WO2010046987A1 - 眼球の強膜伸展性低下補完方法、及びその方法に使用されるフェムト秒レーザの制御方法、並びにその方法で使用されるスペーサ - Google Patents
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Abstract
角膜輪部(7)の近傍における角膜実質層(91)内に角膜表面(92)と平行な輪状又は円弧状の第1切開創面(10)と、この第1切開創面(10)から角膜表面(92)にまで達する第2切開創面(20)とを、フェムト秒レーザにより形成する。これによって角膜周辺部から角膜輪部(7)の間に柔軟性の高い部位を作成し、外眼筋(2)の眼球付着部(3)と角膜輪部(7)との間に位置する強膜(5)の伸展性の低下を補完する。
Description
本発明は、外眼筋の眼球付着部と角膜輪部との間に位置する強膜の伸展性の低下を補完する方法、及びその方法に使用されるフェムト秒レーザの制御方法、並びにその方法で使用されるスペーサに関する。
眼球の調節運動については、19世紀に生理学者であり物理学者でもあるドイツ人ヘルムホルツが提唱した内眼筋調節説、いわゆるヘルムホルツ理論により説明がされている。この理論を簡潔に説明すると、「眼球の調節運動は眼球内に存在する毛様体筋の伸縮運動をその唯一の原動力にしており、その効果器は唯一水晶体のみである。そして効果器である水晶体は、その厚みや位置を変化させることにより焦点の調整を行っている。」ということである。ところが、ヘルムホルツ理論は、これだけでは眼球の調節運動について説明できないことも多いことから、完全な理論ではない。このことはすでに周知の事実となっているが、いまだにこの理論を覆し得る新しい理論が登場していないこともあり、ヘルムホルツ理論は現在に至るまで支持されている。
ところで、一般的には老眼、専門的には加齢性調節衰弱と呼ばれる現象を、ヘルムホルツ理論に従ってみてみると、加齢により毛様体筋(内眼筋)の伸縮運動能力が衰えた結果、効果器である水晶体に対して十分な影響力を与えることができなくなり、このため、眼の調節機能の低下が起こり、遠方に焦点位置(遠点)を調整した場合、近方を見ることが困難になる、ということになる。
このような加齢性調節衰弱(以下、老眼という。)が生じた場合、これまでは凸レンズを用いた眼鏡やコンタクトレンズを装着することで、焦点位置(遠点)を調整して近方視力を改善することが一般的に行なわれてきた。しかし、これらの方法により近方視力を改善すると、今度は遠方視力に支障が出てくることになる。そこで現在では多重焦点レンズや累進焦点レンズを眼内に移植して、便宜上の老眼回復治療と称している。
しかし、本質的な意味での老眼の回復とは、眼の調節能力を回復することである。そのための根本的な解決法としては、ヘルムホルツ理論に従うと、衰えた毛様体筋(内眼筋)の機能を回復させる方法が求められる。ところが、加齢現象の一環として現れてくる毛様体筋の機能回復や眼の調節能力の回復はこれまで不可能と考えられてきた。
そのような状況下で、本発明者は、眼科医として長年にわたり患者を診察、治療してきた過程において、「眼球の調節運動は、ヘルムホルツ理論が提唱する毛様体筋だけが能動的に動作すること、で行われるのではなく、眼球全体がしなやかにその形状を変化させることにより行なわれる」と推論した。そして、眼球に直接付着する外眼筋をはじめとして、眼瞼、眼瞼拳筋、表情筋である眼輪筋や前頭筋等の協調運動によって眼球全体の形状変化が起き、さらに、眼球を収めている眼窩や眼窩内で眼球後方にある軟部組織も眼球の調節運動になくてはならない存在である、といった知見を得た。
これを図面を参照してより詳細に説明すると次のようになる。
図11は、外眼筋が弛緩状態にあるときの眼球及びその周辺部を示す模式図、図12は、外眼筋が収縮したときの眼球及びその周辺部を示す模式図である。
近方を見るとき(近方調節時)には、毛様体筋(内眼筋)が収縮し調節運動をするだけでなく、眼球1に付着した全ての外眼筋2(外眼筋2のもう一方の端は眼窩を形成する骨に腱を介して付着している。)がバランスを保ちながら収縮する(図11に示す状態から図12に示す状態となる。図12において矢符Cで示す。)。このとき眼球1は外眼筋2の眼球付着部3を作用点として眼窩後方へ向け牽引される。これによって、眼球1と接触して眼窩後方に存在している視神経や軟部組織8は、眼球底4から圧迫を受ける。圧迫を受けた軟部組織8はその内圧が高まり、その内圧と同じ大きさの圧力P1で均等に眼球底4を押し返す。それにより眼球1に生じた抗力P2は眼球1の外眼筋付着部3より前方に位置する強膜5と角膜6を前方に向け伸展させる力P3となる。その結果、眼球軸が伸びる。このとき外眼筋付着部3が作用点として働くため、外眼筋付着部3から角膜輪部7までの強膜5部分が最も強く伸展されることになる(図12において矢符Eで示す。)。ところで解剖学的に見ると、外眼筋2が付着している強膜5の部分は最も薄く構成されており、もともと伸展性が優れた部位である。本発明者は毛様体筋(内眼筋)の伸縮運動だけではなく、この強膜5の伸展による眼球軸の伸びも、眼球の調節運動に大きな影響を与えることを見出した。そこで、以下、本明細書においては強膜を調節強膜とも称する。なお、図中の符号6は視神経を、9は角膜をそれぞれ示す。
