WO2013014948A1 - マットレスおよびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
使用者の体圧作用部の分散化を速やかに行うことができて、セルの内圧切替動作の際に使用者が感じる不快感を低減することができる、新規な構造のマットレスおよびその制御方法を提供すること。 複数の各セル24に加わる体圧に基づいて、前記複数のセル24をグループ分けするグループ化工程(S2)と、該グループ化工程(S2)で分けられたグループ毎に前記セル24の目標内圧を設定する目標内圧設定工程(S3)と、前記グループ毎に前記セル24を相互に連通して、該セル24の内圧を前記目標内圧設定工程(S3)で設定した内圧に調節する内圧調節工程(S4)とを備えた。
Description
本発明は、介護用ベッド等に用いられるマットレスおよびその制御方法に関するものである。
従来から、介護用ベッド等における人体の支持部分には、クッション作用を有するマットレスが採用されており、人体を弾性的に支持することで寝心地の改善が図られている。
ところで、寝返りをすることが困難な使用者等が、一般的なマットレスを長期に亘って連続的に使用すると、体圧(人体の荷重による圧力)の反力が使用者の局所に連続して作用することから、血流の悪化等に起因する褥瘡が生じるおそれがある。そこで、褥瘡の発生を防止するために、流体の圧力を利用して使用者の体圧の作用位置を変化させて、実質的に使用者に作用する体圧の反力を分散させることが可能なマットレスが提案されている。例えば、特開2000-189472号公報(特許文献1)には、マットレスの内部に荷重センサシートを配設する一方、人体を支持する基体の体圧作用面(人体の支持部分)を複数のセルで構成して、各セルの流体室に外部から空気等の流体を送入/排出することによりセルの内圧を調節可能とした構造が開示されている。このような従来構造のマットレスにおいては、高い荷重圧力が測定されたセルの流体を排出する一方、低い荷重圧力が測定されたセルに流体を送入することで、定期的にセルの内圧を変化させて、使用者の体の一部が体圧の作用で長期に亘って圧迫されるのを防ぐようになっている。
ところが、特許文献1のマットレスのように各セルの内圧を調整する方法では、使用者の体圧作用部を分散させることはできても、使用者に良好な寝心地を提供することが難しかった。具体的には、定期的なセルの伸縮によって人体支持部位を変化させる可動式のマットレスでは、使用者がマットレス上で必要以上に揺さ振られて、船酔いに類似する不快感を覚える場合があった。
また、一つ一つのセル内部の流体を送入/排出することにより各セルの内圧を調整する方法では、目的とする内圧切替動作が完了するまでに時間を要することとなり、切替動作途中における各セルの凹凸が人体の形状に沿わず、使用者が違和感や不快感を感じる場合があった。加えて、内圧切替動作が時間を要することから、内圧切替動作中に使用者が姿勢を変える場合もあり、使用者に違和感を感じさせることなく体圧作用部の分散化を速やかに行うことのできるものは未だ提案されていなかった。
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、使用者の体圧作用部の分散化を速やかに行うことができて、セルの内圧切替動作の際に使用者が感じる不快感を低減することができる、新規な構造のマットレスおよびその制御方法を提供することにある。
マットレスの制御方法に関する本発明の第1の態様は、人体を支持する基体の体圧作用面に複数のセルが配設されていると共に、該セルの内部に形成された流体室の圧力を調節する圧力調節手段と、該セルに加わる体圧を測定する体圧測定手段が設けられているマットレスの制御方法であって、前記体圧測定手段により各前記セルに加わる体圧を測定する第一体圧測定工程と、前記第一体圧測定工程で得られた各前記セルに加わる体圧に基づき、前記複数のセルをグループ分けするグループ化工程と、前記グループ化工程で分けられた前記グループ毎に、前記流体室の目標内圧を設定する目標内圧設定工程と、前記グループ化工程で分けられた前記グループ毎に、各前記セルの流体室を相互に連通して前記圧力調節手段により前記流体室の内圧が前記目標内圧となるように調節する内圧調節工程と、前記内圧調節工程の終了後に、前記グループを構成する前記セルの前記流体室を相互に独立させる独立工程と、を含むことを、特徴とする。
本態様に従うマットレスの制御方法によれば、複数のセルを各セルに加わる体圧に基づいてグループ化すると共に、グループ化された各セルの流体室を相互に連通させた状態で圧力調節手段によりセル内圧を目標内圧となるように調節することができる。これにより、一つ一つのセルの内圧を目標内圧となるように調節する場合に比して、圧力調節手段の動作指令(例えば、切換弁やポンプの動作指令)の削減乃至は一括化が可能となり、非常に短時間での各セルの内圧調節が可能となる。また、グループ内のセルが相互に連通された状態で内圧調節手段により内圧の調節を行うことから、グループ内のセル内圧の平準化を速やかに達成することができて、使用者への違和感を有利に解消することができる。
また、各セルに加わる体圧に基づき複数のセルがグループ化されることから、現状の使用者のエアマット上の姿勢に沿ったセルのグループ化が可能となる。しかも各グループ毎にセルの内圧調節が一括で行われる。これにより、従来技術の如き、体圧の高いところと低いところを単純に入れ替えるだけの方法では達成し得なかった、現状の体圧分布に応じたセルの内圧調整が速やかに可能となり、使用者に与える違和感を、可及的に低減できる。加えて、目標内圧に調節された後のセルは相互に独立されることから、目標内圧に設定された各セルの内圧やそれによる高さ位置等が他のセルにより変動することを有利に防止できて、各セルを所望の状態に維持することが可能となる。
なお、複数のセルのグループ化は、各セルに加わる体圧の大きさによりグループ分けしたり、各セルに加わる体圧の分布から推測される人体の臀部、脚部等の部位によるグループ分けなどが可能である。
マットレスの制御方法に関する本発明の第2の態様は、第1の態様に記載されたマットレスの制御方法において、前記グループ化工程が各前記セルに加わる体圧の大きさにより該セルをグループ化すると共に、前記内圧調節工程を前記体圧の大きな前記グループから、順次行うものである。
本態様によれば、複数のセルを各セルに加わる体圧の大きさによりグループ化すると共に、体圧の大きなグループから順次セルの内圧調節が行われる。これにより、例えば比較的体圧が大きくなる臀部等を支持するセルから優先的に内圧調節が行われて、臀部等から優先的にマットレスに沈み込まされる。それ故、体圧分散効果をより速やかに発現して、現状の体圧分布に応じた使用者の姿勢に沿うようなセルの内圧調節(高さ調節)を一層有利に行うことができ、使用者の違和感を一層有利に低減できる。
マットレスの制御方法に関する本発明の第3の態様は、第2の態様に記載されたマットレスの制御方法において、前記内圧調節工程において、各前記グループの前記目標内圧までの調節を複数段階に分けると共に、該段階毎に前記体圧測定手段による測定値が大きな前記グループから順次内圧の調節を行うものである。
本態様によれば、各グループの目標内圧までの調節が複数段階に分けられて、各段階毎の内圧の微調整が体圧の大きなグループから体圧の小さなグループに順次に行なわれる。これにより、全グループのセルの内圧を少しずつ変化させて目標内圧に次第に近づけることが出来る。その結果、グループ毎に内圧調節を完了した後に次のグループの内圧調節をする場合に比して、グループ間でのセルの高さの差異を軽減して、現状の体圧分布に応じた使用者の姿勢に沿うようなセルの内圧調節(高さ調節)をより一層違和感なく行うことができる。しかも、グループ毎に一括してセルの内圧調節が可能であることから、このような細やかな制御も速やかに実行することが可能となる。
マットレスの制御方法に関する本発明の第4の態様は、第1~第3の何れか1つの態様に記載されたマットレスの制御方法において、前記グループ化工程が、各前記セルに加わる体圧に基づきグループ分けされた複数の前記グループのうちの少なくとも1つの前記グループを、さらに各該セルの位置情報に基づきサブグループに分けるサブグループ化工程を含んでいるものである。
本態様によれば、各セルに加わる体圧に基づきグループ化されたセルのグループを、さらにセルの位置情報をも加味してサブグループに細分化することができる。これにより、グループ化工程の後に実行される内圧調節工程を、セルの位置を考慮したサブグループ毎、例えば、頭部付近、臀部付近、脚部付近に位置するセルのサブグループ毎に、順次行うことが可能となり、内圧調節工程において使用者に違和感を与えるおそれを一層有利に低減できる。
マットレスの制御方法に関する本発明の第5の態様は、第4の態様に記載されたマットレスの制御方法において、前記サブグループ化工程において分けられた前記サブグループの周辺に位置する前記セルを周辺グループとしてグループ化する周辺グループ化工程を更に含んでおり、前記内圧調節工程において該周辺グループを構成する各該セルの流体室が相互に連通されるようになっているものである。
