WO2012153844A1 - コイル巻線・セット方法、コイル挿入方法及びコイル巻線・セット装置 - Google Patents

コイル巻線・セット方法、コイル挿入方法及びコイル巻線・セット装置 Download PDF

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Abstract

 コイル保持具に螺旋状に重なり合った状態にコイルをセットする際、コイルが積み上がらないようにしたコイル巻線・セット方法、コイル挿入方法及びコイル巻線・セット装置を提供する。 導線供給装置(120)から供給される導線を巻線保持具に所定回数ずつ巻付けて、該巻線保持具の長手方向に沿って複数のコイルを形成し、前記巻線保持具の外周に巻付けられたコイルの両側を押さえ板で押さえつつ、前記巻線保持具を縮径させて、コイルの一側が他側に対して低い位置になるように斜め掛けにし、前記コイル保持具(220)のガイド棒の所定間隙に、斜め掛けされたコイルの一側を整合させて、該コイルの一側を前記ガイド棒の所定間隙に落とし込み、次いで必要に応じて前記コイル保持具を回転させ、前記コイル保持具のガイド棒の別の所定間隙に、斜め掛けされたコイルの他側を整合させて、該コイルの他側を前記ガイド棒の別の所定間隙に落とし込む。

Description

コイル巻線・セット方法、コイル挿入方法及びコイル巻線・セット装置
 本発明は、導線を巻線してコイルを形成し、コイル保持具に該コイルを全体として螺旋状に重なり合った状態にセットするコイル巻線・セット方法、コイル挿入方法及びコイル巻線・セット装置に関する。
 ステータコアにコイルを装着する方法としては、ステータコアの内歯に直接コイルを巻付ける直巻方法と、巻線したコイルをコイル挿入治具に保持させておき、コイル挿入装置によってステータコアのスロットに挿入するコイル挿入方法とが採用されている。
 しかしながら、従来のコイル挿入方法では、各磁極に対して同心巻きされたコイルしか形成できないので、そのようなステータコアを用いたモータは、周方向の起磁力密度が不均一になるという現象によってトルクムラが発生する。このトルクムラはモータの振動や騒音を発生させる原因となり、効率低下も起こす。
 このような問題を解決するため、ステータコアの端面から見たときコイル同士が螺旋状に重なった形態をなすステータ(以下「螺旋巻きステータ」とする)が知られている。このステータは、コイルエンドが短く、その高さが比較的均一でコンパクトな形状となると共に、モータとしたときのトルクムラが小さく、モータの振動や騒音を低減させることができるという優れた特性を有している。
 そして、このようなステータを作るため、下記特許文献1には、コイル保持具に、全体として螺旋状に重なり合った状態にコイルをセットする方法が提案されている。この方法は、コイル保持具に、最初にセットする開始側ステータコイルを基準として所定の一方向となるコイルセット方向に順次重ね合わせながらコイルをセットし、開始側ステータコイルの一方の片側のセット位置に対して他方の片側を同一位置又は超える位置にセットする終了側ステータコイルについては、当該ステータコイルを前記開始側ステータコイルに潜り込ませるようにしてセットすることを特徴としている。
特開プッシャ装置2007-336720号公報
 しかしながら、上記特許文献1に記載の方法では、コイル保持具に、最初にセットする開始側ステータコイルを基準として所定の一方向となるコイルセット方向に順次重ね合わせながらコイルをセットしていくと、コイル保持具のガイド棒の先端方向に向けてコイルが次第に積み上がっていくので、全部のコイルを引き掛けようとすると、非常に長いガイド棒が必要となり、ガイド棒の製作が困難になるばかりでなく、強度的にも不足してコイル挿入操作に耐えられなくなるという問題があった。
 したがって、本発明の目的は、螺旋巻きステータを作るため、コイル保持具に全体として螺旋状に重なり合った状態にコイルをセットする際、コイルが積み上がってしまわないようにしたコイル巻線・セット方法及びコイル巻線・セット装置を提供することにある。
 上記目的を達成するため、本発明の1つは、導線を巻線してコイルを形成し、ステータコアの内歯に対応して円環状に配列された複数本のガイド棒を有するコイル保持具の前記ガイド棒の所定間隙にコイルを順次落とし込み、コイルの一側が隣接するコイルの下になって所定間隙に入り、コイルの他側が上記と反対側に隣接するコイルの上に重なって所定間隙に入り、全体として螺旋状に重なり合った状態にコイルをセットするコイル巻線・セット方法において、
 導線供給装置から供給される導線を巻線保持具の外周に所定回数ずつ巻付けて、該巻線保持具の長手方向に沿って複数のコイルを形成する巻線工程と、
 前記巻線保持具を縮径させて、前記巻線保持具の外周に巻付けられたコイルの一側が他側に対して低い位置になるように斜め掛けにするコイル傾斜工程と、
 前記コイル保持具のガイド棒の所定間隙に、斜め掛けされたコイルの一側を整合させて、該コイルの一側を前記ガイド棒の所定間隙に落とし込み、次いで必要に応じて前記コイル保持具を回転させ、前記コイル保持具のガイド棒の別の所定間隙に、斜め掛けされたコイルの他側を整合させて、該コイルの他側を前記ガイド棒の別の所定間隙に落とし込むコイル落とし込み工程とを含むことを特徴とするコイル巻線・セット方法を提供するものである。
 上記発明によれば、巻線保持具の外周に巻線して複数のコイルを形成した後、巻線保持具を縮径させて、コイルの一側が他側に対して低い位置になるように斜め掛けにし、その状態で、コイルの一側と他側とをコイル保持具のガイド棒の所定の間隙に順次落とし込むようにしたので、コイルの一側がガイド棒の低い位置に挿入され、コイルの他側がガイド棒の高い位置に挿入される。したがって、コイルの一側が隣接するコイルの他側の下に入り、コイルの他側が上記と反対側に隣接するコイルの一側の上に重なるように挿入することにより、コイルが積み上がってしまうことを抑制できるので、コイル保持具のガイド棒の長さを低く抑えることができ、コイル挿入操作を容易に行うことが可能となる。
 また、コイルの一側が他側に対して低い位置になるように斜め掛けにしたことにより、コイルの一側と他側とをコイル保持具のガイド棒の所定の間隙に順次落とし込むことができるので、コイルの一側を所定の間隙に落とし込んだ後、コイル保持具を回転させて、コイルの他側を別の所定の間隙に整合させて落とし込むことにより、コイルの一側と他側とをコイル保持具の任意の間隙に落とし込むことが可能となる。
 本発明のコイル巻線・セット方法においては、前記コイル傾斜工程は、前記巻線保持具の外周に巻付けられたコイルの両側を押さえ板で押さえつつ、前記巻線保持具を縮径させて行うことが好ましい。これによれば、巻線保持具に保持されたコイルを、より効果的に斜め掛けすることができる。
 本発明のコイル巻線・セット方法においては、前記ガイド棒の所定の位置からコイルを落とし込み始める際、最初のコイル及びそれに続くいくつかのコイルの他側であって、最後のコイル及びその前のいくつかのコイルの一側を落とし込む際に干渉するもの、及び前のコイルの他側が正規でない間隙に落とし込まれていて、正規の間隙に落とし込むと前のコイルの他側が抜き出せなくなるものについては、それらに干渉しない正規でない間隙に落とし込んでおき、最後のコイルが落とし込まれた後、正規でない間隙に落とし込まれた、最初のコイル及びそれに続くいくつかのコイルの他側を抜き出して正規の間隙に落とし込むことが好ましい。
 上記態様によれば、最初のコイル及びそれに続くいくつかのコイルの他側を、最後のコイル及びその前のいくつかのコイルが干渉しないように、正規でない間隙に落とし込んでおくことにより、最後のコイルに至るまで、ガイド棒の間隙の所定の位置から、U相、V相、W相の各コイルを順番に、所定間隔で落とし込むことができる。そして、最後のコイルを落とし込んだ後に、正規でない間隙に落とし込まれた、最初のコイル及びそれに続くいくつかのコイルの他側を抜き出して正規の間隙に落とし込むことにより、コイルの一側が隣接するコイルの下になって所定の間隙に入り、コイルの他側が上記と反対側に隣接するコイルの上に重なって所定の間隙に入り、全体として螺旋状に重なり合った状態にコイルをセットすることができる。
 このように、最初のコイル及びそれに続くいくつかのコイルの他側と重なる終了側のコイルを、最初のコイルやそれに続くいくつかのコイルを持ち上げることなく、そのまま落とし込むことができるので、作業性よくセットすることができ、セット作業を機械によって自動化することも容易になる。
 また、最初のコイルに続くいくつかのコイルの他側を正規でない間隙に落とし込む際には、最初にコイルの一側を正規の間隙に落とし込み、次いでコイル保持具を回転させて、前記正規でない間隙をコイルの他側の下方に配置させ、その状態で前記コイルの他側を前記正規でない間隙に落とし込むことが好ましい。この態様によれば、正規でない間隙に他側を落とし込む、最初のコイル及びそれに続くいくつかのコイルを、他のコイルと共通の巻枠に巻き付けて形成することができる。
 更に、前記コイルを複数のグループに分けて、前記コイル保持具の複数箇所から各グループのコイルを同時に落とし込んでいき、最初のコイルに隣接する他のグループの最後のコイルが落とし込まれた後、前記最初のコイル及びそれに続くいくつかのコイルの他側を抜き出して正規の間隙に落とし込むことが好ましい。この態様によれば、コイル保持具の複数箇所からセットを開始し、隣接するグループの開始側のコイルと重ね合せることによってセットを終了することができるので、セット作業を短時間で行うことができる。
 本発明のコイル巻線・セット方法においては、前記巻線保持具として、U相、V相、W相の各コイルに対応する3つの巻線保持具を少なくとも1組用い、前記巻線工程において、それぞれの巻線保持具の外周に所定回数ずつ巻き方向を変えながら巻き付けて、該巻線保持具の長手方向に沿って複数のコイルを形成した後、前記コイル落とし込み工程の際、U相、V相、W相の各コイルを順番に落とし込むことが好ましい。この態様によれば、U相、V相、W相の各コイルを順番に効率よく、コイル保持具のガイド棒の所定間隙に落とし込むことができる。
