JP2001075589A - 音声認識方法及び音声認識装置 - Google Patents

音声認識方法及び音声認識装置

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JP2001075589A
JP2001075589A JP24871299A JP24871299A JP2001075589A JP 2001075589 A JP2001075589 A JP 2001075589A JP 24871299 A JP24871299 A JP 24871299A JP 24871299 A JP24871299 A JP 24871299A JP 2001075589 A JP2001075589 A JP 2001075589A
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unconscious
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word
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Shoji Kaneko
尚司 金子
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用者が無意識に「えーと」等の音声を発声
しても、その音声によって誤認識が生じるのを良好に抑
制することのできる音声認識方法及び音声認識装置の提
供。 【解決手段】 周知の登録・確認処理(S10)に続く
S20では、スピーカから「ディスプレイに地図を表示
するこの装置は何ですか?」と質問を発声し、その発声
に対する回答が音声入力されると(S30:YES)、
音声認識処理を実行する(S40)。この装置では、上
記質問に対して、「ナビ」「ナビゲーション」「ナビゲ
ーションシステム」「わからない」「知らない」等の答
えを予め用意しており、続くS50では、S40にて認
識された音声と上記用意された答えとを比較する。そし
て、上記答えに使用された言葉以外の音声を無意識言葉
として抽出し(S60)、記憶することにより(S7
0)、「えーと」等の無意識言葉の影響を排除して音声
認識を実行できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音声認識方法及び
音声認識装置に関し、例えばナビゲーションシステムに
おける目的地の設定や空調システムにおける設定温度を
音声によって入力できるようにする場合等に有効な音声
認識の方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、使用者の発声によって入力さ
れた音声を予め記憶されている複数の比較対象パターン
候補と比較し、一致度合の高いものを認識結果とする音
声認識方法或いはその方法を用いた装置が既に実用化さ
れている。但し、現在の認識技術ではその認識結果が完
全に正確なものとは限らない。例えば、ナビゲーション
システムにおいて設定すべき目的地を使用者が地名を音
声で入力するために、音声認識装置を用いる場合を考え
る。使用者が例えば「愛知県刈谷市昭和(ショーワ)
町」と設定したいためにその地名を音声で入力した場合
に、「愛知県刈谷市松栄(ショーエー)町」と誤って認
識してしまうことが考えられる。
【0003】そこで、誤認識が発生して使用者がもう一
度音声入力を行ったとき、前回の誤った認識結果を辞書
から除外することによって同じ誤りを繰り返すことを回
避することが考えられる。例えば、前述の例では、使用
者が「愛知県刈谷市昭和町」と言い直して音声入力した
とき、音声認識装置では、前回の誤った認識結果であっ
た「愛知県刈谷市松栄町」を認識に用いる辞書から除外
した上で今回の認識を行うことにより、同じ誤りを繰り
返すことが回避できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
辞書の操作では回避できない誤認識もある。例えば、音
声の入力中に使用者が「えーと」等と無意識に発声する
と、音声認識装置では辞書を参照しながらその言葉を認
識しようと動作し、「エイト(数字の8)」とか「江
藤」とかいった言葉として誤認識してしまう。しかしな
がら、このように無意識に発声される音声は、元々の認
識の対象となる音声から除外してしまいたい音声であ
り、辞書をどのように操作してもこの種の誤認識は回避
できない。すなわち、「えーと」等にどのような単語を
割り当ててもそれを含んだままでは正確な地名等を認識
することはできない。
【0005】このため、使用者は、認識させたい音声を
「えーと」等の言葉を挟まずに発声する必要があり、発
声の際には途中でつまらないように注意を払う必要があ
った。特に、カーナビゲーションシステムにおいて目的
地等を音声で入力するためにこの音声認識装置を用いた
場合等を想定すると、運転中の使用者にとって音声入力
できることは非常に便利ではあるが、音声入力の際には
前述のように通常の会話以上の注意を払う必要が生じ
る。この場合、車両の運転という優先度のより高い操作
への集中度合を下げてしまう可能性があり、好ましいこ
とではない。
【0006】そこで、本発明は、使用者が無意識に「え
ーと」等の音声を発声しても、その音声によって誤認識
が生じるのを良好に抑制することのできる音声認識方法
及び音声認識装置を提供することを目的としてなされ
た。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記目的
を達するためになされた請求項1記載の発明は、使用者
の発声によって入力された音声を予め記憶されている複
数の比較対象パターンと比較して、一致度の高いものを
認識結果とする認識処理を備えた音声認識方法であっ
て、上記使用者が無意識に発声する音声を抽出し、意味
のない無意識言葉として記憶する無意識言葉抽出処理
を、更に備えると共に、上記認識処理では、上記無意識
言葉も上記比較対象パターンの一つとして扱うことを特
徴とする。
【0008】本発明では、使用者が無意識に発声する音
声を無意識言葉抽出処理によって抽出し、意味のない無
意識言葉として記憶している。そして、この無意識言葉
抽出処理によって記憶された無意識言葉も比較対象パタ
ーンの一つとして認識処理で取り扱うことにより、使用
者が無意識に発声した「えーと」等の言葉は意味のない
不要なものとして扱うことができる。従って、本発明で
は、使用者が無意識に「えーと」等の音声を発声して
も、その音声によって誤認識が生じるのを良好に抑制す
ることができる。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の構