本態様によれば、サブグループの周辺に位置するセルで周辺グループを構成し、後の内圧調節工程において周辺グループのセルの流体室を相互に連通して内圧調節を行うことができる。これにより、セルに加わる体圧のみならずセルの位置にも配慮したサブグループ毎の内圧調節を、使用者に違和感を与えることなくスムーズに実行することができるのである。
マットレスの制御方法に関する本発明の第6の態様は、第1~第5の何れか1つの態様に記載されたマットレスの制御方法において、前記内圧調節工程と前記独立工程の間において、前記体圧測定手段により各前記セルに加わる体圧を測定する第二体圧測定工程と、前記グループ毎に、前記圧力調節手段により前記流体室の流体を排出する排出工程と、前記排出工程中に前記体圧測定手段により各前記セルに加わる体圧を測定する第三体圧測定工程と、をさらに含み、前記第二体圧測定工程の測定結果を比較測定結果として、該比較測定結果と前記第三体圧測定工程の測定結果との間に差異が無いか前記第三体圧測定工程の測定結果の方が大きくなる場合には前記独立工程を実行する一方、前記第二体圧測定工程の測定結果と前記第三体圧測定工程の測定結果との間で前記第三体圧測定工程の測定結果の方が小さくなる場合には前記第三体圧測定工程の測定結果を前記比較測定結果として用いて前記排出工程からの処理を再度実行するものである。
本態様によれば、各グループのセルの内圧を目標内圧に調節した後、更に各グループのセルの圧力を順次減圧して、使用者の体圧作用部の一層の分散化を図ることができる。そして、排出工程を実行しつつ第三体圧測定工程を繰り返し実行することにより、排出工程中にセルに加わる体圧の変化を測定して、セルに加わる体圧が減少し続けている場合には、まだセルに加わる体圧を小さく出来る余地があるとして、排出工程を継続することにより、セルの内圧を可及的に減少してセルに加わる体圧を低くすることが出来、より高度な体圧分散が可能となる。
マットレスに関する本発明の第1の態様は、人体を支持する基体の体圧作用面に複数のセルが配設されていると共に、該セルの内部に形成された流体室の圧力を調節する圧力調節手段と、該セルに加わる体圧を測定する体圧測定手段が設けられているマットレスにおいて、前記体圧測定手段により測定された各前記セルに加わる体圧に基づき、該複数のセルをグループ分けするグループ化手段と、前記グループ化手段により分けられた前記グループ毎に、前記流体室の目標内圧を設定する目標内圧設定手段と、前記グループ化手段により分けられた前記グループ毎に、各前記セルの前記流体室を相互に連通/独立させる連通/独立手段と、を有しており、前記グループ毎に、各前記セルの流体室を前記連通/独立手段により相互に連通させた状態で、前記圧力調節手段により前記流体室の内圧が前記目標内圧へ調節されるようになっている一方、前記圧力調節手段により内圧が調節された前記グループを構成する前記セルの前記流体室が、前記連通/独立手段により相互に独立されるようになっていることを、特徴とする。
本発明に従う構造とされたマットレスによれば、複数のセルを各セルに加わる体圧に基づいてグループ化すると共に、グループ化された各セルを相互に連通させた状態で圧力調節手段によりセル内圧を目標内圧となるように調節することができる。これにより、現状の体圧分布に応じたセルの内圧調整が速やかに可能となり、使用者に与える違和感を、可及的に低減できる。また、目標内圧に調節された後のセルは相互に独立されることから、目標内圧に設定された各セルを所望の状態に維持することが可能となる。
マットレスの制御方法に関する本発明においては、セルに加わる体圧に基づき、複数のセルをグループ分けするグループ化工程と、該グループ化工程で分けられたグループ毎に、セルの目標内圧を設定する目標内圧設定工程と、グループ毎にセルの流体室を相互に連通して目標内圧に調節する内圧調節工程を含んだ。また、マットレスに関する本発明においては、セルに加わる体圧に基づき、複数のセルをグループ分けするグループ化手段と、該グループ化手段で分けられたグループ毎に、セルの目標内圧を設定する目標内圧設定手段と、グループ毎にセルの流体室を相互に連通/独立させる連通/独立手段とを設け、セルの流体室を前記連通/独立手段で相互に連通させた状態で目標内圧に調節するようにした。これにより、本発明に従うマットレスおよびその制御方法によれば、複数のセルの内圧をグループ毎に一括して同時に調節することが出来る。その結果、複数のセルの内圧調節をより速やかに行うことが出来、使用者の体圧作用部の分散化を速やかに行うことが出来る。更に、加わる体圧に応じてグループ分けされた複数のセルの高さが一括して変更されることから、内圧切替動作中における各セルの凹凸を人体の形状に速やかに近づけることが出来て、内圧切替動作中の使用者の不快感を低減することも出来る。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1に、本発明に従う構造とされたマットレス10を備えたベッド12を示す。ベッド12は、ベッド本体14における床板16の上面にマットレス10が載置された構造とされている。マットレス10は、マットレス本体18と、天部マット20を含んで構成されている。
図2および図3に、マットレス10を示す。なお、図2においては、天部マット20を透視して図示する。マットレス本体18は、箱状の筐体部22と、筐体部22に収容された複数のセル24とを備えている。なお、以下の説明において、上下方向とは、原則として、鉛直上下方向である図3中の上下方向をいう。
筐体部22は、全体が弾性を有するクッション材で形成されており、枠体26の下側開口部に基体としての底部マット28が嵌め込まれていると共に、枠体26の上側開口部にクッション層としての天部マット20が嵌め込まれて形成されている。
枠体26は、全体が多孔質のウレタンフォームで形成された弾性を有する部材であって、互いに平行をなすように配置された頭部側ブロック30と脚部側ブロック32が一対の側方ブロック34,34で連結された構造とされて、上下方向で矩形枠状を呈している。なお、枠体26の形成材料は特に限定されるものではなく、発泡性材料にも限定されないが、人体への接触や背上げを行う場合の変形追従性等を考慮すると、ウレタンフォームのような弾性を有する材料で形成されていることが望ましい。
底部マット28は、枠体26に比して上下方向で薄肉とされた矩形板状の部材であって、本実施形態では多孔質のウレタンフォームによって形成されている。また、底部マット28は、上下方向視の形状が枠体26の開口部と対応している。このような底部マット28が枠体26の下側開口部に嵌め込まれることによって、枠体26の内部に収容空所36が形成されている。
収容空所36には、複数のセル24が収容配置されている。図4および図5に示されているように、セル24は例えばウレタンフィルム等から形成されており、平面視(高さ方向視)で角部が円弧状に丸められた略矩形(角丸矩形状)を呈する袋状乃至は風船状とされている。より詳細には、セル24は、開口部を有する略巾着形状とされた上側袋状部38と下側袋状部40が、互いの開口部を相互に固着することで形成されている。
セル24の内部には、流体室42が形成されている。流体室42は、上側袋状部38の内部空間と下側袋状部40の内部空間が、それらの開口部を利用した連通部43を通じて相互に連通されることで形成されている。流体室42は外部から略密閉されており、セル24の底部に貫設された筒状のポート44を通じて外部に連通されている。そして、ポート44を通じて流体室42内に空気等の流体が給排されることにより、流体室42の内圧が調節されて、セル24が膨張および収縮されるようになっている。なお、セル24に給排される流体は、空気に限定されるものではなく、例えば、水等の液体を用いることも出来る。
セル24の高さ方向中間部分には、括れ部46が形成されている。即ち、上側袋状部38と下側袋状部40が何れも開口部に向かって次第に窄む形状とされていることにより、上側袋状部38と下側袋状部40との固着部分(開口部)に括れ部46が形成されている。これにより、セル24は、括れ部46の設けられた高さ方向中間部分において細くなっており、膨張時の縦断面において略8の字形乃至は瓢箪形を呈する2段構造とされている。
このようなセル24は、図3に示したように、底部マット28の上面に配設されており、底面が中央部分(ポート44の周囲)において底部マット28に固着されて、底部マット28に対して傾動可能に支持されている。これにより、複数のセル24が、筐体部22の収容空所36内に収容されている。
図6に概略的に示すように、マットレス10の横方向(図2中、横方向)に7つのセル24が隣接して配設されており、これら7つのセル24と、1つの子制御機48を含んで、1つのセルユニット50が構成されている。このようなセルユニット50が、マットレス10の縦方向(図2中、縦方向)で21組並設されることによって、筐体部22には、合計147個(7個×21組)のセル24が配設されている。