 本発明のコイル巻線・セット方法においては、前記巻線保持具として、平行リンクによって互いの間隔を変更可能とされた一対の可動板からなる可動ツールと、前記巻線工程時に前記可動ツールに挿入され、前記可動板を拡開状態に保持する巻線用巻型と、前記コイル傾斜工程の際、前記可動ツールに挿入され、前記可動板を縮径状態に保持する挿入用巻型とを備えたものを用い、該巻線保持具の両側には前記押さえ板を配置して、前記コイル傾斜工程の際、前記巻線用巻型を抜き出すと共に前記挿入用巻型を挿入し、前記押さえ板でコイルの両側を押さえつつ、前記可動ツールの一対の可動板の間隔を狭めて、コイルの一側が他側に比べて低くなるように斜め掛けさせることが好ましい。
 上記態様によれば、可動ツールと、巻線用巻型と、挿入用巻型とを組み合わせて用いることにより、巻線時には巻線用巻型を可動ツールに挿入して可動板を拡径状態に維持し、コイル落とし込み時には、巻線用巻型を抜き出して挿入用巻型を挿入することにより、可動板を縮径状態に維持することができる。
 更に、前記巻線保持具として、前記可動ツールの可動板外面にガイド溝を形成して、コイルを引き掛ける出没可能な爪部を有するスライド板を装着したものを用い、前記コイル落とし込み工程の際、前記スライド板を下降させて、前記爪部によってコイルを押し下げることにより、該当するコイルの側部を前記ガイド棒の所定間隙に落とし込むことが好ましい。
 上記態様によれば、可動ツールの可動板外面に装着されたスライド板を下降させることによって、爪部によってコイルを押し下げることができるので、コイルの側部をガイド溝の所定間隙に安定して落とし込むことができる。
 本発明のもう一つは、前述したいずれか1つの方法によってコイル保持具にコイルをセットした後、該コイル保持具がコイル挿入治具である場合にはそのまま、該コイル保持具がトランスファー治具である場合にはコイル挿入治具にコイルを移した後、該コイル挿入治具の上部にステータコアをセットして、コイル挿入装置によってコイルを挿入することを特徴とするコイル挿入方法を提供するものである。
 上記発明によれば、前述したいずれか1つの方法によってコイル保持具にコイルをセットすることにより、コイル保持具がコイル挿入治具である場合にはそのまま、コイル保持具がトランスファー治具である場合にはコイル挿入治具にコイルを移すことにより、コイル挿入治具の所定の間隙にコイルが全体として螺旋状に重なり合って挿入された状態となるので、これをコイル挿入装置によってステータコアに挿入することにより、ステータコアの端面から見たときコイル同士が螺旋状に重なった形態をなす螺旋巻きステータを得ることができる。
 本発明のもう一つは、導線を巻線してコイルを形成し、ステータコアの内歯に対応して円環状に配列された複数本のガイド棒を有するコイル保持具の前記ガイド棒の所定間隙にコイルを順次落とし込み、コイルの一側が隣接するコイルの下になって所定間隙に入り、コイルの他側が上記と反対側に隣接するコイルの上に重なって所定間隙に入り、全体として螺旋状に重なり合った状態にコイルをセットするコイル巻線・セット装置において、
 前記コイル保持具と、導線を外周に巻付けてコイルを形成する巻線保持具と、該巻線保持具に対して相対移動しつつ導線を巻線保持具に供給する導線供給装置と、巻線時に該コイル巻線保持具を回転させる第1回転装置と、前記巻線保持具の両側に配置されて前記巻線保持具に保持されたコイルの両側を押える押え板と、前記巻線保持具に保持されたコイルを前記コイル保持具のガイド棒の所定間隙に整合させるコイル整合手段と、前記巻線保持具に保持されたコイルを前記コイル保持具の所定間隙に落とし込むコイル落とし込み手段とを備え、
 前記巻線保持具は、平行リンクによって互いの間隔を変更可能とされた一対の可動板からなる可動ツールと、巻線時に前記可動ツールに挿入されて前記可動板を拡開状態に保持する巻線用巻型と、コイル落とし込み時に前記可動ツールに挿入されて前記可動板を縮径状態に保持する挿入用巻型とを有し、
 前記可動ツールに前記巻線用巻型を挿入し、前記巻線保持具の外周に導線を巻き付けてコイルを形成した状態で、前記巻線用巻型を前記可動ツールから抜き出すと共に、前記挿入用巻型を前記可動ツールに挿入し、前記押え板によって前記コイルの両側を押さえつつ前記平行リンクを回動させて前記一対の可動板の間隔を狭めて縮径させることにより、前記コイルの一側が他側に対して低い位置になって斜め掛けされるように構成されており、
 前記コイル整合手段は、前記巻線保持具を前記コイル保持具上の所定位置に移動させる巻線保持具移動手段と、前記巻線保持具に斜め掛けされて保持されたコイルのそれぞれの側部を前記コイル保持具のガイド棒の所定の間隙に整合するように、前記コイル保持具を回転させる第2回転装置とを有していることを特徴とするコイル巻線・セット装置を提供するものである。
 上記発明によれば、可動ツールに巻線用巻型を挿入した状態で、導線供給装置から引き出された導線の端部を巻線保持具に保持させ、第1回転装置により巻線保持具を回転させることによって、コイルを形成することができる。その際、導線供給手段を巻線保持具に対して相対移動しつつ導線を巻線保持具に供給することにより、巻線保持具の長手方向に沿って複数のコイルを形成することができる。
 また、巻操作が終了し、コイルが形成されたら、可動ツールから巻線用巻型を抜き出して挿入用巻型を挿入すると共に、押え板によってコイルの両側を押さえつつ、平行リンクを回動させて一対の可動板の間隔を狭めて縮径させることにより、コイルの一側が他側に対して低い位置になって斜め掛けされた状態にすることができる。
 この状態で、巻線保持具移動手段によって、巻線保持具をコイル保持具上の所定位置に移動させ、巻線保持具により保持されたコイルの一側をコイル保持具のガイド棒の所定間隙に整合させる。
 そして、コイル落とし込み手段により、コイルの一側を上記ガイド棒の所定間隙に落とし込む。更に、必要に応じてコイル保持具を回転させて、コイルの他側を上記ガイド棒の別の所定間隙に整合させ、コイル落とし込み手段により、コイルの他側を該間隙に落とし込むことができる。
 なお、巻線保持具に斜め掛けされたコイルの一側が、コイル保持具のガイド溝の所定間隙に整合した状態で、コイルの他側も、落とし込むべき別の所定間隙に整合している場合には、コイルの一側の落とし込みと他側の落とし込みとを、コイル保持具を回転させることなく、連続して行うことができる。
 しかし、巻線保持具に斜め掛けされたコイルの一側が、コイル保持具のガイド棒の所定間隙に整合した状態で、コイルの他側が、落とし込むべき別の所定間隙に整合していない場合には、コイルの一側を落とし込んだ後、コイルの他側を落とし込む前に、コイル保持具を回転させて、コイルの他側を落とし込むべき別の所定間隙に整合させて落とし込むことができ、それによって、コイルの一側と他側とを、巻線保持具の形状に拘束されることなく、任意の間隙に落とし込むことが可能となる。
 こうして、斜め掛けされたコイルの一側と他側とを、保持具のガイド棒の所定間隙に落とし込みつつ、コイル保持具の前記ガイド棒の所定間隙にコイルを順次落とし込むことにより、コイルの一側が隣接するコイルの下になって所定間隙に入り、コイルの他側が上記と反対側に隣接するコイルの上に重なって所定間隙に入り、全体として螺旋状に重なり合った状態にコイルをセットすることができる。
 本発明のコイル巻線・セット装置においては、前記コイル落とし込み手段は、前記可動ツールの可動板外面に形成されたガイド溝と、該ガイド溝に沿ってスライド可能に装着されたスライド板と、該スライド板に出没可能に装着された爪部とを有し、前記爪部を突出させた状態で前記スライド板を下降させて、前記爪部により前記巻線保持具の外周に巻き付けられたコイルを押し下げることにより、該当するコイルの側部を前記ガイド棒の所定間隙に落とし込むように構成されていることが好ましい。
 上記態様によれば、爪部を突出させた状態でスライド板を下降させることにより、巻線保持具の外周に巻き付けられたコイルを爪部で押し下げ、ガイド棒の所定の間隙に落とし込むことができる。また、スライド板を上昇させる際に爪部をスライド板内に没せしめることにより、その上部に別のコイルが巻き付けられていても、そのコイルの内側を通過して該コイルの上部で再び突出させることができるので、再びスライド板を下降させることにより、次のコイルをガイド棒の所定の間隙に落とし込むことができる。
 更に、前記爪部は、前記巻線保持具の外周に巻き付けられる各コイルに対応して、前記スライド板の長さ方向に沿って複数設けられており、前記スライド板を下降させると、各コイルが対応する爪部によってそれぞれ押し下げられ、前記スライド板を上昇させると、前記爪部が前記スライド板内に没し、上方に位置するコイルの内側を通って、該コイルの上部に係合するように構成されていることが好ましい。
 上記態様によれば、スライド板を上下動させるだけで、巻線保持具の長さ方向に沿って形成された複数のコイルを下方のものから順次落とし込むことができる。
 本発明のコイル巻線・セット装置においては、前記巻線保持具は、U相、V相、W相の各コイルに対応する3つのものが少なくとも1組設けられており、前記3つの巻線保持具の間及び両側には、前記押え板がそれぞれ配置されており、中央の巻線保持具に対して、両側の巻線保持具及び前記押え板が、それらの端部を近接離反できるように回動可能に支持されており、中央の巻線保持具に対して、両側の巻線保持具及び前記押え板が離れるように回動した位置で、各巻線保持具が前記第1回転装置によって回転して巻線操作が行われ、中央の巻線保持具に対して、両側の巻線保持具及び前記押え板が近接するように回動した位置で、前記コイルの落とし込み操作が行われるように構成されていることが好ましい。
 上記態様によれば、中央の巻線保持具に対して、両側の巻線保持具及び前記押え板が離れるように回動した位置で、U相、V相、W相の各コイルに対応する3つの巻線保持具に同時に巻線を行い、その状態で中央の巻線保持具に対して、両側の巻線保持具及び前記押え板が近接するように回動させ、それぞれの巻線保持具をコイル保持具のガイド棒の間隙に整合し得る配置関係にし、コイル保持具を回転位置決めさせながら、U相、V相、W相の各コイルをガイド棒の所定間隙に順次落とし込むことができる。
