WO2011004900A1 - 炭素材料 - Google Patents

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Abstract

フェノールフタレインを800~1200℃の範囲内の所定の温度で加熱することより得られる炭素材料であって、500℃から前記所定の温度までの昇温速度が2~10℃/分である炭素材料、および、フェノールフタレインを、800~1200℃で加熱することにより得られるリチウムイオンキャパシタ用炭素材料。

Description

炭素材料
 本発明は、炭素材料に関する。
 小型で軽量、且つエネルギー密度が高く、繰り返し充放電可能であるという特性を有するリチウムイオンキャパシタは、その特性を活かして急速に需要が拡大している。リチウムイオンキャパシタは、エネルギー密度および出力密度が大きいため、携帯電話やノート型パーソナルコンピューターの小型機器に加えて、車載用などの大型機器での利用が期待されている。
 一方、炭素粉末等の炭素材料は、リチウムイオンキャパシタやリチウムイオン二次電池の電極用材料に使用されている。Journal of Power Sources54(1995)444−447には、フェノールフタレインを、昇温速度1℃/分で1000℃まで加熱し、同温度で加熱して得られる炭素材料が記載されており、該炭素材料を含むリチウムイオン二次電池の放電容量は282Ah/kgであることが記載されている。
 本発明は、
<1> フェノールフタレインを800~1200℃の範囲内の所定の温度で加熱することより得られる炭素材料であって、500℃から前記所定の温度までの昇温速度が2~10℃/分である炭素材料;
<2> <1>に記載の炭素材料と結合剤と溶剤とを含む電極材料;
<3> 結合剤が、フッ素化合物の重合体である<2>に記載の電極材料;
<4> 溶剤が、アルコール溶媒、アミド溶媒、ケトン溶媒、エステル溶媒、アミン溶媒、エーテル溶媒および水からなる群から選ばれる少なくとも1種である<2>または<3>に記載の電極材料;
<5> <1>に記載の炭素材料を含む電極;
<6> <5>に記載の電極を含むリチウムイオン二次電池;
<7> <5>に記載の電極を含むリチウムイオンキャパシタ;
<8> フェノールフタレインを、500℃以下の温度から、昇温速度2~10℃/分で、800~1200℃の範囲内の所定の温度まで加熱する工程と、該所定の温度で保持する工程とを有する炭素材料の製造方法;
<9> 不活性ガス雰囲気下で加熱する<8>に記載の製造方法;
<10> フェノールフタレインを、800~1200℃で加熱することにより得られるリチウムイオンキャパシタ用炭素材料;
<11> <10>に記載の炭素材料を含むリチウムイオンキャパシタ用電極;
<12> 電極が、さらに、結合剤と溶剤とを含む<11>に記載のリチウムイオンキャパシタ用電極;
<13> 結合剤が、フッ素化合物の重合体である<12>に記載のリチウムイオンキャパシタ用電極;
<14> 溶剤が、アルコール溶媒、アミド溶媒、ケトン溶媒、エステル溶媒、アミン溶媒、エーテル溶媒および水からなる群から選ばれる少なくとも1種である<12>または<13>に記載のリチウムイオンキャパシタ用電極;
<15> <11>~<14>のいずれかに記載の電極を含むリチウムイオンキャパシタ;
<16> リチウムイオンキャパシタの出力密度を向上させるための、フェノールフタレインを、800~1200℃で加熱することにより得られる炭素材料の使用;を提供するものである。
 まず、フェノールフタレインを、800~1200℃の範囲内の所定の温度で加熱することより得られる炭素材料であって、500℃から前記所定の温度までの昇温速度が2~10℃/分である炭素材料(以下、炭素材料Aと略記する。)について説明する。
 市販のフェノールフタレインを用いてもよいし、公知の方法に従って製造したものを用いてもよい。
 炭素材料Aは、フェノールフタレインを、800~1200℃の範囲内の所定の温度で加熱することより得られるが、500℃から前記所定の温度までの昇温速度は、2~10℃/分である。この範囲内の昇温速度で、フェノールフタレインを加熱することにより、得られる炭素材料の炭化収率が向上し、また、炭素材料Aを含むリチウムイオン二次電池の放電容量も向上する。昇温速度は、2~8℃/分が好ましく、3~7℃/分がより好ましい。フェノールフタレインは、一定の昇温速度で加熱してもよいし、2~10℃/分の範囲内で、任意に昇温速度を変えながら加熱してもよい。フェノールフタレインは、通常室温から加熱される。500℃までの昇温速度は限定されないが、2~10℃/分が好ましい。
 フェノールフタレインは、好ましくは850~1200℃の範囲内の所定温度で加熱され、より好ましくは900~1100℃の範囲内の所定温度で加熱される。フェノールフタレインを、800~1200℃の範囲内の所定の温度で加熱することにより得られる炭素材料Aを用いることにより、充放電効率と放電容量のバランスがよいリチウムイオン二次電池を得ることができる。
 フェノールフタレインの加熱は、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスの雰囲気下で実施することが好ましい。フェノールフタレインが入った容器内の気体を不活性ガスに置換した後、容器を密閉し、加熱してもよいし、フェノールフタレインが入った容器内に、不活性ガスを通じさせながら加熱してもよい。
