JP2001508327A - 取外し可能な生物学的適合性材料の角膜リングを使用して角膜弯曲を調整する方法および装置 - Google Patents

取外し可能な生物学的適合性材料の角膜リングを使用して角膜弯曲を調整する方法および装置

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JP2001508327A JP52689198A JP52689198A JP2001508327A JP 2001508327 A JP2001508327 A JP 2001508327A JP 52689198 A JP52689198 A JP 52689198A JP 52689198 A JP52689198 A JP 52689198A JP 2001508327 A JP2001508327 A JP 2001508327A
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リー,ジョーゼフ,ワイ.
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    • A61F2/00Filters implantable into blood vessels; Prostheses, i.e. artificial substitutes or replacements for parts of the body; Appliances for connecting them with the body; Devices providing patency to, or preventing collapsing of, tubular structures of the body, e.g. stents
    • A61F2/02Prostheses implantable into the body
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Abstract

(57)【要約】 角膜内への移植に適合し、かつ柔軟な中空シェル(30a)で形成される調整可能な固有質内装置であって、角膜中央の視覚帯を取り囲む状態で角膜内に移植可能な装置。インプラントは、予め決められた量によって、固体状の生体適合性材料の選択された量で充填され、この材料は、様々な形状および長さの柔軟なポリマー材料からなる固体リング(38)やストランドであり、あるい別法として、選択的に穿刺されるシェル(107)の区画(117)内にある塩水やゲルなどの流体など、様々な形のものである。生体適合性充填材料は、戦略的に柔軟なシェル内に配置され、厚さまたは直径でその寸法を変え、それによって、角膜弯曲を調整して屈折障害を矯正する。さらにインプラントの調整は、生体適合性充填材料を選択的に除去することによって、あるいはこの装置に新しい材料を追加することによって、移植の後、手術後に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】 取外し可能な生物学的適合性材料の角膜リングを使用して角膜弯曲を 調整する方法および装置 関連出願の相互参照 本出願は、1996年12月9日に出願された米国特許出願No.08/76 1,362、1997年4月1日に出願された同08/829,846、および 1997年5月15日に出願された同08/856,650の優先権を請求する ものであり、これらの出願それぞれの発明を、本明細書に完全に組み入れるもの とする。 発明の背景 本発明は、角膜弯曲を調整する方法および装置に関し、より詳細には、眼の角 膜への挿入に適合した移植可能な装置に関し、この装置は、その移植した装置を 調整し、または移植した装置から固体材料を除去し、あるいは前記装置の固体材 料を増加させることによって、挿入時および手術後に押しのけられる体積量を修 正して屈折障害を矯正することができるものである。 眼の望ましくない屈折状態である非正視には、3種類の主な下位区分、即ち近 視、遠視、乱視がある。非正視の最も一般的なタイプである近視では、図1に示 すように、眼に入る平行光線20が図2に示す網膜24の前方の焦点F1に到達 する。遠視では、図2に示すように、光線20が網膜24の後方の焦点F2に到 達する。光線が1点ではなく複数の焦点に集束する場合、それは乱視と呼ばれ、 そのような状態では様々な焦点がすべて網膜の前に位置するか、すべて網膜の後 ろに位置するか、または一部が網膜の前に位置して一部が網膜の後に位置する。 通常、非正視は眼鏡またはコンタクトレンズで矯正する。しかしこれらの屈折 異常は、外科手術によっても矯正することができる。屈折矯正の眼科手術は、眼 の光屈曲性を変化させるように作用する眼の手術と定義される。より一般的な現 行の屈折矯正法には、米国特許第4,815,463号および第4,688,5 70号に記載の放射状角膜切開と、米国特許第4,941,093号に記載の角 膜固有質のレーザ剥離も含まれる。遠視治療のための角膜加熱形成、重度の遠視 を矯正するための角膜上皮形成、および中心角膜を急勾配または平らにすること ができる角膜曲率形成を含め、屈折異常を矯正するために様々なその他の外科的 方法が試みられてきた。角膜曲率形成は、1961年にColombiaのBa rraquerによって導入され、角膜ボタンを適切な形状に削って屈折障害を 矯正し、その再成形した角膜ボタンに置き換えることを本質的に含んでいる。よ り一般的な角膜屈折矯正法のいくつかを以下に論じるが、理想的な角膜屈折矯正 法の特徴のすべてを有していることが現在知られているものはない。角膜屈折矯 正手術の欠点には、予測可能性が限られていること、可逆性がないこと、角膜の 不安定化、視覚帯での線維形成、術後の不快感、および眩視や暈輪、スターバー ストなどの視覚的症状が含まれる。 放射状角膜切開(RK)では、中心角膜を平らにするために、周辺に放射状に 方向づけられた複数の切込みを、角膜に90〜95%の深さで形成し、これによ って近視を矯正する。結果の予測不可能性に関する問題には、手術がすでに行わ れた患者について、複数の広範囲にわたるレトロスペクティブな分析により取り 組んだ。これらの研究によって、視覚帯のサイズや初期の角膜曲率半径の読取り 値、角膜直径、角膜の固さ、切開の数、切開の深さ、眼圧、角膜の厚さ、乱視の 程度など、手術の結果をコントロールするようなある種の要因が明らかになった 。年齢および性別も、ある種の手術に対して期待される効果を予測するために考 案されたほとんどのノモグラムで考慮される要因である。ある時点で、当分野の 多くの専門家は、1回の手術で完全にかつ正確に患者を矯正することはほとんど 不可能であると考え、RKは二段手術と考えるべきであって、始めの手術で「ボ ールパーク」矯正を達成し、その次に個々の眼に対して望ましい結果に近い結果 となるよう調整しまたは滴定(titrate)するための強化処置とするべき であると感じた。ノモグラムで予測されるものとは異なる各個体で不十分な矯正 または過剰矯正を導く可能性のある個体のばらつきのために、1回の手術で屈折 障害を完全に矯正しようとする試みでは、高い割合の手術で過剰矯正となる可能 性があり、その結果、矯正が非常に困難な遠視になると思われた。残念ながら、 第2段目の手術は、初めの手術よりもさらに予測可能性が低い。初めのRK の後、特に数週間または数ヶ月が経過したときに角膜に生じる根深い変化を考慮 に入れた処方を、まだ誰も考案していない。ほとんどの研究では、RKの後に2 0/20またはそれ以上に良好な視力が得られた眼が50〜60%のみであると 引用している。一般に、手術前に20/20またはそれ以上の矯正視力に慣れた 患者は、手術後の矯正されていない視力が20/25または20/30よりも低 いと満足しない。 さらに、RKの後には徐々に遠視にシフトしていくことが大きな問題である。 屈折の安定性はすべての屈折矯正法にとって重要であるが、すべての角膜屈折矯 正法で、著しい不安定性が示されている。今までのところ、なぜRKによって角 膜が不安定になるのか、明確な説明はなされていない。RKの長期的な結果に関 する最近の報告では、「正常」な眼が年齢に応じ、「自然」に遠視を示す屈折状 態に進行していくことを強調している。患者は初めに過剰矯正される可能性があ り、その過剰矯正は、患者の調節力によって隠蔽される。時間とともに、かつ調 節が不十分になるとともに、遠視は徐々に正体を現し、視覚的症状を伴う遠視と なる可能性がある。手術時に、患者は矯正の結果、軽い遠視となる可能性があり 、その場合でも水晶体の調節能力のために20/20の視力を有する。患者が2 0/20の非矯正視力を有することができる残りの矯正範囲が存在する。この範 囲は個体によって異なるが、たいていは2ジオプターから3ジオプターの範囲で ある。この範囲の場合でさえ、20/20に達する割合はわずか50〜60%で ある。これは、技術の精密さを十分に反映していない。この範囲は、通常45歳 ぐらいの年齢で始まる老眼または調節力の低下とともに縮小するという点に留意 することが重要である。このため、20/20に達した割合は上述の50〜60 %から低下することになる。RKは、初めのRKを実施した後の屈折矯正結果を 調整するための、簡単で安全な、予測が可能な方法とはみなされないことが明ら かである。この事象後の角膜形状に対処するためのほとんどのアイデアは、まっ たく経験的なものである。したがって、侵襲性が最小で実施が容易である、屈折 矯正を微調整するための容易な方法には、本格的な考察が必要と思われる。 屈折異常を矯正するための、屈折矯正角膜切開術(PRK)などのレーザによ る固有質剥離法が、現在のところ一般的であり、妥当な成功をおさめている。し かしこれらの方法は、予測が不可能であるという問題がある。本質的に近視の治 療では、レーザエネルギーが中心角膜に付与され、それによってより多くの中心 組織に剥離が生じ、その結果、角膜が平らになる。残念ながら最終的な屈折矯正 効果は、剥離の量だけではなく角膜切除に対する治癒反応によっても決められる 。角膜は、その表面の損傷を修復するために新しいコラーゲンを活発に貯え、そ の上皮は特に過形成反応を行う。これは、退行または近視に向かって後退するシ フトの原因となり、数ヶ月から数年の期間にわたって徐々に発生する可能性があ る。新しいコラーゲンの堆積による望ましくない効果とは固有質瘢痕の形成であ り、これは固有質の曇りとして、かつ患者に起こり得るコントラスト感度の減少 として現れる。角膜固有質の混濁化は、線維症、瘢痕、または曇りと様々に呼ば れ、視力およびコントラスト感度の低下、屈折矯正効果の退行、および不十分な 夜間視力に関連するものである。PRKの予測可能性は、RKの場合と同様に問 題点である。