WO2012128166A1

WO2012128166A1 - ミキサドラム駆動装置

Info

Publication number: WO2012128166A1
Application number: PCT/JP2012/056642
Authority: WO
Inventors: 良光高橋
Original assignee: カヤバ工業株式会社
Priority date: 2011-03-24
Filing date: 2012-03-15
Publication date: 2012-09-27
Also published as: CN103459200B; AU2012232239A1; EP2689958A4; US20140010035A1; JP2012201145A; AU2012232239B2; CN103459200A; NZ615636A; EP2689958A1

Abstract

　ミキサドラム駆動装置は、ミキサ車の架台に前傾状態で回転自在に搭載されるミキサドラムと、ミキサドラムを回転駆動する駆動源と、を備え、駆動源は、ミキサドラムの後部と架台の後部との間の空間に配設され、ミキサドラムを回転駆動させる電動機を備える。

Description

ミキサドラム駆動装置

　本発明は、ミキサ車のミキサドラムを駆動するミキサドラム駆動装置に関する。

　ミキサ車は、架台に回転自在に搭載されるミキサドラム内にモルタルやレディミクストコンクリート等の生コンクリートを積載して、生コンクリート工場から工事現場まで運搬する車両である。

　ミキサ車は、生コンクリートの品質劣化及び固化を防止するため、生コンクリートの運搬時にミキサドラムを正回転させ、ミキサドラム内に設置された複数の螺旋状ブレードで生コンクリートを撹拌している。また、ミキサ車は、ミキサドラムを正回転とは逆方向に回転させることで、ミキサドラム内の生コンクリートを排出することができるように構成されている。コンクリート打設現場に到着すると、ミキサ車はミキサドラムを逆回転させて生コンクリートを打設箇所へ供給する。

　上記のようなミキサ車では、生コンクリートを排出するまで、ミキサドラムを常に回転させる必要がある。ミキサドラムの駆動源としては、ミキサ車のエンジンが用いられることが一般的である。具体的には、ＰＴＯ（Ｐｏｗｅｒ　Ｔａｋｅ　Ｏｆｆ）を介してエンジンの動力を油圧ポンプに伝達し、油圧ポンプから吐出される作動油を油圧モータへ供給して、作動油により駆動される油圧モータの回転でミキサドラムを回転駆動する。

　エンジンのみでミキサドラムを駆動するミキサドラム駆動装置では、ミキサドラムを高速回転させる場合等にエンジン回転数を上げる必要がある。このようにエンジン回転数を上げると、騒音が発生するとともに燃料消費が多くなる。

　ＪＰ２００７－２７８４３０Ａには、エンジンによる主油圧ポンプの駆動に併せて、電動機で副油圧ポンプを駆動して、ミキサドラムを回転駆動するミキサドラム駆動装置が開示されている。

　上記した従来技術によるミキサドラム駆動装置では、エンジンにより駆動される油圧ポンプ及び電動機により駆動される副油圧ポンプで一つの油圧モータを駆動する関係上、主油圧ポンプや、副油圧ポンプ、電動機、電動機を制御するためのインバータ等の駆動装置の全部を、ミキサ車の運転室とミキサドラムの間の架台上に設置する必要がある。そのため、架台上におけるミキサドラムの搭載スペースが圧迫されていた。このようにミキサドラムの搭載スペースが圧迫されると、生コンクリートの積載量が減少し、運搬効率が低下してしまう。

　また、従来技術によるミキサドラム駆動装置では、運転室とミキサドラムの間に駆動装置の全荷重がかかるので、駆動装置配設位置における架台やシャシフレームの強度を高める必要がある。架台やシャシフレームの強度を高めると、ミキサ車の車両重量（車両のみの重量）が重くなる。ミキサドラムに積載される生コンクリートの最大積載量は車両総重量から車両重量を引いた値となるので、ミキサ車の車両重量が重くなればなるほど、生コンクリートの最大積載量が減少し、運搬効率が低下してしまう。

　本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、運搬効率の低下を招かずに、ミキサドラムを電動機で駆動するミキサドラム駆動装置を提供することを目的とする。

