WO2010035349A1 - マイクロ波・ミり波通信装置 - Google Patents
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Abstract
Description
従来の一般的なマイクロ波・ミリ波通信装置は、各機能回路どうしを伝送線路で接続してRF送受信回路を成し、その送受信回路とアンテナとを給電線路で接続した構成となっている。例えば、発振器MMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit)チップと増幅器MMICチップとミキサMMICチップとマイクロストリップ型パッチアンテナとをマイクロストリップ線路で接続した構成などである。
このような、別個の機能回路を接続することで構成した通信装置においては、回路の高密度集積化に限界があり、また、とりわけミリ波帯では、それら機能回路間の接続部や伝送線路による損失が回路性能劣化の大きな原因となる。このような個別の機能回路を接続した通信装置の問題点に対し、アンテナとRF回路部とを集積化したアクティブアンテナ技術や、増幅素子を電磁波の放射構造と一体化した放射型発振器技術を利用して、単純構成、低コスト化、低消費電力化を目指した通信装置が提案されている。
例えば、導体パッチ内部に発振素子としてGUNNダイオードを搭載した放射型発振器技術を用いた通信装置(例えば、文献C.M.Montiel,L.Fan and K.Chang,“A Self−Mixing Active Antenna for Communication and Vehicle Identification Applications,”IEEE MTT−S Digest,pp.333−336,1996(非特許文献1)を参照)、キャパシタ部品にて容量結合した2つの半円形導体パッチの中央にトランジスタを配置し、さらに同じ導体パッチ内にバイアス用チップ抵抗器とショットキー・バリア・ダイオードを配置して、トランジスタを発振素子、ショットキー・バリア・ダイオードを受信波ダウンコンバート用ミキシング素子として放射型発振器を構成した通信装置(例えば、文献Robert A.Flynt,“Low Cost and Compact Active Integrated Antenna Transceiver for System Application”,MTT−10 vol.44 Oct.,1996(非特許文献2)を参照)、方形導体パッチにマイクロストリップ線路型トランジスタ発振回路および受信波増幅器回路を同一平面上で最短接続した構造のアクティブアンテナ技術を用いた通信装置(例えば、文献M.J.Cryan and P.S.Hall,“Integrated active antenna with simultaneous transmit−receive operation”,Electronics letters,Feb.1996 vol.32 No.4 pp.286−287(非特許文献3)を参照)、方形導体パッチにマイクロストリップ線路型トランジスタ発振回路を接続した構造のアクティブアンテナ技術を用いた通信装置(例えば、文献F.Carrez and J.Vindevoghel,“Integrated circuit array antenna for short−range communication systems”,Electronics letters,Jul.1998 vol.34,No.14 pp.1370−1371(非特許文献4)を参照)等がある。
前記非特許文献1に記載の通信装置では、GUNNダイオードの直流バイアスに高周波信号を重畳することで周波数変調を生じさせ、同じように作られた装置に照射し、注入同期現象を起こさせると同時に周波数変調成分を他方の放射型発振装置に伝達し、GUNNダイオード自身のミキシング動作により、高周波信号成分を通信している。変調信号成分は、バイアスティー回路から直流阻止キャパシタを介して直流バイアスに重畳あるいは分離している。また、前記非特許文献2に記載の通信装置は、その使用において、同じ通信装置を2台用いて対向させ、それぞれの発振放射信号が互いに影響を及ぼさないよう、互いの放射偏波面が90度異なるように装置を配置している。また、前記非特許文献3に記載の通信装置では、受信RF信号のダウンコンバートや復調動作については特に開示されていない。また、前記非特許文献4に記載の通信装置では、受信動作時はトランジスタのドレインに直流バイアスを与えずに単なるダイオード検波器として動作させ、送信動作時はそのトランジスタを発振させてゲートに変調信号を入力し周波数変調動作をするように構成されている。
しかしながら、非特許文献1に記載された構成では、伝送線路による電力損失は無いものの、GUNNダイオード自体のDC/RF変換効率がトランジスタに比べて非常に悪いため、消費電力が多くなり、高い放熱構造を採用しなければ安定動作を期せない。また、GUNNダイオードに供給する直流バイアス電流がトランジスタを用いた場合に比べて非常に大きいため、直流バイアスに変調信号成分を十分重畳するためには、大電流のドライバ回路や電流容量の大きいバイアスティーなどが必要となり、高コストにならざるを得ない。よって、非特許文献1に記載された発明は、単純構成・低コスト・高電力効率を期せる通信装置を実現し得るものではない。
また、非特許文献2に記載された構成では、複数のRF帯部品を導体パッチ内に配置しており、構成が複雑である。また、ショットキー・バリア・ダイオードによるミキシングは、発振信号をLO信号とした一般的なダウンコンバート動作であり、周波数変調などにおいて良好な通信を行うためには、発振周波数安定化回路や同期回路を備える必要があることから高コストとなる。よって、非特許文献2に記載された発明は、単純構成・低コスト・高電力効率を期せる通信装置を実現し得るものではない。
また、非特許文献3に記載された構成では、回路が複雑であり、方形導体パッチとマイクロストリップ線路との間に避け難い電磁界結合があり、それが放射出力、放射パターン、発振周波数特性に敏感に影響を及ぼすため、安定した通信装置として用いるのは現実的でない。また、IF信号やベースバンド信号を得るには、受信波増幅器回路の出力部に、ミキサや検波器を別途具備する必要があるため、高コストとなる。よって、非特許文献3に記載された発明は、単純構成・低コスト・高電力効率を期せる通信装置を実現し得るものではない。
また、非特許文献4に記載された構成では、回路が複雑であり、方形導体パッチとマイクロストリップ線路との間に避け難い電磁界結合があり、それが放射出力、放射パターン、発振周波数特性に敏感に影響を及ぼすため、安定した通信装置として用いるのは現実的でない。単一のトランジスタが送受信機能、変復調機能を有しているものの、受信信号が振幅変調、送信信号が周波数変調となっていることから、ベースバンド回路が複雑な構成になる。また、同じ装置どうしを対向させても通信はできず、通信の相手方として種類の異なる装置を別途用意する必要がある。よって、非特許文献4に記載された発明は、単純構成・低コスト・高電力効率を期せる通信装置を実現し得るものではない。
そこで、本発明は、マイクロ波・ミリ波無線通信の普及を妨げている複雑構成・高コスト・高消費電力という問題点を解決し、単純構成・低コスト・低消費電力のマイクロ波・ミリ波通信装置の提供を目的とする。
