JP2018046901A - 能動型流体セル式マットレスとその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】体圧作用面を構成する支持セルの急激な変形が防止されて、体圧作用面の安定化による寝心地などの改善が図られる、新規な構造の能動型流体セル式マットレスとその制御方法を提供すること。【解決手段】複数の支持セル30の流体室40を第一の連通路46で相互に連通させて構成したセルユニット26が複数設けられていると共に、各セルユニット26には内部に補助流体室60を備えて容積可変とされた補助セル28が接続されて、支持セル30の流体室40と補助セル28の補助流体室60が第二の連通路66で相互に連通されており、第一の連通路46と第二の連通路66の少なくとも一方の通路断面積が通路内圧に応じて可変とされている一方、流体室40と補助流体室60の間で第二の連通路66を通じた流体の移動を生ぜしめる調圧装置70が、体圧作用面13への作用圧力を検出する圧力センサ16の検出結果に基づいて制御されるようにした。【選択図】図1
Description
本発明は、使用者の体圧が及ぼされる体圧作用面の少なくとも一部が、中空構造の支持セルによって構成された流体セル式マットレスとその制御方法に係り、特に支持セルの内圧を能動的に制御することが可能とされた能動型流体セル式マットレスとその制御方法に関するものである。
従来から、体圧分散化による寝心地の改善などを実現可能とするマットレスとして、流体セル式マットレスが提案されている。流体セル式マットレスは、たとえば特開2010−125280号公報(特許文献1)に記載されたエアマットのように、内部に空間を有する中空のエアセルを複数並べて配設することにより、使用者の体圧が及ぼされる体圧作用面の少なくとも一部がそれらエアセルによって構成されている。さらに、特許文献1では、エアセル内の空気量を空気給排手段によって能動的に調節することで、体圧作用面の硬さを調節設定することが可能とされた能動型の流体セル式マットレスが示されている。
ところで、特許文献1にも示されているように、複数のエアセルは、内部の空間が連結管部や接続用空気管によって相互に連通されており、体圧作用面に作用する圧力の分布に応じてエアセル間で空気が移動することにより、複数のエアセルが連動して変形して、体圧の分散化が図られるようになっている。
しかし、複数のエアセルの内部空間が一定断面で常時開放された連結管部などを通じて連通されていると、体圧作用面に大きな荷重が局所的に及ぼされる場合などに、連結管部などを通じた空気の移動によってエアセルが急激に変形して、使用者に船酔いのような不快感を与えたり、突き上げによって使用者がマットレスから落ちてしまうなどのおそれがあった。
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、体圧作用面を構成する支持セルの急激な変形が防止されて、体圧作用面の安定化による寝心地などの改善が図られる、新規な構造の能動型流体セル式マットレスを提供することにある。
また、本発明は、上述のごとき新規な構造の能動型流体セル式マットレスを用いて使用者の速やかな入眠と睡眠の質の向上を実現することができる、能動型流体セル式マットレスの制御方法を提供することも目的とする。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
すなわち、本発明の第一の態様は、使用者を乗せる体圧作用面の少なくとも一部が、内部に流体室を備えて拡縮変形可能な複数の支持セルで構成された流体セル式マットレスであって、複数の前記支持セルの前記流体室が第一の連通路によって相互に連通されて構成されたセルユニットが複数設けられていると共に、各該セルユニットには内部に補助流体室を備えて容積可変とされた補助セルが接続されて、該セルユニットを構成する複数の該支持セルの該流体室と該補助セルの該補助流体室が第二の連通路によって相互に連通されており、該第一の連通路と該第二の連通路の少なくとも一方の通路断面積が通路内圧に応じて可変とされている一方、該支持セルの該流体室と該補助セルの該補助流体室との間で該第二の連通路を通じた流体の移動を生ぜしめる調圧装置が設けられていると共に、該体圧作用面に作用する使用者の体圧を検出する圧力センサが設けられており、該調圧装置が該圧力センサの検出結果に基づいて制御されることを、特徴とする。
このような第一の態様に従う構造とされた能動型流体セル式マットレスによれば、使用者を乗せる体圧作用面の少なくとも一部が支持セルで構成されていると共に、支持セルの内圧を調圧装置によって調節可能とされていることにより、体圧作用面に作用する圧力の分散化などを実現することができて、良好な寝心地などを提供することができる。しかも、支持セルの内圧を調節設定する調圧装置が、圧力センサによる体圧作用面への作用圧力の検出結果に基づいて制御されることから、使用者の体格や寝姿勢などによる圧力分布の違いに追従した体圧作用面の変形により、体圧の分散化などがより有利に図られる。
また、複数の支持セルの流体室を相互に連通する第一の連通路と、支持セルの流体室と補助セルの補助流体室を相互に連通する第二の連通路の少なくとも一方が、通路断面積を可変とされていると共に、通路断面積が連通路内の圧力が高まるに従って拡大するようになっている。これにより、第一の連通路で連通された複数の支持セル間での内圧差や、第二の連通路で連通された支持セルと補助セルの間での内圧差が生じた場合に、連通路を通じた流体の移動が、通路断面積の拡大に伴って流量が増すように緩やかに生ぜしめられる。それゆえ、支持セルへの荷重の入力や調圧装置による補助セルの内圧の変更設定などに際して、流体の急激な移動による体圧作用面の不安定化や底付きなどの不具合が回避されて、良好な寝心地などを安定して提供することができる。
本発明の第二の態様は、第一の態様に記載された能動型流体セル式マットレスにおいて、前記調圧装置が前記補助セルの圧縮と解放によって前記支持セルの前記流体室と該補助セルの前記補助流体室との間で前記第二の連通路を通じた流体の移動を生ぜしめるアクチュエータを含んで構成されていると共に、該アクチュエータによる該補助セルの圧縮と解放が前記圧力センサの圧力検出結果に基づいて制御されるものである。
第二の態様によれば、調圧装置としてのアクチュエータは、補助セルを押圧するなどして圧縮することで、補助セルの補助流体室から支持セルの流体室への流体の移動を生ぜしめて、支持セルの内圧を上昇させると共に、補助セルを圧縮状態から解放することで、支持セルの流体室から補助セルの補助流体室への流体の移動を生ぜしめて、支持セルの内圧を低下させる。これにより、第一,第二の連通路で接続された支持セルと補助セルの流体室を大気中に対して閉じた空間としながら、支持セルの内圧をアクチュエータで調節設定することが可能となる。その結果、支持セルの流体室内の流体量の下限値を容易に設定して、支持セルの上下方向の拡縮変形量を制限することができることから、支持セルが過剰に圧縮されて底付きが生じるのを防ぎやすくなる。
本発明の第三の態様は、第一又は第二の態様に記載された能動型流体セル式マットレスにおいて、前記調圧装置が前記補助セルの前記補助流体室に対する流体の供給と排出によって前記支持セルの前記流体室と該補助セルの該補助流体室との間で前記第二の連通路を通じた流体の移動を生ぜしめるポンプを含んで構成されていると共に、該ポンプによる流体の供給と排出が前記圧力センサの圧力検出結果に基づいて制御されるものである。
第三の態様によれば、調圧装置としてのポンプから補助セルの補助流体室に流体を送り入れることにより、補助セルの補助流体室から支持セルの流体室への流体の移動を生ぜしめて、支持セルの内圧を上昇させることができると共に、補助セルの補助流体室内の流体をポンプによって排出することにより、支持セルの流体室から補助セルの補助流体室への流体の移動を生ぜしめて、支持セルの内圧を低下させることができる。これにより、支持セルの流体室と補助セルの補助流体室の間における流体の移動を、より効率的に生ぜしめることができて、支持セルの内圧や上下高さ寸法などを速やかに変更設定することができる。
しかも、ポンプと補助セルの補助流体室は、管路などを介して間接的に接続することも可能であることから、補助セルに対するポンプの配置を大きな自由度をもって設定することができる。
