JP2008101560A - レシプロ圧縮機の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のレシプロ圧縮機の製造方法では球面座の高精度化が困難なため、摺動面の潤滑油膜の形成が不安定となり、摺動部の信頼性が低い。本発明は、従来に比べて球面座の加工精度を向上させ、摺動面の信頼性が高い圧縮機を得る。
【解決手段】レシプロ圧縮機のピストン1とコネクティングロッドの球面座を概球体形状で回転方向に弾性を持たせた加工工具を回転押圧することにより、球面座の加工精度を向上させ、摺動面の信頼性が高い圧縮機を得る。
【選択図】図12
【解決手段】レシプロ圧縮機のピストン1とコネクティングロッドの球面座を概球体形状で回転方向に弾性を持たせた加工工具を回転押圧することにより、球面座の加工精度を向上させ、摺動面の信頼性が高い圧縮機を得る。
【選択図】図12
Description
本発明は家庭用冷蔵庫、ショーケース等の冷蔵・冷凍装置に用いられるレシプロ圧縮機及びそれを用いた冷蔵庫及びその製造方法に関するものである。
近年、冷蔵庫用に代表される圧縮機には冷凍・冷蔵性能向上のため圧縮機の高性能化、容積効率の向上のための小型化、並びに低騒音・低コスト化・高信頼性化等が要求されている。従来のレシプロ圧縮機は各家電メーカ等から製品化されているが、その中でピストンとコネクティングロッドに連結部位に球面座を利用したレシプロ圧縮機について図1〜4及び図9を用いて説明する。図1は一般的な連接部に球面座を用いたレシプロ圧縮機の断面図、図2はピストンの動作を示すモデル図、図3、4はピストン及びコネクティングロッドの分解図、図9は従来法による球面座の加工方法である。
冷凍サイクルに用いられる密閉形圧縮機には、一般的に密閉容器12内に電動機11と圧縮機構部が収納されている。ピストン1はフレーム4上に設置されているシリンダ5の中に往復自在に設置されており、ピストン1内球面1−aにコネクティングロッド2の小端面の外球面2−aを介し揺動自在に取り付けられている。コネクティングロッド2の大端部2−bはクランクシャフト8の偏芯部3に軸受けを介し回転自在に取り付けられている。圧力チャンバ12内にスプリング10を介して取り付けられているステータ11とロータ9からなるモータの回転力はクランクシャフト8に伝えられ、その偏芯部8によってコネクティングロッド2を介しピストン1をシリンダ5内で往復運動させる。シリンダ5にはバルブプレート6を介しシリンダヘッド7が取り付けられており、ピストン1の往復動作に同期しバルブ(図示せず)が開閉することにより、圧力チャンバ12外から導かれた流体を圧縮する。ピストン1とシリンダ5との間やコネクティングロッド2と偏芯部3との間、クランクシャフト8とフレーム4の軸受け部との間などの摺動部位は、圧縮機の運転時には圧力チャンバ12内に溜められている潤滑油(図示せず)によって潤滑されている。潤滑油の循環にはクランクシャフト8の内部に軸全長に亘り連通する油供給穴を設け、圧力チャンバ12の下部から汲み上げ摺動部位に給油する方法が採られている。
球体部と球面座とは密閉形圧縮機の作動時には圧縮流体からの大きな力を受けながら摺動するため、摺動時に抵抗にならず滑らかに運動させるために該球面座には高い精度が要求されている。
従来技術として、例えば特公平2―36794号公報に示された密閉型圧縮機では、ピストン1には、コネクティングロッド2の球体部を嵌合する球座が設けられている。球座が球体部3連接する前は、球座に設けられた球体部を包み込むための包み込み部分が、球体部を挿入可能に広がっている。この包み込む部分が広がった状態で球体部を球座に嵌合した後、球座の広がった包み込み部分をかしめる(広がっていた包み込み部分を狭め球体部を包み込んだ状態とする)ことにより、球体部に固接されたコネクティングロッド2が球座に対して揺動自在に連接されており、このかしめた部分のしわから潤滑油を供給し摺動部の信頼性を向上する方法が述べられている。
また、球面座の製造方法として特開平4−322957号公報にはリング状の砥石を用い、砥石中心を通り砥石台の長手方向に及ぶ軸を回転軸として砥石を回転させ、これと共に内球中心を基点として砥石台を揺動させ、同時に内球頂点から内球中心を通る軸を回転軸として該球面座を回転させながら内球面の研削加工を行う方法が述べられている。
