WO2012035931A1

WO2012035931A1 - 頭皮ケア装置

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Publication number: WO2012035931A1
Application number: PCT/JP2011/068825
Authority: WO
Inventors: 和征大内; 柴　武志; 悦夫松木
Original assignee: パナソニック株式会社
Priority date: 2010-09-16
Filing date: 2011-08-22
Publication date: 2012-03-22
Also published as: CN103079519A; JP5478442B2; JP2012061181A; CN103079519B

Abstract

頭皮ケア装置（１０）は、連結軸（４７）を駆動する駆動源（３２）と、前記駆動源（３２）を収容する本体ハウジング（１３）とを含む装置本体部（１１）と、前記本体ハウジングに組付けられる施術ヘッド部（１２）とを備える。施術ヘッド部（１２）は、連結軸（４７）の駆動に基づいて連結軸（４７）の軸方向に直交する方向に少なくとも駆動される施術突起（８３ａ）を備えた複数の施術子（８１ａ～８１ｄ）を有する。連結軸（４７）の軸方向に投影した前記施術ヘッド部（１２）の投影像は複数の角部（Ｋ）を有する多角形状をなし、前記複数の施術子（８１ａ～８１ｄ）は、前記複数の角部（Ｋ）にそれぞれ対応する位置に設けられる。

Description

頭皮ケア装置

　本発明は、施術突起を頭皮に接触させて頭皮に刺激を付与する頭皮ケア装置に関するものである。

　特許文献１の頭皮ケア装置は、出力軸を駆動する駆動源と、駆動源を収容するハウジングと、ハウジングから突出した出力軸の先端に連結されて出力軸の駆動に基づいて駆動される施術突起を有した施術子とを備える。

　特許文献１の頭皮ケア装置では、施術子の施術突起は出力軸の軸方向に延出している。施術突起は、施術子がその施術突起の延出方向（出力軸の軸方向）に往復移動することで頭皮を叩く。頭皮ケア装置は、施術子の往復移動による刺激により頭皮にケア効果（洗浄やマッサージ効果）を付与する。

特開２００８－２０６９０２号公報

　しかしながら、上記の頭皮ケア装置では、施術突起は出力軸の軸方向に往復移動するのみであるため、頭皮に局所的な刺激を付与するが、頭皮の広範囲に刺激を付与し難い。

　本発明の目的は、出力軸の軸方向に直交する方向における頭皮ケア装置の大きさを小さく抑えつつ頭皮に対する施術突起の刺激付与範囲を広げることが可能な頭皮ケア装置を提供することにある。

　本発明の一側面に従う頭皮ケア装置は、出力軸を駆動する駆動源と、前記駆動源を収容する本体ハウジングとを含む装置本体部と、前記本体ハウジングに組付けられ、前記出力軸の駆動に基づいて前記出力軸の軸方向に直交する方向に少なくとも駆動される複数の施術子を有する施術ヘッド部とを備え、前記施術子の施術突起によって使用者の頭皮に刺激を付与する頭皮ケア装置であって、前記施術ヘッド部は、前記出力軸の軸方向に投影したとき、複数の角部を有する多角形状をなし、前記複数の施術子は、前記複数の角部にそれぞれ対応する位置に設けられる。

　上記構成において、前記複数の施術ヘッド部は、前記軸方向に投影したときに四角形状をなすように構成されることが好ましい。

　上記構成において、各施術子は、前記出力軸の中心である第１の軸からずれた第２の軸心に回転可能に構成されることが好ましい。

　本発明の別の側面に従う頭皮ケア装置は、駆動源と、前記駆動源によって複数の連結軸の周りでそれぞれ周回する複数の最終出力軸と、前記複数の最終出力軸及び前記駆動源を収容する本体ハウジングと、前記本体ハウジングに組付けられ、前記頭皮ケア装置の使用時に前記頭皮に対面する下面を有する施術ヘッド部とを備え、前記施術ヘッド部の前記下面は複数の角部を有する多角形状をなし、前記複数の施術子は、前記施術ヘッド部の前記下面において前記複数の角部にそれぞれ対応する位置に配置され、前記複数の連結軸及び前記複数の最終出力軸を介して前記下面内で周回する。

　一例では、前記複数の施術子は、前記複数の連結軸の周りをそれぞれ周回する。

　一例では、前記施術ヘッド部の前記下面は、前記複数の施術子を含む、四角形状の投影像を有する単一の樹脂成形部品であるカバー部の下面である。

　本発明によれば、出力軸の軸方向に直交する方向における頭皮ケア装置の大きさを小さく抑えつつ頭皮に対する施術突起の刺激付与範囲を広げることが可能な頭皮ケア装置を提供することができる。

本発明の一実施形態における頭皮ケア装置の斜視図である。図１の頭皮ケア装置の上面図である。図２のＡ－Ａ線に沿った頭皮ケア装置の断面図である。図２のＢ－Ｂ線に沿った頭皮ケア装置の断面図である。装置本体部の部分分解斜視図である。装置本体部の部分分解斜視図である。装置本体部の部分分解斜視図である。施術ヘッド部の分解斜視図である。図１の頭皮ケア装置の下面図である。装置本体部の下面図である。装置本体部の斜視図である。施術ヘッド部の外面側の斜視図である。施術ヘッド部の外面側の平面図である。施術ヘッド部の内面側の斜視図である。施術ヘッド部の内面側の平面図である。施術ヘッド部の断面図である。施術ヘッド部の断面図である。カバー部及び施術子の内面側の斜視図である。

