以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に係る可動柵装置を模式的に示す平面図であり、図1(A)は可動柵装置の閉鎖状態を概略的に示す平面図であり、図1(B)は可動柵装置の開放状態を概略的に示す平面図である。図2は、この発明の第1実施形態に係る可動柵装置を模式的に示す側面図であり、図2(A)は可動柵装置の閉鎖状態を概略的に示す側面図であり、図2(B)は可動柵装置の開放状態を概略的に示す側面図である。
図2(A)に示す乗客Mは、列車Tを利用する利用者(乗降客)である。図1及び図2に示すホーム(プラットホーム)Fは、乗客Mの乗降を目的として軌道Rに沿って設けられた設備(乗降場)であり、列車Tを停止させて乗客Mを乗降させる旅客駅などの停車場に設けられている。ホームFは、図1及び図2に示す乗客Mが歩行するホーム床面F1と、図1に示す軌道R側の縁部を構成するホーム縁端部F2などを備えている。図1及び図2に示すホームFは、軌道Rの直線部に沿って設けられた直線ホームである。
図1に示す軌道側領域A1は、乗客Mの進入を制限する進入制限領域であり、乗客Mの進入が通常時には制限されているが、乗降時などには乗客Mの進入が一時的に許可される。ホーム側領域A2は、乗客Mの進入を許可する進入許可領域であり、乗客Mの自由な通行が常時認められている。
境界線Lは、軌道側領域A1とホーム側領域A2とを区画する線である。境界線Lは、走行する列車Tに乗客Mが接触するのを防止する目的でホーム縁端部F2の近くに敷設された白色タイルの列である白線の外側、又は視覚障害者の歩行を支援する目的でホーム縁端部F2の近くに敷設される警告ブロック(誘導ブロック)の外側に位置する。境界線Lは、3つの境界線L1〜L3に分割されており、列車Tが進入する側のホームFの端部から、列車Tが進出する側の端部に向かって直線状に延びている。
図1(B)及び図2(B)に示す列車Tは、軌道R上を走行する電車列車、気動車列車又は客車列車などの旅客列車であり、車両V1〜V3が連結された3両編成の列車である。車両V1〜V3は、列車Tを組成する鉄道車両であり、車両V1〜V3の出入口を開閉する4つのドアDを備える通勤用車両である。図1(B)及び図2(B)に示す車両V1は、列車Tが図中矢印方向に走行するときには先頭車両であり、車両V2は車両V1と車両V3との間に連結される中間車両であり、車両V3は列車Tが図中矢印方向に走行するときには後尾車両である。図1(B)に示す隙間S1は、車両V1,V2間の空間であり、隙間S2は車両V2,V3間の空間である。隙間S1,S2は、車両V1〜V3同士を連結する連結部に取り付けられる幌とホームFとの間に形成される間隙部である。図1及び図2に示す軌道Rは、列車Tが走行する通路(線路)であり、図2に示すように車両V1〜V3の左右の車輪をそれぞれ案内するレールを備えている。
可動柵装置1は、図1に示す軌道側領域A1とホーム側領域A2との境界線Lを開閉する装置である。可動柵装置1は、例えば、図1(B)及び図2(B)に示すように、列車TがホームFに停車してドアDが開状態であるときには、乗客Mが軌道側領域A1に進入可能なように境界線L1〜L3を開放する。一方、可動柵装置1は、例えば、図1(A)及び図2(A)に示すように、列車TがホームFに進入する前又はホームFに停車していた列車TがホームFを進出した後には乗客Mが軌道側領域A1に進入不可能なように境界線L1〜L3を閉鎖する。可動柵装置1は、ホームFを軌道側領域A1とホーム側領域A2とに区切るホームパーティションシステムとして機能する。可動柵装置1は、図1及び図2に示すように、固定体2A〜2Dと、可動体3A,3Bと、進入阻止部4と、ガイド部5と、駆動部6A,6Bと、列車検出部7,8と、列車情報入力部9と、列車情報記憶部10と、日時計測部11と、制御部12などを備えている。図1及び図2に示す可動柵装置1は、可動体3A,3Bを互に反対方向に駆動する両引戸式の装置である。
図1及び図2に示す固定体2A〜2Dは、境界線L上に固定される部分であり、固定体2A,2Bは境界線L1の両端部に固定されており、固定体2B,2Cは境界線L2の両端部に固定されており、固定体2C,2Dは境界線L3の両端部に固定されている。固定体2B,2Cは、図1(B)に示すように、ホームFに停車した列車Tの車両V1〜V3間の隙間S1,S2を閉鎖するように、これらの隙間S1,S2に対応する位置に配置されている。また、固定体2A,2Dは、ホームFに停車した列車Tの先頭の車両V1の前方の軌道Rと後尾の車両V3の後方の軌道Rとを閉鎖するように、車両V1の前方の軌道Rと車両V3の後方の軌道Rとにそれぞれ対応して配置されている。固定体2A〜2Dは、ホームFに停車した列車Tの隙間S1,S2を通じて、ホームFから軌道R上に乗客Mが転落するのを防止するとともに、先頭の車両V1の前方の軌道R上及び後尾の車両V3の後方の軌道R上にホームFから乗客Mが転落するのを防止する安全柵として機能する。固定体2A〜2Dは、例えば、車両V1〜V3の前後の連結面間の水平距離である車両V1〜V3の全長(最大長さ)と同じ間隔で配置されており、車両V1〜V3が在来線用車両の場合には20m間隔で配置され、車両V1〜V3が新幹線用車両の場合には25m間隔で配置される。固定体2A〜2Dは、金属製又はコンクリート製の板状の壁部であり、ホーム縁端から20〜30cm程度離して設置されている。
図3は、この発明の第1実施形態に係る可動柵装置の可動体の後退動作を概略的に示す側面図であり、図3(A)は可動体の進出動作完了後の状態を示す側面図であり、図3(B)は可動体の後退動作中の状態を示す側面図であり、図3(C)は可動体の後退動作完了後の状態を示す側面図である。図4は、この発明の第1実施形態に係る可動柵装置の可動体の進出動作を概略的に示す側面図であり、図4(A)は可動体の後退動作完了後の状態を示す側面図であり、図4(B)は可動体の進出動作中の状態を示す側面図であり、図4(C)は可動体の進出動作完了後の状態を示す側面図である。図5は、この発明の第1実施形態に係る可動柵装置の駆動部を概略的に示す断面図であり、図5(A)は図4(A)のV-VA線で切断した状態を示す断面図であり、図5(B)は図4(A)のV-VB線で切断した状態を示す断面図である。
