JP2008531097A - 目の角膜の局所的変形を補償する手段と装置 - Google Patents

目の角膜の局所的変形を補償する手段と装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、目の角膜(1、16、32、33)の局所的な変形(2、17)を補償する手段であって、この手段は、角膜(1、16、32、33)内に形成された少なくとも1つの収容部(3、4、11、18、19)内で使用される、少なくとも2つのインプラント部材(5、6、10、22、23、24、25)を有する一組の挿入部材(20、21)を備え、少なくとも2つのインプラント部材(5、6、10、22、23、24、25)は、重なり合った、異なった面内に配置されている。また、本発明による装置は、目の手術後の副作用を知ることを可能にし、シミュレーションを行い、適切な収容部領域とインプラント部材の選択を行って、手術後の副作用を最小限に抑え、同時に、変形をバランスさせる適切な変形の補償を与えることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、目の角膜の局所的変形を補償する手段と装置に関する。
この種の手段とこの種の装置は、目、特に人の目の角膜の局所的な変形を補償するために使用される。しかしこれらは、他の生き物の目を治療するために使用することもできる。
人の目の角膜は、病気及び/又は怪我によって厚みが減少することがあり、厚みの減少は、眼房水圧の影響を受けて、健康な状態においては球状に成形されている角膜の輪郭を、局所的に外側又は内側へ湾曲させることがある。この状態は、時には角膜のかなりの湾曲による屈折の変化(乱視)をもたらし、メガネも、コンタクトレンズも、満足のゆく補償をすることはできない。その結果、視力は、著しく制限される。角膜のこのような変形は、円錐角膜又は角膜拡張症として知られている。
角膜の湾曲又は角膜のふくらみの除去は、従来は、外側から挿入される送り工具を使用して行われ、この送り工具によって、角膜の健康な領域内に、純機械的に、及び手作業で、略環状の通路又はトンネルが形成される。この通路又はトンネルは、インプラントを挿入するための収容部として用いられ、インプラントは、通常、ポリメチルメタクリレート(PMMA)のような、透明なプラスチック材料でできている。この種のインプラントは、実用上は、「INTACS」の名前で知られている。
公知の方法では、例えば、長手方向にアーチ状に延びる2つのインプラントが、角膜の健康な領域内の、共通の面内に配置された、対応する2つの収容部内に挿入される。この場合、これらのインプラントは、例えば180°より小さい角度領域を囲み、角膜内に互いに対向して挿入されるのが普通であり、角膜の異常に湾曲した領域を少なくとも部分的に取り囲む。インプラントは、角膜内に挿入されると、角膜の湾曲した領域に張力を働かせ、その結果、インプラントは、それぞれの収容部の壁に支えられる。このようにして、湾曲が矯正される。
公知の方法は、近視の治療から始まり、2004年に米国食品医薬品局(FDA)によって、円錐角膜患者及び角膜拡張症患者を治療する方法として許可された。
この種の手術方法は、特に、患者に何ヶ月も続く快復期とアフターケアを必要とする、という欠点を有している。更に、切開の結果の傷跡や、その結果の乱視という欠点を有する。
また、手術準備の間に、それぞれの収容部内に上皮細胞が入り込むことがしばしばあり、上皮細胞は、INTACS上に望ましくない堆積をもたらす可能性がある。角膜の内側に延びる内皮細胞もまた、公知の手術方法の実施中に、引張り荷重と圧縮荷重によって損傷することが避けられない。
更に症状が進んだ場合には、角膜の複雑な移植除去/再移植(穴をあける角膜移植手術)を行わなければならない。
この手術方法の更なる欠点は、切開の幅が固定されているために、インプラントの通路の形成に裕度がなく、このことが、治療される角膜内に多かれ少なかれ顕著な応力を発生する可能性があることである。従って、この公知の方法は、角膜の局所的変形に対して明確な補償を与えないことがしばしばあり、特に、変形の領域内に発生する応力条件は複雑で、角膜の変形は、最適な除去ができない可能性がある。
従って、本発明の課題は、目の角膜の局所的変形の、従来技術に比較して改良された補償を可能にする、冒頭で挙げた種類の手段を提供することである。更に、角膜の局所的な変形に対する改良された補償によって、患者への望ましくない副作用及び/又は後遺症を最小限に抑えることができる、冒頭で挙げた種類の装置を提供することである。
手段に関しては、この課題は、角膜内に形成された少なくとも1つの収容部内に挿入する少なくとも2つのインプラント部材を備える一組の挿入部材を備えた、目の角膜の局所的な変形を補償する手段によって解決され、この少なくとも2つのインプラント部材は、重なり合った、異なる面内に配置されている。
本発明による手段は、角膜内に形成された収容部内に挿入する、一組の挿入部材を有する。この場合、一組の挿入部材は、少なくとも2つのインプラント部材を有し、それらは、相互に隣接し、重なり合って配置された、異なった面内に配置されている。一組の挿入部材は、両方とも、一体的に形成することも、互いに直接結合されていない2つのインプラント部材を備えることもできる。この場合、2つの面内のインプラント部材の配置は、特に角膜内に挿入された後も維持される。インプラント部材は、特に、変形の影響を受けない角膜領域内に挿入するために設けられている。この場合、インプラント部材がそれぞれ挿入される収容部は、特に通路状に形成することができる。
