WO2012036013A1 - 斜板式圧縮機用シュー - Google Patents

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Abstract

【課題】シューの平坦面と斜板およびシューの球面とピストンが焼き付くことを防止することと、高い耐久性を維持したまま斜板式圧縮機用シューを小型化すること。 【解決手段】斜板式圧縮機用シュー30は、回転軸2に対して傾斜して設けられて回転軸2とともに回転する斜板5と、該斜板5が回転することによって回転軸の延在する方向に往復するピストンとの間に設けられている。斜板式圧縮機用シュー30は、斜板5に当接する平坦面32と、ピストンに形成された半球状の摺動面13に当接する球面31と、を備えている。平坦面32と球面31との間には、平坦面32と球面31を連通する貫通孔35が設けられている。貫通孔35は、第一半径dからなる円柱状の第一貫通孔36と、第一半径dよりも大きな第二半径dからなる円柱状からなる第二貫通孔37とを有している。

Description

斜板式圧縮機用シュー
 本発明は、斜板やピストンとの間で焼き付きが発生しない斜板式圧縮機用シューに関する。
 従来の斜板式圧縮機は、図5に示すように、ハウジング20と、ハウジング20内に設けられ、回転する回転軸2と、回転軸2の周縁に傾斜して設けられ、回転軸2とともに回転する斜板5と、斜板5を外周縁近傍で挟み、斜板5が回転することによって回転軸方向に往復するピストン7と、斜板5とピストン7との間に設けられたシュー90とを備えている。なお、シュー90は、斜板5に当接する平坦面92と、ピストン7に設けられた半球状の摺動面13に対して摺動可能に当接する球面91とを有している。
 そして、このように斜板式圧縮機のピストン7が回転軸方向(図5の矢印Mの方向)に往復することによって、冷凍冷媒(例えば、フロンガスなど)が斜板式圧縮機に吸入および吐出される。この冷凍冷媒には、ミスト状の潤滑油が少量包含されている。そして、この潤滑油は、斜板5とシュー90との間およびシュー90とピストン7との間に供給される。
 この点、斜板5はシュー90に大きな圧力を加えながら摺動するため、斜板5とシュー90との間で大きな摩擦力が発生し、斜板5とシュー90で焼き付きが発生することがある。
 また、シュー90とピストン7との間に潤滑油が供給されても、シュー90とピストン7の半球状の摺動面13との間に発生する摩擦力によって、シュー90とピストン7の半球状の摺動面13で焼き付きが発生することがある。
 このような問題に対して、シューの球面に螺旋状の溝を設けたり、球面の頂上を若干平らにしたりすることによって、シューとピストンの半球状の摺動面で焼き付きが発生することを防止したものが知られている(例えば、特許文献1および2参照)。また、シューの平坦面の中心部に円形の窪みやリング状の溝が設けることによって、斜板とシューで焼き付きが発生することを防止したものも知られている(例えば、特許文献3および4参照)。
 しかしながら、上述した従来の斜板式圧縮機で用いられるシューでは、油滑効果が局部的であり、斜板とシューとの間や、シューとピストンとの間の潤滑油の量が不足し、無油滑状態となってしまうことがある。このため、斜板とシューで焼き付きが発生したり、シューとピストンで焼き付きが発生したりしてしまっている。
 また、このようなシューは、それ自体が重く、ピストンや斜板への負担が大きく、摩耗が発生しやすいといった問題がある。この点、シューの軽量化を図るために、中空状に形成するとともに、平坦面の肉厚が略同一厚さであり、球面の肉厚が頂部に向かって次第に薄くなるように形成されているものが知られている(特許文献5参照)。
 しかしながら、膜厚を均一にするために特許文献5に示すように中空の形を変えると、シューの強度が小さくなってしまい、小型化されたシューでは耐久性が乏しく、実用化することは困難である。また、その軽量化の程度は10%程にすぎず、軽量化の効果は未だ十分なものではない。
