WO2009090749A1

WO2009090749A1 - バッフル、ファンネル又はブローヘッド駆動装置

Info

Publication number: WO2009090749A1
Application number: PCT/JP2008/050575
Authority: WO
Inventors: Masahiko Saegusa
Original assignee: Toyo Glass Machinery Co., Ltd.
Priority date: 2008-01-18
Filing date: 2008-01-18
Publication date: 2009-07-23

Abstract

【課題】バッフル、ファンネル又はブローヘッド駆動装置の、カムローラをカム溝の縁辺に接触させるための調整を容易にする。【解決手段】カム機構のカム溝とカムローラを２個ずつ設ける。カムローラは、ロッドを水平に貫き中央の被支持部をロッドで支持して設けた軸の、前記被支持部の両側の軸着部に軸着することで、カム溝に対するカムローラの取り付け位置精度が高められ、カムローラをカム溝の縁辺に接触させるための調整が容易になる。また、前記被支持部の軸芯と、前記軸着部の軸芯を偏芯させれば、軸をロッドに対して回転することで、カムローラの直径を変えずに、カムローラをカム溝の縁辺に接触させるための調整を容易に行うことができる。

Description

バッフル、ファンネル又はブローヘッド駆動装置

　本発明は、ガラスびんの成形において、パリソンを形成するための粗型の上部を閉塞してセッツルブローのエアを吹き込むバッフル、粗型に投入されるゴブのガイドとなるファンネル、又は仕上型に最終吹き込みを行うブローヘッドを駆動する装置に関する。

　ガラスびんの口部を成形する口型の上に粗型を配置し、この粗型内にゴブ投入用の開口を介してゴブを投入し、続いて、該開口をバッフルで塞ぐと共にバッフルから空気を粗型内に送り込んでセッツルブローを加えることによりガラスを口型及びその内部にあるプランジャに密着させ、続いて、口型からプランジャを引っ込めた後下方からガラスの内部に空気を送り込んでカウンターブローを加えることによりパリソンを形成するガラスびんの成形装置が知られている。

　図１により、上記の成形装置（ブローアンドブロー方式）でガラスびんを成形する工程の概略を説明する。図１（ａ）～（ｃ）では、粗型２０を用いて溶融ガラスの塊（ゴブ）Ｇから半製品としてのパリソンＰを製造する。図１（ａ）では、粗型２０上にセットされたファンネル２８をガイドとして粗型内にゴブＧが投入され、図１（ｂ）ではファンネル２８上にセットされたバッフル２２を通じて上から圧搾空気で加圧され（セッツルブロー）、粗型２０の下にある口型２１にガラスが入って口部が作られる。このときプランジャ２７は所定の位置にセットされている。図１（ｃ）では、バッフル２２及びファンネル２８を待機位置に移動した後再びバッフル２２を粗型２０上にセットし、プランジャ２７が下降し、空洞部に空気を吹き込み（カウンターブロー）、粗型２０と上部のバッフル２２でパリソンＰが成形される。図１（ｄ）では、パリソンＰを反転装置（メカニズム）２６を用いて仕上型２４に移し、図１（ｅ）で口型２１を取り外した後、図１（ｆ）では仕上型２４の上にブローヘッド２９をセットしてガラスびんＢを成形し（最終吹き込み）、図１（ｇ）ではこの仕上型２４からガラスびんＢを取り出す。

　このような成形装置においては、バッフル、ファンネル又はブローヘッドを粗型又は仕上型の上部にセットし、また粗型又は仕上型の上部から取り外して待機位置まで移動させる駆動装置が必要となる。すなわち、図１（ａ）では粗型上部にファンネルがセットされ、図１（ｂ）ではファンネルの上にバッフルがセットされ、図１（ｃ）ではバッフル及びファンネルが待機位置に移動した後にバッフルのみが粗型上部にセットされ、図１（ｄ）ではバッフルを待機した後に反転が行われ、図１（ｆ）ではブローヘッドが仕上型上にセットされ、最終成形完了後ブローヘッドは待機位置に移動し仕上型の型開きが行われる。このようなバッフル等の駆動装置の概略は、例えば下記特許文献に開示されている。
特開平８－１９８６３０号公報特開平９－１５６９３６号公報特表２００５－５２６６８２号公報実開昭６３－７１３６号公報特開２００７－１２６２９５号公報