セルユニット50には、サブ管路52と、サブ管路52から各セル24毎に分岐してセル24のポート44と接続された分岐管路54が設けられている。図示は省略するが、セル24のポート44が底部マット28を貫通して配設されており、分岐管路54がポート44に接続されている。各分岐管路54上には、セル駆動バルブ56が設けられている。セル駆動バルブ56は例えば電磁バルブであり、子制御機48と電気的に接続されて、子制御機48からの制御信号に基づいて、分岐管路54の連通と遮断を選択的に切り替えられるようになっている。なお、詳細な図示は省略するが、子制御機48は、マットレス10の側方に配設される。そして、セル駆動バルブ56は、マットレス10の下方の例えばベッド本体14内に配設しても良いが、分岐管路54を長くすることによって、子制御機48と共に7つのセル駆動バルブ56をマットレス10の側方に集中して配設する等しても良い。
これらセルユニット50のサブ管路52は、ポンプ装置58から延出されたメイン管路60と接続されている。ポンプ装置58には例えば電磁バルブからなる給気バルブ62および排気バルブ64が設けられており、メイン管路60と接続されている。給気バルブ62はポンプ装置58に設けられたポンプ66と接続されている。一方、排気バルブ64は大気中に連通されている。更に、ポンプ装置58には圧力計68が設けられており、メイン管路60と接続されている。
また、ポンプ装置58には、親制御機70が設けられている。親制御機70は給気バルブ62および排気バルブ64、ポンプ66と電気的に接続されており、後述する制御装置74からの制御信号に基づいて、これらの作動を制御するようになっている。更にまた、親制御機70は圧力計68と電気的に接続されており、メイン管路60の内圧を測定可能とされている。更に、親制御機70は各セルユニット50の子制御機48と電気的に接続されており、各子制御機48に制御信号を送信することにより、それぞれのセルユニット50における各セル駆動バルブ56の作動を制御するようになっている。更にまた、ポンプ装置58には電源装置72が設けられている。電源装置72は各セルユニット50の子制御機48に接続されており、子制御機48およびセル駆動バルブ56の駆動電源を供給するようになっている。
このようなポンプ装置58の親制御機70は、制御装置74と電気的に接続されている。制御装置74は、CPU(Central Processing Unit)76と、ROM(Read Only Memory)78と、RAM(Random Access Memory)80と、駆動回路82と、後述する電源回路100を備えている。ROM78には後述する制御方法に基づく制御プログラム等が記憶されている。RAM80には、制御プログラムの演算値や圧力計68からの計測値等が一時的に格納される。そして、CPU76がROM78に記憶された制御プログラムに基づいて、駆動回路82を通じてポンプ装置58の親制御機70に制御信号を送信することによって、メイン管路60への空気の給排と各セル駆動バルブ56の作動が制御されるようになっている。
これにより、例えば制御装置74からの制御信号に基づいて、給気バルブ62を開放してポンプ66からメイン管路60に空気を送入すると共に、複数のセル駆動バルブ56の内の幾つかを選択的に開放して、セル24の流体室42をメイン管路60と連通することにより、メイン管路60と連通された特定のセル24の流体室42の圧力のみを高くして、セル24の高さを高くすることが出来る。また、排気バルブ64を開放してメイン管路60を大気と連通すると共に、特定のセル駆動バルブ56のみを選択的に開放してセル24の流体室42をメイン管路60と連通することにより、メイン管路60と接続された特定のセル24の流体室42の圧力のみを低くして、セル24の高さを低くすることが出来る。このように、本実施形態においては、制御装置74、ポンプ装置58、および各セルユニット50の子制御機48およびセル駆動バルブ56を含んで、セル24の流体室42の圧力を調節する圧力調節手段が構成されている。
そして、図3に示したように、収容空所36に複数のセル24を収容した枠体26の上側開口部に、天部マット20が嵌め込まれて、収容空所36内のセル24に重ね合わされている。天部マット20は、上下方向視の形状が底部マット28と略同一とされると共に、底部マット28よりも厚肉の矩形板状を呈している。天部マット20は、それぞれが多孔質のウレタンフォームで形成された第1クッション層としての表層部84と、第2クッション層としての裏層部86とを有する積層構造とされている。なお、表層部84と裏層部86は同一の材料で形成されていても良いが、弾性係数等が異なる材料で形成することで、より優れた寝心地が発揮され得る。
天部マット20において、表層部84と裏層部86の間には、体圧測定手段としての体圧センサ88が設けられている。体圧センサ88としては、歪ゲージや磁歪体を用いたロードセル等を用いることも可能であるが、本実施形態においては、体圧センサ88として、シート状の静電容量型センサが用いられている。このような静電容量型センサとしては、従来公知のものが適宜に採用可能であることから、以下、概略を説明するに留める。
図7および図8に、体圧センサ88を概略的に示す。なお、図7においては、後述する誘電層90および表側基材92を透視して図示すると共に、後述する検出部A0101~A2107にハッチングを施して示す。
体圧センサ88は、誘電層90と、第一電極膜としての表側電極01X~21Xと、第二電極膜としての裏側電極01Y~07Yと、表側配線01x~21xと、裏側配線01y~07yと、表側基材92と、裏側基材94と、表側配線用コネクタ96と、裏側配線用コネクタ98と、制御装置74と、を備えている。なお、後述する検出部A0101~A2107の符号「A○○△△」中、上二桁の「○○」は、表側電極01X~21Xに対応している。下二桁の「△△」は、裏側電極01Y~07Yに対応している。
誘電層90は、エラストマーとしてのウレタン発泡体製であって、四角形板状のシート状を呈し、弾性変形可能とされている。誘電層90は、枠体26の上側開口部と略等しい大きさとされている。
表側基材92は、ゴム製であって、四角形板状を呈している。表側基材92は、誘電層90の上方(表側)に積層されている。裏側基材94は、ゴム製であって、四角板形状を呈している。裏側基材94は、誘電層90の下方(裏側)に積層されている。
図8に示すように、表側基材92の外縁と裏側基材94の外縁とは接合されており、表側基材92と裏側基材94が、袋状に貼り合わされている。誘電層90は、当該袋内に収容されている。誘電層90の上面四隅は、表側基材92の下面四隅に、スポット的に接着されている。また、誘電層90の下面四隅は、裏側基材94の上面四隅に、スポット的に接着されている。このように、誘電層90は、表側基材92および裏側基材94に、使用時にシワがよらないように、位置決めされている。ただし、誘電層90は、四隅が接着された状態で、表側基材92および裏側基材94に対して、水平方向(前後左右方向)に弾性変形可能である。
表側電極01X~21Xは、誘電層90の上面に、合計21本配置されている。表側電極01X~21Xは、各々、アクリルゴムと、導電性カーボンブラックと、を含んで形成されている。表側電極01X~21Xは、各々、帯状を呈しており、柔軟に伸縮可能に形成されている。表側電極01X~21Xは、各々、横方向(図7中、左右方向)に延在している。表側電極01X~21Xは、縦方向(図7中、上下方向)に、セル24の縦方向(図2中、上下方向)の配列ピッチと略等しい間隔ごとに離間して、互いに略平行になるように、配置されている。
表側配線01x~21xは、誘電層90の上面に、合計21本配置されている。表側配線01x~21xは、各々、アクリルゴムと、銀粉と、を含んで形成されている。表側配線01x~21xは、各々、線状を呈している。表側配線用コネクタ96は、表側基材92および裏側基材94の隅部に配置されている。表側配線01x~21xは、各々、表側電極01X~21Xの端部と表側配線用コネクタ96と、を接続している。
裏側電極01Y~07Yは、誘電層90の下面に、合計7本配置されている。裏側電極01Y~07Yは、各々、アクリルゴムと、導電性カーボンブラックと、を含んで形成されている。裏側電極01Y~07Yは、各々、帯状を呈しており、柔軟に伸縮可能に形成されている。裏側電極01Y~07Yは、各々、縦方向(図7中、上下方向)に延在している。裏側電極01Y~07Yは、横方向(図7中、左右方向)に、セル24の横方向(図2中、左右方向)の配列ピッチと略等しい間隔ごとに離間して、互いに略平行になるように、配置されている。このように、表側電極01X~21Xと裏側電極01Y~07Yとは、上方または下方から見て、互いに直交する格子状に配置されている。
