WO2009116647A1 - ファンユニット及びこれを含む電子機器 - Google Patents

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WO2009116647A1
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康弘 佐々木
浩 酒井
茂 葛西
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日本電気株式会社
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    • H05K7/00Constructional details common to different types of electric apparatus
    • H05K7/20Modifications to facilitate cooling, ventilating, or heating
    • H05K7/20009Modifications to facilitate cooling, ventilating, or heating using a gaseous coolant in electronic enclosures
    • H05K7/20136Forced ventilation, e.g. by fans
    • H05K7/20181Filters; Louvers

Definitions

  • this ⁇ may be 20 °, but the fan unit 20
  • the inclination angle may be changed as appropriate depending on the shape and characteristics of the fan incorporated in the electronic device 10, the electronic device cooled by the fan, and the casing 13 of the electronic apparatus 10 incorporating the fan unit 20.
  • the housing 13 is vibrated by the collision of air near the exhaust port 11 of the fan.
  • the fan unit 20 is fixed to the housing 13, Since the mechanical rigidity of the housing 13 is improved, the vibration of the housing 13 can be suppressed.
  • the casing 13 is vibrated by the vibration damping effect of the elastic body 24 constituting the fan unit 20, thereby suppressing sound waves radiated from the casing 13.
  • the first surface of the fan unit 20 according to the present embodiment is bonded to the housing 13 so that such an effect is further enhanced.
  • the fan unit 20 is located at the exhaust port 11 of the housing 13 and the bottom surface of the housing 13 (in the back of the fan unit 20 on the paper surface.
  • Such an installation mode of the fan unit 20 in the electronic device 10 is hereinafter referred to as an installation mode a.
  • a fan unit 20 in which a perforated outer case 22 is not used and an elastic body 25 made of dense urethane material is used as the elastic body 24 instead of the elastic body 24 made of urethane foam material is used.
  • the vibration absorption of the material is less than that of the foamed material, the noise is slightly reduced, but the effect is small (Table 1, Comparative Example 3).

Abstract

 静粛性を保ちつつ、高い冷却能力と組み立て容易性とを兼ね備えたファンユニットを提供する。  本実施形態のファンユニットは、ファンを保持するファンケース21と、ファンケース21を保持し、当該ファンケース21から外側に向かって傾斜面27を構成する第1の面22と、を有し、傾斜面27に複数の孔を有し、傾斜面27に弾性体24が内接されていることを特徴とする。

Description

ファンユニット及びこれを含む電子機器
 本発明は、静粛性を有するファンユニット及び電子機器に関するものである。
 近年、インターネットなどデジタル通信技術の発展によりパーソナルコンピュータ、サーバなどの電子機器を通じて家庭や事務所などで高質な映像データや音楽データなどのアミューズメント情報、会計情報などが手軽に入手、加工ができるようになり、社会の変革をもたらしている。
 一方、電子機器の取り扱う情報量は年々増え続けており、電子機器内で情報処理の中核をなす中央演算装置、映像処理装置、および通信装置などの電子デバイスには、安定動作を維持した上でさらに処理能力の高速化が求められている。一方、それらの電子デバイスを動作させる上で必要な電力量が増大することにより、その消費電力も増加の一途をたどっている。
