WO2013065537A1

WO2013065537A1 - 侵入阻止設備

Info

Publication number: WO2013065537A1
Application number: PCT/JP2012/077413
Authority: WO
Inventors: 岡村操; 本多利光; 岡村玲央奈
Original assignee: Okamura Misao; Honda Toshimitsu; Okamura Reona
Priority date: 2011-10-30
Filing date: 2012-10-24
Publication date: 2013-05-10

Abstract

　遮る箇所（開閉したい部分）を自由に変更でき、様々な侵入阻止対象（人、車いす、ベビーカー、自転車、バイク、自動車、動物など）の侵入を遮り得る侵入阻止設備を提供することを課題とする。　柱Ｐに固定設置した水平材Ｂに対して移動可能に接合した柱状体１０及び連結体３０と、前記柱状体を駆動する柱状体駆動装置２０と、前記連結体を駆動する連結体駆動装置４０と、前記柱状体１０と前記連結体３０との間で伸縮する３本の３段伸縮体５０とを少なくとも備え、前記３段伸縮体５０が地面Ｅに対して水平方向に伸張することにより、様々な侵入阻止対象の侵入を遮る侵入阻止設備１を提供する。

Description

侵入阻止設備

　本願発明は、様々な侵入阻止対象（人、車いす、ベビーカー、自転車、バイク、自動車、動物など）の侵入を遮る侵入阻止設備に関するものである。

　従来より、様々な利用環境で、様々な侵入阻止対象の侵入を遮る、様々な侵入阻止設備が存在する。

　例えば、列車のプラットホーム利用環境で、プラットホームに待機する乗客、車いす、ベビーカー等の侵入阻止対象の軌道路内への侵入を遮るホーム柵も侵入阻止設備の１つである。

　列車のプラットホーム利用環境で、乗客等の軌道路内への侵入を遮るホーム柵においては以下の様な問題点が指摘されている。

　まずは、扉位置が異なる車両に対応するために、開閉位置を変化させる必要があること。さらに、列車の発着及び通過時などで生じる特有の風（風圧）に対応する必要があること。

　また、前記風圧に対応するためにプラットホーム側設備について補強工事が必要になり補強工事によるコストの問題も指摘されている。また、列車のプラットホーム空間という限られたスペースの中で、多くの乗客が行き交う場所であるため、省スペース化する事も要望されている。

　先行技術文献の中では、例えば、戸袋がありプラットホームの長さ方向に柵（扉）が水平方向に出没する形式のホーム柵においては、ホーム柵の閉状態における全長が長くなるため、乗降口の間隔が短い列車（乗降口の多い列車）に対応することが困難であることを指摘し、プラットホームドア装置の閉状態における全長を短縮することができるプラットホームドア装置などが考案されている（特許文献１）。また、戸袋自体の存在により、プラットホームの長さ方向の設置スペースが大きく（長く）なることも問題点として想定できる。

特開２０００－１７７５８０号公報

　上述した特許文献１で列車のプラットホームに使用するプラットホーム設備として乗降口の間隔が短い列車（乗降口の多い列車）に対応することを可能とする設備が開示されているが、更なる改良の余地があるものと考える。

　また、上述した様に、侵入阻止設備に求められる機能又は性能などは利用環境に応じて異なるが、遮る箇所（開閉する部分）を自由に変更できる侵入阻止設備は、多くの利用環境で便利に使用できるものであると考える。

　そこで、本願発明では、遮る箇所（開閉する部分）を自由に変更できる侵入阻止設備であって、列車のプラットホームを含む様々な利用環境で使用できる侵入阻止設備を提供することを課題とする。

　特に、列車のプラットホーム利用環境の侵入阻止設備とした場合においては、戸袋が不要で、乗降口の間隔が短い列車（乗降口の多い列車）に対応でき、列車の発着及び通過時などで生じる特有の風にも対応し、さらに、設備コストを抑える事も可能な侵入阻止設備を提供することを課題とする。

　上述の課題を解決するために、様々な侵入阻止対象の侵入を遮る侵入阻止設備であって、地面に対して略垂直方向でかつ移動可能に設置する柱状体及び連結体と、前記柱状体と連結体との間に備え地面に対して略水平方向に伸縮する複数本の複数段伸縮体と、前記柱状体の一方の端部に装備し当該柱状体の略水平方向の移動を補助する柱状体滑動体と、前記連結体の一方の端部に装備し当該連結体の略水平方向の移動を補助する連結体滑動体と、前記柱状体を駆動する柱状体駆動装置又は前記連結体を駆動する連結体駆動装置と、を備え、前記複数段伸縮体が地面に対して略水平方向に伸張することにより侵入阻止対象の侵入を遮る侵入阻止設備を提供する。