　以下、従来技術を、バッフル駆動装置を例にとって説明する。図２はバッフル駆動装置１の概略図、図３は従来のカム機構を示す水平断面図である。バッフル駆動装置１は、粗型近傍の成形機本体のフレーム１０に固定されている。バッフル駆動装置１はロッド２、駆動機構３、カム機構４などからなる。駆動機構３はエアシリンダで、外周に突出形成されたフランジ８をフレーム１０にボルトなど適宜の固定手段で固定することによってフレーム１０に固定されている。ロッド２は駆動機構３により上下に駆動する棒状のもので、駆動機構３の上方においてアーム５が固定され、その先端にバッフル２２が取り付けられるようになっている。ロッド２及びアーム５には、ロッド上部からバッフル２２に至るエア通路９が設けられ、セッツルブロー用のエアを供給できるようになっている。カム機構４はロッドが上下動するときにバッフル２２を旋回させるためのもので、駆動機構３の下部に一体に取り付けられた円筒部４ａと、ロッド２の下部に外周方向に向かって突出形成されたカムローラ７で構成されている。円筒部４ａにはカム溝６が形成され、カムローラ７がカム溝６内に入り込んでいる。カム溝６は上下方向に設けられているが、上方に行くに従って円周方向に変位するように曲線状に形成されている。ロッド２が駆動機構３によって上下すると、カムローラ７がカム溝６に沿って上下するため、ロッド２が回転する。したがって、バッフル２２は旋回しながら上下することとなる。ロッド２が下降すると、バッフル２２は粗型２の上部にセットされ、ロッド２が上昇すると、バッフル２２は旋回しながら上昇して待機位置に移動する。カム溝６の幅は、カムローラがカム溝内を滑らかに移動できるように、カムローラの直径よりも若干広く形成されている。

　上記のように、カム溝の幅がカムローラの直径よりも広く形成されているため、ロッド２が上下動して停止するときに、バックラッシュによりバッフル２２が円周方向に首振り運動し、粗型上部に滑らかにセットされにくく、また、カムローラ７や金型が傷みやすいという問題があった。

　この問題を解決する技術が前記特許文献５のカム機構に開示されている。そのカム機構を図４に示す。これは、カム機構４のカムローラを複数個設け、その少なくとも２個において、各カムローラが各カム溝の縁辺に接触するようにし、その各カムローラが接触する縁辺をそれぞれ他方のカムローラが接触する縁辺と逆の側の縁辺にするというものである。
　図４の場合は、カム溝６が２個形成され、各カム溝６に対し、カムローラ７ａ又は７ｂがロッド２から突出形成されている。カムローラ７ａは、カム溝６の外側から見て右側の縁辺６ａに接触し、カムローラ７ｂは、これとは逆に、カム溝６の外側から見て左側の縁辺６ｂに接触して設けられている。これにより、円筒部４ａの縁辺６ａ、６ｂの間の部分がカムローラ７ａ、７ｂで挟まれ、ロッド２の回転が規制され、バックラッシュが防止される。