本発明の第四の態様は、第一〜第三の何れか1つの態様に記載された能動型流体セル式マットレスにおいて、前記支持セルの前記流体室には弾性体が収容されているものである。
第四の態様によれば、支持セルの流体室に配設された弾性体によって、底付きが防止されると共に、弾性体の弾性によって支持セルが圧縮状態から速やかに復元可能となる。
本発明の第五の態様は、第一〜第四の何れか1つの態様に記載された能動型流体セル式マットレスにおいて、前記支持セルが上シートと下シートを前記流体室の周囲で相互に固着して形成されていると共に、前記第一の連通路が隣り合う該支持セルの間に設けられた非固着領域においてそれら上シートと下シートの間を延びて形成されており、該第一の連通路内が大気圧と等しい初期状態においてそれら上シートと下シートが該第一の連通路の形成部分で相互に当接していると共に、該第一の連通路の通路断面積が該第一の連通路の通路内圧に応じて可変とされているものである。
第五の態様によれば、支持セルを容易に形成することができると共に、隣り合う支持セルの間に第一の連通路を容易に形成することができる。また、第一の連通路内が大気圧と等しい初期状態において、第一の連通路の形成部分で上シートと下シートが当接していることにより、初期状態における第一の連通路の通路断面積が小さくされると共に、上シートと下シートの変形によって第一の連通路の通路断面積の拡大を実現することができる。
本発明の第六の態様は、第一〜第五の何れか1つの態様に記載された能動型流体セル式マットレスにおいて、前記圧力センサが誘電体層の両面に互いに異なる方向へ延びる第一電極と第二電極の各一方が重ね合わされた構造を有して、それら電極の各交差対向部分にそれぞれ静電容量を検出する圧力検出部が形成されており、該圧力センサが、それら複数の圧力検出部における静電容量の検出値に基づいて該第一電極と該第二電極の対向方向に作用する圧力を検出する静電容量型圧力センサとされているものである。
第六の態様によれば、圧力センサに対して厚さ方向に作用する圧力を静電容量値に基づいて検出することができて、体圧作用面上の使用者の体圧を有効に検出することができる。また、複数の圧力検出部を少ない電極で効率的に得ることができることから、体圧作用面の圧力分布を広い範囲で検出することも可能となる。
本発明の第七の態様は、第一〜第六の何れか1つの態様に記載された能動型流体セル式マットレスの制御方法であって、前記圧力センサの圧力検出結果に基づいて使用者が睡眠状態であるか否かを判定する入眠判定工程と、前記入眠判定工程において前記使用者が睡眠状態であると判定された場合に、前記調圧装置によって前記補助セルの前記補助流体室から前記支持セルの前記流体室へ流体を移動せしめて、複数の該支持セルの内圧を高くすることで前記体圧作用面の変形許容量を低減する加圧工程とを、有することを、特徴とする。
このような第七の態様に従う能動型流体セル式マットレスの制御方法によれば、圧力センサの圧力検出結果に基づいて使用者の睡眠状態を検知して、使用者の睡眠時に調圧装置によって支持セルの内圧を入眠前よりも高く調節設定することにより、睡眠中の使用者の寝返りなどをし易くして、睡眠の質の向上を図ることができる。
また、使用者の入眠前には、調圧装置による支持セルの内圧の調節を行うことなく、作用する圧力に応じた支持セルの変形を柔軟に許容することも可能であり、体圧の分散化によって入眠を促すことができる。しかも、入眠前に調圧装置の作動を停止すれば、調圧装置の作動音などが使用者を覚醒させることもなく、使用者の速やかな入眠を助けることができる。なお、睡眠中の使用者は、入眠前と異なり調圧装置の作動音などによる覚醒が生じ難く、調圧装置による支持セルの内圧調節を使用者の睡眠中に実行しても、使用者の眠りの妨げにはならない。
本発明の第八の態様は、第七の態様に記載された能動型流体セル式マットレスの制御方法において、前記圧力センサの圧力検出結果に基づいて前記使用者の呼吸状態を検知し、睡眠状態の該使用者が無呼吸状態であるか否かを判定する無呼吸判定工程と、前記無呼吸判定工程において前記使用者が無呼吸状態であると判定された場合に、前記調圧装置によって前記補助セルの前記補助流体室と前記支持セルの前記流体室の間で流体を行き来させて、複数の該支持セルの内圧を変化させることで前記体圧作用面を変形させて前記使用者に機械的な刺激を与える刺激工程とを、有するものである。
第八の態様によれば、使用者の呼吸が睡眠中に停止していることを圧力センサによる圧力検出結果に基づいて検知して、無呼吸状態の検知時には、調圧装置によって支持セルの内圧の上昇と下降を交互に繰り返すことにより、使用者に刺激を与えて使用者の覚醒を促す。これにより、睡眠中に無呼吸状態が継続するのを防いで、使用者の睡眠の質の向上を図ることができる。なお、使用者に対する刺激の強さは、特に限定されるものではないが、使用者が睡眠を中断して目覚めることなく、且つ、眠りが浅くなることで呼吸を再開する程度とされることが望ましい。
本発明の第九の態様は、第七又は第八の態様に記載された能動型流体セル式マットレスの制御方法において、予め設定された起床予定時間に前記使用者が睡眠状態であるか否かを判定する起床判定工程と、前記起床判定工程において前記使用者が睡眠状態であると判定された場合に、前記調圧装置によって前記補助セルの前記補助流体室と前記支持セルの前記流体室の間で流体を行き来させて、複数の該支持セルの内圧を変化させることで前記体圧作用面を変形させて前記使用者に機械的な刺激を与える起床時通知工程とを、有するものである。
第九の態様によれば、起床予定時間に使用者が睡眠状態である場合に、調圧装置によって支持セルの内圧の上昇と下降を交互に繰り返すことにより、使用者に刺激を与えて使用者の覚醒を促す。使用者は、支持セルによる押圧刺激によって徐々に覚醒することから、良好な目覚めを実現することができる。
本発明によれば、圧力センサの圧力検出結果に基づいて制御される調圧装置によって、支持セルの内圧が能動的に制御可能とされていることにより、圧力の分散化などによる寝心地の改善などが実現される。しかも、支持セルの流体室を相互に連通する第一の連通路と、支持セルの流体室と補助セルの補助流体室を相互に連通する第二の連通路の少なくとも一方が、内圧の変化に応じた通路断面積の変化を許容されている。それゆえ、第一の連通路や第二の連通路において、流体の流動が通路断面積の拡大に伴って流量が増すように緩やかに生ぜしめられて、支持セルへの荷重の入力や調圧装置による補助セルの内圧の変更設定などに際して、流体の急激な移動による体圧作用面の不安定化や底付きなどの不具合が回避される。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1には、本発明の第一の実施形態としての能動型流体セル式マットレス10(以下、マットレス10)が示されている。マットレス10は、本体部12の上面である体圧作用面13がカバー部14によって覆われていると共に、本体部12とカバー部14の重ね合わせ面間に圧力センサ16が配設された構造を有している。以下の説明において、原則として、上下方向とは鉛直上下方向となる図1中の上下方向を言う。また、使用者がマットレス10上に伸身姿勢で横たわる状態において、使用者の体軸が延びる方向を長さ方向と称すると共に、長さ方向および上下方向と直交する方向を幅方向と称する。なお、図1では、構造の理解を容易にするために、本体部12とカバー部14と圧力センサ16が相互に離れた状態で分解斜視図として示されている。
より詳細には、本体部12は、溝形状のベース部18にクッション体20を嵌め入れた構造を有している。ベース部18は、たとえば硬質ウレタンフォームなどで形成されており、ある程度の緩衝性を備えつつ、端座時などに作用する荷重に対して十分な耐荷重性が発揮されるようになっている。
クッション体20は、調圧部22と2つの緩衝支持体24,24とによって構成されている。調圧部22は、図2に示すように、長さ方向中央部分に配置される複数のセルユニット26に対して、長さ方向両端部分に配置される複数の補助セル28が接続された構造を有している。