また、請求の範囲第2項に係る発明は、前記請求の範囲第1項に記載のマイクロ波・ミリ波通信装置において、前記放射型発振器の3電極高周波増幅素子における3電極は、被制御電流流入電極と被制御電流流出電極と制御電極であり、ベースバンド信号振幅に応じてバイアスを変化させるバイアス制御回路を、直流電源の供給路の高電位側と前記被制御電流流入電極との間、または直流電源の供給路の低電位側と前記被制御電流流出電極との間に設け、送信時には、前記バイアス制御回路により、前記放射型発振器の発振周波数を変化させる変調動作を行わせ、受信時には、前記バイアス制御回路を能動負荷として動作させることにより前記3電極高周波増幅素子のベースバンド周波数帯域負荷とし、被制御電流流入電極または被制御電流流出電極のバイアス変動からベースバンド信号振幅を得るようにしたことを特徴とする。
また、請求の範囲第3項に係る発明は、前記請求の範囲第1項に記載のマイクロ波・ミリ波通信装置において、前記放射型発振器の3電極高周波増幅素子における3電極は、被制御電流流入電極と被制御電流流出電極と制御電極であり、直流電源の供給路の高電位側と前記被制御電流流入電極との間、または直流電源の供給路の低電位側と前記被制御電流流出電極との間には、ベースバンド周波数帯域負荷を設け、送信時には、制御電極のバイアスをベースバンド信号振幅に応じて変化させることで、前記放射型発振器の発振周波数を変化させる変調動作を行わせ、受信時には、ベースバンド周波数帯域負荷により、被制御電流流入電極または被制御電流流出電極のバイアス変動からベースバンド信号振幅を得るようにしたことを特徴とする。
また、請求の範囲第4項に係る発明は、前記請求の範囲第1項に記載のマイクロ波・ミリ波通信装置において、前記放射型発振器の3電極高周波増幅素子における3電極は、被制御電流流入電極と被制御電流流出電極と制御電極であり、前記放射型発振器の共振キャビティにインピーダンス可変素子を設けてインピーダンス可変部を構成し、直流電源の供給路の高電位側と前記被制御電流流入電極との間、または直流電源の供給路の低電位側と前記被制御電流流出電極との間には、ベースバンド周波数帯域負荷を設け、送信時には、前記インピーダンス可変素子に印加するベースバンド信号振幅に応じて発振周波数を変化させる変調動作を行わせ、受信時には、ベースバンド周波数帯域負荷により、被制御電流流入電極または被制御電流流出電極のバイアス変動からベースバンド信号振幅を得るようにしたことを特徴とする。
請求の範囲第1項に係る発明によれば、共振キャビティに負性抵抗を発生するように3電極高周波増幅素子を集積化させるとともに、電磁波を空間へ放射する機能を共用させるように放射型発振器を構成し、送信時には、前記放射型発振器の発振周波数をベースバンド信号振幅に応じて変化させて周波数変調した放射波を送信RF信号とし、受信時には、ベースバンド信号振幅に応じて周波数変調されている外部から到来した受信RF信号に、前記放射型発振器の発振が注入同期され、受信RF信号の周波数変化と同じ前記放射型発振器の発振周波数変化が生じ、その発振周波数変化による前記3電極高周波増幅素子のバイアス変化からベースバンド信号振幅を得ることで、復調動作を行うようにしたので、送受信アンテナと発振回路と注入同期動作による周波数変復調回路とが渾然一体となった極めて単純な構成のマイクロ波・ミリ波通信装置を実現できる。
しかも、品質管理を考えた場合、極めて単純な構成であることは、特性ばらつきを抑制し、製造上の高い歩留まりを確保する上で有利であり、高信頼性を確保する上でも有利である。特に、精密で微細な薄膜加工技術を必要とするミリ波帯装置の製造においては、装置構成が単純であることは品質管理上非常に有利である。また、極めて単純な構造であることから、設計上の自由度が高く、設計工程における工数を低減してコストを抑える上でも有利である。加えて、注入同期動作により送信機と受信機との間の同期は確保されることから、周波数安定度の高い発振回路は必要なく、周波数弁別器などの復調回路を別途備える必要もないので、低コスト化に好適である。
さらに、給電線路の伝送損失が無く、低損失高感度であることから、注入同期動作による通信を高性能に実現でき、DC/RF変換効率が高く、低消費電力特性である。また、共振キャビティの形状により、周波数キャプチャレンジやロックレンジ、高速追従性などを制御することができ、同期性能についての設計自由度を簡易に確保できる。
以上の利点により、請求の範囲第1項に係るマイクロ波・ミリ波通信装置は、同機能の通信装置を従来技術で構成した場合に比べ、極めて単純、低コスト、低消費電力を効果的に実現できる。
また、請求の範囲第2項に係る発明によれば、前記放射型発振器の3電極高周波増幅素子における3電極は、被制御電流流入電極と被制御電流流出電極と制御電極であり、ベースバンド信号振幅に応じてバイアスを変化させるバイアス制御回路を、直流電源の供給路の高電位側と前記被制御電流流入電極との間、または直流電源の供給路の低電位側と前記被制御電流流出電極との間に設け、送信時には、前記バイアス制御回路により、前記放射型発振器の発振周波数を変化させる変調動作を行わせ、受信時には、前記バイアス制御回路を能動負荷として動作させることにより前記3電極高周波増幅素子のベースバンド周波数帯域負荷とし、被制御電流流入電極または被制御電流流出電極のバイアス変動からベースバンド信号振幅を得るようにしたので、簡易な構造で比較的廉価にマイクロ波・ミリ波通信装置を生産できる。
また、請求の範囲第3項に係る発明によれば、前記放射型発振器の3電極高周波増幅素子における3電極は、被制御電流流入電極と被制御電流流出電極と制御電極であり、直流電源の供給路の高電位側と前記被制御電流流入電極との間、または直流電源の供給路の低電位側と前記被制御電流流出電極との間には、ベースバンド周波数帯域負荷を設け、送信時には、制御電極のバイアスをベースバンド信号振幅に応じて変化させることで、前記放射型発振器の発振周波数を変化させる変調動作を行わせ、受信時には、ベースバンド周波数帯域負荷により、被制御電流流入電極または被制御電流流出電極のバイアス変動からベースバンド信号振幅を得るようにしたので、簡易な構造で比較的廉価にマイクロ波・ミリ波通信装置を生産できる。
また、請求の範囲第4項に係る発明によれば、前記放射型発振器の3電極高周波増幅素子における3電極は、被制御電流流入電極と被制御電流流出電極と制御電極であり、前記放射型発振器の共振キャビティにインピーダンス可変素子を設けてインピーダンス可変部を構成し、直流電源の供給路の高電位側と前記被制御電流流入電極との間、または直流電源の供給路の低電位側と前記被制御電流流出電極との間には、ベースバンド周波数帯域負荷を設け、送信時には、前記インピーダンス可変素子に印加するベースバンド信号振幅に応じて発振周波数を変化させる変調動作を行わせ、受信時には、ベースバンド周波数帯域負荷により、被制御電流流入電極または被制御電流流出電極のバイアス変動からベースバンド信号振幅を得るようにしたので、簡易な構造で比較的廉価ながら変調動作時に発振出力電力の変動が少ないマイクロ波・ミリ波通信装置を生産できる。
図2は、第1実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置の回路構成図である。
