WO2012161176A1 - 切削インサート、切削インサートのクランプ装置および切削工具 - Google Patents

Abstract

　レバーロック式のクランプ装置によってより安定かつ確実に工具ボディにクランプ可能な切削インサートを提供する。工具ボディ（２０）に形成されたチップ座（２２）にクランプ装置によりクランプされる切削インサート（１）であって、 略多角形状の外形を有する上面（２）および下面（３）と、前記上面（２）および下面（３）の間で延びる複数の側面（４）と、　前記上面（２）および下面（３）を貫通する貫通孔（１０）と、前記貫通孔（１０）の前記上面（２）側の周縁部に部分的に形成されたクランプ力を受ける凹状の切り欠き部（１１）と、を有する。

Description

切削インサート、切削インサートのクランプ装置および切削工具

　本発明は、いわゆるレバーロック式のクランプ装置により工具ボディにクランプされる切削インサート、この切削インサートに適したクランプ装置、および、このクランプ装置を備えた切削工具に関する。

　切削工具の分野においては、切削インサートを工具ボディにクランプする方法として、例えば、特許文献１に開示されているいわゆるレバーロック式が知られている。レバーロック式クランプ方法は、工具ボディの内部にＬ字形状のレバー部材を組み込み、てこの作用によりレバーの一方端に形成されたクランプ部分を切削インサートの貫通孔の壁面に押し付けて工具ボディのチップ座に当該切削インサートをクランプする。特許文献２は、特許文献１のクランプ方法における切削インサートの浮き上がりの問題を改善するクランプ装置を開示している。

実開平７－１５２０４号公報 特開平１１－１９７９１０号公報

　上記したようなレバーロック式クランプ装置では、クランプが安定かつ確実でないと、被加工物の加工品質が低下する可能性があるため、切削インサートをより安定かつ確実にクランプする要求が従来から存在する。

　本発明は、レバーロック式のクランプ装置によってより安定かつ確実に工具ボディにクランプ可能な切削インサートを提供する。

　また、本発明は、上記の切削インサートを工具ボディにクランプするのに適したクランプ装置を提供する。

　さらに、本発明は、上記クランプ装置を備えた切削工具を提供する。

　本発明の切削インサート（１）は、　工具ボディ（２０）に形成されたチップ座（２２）にクランプされる切削インサート（１）であって、
  略多角形状の外形を有する上面（２）および下面（３）と、前記上面（２）および下面（３）の間で延びる複数の側面（４）と、
　前記上面（２）および下面（３）を貫通する貫通孔（１０）と、
　前記貫通孔（１０）の前記上面（２）側の周縁部に部分的に形成されたクランプ力を受ける凹状の切り欠き部（１１）と、を有することを特徴とする切削インサート（１）。

　本発明のクランプ装置は、上記の切削インサート（１）をクランプするクランプ装置であって、工具ボディ（２０）に揺動可能に支持され、前記切削インサート（１）の切り欠き部（１１）に受容されて当該切り欠き部（１１）の当接面に当接するクランプ部分（３３）を一端部（３１）に有し、他端部（３５）に力を受けて、てこの作用により前記切削インサート（１）を前記工具ボディ（２０）に形成されたチップ座（２２）にクランプするレバー部材（３０）と、前記レバー部材（３０）の他端部（３５）を押圧しつつロックする押圧ロック機構（６０）と、を有することを特徴とする。

　本発明の切削工具は、上記クランプ装置を備えることを特徴とする。

　本発明によれば、レバー部材から切削インサートとの相対的な位置が安定化されて、切削インサートのより確実なクランプが可能となる。

本発明の第１の実施形態に係る切削工具の正面図。 図１のII－II線方向の断面図であって、クランプ状態を示す図。 図１のII－II線方向の断面図であって、アンクランプ状態を示す図。 本発明の第１の実施形態に係る切削インサートの斜視図。 図３Ａの切削インサートの上面図。 図３ＢのIIIＣ－IIIＣ線方向の断面図 図３Ａの切削インサートにおける切り欠き部の形成範囲を説明するための上面図。 図１の切削工具における工具ボディの先端部の構造を示す斜視図。 図１の切削工具におけるレバー部材の構造を示す斜視図。 図６Ａのレバー部材の他の方向からの斜視図。 図１の切削工具における敷金の斜視図。 図１の切削工具における補助部材の斜視図。 本発明の第２の実施形態に係る切削インサートの斜視図。 本発明の第２の実施形態に係るクランプ装置におけるレバー部材の構造を示す斜視図。

