WO2011089659A1 - 燃料物性決定方法及び燃料物性決定装置 - Google Patents

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Abstract

 燃料を構成する物質を含んだ複数種類の初期物質同士の化学反応を構成する素反応を解析して燃料素反応として取得する反応メカニズム解析工程(S1)と、燃料素反応に基づいてシミュレーションを行うことにより燃料の燃焼特性を算出すると共に当該燃料の燃焼特性に基づいて前記オクタン価を決定するオクタン価決定工程(S2)とを有する。

Description

燃料物性決定方法及び燃料物性決定装置
 本発明は、燃料物性決定方法及び燃料物性決定装置に関する。本願は、2010年1月19日に、日本に出願された特願2010-009369号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
 燃料の物性を示す値の1つに、燃料の耐ノック性を表す指数であるオクタン価がある。このオクタン価は、耐ノック性の高いイソオクタンを100、耐ノック性の低いノルマルヘプタンを0としている。そして、燃料のオクタン価は、燃料の耐ノック性が一致するイソオクタンとノルマルヘプタンとの混合燃料(標準燃料)におけるイソオクタンの体積%に相当する値とされている。つまり、燃料の耐ノック性が、イソオクタンの混合割合が体積割合で50%の上記混合燃料と一致する場合には、燃料のオクタン価は50と示される。
 ところで、オクタン価は、その決定手法等に応じて、様々な種類が存在する。例えば、日本等で指標として採用されているリサーチ法オクタン価や、ドイツ等で指標として採用されているモータ法オクタン価がその代表例である。
 そして、オクタン価が未知の燃料のオクタン価を決定する場合には、上述の決定手法に則った実験を行うことによってオクタン価が決定される。
 具体的には、リサーチ法オクタン価及びモータ法オクタン価では、オクタン価を測定するために専用に設計されたCFRエンジンが上記燃料で駆動される。そして、その際の燃焼室の圧力変動特性を標準燃料で駆動した場合と比較することによってオクタン価が決定される。
 内燃機関の燃焼室の圧力値は、ノッキングによって変化する。このため、燃焼室の圧力値を測定することによってノッキングの有無が測定される。さらに、その測定のタイミングや測定値を、測定対象の燃料と標準燃料とで比較することによって上述のオクタン価が決定される。
JIS(日本工業規格)K2280
 しかしながら、燃焼室の圧力値は、CFRエンジンの燃焼室の汚れ具合によって変化する。このため、正確なオクタン価を決定するためには、燃料のオクタン価を決定するための実験に先立ち、燃焼室の汚れ具合を取得するための予備実験を行う必要がある。
 例えばリサーチ法オクタン価を決定する場合には、トルエン系点検燃料を用いてCFRエンジンが稼動され、この稼動状況から燃焼室の汚れ具合を求める予備実験が行われる。
 そして、この予備実験によって求められた燃焼室の汚れ具合を勘案してオクタン価を決定するための実験を行う必要がある。
 つまり、従来のオクタン価の決定手法においては、オクタン価を決定する実験を行う度に、上記予備実験を行う必要があり、その作業が煩雑である。
 なお、従来は、リサーチ法オクタン価やモータ法オクタン価に限らず、オクタン価を決定する場合には、内燃機関を、対象の燃料と標準燃料とで実際に稼動させて、その稼動状況からオクタン価が決定されている。このため、内燃機関の燃焼室等の状況に応じて測定値が変化するため、正確なオクタン価を決定することは困難である。
 また、従来のオクタン価の決定方法では、実際の内燃機関の使用環境に応じたオクタン価を決定する場合には、その都度、実際にその環境を作り出し、その環境の中で上述の実験を行うことによりオクタン価を決定する必要がある。例えば、燃料の温度に応じたオクタン価を決定する場合には、実際に燃料の温度を変えて実験を行う必要がある。
 このため、従来のオクタン価の決定方法では、その都度内燃機関を用意し、さらに環境を形成するための設備を整え、さらに大掛かりな実験を数多く行う必要がある。そのため、作業が煩雑である。
 本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、より容易に燃料の物性(オクタン価等)を決定可能とすることを目的とする。
 本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
 第1の発明は、燃料の物性を決定する燃料物性決定方法であって、上記燃料を構成する物質を含んだ複数種類の初期物質同士の化学反応を構成する素反応を解析して燃料素反応として取得する反応メカニズム解析工程と、上記燃料素反応に基づいてシミュレーションを行うことにより上記燃料の燃焼特性を算出すると共に燃料の燃焼特性に基づいて上記燃料の物性を決定する物性決定工程とを有する。
 第2の発明では、上記第1の発明において、上記燃料の物性がオクタン価であり、上記物性決定工程が上記燃料のオクタン価を決定するオクタン価決定工程である。
 第3の発明では、上記第2の発明において、上記反応メカニズム解析工程にて、上記化学反応を記述する複数の素反応式及び該素反応式に関連付けられたパラメータを有する素反応データ、並びに素反応データからシミュレーションデータを算出するための空間零次元で時間一次元化された方程式を有する演算データを用いてシミュレーションデータを算出する算出工程と、上記シミュレーションデータが、実験により得られた上記化学反応の際の空間一次元の温度分布を有する実験データを導出できるかどうかを判定する判定工程と、上記素反応データに含まれる上記パラメータを調整可能なパラメータ調整工程とを行い、上記判定工程において上記シミュレーションデータが上記実験データを導出可能であると判定されるまで、上記パラメータ調整工程及び調整後の上記パラメータを用いた上記算出工程を繰り返し行う。
 第4の発明では、上記第2または第3の発明において、上記オクタン価決定工程にて、上記燃料の燃焼特性と予め組成が規定された標準燃料の燃焼特性とを比較して上記オクタン価が決定される。
 第5の発明では、上記第4の発明において、上記反応メカニズム解析工程にて、上記標準燃料を構成する物質を含んだ複数種類の初期物質同士の化学反応を構成する素反応を解析して標準燃料素反応として取得し、上記オクタン価決定工程にて、上記標準燃料素反応に基づいてシミュレーションを行うことにより上記標準燃料の燃焼特性を算出する。
 第6の発明では、上記第2~第5いずれかの発明において、上記燃料を燃焼させた際に発生する冷炎及び熱炎の発熱量、上記燃料を燃焼させた際に発生する冷炎の発熱量と熱炎の発熱量との比、並びに、上記燃料を燃焼させた際に発生する冷炎及び熱炎の着火温度の少なくともいずれかに基づいて上記オクタン価を決定する。
 第7の発明は、燃料の物性を決定する燃料物性決定装置であって、上記燃料を構成する物質を含んだ複数種類の初期物質同士の化学反応を構成する素反応を解析して燃料素反応として取得する反応メカニズム解析手段と、上記燃料素反応に基づいてシミュレーションを行うことにより上記燃料の燃焼特性を算出すると共に燃料の燃焼特性に基づいて上記燃料の物性を決定する物性決定手段とを備える。
 第8の発明では、上記第7の発明において、上記燃料の物性がオクタン価であり、上記物性決定手段が上記燃料のオクタン価を決定するオクタン価決定手段である。
 第9の発明では、上記第8の発明において、上記反応メカニズム解析手段が、実験により得られた上記化学反応の際の空間一次元の温度分布を実験データとして記憶する実験データ記憶手段と、上記化学反応を記述する複数の素反応式及び素反応式に関連付けられたパラメータを素反応データとして記憶する素反応データ記憶手段と、上記素反応データからシミュレーションデータを算出するための空間零次元で時間一次元化された方程式を演算データとして記憶する演算データ記憶手段と、上記素反応データ及び上記空間零次元で時間一次元化された方程式を用いて上記シミュレーションデータを算出する算出手段と、上記シミュレーションデータが上記実験データを導出できるかどうかを判定する判定手段と、上記素反応データに含まれる上記パラメータを調整可能なパラメータ調整手段と、上記判定手段にて上記シミュレーションデータが上記実験データを導出可能であると判定されるまで、上記パラメータ調整手段による上記パラメータの調整及び調整後の上記パラメータを用いた上記算出手段による上記シミュレーションデータの算出を繰り返し実行させる制御手段とを備える。