近視に対するPRK治療の後の結果について、公表されたほとんど の結果によれば、非矯正視力で20/40またはそれ以上が得られた眼は80〜 94%であり、一方20/20に達した患者の割合は有意に低いことが示されて いる。この数は、前記で証明した通り患者が上記20/20の視力でまだ見るこ とのできる屈折状態の残りの範囲が存在することをものともしない。PRK後に 20/20に達した患者のかなりの割合が、実際には軽度の遠視であると仮定す ることができる。時間とともに、これらの患者の相当な割合で「進行性遠視」が 発現し、または潜在的遠視の正体が明らかになることは当然である。したがって 、PRK後に20/20に達した患者の割合は、理想的な屈折矯正法の定義によ れば受け入れ難いものであるが、RKによる初期結果の場合と同様に上昇させる ことができる。RKでは視力回復はゆっくりであるが、PRK後よりは速い。通 常、第2のレーザ剥離処置は注意を払って行われる。これは、初めの手術より大 きい治癒反応を引き起こしさらに大きく退行する可能性があるためである。また 、RKと同様にレーザによる剥離処置は、個体の創傷の治癒反応を予測できない という理由からも、予測が完全に可能なものではない。 何年もの間、非正視を矯正する際に角膜内移植による屈折矯正手術が使用でき ると考えられてきた。初期の技術には、角膜曲率形成およびケラトファキアと同 様に、生来の角膜固有質組織を層状に除去し、または付加することが含まれてい た。これらは、角膜の部分を除去し、その後、患者から除去した角膜(角膜曲率 形成)またはドナーから除去した角膜(ケラトファキア)のいずれかをラーシン グするために微小な角膜切開刀の使用を必要とする。この装置は複雑であり、外 科手技は難しく、しかも最も失望的なのはその結果が実に変動しやすいというこ とである。角膜屈折矯正手術における現在の傾向は、角膜への外創傷が少なく、 その創傷の治癒反応への刺激を最少にし、より予測可能な方法で作用する技術に 向かっている。Jose Barraquerによって1949年に最初に提案 された、眼の屈折状態を矯正するためのアロプラスチック(alloplast ic)の角膜内レンズの使用は、生体適合性や、栄養分および酸素の透過性、角 膜およびレンズの含水状態などの問題に悩まされてきた。これらのレンズに関す るその他の問題には、中心視軸の外科的処置に伴って、界面に瘢痕が生じる可能 性のあることであった。 屈折障害の矯正に対するより最近の努力は、中心角膜を避けることによって、 創傷の治癒反応の影響を最小にすることに焦点が置かれている。周辺角膜を外科 的に処置することによって中心角膜弯曲を変えるための、複数の試みがなされて きた。これらの技術は本発明に特に関連があるため、論じる。 教科書Principles and Practice of Refra ctive Surgery の序文に、Jose Barraquerが以下の ように書いている。「私が初めて発表を行った結果、何人かの著者は、角膜形状 を修正するために様々な方法を試すことを決心した。Krawawiczによっ てパンチストロメクトミーおよびプラスチックディスクの一時的な封入が(19 60年)、Pureskinによってトレフィンの使用が(1976年)、St rampelliによってソトインプロナタ(soto impronata) が(1964年)、MartinezおよびKatsinによる成形が(196 5年)、Blawatkaia(1966年)による角膜リングがすべて試みら れた。」 Zhivotosvskii、D.S.のUSSR特許No.3887846 には、角膜内移植のための、アロプラスチックの平らで幾何学的に規則的な環状 リングであって、その内径が瞳孔の直径を超えないものが記載されている。屈折 矯正は、角膜の中央領域を平らにするために、主にそのリングの表面の曲率半径 を受容者の角膜表面の曲率半径よりも大きくすることによって達成される。リン グを挿入するための外科的処置については述べられていない。 A.B.Reynolds(米国特許第4,452,235号)は、屈折障害 を矯正するために、角膜の視覚帯の形状を変えるための方法および装置を含む角 膜屈折技術について述べており、かつ請求している。彼の方法は、スプリットリ ング状に成形された切開用部材の一端を角膜の固有質に挿入する段階と、その部 材を角膜の周りの弓形のパスに移動させる段階と、スプリットリング状に成形さ れた調整部材の一端を切開用部材の一端に取外し可能に取り付ける段階と、切開 用部材をパスの周りに可逆的に移動させる段階と、それによって、切開用部材に より形成された円形パスから調整部材を引張る段階と、切開用部材を引き戻す段 階と、互いに関連し合うスプリットリング状に成形された調整部材の端部を調整 し、それによってリングの直径を調整して角膜の直径および形状を変える段階と 、リング端部を接着により固く取り付けて、角膜の所望の局所的形状を維持する 段階とを含む。 このリングの主な利点は、創傷の治癒作用が非常に小さいことを期待されると いうことであった。潜在的な角膜の創傷の治癒反応によって、どのような外科的 屈折矯正法でも長期安定性から低下するであろう。しかし、非正視を治療する外 科的処置の屈折矯正結果に影響を与える、2つの特徴的な問題領域が存在する。 1.第1の問題は、ある一定の屈折矯正結果につながるインプラントの形状お よびサイズを、予め決定する能力に関する。RKまたはPRKでは、ノモグラム の開発につながるレトロスペクティブな研究が行われており、このノモグラムに よって、ある一定の深さの切開またはある一定の剥離量により、予測可能な量の 矯正が得られるということを予測する。リングの場合、結局ノモグラムは開発さ れ、所与のリングの厚さまたはサイズに対して所与の屈折矯正を予測するために 使用することができる。しかしこれらのノモグラムでは、所与の角膜屈折矯正法 に対する反応での個体でのばらつきを、決して完全に説明することができない。 2.屈折矯正の結果は、手術後に得られる屈折矯正の安定性にも依存する。繰 り返すと、傷の治癒反応は最小であると仮定されるため、リングの利点とは、得 られる屈折矯正結果が安定していることであろう。これによって、長期の屈折矯 正結果のばらつきが減少するが、第1の問題領域の問題にはまだ取り組んでいな い。即ち、個体に固有のばらつきについてであり、結果が安定であっても、その 屈折矯正結果は不適当な状態で安定したものになる可能性がある。 他のまだ取り組まれていない問題とは、インプラントを使用する場合でさえ、 外科医は近視のわずかに不十分な矯正にねらいを定めるであろうということであ り、これは一般に、遠視をもたらす過剰矯正には患者がより不満をもつためであ る。重ねて、屈折矯正結果は、RKまたはPRKよりも安定になる可能性がある が、安定した不十分な屈折矯正結果になる場合がある。 Simon(米国特許第5,090,955号)は、角膜弯曲を修正できる外 科手技について述べており、この技術は、視覚帯を残しながら角膜周辺部で合成 ゲルを層間注入し、そのようなゲルを手術中に除去して、押し出される体積を減 少させ、それによって、中央角膜領域の最終的な曲率を調整するものである。 Siepser(米国特許第4,976,719号)は、保持リングを使用し て角膜弯曲を平らにし、または急勾配にするための他のリングタイプの装置につ いて述べており、この保持リングは、選択的に調整可能な力のリングを創り出す 1本の外科用ワイヤからなるもので、それによって角膜弯曲を選択的に変えるこ とが可能になり、また調整手段は、このワイヤに取り付けられたターンバックル を含むものである。 角膜の周辺部の処置によって、前方の角膜弯曲に影響を与えるいくつかのメカ ニズムが存在する。最も軟らかい組織のように、角膜は非線状で粘弾性を有し、 非均質ではなく、生理学的条件下で大きな歪を示す可能性がある。眼の全体は幾 何学的に非常に複雑であり、この現実をシステマチックに形に表すことが可能な 生体力学的技術は、小さな歪(一定の変形)、均質性、および線状の弾性的性質 を仮定する有限な要素方法である。2つの単純なメカニズムを簡単に説明する。 単純な一例は、第1のメカニズムを理解する助けとなる。図4aに示すように 、2つの固定点P1およびP2間の1本のゆるんだロープRを仮定し、このロー プはカーブを形成しており、その最下点Pは中間に存在する。図4bを参照する と、 中間点Pと1つの固定点の間のロープ上に位置する重量wは、ロープの中央部を まっすぐにしている。図5(a)および図5(b)に示される角膜Cは同様にふ るまい、2つの固定点P1およびP2は眼の縁に類似し、重量Wは固有質内イン プラント30に類似し、この組織が角膜中央の視覚帯を取り囲むように角膜内に 挿入されたとき、角膜のコラーゲン線維はインプラント上の(21)で上方に偏 り、かつインプラントの下側の(22)で下方に偏る。本質において、この角膜 のインプラント周辺での偏りは、角膜周辺内で押しのけられる体積によって引き 起こされ、この体積によって、角膜のその他の領域に「ゆるみ」がなくなり、あ るいは(23)で示すように比較的まっすぐになる。 図6(a)に比べ、図6(b)のインプラント30の拡張によって示されるイ ンプラントの直径の機械的な拡張によっても中央角膜弯曲は平らになり、一方イ ンプラント30の収縮によって中央角膜弯曲は急勾配になり、これはともに動き かつロープの中央をさらにたるませる図4(a)および図4(b)の例の2つの 固定点に類似する。これは、縁に存在する境界の節が完全に固定されていないた め、部分的に生じる可能性がある。要約すると、周辺組織内のインプラント30 自体の塊によって引き起こされる微小な偏りが存在し、これが角膜の中央曲率を わずかに平らにし、固定点を変更しながらインプラントを収縮させまたは拡張さ せ、そのため角膜弯曲が変化する。インプラントが収縮しまたは拡張すると、角 膜固有質に対するインプラントの内方または外方への力によってさらなる層状切 開が徐々に引き起こされ、かつ力が徐々に消失する可能性があるために、屈折矯 正結果の安定性が低下する傾向がある。より一貫性のある結果は、Simonに よって述べられるように、周辺角膜内で押しのけられる体積を変えることによっ て達成される。 第2のメカニズムは、以下の引用の中で、J.Barraquerによって適 切に述べられている。1964年以来、「近視を矯正するためには、角膜の中心 の厚さを減じなければならず、またはその周辺部の厚さを増加しなければならな いことが実証され、また遠視を矯正するためには、角膜の中心の厚さを追加しな ければならず、またはその周辺部の厚さを減じなければならないことが実証され てきた。」厚さを減じる処置は「角膜曲率形成」と呼ばれ、厚さを追加する処置 は「ケラトファキア」と名づけられた。固有質内角膜リングは塊をその周辺部に 付加し、そのリングの厚さが増加すると、「その周辺部での(厚さの)増加」に よって、前方の角膜弯曲の平坦化にさらに著しい影響を及ぼす。 