　第１実施形態
　本発明の第１実施形態に係る切削インサート、この切削インサートをクランプするクランプ装置およびこのクランプ装置を備える切削工具について、図面を参照して説明する。本実施形態に係る切削工具は、図１、図２Ａ，および図２Ｂに示すように、旋削工具であり、切削インサート１、工具ボディ２０、レバー部材３０、敷金４０、補助部材５０およびロックねじ６０を備える。

　工具ボディ２０は、図１に示すように、細長い棒状の部材からなり、図５に示すように、先端部２１の上面に切削インサート１を装着するためのチップ座２２が形成されている。

　チップ座２２は、切削インサート１の外形状とほぼ同じ形状に形成され、平面からなる底面２２ｃ、および、底面２２ｃに直交するとともに互いに交差する向きに配置された側壁面２２ａ，２２ｂにより画定されている。底面２２ｃに図７に示す敷金４０が載置される。敷金４０は、矩形状の外形を有する板状部材であり、重心部に貫通孔４１が形成され貫通孔４１の上端部にはテーパ面４２が形成されている。敷金４０を用いることで、切削インサート１の欠損などに伴って工具ボディ２０が損傷するのを防ぐ。また、敷金４０が損傷したときには、これを容易に交換することができる。図２Ａ、２Ｂに示すように、チップ座２２の底面２２ｃは、工具ボディ２０の下面に対して傾斜して形成され、ネガティブタイプの切削インサート１が工具ボディ２０に取り付けられたときに、逃げが形成される。

　工具ボディ２０の先端部２１には、上面および下面を貫通するガイド孔２４が形成され、ガイド孔２４の上面側には、ねじ部２４ａが形成されている。さらに、工具ボディ２０の先端部２１には、レバー部材３０を収容し、揺動可能に支持する収容部２５が形成されている。この収容部２５は、チップ座２２の底面２２ｃの中央領域からガイド孔２４に向けて延在し、ガイド孔２４と連通している。収容部２５のガイド孔２４とは反対側の端部には、レバー部材３０を支持するための支持面２６が円弧状に形成されている。

　ロックねじ６０は、図２Ａ，２Ｂに示すように、棒状部材からなり、上端部には、ガイド孔２４のねじ部２４ａに螺合するねじ部６１が形成されている。ロックねじ６０の長手方向の中途には、縮径部６４が形成されている。縮径部６４の上側には円錐面状の第１のテーパ面６２が形成され、縮径部６４の下側には円錐面状の第２のテーパ面６２が形成されている。ロックねじ６０の下端部に形成された嵌合部６５は、ガイド孔２４に嵌合することにより、ガイドされている。

　補助部材５０は、周方向の一部が開放された半円筒状の部材からなり、筒状部５２の上端には、外側に向けて突出するテーパ部５１が形成されている。補助部材５０は、図２Ａ，２Ｂに示すように、敷金４０の貫通孔４１に嵌合挿入されるとともに、収容部２５の円筒状の内壁面７２に筒状部５２が嵌合している。補助部材５０のテーパ部５１が敷金４０のテーパ面４２に係合することにより、補助部材５０は抜け止めされている。補助部材５０を、敷金４０の貫通孔４１および収容部２５の円筒状の内壁面７２に嵌合させることにより、チップ座２２の底面２２上における敷金４０の移動が規制される。

　レバー部材３０は、図６Ａ，６Ｂに示すように、Ｌ形に形成され、水平方向に延びる基部３４と、基部３４から水平方向に対して略直交する方向に延在する断面が円形状の軸部３７とを有する。