本発明に基づき、少なくとも2つのインプラント部材が異なった面内に配置されることは、変形した角膜内に複雑な応力条件を与えることを可能にする。インプラント部材のこのような配置は、角膜の異なる面内のインプラント部材によって、異なる力を及ぼすことを可能にする。このようにして、変形された角膜内に存在する応力条件を、従って角膜の変形を、従来技術よりも正確な方法で補償することが可能である。このようにして、特に、角膜の変形の種々の面内に存在する異なった応力条件を、より効果的に補償することができる。
この場合、湾曲し、また、厚みの減少した角膜領域の、機械的な損傷を避けることができ、角膜内の局所的な湾曲を、角膜に、特に湾曲の周囲、即ち健康な領域内に挿入されたインプラント部材によって、補償することができる。角膜内の収容部の形状と、収容部内に挿入されるインプラント部材の形状の適切なマッチングにより、各インプラント部材によって角膜に、特に変形された領域に加えられる力を、調節することができる。
インプラント部材の引張り特性は、製造プロセスの間に、材料条件、部材の延び方向の形状及び体積を変更することによって、得ることができる。角膜内に形成される収容部に加えられる力は、例えば、インプラント部材の長手方向の延びの全体にわたって、又はある部分的にだけ、加えることができる。
インプラント部材によって加えられる張力は、例えば、既に組み込まれた応力、又は角膜への挿入の結果発生する応力によって、得ることができる。特に、張力は、インプラント部材と関連する収容部の幾何学的形状によって発生させることができる。
この場合、インプラント部材は、設けられた収容部内に同心に、又は偏心して取り付けることができる。もしインプラント部材が、収容部の内周又は外周に当接するなら、張力は、例えば、角膜の収容部の垂直な壁に作用することができる。
好ましい実施形態により、インプラント部材は、角膜内に挿入された場合に、少なくとも1つのインプラント部材が圧縮力を、少なくとも1つのインプラント部材が張力を、局所的な変形をした領域に加えるように、形成される。この実施形態により、異なる面内に配置されたインプラント部材は、異なる方向、特に反対方向に作用する力、即ち張力と圧縮力を、角膜の変形に及ぼすことができる。この実施形態によって、変形内に存在する応力条件を、更に正確に補償することができる。
特に好ましい実施形態により、圧縮力を加えるインプラント部材を、角膜の遠位の面内に挿入するように設け、張力を加えるインプラント部材を、角膜の近位の面内に挿入するように設けることができる。この場合、遠位の面は、近位の面よりも、目の中心からより離れている面である。変形した角膜の遠位の領域内では、大きい引張り応力が発生し、変形した角膜の近位の領域内では、小さい引張り応力が発生することが、わかっている。従って、この実施形態は、この応力条件と角膜の変形に、最適な補償を与える。
極端な場合、角膜の近位の領域内で、圧縮応力が存在する可能性すらある。この場合、角膜は、変形した領域内に、いわゆる「中間部」を有することがあり、その上方には引張り応力が存在し、その下方には圧縮応力が存在する。この場合には、圧縮力を加えるインプラント部材が中間部の上方の角膜内に挿入するようにされ、張力を加えるインプラント部材が中間部の下方の角膜内に挿入するようにされると、有利である。
実際、もしインプラント部材の少なくとも1つが、長手方向に延びる方向にアーチ状に形成されているならば、特に適切であることがわかった。長手方向にアーチ状に延びる、特に円弧状のインプラント部材は、角膜の変形の形状に特に効果的に合わせることができ、特に角膜の変形の円形の境界に、特に効果的に合わせることができ、それぞれ対応する力を加えることができる。アーチ状の形成は、更に、インプラント部材を、角膜の変形を少なくとも部分的に取り囲むように、配置できるようにする。このようにして、それぞれのインプラント部材によって変形した領域に加えられる力は、高度に均一化されて、変形した角膜の領域に作用する。同様に、インプラント部材の全てを、特に、アーチ状に形成することができる。
アーチ状のインプラント部材は、360°より小さい角度範囲を取り囲むことが好ましいとされている。この種のインプラント部材は、簡単な方法で、その一方の端部から、目の角膜内に設けられている収容部内へ挿入される。アーチ状のインプラント部材は、180°より小さい角度範囲を取り囲むと、更に好ましい。このようにして、角膜の湾曲の互いに反対の側に、各インプラント部材を設けることができる。この場合、はじめに、変形の一方の側に設けられるインプラント部材を、異なる面に配置することができる。しかし、その代わりに、或はそれに加えて、変形の反対側に配置されるインプラント部材を、異なる面内にそれぞれ配置することができる。これら多数のバリエーションは、角膜のどのような変形に対しても、例えば非対称の変形に対しても、確実に正確な補償を与える。
アーチ状のインプラント部材が、第2の曲率を有し、第2の曲率の曲率ベクトルが、アーチ状の湾曲の曲率ベクトルに対して略垂直に配置されるようにすることができる。この実施形態により、インプラント部材は長手方向にアーチ状の曲率を有するだけでなく、アーチ状の湾曲に対して垂直の方向に、第2の曲率も有する。このようにして、インプラント部材は、角膜の球状の輪郭に最適に適合することができる。この場合、第2の曲率もまた、アーチ状に形成することができる。特に、インプラント部材の底面は、角膜の表面(内表面と外表面の両方)に対して平行に延びることができ、インプラント部材を押し込むことによって角膜の湾曲に対して横方向に角膜が変形することを避けることができる。もちろん、それぞれのインプラント部材に対して与えられる収容部もまた、対応する第2の曲率を有することができる。インプラント部材又は関連する収容部はまた、他の方向に更に他の曲率を有することもできる。