調節強膜5の伸展性は、その厚みと、それを構成しているコラーゲン組織の含水率とに左右される。このコラーゲン組織の含水率の低下は、組織の硬化につながり、調節強膜5の伸展性の低下を招くことになる。調節強膜5を構成しているコラーゲンの含水率は、皮膚のそれと同様に加齢とともに低下する傾向がある。そのため調節強膜5の伸展性は加齢とともに低下し、結果的に眼球の調節能力の低下を招くことになる。本発明者は、このような一連のメカニズムによる眼球の調節能力の低下が、老眼の発生につながっていることを発見した。
本発明者の上述の理論によれば、加齢による調節強膜の伸展性の低下を補完するような処置を施せば、眼球の調節能力が回復し、老眼を治癒させることが可能になる。そこで本発明者は、上記理論を背景にして老眼治療を目的とした定深度角膜輪状切開器具を提案した(特許文献1参照)。また、その切開器具により角膜に形成される切開創が再接着や癒着により修復されてしまうのを防ぎ、切開創を維持させるために、切開創に挿入する角膜内留置リングを提案した(特許文献2参照)。
上記定深度角膜輪状切開器具を使用して、角膜輪部近傍の角膜部位に所望の定深度輪状切開創を形成すれば、この切開創が調節強膜5に代わる新たな伸展部位となり、その結果、加齢による調節強膜5の伸展性の低下が補完されることになる。また、上記角膜内留置リングを上記切開創内に挿入すれば、切開創の接着や癒着が防止されるので切開創の機能が維持されることになり、上記補完を継続させることができる。その結果、眼球の調節能力が回復し、老眼が治癒される。
特開2007-130334号公報
特開2007-151768号公報
しかしながら、上記の切開器具にあっては、吸引手段を有するサクション・リングを角膜及び調節強膜に吸引圧で固定するため、眼球への装着に際して患者に少なからず恐怖心を抱かせてしまったり、施術中患者に不快感を与えてしまっていた。
また、ブレードが装着されたレボルバーを手で回転させ、これによってブレードで角膜の所定箇所に切開創を形成するため、ブレードの位置及び姿勢の調整や、切開創の深度を決するブレードの突出量の調整が煩瑣であった。
さらに、角膜の直径は個人差が大きいため、直径が異なる複数のサクション・リングを用意する必要があった。
また、切開創の形成をブレードにより行うため、切開創の断面形状が直線に限定されていた。このため、切開創を角膜のかなり深いところまで形成しなければ、前述したような切開創の機能を十分に発揮させることができなかった。
そしてなによりも、切開創の形成が手動によることになるため、高い切開精度を得るにはそれ相応の熟練度が要求されるものであった。特に、切開創が形成されていくのにしたがって角膜輪部付近が動き易くなっていくため、ブレードが角膜内に所定の深さよりも深く入り込んでしまいがちとなる。このため、定深度の切開創を形成するのはほぼ不可能であった。
また、上記角膜内留置リングを使用する場合は、上記切開器具で形成される切開創の断面形状が上述したように直線に限定されていることから、かなり深いところまで切開創を形成しておかないと角膜内留置リングが切開創から角膜外へ押し出されてしまうことになる。ところが、角膜内の深いところまで切開創を形成することは、往々にして角膜自体の切除(切離)といった危険を伴うものであった。