 本発明によれば、巻線保持具の外周に巻線して複数のコイルを形成した後、巻線保持具を縮径させて、コイルの一側が他側に対して低い位置になるように斜め掛けにし、その状態で、コイルの一側と他側とをコイル保持具のガイド棒の所定の間隙に順次落とし込むようにしたので、コイルの一側がガイド棒の低い位置に挿入され、コイルの他側がガイド棒の高い位置に挿入される。したがって、コイルの一側が隣接するコイルの下になって所定間隙に入り、コイルの他側が上記と反対側に隣接するコイルの上に重なって所定間隙に入り、全体として螺旋状に重なり合った状態にコイルをセットする際、コイルが積み上がってしまうことを抑制できるので、コイル保持具のガイド棒の長さを低く抑えることができ、コイル挿入操作を容易に行うことが可能となる。
本発明のコイル巻線・セット方法に用いる装置の一例を示す概略正面図である。 同装置の平面図である。 同装置の第1巻枠の横断面図である。 同装置の概略側面図である。 同装置の第2巻枠の横断面図である。 同装置の中子の平面図である。 同装置における巻線時の状態を示す説明図である。 同装置における巻線終了時の状態を示す説明図である。 本発明によるコイルセット方法の一実施形態における第1ステップを示す説明図である。 同コイルセット方法における第2ステップを示す説明図である。 同コイルセット方法における第3ステップを示す説明図である。 同コイルセット方法における第4ステップを示す説明図である。 同コイルセット方法における第5ステップを示す説明図である。 同コイルセット方法における第6ステップを示す説明図である。 同コイルセット方法における第11ステップを示す説明図である。 同コイルセット方法における第12ステップを示す説明図である。 同コイルセット方法における第13ステップを示す説明図である。 同コイルセット方法における第14ステップを示す説明図である。 同コイルセット方法における第15ステップを示す説明図である。 同コイルセット方法における第16ステップを示す説明図である。 同コイルセット方法によりセットされたコイルを有するコイル挿入治具をコイル挿入装置に配置して、ステータコアを装着した状態を示す断面図である。 図21に示す状態からコイル挿入治具を上昇させて、ブレードの先端をステータコアの上端面より突出させた状態を示す断面図である。 図22に示す状態からストリッパを上昇させて、コイルの上半部をステータコアのスロットに挿入した状態を示す断面図である。 図23に示す状態からストリッパを更に上昇させて、コイルをステータコアのスロットに完全に挿入した状態を示す断面図である。 上記方法によりコイルを装着したステータコアの平面図である。 本発明によるコイル巻線・セット装置の一実施形態を示す正面図である。 同装置の右側面図である。 同装置の平面図である。 同装置に用いられる巻線保持具の可動ツールと巻線用巻型とを組み付けた状態を示す正面図である。 同装置に用いられる巻線保持具の可動ツールの拡径状態の側面図である。 同装置に用いられる巻線保持具の可動ツールと巻線用巻型とを組み付けた状態を示す平面図である。 同装置に用いられる巻線保持具の巻線用巻型を示す正面図である。 同装置に用いられる巻線保持具の可動ツールと挿入用巻型とを組み付けた状態を示す正面図である。 同装置に用いられる巻線保持具の可動ツールの縮径状態の側面図である。 同装置に用いられる巻線保持具の可動ツールと挿入用巻型とを組み付けた状態を示す平面図である。 同装置に用いられる挿入用巻型を示す正面図である。 同装置に用いられるU、V、Wの各巻線保持具を、コイル保持具のガイド棒の上方にセットした状態を示す拡大平面図である。 同装置を用いた本発明の一実施形態であるコイル巻線・セット方法において、導線供給装置から繰り出された導線を巻線保持具に固定した状態を示し、01aは平面図、01bは正面図である。 同方法において、巻線保持具の可動ツールに巻線用巻型を下方から挿入した状態を示し、02aは平面図、02bは正面図である。 同方法において、巻線保持具を回転させて導線を巻線保持具の外周に巻付け、最初のコイルを形成した状態を示し、03aは平面図、03bは正面図である。 同方法において、巻線保持具の長手方向に沿って複数のコイルを形成した状態を示し、04aは平面図、04bは正面図である。 同方法において、巻線保持具の可動ツールから巻線用巻型を抜き出し、挿入用巻型を挿入した状態を示し、05aは平面図、05bは正面図である。 同方法において、U,V,Wの各巻線保持具を、それらの両側に配置された押え板を介して、互いに近接させた状態を示し、06aは平面図、06bは正面図である。 同方法において、U,V,Wの各巻線保持具を、コイル保持具の上方に移動させた状態を示し、07aは平面図、07bは正面図である。 同方法において、最初のコイルの一側をコイル保持具のガイド棒の所定間隙に整合させて、該コイルの一側を落とし込んだ状態を示し、08aは平面図、08bは正面図である。 同方法において、最初のコイルの一側をコイル保持具のガイド棒の所定間隙に整合させて、該コイルの一側を落とし込んだ状態を示す部分拡大側面図である。 同方法において、最初のコイルの他側をコイル保持具のガイド棒の所定間隙に整合させて、該コイルの他側を落とし込んだ状態を示し、09aは平面図、09bは正面図である。 同方法において、最初のコイルの他側をコイル保持具のガイド棒の所定間隙に整合させて、該コイルの他側を落とし込んだ状態を示す部分拡大側面図である。
 以下、図面に基づいて本発明によるコイルセット方法及びコイル挿入方法の一実施形態を説明する。図1~図8には、本発明によるコイルセット方法を実施するための装置の一例が示されている。
 図1に示すように、この装置は、巻枠回転装置10と、その下方に配置されたコイル落とし込み装置30とを有している。巻枠回転装置10は、図示しない駆動機構によって昇降動作する昇降フレーム11と、この昇降フレーム11上に設置されたモータ12と、昇降フレーム11の下面に取付けられた第1巻枠13とを有している。第1巻枠13は、昇降フレーム11を貫通して上方に延出された支軸14を介して回転可能に支持され、支軸14には従動プーリ15が装着されている。また、モータ12の図示しない駆動軸には駆動プーリ16が取付けられ、駆動プーリ16及び従動プーリ15に張設されたタイミングベルト17を介して、第1巻枠13が回転するようになっている。
 図2に示すように、モータ12、駆動プーリ16、従動プーリ15及びタイミングベルト17は、昇降フレーム11上に3セットずつ設置されており、昇降フレーム11の下面には、それぞれに対応して第1巻枠13が取付けられている。3つの第1巻枠13は、U相、V相、W相の各コイルを巻線するためのものとなる。
 また、第1巻枠13は、支持板18と、該支持板18から下方に延出された第1支持棒19と、第2支持棒20とを有している(図1参照)。第1支持棒19と第2支持棒20は、図3に示すような断面形状をなし、所定の間隔を開けて平行に配設されている。後述するように、第1支持棒19及び第2支持棒20の外周に導線が巻き付いて、コイルが形成されるようになっている。
 コイル落とし込み装置30は、支柱31と、その上端部に水平な支軸32を介して回転可能に取付けられた回転アーム33と、回転アーム33の両端部に支軸34を介して回転可能に取付けられた第2巻枠35とを有している。回転アーム33が水平状態にあるとき、一方の第2巻枠35は、巻枠回転装置10の第1巻枠13の真下に位置し、他方の第2巻枠35は、コイル保持具60の上方に位置するようになっている。
 図4に示すように、第2巻枠35は、第1枠板36と、第2枠板37と、それらを開閉可能に連結する複数(この実施形態の場合3つ)のリンク38と、第1枠板36及び第2枠板37を閉じる方向に付勢する複数(この実施形態の場合2つ)のスプリング39とを有している。
 図5に示すように、第2巻枠35の第1枠板36と第2枠板37とは、ほぼ平行に配置された棒状部材からなる。そして、前述した昇降フレーム11が図1中に想像線で示すように下降すると、第1巻枠13の第1支持板19及び第2支持板20が、上記第1枠板36と第2枠板37との間に挿入されて、スプリング39の付勢力に抗して、第1枠板36と第2枠板37とを所定の間隙に広げるようになっている。
 また、第2枠板37に隣接して、掻き落とし棒40が第2巻枠37の長手方向にスライド可能に配置されている。この掻き落とし棒40には、所定間隔で爪41が取付けられており、第2巻枠35に巻線されたコイルを爪41で引っ掛けて、下方に移動させてコイル保持具60に落とし込むことができるようになっている。
 コイル保持具60の上方に位置する第2巻枠35の更に上方には、プッシャ装置42が昇降可能に配置されており、該プッシャ装置42は、図示しない駆動機構を介して、上下にスライド可能とされた棒状のプッシャ43を有している。棒状のプッシャ43は、プッシャ装置42が下降するとき、第2巻枠35の掻き落とし棒40の上端に当接し、掻き落とし棒40を下方にスライドさせて、掻き落とし棒40に取付けられた爪41によって、第2巻枠35に巻き付いたコイルを下方に移動させるようになっている。
 更に、第1巻枠13の下方に配置された第2巻枠35の下方には、中子44が水平移動及び上下移動可能に配置されている。中子44は、支持板45と、この支持板45から平行に立設された、第1支持棒46と、第2支持棒47とを有している。第1支持棒46及び第2支持棒47は、図6に示すように、所定の間隔で平行に配設されており、第1巻枠13の第1支持棒19及び第2支持棒20よりも細い棒材で構成されている。また、回転アーム33には、中子44が上昇するとき、第1支持棒46及び第2支持棒47が挿通される挿通孔48が形成されている。
 更に、第1巻枠13の下方に配置された第2巻枠35の側方には、巻線ノズル49が上下移動可能に配置されている。巻線ノズル49は、図示しない導線リールから複数本の導線Wを供給され、複数本の導線Wを並列させた状態で繰り出すようになっている。