図3は、放射型発振器における導体パッチおよびマイクロ波トランジスタの構成説明図である。
図4は、注入同期状態におけるマイクロ波・ミリ波通信装置で周波数変調されたRF放射信号のスペクトラムである。
図5は、マイクロ波・ミリ波通信装置にて復調されたベースバンド信号の時間波形図である。
図6は、100kHz方形波であるベースバンド信号をマイクロ波・ミリ波通信装置で復元した時間波形図である。
図7は、第1実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置の他の回路構成図である。
図8(a)、(b)、(c)は、第2実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置の模式図である。
図9は、第2実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置の回路構成図である。
図10は、第2実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置の他の回路構成図である。
図11(a)、(b)、(c)は、第3実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置の模式図である。
図12は、第3実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置の回路構成図である。
図13は、第3実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置の他の回路構成図である。
図14(a)、(b)は、本発明に適用可能な共振キャビティの第1構成例の模式図である。
図15(a)、(b)は、本発明に適用可能な共振キャビティの第2構成例の模式図である。
図16(a)、(b)は、本発明に適用可能な共振キャビティの第3構成例の模式図である。
図17(a)、(b)は、本発明に適用可能な共振キャビティの第4構成例の模式図である。
図18(a)、(b)は、本発明に適用可能な共振キャビティの第5構成例の模式図である。
図19(a)、(b)は、本発明に適用可能な共振キャビティの第6構成例の模式図である。
図20(a)、(b)は、本発明に適用可能な共振キャビティの第7構成例の模式図である。
図21(a)、(b)は、本発明に適用可能な共振キャビティの第8構成例の模式図である。
図22(a)、(b)は、本発明に適用可能な共振キャビティの第9構成例の模式図である。
図23(a)、(b)は、本発明に適用可能な共振キャビティの第10構成例の模式図である。
図24(a)、(b)は、本発明に適用可能な共振キャビティの第11構成例の模式図である。
図25(a)、(b)本発明に適用可能な共振キャビティの第12構成例の模式図である。
〈マイクロ波・ミリ波通信装置の第1実施形態〉
図1は、第1実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置の概略構成を示すもので、図1(a)は放射型発振器基板S1の表面図、図1(b)は図1(a)におけるA−A′線の矢視断面図、図1(c)は放射型発振器基板S1の裏面図である。図2は、第1実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置の概略回路図である。このマイクロ波・ミリ波通信装置は、放射型発振器基板S1と、これに直流バイアス給電を行う電源装置と、放射型発振器基板S1にベースバンド信号を供給し、また放射型発振器基板S1から出力されるベースバンド信号を取得して適宜信号処理を行うベースバンド信号処理部から構成される。
ここで、放射型発振器基板S1は、「共振キャビティに負性抵抗を発生するように3電極高周波増幅素子を集積化させるとともに、電磁波を空間へ放射するアンテナ機能を共用させる放射型発振器」として機能している。また、3電極高周波増幅素子は、小さな電圧または電流によって大きな電流を制御することで増幅機能を実現する素子であり、単体のトランジスタ素子や、単体のトランジスタを複数用いて構成した素子を含むと共に、単体で取り扱えるパーツに限らず、半導体プロセスで半導体ウェハに作り込んだものも含む。この3電極高周波増幅素子における制御電極は、制御電圧を加えたり、制御電流を流入(または流出)させたりする電極で、ゲートやベースに相当する。また、被制御電流流入電極は制御される電流が流入する電極で、被制御電流流出電極は制御される電流が流出する電極であり、素子構造がN型かP型かに応じて、一方がドレインやコレクタに、他方がソースやエミッタに相当する。
放射型発振器基板S1は、3層基板の表面層16と内層GND12と表面側誘電体基板10とで放射型発振器のRF回路部を構成し、内層GND12と裏面層17と裏面側誘電体基板11とでRFチョーク回路の一部およびベースバンド回路を構成する。
表面側誘電体基板10の表面側には、一対の導体パッチ4,4を軸対象に設けて放射面を形成すると共に、これら一対の導体パッチ4,4の間に配置した3電極高周波増幅素子たる高周波トランジスタ1の制御電極たるゲート2および被制御電流流入電極たるドレイン3を導体パッチ4,4に各々接続し、ゲート2にはゲート直流バイアス供給用のRFチョーク回路5aが接続されている。このRFチョーク回路5aには、直流ゲート電圧供給端子15を介して図示を省略した直流電源から給電される。また、ドレイン3には、導体パッチ4およびドレインバイアス供給用のRFチョーク回路5bが接続されている。RFチョーク回路5bと直流ドレイン電圧供給端子6との間には、バイアス制御回路7が直列に接続されている。バイアス制御回路7にはベースバンド信号入力端子18が接続されている。ベースバンド信号出力端子14は、ドレイン側RFチョーク回路とバイアス制御回路7との間に接続されている。被制御電流流出電極たるソース8は発振条件を満たすインピーダンスの線路9を介して接地されている。トランジスタ1と導体パッチ4とRFチョーク回路の一部と線路9は表面層16(RF放射側の面)に形成されており、RFチョーク回路の残りの部分とバイアス制御回路7は裏面層17に形成されている。RFチョーク回路にはスルーホール部13が含まれる。
ここで、導体パッチ4は、共振器、送信アンテナ、さらに受信アンテナとして機能すると共に、帰還回路を構成している共振キャビティの一部である。この導体パッチ4の面積・形状設定等と前記高周波トランジスタへの直流給電により波長λであるRF帯の送信RF信号を発振放射する放射型発振器を実現する。なお、高周波トランジスタ1は負性抵抗を有する3電極高周波増幅素子である。
図3は、一対の軸対称な導体パッチ4を示すもので、各導体パッチ4は、高周波トランジスタ1のゲート2またはドレイン3に接続される等傾斜角の尖鋭部を具備し、これら先鋭部が互いに近接配置され、この先鋭部を経て幅Wが等しくなる平行部の長さをD、一対の導体パッチ4の一方端から他方端までの全体の長さ(全長)をLとする。
