JP6426564B2 - カード型電子装置 - Google Patents

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本発明は、使用時の姿勢や動作環境が変化しても安定した電波の送受信が可能なカード型電子装置に関する。
カード型電子装置の一例となるRFID(Radio Frequency Identifier;以下、「タグ」と略する場合がある)には、電池を使用せずに、アンテナ素子で受信した電波から起電した電力で動作するパッシブ方式のものと、電池によって動作するアクティブ方式のものとがある。アクティブ方式のタグ(「アクティブタグ」)は、通常、ケース内に、アンテナ素子のほか、電池で動作する制御回路や制御回路の制御で変調動作を行う変調部などの電子回路が内蔵されている。ケースがカード状の場合、アンテナ素子は、薄型化のために平面アンテナが用いられているのが一般的である。
例えば、特許文献1には、裏面にグランド導体が設けられた誘電体基板の表面に、パッチ導体が形成されたRFID用の平面アンテナが開示されている。この平面アンテナでは、グランド導体は電池の低電位電圧V−と接続される。このグランド導体は、電子回路のグランド(接地板)としても用いられる。これにより、電子回路におけるノイズの影響を抑制し、動作を安定にしている。つまり、電子回路は低電位電圧V−を基準電位として動作している。
特開2011−217205号公報
アクティブタグは、900[MHz]で動作するものが多用されているが、使用する周波数が2.45[GHz]のような高周波になると波長が短すぎて、電子回路のグランドの影響を受けやすくなる。そのため、動作の基準電位としたグランド導体の電位(低電位電圧V−)が2.45[GHz]では必ずしも適切な電位とならず、平面アンテナの指向性が、使用時の姿勢に過敏に変化する問題があった。
具体的には、グランド導体の大きさや形状によって平面アンテナの指向性に歪みなどの変化が発生しやすくなる問題があった。このような問題は、グランド導体の構造を適切に設計したり、平面アンテナのグランド素子と電子回路のグランドとの間をインダクタンス素子や共振回路などで高周波的に分離させることで一応の解決は図れるのであるが、そのようにすると、使用できる周波数帯域が狭くなったり、カード状ケースに収容するための設計が困難になり、コスト上昇を招くという新たな問題が生じる。
このような問題は、アクティブタグに限らず、動作の基準電位をグランド導体の電位とする電子回路及びアンテナ素子を有するカード型電子装置において共通に生じる。
本発明は、使用時の姿勢に関わらず安定的に動作し、量産にも適した、簡易な構造のカード型電子装置を提供することを課題とする。
本発明のカード型電子装置は、カード状ケースにアンテナ基板が収容されており、前記アンテナ基板は、アンテナ面とその裏面の回路面とを有し、前記アンテナ面には、放射素子とこの放射素子と同心環状のグランド素子とが形成されており、前記回路面には、前記放射素子に対して所定位相差で2点給電する電子回路が形成されており、前記電子回路の回路グランドが前記グランド素子と電気的に分離されていることを主たる特徴とする。
本発明によれば、使用時の姿勢に関わらず安定的に動作し、量産にも適した、簡易な構造のカード型電子装置が得られる。
本実施形態に係るアクティブタグの分解斜視図。 (a)は基板の正面図、(b)は裏面図、(c)は断面図。 リターンロス特性図。 変調部の構成図。 変調部の回路構成図。 (a)は比較タグの基板の表面図、(b)は裏面図。 (a)は比較タグの放射特性、(b)はアクティブタグの放射特性、(c)は姿勢の変化の比較説明図。 (a),(b)は利得特性比較図。 (a)は使用状態説明図、(b)は感度特性比較図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を説明する。この実施形態では、カード型電子装置を2.45GHz帯の電磁波の送受信を行うカード型のアクティブタグとして実施する場合の例を示す。図1は、本実施形態のアクティブタグ1の分解斜視図である。アクティブタグ1は、樹脂製のカード型ケース10の実装空間12に、円偏波アンテナ及び電子回路を設けたアンテナ基板20を装着した後、蓋体30で封止する構造を有する。