 フェノールフタレインを800~1200℃まで加熱した後、通常、800~1200℃で、加熱が継続される。加熱の継続時間は、1分~24時間の範囲が好ましく、10分~10時間がより好ましい。加熱を継続している間の加熱温度は一定でもよいし、800~1200℃の範囲内で変化してもよい。
 フェノールフタレインの加熱は、通常、ロータリーキルン、ローラーハースキルン、プッシャーキルン、多段炉、流動炉、高温焼成炉等の焼成炉を用いて行われる。焼成炉を用いる場合は、例えば、焼成炉内に、フェノールフタレインを入れ、焼成炉内の気体を不活性ガスに置換した後、加熱が行われる。
 フェノールフタレインとして、予め、酸化性ガスの雰囲気下、400℃以下で加熱して得られるフェノールフタレイン焼成物を用いてもよい。酸化性ガスとしては、空気、水、二酸化炭素および酸素が挙げられる。かかる酸化性ガスは、前記不活性ガスで希釈してもよい。かかる焼成物は、通常、フェノールフタレインの一部または全部が架橋し、高分子量化したもの、および/または、フェノールフタレインの一部または全部が炭化したものである。400℃以下の加熱も、ロータリーキルン、ローラーハースキルン、プッシャーキルン、多段炉、流動炉、高温焼成炉等の焼成炉を用いて行うことが好ましい。
 得られた炭素材料Aは、乾電池、圧電素子用センサー、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、リチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池および燃料電池の電極用の材料;触媒を担持するための担体;クロマトグラフィ用の担体;吸着剤等に用いることができ、特に、リチウムイオン二次電池やリチウムイオンキャパシタ等のリチウムイオンを吸蔵放出可能な電極材料に好適に用いられる。
 炭素材料Aは、通常、体積基準のメジアン径(D50)が4~10μmの粉末状炭素材料に粉砕され、用いられる。好適な粉砕方法としては、ジェットミル等の衝撃摩擦粉砕機、遠心力粉砕機、ボールミル(例えば、チューブミル、コンパウンドミル、円錐形ボールミル、ロッドミル、遊星ボールミル)、振動ミル、コロイドミル、摩擦円盤ミルおよびジェットミル等の微粉砕用の粉砕機を用いる方法が挙げられる。なかでも、ジェットミルおよびボールミルが好ましい。ボールミルを用いる場合、金属粉の粉末状炭素材料中への混入を避けるという点で、アルミナ、メノウ等の非金属製のボールや粉砕容器を用いることが好ましい。
 続いて、炭素材料Aを含む電極(以下、電極Aと略記する。)について説明する。
 炭素材料Aを含む電極Aは、リチウムイオン二次電池の負極またはリチウムイオンキャパシタの負極として好適に用いられる。
 電極として成形しやすいよう、結合剤が通常用いられる。
 電極Aは、通常、集電体の上に、炭素材料A、結合剤等を含む混合物を成形する方法により製造される。
 電極Aは、炭素材料A、結合剤および溶剤を含む電極材料を、集電体の上に、ドクターブレード法等により塗布する方法、または、集電体を前記電極材料中に浸漬した後、乾燥する方法により製造することもできる。また、電極Aは、炭素材料A、結合剤および溶剤を含む電極材料を混練し、さらに乾燥することによりシートを調製し、得られたシートを集電体上に導電性接着剤を介して貼り付けた後、プレス、加熱および乾燥する方法により製造することもできる。また、炭素材料A、結合剤および溶剤を含む電極材料を集電体上に成形した後、溶剤を除去してシートを得、次いで、得られたシートを一軸または多軸方向に延伸する方法により電極を製造することもできる。このように、本発明の電極の製造には、炭素材料Aと結合剤と溶剤とを含む電極材料が好適に用いられる。
 電極Aをシート状とする場合、その厚みは5~1000μmの範囲であることが好ましい。
 集電体の材料としては、ニッケル、アルミニウム、チタン、銅、金、銀、白金、アルミニウム合金、ステンレス等の金属;プラズマ溶射またはアーク溶射により、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、銅、スズ、鉛またはこれらの合金で被覆された炭素素材または活性炭繊維;およびゴムまたはスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)等の樹脂と導電剤とから形成され、導電剤が樹脂中に分散している導電性フィルムが挙げられる。
 集電体の形状としては、箔状、平板状、メッシュ状、ネット状、ラス状、パンチング状、エンボス状、およびこれらが組み合わされたもの(例えば、メッシュ状平板)が挙げられる。
 エッチング処理により、集電体表面に波形面が形成されていてもよい。
 結合剤としては、フッ素化合物の重合体が挙げられる。