WO2010087386A1

WO2010087386A1 - 空調制御装置

Info

Publication number: WO2010087386A1
Application number: PCT/JP2010/051091
Authority: WO
Inventors: 章寺澤; 崇浩栗原; 雅一山本; 松樹山本
Original assignee: パナソニック電工株式会社
Priority date: 2009-01-30
Filing date: 2010-01-28
Publication date: 2010-08-05
Also published as: TW201033550A; JP5237845B2; JP2010175205A

Abstract

　空調制御装置は、振動センサ部と検出部と温度センサ部と設定部と判定部と制御部とを備える。振動センサ部は、就寝者の背中近傍に設置されて就寝者の体動に起因する振動に応じて電気信号を出力する。検出部は、前記電気信号から体動の周波数帯域の振動成分を抽出し、振動成分が所定の時間内に一定の閾値を超える比率または回数を検出する。温度センサ部は、就寝者の頭部近傍に設置されて周囲の気温を検出する。設定部は、就寝者の操作に応じて前記比率または回数に対応する第１の閾値、及び前記気温に対応する第２の閾値を設定するように構成される。判定部は、前記比率または回数及び前記気温が各々第１及び第２の閾値を超えていれば就寝者が寝苦しい状態にあると判定するように構成される。制御部は、空調機の動作を制御するように構成され、且つ空調機が動作していないときに判定部が寝苦しい状態と判定すると、空調機を動作させるように構成される。

Description

空調制御装置

　本発明は一般に空調制御装置に関するもので、より詳細には就寝時において空調機を制御する空調制御装置に関するものである。

　従来、就寝中における空調機の動作制御は、タイマを用いて空調機の動作の入／切を行うものであった。また、動作時間にしたがって冷暖房時の設定温度を調整するものであった。上記の場合、例えば夏場など環境温度の高い時期での冷房設定において、起床時間まで空調機を動作させておくと明け方に寒さで目覚めたり、起床時に身体が重くなる等の体調を損なう虞がある。従って、就寝時に空調機の動作を停止させるか、またはタイマにより空調機を所定の時間後に停止させることが望ましい。しかし、夏場では空調機の動作が停止すると直ぐに室温が上がるため、夜間に中途覚醒してしまう虞がある。また、中途覚醒した際に空調機を再び動作させて、所定の時間後に切るようにタイマで再設定して再入眠した場合でも、空調機の動作停止後に再度中途覚醒してしまう虞がある。その結果、寝不足になるという問題が起こり得る。

　上記の問題を解決するために、例えば１９９４年５月２０日付けで発行された日本国特許公開６－１３７６３８号公報に記載の空調装置や、１９９８年８月７日付けで登録された日本国特許第２８１１９７７号公報に記載の就寝装置が提供されている。当該空調装置及び就寝装置は、就寝者の寝返り等の体動を検出する手段を備えている。そして、当該手段によって就寝者の体動を検出すると、就寝者が寝苦しい状態にあると自動的に判定し空調機を制御することで室温の調整を行っている。しかしながら、上記２つの従来例は、一晩中空調機を動作状態に保つ必要があるため、空調機の運転コストが高くなるという問題があった。また、室温が就寝者にとって適温に調整されたとしても、一晩中空調機が動作しているために就寝者の体調に少なからず影響を与える虞があった。

　そこで、本発明の目的は、空調機の運転コストを低減するとともに、就寝者の体調への影響を少なくすることのできる空調制御装置を提供することにある。

　本発明の空調制御装置は、振動センサ部と、検出部と、温度センサ部と、設定部と、判定部と、制御部とを備える。前記振動センサ部は、就寝者の背中近傍に設置されて就寝者の体動に起因する振動に応じて電気信号を出力する。前記検出部は、前記電気信号から就寝者の体動の周波数帯域の振動成分を抽出し、前記振動成分が所定の時間内に一定の閾値を超える比率または回数を検出する。前記温度センサ部は、就寝者の頭部近傍に設置されて、周囲の気温を検出する。前記設定部は、就寝者の操作に応じて前記比率または回数に対応する第１の閾値、及び前記気温に対応する第２の閾値を設定するように構成される。前記判定部は、前記比率または回数及び前記気温が各々前記第１及び第２の閾値を超えていれば就寝者が寝苦しい状態にあると判定するように構成される。前記制御部は、空調機の動作を制御するように構成される。本発明の第１の特徴において、前記制御部は、前記空調機が動作していないときに前記判定部が寝苦しい状態と判定すると、前記空調機を動作させるように構成される。この発明では、前記判定部が寝苦しい状態と判定した場合のみ前記空調機を動作させるので、従来例のように一晩中前記空調機を動作させることがない。従って、前記空調機の運転コストを低減することができる。また、就寝者の体動だけではなく頭部近傍の気温と併せて寝苦しい状態にあるか否かを判定するので、室温が就寝者にとって適温にも関わらず、体動の発生により誤って寝苦しい状態と判定するのを防ぐことができる。従って、就寝者の感覚に反した空調制御を防ぐことができる。