　基部３４の先端部３５の上面側には、ロックねじ６０の第１のテーパ面６２と係合する第１の係合面３５ａが形成され、先端部３５の下面側には、ロックねじ６０の第２のテーパ面６３と係合する第２の係合面３５ｂが形成されている。第１および第２の係合面３５ａ，３５ｂは、第１および第２のテーパ面６２，６３と合致する凹状の湾曲面で形成されている。基部３４の後端側の底部には、工具ボディ２０の支持面２６により支持される被支持部３６が形成されている。レバー部材３０は、被支持部３６を支点として揺動可能になっている。

　軸部３７の先端部３１には、基部３４側に向けて突出する突出部３２が形成され、突出部３２の下側には、切削インサート１をクランプするためのクランプ部分３３が形成されている。クランプ部分３３は、凸状に湾曲し、後述する切削インサート１の切り欠き部１１に当接する当接面３３ａにより形状が画定されている。当接面３３ａは、本実施形態では、切り欠き部１１の形状に略合致する円錐面で形成されるが、これに限定されるわけではなく、湾曲面の代わりに平坦面を採用することも可能である。

　基部３４と軸部３７との接続領域には、軸部３７の軸線方向に沿って２つの突出部３８，３９が形成されている。突出部３８，３９は、後述するように、切削インサート１をアンクランプする際に切削インサート１の下面側に当接して、切削インサート１を持ち上げるために設けられている。

　切削インサート１は、略平行四辺形状の外形を有する上面２および下面３と、上面２および下面３の間で延びる複数の側面４とを有する板状部材である。上面２と側面４との交差部に切れ刃５が形成される。切れ刃５は、コーナ部に形成されたコーナ切れ刃５ａと直線部に形成された直線切れ刃５ｂとからなる。上面２の一部はすくい面として機能し、側面４は逃げ面として機能する。側面４の平面からなる基準面は、上面２および下面３の基準面とそれぞれ直交するように交差しており、切削インサート１はいわゆるネガティブ型の切削インサートとなっている。また、切削インサート１では直線切れ刃５ｂの延長線が鋭角に交差する方のコーナ、いわゆる鋭角コーナ近傍、すなわち、図３Ｂの左右の２箇所のコーナが切削加工に使用される。

　上面２には切れ刃５に沿って溝状のチップブレーカ６が形成されている。チップブレーカ６は生成された切りくずに対して拘束力を加えて、切りくずを適当な長さに折断する。チップブレーカ６を構成する面のうち、切れ刃５に近い側に位置する傾斜面がすくい面として機能する。

　切削インサート１の重心位置には、上面２および下面３を貫通する断面形状が円形の貫通孔１０が形成されている。この貫通孔１０は、レバー部材３０の先端部３１が通過可能な内径をもつように形成されている。

　貫通孔１０の上面２側の周縁部１０ｅには、複数の凹状の切り欠き部１１が部分的に形成されている。切り欠き部１１は、レバー部材３０に形成されたクランプ部分３３を受容しつつクランプ部分３３に接触させるために設けられている。切り欠き部１１は、凹状の湾曲面で画定されている。本実施形態では、切り欠き部１１の湾曲面は、クランプ部分３３の形状に略合致する円錐面で構成されている。好適には、クランプ部分３３の曲率半径は、切り欠き部１１の湾曲面の曲率半径よりも若干小さい。なお、本発明は、このような湾曲面に限定されるわけではない。

　このように、切り欠き部１１およびクランプ部分３３を互いに合致する形状とすることにより、切削インサート１とレバー部材３０との相対的な位置関係が安定化する。また、切り欠き部１１およびクランプ部分３３が互いに嵌合することで、切削インサート１の貫通孔１０の中心軸線１０ｃ回りの回転が規制される。切り欠き部１１およびクランプ部分３３を画定する面の形状は適宜設定でき、互いに点接触、線接触あるいは面接触するようにすることができる。また、図３Ｃに示すように、貫通孔１０の中心軸線１０ｃを通り対向する２つの鋭角コーナを二等分する断面において、切り欠き部１１の円錐面の母線ｍと中心軸線１０ｃとがなす角度θは、好適には、１０°～４５°の範囲に設定される。また、角度θが４５°よりも大きいと、切り欠き部１１の占める領域が大きくなりすぎ、角度θが１０°よりも小さいと、レバー部材３０が切削インサート１をチップ座２２の底面２２ｃに垂直な方向に押す力が弱まる。切削インサート１の厚み方向における切り欠き部１１の深さｈは切削インサート１の厚みの１０％以上４０％以下であることが好ましく、より好ましくは２０％以上３０％以下である。