さらに、上記の切開器具、又は切開器具と角膜内留置リングの両方を使用して老眼の治療を行うと、角膜構成組織であるボーマン膜が切開されることにより、ボーマン膜が有する機能、特に牽引力に対する抵抗力が損なわれるため、可塑性の大きな部位が切開創に沿って角膜上に出現する。その結果、近方調節時に、切開創よりも角膜周辺部において角膜の形状に強い急峻化が起こる一方、切開創よりも角膜中心部においては角膜の曲率に変化が起きないかむしろ平坦化して近方調節が阻害されるといったことが起き、結果的に遠視化が起こる。したがって、上記治療により近視も矯正されることになるが、その矯正度合いは、元から強度の近視であった患者には不十分なこともある。そのため、さらなる近視の矯正手術を行ったりする場合がある。また、逆に元から遠視であった看者は、治療後さらに遠視が進むため、遠視の矯正手術を行ったりする必要がある。その場合、近年、近視や遠視の治療に広く行われるようになったLASIK手術を採用することが考えられる。しかし、上記切開器具で形成した切開創と交錯しないように、LASIK手術でレーザにより角膜フラップを形成することは、上記切開器具による切開創の中心(切開創が描く円の中心)と角膜フラップの中心とを寸分違わず合致させることなど極めて困難であることから、実際には不可能であった。
そこで、上記課題を解決するために、本発明は、自動でしかも患者に負担をかけることなく安全に実施し得る、強膜の伸展性の低下を補完する方法、及びその方法に使用されるフェムト秒レーザの制御方法、並びにその方法で使用されるスペーサを提供することを目的としている。
上記の目的を達成するため、請求項1の発明に係る眼球の強膜伸展性低下補完方法は、角膜周辺部から角膜輪部の間に柔軟性の高い部位を作成することにより外眼筋の眼球付着部と角膜輪部との間に位置する強膜の伸展性の低下を補完する方法であって、角膜輪部の近傍における角膜実質層内に角膜表面と平行な輪状又は円弧状の第1切開創面を形成する工程と、この第1切開創面から角膜表面にまで達する第2切開創面を形成する工程と、を含み、前記各工程をフェムト秒レーザにより行うものである。
請求項2の発明に係る眼球の強膜伸展性低下補完方法は、角膜周辺部から角膜輪部の間に柔軟性の高い部位を作成することにより外眼筋の眼球付着部と角膜輪部との間に位置する強膜の伸展性の低下を補完する方法であって、角膜輪部の近傍における角膜実質層内に角膜表面と平行な輪状又は円弧状の第1切除層を形成する工程と、この第1切除層から角膜表面にまで達する第2切除層を形成する工程と、を含み、前記各工程をフェムト秒レーザにより行うものである。
請求項3の発明に係る眼球の強膜伸展性低下補完方法は、角膜周辺部から角膜輪部の間に柔軟性の高い部位を作成することにより外眼筋の眼球付着部と角膜輪部との間に位置する強膜の伸展性の低下を補完する方法であって、角膜輪部の近傍における角膜実質層内に角膜表面と平行な輪状又は円弧状の第1切開創面を形成する工程と、この第1切開創面から角膜表面にまで達する第2切開創面を形成する工程と、前記第1切開創面上に前記第2切開創面の下端部を包含するキャビティを形成する工程と、を含み、前記各工程をフェムト秒レーザにより行うものである。
請求項4の発明に係る眼球の強膜伸展性低下補完方法は、角膜周辺部から角膜輪部の間に柔軟性の高い部位を作成することにより外眼筋の眼球付着部と角膜輪部との間に位置する強膜の伸展性の低下を補完する方法であって、角膜輪部の近傍における角膜実質層内に角膜表面と平行な輪状又は円弧状の第1切開創面を形成する工程と、この第1切開創面から角膜表面に向かって上昇し上端が角膜実質層内に存する第2切開創面を形成する工程と、この第2切開創面の上端から前記第1切開創面と平行に角膜の中心部に向かう第3切開創面を形成する工程と、この第3切開創面の終端から角膜表面にまで達する第4切開創面を形成する工程と、を含み、前記各工程をフェムト秒レーザにより行うものである。
上記の各発明に係る強膜伸展性低下補完方法にあっては、それぞれ切開創面等にスペーサを挿入する工程をさらに含んでもよい。
すなわち、上記請求項1の発明に係る強膜伸展性低下補完方法においては、さらに、前記第1切開創面内にスペーサを挿入する工程を含んでもよい。
上記請求項2の発明に係る強膜伸展性低下補完方法においては、さらに、前記第1切除層内にスペーサを挿入する工程を含んでもよい。
上記請求項3の発明に係る強膜伸展性低下補完方法においては、さらに、前記キャビティ内にスペーサを挿入する工程を含んでもよい。
上記請求項4の発明に係る強膜伸展性低下補完方法においては、さらに、前記第2切開創面内にスペーサを挿入する工程を含んでもよい。
上記の各スペーサとしては、輪状又は弧状のものが好ましい。その場合、材質は生体に無害なものが選択される。例えば、コンタクトレンズの材料として用いられているポリメチルメタアクリレート(PMMA)をはじめとする生体に無害な合成樹脂、あるいは、金(Au)又は白金(Pt)が選択される。スペーサの形態としては偏平であることが好適である。また、スペーサとしては、金(Au)又は白金(Pt)の粒状物又は粉末も適している。