　また、上述の課題を解決するために、様々な侵入阻止対象の侵入を遮る侵入阻止設備であって、地面に対して略垂直方向でかつ移動可能に設置する柱状体及び連結体と、前記柱状体と連結体との間に備え地面に対して略水平方向に伸縮する複数本の複数段伸縮体と、前記柱状体の一方の端部に装備し当該柱状体の略水平方向の移動を補助する柱状体滑動体と、前記連結体の一方の端部に装備し当該連結体の略水平方向の移動を補助する連結体滑動体と、前記柱状体を駆動する人力手動で作動させる機構（例えば、ハンドルなど）である柱状体駆動装置又は前記連結体を駆動する人力手動で作動させる機構（例えば、ハンドルなど）である連結体駆動装置と、を備え、前記複数段伸縮体が地面に対して略水平方向に伸張することにより侵入阻止対象の侵入を遮る侵入阻止設備を提供する。

　また、上述の課題を解決するために、主柱に梁を固設した列車のプラットホームに設置する侵入阻止設備であって、プラットホーム地面に対して略垂直方向でかつ移動可能に設置する柱状体及び連結体と、前記柱状体と連結体の間に備えプラットホーム地面に対して略水平方向に伸縮する複数本の複数段伸縮体と、前記柱状体を直接駆動することにより前記複数段伸縮体を間接的に伸縮駆動させる柱状体駆動装置と、前記連結体を直接駆動することにより前記複数段伸縮体を間接的に伸縮駆動させる連結体駆動装置と、当該柱状体の一方の端部に装備し当該柱状体のプラットホーム地面に対して水平方向の移動を補助する柱状体滑動体と、前記連結体の一方の端部に装備し当該連結体のプラットホーム地面に対して水平方向の移動を補助する連結体滑動体と、を備え、前記複数段伸縮体がプラットホーム地面に対して略水平方向に伸張することにより侵入阻止対象の侵入を遮る、前記複数段伸縮体相互の間隔が人の頭部が通過しない間隔である列車のプラットホームに適した侵入阻止設備を提供する。

　本願発明の侵入阻止設備は、遮る箇所（開閉する部分）を自由に変更できる侵入阻止設備であるので、様々な利用環境で使用できる。

　また、本願発明の侵入阻止設備は、人力手動ハンドル機構で開閉することが可能であるので、様々な利用環境で使用できる。

　また、本願発明の侵入阻止設備は、風が侵入阻止設備を通過する構造であるため、特に、列車の発着及び通過時などで生じる特有の風の影響を受け難い設備であるとともに、複数段伸縮体を、間隔を開けて設置する構成を採用したことにより、同時に軽量化も実現している。したがって、プラットホーム側設備の補強工事を抑えること又は不要にすることができ、補強工事による設備コストを低減する事ができる。また、戸袋を必要としないため、プラットホームの長さ方向の設置スペースを小さく（短く）することができ、列車のプラットホーム利用環境に適している。

　また、本願発明の侵入阻止設備は、前記柱状体及び前記連結体のいずれも駆動可能とすることにより、複数段伸縮体の伸縮方向を変更することができるので（第１の開放状態と第２の開放状態を使い分ける事が可能なため）、乗降口の位置及び個数が異なる車両（乗降口の間隔が短い列車、乗降口の多い列車）が発着するプラットホームにも対応することができる。

図１は、実施例１の侵入阻止設備の構成を示す図である。図２は、複数段伸縮体の変形例１及び変形例２を示す図である。図３は、複数段伸縮体の変形例３を示す図である。図４は、実施例２の侵入阻止設備であるホーム柵の構成及び第１の開放状態を示す図である。図５は、実施例２の侵入阻止設備であるホーム柵の構成及び全閉鎖状態を示す図である。図６は、実施例２の侵入阻止設備であるホーム柵の第２の開放状態を示す図である。

　本願発明に係る侵入阻止設備を在来線が発着及び通過する列車のプラットホームに設置してホーム柵として使用する。

　実施例１の侵入阻止設備（ホーム柵）の構成を図１から図３に従い説明する。

　侵入阻止設備（１）は、柱（Ｐ）に固定設置された水平材（Ｂ）に移動可能に接合し地面（Ｅ）に対して略垂直に設置した複数の柱状体（１０）及び連結体（３０）と、前記柱状体（１０）を直接駆動する柱状体駆動装置（２０）と、前記連結体（３０）を直接駆動する連結体駆動装置（４０）と、前記柱状体（１０）と前記連結体（３０）との間に備え、地面（Ｅ）に対して略水平に設置した３本の３段伸縮体（５０）と、前記柱状体（１０）の下端部に装備する柱状体滑動体（６０）と、前記連結体（３０）の下端部に装備する連結体滑動体（７０）と、で構成する。