 電子デバイスの消費電力の増大に伴い、発熱による不安定動作を解消することが求められている。そのため、それらの電子デバイスを効率よく冷却するための送風ファンの冷却能力強化が不可欠な状況にある。電子デバイスの冷却に送風ファンを使用した本発明と関連する関連技術の電子機器を図11~図13に示す。
 図11は、電子機器10内に設置した電子回路基板31上に搭載されている電子デバイス32を冷却するために、電子機器10内に設置したファンケース21を用いて送風を行っている様子を示す。
 ファンケース21は、電子機器10の筐体13に設けられた吸気口12から電子機器10の外部にある冷たい空気を取り込み、電子デバイス32の発熱にともなう温かい空気を、冷却風の流れ41に乗せ、さらに排気口11を通じて排出している。なお、電子機器から排出された熱風の処理については、非特許文献1に開示されている。
 一方、送風ファンの冷却能力強化を図るために、ファンの大型化が行われ、さらに、ファンの動作にあたり高速回転が行われることから、電子機器の騒音が年々増加しており、使用静粛環境の悪化が著しい。そこで、ファンを使用する機器の静音化を目的として、様々な試みがなされてきた。
 例えば、特許文献1(特開2004-054214号公報)は、表示装置内に設置されたファンケースの静音化について開示している。特許文献1では、ファンケースの枠部分とモータ部分とに弾性部材を配設し、さらに、この枠部分の弾性部材を表示装置のカバーに内接させることにより防振及び静音化を図っている。
 また、特許文献2(特開2007-111308号公報)は、複数の連通開口穴を有する様々な厚さの面状体を用いた電気掃除機内の電動機の静音化について開示している。この静音化は、一端を閉じた開口穴内での音の共鳴効果によって、その開口穴の深さに対応する周波数の音波を減衰させることにより行われる。
 また、電子機器以外の装置についても、ファンの静音化を目的とする試みがなされている。
 例えば、特許文献3(特開2002-156978号公報)は、航空機エンジンの静音化について開示している。特許文献3では、航空機エンジンに吸音板と可動式の音響反射板を設けるとともに、この音響反射板の位置および形態を変えることで幅広い周波数領域のエンジン騒音を能動的に最適吸音しようとする試みがなされている。
 また、特許文献4(特開平3-164638号公報)は、換気ダクトの中間に取り付ける換気装置についての静音化について開示している。特許文献4では、多孔質構造体製の本体によって内蔵ファンからの騒音を吸音することにより換気装置の静音化を図っている。
 一方、ファンの静音化以外にも、電子機器の静音化を目的とする試みがなされている。
 例えば、特許文献5(特開平11-184473号公報)は、圧縮状態の弾性体を中空部材中に配置した構造を有する複写機用給紙扉を用いて、給紙の際に発生する騒音を抑えようとする試みについて開示している。
特開2004-054214号公報 特開2007-111308号公報 特開2002-156978号公報 特開平3-164638号公報 特開平11-184473号公報 伊藤謹司・国峰尚樹著「電子機器の熱対策設計」日刊工業新聞社、2001年3月13日、pp.251 伊藤謹司・国峰尚樹著「電子機器の熱対策設計」日刊工業新聞社、2001年3月13日、pp.244 一宮亮一著「わかりやすい静音化技術」工業調査会、1999年8月10日、pp.205
 なお、電子機器内に設置されるファンの風量増大による冷却能力の向上に伴い、大きな騒音が発生しており、家庭や事務所などでの静粛環境が悪化している。またファンから発する冷却風が電子機器筐体に衝突し、その振動に起因して発生する音波が騒音を増大している。デジタル通信技術の恩恵により利便性が高まる一方で、人は電子機器を利用する時間が多くなっている。そのため、快適な静粛環境が求められており、その課題解決に多大な努力がなされている。
 本発明と関連する課題解決方法の1つとして、電子機器の吸排気口に、吸音材料を内張りしたダクトを設置することにより消音を行う方法が挙げられる(非特許文献2及び3)。例えば、図9に示す電子機器10では、電子機器10内に設置した電子回路基板31上に搭載されている電子デバイス32を冷却風の流れ41によって冷却するために設けられたファンケース21を静音化するために、電子機器10の筐体13表面のうち吸気口12及び排気口11をそれぞれ取り囲む部位に吸音材料内張りダクト18a及び18bをそれぞれ設置している。
 しかし、吸音材料内張りダクト18a及び18bの設置により電子機器の外形寸法が大きくなり、また吸音材料内張りダクト18a及び18bによる冷却風の圧力損失が生じて電子機器10の冷却能力が低下する。このような冷却能力の低下を補うため、ファンの送風量が増大し、ひいては騒音の増大が生じる。
 さらに、吸音材料内張りダクト18a及び18bの設置により外観デザインが損なわれて電子機器10の見栄えが悪くなる商業的課題がある。このような外観デザインの問題を解決する方法として、排気ダクト等を電子機器10の本体の内側に設置する方法も考えられる(非特許文献2)が、電子機器10の外形寸法が大きくなり且つ電子機器10の冷却能力が低下するという問題は、依然として残っている。
 また、吸音材料内張りダクト18a及び18bを設置して消音する方法の場合、吸音材料の厚さ寸法にも留意する必要がある。これは、吸音材料の厚さ寸法が大きい場合、ダクトの有効断面積が減少するので、冷却風の圧力損失が大きくなり、さらに電子機器10の冷却能力が低下する場合があるためである。特に、ダクトの内張りに用いる吸音材料として、上記特許文献2に記載の消音装置などのように一定の厚みを有することによって消音効果を発揮する吸音材料を用いる場合には、該吸音材料の薄型化が困難である場合もありうるので、このような問題が顕在化する可能性がある。
 これを解決する方法として、吸音材料を電子機器の筐体内側に設置して騒音を低減する方法が考えられる。例えば、図12に示した電子機器10では、吸気口12及び排気口11への吸音材料内張りダクト18a及び18bの設置を行わない代わりに、筐体13に吸音材料19を内張りし、電子機器10内に設置した電子回路基板31上に搭載されている電子デバイス32を冷却するために設けられたファンケース21から発せられる音を、筐体13の内部全体に発散させた後、吸音材料19で減衰させている。