アクティブタグ1のサイズは、縦85.60[mm]、縦53.98[mm]、厚み(高さ)4.5[mm]のいわゆる一般的なカードサイズであり、これはカード型ケース10のサイズと同じである。アンテナ基板20は、FR−4(Flame Retardant Type 4)、すなわちガラス繊維の布にエポキシ樹脂をしみ込ませ熱硬化処理を施した材質のものを板状にした低導電率のカードである。このアンテナ基板20のサイズも、カードサイズよりも一回りほど小型のものとなる。蓋体30は、その厚みが約0.5[mm]の樹脂製平板である。アンテナ基板20はその厚みが約0.5[mm]のプリント基板であり、両面を有する。アンテナ基板20の外形サイズは、縦80.0[mm]×横49.0[mm]×厚さ0.5[mm]である。
本明細書では、便宜上、アンテナ基板20の表面をアンテナ面、裏面を回路面と称する。アンテナ面は誘電損失の影響の少ない平面であり、アンテナ素子が形成されている。回路面には実装部品がパターン配線された電子回路が形成されている。図2(a)はアンテナ面の正面図(アンテナ基板20の正面図)、図2(b)は回路面の正面図(アンテナ基板20の裏面図)、図2(c)はA−A断面図(アンテナ基板20の断面図)である。図2(a)を参照すると、アンテナ基板20には、孔部20aが形成されている。また、アンテナ面には回路用グランド導体(「回路GND」と称する)24と円偏波アンテナとが形成されている。回路GND24は電子回路全体のグランドとなる導体であり、図示の例では矩形状であるが、形状は任意である。
円偏波アンテナは、2.45[GHz]で共振するサイズの円形(又は略円形)の放射素子21と、この放射素子21の外側に、放射素子と同心環状のアンテナグランド素子(「アンテナGND素子」と称する)22とを配して構成される。放射素子21とアンテナGND素子22とを同一平面上で構成したので、アンテナ基板20の一方の面にアンテナ素子、他方の面にアンテナGND素子を設けた場合に比べて誘電損失の影響を受けにくくなり、放射効率を高めることができる。
アンテナGND素子22は、その内周及び外周の幅が均等な曲線であり、不連続エッジが無いため、給電線の給電箇所の調整が容易であり、予期しない再放射を抑制することもできる。なお、このような機能を実現する上で、放射素子21は、その外周の少なくとも一部が円弧状又は略円弧状であれば良い。アンテナGND素子22の一部からは、その外方に舌片状パターン23が一体に形成されている。舌片状パターン23の端部は、回路GND24を指向している。
放射素子21は、直径が2.45[GHz]の波長λの略1/4となる直径31.0[mm]である。放射素子21の外周とアンテナGND素子22の内側との間隙(ギャップ)W1は、リターンロスが−20[dB]以上、好ましくは−10[dB]になる幅に設定している。リターンロスを20dB以上に設定することにより、動作環境の影響に強くなる。例えば環境の影響で円偏波アンテナの共振周波数にズレが生じても、−10dBのリターンロスが確保されることにより、受信感度は影響を受けにくくなる。上記のとおり、アンテナ基板20はFR−4製なので、リターンロスが−10[dB]になるのは2.0[mm]以上となる。本実施形態では、ギャップW1を3.0[mm]とした。
放射素子21に電流が誘起されるとアンテナGND素子22に電流(「GND電流」と称する。)が流れるが、このGND電流は、アンテナGND素子22の内周と外周とでそれぞれ逆向きとなる。そのため、幅W2が狭すぎるとGND電流が互いに影響し合う。また、幅W2がギャップW1より狭くなると接地抵抗が急激に大きくなり、アンテナ性能、時に利得を悪化させる。接地抵抗を小さくするためには、W2≧W1の関係になることが望ましい。そこで、本実施形態では、幅W2を3.0[mm]以上とした。これにより、GND電流のゆらぎやムラが格段に少なくなり、円偏波アンテナを安定に動作させることができる。