理想的な角膜屈折矯正法によって、眼鏡またはコンタクトレンズのすべての長 所が認められ、即ち屈折障害、精度、または予測可能性を広い範囲で矯正するこ とができるようになり、眼の屈折状態が変化した場合には可逆的になる。以上の ことは、合併症を最小にしながら再び矯正を調整するために必要であり、それが 技術的な平易さや低コストに関連して、審美的にも患者に受け入れられる。屈折 矯正手術の目標は、患者の95%よりも多くに対し、長期安定性を伴う矯正され ていない視力20/20を得ることであるべきである。現在可能な屈折矯正手術 処置は、この段階の精度または安定性を生み出していない。 もう一度、屈折矯正および角膜弯曲を手術後に微調整するための容易な処置で あって、角膜の含水状態の変化、創傷の治癒反応、およびその他の未知の要因変 化によってしばしばその影響を受ける処置はない。述べられた各技術は、その精 度の程度が制限される。本発明のこの開示では、角膜弯曲が安定した後で屈折矯 正結果を調整するための容易な方法、侵襲性が最小である方法、創傷の治癒反応 の刺激を最小にする方法であって、考えられる必要性に応じて繰り返し調整が可 能であり、ほとんど完全に可逆的である方法が述べられている。予測不可能性に 関して議論の余地のある曲解的な問題点が作られる可能性があり、また屈折矯正 結果を予測するためにノモグラムに非常に依存している時代遅れの処置の適用例 が作られる可能性があり、そのため、処置に対する個体の変動する反応を十分に 説明することができない。 発明の概要 本発明の一実施形態によれば、角膜内の移植に適合し、かつシリコーンやウレ タンポリマーなどの材料からなる軟質の中空シェルで形成された調整可能な固有 質内装置であって、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などの生体適合性の 充填材料を増やすことができる環状チャンバを備えた装置が提供される。充填材 料は、任意の形状または長さの任意の生体適合性材料でよいが、リング形状でサ イズが可変の、柔軟で細長く延びたストランド状のフィラメントが好ましい。装 置は上述の所定量の生体適合性材料で満たされ、角膜の視覚帯を取り囲むように して角膜内に移植される。次いで角膜弯曲は、1つまたは複数のリングの完全な 除去によって調整され、そのため独立した方法で装置の体積を修正し、その結果 、角膜弯曲が急勾配になって、近視にシフトする。屈折矯正のためのこの比較的 簡単な調整は、通常入手可能な外科的器具で実施することができ、角膜および移 植された装置に対し、手術後の処置を最小限必要とする。本発明の装置は、調整 可能で移植可能な装置であり、複数のリングなど充填材料を受け取るためのエン クロージャを形成する外側の膜を含むものであって、屈折障害を矯正する目的で 、角膜固有質の層間内の空間に挿入されるよう適合する。この装置によって押し のけられた体積は、移植の初めの手術の後に何回も容易に修正され、そのため、 移植された装置の除去を必要とすることなく、後日屈折矯正結果を調整すること ができる。 本発明の他の実施形態によれば、角膜内の移植に適合し、かつシリコーンやウ レタンポリマーなどの材料からなる軟質の中空シェルで形成された調整可能な固 有質内装置であって、塩水やゲルなどの生体適合性材料で満たすことが可能なチ ャンバを備えた装置が提供される。装置は2つ以上の区画を有し、そのそれぞれ が耐水性で、他の区画とは明らかに異なることが好ましい。各区画は、上述の生 体適合性の流体を所定量含有し、装置は角膜の視覚帯を取り囲むようにして角膜 内に移植される。リングによって押しのけられた体積が増加すると、中央前方の 角膜弯曲がより大きく平らになり、そのため近視が矯正される。近視はわずかに 過剰矯正され、その結果、最適な視力に必要であるよりも角膜がさらに平らにな ることが好ましい。次いで角膜弯曲は、装置を角膜内に移植した後、特定の区画 から流体を選択的に除去することによって調整され、そのため独立した方法でイ ンプラントの体積が減少し、角膜弯曲が急勾配になって近視へのシフトが生じる 。 様々な実施形態によるインプラントは、初めの移植手術の後、何回でも容易に 調整可能であり、そのため移植された装置の除去を必要とすることなく、屈折矯 正結果の調整が後日可能になる。 図面の説明 図1は、人の眼の水平断面の概略図である。 図2は、近視状態にある眼の網膜の前面に、光線がどのように集束するかを示 す概略図である。 図3は、近視状態にある眼の網膜の前面に、光線がどのように集束するかを示 す概略図である。 図4(a)は、2つの固定点間に、その端部で吊り下げられたロープを示す概 略図である。 図4(b)は、図4(a)に示すロープの中間点と固定点の1つとの間に重り の力が加えられたロープを示す概略図である。 図5(a)は、眼の角膜を示す概略図であって、角膜が、周囲の縁上にある全 く反対の点に固く取り付けられた図である。 図5(b)は、図5(a)と類似する図であるが、角膜内に固有質内支持イン プラントが存在するために角膜上に生じた曲率の影響を示す図である。 図6(a)および図6(b)は、本発明の調整可能なインプラントを角膜内に 移植した後、そのインプラントが拡張することによって生じた影響を示す、角膜 の断面概略図である。 図7(a)は、本発明の軟質装置の平面図であって、装置が放射状のカットに よって切断された状態になった図である。 図7(b)は、図7(a)の断線7b−7bに沿った、直径方向の拡大断面図 である。 図8(a)は、本発明の装置の断面図である。 図8(b)は、本発明の管状装置についての半径方向の拡大断面図であって、 装置内部が多数のリングで充填されたものである。 図8(c)は、図8(b)に類似する断面図であって、図8(b)に示すリン グのいくつかが装置から除去された図である。 図9は、円錐形状の半径方向の断面の角度を示す、本発明の装置の直径方向の 斜視断面図である。 図10(a)〜図10(d)は、本発明の装置の修正された形の半径方向の断 面図である。 図11は、インプラントの内側に位置するリングに沿った、可能なリング接続 配置を示す装置の平面図である。 図12(a)および図12(b)は、インプラントの内側に位置する接続され たリングがカットされた前後の、角膜および装置の断面図を示す。 図13(a)および図13(b)は、リングがそこから除去された前後の角膜 およびインプラントの断面図を示す。 図14(a)は、本発明の装置の半径方向の断面図であり、その典型的な寸法 を示す。 図14(b)は、図14(a)の装置を拡大した半径方向の断面図であって、 装置の内部が複数のリングで充填された図である。 図14(c)は、図14(a)に類似した拡大された半径方向の断面図である が、直径方向の厚さがより大きく、より少ない数のリングでその内部が充填され た装置を示す。 図15(a)は、装置の内部に挿入することができる、複数のリング材料の方 向および形の概略平面図であり、図示する目的でその間の空間を誇張したもので ある。 図15(b)および図15(c)は、それぞれ図15(a)の断線b−bおよ びc−cに沿った本発明の装置の断面図である。 図16(a)、図16(b)、および図16(c)は、装置への挿入に適する リングの構成および方向の変形例を示す。 図17(a)は本発明の装置の平面図を示す概略であって、一部のリングが装 置に挿入されており、図17(b)は図17(a)の装置の半径方向の断面図で あって、断線17b−17bに沿ったものである。 図17(c)は、断線17c−17cに沿った、図17(a)の装置の半径方 向の断面図である。 図18aは、垂直に分割されたチャンバを備える本発明のリングの断面図であ る。 図18bは、水平に分割されたチャンバを備える本発明のリングの断面図であ る。 図18cは、下方の壁が強化されたリングの一実施形態の断面図である。 図19aは、環のまわりに完全に延長していない2つのチャンバを示すリング の平面図である。 図19bは、環のまわりに完全に延長している2つのチャンバを示すリングの 平面図である。 図20aは、水平に分割されたチャンバを備えるリングの一実施形態の断面図 である。 図20bは、図20aのリングの断面図であり、その上方のチャンバが穿刺さ れた図である。 図21は、リングの一実施形態の半径方向の断面図であり、その典型的な寸法 を示す図である。 図22aは、2つの膨張したチャンバを含有するリングの一実施形態の断面図 であり、その両方がリングの外側のシェルから分離可能なものの図である。 図22bは、図22aのリングの1つのチャンバが穿刺された後の断面図であ り、リングの厚さの減少を示す。 図22cは、図22bのリングについて、移植されたリングから穿刺されたチ ャンバを除去した後の断面図であり、リングの厚さのさらなる減少を示す。 図23aは、流体を含有する3個のマイクロカプセルを示す、リングの一実施 形態の断面図である。 図23bは、リングの壁上のホールまたはミシン目と、リングの分割領域での 2つの開口を示す、リングの平面図である。 図24aから図24dまでは、本発明のリングを修正した形の半径方向の断面 図である。 図24eは、流体チャンバとストランド材料の存在との組合せを備えるリング の断面図を示す。 図25aおよび図25bは、チャンバが穿刺された前後の角膜およびリングの 断面図を示す。 図26aは、リングの他の実施形態の平面図であり、その中に孤立した区画の 位置を示す。 図26bは、図26aのリングの断線26a−26aに沿った断面図である。 図26cは、図26aのリングの断線26b−26bに沿った断面図であり、 比較的薄い壁を示す。 図26dは、図26aのリングの断線26b−26bに沿った断面図であり、 図26cのリング断面に比べて比較的さらに厚い壁を示す。 発明の詳細な説明 図面をさらに詳細に参照すると、図7(a)に、可調装置30を含む本発明の 装置が表示されている。装置30は、ポリエステル材料、ナイロン材料、ポリプ ロピレン材料、ポリイミド材料、フルオロポリマー材料、および光ファイバーの 製造に使用される材料を含む天然ポリマーまたは合成ポリマーで作られたストラ ンド様材料などのような容易に除去できる充填材を受けるためのエンクロージャ ーを形成する。装置充填材料は任意の生体適合性材料であってもよいが、好まし くは上述したものなどのような弾性高分子物質で作ってもよい可撓性のフィラメ ント構造である。本文書では、用語リングおよびストランドを互換的に使用する 。リングの横断面は、円形、卵形、矩形、正方形、または三角形を含む様々な幾 何学的形状のものであってもよい。リングの横断面積は、その長さに沿った寸法 を変えることができる。この装置は1個以上のリングを含み、その各々を後で除 去することができる。 装置30は、シリコーンポリマー、アクリルポリマー、ウレタンポリマーなど のような柔軟な材料で作られた管状の外殻30aを含み、図7(a)に、割れた ドーナツ形として表示されている。