フッ素化合物としては、フッ素化C1−C18アルキル アクリレート;フッ素化C1−C18アルキル メタクリレート;パーフルオロドデシル アクリレート、パーフルオロオクチル アクリレート、パーフルオロブチル アクリレート等のパーフルオロアルキル アクリレート;パーフルオロドデシル メタクリレート、パーフルオロオクチル メタクリレート、パーフルオロブチル メタクリレート等のパーフルオロアルキル メタクリレート;パーフルオロヘキシルエチル アクリレート、パーフルオロオクチルエチル アクリレート等のパーフルオロアルキル置換アルキル アクリレート;パーフルオロヘキシルエチル メタクリレート、パーフルオロオクチルエチル メタクリレート等のパーフルオロアルキル置換アルキル メタクリレート;パーフルオロドデシルオキシエチル アクリレート、パーフルオロデシルオキシエチル アクリレート等のパーフルオロアルコキシアルキル アクリレート;パーフルオロドデシルオキシエチル メタクリレート、パーフルオロデシルオキシエチル メタクリレート等のパーフルオロアルコキシアルキル メタクリレート;フッ素化C1−C18アルキル クロトネート;マレイン酸フッ素化C1−C18アルキル;フマル酸フッ素化C1−C18アルキル;イタコン酸フッ素化C1−C18アルキル;パーフルオロヘキシルエチレン等の1~17個のフッ素原子を有するフッ素化アルキル基を有するC2−C10オレフィン;および、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン等の1~20個のフッ素原子を有し、該フッ素原子が二重結合炭素に結合したC2−C10オレフィンが挙げられる。
 結合剤としては、エチレン性二重結合を含み、フッ素原子を含まない単量体の付加重合により製造される重合体も挙げられる。かかる単量体としては、メチル アクリレート、エチル アクリレート、ブチル アクリレート、イソブチル アクリレート、2−エチルヘキシル アクリレート、イソデシル アクリレート、ラウリル アクリレート、オクタデシル アクリレート等のC1−C22アルキル アクリレート;メチル メタクリレート、エチル メタクリレート、ブチル メタクリレート、イソブチル メタクリレート、2−エチルヘキシル メタクリレート、イソデシル メタクリレート、ラウリル メタクリレート、オクタデシル メタクリレート等のC1−C22アルキル メタクリレート;シクロヘキシル アクリレート等のC3−C22シクロアルキル アクリレート;シクロヘキシル メタクリレート等のC3−C22シクロアルキル メタクリレート;ベンジルアクリレート、フェニルエチル アクリレート等の芳香環を有するアクリレート;ベンジル メタクリレート、フェニルエチル メタクリレート等の芳香環を有するメタクリレート;2−ヒドロキシエチル アクリレート、2−ヒドロキシプロピル アクリレート、ジエチレングリコールモノエステル等のアクリル酸の、C2−C4アルキレングリコールまたはジ(C2−C4アルキレン)グリコール モノエステル;2−ヒドロキシエチル メタクリレート、2−ヒドロキシプロピル メタクリレート、ジエチレングリコールモノエステル等のメタクリル酸の、C2−C4アルキレングリコールまたはジ(C2−C4アルキレン)グリコール モノエステル;アクリル酸の(ポリ)グリセリンモノエステル((ポリ)グリセリンの重合度が1~4である);メタクリル酸の(ポリ)グリセリンモノエステル((ポリ)グリセリンの重合度が1~4である);アクリル酸の(ポリ)エチレングリコールジエステル((ポリ)エチレングリコールの重合度が1~100である);メタクリル酸の(ポリ)エチレングリコールジエステル((ポリ)エチレングリコールの重合度が1~100である);アクリル酸の(ポリ)プロピレングリコールジエステル((ポリ)プロピレングリコールの重合度が1~100である);メタクリル酸の(ポリ)プロピレングリコールジエステル((ポリ)プロピレングリコールの重合度が1~100である);2,2−ビス(4−ヒドロキシエチルフェニル)プロピル ジアクリレート;2,2−ビス(4−ヒドロキシエチルフェニル)プロピル ジメタクリレート;トリメチロールプロパン トリアクリレート;トリメチロールプロパン トリメタクリレート;アクリルアミド、N−メチロール アクリルアミド、ジアセトン アクリルアミド等のアクリルアミド系単量体;メタクリルアミド、N−メチロール メタクリルアミド、ジアセトン メタクリルアミド等のメタクリルアミド系単量体;アクリロニトリル、2−シアノエチル アクリレート、2−シアノエチル アクリルアミド、メタクリロニトリル、2−シアノエチル メタクリレート等のシアノ基を有する単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−ヒドロキシスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン系単量体;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の炭素数4~12のアルカジエン等のジエン系単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、オクタン酸ビニル等のC2−C12カルボン酸のビニルエステル、酢酸アリル、プロピオン酸アリル、オクタン酸アリル等のC2−C12カルボン酸のアリルエステル、酢酸メタリル、プロピオン酸メタリル、オクタン酸メタリル等のC2−C12カルボン酸のメタリルエステル等のカルボン酸アルケニル系単量体;グリシジル アクリレート、アリル グリシジル エーテル、グリシジル メタクリレート、メタリル グリシジル エーテル等のエポキシ基を有する単量体;エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−オクテン、1−ドデセン等のC2−C12モノオレフィン;塩化ビニル、塩化ビニリデン等の塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を有する単量体;アクリル酸;メタクリル酸;および、ブタジエン、イソプレン等の共役二重結合を有する単量体が挙げられる。