　前記柱状体（１０）のうちのそれぞれの柱状体Ａ（１００）と柱状体Ｂ（１１０）と柱状体Ｃ（１２０）との位置関係については、前記柱状体Ａ（１００）と前記柱状体Ｂ（１１０）と前記柱状体Ｃ（１２０）を結ぶラインが一直線ライン又は当該一直線ラインと平行になる様に設置することが好ましい。

　前記柱状体駆動装置（２０）の台数は、前記それぞれの柱状体Ａ～Ｃ（１００、１１０、１２０）ごとに対応させて同数の３台（２００、２１０、２２０）としている。

　なお、前記柱状体駆動装置（２０）の設置位置は、前記水平材（Ｂ）に固定設置しているが、利用環境に応じて適宜設計変更可能である。

　利用環境に応じて、前記柱状体駆動装置（２０）として、人力手動ハンドル機構（２９０）を装備する構成にも設計変更し得る。

　前記連結体（３０）のうちのそれぞれの連結体Ａ（３００）と連結体Ｂ（３１０）と連結体Ｃ（３２０）との位置関係については、前記連結体Ａ（３００）と前記連結体Ｂ（３１０）と前記連結体Ｃ（３２０）を結ぶラインが一直線ライン又は当該一直線ラインと平行になる様に設置することが好ましい。

　前記連結体駆動装置（４０）の台数は、前記それぞれの連結体Ａ～Ｃ（３００、３１０、３２０）ごとに対応させて同数の３台（４００、４１０、４２０）としている。

　なお、前記連結体駆動装置（４０）の設置位置は、前記水平材（Ｂ）に固定設置しているが、利用環境に応じて適宜設計変更可能である。

　利用環境に応じて、前記連結体駆動装置（４０）として、人力手動ハンドル機構（４９０）を装備する構成にも設計変更し得る。

　複数段伸縮体（５０）とは、外形サイズ（太さ）の異なる２種以上の柱体で構成し、外形サイズの大きな（太い）柱体には内部に中空部を設け当該中空部に外形サイズの小さな（細い）柱体を収納することにより、全体の長さを伸縮させる構造体のことを指す。

　前記３段伸縮体（５０）のうちのそれぞれの複数段伸縮体Ａ１～Ａ３（５０１、５０２、５０３）の両端部について、左端部は前記柱状体Ａ（１００）に、右端部は前記連結体Ａ（３００）に結合している。

　前記３段伸縮体（５０）のうちのそれぞれの複数段伸縮体Ｂ１～Ｂ３（５１１、５１２、５１３）の両端部について、左端部は前記連結体Ｂ（３１０）に、右端部は前記柱状体Ｂ（１１０）に結合している。

　前記３段伸縮体（５０）のうちのそれぞれの複数段伸縮体Ｃ１～Ｃ３（５２１、５２２、５２３）の両端部について、左端部は前記柱状体Ｃ（１２０）に、右端部は前記連結体Ｃ（３２０）に結合している。

　前記複数段伸縮体（５０）の伸縮段数及び太さの組み合わせは、３段で前記柱状体（１０）及び前記連結体（３０）との接合側が太く中間部が細い組み合わせであるが、伸縮可能な２段以上で中空部を有する太い伸縮体と当該太い伸縮体の中空部に収納される細い伸縮体との組み合わせであれば良く、利用環境に応じて、強度及びその他のバランスなどを考慮しながら適宜設計変更し得る。

　例えば、図２中央で示す様な２段で前記連結体（３０）との接合部が細く前記柱状体（１０）との接合部が太い組み合わせや、図２両端側で示す様な３段で前記柱状体（１０）及び前記連結体（３０）との接合側が細く中間部が太い組み合わせや、図３で示す様な５段で前記柱状体（１０）から前記連結体（３０）へ向かうほどだんだん細くなる組み合わせでも利用環境に応じて、強度及びその他のバランスなどを考慮していれば良い。