外殻材料は、十分に充填したとき、装置が平 面図でそのほぼ円形を維持するように十分な剛度を有し、かつ、図8(b)の断 面図に示す通り、充填すると厚さが増し、図8(c)に示す通り、リングを除去 すると平らになるように、十分な可撓性も有する。装置の外殻は、その円形をほ ぼ維持するために十分な構造的な完全性、強度および可撓性を有し、かつ拡張可 能でなければならない。その組成材料は、シリコーンポリマー、ウレタンポリ マー、アクリルポリマーなどのような折り畳み可能なまたは変形可能な眼内レン ズの製造に使用されるもの、またはソフトコンタクトレンズに使用される材料ま たはフルオロポリマー樹脂などのような材料と類似していてもよい。本発明の外 殼に適していると思われる材料を含む他の医療用具の例としては、血管移植片チ ューブ、透析チューブ、透析膜、血液酸素供給装置チューブ、血液酸素供給装置 膜、および限外濾過膜などがある。この装置の外殼材料または充填材材料は1種 以上の天然ポリマーまたは合成ポリマーを含んでもよい。 図8(a)および図9に表示した断面図からわかる通り、インプラントの中心 を通る放射状の平面で装置30を切った横断断面は、楕円形である。図10(a )〜図10(d)に示した様々な実施形態は、各々、装置壁の組成材料、装置接 続方式、リング充填材のタイプ、および装置の横断面パラメータ、たとえば、円 、正方形、矩形、三角形、卵形等の形をした横断面からの装置の形成などの変数 を修正して、多数の副次的実施形態を提供することができる。図7(b)に示す 通り、装置30の横断面の主軸39は、角膜の前極の角膜弧の勾配と一致し、し たがって円錐曲線を形成するという具合である。この角度は約25〜35度であ る。図7(a)に示すように、装置の二端45、46は、互いに近接して並べる ように四角にしてあり、縫合や接着などのような方法で、手術時に固定可能に接 合することが可能である。 装置30を、周辺角膜固有質内への植え込みに適合させる。装置30は、植え 込んだとき、角膜の中心視覚帯に侵入せず、かつ中心角膜への栄養分の拡散を減 少させずに、中心角膜弯曲を変えるような厚さおよび幾何学のものである。装置 30は、ヒト周辺角膜の固有質内に挿入しやすいものであり、生体適合性であり 、さらに詳細には、眼組織と適合する柔軟な材料で構成される。図7(b)に示 した寸法は、厚さ(45)0.1〜1.5mm、幅(56)0.4〜2.0mm 、全外径(57)3.5〜12.00mmである。図10(a)〜10(d)に 示す通り、この装置30の外殼30aの厚さは変えることができる。この装置は 、直径および組成が異なるリング38を1個だけ含んでもよく、複数個含んでも よい。リング38は、ポリメチルメタクリレート、ナイロン、ポリエステル、ポ リプロピレンなどのような、眼科手術で使用される永久的な生体適合性材料で作 る ことができ、直径0.02mmから直径1.0mmまで変化してもよい。このリ ングは、透き通っていてもよく、着色されていてもよい。このリングは、外科医 がリングを接続するときに緊張を調節するのに役立つように、装置の先端および 末端を指す印をつけることができる。図11に示す通り、リングは、ループにか けることが可能な小さなフックを操作端に備えた器具を使用することによって、 リングを除去しやすくするであろう、前もって作ったループ66、67を一端に 有してもよい。ループの代わりに、リング端は、リングをつかみ易くなるであろ う他の形、たとえば、曲線的な端や厚い端を有してもよい。ループは、開放端に おける抵抗を提供することによって、周囲のリングが同時に引き出されるのを防 止するのにも役立つ。リングの両端は必ずしも接続されているとは限らない。 本発明の装置は、視覚帯に侵入せずに、角膜の中心視覚帯の外側の弯曲を変え るために、眼の角膜に植え込むために設計された。本発明の装置は、緊張状態で 接続されているリングを分離することによって、中心視覚帯が平らになり、ある いはリングを除去することによって弯曲が急勾配になるように、必要な屈折矯正 を提供し、屈折障害の過剰矯正または矯正不足の調整を可能にするのに適した量 に変えられる内部体積を有する中空装置を含む。 屈折障害の量に応じて、形状、サイズ、円周、充填材寸法、および充填材組成 が異なる適当な実施形態が選択される。葉状チャネル内の装置による体積補充の 量、葉状チャネルの直径、チャネルの幅、チャネルの深さ、および位置は全て、 本装置によって達成される反射変化に影響を及ぼすパラメータである。図10( a)〜図10(d)に図示したインプラントの実施形態で示す通り、リング材料 を含有する可撓性外殻30aは変えることができる。選択には次のものが含まれ る。 1.支持用ポリメチルメタクリレート(PMMA)バックボーンの欠如。 2.図10(c)に示した、装置壁の内周を強化するPMMAまたは他の生理 学的に許容できる剛質ポリマーバックボーン。図10(c)に示した肥厚領域6 4は、壁を構成する柔軟な材料の厚さを増加してもよく、または上述の剛質ポリ マーであってもよい。手術中に、内周バックボーンは、角膜弯曲計の助けを借り て肉眼的に調節しながら、適切に調節し、縫合糸または接着剤で固定することが 可能である。 3.図10(b)に示した、装置壁の外周を強化するPMMAまたは他の剛質 ポリマーバックボーン。 4.内周と外周の両者の支持。 選択する装置のサイズは、手術に対する応答の個々のばらつきから派生する過 剰矯正または矯正不足の範囲を、記載の方法で容易に補正できる(リング全部を 除去する必要がない)ようでなければならない。インプラントを挿入する前に、 支持用バックボーンの最大の厚さ、周囲およびタイプを選択する。術前の屈折状 態および他の直接関係のあるデータが与えられれば、手術前に理想的な実施形態 が選択され、必要に応じて、その実施形態を操作して、理想的な弯曲が決定され る。装置を適切な深さで周辺角膜に挿入し、次いで、角膜の形をさらに精確に調 整し、眼に入る光を網膜上で集束させるために、さらに調整する。装置を角膜固 有質内のあまり深くないところ(すなわち、角膜の深さの約1/3〜1/2)に 留置すると、より大きい屈折作用を有すると予期される。角膜のより周辺に装置 をおくほど、屈折作用は少ない。中心角膜付近におかれた装置は、20ジオプタ ーまでの近視を矯正できる可能性がある。手術中の角膜鏡または自動角膜弯曲計 は有用と思われる。しかし、角膜を含む手術における手術中の弯曲測定は、予想 通りに再現できることが証明されていない。 本装置は、円形の切開用器具を用いて、角膜の深さの1/2〜2/3に形成さ れた葉状チャネルに植え込まれ、これには周辺中央の小さい角膜切開のみを必要 とする。ナイフを使用して角膜中心から2.5〜3.5mmを起点とする約2m mの放射状切開を作る。角膜表面は、この切開のときに切るだけである。スアレ ス(Suarez)延展機を切開の深部に導入し、小さい葉状チャネルを作る。 真空センタリングガイドのアプリケーションを使用して眼球を固定し、切開を通 って葉状チャネルに導入した外径8〜9mの葉状チャネリング道具を回転させて 、角膜の深さの1/2〜2/3に角膜周辺中央を取り巻く360度のチャネルを 作る。チャネリング道具を取り外した後、円形の内視鏡式鉗子を同チャネルに挿 入し、鉗子の先端が放射状の切開から現れるように、360度回転させる。装置 の一端を鉗子に挿入し、鉗子の顎を閉じ、その結果、装置をしっかりつかみ、 装置が次第に適切な位置に引き込まれるまで、円形の鉗子を回転させる。装置は 、端にフックが付いた円形器具を使用して適切な位置に引入れることが可能であ る。円形のフック付き器具を使用するとき、先ず、この器具をリングの挿入方向 と反対方向に葉状チャネルに挿入する。次いで、調節可能な、角膜装置の先端上 に前もって形成したループまたは穴にフックを取り付け、円形のフック付き器具 を後方に回転させてゆっくり取り外し、リングを適当な位置に引き入れる。装置 の先端と末端を合せ、縫合糸または接着剤で一緒に固定することが可能である。 要するに、装置のサイズ、形状、幅、外殻の厚さ、および円周、角膜の弯曲お よび反射結果に影響を及ぼす因子の調整または選択は、3つの異なる時間的段階 に行われる: 1.術前に、レトロスペクティブな研究から作成したノモグラムを、各変数を 選択するための指針として使用して、上述の変数および支持用バックボーンの有 無を選択する。 2.術中に、必要であれば術中角膜鏡の助けを借りて、必要に応じて装置の緊 張を調整する。下記のことに留意して、インプラントの周辺を完全に通過するリ ングを固定し、様々な緊張状態で接続することが可能である。 a.インプラントの体積を調節することによって、緊張を加えるか緊張を除 去するかのいずれかによって角膜弯曲を調整しようとするよりも、さらに予想通 りの角膜弯曲の変化が得られる。 b.遠視矯正が必要な場合、角膜の弯曲および緊張状態で接続されている装 置の先端および末端または緊張状態で接続されている1個以上のリングのいずれ かを維持するには円の半径方向の力が必要であろう。 3.術後調整。大抵の角膜屈折矯正法に付随する再手術という厄介な問題を回 避する、簡単な、容易に実施される術後調整は、この調整機構によって実行可能 になる。この術後調整は、不適当な術前インプラント選択、術後に角膜の含水状 態が変化した後に異なる角膜弯曲を来す術中の角膜水分補給、インプラントに対 する周辺における不測の創傷の治癒反応、および不明の因子に起因するその後の 屈折の変化を補正する。この術後調整は、容易に除去できる、それ故、装置の体 積を修正し、その結果角膜弯曲を増加することができる数個のリングが入ってい る可撓性角膜装置によって可能になる。 リングの前方の任意の箇所、恐らくは外殻が、除去された前外殻の一部を有す る、したがってより容易にリングにアクセスできる領域の上で角膜を切開する。 この最初の切開部位からストランドを除去することができる。装置の先端または 末端以外からリングを除去するとき、ストランドを除去した結果、崩壊を容易に する部分的な真空が形成されるように、頭部および尾部を閉鎖する。装置からリ ングを除去すると、装置そのものの除去と比較して、固有質−インプラント界面 が僅かになり、それゆえ、調節によって創傷治癒に対する影響および水腫が最小 限に抑えられる。この術後調整は、理想的な角膜屈折矯正法の基準を満たそうと 努めるあらゆる方法に必要な補助と思われる。屈折結果が理想的でない場合、次 の措置を講じることが可能である。 a.図12(a)および図12(b)に表示した通り、角膜弯曲が急勾配す ぎて患者が近視であり、かつ緊張状態で接続されたリング38がある場合、これ を切って、締め付けている力の輪の一部を解放し、角膜弯曲49を平らにする。 理想的には、最初の切開部位付近でリングを切る。