 一方、コイル保持具60は、この実施形態では、所定間隔で環状に配列された複数本のブレード61と、各ブレードの外側に配置されたウェッジガイド62とを有し、所定の間隙に引き掛けたコイルをそのままコイル挿入装置に移動させてコイル挿入ができるようなコイル挿入治具をなしている。すなわち、この実施形態の場合、上記ブレード61が本発明におけるガイド棒をなしている。ただし、コイル保持具60としては、トランスファー治具のように、所定間隔で環状に配列された複数本のガイド棒だけを有し、所定間隙に引き掛けたコイルを、上記コイル挿入治具に受け渡すような治具を用いることもできる。
 図7、8に示すように、コイル落とし込み装置30の支柱31、回転アーム33、及び回転アーム33の両端部に装着された第2巻枠35は、U相、V相、W相の各相用に3組設けられており、各相の下方に位置する第2巻枠35(図7,8において上方に位置する第2巻枠35)が、コイル保持具60の各ブレード61の所定の間隙に整合するように所定角度で隣接するように配列されている。また、各相の上方に位置する第2巻枠35の外周には、前述した巻線ノズル49が上下移動可能に配置されている。
 なお、図示を省略したが、この実施形態では、U相、V相、W相の3組の巻枠を有する上記装置が2台設置されており、2台の装置によってコイル保持具60へのコイルの落とし込み作業を2箇所で同時に行うことができるようになっている。
 次に、上記装置を用いた本発明のコイルセット方法について説明する。
 まず、図1に示すように、回転アーム33が水平に位置し、一方の第2巻枠35が第1巻枠13の下方に位置し、他方の第2巻枠35がコイル保持具60の上方に位置した状態で、昇降フレーム11が下降して、第1巻枠13が第2巻枠35の第1枠板36と第2枠板37との間に挿入され、図4の上方の第2巻枠35に示されるように、第1枠板36と第2枠板37との間隔がスプリング39の付勢力に抗して広げられる。この状態を平面的に見たのが図7である。
 この状態で巻線ノズル49から繰り出される複数本の導線Wの一端をそれぞれの第2巻枠37に固定しておき、モータ12を作動させて駆動プーリ16、タイミングベルト17及び従動プーリ15を介して第1巻枠13を回転させると、第1巻枠13及び第2巻枠35が回転し、組み合わせられた両巻枠の外周に導線Wが巻き付いてコイルが形成される。この場合、巻線ノズル49を徐々に上方へ移動させることにより、導線Wを整列させて巻線することができる。
 第1巻枠13及び第2巻枠35を所定方向に所定回数回転させて1つ目のコイルを形成したら、その終端部を第1巻枠13の第2支持棒20の図示しない凸部に引き掛けて、今度は第1巻枠13及び第2巻枠35を上記と逆方向に所定回数回転させると共に、巻線ノズル49を更に上方に移動させることにより、2つ目のコイルを形成することができる。このような操作を繰り返すことによって、各相毎に、第1巻枠13及び第2巻枠35の下方から上方に向けて所定間隔で、所定数のコイルを連続して形成することができる。なお、巻線ノズル49を上方から下方に移動させて、複数のコイルを形成することもできる。
 これによって、U相、V相、W相の3組の巻枠を有する2台の巻線装置によって、後述するU1~U4、V1~V4、W1~W4、並びにU5~U8、V5~V8、W5~W8の各コイルが、対応するそれぞれの巻枠上に渡り線でつながった状態で縦方向に連続的に巻線される。これによって渡り線を短くできるというメリットが得られる。
 こうして、巻線操作が終了したら、上記巻線操作を行った第2巻枠35の下方に中子44を移動させ、その状態で中子44を上昇させると、中子44の第1支持棒46、第2支持棒47が、回転アーム33の挿通孔48を通して上昇し、それらの上端部が第1巻枠13の第1支持棒19及び第2支持棒20の下端に当接する。その状態で、昇降フレーム11を中子44と同期して上昇させると、第2巻枠35の第1枠板36と第2枠板37との間に挿入された、第1巻枠13の第1支持棒19及び第2支持棒20の代りに、中子44の第1支持棒46及び第2支持棒47が挿入されていく。なお、このとき、巻き方向を変えるときに使用した、第1巻枠13の第2支持棒20の図示しない凸部を引き込めて、コイルが引きかかからないようにする。
 そして、第1巻枠13の第1支持棒19及び第2支持棒20が、第2巻枠35の第1枠板36と第2枠板37との間から抜き出され、その代りに中子44の第1支持棒46及び第2支持棒47が挿入されると、図4に示すスプリング39の付勢力によって、上方の第2巻枠35の第1枠板36と第2枠板37との間隔が狭められて、同図の下方に示す第2巻枠35と同様な縮径状態となる。この状態を平面的に見たのが図8である。このとき、第1枠板36と第2枠体37とが長さ方向にずれて縮径するため、第2巻枠35の外周に巻付けられたコイルの一側が高く他側が低くなるようにずれて、斜めに巻付けられた状態となる。なお、図示しない押え板により、コイルの両側を押えながら、第2巻枠35を縮径させることにより、コイルをより確実に斜め掛けされた状態にすることができる。
 こうして、U相、V相、W相用のそれぞれの第2巻枠35に、所定数のコイルが巻付けられて、一側が高く他側が低い斜めに保持された状態となったら、図示しない駆動機構により回転アーム33が回転し、巻線された第2巻枠35及びそれに組み込まれた中子44が、図1のコイル保持具60の上方に移動する。
 そして、コイル保持具60のブレード61の所定の間隙に、所定の第2巻枠35に巻付けられた落とし込むべきコイルが整合した状態で、プッシャ装置42が下降し、プッシャ43によって掻き落とし棒40(図4参照)が押されて下方にスライドし、爪41によって下方に位置するコイルがコイル保持具60のブレード61の所定の間隙に落とし込まれる。このとき、コイル保持具60を、図示しない駆動機構により回動させることにより、所定の第2巻枠35に保持されたコイルが、ブレード61の所定の間隙に整合するように位置決めすることができる。また、コイルの落とし込みは、プッシャ装置42の移動量を調整することによって、コイルの一側ずつ行うこともできるし、コイル全体を一度に落とし込むこともできる。
 図9~20には、こうして巻線されて第2巻枠35に保持されたコイルを1つずつ落とし込みながら、コイル保持具60にセットする手順の一実施形態が示されている。それぞれの図の(a)は平面図、(b)はブレード61を展開して示す説明図である。
 なお、この実施形態では、コイル保持具60として、合計48本のブレード61が環状に配列されたものが用いられている。ただし、図9~20の(b)では、コイルの保持位置を明示するため、両端部の3本のブレードを重複して記載している。
 また、合計48本のブレード61には合計48の間隙が設けられるが、コイルU1の一側(低い位置に保持された側部)が落とし込まれる間隙(図9参照)をS1とし、以下反時計回りにS2…S48と表示する。
 なお、以下の説明では、コイルを落とし込む順番で、最初のコイル、2番目のコイル、3番目のコイル…と表記する。後述するように、この実施形態では、落とし込み作業を周方向の対向する2箇所から反時計方向に向かって同時に開始するため、それぞれの順番のコイルが2つずつ存在することになり、最後のコイルが12番目となる。
 また、図中、U1~U8はU相のコイル、V1~V8はV相のコイル、W1~W8はW相のコイルを表し、U相、V相、W相のコイルがそれぞれ順番に落とし込まれるようになっている。すなわち、図20に示されるように、各相8つずつ、合計24個のコイルが保持されるようになっている。また、それぞれのコイルは、その一側が挿入されたブレード61の間隙に対して、他側はそれから5つ離れた間隙に挿入される(コイルの両側の間に5本のブレード61が入る)ようになっている。
 図9に示されるように、この実施形態では、コイル保持具60の周方向に対向する2箇所からコイルの落とし込み作業が同時に開始され、それぞれの開始箇所を起点にして反時計方向に落とし込み作業が進行する。そして、最初のコイルU1、U5は、その一側(低い位置に保持された側部)を正規の間隙S1、S25に落とし込まれ、他側(高い位置に保持された側部)は、上記間隙S1、S25に隣接する、正規でない間隙S48、S24に落とし込まれる。なお、以下の説明において、「一側」とは、低い位置に保持された側部、言い換えると隣接するコイルの下に入る側部を意味し、「他側」とは、高い位置に保持された側部、言い換えると上記と反対側に隣接するコイルの上に重なる側部を意味することにする。
 この場合、第2巻枠35に保持されたコイルは、その両側がコイル保持具60のブレード61の正規の間隙に整合するように構成されているので、上記コイルU1、U5の落とし込みは、その一側を正規の間隙S1、S25に落とし込んだ後、コイル保持具60を回転させて、コイルU1、U5の他側が正規でない間隙S48、S24に整合するように配置し、その状態で上記他側を落とし込むことによってなされる。以下のコイルにおいて、他側を正規でない間隙に落とし込む場合も、同様に行うことができる。
 図10は、2番目のコイルV1、V5を落とし込んだ状態を示し、2番目のコイルV1、V5は、その一側を正規の間隙S3、S27に落とし込まれ、他側は、上記間隙S3、S27に対して2つ離れた、正規でない間隙S1、S25に落とし込まれる。
 図11は、3番目のコイルW1、W5を落とし込んだ状態を示し、3番目のコイルW1、W5は、その一側を正規の間隙S5、S29に落とし込まれ、他側は、上記間隙S5、S29に対して3つ離れた、正規でない間隙S2、S26に落とし込まれる。
 図12は、4番目のコイルU2、U6を落とし込んだ状態を示し、4番目のコイルU2、U6は、その一側を正規の間隙S7、S31に落とし込まれ、他側は、上記間隙S7、S31に対して4つ離れた、正規でない間隙S3、S27に落とし込まれる。
 図13は、5番目のコイルV2、V6を落とし込んだ状態を示し、5番目のコイルV2、V6は、その一側を正規の間隙S9、S33に落とし込まれ、他側も、上記間隙S9、S33に対して5つ離れた、正規の間隙S4、S28に落とし込まれる。
 このように、5番目のコイルから、コイルの両側を正規の間隙に落とし込むことができるので、第2巻枠35に保持されたコイルの両側が、ブレード61の上記正規の間隙に整合するように位置決めして、コイル全体を一度に落とし込むことができる。