　一実施形態において、前記制御部は、前記空調機の動作時間を計時するタイマを備える。且つ前記制御部は、前記動作時間が所定の時間を超えると前記空調機の動作を停止させるように構成される。この発明では、前記空調機が動作しても所定の時間後には動作を停止することから、一晩中前記空調機を動作させることがない。従って、就寝者の体調への影響を少なくすることができる。

　一実施形態において、前記設定部は、就寝者の操作に応じて前記比率または回数に対応する第３の閾値、及び前記気温に対応する第４の閾値を設定するように構成される。前記制御部は、前記空調機が動作しているときに前記比率または回数が前記第３の閾値を下回るか、または前記気温が前記第４の閾値を下回ると、前記空調機の動作を停止させるように構成される。この発明では、前記比率または回数と前記気温のうちの何れか一方でも就寝者の設定した閾値を下回ると、前記空調機の動作を自動的に停止させるので、必要以上に前記空調機が動作するのを防ぐことができる。従って、就寝者の体調への影響を少なくすることができる。

　一実施形態において、前記設定部は、就寝者の操作に応じて前記第２の閾値よりも高い第５の閾値を設定するように構成される。前記制御部は、前記空調機が動作していないときに前記気温が前記第５の閾値を超えると、前記空調機を強制的に動作させるように構成される。この発明では、前記比率または回数が前記第１の閾値を超えなくても、前記気温が過度に上昇すると前記空調機を強制的に動作させる。従って、例えば就寝者が寝返りを打たないほど深い睡眠状態にあり前記気温に対する感覚が鈍っているときに、前記気温の過度の上昇により中途覚醒してしまうのを防ぐことができる。

　本発明の第２の特徴において、前記検出部は、前記電気信号から就寝者の心拍の周波数帯域の振動成分を抽出するものである。該空調制御装置は、前記心拍の周波数を解析することで自律神経の指標を検出するとともに前記指標から就寝者の睡眠状態を推定する推定部を備える。前記判定部は、前記空調機が動作していないときに現在の前記気温が前記空調機の動作を停止させた時の前記気温よりも高く、且つ前記推定部が浅い睡眠状態であると推定すると、就寝者が寝苦しい状態にあると判定するように構成される。この発明では、就寝者の睡眠状態に応じて前記空調機を制御するため、より就寝者の感覚に沿った空調制御を行うことができる。また、体動が発生していないときでも現在の前記気温と推定される睡眠状態とに基づいて寝苦しさを判定するので、例えば就寝者が寝返りを打ち始めるよりも先に空調制御を行うことができる。

　一実施形態において、前記制御部は、前記空調機が動作しているときに前記推定部が浅い睡眠状態から深い睡眠状態への移行を推定すると、前記空調機の動作を停止させるように構成される。この発明では、就寝者の睡眠状態が安定してから前記空調機の動作を停止させるので、睡眠環境の変化にともなう中途覚醒を防ぐことができる。

　本発明の好ましい実施形態をさらに詳細に記述する。本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な記述および添付図面に関連して一層良く理解されるものである。
本発明の実施形態１の空調制御装置の全体概略図である。本発明の実施形態１の説明図である。本発明の実施形態２のブロック図である。

　（実施形態１）
　以下、本発明の実施形態１について図１及び図２を参照しながら説明する。本実施形態の空調制御装置１は、図１に示すように空調機１１とともに例えば寝室に設置され、振動センサ部２と、温度センサ部３と、検出部４と、設定部５と、判定部６と、制御部７とを備える。ここで、空調機１１は、例えば冷暖房運転可能なものであって寝室内の室温を調節するものであり、リモートコントロール機能を有する。尚、この様な空調機１１は周知なものであるので、ここでは詳細な説明を省略する。