 しかし、電子機器10の低価格化が進む中、吸音材料19を電子機器10の筐体13に設置する方法は、多量の材料を使用する必要があるとともに多くの設置時間をも要し、組み立て費用を増大させることになる。
 また、排気を円滑に行い且つ冷却能力を向上させるため、図11に示す電子機器10のようにファンケース21を筐体13に直接設置すると、ファンケース21の振動が筐体13に伝わり、さらに筐体13から音波の放射がおこるという二次的な騒音発生の問題が生じる。
 一方、図13に示す電子機器10のようにファンケース21を電子機器10の内部に筐体13から離して配置した場合、ファンケース21が排気口11から離れるため、冷却風の流れ41の一部が筐体13の内部に滞留し、電子機器10の冷却効率が低下する。冷却効率低下によってファン送風量の増大が必要となることにより、騒音増大が生じる。さらに冷却風が筐体13に衝突することにより、振動を生じさせて新たな騒音が発生する課題がある。
 本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、上述した課題である、静粛性を保ちつつ、高い冷却能力と組み立て容易性とを兼ね備えたファンユニット及びこれを有する電子機器を提供することを目的とする。
 かかる目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を有する。
 <ファンユニット>
 本発明にかかるファンユニットは、
 <電子機器>
 本発明にかかる電子機器は、
 上記記載のファンユニットを筐体内部に含むことを特徴とする。
 本発明によれば、静粛性を保ちつつ、高い冷却能力と組み立て容易性とを兼ね備えることができる。
 以下に、本実施形態の具体的内容を詳細に説明する。
 〔ファンユニット〕
 本実施形態のファンユニットは、中空部材、弾性体及びファンケースを含む。
 ここで、中空部材は、互いに対向する第1の面及び第2の面を有し、この第1の面にその外周部から中央部に向かうにつれて内側に凹むような傾斜面を有し、この傾斜面及び第2の面にそれぞれ複数の孔を有し、且つ該第1の面の中央部から第2の面の中央部にまたがる貫通孔を有している。
 また、弾性体は、少なくとも第1の面及び第2の面のそれぞれに内接する態様で中空部材の内部の空間を満たしている。
 さらに、ファンケースは、ファンと該ファンを保持するケースとを有し、中空部材の第2の面側から第1の面側に送風を行うよう、中空部材の貫通孔中に嵌め込まれている。
 なお、本実施形態に係るファンケースにおいて、中空部材は、第2の面に係る部分を構成する孔あき板とその他の部分を構成する孔あき外装ケースとから成るものであってもよい。
 このような本実施形態に係るファンユニットの一例を、図1に記載の斜視図及び図2に記載の断面図に示した。以下、本実施形態が容易に理解されるよう、図1及び図2を用いて本実施形態に係るファンユニットを説明する。
 図1(a)に示すように、本実施形態に係るファンユニット20は、ファンケース21、孔あき外装ケース22、孔あき板23及び弾性体24を組み合わせて一体化させた構造を有する。
 より具体的には、本実施形態に係るファンユニット20は、中央部に貫通孔を有する孔あき外装ケース22に、この孔あき外装ケース22の内面に対応する形状を有する弾性体24を嵌め込み、この状態で孔あき板23で孔あき外装ケース22に蓋をし、さらにこの孔あき外装ケース22の中央部にある貫通孔にファンケース21を嵌め込むことにより作成される。ここで、ファンケース21が送風動作を行うことができるよう孔あき板23の中央部にも貫通孔が設けられている。
 但し、孔あき板23の中央部に設ける貫通孔は、ファンケース21による送風動作の妨げにならない程度の大きさを有していれば充分であり、必ずしもファンケース21が通り抜けることができる大きさを有している必要はない。ファンケース21を中空部材26に固定する観点からは、むしろ、孔あき板23の中央部に設ける貫通孔の大きさが、ファンケース21の大きさより小さいことが好ましい。
 なお、図1(a)において中空部材26は、孔あき外装ケース22と孔あき板23とを組み合わせてなる部材を指す。すなわち、中空部材26を基準として各部材の構成を述べると、中空部材26の内部の空間には弾性体24が配置されており、さらに、中空部材26の中央部にある貫通孔には、ファンケース21が嵌め込まれた状態で配置されている。
 図1(b)および図1(c)は、図1(a)に示したように組み合わされて作製されたファンユニット20を図1(a)におけるA方向およびB方向からそれぞれ見た斜視図であって、これらのファンユニットをそれぞれ20aおよび20bとしている。
 なお、以下の記載において、本実施形態のファンユニット20についての説明の都合上、図1(a)に示されるA方向からの視点を基準として手前側(すなわち、図1(a)で左下にある側)を「前」、およびその裏側(すなわち、図1(a)で右上にある側)を「後」と称する場合がある。
 次に、本実施形態に係るファンユニット20における各部分の構造及び機能について説明する。
 <中空部材26>
 本実施形態で用いられる中空部材26は、互いに対向する第1の面及び第2の面を有し、この第1の面にその外周部から中央部に向かうにつれて内側に凹むような傾斜面27を有し、この傾斜面27及び第2の面にそれぞれ複数の孔を有し、且つ第1の面の中央部から第2の面の中央部にまたがる貫通孔を有している。また、この中空部材26は、第2の面に係る部分を構成する孔あき板23とその他の部分を構成する孔あき外装ケース22とから成るものであってもよい。
 このような中空部材26を含むファンユニット20の例として、図1(a)に示したファンユニット20が挙げられる。このファンユニット20では、中空部材26が孔あき外装ケース22および孔あき板23から構成されている。ここで、孔あき外装ケース22の前面(すなわち、傾斜面27を有する面)と孔あき板23からなる面とが弾性体24を介して互いに対向しているが、これらの2つの面がここにいう第1の面と第2の面とにそれぞれ該当する。