成に加え、上記無意識言葉抽出処理では、一定の文章ま
たは複数パターンの文章の内のいずれかを使用者に発声
させ、上記文章に使用された言葉以外の音声を上記無意
識に発声する音声として抽出することを特徴とする。
【0010】無意識言葉抽出処理の形態としては、対応
する比較対象パターンが存在しない音声の全てを上記無
意識に発声する音声として抽出することも考えられる。
ところが、この場合、比較対象パターンが極めて狭い語
彙(例えば地名のみ)に限定されているときには有効で
あるが、語彙が広いと無意識に発声した言葉も何らかの
単語に対応または類似してしまって上記抽出が行えな
い。
【0011】これに対して、本発明では、一定の文章ま
たは複数パターンの文章の内のいずれかを使用者に発声
させ、その文章に使用された言葉以外の音声を上記無意
識に発声する音声として抽出している。このため、上記
抽出に関わる処理も、入力された音声と上記文章に使用
された言葉とを比較するだけで簡単に実行することがで
き、しかも、予め記憶されている比較対象パターンが極
めて広い語彙に渡る場合にも良好に上記抽出を行うこと
ができる。従って、本発明では、請求項1記載の発明の
効果に加えて、処理を一層簡略化すると共に認識したい
語彙が広い場合にも良好に対応することができるといっ
た効果が生じる。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項2記載の構
成に加え、上記無意識言葉抽出処理では、使用者に質問
を発し、その質問に対する答えが上記文章となっている
ことを特徴とする。一定の文章または複数パターンの文
章の内のいずれかを使用者に発声させる方法としては、
ディスプレイ上に表示された文章を使用者に音読させる
等の方法も考えられるが、この場合、表示通りに使用者
が音読するため無意識な発声が行われ難くなる。これに
対して、本発明では、使用者に質問を発し、その質問に
対する答えが上記文章となるようにしている。このよう
に、問答によって使用者に上記文章を発声させる場合、
使用者が「えーと」等の音声を無意識に発声する可能性
が高くなり、上記無意識に発声する音声の抽出効率が向
上する。
【0013】従って、本発明では、請求項2記載の発明
の効果に加えて、上記無意識に発声する音声の抽出効率
を向上させ、延いては、認識処理における音声の認識精
度も向上させることができるといった効果が生じる。な
お、使用者に質問を発する形態も、ディスプレイ上に質
問文を表示する形態と音声によって質問を発する形態と
が考えられるが、後者の場合、上記無意識に発声する音
声の抽出効率を一層向上させ、認識処理における音声の
認識精度も一層向上させることができる。
【0014】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれかに記載の構成に加え、上記認識処理にて、上記無
意識言葉を上記一致度の高いものと判断した場合、上記
認識処理では、その無意識言葉に対応する音声が最初か
ら入力されなかったものとして上記比較をやり直すこと
を特徴とする。
【0015】認識処理において上記無意識言葉を利用す
る方法としては、無意識言葉は無意識言葉としてそのま
ま認識しておき、入力された音声に対応する地名等を検
索する際にその無意識言葉を無視する方法も考えられる
が、本発明では、無意識言葉に対応する音声が最初から
入力されなかったものとして認識処理をやり直してい
る。認識処理では、一致する比較対象パターンの音数が
多ければ多いほど、高い認識精度が得られる。本発明で
は、無意識言葉に対応する音声が最初から入力されなか
ったものとして認識処理をやり直すため、長い比較対象
パターンに一致する音声を抽出することが可能となって
認識精度が向上する。
【0016】例えば、「愛知県刈谷市昭和町8番地」と
いう地名が比較対象パターンとして記憶されており、使
用者が「あいちけんかりやし、えーと、しょうわちょう
はちばんち」と音声入力した場合、本発明では次のよう
に認識精度が向上する。すなわち、前述の方法では「愛
知県刈谷市」「えーと(無意識言葉)」「昭和町8番
地」といった認識がなされるが、本発明では、音声入力
が「あいちけんかりやし、しょうわちょうはちばんち」
であったものとして認識をやり直し、「愛知県刈谷市昭
和町8番地」が直接認識できる。このため、本発明で
は、長い比較対象パターンに一致する音声を抽出するこ
とが可能となって認識精度が向上する。
【0017】従って、本発明では、請求項1〜3のいず
れかに記載の発明の効果に加えて、認識処理の認識精度
を一層向上させることができるといった効果が生じる。
請求項5記載の発明は、使用者が発声した音声が入力さ
れる音声入力手段と、該音声入力手段に入力された音声
を、辞書手段に予め記憶されている複数の比較対象パタ
ーンと比較して、一致度の高いものを認識結果とする認
識手段と、を備えた音声認識装置であって、上記使用者
が無意識に発声する音声を抽出し、意味のない無意識言
葉として上記辞書手段に記憶する無意識言葉抽出手段
を、更に備えると共に、上記認識手段が、上記無意識言
葉も上記比較対象パターンの一つとして扱うことを特徴
とする。
【0018】このように構成された本発明では、使用者
が音声入力手段を介して音声を入力すると、認識手段
は、その入力された音声を、予め辞書手段に記憶されて
いる複数の比較対象パターン候補と比較して一致度合の
高いものを認識結果とする。また、無意識言葉抽出手段
は、使用者が無意識に発声する音声を抽出して、意味の
ない無意識言葉として上記辞書手段に記憶する。そし
て、この無意識言葉抽出手段によって記憶された無意識
言葉も比較対象パターンの一つとして上記認識手段が取
り扱うことにより、使用者が無意識に発声した「えー
と」等の言葉は意味のない不要なものとして扱うことが
できる。従って、本発明では、使用者が無意識に「えー
と」等の音声を発声しても、その音声によって誤認識が
生じるのを良好に抑制することができる。
【0019】請求項6記載の発明は、請求項5記載の構
成に加え、上記無意識言葉抽出手段が、一定の文章また
は複数パターンの文章の内のいずれかを使用者に発声さ
せ、上記文章に使用された言葉以外の音声を上記無意識
に発声する音声として抽出することを特徴とする。
【0020】本発明の無意識言葉抽出手段は、一定の文
章または複数パターンの文章の内のいずれかを使用者に
発声させ、その文章に使用された言葉以外の音声を上記
無意識に発声する音声として抽出している。このため、
請求項2に関連して説明したように、上記音声の抽出に
関わる処理も、入力された音声と上記文章に使用された
言葉とを比較するだけで簡単に実行することができ、し
かも、予め記憶されている比較対象パターンが極めて広
い語彙に渡る場合にも良好に上記抽出を行うことができ