特開平11-50959号公報 実開昭63-007288号公報 特公平03-12671号公報 特公平04-77155号公報 特開2002-39058号公報
 本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、シューの平坦面と斜板およびシューの球面とピストンが焼き付くことを防止することができ、かつ、高い耐久性を維持したまま小型化することができる斜板式圧縮機用シューを提供することを目的とする。
 本発明による斜板式圧縮機用シューは、
 回転軸に対して傾斜して設けられて回転軸とともに回転する斜板と、該斜板が回転することによって回転軸の延在する方向に往復するピストンとの間に設けられた斜板式圧縮機用シューであって、
 前記斜板に当接する平坦面と、
 前記ピストンに形成された半球状の摺動面に当接する球面と、を備え、
 前記平坦面と前記球面との間に、該平坦面と該球面を連通する貫通孔が設けられ、
 前記貫通孔が、第一半径からなる円柱状の第一貫通孔と、該第一半径よりも大きな第二半径からなる円柱状からなる第二貫通孔とを有している。
 本発明による斜板式圧縮機用シューにおいて、
 前記第一貫通孔は前記球面側に設けられて該球面まで延び、
 前記第二貫通孔は前記平坦面側に設けられて該平坦面まで延びてもよい。
 本発明による斜板式圧縮機用シューは、
 前記第一貫通孔と前記第二貫通孔との間に設けられ、該第一貫通孔と該第二貫通孔とを連通する接頭円錐状の移行孔をさらに有してもよい。
 本発明による斜板式圧縮機用シューにおいて、
 前記貫通孔に隣接する前記平坦面の内周縁部は、前記球面側に向かって傾斜し、
 前記貫通孔に隣接する前記球面の内周縁部は、前記平坦面に向かって傾斜してもよい。
 本発明による斜板式圧縮機用シューにおいて、
 前記球面は、静止状態で前記ピストンの前記摺動面と接触する接触面と、静止状態で該摺動面と接触しない非接触面とを有してもよい。
 本発明による斜板式圧縮機用シューにおいて、
 前記平坦面は、静止状態で前記斜板と接触する接触面を有し、
 前記球面の前記接触面の面積と前記平坦面の前記接触面の面積とが略同一であってもよい。
 本発明によれば、平坦面と球面を連通する円柱状の貫通孔が設けられ、この貫通孔は、第一半径からなる円柱状の第一貫通孔と、第一半径よりも大きな第二半径からなる円柱状からなる第二貫通孔とを有している。このため、油をシューの平坦面および球面に供給することができ、シューの平坦面と斜板およびシューの球面とピストンが焼き付くことを防止することができる。また、高い耐久性を維持したまま、シューを小型化することもできる。
本発明の実施の形態による斜板式圧縮機の動作方法を示す断面図。 本発明の実施の形態による斜板式圧縮機用シューを示す側方断面図。 本発明の実施の形態の変形例による斜板式圧縮機用シューを示す側方断面図。 本発明の実施の形態による斜板式圧縮機用シューの実施例を説明するための図。 従来の斜板式圧縮機を示す断面図。
実施の形態
 以下、本発明に係る斜板式圧縮機および斜板式圧縮機用シューの実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、図1(a)(b)乃至図4は本発明の実施の形態を示す図である。なお、本実施の形態による斜板式圧縮機用シュー30は、例えば自動車などのエアーコンプレッサなどに用いることができる。
 図1(a)(b)に示すように、斜板式圧縮機は、ハウジング20と、ハウジング20内に設けられ、(図1(a)(b)の矢印C方向に)回転する回転軸2と、回転軸2の周縁に傾斜して設けられて回転軸2とともに回転する斜板5と、斜板5を外周縁近傍で挟み、斜板5が回転することによって回転軸2の延在する方向に往復するピストン7と、斜板5とピストン7との間に設けられた斜板式圧縮機用シュー30(以下、単に「シュー30」とも言う。)と、を備えている。