 さらに、付加重合により製造される重合体は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体等の複数の単量体からなる共重合体であってもよい。さらに、カルボン酸ビニルの重合体は、ポリビニルアルコール等のように、部分的または完全にケン化されていてもよい。
 結合体はフッ素化合物とエチレン性二重結合を含み、フッ素原子を含まない単量体とからなる共重合体であってもよい。
 その他の結合剤としては、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ニトロセルロース等の多糖類およびその誘導体;フェノール樹脂;メラミン樹脂;ポリウレタン樹脂;尿素樹脂;ポリイミド樹脂;ポリアミド−イミド樹脂;石油ピッチ;および石炭ピッチが挙げられる。
 かかる結合剤の中でも、フッ素化合物の重合体が好ましく、フッ化ビニリデンの重合体であるポリフッ化ビニリデンがより好ましい。
 複数の結合剤を用いてもよい。
 電極A中に配合される結合剤の量は、炭素材料A 100重量部に対して、通常0.5~30重量部、好ましくは2~30重量部である。
 溶剤として、通常、結合剤を溶解し得る有機溶剤または水が用いられる。具体的には、イソプロパノール、エタノール、メタノール等のアルコール溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド溶媒、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン溶媒、酢酸メチル、アクリル酸メチル等のエステル溶媒、ジエチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン等のアミン溶媒、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒、および水が挙げられる。かかる溶剤は、二種以上を混合して用いることができる。水を溶剤として用いる場合は、さらに分散剤や増粘剤等を加えてSBR等のラテックスで炭素材料Aをスラリー化することもできる。溶剤の使用量は、炭素材料A 1重量部に対して、0.8~2重量部であることが好ましい。
 粘性のある結合剤を用いる場合には、炭素材料A、結合剤および溶剤を含む電極材料の集電体への塗布を容易にするために、可塑剤を用いることができる。
 次に、電極Aを含むリチウムイオン二次電池について説明する。リチウムイオン二次電池は、通常、正極、セパレータ、電解液および負極を含み、正極および負極の両極においてリチウムの酸化還元反応が行われ、電気エネルギーを貯蔵、放出することが可能な電池である。
 本発明のリチウムイオン二次電池では、通常、電極Aが負極として用いられる。
 正極は、通常、集電体、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な材料、導電材および結合剤とを含み、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な材料、導電材および結合剤の混合物が、集電体上に担持されている。
 リチウムイオンを吸蔵・放出可能な材料としては、V、Mn、Fe、CoおよびNiからなる群から選ばれる少なくとも1種の遷移金属とリチウムとを含むリチウム複合酸化物、およびリチウム箔が挙げられる。平均放電電位が高いという点で、コバルトとリチウムの複合酸化物、ニッケルと、ニッケル以外の遷移金属またはアルミニウムと、リチウムの複合酸化物等のα−NaFeO2型構造をベースとする層状リチウム複合酸化物、リチウムマンガンスピネルなどのスピネル構造をベースとするリチウム複合酸化物が好ましい。
 正極に用いられる結合剤としては、前記電極Aにおける結合剤と同じものが挙げられる。
 導電材としては、炭素材料A、天然黒鉛、人造黒鉛、コークスおよびカーボンブラックが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、人造黒鉛とカーボンブラックとの混合物のように、二種以上の混合物を用いてもよい。
 電解液としては、リチウム塩を有機溶媒に溶解させることにより得られる非水電解質溶液が挙げられる。リチウム塩としては、LiClO、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiBF、LiCFSO、LiN(SOCF、LiC(SOCF、Li10Cl10、LiAlCl、低級脂肪族カルボン酸リチウム塩およびこれらの混合物が挙げられる。中でも、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSOおよびLiC(CFSOからなる群から選ばれる少なくとも1つのフッ素を含むリチウム塩が好ましい。
 有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,2−ジ(メトキシカルボニルオキシ)エタン等のカーボネート溶媒、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ペンタフルオロプロピルメチルエーテル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルジフルオロメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル溶媒、ギ酸メチル、酢酸メチル、γ−ブチロラクトン等のエステル溶媒、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド溶媒、3−メチル−2−オキサゾリドン等のカーバメート溶媒、スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−プロパンサルトン等の含硫黄溶媒およびフッ素含有置換基を有する前記溶媒が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよいが、2種以上を混合して用いることが好ましい。