る。従って、本発明では、請求項5記載の発明の効果に
加えて、無意識言葉抽出手段における処理を一層簡略化
すると共に認識したい語彙が広い場合にも良好に対応す
ることができるといった効果が生じる。
【0021】請求項7記載の発明は、請求項6記載の構
成に加え、上記無意識言葉抽出手段が、使用者に質問を
発し、その質問に対して使用者が発声した答えに基づい
て上記無意識に発声する音声を抽出するものであって、
上記質問に対する答えが上記文章となっていることを特
徴とする。
【0022】本発明の無意識言葉抽出手段は、使用者に
質問を発し、その質問に対する答えが上記文章となるよ
うにしている。このように、問答によって使用者に上記
文章を発声させる場合、請求項3に関連して説明したよ
うに使用者が「えーと」等の音声を無意識に発声する可
能性が高くなり、上記無意識に発声する音声の抽出効率
が向上する。
【0023】従って、本発明では、請求項6記載の発明
の効果に加えて、上記無意識に発声する音声の抽出効率
を向上させ、延いては、認識手段による音声の認識精度
も向上させることができるといった効果が生じる。な
お、使用者に質問を発する形態も、ディスプレイ上に質
問文を表示する形態と音声によって質問を発する形態と
が考えられるが、後者の場合、上記無意識に発声する音
声の抽出効率を一層向上させ、認識手段による音声の認
識精度も一層向上させることができる。
【0024】請求項8記載の発明は、請求項5〜7のい
ずれかに記載の構成に加え、上記認識手段が、上記無意
識言葉を上記一致度の高いものと判断した場合、上記認
識手段が、その無意識言葉に対応する音声が最初から入
力されなかったものとして上記比較をやり直すことを特
徴とする。
【0025】本発明の認識手段は、無意識言葉に対応す
る音声が最初から入力されなかったものとして音声の認
識をやり直すため、請求項4に関連して説明したよう
に、長い比較対象パターンに一致する音声を抽出するこ
とが可能となって認識精度が向上する。例えば、「愛知
県刈谷市昭和町8番地」という地名が比較対象パターン
として記憶されており、使用者が「あいちけんかりや
し、えーと、しょうわちょうはちばんち」と音声入力し
た場合、本発明では、音声入力が「あいちけんかりや
し、しょうわちょうはちばんち」であったものとして認
識をやり直し、「愛知県刈谷市昭和町8番地」が直接認
識できる。このため、本発明では、長い比較対象パター
ンに一致する音声を抽出することが可能となって認識精
度が向上する。
【0026】従って、本発明では、請求項5〜7のいず
れかに記載の発明の効果に加えて、認識手段の認識精度
を一層向上させることができるといった効果が生じる。
請求項9記載の発明は、請求項5〜8のいずれかに記載
の構成に加え、上記無意識言葉抽出手段が、上記無意識
に発声する音声を上記辞書手段の所定の分類場所に記憶
することを特徴とする。
【0027】上記無意識に発声する音声は、それが無意
識言葉である旨を表す属性データとと共に辞書手段に記
憶して、その音声を無意識言葉として取り扱うことも可
能であるが、本発明では、上記音声を辞書手段の所定の
分類場所に記憶することによってその音声を無意識言葉
として取り扱っている。このため、入力された音声と一
致度の高い比較対象パターンが、辞書手段のどの場所
(例えばアドレス)に記憶されているかに基づいてその
音声が無意識言葉であるか否かを判断することができ、
属性データを付与する必要もない。
【0028】従って、本発明では、請求項5〜8のいず
れかに記載の発明の効果に加えて、認識手段及び無意識
言葉抽出手段における処理を一層簡略化して、装置全体
としての処理速度を向上させることができるといった効
果が生じる。請求項10記載の発明は、請求項5〜9の
いずれかに記載の構成に加え、上記音声入力手段は、ナ
ビゲーションシステムがナビゲート処理をする上で指定
される必要のある所定のナビゲート処理関連情報の指示
を、使用者が音声にて入力するために用いられるもので
あることを特徴とする。
【0029】本発明の音声入力手段は、ナビゲーション
システムがナビゲート処理をする上で指定される必要の
ある所定のナビゲート処理関連情報の指示を、使用者が
音声にて入力するために用いられるものである。この場
合の「所定のナビゲート処理関連情報」としては、目的
地が代表的なものとして挙げられるが、それ以外にもル
ート探索に関する条件選択等、ナビゲート処理をする上
で指定の必要のある指示が含まれる。この場合、使用者
は目的地の地名等を思い出しながら音声入力を行うので
「えーと」等の音声を無意識に発声する場合が多く、そ
の音声を無意識言葉として認識し、他の音声と区別して
取り扱う必要性が高まる。
【0030】従って、本発明では、請求項5〜9のいず
れかに記載の発明の効果が一層顕著に表れると共に、ナ
ビゲーションシステムがナビゲート処理をする上で指定
される必要のあるナビゲート処理関連情報の指示を極め
て容易に行うことができるといった効果が生じる。
【0031】請求項11記載の発明は、請求項5〜9の
いずれかに記載の構成に加え、上記音声入力手段は、空
調システムにおける空調状態関連指示を使用者が音声に
て入力するために用いられるものであることを特徴とす
る。本発明の音声入力手段は、空調システムにおける空
調状態関連指示を使用者が音声にて入力するために用い
られるものである。この場合の「空調状態関連情報」
は、設定温度や空調モード選択(冷房・暖房・ドラ
イ)、或いは風向モード選択といった種々の指示に対応
したものが考えられる。そして、この場合にも、使用者
は気温を何度ぐらい上昇または下降させれば快適か等を
考えながら音声入力を行うので「えーと」等の音声を無
意識に発声する場合が多く、その音声を無意識言葉とし
て認識して他の音声と区別して取り扱う必要性が高ま
る。
【0032】従って、本発明では、請求項5〜9のいず
れかに記載の発明の効果が一層顕著に表れると共に、空
調システムにおける空調状態関連指示を極めて容易に行
うことができるといった効果が生じる。なお、前述のナ
ビゲーションシステム及び空調システムは、例えば携帯
型ナビゲーション装置や屋内用空調装置等のように、車
載機器として用いられるものに限定されるものではな
い。但し、車載機器として用いられる場合には使用者が
ドライバーであることが考えられ、その場合には運転自
体が最重要であり、それ以外の車載機器については、な
るべく運転に支障がないことが好ましい。従って、車載
機器としてのナビゲーションシステムや空調システムを
前提とした音声認識装置の場合には、より一層顕著な効
果が生じる。もちろん、このような視点で考えるなら
ば、ナビゲーションシステムや空調システム以外の車載
機器に対しても同様に利用することができる。例えば、