 このうち、ハウジング20は、図1(a)(b)に示すように、ピストン7を周縁から覆う一対のシリンダブロック1a,1bと、シリンダブロック1aの一端に連結されたフロントカバー9と、シリンダブロック1bの他端に連結されたリアカバー11とを有している。なお、シリンダブロック1aとフロントカバー9との間には、第一バルブプレート8aが設けられ、シリンダブロック1bとリアカバー11との間には、第二バルブプレート8bが設けられている。また、一対のシリンダブロック1a,1bは、ボルト(図示せず)によって連結されている。
 また、図1(a)(b)に示すように、第一バルブプレート8aには、冷凍冷媒(例えば、フロンガスなど)を吐出する吐出管(図示せず)に連結した第一吐出弁21aと、冷凍冷媒が供給される吸入管(図示せず)に連結した第一吸入弁22aが設けられている。また、第二バルブプレート8bには、冷凍冷媒を吐出する吐出管(図示せず)に連結した第二吐出弁21bと、冷凍冷媒が供給される吸入管(図示せず)に連結した第二吸入弁22bが設けられている。なお、冷凍冷媒にはミスト状の潤滑油が少量包含されている。そして、この潤滑油は、斜板5とシュー30との間およびシュー30とピストン7との間に供給される。
 また、図1(a)(b)に示すように、回転軸2は、シリンダブロック1a,1bに軸受け3,4を介して回転自在に保持されている。また、回転軸2は、回転軸2を駆動する駆動部(図示せず)に連結されている。
 また、図1(a)(b)に示すように、一対のシリンダブロック1a,1bと、第一バルブプレート8aと、第二バルブプレート8bと、回転軸2とによって、回転軸方向に往復移動するピストン7が収納された圧縮室6が形成されている。
 また、図2に示すように、斜板5とピストン7との間に設けられたシュー30は、斜板5に当接する平坦面32と、ピストンに形成された半球状の摺動面13に対して摺動可能に当接する球面31とを有している。
 また、図2に示すように、シュー30の平坦面32と球面31との間には、これら平坦面32と球面31を連通する円柱状の貫通孔35が設けられている。そして、この貫通孔35は、第一半径dからなる円柱状の第一貫通孔36と、第一半径dよりも大きな第二半径dからなる円柱状からなる第二貫通孔37とを有している。
 図2に示すように、第一貫通孔36は球面31側に設けられて球面31まで延び、第二貫通孔37は平坦面32側に設けられて平坦面32まで延びている。そして、第一貫通孔36と第二貫通孔37との間には、第一貫通孔36と第二貫通孔37とを連通する接頭円錐状の移行孔38が設けられている。
 なお、本実施の形態では、第一貫通孔36と第二貫通孔37との間が移行孔38で連通されている態様を用いて説明するが、これに限られることはなく、図3に示すように、第一貫通孔36と第二貫通孔37が連通されていても移行孔38が設けられていなくてもよい。
 また、図2に示すように、シュー30の平坦面32の外周縁部は面取りされて球面31側に向かって傾斜している。そして、その傾斜角度θは、平坦面32に平行な面に対して約10°からなっている。
 また、図2に示すように、貫通孔35に隣接する平坦面32の内周縁部は面取りされて球面31側に向かって傾斜し、同様に、貫通孔35に隣接する球面31の内周縁部は面取りされて平坦面32に向かって傾斜している。
 また、図1(a)(b)に示すように、ピストン7には半球状の摺動面13が設けられ、当該ピストン7の半球状の摺動面13内で、シュー30の球面31は摺動可能に保持されている。
 また、図2に示すように、シュー30の球面31は、斜板式圧縮機が駆動されていない静止状態で、ピストン7の半球状の摺動面13と接触する接触面31aと、斜板式圧縮機が駆動されていない静止状態で半球状の摺動面13と接触しない非接触面31bとを有している。本実施の形態においては、シュー30がピストンの半球状の摺動面13と接触する接触面31aの始点の直径Dは約6.00mmからなり、接触面31aの終点の直径Dは約13.00mmからなっている。
 ところで、本実施の形態において、球面31の接触面31aは仮想球面上に配置されており、この仮想球面の半径Rは約9.00mmからなっている。そして、非接触面31bは、接触面31aの配置された仮想球面と略平行であって、この仮想球面に対して凹んだ面を有している。