図1及び図2に示す可動体3A,3Bは、境界線L1〜L3に沿って進退する部分である。可動体3A,3Bは、図1(A)に示すように、軌道側領域A1を閉鎖するときには境界線L1〜L3上で分散するように境界線L1〜L3に沿って進出し、図1(B)に示すように軌道側領域A1を開放するときには境界線L1〜L3上で集結するように境界線L1〜L3に沿って後退する。図3及び図4に示すように、可動体3Aは列車Tの側面方向から見たときに、各境界線L1〜L3の位置(右側の後退位置)P1と各境界線L1〜L3の中間の位置(進出位置)P3との間で進退する。一方、可動体3Bは、列車Tの側面方向から見たときに各境界線L1〜L3の位置(左側の後退位置)P2と各境界線L1〜L3の中間の位置P3との間で進退する。可動体3A,3Bは、図1(A)に示すように、軌道側領域A1を閉鎖するときには、図4に示すように位置P1,P2から位置P3に向かって進出し、1番目(先頭)の可動体3A1,3B1が位置P3で互に接合する。一方、可動体3A,3Bは、図1(B)に示すように、軌道側領域A1を開放するときには、図3に示すように接合状態の1番目の可動体3A1,3B1が位置P3で分離して、この位置P3から位置P1,P2に向かって後退する。可動体3A,3Bは、図1(A)及び図2(A)に示すように、固定体2A〜2D間を閉鎖するときにはこれらの固定体2A〜2D間で進出し、図1(B)及び図2(B)に示すように固定体2A〜2D間を開放するときにはこれらの固定体2A〜2D間で後退する。可動体3A,3Bは、金属製又は合成樹脂製の柱状又は筒状(ポール状)の部材であり、図5(A)(B)に示す取付部3aと、抜け止め部3bと、図5(A)に示す連結部3cなどを備えている。可動体3A,3Bは、いずれも同一構造であり、以下では可動体3A側の部分について説明し、可動体3B側の部分で可動体3Aと同一の部分については同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
図5に示す取付部3aは、進入阻止部4を取り付ける部分である。取付部3aは、可動体3Aの上端部付近及び中央部付近の上下2箇所に間隔をあけて形成されており、この可動体3Aを貫通する貫通孔である。抜け止め部3bは、可動体3Aがガイド部5から抜け出すのを防止する部分である。抜け止め部3bは、可動体3Aの下端部に形成された段部であり、可動体3Aよりも外径が小さい小径部3dと、この小径部3dの下方に形成されこの小径部3dよりも外径が大きい大径部3eなどを備えている。図5(A)に示す連結部3cは、可動体3Aと駆動部6Aとを連結する部分である。連結部3cは、図3、図4及び図5(A)に示すように、1番目の可動体3A1,3B1と巻き掛け部材6fとを連結しているが、図3及び図4に示す2番目(後続)の可動体3A2,3B2以降と巻き掛け部材6fとは連結していない。連結部3cは、駆動部6A,6Bの巻き掛け部材6fと一体となって、境界線L1〜L3に沿って1番目の可動体3A1,3B1が進退可能なように、1番目の可動体3A1,3B1の下端部と巻き掛け部材6fの外周部とを連結している。
図3〜図5に示す進入阻止部4は、図1に示すホーム側領域A2から軌道側領域A1への進入を阻止する部分である。図1(A)及び図2(A)に示すように、進入阻止部4は可動体3Aが進出動作したときにはこれらの可動体3A間で拡張状態になり、可動体3Bが進出動作したときにはこれらの可動体3B間で拡張状態になる。進入阻止部4は、図1(A)に示すように、軌道側領域A1を閉鎖したときには可動体3A,3Bの進出動作に連動して拡張し、図1(B)に示すようにこの軌道側領域A1を開放したときには可動体3A,3Bの後退動作に連動して収縮する。進入阻止部4は、図3及び図4に示すように、複数の可動体3Aを連結するとともに、複数の可動体3Bを連結する綱状部材4aを備えている。綱状部材4aは、例えば、ワイヤ、ベルト、テープ、鎖又は紐などであり、乗客Mの潜り抜けを防止するために可動体3A,3Bの上下に所定の間隔をあけて取り付けられている。綱状部材4aは、図3及び図4に示すように、一方の端部が1番目の可動体3A1,3B1に図示しない取付部材によって連結されており、他方の端部が図示しない取付部材によって図1及び図2に示す固定体2A〜2Dに連結されている。綱状部材4aは、図5(B)に示すように2番目の可動体3A2,3B2以降については取付部3aを通過して巻き付けられている。綱状部材4aは、図4に示すように、可動体3A,3Bが進出動作したときには可動体3A間及び可動体3B間で緊張状態になり、図3に示すように可動体3A,3Bが後退動作したときには可動体3A間及び可動体3B間で弛緩状態になる。
図1及び図2に示すガイド部5は、境界線L1〜L3に沿って複数の可動体3A,3Bを進退自在にガイドする部分である。ガイド部5は、図1に示すように、ホームFの線形が直線状であるときには、このホームFの線形に従って可動体3A,3Bを進退自在にガイドするように、境界線L1〜L3に沿ってホーム床面F1に取り付けられている。ガイド部5は、図5に示すように、乗客Mがホーム床面F1上を通行するときに支障がないように、このガイド部5の上端面がホーム床面F1と略同一高さになるように、このホーム床面F1に取り付けられている。ガイド部5は、図5に示すように、断面が凹状の溝形鋼などを加工して形成されており、側面ガイド部5aと底面ガイド部5bなどを備えている。
図5に示す側面ガイド部5aは、可動体3Aの側面を移動自在にガイドする部分であり、可動体3Aの外径よりも僅かに幅が広くなるように形成された一対の壁部である。側面ガイド部5aは、可動体3Aが倒れないように垂直面状に形成されている。底面ガイド部5bは、可動体3Aの底面を移動自在にガイドする部分である。底面ガイド部5bは、可動体3Aの底面を支持するように水平面状に形成されており、可動体3Aの底部下面と大径部3eの上面との間の間隙部に嵌まり込んでいる。底面ガイド部5bは、可動体3Aの高さが一定になるように可動体3Aの底部位置を規制するストッパとして機能する。底面ガイド部5bの中央部には、この底面ガイド部5bの長さ方向に沿って、可動体3Aの小径部3dよりも僅かに幅が広い貫通孔5cが形成されている。
図1〜図4に示す駆動部6Aは、ガイド部5に沿って可動体3Aを駆動する部分であり、駆動部6Bはガイド部5に沿って可動体3Bを駆動する部分である。駆動部6A,6Bは、図1(A)に示すように、軌道側領域A1を閉鎖するときには境界線L1〜L3に沿って可動体3A,3Bを進出させ、図1(B)に示すように軌道側領域A1を開放するときには境界線L1〜L3に沿って可動体3A,3Bを後退させる。駆動部6A,6Bは、図1及び図2に示す境界線L1〜L3の下方に配置されており、ホーム床面F1を所定の深さだけ掘り下げて形成された空間内に配置されている。駆動部6A,6Bは、いずれも同一構造であり、以下では駆動部6Aについて説明し、駆動部6B側の部分で駆動部6A側の部分と同一の部分については同一の番号を付して詳細な説明を省略する。駆動部6Aは、図5(A)に示す駆動力発生部6aと、図3及び図4に示す伝動部6bと、図5(A)に示す駆動量検出部6cなどを備えている。