斯く構成した導体パッチ4において、高周波トランジスタ1のゲート2またはドレイン3が接続される尖鋭部の広がり角θを調整することで、高周波トランジスタ1と共振器との結合強度を調整でき、また、全長L、幅W、平行部の長さDを適宜に選択することで、発振条件の設定に必要な諸条件の選択の自由度が得られる。また、図示を省略したが、導体パッチ4と内層GND12との間隔h(実質的には、表面側誘電体基板10の厚さ)は、発振波長λの1/15~1/5倍の間で設定することにより、安定な発振状態を確保できる。なお、導体パッチ4の構成は特に限定されるものではなく、表面側誘電体基板10および内層GND12とで、発振RF信号に適した共振キャビティを構成できれば、如何様な構造でも構わない。共振キャビティの改変例については、後に説明する。
バイアス制御回路7は、ベースバンド信号入力端子18に入力される信号に応じて、高周波トランジスタ1のドレインバイアスを制御できる回路である。本実施形態では、バイアス制御回路7にトランジスタ20を用いた(図2を参照)。トランジスタ20は、マイクロ波・ミリ波帯で動作するトランジスタである必要は無く、本実施形態ではベースバンド周波数帯域で動作する汎用バイポーラトランジスタを用いた。また、バイアス制御回路7は、単体のトランジスタによる回路である必要は無く、複数のトランジスタを使用した集積回路でもよい。
上記のように構成した放射型発振器基板S1を動作させるには、直流ゲート電圧供給端子15と直流ドレイン電圧供給端子6に直流電源をそれぞれ接続し、ベースバンド信号入力端子18はベースバンド信号処理部に接続され、放射型発振が起きる適当な電圧をそれぞれの端子に供給する。なお、自己バイアスするなどしてゲートバイアスを設定した場合は、ゲート直流バイアス供給用の直流電源は不要である。
本実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置における送信動作を説明する。ベースバンド信号入力端子18から入力したベースバンド送信信号に応じて、バイアス制御回路7を構成しているトランジスタ20のコレクタ電流が変化し、すなわち、高周波トランジスタ1のドレインバイアスが変化し、発振周波数が変化することで周波数変調を実現し、その放射波が送信RF信号となることで、送信動作が行われる。この周波数変調動作は、高周波トランジスタ1のドレインバイアス値をベースバンド信号振幅に応じて変化させ、トランジスタ自身が持つ容量成分や誘導成分のバイアス依存性を利用して共振キャビティの共振周波数を変化させ、発振周波数を変化させることで実現される。
本実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置における受信動作を説明する。外部から到来した周波数変調されたRF信号に本装置の発振信号が同期し、その周波数変調による周波数変化は高周波トランジスタ1のドレインバイアス変化として生じ、その変化を電圧振幅変化としてベースバンド信号出力端子14から取り出すことで、受信動作が行われる。このとき、バイアス制御回路7は能動負荷として動作させておく。能動負荷(定電流回路)として動作させるには、バイアス制御回路7を構成しているトランジスタ20に一定のコレクタ電流が流れるように、バイアス状態を一定に保てばよい。本実施形態の場合は、ベースバンド信号入力端子18の電位を変化させずに一定の電位とすれば、バイアス制御回路7を能動負荷として機能させることができる。
次に、本実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置を2台対向させて通信させた場合の送受信動作を詳細に説明する。
まず、送信側のマイクロ波・ミリ波通信装置に入力するベースバンド信号を方形波のデジタル信号とし、「0(Lo)」時の電圧をV1、「1(Hi)」時の電圧をV2とする。「0」時の発振周波数をf1、「1」時の発振周波数をf2としてFSK(周波数シフトキーイング)変調動作をさせる。すると、f1またはf2の周波数の信号が、送信RF信号として放射される。
一方、受信側のマイクロ波・ミリ波通信装置の発振はそれに同期し、f1またはf2の周波数で発振動作をする。受信側の装置においては、f1で発振している時とf2で発振している時とで、高周波トランジスタのドレインバイアスに違いが生じ、それぞれバイアス電圧V1′、V2′とすれば、V1′が「0」、V2′が「1」に対応している。よって、ベースバンド信号の情報伝送は実現されており、このドレインバイアスの変化から所望の電圧変化を得れば、デジタル信号の方形波が復調される。この復調動作は、周波数変化を振幅変化に変換する機能であり、一般には周波数弁別器機能(ディスクリミネータ)のことである。
なお、ここでは説明のためにFSKを変調方式の例にしたが、音声FMのようなアナログ変調でも同様の動作で情報伝送を行うことができる。また、ベースバンド信号とは、一般のデジタルデータ信号やアナログ音声信号などであり、変調されたIF信号(中間周波信号)ではない。例えば、「0」が−0.5[V]、「1」が+1.0[V]の方形波のデジタル信号などがベースバンド信号にあたる。
本実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置を2台用意し、実際に通信実験を行った結果を図4,図5,図6に示す。図4は、注入同期状態における周波数変調されたRF放射信号のスペクトラムである。図5は、本装置にて復調されたベースバンド信号の時間波形である。送信側の通信装置に入力したベースバンド送信信号は100kHzの正弦波であり、RF発振周波数は約8.775GHz、周波数偏移は約40MHzである。本通信装置の発振はフリーランニング動作であり、フェイズロックループなどの周波数安定化回路を特に備えてはいないが、図5に示すように、100kHzの正弦波のベースバンド信号が復元できている。ベースバンド信号は正弦波に限らず、方形波、三角波などでも同様に復元できる。図6は、100kHz方形波の場合の復元されたベースバンド信号の時間波形である。
このように、本実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置は、送受信アンテナと発振回路と注入同期動作による周波数変復調回路とが渾然一体となった極めて単純な構成であることから、給電線路の伝送損失が無く低消費電力であり、高効率放射特性すなわち高効率受信特性であり注入同期しやすい構成であり、周波数弁別器などの復調器を別途備える必要がなく、フェイズロックループなどによる周波数安定度の高い発振回路は必要ない。よって、これらの相乗効果により、同機能の通信装置を従来技術で構成した場合に比べ、極めて単純、低コスト、低消費電力のマイクロ波・ミリ波通信装置を実現できる。
特に、本実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置は、ベースバンド信号振幅に応じてバイアスを変化させるバイアス制御回路7を、直流電源の供給路の高電位側と被制御電流流入電極であるドレインとの間に設け、送信時には、バイアス制御回路7により、放射型発振器の発振周波数を変化させる変調動作を行わせ、受信時には、バイアス制御回路7を能動負荷として動作させることにより高周波トランジスタ1のベースバンド周波数帯域負荷とし、ドレインのバイアス変動からベースバンド信号振幅を得るようにしたので、簡易な構造で比較的廉価にマイクロ波・ミリ波通信装置を生産できるという利点がある。