　以下、本発明の一実施形態に従う頭皮ケア装置１０を図面に従って説明する。

　図１に示すように、頭皮ケア装置１０は、装置本体部１１と、この装置本体部１１に着脱可能な施術ヘッド部１２とを有している。

　図２及び図３に示すように装置本体部１１は、本体ハウジング１３を備えている。図３及び５に示すように、本体ハウジング１３の一端部（下端部）は、略四角のような多角形状に形成されている。本体ハウジング１３の下端部は略四角形のような多角形状の開口部（下部開口部ともいう）を有する。その下部開口部を覆うように施術ヘッド部１２が装置本体部１１に取付けられる。本体ハウジング１３の他端部（上端部）には、前記下部開口部より小さな略楕円形状の開口部（上部開口部ともいう）が形成されている。

　本体ハウジング１３は、縮径部１３ａを有する。図２の例では、縮径部１３ａは、前記下部開口部及び前記上部開口部よりも縮径された略楕円環状の断面形状を有している。本体ハウジング１３は上部及び下部開口部から前記縮径部１３ａにかけて徐々に縮径するように形成されている。この縮径部１３ａは、図３に示すように下部開口部よりも上部開口部に近い位置に形成することができる。

　図３に示すように、縮径部１３ａの内部において上下方向と直交する平面には、本体ハウジング１３の機械的強度を向上させる中間壁部１３ｂが形成されている。本体ハウジング１３の内部は、中間壁部１３ｂよりも下方の下側内部空間と中間壁部１３ｂよりも上方の上側内部空間とに仕切られる。中間壁部１３ｂには上下方向に貫通する貫通孔（図示略）が形成されており、この貫通孔を介して本体ハウジング１３の上側内部空間と下側内部空間は連通している。

　図３に示すように、本体ハウジング１３の上部開口部は、カバー部材２１にて閉塞されている。このカバー部材２１は、例えば略楕円ドーム状であり得る。図２に示すように、このカバー部材２１の長軸上には、比較的大径の１つの貫通孔２１ａと、比較的小径の３つの貫通孔２１ｂとが並んでいる。

　図３に示すように、スイッチ操作部材２２は大径の貫通孔２１ａ内で上下に移動可能である。このスイッチ操作部材２２は下方に延びる押圧用凸部２２ａを含む。図３及び図５に示すように、この押圧用凸部２２ａは本体ハウジング１３内に収容されたスイッチ側基台２３と本体ハウジング１３とによって保持されるスイッチ側基板２４上のスイッチ２４ａ（例えばタクトスイッチ（登録商標））を上方から押圧可能な位置に形成される。図５に示すように、Ｏリング２５ａに圧入したシャフトを有するねじ２５でスイッチ側基台２３を本体ハウジング１３に固定することにより、スイッチ側基板２４はスイッチ側基台２３と本体ハウジング１３との間に保持される。このスイッチ側基台２３の外周縁部はＯリング２３ｂに圧入されている。このＯリング２３ｂは本体ハウジング１３の内側面と前記スイッチ側基台２３の外縁部との間を液密的に封止し、本体ハウジング１３内部に水等が浸入することを防止している。

　スイッチ側基板２４は前記小径の貫通孔２１ｂとそれぞれ対向する発光ダイオード（ＬＥＤ）２６を有する（図３参照）。小径の貫通孔２１ｂには対応するＬＥＤ２６から出力される光を導光するＬＥＤカバー２７が設けられる。

　スイッチ側基台２３には貫通孔２３ａ（図５参照）が形成される。この貫通孔２３ａには略円盤状のゴムシール部材２８にて閉塞される。このゴムシール部材２８は、スイッチ操作部材２２の押圧用凸部２２ａを受承する凹部を有する。ゴムシール部材２８は押圧用凸部２２ａの変位に応答して弾性変形可能である。このため、例えばスイッチ操作部材２２が押圧されたとき、押圧用凸部２２ａ及びゴムシール部材２８を介してスイッチ２４ａは操作される。ゴムシール部材２８は貫通孔２３ａを液密的に封止し、本体ハウジング１３内部に水等が浸入することを防止している。

　本体ハウジング１３の下側内部空間に略平板状のモータ基台３０が収容されている。図６に示すように、モータ基台３０の下にギヤ基台４０が配置されている。複数のねじ３１でギヤ基台４０を本体ハウジング１３に固定することにより、モータ基台３０はギヤ基台４０と本体ハウジング１３との間に保持される。

　図５に示すようにモータ基台３０の上面の略中央部にモータ支持部３０ａが形成されている。モータ支持部３０ａは駆動源としてのモータ３２を支持する。図示した例では、モータ支持部３０ａは上方に突出する２つの側壁からなる。