　振動センサ部２は、例えばポリフッ化ビニリデン等の高分子圧電材料により形成された圧電型素子から構成される。振動センサ部２は、図１に示すようにベッド台８とベッド台８に載置されるマットレス９との間の就寝者の背中近傍に配設される。そして、振動センサ部２は、マットレス９上の就寝者１０の心拍、呼吸、及び体動に起因する振動に応じて発生する電荷を電気信号に変換して出力する。尚、前記電気信号は、増幅部（図示せず）に入力されて所望の大きさまで増幅された後に検出部４に出力される。

　温度センサ部３は、例えばニッケル、マンガン、コバルト、鉄等の酸化物を混合し焼結して形成されたサーミスタから構成される。温度センサ部３は、図１に示すように就寝者１０の頭部近傍に配設される。そして、温度センサ部３は、温度変化に伴って変化する抵抗値に応じて周囲の気温を検出し、検出結果を判定部６に出力する。尚、温度センサ部３は上記の通り就寝者の頭部近傍に配設されるので、検出される気温は就寝者１０が体感する温度に近いものとなる。

　検出部４は、前記増幅部を通じて振動センサ部２より出力された電気信号から就寝者１０の体動による振動成分を抽出する。一般に、体動には決まった周波数帯域が存在せず、体動が発生すると広い周波数帯域成分を有する信号が観測される。このため検出部４は、１～５００Ｈｚの広範囲の周波数帯域のバンドパスフィルタから振動成分を抽出する。また、検出部４は、振動成分の出力値から寝返り頻度を算出する。ここで、本実施形態の寝返り頻度とは、所定の時間内（例えば１分間）に振動成分の出力値が一定の閾値を超える期間の比率（％）である。１分間のうちの前記期間が１５秒である場合には、寝返り頻度は２５％となる。このようにして、検出部３は寝返り頻度を分刻みで算出し、算出結果を判定部６に出力する。尚、上記の寝返り頻度は、比率として算出されているが、他にも１分間に振動成分が一定の閾値を超える回数であってもよい。

　設定部５は、就寝者１０の操作入力を受け付ける入力部（図示せず）と、受け付けた入力内容を記憶する記憶部（図示せず）と、を備える。前記入力部は、例えば押釦等を備える。そして、設定部５は、就寝者１０の操作に応じて寝返り頻度に対応する第１の閾値Ｔ１、及び温度センサ部３で検出される気温に対応する第２の閾値Ｔ２を設定するように構成される。ここで、第１の閾値Ｔ１は、就寝者１０がどれくらいの頻度で寝返りすれば寝苦しい状態であると判定して欲しいかを設定する値である。また、第２の閾値Ｔ２は、就寝者１０がこれ以上上昇すると寝苦しいと感じる温度である。第１及び第２の閾値Ｔ１，Ｔ２は、前記記憶部に記憶される。尚、初期状態時における第１及び第２の閾値Ｔ１，Ｔ２は、例えば５０％、２７度と各々設定されている。しかし、上述の寝返り頻度や気温には個人差があり、また周囲の環境によっても異なるので就寝者１０が適宜変更すればよい。

　判定部６は、図１に示すように検出部４より入力される寝返り頻度と、設定部５内に記憶される第１の閾値Ｔ１とを比較する。また、判定部６は、温度センサ部３より入力される気温と、設定部５内に記憶される第２の閾値Ｔ２とを比較する。そして、判定部６は、図２に示すように寝返り頻度及び気温が各々第１の閾値Ｔ１及び第２の閾値Ｔ２を超えていれば就寝者１０が寝苦しい状態にあると判定する。その結果、判定部６は空調機１１を動作させるための動作信号を制御部７に送る。

　制御部７は、空調機１１の動作を制御するように構成される。具体的には、制御部７は判定部６から上記の動作信号を受け取ると、図１に示すように赤外線にて空調機１１を動作させるための制御信号を空調機１１へ送信する。一方、空調機１１は制御信号を受信することにより空調の動作を開始する。尚、制御部１１は、赤外線以外にも例えばＪＥＭＡ（日本電機工業会）規格の有線信号で制御信号を空調機１１へ送信するように構成されてもよい。