裏側配線01y~07yは、誘電層90の下面に、合計7本配置されている。裏側配線01y~07yは、各々、アクリルゴムと、銀粉と、を含んで形成されている。裏側配線01y~07yは、各々、線状を呈している。裏側配線用コネクタ98は、表側基材92および裏側基材94の隅部に配置されている。裏側配線01y~07yは、各々、裏側電極01Y~07Yの端部と裏側配線用コネクタ98と、を接続している。
検出部A0101~A2107は、図7にハッチングで示すように、表側電極01X~21Xと、裏側電極01Y~07Yと、が上下方向に交差する部分(重複する部分)に配置されている。検出部A0101~A2107は、各々、表側電極01X~21Xの一部と、裏側電極01Y~07Yの一部と、誘電層90の一部と、を備えている。検出部A0101~A2107は、筐体部22の収容空所36内に収容されたセル24と同数の、合計147個(=7個×21個)配置されている。検出部A0101~A2107は、誘電層90の略全面に亘って、均等に配置されている。
図7に示すように、制御装置74は、表側配線用コネクタ96、裏側配線用コネクタ98と、電気的に接続されている。制御装置74には、電源回路100が設けられている。電源回路100は、検出部A0101~A2107に、周期的な矩形波電圧を走査的に順番に印加する。ROM78には、予め、検出部A0101~A2107に構成されたコンデンサの静電容量と体圧(荷重)との対応を示すマップが格納されている。一方、RAM80には、表側配線用コネクタ96、裏側配線用コネクタ98から入力される検出部A0101~A2107の静電容量が一時的に格納される。そして、CPU76が、RAM80に格納された検出部A0101~A2107の静電容量から、ROM78に記憶されたマップに基づいて、検出部A0101~A2107に作用している体圧を検出するようになっている。
図3に示したように、このような体圧センサ88を備えた天部マット20が、枠体26の上側開口部に嵌め込まれて、枠体26の収容空所36内に収容された複数のセル24に重ね合わされる。これにより、体圧センサ88が複数のセル24を介して底部マット28に沿って広げられると共に、図2に示したように、体圧センサ88の各検出部A0101~A2107が、それぞれ、各セル24に重ね合わされる。その結果、各セル24に加わる体圧を体圧センサ88で検出することが可能とされている。
このような構造とされたマットレス10は、図1に示したように、ベッド本体14の床板16上に重ね合わされている。そして、マットレス10上に使用者が横たわると、天部マット20と複数のセル24と底部マット28に使用者の体圧が作用して、ベッド本体14の床板16で支持されるようになっている。そして、使用者に作用する重力に基づいた体荷重(体圧)が、下方に向かって作用することにより、天部マット20、セル24、底部マット28、床板16の各上面が、それぞれ体圧作用面とされる。
次に、マットレス10における、セル24の内圧を調節する制御方法に関する、第1の実施形態を説明する。先ず、制御装置74のROM78には、表1に示す、グループ情報テーブルが記憶されている。グループ情報テーブルには、複数(本実施形態においては、グループ1~グループ6の6グループ)の各グループに対応する、セル24に加わる体圧の大きさと、目標内圧が記憶されている。本実施形態におけるグループ情報テーブルには、グループ1から順に、セル24に加わる体圧が小さいものから割り当てられている。また、セル24に加わる体圧が最も小さいグループ1には目標内圧は設定されておらず、内圧の調節が行われないようになっている。なお、表1においてaは定数である。
図9に、制御装置74のCPU76の処理内容を示す。先ず、CPU76は、S1において、体圧センサ88から、全てのセル24について、セル24に加わる体圧を測定する第一体圧測定工程を実施する。
次に、S2において、CPU76は、全てのセル24について、S1で得られた体圧と、表1に示したグループ情報テーブルに基づいて、各セル24をグループ1~グループ6の何れか対応するグループに割り当ててRAM80に記憶するグループ化工程を実施する。例えば、特定のセル24について、S1で得られた体圧が17p(mmHg)であった場合には、グループ情報テーブルに基づいて、当該セル24をグループ3に割り当ててRAM80に記憶する。このように、本実施形態においては、ROM78に記憶されたグループ情報テーブル、S2を含んで、グループ化手段が構成されている。
次に、S3において、CPU76は、全てのセル24について、セル24が割り当てられたグループと、表1に示したグループ情報テーブルに基づいて、セル24の目標内圧を取得してRAM80に記憶する目標内圧設定工程を実施する。例えば、グループ3に割り当てられたセル24は、グループ情報テーブルに基づいて、目標内圧として2a(Pa)が設定される。このことから明らかなように、グループ毎に目標内圧が定められており、同一グループのセル24には、同一の目標内圧が設定される。このように、本実施形態においては、ROM78に記憶されたグループ情報テーブル、S3を含んで、目標内圧設定手段が構成されている。
続いて、S4において、CPU76は、各セル24について、グループ毎に内圧を調節する内圧調節工程を実施する。グループ毎にセル24の内圧を調節する際には、調節対象のグループに割り当てられたセル24のセル駆動バルブ56を開放する一方、その他のグループに割り当てられたセル24のセル駆動バルブ56を閉鎖する。これにより、調節対象のグループに割り当てられた複数のセル24の流体室42がサブ管路52とメイン管路60を通じて相互に連通される。その結果、相互に連通されたセル24の内圧は平衡して特定の平衡内圧となる。そして、圧力計68で平衡内圧を測定して、目標内圧が平衡内圧よりも高い場合には、給気バルブ62を開放して流体室42をポンプ66と連通することにより、流体室42内を加圧する。一方、目標内圧が平衡内圧よりも低い場合には、排気バルブ64を開放して流体室42を大気と連通することにより、流体室42内を減圧する。
ここにおいて、S4における内圧調節工程は、各グループ毎に順番に、或るグループの内圧の調節が完了した後に次のグループの内圧を調節するようにしても良いが、図10に示すように、各グループのそれぞれにおける内圧の調節を、複数段階のグループ内圧微調節工程(S22~S26)に分けて、各グループのグループ内圧微調節工程(S22~S26)をグループ6からグループ2の順で繰り返して行なうことが好ましい。
図10に示す内圧調節工程を実施するために、RAM80には、グループ2~グループ6のそれぞれに対応して、グループ完了フラグとしてのグループ2完了フラグ~グループ6完了フラグがそれぞれ記憶されている。これらグループ完了フラグは、対応するグループのセル24の内圧の調節が完了したか否かを示すフラグであり、グループ完了フラグがONの場合には、対応するグループのセル24の内圧の調節が完了している(目標内圧に設定されている)ことを示し、グループ完了フラグがOFFの場合には、対応するグループのセル24の内圧の調節が完了していない(目標内圧に設定されていない)ことを示す。そして、CPU76は、S21において、初期化処理として、グループ2~グループ6のグループ完了フラグを全てOFFに設定する。
次に、S22において、CPU76は、セル24に加わる体圧の最も大きなグループ6に割り当てられたセル24について、内圧を微調節して目標内圧に近づけるグループ内圧微調節工程を実施する。図11に、グループ内圧微調節工程を示す。先ず、CPU76は、S31において、RAM80に記憶されたグループ6完了フラグがONである場合(S31=Yes)には、グループ6の内圧調節は既に完了しているものとして、グループ6のグループ内圧微調節工程(S22)を終了する。一方、RAM80に記憶されたグループ6完了フラグがOFFである場合(S31=No)には、CPU76は、S32において、グループ6に割り当てられたセル24のセル駆動バルブ56を開放して、グループ6のセル24の流体室42を相互に連通した状態で、圧力計68により、グループ6に割り当てられたセル24の内圧を測定する。
次に、CPU76は、S33において、S32で測定したグループ6のセル24の内圧と、前記目標内圧設定工程(S3)で設定した目標内圧とを比較して、セル24の内圧が目標内圧よりも高い場合(S33=Yes)には、CPU76は、S34において、グループ6のセル24の流体室42を相互に連通した状態で、排気バルブ64を駆動して、予め設定した例えば1秒や2秒等の所定時間:tの間だけセル24の流体室42から空気を排出して、流体室42を減圧する。一方、セル24の内圧が目標内圧よりも低い場合(S33=No)には、CPU76は、S35において、グループ6のセル24の流体室42を相互に連通した状態で、給気バルブ62とポンプ66を駆動して、所定時間:tの間だけセル24の流体室42に空気を供給して、流体室42を加圧する。