舌片状パターン23は、その存在が円偏波アンテナの特性に影響を与えないようにすることが望ましい。本発明者らによる実験では、舌片状パターン23の面積がアンテナGND素子22の面積よりも小さく、幅はアンテナGND素子22の幅W2以上、幅W2の2倍未満であれば、どのような形状であっても円偏波アンテナの特性への影響を無視し得ることが判明している。本例では、一例として、幅5.5[mm]、長さ6.0[mm]の矩形状の舌片状パターン23をアンテナGND素子22と一体形成した。
次に、回路面の構造について説明する。図2(b),(c)を参照すると、回路面のうち、舌片状パターン23とアンテナ基板20を挟んで対向する部位(裏側)に変調回路25が実装され、回路GND24とアンテナ基板20を挟んで対向する部位(裏側)に制御回路28が実装されている。
制御回路28は、孔部20aに収容された電池27により駆動され、変調回路25の動作を制御する。制御回路28は、受動部品や制御用プログラムを格納したメモリー等を含んだIC(Integrated Circuit)とIC電源(共に図示省略)を含んで構成される。電池27は、その高電位V+がIC電源と接続され、低電位V−が回路GND24と接続される。制御回路28は図示しないグランド部を有する。このグランド部はビアホール導体を介して回路GND24と導通接続される。制御回路28は、ICのメモリーから読み取ったID(識別情報)を含む対象情報を表す信号を、通信が行われる適切なタイミングで、変調回路25にデジタル信号として出力する。つまり、変調回路25への信号の供給源となる。
変調回路25は、放射素子21へ伝達する信号の変調又は放射素子21から伝達された信号の復調を行う回路である。詳細動作については、後述する。変調回路25は、制御回路28と高電位V+で接続され、また、図示しない信号線を介して信号の受け渡しを行う。送信時は制御回路28から受領した信号を変調し、これにより生成された変調波を円偏波アンテナへ給電する。受信時は、円偏波アンテナから受信した信号を復調し、制御回路28へ伝達する。変調回路25は、回路GND24の低電位V−ではなく、電池27の高電位V+を基準電位として動作する。つまり、回路GND24の影響を受けることなく動作する。そのため、動作時にはアンテナGND素子22と回路GND24とが電気的に分離されているので、アンテナGND素子22に生じたGND電流が回路GND24に流れ込むことがない。
変調回路25と円偏波アンテナとは、給電線26を介して接続される。本実施形態では、放射導体21と変調回路25との接続を、所定位相差を持つ2点で行っている。つまり、互いに90度の位相差をもって給電する2点給電方式を採用している。これは、1点だけの給電(1点給電方式)よりも、2点給電方式の方が、負荷変動があっても安定的に90度の位相差が得られるためである。
2点給電方式を低損失でかつ安定した特性(例えばリターンロスが−20[dB]以下)が得られる部品として「90度ハイブリッド」(Branch-Line Coupler)が存在する。「90度ハイブリッド」は、分波回路や位相調整回路で構成される。しかし、このような部品では、面積が大きくなり小型化が問題となる。そこで、本実施形態では、位相調整を給電線26の長さ(遅延線)で調整し、分波回路と等価の機能を直列分岐のT型分配器で実現した。すなわち、変調回路25と放射素子21とを繋ぐ給電線26を、第1給電線26cと、この第1給電線26cから2分岐された第2給電線26a及び第3給電線26bとで構成した。給電線26(26a〜26c)は、マイクロストリップ線路で構成した。そのため、放射素子21やアンテナGND素子22の形状を変えること無く、また、多大な面積を要することなく、「90度ハイブリッド」と同様の効果を奏する2点給電を簡易に実現することができた。