　図５に示すように、本体側基板３５は本体ハウジング１３内に収容されている。モータ基台３０には、モータ３２に電力供給するための蓄電池３３が設けられる。例えば、蓄電池３３は、電池固定部材３４とモータ基台３０とによって保持される。図６に示すように金属製部材（導電体）からなる陽極金具３４ａ及び陰極金具３４ｂがモータ基台３０の下面に固定されている。陽極金具３４ａ及び陰極金具３４ｂは、モータ基台３０から上方に突出して略円柱状の蓄電池３３の両端にそれぞれ電気的に接続される先端を有する。各金具３４ａ，３４ｂの基端は、本体側基板３５上の制御回路と電気的に接続される。モータ３２の２つの端子は、モータ基台３０に設けられる略Ｌ字状のモータ用金具３４ｃと、本体側基板３５上の制御回路とに図示しないリード線を介してそれぞれ電気的に接続される。ばね部材３６ｂによって下方に付勢されるレバー部材３６ａが、前記本体側基板３５上の制御回路と電気的に接続されるレバー金具３４ｄを上方に押圧したときに、モータ用金具３４ｃはそのレバー金具３４ｄと電気的且つ機械的に接続される。このようにして、蓄電池３３の電力は金具３４ａ～３４ｄ、リード線及び本体側基板３５上の制御回路を介してモータ３２に供給される。図３及び図６に示すように、レバー部材３６ａにばね部材３６ｂを外挿した状態で、レバー部材３６ａは、ギヤ基台４０及びモータ基台３０に形成される挿通孔に挿通される。このとき、レバー部材３６ａのフック部はギヤ基台４０の支持部４０ｆと嵌合する。図示した例では、支持部４０ｆは下方に突出する２つの湾曲壁部からなる。ばね部材３６ｂは、レバー部材３６ａとギヤ基台４０との間で圧縮されてレバー部材３６ａを下方に付勢する。

　前記本体側基板３５は、図５に示すように前記スイッチ側基板２４の下面に設けられるコネクタ取付部２４ｂに、複数のリード線３７ａを有するコネクタ部材３７ｂを介して電気的に接続されて、各種の電気信号が本体側基板３５とスイッチ側基板２４との間で双方向に伝送される。基板２４，３５間で伝送される信号は、例えば前記スイッチ２４ａのオン状態やオフ状態を示す信号、モータ３２の駆動力（回転数）を決定するための信号を含むことができる。リード線３７ａはＬＥＤ２６等を駆動させる電力の伝送に用いることができる。

　図５に示すように、蓄電池３３は、例えばケーブルＣを介して外部電源（例えば商用電源）と電気的に接続されることで充電可能である。即ち、前記モータ基台３０の側縁部に形成された取付用凹部３０ｂには、前記外部電源と接続するための端子３８ａを含むプラグ基台３８ｂが設けられる。プラグ基台３８ｂの端子３８ａは、前記本体ハウジング１３の側面に形成される挿通孔（図示略）を介して外部からアクセス可能である。この端子３８ａを介してプラグ基台３８ｂにケーブルＣを接続することで、前記本体側基板３５の制御回路及び前記金具３４ａ，３４ｂを介して蓄電池３３に充電可能である。前記プラグ基台３８ｂの各端子３８ａにＯリング３８ｃが装着されている。Ｏリング３８ｃは、前記本体ハウジング１３の側面の前記挿通孔を介して本体ハウジング１３の内部への水の浸入を防止する防水構造に含まれる。

　図６に示すように、モータ３２の駆動力は、複数のギヤ３２ｂ，４１～４５，４６ａ～４６ｄ等を介して、施術ヘッド部１２側に減速して、つまりトルクを高めながら伝達される。

　モータ３２のモータ軸３２ａは、モータ基台３０の貫通孔３０ｃに挿通される。モータ軸３２ａの先端にピニオンギヤ３２ｂが一体回転可能に固定されている。

　ギヤ基台４０はねじ３１でモータ基台３０に固定されている。このギヤ基台４０に軸４０ａ、４０ｂ、４０ｃ、４０ｄ、４０ｅが圧入固定される。第１伝達ギヤ４１、第２伝達ギヤ４２、第３伝達ギヤ４３、第４伝達ギヤ４４及び第５伝達ギヤ４５は軸４０ａ、４０ｂ、４０ｃ、４０ｄ、４０ｅにそれぞれ回転可能に支持される。伝達ギヤ４１～４５は、大径ギヤ部４１ａ、４２ａ、４３ａ、４４ａ、４５ａと、小径ギヤ部４１ｂ、４２ｂ、４３ｂ、４４ｂ、４５ｂとを一体的に有する。小径ギヤ部４１ｂ、４２ｂ、４３ｂ、４４ｂ、４５ｂは、対応する大径ギヤ部４１ａ、４２ａ、４３ａ、４４ａ、４５ａと同軸的に一体成形されている。

　ピニオンギヤ３２ｂは第１伝達ギヤ４１の大径ギヤ部４１ａと噛合される。第１伝達ギヤ４１の小径ギヤ部４１ｂは、第２伝達ギヤ４２の大径ギヤ部４２ａと噛合される。第２伝達ギヤ４２の大径ギヤ部４２ａは、第１伝達ギヤ４１の小径ギヤ部４１ｂよりも大径である。