そして、CPU76は、S36において、圧力計68により、グループ6に割り当てられたセル24の内圧を測定して、セル24の内圧が目標内圧になった場合(S36=Yes)には、S37において、グループ6のグループ完了フラグをONにして、グループ6についてのグループ内圧微調節工程(S22)を終了する。一方、セル24の内圧が目標内圧になっていない場合(S36=No)には、グループ完了フラグを変更することなく、グループ6についてのグループ内圧微調節工程(S22)を終了する。なお、S36における、セル24の内圧が目標内圧になったか否かの判断は、目標内圧から適当な許容範囲を設定して、セル24の内圧が目標内圧からの許容範囲内に入った場合に、セル24の内圧が目標内圧になったものと判断しても良い。また、S34およびS35による加減圧中に圧力計68でセル24の内圧を監視することにより、セル24の内圧が目標内圧に達した場合には、S34およびS35における所定時間:tが経過する前に加減圧を終了する等しても良い。
続いて、S23~S26において、セル24に加わる体圧の大きなグループ5からグループ2の順で、前記S22におけるグループ6と同様に、グループに割り当てられたセル24の内圧を微調節して目標内圧に近づけるグループ内圧微調節工程(図11参照)を実施する。そして、S27において、グループ2~グループ6の全てのグループのグループ完了フラグがONになった場合(S27=Yes)には、全てのグループのセル24が目標内圧に設定されたものとして、内圧調節工程(S4)を終了する。一方、ONでないグループ完了フラグが1つでも残っている場合(S27=No)には、S22以降の処理を繰り返し、目標内圧に設定されていないグループのセル24について、内圧の微調節を繰り返す。要するに、セル24に加わる体圧の大きなグループ6からグループ2の順で、グループ内圧微調節工程(S22~S26)を繰り返し実行することにより、所定時間の微小な加圧又は減圧を繰り返してセル24の内圧を目標内圧に次第に近づけて、グループ2~グループ6の全てのグループのセル24が目標内圧に設定された段階で、内圧調節工程(S4)を完了する。
以上により、各セル24の内圧が目標内圧に調節されて、セル24に加わる体圧に応じてセル24の高さが設定される。その結果、天部マット20が使用者の体表面に沿う形状とされて、より広い面積で使用者の体を支持することにより、体圧を分散することが出来る。
なお、より良好な体圧分散効果を得るためには、セル24の内圧を低くして、使用者の体表面とマットレスとの接触面積をより広くすることが好ましい。そこで、本実施形態では、S5以降で、セル24の内圧を減圧する。具体的には、CPU76は、目標内圧が設定されたグループ2~グループ6毎に、S5において、体圧センサ88から、セル24に加わる体圧を測定する第二体圧測定工程を実施する。
次に、CPU76は、S6において、グループ2~グループ6のセル24について、各グループ毎にセル24の内圧を減圧する排出工程を実施する。排出工程において、グループ2~グループ6のセル24は、各グループ毎にセル駆動バルブ56が開放されて、同一グループのセル24の流体室42が相互に連通された状態で、排気バルブ64が開放されて流体室42内の空気が大気中に排出されることによって内圧が減圧される。
排出工程(S6)による流体室42からの空気の排出中に、CPU76は、S7において、体圧センサ88から、排出工程が実施されているグループのセル24について、セル24に加わる体圧を測定する第三体圧測定工程を実施する。そして、CPU76は、S8において、第二体圧測定工程(S5)の測定結果の体圧を比較測定結果として、該比較測定結果よりも第三体圧測定工程(S7)の測定結果の体圧の方が小さい場合(S8=Yes)には、セル24を減圧することによって加わる体圧が減少しており、体圧分散効果が向上されていると考えられることから、まだセル24の内圧を小さくして体圧分散効果を向上する余地があると考えられる。そこで、S6に戻って排出工程を継続してセル24の減圧を継続しつつ、S7において第三体圧測定工程を実行する。そして、S8において、前回の第三体圧測定工程(S7)の測定結果の体圧を比較測定結果として、該比較測定結果よりも今回の第三体圧測定工程(S7)の測定結果の体圧の方が小さい場合(S8=Yes)には、排出工程(S6)と第三体圧測定工程(S7)を繰り返し実行する。一方、第二体圧測定工程(S5)又は前回の第三体圧測定工程(S7)の測定結果の体圧を比較測定結果として、該比較測定結果と、今回の第三体圧測定工程(S7)の測定結果の体圧が同じ場合(S8=No)には、セル24を減圧してもそれ以上の体圧分散効果の向上が図れないものとして、S9以降の処理を実行する。また、第二体圧測定工程(S5)又は前回の第三体圧測定工程(S7)の測定結果の体圧を比較測定結果として、該比較測定結果よりも今回の第三体圧測定工程(S7)の測定結果の体圧の方が大きい場合(S8=No)には、セル24を減圧するに従ってセル24に加わる体圧が増加していることから、セル24が潰れきった所謂「底付状態」になったものとして、S9以降の処理を実行する。要するに、CPU76は、S6~S8において、排出工程(S6)中のセル24に加わる体圧の変化を監視して、セル24に加わる体圧が減少している間(S8=Yes)は排出工程(S6)を継続する一方、セル24に加わる体圧が減少しなくなった時点(S8=No)で、排出工程(S6)を終了してS9以降の処理を実施する。
そして、CPU76は、S9において、全セル24のセル駆動バルブ56を閉鎖して、全セル24の流体室42を相互に独立させる独立工程を実施する。これにより、各セル24の内圧を固定して、制御処理を完了する。このように、本実施形態においては、各セル24の流体室42をグループ毎に相互に連通/独立させる連通/独立手段が、セル駆動バルブ56、サブ管路52、およびメイン管路60を含んで構成されている。
本実施形態に従う構造とされたマットレス10およびその制御方法によれば、複数のセル24を、加えられる体圧の大きさによりグループ分けして、グループ毎に一括して同時に内圧を調節するようにした。これにより、各セル24の内圧を個別に制御する場合に比して、より速やかにセル24の内圧調節を行うことが出来る。その結果、セル24の内圧調節時に使用者に与える違和感を可及的に低減することが出来る。また、各グループ毎にセル24の流体室42を相互に連通することにより、内圧の調節中に同一グループ内のセル24間での空気の自由な移動が許容されて、マットレス10が自然に使用者の体型に沿う効果も期待される。それと共に、同一グループのセル24の流体室42を相互に連通することによって、一つの給気バルブ62とポンプ66、排気バルブ64で全セル24の内圧を調節することが出来ることから、配管の簡素化、制御の簡素化を図ることが出来る。
また、セル24に加わる体圧の大きなグループ6から順にセル24の内圧調節が行なわれるようになっている。これにより、セル24に加わる体圧が大きくなる頭部や臀部等を支持するセル24から先に内圧調節が行なわれて、頭部や臀部等から先にマットレス10に沈み込まされる。これにより、頭部や臀部の周辺とマットレス10との接触面積が速やかに増大されて、体圧分散効果が速やかに発現され得る。更に、各グループの内圧調節を一度に完了するのではなく、段階的に各グループ毎に順次に実施することにより、グループ間でのセル24の高さが大きく異なることを回避して、マットレス10の形状を全体的に少しずつ変化させることが出来る。その結果、使用者に大きな違和感を与えることなくマットレス形状を変化させることが出来る。
更にまた、排出工程(S6)を設けたことにより、使用者の体圧分布に応じてマットレス10の表面形状を変化させた後に、セル24の内圧を下げることが出来る。これにより、より優れた体圧分散効果を得ることが出来る。そして、第二体圧測定工程(S5)と第三体圧測定工程(S7)で、セル24に加えられる体圧の変化を測定しつつ流体室42内の空気を排出することにより、必要以上に減圧することなく、体圧分散効果の向上に有効な範囲内で効果的な減圧を行うことが出来る。
続いて、マットレス10における、セル24の内圧を調節する制御方法の第2の実施形態について説明する。先ず、制御装置74のROM78には、表2に示すグループ情報テーブルが記憶されている。グループ情報テーブルには、複数(本実施形態においては、グループA~グループCの3グループ)の各グループに対応する、セル24に加わる体圧の大きさと、目標内圧が記憶されている。本実施形態におけるグループ情報テーブルでは、グループAから順に、セル24に加わる体圧が大きいものから割り当てられており、セル24に加わる体圧が最も小さいグループCには目標内圧は設定されておらず、内圧の調節が行われないようになっている。さらに、グループ情報テーブルには、セル24の位置情報に基づき特定される、後述する第1周辺グループおよび第2周辺グループにそれぞれ設定される目標内圧も記憶されている。なお、表2においてaは定数である。