 図14は、6番目のコイルW2、W6を落とし込んだ状態を示し、6番目のコイルW2、W6は、その一側を正規の間隙S11、S35に落とし込まれ、他側も、上記間隙S11、S35に対して5つ離れた、正規の間隙S6、S30に落とし込まれる。
 以下、このような工程を繰り返して、コイルの一側を他のコイルに重ねることなく正規の間隙に落とし込み、コイルの他側を他のコイルに重なるように正規の間隙に落とし込んでいく。その結果、コイルが斜めに重なりながら、螺旋状に配列されていく。
 図15は、上記操作を繰り返して11番目のコイルV4、V8を落とし込んだ状態を示している。11番目のコイルV4、V8は、その一側を正規の間隙S21、S45に落とし込まれ、他側も、上記間隙S21、S45に対して5つ離れた、正規の間隙S16、S40に落とし込まれる。
 なお、11番目のコイルV4,V8の一側が落とし込まれる正規の間隙S21、S45は、1番目のコイルU5、U1の他側が落とし込まれるべき正規の間隙S20、S44よりも、反時計方向に進行した位置にあり、1番目のコイルU5、U1の他側が正規の間隙に落とし込まれている場合には、1番目のコイルU5、U1の他側の上に重なってしまうのであるが、1番目のコイルU5、U1の他側が正規でない間隙S24、S48に落とし込まれているので、1番目のコイルU5、U1の上に重なることなく、そのまま落とし込むことができる。
 図16は、12番目のコイルW4、W8、すなわち最初のコイルU1、U5に隣接する最後のコイルを落とし込んだ状態を示している。12番目のコイルW4、W8は、その一側を正規の間隙S23、S47に落とし込まれ、他側も、上記間隙S23、S47に対して5つ離れた、正規の間隙S18、S42に落とし込まれる。
 なお、12番目のコイルV4,V8の一側が落とし込まれる正規の間隙S23、S47は、1番目のコイルU5、U1の他側が落とし込まれるべき正規の間隙S20、S44、及び2番目のコイルV5、V1の他側が落とし込まれるべき正規の間隙S22、S46に対して、反時計方向に進行した位置にあり、それぞれのコイルU5、U1、V5、V1の他側が正規の位置に落とし込まれている場合には、それらの上に重なってしまうのであるが、上記各コイルU5、U1、V5、V1の他側が正規でない間隙S24、S48、S25、S1に落とし込まれているので、1番目のコイルU5、U1、2番目のコイルV5、V1の上に重なることなく、そのまま落とし込むことができる。
 このように、本発明によれば、最初のコイルやそれに続くいくつかのコイルの他側を正規でない間隙に挿入しておくことにより、最後のコイルに至るまで、そのまま正規の間隙に落とし込むことが可能となり、最初のコイルやそれに続くいくつかのコイルの他側を抜き出し、持ち上げた状態で挿入する必要がないので、作業性が良好になり、作業を自動化することも容易になる。
 図17は、1番目のコイルU1、U5の他側を、正規でない間隙S48、S24から抜き出して、正規の間隙S44、S20に挿入した状態を示している。これによって、1番目のコイルU1、U5の他側が、11番目のコイルV4、V8及び12番目(最後)のコイルW4,W8の上に重なって保持される。このとき、2番目のコイルV1、V5、3番目のコイルW1、W5、4番目のコイルU2、U6の他側が、前述したように正規でない間隙に挿入されていることにより、1番目のコイルU1、U5の他側をその正規でない間隙S48、S24から抜き出すことができる。
 図18は、2番目のコイルV1、V5の他側を、正規でない間隙S1、S25から抜き出して、正規の間隙S46、S22に挿入した状態を示している。これによって、2番目のコイルV1、V5の他側が、12番目(最後)のコイルW4,W8及び1番目のコイルU1、U5の上に重なって保持される。このとき、3番目のコイルW1、W5、4番目のコイルU2、U6の他側が、前述したように正規でない間隙に挿入されていることにより、2番目のコイルV1、V5の他側を、正規でない間隙S1、S25から抜き出すことができる。
 図19は、3番目のコイルW1、W5の他側を、正規でない間隙S2、S26から抜き出して、正規の間隙S48、S24に挿入した状態を示している。これによって、3番目のコイルW1、W5の他側が、1番目のコイルU1、U5及び2番目のコイルV1、V5の上に重なって保持される。このとき、4番目のコイルU2、U6の他側が、前述したように正規でない間隙に挿入されていることにより、3番目のコイルW1、W5の他側を、正規でない間隙S2、S26から抜き出すことができる。
 図20は、4番目のコイルU2、U6の他側を、正規でない間隙S3、S27から抜き出して、正規の間隙S2、S26に挿入した状態を示している。これによって、4番目のコイルU2、U6の他側が、2番目のコイルV1、V5及び3番目のコイルW1、W5の上に重なって保持される。
 こうして、全てのコイルが螺旋状に重なりながら、コイル保持具60のブレード61の所定の間隙に挿入された状態にセットすることができる。すなわち、各コイルは、その一側が隣接するコイルの他側の下になって所定の間隙に挿入され、その他側が反対側に隣接するコイルの一側の上に重なって、上記間隙から所定数離れた間隙(この実施形態では上記間隙から5つ離れた間隙)に挿入された状態にセットされる。
 なお、正規でない間隙に落とし込んでおくコイルの数は、適用すべきステータコアのスロット数、コイルの数、コイルの両側が挿入される間隙の間に入るガイド棒(この実施形態ではブレード)の数などによって変わってくる。
 また、コイルの落とし込み方向は、反時計方向に限らず、時計方向に進めてもよい。更に、コイルの落とし込みは、1箇所からスタートして1周するように行ってもよいし、3箇所からスタートして、120度ほど進んだところで終了するようにしてもよい。
 更に、正規でない間隙に落とし込んだコイルの他側を、正規でない間隙から抜き出して正規の間隙に挿入する作業は、前述したように、最初のコイルから1つずつ順番に行ってもよいが、複数のコイルを正規でない間隙から同時に抜き出して正規の間隙に同時に挿入することもできる。
 次に、図21~25を参照して、上記のようにセットされたコイルを、コイル挿入装置によって、ステータコアに挿入する、本発明のコイル挿入方法の一実施形態について説明する。
 このコイル挿入は、上記の方法でコイル保持具60にセットされたコイルを用い、コイル保持具60として、ブレード61及びウェッジガイド62を有するコイル挿入治具を用いた場合(上記実施形態のような場合)にはそのまま、トランスファー治具のようにガイド棒だけを有するものを用いた場合には、コイル挿入治具に移し替えた後、コイル挿入装置にセットして行うことができる。
 コイル挿入装置としては、通常のコイル挿入装置を用いて行うことができ、図21~24には、その一例が示されている。このコイル挿入装置70は、テーブル71に設置されたコイル挿入治具72を有している。このコイル挿入治具72は、外周にフランジ部74が形成されたほぼ筒状の本体ケース73と、該本体ケース73内に配置された、複数本のウェッジガイド62と、その内側に配置されたブレード61とを有している。そして、コイル挿入治具72は、本体ケース73のフランジ部74を上記テーブル71に支持されて設置されている。
 ブレード61及びウェッジガイド62は、ステータコア65の図示しない内歯に対応して環状に配列されている。ウェッジガイド62は、それらの基部を本体ケース73の内周に挿入されて、ボルトによって固定されている。ブレード61は、それらの基部を筒状のブレードホルダ75にボルトによって固定され、ウェッジガイド62に対応して、それらの内側に配置されている。本体ケース73の下面には、環状の基板76が取付けられて、ブレード61及びブレードホルダ75を支持している。
 ブレード61の更に内側には、ストリッパ77が配置されている。ストリッパ77は、その外周にブレード61の間隙に挿入される複数の押し歯を有しており、ブレード61に引き掛けられたコイルCをステータコア65のスロットに挿入する役割をなす。ストリッパ77の上面中央には、コイルエンドどうしの干渉を避けるためのガイド棒78が立設され、ストリッパ77の下面には筒状アダプタ79が取付けられている。
 基板76の中央の開口には、筒状をなす第1駆動軸80と、この第1駆動軸80内に挿入された第2駆動軸81とが挿入されている。第1駆動軸80は、その上端部がブレードホルダ75に連結可能とされ、第2駆動軸81は、その上端部がストリッパ77の筒状アダプタ79に連結可能とされている。すなわち、第1駆動軸80が上昇すると、ブレードホルダ75を介してブレード61が上昇し、第2駆動軸81が上昇すると、筒状アダプタ79を介してストリッパ77が上昇するようになっている。
 次に、上記コイル挿入装置70を用いて、前記方法でブレード61の所定の間隙にセットしたコイルCを、ステータコア65に挿入する手順を説明する。
 まず、図21に示すように、ブレード61の上端部をステータコア65内に挿入して、ウェッジガイド62の先端がステーコア65の下端面に当接する位置に、ステータコア65を配置する。
 次いで、図22に示すように、第1駆動軸80及び第2駆動軸81を押し上げてブレード61及びストリッパ77を上昇させ、ブレード61の先端部がステータコア65の上端面よりやや突出した位置にする。
 この状態で、図23に示すように、第2駆動軸81だけを更に押し上げてストリッパ77を上昇させ、ストリッパ77の図示しない押し歯によって、ブレード61に引き掛けられてセットされたコイルCをステータコア65のスロットに挿入していく。コイルCは、ブレード61に案内されて、それらの両側が挿入されている、ブレード61の間隙に対応するスロットに挿入されていく。
 そして、図24に示すように、ストリッパ77をステータコア65の上端面から突出するまで押し上げると、コイルCの上方の端部がステータコア65の上端面から突出し、ブレード61の上端部を乗り越えて外方に広がり、ステータコア65のスロットにコイルCが完全に挿入される。