 第10の発明では、上記第8または第9の発明において、上記オクタン価決定手段が、上記燃料の燃焼特性と、予め組成が規定された標準燃料の燃焼特性とを比較して上記オクタン価を決定する。
 第11の発明では、上記第10の発明において、上記反応メカニズム解析手段が、上記標準燃料を構成する物質を含んだ複数種類の初期物質同士の化学反応を構成する素反応を解析して標準燃料素反応として取得し、上記オクタン価決定手段が、上記標準燃料素反応に基づいてシミュレーションを行うことにより上記標準燃料の燃焼特性を算出する。
 第12の発明では、上記第8~11の発明において、上記オクタン価決定手段が、上記燃料の燃焼特性の1つである、上記燃料を燃焼させた際に発生する冷炎及び熱炎の発熱量、上記燃料を燃焼させた際に発生する冷炎の発熱量と熱炎の発熱量との比、並びに、上記燃料を燃焼させた際に発生する冷炎及び熱炎の着火温度の少なくともいずれかに基づいて上記オクタン価を決定する。
 本発明によれば、対象となる燃料を構成する物質が燃焼する際の化学反応を構成する素反応が解析される。そして、この解析結果に基づいてシミュレーションを行うことによって対象となる燃料の燃焼特性が算出される。そして、この燃焼特性に基づいて物性(オクタン価)が決定される。
 つまり、本発明によれば、従来、物性(オクタン価)を決定する際に行われていた内燃機関を用いた実験を行うことなく物性(オクタン価)を決定することができる。
 したがって、本発明によれば、より容易に燃料の物性(オクタン価)を決定することができる。
本発明の第1実施形態における燃料物性決定方法及び燃料物性決定装置に用いられる実験データを得るためのマイクロフローリアクタの概略構成を示す模式図である。 図1に示すマイクロフローリアクタにおいて火炎が安定されかつ供給される予混合ガスの流速に依存されない流量が存在することを説明するためのグラフである。 本発明の第1実施形態における燃料物性決定装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態における燃料物性決定装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態における燃料物性決定方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の燃料物性決定方法の中で行った標準燃料を用いたシミュレーション結果を視覚化したグラフである。 本発明の第2実施形態における燃料物性決定装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態における燃料物性決定装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態における燃料物性決定方法を説明するためのフローチャートである。
 以下、図面を参照して、本発明に係る燃料物性決定方法及び燃料物性決定装置の一実施形態について説明する。
(第1実施形態)
 本実施形態の燃料物性決定方法及び燃料物性決定装置は、オクタン価が未知である燃料(以下、未知燃料と称する)の燃焼反応における素反応を解析し、この素反応に基づくシミュレーションを行うことで未知燃料のオクタン価(物性)を決定する。
 ここで、より正確なオクタン価を決定するためには、実現象に即した正確なシミュレーションを実行する必要がある。そのため正確なシミュレーションを実行するための素反応データを得ることが要求される。また、現実的には、この素反応データを出来る限り短時間で取得することが要求される。
 そこで、本実施形態の燃料物性決定方法及び燃料物性決定装置は、これらの要求を満足するために、後述するマイクロフローリアクタ(実験装置)を用いて得られた空間一次元の温度分布(実験データ)と、素反応式、素反応式に関連付けられたパラメータ、及び空間零次元で時間一次元化された方程式を用いて得られたシミュレーションデータとを比較する。そして、本実施形態の燃料物性決定方法及び燃料物性決定装置は、シミュレーションデータが実験データを導出できるまで上記パラメータを調整しながら収束計算を行うことによってパラメータの解を得るという素反応の解析手法を用いて、未知燃料と酸素との燃焼反応(化学反応)をフルケミストリ解析する。
 さらに、本実施形態の燃料物性決定方法及び燃料物性決定装置は、未知燃料と同様に、標準燃料(イソオクタンとノルマルヘプタンとの混合燃料、イソオクタンのみからなる燃料、あるいはノルマルヘプタンのみからなる燃料)についても、フルケミストリ解析を行う。
 まずは、正確なシミュレーションを行うための実験データの取得に用いられる本実施形態の上記マイクロフローリアクタ及びマイクロフローリアクタを用いて空間一次元の温度分布を取得する方法について説明する。
 図1は、マイクロフローリアクタ100の概略構成を示す模式図である。この図に示すように、マイクロフローリアクタ100は、管110と、供給装置120と、ヒータ130と、温度測定装置140と、測定処理部150とを備えている。
 管110は円筒形状の直管である。そして、管110の内部流路111の直径は、常温において内部流路111に形成される火炎が伝播できずに消炎する限界値である消炎距離よりも小さく設定されている。つまり、管110の内部流路111は、常温における消炎径よりも小さな直径に設定されている。
 供給装置120は、燃焼する初期物質である燃料(未知燃料あるいは標準燃料)と酸化剤(例えば、酸素や外気)とが混合された予混合ガスGを管110に供給する部材である。そして、供給装置120は、管110の一端から管110の内部流路111に予混合ガスGを流入させて管110に予混合ガスGを供給する。
 供給装置120は、管110に供給する予混合ガスGの流量を調節できる。そのため、供給装置120は、管110に供給する予混合ガスGの流量を連続的に減少させて、その流量が、管110の内部流路111に形成された火炎が安定しかつ火炎の形成位置が予混合ガスGの流速に影響されない条件を満たす流量となるように設定する。なお、管110の内部流路111に形成された火炎が安定しかつ火炎の形成位置が予混合ガスGの流速に影響されない条件を満たす流量については、後に詳説する。
 また、供給装置120は、測定処理部150と電気的に接続されている。そのため、供給装置120は、測定処理部150からの指令に基づいて、予混合ガスGの流量、温度及び圧力等、予混合ガスGにおける燃料と酸化剤との割合(すなわち燃料と酸化剤との初期濃度)を調節できる。
 ヒータ130は、管110を加熱する部材ものである。そして、ヒータ130は、内部流路111の温度が常温から予混合ガスGの流れ方向に連続的に昇温して途中部位において予混合ガスGの想定着火温度以上となるように、管110を加熱する。
 温度測定装置140は、管110の内部流路111におけるガス温度を計測する部材である。温度測定装置140は、測定処理部150と電気的に接続されており、測定結果を測定処理部150に入力する。
 測定処理部150は、温度測定装置140から入力される測定結果を管110の位置に対応付けて記憶することによって温度分布を取得する部材である。また、測定処理部150は、供給装置120から管110に供給される予混合ガスGの流量や温度、予混合ガスGに含まれる燃料や酸化剤の種類、及び燃料と酸化剤との初期濃度等の実験条件を記憶している。
 次に、上述のマイクロフローリアクタ100を用いて空間一次元の温度分布を取得する実験方法(以下、本実験と称する)について説明する。
 燃料と酸化剤とが所定の初期濃度で混合された予混合ガスGが、供給装置120から管110の内部流路111に供給される。
 管110は、内部流路111の温度が予混合ガスGの着火温度以上になるように加熱されている。このため、管110の内部流路111に供給された予混合ガスGは、管110の内部流路111の一端部から他端部に向かうにつれて加熱される。そして、予混合ガスGは、着火温度以上に加熱された時点で着火する。
 予混合ガスGが着火して形成された火炎は、管110の内部流路111における予混合ガスGの流速が速い場合には振動する。この現象は、予混合ガスGの着火と消火が短時間で繰り返されることに起因する。