図12に、制御装置74のCPU76の処理内容を示す。先ず、CPU76は、T1において、体圧センサ88から、全てのセル24について、セル24に加わる体圧を測定する第一体圧測定工程を実施する。
次に、T2において、CPU76は、全てのセル24について、T1で得られた体圧と、表2に示したグループ情報テーブルに基づいて、各セル24をグループA~グループCの何れか対応するグループに割り当ててRAM80に記憶するグループ化工程を実施する。例えば、特定のセル24について、T1で得られた体圧が21p(mmHg)であった場合には、グループ情報テーブルに基づいて、当該セル24をグループBに割り当ててRAM80に記憶する。このように、本実施形態においては、ROM78に記憶されたグループ情報テーブル、T2を含んで、グループ化手段が構成されている。
続くT3では、CPU76は、T2において各セル24に加わる体圧に基づいてグループ化されたグループA~グループCのうち、グループBについて、さらに各セルの位置情報に基づきサブグループB1,B2,B3・・・に分けるサブグループ化工程を実施する。このサブグループ化工程は、図13に示す処理内容に従って行われる。ここで、セルの位置情報は、各セル24の直上に配設された検出部A0101~A2107の下4桁の番号を用いて設定されている。具体的には、図14に示すように、最上段の一番左側に位置するセル24の位置情報が(C01,C01)であり、最上段の一番右側に位置するセル24の位置情報が(C01,C07)である。また、最下段の一番左側に位置するセル24の位置情報が(C21,C01)であり、最下段の一番右側に位置するセル24の位置情報が(C21,C07)である。かかる各セル24の位置情報は、制御装置74のROM78に記憶されている。
従って、各セル24の位置情報の数値は、最上段の一番左側に位置するセル24(C01,C01)が“0101”で最も小さく、最上段を右方向に行くに従い大きくなり、最上段の一番右側のセル24(C01,C07)では“0107”まで上昇する。セル24の位置情報の数値が次に大きいセル24は、最上段の直下の段の一番左側に位置するセル24(C02,C01)の“0201”となる。ここでも、右方向に行くに従ってセル24の位置情報の数値が順次大きくなり、最上段の直下の段の一番右側に位置するセル24(C02,C07)では“0207”まで上昇する。
このように、各セル24の位置情報の数値は、最上段の左端のセル24から右端のセル24に移動するに連れて順次上昇し、各段の右端のセル24の次には、その直下の段の左端のセル24に移動して、さらに同段の右端のセル24に移動するに連れて順次上昇する。そして、最下段の一番右側に位置するセル24(C21,C07)の位置情報の数値が“2107”で最も大きくなるのである。
従って、各セル24の位置情報の数値は、最上段の一番左側に位置するセル24(C01,C01)が“0101”で最も小さく、最上段を右方向に行くに従い大きくなり、最上段の一番右側のセル24(C01,C07)では“0107”まで上昇する。セル24の位置情報の数値が次に大きいセル24は、最上段の直下の段の一番左側に位置するセル24(C02,C01)の“0201”となる。ここでも、右方向に行くに従ってセル24の位置情報の数値が順次大きくなり、最上段の直下の段の一番右側に位置するセル24(C02,C07)では“0207”まで上昇する。
このように、各セル24の位置情報の数値は、最上段の左端のセル24から右端のセル24に移動するに連れて順次上昇し、各段の右端のセル24の次には、その直下の段の左端のセル24に移動して、さらに同段の右端のセル24に移動するに連れて順次上昇する。そして、最下段の一番右側に位置するセル24(C21,C07)の位置情報の数値が“2107”で最も大きくなるのである。
図13に示すサブグループ化工程を実施するために、先ず、CPU76は、T21において、グループBに属するセルのうち、位置情報の数値が最も小さいセルを対象セルとして検出し、当該セルに対してサブグループ名BαをラベリングしてRAM80に記憶する。ここで、αは変数であり本実施形態では1から昇順に増加する。本実施形態では、図14に例示するように、セル24(C03,C03)がグループBに属するセルの中で最も位置情報の数値が小さく、B1がラベリングされている。
次に、T22において、CPU76は、B1をラベリングした対象セル24(C03,C03)に隣接し、且つグループBに属するセル24の有無を検出し、該当するセル24が検出された場合には、サブグループ名B1をラベリングして、RAM80に記憶する。なお、本実施形態では、隣接するセル24の検出範囲は、対象セル24(Cx,Cy)の右側のセル24(Cx,Cy+ 1)と、下側のセル(Cx+ 1,Cy)、さらに斜め右下側のセル24(Cx+ 1,Cy+ 1)とされている。図14に示す具体例では、T22において、セル24(C03,C04),セル24(C04,C03),セル24(C04,C04)にB1がラベリングされる。
次に、T23において、CPU76は、対象セル24(C03,C03)がグループBに属するセル24のうち、位置情報の数値が最も大きいセルであるか否かを判定する。対象セル24の位置情報の数値が最も大きい場合(T23=YES)には、グループBに属する全てのセル24がサブグループに分けられたものとして、サブグループ化工程(T3)を終了する。一方、対象セル24の位置情報の数値が最も大きくない場合(T23=NO)には、CPU76は、続いてT24を実行する。
T24では、CPU76は、グループBに属するセルのうち、次に位置情報の数値が小さい対象セルに、既にサブグループ名Bαがラベリングされているか否かを判定する。対象セル24に既にサブグループ名Bαがラベリングされている場合(T24=YES)には、CPU76は、T26に進み、対象セル24に隣接し、且つグループBに属するセル24の有無を検出し、該当するセル24が検出された場合には、サブグループ名Bαをラベリングし、RAM80に記憶する。図14に示す例では、対象セル24(C03,C04)に既にサブグループ名B1がラベリングされていることから、T26において、グループBに属する隣接セル24(C03,C05),セル24(C04,C04),セル24(C04,C05)にサブグループ名B1がラベリングされる。
一方、対象セル24に未だサブグループ名Bαがラベリングされていない場合(T24=NO)には、CPU76は、T25において変数αを1増加して対象セル24にBαをラベリングし、RAM80に記憶する。図14に示す具体例では、サブグループB1に属するセル24(C05,C05)に隣接していない対象セル24(C08,C05)についてT24を実行する際には、当該対象セル24(C08,C05)にサブグループB1がラベリングされていない。従って、T24での判定がNOとなり、CPU76は、T25において、対象セル24(C08,C05)に変数αを1増加したB2をラベリングして、RAM80に記憶する。
そして、続くT26において、CPU76は、対象セル24(C08,C05)に隣接し、且つグループBに属するセル24の有無を検出し、該当するセル24が検出された場合には、サブグループ名B2をラベリングし、RAM80に記憶する。図14に示す例では、対象セル24(C08,C05)に隣接し、且つグループBに属する隣接セル24(C08,C06),セル24(C09,C06)にサブグループ名B2がラベリングされている。
次に、T27において、CPU76は、対象セル24(C03,C04)や対象セル24(C08,C05)がグループBに属するセル24のうち、位置情報の数値が最も大きいセルであるか否かを判定する。対象セル24の位置情報の数値が最も大きい場合(T27=YES)には、グループBに属する全てのセル24がサブグループに分けられたものとして、サブグループ化工程(T3)を終了する。一方、対象セル24の位置情報の数値が最も大きくない場合(T27=NO)には、CPU76は、T24~T27の工程を繰り返し実行する。
上述のサブグループ化工程を、グループBに属するセル24の位置情報の数値の小さいものから昇順に実行することで、グループBに属するセル24が各セルの位置情報をも加味したサブグループB1,B2,B3・・・に分けられることとなる。図14に示す例では、サブグループB1,B2,B3に分類されており、グループBに属するセル24が、概ね、使用者における頭部付近のグループ、臀部付近のグループ、脚部付近のグループに分けられている。