リングは、鋭い針、ナイフ、 またはレーザーでも切ることができる。まだ不十分であれば、2個以上のリング を切ってもよい。全てのリングを切っても、装置の両端はずれる公算は低い。リ ングを切った結果、平らになりすぎた場合、リングの1つを装置および眼から完 全に除去すると、装置の体積が相対的に減少し、随伴して角膜弯曲が急勾配にな る。万一リングを除去しにくい場合には、リングを180度離して切り、最初の 切開から各半分を除去する。別の方法で角膜弯曲を減少させることもできる。装 置内のリングが除去されるにつれて、直径のより大きいリングが次第に適当な位 置に引き込まれ、その結果装置の体積が増加し、前角膜弯曲が平らになるという 具合に、装置内のリングまたは他の固体の生体適台性材料をより大きい直径のリ ングに取り付けることができる。 b.図13(a)および図13(b)に示す通り、手術後、角膜が平らすぎ る場合(図13a)、緊張が比較的小さいか皆無のリングを切って除去すると、 その結果、図13(b)に示す通り、上述の近視性偏移によって角膜弯曲が急勾 配になる。これが、リングのうち少なくとも1個が円の半径方向の力を角膜に与 えていない理由である。調整の過剰矯正およびリングの除去で急勾配になりすぎ た場合、緊張状態のリングを切って同位置に残し、その結果角膜を平らにしても よく、より大きいリングを適当な位置に引き入れてもよい。 図14(a)に本発明の代表的な可調装置30を示す。外径は約0.9mmで あり、全厚は約0.3mmであり、大きい方の内幅は約0.80mmであり、小 さい方の直径は約0.20mmである。このサイズの装置は近視を約3ジオプタ ー矯正することが予期される。快適に適合するリングの数および角リングの除去 によるジオプター変化を算出するために、下記の通りに仮定した。卵形の装置の 横断面積は約0.11mm2である。横断面が丸いリングでこの体積を満たすこ とができない(丸いリングとリングの間に空間がある)ため、リングが占める面 積は理論的に78.5%である。約4個(直径0.175mm)のリング38b または7個(直径0.125mm)のリング38aがこの空間に組み込まれる。 全てのリングを完全に除去すると、0.2mm平らになり、すなわち2.0ジオ プター変化する。この代表的な実施形態から直径0.175mmの各リングを除 去した場合、平均ジオプター変化は0.5ジオプターであり、0.125mmの 直径の各リングを除去した場合、0.3ジオプターの変化である。初期の近視患 者であれば、結果は初期屈折力の50%オーバシュートである可能性があり、遠 視はリングを除去するだけで適度に処置される。遠視を招く過剰処置は、大抵の 角膜屈折矯正法における重大な短所である。放射状角膜切開術で、創傷治癒経過 は何年間もかかり、往々にして進行性遠視が認められる。手術後に症候性遠視に なる患者は極めて不幸である。したがって、大抵の外科医は僅かな矯正不足の達 成を企図したノモグラムを使用する。1つの試験において、屈折矯正角膜切開術 に関して、患者が(第1の眼をPRKで矯正した場合)第2の眼をPRKで矯正 しなかった主な理由は、手術を受けた眼の遠視に不満を抱いたためであった。本 明細書に記載の技術を使用すれば、過剰矯正による遠視は容易に補正される。 本技術の簡単な変形例で、本装置を使用して乱視を矯正することができる。角 膜前面の弯曲の変化は乱視症例の大部分の原因である。光線は、1つより多い平 面上に集束し、主焦点は形成されない。通常、乱視は、眼の屈折表面の球形弯曲 の代わりにトロイド様弯曲が存在することによる。乱視を矯正するために、角膜 のある一定の領域を他の領域よりも大量に、必ず矯正しなければならない。イン プラントは、より急な傾斜とより大幅な矯正を必要とする角膜の領域に対応して 増加した体積を有する装置の区画によって、装置の円周に沿って厚さを変えるこ とができる。図15(a)の図解で、リング32は、装置内でほぼ360度を満 たす。別の部分リング(33)は短く、この図面で約4〜6時の位置が欠如して いる。リング(34)は(33)の鏡像配置であり、6〜8時の位置が欠如して いる。リング(35)は、厚さが増加した領域で、それ自身の上で2回折り重な っている。リング(36)は(35)の鏡像配置である。リングの端(37)は 、接着剤または他の手段によって装置に取付けられている。反対側のリングの端 (38)は同様に固定されている。図15(c)の横断面のサイズと比較して、 インプラント横断面をより大きい体積で図15(b)に図示した通り、より多く のリングを有する領域は最高50%増加した体積を有し、その結果、乱視の状態 に必要な差別的矯正が可能である。乱視が過剰矯正である場合、ループ(31) が除去されるまでリング(35)および(36)を引っ張り、リングが装置から 現れた箇所で切断する。ループ(31)を除去するとインプラントの大きい領域 と小さい領域の比率が6/3から4/3に減少する。乱視が矯正不足である場合 、リング(32)を完全に除去すると、比率は6/3から5/2に増大する。こ のテーマに関して多くの様々な変更が可能であり、若干の例を図16(a)、1 6(b)、および16(c)に示す。図16(a)のリング38a〜38c、図 16(b)の38(d)〜38(g)、図16(c)の38(h)〜38(k) は、数、長さ、直径、リング末端における1個以上のループの存在、およびリン グが装置に固定されているか否かによって変えることができる。PMMAまたは 他のポリマー材料で作られた支持用バックボーンを有してもよい可撓性装置に変 更があってもよい。装置外殻の厚さも変えることができる。インプラントの頭部 および尾部を適当な位置に導入して固定する。リング調整は、前に検討した原理 に基づく。通常、リングの操作は、最初の挿入部位を通して行うが、装置が、図 7(a)に示す小さな穴90を設けるために、前外殻から除去された、最初の切 開部位から180度離れた位置にある小さな円を有していてもよく、これを通し てリングを調節したり除去したりすることが可能である。図15および図16に 示 す通り、リングは、必ずしも長さが360度とは限らず、後日、その除去を容易 にするために長さの中央で切れていてもよい。 別の実施形態で、本装置は、中空インプラント外殻30(a)に挿入され、イ ンプラント壁と同じ材料またはPMMAのような剛質物質で構成されていてもよ いより厚い部分リング71が存在することによって形成される厚さが増加した領 域を有してもよい(図17参照)。このより厚いリング71は様々な横断面形状 を有してもよく、好ましくは装置横断面の形状と一致し、1個より多くの厚い部 分リング71が設けられてもよい。弦の長さは10〜360度であってもよい。 部分リングの末端71aは、リング端の厚さが装置の最も薄い領域に近づくよう に、次第に細くなっている。部分リングの厚さは、装置の厚い区画75が装置の 最も薄い区画76の厚さの数倍になるように変えることができる。長と厚さが類 似していてもよいが、必ずしもそうとは限らない、同様の厚さの部分リング71 が、120〜180度離れて装置の反対側にある。図17(a)に示す通り、2 個の部分リングはストランドSで互いに接続されている。乱視の軸は、リングを 一方向または他の方向に引張ることによって、その結果、装置チャンバ内の部分 リングの位置および装置の中心軸からの方向に関して変えることによって最初の 切開部位を通して後日調整することができる。個々の部分リングは、各部分リン グを互いに独立に調整できるように、一端を他端に接続するリングを有してもよ い。前述の通り、このテーマに関して多くの異なる変更が可能である。この個々 の副次的実施形態を、先の記載した方法のいずれかと一緒に使用することができ る。このデザインの重要な利点はこの方法の可逆性である。この方法は、装置を 外科的に除去することによって完全に可逆的で、前述の通り、屈折作用を部分的 に変えることもできる。調整そのものを逆転させることもできる。 さらに別の有用な実施形態で、植え込み型装置の外殻は、生体適合性の、多孔 性ポリマー材料、たとえばミクロ多孔性ポリプロピレンチューブまたは透析チュ ーブや膜フィルターに使用される材料で構成される。多孔性外殼の特徴は、生体 適合性充填材料を除去するとき、装置の厚さを減少することができる十分な可撓 性を含め、既述のものと類似している。多孔性外殻の利点としては、前角膜固有 質への栄養分拡散改善などがある。 前角膜固有質への栄養分の拡散を改善できる別の方法は、インプラントの外殻 に開口部を配置することである。開口部は、複数あっても、放射状または縦方向 に配列されていてもよい、可変長および可変幅のものであり、装置の前表面また は後表面上に位置している。 本発明の好ましい代替実施形態によれば、インプラントは、容易に除去できる 食塩水のような充填材を受けるためのエンクロージャーを形成する。生体適合性 流体充填材は、好ましくは生理食塩水または滅菌水であるが、ヒアルロン酸、ヒ ドロゲル溶液、デキストランなどのような他の任意の生体適合性でかつ許容でき る充填材も液体充填材として同等に許容できよう。図18および図19に示す通 り、インプラントは1個または複数の区画を有し、その各々は水密であり、はっ きりと区別されている。各区画は生体適合流体で満たされている。この区画は、 リングの長さに沿って伸びてもよく、リングの長さに沿って部分的に伸びるにと どまってもよい。リングの横断面は、円、卵形、矩形、正方形、または三角形を 含む、様々な幾何学形状のものであってもよい。各区画の横断面の直径は、その 長さに沿って変えることができる。 インプラント106は、シリコーンポリマー、アクリルポリマー、ウレタンポ リマーなどの弾力性材料で作られた管状外殻107を含む。外殼材料は、それぞ れ図20aおよび図20bに示す通り、十分に充填したとき、インプラントが平 面図でその大体円形を維持するように十分な剛度を有し、かつチャンバ117を 流体で満たすにつれて厚さが増し、チャンバ117から充填材料を除去するにつ れて平らになるように十分な弾性も有する。外殻は、その円形を大体維持するた めに十分な構造的な完全性、強度、弾性および伸長能力を有し、かつ拡張可能で なければならない。その組成物材料は、シリコーンポリマー、ウレタンポリマー 、アクリルポリマーなどの折り畳み可能なまたは変形可能な眼内レンズの製造に 使用されるもの、またはソフトコンタクトレンズに使用される材料と類似してい てもよい。この区画がリングから取り外されるように作られるのであれば、区画 壁はリング壁全体に関して説明したものと類似した材料特性を有すべきである。 図7(b)を再度参照すると、インプラントの中心を通る放射状の平面で切っ たインプラント106の横断面は、図7(b)に表示したインプラント30に似 た楕円形であってもよい。