 ファンユニット20は、第1の面に、外周部から貫通孔に向かうにつれて内側に凹むような傾斜面27を有している。ここで、図2(a)に、図1(a)に示したファンユニット20の前後方向における断面図を示す。ファンユニット20は、ファンケース21および弾性体24を介して孔あき板23と対向する面に、ファンケース21に向かって内側に凹むような傾斜面27を有している。
 この傾斜面27は、本実施形態のファンユニット20に組み込まれているファンケース21の回転動作により生じた音波等の進行方向を拡散させる機能を有する。
 図2(b)に示すように、本実施形態のファンユニット20においてファンケース21から発せられた音は、ファンユニット20の外部に向けて進行する。その一方で、図2(c)に示すように、ファンユニット20の外部には電子機器10の排気口11が存在することから、ファンユニット20の外部に向けて進行してきた音の一部が反射する。その結果として、図2(b)に示すようにファンユニット20の外部からファンケース21に向けて進行する音の流れも存在する。
 ここで、本実施形態のファンユニット20に存在する傾斜面27によってその周辺での音波の向き42が曲がることから、音波の進行方向が拡散するとともに、拡散した音波どうしが相互作用を起こし、また、その音波の一部が弾性体24に吸収減衰される。
 図2(a)に示すように、傾斜面27が第1の面の主面に対してθの傾斜角を有するとしたとき、例えばこのθが20°であってもよいが、ファンユニット20に組み込まれるファン、該ファンにより冷却される電子デバイス、及び該ファンユニット20を組み込んでいる電子機器10の筐体13の形状および特性に応じて適宜この傾斜角を変えてもよい。
 さらに、傾斜面27は、所望の大きさ及び個数の複数の孔を有している。この複数の孔は、ファンユニット20において、傾斜面27に向かってくる音を弾性体24に伝搬する役割を有している。
 傾斜面27は、例えば、内径3mmの孔を5mm間隔で配置する態様でこのような複数の孔を有していてもよいが、このような複数の孔の形状、大きさ及び間隔は、ファンユニット20に組み込まれるファン、該ファンにより冷却される電子デバイス32、及び該ファンユニット20を組み込んでいる筐体13等の特性に応じて適宜変えてもよい。
 一方、本実施形態のファンユニット20は、第2の面、すなわち、孔あき板23からなる面にも、同様に所望の大きさ及び個数の複数の孔を有している。この複数の孔は、ファンユニット20において、孔あき板23の外部からの音を弾性体24に伝搬する役割を有している。この複数の孔の形状、大きさ及び間隔は、傾斜面27に配置される複数の孔の形状、大きさ及び間隔とそれぞれ同じでもよく、また、異なっていてもよい。
 また、本実施形態において用いられる中空部材26は、2以上の部材から構成されていてもよい。ここで、中空部材26を構成するにあたり、この2以上の部材をどの部位でどのような態様にて組み合わせるかについて特に制限はない。しかし、図1(a)及び図2(a)に示すように、中空部材26が、第2の面に係る部分を構成する孔あき板23と、その他の部分を構成する孔あき外装ケース22とから成ると、本実施形態に係るファンユニット20を製造する上で都合がよい。
 この孔あき外装ケース22と孔あき板23とは同じ材料で作製してもよく、また、互いに異なる材料で作製してもよい。例えば、孔あき外装ケース22を樹脂を用いて作製し、一方、孔あき板23をSUS材料等の金属材料を用いて作製してもよい。このとき、孔あき外装ケース22は、傾斜面27を有する等複雑な形状を有することから、例えば、ABS樹脂等の光硬化性樹脂を材料として光造形法により作製することができるが、所望の形状を得ることができる限りにおいて従来公知の他の成形方法により作製してもよい。
 <弾性体24>
 本実施形態において用いられる弾性体24は、少なくとも第1の面及び第2の面のそれぞれに内接する態様で中空部材26の内部の空間を満たしている。図2(a)に示すように、弾性体24は、ファンユニット20で、孔あき外装ケース22と孔あき板23とから形成される中空部材26の内部の空間を満たす態様で配置されている。
 本実施形態において、弾性体24は、中空部材26の外部から進入してくる音波を吸収減衰する役割を有する。図2(b)に示すように、ファンユニット20の近傍には、ファンから発生した音波およびその反射音波などが存在し、それらは音波の向き42で示されるようにさまざまな向きを有している。このような音波の一部は、中空部材26に設けられた複数の孔、より具体的には傾斜面27および孔あき板23に設けられた複数の孔を通じて、弾性体24に伝搬し、その後弾性体24により吸収減衰される。このような弾性体24として、例えば、ウレタン発泡材料などが挙げられるが、音波を吸収減衰する性質を有する限りにおいて他の種類の弾性体24を用いてもよい。
 <ファンケース21>
 本実施形態において用いられるファンケース21は、ファンとこのファンを保持するケースとを有する。典型的な実施態様では、このファンケース21は、ファン、該ファンを制御する電子回路、及びそれらを保持するケースを含んでいる。ファンケース21は、例えば、外部から印加された直流電圧に応じて、内蔵する電子回路によりファンの回転数を制御することができる仕様を有していてもよい。
 本実施形態において、ファンケース21は、電子デバイス32の冷却をおこなうための送風をおこなう役割を有する。図2(c)に示す電子機器10では、ファンケース21は次のようにして電子デバイス32の冷却を行う。ここで、電子デバイス32は、電子回路基板31上に搭載されている。電子機器10で、電子デバイス32から発生する熱は、放射または対流によりその周囲の空気を加熱する。ここで、ファンによる空気の積極的な移動がない場合には発生した熱の大部分が電子デバイス32の周辺に留まるので、電子デバイス32の冷却が充分に行われない場合がある。
 一方、ファンケース21による送風を行うと、吸気口12から電子デバイス32の近傍を通過して排気口11に至る冷却風の流れ41が生じ、電子デバイス32の周囲の空気の移動が促される。その結果、電子デバイス32の周囲に蓄積している加熱された空気が排気口11を介して速やかに除去されると共に、新たな冷たい空気が吸気口12を介して該電子デバイス32の周囲に供給されるので、電子デバイス32の冷却が促進される。
