JP2006272472A - スローアウェイ式ドリル - Google Patents
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Abstract
【課題】ホルダにスローアウェイチップを強固に固定することができ、しかもスローアウェイチップの位置決め精度を高めることができるスローアウェイ式ドリルを提供することである。
【解決手段】先端側に開口するチップ取付溝が形成されたホルダ2と、チップ取付溝1に固定される略平板状のスローアウェイチップ3とを備え、一対の被拘束面7,7´がホルダ3の軸線方向に垂直な面で切った断面形状が略V字状となる2つの平面でそれぞれ構成され、一方の被拘束面7における2つの平面がなす角を二等分する面10と、他方の被拘束面7´における2つの平面がなす角を二等分する面10´とが、クランプねじ9の中心軸線に略平行であり、かつ、クランプねじ9と交わる領域にあり、一対の内側面5,5´は、一対の被拘束面7,7´の形状にそれぞれ対応した断面略V字状の拘束面51,51´をそれぞれ有している。
【選択図】図2
【解決手段】先端側に開口するチップ取付溝が形成されたホルダ2と、チップ取付溝1に固定される略平板状のスローアウェイチップ3とを備え、一対の被拘束面7,7´がホルダ3の軸線方向に垂直な面で切った断面形状が略V字状となる2つの平面でそれぞれ構成され、一方の被拘束面7における2つの平面がなす角を二等分する面10と、他方の被拘束面7´における2つの平面がなす角を二等分する面10´とが、クランプねじ9の中心軸線に略平行であり、かつ、クランプねじ9と交わる領域にあり、一対の内側面5,5´は、一対の被拘束面7,7´の形状にそれぞれ対応した断面略V字状の拘束面51,51´をそれぞれ有している。
【選択図】図2
Description
本発明は、ホルダにスローアウェイチップを着脱自在に固定したスローアウェイ式ドリルに関する。
従来から、スローアウェイ式ドリルとしては、ホルダの先端に設けられた凹状のチップ取付溝にスローアウェイチップを着脱自在に固定したスローアウェイ式ドリルが知られている。例えば、特許文献1に記載のスローアウェイ式ドリルは、ホルダのチップ取付座(チップ取付溝)の側壁に一対のチップクランプ面とトルク伝達面を備え、底面(座面)の中央部に円筒状の孔部とホルダの後端側に延びるスリットとを有している。また、このスローアウェイチップは、その側面にホルダのチップクランプ面とトルク伝達面に係合するクランプ受け面とトルク受け面を有しており、後端面(底面)の中央部に円柱状に突出した軸部(突出部)が突出して形成されている。
そして、スローアウェイチップをホルダへ装着する際には、まず、スローアウェイチップの突出部をホルダの孔部に挿入して、ホルダとスローアウェイチップの回転中心線を一致させる芯出しを行う。ついで、スローアウェイチップのクランプ受け面とトルク受け面をホルダのクランプ面とトルク伝達面にそれぞれ密着させた後、ホルダの側方から挿通したクランプねじ等でスリットの間隔を縮小させることにより、スローアウェイチップをホルダに押圧固定する。
特開2004−306170号公報
ところが、特許文献1に開示されているような構成では、スローアウェイチップをホルダに押し付ける押圧力の大部分が、スローアウェイチップの突出部とホルダの孔部との間に作用するので、ホルダのチップクランプ面とスローアウェイチップのクランプ受け面との間に作用する押圧力が小さくなるという問題があった。
このような問題が生じるのを避けるために、スローアウェイチップの突出部とホルダの孔部との間にクリアランスを設けた状態でホルダのチップクランプ面とスローアウェイチップのクランプ受け面とを当接させておき、ついでクランプねじを締め付けてスリットの間隔を縮小させることで、スローアウェイチップをホルダに押し付ける押圧力の大部分をホルダのチップクランプ面とスローアウェイチップのクランプ受け面との間に作用させることができる。
しかしながら、このような形態では、ホルダに対するスローアウェイチップの位置決め精度が低下して、ホルダとスローアウェイチップの回転中心を一致させることが困難になるという問題があった。
したがって、本発明の目的は、ホルダにスローアウェイチップを強固に固定することができ、しかもスローアウェイチップの位置決め精度を高めることができるスローアウェイ式ドリルを提供することである。
上記課題を解決するための本発明のスローアウェイ式ドリルは、以下の構成からなる。