　前記３段伸縮体（５０）の前記柱状体（１０）及び前記連結体（３０）ごとに備える本数及びその間隔は、３本及び侵入阻止対象を遮ることが可能な間隔であるが、侵入阻止対象及び利用環境に応じて適宜設計変更し得る。また、図３中央で示す様な侵入阻止対象に応じて複数段伸縮体相互間に板状体、帯状体、棒状体又は網状体などの遮断体（５９０）を付加することも可能である。

　前記３段伸縮体（５０）を構成する各段（個々）の複数段伸縮体の構成要素の形状及び長さは、侵入阻止対象及び利用環境に応じて適宜設計変更可能である。

　前記柱状体Ａ（１００）の下端部には柱状体滑動体Ａ（６００）を、前記柱状体Ｂ（１１０）の下端部には柱状体滑動体Ｂ（６１０）を、前記柱状体Ｃ（１２０）の下端部には柱状体滑動体Ｃ（６２０）をそれぞれ装備している。

　前記柱状体滑動体（６０）は、前記柱状体（１０）の水平方向への移動を滑らかにするために補助できるものであれば良く、下端部にローラや球体を備えたものでもよい。

　前記連結体Ａ（３００）の下端部には連結体滑動体Ａ（７００）を、前記連結体Ｂ（３１０）の下端部には連結体滑動体Ｂ（７１０）を、前記連結体Ｃ（３２０）の下端部には連結体滑動体Ｃ（７２０）をそれぞれ装備している。

　前記連結体滑動体（７０）は、前記連結体（４０）の水平方向への移動を滑らかにするために補助できるものであれば良く、下端部にローラや球体を備えたものでもよい。

　なお、前記柱状体駆動装置Ａ（２００）は、前記柱状体Ａ（１００）を直接駆動することにより間接的に前記複数段伸縮体Ａ１～Ａ３（５０１～５０３）を伸縮駆動させる。また、前記柱状体駆動装置Ｂ（２１０）は、前記柱状体Ｂ（１１０）を直接駆動することにより間接的に前記複数段伸縮体Ｂ１～Ｂ３（５１１～５１３）を伸縮駆動させる。また、前記柱状体駆動装置Ｃ（２２０）は、前記柱状体Ｃ（１２０）を直接駆動することにより間接的に前記複数段伸縮体Ｃ１～Ｃ３（５２１～５２３）を伸縮駆動させる。

　なお、前記連結体駆動装置Ａ（４００）は、前記連結体Ａ（３００）を直接駆動することにより間接的に前記複数段伸縮体Ａ１～Ａ３（５０１～５０３）を伸縮駆動させる。また、連結体駆動装置Ｂ（４１０）は、前記連結体Ｂ（３１０）を直接駆動することにより間接的に前記複数段伸縮体Ｂ１～Ｂ３（５１１～５１３）を伸縮駆動させる。また、連結体駆動装置Ｃ（４２０）は、前記連結体Ｃ（３２０）を直接駆動することにより間接的に前記複数段伸縮体Ｃ１～Ｃ３（５２１～５２３）を伸縮駆動させる。

　次に、実施例１の侵入阻止設備の開放動作について、図１に従い説明する。

　柱状体駆動装置Ｂ（２１０）を作動させることにより、柱状体滑動体Ｂ（６１０）を滑動させながら柱状体Ｂ（１１０）が、連結体Ｂ（３１０）に近づく方向（図１で示す左方向）へ向かって水平に移動する。

　同様に、前記柱状体駆動装置Ｃ（２２０）が作動することにより、柱状体滑動体Ｃ（６２０）を滑動させながら柱状体Ｃ（１２０）が、連結体Ｃ（３２０）に近づく方向（図１で示す右方向）へ向かって水平に移動する。

　前記柱状体Ｂ（１１０）が前記連結体Ｂ（３１０）に近づく方向へ向かって水平に移動することにより、左端部を前記連結体Ｂ（３１０）に結合し右端部を前記柱状体Ｂ（１１０）に結合した複数段伸縮体Ｂ１～Ｂ３（５１１、５１２、５１３）も従動的に、前記連結体Ｂ（３１０）に近づく方向（図１で示す左方向）へ向かって水平に圧縮する。

　同様に、前記柱状体Ｃ（１２０）が前記連結体Ｃ（３２０）に近づく方向へ向かって水平に移動することにより、左端部を前記柱状体Ｃ（１２０）に結合し右端部を前記連結体Ｃ（３２０）に結合した複数段伸縮体Ｃ１～Ｃ３（５２１、５２２、５２３）も従動的に、前記連結体Ｃ（３２０）に近づく方向（図１で示す右方向）へ向かって水平に圧縮する。