　本発明のある態様によれば、ミキサ車の架台に前傾状態で回転自在に搭載されるミキサドラムと、前記ミキサドラムを回転駆動する駆動源と、を備え、前記駆動源は、前記ミキサドラムの後部と前記架台の後部との間の空間に配設され、前記ミキサドラムを回転駆動させる電動機を備えるミキサドラム駆動装置が提供される。

　本発明の実施形態及び利点については、添付された図面を参照しながら以下に詳細に説明する。

図１は、本発明の第１実施形態によるミキサドラム駆動装置の概略構成図である。図２は、ミキサドラム駆動装置を搭載するミキサ車の側面図である。図３は、ミキサ車の架台に搭載されたミキサドラムの背面図である。図４は、第１実施形態の一変形例によるミキサドラム駆動装置の斜視図である。図５は、第１実施形態の他の変形例によるミキサドラム駆動装置の概略構成図である。図６は、本発明の第２実施形態によるミキサドラム駆動装置の概略構成図である。

　図面を参照して、本発明の第１実施形態によるミキサドラム駆動装置について説明する。

　図２及び図３に示すように、ミキサ車Ｖは、車両前方に設けられる運転室Ｏと、運転室Ｏの後方に設けられた架台Ｃと、から構成されている。架台Ｃの後部には脚Ｔが取り付けられており、脚Ｔには四つのドラムローラＲが回転自在に備え付けられている。これらドラムローラＲは、車両幅方向に並設されており、下側からミキサドラムＭを回転自在に支持している。

　ミキサドラム駆動装置Ｓは、ミキサドラムＭを駆動する装置である。ミキサドラム駆動装置Ｓは、架台Ｃに回転自在に搭載されるミキサドラムＭと、ミキサドラムＭを回転駆動する駆動源Ｄと、を備える。ミキサドラムＭを回転駆動する駆動源Ｄは、ミキサ車Ｖの架台Ｃに設置される。

　ミキサドラムＭは、後端が開口する有底筒状に形成されている。ミキサドラムＭは、ドラムシェル１と、ドラムシェル１の後側端外周に設けられるローラリング２と、～構成されている。ミキサドラムＭ（ドラムシェル１）の前側端に設けられた軸心部は、架台Ｃに設けられた支持部に支持されている。ミキサドラムＭは、ローラリング２が脚Ｔの四つのローラＲに下方から支持されることで、架台Ｃに回転自在に設けられる。ミキサドラムＭは、後側端が上方に持ち上げられた前傾姿勢で架台Ｃに設置されている。

　なお、図示はしないが、ドラムシェル１の内周面には、複数の螺旋状のブレードが設けられている。駆動源ＤによってミキサドラムＭが正回転すると、ブレードはミキサドラムＭ内の生コンクリートを前側に移動させながら撹拌する。ミキサドラムＭ内に生コンクリートを投入する場合には、ミキサドラムＭを撹拌時よりも高速で正回転させる。一方、駆動源ＤによってミキサドラムＭが逆回転すると、ブレードはミキサドラムＭ内の生コンクリートを後側に移動させ、ミキサドラムＭ内から排出することができるようになっている。

　図１及び図３に示すように、駆動源Ｄは、前傾姿勢のミキサドラムＭの後部と架台Ｃの後部との間の空間において架台Ｃ上に設けられている。駆動源Ｄは、電動機３と、電動機３に連結された減速機４と、減速機４の出力軸４ａに設けられたスプロケット５と、各ドラムローラＲの回転軸ＲＳに設けられたスプロケット６と、スプロケット５，６に巻き回されるローラチェーン７と、電動機３に電力を供給する電源Ｂと、を備える。架台Ｃにおいてミキサ車Ｖの進行方向である前後方向の中央位置から後方が、架台Ｃの後部となり、駆動源Ｄを構成する各構成部材は架台Ｃの後部に設けられている。駆動源Ｄは、電動機３を正回転又は逆回転させることにより、ドラムローラＲを介して、ミキサドラムＭを正回転又は逆回転させるように構成されている。