しかしながら、従来例1の圧縮機ではピストン1とコネクティングロッド2との連接部位の摺動に対して、摺動信頼性が乏しい課題があった。すなわち低コスト化のため強制的な給油を行わずに、クランクシャフトから供給される潤滑油をコネクティングロッド2を伝わらせて給油する構成のため摺動部に十分な潤滑油が供給できない課題がある。特に球面座を用いた連接部位は摺動部の相対運動が狭い範囲の往復運動となるため境界部分への潤滑油の供給を再現性良く行うことができない。潤滑油の供給のための強制給油ポンプを取り付け、コネクティングロッド2に油溝等を付与し供給する方法もあるが製造コストが高くなる課題がある。そこで球面座の精度を向上することによって摺動信頼性を高めることが課題となる。
一方、球面座の加工精度を高める方法としては従来例2に示すような加工方法を採用することが考えられるが、この加工方法では図9に示すように複雑な回転・押圧構造が必要となる。本件の圧縮機のような加工対象となる球部寸法が小さい場合には設備の構成が不可能であり、図10に示すような旋削加工等による方法を採らざるを得ず、加工精度の向上が困難である。
このような課題があるため、従来の球面座を用いたレシプロ圧縮機では球面座の摺動信頼性が乏しく、球面座が異常摩耗を起こして性能の劣化が起こったり、最悪は圧縮機のモータが停止してしまうような不具合を生じてしまう課題がある。
この課題はレシプロ圧縮機の球面座の精度を向上することにより解決できる。すなわち球面座の精度を高めることにより、極圧状態でも摺動面の油膜切れ等の不具合を防止することが出来るようになる。本発明はこれを具現化するためになされたものである。
また本発明の方法によると連接部位の製造方法を変更するだけで、簡単に製造可能であり、かつその手法も簡易で安価な設備で製造できるため、低コストに摺動部位の信頼性を向上することができる。
ピストン1とコネクティングロッド2の接続部位に球面座を用いたレシプロ圧縮機の球面座の精度を高めることにより、摺動部分の信頼性の高い圧縮機を安価に得ることができる。また、潤滑油用ポンプ等の強制潤滑のための機構も不要となるため、低コストな圧縮機を得ることが出来る。
低コスト化のため簡易な製造方法で球面座の精度を高めることにより、本課題は解決できる。その方法を図面を参照して説明する。図1はレシプロ圧縮機の断面図、図3はピストン1の動作を示すモデル図、図3、4はピストン1及びコネクティングロッド2の分解図である。図5、6は圧縮機運転時の球面座の状態を示した模式図。図7は本発明によるピストン球面座の製造方法の加工時の様態を誇張した部分拡大図である。図8は本発明によるピストン球面座の製造方法の説明図である。また、図9はピストン1内球面部の製造方法の説明図、図9、10は従来法によるピストン1内球面の製造方法の説明図である。
一般に球面継ぎ手は図5に示すように球面座の直径D、それに勘合せしめる球体2−aの直径dとし、その直径差のクリアランスeで設定され組み立てられている。このクリアランスeに潤滑油(図示せず)の油膜が形成され、連結部の滑らかな運動を実現させている。しかし、この球面座は圧縮機運転時の冷媒の加圧時の状況を考慮すると図6に示すような形態となっていると言える。すなわち極圧状況下ではミクロ的にみるとクリアランスeがゼロとなるように球体と球面座とが近づき、状況によっては油膜が途切れてしまう場合がある。このような現象は幾何学的に図6に示した球面座1−aと逃げ形状1−bとの境界近傍が最も発生しやすい部位となる。球面座1−aの加工精度が悪い場合も極圧字には同様の現象が発生しやすくなり、油膜切れによる摩擦抵抗の増加、ひいては球面座の磨耗等が生じてしまう。
一方、球面座の製造方法は図10に示すように、球面座1−aを有するピストン1を回転させ、切削用バイト15を所望の球の寸法になる様に運動させることにより製作している。図からわかるように、加工工具であるバイト15は加工対象の形状により不要な干渉をさけるため非常に細くなければならず、加工力によってバイトのたわみが生じやすいため精度が悪い。特に球面座1−aの回転中心は加工速度がゼロとなるため、加工精度が非常に悪くなり、図に示すように球面座側に逃げ形状1−bを付与して精度の悪い部分の接触を回避している。
このような工夫を施しても特に球面座1-aと逃げ1−bとの境界付近は精度が悪くなりがちで、生産上の隘路となっている。図9に示した従来例2ではこのような課題を克服するために工具側14を回転させることで、加工速度を確保し、精度向上させうるものであるが、加工工具を運動させるための設備の構成が複雑であり、小径の球面座には適用できない。