 また、図2に示すように、平坦面32も、斜板式圧縮機が駆動されていない静止状態で斜板5と接触する接触面32aと、斜板式圧縮機が駆動されていない静止状態で斜板5と接触しない非接触面32bとを有している。
 なおここで、球面31の接触面31aの面積と平坦面32の接触面32aの面積とが略同一となっていることが好ましい。このように球面31の接触面31aの面積と平坦面32の接触面32aの面積とが略同一となっていれば、半球状の摺動面13と球面31との間に働く単位面積当たりの押圧力と平坦面32と斜板5との間に働く単位面積当たりの押圧力を概ね等しくすることができ、ひいては、シュー30の摺動をバランスよく行うことができるためである。
 ところで、球面31の接触面31aの面積と平坦面32の接触面32aの面積とを略同一にするためには、接触面31aの終点の直径Dを調整したり、貫通孔35の直径d,dを調整したりすればよい。
 なお、シュー30の平坦面32の接触面32aの直径dは約13.00mmからなり、シュー30の高さHは約5.85mmからなり、シュー30の直径dは約15.00mmからなっている(図2参照)。
 また、貫通孔35の第一貫通孔36の直径dは、仮想球面の半径Rの約30%~約45%にすることが好ましく、貫通孔35の第二貫通孔37の直径dは、仮想球面の半径Rの約45%~約95%にすることが好ましく、第二貫通孔37の高さhは仮想球面の半径Rの約20%~約30%にすることが好ましい。より具体的には、第一貫通孔36の直径dは例えば4.0mmからなり、第二貫通孔37の直径dは例えば7.0mmからなり、第二貫通孔37の高さhは例えば2.5mmからなる。なお、このような大きさとすることで、貫通孔35を設けていない従来のシュー30と比較して30%軽量化することができる。
 ところで、上記ではシュー30の大きさを示したが、上記で示した数値はあくまでも例示であり、これらに限定されることはない。
 次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
 まず、回転軸2に連結したモータなどの駆動部(図示せず)が、回転軸2を(図1(a)の矢印C方向に)回転駆動する。このように、回転軸2が回転駆動されることによって、回転軸2に傾斜して設けられた斜板5が回転する(図1(a)参照)。この際、斜板5は、ピストン7の半球状の摺動面13内に設けられたシュー30の平坦面32に接触しながら回転する(図1(a)参照)。
 また、このように斜板5が回転することによって、ピストン7が回転軸方向の一方向(図1(a)の矢印M方向)に直線運動する(図1(a)参照)。この際、ピストン7の半球状の摺動面13内に配置されたシュー30の球面31は、ピストン7の半球状の摺動面13内を図1(a)の矢印C方向に摺動する(図1(a)参照)。
 このように、ピストン7が回転軸方向の一方向に直線運動する際、ピストン7と第二バルブプレート8bとの間で圧縮された冷凍冷媒の圧力が、第二バルブプレート8bに連結された吐出管(図示せず)内の冷凍冷媒の圧力より大きくなると、圧縮室6内の冷凍冷媒が第二吐出弁21bを介して吐出管に吐出される(図1(a)参照)。また、圧縮室6の一端に設けられた第一吸入弁22aを介して、吸入管(図示せず)から圧縮室6内にミスト状の潤滑油を含有する冷凍冷媒が吸入される(図1(a)参照)。なお、この際、第一バルブプレート8aに設けられた第一吐出弁21aおよび第二バルブプレート8bに設けられた第二吸入弁22bは、閉鎖している(図1(a)参照)。
 次に、回転軸2に連結した駆動部が、さらに(図1(b)の矢印C方向に)回転軸2を回転駆動すると、回転軸2に傾斜して設けられた斜板5がさらに回転される(図1(b)参照)。この際、斜板5は、ピストン7の半球状の摺動面13内に設けられたシュー30の平坦面32に接触しながら回転する(図1(b)参照)。