 最後に第1駆動軸80及び第2駆動軸81を下降させて、ストリッパ77及びブレード61を元の位置に復帰させ、ステータコア65をブレード61の先端から取り外すことにより、コイル挿入作業が終了する。
 こうして製造されたコイル付きのステータコア65は、図25に示すように、ステータコア65の端面から突出する各コイルCの端部(コイルエンド)が、螺旋状に重なった形状をなし、その高さが比較的均一で、コンパクトな形状となる。そのため、モータとしたときのトルクムラが小さく、モータの振動や騒音を低減させ、モータの効率をよくすることができるという優れた特性を有している。
 図26~図48には、本発明によるコイル巻線・セット装置の一実施形態が示されている。
 図26~28に示すように、このコイル巻線・セット装置100は、基台110を有し、その一側に支持壁111が立設されている。そして、支持壁111には、上下に伸びる第1ガイドレール112が所定間隔で平行に3本取付けられている。3本の第1ガイドレール112には、それぞれ昇降ベース121を介して、U相、V相、W相の各導線供給装置120U、120V、120Wが取付けられている。各導線供給装置120U、120V、120Wは、テンション装置122と、ノズル123とを有しており、ノズル123から導線が繰り出されるようになっている。また、各導線供給装置120U、120V、120Wは、図示しない駆動装置によって、第1ガイドレール112に沿って昇降動作できるようになっている。
 また、基台110上には、支柱130を介して、支持壁111から水平に伸びる第2ガイドレール131が配設されている。この第2ガイドレール131上には、可動フレーム132が、図示しない駆動機構により同第2ガイドレール131に沿って移動可能に設置されている。可動フレーム132は、第2ガイドレール131に沿って移動可能なスライド板133と、その上方に平行に支持された上板134とを有している。
 更に、上板134上には、ガイド棒135を介して、昇降板136が水平にかつ昇降可能に支持されている。また、上板134に取り付けられたエアシリンダ138(図2参照)のロッド139が、昇降板136に連結されており、エアシリンダ138の作動によって、昇降板136が昇降動作するようになっている。
 また、支持壁111には、上下に伸びる3本の第3ガイドレール137が、U相、V相、W相の各導線供給装置120U、120V、120Wに対応して、平行に取付けられている。各第3ガイドレール137には、昇降ベース190を介して、第1モータ192が昇降可能に装着されている。
 そして、可動フレーム132及び第1モータ192には、U相、V相、W相の各導線供給装置120U、120V、120Wに対応して、U相、V相、W相の各巻線保持具140U、140V、140Wが取付けられている。各巻線保持具140U、140V、140Wは、上板134に支持された可動ツール150と、第1モータ192の回転軸に支持された巻線用巻型170と、昇降板136に支持された挿入用巻型180とで構成されている。
 図29~31に示すように、可動ツール150は、支軸153に、上下2つの平行なリンク154を介して、平行に支持された可動板151,152を有している。可動板151,可動板152は、リンク154を回動させることにより、互いに近接離反可能とされ、それによって拡径状態と縮径状態とを取り得るようになっている。一方の可動板151より、他方の可動板152の方が、やや長く形成されている。支軸153は、その上端部を上板134に回動可能に支持されている。
 可動板151、152の両側縁部の外周には、ガイド溝155がそれぞれ形成されており、そのガイド溝155にスライド板160が上下スライド可能に装着されている。スライド板160には、上下方向に沿って所定間隔で複数の爪部161が設けられており、各爪部161は、下方に向かうほど突出量が多くなるように斜めに突出し、図示しない付勢手段により常時は外方に突出するが、外部から押圧されることによって内方に没することが可能とされている。また、各スライド板160は、図示しない付勢手段によって、常時は上方に付勢されており、その上端が図示しないストッパで規制される位置に保持されるようになっている。
 図32に示すように、巻線用巻型170は、第1モータ192の回転軸に固着された支持板171と、その両端部から立設された前方巻枠172及び後方巻枠173とを有し、各前方巻枠172,後方巻枠173は、支軸176によって支持板171に所定角度だけ傾動可能に支持され、常時は、スプリング175によって内側に傾動した状態とされている。また、巻線用巻型170は、昇降ベース190を第3ガイドレール137に沿って昇降させることにより、第1モータ192と一緒に昇降可能とされている。
 そして、図29,31に示すように、巻線用巻型170は、可動ツール150の可動板151,可動板152間に、前方巻枠172、後方巻枠173を下方から挿入することにより、可動ツール150に組付けられて、可動板151,可動板152を拡開した状態に保持するようになっている。このとき、スプリング175により内側に傾動するように付勢された前方巻枠172、後方巻枠173が、やや広げられて可動板151,可動板152に密接して組付けられる。更に、巻線用巻型170を可動ツール150に挿入した状態で、第1モータ192を作動させることにより、巻線用巻型170と可動ツール150とが互いに組付けられた状態で一体に回転するようになっている。
 また、後方巻枠173には、上下方向に所定間隔で複数の突起174が出没可能に形成されている。この突起174は、1つのコイル巻線が終了した後、その下方に移動して次のコイルを巻線する際、導線を突起174に引き掛けて、逆方向に回転させて巻線することを可能にするためのものである。そして、コイル巻線が終了して巻線用巻型170を可動ツール150から抜き出すときには、突起174は後方巻枠173の内部に没することが可能とされている。
 図33~36に示すように、挿入用巻型180は、昇降板136に着脱可能に支持される支持板181と、該支持板181の両端部から下方にほぼ平行に垂下された前方枠体182、後方枠体183とで構成されている。挿入用巻型180は、エアシリンダ138の作動により昇降板136が昇降すると、それと一緒に昇降動作するようになっている。そして、可動ツール150から巻線用巻型170が下方に抜き出されるとき、可動ツール150に上方から挿入され、前方枠体182,後方枠体183が可動板151,可動板152間に配置されるようになっている。その状態で、押え板210でリンク154を回動させて可動板151、可動板152の間隔を狭めて前方枠体182,後方枠体183に当接させることにより、可動ツール150が縮径状態に保持されるようになっている。このとき、可動板151,可動板152の下端がほぼ同一水平面上に位置するようになっている。
 昇降板136上には、プッシャ装置200が設置されている。プッシャ装置200は、昇降板136上に立設された複数の支柱201を介して水平に架設された支持板202を有している。この支持板202上に、U相、V相、W相の各巻線保持具140U、140V、140Wに対応して、3つのエアシリンダ203が設置されており、それらの作動ロッドの下端部に、フランジ状のホルダを介して、長いプッシャ204と,短いプッシャ205とが、それぞれ2本ずつ合計4本、ほぼ平行に垂下するように取付けられている。後述する態様で、U相、V相、W相の各巻線保持具140U、140V、140Wが近接するように移動したとき、プッシャ204は、可動ツール150の一側にある可動板151に装着されたスライド板160を上方から押すことができる位置に設けられ、プッシャ205は、可動ツール150の他側にある可動板152に装着されたスライド板160を上方から押すことが出来る位置に設けられている。すなわち、上記状態で、エアシリンダ203が作動し、プッシャ204、プッシャ205が下降すると、対応するスライド板160が押し下げられて、スライド板160に設けられた爪部161により、対応する巻線保持具140U、140V、140Wに巻線されたコイルが押し下げられるようになっている。この実施形態では、上記プッシャ装置200及びスライド板160が、本発明におけるコイル落とし込み手段をなしている。
 基台110の支持壁111に対して反対側の上面には、コイル保持具220が設置されている。この実施形態においては、コイル保持具220は、コイル挿入治具をなしており、円筒状のホルダ221に下端部を保持されて、図示しない適用すべきステータコアの内歯に対応して円環状に配列された複数のガイド棒(ブレード)222と、その外側に配置されたウェッジガイド223を有している。コイル保持具220は、基台110上に回転可能に設置されており、基台110に設置された第2モータ224によって回転するようになっている。
 前述したように、可動フレーム132は、第2ガイドレール131に沿って移動可能とされており、可動フレーム132をコイル保持具220方向に移動させることにより、各巻線保持具140U、140V、140Wがコイル保持具220上に配置されるようになっている。
 図28,37に示すように、U相、V相、W相の各巻線保持具140U、140V、140Wは、所定間隔で互いに平行に配置された状態から、一方の端部を寄せて互いに近接した状態に移動できるように配置されている。すなわち、巻線保持具140Vは、上板134の下面に固定配置された中央板216に支持されており、その両側の巻線保持具140U、140Wは、中央板216に対して支軸212を介して回動可能に取付けられた可動板211に支持されている。また、各巻線保持具140U、140V、140Wの両側には、支軸212、支軸213を介して、その基端部を中央板216及び可動板211に回動可能に取付けられた押え板210が配置されている。各押え板210は、図示しない付勢手段により、互いに離れて外側に開くように常時付勢されており、最も両側に配置された押え板210の基部は、可動板211に取付けられた開き止め217によって外側への開き角度を規制されるようになっている。また、最も両側に配置された押え板210の外面には、上板134に取付けられたエアシリンダ214のロッド215が連結されている。