　ここで、切り欠き部１１の貫通孔１０の周縁部１０ｅにおける好適な形成位置について説明する。図３Ａ～図３Ｃに示したように、切り欠き部１１は、貫通孔１０の周縁部１０ｅのうち、対応するコーナ切れ刃（コーナ部）５ａに対して最短距離となる位置に形成されている。さらに、切り欠き部１１は、図４に示す平面視において、直線切れ刃５ｂをそれぞれ延長した直線Ｌ１およびＬ２のなすコーナ部の角度αを二等分する平面Ｐに関して対称に形成されている。なお、鈍角側のコーナを切れ刃として使用する場合も上記と同じように、切り欠き部１１の形成位置が決定される。

　次に、上記構成のクランプ装置の作用について図２Ａ，２Ｂを参照して説明する。図２Ａはクランプ状態を示し、図２Ｂはアンクランプ状態を示している。図２Ｂに示すアンクランプ状態においては、レバー部材３０のクランプ部分３３は、切り欠き部１１に押し付けられていない状態にある。ロックねじ６０を上方に進行する方向に回転させると、ロックねじ６０の第２のテーパ面６３がレバー部材３０の第２の係合面３５ｂに係合し、レバー部材３０を上方に押し上げる。このとき、レバー部材３０の突出部３８，３９の上端部が切削インサート１の下面に当接して、切削インサート１を敷金４０から引き離す。そして、レバー部材３０の先端部３１から切削インサート１を抜き取ると、切削インサート１をチップ座２２から取り外すことができる。

　図２Ｂに示すアンクランプ状態から、ロックねじ６０を下方に進行する方向に回転させると、図２Ａに示すように、ロックねじ６０の第１のテーパ面６２がレバー部材３０の第２の係合面３５ｂに係合し、レバー部材３０の先端部３５が下方に向けて押圧される。レバー部材３０は被支持部２６を支点として揺動可能に支持されているので、レバー部材３０のクランプ部分３３は切削インサート１の切り欠き部１１に押し付けられる。レバー部材３０は、ロックねじ６０から受ける力を、てこの作用により増幅して切り欠き部１１に伝達する。切り欠き部１１に嵌合したクランプ部分３３から切削インサート１に作用するクランプ力により、切削インサート１はチップ座２２の側壁面２２ａ，２２ｂに向けて押し付けられるとともに、敷金４０を介して底面２２ｃに向けて押し付けられる。この結果、切削インサート１はチップ座２２にクランプされる。このクランプ状態において、クランプ部分３３が切り欠き部１１に嵌合しているため、切削インサート１とレバー部材３０との相対位置関係が安定化し、切削インサート１が安定かつ確実にクランプされる。特に、クランプ部分３３が切り欠き部１１に嵌合することで、切削インサート１の中心軸線１０ｃの回りの回転が規制され、切削中における切削インサート１の切れ刃５の位置の変動が抑制される。

第２実施形態
　本発明の第２の実施形態に係る切削インサートおよびクランプ装置について図９および図１０を参照して説明する。なお、図９および図１０において、第１の実施形態と同様の構成部分には、同一の符号を使用している。また、切削インサートとレバー部材以外の他の構成は、第１実施形態と同じである。

　本実施形態に係る切削インサート１Ａは、貫通孔１０の周縁部１０ｅに、第１の実施形態と同様の構造の切り欠き部１１Ａが形成され、この切り欠き部１１Ａにセレーション（凹凸）１２が形成されている。

　この切削インサート１Ａは、図１０に示すレバー部材３０Ａを用いて、工具本体２０のチップ座２２にクランプされる。レバー部材３０Ａは、軸部３７の先端部に円筒面状のクランプ部分３３Ａが形成されている。このクランプ部分３３Ａは、切削インサート１Ａの切り欠き部１１Ａに嵌合する形状に形成されている。さらに、クランプ部分３３Ａには、切り欠き部１１Ａに形成されたセレーション１１Ａが噛み合い可能なセレーション３４が軸部３７の長手方向に沿って形成されている。