本発明の目的は、病気になった薄肉の、外側に向かって成形された角膜領域を、角膜の残りの領域の球状に湾曲した表面に最適に適合するように、復元することであるので、インプラント部材と収容部のような、複数の操作量を利用して、適切な応力と変形経路を目的にかなうように発生させることができると、有利である。この場合特に、インプラント部材及び/又は収容部の形状に、局所的かつ調整された形状の裕度を設けると、有利である。或は、更に、インプラント部材の形状に適用可能な調整は全て、角膜内の収容部の形状に対しても行うことができる。
一実施形態によれば、インプラント部材の少なくとも1つを、蛇行して形成することができる。この実施形態によって、蛇行の形状に応じて、インプラント部材によって、角膜内に、角膜の変形に適合する目的にかなった力を導入することが可能である。この場合特に、インプラント部材の蛇行形状が曲がる点を有する領域は、収容部での支持が強められることによって、増大した力を及ぼす。従って、蛇行形状及び関連する収容部の適切な形状は、角膜への力の導入を個別に調節し、角膜の変形のよりフレキシブルな補償を達成する。この場合、蛇行は特に、変曲点又は曲がる点の数、間隔、及び/又は位置が異なるように、及び/又は外側半径と内側半径が異なるように、特に蛇行(周波数と振幅)の最大径と最小径とが異なるようにすることができる。
角膜内への補償力の導入の適応性を増すことは、インプラント部材の少なくとも1つを多角形形状にすることによっても行なうことができる。この種の実施形態はまた、インプラント部材の効果を、角膜の各変形形状に最適に適合するようにすることができる。適切な多角形形状の一例として、六角形が挙げられる。
本発明の手段の効果はまた、インプラント部材の少なくとも1つを、長手方向の延びに沿って異なる強度及び/又は異なる弾性を有するように、個々に適合させることができる。異なる強度及び/又は弾性を有する結果、インプラント部材から角膜に加えられる張力は、インプラント部材各部分の強度と弾性の関数として変化する。従って、インプラント部材は、このようにして、補償すべき角膜の変形に個々に適合させることができる。
更なる実施形態では、インプラント部材の少なくとも1つは、くさび形状の断面を有している。くさび形状の断面を形成することによって、導入される力を、特に目的にかなうようにすることができる。この場合、くさびのエッジ部は、力が作用するように意図された各方向に向き、この方向において、くさび形状のインプラント部材は、比較的大きい力を加える。従って、インプラント部材は、例えば三角形の断面を有することができる。
直接互いに結合されていない2つのインプラント部材を有する挿入部材の一組は、最適な取り扱いができる部材を提供するという利点を有する。
一方、本発明に基づく一組の挿入部材を、それぞれ一体に形成することは、他の利点を有する。すなわち、一体形成の場合には、1つの構成部品を角膜内へ挿入するだけで、角膜の変形の補償が得られる。従って、角膜内に力を望み通りに導入するために、角膜内に2つの収容部を形成し、角膜内で2つのインプラント部材を相互に関して複雑に位置決めすることが、不要である。従って、本発明の別の実施形態では、この一組の挿入部材を、それぞれ一体的に形成することができるようにする。従って、この場合には、一組の挿入部材のインプラント部材は、相互に一体的に結合される。
一体形成された一組の挿入部材の場合は、インプラント部材は相互に略平行に配置され、結合ウェブによって結合することができ、結合ウェブは、一方のウェブ端部で、一方のインプラント部材の前縁部に、インプラント部材の横方向の延びの方向に結合され、他方のウェブ端部で、他方のインプラント部材の後縁部に、インプラント部材の横方向の延びの方向に結合される。従って、この実施形態では、例えば、部材の組合せのZ字状の断面を生じる。この場合、Z字形状を、角膜内へ挿入する前に与えることができる。しかしまた、部材の組合せのZ字形状は、角膜内の収容部内へ挿入する際の引張りによって生じるようにすることもできる。
いずれの場合においても、Z字形状の断面を有する組合せにより、角膜内の収容部内の組合せの然るべき引張りによって、一つの構成部品のみを用いて角膜の変形した領域に圧縮力と張力の両方を加えることができる。角膜の変形から離れる方向を向いたZ字形状の脚を形成するインプラント部材は、挿入されると、張力を及ぼすことができ、これに対して、角膜の変形に向う方向を向いたZ字形状の脚を形成するインプラント部材は、圧縮力を及ぼすことができる。この場合特に、インプラント部材の組合せの、圧縮力を加えるインプラント部材を、角膜の遠位の面内に挿入するようにし、張力を加えるインプラント部材を、角膜の近位の面内に挿入するようにすることができる。
特に実用的な実施形態によれば、インプラント部材の少なくとも1つは、磁力によって操作することができる領域を有することができる。この場合、インプラント部材は、磁力を利用してインプラント部材を動かすことができる領域を有する。このようにして、インプラント部材を適切な磁気工具を用いて案内するという特に簡単な方法で、インプラント部材を角膜内の収容部に導入することが可能である。治療に関連した、目に対する負荷は、この実施形態では、インプラント部材の角膜内への挿入がインプラント部材との直接的な接触を必要としないので、最小限に抑えられる。
PMMAのような透明な材料が、インプラント部材又はインプラント部材の組合せのための材料として使用されることが好ましい。この材料は、実用上好適であることが明らかにされている。特に、この材料は、良好な引張り特性と、目との良好な適合性とを併せ持つ。しかし、主に使用される材料であるPMMAの他に、例えば、インプラント部材が使用される期間全体にわたって維持される、不可逆的な形状変化効果(記憶)を有する材料のような、他の透明で身体に合った材料も、使用することができる。