　前記水平方向に圧縮した複数段伸縮体Ｂ１～Ｃ３（５１１～５２３）が、これ以上圧縮しない最短圧縮位置まで圧縮すると、前記柱状体Ｂ及びＣ（１１０及び１２０）の移動は停止する。また、従動的に圧縮する前記複数段伸縮体Ｂ１～Ｃ３（５１１～５２３）の圧縮も停止する。

　実施例２の侵入阻止設備（ホーム柵）の構成を図４及び図５に従い、実施例１と異なる部分について説明する。

　侵入阻止設備（１）は、主柱（Ｐ１）に固定設置された水平材である梁（Ｂ１）に移動可能に接合しプラットホーム地面（Ｅ１）に対して略垂直に設置した複数の柱状体（１０）及び連結体（３０）と、前記柱状体（１０）を直接駆動する柱状体駆動装置（２０）と、前記連結体（３０）を直接駆動する連結体駆動装置（４０）と、前記柱状体（１０）と前記連結体（３０）との間に備え、前記プラットホーム地面（Ｅ１）に対して略水平に設置した３本の５段伸縮体（５０）と、前記柱状体（１０）の下端部に装備する柱状体滑動体（６０）と、前記連結体（３０）の下端部に装備する連結体滑動体（７０）と、前記プラットホーム地面（Ｅ１）を掘り下げて設けた滑動体レール（８０）と、で構成する。

　前記柱状体（１０）のプラットホームの長さ方向の幅及び材質については、２００ｍｍの鉄鋼材で設計しているが、列車の発着及び通過時などで生じる特有の風（風圧）及びプラットホームで待機する人や車いすとの衝突などで破損しない程度の強度を要していれば良く、適宜設計変更可能である。ただし、プラットホームの長さ方向の設置スペースを小さく（短く）することを考慮すればプラットホームの長さ方向の幅については、より短い方が好ましい。

　前記柱状体（１０）のうちのそれぞれの柱状体Ａ（１００）と柱状体Ｂ（１１０）と柱状体Ｃ（１２０）との位置関係については、前記柱状体Ａ（１００）と前記柱状体Ｂ（１１０）と前記柱状体Ｃ（１２０）を結ぶラインがプラットホームの縁端部に対して略平行となる様に設置する。

　前記柱状体駆動装置（２０）の設置位置は、前記柱状体（１０）の上部の前記梁（Ｂ１）上であるが、前記柱状体（１０）を駆動できれば良く、設置プラットホームの環境などに応じて適宜設計変更可能である。

　前記柱状体駆動装置（２０）は、電気モータで設計しているが、設置プラットホームの環境などに応じて適宜設計変更可能である。例えば、油圧、水圧、空気圧などを使用する駆動装置などにも設計変更し得る。

　前記連結体（３０）のプラットホームの長さ方向の幅及び材質については、１００ｍｍのアルミ材で設計しているが、列車の発着及び通過時などで生じる特有の風（風圧）及びプラットホームで待機する人や車いすとの衝突などで破損しない程度の強度を要していれば良く、適宜設計変更可能である。ただし、プラットホームの長さ方向の設置スペースを小さく（短く）することを考慮すれば前記連結体（３０）のプラットホームの長さ方向の幅については、より短い方が好ましい。

　前記連結体（３０）のうちのそれぞれの連結体Ａ（３００）と連結体Ｂ（３１０）と連結体Ｃ（３２０）との位置関係については、前記連結体Ａ（３００）と前記連結体Ｂ（３１０）と前記連結体Ｃ（３２０）を結ぶラインがプラットホームの縁端部に対して略平行となる様に設置する。

　前記連結体駆動装置（４０）の設置位置は、前記連結体（３０）上部の前記梁（Ｂ１）上であるが、前記連結体（３０）を駆動できれば良く、設置プラットホームの環境などに応じて適宜設計変更可能である。

　前記連結体駆動装置（４０）は、電気モータで設計しているが、設置プラットホームの環境などに応じて適宜設計変更可能である。例えば、油圧、水圧、空気圧などを使用する駆動装置などにも設計変更し得る。

　前記複数段伸縮体（５０）の材質、伸縮段数及び太さの組み合わせは、金属材の５段で前記柱状体（１０）から前記連結体（３０）へ向かうほどだんだん細くなる組み合わせで設計しているが、列車の発着及び通過時などで生じる特有の風（風圧）及びプラットホームで待機する人や車いすとの衝突などで破損しない程度の強度を要していれば良く、適宜設計変更可能である。