 可動ツール150に巻線用巻型170が挿入されて、巻線を行う際には、各巻線保持具140U、140V、140Wは、所定間隔で互いに平行に配置され、押え板210も互いに平行に支持される。したがって、第1モータ192により、各巻線保持具140U、140V、140Wが回転しても、互いに干渉しないようになっている。
 一方、巻線が終了して、可動ツール150から巻線用巻型170が抜き出され、挿入用巻型180が可動ツール150に挿入され、可動フレーム132が第2ガイドレール131に沿って移動して、各巻線保持具140U、140V、140Wがコイル保持具220の上方に配置されるときには、エアシリンダ214のロッド215が押出され、図12に示すように、可動板211が支軸212を中心に回動し、押え板210も支軸212、213を中心に回動して、各巻線保持具140U、140V、140Wの前端部が互いに近接した状態になる。
 このとき、同時に可動ツール150のリンク154が回動し、可動板151、152の間隔が狭められて縮径し、挿入用巻型180に密接して、各巻線保持具140U、140V、140Wが縮径形状となる。各巻線保持具140U、140V、140Wの外周に巻付けられたコイルは、それらの内側に配置された可動板151、152の移動方向に沿って両側が移動し、コイルの一側(可動板151に当接する側部)が下方に位置し、コイルの他側(可動板152に当接する側部)が上方に位置して、斜め掛けされた状態となる。また、各巻線保持具140U、140V、140Wが縮径するとき、コイルが緩むことになるが、コイルの両側が押え板210によって押え付けられるので、コイルを対応する巻線保持具140U、140V、140Wに密接させた状態で、斜め掛けさせることができる。
 次に、このコイル巻線・セット装置100を用いた、本発明のコイル巻線・セット方法の一実施形態を説明する。
 図38に示すように、まず、各導線供給装置120U、120V、120Wから、図示しないグリッパーで導線Wを保持して引き出し、対応する巻線保持具140U、140V、140Wの可動ツール150に固定する。このとき、巻線用巻型170及び挿入用巻型180は、可動ツール150から抜き出された状態となっている。また、可動フレーム132は、導線供給装置120U、120V、120Wに近接した位置にあり、各巻線保持具140U、140V、140Wの可動ツール150は、対応する巻線用巻型170の上方に位置している。
 図39に示すように、第3ガイドレール137に沿って、第1モータ192及び巻線用巻型170が上昇し、各巻線保持具140U、140V、140Wの可動ツール150に、対応する巻線用巻型170が挿入される。その結果、図4,6に示すように、巻線用巻型170によって、可動ツール150の可動板151,152が拡径した状態に保持される。
 図40に示すように、第1モータ192により巻線用巻型170を回転させ、それによって巻線用巻型170と一体の可動ツール150も回転させる。そして、各導線供給装置120U、120V、120Wを徐々に下降させて、可動ツール150及び巻線用巻型170の外周に導線Wを巻付けつつ、巻付け位置を下方に移動させて、最初のコイルC1を形成する。
 図41に示すように、1つのコイルの巻線が終了したら、巻線用巻型170の突起174(図4,7参照)に導線Wを引き掛けて、各導線供給装置120U、120V、120Wを下降させ、第1モータ192を前回と逆方向に回転させて次のコイルを巻線する。こうして、交互に巻き方向を変えて巻線し、各巻線保持具140U、140V、140Wの軸方向に沿って、複数のコイルC1、C2、C3、C4を形成する。
 図42に示すように、巻線保持具140U、140V、140Wに対する巻線操作が終了したら、第3ガイドレール137に沿って、第1モータ192及び巻線用巻型170を下降させ、可動ツール150から巻線用巻型170を抜き出すと共に、エアシリンダ138により昇降板136を下降させて(図2参照)、可動ツール150に対応する挿入用巻型180を上方から挿入する。
 図43に示すように、昇降板136から挿入用巻型180が切り離され、昇降板136が一端上昇し、その状態でエアシリンダ214のロッド215が押出され、図12に示すように、可動板211が支軸212を中心に回動し、押え板210も支軸212、213を中心に回動して、各巻線保持具140U、140V、140Wの前端部が互いに近接した状態になる。
 このとき、図33,34,35に示すように、可動ツール150のリンク154が回動し、可動板151、152の間隔が狭められて縮径し、挿入用巻型180に密接して、各巻線保持具140U、140V、140Wが縮径形状となる。各巻線保持具140U、140V、140Wの外周に巻付けられたコイルは、それらの内側に配置された可動板151、可動板152の移動方向に沿って両側が移動し、コイルの一側(可動板151に当接する側部)が下方に位置し、コイルの他側(可動板152に当接する側部)が上方に位置して、斜め掛けされた状態となる。また、各巻線保持具140U、140V、140Wが縮径するとき、コイルが緩むことになるが、コイルの両側が押え板210によって押さえ付けられるので、コイルを対応する巻線保持具140U、140V、140Wに密接させた状態で、斜め掛けさせることができる。その後、昇降板136は再び下降して巻線保持具140U、140V、140Wの直上位置に戻る。
 図44に示すように、可動フレーム132が第2ガイドレール131に沿って移動し、各巻線保持具140U、140V、140Wが、コイル保持具220の上方に配置される。このとき、図12に示すように、各巻線保持具140U、140V、140Wの両側が、コイル保持具(コイル挿入治具)220のガイド棒(ブレード)222の所定の間隙に対応するようになっている。また、各巻線保持具140U、140V、140Wの両側が整合する間隙は、第2モータ224によりコイル保持具220を回転させることにより、自由に変更することができるようになっている。
 図45、46に示すように、1つの巻線保持具140Uに対応するエアシリンダ203によりプッシャ204,205を途中まで下降させ、その先端によって、同巻線保持具140Uの可動ツール150のスライド板160(図33,35参照)を押下げ、最下方に巻付けられたコイルC4の一側を、コイル保持具220のガイド棒222の所定の間隙に挿入する。
 図47、48に示すように、第2モータ224によってコイル保持具220を回転させ、コイル保持具220のガイド棒(ブレード)222の別の所定の間隙を、巻線保持具140Uに保持されたコイルC4の他側に整合させる。その状態で、エアシリンダ203によりプッシャ204,プッシャ205を更に下降させ、コイルC4の他側をコイル保持具220のガイド棒222の別の所定の間隙に挿入する。
 このように、コイルの一側の落とし込みと、コイルの他側の落とし込みとを、順次行うことができるので、その間でコイル保持具220を回転させて、コイルの他側が整合する、コイル保持具220のガイド棒222の間隙を変更することができ、コイルの両側をガイド棒222の任意の間隙に落とし込むことが可能となる。また、コイルは巻線保持具140Uに斜め掛けされているので、その一側はガイド棒222の低い位置に、他側は高い位置に挿入される。
 こうして、巻線保持具140Uに保持された最下方のコイルC4の落とし込みが終了したら、エアシリンダ203によりプッシャ204、205を上昇させることにより、スライド板160が図示しない付勢手段によって上昇して元の位置に戻る。このとき、スライド板160の爪部161が、その上方に配置されたコイルC2、C3、C4に押圧されてスライド板160内に没して、コイルC2、C3、C4の内側を通過し、それぞれのコイルC2、C3、C4の上方に抜け出して、対応するコイルC2、C3、C4の上方に係合する。このため、再びスライド板160を下降させることにより、次のコイルC2を落とし込むことができ、このような操作を繰り返すことによって下方のコイルから順次落とし込み作業を行うことができる。
 巻線保持具140Uに保持されたコイルC4の落とし込み作業が終了したら、次に、巻線保持具140Vに保持されたコイルC4の落とし込み作業を行い、続いて、巻線保持具140Wに保持されたコイルC4の落とし込み作業を行う。そして、巻線保持具140Uに保持されたコイルC3の落とし込み作業を行い、以下同様にして、各巻線保持具140U、140V、140Wに保持されたU,V,Wの各コイルを、その下方から順次落とし込んで、各コイルの一側が下方に入り、他側が隣接するコイルの一側の上に重なるようにコイルを落とし込んでいく。
 このコイル落とし込み操作は、前記図9~20により説明した操作と同じなので、その説明を省略することにする。
 また、コイル保持具220にセットされたコイルをコイル挿入装置70によってステータコア65に挿入する操作は、前記図21~25により説明した操作と同じなので、その説明を省略することにする。
10   巻枠回転装置
12   モータ
13   第1巻枠
14   支軸
15   従動プーリ
16   駆動プーリ
17   タイミングベルト
18   支持板
19   第1支持棒
20   第2支持棒
30   コイル落とし込み装置
31   支柱
32   支軸
33   回転アーム
34   支軸
35   第2巻枠
36   第1枠板
37   第2枠板
38   リンク
39   スプリング
40   掻き落とし棒
41   爪
42   プッシャ装置
43   プッシャ
44   中子
45   支持板
46   第1支持棒
47   第2支持棒
48   挿通孔
49   巻線ノズル
60   コイル保持具
61   ブレード
62   ウェッジガイド
65   ステータコア
70   コイル挿入装置
71   テーブル
72   コイル挿入治具
73   本体ケース
74   フランジ部
75   ブレードホルダ
76   基板
77   ストリッパ
78   ガイド棒
79   筒状アダプタ
80   第1駆動軸
81   第2駆動軸
100 コイル巻線・セット装置
110 基台
111 支持壁
112 ガイドレール