インプラント部材用に、例えばすでに挙げたPMMAのような、透明な材料を使用するならば、角膜自体が復元するのを防ぐために、かなりの固有強度が必要となるので、約600MPa以上の弾性係数を有する材料が好ましい。
更に、移植された状態においてすでに内蔵された固有応力を有し、或は外部作用によって固有応力を発生する能力を有する材料を含むことができる。
この場合、本発明によるインプラント部材に使用される材料は、インプラント部材の均一な作用を確保するために、その寿命期間に、固有の体積を変化させてはならず、即ち、特にふやけてはならない。
この種の材料は、インプラント部材を特に治療用に特別に製造することなく、個々の態様において、特に形状において、個別に選択することができるようにする。しかしまた、インプラント部材用に、可逆的な形状変化効果(記憶)を有する材料を含むことも考えられる。この場合には、例えば治療後比較的長い時間がたって角膜の形状が変化する場合に、インプラント部材を現在の形状に適合させ、このインプラント部材を使い続けることが可能である。
本発明の課題はまた、目の角膜の局所的な変形を補償する装置であって、局所的な変形の特性データを収集する手段を備え、角膜の変形の補償をシミュレーションする手段を備え、このシミュレーションは、少なくとも2つのインプラント部材が、角膜内に形成された少なくとも1つの収容部内に挿入され、1つのインプラント部材が、角膜内に挿入された場合に、局所的な変形の領域に張力を加え、もう1つのインプラント部材が、圧縮力を加えるものであり、このシミュレーションの結果を考慮して、角膜内に形成すべき収容部と、この収容部内に挿入すべき、本発明に従って形成された手段との、適切な組合せを選択する手段を備え、更に、角膜内に収容部を形成する手段を備える、目の角膜の局所的な変形を補償する装置によって解決される。この場合、収容部は特に、通路の形状に形成することができる。
最適な手術結果を得るためには、角膜収容部の形成とその位置決めの測定精度を技術的に可能な限り高めるほか、手術に先立って、例えばデータ収集、シミュレーション、及び最適化のような措置が講じられなければならない。
この目的のために、本装置は、局所的な変形を補償する前に得られる特性データを、前述の手段を使用して収集する手段を有する。これらのデータは、以降の措置のためのベースとして用いられる。変形の補償をシミュレーションする手段は、安定したインプラント部材それぞれの収容部の位置を効果的かつ確実に決定するために、角膜湾曲(理想的な角膜湾曲)の補償の、健康な角膜環境に与える影響を計算するために、利用される。このシミュレーションは、少なくとも2つのインプラント部材が、角膜内に形成された少なくとも1つの収容部内に挿入され、1つのインプラント部材が、角膜内に挿入された場合に、局所的な変形の領域に張力を加え、もう1つのインプラント部材が、圧縮力を加えるという条件で、実施される。この条件は、角膜の変形の正確な補償を確実にする。
この場合特に、角膜の変形の補償のための最適化モデル又はシミュレーションモデルを形成する手段を備えることができる。この目的のために使用される角膜の領域は、従来から、目の軸線(中心点)に関して約8mmの直径上に配置される。環状の又は部分的に環状の通路又はトンネルが角膜内に収容部として形成され、これらの中に、対応するインプラント部材が挿入される。所見に従い、収容部とインプラント部材とを同心にすることも又は偏心させることもできる。
この領域はまた、作用直径のシミュレーションの出発点とされる。角膜の湾曲が1つの象限内にくるように、象限円が定められる。収容部とインプラント部材との組合せ及びバリエーションに基づいて、半径方向の力の作用線が、各象限内で引張り又は圧縮に対して定義され、湾曲の補正に与えるこの力の大きさと効果とが求められる。上述した変数のシミュレーションと同様に重要なのは、角膜の変形の復元の距離である。
通路形成とインプラント形成の最適な組合せが、力と距離における作用の方向及び作用変数の計算結果に基づいて選択され、実施される。この目的のために、前述の手段が、シミュレーションの結果を考慮して、角膜内に形成すべき収容部と、収容部内に挿入すべき、本発明に基づいて形成されたインプラント部材との、適切な組合せを選択するために利用される。シミュレーションの結果に基づいて、それぞれの角膜の変形の補償のために最適な、角膜の局所的変形を補償する本発明による収容部とインプラント部材との、それぞれの角膜の変形の補償に最適な組合せが選択される。最後に、それぞれ選択されたインプラント部材に適する収容部を角膜内に形成する手段が得られる。次に、このインプラント部材は、収容部内に挿入される。
本発明による装置は、目に対する望ましくない影響及び副作用を、シミュレーションを行う段階でできるだけ早く認識し、このような影響及び副作用を最小限に抑えるために、適切な収容部と手段とが選択されるようにすることができる。同時に、変形を補償する本発明による手段によって、角膜の変形の最適な補償が行われる。
特性データを収集する手段によって計算されるデータは、特に、変形した領域(内皮顕微鏡検査による)の角膜の厚さ、弾性、延性、及び/又は強度に関するデータであり、及び/又は、特に目の軸線及び/又は健康な角膜領域に関する、局所的変形の形状及び/又は位置に関するデータとすることができる。これらのデータは全て、適切な収容部とインプラント部材との選択に関係がある。角膜の形状データ及び材料特性データの決定に続いて、角膜の変形を補償するための最適化モデル又はシミュレーションモデルが形成される。