　例えば、樹脂材の３段で前記柱状体（１０）及び前記連結体（３０）との接合側が太く中間部が細い組み合わせや、金属材の３段で前記柱状体（１０）及び前記連結体（３０）との接合側が細く中間部が太い組み合わせでも列車の発着及び通過時などで生じる特有の風（風圧）及びプラットホームで待機する人や車いすとの衝突などで破損しない程度の強度を要していれば良い。

　前記複数段伸縮体（５０）の形状は、列車の発着及び通過時などで生じる特有の風（風圧）の影響を極力抑えるために風圧を受ける面積が少ない円筒形で設計しているが、風圧などで破損しない程度の強度を要していれば良く、適宜設計変更可能である。例えば、角を丸くした四角筒形や楕円筒形なども好ましい形状であると考える。

　前記複数段伸縮体（５０）の前記柱状体（１０）及び前記連結体（３０）ごとに備える本数は、前記柱状体（１０）ごとに各３本で設計しているが、強度及びその他のバランスなどを考慮しながら適宜設計変更し得る。

　前記複数段伸縮体相互間の間隔は、侵入阻止対象の大多数である人の頭部が通過しない１５０ｍｍ程度の間隔になる様に前記柱状体（１０）ごとに各３本で設計しているが、強度、想定する侵入阻止対象、コスト等を考慮しながら適宜設計変更し得る。

　なお、経済産業省発表の平成１６～１８年の人体寸法・形状データ（ｓｉｚｅ－ＪＰＮ２００４－２００６）によると２０歳から７９歳の頭幅は１５２～１６４ｍｍである。従って、前記複数段伸縮体（５０）の間隔が１５０ｍｍ以下にすることにより、大多数の人の頭部が通過しないものと推定する。

　また、想定する侵入阻止対象、コスト等を考慮しながら、前記伸縮体相互間に板状体、帯状体、棒状体、網状体などを付加する設計変更もし得る。

　前記複数段伸縮体（５０）を構成する各段（個々）の複数段伸縮体の構成要素の長さについては、自由に設計可能である。ただし、プラットホームの長さ方向の設置スペースを小さく（短く）することを考慮すれば前記柱状体（１０）に結合する段の伸縮体の長さについては、より短い方が好ましい。

　前記前記柱状体滑動体（６０）は、前記柱状体（１０）の水平方向への移動を滑らかにするために補助できるものであれば良く、下端部にローラや球体を備えたものでもよい。

　前記連結体滑動体（７０）は、前記連結体（３０）の水平方向への移動を滑らかにするために補助できるものであれば良く、下端部にローラや球体を備えたものでもよい。

　前記滑動体レール（８０）は、地面（Ｅ）を掘り下げて設けているが、前記連結体（３０）の水平方向への移動を滑らかにするために補助できるものであれば良く、プラットホームの設置環境などに応じて適宜設計変更可能である。

　次に、実施例２の侵入阻止設備（ホーム柵）の閉鎖動作について、図４（第１の開放状態）及び図５（閉鎖状態）に従い説明する。

　連結体駆動装置Ａ（４００）を作動させることにより、連結体Ａ（３００）が、連結体滑動体Ａ（７００）を滑動体レール（８０）上を滑らかに滑動しながら柱状体Ａ（１００）から遠ざかる方向（図４で示す右方向）へ向かって水平に移動する。

　同様に、連結体駆動装置Ｂ（４１０）が作動することにより、連結体Ｂ（３１０）が、連結体滑動体Ｂ（７１０）を前記滑動体レール（８０）上を滑らかに滑動しながら柱状体Ｂ（１１０）から遠ざかる方向（図４で示す左方向）へ向かって水平に移動する。

　同様に、連結体駆動装置Ｃ（４２０）が作動することにより、連結体Ｃ（３２０）が、連結体滑動体Ｃ（７２０）を前記滑動体レール（８０）上を滑らかに滑動しながら柱状体Ｃ（１２０）から遠ざかる方向（図４で示す右方向）へ向かって水平に移動する。

　前記連結体Ａ（３００）が柱状体Ａ（１００）から遠ざかる方向へ向かって水平に移動することにより、左端部を前記柱状体Ａ（１００）に結合し右端部を前記連結体Ａ（３００）に結合した前記複数段伸縮体Ａ１～Ａ３（５０１、５０２、５０３）も従動的に、前記柱状体Ａ（１００）から遠ざかる方向へ向かって水平に伸張する。つまり、前記連結体駆動装置Ａ（４００）は間接的に前記複数段伸縮体Ａ１～Ａ３（５０１～５０３）を伸縮駆動させている。