 一方、管110の内部流路111における予混合ガスGの流速が遅い場合には、連続的に燃焼状態が維持され、火炎が安定する。
 そこで、本実験では、まず先に管110の内部流路111における流速が十分に速くなるような流量の予混合ガスGが管110に供給される。そして、予混合ガスGの流量が徐々に減少させられ、火炎が安定するまで予混合ガスGの流量が減少させられる。
 なお、内部流路111における混合ガス(予混合ガスのみからなるガス、あるいは予混合ガスと中間生成物とが混合したガスの両方の意味を含み本発明の混合体に相当する)の温度は、火炎が形成される位置において急激に上昇する。このため、本実験では、内部流路111における、混合ガス温度が急上昇する位置が温度測定装置140から入力される測定結果に基づいて解析される。そして、本実験では、上記位置が変動しなくなるまで予混合ガスGの流量を減少させることによって火炎が安定する。
 また、管110を内部が目視可能な材料によって形成し、撮像装置等によって火炎の形成位置を確認しながら、火炎の形成位置が安定するまで予混合ガスGの流量を減少させても良い。
 なお、予混合ガスGの流量が、火炎が安定されるまで減少されると、火炎の形成位置は予混合ガスGの流速に影響されなくなる。
 図2は、管110の内部流路111における予混合ガスGの流速と、火炎が安定する位置、着火位置及び消火位置との関係を示したグラフである。なお、図2に示すグラフは、直径が2mmの管110に対して、メタンと空気の量論比の予混合ガスGを供給することによって得られたデータに基づく。
 この図に示すように、予混合ガスGの流速が速い場合(40~100cm/s)には、火炎は安定するが、火炎の形成位置が流速に影響されることが分かる。また、予混合ガスGの流速が上記流速よりも遅い場合(5~40cm/s)には、火炎が振動することが分かる。そして、予混合ガスGの流速が上記流速よりもさらに遅い場合(0.2~5cm/s)には、火炎が安定すると共に火炎の形成位置が流速に影響されないことが分かる。このように、管110の内部流路111における予混合ガスGの流速に応じて、火炎の状態が変化する。
 そして、本実験では、予混合ガスGの流速が、火炎が安定すると共に火炎の形成位置が流速に影響されない流速となるように、予混合ガスGの流量が設定される。
 このようにして、火炎が、形成位置が予混合ガスGの流速に依存しないように安定した後に、測定処理部150は温度分布を取得して出力する。
 そして、本実験においては、内部流路111が常温における消炎径よりも小さな直径に設定された非常に細長い直管である管110の内部流路111において燃焼反応が起こっている。このため、本実験における実験空間は、三次元に広がりを有する実験空間と異なり、流れ方向のみに広がりを有する。したがって、本実験の実験結果として取得された温度分布は、空間一次元における温度変化であると考えることができる。
 また、本実験では、火炎の形成位置が予混合ガスGの流速に依存せず、ヒータ130による管110の加熱によって内部流路111が外部から熱管理される。そのため、内部流路111における熱の授受による影響は明確である。さらに、予混合ガスGの流速が小さく、投入熱量が管110の熱容量に対して十分小さい。そのため、燃焼反応による管110の温度変化は無視することができる。このため、本実験では、実験環境における不確定要因の影響を排除して温度分布を取得できる。
 このように、本実験では、実験環境における不確定要因の影響が排除された空間一次元の温度分布を取得できる。
 続いて、本実施形態の燃料物性決定方法及び燃料物性決定装置について説明する。
 図3は、本実施形態の燃料物性決定装置のハードウェア構成を示すブロック図である。本実施形態の燃料物性決定装置A1は、例えばワークステーションやスーパーコンピュータ等のコンピュータによって具現化される装置である。そして、本実施形態の燃料物性決定装置A1は、図3に示すように、外部記憶装置10と、内部記憶装置20と、入力装置30と、出力装置40と、CPU(Central Processing Unit)50とを備えている。
 なお、外部記憶装置10と、内部記憶装置20と、入力装置30と、出力装置40と、CPU50とは、システムバス60によって互いに接続されている。
 外部記憶装置10は、CPU50の演算処理に用いられる各種データ及びプログラム等を記憶する装置である。本実施形態においては、外部記憶装置10は、実験データ11、素反応データ12、演算データ13及びオクタン価決定プログラム14を格納している。
 そして、このような外部記憶装置10としては、例えばハードディスク装置やリムーバブルメディア装置を用いることができる。なお、実験データ11、素反応データ12、演算データ13及びオクタン価決定プログラム14は、予め光ディスクやメモリ等のリムーバブルメディアに記憶されている。そして、前記リムーバブルディスクが外部記憶装置10の一構成要件として反応メカニズム解析装置に接続されることによって外部記憶装置10に記憶されても良い。また、前記リムーバブルディスクが、ネットワークを介してダウンロードされるあるいは入力装置30を介して入力されることによって外部記憶装置10の一構成要件であるハードディスクに記憶されても良い。
 実験データ11は、上述したマイクロフローリアクタ100によって得られた実験データ及び実験条件を有している。より詳細には、実験データ11は、実験環境における不確定要因の影響が排除された空間一次元の温度分布、供給装置120から管110に供給される予混合ガスGの流量、温度及び圧力等、予混合ガスGに含まれる燃料や酸化剤の種類、及び燃料と酸化剤との初期濃度等を有している。
 そして、図3に示すように、実験データ11には、未知燃料に関するデータである未知燃料データ11aと、標準燃料に関するデータである標準燃料データ11bとが含まれている。
 素反応データ12は、本実施形態の燃料物性決定装置A1において反応メカニズムを解析する(すなわちフルケミストリ解析を行う)対象である燃料(未知燃料あるいは標準燃料)と酸化剤との燃焼反応を記述する複数の素反応式と、これらの素反応式に関連するパラメータ(例えば頻度係数や活性化エネルギ)とが集められたデータベースである。なお、以下の説明において、当該データベースを素反応機構と称する。
 この素反応機構は、既存の機構を用いることもできる。また、既存の素反応機構が存在しない場合には分子動力学法等によって得ることができる。
 また、図3に示すように、素反応データ12には、未知燃料に関する素反応機構である未知燃料データ12aと、標準燃料に関する素反応機構である標準燃料データ12bとが含まれている。
 演算データ13は、CPU50が素反応データ12及び入力装置30から入力されるパラメータに基づいて中間生成物の濃度変化や混合ガスの温度変化を算出するための計算式である式(1),(2)を有している。
 なお、ここで言う混合ガスとは、未反応の予混合ガスや燃焼反応の過程で生成される中間生成物が混合されたガスである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000002
 そして、式(1)は、通常の空間零次元で時間一次元定圧燃焼における質量保存の式である。また、式(2)は、エネルギ保存の式であり、左辺第一項が混合ガスの内部エネルギを示す項であり、左辺第二項が素反応により移動するエネルギを示す項であり、左辺第三項が混合ガスと外部との熱伝達により移動するエネルギ(すなわち混合ガスとマイクロフローリアクタ100の壁面(管110の内面)との間の熱伝達によって移動するエネルギ)を示す項である。
 式(1)と式(2)との連立方程式によって、中間生成物の濃度変化や混合ガスの温度変化が算出される。ここで、式(1)と式(2)とは、独立変数が時間であり、従属変数が濃度と温度であり、さらに位置をパラメータとして含まない、空間零次元で時間一次元の方程式である。そして、中間生成物の濃度変化や混合ガスの温度変化は、上述のように空間の概念が除外されて空間零次元で時間一次元化された方程式によって算出される。
 また、演算データ13は、上述の式(1),(2)を用いて算出された混合ガスの温度変化を空間一次元化するための式(3),(4)を有している。