　なお、ローラチェーン７に所定のテンションを与えるため、スプロケット５とスプロケット６の間、及びスプロケット６，６間には補助スプロケットＷが設けられている。四つの補助スプロケットＷは、ドラムローラＲと同様に、脚Ｔに回転自在に取り付けられている。

　電動機３は、回転型の電動機である。電動機３は、スプロケット５，６及びローラチェーン７を介して、全てのドラムローラＲを回転駆動させる。ローラチェーン７の代わりに、ベルトをスプロケット５，６に巻き回して、電動機３の動力をドラムローラＲに伝達してもよい。また、スプロケット５，６及びローラチェーン７等の動力伝達機構ではなく、複数の歯車を用いて電動機３の動力をドラムローラＲに伝達してもよい。

　駆動源Ｄでは、電源Ｂから供給される電力に基づいて電動機３を駆動し、四つのドラムローラＲを回転させることで、ミキサドラムＭを回転駆動する。全てのドラムローラＲが電動機３によって回転駆動されるので、一部のドラムローラＲとミキサドラムＭのローラリング２の間にすべりが生じても、その他のドラムローラＲでミキサドラムＭを安定して回転駆動させることができる。なお、四つのドラムローラＲのうち一部のドラムローラＲだけを電動機３により駆動する構成としてもよい。この場合、電動機３により駆動されないドラムローラＲは、ミキサドラムＭを下方から支持する支持部材として機能する。

　ドラムローラＲの設置数は、必要に応じて任意に設定される。ドラムローラＲの設置数は、例えば二以上であり、ミキサドラムＭを車両進行方向に対して左右に偏りなく支持することができる数に設定される。ドラムローラＲの設置数を増やし、全てのドラムローラＲを電動機３により駆動すれば、ドラムローラＲの空転によるミキサドラムＭの回転不良の発生を抑制することができる。

　駆動源Ｄでは、減速機４を用いて、電動機３とスプロケット５の間の減速比を調整している。しかしながら、スプロケット５，６の歯数でも減速比を調整することができるので、スプロケット５，６により減速比を設定する場合には減速機４を設ける必要はない。また、電動機３のトルクが十分に大きいのであれば、電動機３とドラムローラＲの間に減速機構を設けなくてもよい。

　第１実施形態によるミキサドラム駆動装置Ｓでは、ミキサドラムＭを駆動する駆動源Ｄを構成する電動機３が架台Ｃの後部、つまり前傾姿勢のミキサドラムＭの後部と架台Ｃの後部との間の空間に設けられる。駆動源Ｄがミキサ車Ｖの運転室ＯとミキサドラムＭとの間に設けられないため、架台Ｃ上におけるミキサドラムＭの搭載スペースを確保することができる。したがって、ミキサドラムＭの容量が圧迫されることがなく、生コンクリートの積載量を十分に確保することができる。これにより、生コンクリートの運搬量の低下を防止でき、運搬効率の低下を招かずにミキサドラムＭを電動機３で駆動することができる。また、運搬効率の低下を招かないので、ミキサ車Ｖにおける消費燃料量も低減させることができる。

　ミキサドラム駆動装置Ｓでは、駆動源Ｄの電動機３のみによってミキサドラムＭを回転させており、従来技術によるミキサドラム駆動装置のようにエンジンにより駆動される主油圧ポンプや電動機により駆動される副油圧ポンプ等は設けられていない。そのため、ミキサドラム駆動装置Ｓは従来技術のミキサドラム駆動装置よりも軽量化できる。したがって、シャシや架台Ｃの強度を高める必要がなく、ミキサドラム駆動装置Ｓを設置する部分のシャシや架台Ｃを軽量化することができる。

　ミキサドラム駆動装置Ｓでは、電動機３を用いてドラムローラＲを回転させてミキサドラムＭを回転駆動させるので、従来技術によるミキサドラム駆動装置のようにミキサドラムＭの前端軸を回転駆動するものと比較して、電動機３に要求される出力トルクが小さく、電動機３を小型軽量化することができる。