　前記特許文献５のカム機構は、カムローラをカム溝の縁辺に接触させるための調整が煩雑であった。この調整は、通常次のようにして行われる。先ず、図５に示すように、適当な直径Ｄ_１を有するカムローラ７をロッド２に取り付け、カムローラ７と、カム溝の接触すべき縁辺６ａとの隙間ｘを測定する。その後、カムローラを直径がＤ_２（Ｄ_２＝Ｄ_１＋２ｘ）のものに交換することで、カムローラをカム溝の縁辺に接触させることができる。
　このカム機構は、通常、複数の各カムローラについて、前記の「隙間ｘ」の値が異なるので、調整作業が面倒であり、また、種々の直径を有するカムローラを製造する必要があってコスト高にもなっていた。
　本発明は、カムローラをカム溝の縁辺に接触させるための調整を容易にすることを課題としてなされたものである。

〔請求項１〕
　本発明は、垂直に配設されバッフル、ファンネル又はブローヘッドを取り付け可能なロッドと、該ロッドを上下動させる駆動機構と、ロッドが上下動する際にこれを回転させるカム機構を有する駆動装置において、
前記カム機構は、前記ロッドが挿通され２個のカム溝が形成されている円筒部と、前記ロッドからそれぞれのカム溝の中に突出して設けられている２個のカムローラを備え、
前記カム溝の幅は前記カムローラの直径よりも広く形成され、
前記カムローラは、前記ロッドを水平に貫いて設けられ、中央の被支持部を前記ロッドで支持された軸の、前記被支持部の両側の軸着部に回転自在に軸着され、
前記２個のカムローラは、平面視において前記カム溝の前記軸に対する同じ側の縁辺に接触していることを特徴とするバッフル、ファンネル又はブローヘッド駆動装置である。

　２個のカムローラが、ロッドに取り付けられた１本の軸の両側に軸着されているので、従来の複数のカムローラがそれぞれ独立にロッドに取り付けられている場合に比べて、ロッド及びカム溝に対するカムローラの取り付け位置精度が高められる。その結果、設計時の直径のカムローラを使用できる確率が大きくなり、直径の異なるカムローラへの交換作業が減少し、カムローラをカム溝の縁辺に接触させるための調整が容易になる。

〔請求項２〕
　また本発明は、垂直に配設されバッフル、ファンネル又はブローヘッドを取り付け可能なロッドと、該ロッドを上下動させる駆動機構と、ロッドが上下動する際にこれを回転させるカム機構を有する駆動装置において、
前記カム機構は、前記ロッドが挿通され２個のカム溝が形成されている円筒部と、前記ロッドからそれぞれのカム溝の中に突出して設けられている２個のカムローラを備え、
前記カム溝の幅は前記カムローラの直径よりも広く形成され、
前記カムローラは、前記ロッドを水平に貫いて設けられ、中央の被支持部を前記ロッドに回転／固定可能に支持された軸の、前記被支持部の両側の軸着部に回転自在に軸着されており、
前記被支持部の軸芯と、前記軸着部の軸芯とが偏芯しており、
前記２個のカムローラは、平面視において前記カム溝の前記軸に対する同じ側の縁辺に接触していることを特徴とするバッフル、ファンネル又はブローヘッド駆動装置である。

　上記のように、２個のカムローラが、ロッドに取り付けられた１本の軸の両側に軸着されているので、ロッド及びカム溝に対するカムローラの取り付け位置精度が高められる。
　また、ロッドに支持されている軸の被支持部の軸芯と、カムローラが軸着される軸着部の軸芯とが偏芯しているので、軸をロッドに対して回転することで、カムローラの直径を変えずに、カムローラをカム溝の縁辺に接触させるための調整を容易に行うことができる。

〔請求項３〕
　また本発明は、垂直に配設されバッフル、ファンネル又はブローヘッドを取り付け可能なロッドと、該ロッドを上下動させる駆動機構と、ロッドが上下動する際にこれを回転させるカム機構を有する駆動装置において、
前記カム機構は、前記ロッドが挿通され２個のカム溝が形成されている円筒部と、前記ロッドからそれぞれのカム溝の中に突出して設けられている２個のカムローラを備え、
前記カム溝の幅は前記カムローラの直径よりも広く形成され、
前記カムローラは、前記ロッドを水平に貫いて設けられ、中央の被支持部を前記ロッドに回転／固定可能に支持された軸の、前記被支持部の両側の軸着部に回転自在に軸着されており、
前記被支持部の軸芯と、前記軸着部の軸芯とが偏芯しており、
かつ、２つのカムローラの前記軸着部が前記被支持部に対してそれぞれ独立に回転／固定可能であり、
前記２個のカムローラは、平面視において前記カム溝の前記軸に対する同じ側の縁辺に接触していることを特徴とするバッフル、ファンネル又はブローヘッド駆動装置である。