　同様に、前記連結体Ｂ（３１０）が柱状体Ｂ（１１０）から遠ざかる方向へ向かって水平に移動することにより、左端部を前記連結体Ｂ（３１０）に結合し右端部を前記柱状体Ｂ（１１０）に結合した前記複数段伸縮体Ｂ１～Ｂ３（５１１、５１２、５１３）も従動的に、前記柱状体Ｂ（１１０）から遠ざかる方向へ向かって水平に伸張する。つまり、前記連結体駆動装置Ｂ（４１０）は間接的に前記複数段伸縮体Ｂ１～Ｂ３（５１１～５１３）を伸縮駆動させている。

　同様に、前記連結体Ｃ（３２０）が柱状体Ｃ（１２０）から遠ざかる方向へ向かって水平に移動することにより、左端部を前記柱状体Ｃ（１２０）に結合し右端部を前記連結体Ｃ（３２０）に結合した前記複数段伸縮体Ｃ１～Ｃ３（５２１、５２２、５２３）も従動的に、前記柱状体Ｃ（１２０）から遠ざかる方向へ向かって水平に伸張する。つまり、前記連結体駆動装置Ｃ（４２０）は間接的に前記複数段伸縮体Ｃ１～Ｃ３（５２１～５２３）を伸縮駆動させている。

　前記水平方向に伸張した複数段伸縮体Ａ１～Ｃ３（５０１～５２３）が、これ以上伸張しない最長伸張位置（図５で示す５段目位置）まで伸張すると、前記連結体Ａ、Ｂ及びＣ（３００、３１０及び３２０）の移動は停止する。また、従動的に伸張する前記複数段伸縮体Ａ１～Ｃ３（５０１～５２３）の伸張も停止する（図５の状態）。

　なお、前記柱状体Ａ（１００）から右方向に向かって水平に伸張する前記複数段伸縮体Ａ１～Ａ３（５０１～５０３）と、前記柱状体Ｂ（１１０）から左方向へ向かって伸張する前記複数段伸縮体Ｂ１～Ｂ３（５１１～５１３）とが最長伸張位置に達したときの、対向する前記連結体同士の先端位置は、侵入阻止対象である人又は車いす等が通過することができない程度の隙間になる様に設計しているので、プラットホームに待機する人又は車いすなどは、水平方向に伸張した前記複数段伸縮体Ａ１～Ｃ３（５０１～５２３）に遮られその侵入が阻止される。したがって、プラットホームに待機する人又は車いす等が誤って線路内へ落下することを防止することができる。

　次に、実施例２の侵入阻止設備（ホーム柵）の開放動作について、図５（閉鎖状態）及び図６（第２の開放状態）に従い説明する。

　柱状体駆動装置Ｂ（２１０）を作動させることにより、柱状体Ｂ（１１０）が、柱状体滑動体Ｂ（６１０）を滑動体レール（８０）上を滑らかに滑動しながら連結体Ｂ（３１０）に近づく方向（図５で示す左方向）へ向かって水平に移動する。

　同様に、前記柱状体駆動装置Ｃ（２２０）が作動することにより、柱状体Ｃ（１２０）が柱状体滑動体Ｃ（６２０）を前記滑動体レール（８０）上を滑らかに滑動しながら連結体Ｃ（３２０）に近づく方向（図５で示す右方向）へ向かって水平に移動する。

　前記柱状体Ｂ（１１０）が前記連結体Ｂ（３１０）に近づく方向へ向かって水平に移動することにより、左端部を前記連結体Ｂ（３１０）に結合し右端部を前記柱状体Ｂ（１１０）に結合した複数段伸縮体Ｂ１～Ｂ３（５１１、５１２、５１３）も従動的に、前記連結体Ｂ（３１０）に近づく方向へ向かって水平に圧縮する。

　同様に、前記柱状体Ｃ（１２０）が前記連結体Ｃ（３２０）に近づく方向へ向かって水平に移動することにより、左端部を前記柱状体Ｃ（１２０）に結合し右端部を前記連結体Ｃ（３２０）に結合した複数段伸縮体Ｃ１～Ｃ３（５２１、５２２、５２３）も従動的に、前記連結体Ｃ（３２０）に近づく方向へ向かって水平に圧縮する。

　前記水平方向に圧縮した複数段伸縮体Ｂ１～Ｃ３（５１１～５２３）が、これ以上圧縮しない最短伸張位置（図６で示す１段目位置）まで圧縮すると、前記柱状体Ｂ及びＣ（１１０及び１２０）の移動は停止する。また、従動的に圧縮する前記複数段伸縮体Ｂ１～Ｃ３（５１１～５２３）の圧縮も停止する（図６の状態）。