　ミキサドラム駆動装置Ｓでは、複数のドラムローラＲを用いてミキサドラムＭを回転させるので、ミキサドラムＭの回転数にムラが発生しにくくなる。なお、本実施形態では、ローラリング２に当接するドラムローラＲを回転させることでミキサドラムＭを回転駆動させているが、ミキサドラムＭの外周面に周方向に延設される歯車を設け、当該歯車に電動機３の動力を伝達することで、ミキサドラムＭを回転駆動させてもよい。

　図４を参照して、第１実施形態の一変形例によるミキサドラム駆動装置Ｓ１について説明する。

　第１実施形態によるミキサドラム駆動装置Ｓでは電動機３は回転型の電動機であるが、図４の変形例によるミキサドラム駆動装置Ｓ１では電動機８はリニア型の電動機である。電動機８は、ミキサドラムＭを回転駆動させる駆動源である。電動機８は、ミキサドラムＭのドラムシェル１の外周面に周方向沿って交互に異なる磁極が現れるように取り付けられた複数の移動磁石９（磁界手段）と、移動磁石９に対向するように架台Ｃ上に設けられた電機子１０と、を備える。電動機８の電機子１０は、前傾姿勢のミキサドラムＭの後部と架台Ｃの後部との間の空間であって、架台Ｃ上に設置される。

　図４の変形例によるミキサドラム駆動装置Ｓ１では、第１実施形態における電動機３、減速機４、スプロケット５，６及びローラチェーン７は設けられていない。ドラムローラＲは、ミキサドラムＭを車両進行方向に対して左右に偏らずに支持できるように二つのみ設けられており、図示されていない脚Ｔに取り付けられている。その他のミキサ車Ｖの構造は第１実施形態と同じであるため、詳しい説明は省略する。

　電機子１０は、架台Ｃの後部に設置される円弧状のフレーム１１と、ミキサドラムＭの外周に沿うようにフレーム１１の上面に設けられる複数の固定磁石１２と、固定磁石１２のそれぞれに巻き回されるコイル１３と、を備える。固定磁石１２は、ミキサドラムＭの外周に設けた移動磁石９に対向するように設けられている。コイル１３は、インバータを介して電源Ｂに接続されている。コイル１３に電力供給して固定磁石１２に対向する移動磁石９を吸引、反発させることで、ミキサドラムＭは回転駆動する。このように、電動機８は、ミキサドラムＭを正回転及び逆回転させるリニアモータとして構成されている。

　なお、電動機８は、脚Ｔ（図示省略）よりも車両の前方側に設けてもよいし、後方側に設けてもよい。また、ローラリング２の前側端又は後側端に移動磁石９を取り付け、ドラムローラＲを車両幅方向に離間して二つ設置し、これらドラムローラＲ間に電機子１０を設けてもよい。

　ミキサドラム駆動装置Ｓ１では、ミキサドラムＭを駆動する駆動源を構成する電動機８が架台Ｃの後部に設けられ、電動機８の電機子１０は前傾姿勢のミキサドラムＭの後部と架台Ｃの後部との間の空間において架台Ｃ上に設けられている。駆動源がミキサ車Ｖの運転室ＯとミキサドラムＭとの間に設けられないため、架台Ｃ上におけるミキサドラムＭの搭載スペースを確保することができる。したがって、ミキサドラムＭの容量が圧迫されることがなく、生コンクリートの積載量を十分に確保することができる。これにより、生コンクリートの運搬量の低下を防止でき、運搬効率の低下を招かずにミキサドラムＭを電動機３で駆動することができる。運搬効率の低下を招かないので、ミキサ車Ｖにおける消費燃料量も低減させることができる。また、ミキサドラム駆動装置Ｓを設置する部分のシャシや架台Ｃを、従来技術よりも軽量化することができる。

　さらに、電動機８によれば非接触でミキサドラムＭを回転駆動させるので、動力伝達機構等に摩耗が生じることがなく、ミキサドラム駆動装置Ｓ１の長寿命化を図ることができる。