　本実施形態の空調制御装置１は、上述の通り就寝者１０が寝苦しい状態にあると判定したときのみ空調機１１を動作させる。従って、従来例のように一晩中空調機１１を動作させることがなく、空調機１１の運転コストを低減することができる。また、本実施形態の空調制御装置１は、上述の通り就寝者１０の体動だけではなく頭部近傍の気温と併せて寝苦しい状態にあるか否かを判定する。従って、室温が就寝者１０にとって適温にも関わらず、体動の発生により誤って寝苦しい状態にあると判定するのを防ぐことができ、就寝者１０の感覚に反した空調制御を防ぐことができる。

　ところで、夏場など環境温度が高い時期に、寝室内の室温を一定に保つ冷房空調制御を行うよう空調機１１を動作させ続けると、就寝者１０が明け方に寒さで目覚めたり、起床時に身体が重くなる等の体調を損なう虞がある。これに対して、制御部７は空調機１１の動作時間を計時するタイマ（図示せず）を備える。そして、制御部７は、空調機１１を動作させてから所定の時間（例えば１５分）が経過すると空調機１１の動作を停止させるように構成される。従って、空調機１１が動作しても１５分後には動作を停止することから、一晩中空調機１１を動作させることがなく就寝者１０の体調への影響を少なくすることができる。尚、前記所定の時間は就寝者１０が適宜変更してもよい。

　また、設定部５は、上述した第１及び第２の閾値Ｔ１，Ｔ２とは別に、就寝者１０の操作に応じて寝返り頻度に対応する第３の閾値、及び温度センサ部３で検出される気温に対応する第４の閾値を設定するように構成されてもよい。そして、制御部７は、空調機１１が動作しているときに寝返り頻度が第３の閾値を下回るか、または気温が第４の閾値を下回ると、空調機１１の動作を停止させるように構成されてもよい。この場合、寝返り頻度と気温のうちの何れか一方でも就寝者１０の設定した閾値を下回ると、空調機１１の動作を自動的に停止させるので、必要以上に空調機１１が動作するのを防ぐことができる。従って、就寝者１０の体調への影響を少なくすることができる。

　ところで、就寝者１０は深い睡眠状態になると周囲の気温に対する感覚が鈍くなり、たとえ気温が適温以上に上昇していてもあまり寝返りを打たなくなる。そのため、判定部６は、深い睡眠状態の期間において就寝者１０が寝苦しい状態にあると判定することができず、制御部７は空調機１１を動作させることができない。その後、就寝者１０の睡眠状態が浅くなると周囲の気温に対する感覚を取り戻して瞬間的に暑さを感じてしまい、その結果中途覚醒してしまうという問題があった。

　これに対して、設定部５は、就寝者１０の操作に応じて第２の閾値Ｔ２よりも、例えば２度ほど高い第５の閾値を設定するように構成されてもよい。そして、制御部７は、空調機１１が動作していないときに、温度センサ部３で検出される気温が第５の閾値を超えると、空調機１１を強制的に動作させるように構成されてもよい。このように構成されることで、たとえ就寝者１０が寝返りを打たないほど深い睡眠状態にあっても、気温が適温以上に上昇すると空調機１１を自動的に動作させることができて上記の中途覚醒を防ぐことができる。

　（実施形態２）
　以下、本発明の実施形態２について図３を参照しながら説明する。但し、明瞭のため同様の要素には実施形態１の空調制御装置１と同じ符号が割り当てられる。本実施形態の空調制御装置１は、図３に示すように検出部４と判定部６との間に推定部１２を備える点に特徴がある。また、空調制御装置１は、推定部１２以外にも、時系列分布検出部１３、解析部１４、及び活性度検出部１５を備える。

　ここで、本実施形態の検出部４は、例えば０．５～１．５Ｈｚの心拍の周波数帯域の振動成分のみを抽出するバンドパスフィルタも有している。そして、検出部４は前記増幅部を通じて振動センサ部２より出力された電気信号から就寝者１０の心拍による振動成分を抽出する。尚、抽出された電気信号は、推定部１２に出力されるとともに、時系列分布検出部１３や、解析部１４を介して活性度検出部１５に出力される。