 なお、マイクロフローリアクタ100における管110の熱容量は小流量の予混合ガスによる発熱量より十分に大きい。このため、火炎による管壁温度分布の変化は無視できる。したがって、管壁温度分布は管110の位置に対する関数として与えられる。そのため、式(3),(4)によって、上述の式(1),(2)を用いて算出された混合ガスの温度変化を空間一次元化することができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000003
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000004
 なお、演算データ13は、燃焼特性を算出するシミュレーションに必要な各種計算条件を含んでいる。
 オクタン価決定プログラム14は、本実施形態の燃料物性決定装置A1を、後に説明する図4に示す各機能構成として機能させるためのプログラムである。
 なお、オクタン価決定プログラム14については、後の図4を参照する燃料物性決定装置A1の機能構成の説明において合わせて詳説する。
 内部記憶装置20は、CPU50の動作プログラムを記憶すると共に、CPU50の制御の下、外部記憶装置20に記憶された各種データ及びプログラムを一時的に記憶し、さらにCPU50の演算結果を一時的に記憶する装置である。そして、この内部記憶装置20としては、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等が用いられる。
 入力装置30は、本実施形態の燃料物性決定装置A1に対して外部からデータを入力するための装置であり、例えばキーボードやマウスが用いられる。ただし、本実施形態の燃料物性決定装置A1に対して通信路を介してデータの入力が行われる場合には、通信路とのインターフェイスとなる通信装置が入力装置30として用いられる場合もある。
 出力装置40は、CPU50の制御の下、外部記憶装置10あるいは内部記憶装置20に記憶されたデータを出力する装置であり、例えばデータを可視化するためのディスプレイやプリンタが用いられる。ただし、本実施形態の燃料物性決定装置A1から通信路を介してデータの出力が行われる場合には、通信路とのインターフェイスとなる通信装置が出力装置40として用いられる場合もある。
 CPU50は、本実施形態の燃料物性決定装置A1の動作全体を制御する装置である。そして、本実施形態の燃料物性決定装置A1においてCPU50は、オクタン価決定プログラム14に基づいて、中間生成物の濃度変化や混合ガスの温度変化の算出、シミュレーションデータと実験データとの比較及び判定、素反応機構が含むパラメータの調整、さらには素反応機構を用いたシミュレーション、及び未知燃料のオクタン価の決定等を行う。
 図4は、本実施形態の燃料物性決定装置A1の機能構成を示すブロック図である。この図に示すように、本実施形態の燃料物性決定装置A1は、上述のオクタン価決定プログラム14によって、実験データ記憶部1(実験データ記憶手段)、素反応データ記憶部2(素反応データ記憶手段)、演算データ記憶部3(演算データ記憶手段)、算出部4(算出手段)、判定部5(判定手段)、パラメータ調整部6(パラメータ調整手段)、制御部7(制御手段)、及びオクタン価決定部8(オクタン価決定手段)としての機能を備える。
 なお、本実施形態においては、本発明における反応メカニズム解析手段が、実験データ記憶部1と、素反応データ記憶部2と、演算データ記憶部3と、算出部4と、判定部5と、パラメータ調整部6と、制御部7とによって構成されている。
 実験データ記憶部1は上記実験データ11を記憶する。また、素反応データ記憶部2は上記素反応データ12を記憶する。また、演算データ記憶部3は上記演算データ13を記憶する。
 そして、オクタン価決定プログラム14は、実験データ11と、素反応データ12と、演算データ13とを記憶する外部記憶装置10、あるいは、実験データ11と、素反応データ12と、演算データ13とを移した内部記憶装置20を、実験データ記憶部1、素反応データ記憶部2及び演算データ記憶部3として機能させる。
 算出部4は、演算データ記憶部3に演算データ13として記憶された空間零次元で時間一次元化された方程式である上式(1),(2)と、実験データ記憶部1に記憶された実験データ11に含まれる実験条件と、素反応データ記憶部2に記憶された素反応データ12とを用いて中間生成物の濃度変化及び混合ガスの温度変化を算出する。
 そして、オクタン価決定プログラム14は、外部記憶装置10あるいは内部記憶装置20に記憶された実験データ11と、素反応データ12と、演算データ13とに基づいてCPU50に中間生成物の濃度変化及び混合ガスの温度変化を算出させることによって、燃料物性決定装置A1を算出部4として機能させる。
 判定部5は、算出部4によって算出された混合ガスの温度変化(シミュレーションデータ)と実験データ11とを比較する。そして、算出部4によって算出された混合ガスの温度変化が実験データ11に含まれる温度分布(内部流路111におけるガス温度分布)を導出できるかどうかの判定を行う。
 具体的には、判定部5は、演算データ記憶部3に演算データ13として記憶された上式(3),(4)を用いて算出部4によって算出された混合ガスの温度変化を空間一次元化して、シミュレーション温度分布を算出する。そして、判定部5は、シミュレーション温度分布と、実験データ記憶部1に実験データ11に含まれる温度分布とを比較する。判定部5は、比較の結果、シミュレーション温度分布が実験データ11に含まれる温度分布と一致若しくは許容される変動範囲に収まっている場合には、算出部4によって算出された混合ガスの温度変化が実験データ11に含まれる温度分布を導出可能であると判定する。そして、判定部5は、シミュレーション温度分布が実験データ11に含まれる温度分布から許容される変動範囲に収まっていない場合には、算出部4によって算出された混合ガスの温度変化(すなわちシミュレーションデータ)が実験データに含まれる温度分布を導出不能であると判定する。
 そして、オクタン価決定プログラム14は、外部記憶装置10あるいは内部記憶装置20に記憶された演算データ13及び算出された混合ガスの温度変化に基づいてCPU50にシミュレーション温度分布を算出させる。さらに、オクタン価決定プログラム14は、CPU50に外部記憶装置10あるいは内部記憶装置20に記憶された実験データ11に含まれる温度分布とシミュレーション温度分布とを比較させる。そして、オクタン価決定プログラム14は、算出された混合ガスの温度変化が実験データに含まれる温度分布を導出可能であるかどうかを判定させることによって、燃料物性決定装置A1を判定部5として機能させる。
 パラメータ調整部6は、素反応データ記憶部2に記憶された素反応データ12に含まれるパラメータ(頻度係数や活性化エネルギ)を調整する。
 具体的には、パラメータ調整部6は、予め定められた順序で素反応データに含まれる素反応式に関連付けられたパラメータを所定の値分だけ増加あるいは減少させて、素反応データ12に含まれるパラメータを調整する。
 そして、オクタン価決定プログラム14は、外部記憶装置10あるいは内部記憶装置20に記憶された素反応データ12に含まれるパラメータをCPU50に調整させることによって、燃料物性決定装置A1をパラメータ調整部6として機能させる。
 制御部7は、実験データ記憶部1、素反応データ記憶部2、演算データ記憶部3、算出部4、判定部5及びパラメータ調整部6の動作手順等の制御を行う。
 そして、本実施形態の燃料物性決定装置A1において制御部7は、判定部5が、算出部4によって算出された混合ガスの温度変化が実験データ11に含まれる温度分布を導出可能であると判定した場合には、フルケミストリ解析が完了したと判断する。そして、制御部7は、その時点で外部記憶装置10あるいは内部記憶装置20に記憶された最新の中間生成物の濃度変化、混合ガスの温度変化及び素反応データ12に含まれるパラメータを解析結果として出力装置40に入力する。
 一方、制御部7は、判定部5が、算出部4によって算出された混合ガスの温度変化が実験データに含まれる温度分布を導出不能であると判定した場合には、パラメータ調整部6に素反応データ12に含まれるパラメータを調整させる。そして、制御部7は、再度算出部4に中間生成物の濃度変化及び混合ガスの温度変化を算出させ、さらに判定部5に算出された混合ガスの温度変化が実験データ11に含まれる管壁分布温度を導出可能なものであるかの判定をさせる。
 そして、オクタン価決定プログラム14は、CPU50を制御部7として機能させる。