カーオーディオ機器等は有効である。また、いわゆるパ
ワーウインドウの開閉やミラー角度の調整等を音声によ
って指示するような構成を考えれば、そのような状況で
も有効である。
【0033】また、車載機器用とした場合にはそれ特有
の効果が生じることは述べたが、本発明の音声認識方法
或いは音声認識装置の適用先としては、使用者がスイッ
チ操作や音声入力等によって指示したものを受けて制御
装置が間接的に対象物を操作・制御しているようなもの
であれば同様に考えられる。
【0034】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]図1は本発明の
実施の形態1としてのカーナビゲーションシステム2の
全体構成を示すブロック図である。本カーナビゲーショ
ンシステム2は、位置検出器4、地図データ入力器6、
操作スイッチ群8、これらに接続された制御回路10、
並びに、制御回路10に接続された外部メモリ12、表
示装置14、リモコンセンサ15、及び音声認識装置3
0を備えている。なお、制御回路10は通常のコンピュ
ータとして構成されており、内部には、CPU、RO
M、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスラ
インが備えられている。
【0035】位置検出器4は、周知の地磁気センサ1
6、ジャイロスコープ18、距離センサ20、及び衛星
からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPS(Gl
obalPositioning System)のためのGPS受信機22を
有している。これらのセンサ等16,18,20,22
は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセ
ンサにより、各々補間しながら使用するように構成され
ている。なお、精度によっては上述した内の一部で構成
してもよく、更に、ステアリングの回転センサ、各転動
輪の車輪センサ等を用いてもよい。
【0036】地図データ入力器6は、位置検出の精度向
上のためのいわゆるマップマッチング用データ、地図デ
ータ、及び目印データを含む各種データを入力するため
の装置である。媒体としては、そのデータ量からCD−
ROMを用いるのが一般的であるが、メモリカード等の
他の媒体を用いてもよい。
【0037】表示装置14はカラー表示装置であり、表
示装置14の画面には、位置検出器4から入力された車
両現在位置マークと、地図データ入力器6より入力され
た地図データと、更に地図上に表示する誘導経路や後述
する設定地点の目印等の付加データとを重ねて表示する
ことができる。
【0038】また、本カーナビゲーションシステム2
は、リモートコントロール端末(以下、リモコンと称す
る。)15aを介してリモコンセンサ15から、或いは
操作スイッチ群8により目的地の位置を入力すると、現
在位置からその目的地までの最適な経路を自動的に選択
して誘導経路を形成し表示する、いわゆる経路案内機能
も備えている。このような自動的に最適な経路を設定す
る手法は、ダイクストラ法等の手法が知られている。操
作スイッチ群8は、例えば、表示装置14と一体になっ
たタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等が用
いられ、各種入力に使用される。
【0039】そして、音声認識装置30は、上記操作ス
イッチ群8或いはリモコン15aが手動操作により目的
地等を指示するために用いられるのに対して、使用者が
音声で入力することによっても同様に目的地等を指示す
ることができるようにするための装置である。
【0040】この音声認識装置30は、「認識手段」及
び「無意識言葉抽出手段」としての音声認識部31及び
対話制御部32と、音声合成部33と、音声入力部34
と、「音声入力手段」としてのマイク35と、PTT
(Push-To-Talk)スイッチ36と、「報知手段」として
のスピーカ37とを備えている。
【0041】音声認識部31は、音声入力部34から入
力された音声データを、対話制御部32からの指示によ
り入力音声の認識処理を行い、その認識結果を対話制御
部32に返す。対話制御部32は、その認識結果及び自
身が管理する内部状態から、音声合成部33への応答音
声の発声指示や、システム自体の処理を実行する制御回
路10に対して例えばナビゲート処理のために必要な目
的地を通知して設定処理を実行させるよう指示する処理
を実行する。このような処理が確定後処理であり、結果
として、この音声認識装置30を利用すれば、上記操作
スイッチ群8或いはリモコン15aを手動しなくても、
音声入力によりナビゲーションシステムに対する目的地
の指示等が可能となるのである。
【0042】また上記音声入力部34は、マイク35に
て取り込んだ周囲の音声をデジタルデータに変換して音
声認識部31に出力するものであり、本実施形態におい
ては、使用者がPTTスイッチ36を押しながらマイク
35を介して音声を入力するようにされている。つま
り、PTTスイッチ36が押されていない場合には、音
声入力部34は音声認識部31へ音声データを出力しな
いようにされている。
【0043】ここで、音声認識部31と対話制御部32
について更に説明する。図2は、この音声認識部31と
対話制御部32の構成を更に詳しく示したものである。
図2に示すように、音声認識部31は、照合部31aと
辞書部31bとバッファ31cとを備えており、対話制
御部32は、候補決定部32a,記憶部32b,後処理
部32c,問答処理部32d,及び比較部32eを備え
ている。なお、後述するように、この内バッファ31c
から候補決定部32aに至る構成が「認識手段」に、問
答処理部32d及び比較部32eが「無意識言葉抽出手
段」に、辞書部31bが「辞書手段」に、それぞれ相当
する。
【0044】音声認識部31においては、照合部31a
が、音声入力部34からバッファ31cを介して取得し
た音声データに対し、辞書部31b内に記憶されている
辞書データを用いて照合を行い、詳しくは複数の比較対
象パターン候補と比較して一致度の高い上位比較対象パ
ターンを対話制御部32の候補決定部32aへ出力す
る。そして、候補決定部32aでは、この上位比較対象
パターンに対し、記憶部32bに記憶されている除外す
べき比較対象パターンを削除して最終的な認識結果とし
ての上位比較対象パターンを決定する。それと共に、記
憶部32bに、次回の認識にて除外すべき比較対象パタ
ーンを除外パターンとして記憶させたり、或いは所定の
確定指示がなされた場合には記憶されている除外パター
ンをクリアしたりする処理を行う。なお、以下の説明で
は、比較対象パターンは音声データとしての側面と言葉