次に、CPU76は、図12のT4において、サブグループB1,B2,B3毎にその周辺に位置するセル24を第1周辺グループB1.1,B2.1,B3.1としてグループ化する第1周辺グループ化工程を実行する。例えば、図14に示すとおり、先ず、CPU76は、サブグループB1に属する各セル24に隣接するセル24にB1.1をラベリングして、RAM80に記憶する。本実施形態では、隣接するセル24の検出範囲は、対象セル24(Cx,Cy)の上側のセル24(Cx-1,Cy)とその左右両隣のセル24(Cx-1,Cy-1),(Cx-1,Cy+ 1)、および対象セル24(Cx,Cy)の左右両隣のセル24(Cx,Cy-1),(Cx,Cy+ 1)、並びに対象セル24(Cx,Cy)の下側のセル24(Cx+ 1,Cy)とその左右両隣のセル24(Cx+ 1,Cy-1),(Cx+ 1,Cy+ 1)とされており、B1.1のラベリングは、グループB1のセル24の位置情報の数値が小さい順に順次行っておく。B1.1のラベリングにおいて既にB1やB1. 1がラベリングされているセルについては、先に付されたラベルを優先して残すこととする。
上記の手順によりサブグループB1,B2,B3毎に第1周辺グループ化工程を実行することで、図14に示すように、サブグループB1,B2,B3毎にその周囲を囲むセル24にそれぞれB1.1,B2.1,B3.1がそれぞれラベリングされて、第1周辺グループB1.1,B2.1,B3.1が構成され、RAM80に記憶される。
次に、CPU76は、T5において、サブグループB1,B2,B3毎に、第1周辺グループB1.1,B2.1,B3.1の周辺に位置するセルを第2周辺グループB1.2,B2.2,B3.2としてグループ化する第2周辺グループ化工程を実行する。隣接するセル24の検出範囲やラベリングの手順は第1周辺グループ化工程と同様であり、B1.1がラベリングされたセル24に隣接するセル24にB1.2がラベリングされ、B2.1がラベリングされたセル24に隣接するセル24にB2.2がラベリングされ、さらに、B3.1がラベリングされたセル24に隣接するセル24にB3.2がラベリングされる。これにより、図14に示すように、第1周辺グループB1.1,B2.1,B3.1毎にその周囲を囲むセル24にそれぞれB1.2,B2.2,B3.2がそれぞれラベリングされて、第2周辺グループB1.2,B2.2,B3.2が構成され、RAM80に記憶される。
次に、T6において、CPU76は、全てのセル24について、セル24に割り当てられたグループと、表2に示したグループ情報テーブルに基づいて、各セル24の目標内圧を取得してRAM80に記憶する目標内圧設定工程を実施する。例えば、グループAに割り当てられたセル24には、グループ情報テーブルに基づいて、目標内圧として0.5a(Pa)が設定される。また、第1周辺グループB1.1,B2.1,B3.1に割り当てられたセル24には、グループ情報テーブルに基づいて、目標内圧として1.2a(Pa)が設定される。このことから明らかなように、グループ毎に目標内圧が定められており、同一グループのセル24には、同一の目標内圧が設定される。このように、本実施形態においては、ROM78に記憶されたグループ情報テーブル、T6を含んで、目標内圧設定手段が構成されている。
次に、T7において、CPU76は、グループAに属する各セル24について、目標内圧0.5a(Pa)までセル内圧の減圧を実行する。なお、グループAの内圧調節工程は、各セル24単独で行うことが望ましく、減圧を行う単一のセル24以外の全てのセル24の駆動バルブ56を閉鎖した状態で、単一のセル24の駆動バルブ56を解放して、排気バルブ64を開放して流体室42を大気と連通することにより、流体室42内を減圧する。これにより、測定された体圧の値が最も大きなグループAに属するセル24の各流体室42を連通することにより、何れかのセル24が底付きしてしまうおそれを低減できる。
次に、T8において、CPU76はグループBに属する各セル24について、各セル24の位置情報に基づきサブグループ化された、サブグループB1,B2,B3およびそれらの第1周辺グループB1.1,B2.1,B3.1および第2周辺グループB1.2,B2.2,B3.2のぞれぞれについて、順次、図15に示す内圧調節工程を実行する。
図15に示す内圧調節工程を実施するために、RAM80には、サブグループB1~B3,第1周辺グループB1.1~B3.1,第2周辺グループB1.2~3.2のそれぞれに対応して、グループ完了フラグB1~B3,B1.1~B3.1,B1.2~3.2がそれぞれ記憶されている。これらグループ完了フラグは、対応するグループのセル24の内圧の調節が完了したか否かを示すフラグであり、グループ完了フラグがONの場合には、対応するグループのセル24の内圧の調節が完了している(目標内圧に設定されている)ことを示し、グループ完了フラグがOFFの場合には、対応するグループのセル24の内圧の調節が完了していない(目標内圧に設定されていない)ことを示す。そして、CPU76は、T31において、初期化処理として、サブグループB1~B3,第1周辺グループB1.1~B3.1,第2周辺グループB1.2~3.2のグループ完了フラグを全てOFFに設定する。
次に、T32において、CPU76は、サブグループB1に割り当てられたセル24について、内圧を調節して目標内圧にする内圧調節工程を実施する。具体的には、CPU76は、サブグループB1に割り当てられたセル24のセル駆動バルブ56を開放して、サブグループB1のセル24の流体室42を相互に連通した状態で、圧力計68により、サブグループB1に属するセル24の内圧を測定する。
次に、CPU76は、測定したサブグループB1のセル24の内圧と、前記目標内圧設定工程(T6)で設定した目標内圧とを比較して、セル24の内圧が目標内圧よりも高い場合には、サブグループB1のセル24の流体室42を相互に連通した状態で、排気バルブ64を駆動して、予め設定した例えば1秒や2秒等の所定時間:tの間だけセル24の流体室42から空気を排出して、流体室42を減圧する。一方、セル24の内圧が目標内圧よりも低い場合には、CPU76は、サブグループB1のセル24の流体室42を相互に連通した状態で、給気バルブ62とポンプ66を駆動して、所定時間:tの間だけセル24の流体室42に空気を供給して、流体室42を加圧する。
そして、CPU76は、圧力計68により、サブグループB1に割り当てられたセル24の内圧を測定して、セル24の内圧が目標内圧になった場合には、グループ完了フラグをONにして、サブグループB1についてのグループ内圧調節工程(T32を終了する。一方、セル24の内圧が目標内圧になっていない場合には、グループ完了フラグを変更することなく、サブグループB1についてのグループ内圧調節工程(T32)を終了する。
次に、T33において、CPU76は、第1周辺グループB1.1に割り当てられたセル24について、内圧を調節して目標内圧にする内圧調節工程を実施する。T33における内圧調節工程は、T32と同様、サブグループB1.1に割り当てられたセル24のセル駆動バルブ56を開放して、サブグループB1.1のセル24の流体室42を相互に連通した状態で実行され、CPU76の実行内容は、T32におけるものと同様である。次に、T34において、第2周辺グループB1.2に割り当てられたセル24について、内圧を調節して目標内圧にする内圧調節工程を実施する。T34における内圧調節工程のCPU76の実行内容も、T32におけるものと同様である。
次に、T35~T37において、CPU76は、サブグループB2およびその第1周辺グループB2.1,第2周辺グループB2.2に割り当てられたセル24について、同様の内圧調節工程を順次実行する。さらに、T38~T40において、CPU76は、サブグループB3およびその第1周辺グループB3.1,第2周辺グループB3.2に割り当てられたセル24について、同様の内圧調節工程を順次実行する。
そして、T41において、サブグループB1~B3,第1周辺グループB1.1~B3.1,第2周辺グループB1.2~3.2の全てのグループのグループ完了フラグがONになった場合(T41=Yes)には、全てのグループのセル24が目標内圧に設定されたものとして、内圧調節工程(T8)を終了する。一方、ONでないグループ完了フラグが1つでも残っている場合(T41=No)には、T32以降の処理を繰り返し、目標内圧に設定されていないグループのセル24について、内圧の調節を繰り返す。
要するに、本実施形態では、セル24に加わる体圧の大きさのみでグループ分けされたグループBを、さらにセル24の位置情報も加味したサブグループB1,B2,B3に分けて、それらサブグループB1,B2,B3の周辺に位置するセル24による第1周辺グループB1.1,B2.1,B3.1および第2周辺グループB1.2,B2.2,B3.2を含んで、サブグループB1,B2,B3毎に、内圧調節工程T8が実行されるのである。そして、それぞれのグループ毎の内圧調節工程では、第1の実施形態の制御方法における内圧微調節工程(S22~S26)と同様の工程が繰り返し実行されることとなり、所定時間の微小な加圧又は減圧を繰り返してセル24の内圧を目標内圧に次第に近づけて、サブグループB1,B2,B3と第1周辺グループB1.1,B2.1,B3.1および第2周辺グループB1.2,B2.2,B3.2の全てのグループのセル24が目標内圧に設定された段階で、内圧調節工程(T8)を完了するのである。