セルユニット26は、図3,4に示すように、4つの支持セル30,30,30,30が長さ方向で直列的に配された構造を有している。支持セル30は、中空袋状とされており、薄肉の上シート32と下シート34を上下で相互に重ね合わせて固着することにより形成されている。より具体的には、上シート32には下向きに開口する4つの凹部が長さ方向に並んで形成されていると共に、下シート34には上向きに開口する4つの凹部が長さ方向に並んで形成されており、それら上下シート32,34の各凹部の開口が相互に突き合わされて固着されることにより、4つの支持セル30,30,30,30が一体形成されている。本実施形態の上下シート32,34には、各凹部の開口の周囲を取り囲むように略水平に広がる上溶着片36と下溶着片38が一体形成されており、それら上下溶着片36,38が相互に重ね合わされて溶着や接着などの手段で固着されることにより、上シート32と下シート34が相互に固着されて支持セル30,30,30,30が形成される。なお、上下シート32,34は、好適には面方向に伸縮変形可能であると共に、伸縮変形量が小さく制限されたものが望ましく、たとえば合成樹脂などで形成されている。
さらに、図5に示すように、中空構造とされた支持セル30の内部には、流体室40が形成されている。流体室40には、空気などの流体が封入されており、後述する第一の連通路46や第二の連通路66を通じて空気などが流体室40に対して給排されることにより、支持セル30が上下方向に伸縮変形可能とされている。さらに、流体室40には、略四角ブロック形状の弾性体42が収容配置されている。弾性体42は、ゴムや合成樹脂などのエラストマで形成されており、特に連続気泡のエラストマ発泡体が好適に採用される。なお、流体室40は、上下シート32,34の各凹部の開口周縁部が相互に付き合わされて固着されることにより形成されており、上下溶着片36,38が流体室40の周囲を囲むように延びている。また、セルユニット26を構成する4つの支持セル30,30,30,30において長さ方向外端に配されるものには、流体室40に連通されて外部に開放された接続ノズル44が、側面に突出して設けられている。
更にまた、長さ方向で隣り合う支持セル30,30の間には、第一の連通路46が形成されている。第一の連通路46は、長さ方向へ直線的に延びており、長さ方向で隣り合う支持セル30,30の各流体室40を相互に連通している。本実施形態の第一の連通路46は、上シート32の上溶着片36と下シート34の下溶着片38の重ね合わせ面間を延びており、それら上溶着片36と下溶着片38が部分的に固着されない非固着領域48を設けることにより形成されている。そして、長さ方向に並んで配置された4つの支持セル30,30,30,30が、3本の第一の連通路46,46,46で直列的に接続されることにより、セルユニット26が構成されている。
上溶着片36と下溶着片38は、非固着領域48においてそれぞれ平膜状とされて、第一の連通路46の通路内圧が略大気圧とされた初期状態において、第一の連通路46が遮断されるように形成されていても良いが、たとえば、上溶着片36と下溶着片38を非固着領域48において半管状などの上下に弛みを有する形状に成形するなどして、初期状態で第一の連通路46が開口しているようにしても良い。本実施形態では、初期状態において、上溶着片36と下溶着片38が、第一の連通路46の形成部分(非固着領域48)で弛みをもった波打ち形状とされており、第一の連通路46が開口していると共に、上溶着片36と下溶着片38が第一の連通路46の幅方向中央部分で相互に当接している。
さらに、第一の連通路46は、通路断面積が第一の連通路46の通路内圧に応じて可変とされている。すなわち、第一の連通路46の通路断面積は、第一の連通路46の通路内圧が略大気圧とされた初期状態では、第一の連通路46の通路断面積が小さくされている。一方、第一の連通路46の通路内圧が大気圧から上昇するに従って、非固着領域48において上溶着片36と下溶着片38が上下に離隔して、第一の連通路46の通路断面積が徐々に大きくなる。本実施形態では、初期状態において、上溶着片36と下溶着片38が非固着領域48で弛みをもった波打ち形状とされていることから、第一の連通路46の通路内圧が上昇することで、非固着領域48の上溶着片36と下溶着片38が容易に変形して、第一の連通路46の通路断面積が大きくなる。
第一の連通路46の通路断面積の変化を許容する構造は、特に限定されるものではなく、たとえば、第一の連通路46の壁部を構成する上溶着片36と下溶着片38を弾性的に伸縮変形可能な材料で形成することにより実現することも可能であるが、本実施形態では、図6の如き構造によって実現されている。すなわち、初期状態において、上溶着片36と下溶着片38が第一の連通路46の形成部分(非固着領域48)で弛みをもった波打ち形状とされており、第一の連通路46内の圧力が上昇すると、図6に二点鎖線で示すように、非固着領域48の上溶着片36と下溶着片38が初期状態の弛み分だけ上下に離れるように変形する。このような態様によれば、上溶着片36および下溶着片38が可撓性を有していれば、伸縮性が実質的にない或いは不十分な場合であっても、第一の連通路46の通路断面積を内圧の上昇に伴って初期状態から十分に拡大可能とすることができる。
このような構造とされたセルユニット26は、図2に示すように、複数が幅方向に並んで配されて底板50に取り付けられている。本実施形態では、2枚の底板50,50が長さ方向で並んで配置されており、それら2枚の底板50,50上にそれぞれ7つのセルユニット26が幅方向に並んで配設されている。
また、図7〜9に示すように、各セルユニット26には、それぞれ補助セル28が接続されている。補助セル28は、上シート52と下シート54を上溶着片56と下溶着片58において相互に固着した構造を有していると共に、上シート52と下シート54には各1つの凹部だけが形成されていることから、上シート52と下シート54によって1つの補助セル28が独立して形成されている。
さらに、図10に示すように、補助セル28は、支持セル30と同様の中空構造とされており、内部に補助流体室60が形成されている。本実施形態の補助流体室60では、支持セル30のような弾性体42は収容されておらず、空気などの流体だけが封入されているが、支持セル30と同様の弾性体42を収容配置することもできる。なお、補助セル28には、補助流体室60に連通して外部に開放された接続ノズル62が、側面に突出して設けられており、支持セル30の接続ノズル44の開口と補助セル28の接続ノズル62の開口が長さ方向で対向している。
そして、セルユニット26と補助セル28が長さ方向に所定の距離を隔てて配設されており、支持セル30の接続ノズル44と補助セル28の接続ノズル62がチューブ64で相互に接続されることにより、セルユニット26と補助セル28が相互に接続されている。さらに、支持セル30の流体室40と補助セル28の補助流体室60は、接続ノズル44,62がチューブ64で相互につながれることにより連通されており、それら流体室40と補助流体室60を相互に連通する第二の連通路66が、セルユニット26と補助セル28の間に設けられている。なお、補助セル28は、マットレス10の長さ方向両端部に各複数が幅方向に並んで配設されており、複数のセルユニット26に対して各一つが接続されている。
さらに、第二の連通路66を構成するチューブ64は、伸縮性のある材料で形成されて弾性的な拡縮変形を許容されており、第二の連通路66の通路断面積が第二の連通路66の通路内圧に応じて可変とされている。すなわち、第二の連通路66内の圧力に応じてチューブ64の内径が変化することにより、第二の連通路66の通路断面積が変化するようになっている。そして、第二の連通路66内が略大気圧とされた初期状態において、第二の連通路66の通路断面積が小さくされていると共に、第二の連通路66内の圧力が高まることによって、第二の連通路66の通路断面積が徐々に大きくなる。
また、図1に示すように、相互に接続されたセルユニット26と補助セル28の間には、緩衝支持体24が配設されている。緩衝支持体24は、エラストマやその発泡体などで形成されており、全体として板状とされていると共に、本実施形態では上向きに突出する多数の突起を備えた形状とされることによって、上下方向の緩衝性能の向上が図られている。この緩衝支持体24は、頭側に配された7つのセルユニット26とそれらに接続された7つの補助セル28の間と、足側に配された7つのセルユニット26とそれらに接続された7つの補助セル28の間に、それぞれ配設されている。