としての側面とを共に備えたものとして説明する。
【0045】辞書部31bは、比較対象パターンを通常
の言葉群と後述する無意識言葉群とに分けて各々別の分
類場所に記憶している(図3参照)。そして、照合部3
1aが無意識言葉群に属する比較対象パターン(以下、
無意識言葉ともいう)を一致度の高い比較対象パターン
として検出したとき、バッファ31cは、一時記憶して
いる音声データからその比較対象パターンに対応する音
声データを除去して再び照合部31aへ出力する。
【0046】対話制御部32の後処理部32cでは、例
えば上記所定の確定指示がなされた場合に制御回路10
へデータを送って所定の処理をするように指示する「確
定後処理」を実行したり、或いは音声合成部33へ音声
データを送って発声させるように指示する処理を実行す
る。
【0047】なお、この場合の制御回路10へ送るデー
タとしては、最終的な認識結果としての上位比較対象パ
ターンの全てでもよいし、或いはその内の最上位のもの
だけでもよい。また、無意識言葉に対応する音声データ
の除去が行われた場合は、その除去後の音声データに対
する認識結果のみを制御回路10へ送ってもよいし、除
去前の音声データに対する認識結果も併せて送ってもよ
い。
【0048】前述の無意識言葉は、対話制御部32の問
答処理部32d及び比較部32eによって次のように抽
出され、辞書部31bに記憶される。すなわち、問答処
理部32dは所定の質問に対応する音声データを音声合
成部33へ送って、使用者にその質問に対する回答を促
す。また、これと同時に問答処理部32dは、上記質問
の回答として使用者が音声入力すると予測される文章を
比較部32eへ送る。比較部32eでは、使用者が上記
回答として入力した音声データに対応して照合部31a
より入力される比較対象パターンと問答処理部32dよ
り送られた上記文章との比較を行う。そして、使用者が
発声した言葉の内、上記文章に使用された言葉以外の言
葉を無意識言葉として抽出し、辞書部31bの無意識言
葉群に記憶する。
【0049】次に、本実施形態1のカーナビゲーション
システム2の動作について説明する。なお、本実施の形
態は音声認識装置30に関係する部分が特徴であるの
で、カナビゲーションシステムとしての一般的な動作に
ついては簡単に説明し、音声認識装置30に関係する部
分の動作については詳しく説明することとする。
【0050】カーナビゲーションシステム2の電源がオ
ンされると、音声認識装置30は上記無意識言葉を抽出
するための無意識言葉抽出処理を実行する。図4は、そ
のときの音声認識部31及び対話制御部32における処
理を示すフローチャートである。先ず、最初のステップ
S10では使用者の登録・確認処理を実行する。この処
理では、音声合成部33を介してスピーカ37から「今
から質問します。お答え下さい。」「登録または確認す
るために名前を言って下さい。」と発声し、それに対し
て使用者が音声入力した「山田太郎」等の名前を、辞書
部31bに新規に登録したり、上記音声入力された音声
と辞書部31bに既に登録されている名前とを照合した
りする周知の処理である。
【0051】続くS20では、音声合成部33を介して
スピーカ37から「ディスプレイに地図を表示するこの
装置は何ですか?」と質問を発声し、S30にてその発
声に対する回答が音声入力されたか否かを判断する。音
声入力があれば、S40へ移行して音声認識処理を実行
する。この音声認識処理では、入力された音声データに
対して照合部31aが辞書部31b内に記憶されている
辞書データを用いて照合を行い、その照合結果により定
まった上位比較対象パターンを、対話制御部32の比較
部32eへ通知する。すると、比較部32eの動作によ
り、続くS50〜S70の処理が実行される。
【0052】すなわち、音声認識装置30では、上記質
問に対して、「ナビ」「ナビゲーション」「ナビゲーシ
ョンシステム」「わからない」「知らない」等の答えを
予め用意している。そこで、S40に続くS50では、
S40にて認識された音声と上記用意された答えとを比
較する。続くS60では、使用者が発声した言葉の内、
上記答えに使用された言葉以外の音声を無意識言葉とし
て抽出し、S70にてその無意識言葉を辞書部31bの
無意識言葉群に記憶して処理を終了する。
【0053】例えば、上記質問に対して使用者が「えー
と、ナビ」と音声入力した場合、上記答えを構成する言
葉に含まれない「えーと」を、無意識言葉として辞書部
31bの無意識言葉群に記憶する。なお、「えーと」と
音声入力された場合、照合部31aはそれに対応する言
葉として「エイト(数字の8)」とか「江藤」とかいっ
た言葉も候補として認識するが、無意識言葉群に対応す
る言葉が記憶されている場合、表1に示すように、その
無意識言葉を辞書部31bにおける最も優先順位の高い
ものとして取り扱う。また、無意識言葉群の辞書も含め
て、使用者が音声入力する言葉の多い順に順位を付けて
管理してもよい。
【0054】
【表1】
【0055】一方、S30にて音声入力がないと判断し
たときは(S30:NO)、S80へ移行し、その音声
入力がない状態が所定期間以上続いてタイムアウトとな
ったか否かを判断する。タイムアウトとなっていない場
合は(S80:NO)S30へ戻り、タイムアウトとな
った場合は(S80:YES)そのまま処理を終了す
る。後者の場合、無意識言葉として新たな言葉を記憶す
ることなく後述の処理を実行することになる。なお、無
意識言葉群に記憶された無意識言葉は、累積的に追加し
て記憶されてもよく、カーナビゲーションシステム2の
電源がオンされたときにプリセット値にセットされるか
クリアされるかしてもよい。
【0056】このようにして無意識言葉抽出処理が終了
した後に、表示装置14上に表示されるメニューから、
ドライバーが音声認識装置30を介して希望するメニュ
ーをマイク35を介して音声入力することで、案内経路
を表示装置14に表示させるために経路情報表示処理を
選択した場合、制御回路10は次のような処理を実施す
る。なお、リモコン15aまたは操作スイッチ群8によ
って上記経路情報表示処理が選択された場合も、制御回
路10は同様の処理を実施する。
【0057】この処理では、ドライバーが表示装置14
上の地図に基づいて音声或いはリモコン15a等の操作
によって目的地を入力すると、GPS受信機22から得
られる衛星のデータに基づき車両の現在地を求め、目的
地と現在地との間に、ダイクストラ法によりコスト計算
して、現在地から目的地までの最も短距離の経路を誘導
経路として求める。そして、表示装置14上の道路地図
に重ねて誘導経路を表示して、ドライバーに適切なルー
トを案内する。このような誘導経路を求める計算処理や
案内処理は一般的に良く知られた処理であるので説明は