 オクタン価決定部8は、フルケミストリ解析が完了して得られるパラメータ調整後の素反応データに基づいてシミュレーション(例えば、CFD解析)を行うことにより燃料の燃焼特性を算出する。さらに、オクタン価決定部8は、燃料の燃焼特性に基づいて前記オクタン価を決定する。
 そして、本実施形態の燃料物性決定装置A1においてオクタン価決定部8は、燃料と酸化剤との予混合ガスを燃焼させた場合の冷炎と熱炎との発生状況を燃料の燃焼特性とするシミュレーションを行う。
 なお、本実施形態の燃料物性決定装置A1においてオクタン価決定部8は、上述のマイクロフローリアクタで用いられた管110と同様の消炎径よりも小さな直径を有する管を用いる。そして、オクタン価決定部8は、管に対して長手方向に温度勾配に与え、流量が火炎の形成位置が流速に影響されない流速に設定された予混合ガスGを管に供給することを想定してシミュレーションを実行する。そして、オクタン価決定部8は、冷炎及び熱炎の発熱量、冷炎と熱炎との発熱量の比、並びに、冷炎と熱炎との着火温度を燃料の燃焼特性として算出する。
 さらに、オクタン価決定部8は、未知燃料を用いた場合のシミュレーションによって得られた上記燃焼特性と、標準燃料を用いた場合のシミュレーションによって得られた上記燃焼特性とを比較することによって、未知燃料のオクタン価を決定する。
 具体的には、オクタン価決定部8は、イソオクタンとノルマルヘプタンとの混合割合が異なる複数の標準燃料を用いた場合のシミュレーションを行って、各々についての燃焼特性を算出する。また、オクタン価決定部8は、未知燃料を用いた場合のシミュレーションを行って未知燃料の燃焼特性を算出する。そして、オクタン価決定部8は、未知燃料と燃焼特性が合致する標準燃料を特定する。そして、オクタン価決定部8は、特定された標準燃料に含まれるイソオクタンの体積割合が示す値を未知燃料のオクタン価として決定する。
 そして、オクタン価決定プログラム14は、CPU50により演算を行う。さらに、オクタン価決定プログラム14は、外部記憶装置10あるいは内部記憶装置20に一時的な演算結果を記憶させることによって、燃料の燃焼特性に基づいて前記オクタン価を決定する。つまり、オクタン価決定プログラム14は、CPU50、外部記憶装置10及び内部記憶装置20を上記オクタン価決定部8として機能させるプログラムである。
 なお、制御部7は、オクタン価決定部8において未知燃料のオクタン価が決定された場合には、そのオクタン価を出力装置40に入力する。この際、制御部7は、オクタン価の他に、オクタン価決定部8において実行されたシミュレーションによって得られた演算結果を併せて出力装置40に入力しても良い。
 続いて、上述した燃料物性決定装置A1を用いた燃料物性決定方法について、図5のフローチャートを参照して説明する。
 なお、本実施形態における燃料物性決定方法においては、実験データ11、素反応データ12及び演算データ13が既に実験データ記憶部1、素反応データ記憶部2及び演算データ記憶部3(外部記憶装置10あるいは内部記憶装置20)に記憶されているとする。
 まず最初に、制御部7の制御の下、未知燃料の燃焼反応を示す素反応機構と、標準燃料の燃焼反応を示す素反応機構とを解明する反応メカニズム解析工程(ステップS1)が行われる。
 そして、反応メカニズム解析工程(ステップS1)では、未知燃料を構成する物質と酸化剤とを含んだ複数種類の初期物質同士の化学反応を構成する素反応機構が解析される。そして、反応メカニズム解析工程(ステップS1)では、解析結果が未知燃料素反応機構(本発明における燃料素反応)として取得される。
 また、反応メカニズム解析工程(ステップS1)では、標準燃料を構成する物質と酸化剤とを含んだ複数種類の初期物質同士の化学反応を構成する素反応機構が解析される。そして、反応メカニズム解析工程(ステップS1)では、解析結果が標準燃料素反応機構(本発明における標準燃料素反応)として取得される。なお、本実施形態においては、標準燃料素反応機構として、イソオクタンが100%の標準燃料の燃焼反応を示す場合と、ノルマルヘプタンが100%の標準燃料の燃焼反応を示す場合との2つが取得される。
 そして、具体的には、各燃料に対して、図5に示す予備算出工程(ステップS11)と、判定工程(ステップS12)と、パラメータ調整工程(ステップS13)とを行うことによって、各燃料の素反応機構が解析されて取得される。
 より詳細に説明すると、まず算出部4によって燃焼反応における中間生成物の濃度変化及び混合ガス(上述のように中間生成物が未燃の燃料等が混合されたガス)の温度変化が算出される(予備算出工程S11)。
 この際、算出部4は、演算データ記憶部3に演算データ13として記憶された空間零次元で時間一次元化された方程式である式(1),(2)と、実験データ記憶部1に記憶された実験データ11に含まれる実験条件と、素反応データ記憶部2に記憶された素反応データ12とを用いて中間生成物の濃度変化及び混合ガスの温度変化を算出する。
 なお、具体的には、CPU50が、外部記憶装置10あるいは内部記憶装置20に記憶された実験データ11に含まれる実験条件と、素反応データ12に含まれるパラメータと、外部記憶装置10あるいは内部記憶装置20に記憶された演算データ13に含まれる式(1),(2)とを用いて、式(1)と式(2)とを連立させて濃度変化と温度変化について解くことによって中間生成物の濃度変化及び混合ガスの温度変化が算出される。
 続いて、制御部7の制御の下、判定部5によって、算出部4によって算出された混合ガスの温度変化が実験データ11に含まれる温度分布を導出できるかどうかの判定が行われる(判定工程S12)。
 この際、判定部5は、算出部4によって算出された混合ガスの温度変化を、演算データ記憶部3に演算データ13として記憶された式(3),(4)を用いて空間一次元化して、シミュレーション温度分布を算出する。そして、判定部5は、シミュレーション温度分布と、実験データ記憶部1に記憶された実験データ11に含まれる温度分布とを比較する。判定部5は、比較の結果、シミュレーション温度分布が実験データ11に含まれる温度分布と一致若しくは許容される変動範囲に収まっている場合には、算出部4によって算出された混合ガスの温度変化が実験データ11に含まれる温度分布を導出可能であると判定する。また、判定部5は、比較の結果、シミュレーション温度分布が実験データ11に含まれる温度分布から許容される変動範囲に収まっていない場合には、算出部4によって算出された混合ガスの温度変化が実験データ11に含まれる温度分布を導出不能であると判定する。
 具体的には、CPU50が、算出された混合ガスの温度変化を、外部記憶装置10あるいは内部記憶装置20に記憶された演算データ13に含まれる式(3),(4)を用いて空間一次元化することでシミュレーション温度分布が算出される。そして、CPU50が、シミュレーション温度分布と外部記憶装置10あるいは内部記憶装置20に記憶された実験データ11に含まれる温度分布とを比較する。続いてCPU50が、算出された混合ガスの温度変化が実験データ11に含まれる温度分布を導出できるかどうかを判定する。
 判定工程S12において、算出工程S11にて算出された混合ガスの温度変化が実験データ11に含まれる温度分布を導出不能であると判定された場合には、制御部7の制御の下、パラメータ調整部6によって、素反応データ記憶部2に記憶された素反応データ12に含まれるパラメータが調整される(パラメータ調整工程S13)。
 具体的には、CPU50が外部記憶装置10あるいは内部記憶装置20に記憶された素反応データ12に含まれるパラメータを調整する。
 そして、パラメータ調整工程S13が完了すると、再度算出工程S11が行われる。
 これらの予備算出工程(ステップS11)と、判定工程(ステップS12)と、パラメータ調整工程(ステップS13)とを繰り返すことによって、判定工程S12において、算出工程S11にて算出された混合ガスの温度変化が実験データ11に含まれる温度分布を導出可能であると判定される。
 そして、制御部7(CPU50)は、判定工程S12において算出工程S11にて算出された混合ガスの温度変化が実験データ11に含まれる温度分布を導出可能であると判定された場合には、フルケミストリ解析が完了したと判断する。そして、図5に示すようにオクタン価決定工程(ステップS2)が行われる。なお、オクタン価決定工程は、本発明における物性決定工程に相当する。