 セパレータは、作用極と対極とを分離し、電解液を保持するものであり、大きなイオン透過度、所定の機械的強度および絶縁性を有する膜が通常用いられる。
 セパレータとしては、ビスコースレーヨン、天然セルロース等から作られる抄紙;セルロースやポリエステル等の繊維から作られる混抄紙;電解紙;クラフト紙;マニラ紙;ポリエチレン不織布、ポリプロピレン不織布、ポリエステル不織布、ガラス繊維、多孔質ポリエチレン、アラミド繊維、ポリブチレンテレフタレート不織布、パラ系全芳香族ポリアミド等の不織布;フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデンと六フッ化プロピレンとの共重合体、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、多孔質ポリエチレン、多孔質ポリプロピレン、多孔質ポリエステル等の多孔質膜が挙げられる。
 セパレータは、シリカ等のセラミック粉末粒子と前記結合剤とからなる成形物であってもよい。該成形物は、通常、作用極及び対極の両方と一体的に成形される。ポリエチレンやポリプロピレン等から形成されたセパレータは、その親水性を向上させるために、界面活性剤やシリカ粒子を含んでいてもよい。セパレータは、アセトン等の有機溶媒、ジブチルフタレート(DBP)等の可塑剤がさらに含まれていてもよい。
 セパレータとして、プロトン伝導型ポリマーを用いてもよい。
 中でも、電解紙、ビスコースレーヨンまたは天然セルロースから作られる抄紙、クラフト紙、マニラ紙、セルロースまたはポリエステルの繊維から作られる混抄紙、ポリエチレン不織布、ポリプロピレン不織布、ポリエステル不織布、マニラ麻シートおよびガラス繊維シートが好ましい。
 セパレータの孔径は、通常0.01~10μmである。セパレータの厚さは、通常1~300μm、好ましくは5~30μmである。
 セパレータにおける細孔の割合が異なる複数のセパレータを積層したものであってもよい。ポリオレフィン多孔質膜とポリエステル樹脂多孔質膜とからなるセパレータが特に好適である。
 本発明のリチウムイオン二次電池は、上記の正極、セパレータ、電解液および負極を、常法により組み立てて製造することができる。電極Aは、充電・放電を繰り返し行った場合のサイクル特性に優れる。
 電極Aは、リチウムイオンキャパシタの電極に用いることもできる。リチウムイオンキャパシタとしては、正極が活性炭であり、負極が電極Aであり、電極Aにリチウムが予めドープされているリチウムイオンキャパシタが挙げられる。
 リチウムイオンキャパシタの電解液は上記と同様のリチウム塩の有機溶媒の溶液が挙げられる。
 リチウムイオンキャパシタは、通常上記セパレータが含まれる。
 続いて、フェノールフタレインを、800~1200℃の範囲内の所定の温度で加熱することにより得られるリチウムイオンキャパシタ用炭素材料(以下、炭素材料A’と略記する)について説明する。
 炭素材料A’は、フェノールフタレインを、800~1200℃、好ましくは850~1200℃、より好ましくは900~1100℃で加熱することにより得られる。加熱の昇温速度は、0.1~10℃/分の範囲が好ましい。加熱時間は、通常、1分~24時間である。フェノールフタレインの加熱は、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスの雰囲気下で実施することが好ましい。フェノールフタレインが入った容器内の気体を不活性ガスに置換した後、容器を密閉し、加熱してもよいし、フェノールフタレインが入った容器内に、不活性ガスを通じさせながら加熱してもよい。
 市販のフェノールフタレインを用いてもよいし、公知の方法に従って製造したものを用いてもよい。
 フェノールフタレインの加熱は、通常、ロータリーキルン、ローラーハースキルン、プッシャーキルン、多段炉、流動炉、高温焼成炉等の焼成炉を用いて行われる。焼成炉を用いる場合は、例えば、焼成炉内に、フェノールフタレインを入れ、焼成炉内の気体を不活性ガスに置換した後、加熱が行われる。
 フェノールフタレインとして、予め、酸化性ガスの雰囲気下、400℃以下で加熱して得られるフェノールフタレイン焼成物を用いてもよい。酸化性ガスとしては、空気、水、二酸化炭素および酸素が挙げられる。かかる酸化性ガスは、前記不活性ガスで希釈してもよい。かかる焼成物は、通常、フェノールフタレインの一部または全部が架橋し、高分子量化したもの、および/または、フェノールフタレインの一部または全部が炭化したものである。400℃以下の加熱も、ロータリーキルン、ローラーハースキルン、プッシャーキルン、多段炉、流動炉、高温焼成炉等の焼成炉を用いて行うことが好ましい。
 得られた炭素材料A’は、通常、体積基準のメジアン径(D50)が4~10μmの粉末状炭素材料に粉砕され、用いられる。好適な粉砕方法としては、ジェットミル等の衝撃摩擦粉砕機、遠心力粉砕機、ボールミル(例えば、チューブミル、コンパウンドミル、円錐形ボールミル、ロッドミル、遊星ボールミル)、振動ミル、コロイドミル、摩擦円盤ミルおよびジェットミル等の微粉砕用の粉砕機を用いる方法が挙げられる。なかでも、ジェットミルおよびボールミルが好ましい。ボールミルを用いる場合、金属粉の粉末状炭素材料中への混入を避けるという点で、アルミナ、メノウ等の非金属製のボールや粉砕容器を用いることが好ましい。