なお、図7に示す放射型発振器基板S1′のように、バイアス制御回路7は、直流電源の供給路の低電位側と被制御電流流出電極であるソースとの間に設けるようにしても構わない。なぜなら、ドレインに流入する電流とソースから流出する電流はほぼ同じであり、直流電源の供給路の高電位側とソースとの間にバイアス制御回路7設けて、ソースバイアスの変化を与えたり変化を得たりする場合も、直流電源の供給路の低電位側とドレインとの間にバイアス制御回路7を設けてドレインバイアスの変化を与えたり変化を得たりする場合も、同様の変復調動作を実現できるからである。なお、直流電源の供給路の低電位側とドレインとの間にバイアス制御回路7を設けた場合,線路9からベースバンド信号処理部にRF信号が漏れるなどの理由により、必要であれば、線路9をRFチョーク回路5aやRFチョーク回路5bなどと同様の回路に変更しても良い。
〈マイクロ波・ミリ波通信装置の第2実施形態〉
次に、第2実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置を、図8および図9に基づいて説明する。図8は、第2実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置の概略構成を示すもので、図8(a)は放射型発振器基板S2の表面図、図8(b)は図8(a)におけるA−A′線の矢視断面図、図8(c)は放射型発振器基板S2の裏面図である。図9は、第2実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置の概略回路図である。
このマイクロ波・ミリ波通信装置は、放射型発振器基板S2と、これに直流バイアス給電を行う電源装置と、放射型発振器基板S2にベースバンド信号を供給し、また放射型発振器基板S2から出力されるベースバンド信号を取得して適宜信号処理部を行うベースバンド信号処理部から構成される。本実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置は、前述した第1実施形態のマイクロ波・ミリ波通信装置において、ベースバンド信号の入力位置を変えたものである。なお、第1実施形態にて示したマイクロ波・ミリ波通信装置と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
放射型発振器基板S2においては、ベースバンド信号入力端子18は高周波トランジスタ1のゲート2に接続されている。また、RFチョーク回路5bと直流ドレイン電圧供給端子6との間には、ベースバンド周波数帯域負荷として能動負荷回路7′が直列に接続されている。
前述した第1実施形態のマイクロ波・ミリ波通信装置の変調動作で高周波トランジスタ1のドレインバイアスを変化させているのに対し、本実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置の変調動作は、ゲートバイアスを変化させることで行われる。ゲートバイアスが変化し、発振周波数が変化することで周波数変調を実現し、その放射波が送信RF信号となる。この周波数変調動作は、高周波トランジスタ1のゲートバイアス値をベースバンド信号振幅に応じて変化させ、トランジスタ自身が持つ容量成分や誘導性分のバイアス依存性を利用して共振キャビティの共振周波数を変化させ、発振周波数を変化させることで実現される。
本実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置の復調動作は、第1実施形態のマイクロ波・ミリ波通信装置と同じであるが、ドレインバイアスを変化させる必要は無く、よって、第1実施形態のマイクロ波・ミリ波通信装置のようにバイアス制御回路7を設ける必要も無く、高周波トランジスタのドレイン側には負荷を設けるだけでよいため、本実施形態では、図9に示すように、接合型電界効果トランジスタのIdssを利用した能動負荷回路7′を設けた。
なお、ベースバンド周波数帯域負荷としては、能動負荷回路7′の代わりに、ベースバンド周波数帯域で作用する抵抗やコイルなどの受動素子による負荷を用いてもよい。しかし、高い抵抗値の抵抗を負荷として用いると、その抵抗による電圧ドロップが大きく、その抵抗内での消費電力が圧倒的になり、本発明の通信装置の特徴である低消費電力特性が生かされない。上記の高抵抗によると消費電力増大を回避しつつ大きなベースバンド信号電圧を得るためには、ドレイン側RFチョークと直流電源との間に、抵抗よりも低電圧ドロップの能動負荷回路を設け、その高インピーダンスを負荷として利用することが望ましい。
このように、第2実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置は、送受信アンテナと発振回路と注入同期動作による周波数変復調回路とが渾然一体となった極めて単純な構成であることから、給電線路の伝送損失が無く低消費電力であり、高効率放射特性すなわち高効率受信特性であり注入同期しやすい構成であり、周波数弁別器などの復調器を別途備える必要がなく、フェイズロックループなどによる周波数安定度の高い発振回路は必要ない。よって、それらの相乗効果により、同機能の通信装置を従来技術で構成した場合に比べ、極めて単純、低コスト、低消費電力のマイクロ波・ミリ波通信装置を実現できる。
特に、本実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置は、直流電源の供給路の高電位側と被制御電流流入電極であるドレインとの間にベースバンド周波数帯域負荷である能動負荷回路7′を設け、送信時には、制御電極であるゲートのバイアスをベースバンド信号振幅に応じて変化させることで、放射型発振器の発振周波数を変化させる変調動作を行わせ、受信時には、能動負荷回路7′により、ドレインのバイアス変動からベースバンド信号振幅を得るようにしたので、簡易な構造で比較的廉価にマイクロ波・ミリ波通信装置を生産できるという利点がある。
なお、図10に示す放射型発振器基板S2′のように、ベースバンド周波数帯域負荷である能動負荷回路7′は、直流電源の供給路の低電位側と被制御電流流出電極であるソースとの間に設けるようにしても構わない。なぜなら、ドレインに流入する電流とソースから流出する電流はほぼ同じであり、直流電源の供給路の高電位側とソースとの間に能動負荷回路7′設けて、ソースバイアスの変化を与えたり変化を得たりする場合も、直流電源の供給路の低電位側とドレインとの間に能動負荷回路7′を設けてドレインバイアスの変化を与えたり変化を得たりする場合も、同様の変復調動作を実現できるからである。なお、直流電源の供給路の低電位側とドレインとの間に能動負荷回路7′を設けた場合、線路9からベースバンド信号処理部にRF信号が漏れるなどの理由により、必要であれば、線路9をRFチョーク回路5aやRFチョーク回路5bなどと同様の回路に変更しても良い。
〈マイクロ波・ミリ波通信装置の第3実施形態〉
次に、第3実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置を、図11および図12に基づいて説明する。図11は、第3実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置の概略構成を示すもので、図11(a)は放射型発振器基板S3の表面図、図11(b)は図11(a)におけるA−A′線の矢視断面図、図11(c)は放射型発振器基板S3の裏面図である。図12は、第3実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置の概略回路図である。