 なお、上述のように、予備算出工程(ステップS11)と、判定工程(ステップS12)と、パラメータ調整工程(ステップS13)とは、燃料ごとに行われるため、オクタン価決定工程(ステップS2)が行われる際には、未知燃料素反応機構及び標準燃料素反応機構が全て取得された状態となっている。そして、これらの未知燃料素反応機構及び標準燃料素反応機構は、外部記憶装置10あるいは内部記憶装置20に記憶されている。
 次に、オクタン価決定工程(ステップS2)は、素反応機構に基づいてシミュレーションを行うことにより燃料の燃焼特性を算出する工程である。さらに、オクタン価決定工程(ステップS2)は、燃料の燃焼特性に基づいて未知燃料のオクタン価を決定する工程である。
 具体的には、オクタン価決定工程(ステップS2)においては、図5に示すように、本算出工程(ステップS21)と、決定工程(ステップS22)と、出力工程(ステップS23)とを行うことによってオクタン価が決定され、その決定した値が出力される。
 より詳細に説明すると、オクタン価決定部8が素反応機構を用いることによって、シミュレーションにより燃料の燃焼特性が算出される(本算出工程S21)。
 例えば、オクタン価決定部8は、標準燃料素反応機構を用いることによって、標準燃料を燃焼反応させた際に発生する冷炎及び熱炎の発熱量、冷炎と熱炎との発熱量の比、並びに、冷炎と熱炎との着火温度を燃料の燃焼特性として算出する。
 図6は、オクタン価決定部8において、標準燃料を燃焼反応させるシミュレーションを行い、その結果得られたシミュレーション結果を視覚化した図である。なお、図6には、オクタン価0(PRF0)の標準燃料の燃焼特性と、オクタン価20(PRF20)の標準燃料の燃焼特性と、オクタン価40(PRF40)の標準燃料の燃焼特性と、オクタン価60(PRF60)の標準燃料の燃焼特性と、オクタン価80(PRF80)の標準燃料の燃焼特性と、オクタン価100(PRF100)の標準燃料の燃焼特性とが示されている。また、図6においてTwは、シミュレーションに用いた管の管壁温度(すなわち管内部のガス温度)を示している。また、図6の横軸は、管の長手方向における位置を示している。
 そして、標準燃料を燃焼反応させる際に発生する冷炎の発熱量は、図6における左側に群集するグラフの各々が囲う面積によって示される。また、熱炎の発熱量は、図6における右側に群集するグラフの各々が囲う面積によって示される。つまり、例えば、オクタン価0の標準燃料を燃焼反応させた際に発生する冷炎の発熱量は、図6における左側においてPRF0で示されるグラフが囲う面積によって示されている。
 また、標準燃料を燃焼反応させる際に発生する冷炎の着火温度は、図6における左側に群集するグラフの立ち上がり位置によって示されている。また、熱炎の着火温度は、図6における右側に群集するグラフの立ち上がり位置によって示されている。
 なお、実際に未知燃料が使用される環境は、通常、高圧環境である。しかしながら、図6を得るためのシミュレーションは、燃焼特性を説明するために行ったシミュレーションであるため、圧力条件を大気圧に設定して計算が行われた。このため、オクタン価40~100の標準燃料については、冷炎が発生しない。
 ただし、実際に未知燃料が使用される環境と同じ圧力条件でシミュレーションを行った場合には、オクタン価40~100の標準燃料についても燃焼反応の際に冷炎が発生し、上記燃焼特性(冷炎及び熱炎の発熱量、冷炎と熱炎の発熱量の比、並びに、冷炎と熱炎との着火温度)が算出される。
 さらに図6では、Twで示される温度勾配が、上述したマイクロフローリアクタ100の管110に与えられた温度勾配と同一に設定されている。そのため、Twが単純な直線となっていない。
 しかしながら、オクタン価決定部8で行われるシミュレーションにおいては、温度勾配Twをマイクロフローリアクタに合わせる必要はなく、自由に設定することができる。そのため、設定された温度勾配に応じたシミュレーション結果が得られる。
 このように、本実施形態の燃料物性決定装置A1及び燃料物性決定方法では、素反応機構さえ解析できれば、オクタン価決定部8におけるシミュレーションにおいては、素反応機構以外のパラメータを任意に設定できる。
 このため、本実施形態の燃料物性決定装置A1及び燃料物性決定方法は、圧力環境や燃料の温度を容易に変更してシミュレーションを行うことができる従って、本実施形態の燃料物性決定装置A1及び燃料物性決定方法は、未知燃料の実際の使用環境に合わせたシミュレーション結果を容易に算出できる。
 図5に戻り、本算出工程(ステップS21)では、オクタン価決定部8は、未知燃料素反応機構を用いることによって、未知燃料を燃焼反応させた際に発生する冷炎及び熱炎の発熱量、冷炎と熱炎との発熱量の比、並びに、冷炎と熱炎との着火温度を燃料の燃焼特性として算出する。
 なお、具体的には、CPU50が、外部記憶装置10あるいは内部記憶装置20に記憶された素反応機構を用いてオクタン価決定プログラムに基づいて燃料の燃焼特性を算出する。
 続いて、制御部7の制御の下、オクタン価決定部8によって、本算出工程S21で算出された未知燃料の燃焼特性と標準燃料の燃焼特性とが比較され、未燃燃料のオクタン価が決定される(決定工程S22)。
 この際、オクタン価決定部8は、冷炎及び熱炎の発熱量、冷炎と熱炎との発熱量の比、並びに、冷炎及び熱炎の着火温度の少なくとも1つを未燃燃料と標準燃料との間で比較する。そして、オクタン価決定部8は、未知燃料と燃焼特性が合致する標準燃料を特定し、この特定された標準燃料に含まれるイソオクタンの体積割合が示す値を未知燃料のオクタン価として決定する。
 なお、具体的には、CPU50が、外部記憶装置10あるいは内部記憶装置20に記憶された燃焼特性同士を比較して未知燃料のオクタン価が決定される。
 最後に、制御部7の制御の下、オクタン価決定部8によって、決定工程S22で決定された未知燃料のオクタン価が出力される(出力工程S23)。
 具体的には、CPU50が未知燃料のオクタン価を出力装置40に入力することによって、出力装置40において未知燃料のオクタン価が視覚化されて出力される。
 以上のような本実施形態における燃料物性決定装置A1、燃料物性決定方法及び燃料物性決定プログラムによれば、未燃燃料を構成する物質が燃焼する際の化学反応を構成する素反応が解析される。そして、解析結果に基づいてシミュレーションが行われることによって未燃燃料の燃焼特性が算出される。そして、燃焼特性に基づいてオクタン価が決定される。
 つまり、本実施形態における燃料物性決定装置A1、燃料物性決定方法及び燃料物性決定プログラムによれば、従来、オクタン価を決定する際に行われていた内燃機関を用いた実験を行うことなくオクタン価を決定できる。
 したがって、本実施形態における燃料物性決定装置A1、燃料物性決定方法及び燃料物性決定プログラムによれば、より容易に燃料のオクタン価が決定できる。
 また、本実施形態における燃料物性決定装置A1、燃料物性決定方法及び燃料物性決定プログラムによれば、フルケミストリ解析の際に、シミュレーションデータが空間零次元で時間一次元化された方程式に基づいて算出される。そのため、計算量を減少させることができる。
 また、本実施形態の本実施形態における燃料物性決定装置A1、燃料物性決定方法及び燃料物性決定プログラムによれば、マイクロフローリアクタによって得られた実験環境における不確定要因に影響されない空間一次元の温度分布に合うように、素反応データ12に含まれるパラメータの調整が行われる。このため、実験環境における不確定要因に影響されずに、実現象である燃焼反応を的確に予測可能とするパラメータの解を得ることができる。そのため、正確なフルケミストリ解析を行うことができる。
 このように、本実施形態における燃料物性決定装置A1、燃料物性決定方法及び燃料物性決定プログラムによれば、計算負荷が小さくかつ正確なフルケミストリ解析ができる。
 また、本実施形態における燃料物性決定装置A1、燃料物性決定方法及び燃料物性決定プログラムによれば、従来のオクタン価の決定方法と同様に、未知燃料の燃焼特性と、予め組成が規定された標準燃料の燃焼特性とを比較してオクタン価が決定される。そのため、決定したオクタン価を従来手法で得られたオクタン価と同様に扱うことができる。