 また、このように斜板5がさらに回転することによって、ピストン7が回転軸方向であって上述とは反対側の方向(図1(b)の矢印M方向)に直線運動する(図1(b)参照)。この際、ピストン7の半球状の摺動面13内に配置されたシュー30の球面31は、ピストン7の半球状の摺動面13内を矢印C方向に摺動する(図1(b)参照)。
 このように、ピストン7が回転軸方向の他方向に直線運動する際、ピストン7と第一バルブプレート8aとの間で圧縮された冷凍冷媒の圧力が、第一バルブプレート8aに連結された吐出管内の冷凍冷媒の圧力より大きくなると、圧縮室6内の冷凍冷媒が第一吐出弁21aを介して吐出管に吐出される(図1(b)参照)。また、圧縮室6の他端に設けられた第二吸入弁22bを介して、吸入管から圧縮室6内にミスト状の潤滑油を含有する冷凍冷媒が吸入される(図1(b)参照)。なお、この際、第二バルブプレート8bに設けられた第二吐出弁21bおよび第一バルブプレート8aに設けられた第一吸入弁22aは、閉鎖している(図1(b)参照)。
 その後は、上述の工程を順次繰り返して行う。上述のように、回転軸2が駆動部によって回転することによって斜板5が回転し、ピストン7を往復運動させることができる。このため、斜板式圧縮機は、圧縮室6内で冷凍冷媒を圧縮して吐出するとともに、吸入管から圧縮室6内に冷却冷媒を吸入することができる。
 上述のようにピストン7が往復運動されている間、平坦面32と球面31を連通する円柱状の貫通孔35内を潤滑油が通過し、平坦面32と球面31の両方に満遍なく潤滑油を供給することができる(図2参照)。このため、シュー30の球面31と半球状の摺動面13との間に発生する摩擦力およびシュー30の平坦面32と斜板5との間に発生する摩擦力を低減することができ、球面31と半球状の摺動面13が焼き付くことを防止することができ、かつ、平坦面32と斜板5とが焼き付くことを防止することができる。
 とりわけ、斜板式圧縮機の始動時においては、冷凍冷媒が先に流れはじめることから、斜板式圧縮機内が脱脂され無潤滑な状態となり、シュー30は斜板5との間で焼付きを起こしてしまいやすい。これに対して、本実施の形態によれば、貫通孔35が設けられていることから、以前に使用した際の残留油を貫通孔35で保持することができるので、シュー30の斜板5に対する焼き付きを確実に防止することができる。
 また、本実施の形態によれば、第一貫通孔36と第二貫通孔37との間に接頭円錐状の移行孔38が設けられているので、油が溜まりやすい構造からなっており、シュー30の斜板5に対する焼き付きをさらに確実に防止することができる。
 また、本実施の形態によれば、比較的半径の大きな第二半径dからなる円柱状からなる第二貫通孔37が設けられているので、より多くの残留油を保持することができ、シュー30の斜板5に対する焼き付きをさらに確実に防止することができる。
 また、図2に示すように本実施の形態では、第一貫通孔36と第二貫通孔37が円柱状となり、これら第一貫通孔36と第二貫通孔37が接頭円錐状の移行孔38で連結されているので、平坦面32と球面31との間で潤滑油を円滑に流すことができる。このため、球面31と半球状の摺動面13との間に発生する摩擦力および平坦面32と斜板5との間に発生する摩擦力をより確実に低減することができ、ひいては、球面31と半球状の摺動面13が焼き付くことと平坦面32と斜板5とが焼き付くことをより確実に防止することができる。この点、特開2002-39058号公報に示した態様では、中空内に潤滑油が溜まってしまうことから、本実施の形態のようには平坦面32と球面31との間で潤滑油を円滑に流すことができない。従って、この点で、特開2002-39058号公報に開示された発明よりも本実施の形態に示した態様は優れている。
 また、図2に示すように本実施の形態では、貫通孔35に隣接する平坦面32の内周縁部は面取りされて球面31側に向かって傾斜しているので、平坦面32に付着した潤滑油を貫通孔35に円滑に導き入れることができる。また同様に、貫通孔35に隣接する球面31の内周縁部は面取りされて平坦面32に向かって傾斜しているので、球面31に付着した潤滑油を貫通孔35に円滑に導き入れることができる。これらのことより、本実施の形態によれば、平坦面32と球面31との間で潤滑油をさらに円滑に移動させることができるので、球面31と半球状の摺動面13との間に発生する摩擦力および平坦面32と斜板5との間に発生する摩擦力をさらに確実に低減することができ、ひいては、球面31と半球状の摺動面13が焼き付くことと平坦面32と斜板5とが焼き付くことをさらに確実に防止することができる。