請求項16の発明に係るフェムト秒レーザの制御方法は、角膜周辺部から角膜輪部の間に柔軟性の高い部位を作成することにより外眼筋の眼球付着部と角膜輪部との間に位置する強膜の伸展性の低下を補完する方法に使用されるフェムト秒レーザの制御方法であって、レーザ照射手段から出射されるレーザ光を、そのスポットが角膜実質層内においてメモリに予め記憶させておいた第1切開創面又は第1切除層の深度に達するように導光するとともに、該レーザ光のスポットを、a)メモリに予め記憶させておいた第1切開創面の幅又は第1切除層の幅で振幅走査させながら角膜輪部に沿って輪状又は円弧状に走査させるか、又は、b)メモリに予め記憶させておいた第1切開創面の幅又は第1切除層の幅の範囲内で、角膜輪部に沿って輪状又は円弧状に且つ複数回に亘り同心円状に走査させるか、又は、c)メモリに予め記憶させておいた第1切開創面の幅又は第1切除層の幅の範囲内で、角膜輪部に沿って輪状又は円弧状に且つ螺旋状に走査させる工程と、前記レーザ光のスポットを、第1切開創面又は第1切除層から角膜表面に向かう方向、或いは角膜表面から第1切開創面又は第1切除層に向かう方向に、前記第1切開創面又は第1切除層に沿って走査させる工程、の各工程を行うものである。
請求項17の発明に係るフェムト秒レーザの制御方法は、角膜周辺部から角膜輪部の間に柔軟性の高い部位を作成することにより外眼筋の眼球付着部と角膜輪部との間に位置する強膜の伸展性の低下を補完する方法に使用されるフェムト秒レーザの制御方法であって、レーザ照射手段から出射されるレーザ光を、そのスポットが角膜実質層内においてメモリに予め記憶させておいた第1切開創面の深度に達するように導光するとともに、該レーザ光のスポットを、a)メモリに予め記憶させておいた第1切開創面の幅で振幅走査させながら角膜輪部に沿って輪状又は円弧状に走査させるか、又は、b)メモリに予め記憶させておいた第1切開創面の幅の範囲内で、角膜輪部に沿って輪状又は円弧状に且つ複数回に亘り同心円状に走査させるか、又は、c)メモリに予め記憶させておいた第1切開創面の幅の範囲内で、角膜輪部に沿って輪状又は円弧状に且つ螺旋状に走査させる工程と、前記レーザ光のスポットを、前記第1切開創面に沿って、第1切開創面から角膜表面に向かう方向又は角膜表面から第1切開創面に向かう方向に走査させる工程と、前記各工程により形成される第1切開創面及び第1切開創面上の第2切開創面の下端部を包含するキャビティに関するメモリ上の設定情報に基づいて、前記レーザ光のスポットを、第1切開創面に沿って、前記第2切開創面の下端部領域において3次元的に走査させる工程、の各工程を行うものである。
請求項18の発明に係るフェムト秒レーザの制御方法は、角膜周辺部から角膜輪部の間に柔軟性の高い部位を作成することにより外眼筋の眼球付着部と角膜輪部との間に位置する強膜の伸展性の低下を補完する方法に使用されるフェムト秒レーザの制御方法であって、レーザ照射手段から出射されるレーザ光を、そのスポットが角膜実質層内においてメモリに予め記憶させておいた第1切開創面の深度に達するように導光するとともに、該レーザ光のスポットを、a)メモリに予め記憶させておいた第1切開創面の幅で振幅走査させながら角膜輪部に沿って輪状又は円弧状に走査させるか、又は、b)メモリに予め記憶させておいた第1切開創面の幅の範囲内で、角膜輪部に沿って輪状又は円弧状に且つ複数回に亘り同心円状に走査させるか、又は、c)メモリに予め記憶させておいた第1切開創面の幅の範囲内で、角膜輪部に沿って輪状又は円弧状に且つ螺旋状に走査させる工程と、前記レーザ光のスポットを、前記第1切開創面から角膜表面に向かって、メモリに予め記憶させておいた角膜実質層内の第2切開創面上端深度まで第1切開創面に沿って走査させる工程と、前記レーザ光のスポットを、前記第2切開創面上端深度において、第2切開創面の上端から角膜の中心方向に、i)メモリに予め記憶させておいた第3切開創面の幅で振幅走査させながら第2切開創面に沿って走査させるか、又は、ii)メモリに予め記憶させておいた第3切開創面の幅の範囲内で、第2切開創面に沿って複数回に亘り同心円状に走査させるか、又は、iii)メモリに予め記憶させておいた第3切開創面の幅の範囲内で、第2切開創面に沿って螺旋状に走査させる工程と、前記レーザ光のスポットを、第3切開創面に沿って、第3切開創面の終端から角膜表面に向かう方向又は角膜表面から第3切開創面の終端に向かう方向に走査させる工程、の各工程を行うものである。
上記のフェムト秒レーザの制御方法において、さらに、角膜フラップに関するメモリ上の設定情報に基づいて、前記レーザのスポットを走査させる工程を含んでもよい。