(1) 先端側に開口するチップ取付溝が形成されたホルダと、前記チップ取付溝に固定される略平板状のスローアウェイチップとを備え、前記チップ取付溝は、前記スローアウェイチップの底面に当接する座面と該座面の両側から起立した一対の内側面とを有し、前記スローアウェイチップは、前記チップ取付溝の前記一対の内側面にそれぞれ拘束される一対の被拘束面を有し、前記ホルダには、該ホルダの軸線方向に略垂直にクランプ孔が形成され、該クランプ孔にクランプねじを挿通して前記スローアウェイチップを前記ホルダに固定するスローアウェイ式ドリルにおいて、前記一対の被拘束面は、前記ホルダの軸線方向に垂直な面で切った断面形状が略V字状となる2つの平面でそれぞれ構成され、一方の被拘束面における前記2つの平面がなす角を二等分する面と、他方の被拘束面における前記2つの平面がなす角を二等分する面とが、前記クランプねじの中心軸線に略平行であり、かつ、前記クランプねじと交わる領域にあり、前記一対の内側面は、前記一対の被拘束面の形状にそれぞれ対応した断面略V字状の拘束面をそれぞれ有していることを特徴とするスローアウェイ式ドリル。
(2) 前記一方の被拘束面における前記2つの平面がなす角を二等分する面と、前記他方の被拘束面における前記2つの平面がなす角を二等分する面とが、前記ホルダの回転中心軸線に略平行である(1)に記載のスローアウェイ式ドリル。
(3) 前記一方の被拘束面における前記2つの平面がなす角を二等分する面と、前記他方の被拘束面における前記2つの平面がなす角を二等分する面とが、同一平面上にある(1)または(2)に記載のスローアウェイ式ドリル。
(4) 前記座面にはホルダの後端側に向かってスリットが形成され、該スリットの一対の内側面が前記クランプねじの中心軸線と略垂直に配設されている(1)〜(3)のいずれかに記載のスローアウェイ式ドリル。
(5) 前記スローアウェイチップは、その底面の略中央付近に凹部を有し、該凹部と前記チップ取付溝の座面との間に間隙が形成されている(1)〜(4)のいずれかに記載のスローアウェイ式ドリル。
(6) 前記スローアウェイチップは前記一対の被拘束面にそれぞれ隣接する一対のフルート面を有し、該フルート面と前記被拘束面との交差稜線が前記ホルダの軸線方向と略平行である(1)〜(5)のいずれかに記載のスローアウェイ式ドリル。
本発明のスローアウェイ式ドリルによれば、スローアウェイチップの一対の被拘束面が、ホルダの軸線方向に垂直な面で切った断面形状が略V字状となる2つの平面でそれぞれ構成されており、一方の被拘束面における前記2つの平面がなす角を二等分する面と、他方の被拘束面における前記2つの平面がなす角を二等分する面とが、クランプねじの中心軸線に略平行であり、かつ、クランプねじと交わる領域にあり、一対の内側面が、一対の被拘束面の形状にそれぞれ対応した断面略V字状の拘束面をそれぞれ有しているので、スローアウェイチップをホルダに固定する際に、クランプねじを締め付けるに従って拘束面と被拘束面との間隔がほぼ均等に収縮して被拘束面の各部位にほぼ均等な押圧力がかかりながらスローアウェイチップが押圧固定されるため、スローアウェイチップが位置ずれするのを防止することができる。しかも、スローアウェイチップの底面には従来のチップにある突出部を設けていないので、拘束面からの押圧力の大部分を被拘束面に作用させることができる。これにより、スローアウェイチップの位置決め精度を高め、しかもホルダにスローアウェイチップを強固に固定することができるので、信頼性の高いスローアウェイ式ドリルを得ることができる。
以下、本発明の一実施形態にかかるスローアウェイ式ドリルについて図面を参照し詳細に説明する。図1(a)は本実施形態にかかるスローアウェイ式ドリルを示す平面図(ドリルを先端側からみた図)であり、図1(b)はその正面図であり、図1(c)はその側面図である。図2は図1(a)を拡大した平面図である。図3は図1のスローアウェイ式ドリルの分解斜視図である。図4(a)は図1のスローアウェイ式ドリルのホルダを示す平面図(ホルダを先端側からみた図)であり、図4(b)はその正面図であり、図4(c)はその側面図である。図5(a)は図1のスローアウェイ式ドリルにおけるスローアウェイチップを示す斜視図であり、図5(b),(c),(d),(e)は図5(a)のスローアウェイチップの平面図、正面図、側面図および底面図である。図6は本実施形態にかかるスローアウェイ式ドリルの一部を図2のX−X線で切断した部分断面図である。