　第２伝達ギヤ４２の大径ギヤ部４２ａは、第３伝達ギヤ４３の大径ギヤ部４３ａが噛合される。第３伝達ギヤ４３は、第２伝達ギヤ４２と略同形状・略同サイズである。

　第２伝達ギヤ４２の小径ギヤ部４２ｂは、この小径ギヤ部４２ｂよりも大径の第４伝達ギヤ４４の大径ギヤ部４４ａと噛合される。第３伝達ギヤ４３の小径ギヤ部４３ｂは、この小径ギヤ部４３ｂよりも大径の第５伝達ギヤ４５の大径ギヤ部４５ａと噛合される。第５伝達ギヤ４５は第４伝達ギヤ４４と略同一形状・同サイズである。

　第４伝達ギヤ４４及び第５伝達ギヤ４５の小径ギヤ部４４ｂ，４５ｂは、４つの最終ギヤ４６ａ～４６ｄと噛合される。各最終ギヤ４６ａ～４６ｄは、中心位置に出力軸としての連結軸４７を有する。各連結軸４７は対応する最終ギヤ４６ａ～４６ｄと一体回転する。各連結軸４７は例えば圧入若しくはインサート成形にて対応する最終ギヤ４６ａ～４６ｄと連結される。

　各連結軸４７は、図４、図６及び図７に示すように軸方向に所定間隔隔てて配置された２つのベアリング４８により回転可能に支持されている。

　連結軸４７の先端は、図３、図４及び図７に示すように防水基台５０の底部５０ａ及びこの底部５０ａの下面に取り付けられる押さえ板５１にそれぞれ設けられる複数（本実施形態では４つ）の挿通孔５０ｂ，５１ａに挿通される。各連結軸４７において、前記防水基台５０の挿通孔５０ｂよりも下方かつ前記押さえ板５１よりも上方においてＯリング５２が取り付けられている。Ｏリング５２は、前記防水基台５０の挿通孔５０ｂから前記本体ハウジング１３内部に水等が浸入することを防止する。

　防水基台５０は、前記本体ハウジング１３の多角形状の下部開口部に適合するように形成されている。防水基台５０の外周縁部にシール部材５３が取り付けられた状態で、防水基台５０は本体ハウジング１３に取り付けられる。シール部材５３は、例えば弾性部材であり、防水基台５０の外周縁部と本体ハウジング１３の内周面との間を液密的に封止する。シール部材５３は、防水基台５０の外周縁部と本体ハウジング１３の内周面との間から水が浸入するのを防止する防水構造に含まれる。

　押さえ板５１は、防水基台５０の底部５０ａと略同形状であり、例えば金属製板状部材であり得る。押さえ板５１及び防水基台５０は本体ハウジング１３に複数（本実施形態では４つ）のねじ５４にて固定される（図３及び図７参照）。各ねじ５４のシャフトにおいて、前記押さえ板５１と防水基台５０との間には、Ｏリング５４ａが取り付けられている。Ｏリング５４ａは、防水基台５０よりも本体ハウジング１３の内側に水等が浸入することを防止する。

　各連結軸４７は、その軸方向の一端（下端）にＤ字断面形状の先端部４７ａを有する。先端部４７ａには回転基台５５が取付けられる。

　図７、８、１０及び１１に示すように、回転基台５５は、略円盤状をなすベース部５５ａと、このベース部５５ａの中心から径方向外側にある偏心位置に形成された第１連結部５５ｂと、前記ベース部５５ａの中心に形成された第２連結部５５ｃとを有している。第１連結部５５ｂはベース部５５ａから下方に突出する筒部であり得る。

　回転基台５５の第１連結部５５ｂには前記連結軸４７の先端部４７ａが挿入される。回転基台５５の第２連結部５５ｃには、最終出力軸５６が固定される。本明細書では、上下方向を、連結軸（出力軸）４７の軸方向または最終出力軸５６の軸方向と呼ぶことがある。

　第２連結部５５ｃ及び最終出力軸５６は、対応する最終ギヤ４６ａ～４６ｄの軸すなわち連結軸４７から偏心している。従って、連結軸４７の回転に応答して回転基台５５が第１連結部５５ｂ（連結軸４７）を中心として回転したとき、第２連結部５５ｃ及び最終出力軸５６は、対応する最終ギヤ４６ａ～４６ｄの軸すなわち連結軸４７の周りを周回する。すなわち、各最終出力軸５６は、対応する連結軸４７の周りの円形軌跡上を移動する。

　次に、施術ヘッド部１２の構造を説明する。図１２に示すように、施術ヘッド部１２は、本体ハウジング１３の多角形状の下部開口部を閉塞させるカバー部６１と、前記モータ３２の駆動力を受けて駆動される施術子８１ａ～８１ｄとを有している。

　本実施形態の施術ヘッド部１２は、軸方向に投影したときに、複数の角部Ｋを有する多角形状（例えば略四角形状）を成している。前記施術子８１ａ～８１ｄは、前記複数の角部Ｋにそれぞれ対応する位置に配置されている。

　図８、図１２及び図１３に示すようにカバー部６１は、前記本体ハウジング１３の多角形状の下部開口部に適合する形状及び大きさを有する。カバー部６１は例えばエラストマ等の可撓性部材で構成される。