図5(A)に示す駆動力発生部6aは、可動体3Aを駆動するための駆動力を発生する部分であり、正転及び逆転可能なモータなどである。図3及び図4に示す伝動部6bは、駆動力発生部6aが発生する駆動力を可動体3Aに伝達する部分である。伝動部6bは、原動軸6gの回転を従動軸6hに伝達するロープ伝動装置(巻き掛け伝動装置)であり、回転体6d,6eと巻き掛け部材6fなどを備えている。伝動部6bは、所定の間隔をあけて配置された回転体6dと回転体6eとに屈曲自在な巻き掛け部材6fを巻き付けて、原動軸6gの回転を従動軸6hに伝達する。回転体6d,6eは、巻き掛け部材6fを掛けるための部材であり、巻き掛け部材6fを外周部に巻き付けた状態で垂直面内において回転するロープ車(シーブ)である。回転体6dは、巻き掛け部材6fを駆動するための駆動力を発生する原動車であり、回転体6eは巻き掛け部材6fによって駆動される従動車である。回転体6dは、駆動力発生部6aによって回転駆動される原動軸6gを備えており、回転体6eは従動軸6hを備えている。回転体6d,6eは、図5(A)に示すように、外周部に巻き掛け部材6fの脱落を防止するための溝部6iを備えている。図3及び図4に示す巻き掛け部材6fは、回転体6dと回転体6eとに巻き掛けられる部材(巻き掛け媒介節)であり、柔軟で折り曲げが容易なロープなどである。図5(A)に示す駆動量検出部6cは、可動体3Aの駆動量を検出する部分である。駆動量検出部6cは、例えば、回転体6dの回転量を検出するエンコーダなどであり、回転体6dの回転量に応じて回転量検出信号(移動量検出信号)を制御部12に出力する。
図1及び図2に示す列車検出部7,8は、列車Tを検出する部分である。列車検出部7は、ホームFの一端(列車進入側の端部)に配置されており、ホームFへの列車Tの進入を検出する。列車検出部8は、ホームFの他端(列車進出側の端部)に配置されており、ホームFからの列車Tの進出を検出する。列車検出部7は、ホームFに進入する先頭の車両V1の先頭部を検出し、列車進入検出信号を制御部12に出力する。列車検出部8は、ホームFから進出する先頭の車両V1の先頭部を検出し、列車進出検出信号を制御部12に出力する。列車検出部7,8は、いずれも同一構造であり、図1に示すように軌道Rの一方の沿線側から他方の沿線側に向かって光を照射する発光部7a,8aと、この発光部7a,8aが照射する光を受光する受光部7b,8bなどを備えている。列車検出部7,8は、発光部7a,8aと受光部7b,8bとの間の光線を車両V1の先頭部が遮ったときに列車進入検出信号及び列車進出検出信号を発生する。
図1及び図2に示す列車情報入力部9は、列車Tに関する種々の情報が入力する部分である。列車情報入力部9は、例えば、軌道R上を走行する列車Tの運行を管理する運行管理装置から送信される列車情報、又は列車Tが通過する踏切を制御する踏切制御装置から送信される踏切制御情報などを通信回線によって受信する。列車情報入力部9は、例えば、列車TがホームFに停車又は通過するか否かに関する列車番号情報(列車種別情報)、列車Tの編成数に関する編成数情報、ホームFに停車する列車Tの発着時間に関する発着時刻情報、ホームFを通過する列車Tの通過時刻に関する通過時刻情報、列車Tを組成する各車両V1〜V3のドア配置(ドア数)に関するドア配置情報などの列車情報を受信し、これらの列車情報(列車情報信号)を制御部12に出力する。
列車情報記憶部10は、列車情報入力部9が出力する列車情報を記憶する部分である。列車情報記憶部10は、例えば、毎日の列車情報を時系列順に記憶するメモリなどである。日時計測部11は、現在の日時を計測する部分である。日時計測部11は、例えば、本日の年月日を計測するカレンダー機能と現在の時刻を計測する時計機能とを有し、この測定結果を現在日時情報(現在日時信号)として制御部12に出力する。
制御部12は、可動柵装置1の種々の動作を制御する部分である。制御部12は、列車TのホームFへの進入と列車TのホームFからの進出とに基づいて駆動部6A,6Bを動作制御する。制御部12は、列車検出部7が出力する列車進入検出信号と日時計測部11が出力する現在日時信号とに基づいて列車情報記憶部10を参照し、ホームFに進入する列車TがこのホームFに停車するか否かを判断する。制御部12は、列車TがホームFに進入した後に可動体3A,3Bが後退動作を開始し、この列車TがホームFに停車してドアDが開動作する前に可動体3A,3Bが後退動作を完了するように、駆動部6A,6Bを動作制御する。制御部12は、例えば、列車Tの走行速度が徐行速度になったときに可動体3A,3Bが後退動作を完了するように、駆動部6A,6Bを動作制御する。ここで、徐行速度は、例えば、列車Tを直ちに停止可能な15km/h程度の運転速度であり鉄道運転規則などで規定されている。制御部12は、駆動量検出部6cが出力する移動量検出信号に基づいて、可動体3A,3Bが後退動作を完了したか否かを判断する。一方、制御部12は、列車検出部8が出力する列車進出検出信号と日時計測部11が出力する現在日時信号とに基づいて列車情報記憶部10を参照し、ホームFに停車していた列車TがこのホームFから発車したか否かを判断する。制御部12は、列車TがホームFから進出して所定時間経過後に可動体3A,3Bが進出動作を開始するように、駆動部6A,6Bを動作制御する。このとき、制御部12は、駆動量検出部6cが出力する移動量検出信号に基づいて、可動体3A,3Bが進出動作を完了したか否かを判断する。制御部12には、図5(A)に示す駆動力発生部6aと、駆動量検出部6cと、図1及び図2に示す列車情報入力部9と、列車情報記憶部10と、日時計測部11などが接続されている。
次に、この発明の第1実施形態に係る可動柵装置の動作を説明する。
図6は、この発明の第1実施形態に係る可動柵装置の動作を説明するためのフローチャートである。図7は、この発明の第1実施形態に係る可動柵装置の動作を説明するための模式図であり、図7(A)は列車進入直前の状態を示す側面図であり、図7(B)は列車進入中の状態を示す側面図であり、図7(C)は列車停止直前の状態を示す側面図であり、図7(D)は列車停止直後の状態を示す側面図であり、図7(E)は列車進出後の状態を示す側面図である。以下では、制御部12の動作を中心として説明する。
図6に示すステップ(以下、Sという)100において、ホームFに列車Tが進入したか否かを制御部12が判断する。図7(A)に示すように、ホームFに列車Tが進入すると、図1に示す列車検出部7の発光部7aと受光部7bとの間の光線を車両V1の先頭部が遮り、列車検出部7が制御部12に列車進入検出信号を出力する。列車進入検出信号が制御部12に入力したときには、ホームFに列車Tが進入したと制御部12が判断してS110に進み、列車進入検出信号が制御部12に入力しなかったときには、この列車進入検出信号が制御部12に入力するまで制御部12が判断を繰り返す。
S110において、列車情報記憶部10を制御部12が参照する。ホームFに列車Tが進入したと制御部12が判断したときには、図1及び図2に示す日時計測部11が制御部12に出力する現在日時信号に基づいて、列車情報記憶部10が記憶する列車情報を制御部12が参照する。
S120において、列車TがホームFに停車するか否かを制御部12が判断する。図1及び図2に示す列車情報記憶部10を制御部12が参照して、ホームFに進入した列車TがこのホームFに停車するか否かを制御部12が判断する。列車TがホームFに停車すると制御部12が判断したときにはS130に進む。一方、列車TがホームFを通過する通過列車であると制御部12が判断したときには一連の処理を終了し、図1(A)及び図2(A)に示すように境界線L1〜L3上に可動体3A,3Bが分散した状態が維持されて、ホーム側領域A2から軌道側領域A1に乗客Mが進入するのを進入阻止部4が阻止する。