 炭素材料A’、結合剤および溶剤を含む電極材料は、リチウムイオンキャパシタ用として用いられる。炭素材料A’を含む電極は、リチウムイオンキャパシタ用の電極として用いられ、炭素材料A’を含む電極を含むリチウムイオンキャパシタは、電極の電気抵抗が小さいため、その出力密度の向上が期待できる。
 結合剤および溶剤としては、前記した電極Aで用いられる結合剤および溶剤と同様のものが挙げられる。かかる電極中に配合される結合剤の量は、炭素材料A’ 100重量部に対して、通常0.5~30重量部、好ましくは2~30重量部である。溶剤の使用量は、炭素材料A’ 1重量部に対して、0.8~2重量部であることが好ましい。
 炭素材料A’を含む電極も、前記した電極Aの製造方法と同様の方法により製造することができる。
 炭素材料A’を含む電極を含むリチウムイオンキャパシタは、通常、正極、セパレータ、電解液および負極を含み、リチウムイオンおよび電解質イオンの吸脱着により充放電を行うものであり、電気二重層キャパシタのエネルギー密度を改善したキャパシタである。
 かかるリチウムイオンキャパシタにおいては、炭素材料A’を含む電極は、通常、負極として用いられる。
 正極は、通常、リチウムイオンと、テトラフルオロボレート等のアニオンとを可逆的に担持可能な材料、導電材および結合剤を含み、前記材料、導電材および結合材を含む混合物が、集電体上に担持されている。
 リチウムイオンとアニオンとを可逆的に担持可能な材料としては、炭素が挙げられ、電気二重層キャパシタで用いられる電極活物質が広く使用できる。炭素の具体例としては、活性炭、ポリアセン(PAS)、カーボンウィスカおよびグラファイトが挙げられ、これらの粉末または繊維を使用することができる。この中でも、活性炭が好ましい。
 結合剤としては、前記電極Aにおける結合剤と同じものが挙げられる。
 導電材としては、炭素材料A’、天然黒鉛、人造黒鉛、コークスおよびカーボンブラックが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、人造黒鉛とカーボンブラックとの混合物のように、二種以上の混合物を用いてもよい。
 電解液としては、リチウム塩を有機溶媒に溶解させることにより得られる非水電解質溶液が挙げられる。リチウム塩としては、LiClO、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiBF、LiCFSO、LiN(SOCF、LiC(SOCF、Li10Cl10、LiAlCl、低級脂肪族カルボン酸リチウム塩およびこれらの混合物が挙げられる。中でも、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSOおよびLiC(CFSOからなる群から選ばれる少なくとも1つのフッ素を含むリチウム塩が好ましい。
 有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,2−ジ(メトキシカルボニルオキシ)エタン等のカーボネート溶媒、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ペンタフルオロプロピルメチルエーテル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルジフルオロメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル溶媒、ギ酸メチル、酢酸メチル、γ−ブチロラクトン等のエステル溶媒、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド溶媒、3−メチル−2−オキサゾリドン等のカーバメート溶媒、スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−プロパンサルトン等の含硫黄溶媒およびフッ素含有置換基を有する前記溶媒が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよいが、2種以上を混合して用いることが好ましい。
 セパレータは、作用極と対極とを分離し、電解液を保持するものであり、大きなイオン透過度、所定の機械的強度および絶縁性を有する膜が通常用いられる。
 セパレータとしては、ビスコースレーヨン、天然セルロース等から作られる抄紙;セルロースやポリエステル等の繊維から作られる混抄紙;電解紙;クラフト紙;マニラ紙;ポリエチレン不織布、ポリプロピレン不織布、ポリエステル不織布、ガラス繊維、多孔質ポリエチレン、アラミド繊維、ポリブチレンテレフタレート不織布、パラ系全芳香族ポリアミド等の不織布;フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデンと六フッ化プロピレンとの共重合体、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、多孔質ポリエチレン、多孔質ポリプロピレン、多孔質ポリエステル等の多孔質膜が挙げられる。