　切り欠き部１１Ａのセレーション１１Ａとレバー部材３０Ａのセレーション３４とが噛み合うことで、切削加工中にレバー部材３０Ａが切り欠き部１１Ａ上で滑って変動するのを抑制できる。この結果、チップ座における切削インサート１Ａの微小振動がさらに抑制され、切削加工面の品質が向上する。

　本発明の切削インサート、クランプ装置および切削工具は上記に示した形状に限定されない。例えば、レバー部材のクランプ部分３０およびこれを受容する切削インサート１の切り欠き部１１は、複数に分かれていてもよい。すなわち、複数個あるそれぞれの切り欠き部を押圧できるようなクランプ部分を持つレバー部材を備えたクランプ装置および切削工具とすることも可能である。

　また、上述の実施形態では上面２にのみチップブレーカおよび切り欠き部が形成されていたが、下面にも形成することも可能である。ロックねじ６０に関しても、上述したようにネジによって上下させるのではなく、例えばカムを備えた回転部材で構成し、そのカム部分でレバー部材を押し下げる構造とすることも可能である。この構成の場合、工具ボディ２０の側面からロックねじ６０の操作が容易になるような設計が可能となる。切削工具の形態に関しても、本発明は、上述したような旋削工具だけでなく、転削工具等の他の形態の切削工具に適用可能である。

　上述した実施形態では、切れ刃５はコーナ切れ刃５ａと直線切れ刃５ｂの組み合わせの場合について説明したが、直線切れ刃に代えて、例えば波形の切れ刃にすることも可能である。

１、１Ａ…切削インサート
２…上面
３…下面
４…側面
５…交差部
５ａ…コーナ切れ刃
５ｂ…直線切れ刃
６…チップブレーカ
１０…貫通孔
１０ｅ…周縁部
１１…切り欠き部
１２…セレーション
２０…工具ボディ
３０…レバー部材
４０…敷金
５０…補助部材
６０…ロックねじ

Claims (20)