　図５を参照して、第１実施形態の他の変形例によるミキサドラム駆動装置Ｓ２について説明する。

　図５の変形例によるミキサドラム駆動装置Ｓ２において、駆動源Ｄ１は、ドラムローラＲを回転駆動する油圧モータ１５と、油圧モータ１５に作動油を供給する油圧ポンプ１６と、油圧ポンプ１６を駆動する電動機１７と、を備える。油圧モータ１５の動力は、減速機４、スプロケット５，６及びローラチェーン７を介してドラムローラＲに伝達される。第１実施形態のミキサドラム駆動装置Ｓと異なる点は、電動機１７の動力を油圧ポンプ１６及び油圧モータ１５を介してドラムローラＲへ伝達するようにしていることである。ミキサドラム駆動装置Ｓ２の駆動源Ｄ１は、前傾姿勢のミキサドラムＭの後部と架台Ｃの後部との間の空間において架台Ｃ上に設けられる。

　油圧ポンプ１６と油圧モータ１５とは、ループ状の管路１８により接続されている。電動機１７を正回転又は逆回転させることで、油圧ポンプ１６の作動油の吐出方向が切換えられる。油圧ポンプ１６の作動油の吐出方向を切り換えて、油圧モータ１５を正回転又は逆回転させることで、ミキサドラムＭが正回転又は逆回転する。

　ミキサドラム駆動装置Ｓ２では、駆動源Ｄ１が架台Ｃの後部、つまり前傾姿勢のミキサドラムＭの後部と架台Ｃの後部との間の空間において架台Ｃ上に設けられる。駆動源Ｄ１がミキサ車Ｖの運転室ＯとミキサドラムＭとの間に設けられないため、架台Ｃ上におけるミキサドラムＭの搭載スペースを確保することができる。したがって、ミキサドラムＭの容量が圧迫されることがなく、生コンクリートの積載量を十分に確保することができる。これにより、生コンクリートの運搬量の低下を防止でき、運搬効率の低下を招かずにミキサドラムＭを電動機３で駆動することができる。運搬効率の低下を招かないので、ミキサ車Ｖにおける消費燃料量も低減させることができる。また、ミキサドラム駆動装置Ｓを設置する部分のシャシや架台Ｃを、従来技術よりも軽量化することができる。

　図６を参照して、本発明の第２実施形態によるミキサドラム駆動装置Ｓ３について説明する。

　第２実施形態によるミキサドラム駆動装置Ｓ３は、第１実施形態によるミキサドラム駆動装置Ｓと同じ駆動源Ｄと、駆動源Ｄの電動機３とは独立してミキサドラムＭを回転駆動させる油圧システムＰと、を備える。

　油圧システムＰは、ミキサドラムＭの前側端に設けられた軸心部に連結される第二油圧モータ１９と、ミキサ車ＶのエンジンＥによって回転駆動されて第二油圧モータ１９に作動油を供給する第二油圧ポンプ２０と、を備える。第二油圧モータ１９と第二油圧ポンプ２０とは、ループ状の管路２１により接続されている。第二油圧ポンプ２０は、エンジンＥの動力を外部へ取り出すＰＴＯ２２を介してエンジンＥに接続されている。

　第二油圧ポンプ２０は、双方向吐出型の油圧ポンプである。第二油圧ポンプ２０は、第二油圧モータ１９に供給する作動油の吐出方向を切換えることで、ミキサドラムＭを正回転又は逆回転させるように構成されている。油圧システムＰを構成する第二油圧モータ１９や第二油圧ポンプ２０等は、ミキサ車Ｖの運転室ＯとミキサドラムＭの間の架台Ｃ上に設置されている。

　第２実施形態によるミキサドラム駆動装置Ｓ３では、ミキサドラムＭを回転駆動するシステムが油圧システムＰ及び駆動源Ｄの二系統となっているので、いずれか一方に何らかの問題が発生しても、ミキサドラムＭを回転駆動させることが可能となる。

　なお、ミキサドラム駆動装置Ｓ３の電動機３は、モータジェネレータであって、油圧システムＰによりミキサドラムＭが回転した場合に、ミキサドラムＭの回転に伴って発電する発電機としても機能する。第二油圧モータ１９の駆動力に基づいてミキサドラムＭが回転することで、電動機３は発電する。電動機３と電源Ｂは電気的に接続されており、電動機３で発電された電力は電源Ｂに供給される。これにより、電源Ｂが充電される。