 また、図1(a)に示すように、ファンケース21は、第1の面(すなわち、孔あき外装ケース22の傾斜面27が存在する面)側から第2の面(すなわち、孔あき板23が存在する面)側に向けて中空部材26に挿入され、通常、孔あき板23に接する部位で固定される。このとき、ファンケース21のファンから発せられた音が、中空部材26の傾斜面27によって効率的にその方向の拡散を受け、かつその音が傾斜面27に配置された複数の孔を通じて弾性体24によってより効果的に吸収減衰されるよう、ファンケース21は、第2の面側から第1の面側に送風を行う向きで本実施形態のファンユニット20に組み込まれる。図2(a)を用いて言い換えると、ファンケース21は、本実施形態のファンユニット20において中空部材26の貫通孔中に、ファンケース21のファンによる送風が図の右から左に行われるよう、すなわち、傾斜面27が位置する側がそのファンによる送風の出口となるよう組み込まれている。
 〔本実施形態のファンユニット20を含む電子機器10〕
 本実施形態に係る電子機器10は、本実施形態に係る上記記載のファンユニット20を筐体13内部に含む。この電子機器10において、本実施形態に係るファンユニット20は、該電子機器10の内部にある電子デバイス32の冷却を行うために用いられる。
 図2(c)に示すように、本実施形態に係るファンユニット20は、電子機器10の筐体13の内部に配置され、電子デバイス32の冷却を行うための送風を行うために用いられる。
 電子機器10の筐体13は、ファンユニット20による送風を円滑に行うことができるよう、多くの場合、吸気口12および排気口11を兼ね備えている。このとき、本実施形態に係るファンユニット20を吸気口12側に設置して、吸気口12から筐体13内に外気を導入する態様で用いることも可能である。しかし、本実施形態に係るファンユニット20を、図2(c)に示すように排気口11側に設置して、電子デバイス32から発生する熱を冷却風の流れ41に乗せて筐体13内部の空気とともに吸い込み、次いで排気口11を通じて筐体13の外部に排出する態様で用いることが好ましい。かかる場合には、電子デバイス32から生じた熱を、他の電子デバイス(図示せず)への影響を最小に抑えつつ速やかに筐体13の外部に排出することができるからである。
 具体的には、図2(c)に示すように、本実施形態に係るファンユニット20の第1の面(すなわち、中空部材26において孔あき外装ケース22の傾斜面27が存在する面)を排気口11に向け、かつ、第2の面(すなわち、中空部材26において孔あき板23が存在する面)を電子デバイス32に向けて配置された状態で用いることが好ましい。
 本実施形態に係るファンユニット20は、かかる配置で用いられることにより、電子機器10の筐体13の排気口11側において以下のような静音効果を発揮する。
 第1に、ファンユニット20が筐体13の内部にある電子デバイス32の冷却をおこなうための送風を行うとき、ファンユニット20は、内蔵ファンの回転動作に生じた音波を第1の面に存在する傾斜面27に配置された複数の孔を介して弾性体24に導き、さらに吸収減衰させる。
 一方、ファンユニット20の内蔵ファンの回転動作により生じる音波の一部は、電子機器10の筐体13に設けられた排気口11の近傍で反射し、反射音波としてファンユニット20に向かう。ここで第2の効果として、ファンユニット20は、この反射音波を、傾斜面27により散乱させて打ち消すとともに、この傾斜面27に配置された複数の孔を介して弾性体24に導き、さらに吸収減衰させる。このように、本実施形態に係るファンユニット20は、傾斜面27によりファンの回転動作により生じた音波およびその一部が筐体13により反射してきた反射音波の進行方向を拡散させ、この傾斜面27に配置された複数の孔を介して効率よく減衰させる効果がある。
 次に、図2(c)に示す電子機器10における、本実施形態に係るファンユニット20と電子デバイス32との関係について説明する。
 ファンユニット20は、消費電力の大きな電子デバイス32を冷却するために用いられることがある。ここで、電子デバイス32がそのようなデバイスであっても効率よく冷却することができるよう、ファンユニット20を、通常電子デバイス32を搭載した電子回路基板31の近傍、好ましくは電子回路基板31の直上、より好ましくは電子デバイス32の直上に配置する。この場合、電子デバイス32の直上中心にファンユニット20の中心が一致するような位置でファンユニット20を電子機器10の筐体13に取り付けることが特に好ましい。
 電子機器10の設置面積を最小化するため、電子機器10において、吸気口12及び排気口11を共に筐体13の側面に設けるとともに、電子デバイス32を搭載した電子回路基板31を鉛直方向に立てた状態で筐体13の内部に設置している場合が多い。かかる場合、ファンユニット20を、電子デバイス32を搭載した電子回路基板31に対して水平かつ直上に配置することが好ましい。
 このように、本実施形態に係るファンユニット20が電子回路基板31の直上に配置されている場合、ファンユニット20は、電子回路基板31およびこれに装着されている電子デバイス32との相互作用によって、以下のような静音効果を発揮する。
 本実施形態に係るファンユニット20は、第1の面(すなわち、孔あき外装ケース22の傾斜面27が存在する面)に対向する第2の面(すなわち、孔あき板23が存在する面)にも複数の孔が配置されており、その内部にはさらに弾性体24が内接している。第1の効果として、ファンユニット20は、第2の面に設けられた複数の孔を介して、ファンの回転動作により生じた音波とその一部が電子回路基板31により反射されてきた反射音波とを内接する弾性体24に導き、吸収減衰させる。
 一方、図2(c)に示した電子機器10において、ファンユニット20に組み込まれたファンケース21の内蔵ファンの回転運動にともない吸気口12から排気口11に向かう冷却風の流れ41が生み出される。ここで、電子デバイス32の電力消費により生じた熱は、その近傍の空気へ伝熱拡散し、その後、冷却風の流れ41により電子機器10の筐体13の外部にすみやかに運搬される結果、電子デバイス32の冷却が行われる。