本発明にあっては、角膜輪部の近傍に角膜の半径方向に沿う切開創面(又は切除層)と、角膜の厚み方向に沿う切開創面(又は切除層)の2つが相互に連続した状態で形成されることになるから、この形成部位において、前記従来の切開創を形成する場合よりも大きな伸展性を得ることができる。つまり、角膜周辺部から角膜輪部の間に柔軟性が従来よりも高い部位を作成することができる。
また、スペーサは、従来のような角膜の厚み方向に沿う切開創面ではなく、角膜の半径方向に沿う切開創面又はキャビティに挿入されるため、スペーサはその位置から角膜の厚み方向に沿う切開創面内に移動しようとしても、その切開創面の下端で引っ掛かってしまう。したがって、スペーサは、角膜の半径方向に沿う切開創面又はキャビティスペーサの中に常時留まるので、角膜から抜け出てしまう虞がない。
また、角膜フラップを形成する場合は、上記切開創面を形成するのと同じフェムト秒レーザを使用し一連の施術で行うことになるので、両者が交錯してしまう虞がないとともに、短時間に近視や遠視の矯正も行うことができる。
本発明によれば、自動でしかも安全に患者に負担をかけずに所望の断面形状を有する切開創面を形成することができ、角膜周辺部から角膜輪部の間に柔軟性が従来よりも高い部位を作成することができる。これにより、強膜の伸展性を補完することができるので、より効果的に眼球の調節能力を回復させることができる。また近視や乱視の矯正を行うこともできる。
1 眼球
2 外眼筋
3 外眼筋の眼球付着部
4 眼球底
5 強膜(調節強膜)
6 視神経
7 角膜輪部
8 軟部組織
9 角膜
10 第1切開創面
20 第2切開創面
21 キャビティ
30 第3切開創面
40 第4切開創面
50 スペーサ
51 スペーサ
60 角膜フラップ
2 外眼筋
3 外眼筋の眼球付着部
4 眼球底
5 強膜(調節強膜)
6 視神経
7 角膜輪部
8 軟部組織
9 角膜
10 第1切開創面
20 第2切開創面
21 キャビティ
30 第3切開創面
40 第4切開創面
50 スペーサ
51 スペーサ
60 角膜フラップ
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、角膜を正面からみた模式図、図2は、図1におけるII-II線に沿う端面を示す模式図である。
本発明に係る眼球の強膜伸展性低下補完方法は、角膜周辺部から角膜輪部7の間に柔軟性の高い部位を作成することにより外眼筋2の眼球付着部3と角膜輪部7との間に位置する調節強膜5の伸展性の低下を補完する方法である。すなわち、本発明による方法は、角膜輪部7の近傍における角膜実質層91内に角膜表面92と平行な輪状の第1切開創面10を形成する工程と、この第1切開創面10から角膜表面92にまで達する第2切開創面20を形成する工程と、を含み、これら各工程をフェムト秒レーザにより行うものである。
フェムト秒レーザにより第1切開創面10を形成するには、レーザ照射手段から出射されるレーザ光を、そのスポットが角膜実質層91内において、フェムト秒レーザ装置のメモリに予め記憶させておいた第1切開創面10の深度に達するように導光するとともに、レーザ光のスポットを次のいずれかの方法で走査させる。すなわち、フェムト秒レーザ装置のメモリに予め記憶させておいた第1切開創面10の幅で振幅走査させながら角膜輪部7に沿って輪状に走査させる。又は、メモリに予め記憶させておいた第1切開創面10の幅の範囲内で、角膜輪部7に沿って輪状に且つ複数回に亘り同心円状に走査させる。この場合、角膜9の内周側から走査を開始しても外周側(角膜輪部7側)から走査を開始してもよい。或いは、メモリに予め記憶させておいた第1切開創面の幅の範囲内で、角膜輪部7に沿って輪状に且つ螺旋状に走査させる。この場合も、角膜9の内周側から走査を開始しても外周側(角膜輪部7側)から走査を開始してもよい。
第1切開創面10の深さは、角膜表面92から100~900μmの範囲から選択され、好ましくは400~600μmである。また第1切開創面10の幅Wは、近視・乱視矯正を目的とする場合は500μm以上、老眼矯正や緑内障、黄斑変性症、円錐角膜等の治療を目的とする場合は1000μm以上が好ましい。
なお、第1切開創面10は、上記したような輪状に限らず、円弧状であってもよく、そのいずれの形態を選択するか、また円弧状とする場合はその長さをどの程度とするかについては、眼球全体及び角膜の状態などを勘案して適宜決定すればよい。