第1給電線26cは、舌片状パターン23に沿って形成される。第2給電線26a及び第3給電線26bは、それぞれアンテナGND素子22の幅の中央部に沿って(同じ曲率で)、アンテナGND素子22と対向する回路面上に形成され、所定の位相差を持って放射素子21の外周部21aおよび21bと導通するように構成される。より具体的には、第2給電線26a及び第3給電線26bは、それぞれアンテナGND素子22に沿って形成された部分から、放射素子21の中央部に向けて曲折し、その端部が放射素子21とビアホール導体を介して外周部21aおよび21bに導通接続される。このようにすることで、アンテナGND素子22のエッジに流れるGND電流の影響を最小にすることができる。
放射素子21の中央部から第2給電線26a及び第3給電線26bの各曲折部分までの角度は概ね90度となる。2点給電間の位相差を所定の位相差、例えば90度にするためには、分岐点からの長さが90度の位相差となる長さの割合で形成されるようにする。具体的には、第2給電点21bの特性インピーダンスを第1給電点21aの特性インピーダンスZoの約2倍になるようにする。本実施形態では、幅0.2[mm]のマイクロストリップ線路の分岐点からの長さの場合、第1給電線26aを12.0[mm]、第2給電線26bを29.5[mm]とした。なお、放射素子21とマイクロストリップとを導通接続するためのスルーホール導体は、インピーダンス整合を良好に維持するために、インピーダンスが相対的に高い放射素子21の外周部に配置した。図3は、給電線26をこのように構成した場合の給電線特性図(リターンロス特性図)である。図3から明らかなように、2.45[GHz]付近で安定した給電特性が得られている。図に示すように使用周波数帯で−25[dB]以下のリターンロスが得られ、「90度ハイブリッド」と遜色なく安定した特性が得られている。
<変調方式>
次に、変調回路25の具体的な構成例とその動作例について詳しく説明する。図4は、変調回路25の構成図である。変調回路25は、アンテナグランド端子(アンテナGND端子)251、給電端子252、信号端子253、電源端子254及びスイッチング素子255を有する。アンテナGND端子251は、スルーホール導体を介して舌片状パターン23と導通接続されている。給電端子252は、上述した2点給電方式で放射素子21と導通接続される。信号端子253は制御回路28と図示しない信号線を介して接続される。電源端子254は、制御回路28の電源(電池27)と高電位V+で接続される。
スイッチング素子255は、入力インピーダンスが高い電圧制御素子で構成することが望ましい。電圧制御素子は、消費電流が非常に少ないので消費電流を抑え、電池寿命を延ばすことができる。電圧制御素子としては、例えば電界効果トランジスタや高速化(立ち上がりが早い)に適したHEMT(High Electron Mobility Transistor)がある。スイッチング素子255は、アンテナGND端子251とは後述する変調方式を定めるインピーダンス調整素子である抵抗R1と直流遮断用の受動素子であるコンデンサC1とを介して電気的に接続されている。また、給電端子252とは、リアクタンス調整素子であるリアクタンス回路Laと直流遮断用の受動素子であるコンデンサC2とを介して電気的に接続されている。リアクタンス回路Laは、主に誘導性リアクタンス素子を直列又は並列に構成する。もちろん、直列及び並列を組み合わせても構わない。また、信号端子253とは直接電気的に接続されている。また、電源端子254とは、受信波への影響回避用の高抵抗R2を介して接続されている。
図5は、スイッチング素子255として電界効果トランジスタを用いた場合の例を示す。ソースSは、源流素子である高抵抗R2及び電源端子254を介して制御回路28の高電位V+と接続され、かつ、コンデンサC2、リアクタンス回路La及び給電端子252を介して給電線26と接続されている。ドレインDは、コンデンサC1、抵抗R1及びアンテナGND端子251を介してアンテナGND素子22に接続される。ゲートGは、制御回路の信号出力端子と接続され、情報信号(変調信号)がデジタル信号 (“L”,”H”)で入力される。