　上記のように、２個のカムローラが、ロッドに取り付けられた１本の軸の両側に軸着されているので、ロッド及びカム溝に対するカムローラの取り付け位置精度が高められる。
　また、ロッドに支持されている軸の被支持部の軸芯と、カムローラが軸着される軸着部の軸芯とが偏芯しているので、軸をロッドに対して回転することで、カムローラをカム溝の縁辺に接触させるための調整を容易に行うことができる。
　さらに、２つのカムローラの軸着部が被支持部に対してそれぞれ独立に回転／固定可能であるので、図５における隙間ｘが２個のカムローラにおいて異なる値であっても、それぞれのカムローラを個別に調整することが可能となり、異なる直径のカムローラに変更する必要が全くない。

〔請求項４〕
　また本発明は、垂直に配設されバッフル、ファンネル又はブローヘッドを取り付け可能なロッドと、該ロッドを上下動させる駆動機構と、ロッドが上下動する際にこれを回転させるカム機構を有する駆動装置において、
前記カム機構は、前記ロッドが挿通され２個のカム溝が形成されている円筒部と、前記ロッドからそれぞれのカム溝の中に突出して設けられている２個のカムローラを備え、
前記カム溝の前記はカムローラの直径よりも広く形成され、
前記カムローラは、前記ロッドを水平に貫いて、回転／固定可能に該ロッドに支持された軸に回転自在に軸着されており、
前記軸は、外軸と内軸で構成され、
該外軸は筒状をなし、前記ロッドに支持されている被支持部と、該被支持部から一方側に連続して形成され前記カムローラの一つが軸着される第一軸着部を有し、前記被支持部の軸芯と第一軸着部の軸芯は偏芯しており、
該内軸は前記外軸の内側に回転／固定可能に軸着された内軸本体部と、該内軸本体部から前記外軸の外側に連続して形成されもう一つのカムローラが軸着される第二軸着部を有し、前記被支持部の軸芯と第二軸着部の軸芯は偏芯しており、
前記２個のカムローラは、平面視において前記カム溝の前記軸に対する同じ側の縁辺に接触していることを特徴とするバッフル、ファンネル又はブローヘッド駆動装置である。

　上記のように、２個のカムローラが、ロッドに取り付けられた１本の軸の両側に軸着されているので、ロッド及びカム溝に対するカムローラの取り付け位置精度が高められる。
　また、ロッドに支持されている軸の被支持部の軸芯と、カムローラが軸着される軸着部の軸芯とが偏芯しているので、軸をロッドに対して回転することで、カムローラをカム溝の縁辺に接触させるための調整を容易に行うことができる。
　さらに、内軸を外軸に対して回転させることで、図５における隙間ｘが２個のカムローラにおいて異なる値であっても、それぞれのカムローラを個別に調整することが可能となり、異なる直径のカムローラに変更する必要が全くない。

〔請求項５〕
　また本発明は、前記請求項１～４のいずれかの駆動装置において、前記ロッドの下端部に前記軸を挿通するための挿通孔を形成し、該挿通孔の下側に前記ロッドを左右に分断する縦溝をロッド下端まで形成し、前記縦溝の溝幅を狭めるように締め付ける締付手段を設け、該締付手段を緩めたときに軸の挿通及び回転が可能となり、該締付手段を締め付けたときに軸が固定されることを特徴とするバッフル、ファンネル又はブローヘッド駆動装置である。