　ミキサドラム駆動装置Ｓ３では、油圧システムＰは架台Ｃのミキサ車Ｖの運転室ＯとミキサドラムＭとの間に設置されているが、駆動源Ｄは架台Ｃの後部に設置されている。このように油圧システムＰと駆動源Ｄを分散して架台Ｃ上に設けたので、ミキサドラム駆動装置Ｓ３の荷重が架台Ｃの運転室ＯとミキサドラムＭとの間に集中することがなく、運転室ＯとミキサドラムＭとの間における架台Ｃやミキサ車Ｖのシャシフレームの強度を従来技術よりも高める必要がない。そのため、ミキサ車Ｖの車両重量を低減でき、生コンクリートの最大積載量を増加させることができる。このように生コンクリートの積載量を十分に確保できるので、生コンクリートの運搬量の低下を防止でき、運搬効率の低下を招かずにミキサドラムＭを電動機３で駆動することができる。また、運搬効率の低下を招かないので、ミキサ車Ｖにおける消費燃料量も低減させることができる。

　ミキサドラム駆動装置Ｓ３では、電源Ｂの充電量が少なくなった場合に、油圧システムＰによりミキサドラムＭを回転駆動させることで、電動機３を用いて電源Ｂを充電することができる。そのため、生コンクリートの運搬途中に、ミキサドラムＭの回転が停止することを防止できる。十分に電源Ｂを充電した後は、電動機３を用いてミキサドラムＭを回転駆動させることができる。このように電動機３を用いて電源Ｂを充電するので、商用電源を利用して頻繁に電源Ｂを充電する必要がない。

　なお、上記した油圧システムＰは、第１実施形態の変形例として説明したミキサドラム駆動装置Ｓ１，Ｓ２のいずれにも適用することができる。ミキサドラム駆動装置Ｓ１，Ｓ２においても、電動機８，１７が発電機としても機能するように構成すれば、電源Ｂを充電することが可能となる。

　以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。

　本願は２０１１年３月２４日に日本国特許庁に出願されたＪＰ２０１１－０６５５０７に基づく優先権を主張し、これら出願の全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。

Claims

　ミキサ車の架台に前傾状態で回転自在に搭載されるミキサドラムと、
　前記ミキサドラムを回転駆動する駆動源と、を備え、
　前記駆動源は、前記ミキサドラムの後部と前記架台の後部との間の空間に配設され、前記ミキサドラムを回転駆動させる電動機を備えるミキサドラム駆動装置。
　請求項１に記載のミキサドラム駆動装置であって、
　前記駆動源は、ミキサドラムの後方外周に設けたローラリングに下方から当接するドラムローラをさらに備え、
　前記電動機は、前記ドラムローラを回転させることにより、前記ミキサドラムを回転駆動させるミキサドラム駆動装置。
　請求項２に記載のミキサドラム駆動装置であって、
　前記ドラムローラは、複数設けられ、
　前記電動機は、前記ドラムローラの全てを回転駆動させるように構成されるミキサドラム駆動装置。
　請求項２に記載のミキサドラム駆動装置であって、
　前記駆動源は、前記ドラムローラを回転駆動させる油圧モータと、前記油圧モータに作動油を供給する油圧ポンプと、をさらに備え、
　前記電動機は、前記油圧ポンプを駆動するように構成されるミキサドラム駆動装置。
　請求項１に記載のミキサドラム駆動装置であって、
　前記電動機は、前記ミキサドラムの後方外周に設けられて周方向に交互に異なる磁極を有する磁石と、前記磁石に対向するように前記架台上に設けられる電機子とから構成されるリニアモータであるミキサドラム駆動装置。
　請求項１に記載のミキサドラム駆動装置であって、
　前記ミキサドラムを回転駆動可能に連結される油圧モータと、
　ミキサ車のエンジンにより駆動されて前記油圧モータに作動油を供給する油圧ポンプと、をさらに備え、
　前記油圧モータによって前記ミキサドラムが回転駆動される場合、前記電動機は前記ミキサドラムの回転に伴って駆動されて発電するように構成されるミキサドラム駆動装置。