S130において、可動体3A,3Bの後退動作開始を制御部12が駆動部6A,6Bに指令する。列車TがホームFに停車する場合には、軌道側領域A1とホーム側領域A2との間の通行を許可して、乗客Mの乗降を可能にする必要がある。このため、ホームFに進入する列車TがこのホームFに停車すると制御部12が判断したときには、可動体3A,3Bが後退動作を開始するように、図5(A)に示す駆動力発生部6aに制御部12が後退動作開始を指令する。その結果、図7(A)(B)に示すように、最初に列車Tが進入する領域となる固定体2A,2B間の可動体3A,3Bが後退動作を開始し、その次にこの列車Tが進入する領域となる固定体2B,2C間の可動体3A,3Bが後退動作を開始し、最後にこの列車Tが進入する領域となる固定体2C,2D間の可動体3A,3Bが後退動作を開始する。
図5(A)に示す駆動力発生部6aが原動軸6gを回転して巻き掛け部材6fが移動を開始すると、図3(A)に示す1番目の可動体3A1,3B1が巻き掛け部材6fとともに後退を開始する。1番目の可動体3A1,3B1が位置P3から後退すると、この1番目の可動体3A1,3B1と2番目の可動体3A2,3B2とを連結する進入阻止部4が弛緩状態になり、1番目の可動体3A1,3B1が2番目の可動体3A2,3B2に衝突する。その結果、1番目の可動体3A1,3B1と2番目の可動体3A2,3B2とが一体となって3番目の可動体3A3,3B3に衝突し、図3(B)に示すように同様の動作を繰り返しながら位置P1,P2に向かって可動体3A,3Bが順次後退する。
このとき、図7(B)(C)に示すように、列車TがホームFに進入しているときには、この列車Tの側面が防護壁として機能するために、ホームFから軌道R上への乗客Mの転落が防止される。図7(C)に示すように、列車TがホームFに停止直前になると、列車Tの速度が徐行速度(例えば15km/h程度)まで低下する。このため、ホームF上から乗客Mが転落して、列車Tを非常停止させる状況が発生した場合であっても、列車Tの運転士がブレーキ装置を作動させれば直ちに列車Tが停止する。また、ホームFに進入した列車Tの速度が徐行速度まで低下したときには、軌道側領域A1を完全に開放しても乗客Mの安全性が損なわれることがない。一般に、列車TがホームFに進入する速度は略一定速度であり、ホームFの進入側の端部から列車Tの停止位置目標までの距離は一定距離であるため、列車TがホームFに進入してからこの列車Tの速度が徐行速度まで低下する時間も略一定時間になる。このため、列車TがホームFに進入してからこの列車Tの速度が徐行速度に低下するまでの略一定時間に、全ての可動体3A,3Bが後退動作を完了するように制御部12が駆動部6A,6Bを駆動制御する。
S140において、列車Tの走行速度が徐行速度になったときに、図3(C)に示す位置P1,P2まで可動体3A,3Bが後退したか否かを制御部12が判断する。図5(A)に示す駆動力発生部6aが回転体6dを回転させると駆動量検出部6cが回転体6dの回転量(可動体3A,3Bの移動量)を検出し、駆動量検出信号を制御部12に出力する。図3(A)に示す位置P3から図3(C)に示す位置P1,P2まで1番目の可動体3A1,3B1が移動する移動量は一定である。このため、図5(A)に示す駆動量検出部6cが出力する駆動量検出信号に基づいて1番目の可動体3A1,3B1の移動量を制御部12が演算し、1番目の可動体3A1,3B1が位置P1,P2まで後退したか否かを制御部12が判断する。可動体3A,3Bが位置P1,P2まで後退したと制御部12が判断したときにはS150に進み、可動体3A,3Bが位置P1,P2まで後退していないと制御部12が判断したときには、可動体3A,3Bが位置P1,P2に後退するまで制御部12が判断を繰り返す。
S150において、可動体3A,3Bの後退動作終了を制御部12が駆動部6A,6Bに指令する。図5(A)に示す駆動量検出部6cが出力する駆動量検出信号に基づいて、境界線L1〜L3の位置P1,P2まで1番目の可動体3A1,3B1が後退したと制御部12が判断したときには、駆動部6A,6Bの駆動力発生部6aに制御部12が後退動作終了を指令する。その結果、駆動力発生部6aが原動軸6gの回転を停止し、図3(C)に示すように位置P1,P2に可動体3A,3Bが集結し、図1(B)に示すように軌道側領域A1が開放される。その後に、図2(B)に示すように、ホームFの所定の停止位置目標に列車Tが停車して、車掌が車掌スイッチを操作してドアDを開放すると、軌道側領域A1とホーム側領域A2との間の通行が許可されて乗客Mが乗降する。
S160において、ホームFから列車Tが進出したか否かを制御部12が判断する。図2(B)に示すように、列車TがホームFに停車してドアDを開放し乗客Mが乗降を完了すると、車掌が車掌スイッチを操作してドアDを閉鎖し、列車TがホームFから出発する。列車TがホームFから進出すると、図1に示す列車検出部8の発光部8aと受光部8bとの間の光線を車両V1の先頭部が遮り、列車検出部8が制御部12に列車進出検出信号を出力する。列車進出検出信号が制御部12に入力したときには、ホームFから列車Tが進出したと制御部12が判断してS170に進み、列車進出検出信号が制御部12に入力しなかったときには、この列車進出検出信号が制御部12に入力するまで制御部12が判断を繰り返す。
S170において、所定時間経過したか否かを制御部12が判断する。図1及び図2に示す列車検出部8が出力する列車進出検出信号と、日時計測部11が出力する現在日時信号とに基づいて、列車TがホームFを出発してから所定時間を経過したか否かを制御部12が判断する。列車TがホームFを出発してから所定時間を経過したと制御部12が判断したときにはS180に進み、列車TがホームFを出発してから所定時間を経過していないときには所定時間を経過するまで制御部12が判断を繰り返す。
S180において、可動体3A,3Bの進出動作開始を制御部12が駆動部6A,6Bに指令する。列車TがホームFから出発した場合には、軌道側領域A1とホーム側領域A2との間の通行を制限して、乗客MがホームFから軌道R上に転落するのを防止する必要がある。このため、ホームFから列車Tが進出して所定時間経過したと制御部12が判断したときには、図4(A)に示す1番目の可動体3A1,3B1から進出動作を順次開始するように、図5(A)に示す駆動力発生部6aに制御部12が進出動作開始を指令する。その結果、駆動力発生部6aが原動軸6gを逆方向に回転して巻き掛け部材6fが逆方向に移動を開始し、1番目の可動体3A1,3B1がこの巻き掛け部材6fとともに進出を開始する。図4(B)に示すように、1番目の可動体3A1,3B1が位置P1,P2から進出すると、この1番目の可動体3A1,3B1と2番目の可動体3A2,3B2とを連結する進入阻止部4が緊張状態になって、この進入阻止部4によって2番目の可動体3A2,3B2が牽引される。1番目の可動体3A1,3B1と2番目の可動体3A2,3B2とが間隔をあけて進出すると2番目の可動体3A2,3B2と3番目の可動体3A3,3B3とを連結する進入阻止部4が緊張状態になって、この進入阻止部4によって3番目の可動体3A3,3B3が牽引される。同様の動作を繰り返しながら位置P3に向かって可動体3A,3Bが順次進出する。