 ここで、本実施形態に係るファンユニット20による第2の効果として、ファンユニット20の第2の面が電子回路基板31から反射されてきた反射音波により振動することにより、電子デバイス32と第2の面との間に介在する空気の揺動が生じ、さらにこの空気揺動により積極的な伝熱拡散がさらに引き起こされることから、電子デバイス32の放熱効率が向上する。
 このようにして空気に伝わった熱は、ファンケース21の送風効果によりすみやかに電子デバイス32から除去され、その後、ファンの回転運動によって導かれる空気の流体移動により排気口11を介して筐体13の外部に速やかに運ばれることから、電子機器10は冷却される。このようにして、電子デバイス32から生じた熱を帯びた空気は、電子機器10の筐体13内に滞留することなく効率的に電子機器10の外部に排気される。
 このように、本実施形態に係るファンユニット20が図2(c)に示される態様で用いられた場合、冷却能力が向上するためファンの回転量を低減させることができるので、ファンの運動にともなう騒音を低減させることが可能になる。
 電子機器10における本実施形態に係るファンユニット20によるこのような効果は、放熱フィンをもつヒートシンクを電子デバイス32上に接合した場合においても同様に発揮することができる。図2(c)に示す電子機器10において、電子デバイス32上に放熱フィンをもつヒートシンク(図示せず)を接合した場合、このヒートシンクによって、電子デバイス32から発生した熱がその近傍の空気に伝熱拡散しやすくなるので、さらに冷却能力が向上する。したがって、このようなヒートシンクによる放熱効果と相まって、ファンの運動にともなう騒音をさらに低減させることが可能になる。
 図2(c)に示した電子機器10において、本実施形態に係るファンユニット20を筐体13に接合することが好ましい。本実施形態のファンユニット20を吸気口12及び排気口11が設置された筐体13に接合すると、ファンユニット20の接合による補強効果が生じて筐体13の剛性が向上するとともに、ファンユニット20を構成する弾性体24により送風や音波の衝突により生じた筐体13の振動が抑制されるので騒音を低減することができる。
 言い換えると、電子機器10において、ファンの排気口11近傍への空気の衝突により筐体13の振動が生じるが、ファンユニット20が筐体13に固定されている場合、ファンユニット20による補強効果により筐体13の機械的剛性が向上するので、この筐体13の振動の抑制を図ることができる。また、ファンユニット20を構成する弾性体24の制振効果により筐体13の防振がなされ、これにより筐体13から放射される音波を抑制できる。このような効果が一層強化されるよう、電子機器10において、本実施形態に係るファンユニット20の第1の面が筐体13に接合していることがさらに好ましい。
 本実施形態に係るファンユニット20は、一体化されているためネジなどを利用して容易に電子機器10の筐体13へ取り付けることが可能であり、これにより、静粛性を有する電子機器10を低費用で製造することが可能となる。
 [実施例1]
 (1)電子機器の筐体及び電子基板モデルの作製
 まず、図3(a)に示すように電子機器の筐体13を作成した。材料として1mm厚の亜鉛めっき処理の鉄を用いた。長さ(L)400mm、幅(W)200mm、高さ(T)350mmの寸法となるようにプレス加工を施すことによって成形を行い、さらに、吸気口12および排気口11として、幅(SW)5mm、長さ(SL)の100mmのスリット4個を5mm間隔で筐体13の両主面に各々設けた。
 次に、図3(b)に示すような電子基板モデル30を作製した。すなわち、長さ60mm、幅60mm、厚さ2mmのガラスエポキシ製電子回路基板31の表面中心に電子デバイスを模擬した長さ30mm、幅30mm、厚さ1mmの発熱体33を設置し、さらに発熱体33の温度計測用に熱電対34を発熱体33に接合することにより電子基板モデル30を作製した。
 (2)ファンユニットの作製
 次に、図3(c)に示される本実施形態に係るファンユニット20を作製した。このファンユニット20は、ファンケース21、孔あき外装ケース22、孔あき板23および弾性体24を有する。
 ここで、ファンケース21は、長さ40mm、幅40mm、厚さ15mmの寸法を有しており、且つプロペラを4翼有している。また、ファンケース21は、外部から直流電圧を印加することによって、電圧に応じて内蔵する電子回路によりファンの回転数を変化させることができる。
 また、孔あき外装ケース22を、厚さ5mmのABS樹脂を用いて長さ50mm、幅50mm、厚さ30mmの寸法に光造形法により作製した。この孔あき外装ケース22について、傾斜面27の角度を孔あき外装ケース22の筐体主面に対して20°(すなわち、図2(a)で定義される傾斜角θが20°)とし、かつ、この傾斜面27にφ3mmの孔を5mm間隔で複数配置した。
 また、孔あき外装ケース22に収まるように、発泡ウレタン材料に加工を施して弾性体24を形成した。さらに、孔あき板23を、1mm厚みのSUS材料を加工して孔あき外装ケース22の開放面に合致する形状として作製し、さらに、φ3mmの孔を5mm間隔で配置した。各々の部品を接着により一体化させて本実施形態に係るファンユニット20を作製した。
 (3)電子機器の筐体へのファンユニットの設置
 図4(a)に示すように、ファンユニット20を電子機器10の筐体13の排気口11および筐体底面(紙面においてファンユニット20の奥に位置する。以下、図4~7において同じ。)にネジで接合した。電子基板モデル30、すなわち、発熱体33を配置した電子回路基板31を、ファンユニット20の後方に、吸気口12側の筐体13主面より10mm離れた位置に配置した。電子機器10におけるこのようなファンユニット20の設置態様を、以下設置態様aとする。
 また、本実施形態に係るファンユニット20の筐体13への接合効果を明確にするため、図4(b)に示すように、電子機器10の筐体13の排気口11より10mm筐体13内部側に離れた位置に配置するようファンユニット20を筐体13底面に接合した。一方、電子回路基板31を図4(a)と同様の位置に配置した。電子機器10におけるこのようなファンユニット20の設置態様を、以下設置態様bとする。