　カバー部６１には、硬質材料で構成されるヘッドベース部６２が取付けられている。ヘッドベース部６２はカバー部６１よりも高い剛性を有し変形しにくいことが好ましい。ヘッドベース部６２は、前記カバー部６１の外周縁部６１ａに対応する外枠部６３と、この外枠部６３の周方向に互いに離間した複数位置からヘッドベース部６２の中心にむけて延出してヘッドベース部６２の中心で互いに連結される複数の桟部６４とを有している。ヘッドベース部６２がカバー部６１に取り付けられたとき、ヘッドベース部６２の外枠部６３はカバー部６１の外周縁部６１ａの内周面に密着することが好ましい。桟部６４は等角度間隔をおいて離間していることが好ましい。ヘッドベース部６２が略四角形である場合、桟部６４はヘッドベース部６２の各辺の中央位置に形成することができる。

　外枠部６３は、防水基台５０に向かって延出する一または複数の係合部６３ａを含む。係合部６３ａの先端は例えば外向きの爪であり得る。この係合部６３ａは前記防水基台５０とスナップフィット係合する。こうして外枠部６３と防水基台５０は上下に並ぶ。

　外枠部６３において周方向に互いに離間した複数位置、好ましくは、桟部６４に対応する位置には、外側に延出する延出部６３ｂが設けられる。延出部６３ｂは、カバー部６１の外周縁部６１ａの対応する位置に形成された貫通孔６１ｂに受承される。これにより、ヘッドベース部６２にカバー部６１が取付けられる。比較的高い剛性を有するヘッドベース部６２を装置本体部１１に取り付ける作業は、軟質のカバー部６１を装置本体部１１に直接取り付ける作業よりも容易である。従って、ヘッドベース部６２にカバー部６１を取付けることにより、施術ヘッド部１２を装置本体部１１に容易に取付けることが可能となっている。

　桟部６４は、ヘッドベース部６２の中央連結部６５と外枠部６３とを放射状に連結する。各桟部６４の下面には機械的強度向上のためのリブ部６４ａが当該桟部６４に沿って形成されている。図１４に示すように、各桟部６４の上面から上方に延出する円柱状の突起部６４ｂが形成されている。これらの突起部６４ｂは、ヘッドベース部６２の中心（中央連結部６５）から略同一距離で周方向に略９０度間隔をおいて形成されている。前記施術ヘッド部１２を装置本体部１１に取付けた状態において、いずれか１つの突起部６４ｂは、上下方向（軸方向）に所定量だけ移動可能な前記レバー部材３６ａの下端と当接するようになっている。

　中央連結部６５の下面に略円筒状の係合部６５ａが形成される。この係合部６５ａは前記カバー部６１上面の略中央に形成される突起部６１ｃ（図１８参照）と係合する。これにより、カバー部６１がヘッドベース部６２から下方へ脱落を抑制する。

　図８に示すように、中央連結部６５の上面には、施術子８１ａ～８１ｄの上下方向への移動を規制する支持装置６６が配置されている。支持装置６６は、前記中央連結部６５に取付けられる係合ブロック６７と、この係合ブロック６７に支持され施術子８１ａ～８１ｄに対応付けられた複数の連結部材６８とを有している。係合ブロック６７は連結部材６８が上下方向への移動するのを規制する。図示した例では、各連結部材６８は平板状である。係合ブロック６７はヘッドベース部６２の一部であってもよい。

　係合ブロック６７の下面には前記ヘッドベース部６２の中央連結部６５と接続される係合凸部６７ａが複数設けられている。係合ブロック６７の４つの側面の各々には、前記連結部材６８の基端を受承可能な複数の挿通孔６９が形成されている。図示した例では、挿通孔６９は、係合ブロック６７の４つの側面の各々において上下方向に異なる位置に形成されている。係合ブロック６７の側面に合計１６個の挿通孔６９が設けられている。

　係合ブロック６７の側面毎に選択された一つの挿通孔６９に、連結部材６８の基端部が挿通される。連結部材６８が上下方向において互いに異なる位置となるように、連結部材６８の基端部を挿通すべき挿通孔６９が選択される。連結部材６８の基端部を上下方向に投影したとき、連結部材６８の基端部が互いに重なるように配置できるため、上下方向と直行する面における施術ヘッド部１２の面積（すなわちフットプリント）を極力小さくすることができる。

　各連結部材６８は２股湾曲形状（本実施形態では略Ｕ字状）の先端部である湾曲係合部７０を含む。

　図１４及び図１５に示すように連結部材６８の湾曲係合部７０は、略円柱状の施術子基台７１の基端部（すなわち上部）の外周面に形成される溝部７２と連結される。各溝部７２は前記湾曲係合部７０を上下に保持する内面を有する。施術子基台７１と連結部材６８との連結により、施術子基台７１の上下方向への移動が規制される。

　図１５～図１７に示すように各施術子基台７１は、前記最終出力軸５６の先端と連結される連結凹部７１ｂと、この連結凹部７１ｂから下方ほど拡径されるテーパ面７１ｃとを有する。回転基台５５に設けられる最終出力軸５６を連結凹部７１ｂへの挿入（連結）はテーパ面７１ｃにより容易になり、頭皮ケア装置１０の組立効率が向上する。

　図１６及び図１７に示すように、施術子８１ａ～８１ｄはカバー部６１と一体成形される。これら施術子８１ａ～８１ｄは施術子基台７１の下部（出力側ともいう）に組み付けられる。

　施術子８１ａ～８１ｄは、カバー部６１と同様に例えばエラストマ等の可撓性部材で構成される。施術子８１ａ～８１ｄの各々は、施術子基台７１が取付けられる有底筒状の施術子ベース部８２と、この施術子ベース部８２の下面から下方に延出する複数の施術突起８３とを有している。各施術突起８３の先端にはさらに小径の突起８３ａが例えば３つ形成されている。