　このように構成することで、軸をロッドに対して、回転／固定可能に（回転可能状態と固定状態を選択可能に）、容易に取り付けることができる

　本発明のバッフル、ファンネル又はブローヘッド駆動装置は、２個のカムローラが、ロッドに取り付けられた１本の軸の両側に軸着されているので、従来の複数のカムローラがそれぞれ独立にロッドに取り付けられている場合に比べて、ロッド及びカム溝に対するカムローラの取り付け位置精度が高められる。その結果、設計時の直径のカムローラを使用できる確率が大きくなり、直径の異なるカムローラへの交換作業が減少し、カムローラをカム溝の縁辺に接触させるための調整が容易になる。
　また、カムローラをカム溝の縁辺に接触させるための調整が必要な場合でも、軸の被支持部又は軸着部を回転すればよいので、調整作業が容易であり、異なる直径を有するカムローラを製造する必要がない。
　さらに、２つのカムローラの軸着部が被支持部に対してそれぞれ独立に回転／固定可能とすることで、図５における隙間ｘが２個のカムローラにおいて異なる値であっても、それぞれのカムローラを個別に調整することが可能となる。

ブローアンドブロー方式によるガラスびん成形工程の説明図である。実施例のバッフル駆動装置１の側面図である。従来のカム機構を示す水平断面図である。従来の改良されたカム機構を示す水平断面図である。カムローラをカム溝の縁辺に接触させるための調整の説明図である。図２におけるＡ－Ａ線断面図である。本発明の軸とカムローラの構成例の縦断面図である。図７の軸の被支持部の軸芯とカムローラの軸芯の関係図である。本発明の軸とカムローラの構成例の縦断面図である。図９の軸の被支持部の軸芯とカムローラの軸芯の関係図である。本発明の軸とカムローラの構成例の縦断面図である。本発明の軸とカムローラの構成例の縦断面図である。図１２の中央縦断面の説明図である。実施例のファンネル駆動装置の略側面図である。実施例のブローヘッド駆動装置の略側面図である。

符号の説明

　１　バッフル駆動装置
　２　ロッド
　３　駆動機構
　４　カム機構
　５　アーム
　６　カム溝
　７　カムローラ
　８　フランジ
　９　エア通路
　１０　フレーム
　１１　軸
　１２　ナット
　１３　リング
　１４　外軸
　１５　内軸
　１６　挿通孔
　１７　縦溝
　１８　ボルト
　１９　ボルト孔
　２０　粗型
　２１　口型
　２２　バッフル
　２３　ガイドリング
　２４　仕上型
　２５　底型
　２６　メカニズム
　２７　プランジャ
　２８　ファンネル
　２９　ブローヘッド

　本発明のバッフル、ファンネル又はブローヘッド駆動装置は、例えば図２に示すバッフル駆動装置１として実施することができる。すなわち、バッフル駆動装置１は、粗型近傍の成形機本体のフレーム１０に固定されている。バッフル駆動装置１はロッド２、駆動機構３、カム機構４などからなる。駆動機構３はエアシリンダで、外周に突出形成されたフランジ８をフレーム１０にボルトなど適宜の固定手段で固定することによってフレーム１０に固定されている。ロッド２は駆動機構３により上下に駆動する棒状のもので、駆動機構３の上方においてアーム５が固定され、その先端にバッフル２２が取り付けられるようになっている。ロッド２及びアーム５には、ロッド上部からバッフル２２に至るエア通路９が設けられ、セッツルブロー用のエアを供給できるようになっている。カム機構４はロッドが上下動するときにバッフル２２を旋回させるためのもので、駆動機構３の下部に取り付けられた円筒部４ａと、ロッド２の下部に外周方向に向かって突出形成されたカムローラ７で構成されている。円筒部４ａにはカム溝６が形成され、カムローラ７がカム溝６内に入り込んでいる。カム溝６は上下方向に設けられているが、上方に行くに従って円周方向に変位するように曲線状に形成されている。ロッド２が駆動機構３によって上下すると、カムローラ７がカム溝６に沿って上下するため、ロッド２が回転する。したがって、バッフル２２は旋回しながら上下することとなる。ロッド２が下降すると、バッフル２２は粗型２の上部にセットされ、ロッド２が上昇すると、バッフル２２は旋回しながら上昇して待機位置に移動する。カム溝６の幅は、カムローラがカム溝内を滑らかに移動できるように、カムローラの直径よりも若干広く形成されている。