 また、図2に示すように本実施の形態では貫通孔35が設けられているのでシュー30の重量を軽量化することができ、より具体的には、貫通孔35の設けられていない従来のシューよりも20%~30%程軽量化することができる。このため、斜板5の回転を早くすることができ、斜板式圧縮機を高速化することができる。なお、特開2002-39058号公報に示したような形状からシュー30を形成した場合には、小型化されたシュー30では十分な耐久性を有することができず、実用化することが困難である。これに対して、本実施の形態によれば、比較的半径の小さな第一半径dからなる第一貫通孔36が横断面の面積の小さな球面31側に設けられ、比較的半径の大きな第二半径dからなる第二貫通孔37が横断面の面積の大きな平坦面32側に設けられており、さらに、第一貫通孔36と第二貫通孔37との間には接頭円錐状の移行孔38が設けられている。このため、一定以上の厚みの肉厚を維持しつつシュー30を小型化することができるので、高い耐久性を維持したまま、シュー30をより小型化することができる。
 また、図2に示すように本実施の形態では、球面31が、静止状態で半球状の摺動面13と接触しない非接触面31bを有している。このため、シュー30とピストン7の半球状の摺動面13との間に働く接触面を小さくすることができ、シュー30と半球状の摺動面13との間に働く摩擦力を小さくすることができる。この結果、本実施の形態によれば、シュー30をさらに円滑に摺動させることができる。
 また、球面31の接触面31aの面積と平坦面32の接触面32aの面積とが略同一となっている場合には、上述したように、半球状の摺動面13と球面31との間に働く単位面積当たりの押圧力と平坦面32と斜板5との間に働く単位面積当たりの押圧力を概ね等しくすることができ、ひいては、シュー30の摺動をバランスよく行うことができる。
(実施例)
 次に、シュー30と斜板5との間の摩擦摩耗試験(ピンオンディスク摩擦摩耗試験)を行った結果について説明する。
 図4に示した試験装置について説明すると、試験装置は、軸方向には移動することなく回転のみ行う回転軸61と、回転軸61と一体に取り付けられ、回転することなく軸方向にのみ移動する加圧軸62と、シュー30を押さえるシュー押さえ68と、斜板5を取り付けるための斜板取付部64と、を有している。このうち、シュー押さえ68は円周方向になど間隔で3箇所設けられ、回転軸61とともに回転する。他方、斜板取付部64には、廻り止め細工が施されており、回転しないようになっている。
 なお、斜板取付部64と加圧軸62との間にはピボット軸の役割を果たす鋼球63が設けられている。また、シュー押さえ68と斜板取付部64との周縁外方には、安全のための保護筒65が設けられている。
 また、回転軸61には、当該回転軸61を回転させる電動機(図示せず)が連結されている。なお、この電動機は、回転トルク値が設定値を上回ると停止するように構成されている。また、加圧軸62には、この加圧軸62に負荷加圧するための油圧発生装置などの加圧装置(図示せず)が連結されている。なお、加圧軸62に加わる捩れ方向の力が回転トルク値として検出されることとなる。
 斜板5を図4の上方向に所定の力で加圧することで斜板5の摺動面13をシュー30の平坦面32に押圧しつつ、シュー30を所定の回転数で回転させることで、シュー30と斜板5との間に摩擦力を生じさせた。より具体的には、回転数を1000rpmとして一定としつつ、50kgf、100kgf、150kgfおよび200kgfの力で、斜板5を図4の上方向に加圧した。この点、上記のようにシュー押さえ68が円周方向になど間隔で3箇所設けられ、シュー30が3つ設けられているので、各シュー30に負荷される荷重は、各々1/3になり、50/3kgf、100/3kgf、150/3kgfおよび200/3kgfとなる。ところで、一般の斜板式圧縮機において、シュー30に加わる荷重は50kgf程度となっている。