省略する。
【0058】次に、その経路案内のための目的地を使用
者が音声入力する場合における、音声認識装置30の処
理を説明する。図5は、その場合の音声認識部31及び
対話制御部32における処理を示すフローチャートであ
る。先ず、最初のステップS210では音声入力があっ
たか否かを判断する。
【0059】音声入力があれば(S210:YES)、
「認識処理」としてのS220へ移行してS40と同様
の音声認識処理を実行する。続くS230では、S22
0での音声認識処理による認識結果の中に、前述の無意
識言葉が含まれていたか否かを判断する。無意識言葉が
含まれていた場合は(S230:YES)、S240へ
移行し、上記音声入力された音声データからその無意識
言葉に対応するデータを除去した後、再びS220の音
声認識処理を実行する。
【0060】このS220〜S240のループ処理を行
うことにより、入力された音声データからは無意識言葉
に対応する全てのデータが除去され、S230にて否定
判断してS245へ移行する。これによって、S245
以降の処理は、使用者が「えーと」等の無意識言葉を全
く挟まず、目的地の地名等を詰まらずに音声入力した場
合と同様の音声の認識結果に基づいて実行されることに
なる。S245では、除外パターンの削除を実行する。
この除外パターンの削除については後に詳述するとし
て、続くS250では、S220における認識結果が、
「はい」という音声入力であったか否かを判断する。す
なわち、使用者が入力した音声が正しく認識された場
合、使用者は「はい」という確定のための音声入力を行
うが、このS250では、S220における認識結果が
その確定のための音声入力に対応するものであったか否
かを判断する。
【0061】そして、「はい」という音声入力でなけれ
ば(S250:NO)、続くS260にて認識結果が所
定カテゴリに属するものであるかどうかを判断する。こ
こでは経路案内のための目的地を設定する処理を前提と
しているので、この所定カテゴリとは、地名に関するカ
テゴリである。この所定カテゴリであれば(S260:
YES)、S270へ移行して、その認識結果を除外す
べき比較対象パターン(以下、除外パターンと称す。)
として記憶部32b(図2参照)に記憶させる。そし
て、続くS280にて、音声応答処理を実行する。これ
は、音声合成部33及びスピーカ37を介して認識結果
を音声として出力する処理である。
【0062】一方、所定カテゴリでなければ(S26
0:NO)、S290へ移行してその他の処理を実行す
る。S280或いはS290の処理の後はS210へ戻
って、前述の処理を繰り返す。また、S250で肯定判
断、すなわち認識結果が「はい」という音声入力であっ
た場合には、S300へ移行して認識結果を確定する。
そして続くS310にて、所定の確定後処理を実行す
る。この場合の確定後処理とは、認識結果としての「経
路案内のための目的地」に関するデータを、制御回路1
0へ(図1参照)へ出力する処理等となる。このような
確定後処理が終了した後は、S320へ移行して、S2
70の処理で記憶部32bに記憶されていた除外パター
ンをクリアする。その後、S210へ戻って上記処理を
繰り返す。
【0063】また、S210にて音声入力がないと判断
したときは(S210:NO)、S330へ移行し、そ
の音声入力がない状態が所定期間以上続いてタイムアウ
トとなったか否かを判断する。タイムアウトとなってい
ない場合は(S330:NO)S210へ戻り、タイム
アウトとなった場合は(S330:YES)S320へ
直接移行して上記除外パターンをクリアする。
【0064】ここで、S220ではS40と同様に、照
合部31aが辞書部31b内に記憶されている辞書デー
タを用いて照合を行うが、その後、S245へ移行する
と、上記照合結果により定まった上位比較対象パターン
は、対話制御部32の候補決定部32aへ通知される。
候補決定部32aでは、通知された上位比較対象パター
ンに対して、S270の処理によって記憶部32bに記
憶されている除外パターンを削除した上で、最終的な認
識結果としての上位比較対象パターンを決定する。これ
により認識結果が決定される。なお、前述の図5の処理
にて説明したように、確定はS300の処理によって行
われるため、ここでは一応の決定ということとなる。こ
のように、除外パターンを削除することにより、音声入
力に対して同一の誤認識を何度も繰り返すことがなくな
り、認識精度が向上する。
【0065】例えば、使用者が「あいちけんかりやしし
ょうわちょう」と音声入力したのに対して「愛知県刈谷
市松栄(ショーエー)町」と誤認識した場合、その「愛
知県刈谷市松栄町」を除外パターンとすることによって
同一の誤認識を繰り返すことがなくなる。
【0066】このように、本実施の形態では、使用者が
無意識に発声する「えーと」等の音声を無意識言葉抽出
処理によって抽出し(S60)、意味のない無意識言葉
として辞書部31bの無意識言葉群に記憶している(S
70)。そして、この無意識言葉抽出処理によって記憶
された無意識言葉も比較対象パターンの一つとして音声
認識処理(S220)で取り扱うことにより、使用者が
無意識に発声した「えーと」等の言葉は意味のない不要
なものとして扱うことができる。
【0067】しかも、本実施の形態では、入力された音
声の中に無意識言葉が存在した場合(S230:YE
S)、その無意識言葉に対応する音声データを除去する
ことにより(S240)、その無意識言葉に対応する音
声が最初から入力されなかったものとして音声認識処理
(S220)をやり直している。このため、次のように
認識精度を一層向上させることができる。
【0068】すなわち、音声認識処理(S220)で
は、一致する比較対象パターンの音数が多ければ多いほ
ど、高い認識精度が得られるが、本発明では、無意識言
葉に対応する音声が最初から入力されなかったものとし
て音声認識処理(S220)をやり直すため、長い比較
対象パターンに一致する音声を抽出することが可能とな
って認識精度が向上する。例えば、「愛知県刈谷市昭和
町8番地」という地名が比較対象パターンとして記憶さ
れており、使用者が「あいちけんかりやし、えーと、し
ょうわちょうはちばんち」と音声入力した場合、本実施
の形態では、音声入力が「あいちけんかりやし、しょう
わちょうはちばんち」であったものとして音声認識処理
(S220)をやり直す。すなわち、無意識言葉の「え
ーと」が最初から音声入力されなかったものとして音声
認識処理(S220)をやり直し、「愛知県刈谷市昭和
町8番地」が直接認識できる。このため、長い比較対象
パターンに一致する音声を抽出することが可能となって
認識精度が向上する。
【0069】これに対して、無意識言葉を利用する方法