1. 　工具ボディ（２０）に形成されたチップ座（２２）にクランプされる切削インサート（１）であって、
     略多角形状の外形を有する上面（２）および下面（３）と、前記上面（２）および下面（３）の間で延びる複数の側面（４）と、
   　前記上面（２）および下面（３）を貫通する貫通孔（１０）と、
   　前記貫通孔（１０）の前記上面（２）側の周縁部に部分的に形成されたクランプ力を受ける凹状の切り欠き部（１１）と、を有することを特徴とする切削インサート（１）。
2. 　前記切り欠き部（１１）は、凹状の湾曲面で形成されていることを特徴とする請求項１に記載の切削インサート（１）。
3. 　前記湾曲面は、円錐面で構成される、ことを特徴とする請求項２に記載の切削インサート（１）。
4. 　前記円錐面の母線と前記貫通孔（１０）の中心軸線（１０ｃ）とのなす角度が、１０°～４５°の範囲にある、ことを特徴とする請求項３に記載の切削インサート（１）。
5. 　工具ボディ（２０）に形成されたチップ座（２２）にクランプ装置によりクランプされる切削インサート（１）であって、
     略多角形状の外形を有する上面（２）および下面（３）と、前記上面（２）および下面（３）の間で延びる複数の側面（４）と、
   　前記上面（２）および下面（３）を貫通する貫通孔（１０）と、
   　前記貫通孔（１０）の前記上面（２）側の周縁部に部分的に形成され、前記クランプ装置のクランプ部分（３３）を受容しつつ当該クランプ部分（３３）に当接する凹状の切り欠き部（１１）と、を有することを特徴とする切削インサート（１）。
6. 　前記クランプ装置は、レバーロック式のクランプ装置であり、
   　前記貫通孔（１０）は、前記クランプ装置のレバー部材（３０）の一端部（３１）が通過可能であり、
   　前記クランプ部分（３３）は、前記レバー部材（３０）の一端部（３１）に形成されている、ことを特徴とする請求項５記載の切削インサート（１）。
7. 　前記貫通孔（１０）は、前記クランプ装置のレバー部材（３０）の一端部（３１）が通過可能であり、
   　前記クランプ部分（３３）は、前記レバー部材（３０）の一端部（３１）に形成されている、ことを特徴とする請求項５または６記載の切削インサート（１）。
8. 　前記切り欠き部（１１）を画定する前記クランプ部分（３３）と当接する当接面は、凹状の湾曲面で形成されている、ことを特徴とする請求項５ないし７のいずれかに記載の切削インサート（１）。
9. 　前記湾曲面は、円錐面で構成される、ことを特徴とする請求項８に記載の切削インサート（１）。
10. 　前記円錐面の母線と前記貫通孔（１０）の中心軸線（１０ｃ）とのなす角度が、１０°～４５°の範囲にある、ことを特徴とする請求項９に記載の切削インサート（１）。
11. 　前記切り欠き部（１１）は、前記クランプ部分（３３）の形状と略合致する形状を有する、ことを特徴とする請求項５ないし１０のいずれかに記載の切削インサート（１）。
12. 　前記交差部（５）は、コーナ部（５ａ）を有し、
    　前記切り欠き部（１１）は、前記貫通孔（１０）の周縁部のうち、前記コーナ部（５ａ）に対して最短距離となる位置に形成されている、ことを特徴とする請求項５ないし１１のいずれかに記載の切削インサート（１）。
13. 　前記切り欠き部（１１）は、平面視において、前記コーナ部（５ａ）の角度（α）を二等分する平面に関して対称に形成されている、ことを特徴とする請求項１２に記載の切削インサート（１）。
14. 　前記切り欠き部（１１）は、前記クランプ部分（３３）に形成された突起又は凹み（３４）と噛み合う凹み又は突起（１２）を有する、ことを特徴とする請求項５ないし１３のいずれかに記載の切削インサート（１Ａ）。
15. 　請求項１ないし１４のいずれかに記載の切削インサート（１）をクランプするクランプ装置であって、
    　工具ボディ（２０）に揺動可能に支持され、前記切削インサート（１）の切り欠き部（１１）に受容されて当該切り欠き部（１１）の当接面に当接するクランプ部分（３３）を一端部（３１）に有し、他端部（３５）に力を受けててこの作用により前記切削インサート（１）を前記工具ボディ（２０）に形成されたチップ座（２２）にクランプするレバー部材（３０）と、
    　前記レバー部材（３０）の他端部（３５）を押圧しつつロックする押圧ロック機構（６０）と、を有することを特徴とする切削インサートのクランプ装置。
16. 　前記押圧ロック機構（６０）は、
    　前記工具ボディ（２０）に形成され、ねじ部（２４ａ）を有するガイド孔（２４）と、
    　前記ねじ部（２４ａ）と螺合するねじ部（６１）、前記レバー部材（３０）の他端部（３５）に係合可能な第１および第２のテーパ面（６２，６３）、および、前記ガイド孔（２４）に案内される嵌合部（６５）を備えるロックねじ（６０）と、を有し、
    　前記ロックねじ（６０）は、一方向への回転により、前記レバー部材（３０）をクランプ状態にする方向に移動し、他方向への回転により、前記レバー部材（３０）をアンクランプ状態にする方向に移動する、ことを特徴とする請求項１５に記載の切削インサートのクランプ装置。
17. 　前記クランプ部分（３３）は、凸状に湾曲する当接面（３３ａ）を有する、ことを特徴とする請求項１５又は１６に記載の切削インサートのクランプ装置。
18. 　前記クランプ部分（３３）は、前記切り欠き部（１１）の形状に略合致する形状を有する、ことを特徴とする請求項１５ないし１７のいずれかに記載の切削インサートのクランプ装置。
19. 　前記クランプ部分（３３）は、前記切り欠き部（１１）に形成された凹み又は突起（１２）と噛み合う突起又は凹み（３４）を有する、ことを特徴とする請求項１５ないし１８のいずれかに記載の切削インサートのクランプ装置。
20. 　請求項１５ないし１９のいずれかに記載のクランプ装置を備えることを特徴とする切削工具。

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