図1〜図6に示すように、本実施形態のスローアウェイ式ドリルは、先端側に開口するチップ取付溝1が形成されたホルダ2と、チップ取付溝1に固定され、先端側に切刃を有する略平板状のスローアウェイチップ3とから構成されている。チップ取付溝1は、スローアウェイチップ3の底面に当接する座面4と座面4の両側から起立した一対の内側面5,5´とを有している。座面4にはホルダ2の後端側に向かってスリット6が形成されている。スローアウェイチップ3は一対の被拘束面7,7´を有している。一対の内側面5,5´は、一対の被拘束面7,7´の形状にそれぞれ対応した断面略V字状の拘束面51,51´をそれぞれ有し、これらの拘束面51,51´に隣接する切屑処理用のフルート面52,52´を有している。一対の被拘束面7,7´は、拘束面51,51´にそれぞれ拘束される。そして、ホルダ2には、ホルダ2の軸線方向に略垂直にクランプ孔8が形成されており、該クランプ孔8にクランプねじ9を挿通して締め付けることにより、スローアウェイチップ3をホルダ2に固定する構成となっている。
図2に示すように、スローアウェイチップ3の一対の被拘束面7,7´は、ホルダ2の軸線方向に垂直な面で切った断面形状が略V字状となる2つの平面7A,7B及び7A´,7B´でそれぞれ構成されている。このような構成とすることにより、スローアウェイチップ3のV字状被拘束面7,7´をチップ取付溝1の内側面5,5´上でスライドさせ、ホルダ2とスローアウェイチップ3の回転中心軸線Cを一致させながら、クランプねじ9を締め付けてスローアウェイチップ3をチップ取付溝1に固定することができる。
また、一方の被拘束面7における平面7Aと平面7Bがなす角(2θ)を二等分する面10と、他方の被拘束面7´における平面7A´と平面7B´がなす角(2θ)を二等分する面10´とは、ホルダ2の回転中心軸線C及びクランプねじ9の中心軸線と略平行であり、かつ、クランプねじ9と交わる領域にあるように構成されている。すなわち、面10および面10´は、クランプねじ9の軸部9aの幅内(直径の範囲内)を軸部9aの後端から軸部9aの先端までにわたってホルダ2の軸線C方向先端側から後端側に向かって縦断するように交わっている。このように、面10および面10´がクランプねじ9の近傍に位置するような形態であることで、スローアウェイチップ3をホルダ2に固定する際に、クランプねじ9を締め付けるに従って拘束面51,51´と被拘束面7,7´との間隔がほぼ均等に収縮して被拘束面7,7´の各部位にほぼ均等な押圧力がかかりながらスローアウェイチップ3が押圧固定される。これにより、スローアウェイチップ3が位置ずれするのを防止することができる。なお、平面7Aと平面7A´は略平行であり、平面7Bと平面7B´は略平行である。また、平面7Aを含む平面と平面7A´を含む平面との距離は、平面7Bを含む平面と平面7B´を含む平面との距離とほぼ等しい。
特に、図2に示す本実施形態のように面10と面10´とは同一平面上にあるのが好ましい。これにより、拘束面51,51´が被拘束面7,7´の各部位を押圧する押圧力がより均等に作用するようになるので、スローアウェイチップ3の位置ずれをより確実に防止することができる。また、スリット6の一対の内側面11、11´はクランプねじ9の中心軸線と略垂直に配設されているのが好ましい。このような構成によれば、クランプねじ9に加えられた力を最も効率よく、スローアウェイチップ3をホルダ2に固定する力として作用させることができる。
また、スローアウェイチップ3の底面12には、従来のチップにあるような突出部を設けていないので、クランプねじ9に加えられた力の大部分を、チップ取付溝1の拘束面51,51´がスローアウェイチップ3の被拘束面7、7´を押圧する押圧力として作用させることができる。
図5(c),(e)に示すように、スローアウェイチップ3は、その底面12の略中央付近に凹部13を有しており、該凹部13とチップ取付溝1の座面4との間に間隙が形成されるよう構成されている。このような構成とすることにより、加工中に発生する回転軸線Cに平行な方向の力が、回転軸線Cの中心付近で力の支点を移動させながらスローアウェイチップ3に不安定に作用するのを防止できるので、スローアウェイチップ3の座りが安定する。なお、凹部13の形状は、本実施形態のような円弧状に限定されるものではなく、他の形状であってもよい。