S190において、図4(C)に示す位置P3まで可動体3A,3Bが進出したか否かを制御部12が判断する。図5(A)に示す駆動力発生部6aが回転体6dを逆転させると駆動量検出部6cが回転体6dの回転量(可動体3A,3Bの移動量)を検出し、駆動量検出信号を制御部12に出力する。図4(A)に示す位置P1,P2から図4(C)に示す位置P3まで1番目の可動体3A1,3B1が移動する移動量は一定である。このため、図5(A)に示す駆動量検出部6cが出力する駆動量検出信号に基づいて1番目の可動体3A1,3B1の移動量を制御部12が演算し、可動体3A,3Bが位置P3まで進出したか否かを制御部12が判断する。可動体3A,3Bが位置P3まで進出したと制御部12が判断したときにはS200に進み、可動体3A,3Bが位置P3まで進出していないと制御部12が判断したときには、可動体3A,3Bが位置P3に進出するまで制御部12が判断を繰り返す。
S200において、可動体3A,3Bの進出動作終了を制御部12が駆動部6A,6Bに指令する。図5(A)に示す駆動量検出部6cが出力する駆動量検出信号に基づいて、境界線L1〜L3の位置P3まで1番目の可動体3A1,3B1が進出したと制御部12が判断したときには、駆動力発生部6aに制御部12が進出動作終了を指令する。その結果、駆動力発生部6aが原動軸6gの逆転を停止し、図4(C)に示すように位置P3で1番目の可動体3A1,3B1同志が接合すると、図1(A)及び図2(A)に示すように境界線L1〜L3上に可動体3A,3Bが分散し軌道側領域A1が閉鎖される。このため、軌道側領域A1とホーム側領域A2との間の通行が規制されて、ホームFから軌道R上への乗客Mの転落が防止される。
この発明の第1実施形態に係る可動柵装置には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、軌道側領域A1を閉鎖するときには境界線L1〜L3上で分散するようにこの境界線L1〜L3に沿って可動体3A,3Bが進出し、軌道側領域A1を開放するときには境界線L1〜L3上で集結するようにこの境界線L1〜L3に沿って可動体3A,3Bが後退する。また、この第1実施形態では、可動体3A,3Bが進出動作したときには可動体3A間及び可動体3B間で進入阻止部4が拡張状態になって、ホーム側領域A2から軌道側領域A1への進入をこの進入阻止部4が阻止する。このため、従来の可動式ホーム柵のような固定壁をホームFの広範囲に設置する必要がなくなって、ホームF上の僅かなスペースを有効に利用することができるとともに、構造が簡単で施工が容易になり設置費用を低減することができる。また、境界線L1〜L3上に分散して配置された可動体3A間及び可動体3B間で進入阻止部4が拡張状態になる。このため、可動体3A間及び可動体3B間を乗客Mが潜り抜けて、ホーム側領域A2から軌道側領域A1に進入するのを防ぐことができる。さらに、軌道側領域A1を広範囲で開閉することができるため、従来の可動式ゲート柵のような可動扉部分に列車TのドアDを一致させて列車Tを停止させる正確な停車位置制御が不要になって、可動柵装置1の低コスト化を図ることができる。
(2) この第1実施形態では、軌道側領域A1を閉鎖するときには境界線L1〜L3の位置P1,P2から位置P3に向かって可動体3A,3Bが進出し、この軌道側領域A1を開放するときにはこの境界線L1〜L3の位置P3から位置P1,P2に向かって可動体3A,3Bが後退する。その結果、可動柵装置1が両引戸構造になるため軌道側領域A1を可動体3A,3Bによって迅速に開閉することができる。
(3) この第1実施形態では、可動体3A,3Bを綱状部材4aが連結し、可動体3A,3Bが進出動作したときには可動体3A間及び可動体3B間で綱状部材4aが緊張状態になり、可動体3A,3Bが後退動作したときには可動体3A間及び可動体3B間で綱状部材4aが弛緩状態になる。このため、ホーム側領域A2から軌道側領域A1に乗客Mが進入して、ホームFから軌道R上に乗客Mが転落したり通過列車に乗客Mが接触したりするのを防止することができる。
(4) この第1実施形態では、ホームFに停車した列車Tの車両V1〜V3間の隙間S1,S2を閉鎖するように、境界線L上に固定体2B,2Cが固定されている。また、この第1実施形態では、ホームFに停車した列車Tの先頭部の前方の軌道Rとこの列車Tの後尾部の後方の軌道Rとを閉鎖するように、境界線L上に固定体2A,2Dが固定されている。その結果、乗客Mの安全を確保するために必要最小限の箇所に固定体2A〜2Dを設置すれば足りるため、可動柵装置1の施工費用を格段に低減することができる。
(5) この第1実施形態では、固定体2A〜2D間を閉鎖するときにはこれらの固定体2A〜2D間で可動体3A,3Bが進出し、固定体2A〜2D間を開放するときにはこれらの固定体2A〜2D間で可動体3A,3Bが後退する。このため、ホームFに停車する列車Tのドア配置に影響されずに、軌道側領域A1とホーム側領域A2とを確実に開閉することができる。
(6) この第1実施形態では、境界線L1〜L2に沿って可動体3A,3Bを進退自在にガイド部5がガイドし、このガイド部5に沿って可動体3A,3Bを駆動部6A,6Bが駆動し、列車TのホームFへの進入とこの列車TのこのホームFからの進出とに基づいて、駆動部6A,6Bを制御部12が制御する。このため、列車TのホームFへの進入時及びこの列車TのホームFからの進出時に可動体3A,3Bを確実に進退動作させて、軌道側領域A1を自動的に開閉することができる。
(7) この第1実施形態では、列車TがホームFに進入した後に可動体3A,3Bが後退動作を開始し、この列車TがこのホームFに停車してドアDが開動作を開始する前にこれらの可動体3A,3Bが後退動作を完了するように、駆動部6A,6Bを制御部12が動作制御する。このため、軌道側領域A1を迅速に開放して乗客Mを円滑に乗降させることができる。
(8) この第1実施形態では、列車Tの走行速度が徐行速度になったときに可動体3A,3Bが後退動作を完了するように、駆動部6A,6Bを制御部12が動作制御する。このため、列車Tがブレーキ装置を作動させて直ちに停車可能な速度まで列車Tの速度が低下したときに、軌道側領域A1を完全に開放して列車Tの停車後に迅速に乗客Mを乗降させることができる。また、従来の可動式ゲート柵のような列車のドアの開閉と同時に可動扉部分を開閉させるような地上側の制御が不要になって、可動柵装置1の低コスト化を図ることができる。