 セパレータは、シリカ等のセラミック粉末粒子と前記結合剤とからなる成形物であってもよい。該成形物は、通常、作用極及び対極の両方と一体的に成形される。ポリエチレンやポリプロピレン等から形成されたセパレータは、その親水性を向上させるために、界面活性剤やシリカ粒子を含んでいてもよい。セパレータは、アセトン等の有機溶媒、ジブチルフタレート(DBP)等の可塑剤がさらに含まれていてもよい。
 セパレータとして、プロトン伝導型ポリマーを用いてもよい。
 中でも、電解紙、ビスコースレーヨンまたは天然セルロースから作られる抄紙、クラフト紙、マニラ紙、セルロースまたはポリエステルの繊維から作られる混抄紙、ポリエチレン不織布、ポリプロピレン不織布、ポリエステル不織布、マニラ麻シートおよびガラス繊維シートが好ましい。
 セパレータの孔径は、通常0.01~10μmである。セパレータの厚さは、通常1~300μm、好ましくは5~30μmである。
 セパレータにおける細孔の割合が異なる複数のセパレータを積層したものであってもよい。ポリオレフィン多孔質膜とポリエステル樹脂多孔質膜とからなるセパレータが特に好適である。
 本発明のリチウムイオンキャパシタは、上記の正極、セパレータ、電解液および負極を、常法により組み立てて製造することができる。炭素材料A’を含む電極は、充電・放電を繰り返し行った場合のサイクル特性に優れる。
 以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施例中、部および%は、特に断りがない限り、重量基準を意味する。
実施例1
 フェノールフタレイン(和光純薬工業(株)より購入した試薬特級)を入れた焼成炉内の気体を窒素に置換した後、フェノールフタレイン1gあたり毎分0.1Lで、窒素ガスを焼成炉内に流通させながら、室温から5℃/分の昇温速度で、1000℃まで加熱した。1000℃に達した後、用いたフェノールフタレイン1gあたり毎分0.1Lで、窒素ガスを焼成炉内に流通させながら、1000℃で1時間保持した。その後、冷却し、炭素材料を得た。得られた炭素材料を、ボールミル(メノウ製ボール、28rpm、5分間)で粉砕し、粉末状の炭素材料を得た。
実施例2~7
 実施例1において、昇温速度、加熱温度および加熱温度での保持時間を、それぞれ表1に記載のとおりとした以外は実施例1と同様にして、粉末状の炭素材料を得た。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
実施例8
 実施例1で得た炭素材料91部とポリフッ化ビニリデン(PVDF)9部(固形分)との混合物に、適量のN−メチル−2−ピロリドンを加え、得られた混合物を混錬した。得られた混合物を、ドクターブレード法により、厚さ20μmの銅集電体上に塗布した。塗布された集電体を、50℃で2時間乾燥した。乾燥した集電体を、直径1.45cmの円形に切断し、120℃、8時間真空乾燥し、電極を得た。得られた電極には、炭素材料およびPVDFの混合物4.2mgが含まれていた。
 負極として、得られた電極を、正極として、リチウム箔を、セパレータとして、ニッポン高度紙工業社製TF40−50を、電解液として、濃度1モル/リットルのLiPF/プロピレンカーボネートをそれぞれ用い、CR2032型(IEC/JIS規格)のコインセルを用いて、2極式セルを作製した。
 作製したコイン型電池の放電容量を、測定したところ、368mAh/gであり、充放電効率(充電容量に対する放電容量の比)は、68%であった。
 ここで、作製した電池の充放電容量は、充放電評価装置(東洋システム(株)製「TOSCAT(登録商標)−3100」)を用い、下記測定方法により測定した。
<測定方法>
 電圧が0Vに達するまで電流密度60mA/gで、電池の定電流充電を行い、その後、0Vで定電位充電を行った。電流密度60mA/gでの定電流充電と0Vでの定電位充電の合計時間は12時間であった。0Vでの定電位充電中の電気量を積算し、得られた値を充電容量とした。0Vでの定電位充電が終了後、電流密度60mA/gの定電流で、電圧が1.5Vに達するまで電池の放電を行った。該放電中の電気量を積算し、得られた値を放電容量とした。
実施例9~14
 実施例8において、実施例1で得た炭素材料に代えて実施例2~7で得た炭素材料を用いた以外は実施例8と同様に実施して、2極式セルを作製した。実施例8に記載の測定方法に従い、放電容量および充電容量を測定し、充放電効率を求めた。結果を表2に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
実施例15
 実施例1で得た炭素材料91部とポリフッ化ビニリデン(PVDF)9部(固形分)との混合物に、適量のN−メチル−2−ピロリドンを加え、得られた混合物を混錬した。得られた混合物を、ドクターブレード法により、厚さ20μmの銅集電体上に塗布した。塗布された集電体を、50℃で2時間乾燥した。乾燥した集電体を、直径1.45cmの円形に切断し、120℃、8時間真空乾燥し、電極を得た。得られた電極には、炭素材料およびPVDFの混合物2.95mgが含まれていた。
 負極として、得られた電極を、正極として、リチウム箔を、セパレータとして、ニッポン高度紙工業社製TF40−50を、電解液として、濃度1モル/リットルのLiPF/プロピレンカーボネートをそれぞれ用い、CR2032型(IEC/JIS規格)のコインセルを用いて、2極式セルを作製した。
 日本国特許第2519454号公報第6頁に、”リチウムのドープ法・アンドープ法は、一定電流下でも一定電圧下でも、また電流および電圧の変化する条件のいずれで行ってもよい”と記載されているため、作製した2極式セルを定電流−定電圧充電し、プレドープされた電極を作製した。