 そして、上記の摩擦力に相当する力の量を回転トルク値として検出して、以下の表に示す値を得た。この点、回転トルク値の大小がシュー30の斜板5に対する優劣に対応し、回転トルク値が小さいほど焼き付き難く、性能が優れることとなる。
 なお、比較例としては、従来からある貫通孔35の設けられていないシュー30を用いて測定した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 上記の表から理解されるように、低負荷である50kgfおよび100kgfの領域では、比較例のシューと実施例のシュー30との間には差がそれほど無いが、他方で、高負荷である150kgfおよび200kgfの領域では、実施例のシュー30の回転トルク値の方が比較例のシューの回転トルク値よりも小さくなり、摩擦摩耗に対して優れていることが分かった。とりわけ、負荷を200kgf加えた場合であって300秒経過した後では、比較例のシューでの回転トルク値が2.5になったのに対して、実施例のシュー30での回転トルク値は0.65となり、3.8倍(=2.5/0.65)となることから、実施例のシュー30によれば比較例のシューと比較して約4倍の焼き付き防止の効果を期待することができることが分かった。
1a,1b シリンダブロック
2     回転軸
5     斜板
7     ピストン
8a    第一バルブプレート
8b    第二バルブプレート
20    ハウジング
30    シュー
31    球面
32    平坦面
35    貫通孔
36    第一貫通孔
37    第二貫通孔
38    移行孔

Claims (6)

  1.  回転軸に対して傾斜して設けられて回転軸とともに回転する斜板と、該斜板が回転することによって回転軸の延在する方向に往復するピストンとの間に設けられた斜板式圧縮機用シューにおいて、
     前記斜板に当接する平坦面と、
     前記ピストンに形成された半球状の摺動面に当接する球面と、を備え、
     前記平坦面と前記球面との間に、該平坦面と該球面を連通する貫通孔が設けられ、
     前記貫通孔は、第一半径からなる円柱状の第一貫通孔と、該第一半径よりも大きな第二半径からなる円柱状からなる第二貫通孔とを有することを特徴とする斜板式圧縮機用シュー。
  2.  前記第一貫通孔は前記球面側に設けられて該球面まで延び、
     前記第二貫通孔は前記平坦面側に設けられて該平坦面まで延びることを特徴とする請求項1に記載の斜板式圧縮機用シュー。
  3.  前記第一貫通孔と前記第二貫通孔との間に設けられ、該第一貫通孔と該第二貫通孔とを連通する接頭円錐状の移行孔をさらに有することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の斜板式圧縮機用シュー。
  4.  前記貫通孔に隣接する前記平坦面の内周縁部は、前記球面側に向かって傾斜し、
     前記貫通孔に隣接する前記球面の内周縁部は、前記平坦面に向かって傾斜していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の斜板式圧縮機用シュー。
  5.  前記球面は、静止状態で前記ピストンの前記摺動面と接触する接触面と、静止状態で該摺動面と接触しない非接触面とを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の斜板式圧縮機用シュー。
  6.  前記平坦面は、静止状態で前記斜板と接触する接触面を有し、
     前記球面の前記接触面の面積と前記平坦面の前記接触面の面積とが略同一であることを特徴とする請求項5に記載の斜板式圧縮機用シュー。
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