次に、フェムト秒レーザにより第2切開創面20を形成するには、レーザ照射手段から出射されるレーザ光のスポットを、第1切開創面10から角膜表面92に向かう方向に、或いは角膜表面から第1切開創面に向かう方向に、第1切開創面10に沿って走査させる。これによって、第2切開創面20はその下端において第1切開創面10と接続することとなる。ここで、図1では、第2切開創面20は第1切開創面10とその幅方向の略中央部において接続され、これら2つの切開創面10,20で「逆T字状」を構成しているが、施術対象者が老人の場合は、角膜周辺部に白く混濁した部位(専門的にこれを老人環と呼ぶ。)が存在することがあり、その場合、レーザ光が透過しにくいため、第2切開創面20は角膜輪部7から離れている方がよい。したがって、図3に示すように、第2切開創面20は第1切開創面10とその内周端(角膜9の中心側の内周縁)で接続、又は内周端寄りの位置で接続されるのがよい。また、第2切開創面20の角膜輪部7からの距離は、0.1~2.0mmがよく、より好ましくは0.5~1.0mmである。
なお、第1切開創面10及び第2切開創面20は、それぞれこれらに代えて切除層としてもよい。つまり、第1切開創面10及び第2切開創面20に沿って一定領域の組織を切除してもよい。
また、LASIK手術により近視矯正や遠視矯正も併せて行う場合は、図1に示すように、上記第1切開創面10及び第2切開創面20を形成するのに使用するフェムト秒レーザ装置を使用して、第2切開創面20の内側領域に、角膜フラップ60を形成する。なお、この角膜フラップ60は、第1切開創面10及び第2切開創面20を形成する前でも後でもよい。また、角膜フラップ60の円周状の外縁と第2切開創面20とは、図4に示すように、一致させてもよい。
図1に示す例において、第1切開創面10内に、図5に示すように、偏平なリング状のスペーサ50(図6参照)を挿入してもよい。このスペーサ50の材質としては、金又は白金が好ましい。また、厚みは、厚さが増すにしたがって、調節強膜5の伸展性の低下をよりよく補完することができるが、50μm程度の厚みが好ましい。また、スペーサはこのような偏平なリング状のもの以外に、金又は白金の粒状物又は粉末であってもよい。なお、イオン化傾向が小さく毒性が低い金属もスペーサの材料として採用し得る。
図7は、上記の第1切開創面10上に、さらに第2切開創面20の下端部を包含するキャビティ21を形成した例を示す。このキャビティ21は、第2切開創面20の内周側と外周側の両方に形成しても、またそのうちの一方にのみ形成してもよい。そして、そのキャビティ21内には、図8に示すようなスペーサ51を挿入してもよい。この場合のスペーサ51としては、上記した金や白金以外に、例えば、コンタクトレンズの材料として用いられているポリメチルメタアクリレート(PMMA)をはじめとする生体に無害な合成樹脂でもよい。このようにキャビティ21内にスペーサ51を挿入することにより、スペーサ51が角膜実質層91を押し広げて第2切開創面20を解離させる。これによって調節強膜5の伸展性の低下がよりよく補完される。
図9は、角膜輪部7の近傍における角膜実質層91内に角膜表面92と平行な輪状の第1切開創面10を形成し、次に、この第1切開創面10から角膜表面92に向かって上昇し上端が角膜実質層91内に存する第2切開創面20を形成し、続いてこの第2切開創面20の上端から第1切開創面10と平行に角膜9の中心部に向かう第3切開創面30を形成し、最後にこの第3切開創面30の終端から角膜表面92にまで達する第4切開創面40を形成した例を示す。この例の場合は、図2に示した例よりも、調節強膜5の伸展性の低下をよりよく補完することができる。さらに、図10に示すように、第2切開創面20内に、図8で示したものと同様のスペーサ51を挿入してもよい。このように第2切開創面20内にスペーサ51を挿入することにより、スペーサ51が角膜実質層91を押し広げて第2~第4までの切開創面20,30,40を解離させる。これによって調節強膜5の伸展性の低下がより一層補完されることになる。
本発明は、老眼の治療に適用できるのは勿論のこと、近視や乱視、とくにこれまで治療法のなかった強度の不整乱視にも応用できる。本発明は既存のLASIK手術とは異なり、角膜の厚みを損なうことなく近視、乱視矯正手術を可能にするため、角膜厚の薄い眼球に於いても近視や乱視治療を可能とすることができる。また、眼圧を低下させる効果も得られることから、緑内障の治療にも有効である。また、外眼筋の緊張を解くことができるため、老人性黄斑変性症の治療や、網膜色素変性症、円錐角膜の治療、白内障の予防にも有効である。
Claims (22)
- 角膜周辺部から角膜輪部の間に柔軟性の高い部位を作成することにより外眼筋の眼球付着部と角膜輪部との間に位置する強膜の伸展性の低下を補完する方法であって、
角膜輪部の近傍における角膜実質層内に角膜表面と平行な輪状又は円弧状の第1切開創面を形成する工程と、