　図１８に示すように、各施術子ベース部８２には、複数の嵌合凸部８２ａが設けられている。図８に示すように、各施術子基台７１の先端には、複数の嵌合凸部８２ａに対応する複数の凹部７１ｄが形成されている。嵌合凸部８２ａは、施術子基台７１を配置した金型に、前記カバー部６１及び施術子８１ａ～８１ｄを構成する樹脂部材を充填することで、成形することができる。この例では、カバー部６１及び施術子８１ａ～８１ｄは、前記施術子基台７１と二色成形にて一体的に構成されている。

　図１３、図１６及び図１７に示すように、各施術子８１ａ～８１ｄの施術子ベース部８２の周囲には、前記カバー部６１の一部である追従変形部６１ｄが設けられている。追従変形部６１ｄは、上下方向と直交する方向に弾性変形可能に構成されている。このため、施術子基台７１によって施術子ベース部８２が上下方向と直交する方向に移動したとき、追従変形部６１ｄは変形して、施術子８１ａ～８１ｄが施術子ベース部８２の移動に追従して移動することを許容する。追従変形部６１ｄは、施術突起８３の先端とは反対側に底を有する環状溝を区画する膜であり得る。追従変形部６１ｄは、蛇腹状としてもよい。カバー部６１は、施術子８１ａ～８１ｄ及び追従変形部６１ｄを含む単一の樹脂成形品であり得る。

　使用者によりスイッチ操作部材２２が押圧操作されることで、スイッチ２４ａがオンとオフとに切替えられてモータ３２が駆動または停止する。モータ３２が駆動したとき、モータ３２の駆動力はギヤ４１～４６を介して伝達されることで、施術ヘッド部１２の施術子８１ａ～８１ｄは、対応する連結軸４７の周りを周回する。施術子８１ａ～８１ｄの施術突起８３（突起８３ａ）を頭皮に接触させると、施術突起８３の動きに合わせて使用者の頭皮が動かされることになり、頭皮がケア（マッサージ）される。このとき、施術子８１ａ～８１ｄは、ギヤ４１～４６の動作及び回転基台５５の配置により、例えば頭皮を一方向に動かすように動作することができる。

　ここで、施術子８１ａ～８１ｄの周回動作について、主に図９を用いて説明する。なお、図９では、頭皮ケア装置１０を下方向から見たときの平面図を示す。以下の説明では、図９の上下左右を、頭皮ケア装置１０の前後左右と呼ぶことがある。

　図１０に示す例では、連結軸４７は略正方形の角に配置されている。連結軸４７は、回転基台５５、最終出力軸５６及び施術子基台７１を介して施術子８１ａ～８１ｄに接続されている。図９中の点Ｐ１～Ｐ４は、施術子８１ａ～８１の中心すなわち対応する施術子ベース部８２の中心を示す。前後方向に隣り合う施術子８１ａ，８１ｂの施術子ベース部８２の中心Ｐ１，Ｐ２は対応する連結軸４７の周りの円形軌跡上を反時計回りに移動する。中心Ｐ１，Ｐ２は、互いに１８０度の位相のずれをもって周回する。前後方向に隣り合う施術子８１ｃ，８１ｄの施術子ベース部８２の中心Ｐ３，Ｐ４は連結軸４７の周りの円形軌跡上を時計回りに移動する。中心Ｐ３，Ｐ４は互いに１８０度の位相のずれをもって周回する。このように、中心Ｐ１，Ｐ２は同じ方向に、互いに異なる位相で周回し、中心Ｐ３，Ｐ４は中心Ｐ１，Ｐ２の周回方向とは反対方向に、互いに異なる位相で周回する。左右方向に隣り合う施術子８１ａ，８１ｃ（施術子８１ｂ，８１ｄ）については、それらの施術子ベース部８２の中心Ｐ１，Ｐ３（中心Ｐ２，Ｐ４）は、垂直二等分線Ｌに対して互いに線対称となるように周回する。

　このような構成によれば、施術子８１ａ，８１ｃの中心Ｐ１，Ｐ３が最前位置（図９の上側）にあるときに、施術子８１ｂ，８１ｄの中心Ｐ２，Ｐ４は最後位置（図９の下側）にあり、中心Ｐ１と中心Ｐ２との前後距離及び中心Ｐ３と中心Ｐ４との前後距離はいずれも最大になる（図９の状態から周回方向と反対方向に９０度回転させた状態）。この状態から、施術子８１ａ～８１ｄが周回方向にそれぞれ９０度移動すると、図９に示すように、施術子８１ａ，８１ｃは左右方向において最接近して、施術子８１ａ，８１ｃの施術突起８３で頭皮に対して挟み揉みが行われる。施術子８１ａ，８１ｃ間で挟まれた頭皮は周回方向に移動される。