かくの如き構造とされた本体部12には、カバー部14が重ね合わされている。カバー部14は、板状の弾性体で形成された表層カバー68を備えていると共に、表層カバー68の長さ方向両側にはそれぞれ調圧装置としてのアクチュエータ70が配設されている。本実施形態のアクチュエータ70は、補助セル28の上方に配置されて、補助セル28を上方から押圧して上下に圧縮することが可能とされており、補助セル28の圧縮と解放によって補助流体室60の容積を変化させることで、支持セル30の流体室40と補助セル28の補助流体室60との間で流体の移動を能動的に生ぜしめるようになっている。アクチュエータ70の具体的な構造は特に限定されるものではないが、アクチュエータ70としては、たとえば、電気モータの回転出力を直動に変換して出力する電動リニアアクチュエータや、シリンダ内に空気などの流体を給排することでピストンを直線的に駆動させる空気圧式や水圧式、油圧式等のリニアアクチュエータなどが好適に採用される。
また、本体部12とカバー部14の間には、体圧作用面13に作用する圧力を検出する圧力センサ16が配設されている。圧力センサ16は、ゴムなどの電気絶縁性エラストマで形成された誘電体層72の上下両面に、第一電極74と第二電極76の各一方が設けられた構造を有している。誘電体層72は、略矩形膜状とされており、本体部12の長さ方向中間部分に配された複数の支持セル30の上面全体を覆う大きさとされている。
第一電極74は、銅や銀などの導電性材料をゴムなどのエラストマに混合した材料で形成されており、導電性と伸縮性を兼ね備えている。さらに、第一電極74は、幅方向に長手の矩形膜状であって、長さ方向に並ぶ支持セル30の数と同数が、長さ方向に所定の距離を隔てて相互に略平行に配設されている。一方、第二電極76は、第一電極74と同様の材料で形成されて、長さ方向に長手の矩形膜状とされており、幅方向に並ぶ支持セル30の数と同数が、幅方向に所定の距離を隔てて相互に略平行に配設されている。本実施形態では、圧力センサ16を構成する誘電体層72と第一電極74と第二電極76が、何れも可撓性を有する柔軟な部材とされており、圧力センサ16が撓み変形可能な柔軟な構造とされている。なお、第一電極74と第二電極76は、相互に異なる方向へ延びて交差対向するように配置されていれば良く、必ずしも相互に直交する方向へ延びていなくても良い。
このように設けられた第一電極74と第二電極76は、互いに異なる方向に延びていることから、誘電体層72を挟んで複数箇所で相互に交差対向している。そして、第一電極74と第二電極76の交差対向部分において、それぞれコンデンサが構成されており、第一電極74と第二電極76の交差対向部分に対して対向方向(上下方向)に作用する圧力が各コンデンサの静電容量の変化として検出可能とされている。これにより、圧力センサ16は、誘電体層72上の複数箇所において上下方向に作用する圧力を静電容量に基づいて検出可能な静電容量型圧力センサとされており、コンデンサを構成する第一電極74と第二電極76の各交差対向部分がそれぞれ圧力検出部78とされている。なお、圧力センサ16による圧力の検出は、たとえば、制御装置80の図示しないセンサコントローラの制御下で、制御装置80の同じく図示しない電源から各第一電極74と各第二電極76に所定の検出用電圧を走査的に印加することにより、実行される。また、圧力センサ16の第一電極74および第二電極76と制御装置80は、配線82によって電気的に接続されている。
そして、圧力センサ16は、本体部12の上面に重ね合わされて、第一電極74と第二電極76の各交差対向部分が各支持セル30の上面に位置決めされるように配置される。これにより、各支持セル30の上面に作用する圧力を圧力センサ16によって検出することが可能とされている。本実施形態では、支持セル30の配設領域にのみ圧力センサ16が配設された構造を例示するが、クッション体20の上面全体を覆うように圧力センサを設けても良いし、本体部12の上面全体を覆うように圧力センサを設けて、端座時の圧力まで検出可能となるようにしても良い。
さらに、圧力センサ16を配した本体部12に対して、カバー部14が上方から重ね合わされる。本体部12とカバー部14は、着脱可能に連結されることが望ましく、それによって本体部12とカバー部14の相対位置が保持されると共に、圧力センサ16が本体部12に対して所定の位置に位置決め保持される。なお、本体部12とカバー部14の連結方法は、特に限定されるものではないが、たとえば、本体部12とカバー部14をバンドで連結したり、袋状のカバーに本体部12とカバー部14を収容して連結したりすることができる。
このような構造とされたマットレス10は、圧力センサ16による圧力の検出結果に基づいてアクチュエータ70が制御されることにより、支持セル30の内圧が調節設定されて、支持セル30の上面を含んで構成される体圧作用面13において圧力の分散化などが図られる。なお、圧力センサ16の圧力検出結果は、制御装置80からアクチュエータ70に対して有線または無線で送信されるようになっている。
すなわち、図11に模式的に示すように、支持セル30に接続された補助セル28の上方にアクチュエータ70が配されており、図11(a)に示す初期状態では補助セル28の拡張が許容されていることから、支持セル30が上下に圧縮されると、流体室40から補助流体室60への流体の移動が生ぜしめられる。これにより、支持セル30に柔軟な変形特性が設定されて、支持セル30の上面で構成された体圧作用面13が、図示しない使用者の体表面に沿う形状に容易に変形することから、体圧の分散化が図られる。
一方、図11(b)に示すようにアクチュエータ70が補助セル28の上面に押し当てられて、補助セル28がアクチュエータ70によって上下に圧縮されると、補助セル28の補助流体室60から押し出された空気が、セルユニット26を構成する各支持セル30の流体室40に流入する。これにより、各支持セル30が展張状態となって、各支持セル30の内圧が上昇することから、支持セル30に硬い変形特性が設定されて、支持セル30の上面で構成された体圧作用面13の変形量が小さくなることで、図示しない使用者がマットレス10上で寝返りなどの体動を容易に行うことができる。
このように、使用者を乗せる体圧作用面13の少なくとも一部が支持セル30で構成されていると共に、支持セル30の内圧をアクチュエータ70によって調節可能とされていることにより、体圧作用面13に対して、作用する圧力を分散化させ得る柔らかい変形特性や、容易に寝返りが可能となる硬い変形特性などを適宜に設定することができて、良好な寝心地などを提供することができる。
しかも、支持セル30の内圧を調節設定するアクチュエータ70が、圧力センサ16の圧力検出結果に基づいて制御されることから、使用者の体格や寝姿勢などによる圧力分布の違いに追従して体圧作用面13を変形させることなどが可能になって、体圧の分散化などがより有利に図られる。さらに、静電容量型の圧力検出部78を備える圧力センサ16を採用することにより、体圧作用面13に作用する使用者の体圧を有効に検出することができる。加えて、圧力センサ16では、圧力検出部78が第一電極74と第二電極76の各交差対向部分に形成されることから、長手状の第一電極74と第二電極76によって圧力検出部78を効率的に形成することができて、簡単かつ安価な構造によって体圧作用面13の圧力分布を広い範囲で精度よく検出することも可能となる。
また、支持セル30の流体室40を相互に連通する第一の連通路46は、支持セル30に荷重が入力されるなどして、流体室40内の圧力が大気圧よりも高くなると、第一の連通路46内の圧力が高まることで断面積が拡大されるようになっている。
このように、第一の連通路46の通路断面積が通路内圧に追従して変化することにより、大荷重が特定の支持セル30に入力されても、同じセルユニット26を構成する他の支持セル30との間で第一の連通路46を通じた流体の移動が急激には生じずに、第一の連通路46の通路断面積が徐々に大きくなることで流量が緩やかに増加する。それゆえ、第一の連通路46を通じた空気の移動による他の支持セル30の内圧変化が、荷重の入力された支持セル30に近い側から順に緩やかに生ぜしめられる。したがって、支持セル30の上面で構成された体圧作用面13が荷重の入力部分から使用者を包み込むように徐々に変形すると共に、体圧作用面13の急激な変形が防止されて、安定した体圧作用面13によって使用者に良好な寝心地などを提供することができる。