 また、本実施形態における燃料物性決定装置A1、燃料物性決定方法及び燃料物性決定プログラムによれば、未知燃料の燃焼反応を構成する素反応(未知燃料素反応機構)のみならず、標準燃料の燃焼反応を構成する素反応(標準燃料素反応機構)のフルケミストリ解析も行われる。
 このため、オクタン価を決定する際のシミュレーションをより正確に計算することができ、より正確に未知燃料のオクタン価を決定できる。
 ただし、標準燃料は予めその組成が知られているため、既に十分に精度の高い素反応機構が用意されている場合も考えられる。このような場合には、素反応機構を用いることによって、標準燃料に対するフルケミストリ解析を省略しても良い。このような場合には、標準燃料を用いたマイクロフローリアクタ100における実験も行わなくても良い。
 また、本実施形態における燃料物性決定装置A1、燃料物性決定方法及び燃料物性決定プログラムによれば、未知燃料のオクタン価を決定するために、未知燃料の燃焼特性と標準燃料の燃焼特性を比較する際に、冷炎及び熱炎の発熱量、冷炎と熱炎との発熱量の比、並びに、冷炎及び熱炎の着火温度の少なくとも1つが未燃燃料と標準燃料との間で比較される。
 冷炎及び熱炎の発熱量、冷炎と熱炎との発熱量の比、並びに、冷炎及び熱炎の着火温度は、いずれもノッキングの主たる原因とされる冷炎に関わる。このため、冷炎及び熱炎の発熱量、冷炎と熱炎との発熱量の比、並びに、冷炎及び熱炎の着火温度の少なくとも1つを未燃燃料と標準燃料との間で比較することによって、信頼度の高いオクタン価が得られる。
(第2実施形態)
 次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本第2実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
 本実施形態の燃料物性決定装置A2は、図7に示すように、外部記憶装置10に、オクタン価決定部8において行われるシミュレーションの解析条件15が格納されている。なお、ここで言う解析条件は、オクタン価決定部8において行われるシミュレーション(CFD解析等)において許容される計算量や、シミュレーションによって解析したい中間生成物の種類等の情報を含む。
 そして、図8に示すように、オクタン価決定プログラム14は、本実施形態の燃料物性決定装置A2を解析条件記憶部9aと、選択部9bとして機能させる。
 解析条件記憶部9aは上記解析条件15を記憶する。
 そして、オクタン価決定プログラム14は、解析条件15を記憶する外部記憶装置10、あるいは、解析条件15を移した内部記憶装置20を解析条件記憶部9aとして機能させる。
 選択部9bは、化学反応を記述する複数の素反応式を解析条件15に基づいて選択すると共に選択された素反応式に関連付けられたパラメータを調整する部材である。
 具体的には、選択部9bは、解析条件記憶部9aに記憶された解析条件15に基づいて選択すべき素反応式(オクタン価決定部8のシミュレーションにより解析したい中間生成物を含む素反応式)を優先して選択する。さらに、選択部9bは、オクタン価決定部8のシミュレーションを行う場合に許容される計算負荷を満足するように、選択する素反応式の数を決定し、これらに基づいて素反応式の選択を行う。
 また、選択部9bは、選択した素反応式のみを用いて再度シミュレーション温度分布を算出し、実験データ11が含む温度分布と比較する。そして、選択部9bは、シミュレーション温度分布が実験データ11に含まれる温度分布に対して許容範囲に収まらない場合には、シミュレーション温度分布が実験データ11に含まれる温度分布に対して一致若しくは許容範囲に収まるまで繰り返し選択した素反応式に関連するパラメータを調整して上記計算を繰り返す。
 そして、オクタン価決定プログラム14は、外部記憶装置10あるいは内部記憶装置20及びCPU50を用いて本実施形態の燃料物性決定装置A2を選択部9bとして機能させる。
 そして、本実施形態の燃料物性決定装置A2において、制御部7は、判定部5においてシミュレーション温度分布が実験データ11に含まれる温度分布を導出可能であると判定された場合に、選択部9bによる素反応式の選択及びパラメータの調整を実行させる。
 つまり、本実施形態の反応メカニズム解析方法においては、図9に示すように、反応メカニズム解析工程S1とオクタン価決定工程S2との間に、素反応式の選択及び選択された素反応式に関連付けられたパラメータの調整を行う選択工程S3が実行される。
 このような本実施形態の燃料物性決定装置A2、燃料物性決定方法及び燃料物性決定プログラムによれば、正確なフルケミストリ解析によって得られた素反応式を、解析された素反応を基に行われるシミュレーションの解析条件に最適化することができる。
 以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
 例えば、上記実施形態では、燃料と酸化剤との燃焼反応を構成する素反応の解析が行われている。
 しかしながら、本発明はこれに限定されず、燃料と、酸化剤以外の他の物質との化学反応を構成する素反応を解析し、燃料の物性を決定してもよい。
 また、上記実施形態では、実験データ11として含まれる温度分布は、マイクロフローリアクタ100によって取得されている。
 しかしながら、本発明はこれに限定されず、燃焼反応の際の正確な空間一次元の温度分布を取得可能な装置であれば、空間一次元の温度分布を他の実験装置によって取得しても良い。
 また、上記実施形態では、内部流路111を流れるガスの温度分布を空間一次元の温度分布として用いた。
 しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば、火炎の形成位置が予混合ガスGの流速に影響されない条件を満たす場合には、内部流路111を流れるガスと管110の管壁温度とがほぼ等しくなるため、管110の壁面温度分布(管壁温度分布)を空間一次元の温度分布として用いてもよい。
 また、予混合ガスGの流速が速い場合には火炎の形成位置が振動するが、この場合の実験結果を実験データ11に含め、実験結果を素反応データ12に含まれるパラメータの調整に用いてもよい。
 また、上記実施形態では、空間零次元で時間一次元化された方程式を用いて算出された混合ガスの温度変化を一次元化することによってシミュレーション温度分布が算出され、シミュレーション温度分布と実験により得られた温度分布とを比較して判定した。
 しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば実験により得られた温度分布を空間零次元で時間一次元化して、空間零次元で時間一次元化された方程式を用いて算出された混合ガスの温度変化と比較して判定してもよい。
 また、上記実施形態では、最終的に解析が完了した後に、中間生成物の濃度変化、混合ガスの温度変化及び素反応データに含まれるパラメータが解析結果として出力された。
 しかしながら、本発明はこれに限定されず、最終的に解析が完了する前の各種データ(例えば、判定工程においてNGとされたパラメータ及びこのパラメータに基づく中間生成物の濃度変化、混合ガスの温度変化等)を出力しても良い。
 また、上記実施形態では、管110の内部流路111における混合ガスの温度変化から混合ガスのシミュレーション温度分布が算出され、実験データとして管110の内部流路111における混合ガスの温度分布が取得された。そして、上記シミュレーション温度分布と実験データとされる温度分布とが比較され、シミュレーションデータが実験データを導出可能であるかが判定された。
 しかしながら、本発明はこれに限定されず、管110の内部流路111における中間生成物の濃度変化から濃度分布をシミュレーションデータとして算出し、実験データとして管110の内部流路111における中間生成物の濃度分布を取得し、シミュレーションデータとして算出された濃度分布と実験データとされる濃度分布を比較し、これによってシミュレーションデータが実験データを導出可能であるかを判定しても良い。
 なお、中間生成物の濃度は、管110の内部流路111における混合ガスをサンプリングする、あるいはレーザ計測による測定を行うことによって実験データとして取得できる。また、濃度計測は管110のいずれの位置で実施しても良い。このため、例えば、冷炎と熱炎が発生するような場合、冷炎と熱炎との中間位置で濃度計測を行うことで冷炎からの中間生成物濃度のみを計測することもできる。