本実施形態では、BPSK(Binary Phase Shift Keying)変調方式と、ASK(Amplitude Shift Keying)変調方式の2種類の変調方式を選択的に行う場合の例を示す。2種類の変調方式は、抵抗R1の定数を変更することで実現が可能である。
例えば、抵抗R1=0Ωのとき、スイッチング素子255により、その入力インピーダンスは略OPEN(ON時)/SHORT(OFF時)と切り替わるが、スイッチング素子255の入力インピーダンスは、ほぼ同等で位相が変化するので、BPSK変調方式となる。他方、抵抗R1=50Ωのとき、スイッチング素子255の入力インピーダンスは、スイッチング素子255により略全反射(OFF時)/終端(ON時)と切り替わるが、位相はほぼ同等で、インピーダンスが変化することにより振幅が変化するので、ASK変調方式となる。リアクタンス回路Laは、BPSK変調方式では位相、ASK変調方式ではインピーダンスの変化が最適になるようにリアクタンス調整を行うことができる。
このように、抵抗R1の定数を変えるという簡単な構成で2つの変調方式に柔軟に対応できるので、設計に自由度が増し、汎用性の高いアクティブタグを提供することができる。
変調回路25では、スイッチング素子255の基準電位を高電位V+とし、ゲート(G)に入力されるデジタル信号(信号出力)によりスイッチング素子255をON/OFFして変調をかけている。また、ドレイン(D)とソース(S)が直流遮断用コンデンサC1,C2で直流成分を遮断されている。そのため、スイッチング素子255は、高電位V+を基準電位として、回路GND24の影響を受けることなく安定して動作する。回路GND24を考慮する必要が無いので、変調回路25をアンテナGND素子22の舌片状パターン23の裏に配置することができ、特性に影響を与える変調回路25の損失(伝送損失等)も小さくなり、且つアンテナGND素子22の形状も変えることがないので、良好なアンテナ特性を得ることができる小型のアクティブタグの量産が容易になる。
<特性比較>
本実施形態のアクティブタグ1における円偏波アンテナの特性の実験結果について説明する。比較のため、本実施形態と同じサイズ及び材質の基板を用いた2.45[GHz]で動作する円偏波アンテナを作成し、これを本実施形態のカード型ケース10と蓋体30とで封止して、外観はほぼ同様となるアクティブタグを構成した。このような円偏波アンテナを比較アンテナ、アクティブタグを比較タグ8と称する。図6(a)は比較タグ8が有するアンテナ基板80の表面図、図6(b)は裏面図である。比較アンテナは、アンテナ基板80の表面に本実施形態の放射素子21と同じサイズの放射素子81を形成し、アンテナ基板80の裏面に、放射素子81よりもギャップW1だけ大きい部分82と電池を収容するための孔部80aを除く部分をアンテナGND素子としたものである。円偏波アンテナを搭載した従来のこの種のアクティブタグの多くは、図6(b)のように、アンテナGND素子の面積を大きく確保している。これはGND全体のインピーダンスを下げて変調回路などの動作の基準電位を安定にするためである。
図6において変調回路と制御回路及び給電線は省略されているが、本実施形態の変調回路25と制御回路28と同じ回路構成(但し、動作の基準電位が異なる)とがアンテナ基板80のアンテナ面に実装されている。グランド部は、スルーホール導体を介して、裏面のアンテナGND素子に導通接続されている。つまり、変調回路及び制御回路は低電位V−を基準電位としている。変調回路から放射素子81へは、本実施形態と同様の2点給電方式を採用した。このような比較タグ8と本実施形態のアクティブタグ1を、それぞれリーダー装置と通信させて、アンテナ特性などを比較した。アクティブタグ1の場合は、受信した電波を利用して制御回路28から出力する信号をアンテナGND素子22の裏側に実装された変調回路25で変調をかけ、円偏波アンテナから再送信している。変調方式は、BPSK変調を選択し、リアクタンス回路Laはインダクタンスを直列に挿入して構成した。