　時系列分布検出部１３は、検出部４より入力される電気信号から心拍数の時系列分布を検出し、前記時系列分布から心拍数の分散を算出する。心拍数の分散は、推定部１２に出力されて推定部１２にて睡眠状態を推定するための指標として用いられる。一般に、覚醒状態やレム睡眠状態のときには検出部４より入力される電気信号の変動は大きく、心拍数の分散も大きくなる。一方、深い睡眠状態のときには検出部４より入力される電気信号の変動は小さく、心拍数の分散も小さくなる。従って、心拍数の分散を指標の一つとして睡眠状態を推定することができる。

　解析部１４は、検出部４より入力される電気信号を例えばＦＦＴ（Ｆａｓｔ　Ｆｏｕｒｉｅｒ　Ｔｒａｎｓｆｏｒｍ）等の周波数解析手法によって時間領域から周波数領域に変換して、周波数スペクトル分布として活性度検出部１５に出力する。そして、活性度検出部１５は、得られた周波数スペクトル分布のうち低周波数帯域（約０．０４～０．１５Ｈｚ）の振動成分、及び高周波数帯域（約０．１５～０．４Ｈｚ）の振動成分のパワースペクトルをそれぞれ算出する。ここで、低周波数帯域及び高周波数帯域のパワースペクトルの和に対する低周波数帯域のパワースペクトルの割合を交感神経の活性度とする。また、低周波数帯域及び高周波数帯域のパワースペクトルの和に対する高周波数帯域のパワースペクトルの割合を副交感神経の活性度とする。そして、これら２つの活性度は、推定部１２に出力されて推定部１２にて睡眠状態を推定するための指標として用いられる。

　一般に交感神経が優位の時は緊張し、副交感神経が優位の時はリラックスしていると考えられる。そして、就寝者１０が覚醒状態のときには交感神経の活性度が優位となり、深い睡眠状態のときには副交感神経の活性度が優位となる。また、就寝者１０がレム睡眠状態のときには交感神経の活性度が覚醒状態のときの値に近く、且つ心拍数が覚醒状態よりも減少した状態となる。すなわち、交感神経及び副交感神経の活性度を指標とすることで、各睡眠状態を推定することができる。

　推定部１２は、検出部４で得られた心拍による振動成分から就寝者１０の心拍数を算出する。そして、推定部１２は、上述した時系列分布検出部１３及び活性度検出部１５で検出される各種指標と併せて就寝者１０の睡眠状態を推定し、推定結果を判定部６に出力する。

　そして、本実施形態の判定部６は、実施形態１における寝苦しさの判定とは別に、推定部１２の推定結果に基づいて就寝者１０の寝苦しさを判定する。具体的に説明すると、判定部６は、先ず空調機１１の動作を停止させた時に温度センサ部３で検出された気温を記憶する。そして、判定部６は、空調機１１が動作していないときに現在の気温が上記の記憶される気温よりも高く、且つ推定部１２の推定結果が浅い睡眠状態であれば、就寝者１０が寝苦しい状態にあると判定する。すなわち、空調機１１の動作を停止させてから気温が上昇傾向にあるとき、交感神経の活性度が上昇するとともに副交感神経の活性度が下降し、深い睡眠状態から浅い睡眠状態へと移行することから、このときを寝苦しい状態と判定する。そして、判定部６は、寝苦しい状態と判定後に空調機１１を動作させるための動作信号を制御部７に送る。制御部７は、実施形態１と同様に動作信号を受け取ると、空調機１１を動作させるための制御信号を赤外線で送信する。

　従って、本実施形態の空調制御装置１は、就寝者１０の睡眠状態に応じて空調機１１を制御するため、より就寝者１０の感覚に沿った空調制御を行うことができる。また、体動が発生していないときでも現在の気温と、推定される睡眠状態とに基づいて寝苦しさを判定するので、就寝者１０が寝返りを打ち始めるよりも先に空調制御を行うことができる。

　また、本実施形態の制御部７は、空調機１１が動作しているときに、例えば副交感神経の活性度が上昇する等して推定部１２が浅い睡眠状態から深い睡眠状態への移行を推定すると、空調機１１の動作を停止させるように構成されてもよい。すなわち、制御部７は就寝者１０の睡眠状態が安定してから空調機１１の動作を停止させるので、睡眠環境の変化にともなう就寝者１０の中途覚醒を防ぐことができる。