そして、CPU76は、T9において、全セル24のセル駆動バルブ56を閉鎖して、全セル24の流体室42を相互に独立させる独立工程を実施する。これにより、各セル24の内圧を固定して、制御処理を完了する。また、本実施形態においては、前記実施形態と同様に各セル24の流体室42をグループ毎に相互に連通/独立させる連通/独立手段が、セル駆動バルブ56、サブ管路52、およびメイン管路60を含んで構成されている。
本実施形態に従う構造とされたマットレス10およびその制御方法によれば、以上のとおり各セル24の内圧が目標内圧に調節されて、セル24に加わる体圧に応じてセル24の高さが設定される。その結果、本発明の制御方法の第1の実施形態の場合と同様、天部マット20が使用者の体表面に沿う形状とされて、より広い面積で使用者の体を支持することにより、体圧を分散することが出来る。さらに、本実施形態では、グループBの各セル24の内圧調節工程T8を、セル24の位置情報により細分化した頭部付近のサブグループB1,臀部付近のサブグループB2,脚部付近のサブグループB3毎に、順次行うことが可能となり、内圧調節工程において使用者に違和感を与えるおそれを一層有利に低減できる。加えて、サブグループB1、B2、B3の周辺の第1周辺グループB1.1,B2.1,B3.1と第2周辺グループB1.2,B2.2,B3.2を含めて、B1→B1.1→B1.2のように中心から周辺にかけてセル24の内圧が調節されることから、使用者に違和感を与えることのない一層スムーズな内圧調節工程を実行することができるのである。
以上、本発明の複数の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば本発明の制御方法における第1の実施形態では、複数のセル24のグループ分けとして、前記実施形態のように、各セル24に個別に着目して、各セル24に加わる体圧の大きさから各グループに分類するのではなく、マットレス10に設けられた全てのセル24に加わる体圧を測定して、相対的に体圧の大きなセル24上には臀部や頭部、相対的に体圧の小さなセル24上には腕部や脚部が存するものと推測して、体圧の分布から頭部や脚部等の人体の各部位にグループ分けして内圧調節する等しても良い。
また、グループ毎の内圧調節は、必ずしもセル24に加わる体圧の大きなグループから順に行われる必要はなく、セル24に加わる体圧の小さなグループから順に行っても良いし、或いはセル24に加わる体圧の大きさに関係無く、ランダムな順序で行っても良い。更に、前記実施形態における排出工程(S6)と、その前後の第二体圧測定工程(S5)および第三体圧測定工程(S7)は必ずしも必要ではない。
また、前記実施形態においては、21個全てのセルユニット50が、ポンプ装置58に設けられた給気バルブ62やポンプ66、排気バルブ64を共通して用いるようにされていたが、例えば、各セルユニット50毎に給気バルブやポンプ、排気バルブを設けて、各セルユニット50間で同時に作動させても良い。更に、前記実施形態におけるセル駆動バルブ56に代えて、各セル24毎に給気バルブやポンプ、排気バルブを設けて、同一グループのセル24に設けられた給気バルブやポンプ、排気バルブを同時に作動することで、同一グループのセル24の内圧を同時に加減する等しても良い。このような場合には、同一グループのセル24の流体室42は、給気に際してはサブ管路52を通じて相互に連通される一方、排気に際しては大気を通じて相互に連通されることとなる。
さらに、前記実施形態においてマットレス10に用いられていたセル24の具体的形状はあくまでも例示であって、従来公知の各種の形状が適宜に採用可能である。従って、セル24としては、前記実施形態の如き2段形状ではなく、単一の袋状体のもの等も採用可能である。
さらに、本発明の制御方法における第2の実施形態では、サブグループB1,B2,B3の内圧調節工程を、それらのサブグループに属するセル24の流体室42を相互に連通して行っていたが、グループAにおける内圧調節工程のように、各セル24を他のセル24から独立した状態で単独での内圧調節工程を行うようにしてもよい。これにより、比較的加えられる体圧の大きなグループBに属するセル24が、それらの流体室42を連通することにより、何れかのセル24が底付きしてしまうおそれを低減できる。
10:マットレス、24:セル、42:流体室、48:子制御機(圧力調節手段)、50:セルユニット、52:サブ管路(圧力調節手段、連通/独立手段)、56:セル駆動バルブ(圧力調節手段、連通/独立手段)、58:ポンプ装置(圧力調節手段)、60:メイン管路(圧力調節手段、連通/独立手段)、66:ポンプ、68:圧力計、70:親制御機(圧力調節手段)、74:制御装置(圧力調節手段)、88:体圧センサ(体圧測定手段)
Claims (7)
- 人体を支持する基体の体圧作用面に複数のセルが配設されていると共に、該セルの内部に形成された流体室の圧力を調節する圧力調節手段と、該セルに加わる体圧を測定する体圧測定手段が設けられているマットレスの制御方法であって、
前記体圧測定手段により各前記セルに加わる体圧を測定する第一体圧測定工程と、
前記第一体圧測定工程で得られた各前記セルに加わる体圧に基づき、前記複数のセルをグループ分けするグループ化工程と、
前記グループ化工程で分けられた前記グループ毎に、前記流体室の目標内圧を設定する目標内圧設定工程と、
前記グループ化工程で分けられた前記グループ毎に、各前記セルの流体室を相互に連通して前記圧力調節手段により前記流体室の内圧が前記目標内圧となるように調節する内圧調節工程と、
前記内圧調節工程の終了後に、前記グループを構成する前記セルの前記流体室を相互に独立させる独立工程と、
を含むことを特徴とするマットレスの制御方法。 - 前記グループ化工程が各前記セルに加わる体圧の大きさにより該セルをグループ化すると共に、前記内圧調節工程を前記体圧の大きな前記グループから、順次行う請求項1に記載のマットレスの制御方法。
- 前記内圧調節工程において、各前記グループの前記目標内圧までの調節を複数段階に分けると共に、該段階毎に前記体圧測定手段による測定値が大きな前記グループから順次内圧の調節を行う請求項2に記載のマットレスの制御方法。
- 前記グループ化工程が、各前記セルに加わる体圧に基づきクループ分けされた複数の前記グループのうちの少なくとも1つの前記グループを、さらに各該セルの位置情報に基づきサブグループに分けるサブグループ化工程を含んでいる請求項1~3の何れか1項に記載のマットレスの制御方法。
- 前記サブグループ化工程において分けられた前記サブグループの周辺に位置する前記セルを周辺グループとしてグループ化する周辺グループ化工程を更に含んでおり、前記内圧調節工程において該周辺グループを構成する各該セルの流体室が相互に連通されるようになっている請求項4に記載のマットレスの制御方法。
- 前記内圧調節工程と前記独立工程の間において、前記体圧測定手段により各前記セルに加わる体圧を測定する第二体圧測定工程と、
前記グループ毎に、前記圧力調節手段により前記流体室の流体を排出する排出工程と、
前記排出工程中に前記体圧測定手段により各前記セルに加わる体圧を測定する第三体圧測定工程と、
をさらに含み、
前記第二体圧測定工程の測定結果を比較測定結果として、該比較測定結果と前記第三体圧測定工程の測定結果との間に差異が無いか前記第三体圧測定工程の測定結果の方が大きくなる場合には前記独立工程を実行する一方、前記第二体圧測定工程の測定結果と前記第三体圧測定工程の測定結果との間で前記第三体圧測定工程の測定結果の方が小さくなる場合には前記第三体圧測定工程の測定結果を前記比較測定結果として用いて前記排出工程からの処理を再度実行する
請求項1~5の何れか1項に記載のマットレスの制御方法。 - 人体を支持する基体の体圧作用面に複数のセルが配設されていると共に、該セルの内部に形成された流体室の圧力を調節する圧力調節手段と、該セルに加わる体圧を測定する体圧測定手段が設けられているマットレスにおいて、
前記体圧測定手段により測定された各前記セルに加わる体圧に基づき、該複数のセルをグループ分けするグループ化手段と、
前記グループ化手段により分けられた前記グループ毎に、前記流体室の目標内圧を設定する目標内圧設定手段と、
前記グループ化手段により分けられた前記グループ毎に、各前記セルの前記流体室を相互に連通/独立させる連通/独立手段と、
を有しており、
前記グループ毎に、各前記セルの流体室を前記連通/独立手段により相互に連通させた状態で、前記圧力調節手段により前記流体室の内圧が前記目標内圧へ調節されるようになっている一方、
前記圧力調節手段により内圧が調節された前記グループを構成する前記セルの前記流体室が、前記連通/独立手段により相互に独立されるようになっている、
ことを特徴とするマットレス。
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