 なお、電極の作製は、充放電評価装置(東洋システム(株)製「TOSCAT(登録商標)−3100」)を用い、以下の方法により行った。
 電圧が0Vに達するまで電流密度40mA/gで、電池の定電流充電を行い、その後、0Vで、充電量が486mAh/gに到達するまで定電圧充電を行った。0Vでの定電圧充電が終了後、電流密度40mA/gの定電流で、充電量が243mAh/gになるまで放電を行い、プレドープされた電極を作製した。なお、プレドープの方法は炭素材料学会第3回10月セミナー資料133~138頁(2008年10月開催)に記載のリチウムインキャパシタの評価方法に記載されている方法を参考にした。
 負極として、得られたプレドープされた電極を、正極として、市販の活性炭電極(宝泉株式会社製)を、セパレータとして、ニッポン高度紙工業社製TF40−50を、電解液として濃度1モル/リットルのLiPF/プロピレンカーボネートをそれぞれ用い、CR2032型(IEC/JIS規格)のコインセルを用いて、リチウムイオンキャパシタを組み立てた。正極活物質と負極活物質の重量比(正極活物質/負極活物質)は、2.5/1であった。充放電評価装置(東洋システム(株)製「TOSCAT(登録商標)−3100」)を用い、組み立てたリチウムイオンキャパシタを、電圧が3.8Vに達するまで電流密度40mA/gで3.5時間定電流充電した後、電流密度2mA/cmで、電圧が2.2Vに達するまで放電した。放電中の積算電気量(放電容量)は、0.19mAhであった。
 その後、リチウムイオンキャパシタを、電圧が3.8Vに達するまで電流密度40mA/gで3.5時間定電流充電した後、電流密度15mA/cmで、電圧が2.2Vに達するまで放電した。放電中の積算電気量(放電容量)は、0.14mAhであった。また、この時の放電開始直後から1秒間のIRドロップをもとに算出した抵抗値は、11.8Ωであった。
 その後、リチウムイオンキャパシタを、電圧が3.8Vに達するまで電流密度40mA/gで3.5時間定電流充電した後、電流密度30mA/cmで、電圧が2.2Vに達するまで放電した。放電中の積算電気量(放電容量)は、0.11mAhであった。
 なお、放電時の電流密度は、特開2006−286841号公報に記載されている値を、充電電圧および放電電圧は、特開2006−303118号公報に記載されている値を、それぞれ参考にして、設定した。
実施例16
 実施例15において、実施例1で得た炭素材料に代えて、実施例5で得た炭素材料を用い、プレドープの充電量を237mAh/gとした以外は実施例15と同様に実施して、プレドープされた電極を作製した。作製したプレドープされた電極を用いて、実施例15と同様にして、リチウムイオンキャパシタを作製した。作製したリチウムイオンキャパシタの性能を、実施例15と同様にして評価した。結果を表3に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 本発明によれば、放電容量が向上したリチウムイオン二次電池が提供でき、また、リチウムイオンキャパシタの出力密度の向上が期待できる。

Claims (16)

  1.  フェノールフタレインを800~1200℃の範囲内の所定の温度で加熱することより得られる炭素材料であって、500℃から前記所定の温度までの昇温速度が2~10℃/分である炭素材料。
  2.  請求項1に記載の炭素材料と結合剤と溶剤とを含む電極材料。
  3.  結合剤が、フッ素化合物の重合体である請求項2に記載の電極材料。
  4.  溶剤が、アルコール溶媒、アミド溶媒、ケトン溶媒、エステル溶媒、アミン溶媒、エーテル溶媒および水からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載の電極材料。
  5.  請求項1に記載の炭素材料を含む電極。
  6.  請求項5に記載の電極を含むリチウムイオン二次電池。
  7.  請求項5に記載の電極を含むリチウムイオンキャパシタ。
  8.  フェノールフタレインを、500℃以下の温度から、昇温速度2~10℃/分で、800~1200℃の範囲内の所定の温度まで加熱する工程と、該所定の温度で保持する工程とを有する炭素材料の製造方法。
  9.  不活性ガス雰囲気下で加熱する請求項8に記載の製造方法。
  10.  フェノールフタレインを、800~1200℃で加熱することにより得られるリチウムイオンキャパシタ用炭素材料。
  11.  請求項10に記載の炭素材料を含むリチウムイオンキャパシタ用電極。
  12.  電極が、さらに、結合剤と溶剤とを含む請求項11に記載のリチウムイオンキャパシタ用電極。
  13.  結合剤が、フッ素化合物の重合体である請求項12に記載のリチウムイオンキャパシタ用電極。
  14.  溶剤が、アルコール溶媒、アミド溶媒、ケトン溶媒、エステル溶媒、アミン溶媒、エーテル溶媒および水からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項12に記載のリチウムイオンキャパシタ用電極。
  15.  請求項11~14のいずれかに記載の電極を含むリチウムイオンキャパシタ。
  16.  リチウムイオンキャパシタの出力密度を向上させるための、フェノールフタレインを、800~1200℃で加熱することにより得られる炭素材料の使用。
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