角膜の変形していない領域もまた、第1に、治療中、健康な領域への望ましくない副作用を避けるために、また、角膜に加えられる許容できる力を計算するために、調査することができる。本装置は、この目的のために、角膜の変形していない領域の特性データを収集する手段を有している。この場合、変形した領域について収集した特性データの全てはまた、角膜の健康な領域に対しても収集することができる。この場合、例えば、健康な領域内の角膜の球形の形状もまた、検出することができる。
本装置は、更に、収容部を形成する前に、角膜の、収容部を形成する領域を、マーキングする手段を備えることができる。従って、一旦、適切な収容部が選択され、角膜内に位置決めされると、この手段は、収容部が形成される前に、収容部が設けられる角膜領域をマーキングするのに使用される。この種のマーキングプロセスは、手術すべき目に収容部を形成する手段をドッキングさせる間に、角膜の輪郭に無視できない偏差が生じる場合に、行われる。特に、もし収容部を形成する手段が、アダプタを使用して、目とドッキングされるならば、アダプタ内に発生する低い圧力と、アダプタを目の上に載置するのに必要な接触圧との間の圧力比から、角膜の輪郭に偏差を生じることがある。
マーキング手段は、例えば、シミュレーション段階に得た位置と形状のデータを、目の実際の通常の状態に転用することができ、すなわち、例えば、好ましくはPMMAでできていて、一旦角膜の変形が補償された場合には角膜に合わされるテンプレートを使用して、選択されたインプラント部材に対応する収容部の通路の座標を、角膜に適用することができる。同様な解決法は、エキシマーレーザーの領域内に組み込まれた、生物測定学的に正確な検出システムによって、達成される。
次に、収容部を形成する手段が目にドッキングされたならば、収容部の理想的な経路がどの程度まで形成できるか、又はそれを確実にするために、収容部を形成する手段をどれくらい修正しなければならないかを、チェックすることができる。
この条件を固守することは、重要である。すなわち、この条件が固守されないと、選択されたインプラント部材は、意図されたように機能することができないので、手術の成果を直接損なうからである。例えば、収容部の形成では、角膜が著しく湾曲している場合には、収容部の直径が大きすぎ、角膜がフラットに押圧されすぎている場合には、収容部の所望の直径が小さすぎることが発生する。適合の不正確さは、機能の問題を引き起こすだけでなく、インプラントに問題を引き起こし、望ましくない結果も引き起こす。
好ましい実施形態により、収容部を形成する手段は、収容部を形成する間、目を固定するために、目に取り付けるアダプタを備えることができる。インプラント部材の組合せを移植するために、アダプタが、移植が行われない角膜の領域の所望の形状を支持するために使用されると、有利である。この種のアダプタは、例えば、患者とのインターフェイス(PI)に適合する、公知のレーザーアダプタと同じように形成することができる。
アダプタは、円錐台形状の漏斗として形成することができる。ここで提案されるアダプタは、この目的のために公知となっているアダプタと同様の形状とすることができる。しかし、このアダプタはその周面に、十分大きな開口を有し、アダプタが取り付けられている場合に、インプラント部材を、収容部断面を通して障害なく収容部内に挿入することができるようになっている。手術者に、手術フィールドの最適な視野を提供するために、例えばPMMAのような完全に透明な材料が、このアダプタの材料として適している。
この場合、インプラント部材を挿入するための、アダプタの開口部は、一方では、十分大きくて移植が問題なく確実に行われるものでなければならない。他方では、アダプタと角膜との間の接触面は、できるだけ大きくて、角膜の形状を十分に安定化させることができることが好ましい。実用上は、これらの2つの目的の間に、適切な妥協が見いだされなければならない。
角膜内に収容部を形成する手段は、レーザー、特にフェムト秒レーザーを備えることができる。レーザーは、焦点を合わせ易いので、角膜内に特に正確に収容部を形成することができる。焦点を合わせ易いということはまた、収容部を形成中に、レーザーの焦点の近傍の組織に加わるエネルギーによる影響が、最小限に抑えられることを意味する。従って、角膜組織への望ましくない影響は、ほぼ回避することができる。フェムト秒レーザーは、そのパルス間隔がフェムト秒の範囲にある、パルスレーザーである。この種のレーザーが短パルスであることによって、レーザーからのエネルギーは、処理される組織内に、極めて短時間しか加えられない。従って、加えられるエネルギーは、隣接する組織内にほとんど広がらない。このようにして、収容部を形成する組織に隣接する角膜組織への、加熱による好ましくない影響は、更に低減される。
以下、図面に示す実施形態を参照して、本発明を更に詳細に説明する。
図1は、人の目の角膜1の一部の、断面図である。角膜は、目の網膜に対して遠位の表面1aと目の網膜に対して近位の表面1bとを有する。角膜1内に、局所的な変形2が、円形に湾曲した形状に形成されている。角膜1の変形していない健康な領域内には、フェムト秒レーザーを用いて、2つの通路状の収容部3、4が形成されている。
収容部3、4は、長方形の断面を有し、その長手方向の延びにおいて円弧状に形成されている。収容部は、それぞれ180°より小さい角度領域を有している。この場合収容部3、4の曲率中心は、変形2の中心を通って延びる軸線(図示せず)上に略位置している。収容部3は、角膜1の遠位の面内に形成されており、収容部4は角膜1の近位の面内に形成されている。