　図９の状態から、施術子８１ａ～８１ｄが周回方向に９０度移動したとき、施術子８１ａ，８１ｂの施術子ベース部８２の中心Ｐ１，Ｐ２は、最接近する。施術子８１ａ，８１ｂ間の隙間を局所的に見ると、施術子８１ａ，８１ｂは、互いに接近した状態で互いに反対方向にすれ違う。これにより、同じタイミングで接近する施術子８１ａ，８１ｂで頭皮を挟み、引き続き、施術子８１ａ，８１ｂが互いにすれ違うときに頭皮にひねりの動きを与えることが可能となっている。このように挟み動作及びひねり揉み動作を行う施術子８１ａ，８１ｂを頭皮に接触させると、その各施術子８１ａ，８１ｂの動きに合わせて使用者の頭皮が効果的に動かされることになり、頭皮がケア（マッサージ）されることになる。施術子８１ｃ，８１ｄにおいても、この施術子８１ａ，８１ｂと同様の挟みとひねりの動きがなされる。

　そこから更に、施術子８１ａ～８１ｄが周回方向に９０度移動するときに、施術子８１ｂ，８１ｄは、それらの間にある頭皮に対し挟みとさすり揉みを行うように動作する。このとき、施術子８１ｂ，８１ｄが左右方向において最も接近し（図９の状態から１８０度回転させた状態）、施術子８１ｂ，８１ｄの施術突起８３で頭皮に対して挟み揉みが行われる。前述したように施術子８１ａ，８１ｃ間で挟まれた頭皮は施術子８１ａ，８１ｃの動作によって施術子８１ｂ，８１ｄに向かって後側に移動され、それに連続するように、施術子８１ｂ，８１ｄは使用者の頭皮を後側に移動させるように動作する。

　このように、図９に示す例では、施術子８１ａ～８１ｄ（中心Ｐ１～Ｐ４）の角度位置に応じて、頭皮に対して異なる種類の動きを与えることが可能であるため、頭皮ケア効果が向上する。

　頭皮ケア装置１０では、施術ヘッド部１２を連結軸４７の軸方向に投影した際に、施術ヘッド部１２は複数（４つ）の湾曲状の角部Ｋを有する多角形状（例えば略四角形状）とされる。各角部Ｋと施術ヘッド部１２の中心とを結ぶ線上に、各施術子８１ａ～８１ｄの動作領域の略中心である連結軸４７が位置する。好ましくは、連結軸４７の中心は、各角部Ｋと施術ヘッド部１２の中心とを結ぶ線分上において略半分の位置に設定されている。このため、前記軸方向と直交する方向に動作される施術子８１ａ～８１ｄの施術領域（刺激付与範囲）を互いに略同等の大きさと形に設定しつつ、施術子８１ａ～８１ｄの施術領域を最大限広げることが可能となる。また、多角形状の施術ヘッド部１２の下面積（フットプリント）は、その施術ヘッド部１２の中心から角部Ｋまでの長さを半径とする円形の面積に比べて小さい。これによって、頭皮ケア装置１０を小型にすることができる。

　施術子８１ａ～８１ｄは、最終出力軸５６の中心に対応する中心Ｐ１～Ｐ４を有し、施術突起８３は各中心Ｐ１～Ｐ４を囲むように配置される。各施術子８１ａ～８１ｄの中心Ｐ１～Ｐ４は連結軸４７の軸心から偏心している。各施術子８１ａ～８１ｄは、その中心Ｐ１～Ｐ４が前記連結軸４７を中心とする円形軌跡上を周回するように動作される。例えば連結軸４７の軸心が施術子の中心Ｐ１～Ｐ４（最終出力軸５６の中心）と同軸である場合と比較して、図示した構造は、頭皮に対してより広い範囲に刺激を付与することができる。中心Ｐ１～Ｐ４は第１の軸心と呼び、連結軸４７は第２の軸心と呼ぶことがある。

　次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。

　（１）最終出力軸５６及び連結軸４７の軸方向に投影したときに施術ヘッド部１２の形状は、複数の角部Ｋを有する多角形状であり、施術子８１ａ～８１ｄは、前記角部Ｋに対応する位置に設けられる。施術ヘッド部１２をこの形状にすることで、施術ヘッド部１２の軸方向への投影像における面積を小さくすることができ、また、施術子８１ａ～８１ｄのモータ３２による動作領域を最大限に設定することができる。これによって施術子８１ａ～８１ｄによる刺激の付与可能な領域を広げることができる。

　（２）施術子８１ａ～８１ｄが２つの組に分かれて一体的な動作（連動）する本構成において、施術ヘッド部１２が軸方向に投影したときに比較的単純な略四角形状をなすように構成される意義は大きい。

　（３）施術子８１ａ～８１ｄは、第１の軸（中心Ｐ１～Ｐ４すなわち最終出力軸５６の軸心）からずれた第２の軸である連結軸４７を中心に回可能に構成される。このような構成とすることで、各中心Ｐ１～Ｐ４と連結軸４７が同軸上とされて施術子８１ａ～８１ｄが回転動作される場合と比較して、施術子８１ａ～８１ｄの動作領域は広がる。よって、頭皮ケア装置１０は頭皮のより広い範囲に刺激を付与することができる。

　（４）図９に示す例では、施術ヘッド部１２の、頭皮に対面する下面（カバー部６１の下面）は、丸められた角を有する正方形であり、連結軸４７は正方形の角に配置されており、施術子８１ａ～８１ｄは、施術ヘッド部１２の下面内で、連結軸４７の周りを周回する。この構造の施術ヘッド部１２は、簡単な形状と、施術子８１ａ～８１ｄの動作領域の拡大とを両立するうえで好ましい。

　尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。

　・上記実施形態では、施術ヘッド部１２の投影像は角部Ｋを４つ有する略四角形状であるが、その投影像は三角形状や五角形状等の他の多角形状であってもよい。なお、上記実施形態のように、施術子８１ａ～８１ｄの内で、施術子８１ａ，８１ｃで頭皮を挟むような連動動作をするとともに前記各施術子８１ａ，８１ｃと１８０度位相がずれる施術子８１ｂ，８１ｄで頭皮を挟むような連動動作をする場合にはＮ角形状（但しＮは偶数）となるような構成が望ましい。ただし、上記実施形態では各施術子８１ａ，８１ｃと施術子８１ｂ，８１ｄとが１８０度位相のずれた周回動作であるため、施術ヘッド部１２の投影像は四角形状としたが、四角形状以外の場合には前記施術子８１ａ，８１ｃと施術子８１ｂ，８１ｄとの周回動作のずれ（位相１８０度）は適宜変更してもよい。

　・上記実施形態では、最終出力軸５６は連結軸４７から軸方向に直交する方向にずれた位置にあり、前記連結軸４７の周りで最終出力軸５６が周回することで、各施術子８１ａ～８１ｄが連結軸４７の周囲を周回すなわち偏心回転させるようにしたが、最終出力軸５６は連結軸４７と同軸上で回転する構成を採用してもよい。この場合、各施術子８１ａ～８１ｄは自身の施術突起８３の配置中心（Ｐ１～Ｐ４）を中心軸として回転する。従って、施術子８１ａ～８１ｄはカバー部６１と別体であることが望ましい。

　・上記実施形態では、施術子８１ａ～８１ｄが連結軸４７（最終出力軸５６）の軸方向と直交する方向に（例えば軸方向に直交する面内で）移動する構成としたが、これに加えて施術子８１ａ～８１ｄを軸方向に移動させてもよい。このような構成とすることで使用者の頭皮を叩くような刺激を付与することができる。

　・上記実施形態では、カバー部６１と施術子８１ａ～８１ｄとは可撓性部材にて一体成形したが、カバー部６１と施術子８１ａ～８１ｄは別体でもよい。但し、施術子８１ａ～８１ｄの施術突起８３は、可撓性部材（弾性部材）にて構成することが望ましい。

　・上記実施形態では、施術子８１ａ～８１ｄの数は任意に変更してもよい。施術突起８３の数は任意に変更してもよい。施術子８１ａ～８１ｄ毎に施術突起８３の数は異なってもよい。更に、各施術突起８３の先端に設けられる更に小径の突起８３ａの数は任意に変更してもよい。施術突起８３毎に突起８３ａの数は異なってもよい。突起８３ａを省略してもよい。

　１０…頭皮ケア装置、１１…装置本体部、１２…施術ヘッド部、１３…本体ハウジング、４７…出力軸としての連結軸、８１ａ～８１ｄ…施術子、８３…施術突起、Ｋ…角部、Ｐ１～Ｐ４…中心。

Claims

　出力軸を駆動する駆動源と、前記駆動源を収容する本体ハウジングとを含む装置本体部と、
　前記本体ハウジングに組付けられる施術ヘッド部であって、前記出力軸の駆動に基づいて前記出力軸の軸方向に直交する方向に少なくとも駆動される複数の施術子を有する前記施術ヘッド部とを備え、
　前記施術子の施術突起によって使用者の頭皮に刺激を付与する頭皮ケア装置であって、
　前記施術ヘッド部は、前記出力軸の軸方向に投影したとき、複数の角部を有する多角形状をなし、
　前記複数の施術子は、前記複数の角部にそれぞれ対応する位置に設けられたことを特徴とする頭皮ケア装置。
　請求項１に記載の頭皮ケア装置において、
　前記施術ヘッド部は、前記軸方向に投影したとき四角形状をなすように構成されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
　請求項１又は２に記載の頭皮ケア装置において、
　各施術子は、前記出力軸の中心である第１の軸からずれた第２の軸を中心に回転可能に構成されることを特徴とする頭皮ケア装置。
　駆動源と、前記駆動源によって複数の連結軸の周りでそれぞれ周回する複数の最終出力軸と、前記複数の最終出力軸及び前記駆動源を収容する本体ハウジングと、前記本体ハウジングに組付けられ、前記頭皮ケア装置の使用時に前記頭皮に対面する下面を有する施術ヘッド部とを備える頭皮ケア装置であって、
　前記施術ヘッド部の前記下面は複数の角部を有する多角形状をなし、
　前記複数の施術子は、前記施術ヘッド部の前記下面において前記複数の角部にそれぞれ対応する位置に配置され、前記複数の連結軸及び前記複数の最終出力軸を介して前記下面内で周回することを特徴とする頭皮ケア装置。
　請求項４に記載の頭皮ケア装置において、
　前記複数の施術子は、前記複数の連結軸の周りをそれぞれ周回することを特徴とする頭皮ケア装置。
　請求項４に記載の頭皮ケア装置において、
　前記施術ヘッド部の前記下面は、前記複数の施術子を含む、四角形状の投影像を有する単一の樹脂成形部品であるカバー部の下面であることを特徴とする頭皮ケア装置。