(9) この第1実施形態では、列車TがホームFから進出して所定時間経過後に可動体3A,3Bが進出動作を開始するように、駆動部6A,6Bを制御部12が動作制御する。例えば、列車Tの車両V1の先頭部を列車検出部8が検出するタイミングである列車TのホームFからの進出後速やかに、可動体3A,3Bを進出動作させることができる。このため、従来の可動式ホーム柵(ホームドア)のような車両側のドア閉と同期させてホーム柵を閉鎖させるためのホーム側と車両側との間の情報伝送手段が不要になり、可動柵装置1を安価に設置することができる。
(第2実施形態)
図8は、この発明の第2実施形態に係る可動柵装置を模式的に示す平面図であり、図8(A)は可動柵装置の閉鎖状態を概略的に示す平面図であり、図8(B)は可動柵装置の開放状態を概略的に示す平面図である。図9は、この発明の第2実施形態に係る可動柵装置を模式的に示す側面図であり、図9(A)は可動柵装置の閉鎖状態を概略的に示す側面図であり、図9(B)は可動柵装置の開放状態を概略的に示す側面図である。図10は、この発明の第2実施形態に係る可動柵装置の可動体の後退動作を概略的に示す側面図であり、図10(A)は可動体の進出動作完了後の状態を示す側面図であり、図10(B)は可動体の後退動作中の状態を示す側面図であり、図10(C)は可動体の後退動作完了後の状態を示す側面図である。以下では、図1〜図5に示す部分と同一の部分については、同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
図8及び図9に示す可動柵装置1は、図1〜図4に示す可動柵装置1とは異なり、可動体3Cと駆動部6Cとを備える片引戸式の装置である。可動体3Cは、境界線L1〜L3に沿って進退する部分であり、図3及び図4に示す可動体3A,3Bと同一構造である。可動体3Cは、図10に示すように、列車Tの側面方向から見たときに、各境界線L1〜L3の位置(左側の後退位置)P2と位置(右側の進出位置)P1との間で進退する。可動体3Cは、図8(A)及び図9(A)に示すように、軌道側領域A1を閉鎖するときには、図10に示す位置P2から位置P1に向かって進出し、1番目の可動体3C1が位置P1で固定体2A〜2Cと接合する。一方、可動体3Cは、図8(B)及び図9(B)に示すように、軌道側領域A1を開放するときには、固定体2A〜2Cと接合状態の1番目の可動体3C1が図10(A)に示す位置P1で分離して、図10(B)に示すように位置P1から位置P2に向かって後退する。進入阻止部4は、図10(A)(B)に示すように、綱状部材4aによって各可動体3Cを連結しており、綱状部材4aは一方の端部が1番目の可動体3C1に図示しない取付部材によって連結されており、他方の端部が図示しない取付部材によって固定体2B〜2Dに連結されている。図10に示す駆動部6Cは、図3、図4及び図5(A)に示す駆動部6A,6Bと同一構造であり、ガイド部5に沿って可動体3Cを駆動する。
次に、この発明の第2実施形態に係る可動柵装置の動作を説明する。
図11は、この発明の第2実施形態に係る可動柵装置の動作を説明するための模式図であり、図11(A)は列車進入直前の状態を示す側面図であり、図11(B)は列車進入中の状態を示す側面図であり、図11(C)は列車停止直前の状態を示す側面図であり、図11(D)は列車停止直後の状態を示す側面図であり、図11(E)は列車進出後の状態を示す側面図である。
図11(A)〜(D)に示すように、列車TがホームFに停車するときには、列車Tが最初に進入する領域となる固定体2A,2B間にこの列車Tが進入すると、これらの固定体2A,2B間の可動体3Cがこの列車Tの進行方向に後退動作を開始する。固定体2A,2B間を列車Tが通過して、この列車Tが次に進入する領域となる固定体2B,2C間にこの列車Tが進入すると、これらの固定体2B,2C間の可動体3Cがこの列車Tの進行方向に後退動作を開始する。固定体2C,2D間を列車Tが通過して、この列車Tが最後に進入する領域となる固定体2C,2D間にこの列車Tが進入すると、これらの固定体2C,2D間の可動体3Cがこの列車Tの進行方向に後退動作を開始する。図11(C)に示すように、列車Tの速度が徐行速度(例えば15km/h程度)まで低下したときには、全ての可動体3Cの後退動作が完了する。その結果、図8(B)に示すように境界線L1〜L3上に可動体3Cが集結し軌道側領域A1が開放される。
列車TがホームFから進出するときには、車掌が車掌スイッチを操作してドアDを閉鎖し、ホームFから列車Tが進出して所定時間経過すると、位置P2から位置P1まで可動体3Cが進出する。図10(A)に示すように位置P1で1番目の可動体3C1が図1及び図2に示す固定体2A〜2Cに接合すると、図8(A)に示すように境界線L1〜L3上に可動体3Cが分散し軌道側領域A1が閉鎖される。
この発明の第2実施形態に係る可動柵装置には、第1実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
この第2実施形態では、軌道側領域A1を閉鎖するときには境界線L1〜L3の位置P2から位置P1に向かって可動体3Cが進出し、軌道側領域A1を開放するときには境界線L1〜L3の位置P1から位置P2に向かって可動体3Cが後退する。このため、例えば、列車Tの進行方向に合わせて可動体3Cを後退させて、軌道側領域A1を迅速に開放し、乗客Mの円滑に乗降させることができる。
(第3実施形態)
図12は、この発明の第3実施形態に係る可動柵装置を模式的に示す平面図であり、図12(A)は可動柵装置の閉鎖状態を概略的に示す平面図であり、図12(B)は可動柵装置の開放状態を概略的に示す平面図である。図13は、この発明の第3実施形態に係る可動柵装置を模式的に示す側面図であり、図13(A)は可動柵装置の閉鎖状態を概略的に示す側面図であり、図13(B)は可動柵装置の開放状態を概略的に示す側面図である。図14は、この発明の第3実施形態に係る可動柵装置の後退動作を概略的に示す側面図であり、図14(A)は可動体の進出動作前の状態を示す側面図であり、図14(B)は可動体の進出動作中の状態を示す側面図であり、図14(C)は可動体の進出動作完了後の状態を示す側面図である。
図12〜図14に示す可動柵装置1は、図1〜図4及び図8〜図10に示す可動柵装置1とは異なり、固定体2A,2Dと、可動体3Cと、駆動部6Dとを備える片引戸式の装置であり、軌道側領域A1とホーム側領域A2との境界線Lを開閉する。固定体2A,2Dは、図12及び図13に示すように、境界線Lの両端部に固定されており、図12(B)に示すようにホームFに停車した列車Tの先頭の車両V1の前方の軌道Rと後尾の車両V3の後方の軌道Rとを閉鎖するように、車両V1の前方の軌道Rと車両V3の後方の軌道Rとにそれぞれ対応して配置されている。固定体2A,2Dは、例えば車両V1の先頭部から車両V3の後尾部までの水平距離である列車一編成の全長と同じ間隔で配置されている。