特に本実施形態では、第一の連通路46が上シート32の上溶着片36と下シート34の下溶着片38との重ね合わせ面間に形成されており、上下の溶着片36,38が第一の連通路46の形成部分で弛みを有した波打ち形状とされていると共に、第一の連通路46内が略大気圧とされた初期状態において、第一の連通路46の上下壁部が相互に当接している。これにより、第一の連通路46の初期状態での通路断面積が小さくされて、空気の急激な移動が制限されていると共に、第一の連通路46内の圧力が上昇することで第一の連通路46の通路断面積が十分に大きく変化可能とされて、体圧作用面13の入力に対する追従性も両立して実現される。
また、本実施形態では、第二の連通路66の通路断面積が、第二の連通路66内の圧力に応じて可変とされており、第二の連通路66内が略大気圧とされた初期状態において、第二の連通路66の通路断面積が小さくされている。それゆえ、支持セル30の流体室40と補助セル28の補助流体室60の間での流体の移動が緩やかに生ぜしめられるようになっており、支持セル30への荷重の入力時だけでなく、アクチュエータ70による補助セル28の圧縮時にも、支持セル30の急激な変形が防止される。
さらに、第一の連通路46の通路断面積も通路内圧に応じて変化することから、アクチュエータ70によって補助セル28が圧縮されて、補助セル28の補助流体室60からセルユニット26を構成する支持セル30の流体室40へ空気が移動する際には、補助セル28に近い側の支持セル30から順に内圧が高められる。それゆえ、体圧作用面13においてセルユニット26で構成された領域が、補助セル28側から順に滑らかに変形して、使用者の安定した支持などによる寝心地の改善が図られる。
しかも、本実施形態の体圧作用面13では、人体において凸形状となる臀部付近の支持領域が支持セル30で構成されており、頭部側のセルユニット26と脚部側のセルユニット26の補助セル28への接続端と反対側の端部付近に臀部の最大突出部が位置するようになっている。これにより、補助セル28の圧縮によって補助セル28の補助流体室60から支持セル30の流体室40へ空気が移動する際に、臀部の最大突出部から外れて比較的に小さな荷重が作用する支持セル30から順に空気が流入する。それゆえ、体圧作用面13が荷重の小さな領域から徐々に変形して、使用者を安定して支持しながら変形特性(硬さ)が調節されることから、たとえば使用者の睡眠を妨げることなく、体圧作用面13の硬さを変更設定することができる。
また、調圧装置が補助セル28を上下に圧縮可能とされた直動型のアクチュエータ70とされていることから、第一の連通路46および第二の連通路66で相互に連通された4つの支持セル30,30,30,30の流体室40,40,40,40と補助セル28の補助流体室60を、外部空間(大気中)に対して流体密に画成された構造としつつ、アクチュエータ70による支持セル30の内圧の調節を可能とすることができる。それゆえ、各支持セル30の流体室40内の空気量の下限値を容易に設定することができて、支持セル30が過剰に圧縮されて底付きが生じるのを防止し易くなっている。
さらに、支持セル30の流体室40に弾性体42が収容配置されていることにより、支持セル30の最大圧縮変形量が弾性体42によっても規定されて、支持セル30の過剰な圧縮変形による底付きが防止される。加えて、支持セル30に作用していた圧縮荷重が解除される際には、弾性体42の弾性によって、支持セル30が圧縮状態から速やかに復元される。
なお、このような本実施形態に従う構造のマットレス10は、たとえば、使用者の就寝時において図12のフローチャートの如く制御される。以下に、マットレス10の制御方法の一例について説明する。
先ず、ステップ(以下、S)1において、マットレス10の電源スイッチ84(図1参照)をOFFからONに切り替える。この電源スイッチ84は、アクチュエータ70や圧力センサ16による圧力の検出装置(センサコントローラや電源装置などを備える制御装置80)に対する電源供給の有無を切り替えるものであって、たとえば、電源スイッチ84をONに切り替えることで、圧力センサ16による圧力の検出を自動的に開始する。
次に、S2の体圧分散工程において、補助セル28のアクチュエータ70による圧縮を解除する(図11(a)参照)。そして、支持セル30から補助セル28への空気の移動を許容して、各支持セル30に作用する圧力を全体的に低減すると共に、セルユニット26を構成する支持セル30間での空気の移動により、特定の支持セル30において作用圧力が局所的に大きくなるのを防いで、体圧の分散化を図る。これにより、使用者が柔軟なマットレス10によって入眠を促されて、使用者を睡眠状態へ速やかに移行させることができる。しかも、使用者の入眠を検知する前のS1,S2において、アクチュエータ70が補助セル28を圧縮しない初期状態に保持されて、アクチュエータ70の作動音などの継続的乃至は断続的な発生が防止されていることから、アクチュエータ70の作動音などが使用者の入眠の妨げとならず、使用者の速やかな入眠を助けることができる。なお、補助セル28のアクチュエータ70による圧縮が予め解除されている場合には、S2においてアクチュエータ70を作動させる必要はない。
次に、S3の入眠判定工程において、使用者が眠っているか否かを判定する。すなわち、使用者の呼吸によって支持セル30の上面に及ぼされる圧力を圧力センサ16によって検出し、検出された圧力の変動パターンを予め記憶された睡眠時の呼吸による圧力変動パターンと比較することにより、使用者が睡眠状態にあるか否かを判定する。なお、睡眠状態の判定は、必ずしも呼吸による圧力変動パターンに基づいたものに限定されず、たとえば、圧力センサ16によって使用者の体動を検知して、予め記憶された睡眠時の体動による圧力変動パターンと比較することにより、判定することなどもできる。
S3において、覚醒状態である(S3=NO)と判定されると、S2以下の処理を再度繰り返す。すなわち、S2において体圧の分散化を図ると共に、S3において使用者が睡眠状態であるか否かの判定を再度行う。なお、この場合には、所定の待機時間が経過した後で、S2以下の処理を繰り返すことが望ましい。
一方、S3において睡眠状態であると判定された場合(S3=YES)には、S4の加圧工程において、アクチュエータ70に制御信号を送信して、アクチュエータ70によって補助セル28を圧縮する。これにより、補助セル28の補助流体室60から支持セル30の流体室40へ空気を移動させて、支持セル30の内圧を高く設定することにより、支持セル30の変形特性を硬く調節する。その結果、体圧作用面13の変形許容量が支持セル30で構成された部分において小さくなることから、寝返りなどの睡眠中の体動が容易になって、使用者に快適な眠りを提供することができる。
次に、S5の無呼吸判定工程において、使用者が無呼吸状態であるか否かを判定する。無呼吸状態の判定は、たとえば、S3の睡眠状態の判定と同様に、圧力センサ16によって検出される呼吸や体動による圧力の変動パターンを参照することによって、実施することができる。
S5において無呼吸状態であると判定される(S5=YES)と、S6の刺激工程において、圧力センサ16の圧力検出結果に基づいて制御装置80で生成される制御信号をアクチュエータ70へ送信して、アクチュエータ70によって補助セル28の圧縮と開放を繰り返し実行する。これにより、補助セル28と支持セル30の間で空気が行き来して、支持セル30で構成される体圧作用面13の変形によって使用者が刺激される。かかる刺激によって使用者の覚醒が促されて、使用者の呼吸を再開させることができることから、睡眠時無呼吸症候群の使用者などにおいて、無呼吸状態の持続が防止されて、睡眠の質の向上が図られる。
さらに、S6で使用者に刺激を与えた後、S7の無呼吸再判定工程において、使用者が無呼吸状態であるか否かを再度判定する。S7で無呼吸状態が持続していると判定された場合(S7=YES)には、S6の刺激工程を再度実行して、使用者に再度刺激を与える。この際、使用者に与える刺激は一定であっても良いが、たとえば、S6の刺激工程を繰り返す回数が増すに従って刺激が徐々に強くなるようにしても良い。
S7で無呼吸状態が解消されたと判定された場合(S7=NO)には、S4以下の処理を再度実行する。なお、S7の後でS4を実行する際には、S6の刺激工程において変化した支持セル30の内圧を再度調節して、支持セル30の硬さを最初のS4実行後と略同じに設定するようにしても良く、最初のS4実行後よりも更に硬い変形特性を設定する必要はない。