さらに、スローアウェイチップ3は、一対の被拘束面7、7´にそれぞれ隣接する凹状のフルート面14,14´を備えている。これらのフルート面14,14´と被拘束面7,7´との交差稜線15,15´は、ホルダ2の軸線C方向と略平行となるよう構成されている。このような構成によれば、切屑排出に影響を及ぼすことのない範囲で、スローアウェイチップ3の被拘束面7、7´の面積を最大にすることができるので、より拘束力の高いスローアウェイ式ドリルとすることができる。
1 チップ取付溝
2 ホルダ
3 スローアウェイチップ
4 チップ取付溝の座面
5,5´ チップ取付溝の内側面
6 スリット
7,7´ 被拘束面
8 クランプ孔
9 クランプねじ
10,10´ 角(2θ)を二等分する面
11,11´ スリット内側面
12 スローアウェイチップの底面
13 凹部
14,14´ フルート面
15,15´ 交差稜線
51,51´ 拘束面
52,52´ フルート面
2 ホルダ
3 スローアウェイチップ
4 チップ取付溝の座面
5,5´ チップ取付溝の内側面
6 スリット
7,7´ 被拘束面
8 クランプ孔
9 クランプねじ
10,10´ 角(2θ)を二等分する面
11,11´ スリット内側面
12 スローアウェイチップの底面
13 凹部
14,14´ フルート面
15,15´ 交差稜線
51,51´ 拘束面
52,52´ フルート面
Claims (6)
- 先端側に開口するチップ取付溝が形成されたホルダと、前記チップ取付溝に固定される略平板状のスローアウェイチップとを備え、前記チップ取付溝は、前記スローアウェイチップの底面に当接する座面と該座面の両側から起立した一対の内側面とを有し、前記スローアウェイチップは、前記チップ取付溝の前記一対の内側面にそれぞれ拘束される一対の被拘束面を有し、前記ホルダには、該ホルダの軸線方向に略垂直にクランプ孔が形成され、該クランプ孔にクランプねじを挿通して前記スローアウェイチップを前記ホルダに固定するスローアウェイ式ドリルにおいて、
前記一対の被拘束面は、前記ホルダの軸線方向に垂直な面で切った断面形状が略V字状となる2つの平面でそれぞれ構成され、一方の被拘束面における前記2つの平面がなす角を二等分する面と、他方の被拘束面における前記2つの平面がなす角を二等分する面とが、前記クランプねじの中心軸線に略平行であり、かつ、前記クランプねじと交わる領域にあり、
前記一対の内側面は、前記一対の被拘束面の形状にそれぞれ対応した断面略V字状の拘束面をそれぞれ有していることを特徴とするスローアウェイ式ドリル。 - 前記一方の被拘束面における前記2つの平面がなす角を二等分する面と、前記他方の被拘束面における前記2つの平面がなす角を二等分する面とが、前記ホルダの回転中心軸線に略平行である請求項1記載のスローアウェイ式ドリル。
- 前記一方の被拘束面における前記2つの平面がなす角を二等分する面と、前記他方の被拘束面における前記2つの平面がなす角を二等分する面とが、同一平面上にある請求項1または2記載のスローアウェイ式ドリル。
- 前記座面にはホルダの後端側に向かってスリットが形成され、該スリットの一対の内側面が前記クランプねじの中心軸線と略垂直に配設されている請求項1〜3のいずれかに記載のスローアウェイ式ドリル。
- 前記スローアウェイチップは、その底面の略中央付近に凹部を有し、該凹部と前記チップ取付溝の座面との間に間隙が形成されている請求項1〜4のいずれかに記載のスローアウェイ式ドリル。
- 前記スローアウェイチップは前記一対の被拘束面にそれぞれ隣接する一対のフルート面を有し、該フルート面と前記被拘束面との交差稜線が前記ホルダの軸線方向と略平行である請求項1〜5のいずれかに記載のスローアウェイ式ドリル。
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JP2005091332A JP2006272472A (ja) | 2005-03-28 | 2005-03-28 | スローアウェイ式ドリル |
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JP2005091332A JP2006272472A (ja) | 2005-03-28 | 2005-03-28 | スローアウェイ式ドリル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006272472A true JP2006272472A (ja) | 2006-10-12 |
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