図24に示す異なる実施形態は、インプラント壁の組 成物材料、インプラントの接続方法、生体適合性充填材料のタイプ、およびイン プラントの横断面パラメータ、たとえば、円、正方形、矩形、三角形、卵形等々 の形をした横断面からの装置の形成などの変数を各々修正して、多数の副次的実 施形態を提供することができる。本実施形態のインプラント106に類似した、 インプラントの横断面の主軸39は、角膜の前極の角膜弧の勾配と一致し、した がって円錐曲線を形成するという具合である。この角度は約20から25度であ る。図7(a)に示す割れたインプラント30の二端45、46を比較すること ができ、裂けたインプラント106の二端は、互いに近接して並べるように四角 にしてあり、縫合や接着などの方法で、手術時に固定可能に接合することが可能 である。 装置を、周辺角膜固有質内への植え込みに適合させる。この装置は、植え込ん だとき、角膜の中心視覚帯に侵入せず、かつ中心角膜への栄養分の拡散を減少さ せずに、中心角膜弯曲を変えるような厚さおよび幾何形状のものである。この装 置は、ヒト周辺角膜の固有質内に挿入しやすい大きさのものであり、生体適合性 であり、さらに詳細には、眼組織と適合する弾性材料で構成される。この装置は 、厚さおよび円周の両者を、選択された区画から流体を除去することによって中 心視覚帯が平らになるように変えることができる、中空インプラントからなる。 インプラント106の寸法は、最大厚さ(完全な拡大後)約0.1〜0.8mm 、幅約0.4〜2.0mm、および全外径約4〜12mmなどである。図24の 副成分に示す通り、このインプラント106の外殻107の厚さは変えることが できる。 このインプラントは、ただ1個または複数のチャンバを有し、その各々は水密 であり、他の区画とはっきりと区別されている。各区画は各々水密であるが、区 画の壁はリングの外壁の一体部分であってもよく、一体部分でなくてもよい。図 22に表示する通り、この区画壁が外殻壁と異なる場合、この区画から流体を除 去する、したがってリングの全厚を減少させることができるばかりでなく、この 区画そのものをリングから除去する、従って、図22aから図22cに表示する 通り、リングの体積全体をさらに減少させることができるというさらなる利点が ある。図22cのリングの厚さ122は、図22bのリングの厚さ121より少 なく、図22aのリングより厚さが少ない。このように、各区画ははっきり区別 された単位である。これらの調整は、角膜に植え込まれたリングで実施される。 リングの外殻で画定された内腔内に、外壁とは異なる数個の区画が存在してもよ い。これらの区画は、サイズおよび形が変化してもよく、360度伸長してもよ いが、特に乱視などの差別的リング厚さを必要とする状態では必ずしもそうとは 限らない。 外壁と内部区画でインプラントの可能な変化を実証するさらに別の実施形態で は、その各々がはっきり区別された単位であり、図23に示す通り、リングの外 壁は、流体126の閉鎖体積を含む個々のマイクロカプセルまたはビーズ125 を多数包囲する。小体積の各々は薄い膜によって密閉的に範囲が定められ、生体 適合液で満たされている。外壁は、リングの外側と、マイクロカプセルを含む内 腔129との間の流体連絡を提供する開口部127、128を有する。各マイク ロカプセルは、鋭い器具またはレーザーで別々に穴をあけて、外壁の開口部を通 って流体をカプセルから流出させ、最終的に角膜組織に吸収させることが可能で ある。この結果、リングの厚さが減少し、したがって、角膜弯曲が急勾配になり 、屈折矯正結果の微調整が可能になる。この利点は、生体適合性材料がリングか ら除去されるが、角膜から出たリングから直接除去される材料は皆無であること であろう。この技術は、非常に小さな外科的介入によって、インプラントの体積 を自在に調節することによって角膜弯曲を修正する機会を提供する必要性に、応 える。マイクロカプセルの使用は薬剤の分野で周知である。健康な角膜への流体 注入は急速に再吸収されることも周知である。一般に、角膜固有質への流体注入 は、白内障手術後に角膜創傷の自己密封を促進するために実行される。 図22に示す通り、区画の壁が外壁と異なる場合、外壁は、血液透析用チュー ブに使用されるような、生体適合性の多孔性材料で構成することが可能である。 多孔性外殼の特徴は、生体適合性充填材を除去するとき、装置の厚さを減少させ ることが可能な十分な可撓性を含む、既述のものと類似している。多孔性外殻の 利点としては、前角膜固有質への栄養分拡散の改善などがある。前角膜固有質へ の栄養分拡散改善が可能な別の方法は、インプラントの外殻に開口部128また は窓を配置することである。開口部は、複数であっても、放射状または縦方向に 配列されていてもよい、可変長および可変幅のものであり、装置の前表面または 後表面上に位置している。 屈折障害の量に応じて、形状、サイズ、円周、ストランドのサイズ、生体適合 充填材料のタイプ、存在する区画の数が異なる適当な実施形態が選択される。図 24(a)〜図24(d)に図解したインプラントの実施形態によって示す通り 、弾性外殻107も変えることができる。選択には次のものが含まれる。 1.支持用ポリメチルメタクリレート(PMMA)の欠如。 2.図24(c)に示した、装置の壁の内周を強化するPMMAまたは他の生 理学的に許容できる剛質ポリマーバックボーン。図24(c)に示した肥厚領域 132は、壁を構成する弾性性材料の厚さを増加してもよく、またはPMMAで あってもよい。 3.図21(b)に示した、装置の壁の外周を強化するPMMAまたは他の剛 質ポリマーバックボーン。 4.内周と外周の両者の支持。 5.除去される他の生体適合固体充填材の存在と組み合て使用される区画リン グ。図24(e)の区画135は流体を含み、同リングは、除去される可能性が ある固体のストランド様フィラメント125も含む。 選択する用具のサイズは、手術に対する応答の個々のばらつきから派生する過 剰矯正または矯正不足の範囲を、記載の方法で容易に補正できる(リング全部を 除去する必要がない)ようでなければならない。インプラントを挿入する前に、 支持用バックボーンの最大の厚さ、周囲およびタイプを選択する。屈折状態およ び他の直接関係のあるデータが与えられれば、手術前に理想的な実施形態が選択 され、必要に応じて、その実施形態を操作して、理想的な弯曲が決定される。装 置を適切な深さで周辺角膜に挿入し、次いで、角膜の形をさらに精密に調整し、 眼に入る光を網膜上で集束させるために、さらに調整する。手術中の角膜鏡また は自動角膜弯曲計は有用と思われる。しかし、角膜を含む手術における手術中の 弯曲測定は、予想通りに再現できることが証明されていない。 本装置は、円形の切開用器具を用いて、角膜の深さの1/2〜2/3に形成さ れた葉状チャネルに植え込まれ、これには周辺中央の小さい角膜切開のみを必要 とする。ナイフを使用して角膜中心から2.5〜3.5mmを起点とする約2m mの放射状切開を作る。角膜表面は、この切開のときに切るだけである。スアレ ス(Suarez)延展機を切開の深部に導入し、小さい葉状チャネルを作る。 真空センタリングガイドのアプリケーションを使用して眼球を固定し、切開を通 って葉状チャネルに導入した外径8〜9mmの葉状チャネリング道具を回転させ て、角膜の深さの1/2から2/3に角膜周辺中央を取り巻く360度のチャネ ルを作る。チャネリング道具を取り外した後、円形の内視鏡式鉗子を同チャネル に挿入し、鉗子の先端が放射状の切開から現れるように、360度回転させる。 装置の一端を鉗子に挿入し、鉗子の顎を閉じ、その結果、装置をしっかりつかみ 、装置が次第に適切な位置に引き込まれるまで、円形の鉗子を回転させる。前述 の円形のフック付き器具または他の類似した器具を使用して、装置の留置を助け ることが可能である。装置の先端と末端を合せ、縫合糸または接着剤で一緒に固 定することが可能である。 要約すれば、インプラントのサイズ、形状、幅、シェルの厚さおよび円周、角 膜弯曲および屈折矯正結果に影響を及ぼす因子の調整または選択は、3つの明確 に異なる時間的なステージで行われる。 1.手術前には、上述のばらつき、および支持骨格が存在するかまたは存在し ないかは、各ばらつきの選択に対する参考としてレトロスペクティブな研究から 開発されたノモグラムを使用して選択される。 2.手術中には、インプラントの緊張は必要に応じて調整され、必要であれば 手術中に角膜鏡を使用することによって補助をする。 3.手術後の調整。ほとんどの角膜屈折矯正法に付随する再手術の合併症を回 避した、簡単で容易に実施される手術後の調整は、この調整のメカニズムによっ て適切なものになる。この手術後の調整により、不適当な手術前のインプラント の選択を補償し、手術中の角膜含水状態を補正して、手術後に角膜の含水状態が 変化した後に異なる角膜弯曲とし、インプラントの周辺で、予期していない、ま たはばらつきのある創傷の治癒反応を補償し、未知の因子によって引き起こされ るその後の屈折変化を補正することができる。この手術後の調整は、流体で満た されてその他の区画とは明らかに異なる複数の区画を含有する弾性の角膜インプ ラントによって可能になり、これらの区画の1つまたは複数からは流体を除去す ることが可能であって、そのためにインプラントの厚さを減じることができ、そ の結果、角膜弯曲が増加させる。区画を選択的に穿刺して流体を除去することに よって、インプラント自体を除去する場合よりも固有質移植界面の乱れが最小に なり、そのため、調整によって創傷治癒および水腫にもたらされる作用が最小に なる。この手術後の調整は、理想的な角膜屈折矯正法の基準を満たすための任意 の方法に必要な付属物と考えられる。屈折矯正の結果が理想的ではない場合、こ れらは以下の段階を必要とする。 a.角膜弯曲は、以下の方法によって平らにすることができる。インプラント 内の生体適合性材料のストランドは、より大きい直径のストランドに取り付ける ことができ、その結果、インプラント内のストランドを除去すると、より大きい ストランドが徐々に適所に引き込まれ、そのためインプラントが厚くなりかつ前 方の角膜弯曲が平らになる。 b.図25(a)および図25(b)に示すように、角膜弯曲136が手術後 にあまりに平らである場合(図25a)、リングから流体が漏出できるように区 画160を選択的に穿刺することによってその厚さを減少させ、または流体を注 射器および針で除去することができる。次に区画160はつぶれ、急勾配の角膜 弯曲137になる。その他のチャンバは明らかに識別され、漏れが生じないため 、この穿刺部位を修復する試みはなされていない。必要に応じて2つ以上の区画 を穿刺することができる。近視を矯正するとき、現行の角膜屈折矯正法のいずれ かによって遠視状態を矯正することが非常に難しく、近視の過剰矯正が生じる。 この装置では、1つまたは複数の区画を選択的に穿刺して流体を除去することに よって、比較的容易に遠視状態から逆戻りさせることができる。