 さらに、本実施形態に係るファンユニット20により、電子デバイス32に付されたヒートシンクの放熱効果が向上するかどうかを明確にするため、図4(c)に示すように、複数の放熱フィン(高さ5mm)を有するアルミ製ヒートシンク35を作製して、発熱体33にシリコングリースを界面に塗布して接着し、さらに、電子回路基板31にネジをもちいて接合した。一方、電子回路基板31およびファンユニット20を、図4(a)と同様の位置に設置した。電子機器10における、ヒートシンク35存在下でのこのようなファンユニット20の設置態様を、以下設置態様cとする。
 [比較例1]
 本実施形態の効果と比較するため、従来技術に係る電子機器10として、本実施形態に係るファンユニット20の代わりにファンケース21のみを用いたことを除いては実施例1の電子機器10と同様の構成を有する3つの電子機器10をそれぞれ用意した。すなわち、筐体13、ファンケース21、発熱体33を設置した電子回路基板31およびヒートシンク35を作製し、実施例1の場合と同様の方法により、各設置態様a~cを有する図5(a)~(c)に示すような電子機器10をそれぞれ用意した。ここで、電子回路基板31、発熱体33、筐体13、ヒートシンク35は、図4(a)~(c)に示したものと同様のものである。
 [比較例2]
 弾性体24を使用することなくファンユニット20を組み立てたことを除いては、実施例1と同様の方法により3つの電子機器10をそれぞれ用意した。すなわち、図6(a)~(c)に示すように、各設置態様a~cを有する電子機器10をそれぞれ用意した。ここで、電子回路基板31、発熱体33、筐体13、ヒートシンク35は、図4(a)~(c)に示したものと同様のものである。
 [比較例3]
 図7(a)~(c)に示すように、孔あき外装ケース22を使用せず、かつ、弾性体24として発泡ウレタン材料に代えて緻密ウレタン材料製の弾性体25を配置した形態のファンユニット20、すなわち、ファンケース21、孔あき板23、および緻密ウレタン材料製の弾性体25から成るファンユニット20を組み立てたことを除いては、実施例1と同様の方法により各設置態様a~cを有する電子機器10をそれぞれ用意した。ここで、電子回路基板31、発熱体33、筐体13、ヒートシンク35は、図4(a)~(c)に示したものと同様のものである。
 〔騒音レベルおよびファン回転数の測定〕
 実施例1および比較例1~3により用意された各電子機器10において、発熱体33に100Wの電力をそれぞれ供給して、発熱体33に接する熱電対34による温度計測に従って発熱体が60℃以下になるように外部から直流電圧を可変することによりファンの回転数を調整して冷却をおこなった。
 その際、冷却能力の変化を観察するため、ファン回転数も同時に計測した。さらに、各々の電子機器10の筐体13の排気口11の中心から1mの距離にマイクロホンを設置し、20Hz~20kHzの音圧レベルをA特性補正した等価騒音レベルを精密騒音計を用いて計測して騒音低減効果を観察した。これらの結果を、表1および表2に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 表1に、実施例1及び比較例1~3による各電子機器10についての各設置態様における等価騒音レベル計測結果を示した。比較例1による電子機器10では37~45dBAであるのに対して、本実施形態に係るファンユニット20を用いた実施例1による電子機器10では20~29dBAと大幅に騒音が低減している。
 また、表2に、実施例1による電子機器10及び比較例1による電子機器10についての、ファン回転数の計測結果を示した。表2から比較例1による電子機器10でファン回転数が3500~4000rpmであるのに対して、本実施形態に係るファンユニット20を用いた実施例1による電子機器10ではファン回転数が1600~2500rpmに低減していることから、冷却能力が向上していることがわかる。
 例えば、表1に示されるように、設置態様aについて実施例1と比較例1とを比較すると、実施例1による電子機器では比較例1による電子機器より20dBA騒音が低減している。これは比較例1による電子機器10ではファンの回転動作にともなうファンケース21の振動が筐体13に伝わり騒音の原因である音波が強く発生することに対して、本実施形態に係るファンユニット20を用いた実施例1による電子機器10ではファン回転数の抑制による振動低減とともにファンユニット20による筐体13の補強による振動抑制効果がともに現れている。
 表1の実施例1による電子機器10において設置態様aの場合と設置態様bの場合とを比較すると、設置態様bでの29dBAに対して、設置態様aでは25dBAに騒音が低下している。このことから、ファンユニット20を電子機器10に接合することで、筐体13の振動により発生する音波が補強により抑制される効果が生じることが説明される。
 また、表2から、実施例1による電子機器10において設置態様aの場合と設置態様bの場合とを比較すると、設置態様aではファン回転数が2500rpmから2000rpmに低下しており、筐体13への接合によって冷却風が電子機器10の筐体13内に滞留せず排出されるという冷却効率向上効果も観察される。
 表1及び表2において実施例1及び比較例1におけるそれぞれの設置態様bの場合と設置態様cの場合とを比較すると、設置態様cでの騒音レベルとファン回転数とは共に低下しており、且つ実施例1の場合においては比較例1の場合よりその低減量は大きく、ヒートシンク35を用いた場合でも本実施形態に係るファンユニット20の効果が確認された。
 また、ヒートシンク35の配置を伴う本実施形態技術に基づく実施例(実施例1(c))では、対応する各比較例と比較してその騒音低減効果、冷却効率が高くなっている。これは、孔あき板23とシートシンクにおいて音波による材料の振動に伴う空気揺動が生じて、ヒートシンク35から空気への伝熱効率が高まったためである。
 さらに、本実施形態に係るファンユニット20について、その構成部品を変更した場合についても同様の騒音測定を行った。
 図6に示すように、孔あき外装ケース22の弾性体24が配置されておらず、代わりに当該部分が空気層となっているファンユニット20を用いた場合には、冷却ファンにより筐体13内の空気の流れが孔を通過して共鳴が生じ、騒音が増加した(表1、比較例2)。
 また、図7に示すように、孔あき外装ケース22を用いず、さらに弾性体24として発泡ウレタン材料製の弾性体24に代えて緻密ウレタン材料製の弾性体25を配置したファンユニット20を用いた場合には、発泡材料と比較して材料の振動吸収が少ないため騒音はやや低下するもののその効果は小さいものであった(表1、比較例3)。