図7(a)は比較タグ8の放射特性、同(b)はアクティブタグ1の放射特性を示している。これらの図から明らかなように、比較タグ8の放射特性は、アンテナ面の方向のみであるのに対し、本実施形態のアクティブタグ1はアンテナ基板20を挟んで双方向となる。また、図7(c)は、使用時の姿勢変化への対応可能性を示した図表である。アクティブタグ1及び比較タグ8の短辺方向をX軸、長辺方向をY軸、Y軸180°(正面を0°として±90°)回転した時の回転軸をZ軸とする。Y軸を垂直方向にした縦置きでは、比較タグ8も本実施形態のアクティブタグ1も差異は無いが、X軸を垂直方向にした横置きでは、アクティブタグ1のみが実用的な感度で受信することができた。
図8(a)は、縦向きY軸180度(正面を0°として±90°)回転時のZ軸方向のアンテナ利得特性であり、同(b)は、横向きX軸180度(正面を0°として±90°)回転時のZ軸方向のアンテナ利得特性である。図8(a),(b)に示されるように比較タグ8では、アンテナGND素子の影響を受け、アンテナの指向性のズレや歪み、落ち込みなどがある。これは、アンテナGND素子に生じたGND電流がGND素子一面、特にエッジ付近に不連続に流れ、またエッジから不要な再放射があるためである。
本実施形態のアクティブタグ1では、GND電流がほぼ均一になり、アンテナ指向性のズレや歪み、落ち込みが抑えられている。つまり、本実施形態のアクティブタグ1は、放射素子21とアンテナGND素子22とを同じ平面上に、同心状に形成したので、表/裏、縦/横の向きの制約が無い。また、回路GNDとは関係なく、高電位V+を基準電位で動作する変調回路25を円偏波アンテナの近傍に配置したので、アンテナGND素子22がアンテナ特性に最適なGNDで動作し、且つ変調動作させることができる。また、指向性のズレや歪み、不要な落ち込みがない良好な感度特性を得ることができる。
放射素子21は、垂直偏波及び水平偏波に対応でき、縦/横の向きの制約無く使用することができる。また、表/裏両方向に放射する。そのため、縦/横/表/裏の向きの制約が無く使用することができる。また、アンテナGND素子22を放射素子21と同心環状としたので、動作環境の影響で円偏波アンテナの共振周波数がズレても、性能に必要なリターンロスが確保されるため、性能(感度)は影響を受けにくくなる。また、アンテナGND素子22において、幅W2とギャップW1とがW2≧W1の関係になるようにしたので、GND電流のゆらぎやムラが少なく、形状が曲線で不連続エッジが無いため、予期しない再放射を抑制することができる。そのため、円偏波アンテナの指向性に歪みや落ち込みが生じなくなり、良好なアンテナ特性が得られる。
以上のことから、GND(接地)によるアンテナ指向性への影響や不用な落ち込みが無く、使用の向きや角度の変化でも安定して動作することができる自由度の高いアクティブタグを提供することができる。
なお、図5の構成において、ソースSとドレインDとの接続は、逆であっても良い。すなわち、ソースSを直流遮断用コンデンサC1と抵抗R1を介してアンテナGND素子に接続し、ドレインDを直流遮断コンデンサC2とリアクタンス回路Laを介して給電線26と接続しても構わない。また、変調回路25に復調回路を搭載しておき、復調した受信信号を制御回路28のICが認識して信号を出力しても構わない。この場合の復調回路ではバイアスを使用しないで動作するゼロバイアスのダイオードなどを使用して構成すると良い。
1・・・アクティブタグ、10・・・カード型ケース、12・・・実装空間、20・・・アンテナ基板、30・・・蓋体、20a・・・孔部、21・・・放射素子、22・・・アンテナGND素子、23・・・舌片状パターン、24・・・回路GND、25・・・変調回路、26・・・給電線、27・・・電池、28・・・制御回路、W1・・・ギャップ、W2・・・幅。