このマイクロ波・ミリ波通信装置は、放射型発振器基板S3と、これに直流バイアス給電を行う電源装置と、放射型発振器基板S3にベースバンド信号を供給し、また放射型発振器基板S3から出力されるベースバンド信号を取得して適宜信号処理部を行うベースバンド信号処理部から構成される。本実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置は、前述した第1,第2実施形態のマイクロ波・ミリ波通信装置がベースバンド信号によって高周波トランジスタ1のバイアスを変化させて周波数変調しているのに対し、ベースバンド信号によって共振キャビティに設けたインピーダンス可変部のインピーダンスを変化させて周波数変調を行うものである。なお、第1,第2実施形態にて示したマイクロ波・ミリ波通信装置と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
導体パッチ4付近に、発振信号と共振しないような、波長に比べて十分小さい寸法の導体パターン100を設け、その導体パターンにインピーダンス可変素子としてバラクタダイオード101(容量可変ダイオード)が接続されている。これら導体パターン100とバラクタダイオード101によりインピーダンス可変部を構成している。導体パターン100は、基板上の導体パッチ4と同一層(同一面)に設ける必要はなく、内層に設けてもよい。バラクタダイオード101のカソードは導体パターン100に、アノードは内層GND12にスルーホール102を介して接続されている。バラクタダイオード101に印加するベースバンド信号は、ベースバンド信号入力端子18からRFチョーク回路5cを通してカソードに入力される。
本実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置においてRF発振周波数を決定する共振キャビティは、内層GND12と表面側誘電体基板10の厚みと導体パッチ4とで構成されており、発振信号の電磁界は表面側誘電体基板10の導体パッチ4付近に集中していることから、導体パッチ4付近にインピーダンス可変部を設け、そのインピーダンスを変化させることで発振周波数を変化させる。なお、導体パターン100の寸法を、発振波長に比べて十分小さくせずに同程度とした場合でも周波数変調は問題なく行えるが、本実施形態では、放射指向性に影響を与えないよう波長に比べて十分小さい寸法の導体パターン100を設けている。また、インピーダンス可変部を構成するインピーダンス可変素子は容量可変素子に限らす、インダクタンス可変素子でもよい。
このように、第3実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置は、送受信アンテナと発振回路と注入同期動作による周波数変復調回路とが渾然一体となった極めて単純な構成であることから、給電線路の伝送損失が無く低消費電力であり、高効率放射特性すなわち高効率受信特性であり注入同期しやすい構成であり、周波数弁別器などの復調器を別途備える必要がなく、フェイズロックループなどによる周波数安定度の高い発振回路は必要ない。よって、それらの相乗効果により、同機能の通信装置を従来技術で構成した場合に比べ、極めて単純、低コスト、低消費電力のマイクロ波・ミリ波通信装置を実現できる。
特に、本実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置は、放射型発振器の共振キャビティにインピーダンス可変素子であるバラクタダイオード101を設けてインピーダンス可変部を構成し、直流電源の供給路の高電位側と被制御電流流入電極であるドレインとの間には、ベースバンド周波数帯域負荷である能動負荷回路7′を設け、送信時には、バラクタダイオード101に印加するベースバンド信号振幅に応じて発振周波数を変化させる変調動作を行わせ、受信時には、能動負荷回路7′により、ドレインのバイアス変動からベースバンド信号振幅を得るようにしたので、簡易な構造で比較的廉価ながら変調動作時に発振出力電力の変動が少ないマイクロ波・ミリ波通信装置を生産できるという利点がある。
なお、図13に示す放射型発振器基板S3′のように、ベースバンド周波数帯域負荷である能動負荷回路7′は、直流電源の供給路の低電位側と被制御電流流出電極であるソースとの間に設けるようにしても構わない。なぜなら、ドレインに流入する電流とソースから流出する電流はほぼ同じであり、直流電源の供給路の高電位側とソースとの間に能動負荷回路7′を設けて、ソースバイアスの変化を与えたり変化を得たりする場合も、直流電源の供給路の低電位側とドレインとの間に能動負荷回路7′を設けてドレインバイアスの変化を与えたり変化を得たりする場合も、同様の変復調動作を実現できるからである。なお、直流電源の供給路の低電位側とドレインとの間に能動負荷回路7′を設けた場合,線路9からベースバンド信号処理部にRF信号が漏れるなどの理由により、必要であれば、線路9をRFチョーク回路5aやRFチョーク回路5bなどと同様の回路に変更しても良い。
以上、第1~第3実施形態に基づき本発明のマイクロ波・ミリ波通信装置を説明したが、その復調動作は、外部から到来した周波数変調されたRF信号に、本通信装置の発振が注入同期されていることが前提となる。仮に、同期がなされておらず、到来したRF信号の周波数と本通信装置の発振周波数が異なっている場合を考えると、ベースバンド信号を得ることはできずにIF信号が得られる。これは、送受信相互間で同期がなされていない場合は、本通信装置が単なるダウンコンバータミキサとして機能していることを意味しており、IF信号からベースバンド信号を得るためには、復調機能として別途周波数弁別器などが必要となり、また、高い発振周波数安定度が必要となる。いわば、本発明に係るマイクロ波・ミリ波通信装置は、注入同期により復調動作が可能となることから、「共振キャビティに負性抵抗を発生するように3電極高周波増幅素子を集積化させるとともに、電磁波を空間へ放射する機能を共用させるように構成した放射型発振器」自体が周波数弁別器の機能を有しているのである。
また、上述した各実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置において、放射型発振器を構成するための3電極高周波増幅素子として用いる高周波トランジスタ1は、MOS−FETを含むIG−FET(Insulated Gate FET)、HEMT(High Electron Mobility Transistor)、MESFET(Metal−Semiconductor FET)などの電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)、またはHBT(Hetero−junction Bipolar Transistor)などのバイポーラトランジスタ(BJT:Bipolar Junction Transistor)などで、小さな電圧または電流によって大きな電流を制御する増幅機能を有していれば、その種類は特に限定されるものではない。
さらに、3電極高周波増幅素子の内部構造も特に限定されるものではなく、ダーリントン接続型トランジスタやカスケード接続型トランジスタのような、単体トランジスタを複数組み合わせた構造の素子でもよい。例えば、ダーリントン接続型トランジスタを用いた場合には、単体のトランジスタでは実現できない高い電流増幅率を得られるという利点がある。