一方、S5において無呼吸状態ではないと判定される(S5=NO)と、S8の睡眠判定工程において、使用者が睡眠状態にあるか否かを判定する。S8において使用者が睡眠状態にないと判定された場合(S8=NO)には、S2以下の処理を再度実行する。なお、S8の睡眠状態の判定は、S3の入眠判定工程と同様に、使用者の呼吸パターンを圧力センサ16によって検出することで実行することができる。
S8において使用者が睡眠状態にあると判定された場合(S8=YES)には、S9の起床時間判定工程において、現時刻が予め設定された起床予定時間であるか否かを判定する。起床予定時間は、使用者などが就寝前に予め設定するものであって、起床予定時間設定用のコンソール86(図1参照)が設けられていても良い。S8の睡眠判定工程とS9の起床時間判定工程を完了することにより、本実施形態の起床判定工程が完了する。
S9において起床予定時間ではないと判定された場合(S9=NO)には、S5以下の処理を再度実行することにより、使用者の良好な睡眠状態を維持する。
S9において現時刻が起床予定時間であると判定された場合(S9=YES)には、S10の起床時通知工程において、アクチュエータ70によって補助セル28の圧縮と開放を繰り返し実行することにより、S6の刺激工程と同様に使用者に刺激を与えることで、使用者の起床を促す。このように、支持セル30の能動的な変形によって使用者に刺激を与えて揺り起こすことにより、使用者を徐々に覚醒させて、快適な目覚めを実現することができる。なお、S10において使用者に与えられる刺激は、一定の強さであっても良いが、たとえば徐々に強くなるようにされて、使用者の覚醒を徐々に強く促すようにすることもできる。
また、S11の起床判定において、使用者が睡眠状態にあるか否かを判定することにより、S10において使用者が目覚めたか否かを確認する。S11において使用者が睡眠状態であると判定された場合(S11=YES)には、S10の起床時通知工程を再度実行した後、S11の起床判定工程を再度実行する。
S11において使用者が覚醒状態であると判定された場合(S11=NO)には、S12において電源スイッチ84をONからOFFに切り替えて、マットレス10の制御工程を完了する。なお、S12における電源スイッチ84の切り替えは、S11において覚醒状態であると判定されることで自動的に実行されるようにしても良いし、目覚めた使用者などが手動で切り替えるようにしても良い。
このようなマットレス10の制御方法によれば、使用者の速やかな寝入りと、睡眠の質の向上が図られると共に、予め設定された起床予定時間には、使用者に快適な目覚めを促すことも可能となる。
図13には、本発明の第二の実施形態としてのマットレス90が示されている。本実施形態のマットレス90は、体圧作用面13の略全体が支持セル92および補助セル94によって構成されている。以下の説明において、第一の実施形態と実質的に同一の部材および部位については、図中に同一の符号を付すことにより、説明を省略する。
支持セル92は、第一の実施形態の支持セル30と略同じ構造を有していると共に、幅方向で隣り合う支持セル92,92の流体室40,40が第一の連通路46を通じて相互に連通されている。本実施形態では、幅方向9列と長さ方向7列に並んだ63個の支持セル92が、一組の上シート32と下シート34によって一体的に形成されてセル群を構成しており、それら一体形成された63個の支持セル92で構成されたセル群が長さ方向に3組並んで配設されている。また、幅方向に並んで第一の連通路46で相互に接続された9個の支持セル92によって、本実施形態のセルユニット95が構成されている。なお、上記3組のセル群は、相互に位置決め固定されていても良いし、相互に分離独立した状態で並べられていても良い。
補助セル94は、幅方向に9つ並んで配された支持セル92に対して、幅方向の外側に配されており、本実施形態では幅方向両側にそれぞれ配されている。この補助セル94は、図14に示すように、下向きに開口する逆向き凹形状の上外膜96と上向きに開口する凹形状の下外膜98が上下に重ね合わされて、それら上下外膜96,98の間に補助流体室99が形成された中空構造を有している。さらに、上外膜96と下外膜98の間に中間膜100が配されており、上外膜96と中間膜100の間に作用室102が形成されて、弾性体42と同様の発泡弾性体で形成された作用弾性体104が作用室102に収容配置されていると共に、下外膜98と中間膜100の間に拡縮補助室106が形成されている。換言すれば、上外膜96と下外膜98の間に形成された補助流体室99が中間膜100によって上下に二分されて、中間膜100の上側に作用室102が形成されていると共に、中間膜100の下側に拡縮補助室106が形成されている。なお、上外膜96と下外膜98が外周端部で溶着されていると共に、中間膜100の外周端部が上下外膜96,98の外周端部間に挟まれて溶着されている。
そして、補助セル94の拡縮補助室106は、幅方向端に位置する支持セル92の流体室40に対して、第二の連通路108を通じて連通されている。第二の連通路108は、第一の連通路46と同様に上シート32と下シート34の間に形成されて幅方向に延びており、一端が支持セル92の流体室40の壁部に開口していると共に、他端が補助セル94の拡縮補助室106の壁部に開口している。この第二の連通路108は、第一の連通路46と同様の構造であることからも明らかなように、通路断面積が第二の連通路108の通路内圧に応じて可変とされている。
本実施形態では、幅方向に直列的に並ぶ9個の支持セル92の流体室40と2個の補助セル94の拡縮補助室106が、第一,第二の連通路46,108を通じて相互に連通されている。尤も、たとえば、幅方向一方(左側)の4個の支持セル92を第一の連通路94で相互に連通すると共に、幅方向他方(右側)の5個の支持セル92を第一の連通路94で相互に連通して、それら左側の4個の支持セル92と右側の5個の支持セル92を相互に非連通とし、左側の支持セル92を左側の補助セル94と第二の連通路108を通じて連通すると共に、右側の支持セル92を右側の補助セル94と第二の連通路108を通じて連通することもできる。要するに、幅方向両端の補助セル94,94は、それぞれ別のセルユニット95,95に連通されていても良い。更に、たとえば本実施形態の構造では、補助セル94および後述するポンプ114と調圧管路116とバルブ118が、セルユニット95の幅方向何れか一方にのみ設けられていても良い。
なお、本実施形態では、補助セル94の上外膜96が上シート32に一体的に設けられていると共に、補助セル94の下外膜98が下シート34に一体的に設けられており、63個の支持セル92からなる上記セル群の幅方向両側に、長さ方向に並ぶ各7個の補助セル94が一体形成されている。したがって、本実施形態では、7個のセルユニット95が長さ方向に直列的に並ぶように設けられると共に、それら7個のセルユニット95の幅方向両側にそれぞれ7個の補助セル94が長さ方向で並ぶように設けられた構造が、一組の上シート32と下シート34によって一体的に形成されている。
一方、補助セル94の作用室102は、上外膜96を上下に貫通する通気孔112を通じて大気に開放されている。そして、作用室102は、通気孔112を通じた空気の移動によって、中間膜100の変位を伴う容積変化が容易に許容されるようになっており、これにより、中間膜100の変位を伴う拡縮補助室106の容積変化も許容されるようになっている。
このような補助セル94を備えるマットレス90は、使用者が体圧作用面13に及ぼす体圧によって支持セル92が圧縮されると、支持セル92の圧縮によって流体室40から押し出される空気が、第一の連通路46を通じて他の支持セル92の流体室40に移動すると共に、第二の連通路108を通じて補助セル94の拡縮補助室106に移動する。さらに、補助セル94の拡縮補助室106に空気が流入して拡縮補助室106の内圧が上昇することにより、中間膜100が空気圧によって作用室102側へ押し込まれる。作用室102は、通気孔112を通じて大気に開放されており、容積変化が容易に許容されることから、支持セル92の流体室40から拡縮補助室106への空気の流入が作用室102の容積変化によって許容されて、支持セル92の柔軟な変形特性が実現される。