角膜1の変形2を補償するために、収容部3、4内に、それぞれPMMAでできたインプラント部材5、6が挿入されている。インプラント部材5、6は、角膜1内に挿入される組合せを形成し、インプラント部材5、6は、収容部3、4によって形成された、異なる面内に配置されている。インプラント部材5、6は、収容部3、4のように、その長手方向の延びにおいて円弧状の形状を有し、180°より小さい角度領域を有している。インプラント部材5、6は、それぞれくさび形状の断面を有する。この場合、角膜1の遠位の面内に挿入されたインプラント部材5のくさびのエッジ部は、変形2の方向へ向けられ、これに対して、角膜1の近位の面内に挿入されたインプラント部材6のくさびのエッジ部は、変形2から離れる方向へ向けられている。遠位の面内に挿入されたインプラント部材5は、関連する挿入部3よりも小さい曲率を有し、これに対して、近位の面内に挿入されたインプラント部材6は、関連する収容部4よりも大きい曲率を有している。
インプラント部材5、6を、関連する収容部3、4内に挿入すると、インプラント部材5、6は、これに応じて角膜1内で引っ張られる。収容部3、4に対するインプラント部材5、6のそれぞれの曲率比に基づき、この引張りは、遠位の面内に挿入されたインプラント部材5を、角膜1の局所的な変形2の領域におおむね圧縮力を及ぼすようにさせ、これに対して、近位の面内に挿入されたインプラント部材6を、角膜1の局所的な変形2の領域におおむね張力を及ぼすようにさせる。インプラント部材5、6によってもたらされる圧縮力又は張力は、図1に矢印7、8で表されている。変形2の反対側(図示せず)には、2つの同様なインプラント部材が、角膜1の対応する収容部内に挿入される。
角膜1内のインプラント部材によって、特に変形2の領域内に導入される力によって、局所的な変形2は、望んだように復元される。
インプラント部材5、6は、第2の曲率を有することができ、第2の曲率の曲率ベクトルは、図面の平面内にあって、長手方向の湾曲の曲率ベクトルに対して略垂直となる。このようにして、インプラント部材5、6を、角膜1の一般に球形の形状に適合させることができ、インプラント部材5、6を挿入する場合の望ましくない応力の発生を避けることができる。角膜の復元の程度は、更に、例えば近位の領域のインプラント部材6が、底面上に凹状に湾曲した丸み(ここでは見えない)を有し、通路4が断面において三角形状に形成されることによって、増大させることができる。この場合、丸みは、インプラント部材6の長さにわたって均一に分配することができ、又は、局所的に特別な補償効果を得るために、所定の部分に限定することができる。
角膜1に、挿入されるインプラント部材5、6によって発生する圧縮を補償するために、角膜1内に応力除去室9が形成されている。応力除去室9は、変形2から離れた収容部4の側に、収容部4に対して略平行に延びる。
図2は、更なる実施形態によるインプラント部材10の一部の上面図である。インプラント部材10は、180°より小さい角度領域にわたってアーチ状に延び、蛇行している。
インプラント部材10はその一方の端部に、磁気的な力によって操作することができる磁気感知性の領域15を有する。従って、例えば、収容部内に挿入する必要のあるインプラント部材10に直接接触しないで、永久磁石によって領域15に働く磁力を利用して、インプラント部材10を、インプラント部材10用の収容部に案内することができる。このようにして、インプラント部材10を挿入する際の目の損傷が、大幅に回避される。
インプラント部材10が、図2に破線で示す収容部11のように、蛇行していない、アーチ状の収容部内に挿入されると、インプラント部材10は、蛇行の形状に応じて異なる力を角膜に加える。この場合、第2のインプラント部材(図2に示さず)が備えられ、第2のインプラント部材は、収容部11の面とは異なる面内に配置された第2の収容部内に挿入される。この場合、第2のインプラント部材と第2の収容部とは、その形状を、第1のインプラント部材10及び第1の収容部11に略相当するようにできる。しかし、インプラント部材及び/又は収容部は、異なった形状にすることもできる。もちろん、更に他のインプラント部材を角膜内へ挿入することもできる。
蛇行したインプラント部材10が収容部11よりも大きな曲率を有する領域内では、インプラント部材10は、角膜内に挿入された場合、角膜の局所的な変形(図示せず)の中心から離れる方向へ向けられた張力を、角膜の変形した領域に及ぼす。これが、図2に矢印12で表されている。それに対して、蛇行したインプラント部材10が収容部11に関して、より小さい、又は反対方向の曲率を有する領域内では、インプラント部材10は、角膜内に挿入された場合、角膜の局所的な変形(図示せず)の中心に向けられた圧縮力を及ぼす。これが、図2に矢印13、14で表されている。第2のインプラント部材(図2に示さず)は、角膜内に挿入された場合、同様な力を角膜に及ぼす。異なる面内のインプラント部材によって角膜内に導入される力の協働は、角膜の局所的な変形の特に正確な復元を与える。復元の成果は、蛇行形状を適切に形成することによって、特に目的にかなうように調節することができる。この実施形態は、張力及び圧縮力に対して、基本的な、個々の点での又は局所的な力の導入の例を示す。
図3は、人の目の角膜16の一部の断面である。ここでも角膜16は、目の網膜に対して遠位の表面16aと近位の表面16bとを有する。
角膜16には、円形に湾曲した形状の局所的な変形17が形成されている。2つの収容部18、19が、変形17の両側の、角膜16の健康な領域内に形成されている。
通路形状の収容部18、19は、長方形の断面を有し、長手方向にアーチ状、特に円弧状に延びる。収容部は、それぞれ180°より小さい角度領域を囲む。この場合、収容部18、19の曲率中心点は、おおむね、変形17の中心を通って延びる軸線(図示せず)上にある。