1つまたは複数 の区画からの流体の除去による単純なリングの収縮の結果、リングの厚さは明ら かに眼に見える割合で薄くなり、そのため屈折状態の微調整が可能になる。流体 は極めて少量であるために、ポートを備えたリングからの流体の除去を制御する ことは技術的に難しいと考えられる。この最後の点について、さらに詳述するこ とが必要である。同様の流体充填リングが、Silvestriniにより米国 特許第5,466,260号で述べられている。彼は、塩水で膨らませることが できるリングについて述べており、これは好ましくは一方向バルブであるノズル を介してリングに流体を注入することにより行うことができる。彼はまた、皮下 注射針をバルブの開口部に挿入し、リングの内部から流体を真空吸引することに よって流体を抽出する可能性について論じている。しかしこのリングを角膜内に 移植した後は、このノズルをもはや利用することはできない。 複数チャンバの流体充填式リングは、Silvestriniのリングに関連 するいくつかの問題を克服する。一方向バルブとしての役割を果たす微小なノズ ルまたはバルブの製造は、極めて困難である。リングから失われる流体によって 屈折状態が変化するとともにリングの厚さが減少するため、ノズルまたはバルブ を介して長期にわたり流体が漏れ、または失われることは重大な欠点である。ま た、皮下注射針をポート内に向け、流体を吸引するときにその位置を維持するこ とは、技術的に著しく困難である。リングは、厚さ0.3mmが一般的である。 針がポートに入ろうとするとき、リングの前方部分には必然的に圧縮が生じ、そ の領域では厚さが0.2mm未満に減少する。ノズルの封止の耐水性が高いほど 、針がポートに進入する際の抵抗が大きくなり、これに付随して圧縮が増加し、 リングの厚さが減少し、ノズル直下のリングの壁に穴を開けるという危険性が増 加する。また、流体を注入しまたは除去するための皮下注射針によりノズルに穴 が開いている間に非常に多量な流体が漏れると、流体を正確に除去することが困 難になる可能性がある。さらに、屈折率を0.25ジオプタから0.50ジオプ タに変化させるために除去することが必要な流体の量は、極めて少量である。そ のような変化をもたらすために除去することが必要な典型的な量は約0.002 ミリリットルであり、誤差を生じさせる多くの空間を残さないものである。 これに対し、複数チャンバの流体充填式リングは、そのそれぞれが明らかに別 個の単位であり、長期の漏れによる潜在的な合併症を備えたポートを必要としな い。また、流体の正確な量を吸引することの難しさは、角膜組織により吸収され る独立した量の流体を含有した、選択された区画を穿刺することによって克服さ れる。各単位は明らかに別個で耐水性であるため、穿刺した領域を封止する心配 はない。一度リングが作成され、各チャンバが封止されると、流体が注入できな いことは言うを俟たない。 本発明の典型的な、調整可能なインプラント106を、図21に示す。その外 径150の幅は0.85mm、全体の厚さ151は0.3mm、最大内径152 は0.75mmであり、短軸方向の内径153は0.20mmである。このサイ ズのインプラントは、近視を約3.0ジオプタ矯正することが期待される。3区 画が存在すると仮定した場合、3区画すべてから流体を除去すると、リングは0 .15mm平らになり、または角膜弯曲が1.5ジオプタ変化する。各区画から 液体を除去した場合の平均的なジオプタ変化は、約0.5ジオプタである。初期 の近視患者の場合、その結果は初期屈折の50%を超えることができ、遠視は依 然として液体を除去することのみによって適切に管理することができる。 遠視をもたらす過剰治療は、ほとんどの角膜屈折矯正法での著しい短所である 。放射状角膜切開では、創傷の治癒過程が数年の期間にわたって生じ、しばしば 遠視が進行する。手術後に症候的な遠視になる患者は、極めて不運である。した がってほとんどの外科医は、矯正がわずかに不十分になるようにノモグラムを使 用する。 屈折矯正角膜切開術に関し、ある研究では、患者がPRKによって二次的に眼 を矯正しない主な理由は(初めにPRKによって矯正されている場合)、手術を 受けた眼が遠視になることに不満だからであるということが見出された。この技 術によって、過剰矯正による遠視を、手術後に容易に矯正する。 調整可能な移植技術の簡単な変形例では、この装置を乱視の矯正に使用するこ とができる。角膜の前方表面の弯曲のばらつきが、大多数の乱視の症例の原因で ある。光線は複数の面上に集束し、主焦点は形成されない。乱視は普通、眼の屈 折表面の球形弯曲の代わりにドーナツ形の弯曲の存在に左右される。そのため乱 視を矯正するには、角膜のある領域を、その他の領域よりも必然的に大きく矯正 しなければならないことが明らかである。インプラント内には、ある一定のサイ ズおよび形状のチャンバを配置することができ、それによって図26に示すよう に、リングの適切な領域に大きさを付加することができる。インプラントの固体 セクションの断面を図26bに示すが、固定した厚さ138を有する。増加した 厚さ139を有するインプラントのセクションは、より大きい矯正を必要とする 角膜の領域に対応する。チャンバのサイズまたは形状を変更する代わりに、リン グの壁は特異的な厚さ140を有してよい。特異的な壁の厚さと様々なチャンバ のサイズの組合せも用いることができる。流体チャンバと固体の生体適合性充填 材料との組合せも用いることができる。これらのチャンバを選択的に穿刺するこ とによって、乱視の矯正中にその状態を修正する。各区画の数、長さ、直径、体 積、および断面形状は、様々に変化させることができる。PMMAまたはその他 のポリマー材料の支持用バックボーンを持つことが可能な弾性インプラントは、 様々に変化させることができる。 したがって本発明を用いることによって、従来の屈折矯正手術法の短所、例え ば、1)放射状角膜切開による遠視の進行などが回避されることが理解される。 どんな屈折矯正法でも、患者はどの範囲でもクリアな視界を持たず、しかも遠視 の矯正は非常に困難であるために、遠視の治療結果は一般に悪い。記載の方法は 、遠視の屈折状態の矯正に特に適切であり、即ち、2)放射状角膜切開およびレ ーザによる剥離手術の不可逆性、3)レーザによる剥離法の後、瘢痕および固有 質の曇りが形成される可能性のある中心視軸の外科的操作、4)白内障や緑内障 などの付随する合併症を伴うステロイド点眼剤の長期的使用の必要性、5)特に 再手術の後のレーザ剥離法による退縮、6)像の収差が増加する可能性があるR Kおよびレーザ剥離による正の球形度の減少、7)角膜曲率形成されたその場所 でのレーザの侵襲性、8)すべての現行法による精度および予測可能性の不足、 および9)従来技術で角膜内リング(ICR)の外植および移植を繰り返し行う 必要がある可能性など、関連する作用のばらつきおよび瘢痕形成とともに角膜周 辺チャネル層にせん断を引き起こす可能性がある状態の矯正に適切である。 最後の点に関し、移植したリングの厚さを調整する方法が、従来技術で述べら れてきた。これらの方法は、移植中のリングの厚さの調整に関してのみ論じられ 、手術後に関しては論じられていない。リングの厚さを調整する試みは、角膜弯 曲が実質上安定化した後で最も有用である。従来技術で述べた装置の調整は必然 的に、結果として得られる角膜リング界面のせん断とともに、リングの回転を必 要とすると考えられる。リングの回転によって、個々のリング部分が多かれ少な かれ重なり合うことができ、そのためリングの厚さを増加させ、または減少させ る ことは一つの例である。リングが即時的に接近する場合のこの角膜組織のせん断 は、予測不可能な方法で角膜弯曲を変えることができ、かつ予測不可能な長期の 屈折作用によってより多くの瘢痕が生じる。この項目で述べた実施形態では、リ ングの厚さは周囲を取り囲む組織のごくわずかな障害のみで調整される。調整の 性質により、角膜に関し、角膜組織に接触しているリングの面の回転運動は生じ ない。「回転運動」を明らかにはっきりとさせるため、初めにリングを層状チャ ネル間内に挿入するのに必要とされるものと同様の、リングの回転に言及するこ とを意味する。移植したリングの回転運動とともに、角膜リング界面が乱れる。 この項目で述べた実施形態では、角膜リング界面は実質上乱れない。リングの厚 さが減少すると、周辺組織にわずかなシフトが生じるのは当然である。結論とし て、既述の調整によってリングの厚さをわずかに減少させることは、非常に容易 であるばかりでなく、より多くの予測可能な別個の作用を得ることもできる。 Dr.R.Eifermanはthe Journal of Refrac tive and Corneal Surgery で、「もし我々が、角膜に 付加し、または角膜から減ずる組織の量を調節でき、また生物学的反応を制御で きるなら、我々はそのときに屈折矯正手術を最適化することができるだろう。」 と述べている。生物学的反応を制御する理想的な方法は、角膜組織をわずかに乱 すことであり、そのため創傷の治癒反応をわずかに誘発する。 Dr.K.Thompsonは同じ機関誌の中で、「屈折矯正手術の技術にお いて、角膜創傷治癒の様々な影響をすべて回避することが可能だろうか。」と尋 ねている。これは初期のどのような角膜屈折矯正法においてもありそうもないこ とであるが、本発明の調整可能な装置によれば、角膜組織をわずかに乱すことに よって生じる角膜創傷治癒の様々な影響を回避する調整が可能になる。 ほとんどの屈折矯正手術法では、必要な矯正を計算するためにノモグラムを使 用し、屈折矯正手術に対する個々の様々な反応が完全に明らかにされない。しば しば、すべての予測不可能性を伴う強化処置は、合併症の率および瘢痕形成の増 加を伴う残りの屈折障害の矯正に依存する。装置の様々な実施形態によれば、計 算された矯正に対する個々の組織の反応を完全に予測可能とすることはできず、 手術時に容易に調整することが可能になり、より重要なのは、後日、装置から簡 単にリングを除去し、またはリングを交換し、または選択的に区画を穿刺するこ とによって、角膜含水作用および創傷治癒反応が安定した後に調整することが容 易になることである。これらの調整の性質は、移植角膜界面をわずかに乱し(I CRの外植とは異なり)、そのため、RKやPRKなどの現行方法よりも創傷治 癒反応が少ないインプラント自体の移植よりも、より多くの予測可能な作用を有 することが期待される。さらに、近視を矯正するとき、結果的に生じる遠視状態 を現行の角膜屈折矯正法のいずれでも矯正することは非常に難しく、近視の過剰 矯正が行われる。本発明の好ましい実施形態によれば、結果的に生じる遠視は、 抜糸によって比較的容易に元に戻される。一般に、近視用のほとんどの角膜屈折 矯正法では、結果的に生じる遠視を回避したいために、外科医はわずかに不十分 な矯正を行うことを目標とする。