なお、中間膜100が作用室102側へ押し込まれることによって、作用弾性体104が上外膜96と中間膜100の間で上下に圧縮されることから、支持セル92に作用する体圧が解除されると、中間膜100が作用弾性体104の弾性によって拡縮補助室106側へ押し込まれて、拡縮補助室106の容積が初期状態に戻るようになっている。これにより、拡縮補助室106から押し出された空気が支持セル92の流体室40へ流入して、体圧の作用によって圧縮されていた支持セル92が速やかに元の形状に復元する。また、支持セル92に作用する体圧が低減される場合にも、支持セル92の形状が同様に復元されることから、体圧作用面13が使用者の体表面に追従して変形するようになっている。
また、使用者や介護者などがマットレス90の幅方向端部に座る場合には、使用者や介護者などが補助セル94の上面に座ることで通気孔112が塞がれて、通気孔112を通じた作用室102からの空気の流出が低減乃至は防止される。これにより、作用室102の空気ばねによって補助セル94が上下に圧縮変形し難くなって、補助セル94の形状安定性が向上することから、端座時に座面の安定化が図られる。
また、図13に示すように、補助セル94の拡縮補助室106には、調圧装置としてのポンプ114が接続されている。このポンプ114は、拡縮補助室106の空気圧を強制的な空気の供給と排出によって調節することができるようになっており、2つのポンプ114,114が幅方向各一方の端部に並ぶ21個の補助セル94にそれぞれ調圧管路116で接続されている。そして、ポンプ114による空気の給排によって、拡縮補助室106の内圧が支持セル92の流体室40に対して相対的に変化せしめられることにより、拡縮補助室106と流体室40の間で流体の移動が能動的に生ぜしめられるようになっている。
なお、図中では見やすさのために省略して示したが、調圧管路116は、給気系と排気系の二系統の管路が並列的に設けられて、各系統の管路がそれぞれ各補助セル94に接続されていると共に、各補助セル94への接続管路上にはそれぞれバルブ118が設けられており、それらバルブ118の開閉によって各補助セル94の拡縮補助室106の空気圧が個別に調節可能とされている。また、ポンプ114としては、電気などを動力として作動する公知の電動ポンプの他、人力などで圧迫と解放を繰り返すことによって空気などの流体を圧送する手動ポンプも採用され得る。さらに、ポンプ114は、必ずしも空気の供給と排出の両方を強制的に実施するものに限定されず、たとえば、ポンプ114又は調圧管路116において拡縮補助室106を大気中へ開放可能とされており、大気開放状態で拡縮補助室106から大気中へ空気が排出されるようにしても良い。
また、本実施形態では、体圧作用面13に作用する使用者の体圧を検出する圧力センサ16が、支持セル92の下面に重ね合わされるように配されており、圧力センサ16の圧力検出結果に基づいてポンプ114による空気の圧送と吸引およびバルブ118の開閉が制御されるようになっている。圧力センサ16は、全ての支持セル92に作用する圧力を1つで検出できるように、体圧作用面13の支持セル92による構成部位全体に重ね合わされるものであっても良いが、本実施形態では、製造の容易さや取扱い易さ、交換などのメンテナンス性などを考慮して、63個の圧力検出部78を有する圧力センサ16が上記セル群ごとに配されており、長さ方向に3つの圧力センサ16が並んで設けられている。圧力センサ16は、支持セル92の上方に配されて、体圧作用面13に作用する使用者の体圧を直接的に検出するようになっていても良いし、支持セル92の下方に配されて、支持セル92を介して作用する圧力に基づいて、体圧作用面13に作用する使用者の体圧を間接的に検出するようになっていても良い。
さらに、支持セル92および補助セル94で構成された調圧部22と圧力センサ16を、たとえば、布や合成樹脂シートなどで形成された袋状のカバーに収容することによって、調圧部22や圧力センサ16への汚れの付着などを防止しながら、支持セル92と圧力センサ16の圧力検出部78を相対的に位置決めすることもできる。また、圧力センサ16の下側に底板を配設して、調圧部22と底板を位置決めすることで、圧力センサ16を支持セル92に対して間接的に位置決めするようにしても良い。さらに、たとえば、支持セル92と圧力センサ16を機械的な係合や粘着テープや面ファスナによる着脱可能な固着などによって直接的に位置決めすることもできる。
このような構造を有する本実施形態のマットレス90においても、圧力センサ16の検出結果に基づいて制御されるポンプ114によって、支持セル92の流体室40と補助セル94の拡縮補助室106との間で流体の移動を適宜に生ぜしめることにより、第一の実施形態のマットレス10と同様の効果を奏し得る。しかも、ポンプ114は、補助セル94の拡縮補助室106に対して、調圧管路116を介して間接的に接続されることから、たとえば、ポンプ114を調圧部22から離れた位置に配することも可能であり、これによって、ポンプ114の作動音によって使用者の眠りが妨げられるのを、より有利に防ぐことができる。
なお、本実施形態では、補助セル94の拡縮補助室106の内圧を調節する調圧装置としてポンプ114を例示したが、ポンプ114に代えて或いは加えて第一の実施形態に示すリニアアクチュエータなどの調圧装置を採用して、調圧装置で補助セル94を圧迫又は解放することにより、拡縮補助室106の内圧を調節できるようにしても良い。また、ポンプ114を補助セル94の作用室102に接続して、ポンプ114で作用室102に対する空気の給排を行うことにより、拡縮補助室106の内圧を間接的に調節することも可能である。加えて、補助セル94の拡縮補助室106と作用室102の両方にポンプ114を接続して、拡縮補助室106と支持セル92の流体室40との間で、拡縮補助室106の内圧変化による流体の移動を効率的に生ぜしめることもできる。
また、上外膜96と中間膜100の間に拡縮補助室106が形成されると共に、下外膜98と中間膜100の間に作用室102が形成された構造の補助セル94を採用することも可能であり、その場合には、通気孔112が下外膜98に形成される。さらに、たとえば、通気孔112を覆う柔軟なフィルム状の蓋体を、上外膜96の上面に片持ち状に固着して設けるようにすれば、蓋体で通気孔112が覆われることによって端座時に補助セル94の硬い変形特性をより効果的に実現できると共に、支持セル92に体圧が作用する場合には、柔軟なフィルム状の蓋体が容易に変形して上外膜96から離れることによって、作用室102の空気が大気に排出されることから、支持セル92の柔らかい変形特性を有効に得ることができる。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、前記実施形態では、第一の連通路46と第二の連通路66の両方が通路断面積を可変とされている例を示したが、第一の連通路46と第二の連通路66のいずれか一方が通路断面積を可変とされていると共に、他方が通路断面積を一定とされていても良い。すなわち、第二の連通路66のチューブ64に変えて硬質の管体を採用することにより、第二の連通路66の通路断面積が内圧にかかわらず略一定に保たれるようにもできる。
補助セル28は、たとえば支持セル30と一体形成されていても良く、その場合には、第二の連通路66を第一の連通路46と同様の構造で形成することもできる。また、複数の支持セル30をそれぞれ独立して形成して、第一の連通路46を第二の連通路66と同様の別体構造としても良い。
支持セル30や補助セル28の具体的な形状や大きさ、配設数などは、適宜に変更され得る。また、補助セル28は、必ずしもセルユニット26に対して各一つが接続されていなくても良く、セルユニット26に対して各複数の補助セル28が接続されていても良いし、複数のセルユニット26が単一の補助セル28に接続されていても良い。
体圧作用面13は、長さ方向中間の一部だけが支持セル30で構成される必要はなく、長さ方向の全体が支持セル30で構成されていても良い。さらに、体圧作用面13は、幅方向においても、全体が支持セル30で構成されていても良いし、或いは部分的に支持セル30で構成されていても良い。また、補助セル28の配置は特に限定されるものではなく、たとえばマットレス10の幅方向端部に配置することもできる。更にまた、第一の連通路46で連通されたセルユニット26を構成する複数の支持セル30の配置態様も任意であり、たとえば、マットレス10の幅方向や斜め方向、千鳥状等に第一の連通路46で連通された複数の支持セル30を配置しても良い。