変形17を補償するために、収容部18、19内に、それぞれ一体的に形成された一組の挿入部材20、21が挿入されている。一組の挿入部材20、21は、それぞれ2つのインプラント部材22、23、24、25を有する。一組の挿入部材20、21のインプラント部材は、相互に略平行に配置され、それぞれ結合ウェブ26、27によって相互に結合されている。結合ウェブ26、27は、その一方のウェブ端部が、一方のインプラント部材22、24の、インプラント部材22、23、24、25の横方向に延びる方向の前縁部と接続され、他方のウェブ端部が、他方のインプラント部材23、25の、インプラント部材22、23、24、25の横方向に延びる方向の後縁部と接続されている。角膜16内に挿入された場合、この実施形態の一組20、21は、それぞれZ字形状の断面を有している。
この場合、それぞれ遠位の面内に挿入されたインプラント部材22、24によって形成される、Z形状の脚部は、変形17の方向へ向けられている。それぞれ近位の面内に挿入されたインプラント部材23、25によって形成される、Z形状の脚部は、変形17から離れる方を向いている。
一組の挿入部材20、21は、遠位のインプラント部材22、24が変形17に圧縮力を加え、近位のインプラント部材23、25が変形に張力を加えるように、付勢されて角膜内16に挿入される。これが、図3においてそれぞれ矢印28、29、30、31によって表されている。このようにして、一体的な挿入部材の一組20、21を使用することにより、局所的な変形17に張力と圧縮力の両方を加え、変形を特に効果的に補償することができる。
図1と3には、それぞれまだ補償されない角膜の局所的な変形が示されており、図4と5には、人の目の角膜32、33の部分断面が示されており、それぞれ角膜32、33の、以前に存在した角膜の変形がすでに補償されている状態が示されている。角膜32、33は、目の網膜に対して遠位の表面32a、33aと、近位の表面32b、33bと、を有している。
それぞれ角膜32、33内に挿入する一組の挿入部材と、角膜内に設けられている収容部によって、変形は、例えば、補償された状態において、変形の遠位の表面が健康な角膜32の遠位の表面32aに適合するように、修正される。これが、図4に示されている。この状態は、例えば、角膜32の遠位の面内に設けられたインプラント部材は、変形にわずかな圧縮力しかもたらさず、角膜32の近位の面内に設けられたインプラント部材が、変形に支配的な張力をもたらす場合に、達成される。この場合、補償後であっても、角膜の近位の表面32bの領域内に、わずかな変形が残る可能性があるが、これは視力に関しては重大な障害を及ぼさない。
或は、変形の近位の表面を、健康な角膜33の近位の表面33bに適合させることも、可能である。これは、変形の補償の最も安定した状態を表している。この状態が、図5に示されている。この場合、それぞれ変形の強さに応じて、以前に変形があった領域内で角膜33の遠位の表面33aのわずかな湾曲が発生する可能性があるが、これは適切なレンズを使用して補償することができる。図5に示される補償は、特に、挿入されたインプラント部材が、角膜33の遠位の面内に、より強い圧縮力を加える場合に得られる。
第1の実施形態により、人の目の角膜を、角膜内に挿入された本発明による手段と共に示す部分断面図である。 他の実施形態により、本発明によるインプラント部材の一部を示す上面図である。 他の実施形態により、人の目の角膜を、角膜内に挿入された本発明による手段と共に示す部分断面図である。 第1の実施形態により、人の目の角膜を、補償された角膜の変形とともに示す部分断面図である。 他の実施形態により、人の目の角膜を、補償された角膜の変形とともに示す部分断面図である。
符号の説明
1 角膜
1a 角膜の遠位の表面
1b 角膜の近位の表面
2 角膜の局所的な変形
3 収容部
4 収容部
5 インプラント部材
6 インプラント部材
7 矢印
8 矢印
9 応力除去室
10 インプラント部材
11 収容部
12 矢印
13 矢印
14 矢印
15 磁気的に操作可能な領域
16 角膜
16a 角膜の遠位の表面
16b 角膜の近位の表面
17 角膜の局所的な変形
18 収容部
19 収容部
20 挿入部材
21 挿入部材
22 インプラント部材
23 インプラント部材
24 インプラント部材
25 インプラント部材
26 結合ウェブ
27 結合ウェブ
28 矢印
29 矢印
30 矢印
31 矢印
32 角膜
32a 角膜の遠位の表面
32b 角膜の近位の表面
33 角膜
33a 角膜の遠位の表面
33b 角膜の近位の表面

Claims (20)

  1. 目の角膜(1、16、32、33)の局所的な変形(2、17)を補償する手段であって、
    角膜(1、16、32、33)内に形成された少なくとも1つの収容部(3、4、11、18、19)内に挿入する、少なくとも2つのインプラント部材(5、6、10、22、23、24、25)を有する一組の挿入部材(20、21)を備え、
    少なくとも2つのインプラント部材(5、6、10、22、23、24、25)が、重なり合った、異なった面内に配置されている、
    目の角膜の局所的な変形を補償する手段。
  2. インプラント部材が、角膜(1、16、32、33)内に挿入された場合に、少なくとも1つのインプラント部材(5、6、10、22、23、24、25)が圧縮力を、少なくとも1つのインプラント部材(5、6、10、22、23、24、25)が張力を、局所的な変形(2、17)の領域に及ぼすように形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の手段。
  3. 圧縮力を加えるインプラント部材(5、6、10、22、23、24、25)が、角膜(1、16、32、33)の遠位の面内に挿入するように備えられ、張力を加えるインプラント部材(5、6、10、22、23、24、25)が、角膜(1、16、32、33)の近位の面内に挿入するように備えられることを特徴とする、請求項2に記載の手段。