としては、無意識言葉は無意識言葉としてそのまま認識
しておき、入力された音声に対応する地名等を検索する
際にその無意識言葉を無視する方法も考えられる。この
場合、前述の音声入力に対しては「愛知県刈谷市」「え
ーと(無意識言葉)」「昭和町8番地」といった認識が
なされ、対応する比較対象パターンが短くなって認識精
度は若干低下する。但し、このような音声認識方法を採
用した場合、前述の無意識言葉抽出処理と表1に例示し
たような辞書優先順位の並べ替えとを従来の音声認識装
置において実行するだけで無意識言葉をふるいにかける
ことができる。従って、この場合、製造コスト及び開発
コストを低減することができる。
【0070】また、無意識言葉を抽出する方法も種々に
考えられるが、本実施の形態では、前述の無意識言葉抽
出処理によって使用者との問答によって無意識言葉を抽
出しているので、極めて効率的に無意識言葉を抽出し、
延いては、上記認識精度を一層向上させることができ
る。
【0071】すなわち、無意識言葉抽出処理の他の形態
としては、対応する比較対象パターンが存在しない入力
音声の全てを無意識言葉として抽出することも考えられ
る。ところが、この場合、比較対象パターンが極めて狭
い語彙(例えば地名のみ)に限定されているときには有
効であるが、語彙が広いと無意識に発声した言葉も何ら
かの単語に対応または類似してしまって上記抽出が行え
ない。
【0072】これに対して、本実施の形態では、用意さ
れた答えのいずれかを使用者に発声させ、その文章に使
用された言葉以外の音声を無意識言葉としているので、
処理が簡略化できると共に、比較対象パターンが極めて
広い語彙に渡る場合にも良好に上記抽出を行うことがで
きる。しかも、本実施の形態では、使用者に質問を発
し、その質問に対する答えが無意識言葉抽出用の文章と
なっているので、使用者が「えーと」等の音声を無意識
に発声する可能性が高くなり、上記無意識に発声する音
声の抽出効率が向上する。更に、使用者に質問を発する
形態としては、表示装置14に質問文を表示する形態も
考えられるが、本実施の形態では、音声によって質問を
発しているので、無意識に発声する音声の抽出効率を一
層向上させ、音声認識処理における音声の認識精度も一
層向上させることができる。
【0073】なお、本実施の形態では、S20にて「デ
ィスプレイに地図を表示するこの装置は何ですか?」と
質問を発声し、その回答に基づいて無意識言葉を抽出し
ているが、その直前のS10でも同様の処理を行い、使
用者の氏名の前後に「えーと」等の音声が入力されたと
きにその言葉も無意識言葉として抽出してもよい。
【0074】また、本実施の形態では、無意識言葉抽出
処理によって抽出した「えーと」等の音声を辞書部31
bの無意識言葉群に記憶することによってその音声を無
意識言葉として取り扱っている。このため、入力された
音声と一致度の高い比較対象パターンが辞書部31bの
どの場所(アドレス等)に記憶されているかに基づいて
その音声が無意識言葉であるか否かを判断することがで
き、音声データに無意識言葉である旨を示す属性データ
を付与する必要もない。このため、処理を一層簡略化し
て、装置全体としての処理速度を一層向上させることが
できる。なお、無意識言葉は、その比較対象パターンに
属性データを付与することによって定義することもでき
る。
【0075】[実施の形態2]上述の実施形態1では、
カーナビゲーションシステムに適用した場合を説明した
が、この実施の形態2では、車載空調装置(いわゆるカ
ーエアコン)に適用した場合を説明する。
【0076】基本的な構成は、図1に示したカーナビゲ
ーションシステム2の場合と同様であり、音声認識装置
30によって空調状態関連指示を使用者が音声にて入力
することができるようにされており、図1における制御
回路10が空調に関する各種制御、例えば温度変更や空
調モード(冷房・暖房・ドライ)の変更、或いは風向の
変更といった制御を実行することとなる。
【0077】この場合、音声認識装置30は、「室内の
気温を調整するこの装置は何ですか?」と質問を発生
し、その質問に対して「エアコン」,「カーエアコ
ン」,「空調装置」等の答えを予め用意しておいて無意
識言葉を抽出し、基本的には上記カーナビゲーションシ
ステム2の場合と同様の処理を実行するので詳しくは説
明しない。しかしながら、音声で入力指示する空調状態
関連情報に対する認識処理においては、単語の一致度合
だけで判断できる場合だけでないことが多いと考えられ
るので、その点を説明しておく。
【0078】空調状態の指示において、温度設定を「2
5度」や「28度」と指示したり、空調モードを「冷
房」、「暖房」或いは「ドライ」というように指示した
りする場合は単語の一致度合だけで判断しても構わな
い。しかし、エアコンの場合は、例えば、現在の温度か
ら「5度下げる」と「5度冷やす」とは同義である。そ
こで、S270では、「5度下げる」を除外パターンと
して記憶する際、それと実質的に同一の「5度冷やす」
も除外パターンとして記憶するのが望ましい。
【0079】[その他]上記各実施の形態では、ナビゲ
ーションシステムや空調システムを車載機器として捉え
た例として説明したが、例えば携帯型ナビゲーション装
置や屋内用空調装置等のように車載機器として用いられ
る場合だけではないため、そのような実施形態としても
実現可能である。更に、本発明の適用先としては、テレ
ビのチャンネルや音量を音声入力によって制御する装置
や、ワードプロセッサの変換前の仮名文字列を音声によ
って入力する装置等、使用者がスイッチ操作や音声入力
等によって指示したものを受けて制御装置が間接的に対
象物を操作・制御しているようなものであれば同様に考
えられる。
【0080】但し、これまで説明したように車載機器用
として用いる場合には使用者がドライバーであることが
考えられ、その場合には運転自体が最重要であり、それ
以外の車載機器に対する操作についてはなるべく運転に
支障がないことが好ましい。従って、車載機器としての
カーナビゲーションシステム2や空調システムを前提と
した音声認識装置30の場合には、前述の効果がより一
層に顕著に表れる。
【0081】もちろん、このような視点で考えるなら
ば、ナビゲーションシステムや空調システム以外の車載
機器に対しても同様に利用することができ、例えばカー
オーディオ機器等は有効である。また、それ以外にも、
いわゆるパワーウインドウの開閉やミラー角度の調整等
を音声によって指示するような構成を考えれば、そのよ
うな制御対象についても同様に適用でき、やはり有効で
ある。
【0082】また、ナビゲーションシステムでは、使用
者は目的地の地名等を思い出しながら音声入力を行うの
で「えーと」等の音声を無意識に発声する場合が多く、