本発明のインプラントを用いた遠視状態の調整 が容易であるため、外科医は完全な矯正を目標とすることができ、それによって ノモグラムの完全な利益が得られ、インプラントの調整がない場合であっても、 所望の屈折状態にある患者の割合がより高くなる。外科医は、わずかに過剰矯正 してその後に調整を行う方法を選択することさえ可能である。 任意の角膜屈折矯正手術法に対する個々の反応にはばらつきがあり、「完全」 なノモグラムでさえ特定の個体で信頼できる予測可能な結果には至らず、角膜弯 曲調整用の簡単で安全、かつ効果的な技術が望ましく、この調整は周辺組織をわ ずかに乱すべきであることが好ましく、そのため予測可能な作用が得られるとい う仮説が立てられる。またこの調整は、インプラントを移植した後であって、角 膜弯曲の変化に影響を及ぼす要因が安定した後の、手術後のいずれかの日に容易 に実施されるべきである。その様々な実施形態でのインプラントは、移植時に厚 さを容易に調整できることが有利であり、さらに重要なことは、折りにふれてそ の後、移植した装置から独立した量の生体適合性充填材料を単純に除去すること によって調整することが有利であって、そのため屈折状態を微調整することがで きる。 結論として、好ましい実施形態による調整可能な移植技術を用いた屈折障害の 矯正では、初期の不正確な矯正、不適当な調整、または最後のストランドの除去 でさえ、インプラント自体を除去することによって、またはさらに良いことには 、 レーザ剥離手術などのその他の屈折矯正法を使用することにした場合、それを考 える間は、インプラントを所定位置に残すことによって、容易に治すことができ る。 また、本発明の様々な実施形態の前述の説明は、例示および説明のみの目的で 提示され、本発明を、本明細書に記載される厳格な形の装置および実施方法に限 定することを意図するものではないことが理解される。したがって、以下の請求 の範囲に述べる本発明の精神から逸脱することなく、当業者によって変化を加え ることが可能であることが理解される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 08/856,650 (32)優先日 平成9年5月15日(1997.5.15) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,GH,GM,HU,ID,IL ,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC, LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,M K,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO ,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ, TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,Y U,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.角膜リングであって、 リングに形成された管状部材であり、生体適合性材料を含む前記管状部材と、 前記管状部材のキャビティ内のストランドであり、前記管状部材の長さに沿っ て少なくとも部分的に延びた前記ストランドと を含むことを特徴とする角膜リング。 2.少なくとも1本の追加のストランドをさらに含むことを特徴とする請求項1 に記載の角膜リング。 3.管状部材が柔軟な材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の角膜リング 。 4.ストランドが、ポリメチルメタクリレート、ナイロン、メルシレン、および ポリプロペレンからなる群から選択された材料を含むことを特徴とする請求項1 に記載の角膜リング。 5.管状部材が、管状部材の長さの少なくとも一部分に沿って強化用バックホー ンを含むことを特徴とする請求項1に記載の角膜リング。 6.管状部材が多孔性であることを特徴とする請求項1に記載の角膜リング。 7.管状部材が、管状部材のキャビティと外部との間で流体を交換するための複 数の開口を含むことを特徴とする請求項1に記載の角膜リング。 8.管状部材が、キャビティへのアクセスを提供するための開口を含むことを特 徴とする請求項1に記載の角膜リング。 9.ストランドの長さが管状部材の長さにほぼ等しいことを特徴とする請求項1 に記載の角膜リング。 10.ストランドが、少なくとも1つのより厚い部分を有することを特徴とする 請求項1に記載の角膜リング。 11.ストランドが管状部材内に折り重ねられたことを特徴とする請求項1に記 載の角膜リング。 12.ストランドの断面領域の周辺が角を形成することを特徴とする請求項1に 記載の角膜リング。 13.ストランドの断面領域の周辺が曲がっていることを特徴とする請求項1に 記載の角膜リング。 14.ストランドが、少なくとも一端にマーキングを含むことを特徴とする請求 項1に記載の角膜リング。 15.ストランドの厚さが調整可能であり、ストランドが1対の相補的なスプリ ットリングを含むことを特徴とする請求項1に記載の角膜リング。 16.ストランドが、ストランドをつかむための手段を含むことを特徴とする請 求項1に記載の角膜リング。 17.つかむ手段が、ストランドの少なくとも一端にループを含むことを特徴と する請求項16に記載の角膜リング。 18.眼の角膜弯曲を調整する方法であって、 角膜内に放射状の切開を行う段階と、 切開部で、角膜組織の層間に環状チャネルを形成する段階であって、前記チャ ネルが角膜の視覚帯の周りに延びる段階と、 切開部に、管状角膜リングの一端を挿入する段階であって、角膜リングが内部 キャビティ内に固体充填材料を含む段階と、 角膜リングが完全に挿入されるまで、角膜リングを環状チャネルのまわりに徐 々に動かす段階と を含むことを特徴とする方法。 19.固体充填材料が、角膜リングの少なくとも一部分に沿って延びる、少なく とも1本のストランド材料を含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。 20.角膜リングの半径方向の断面積を調整する段階をさらに含むことを特徴と する請求項19に記載の方法。 21.角膜リングの少なくとも一部分の厚さを調整する段階をさらに含むことを 特徴とする請求項19に記載の方法。 22.調整する段階が、少なくとも1本のストランドの少なくとも1つを除去す ることを含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。 23.調整する段階が、少なくとも1本のストランドの少なくとも1つを、より 厚いストランドで置き換えることを含むことを特徴とする請求項21に記載の方 法。 24.ストランドがより厚い部分を有し、角膜リング内でより厚い部分が置き換 わるように、調整する段階がストランドを動かすことを含むことを特徴とする請 求項21に記載の方法。 25.ストランドの厚さが調整可能であり、ストランドが1対の相補的なスプリ ットリングを含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。 26.調整する段階が、 少なくとも1本のストランドの少なくとも1つで、前記ストランドの第1の端 部と第2の端部とを接続してストランドリングを形成する段階と、 ストランドリングを引張る段階と を含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。 27.調整する段階が、引張られたストランドリングを切断することを含むこと を特徴とする請求項26に記載の方法。 28.調整する段階が、 管状部材内で、前記管状部材の第1の端部と第2の端部とを接続して管状リン グを形成する段階と、 管状リングを引張る段階と を含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。 29.眼の角膜弯曲を調整する方法であって、 第1の操作で角膜内に放射状の切開を行う段階と、 切開部で、角膜の層間に環状チャネルを形成する段階であって、前記チャネル が角膜の視覚帯の周りに延びる段階と、 切開部に、管状角膜リングの一端を挿入する段階であって、リングが、内部の 管状キャビティ内に固体材料の少なくとも1本のストランドを含む段階と、 リングが完全に挿入されるまで、角膜リングを環状チャネルのまわりに徐々に 動かす段階と 第2の操作で、少なくとも1本のストランドを動かすことによってリングの厚 さを調整する段階と を含むことを特徴とする方法。 30.第1の操作で、角膜リングの少なくとも一部分の厚さを調整する段階をさ らに含むことを特徴とする段階29の方法。 31.調整する段階が、前記ストランドの少なくとも1本を除去することを含む ことを特徴とする段階30の方法。 32.調整する段階が、前記ストランドの1本をより厚いストランドで置き換え ることを含むことを特徴とする請求項30に記載の方法。 33.リングに形成された管状部材であって、管状部材が生体適合性材料を含む 部材と、 複数の内部流体充填キャビティであって、各キャビティが管状部材の長さの少 なくとも一部分に沿って延びるキャビティと を含むことを特徴とする角膜リング。 34.前記キャビティの少なくとも1つの内部の流体が塩水を含むことを特徴と する請求項33に記載の角膜リング。 35.前記キャビティの少なくとも1つの内部の流体がゲルを含むことを特徴と する請求項33に記載の角膜リング。 36.眼の角膜弯曲を調整する方法であって、 角膜内に放射状の切開を行う段階と、 切開部で、角膜組織の層間に環状チャネルを形成する段階であって、前記チャ ネルが角膜の視覚帯の周りに延びる段階と、 切開部に、管状角膜リングの一端を挿入する段階であって、角膜リングが複数 の流体充填区画を含む段階と、 角膜リングが完全に挿入されるまで、角膜リングを環状チャネルのまわりに徐 々に動かす段階と を含むことを特徴とする方法。 37.前記区画の少なくとも1つが管状部材から分離することを特徴とする請求 項36に記載の方法。 38.角膜リングの少なくとも一部分の半径方向の断面領域を調整する段階をさ らに含むことを特徴とする請求項36に記載の方法。 39.調整する段階が、前記区画の少なくとも1つから少なくとも若干の流体を 除去することを含むことを特徴とする請求項38に記載の方法。 40.角膜リングの少なくとも一部分の厚さを調整する段階をさらに含むことを 特徴とする請求項36に記載の方法。 41.第2の操作で、少なくとも1つの区画から流体を除去することによってリ ングの厚さを調整する段階をさらに含むことを特徴とする請求項36に記載の方 法。
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