  4. 前記インプラント部材(5、6、10、22、23、24、25)の少なくとも1つが、その長手方向にアーチ状に延びることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の手段。
  5. 前記インプラント部材(5、6、10、22、23、24、25)が、360°より小さい角度領域を囲むことを特徴とする、請求項4に記載の手段。
  6. 前記インプラント部材(5、6、10、22、23、24、25)が、180°より小さい角度領域を囲むことを特徴とする、請求項5に記載の手段。
  7. アーチ状の前記インプラント部材(5、6、10、22、23、24、25)が、第2の曲率を有し、前記第2の曲率の曲率ベクトルが、アーチ状の湾曲の曲率ベクトルに対して略垂直であることを特徴とする、請求項4から6のいずれか1項に記載の手段。
  8. 前記インプラント部材(5、6、10、22、23、24、25)の少なくとも1つが、蛇行形状であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の手段。
  9. 前記インプラント部材(5、6、10、22、23、24、25)の少なくとも1つが、多角形形状であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の手段。
  10. 前記インプラント部材(5、6、10、22、23、24、25)の少なくとも1つが、その長手方向の延びに沿って、異なる強度及び/又は異なる弾性を有することを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の手段。
  11. 前記インプラント部材(5、6、10、22、23、24、25)の少なくとも1つが、くさび状の断面を有することを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載の手段。
  12. 前記一組の挿入部材(20、21)が、それぞれ一体的に形成されていることを特徴とする、請求項1から11のいずれか1項に記載の手段。
  13. 前記インプラント部材(5、6、10、22、23、24、25)が、相互に略平行に配置され、結合ウェブ(26、27)によって互いに結合され、前記結合ウェブ(26、27)が、ウェブ端部の一方で、一方のインプラント部材(5、6、10、22、23、24、25)の、インプラント部材(5、6、10、22、23、24、25)の横方向に延びる方向における前縁部と結合され、他方のウェブ端部で、他方のインプラント部材(5、6、10、22、23、24、25)の、インプラント部材(5、6、10、22、23、24、25)の横方向に延びる方向における後縁部と結合されていることを特徴とする、請求項12に記載の手段。
  14. 前記インプラント部材(5、6、10、22、23、24、25)の少なくとも1つが、磁力を用いて操作することができる領域(15)を有することを特徴とする、請求項1から13のいずれか1項に記載の手段。
  15. 目の角膜(1、16、32、33)の局所的な変形(2、17)を補償する装置であって、
    局所的な変形(2、17)の特性データを収集する手段を備え、
    更に、角膜(1、16、32、33)の変形(2、17)の補償をシミュレーションする手段を備え、前記シミュレーションは、少なくとも2つのインプラント部材(5、6、10、22、23、24、25)が、角膜(1、16、32、33)内に形成された少なくとも1つの収容部(3、4、11、18、19)内に挿入され、1つのインプラント部材(5、6、10、22、23、24、25)が、角膜(1、16、32、33)内に挿入された場合に、局所的な変形(2、17)の領域へ張力を加え、もう1つのインプラント部材(5、6、10、22、23、24、25)が、圧縮力を加えるものであり、
    更に、前記シミュレーションの結果を考慮して、角膜(1、16、32、33)内に形成する収容部(3、4、11、18、19)と、前記収容部(3、4、11、18、19)内に挿入する、請求項1から14のいずれか1項に従って形成された手段との、適切な組合せを選択する手段を備え、
    更に、角膜(1、16、32、33)内に前記収容部(3、4、11、18、19)を形成する手段を備える、
    目の角膜の局所的な変形を補償する装置。
  16. 前記特性データが、変形した領域内の角膜の厚さ、弾性、伸び及び/又は強度に関するデータであり、及び/又は、局所的な変形(2、17)の形状及び/又は位置に関するデータであることを特徴とする、請求項15に記載の装置。
  17. 角膜(1、16、32、33)の変形していない領域の特性データを収集する手段を有することを特徴とする、請求項15又は16に記載の装置。
  18. 収容部(3、4、11、18、19)を形成する前に、角膜(1、16、32、33)の、収容部(3、4、11、18、19)を形成する領域をマーキングする手段を備えることを特徴とする、請求項15から17のいずれか1項に記載の装置。
  19. 前記収容部(3、4、11、18、19)を形成する手段が、収容部(3、4、11、18、19)を形成する間、目を固定するために、目に取り付けるアダプタを有することを特徴とする、請求項15から18のいずれか1項に記載の装置。
  20. 角膜(1、16、32、33)内に収容部(3、4、11、18、19)を形成する前記手段が、レーザー、特にフェムト秒レーザーを有することを特徴とする、請求項15から19のいずれか1項に記載の装置。
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