このような現状を鑑み、発明者らは球面座の摺動信頼性を確保するためには、球面座1−aの、特に逃げ1−bとの境界付近の加工精度を向上させることが肝要であることを実験的に見出した。本発明はそれを具現化するためになされたものである。
すなわち、球面座1−aはクリアランスeの変位を考慮すると、球体2−bは球面座1−aと逃げ1−bとの境界付近に接触する。これと同様に球体2−bとほぼ同様な形状の加工工具を押圧しても同じ現象が発生するはずである。従って加工工具13を実際に勘合される球体2と同形状に構成することにより、最も加工精度の必要な部位の加工が可能となる。以下の本発明による実施例の形態を述べる。
図7に実施例1の製造方法の部分拡大モデル図を示す。球体に模した形状の加工工具13は球面座1-aとのクリアランスを10μmに設定して成形した砥石であり、セラミック砥粒#220を用いた。球面座1−aの内球部に砥石を挿入押圧し相対摺動させた。このようにして製造された球面座は精度が高く、逃げ部分との境界付近の面粗さを1μmRmax以下に加工できた。なお加工前の精度は面粗さ5μm程度の旋盤加工したものを用いた。この球面座を有したレシプロ圧縮機は、球面座部の摺動面の耐摩耗性が良く、摺動抵抗も小さく出来た。
実施例2の形態を図11に示す。実施例1と同様に加工前の状態は旋盤加工されたものを用いた。砥石の損耗による生産性の劣化を考慮し、砥石を電着法によるcBN砥粒とし、加工時の傷等をさけるため弾性を持たせるよう、すり割り13−bを設けた砥石を製作し、球面座と工具軸とを傾斜させ設置し両者を回転相対摺動させた。このようにして製造された球面座は精度が高く、逃げ部分との境界付近の面粗さを1μmRmax以下に加工できた。また、製作した砥石もほとんど磨耗することがなかった。この球面座を有したレシプロ圧縮機は、球面座部の摺動面の耐摩耗性が良く、摺動抵抗も小さく出来た。
このようにして製造されたピストン1を用いたレシプロ圧縮機は連接部の耐摩耗性が高いので、性能劣化が無く信頼性の高い圧縮機を提供することが出来る。
本発明は球面座の摺動信頼性を安価に向上させうる技術であり、類似の球面座を用いた製品先般に対して利用可能である。
1…ピストン、2…コネクティングロッド、3…偏芯部、4…フレーム、5…シリンダ、6…バルブプレート、7…シリンダヘッド、8…クランクシャフト、9…ロータ、10…スプリング、11…ステータ、12…圧力チャンバ、13…砥石、14…砥石、15…内径バイト。
Claims (5)
- 冷蔵庫用レシプロ型圧縮機において、ピストンとクランクシャフトとの連結に球面座を有するピストンとそれに組み合わされる球体を有するコネクティングロッドとを用いたレシプロ型圧縮機の球面座の製造方法であって、実際に組み合わされる球体と概同形状の加工工具を球面座に押圧相対摺動させることによって該球面座を製造したことを特徴とするレシプロ圧縮機の製造方法。
- 球面座の加工方法であって、相対する球体と概同形状の加工工具を該球面座に押圧相対摺動させることにより製作することを特徴とした球面座とその製造方法。
- 冷蔵庫用レシプロ型圧縮機において、ピストンとクランクシャフトとの連結に球面座を有するピストンとそれに組み合わされる球体を有するコネクティングロッドとを用いたレシプロ型圧縮機の球面座の製造方法であって、実際に組み合わされる球体と概同形状の加工工具を弾性支持し、該球面座に押圧相対摺動させることによって球面座を製造したことを特徴とするレシプロ圧縮機の製造方法。
- 球面座の加工方法であって、相対する球体と概同形状の加工工具を工具回転方向に弾性支持させ該球面座に押圧相対摺動させることにより製作することを特徴とした球面座とその製造方法。
- 球面座の加工に用いる工具あって、相対する球体と概同形状で、工具回転方向に弾性構造を有したことを特徴とする球面座の加工工具。
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CN105114287A (zh) * | 2015-09-07 | 2015-12-02 | 安徽美芝制冷设备有限公司 | 往复式压缩机及其活塞连杆机构 |
CN109940479A (zh) * | 2019-02-28 | 2019-06-28 | 洛阳立博数控科技有限公司 | 一种用于球基面磨床上带缓冲自定位圆锥滚子的方法 |
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