エアコン等の空調システムでは、使用者は気温を何度ぐ
らい上昇または下降させれば快適か等を考えながら音声
入力を行うので「えーと」等の音声を無意識に発声する
場合が多い。従って、ナビゲーションシステムまたは空
調システムに本発明を適用した場合、無意識言葉を他の
音声と区別して取り扱う必要性が高まり、本発明の効果
が一層顕著に表れる。
【0083】更に、上記実施の形態では、「はい」とい
う音声入力があったとき認識結果を確定し(S30
0)、その認識結果に基づいた処理を実行しているが
(S310)、本発明を適用する機器によっては、S2
20〜S245の処理による認識結果に基づいて即座に
処理を実行してもよい。例えば、ミラー角度の調整にお
いて認識可能な音声が「右」「左」「上」「下」の4種
類である場合、誤認識が生じる可能性は極めて低く、仮
に誤認識によって意図せぬ方向へ移動したとしても、そ
れを相殺する方向に音声入力を行うことによって誤認識
の影響を排除することができる。また、テレビのチャン
ネルを音声入力によって切り換える場合等も同様であ
る。これらの場合は、いちいち確認して「はい」という
音声入力を行うよりも、上記のように即座に処理を実行
した方が操作性が向上する場合がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1としてのカーナビゲー
ションシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】 音声認識装置における音声認識部と対話制御
部の構成を示すブロック図である。
【図3】 その音声認識部の辞書部の構成を示すブロッ
ク図である。
【図4】 音声認識装置における無意識言葉抽出処理に
係る処理を示すフローチャートである。
【図5】 音声認識装置における音声認識及び対話制御
に係る処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2…カーナビゲーションシステム 4…位置検出器
6…地図データ入力器 8…操作スイッチ群 10…制御回路 12…外部メ
モリ 14…表示装置 15…リモコンセンサ 15a…リモコン
16…地磁気センサ 18…ジャイロスコープ 20…距離センサ
22…GPS受信機 30…音声認識装置 31…音声認識部 31a…照
合部 31b…辞書部 31c…バッファ 32…対話制御部 3
2a…候補決定部 32b…記憶部 32c…後処理部 32d…問答処
理部 32e…比較部 33…音声合成部 34…音声入力部 35…マイ
ク 37…スピーカ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用者の発声によって入力された音声を
    予め記憶されている複数の比較対象パターンと比較し
    て、一致度の高いものを認識結果とする認識処理を備え
    た音声認識方法であって、 上記使用者が無意識に発声する音声を抽出し、意味のな
    い無意識言葉として記憶する無意識言葉抽出処理を、更
    に備えると共に、 上記認識処理では、上記無意識言葉も上記比較対象パタ
    ーンの一つとして扱うことを特徴とする音声認識方法。
  2. 【請求項2】 上記無意識言葉抽出処理では、一定の文
    章または複数パターンの文章の内のいずれかを使用者に
    発声させ、上記文章に使用された言葉以外の音声を上記
    無意識に発声する音声として抽出することを特徴とする
    請求項1記載の音声認識方法。
  3. 【請求項3】 上記無意識言葉抽出処理では、使用者に
    質問を発し、その質問に対する答えが上記文章となって
    いることを特徴とする請求項2記載の音声認識方法。
  4. 【請求項4】 上記認識処理にて、上記無意識言葉を上
    記一致度の高いものと判断した場合、上記認識処理で
    は、その無意識言葉に対応する音声が最初から入力され
    なかったものとして上記比較をやり直すことを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかに記載の音声認識方法。
  5. 【請求項5】 使用者が発声した音声が入力される音声
    入力手段と、 該音声入力手段に入力された音声を、辞書手段に予め記
    憶されている複数の比較対象パターンと比較して、一致
    度の高いものを認識結果とする認識手段と、 を備えた音声認識装置であって、 上記使用者が無意識に発声する音声を抽出し、意味のな
    い無意識言葉として上記辞書手段に記憶する無意識言葉
    抽出手段を、更に備えると共に、 上記認識手段が、上記無意識言葉も上記比較対象パター
    ンの一つとして扱うことを特徴とする音声認識装置。
  6. 【請求項6】 上記無意識言葉抽出手段が、一定の文章
    または複数パターンの文章の内のいずれかを使用者に発
    声させ、上記文章に使用された言葉以外の音声を上記無
    意識に発声する音声として抽出することを特徴とする請
    求項5記載の音声認識装置。
  7. 【請求項7】 上記無意識言葉抽出手段が、使用者に質
    問を発し、その質問に対して使用者が発声した答えに基
    づいて上記無意識に発声する音声を抽出するものであっ
    て、上記質問に対する答えが上記文章となっていること
    を特徴とする請求項6記載の音声認識装置。
  8. 【請求項8】 上記認識手段が、上記無意識言葉を上記
    一致度の高いものと判断した場合、上記認識手段が、そ
    の無意識言葉に対応する音声が最初から入力されなかっ
    たものとして上記比較をやり直すことを特徴とする請求
    項5〜7のいずれかに記載の音声認識装置。
  9. 【請求項9】 上記無意識言葉抽出手段が、上記無意識
    に発声する音声を上記辞書手段の所定の分類場所に記憶
    することを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の
    音声認識装置。
  10. 【請求項10】 上記音声入力手段は、ナビゲーション
    システムがナビゲート処理をする上で指定される必要の
    ある所定のナビゲート処理関連情報の指示を、使用者が
    音声にて入力するために用いられるものであることを特
    徴とする請求項5〜9のいずれかに記載の音声認識装
    置。
  11. 【請求項11】 上記音声入力手段は、空調システムに
    おける空調状態関連指示を使用者が音声にて入力するた
    めに用いられるものであることを特徴とする請求項5〜
    9のいずれかに記載の音声認識装置。
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