 また、上記実施形態では、マイクロフローリアクタ100を常温、大気圧の環境に配置して実験を行うことによって実験データが取得された。
 しかしながら、本発明はこれに限定されず、マイクロフローリアクタ100を、未知燃料が使用される環境により近づけて実験を行っても良い。その結果、実際に使用される環境における未知燃料のオクタン価をより正確に決定することができる。
 また、上記実施形態では、標準燃料の燃焼反応に対するフルケミストリ解析は、イソオクタンが100%の場合と、ノルマルヘプタンが100%の場合とに対してのみ行われた。
 しかしながら、本発明はこれに限定されず、イソオクタンとノルマルヘプタンとが混合された標準燃料の燃焼反応に対するフルケミストリ解析を行っても良い。
 ただし、この場合には、マイクロフローリアクタ100において、フルケミストリ解析の対象とされる標準燃料を用いた実験を行う必要がある。
 また、上記実施形態では、計算負荷を低減させるために、空間零次元で時間一次元の方程式を用いて計算が行われた。
 しかしながら、本発明はこれに限定されず、計算時間が許容されるのであれば、他の方程式を用いて計算を行うこともできる。例えば、空間三次元で時間一次元の方程式を用いて計算を行っても良い。
 また、上記実施形態では、未知燃料の物性としてオクタン価が決定された。
 しかしながら、本発明はこれに限定されず、未知燃料の物性としてセタン価を決定する場合に適用してもよい。この場合には、上記実施形態のオクタン価をセタン価と読み替えることにより実施できる。
 また、上記実施形態では、マイクロフローリアクタにおいて火炎が振動せずに安定された状態で実験データが取得された。さらには、シミュレーションにおいても火炎が振動しない条件を設定して計算が行われた。
 しかしながら、同一条件で実験及びシミュレーションを行うことによって未知燃料の物性を決定することができる。そのため、本発明では、必ずしもマイクロフローリアクタにおいて火炎が振動せずに安定された状態で実験データを取得する必要はない。さらには、本発明では、シミュレーションにおいても火炎が振動しない条件を設定して計算を行う必要はない。
 つまり、本発明においては、マイクロフローリアクタにおいて火炎が振動している状態で実験データを取得してもよい。さらには、本発明では、シミュレーションにおいても火炎が振動する条件を設定して計算を行っても良い。
 本発明によれば、より容易に燃料の物性(オクタン価)を決定することができる。
 A1,A2……燃料物性解析装置
 1……実験データ記憶部(実験データ記憶手段)
 2……素反応データ記憶部(素反応データ記憶手段)
 3……演算データ記憶部(演算データ記憶手段)
 4……算出部(算出手段)
 5……判定部(判定手段)
 6……パラメータ調整部(パラメータ調整手段)
 7……制御部(制御手段)
 8……オクタン価決定部(物性決定手段)
 14……オクタン価決定プログラム

Claims (12)

  1.  燃料の物性を決定する燃料物性決定方法であって、
     前記燃料を構成する物質を含んだ複数種類の初期物質同士の化学反応を構成する素反応を解析して燃料素反応として取得する反応メカニズム解析工程と、
     前記燃料素反応に基づいてシミュレーションを行うことにより前記燃料の燃焼特性を算出すると共に当該燃料の燃焼特性に基づいて前記燃料の物性を決定する物性決定工程とを有する燃料物性決定方法。
  2.  前記燃料の物性がオクタン価であり、前記物性決定工程が前記燃料のオクタン価を決定するオクタン価決定工程である請求項1記載の燃料物性決定方法。
  3.  前記反応メカニズム解析工程にて、
     前記化学反応を記述する複数の素反応式及び該素反応式に関連付けられたパラメータを有する素反応データ、並びに該素反応データからシミュレーションデータを算出するための空間零次元で時間一次元化された方程式を有する演算データを用いてシミュレーションデータを算出する算出工程と、
     前記シミュレーションデータが、実験により得られた前記化学反応の際の空間一次元の温度分布を有する実験データを導出可能であるかを判定する判定工程と、
     前記素反応データに含まれる前記パラメータを調整可能なパラメータ調整工程とを行い、
     前記判定工程にて前記シミュレーションデータが前記実験データを導出可能であると判定されるまで、前記パラメータ調整工程及び調整後の前記パラメータを用いた前記算出工程を繰り返し行う請求項2記載の燃料物性決定方法。
  4.  前記オクタン価決定工程にて、前記燃料の燃焼特性と、予め組成が規定された標準燃料の燃焼特性とを比較して前記オクタン価を決定する請求項2記載の燃料物性決定方法。
  5.  前記反応メカニズム解析工程にて、前記標準燃料を構成する物質を含んだ複数種類の初期物質同士の化学反応を構成する素反応を解析して標準燃料素反応として取得し、
     前記オクタン価決定工程にて、前記標準燃料素反応に基づいてシミュレーションを行うことにより前記標準燃料の燃焼特性を算出する請求項4記載の燃料物性決定方法。
  6.  前記オクタン価決定工程にて、前記燃料の燃焼特性の1つである、前記燃料を燃焼させた際に発生する冷炎及び熱炎の発熱量、前記燃料を燃焼させた際に発生する冷炎の発熱量と熱炎の発熱量との比、並びに、前記燃料を燃焼させた際に発生する冷炎及び熱炎の着火温度の少なくともいずれかに基づいて前記オクタン価を決定する請求項2~5のいずれか一項に記載の燃料物性決定方法。
  7.  燃料の物性を決定する燃料物性決定装置であって、
     前記燃料を構成する物質を含んだ複数種類の初期物質同士の化学反応を構成する素反応を解析して燃料素反応として取得する反応メカニズム解析手段と、
     前記燃料素反応に基づいてシミュレーションを行うことにより前記燃料の燃焼特性を算出すると共に当該燃料の燃焼特性に基づいて前記燃料の物性を決定する物性決定手段とを備える燃料物性決定装置。
  8.  前記燃料の物性がオクタン価であり、前記物性決定手段が前記燃料のオクタン価を決定するオクタン価決定手段である請求項7記載の燃料物性決定装置。
  9.  前記反応メカニズム解析手段は、
     実験により得られた前記化学反応の際の空間一次元の温度分布を実験データとして記憶する実験データ記憶手段と、
     前記化学反応を記述する複数の素反応式及び該素反応式に関連付けられたパラメータを素反応データとして記憶する素反応データ記憶手段と、
     前記素反応データからシミュレーションデータを算出するための空間零次元で時間一次元化された方程式を演算データとして記憶する演算データ記憶手段と、
     前記素反応データ及び前記空間零次元で時間一次元化された方程式を用いて前記シミュレーションデータを算出する算出手段と、
     前記シミュレーションデータが前記実験データを導出可能であるかを判定する判定手段と、
     前記素反応データに含まれる前記パラメータを調整可能なパラメータ調整手段と、
     前記判定手段にて前記シミュレーションデータが前記実験データを導出可能であると判定されるまで、前記パラメータ調整手段による前記パラメータの調整及び調整後の前記パラメータを用いた前記算出手段による前記シミュレーションデータの算出を繰り返し実行させる制御手段とを備える請求項7記載の燃料物性決定装置。
  10.  前記オクタン価決定手段は、前記燃料の燃焼特性と、予め組成が規定された標準燃料の燃焼特性とを比較して前記オクタン価を決定する請求項8記載の燃料物性決定装置。
  11.  前記反応メカニズム解析手段が、前記標準燃料を構成する物質を含んだ複数種類の初期物質同士の化学反応を構成する素反応を解析して標準燃料素反応として取得し、
     前記オクタン価決定手段が、前記標準燃料素反応に基づいてシミュレーションを行うことにより前記標準燃料の燃焼特性を算出する請求項10記載の燃料物性決定装置。
  12.  前記オクタン価決定手段は、前記燃料の燃焼特性の1つである、前記燃料を燃焼させた際に発生する冷炎及び熱炎の発熱量、前記燃料を燃焼させた際に発生する冷炎の発熱量と熱炎の発熱量との比、並びに、前記燃料を燃焼させた際に発生する冷炎及び熱炎の着火温度の少なくともいずれかに基づいて前記オクタン価を決定する請求項8~11のいずれか一項に記載の燃料物性決定装置。
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