120 導線供給装置
120U、120V、120W 導線供給装置
121 昇降ベース
122 テンション装置
123 ノズル
130 支柱
131 ガイドレール
132 可動フレーム
133 スライド板
134 上板
135 ガイド棒
136 昇降板
137 ガイドレール
138 エアシリンダ
139 ロッド
140 巻線保持具
140U,140V,140W 巻線保持具
150 可動ツール
151,152 可動板
153 支軸
154 リンク
155 ガイド溝
160 スライド板
161 爪部
170 巻線用巻型
171 支持板
172 前方巻枠
173 後方巻枠
174 突起
175 スプリング
176 支軸
180 挿入用巻型
181 支持板
182 前方枠体
183 後方枠体
190 昇降ベース
192 モータ
200 プッシャ装置
201 支柱
202 支持板
203 エアシリンダ
204,205 プッシャ
210 押え板
211 可動板
212 支軸
214 エアシリンダ
215 ロッド
216 中央板
220 コイル保持具
221 ホルダ
222 ガイド棒
223 ウェッジガイド
224 モータ
C コイル
C1,C2,C3,C4 コイル
S1~S48 間隙
U1~U8、V1~V8、W1~W8 コイル
W 導線

Claims (13)

  1.  導線を巻線してコイルを形成し、ステータコアの内歯に対応して円環状に配列された複数本のガイド棒を有するコイル保持具の前記ガイド棒の所定間隙にコイルを順次落とし込み、コイルの一側が隣接するコイルの下になって所定間隙に入り、コイルの他側が上記と反対側に隣接するコイルの上に重なって所定間隙に入り、全体として螺旋状に重なり合った状態にコイルをセットするコイル巻線・セット方法において、
     導線供給装置から供給される導線を巻線保持具の外周に所定回数ずつ巻付けて、該巻線保持具の長手方向に沿って複数のコイルを形成する巻線工程と、
     前記巻線保持具を縮径させて、前記巻線保持具の外周に巻付けられたコイルの一側が他側に対して低い位置になるように斜め掛けにするコイル傾斜工程と、
     前記コイル保持具のガイド棒の所定間隙に、斜め掛けされたコイルの一側を整合させて、該コイルの一側を前記ガイド棒の所定間隙に落とし込み、次いで必要に応じて前記コイル保持具を回転させ、前記コイル保持具のガイド棒の別の所定間隙に、斜め掛けされたコイルの他側を整合させて、該コイルの他側を前記ガイド棒の別の所定間隙に落とし込むコイル落とし込み工程とを含むことを特徴とするコイル巻線・セット方法。
  2.  前記コイル傾斜工程は、前記巻線保持具の外周に巻付けられたコイルの両側を押さえ板で押さえつつ、前記巻線保持具を縮径させて行う請求項1記載のコイル巻線・セット方法。
  3.  前記ガイド棒の所定の位置からコイルを落とし込み始める際、最初のコイル及びそれに続くいくつかのコイルの他側であって、最後のコイル及びその前のいくつかのコイルの一側を落とし込む際に干渉するもの、及び前のコイルの他側が正規でない間隙に落とし込まれていて、正規の間隙に落とし込むと前のコイルの他側が抜き出せなくなるものについては、それらに干渉しない正規でない間隙に落とし込んでおき、最後のコイルが落とし込まれた後、正規でない間隙に落とし込まれた、最初のコイル及びそれに続くいくつかのコイルの他側を抜き出して正規の間隙に落とし込む請求項1又は2記載のコイル巻線・セット方法。
  4.  最初のコイルに続くいくつかのコイルの他側を正規でない間隙に落とし込む際には、最初にコイルの一側を正規の間隙に落とし込み、次いでコイル保持具を回転させて、前記正規でない間隙をコイルの他側の下方に配置させ、その状態で前記コイルの他側を前記正規でない間隙に落とし込む請求項3記載のコイル巻線・セット方法。
  5.  前記コイルを複数のグループに分けて、前記コイル保持具の複数箇所から各グループのコイルを同時に落とし込んでいき、最初のコイルに隣接する他のグループの最後のコイルが落とし込まれた後、前記最初のコイル及びそれに続くいくつかのコイルの他側を抜き出して正規の間隙に落とし込む請求項3又は4記載のコイル巻線・セット方法。
  6.  前記巻線保持具として、U相、V相、W相の各コイルに対応する3つの巻線保持具を少なくとも1組用い、前記巻線工程において、それぞれの巻線保持具の外周に所定回数ずつ巻き方向を変えながら巻き付けて、該巻線保持具の長手方向に沿って複数のコイルを形成した後、前記コイル落とし込み工程の際、U相、V相、W相の各コイルを順番に落とし込む請求項1~5のいずれか1つに記載のコイル巻線・セット方法。
  7.  前記巻線保持具として、平行リンクによって互いの間隔を変更可能とされた一対の可動板からなる可動ツールと、前記巻線工程時に前記可動ツールに挿入され、前記可動板を拡開状態に保持する巻線用巻型と、前記コイル傾斜工程の際、前記可動ツールに挿入され、前記可動板を縮径状態に保持する挿入用巻型とを備えたものを用い、該巻線保持具の両側には前記押さえ板を配置して、前記コイル傾斜工程の際、前記巻線用巻型を抜き出すと共に前記挿入用巻型を挿入し、前記押さえ板でコイルの両側を押さえつつ、前記可動ツールの一対の可動板の間隔を狭めて、コイルの一側が他側に比べて低くなるように斜め掛けさせる請求項1~6のいずれか1つに記載のコイル巻線・セット方法。
  8.  前記巻線保持具として、前記可動ツールの可動板外面にガイド溝を形成して、コイルを引き掛ける出没可能な爪部を有するスライド板を装着したものを用い、前記コイル落とし込み工程の際、前記スライド板を下降させて、前記爪部によってコイルを押し下げることにより、該当するコイルの側部を前記ガイド棒の所定間隙に落とし込む請求項7記載のコイル巻線・セット方法。
  9.  請求項1~8のいずれか1つの方法によってコイル保持具にコイルをセットした後、該コイル保持具がコイル挿入治具である場合にはそのまま、該コイル保持具がトランスファー治具である場合にはコイル挿入治具にコイルを移した後、該コイル挿入治具の上部にステータコアをセットして、コイル挿入装置によってコイルを挿入することを特徴とするコイル挿入方法。
  10.  導線を巻線してコイルを形成し、ステータコアの内歯に対応して円環状に配列された複数本のガイド棒を有するコイル保持具の前記ガイド棒の所定間隙にコイルを順次落とし込み、コイルの一側が隣接するコイルの下になって所定間隙に入り、コイルの他側が上記と反対側に隣接するコイルの上に重なって所定間隙に入り、全体として螺旋状に重なり合った状態にコイルをセットするコイル巻線・セット装置において、
     前記コイル保持具と、導線を外周に巻付けてコイルを形成する巻線保持具と、該巻線保持具に対して相対移動しつつ導線を巻線保持具に供給する導線供給装置と、巻線時に該コイル巻線保持具を回転させる第1回転装置と、前記巻線保持具の両側に配置されて前記巻線保持具に保持されたコイルの両側を押える押え板と、前記巻線保持具に保持されたコイルを前記コイル保持具のガイド棒の所定間隙に整合させるコイル整合手段と、前記巻線保持具に保持されたコイルを前記コイル保持具の所定間隙に落とし込むコイル落とし込み手段とを備え、
     前記巻線保持具は、平行リンクによって互いの間隔を変更可能とされた一対の可動板からなる可動ツールと、巻線時に前記可動ツールに挿入されて前記可動板を拡開状態に保持する巻線用巻型と、コイル落とし込み時に前記可動ツールに挿入されて前記可動板を縮径状態に保持する挿入用巻型とを有し、
     前記可動ツールに前記巻線用巻型を挿入し、前記巻線保持具の外周に導線を巻き付けてコイルを形成した状態で、前記巻線用巻型を前記可動ツールから抜き出すと共に、前記挿入用巻型を前記可動ツールに挿入し、前記押え板によって前記コイルの両側を押さえつつ前記平行リンクを回動させて前記一対の可動板の間隔を狭めて縮径させることにより、前記コイルの一側が他側に対して低い位置になって斜め掛けされるように構成されており、
     前記コイル整合手段は、前記巻線保持具を前記コイル保持具上の所定位置に移動させる巻線保持具移動手段と、前記巻線保持具に斜め掛けされて保持されたコイルのそれぞれの側部を前記コイル保持具のガイド棒の所定の間隙に整合するように、前記コイル保持具を回転させる第2回転装置とを有していることを特徴とするコイル巻線・セット装置。
  11.  前記コイル落とし込み手段は、前記可動ツールの可動板外面に形成されたガイド溝と、該ガイド溝に沿ってスライド可能に装着されたスライド板と、該スライド板に出没可能に装着された爪部とを有し、前記爪部を突出させた状態で前記スライド板を下降させて、前記爪部により前記巻線保持具の外周に巻き付けられたコイルを押し下げることにより、該当するコイルの側部を前記ガイド棒の所定間隙に落とし込むように構成されている請求項10記載のコイル巻線・セット装置。
  12.  前記爪部は、前記巻線保持具の外周に巻き付けられる各コイルに対応して、前記スライド板の長さ方向に沿って複数設けられており、前記スライド板を下降させると、各コイルが対応する爪部によってそれぞれ押し下げられ、前記スライド板を上昇させると、前記爪部が前記スライド板内に没し、上方に位置するコイルの内側を通って、該コイルの上部に係合するように構成されている請求項11記載のコイル巻線・セット装置。
  13.  前記巻線保持具は、U相、V相、W相の各コイルに対応する3つのものが少なくとも1組設けられており、前記3つの巻線保持具の間及び両側には、前記押え板がそれぞれ配置されており、中央の巻線保持具に対して、両側の巻線保持具及び前記押え板が、それらの端部を近接離反できるように回動可能に支持されており、中央の巻線保持具に対して、両側の巻線保持具及び前記押え板が離れるように回動した位置で、各巻線保持具が前記第1回転装置によって回転して巻線操作が行われ、中央の巻線保持具に対して、両側の巻線保持具及び前記押え板が近接するように回動した位置で、前記コイルの落とし込み操作が行われるように構成されている請求項10~12のいずれか1つに記載のコイル巻線・セット装置。
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