　本願発明の侵入阻止設備及びホーム柵は、開閉する部分を自由に変更でき、様々な利用環境で使用できる侵入阻止設備であり、かつ、コスト面及び設置スペース面などでのメリットが飛躍的に向上するので産業上の利用可能性を有する。

　１　　　　侵入阻止設備、ホーム柵
　１０　　　柱状体
　１００　　柱状体Ａ
　１１０　　柱状体Ｂ
　１２０　　柱状体Ｃ
　２０　　　柱状体駆動装置
　２００　　柱状体駆動装置Ａ
　２１０　　柱状体駆動装置Ｂ
　２２０　　柱状体駆動装置Ｃ
　２９０　　人力手動ハンドル機構
　３０　　　連結体
　３００　　連結体Ａ
　３１０　　連結体Ｂ
　３２０　　連結体Ｃ
　４０　　　連結体駆動装置
　４００　　連結体駆動装置Ａ
　４１０　　連結体駆動装置Ｂ
　４２０　　連結体駆動装置Ｃ
　４９０　　人力手動ハンドル機構
　５０　　　複数段伸縮体（２段伸縮体、３段伸縮体、５段伸縮体）
　５０１　　複数段伸縮体Ａ１
　５０２　　複数段伸縮体Ａ２
　５０３　　複数段伸縮体Ａ３
　５１１　　複数段伸縮体Ｂ１
　５１２　　複数段伸縮体Ｂ２
　５１３　　複数段伸縮体Ｂ３
　５２１　　複数段伸縮体Ｃ１
　５２２　　複数段伸縮体Ｃ２
　５２３　　複数段伸縮体Ｃ３
　５９０　　遮断体
　６０　　　柱状体滑動体
　６００　　柱状体滑動体Ａ
　６１０　　柱状体滑動体Ｂ
　６２０　　柱状体滑動体Ｃ
　７０　　　連結体滑動体
　７００　　連結体滑動体Ａ
　７１０　　連結体滑動体Ｂ
　７２０　　連結体滑動体Ｃ
　８０　　　滑動体レール
　Ｂ　　　　水平材
　Ｅ　　　　地面
　Ｐ　　　　柱
　Ｂ１　　　梁
　Ｅ１　　　プラットホーム地面
　Ｐ１　　　主柱

Claims

　様々な侵入阻止対象の侵入を遮る侵入阻止設備であって、
地面に対して略垂直方向でかつ移動可能に設置する柱状体及び連結体と、
前記柱状体と連結体との間に備え地面に対して略水平方向に伸縮する複数本の複数段伸縮体と、
前記柱状体の一方の端部に装備し当該柱状体の略水平方向の移動を補助する柱状体滑動体と、
前記連結体の一方の端部に装備し当該連結体の略水平方向の移動を補助する連結体滑動体と、
前記柱状体を駆動する柱状体駆動装置又は前記連結体を駆動する連結体駆動装置と、
を備え、
前記複数段伸縮体が地面に対して略水平方向に伸張することにより侵入阻止対象の侵入を遮る侵入阻止設備。
　前記柱状体駆動装置又は前記連結体駆動装置として、人力手動で作動させる機構とした請求項１に記載の侵入阻止設備。
　主柱に梁を固設した列車のプラットホームに設置する侵入阻止設備であって、
プラットホーム地面に対して略垂直方向でかつ移動可能に設置する柱状体及び連結体と、
前記柱状体と連結体の間に備えプラットホーム地面に対して略水平方向に伸縮する複数本の複数段伸縮体と、
前記柱状体を直接駆動することにより前記複数段伸縮体を間接的に伸縮駆動させる柱状体駆動装置と、
前記連結体を直接駆動することにより前記複数段伸縮体を間接的に伸縮駆動させる連結体駆動装置と、
当該柱状体の一方の端部に装備し当該柱状体のプラットホーム地面に対して水平方向の移動を補助する柱状体滑動体と、
前記連結体の一方の端部に装備し当該連結体のプラットホーム地面に対して水平方向の移動を補助する連結体滑動体と、
を備え、
前記複数段伸縮体がプラットホーム地面に対して略水平方向に伸張することにより侵入阻止対象の侵入を遮る、前記複数段伸縮体相互の間隔が人の頭部が通過しない間隔である列車のプラットホームに適した侵入阻止設備。