図12〜図14に示す可動体3Dは、境界線Lに沿って進退する部分であり、図1〜図4に示す可動体3A,3Bと同一構造である。可動体3Dは、図12(A)に示すように、軌道側領域A1を閉鎖するときには境界線L上で分散するようにこの境界線Lに沿って進出し、図12(B)に示すように軌道側領域A1を開放するときには境界線L上で集結するようにこの境界線Lに沿って後退する。可動体3Dは、図14に示すように、列車Tの側面方向から見たときに、境界線Lの位置(左側の後退位置)P4と位置(右側の進出位置)P5との間で進退する。可動体3Dは、軌道側領域A1を閉鎖するときには、位置P4から位置P5に向かって進出し、図14(A)に示すように1番目の可動体3D1が固定体2Aと位置P5で接合する。一方、可動体3Dは、軌道側領域A1を開放するときには、図14(B)に示すように固定体2Aと接合状態の1番目の可動体3D1が位置P5で分離して、この位置P5から位置P4に向かって後退する。可動体3Dは、図12(A)及び図13(A)に示すように、固定体2A,2D間を閉鎖するときにはこれらの固定体2A,2D間で進出し、図12(B)及び図13(B)に示すように固定体2A,2D間を開放するときにはこれらの固定体2A,2D間で後退する。進入阻止部4は、綱状部材4aによって各可動体3Dを連結しており、綱状部材4aは一方の端部が1番目の可動体3D1に図示しない取付部材によって連結されており、他方の端部が図示しない取付部材によって固定体2Dに連結されている。
図14に示す駆動部6Dは、図3、図4及び図5(A)に示す駆動部6A,6Bと略同一構造であるが、駆動部6A,6Bとは異なり複数の回転体6jを備えている。回転体6jは、巻き掛け部材6fの弛みを防止するための部材であり、上側の巻き掛け部材6fの下側を支持した状態で回転するロープ車(シーブ)である。回転体6jは、回転体6dと回転体6eとの間に所定の間隔をあけて配置されており、図3、図4及び図5(A)に示す回転体6eと同様に従動軸6hと溝部6iなどを備えている。
次に、この発明の第3実施形態に係る可動柵装置の動作を説明する。
図15は、この発明の第3実施形態に係る可動柵装置の動作を説明するための模式図であり、図15(A)は列車進入直前の状態を示す側面図であり、図15(B)は列車進入中の状態を示す側面図であり、図15(C)は列車停止直前の状態を示す側面図であり、図15(D)は列車停止直後の状態を示す側面図であり、図15(E)は列車進出後の状態を示す側面図である。
図15(A)〜(D)に示すように、列車TがホームFに停車するときには、固定体2A,2D間にこの列車Tが進入すると、これらの固定体2A,2D間の可動体3Dがこの列車Tの進行方向に後退動作を開始する。図15(C)に示すように、列車Tの速度が徐行速度(例えば15km/h程度)まで低下したときには、全ての可動体3Dの後退動作が完了する。その結果、図14(C)に示すように境界線L上に可動体3Dが集結し、図12(B)に示すように軌道側領域A1が開放される。
列車TがホームFから進出するときには、車掌が車掌スイッチを操作してドアDを閉鎖し、ホームFから列車Tが進出して所定時間経過すると、図13に示す位置P4から位置P5まで可動体3Dが進出する。図13(A)に示すように境界線Lの位置P5で1番目の可動体3D1が固定体2Aに接合すると、図12(A)に示すように境界線L上に可動体3Dが分散し軌道側領域A1が閉鎖される。
この発明の第3実施形態に係る可動柵装置には、第1実施形態及び第2実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
この第3実施形態では、ホームFに停車した列車Tの先頭部の前方の軌道Rとこの列車Tの後尾部の後方の軌道Rとを閉鎖するように、境界線L上に固定体2A,2Dが固定されている。また、この第3実施形態では、固定体2A,2D間を閉鎖するときにはこれらの固定体2A,2D間で可動体3Dが進出し、固定体2A,2D間を開放するときにはこれらの固定体2A,2D間で可動体3Dが後退する。その結果、列車一編成の全ての側面を一度に開閉することができるとともに、1台の駆動部6Dによって可動体3Dを進退させるため可動柵装置1の構造が簡単になり低コスト化を図ることができる。
(第4実施形態)
図16は、この発明の第4実施形態に係る可動柵装置を模式的に示す平面図であり、図16(A)は可動柵装置の閉鎖状態を概略的に示す平面図であり、図16(B)は可動柵装置の開放状態を概略的に示す平面図である。図17は、図16(B)のXVII-XVII線で切断した状態を示す断面図である。
図16に示すホームFは、軌道Rの曲線部に沿って設けられた曲線ホームである。境界線Lは、3つの境界線L1〜L3に分割されており、列車Tが進入する側のホームFの端部から、列車Tが進出する側の端部に向かって曲線状に延びている。ガイド部5は、図16に示すように、ホームFの線形が曲線状であるときには、このホームFの線形に従って可動体3A,3Bを進退自在にガイドする。図16に示す駆動部6A,6Bは、図17に示すように、回転体6k,6mを備えている。回転体6k,6mは、巻き掛け部材6fをガイド部5に沿って移動自在にガイドするための部材であり、巻き掛け部材6fが曲線状のガイド部5に沿って水平面内で近似的に曲線状に曲がるようにガイドする。回転体6kは、上側の巻き掛け部材6fを移動自在にガイドし、回転体6mは下側の巻き掛け部材6fを移動自在にガイドする。回転体6k,6mは、図3及び図4に示す回転体6d,6eとは異なり、図17に示すように巻き掛け部材6fの側面と接触して水平面内で回転するロープ車(シーブ)である。回転体6k,6mは、図3及び図4に示す回転体6dと回転体6eとの間に所定の間隔をあけて配置されており、回転体6eと同様に従動軸6hと溝部6iなどを備えている。
この発明の第4実施形態に係る可動柵装置には、第1実施形態〜第3実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
この第4実施形態では、ホームFの線形が曲線状であるときに、このホームFの線形に従って可動体3A,3Bを進退自在にガイド部5がガイドする。このため、従来技術1のような複数の平板状の可動板を駆動して軌道側領域A1を開閉する方式では対応が困難な曲線ホームであっても、この曲線ホームの線形に従って可動体3A,3Bを進退させて、軌道側領域A1を簡単に開閉することができる。
(第5実施形態)
図18は、この発明の第5実施形態に係る可動柵装置の後退動作を模式的に示す側面図であり、図18(A)は可動柵装置の閉鎖状態を概略的に示す側面図であり、図18(B)は4ドア車が停車したときの可動柵装置の開放状態を概略的に示す側面図であり、図18(C)は2ドア車が停車したときの可動柵装置の開放状態を概略的に示す側面図である。