また、上述した各実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置は、HMIC(混成マイクロ波集積回路:hybrid microwave integrated circuit)で実現してもよいし、MMIC(モノリシックマイクロ波集積回路:Monolithic Microwave integrated circuit)で実現してもよい。また、LTCC(Low Temperature Co−fired Ceramics)などを用いた3次元形態の集積回路で実現してもよい。すなわち、第1~第3実施形態で示した放射型発振器基板S1~S3に如く、独立したパーツである高周波トランジスタ1を基板上へ搭載する必要はなく、共振キャビティ(導体パッチなど)と共に同一半導体プロセスで半導体ウェハに3電極高周波増幅素子をモノリシックに作り込むようにしても構わない。特に、ミリ波帯電波は波長が短いことから共振キャビティのサイズも小さくなるので、3電極高周波増幅素子をモノリシックな形態(MMIC)で作り込めば、更なる小型・軽量化を図ることができるし、高精度な半導体プロセス技術により高品位で高い生産性を実現できるという利点もある。
また、上述した各実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置において、RFチョーク回路の機能は、RF信号が直流電源側に漏れるのを防ぐ事であるが、たとえRF信号が直流電源側に漏れたとしても、その漏れによる損失を上回る負性抵抗を高周波トランジスタ1により得ることができれば、放射型発振器は動作可能である。よって、RFチョーク回路を設けない放射型発振器により本発明を構成しても、マイクロ波・ミリ波通信装置を実現できる。また、RFチョーク回路を構成するために、3層基板構造の放射型発振器基板を用いる必要もない。
また、上述した各実施形態に係るマイクロ波・ミリ波通信装置においては、放射型発振器基板に一対の略扇形導体パッチ4を備えるものとしたが、共振キャビティを構成する導体パッチの形状は特に限定されるものではないし、一対の軸対象な導体パッチを必須とするものでもない。以下、本発明に適用可能な共振キャビティの改変例について説明する。
図14は矩形状の導体パッチ4aを軸対象に一対設けた第1改変例で、図15は矩形状の導体パッチ4bを軸対象に一対設けた第2改変例で、図16は、円形の導体パッチ4cを軸対象に一対設けた第3改変例である。その他、三角形などの多角形や、楕円形、扇形などの導体パッチでもよい。図14~図16には、主な偏波面を表すために、電界の向きを矢印Eで示した。GND導体面255は、導体パッチ4a~4cにとって、内層GND12に相当する。誘電体基板259は、導体パッチ4a~4cにとって、表面側誘電体基板10に相当する。導体パッチ4a~4cおよびGND導体面255、誘電体基板259は、共振キャビティを構成し、発振動作のための帰還回路の一部を構成しているが、その帰還が適切に得られさえすれば、誘電体基板259やGND導体面255は必ずしも設ける必要はない。例えば、導体パッチを板金加工で作製し、その導体パッチ板を保持する機構があれば、誘電体基板259の部分は中空でもよい。また、図17に示す第4改変例のように、上記帰還を促すためのチップキャパシタなどの帰還用部品248を導体パッチ4b上に搭載してもよい。なお、GND導体面255が無い場合の放射は、導体パッチ板の両面方向になされるため、この両面放射を利用すれば、GND導体面255がある場合よりも広角度にわたって通信範囲を確保することもできる。
図18に示す第5改変例は、略扇形状の導体パッチ4,4の周囲に、GND導体面256と、そのGND導体面256とGND導体面255を接続するスルーホール35を設けて、誘電体基板259内部を信号が伝達して基板の端から漏れ出て損失となるのを防止した例である。GND導体面256の寸法・形状を適当に設定すれば、誘電体基板259内部を信号が伝達する代わりに、その損失分の信号エネルギーを本来の放射エネルギーとして利用できる。
図19に示すのは、矩形状の導体パッチ4d、4dと、これら導体パッチ4d、4dと適宜な空隙244を保って配置した接地導体面256dとにより、発振用の共振キャビティを構成した第6改変例である。
図20に示すのは、高周波トランジスタ1に接続される矩形状の導体パッチ4e1,24e1の付近に、高周波トランジスタ1とは接続されていない矩形状の導体パッチ4e2,4e2を設け、導体パッチ4e1と導体パッチ4e2との間および接地導体面256eとを空隙244eで隔てて、発振用の共振キャビティを構成した第7改変例である。
図21に示すのは、半楕円状の導体パッチ4f,4fと、これら導体パッチ4f,4fと適宜な空隙244fを保って配置した接地導体面256fとにより、発振用の共振キャビティを構成した第8改変例である。この空隙244fの幅は、場所に応じて変化させ、発振条件を満たすようにする。
導体パッチおよび空隙の形状は、上述した図18~図21に示した構成例に限定されるものではなく、発振条件を満たしていれば、如何様な構成であっても、本発明に適用可能である。また、導体パッチおよび空隙、GND導体面、誘電体基板は、発振動作のための帰還回路の一部を構成しているが、その帰還が適切に得られさえすれば、誘電体基板259やGND導体面255は必ずしも設ける必要はない。なお、GND導体面255が無い場合の放射は、導体パッチ面の両側方向になされる。
図22に示すのは、スロット245と接地導体面256とにより発振用の共振キャビティを構成した第9改変例である。このスロット245は、図14にて例示した矩形状の導体パッチ4aに対して、補対の関係にあり、発振条件を満たす。無論、発振条件を満たしていれば、スロット245の形状は特に限定されるものではない。本構成例では、高周波トランジスタ1のゲートとドレインに異なる直流バイアス電圧を印加するために、ゲートとドレインを直流的に分離し、高周波的に導通させる容量結合部246を設けてある。この容量結合部246は、間隙による容量やMIM(Metal−Insulator−Metal)容量、キャパシタ部品などを用いて実現でき、誘電体基板259やGND導体面255は必ずしも設ける必要はない。なお、GND導体面255が無い場合の放射は、導体パッチ面の両側方向になされる。
上述した導体パッチは、何れも一対の導体パッチを高周波トランジスタ1に対して対象に設けた例を示したが、非対称形状の導体パッチを用いてもよい。
図23に示すのは、矩形状の第1導体パッチ4g1と矩形状の第2導体パッチ4g2を非対称に構成した第10改変例である。このように第1導体パッチ4g1と第2導体パッチ4g2を非対称形状としても、共振周波数は導体パッチ部全体の寸法(図23(a)中、Lで示す)で基本的に決まることから、発振条件さえ満たしていれば、アンテナと発振回路が渾然一体となったタイプの放射型発振器として動作させることが可能である。
図24に示すのは、略半円形の導体パッチ4h,4hと、これら導体パッチ4h,4hと適宜な空隙244hを保って配置した接地導体面256hとにより、リングスロット型アンテナを放射面側に形成し、発振用の共振キャビティを構成した第11改変例である。