 以上の説明から、本実施形態に係るファンユニット20は、図8に示すように、ファンを保持するファンケース21と、ファンケース21を保持し当該ファンケース21から外側に向かって傾斜面27を構成する第1の面22と、を有し、傾斜面27に複数の孔を有し、傾斜面27に弾性体24が内接されているように構成することが好ましい。これにより、本実施形態のファンユニット20に存在する傾斜面27によってその周辺での音波の向き42が曲がることから、音波の進行方向が拡散するとともに、拡散した音波どうしが相互作用を起こし、また、その音波の一部が弾性体24に吸収減衰されることになる。その結果、静粛性を保ちつつ、高い冷却能力を兼ね備えることができる。
 また、本実施形態に係るファンユニット20は、図9に示すように、第1の面22と対向する第2の面23を少なくとも有し、第1の面22と第2の面23とで中空部材26を構成すると共に、第1の面22と第2の面23とでファンケース21を保持するように構成することが好ましい。これにより、本実施形態のファンユニット20を図2(c)に示すように、筐体13に接合することができる。本実施形態のファンユニット20を吸気口12及び排気口11が設置された筐体13に接合すると、ファンユニット20の接合による補強効果が生じて筐体13の剛性が向上するとともに、ファンユニット20を構成する弾性体24により送風や音波の衝突により生じた筐体13の振動が抑制されるので騒音を低減することができる。
 また、本実施形態に係るファンユニット20は、図10に示すように、第2の面23に複数の孔を有して構成することが好ましい。これにより、第2の面23に設けられた複数の孔を介して、ファンの回転動作により生じた音波とその一部が何かに反射されてきた反射音波とを弾性体24に導き、吸収減衰させることが可能となる。その結果、静粛性を更に向上させることが可能となる。
 なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
 なお、この出願は、2008年3月21日に出願した、日本特許出願番号2008-073593号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
本実施形態に係るファンユニットの斜視図である。 本実施形態に係るファンユニット及び該ファンユニットを有する電子機器のそれぞれの断面図である。 実施例で用いた電子機器の筐体及び電子基板モデル、並びに、本実施形態に係るファンユニットのそれぞれの斜視図である。 本実施形態に係るファンユニットを有する、実施例1に係る電子機器の断面図である。 本発明と関連する関連技術のファンを有する、比較例1に係る電子機器の断面図である。 弾性体を用いないファンユニットを有する、比較例2に係る電子機器の断面図である。 弾性体として緻密ウレタン材料を用い、且つ孔あき外装ケースを用いないファンユニットを有する、比較例3に係る電子機器の断面図である。 本実施形態に係るファンユニットの構成例を示す第1の図である。 本実施形態に係るファンユニットの構成例を示す第2の図である。 本実施形態に係るファンユニットの構成例を示す第3の図である。 本発明と関連する関連技術のファンを有する電子機器の断面図である。 本発明と関連する関連技術のファンを有する電子機器の断面図である。 本発明と関連する関連技術のファンを有する電子機器の断面図である。
符号の説明
 10  電子機器
 11  排気口
 12  吸気口
 13  筐体
 18a,18b  吸音材料内張りダクト
 19  吸音材料
 20,20a,20b  ファンユニット
 21  ファンケース
 22  孔あき外装ケース
 23  孔あき板
 24,25  弾性体
 26  中空部材
 27  傾斜面
 30  電子基板モデル
 31  電子回路基板
 32  電子デバイス
 33  発熱体
 34  熱電対
 35  ヒートシンク
 41  冷却風の流れ
 42  音波の向き

Claims (10)

  1.  ファンを保持するファンケースと、
     前記ファンケースを保持し、当該ファンケースから外側に向かって傾斜面を構成する第1の面と、を有し、
     前記傾斜面に複数の孔を有し、前記傾斜面に弾性体が内接されていることを特徴とするファンユニット。
  2.  前記第1の面と対向する第2の面を少なくとも有し、前記第1の面と第2の面とで中空部材を構成すると共に、前記第1の面と前記第2の面とで前記ファンケースを保持することを特徴とする請求項1記載のファンユニット。
  3.  前記第2の面に複数の孔を有して構成することを特徴とする請求項1または請求項2記載のファンユニット。
  4.  前記弾性体は、前記第1の面及び前記第2の面のそれぞれに内接し、前記中空部材の内部の空間を満たしていることを特徴とする請求項2または請求項3記載のファンユニット。
  5.  前記中空部材は、前記第1の面を構成する孔あき外装ケースと、前記第2の面を構成する孔あき板と、で構成することを特徴とする請求項2から請求項4の何れかの請求項に記載のファンユニット。
  6.  請求項1から請求項5の何れかの請求項に記載のファンユニットを筐体内部に含むことを特徴とする電子機器。
  7.  前記筐体に吸気口および排気口を有することを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
  8.  前記ファンユニットの前記第1の面を前記筐体に接合して構成することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の電子機器。
  9.  電子デバイスを搭載した電子回路基板を前記筐体内部に有し、かつ、前記ファンユニットを該電子回路基板に対して水平かつ直上に配置したことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかの請求項に記載の電子機器。
  10.  放熱フィンをもつヒートシンクを前記電子デバイス上に接合したことを特徴とする請求項9に記載の電子機器。
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