また、第一の実施形態のマットレス10において、アクチュエータ70に代えてポンプを採用して、補助セル28の補助流体室60に対する流体の送入又は排出によって、補助セル28と支持セル30の間で流体の移動を生ぜしめるようにしても良い。
さらに、アクチュエータやポンプなどで構成される調圧装置は、選択された幾つかの補助セルに対してのみ圧迫力を及ぼしたり流体を圧送するなどして、それら幾つかの補助セルの補助流体室の内圧を変化させることで、それら補助流体室と支持セルの流体室の間で流体の移動を生ぜしめるようにしても良い。要するに、調圧装置は、必ずしもすべての補助セルの補助流体室の内圧を調節するものに限定されない。具体的には、たとえば、第二の実施形態のマットレス90において、長さ方向の両端部分に配された補助セル94においてポンプ114による空気の給排を省略することで、構造や制御の簡略化などを図ることも可能である。
また、圧力センサ16は、静電容量型センサに限定されない。具体的には、たとえば、導電性フィラーを混合した導電ゴムで形成されたゴム板の両面に、互いに異なる方向へ延びる第一電極と第二電極の各一方を配した構造とされて、第一電極と第二電極の交差対向部分に構成される圧力検出部に及ぼされる厚さ方向の荷重(圧力)を、ゴム板の変形による電気抵抗の変化に基づいて検出する、電気抵抗型の圧力センサを採用することも可能である。
10,90:能動型流体セル式マットレス、13:体圧作用面、16:圧力センサ、26,95:セルユニット、28,94:補助セル、30,92:支持セル、32:上シート、34:下シート、40:流体室、42:弾性体、46:第一の連通路、48:非固着領域、60,99:補助流体室、66,102:第二の連通路、70:アクチュエータ(調圧装置)、72:誘電体層、74:第一電極、76:第二電極、114:ポンプ(調圧装置)
Claims (9)
- 使用者を乗せる体圧作用面の少なくとも一部が、内部に流体室を備えて拡縮変形可能な複数の支持セルで構成された流体セル式マットレスであって、
複数の前記支持セルの前記流体室が第一の連通路によって相互に連通されて構成されたセルユニットが複数設けられていると共に、
各該セルユニットには内部に補助流体室を備えて容積可変とされた補助セルが接続されて、該セルユニットを構成する複数の該支持セルの該流体室と該補助セルの該補助流体室が第二の連通路によって相互に連通されており、
該第一の連通路と該第二の連通路の少なくとも一方の通路断面積が通路内圧に応じて可変とされている一方、
該支持セルの該流体室と該補助セルの該補助流体室との間で該第二の連通路を通じた流体の移動を生ぜしめる調圧装置が設けられていると共に、
該体圧作用面に作用する使用者の体圧を検出する圧力センサが設けられており、該調圧装置が該圧力センサの検出結果に基づいて制御されることを特徴とする能動型流体セル式マットレス。 - 前記調圧装置が前記補助セルの圧縮と解放によって前記支持セルの前記流体室と該補助セルの前記補助流体室との間で前記第二の連通路を通じた流体の移動を生ぜしめるアクチュエータを含んで構成されていると共に、該アクチュエータによる該補助セルの圧縮と解放が前記圧力センサの圧力検出結果に基づいて制御される請求項1に記載の能動型流体セル式マットレス。
- 前記調圧装置が前記補助セルの前記補助流体室に対する流体の供給と排出によって前記支持セルの前記流体室と該補助セルの該補助流体室との間で前記第二の連通路を通じた流体の移動を生ぜしめるポンプを含んで構成されていると共に、該ポンプによる流体の供給と排出が前記圧力センサの圧力検出結果に基づいて制御される請求項1又は2に記載の能動型流体セル式マットレス。
- 前記支持セルの前記流体室には弾性体が収容されている請求項1〜3の何れか一項に記載の能動型流体セル式マットレス。
- 前記支持セルが上シートと下シートを前記流体室の周囲で相互に固着して形成されていると共に、前記第一の連通路が隣り合う該支持セルの間に設けられた非固着領域においてそれら上シートと下シートの間を延びて形成されており、該第一の連通路内が大気圧と等しい初期状態においてそれら上シートと下シートが該第一の連通路の形成部分で相互に当接していると共に、該第一の連通路の通路断面積が該第一の連通路の通路内圧に応じて可変とされている請求項1〜4の何れか一項に記載の能動型流体セル式マットレス。
- 前記圧力センサが誘電体層の両面に互いに異なる方向へ延びる第一電極と第二電極の各一方が重ね合わされた構造を有して、それら電極の各交差対向部分にそれぞれ静電容量を検出する圧力検出部が形成されており、該圧力センサが、それら複数の圧力検出部における静電容量の検出値に基づいて該第一電極と該第二電極の対向方向に作用する圧力を検出する静電容量型圧力センサとされている請求項1〜5の何れか一項に記載の能動型流体セル式マットレス。
- 請求項1〜6の何れか一項に記載された能動型流体セル式マットレスの制御方法であって、
前記圧力センサの圧力検出結果に基づいて使用者が睡眠状態であるか否かを判定する入眠判定工程と、
前記入眠判定工程において前記使用者が睡眠状態であると判定された場合に、前記調圧装置によって前記補助セルの前記補助流体室から前記支持セルの前記流体室へ流体を移動せしめて、該複数の支持セルの内圧を高くすることで前記体圧作用面の変形許容量を低減する加圧工程と
を、有することを特徴とする能動型流体セル式マットレスの制御方法。 - 前記圧力センサの圧力検出結果に基づいて前記使用者の呼吸状態を検知し、睡眠状態の該使用者が無呼吸状態であるか否かを判定する無呼吸判定工程と、
前記無呼吸判定工程において前記使用者が無呼吸状態であると判定された場合に、前記調圧装置によって前記補助セルの前記補助流体室と前記支持セルの前記流体室の間で流体を行き来させて、該複数の支持セルの内圧を変化させることで前記体圧作用面を変形させて前記使用者に機械的な刺激を与える刺激工程と
を、有する請求項7に記載の能動型流体セル式マットレスの制御方法。 - 予め設定された起床予定時間に前記使用者が睡眠状態であるか否かを判定する起床判定工程と、
前記起床判定工程において前記使用者が睡眠状態であると判定された場合に、前記調圧装置によって前記補助セルの前記補助流体室と前記支持セルの前記流体室の間で流体を行き来させて、該複数の支持セルの内圧を変化させることで前記体圧作用面を変形させて前記使用者に機械的な刺激を与える起床時通知工程と
を、有する請求項7又は8に記載の能動型流体セル式マットレスの制御方法。
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JP2016182670A JP2018046901A (ja) | 2016-09-20 | 2016-09-20 | 能動型流体セル式マットレスとその制御方法 |
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CN109998795A (zh) * | 2019-04-25 | 2019-07-12 | 西安交通大学医学院第一附属医院 | 平车上使用的压力性损伤防治床垫 |
WO2021059799A1 (ja) * | 2019-09-27 | 2021-04-01 | 住友理工株式会社 | 流体セル式マットレス |
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-
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- 2016-09-20 JP JP2016182670A patent/JP2018046901A/ja active Pending
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CN109998795B (zh) * | 2019-04-25 | 2023-11-21 | 西安交通大学医学院第一附属医院 | 平车上使用的压力性损伤防治床垫 |
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