図18(A)に示す境界線L1〜L3は、それぞれ2つに分割されており、合計6個の境界線L11,L12,L21,L22,L31,L32に分割されている。図18(B)に示す列車Tは各車両V1〜V3が4つのドアDを有する通勤用車両(4ドア車)などであり、図18(C)に示す列車Tは各車両V1〜V3が2つのドアDを有する近郊用、急行用又は特急用車両(2ドア車)などである。
図18に示す可動柵装置1は、図1〜図4及び図8〜図10に示す可動柵装置1とは異なり、固定体2A〜2Gと可動体3E,3Fとを備える片引戸式の装置である。図18(A)に示すように、固定体2Eは境界線L1を2つの境界線L11,L12に分割するようにこの境界線L1の中間部に固定されており、固定体2Fは境界線L2を2つの境界線L21,L22に分割するようにこの境界線L2の中間部に固定されており、固定体2Gは境界線L3を2つの境界線L31,L32に分割するようにこの境界線L3の中間部に固定されている。固定体2E〜2Gは、図18(B)に示すように、ホームFに停車した列車Tの4つのドアDのうち隣り合う2番目と3番目のドアDの間を閉鎖するように、これらのドアD間に対応して配置されている。
可動体3Eは、境界線L11,L21,L31に沿って進退する部分であり、可動体3Fは境界線L12,L22,L32に沿って進退する部分であり、可動体3E,3Fはいずれも図1〜図4に示す可動体3A,3Bと同一構造である。図18(A)に示すように、可動体3Eは列車Tの側面方向から見たときに、境界線L11,L21,L31の位置(左側の後退位置)P6と位置(右側の進出位置)P7との間で進退可能であり、可動体3Fは列車Tの側面方向から見たときに、境界線L12,L22,L32の位置(右側の後退位置)P8と位置(左側の進出位置)P9との間で進退可能である。可動体3E,3Fは、図18(B)(C)に示すように、列車Tのドア数に応じて移動量Δが変化する。例えば、可動体3E,3Fは、図18(B)に示すように、列車Tが4ドア車であるときには、位置P7,P9から位置P6,P8まで後退し、位置P6,P8から位置P7,P9まで進出する。一方、可動体3E,3Fは、図18(C)に示すように、列車Tが2ドア車であるときには、位置P7,P9から移動量Δだけ離れた位置P6',P8'まで後退し、位置P6',P8'から位置P7,P9まで移動量Δだけ進出する。
この発明の第5実施形態に係る可動柵装置には、第1実施形態〜第4実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
この第5実施形態では、ホームFに停車した列車Tの複数のドアDのうちの隣り合う任意の二つのドアD間を閉鎖するように、境界線L上に固定体2E〜2Gが固定されている。このため、列車Tのドア数が1個又は偶数個であるときには、固定体2E〜2Gが障害物とはならないように、固定体2E〜2Gを最適な箇所に配置することができる。また、列車Tのドア数に応じて可動体3E,3Fの移動量Δを可変することによって、境界線L1〜L3を部分的に開放することができるため、開閉時間が大幅に短縮されて列車Tの安定輸送を図ることができる。
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、ホームFを例に挙げて説明したが、工場、工事現場又は施設などについてもこの発明を適用することができる。また、この実施形態では、列車Tが3両編成の場合を例に挙げて説明したが編成数を限定するものではなく、1両編成、2両編成又は4両編成以上の場合についてもこの発明を適用することができる。さらに、この実施形態では、列車TがホームFの一端から進入して他端から進出する場合を例に挙げて説明したが、列車Tが他端から進入して一端から進出する場合や、列車TがホームFで折返す場合についてもこの発明を適用することができる。
(2) この実施形態では、固定体2A〜2Gの外部から可動体3A〜3Fが進出する場合を例に挙げて説明したが、固定体2A〜2Gの内部から可動体3A〜3Fが進出可能なように、可動体3A〜3Fを収容する収容部を固定体2A〜2Gのに設けることもできる。また、この実施形態では、可動体3A〜3Fが後退動作して境界線L上に隙間なく集結する場合を例に挙げて説明したが、可動体3A〜3Fの後退動作時に乗客Mの体の一部が可動体3A〜3Fに挟み込まれるのを防止するセンサなどを設置することもできる。また、この実施形態では、伝動部6bとしてロープ伝動装置を利用する場合を例に挙げて説明したが、ベルト伝動装置又はチェーン伝動装置などを利用することもできる。さらに、この実施形態では、1番目の可動体3A1〜3F1のみを駆動部6A〜6Dの巻き掛け部材6fが駆動する場合を例に挙げて説明したが、全ての可動体3A〜3Fを駆動部6A〜6Dが連続駆動することもできる。
(3) この実施形態では、可動体3A〜3Fが複数本存在する場合を例に挙げて説明したが、境界線Lの長さに応じて任意の本数に増減することができる。また、この実施形態では、進入阻止部4が綱状部材4aを備える場合を例に挙げて説明したが、伸縮自在のベローズ状(蛇腹状)のアコーディオンドアなどを使用することもできる。さらに、この実施形態では、可動体3A〜3Fを上下2本の進入阻止部4によって連結する場合を例に挙げて説明したが、1本又は3本以上の進入阻止部4によって連結することもできる。
(4) この実施形態では、列車Tが徐行速度=15km/hまで低下したときに軌道側領域A1の開放を完了する場合を例に挙げて説明したが、列車Tがブレーキ装置を作動させて直ちに停止可能な速度であれば15km/hに限定するものではなく、列車Tの性能に応じて任意の速度に設定することができる。また、この実施形態では、ホームFへの列車Tの進入速度が略一定であり、進入側のホームFから停止位置目標までの距離が略一定である場合を例に挙げて説明したが、このような場合に限定するものではない。例えば、列車検出部7の出力信号に基づいて制御部12が列車Tの速度を演算したり、列車Tの速度を検出する列車速度検出部の出力信号に基づいて制御部12が列車Tの速度を演算したりして、列車Tの走行速度が徐行速度になったときに可動体3A〜3Fが後退動作を完了するように可動部6A〜6D制御することもできる。さらに、この実施形態では、列車TがホームFを進出してから所定時間経過後に可動体3A〜3Fの進出動作を開始しているが、軌道側領域A1を閉鎖させるタイミングを任意の設定することもできる。例えば、列車検出部8が出力する列車進出信号に基づいて制御部12が駆動部6A〜6Dを動作制御し、可動体3A〜3Fの進出動作を開始させることもできる。
(5) この第1実施形態〜第4実施形態では、各車両V1〜V3のドア数が4つである場合を例に挙げて説明したが、ドア数が1〜3又は5以上である場合についてもこの発明を適用することができる。また、この第5実施形態では、列車Tが4ドア車である場合に2番目のドアDと3番目のドアDとの間に固定体2E〜2Gを配置する例を挙げて説明したが、このようなドア数やドア配置に限定するものではない。例えば、4ドア車の1番目のドアDと2番目のドアDとの間、又は3番目のドアDと4番目のドアDとの間に固定体2E〜2Gを配置することもできる。