Claims (11)

  1. カード状ケースにアンテナ基板が収容されており、
    前記アンテナ基板は、アンテナ面とその裏面の回路面とを有し、
    前記アンテナ面には、放射素子とこの放射素子と同心環状のグランド素子とが形成されており、
    前記回路面には、前記放射素子に対して所定位相差で2点給電する電子回路が形成されており、
    前記電子回路の回路グランドが前記グランド素子と電気的に分離されている、
    カード型電子装置。
  2. 前記放射素子の外周の少なくとも一部は円弧状又は略円弧状であり、
    前記グランド素子は、その内周と前記放射素子の外周との間隙以上で当該間隙の2倍未満の幅を持つ同心環状導体である、
    請求項1に記載のカード型電子装置。
  3. 前記電子回路は、前記グランド素子の電位よりも高電位を基準に動作する変調回路を含む、請求項2に記載のカード型電子装置。
  4. 前記グランド素子の所定部位に舌片状パターンが一体形成されており、
    前記変調回路は、前記回路面において前記舌片状パターンと対向する部位に実装されており、
    前記変調回路のうち前記放射素子と導通する端子には第1給電線が接続され、この第1給電線は第2給電線と第3給電線とに分岐されており、分岐された前記第2給電線及び前記第3給電線は、それぞれ前記回路面上で前記グランド素子に沿う形状で形成され、所定の位相差を持って前記放射素子の外周と導通接続する、
    請求項3に記載のカード型電子装置。
  5. 前記第2給電線及び前記第3給電線は、前記第1給電線の特性インピーダンスに対してその2倍の特性インピーダンスで分岐しており、分岐点からの長さが90度の位相差となる長さの割合で形成されている、
    請求項4に記載のカード型電子装置。
  6. 前記第2給電線及び前記第3給電線は、それぞれ前記グランド素子に沿って形成された部分から前記放射素子の中央部に向けて曲折して前記放射素子の外周部とスルーホール導体を介して導通接続されており、該中央部から各曲折部分までの角度が90度となる、
    請求項5に記載のカード型電子装置。
  7. 前記第1給電線、前記第2給電線及び前記第3給電線がマイクロストリップ線路で構成されている、
    請求項6に記載のカード型電子装置。
  8. 前記変調回路は、アンテナグランド端子、給電端子、信号端子、電源端子及びスイッチング素子を備えており、
    前記アンテナグランド端子は前記グランド素子と導通接続され、前記給電端子は前記第1給電線と接続され、前記信号端子は前記スイッチング素子の動作を制御する制御回路に接続されており、前記電源端子は前記グランド素子よりも高電位の電圧の供給源と接続されている、
    請求項7に記載のカード型電子装置。
  9. 前記スイッチング素子は、ゲート、ソース及びドレインを有する電圧制御素子であり、前記ゲートは前記信号端子と接続され、前記ソース及び前記ドレインの一方は、直流遮断用の受動素子と変調又は復調の方式を複数種類のいずれかに切り替えるためのインピーダンス調整素子を介して前記アンテナグランド端子に接続され、前記ソース及び前記ドレインの他方は、直流遮断用の受動素子と変調又は復調の方式を複数種類のいずれかに切り替えるためのリアクタンス調整素子を介して前記給電端子に接続されている、
    請求項8に記載のカード型電子装置。
  10. 前記変調回路は、前記インピーダンス調整素子の電気定数に応じて、ASK変調方式又はBPSK変調方式で動作する、
    請求項9に記載のカード型電子装置。
  11. 前記放射素子は、2.5GHz帯の電磁波を、前記アンテナ基板を挟んで双方向で送受信する円偏波アンテナである、
    請求項1ないし10のいずれか一項に記載のカード型電子装置。
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