行うことが可能な装置であれば、どのような形態のものにも適用することができる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 音声取得部、2 音声認識部、3 道案内表現記憶部、4 道案内表現抽出部、5 地図データ記憶部、6 自車位置取得部(位置取得部)、7 道案内表現解釈部、8 道案内表現提示内容記憶部、9 道案内表現提示内容取得部、10 提示制御部、11 外部対象物認識部、12 ジェスチャー認識部、13 矛盾判定部、14 道案内表現適格性判定部、15 経路再設定部、16 取り消し/訂正表現記憶部、17 取り消し/訂正表現抽出部、20 提示制御出力部、21 表示部、22 音声出力部、31 ナビゲーション画面、32 自車マーク、33 吹き出し、34 図形データ、35 交差点の名称、36 赤色の道路、37 道幅の太い道路。
上記目的を達成するため、この発明は、入力された音声を取得する音声取得部と、前記音声取得部により取得された音声データから音声認識処理を行う音声認識部と、移動体の位置を取得する位置取得部を備え、前記音声認識部による認識結果と前記位置取得部により取得された移動体の位置と地図データとに基づいて道案内を行うナビゲーション装置において、道案内表現を記憶する道案内表現記憶部と、前記道案内表現記憶部を参照して、前記音声認識部による認識結果から道案内表現を抽出する道案内表現抽出部と、前記道案内表現抽出部により抽出された道案内表現を解釈して、具体的道案内表現を特定する道案内表現解釈部と、前記具体的道案内表現に対応する視覚的提示内容を、前記具体的道案内表現と対応付けて記憶する道案内表現提示内容記憶部と、前記道案内表現提示内容記憶部を参照して、前記道案内表現解釈部により特定された具体的道案内表現に基づいて、対応する視覚的提示内容を取得する道案内表現提示内容取得部と、前記道案内表現提示内容取得部により取得された視覚的提示内容を出力する提示制御出力部とを備え、提示制御出力部は、目的地あるいは目的地への経路が設定されていない場合においても、移動体の搭乗者が道案内表現を含む発話をする度に、少なくとも具体的な進行方向を示す矢印を含む視覚的提示内容を出力することを特徴とする。

Claims (17)

  1. 移動体の位置を取得する位置取得部を備え、当該位置取得部により取得された移動体の位置と地図データとに基づいて道案内を行うナビゲーション装置において、
    入力された音声を取得する音声取得部と、
    前記音声取得部により取得された音声データから音声認識処理を行う音声認識部と、
    道案内表現を記憶する道案内表現記憶部と、
    前記道案内表現記憶部を参照して、前記音声認識部による認識結果から道案内表現を抽出する道案内表現抽出部と、
    前記道案内表現抽出部により抽出された道案内表現を解釈して、具体的道案内表現を特定する道案内表現解釈部と、
    前記具体的道案内表現に対応する提示内容を、前記具体的道案内表現と対応付けて記憶する道案内表現提示内容記憶部と、
    前記道案内表現提示内容記憶部を参照して、前記道案内表現解釈部により特定された具体的道案内表現に基づいて、対応する提示内容を取得する道案内表現提示内容取得部と、
    前記道案内表現提示内容取得部により取得された提示内容を出力する提示制御出力部とを備える
    ことを特徴とするナビゲーション装置。
  2. 前記道案内表現解釈部は、前記道案内表現抽出部により抽出された道案内表現を、前記移動体の位置と前記地図データとに基づいて解釈して、具体的道案内表現を特定する
    ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
  3. ジェスチャーを認識するジェスチャー認識部をさらに備え、
    前記道案内表現解釈部は、前記道案内表現抽出部により抽出された道案内表現を、前記ジェスチャー認識部による認識結果に基づいて解釈して、具体的道案内表現を特定する
    ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
  4. 前記道案内表現抽出部により抽出された道案内表現と、前記ジェスチャー認識部による認識結果が矛盾するか否かを判定する矛盾判定部をさらに備え、
    前記矛盾判定部により矛盾すると判定された場合には、
    前記道案内表現解釈部が、所定の規則にしたがって、前記道案内表現抽出部により抽出された道案内表現または前記ジェスチャー認識部による認識結果のいずれか一方を採択して、前記具体的道案内表現を特定する
    ことを特徴とする請求項3記載のナビゲーション装置。
  5. 前記矛盾判定部により矛盾すると判定された場合には、
    前記道案内表現解釈部は、前記ジェスチャー認識部による認識結果を採択して、前記具体的道案内表現を特定する
    ことを特徴とする請求項4記載のナビゲーション装置。
  6. 前記矛盾判定部により矛盾すると判定された場合であって、目的地への経路が設定されている場合には、
    前記道案内表現解釈部は、前記道案内表現抽出部により抽出された道案内表現または前記ジェスチャー認識部による認識結果のうち、前記設定されている経路に合致する方を採択して、前記具体的道案内表現を特定する
    ことを特徴とする請求項4記載のナビゲーション装置。
  7. 前記提示制御出力部は、前記道案内表現提示内容取得部により取得された提示内容を、前記道案内表現解釈部により解釈された結果に基づいて出力する
    ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
  8. 前記道案内表現解釈部は、前記道案内表現抽出部により抽出された道案内表現を解釈して、前記提示内容を提示する位置も特定し、
    前記提示内容が視覚的提示内容である場合に、前記提示制御出力部は、前記道案内表現解釈部により特定された位置に、当該視覚的提示内容を表示する
    ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
  9. 目的地への経路が設定されている場合には、
    前記道案内表現解釈部は、前記設定されている経路情報に基づいて、前記提示内容を提示する位置を特定する
    ことを特徴とする請求項8記載のナビゲーション装置。
  10. 周囲の対象物を認識する外部対象物認識部をさらに備え、
    前記道案内表現解釈部は、前記外部対象物認識部による認識結果に基づいて、前記提示内容を提示する位置を特定する
    ことを特徴とする請求項8記載のナビゲーション装置。
  11. 前記道案内表現解釈部により特定された具体的道案内表現が適格であるか否かを判定する道案内表現適格性判定部をさらに備え、
    前記提示制御出力部は、前記道案内表現適格性判定部により前記具体的道案内表現が適格でないと判定された場合は、前記提示内容を出力しない
    ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
  12. 前記道案内表現解釈部により抽出された具体的道案内表現が適格であるか否かを判定する道案内表現適格性判定部をさらに備え、
    前記提示制御出力部は、前記道案内表現適格性判定部により前記具体的道案内表現が適格でないと判定された場合は、前記道案内表現が適格でない旨の提示内容を出力する
    ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
  13. 前記道案内表現適格性判定部により前記具体的道案内表現が適格でないと判定された場合に、経路を再設定する経路再設定部をさらに備える
    ことを特徴とする請求項11または請求項12記載のナビゲーション装置。
  14. 取り消しまたは訂正する際に使用される表現を記憶する取り消し/訂正表現記憶部と、
    前記取り消し/訂正表現記憶部を参照して、前記音声認識部による認識結果から取り消し/訂正に使用される表現を抽出する取り消し/訂正表現抽出部とをさらに備え、
    前記提示制御出力部は、前記取り消し/訂正表現が抽出された場合には、前記提示内容を出力しない
    ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
  15. 取り消しまたは訂正する際に使用される表現を記憶する取り消し/訂正表現記憶部と、
    前記取り消し/訂正表現記憶部を参照して、前記音声認識部による認識結果から取り消し/訂正に使用される表現を抽出する取り消し/訂正表現抽出部とをさらに備え、
    前記提示制御出力部は、前記提示内容として視覚的提示内容が出力されている状態で、前記取り消し/訂正表現が抽出された場合には、前記視覚的提示内容の出力を取り消す
    ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
  16. 取り消しまたは訂正する際に使用される表現を記憶する取り消し/訂正表現記憶部と、
    前記取り消し/訂正表現記憶部を参照して、前記音声認識部による認識結果から取り消し/訂正に使用される表現を抽出する取り消し/訂正表現抽出部とをさらに備え、
    前記提示制御出力部は、前記取り消し/訂正表現が抽出された場合には、前記取り消し/訂正表現の後に続いて抽出された道案内表現に対応する提示内容を出力する
    ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
  17. 位置取得部が、移動体の位置を取得するステップと、前記位置取得部により取得された移動体の位置と地図データとに基づいて道案内を行うステップを有するナビゲーション方法において、
    音声取得部が、入力された音声を取得するステップと、
    音声認識部が、前記音声取得部により取得された音声データから音声認識処理を行うステップと、
    道案内表現記憶部が、道案内表現を記憶するステップと、
    道案内表現抽出部が、前記道案内表現記憶部を参照して、前記音声認識部による認識結果から道案内表現を抽出するステップと、
    道案内表現解釈部が、前記道案内表現抽出部により抽出された道案内表現を解釈して、具体的道案内表現を特定するステップと、
    道案内表現提示内容記憶部が、前記具体的道案内表現に対応する提示内容を、前記具体的道案内表現と対応付けて記憶するステップと、
    道案内表現提示内容取得部が、前記道案内表現提示内容記憶部を参照して、前記道案内表現解釈部により特定された具体的道案内表現に基づいて、対応する提示内容を取得するステップと、
    提示制御出力部が、前記道案内表現提示内容取得部により取得された提示内容を出力するステップとを備える
    ことを特徴とするナビゲーション方法。
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