この第1切開創面から角膜表面にまで達する第2切開創面を形成する工程と、
を含み、
前記各工程をフェムト秒レーザにより行う眼球の強膜伸展性低下補完方法。 - 角膜周辺部から角膜輪部の間に柔軟性の高い部位を作成することにより外眼筋の眼球付着部と角膜輪部との間に位置する強膜の伸展性の低下を補完する方法であって、
角膜輪部の近傍における角膜実質層内に角膜表面と平行な輪状又は円弧状の第1切除層を形成する工程と、
この第1切除層から角膜表面にまで達する第2切除層を形成する工程と、
を含み、
前記各工程をフェムト秒レーザにより行う眼球の強膜伸展性低下補完方法。 - 角膜周辺部から角膜輪部の間に柔軟性の高い部位を作成することにより外眼筋の眼球付着部と角膜輪部との間に位置する強膜の伸展性の低下を補完する方法であって、
角膜輪部の近傍における角膜実質層内に角膜表面と平行な輪状又は円弧状の第1切開創面を形成する工程と、
この第1切開創面から角膜表面にまで達する第2切開創面を形成する工程と、
前記第1切開創面上に前記第2切開創面の下端部を包含するキャビティを形成する工程と、
を含み、
前記各工程をフェムト秒レーザにより行う眼球の強膜伸展性低下補完方法。 - 角膜周辺部から角膜輪部の間に柔軟性の高い部位を作成することにより外眼筋の眼球付着部と角膜輪部との間に位置する強膜の伸展性の低下を補完する方法であって、
角膜輪部の近傍における角膜実質層内に角膜表面と平行な輪状又は円弧状の第1切開創面を形成する工程と、
この第1切開創面から角膜表面に向かって上昇し上端が角膜実質層内に存する第2切開創面を形成する工程と、
この第2切開創面の上端から前記第1切開創面と平行に角膜の中心部に向かう第3切開創面を形成する工程と、
この第3切開創面の終端から角膜表面にまで達する第4切開創面を形成する工程と、
を含み、
前記各工程をフェムト秒レーザにより行う眼球の強膜伸展性低下補完方法。 - 請求項1又は3に記載の眼球の強膜伸展性低下補完方法において、
さらに、前記第2切開創面の内側にフェムト秒レーザにより角膜フラップを形成する工程を含む眼球の眼球強膜伸展性低下補完方法。 - 請求項2に記載の眼球の強膜伸展性低下補完方法において、
さらに、前記第2切除層の内側にフェムト秒レーザにより角膜フラップを形成する工程を含む眼球の強膜伸展性低下補完方法。 - 請求項4に記載の眼球の強膜伸展性低下補完方法において、
さらに、前記第4切開創面の内側にフェムト秒レーザにより角膜フラップを形成する工程を含む眼球の強膜伸展性低下補完方法。 - 請求項1に記載の眼球の強膜伸展性低下補完方法において、
さらに、前記第1切開創面内にスペーサを挿入する工程を含む眼球の強膜伸展性低下補完方法。 - 請求項2に記載の眼球の強膜伸展性低下補完方法において、
さらに、前記第1切除層内にスペーサを挿入する工程を含む眼球の強膜伸展性低下補完方法。 - 請求項3に記載の眼球の強膜伸展性低下補完方法において、
さらに、前記キャビティ内にスペーサを挿入する工程を含む眼球の強膜伸展性低下補完方法。 - 請求項4に記載の眼球の強膜伸展性低下補完方法において、
さらに、前記第2切開創面内にスペーサを挿入する工程を含む眼球の強膜伸展性低下補完方法。 - 請求項8から11のいずれか一つに記載の眼球の強膜伸展性低下補完方法において、
前記スペーサは、輪状又は弧状である眼球の強膜伸展性低下補完方法。 - 請求項12に記載の眼球の強膜伸展性低下補完方法において、
前記スペーサは、合成樹脂を材料とする眼球の強膜伸展性低下補完方法。 - 請求項12に記載の眼球の強膜伸展性低下補完方法において、
前記スペーサは、金又は白金を材料とする眼球の強膜伸展性低下補完方法。 - 請求項8から11のいずれか一つに記載の眼球の強膜伸展性低下補完方法において、
前記スペーサは、金又は白金の粒状物又は粉末である眼球の強膜伸展性低下補完方法。 - 角膜周辺部から角膜輪部の間に柔軟性の高い部位を作成することにより外眼筋の眼球付着部と角膜輪部との間に位置する強膜の伸展性の低下を補完する方法に使用されるフェムト秒レーザの制御方法であって、
レーザ照射手段から出射されるレーザ光を、そのスポットが角膜実質層内においてメモリに予め記憶させておいた第1切開創面又は第1切除層の深度に達するように導光するとともに、該レーザ光のスポットを、
a)メモリに予め記憶させておいた第1切開創面の幅又は第1切除層の幅で振幅走査させながら角膜輪部に沿って輪状又は円弧状に走査させるか、又は、
b)メモリに予め記憶させておいた第1切開創面の幅又は第1切除層の幅の範囲内で、角膜輪部に沿って輪状又は円弧状に且つ複数回に亘り同心円状に走査させるか、又は、