　尚、本実施形態の推定部１２は、就寝者１０の心拍数に基づいて睡眠状態を推定しているが、就寝者１０の呼吸に基づいて睡眠状態を推定してもよいし、心拍数及び呼吸の両方に基づいて睡眠状態を推定してもよい。この場合の検出部４は、前記増幅部を通じて振動センサ部２より出力された電気信号から就寝者１０の呼吸成分を抽出するように構成される。

　本発明を幾つかの好ましい実施形態について記述したが、この発明の本来の精神および範囲、即ち請求の範囲を逸脱することなく、当業者によって様々な修正および変形が可能である。

Claims

　就寝者の背中近傍に設置されて就寝者の体動に起因する振動に応じて電気信号を出力する振動センサ部と、
　前記電気信号から就寝者の体動の周波数帯域の振動成分を抽出し、前記振動成分が所定の時間内に一定の閾値を超える比率または回数を検出する検出部と、
　就寝者の頭部近傍に設置されて、周囲の気温を検出する温度センサ部と、
　就寝者の操作に応じて前記比率または回数に対応する第１の閾値、及び前記気温に対応する第２の閾値を設定するように構成される設定部と、
　前記比率または回数、及び前記気温が各々前記第１及び第２の閾値を超えていれば就寝者が寝苦しい状態にあると判定するように構成される判定部と、
　空調機の動作を制御するように構成される制御部と、を備え、
　前記制御部は、前記空調機が動作していないときに前記判定部が寝苦しい状態と判定すると、前記空調機を動作させるように構成されることを特徴とする空調制御装置。
　前記制御部は、前記空調機の動作時間を計時するタイマを備え、且つ前記動作時間が所定の時間を超えると前記空調機の動作を停止させるように構成されることを特徴とする請求項１記載の空調制御装置。
　前記設定部は、就寝者の操作に応じて前記比率または回数に対応する第３の閾値、及び前記気温に対応する第４の閾値を設定するように構成され、
　前記制御部は、前記空調機が動作しているときに前記比率または回数が前記第３の閾値を下回るか、または前記気温が前記第４の閾値を下回ると、前記空調機の動作を停止させるように構成されることを特徴とする請求項１記載の空調制御装置。
　前記設定部は、就寝者の操作に応じて前記第２の閾値よりも高い第５の閾値を設定するように構成され、
　前記制御部は、前記空調機が動作していないときに前記気温が前記第５の閾値を超えると、前記空調機を強制的に動作させるように構成されることを特徴とする請求項１～３の何れか１項に記載の空調制御装置。
　前記検出部は、前記電気信号から就寝者の心拍の周波数帯域の振動成分を抽出するものであって、
　該空調制御装置は、前記心拍の周波数を解析することで自律神経の指標を検出するとともに前記指標から就寝者の睡眠状態を推定する推定部を備え、
　前記判定部は、前記空調機が動作していないときに現在の前記気温が前記空調機の動作を停止させた時の前記気温よりも高く、且つ前記推定部が浅い睡眠状態であると推定すると、就寝者が寝苦しい状態にあると判定するように構成されることを特徴とする請求項１～３の何れか１項に記載の空調制御装置。
　前記検出部は、前記電気信号から就寝者の心拍の周波数帯域の振動成分を抽出するものであって、
　該空調制御装置は、前記心拍の周波数を解析することで自律神経の指標を検出するとともに前記指標から就寝者の睡眠状態を推定する推定部を備え、
　前記判定部は、前記空調機が動作していないときに現在の前記気温が前記空調機の動作を停止させた時の前記気温よりも高く、且つ前記推定部が浅い睡眠状態であると推定すると、就寝者が寝苦しい状態にあると判定するように構成されることを特徴とする請求項４記載の空調制御装置。
　前記制御部は、前記空調機が動作しているときに前記推定部が浅い睡眠状態から深い睡眠状態への移行を推定すると、前記空調機の動作を停止させるように構成されることを特徴とする請求項５記載の空調制御装置。
　前記制御部は、前記空調機が動作しているときに前記推定部が浅い睡眠状態から深い睡眠状態への移行を推定すると、前記空調機の動作を停止させるように構成されることを特徴とする請求項６記載の空調制御装置。