図25に示すのは、矩形状の導体パッチ4,4の周辺に、高周波トランジスタ1と接続されていない導体パッチ247を適宜に配置して、放射指向性を制御可能とした第12改変例である。導体パッチ4i,4iと導体パッチ247との位置関係や、寸法関係を適宜設定することにより、例えば八木アンテナのような動作をさせることができる。
また、本発明における注入同期動作を考えた場合、共振キャビティの形状により、その同期性能を制御することができる。例えば、導体パッチあるいはスロットの形状、基板厚さなどを調整することにより、到来信号に対する適度な周波数キャプチャレンジやロックレンジ、高速追従性を設定できるため、単純な設計により所望の同期性能を実現できる。
以上、本発明にかかるマイクロ波・ミリ波通信装置を幾つかの実施形態に基づき説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲に記載の構成を変更しない限りにおいて実現可能な全てのマイクロ波・ミリ波通信装置を権利範囲として包摂するものである。
また、本発明に係るマイクロ波・ミリ波通信装置における低コスト・低消費電力といった特徴は、多数のセンサーを使用したシステムや計測試験装置に使用する場合に実用上有利であり、特に部品コストが高く、伝送損失の増加やデバイス性能により低電力効率になるミリ波帯通信システム・装置において大きな優位性が見込まれる。
特に、本発明に係るマイクロ波・ミリ波通信装置の特徴である単純な構成は、精密で微細な薄膜加工技術に依存するミリ波デバイスとそれらを用いたミリ波帯装置の製造工程における品質管理において、特性のばらつきを抑制し、製造上の高い歩留まりを確保する上で有利であり、高信頼性・低コストを実現できる。これらの利点から、本発明に係るマイクロ波・ミリ波通信装置は、センサーネットワーク、ミリ波帯データ伝送システム、病院内無線ネットワーク、基板間通信システムなどに好適である。
上記センサーネットワークは、立ち入り禁止区域など、センシングを行う範囲に本発明の通信装置を多数点在させて設置し、任意の隣り合う装置どうしを注入同期状態として、ネットワーク内の装置の同期を確保したシステムである。ネットワーク内のそれぞれの通信装置に各種センサーを接続し、センシングした情報をベースバンド信号入力とすれば、ある一つのセンサーのセンシング情報が、同期が確保されたネットワーク内の他の通信装置に瞬時に伝送される。本装置の低消費電力特性を生かせば、小型太陽電池などを電源としたマイクロ波・ミリ波センサーネットワークの実現も可能である。
上記ミリ波帯データ伝送システムは、例えば60GHz帯映像伝送システムなどである。本発明の通信装置をビデオプレーヤーとモニターにそれぞれ搭載し、さらに、ビデオプレーヤーとモニターとの間に本装置を中継器として設置した構成であり、直進性の高いミリ波が人体などにより遮断されないようなシステムが複数の中継器を用いることで実現できる。中継器として本装置を用いる場合は、ベースバンド信号入出力は不必要であり、注入同期動作のRF増幅器として用いればよい。
上記病院内無線ネットワークは、上記ミリ波帯データ伝送システムと同様に、送受信機や中継器として本通信装置を用いたシステムである。携帯電話などで利用が進んでいる準マイクロ波帯の電波に比べて他の電子機器の動作に与える影響が小さい準ミリ波帯、ミリ波帯の電波を用いるシステムが低コストにて実現でき、また、ホーン構造を本装置に備えるなどして放射指向性を鋭くすれば狭い経路にのみ電波を存在させることができる。病院内においては、医療機器や心臓ペースメーカなどに誤動作をもたらす外部電波の影響を排除する必要があるため、特に有利である。
上記基板間通信システムは、例えばコンピュータ筐体内部の各種基板間のデータ伝送を行うシステムである。筐体内の各基板に本通信装置を搭載することで、配線による煩雑な接続を省き、組み立て工数の削減が行える。ミリ波帯の本通信装置を使用すれば、小型部品化が可能であり、また、コンピュータで使用する信号の周波数帯域より非常に高い周波数で通信を行うため、相互干渉などの心配が少ない。
Claims (4)
- 共振キャビティに負性抵抗を発生するように3電極高周波増幅素子を集積化させるとともに、電磁波を空間へ放射する機能を共用させるように放射型発振器を構成し、
送信時には、前記放射型発振器の発振周波数をベースバンド信号振幅に応じて変化させて周波数変調した放射波を送信RF信号とし、
受信時には、ベースバンド信号振幅に応じて周波数変調されている外部から到来した受信RF信号に、前記放射型発振器の発振が注入同期され、受信RF信号の周波数変化と同じ前記放射型発振器の発振周波数変化が生じ、その発振周波数変化による前記3電極高周波増幅素子のバイアス変化からベースバンド信号振幅を得ることで、復調動作を行うようにしたことを特徴とするマイクロ波・ミリ波通信装置。 - 前記放射型発振器の3電極高周波増幅素子における3電極は、被制御電流流入電極と被制御電流流出電極と制御電極であり、
ベースバンド信号振幅に応じてバイアスを変化させるバイアス制御回路を、直流電源の供給路の高電位側と前記被制御電流流入電極との間、または直流電源の供給路の低電位側と前記被制御電流流出電極との間に設け、
送信時には、前記バイアス制御回路により、前記放射型発振器の発振周波数を変化させる変調動作を行わせ、
受信時には、前記バイアス制御回路を能動負荷として動作させることにより前記3電極高周波増幅素子のベースバンド周波数帯域負荷とし、被制御電流流入電極または被制御電流流出電極のバイアス変動からベースバンド信号振幅を得るようにしたことを特徴とする請求の範囲第1項記載のマイクロ波・ミリ波通信装置。 - 前記放射型発振器の3電極高周波増幅素子における3電極は、被制御電流流入電極と被制御電流流出電極と制御電極であり、
直流電源の供給路の高電位側と前記被制御電流流入電極との間、または直流電源の供給路の低電位側と前記被制御電流流出電極との間には、ベースバンド周波数帯域負荷を設け、
送信時には、制御電極のバイアスをベースバンド信号振幅に応じて変化させることで、前記放射型発振器の発振周波数を変化させる変調動作を行わせ、
受信時には、ベースバンド周波数帯域負荷により、被制御電流流入電極または被制御電流流出電極のバイアス変動からベースバンド信号振幅を得るようにしたことを特徴とする請求の範囲第1項記載のマイクロ波・ミリ波通信装置。 - 前記放射型発振器の3電極高周波増幅素子における3電極は、被制御電流流入電極と被制御電流流出電極と制御電極であり、
前記放射型発振器の共振キャビティにインピーダンス可変素子を設けてインピーダンス可変部を構成し、
直流電源の供給路の高電位側と前記被制御電流流入電極との間、または直流電源の供給路の低電位側と前記被制御電流流出電極との間には、ベースバンド周波数帯域負荷を設け、
送信時には、前記インピーダンス可変素子に印加するベースバンド信号振幅に応じて発振周波数を変化させる変調動作を行わせ、
受信時には、ベースバンド周波数帯域負荷により、被制御電流流入電極または被制御電流流出電極のバイアス変動からベースバンド信号振幅を得るようにしたことを特徴とする請求の範囲第1項記載のマイクロ波・ミリ波通信装置。
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