c)メモリに予め記憶させておいた第1切開創面の幅又は第1切除層の幅の範囲内で、角膜輪部に沿って輪状又は円弧状に且つ螺旋状に走査させる
工程と、
前記レーザ光のスポットを、第1切開創面又は第1切除層から角膜表面に向かう方向、或いは角膜表面から第1切開創面又は第1切除層に向かう方向に、前記第1切開創面又は第1切除層に沿って走査させる工程、
の各工程を行うフェムト秒レーザの制御方法。 - 角膜周辺部から角膜輪部の間に柔軟性の高い部位を作成することにより外眼筋の眼球付着部と角膜輪部との間に位置する強膜の伸展性の低下を補完する方法に使用されるフェムト秒レーザの制御方法であって、
レーザ照射手段から出射されるレーザ光を、そのスポットが角膜実質層内においてメモリに予め記憶させておいた第1切開創面の深度に達するように導光するとともに、該レーザ光のスポットを、
a)メモリに予め記憶させておいた第1切開創面の幅で振幅走査させながら角膜輪部に沿って輪状又は円弧状に走査させるか、又は、
b)メモリに予め記憶させておいた第1切開創面の幅の範囲内で、角膜輪部に沿って輪状又は円弧状に且つ複数回に亘り同心円状に走査させるか、又は、
c)メモリに予め記憶させておいた第1切開創面の幅の範囲内で、角膜輪部に沿って輪状又は円弧状に且つ螺旋状に走査させる
工程と、
前記レーザ光のスポットを、前記第1切開創面に沿って、第1切開創面から角膜表面に向かう方向又は角膜表面から第1切開創面に向かう方向に走査させる工程と、
前記各工程により形成される第1切開創面及び第1切開創面上の第2切開創面の下端部を包含するキャビティに関するメモリ上の設定情報に基づいて、前記レーザ光のスポットを、第1切開創面に沿って、前記第2切開創面の下端部領域において3次元的に走査させる工程、
の各工程を行うフェムト秒レーザの制御方法。 - 角膜周辺部から角膜輪部の間に柔軟性の高い部位を作成することにより外眼筋の眼球付着部と角膜輪部との間に位置する強膜の伸展性の低下を補完する方法に使用されるフェムト秒レーザの制御方法であって、
レーザ照射手段から出射されるレーザ光を、そのスポットが角膜実質層内においてメモリに予め記憶させておいた第1切開創面の深度に達するように導光するとともに、該レーザ光のスポットを、
a)メモリに予め記憶させておいた第1切開創面の幅で振幅走査させながら角膜輪部に沿って輪状又は円弧状に走査させるか、又は、
b)メモリに予め記憶させておいた第1切開創面の幅の範囲内で、角膜輪部に沿って輪状又は円弧状に且つ複数回に亘り同心円状に走査させるか、又は、
c)メモリに予め記憶させておいた第1切開創面の幅の範囲内で、角膜輪部に沿って輪状又は円弧状に且つ螺旋状に走査させる
工程と、
前記レーザ光のスポットを、前記第1切開創面から角膜表面に向かって、メモリに予め記憶させておいた角膜実質層内の第2切開創面上端深度まで第1切開創面に沿って走査させる工程と、
前記レーザ光のスポットを、前記第2切開創面上端深度において、第2切開創面の上端から角膜の中心方向に、
i)メモリに予め記憶させておいた第3切開創面の幅で振幅走査させながら第2切開創面に沿って走査させるか、又は、
ii)メモリに予め記憶させておいた第3切開創面の幅の範囲内で、第2切開創面に沿って複数回に亘り同心円状に走査させるか、又は、
iii)メモリに予め記憶させておいた第3切開創面の幅の範囲内で、第2切開創面に沿って螺旋状に走査させる
工程と、
前記レーザ光のスポットを、第3切開創面に沿って、第3切開創面の終端から角膜表面に向かう方向又は角膜表面から第3切開創面の終端に向かう方向に走査させる工程、
の各工程を行うフェムト秒レーザの制御方法。 - 請求項16から18のいずれか一つに記載のフェムト秒レーザの制御方法において、
さらに、角膜フラップに関するメモリ上の設定情報に基づいて、前記レーザのスポットを走査させる工程を含むフェムト秒レーザの制御方法。 - 請求項16から19のいずれか一つに記載のフェムト秒レーザの制御方法により形成される角膜実質層内の切開創面、切除層、又はキャビティ内に挿入される輪状又は弧状のスペーサであって、
そのスペーサは合成樹脂を材料とするスペーサ。 - 請求項16から19のいずれか一つに記載のフェムト秒レーザの制御方法により形成される角膜実質層内の切開創面、切除層、又はキャビティ内に挿入される輪状又は弧状のスペーサであって、
そのスペーサは金又は白金を材料とするスペーサ。 - 請求項20又は21に記載のスペーサにおいて、
前記スペーサは偏平に形成されてなるスペーサ。
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