　本発明は特にそのカム機構４に特徴を有する。図６は図２のＡ－Ａ線断面図である。同図に示されるように、ロッド２の下部には、ロッド２を水平に貫いて軸１１が設けられている。軸１１の中央部はロッド２に支持される被支持部、その両側に軸着部が形成され、それぞれの軸着部にはカムローラ７が回転自在に軸着されている。２個のカムローラ７は、平面視において、２個のカム溝６の軸１１に対する同じ側の縁辺６ａに接触しているので、ロッドの回転が規制され、ロッドが上下動して停止する際のバックラッシュが防止される。
　カム溝６は、円筒部４ａの１８０°対称の位置に２つ設けられている。
　以下、本発明における軸１１とカムローラ７の具体的構成の例を説明する。

　図７の例において、ロッド２の下部には、ロッド２を水平に貫いて軸１１が設けられている。軸１１は、ロッド２の下端部に形成した挿通孔１６に挿通されている。挿通孔１６の下側にはロッド２を左右に分断する縦溝１７がロッドの下端まで形成され、縦溝１７の溝幅を狭めるように締め付ける締付手段として、ボルト１８が設けられている。ボルト１８を緩めることで、軸１１を挿通孔１６に挿通し、また回転することができ、ボルト１８を締め付けることで軸１１はロッドに固定され、抜き差し及び回転ができなくなる。
　軸１１の中央部は、ロッド２に支持される被支持部１１ａ、その両側は軸着部１１ｂとなっており、それぞれの軸着部１１ｂにはカムローラ７が回転自在に軸着されている。軸１１の一方の端部は拡径された頭部１１ｃ、他方の端部には雄ねじ部１１ｄが形成され、雄ねじ部１１ｄにはナット１２が螺着されている。符号１３は、カムローラ１３の回転を滑らかにするためのリングである。
　この場合、図８に示すように、軸の被支持部１１ａ、及びカムローラ７の軸芯（軸着部１１ｂの軸芯）は同じになっている。

　図９の例において、ロッド２の下部には、ロッド２を水平に貫いて軸１１が設けられている。軸１１は、ロッド２の下端部に形成した挿通孔１６に挿通されている。挿通孔１６の下側にはロッド２を左右に分断する縦溝１７がロッドの下端まで形成され、縦溝１７の溝幅を狭めるように締め付ける締付手段として、ボルト１８が設けられている。ボルト１８を緩めることで、軸１１を挿通孔１６に挿通し、また回転することができ、ボルト１８を締め付けることで軸１１はロッドに固定され、抜き差し及び回転ができなくなる。
　軸１１の中央部は、ロッド２に支持される被支持部１１ａ、その両側は軸着部１１ｂとなっており、それぞれの軸着部１１ｂにはカムローラ７が回転自在に軸着されている。軸１１の両端部には雄ねじ部１１ｄが形成され、雄ねじ部１１ｄにはナット１２が螺着されている。符号１３は、カムローラ１３の回転を滑らかにするためのリングである。
　この場合、図１０に示すように、軸の被支持部１１ａの軸芯Ｏ_１、及び両側のカムローラ７の軸芯（軸着部１１ｂの軸芯）Ｏ_２は偏芯している。このため、ボルト１８を緩めた状態で軸１１を回転させると、カムローラ７の外輪郭が被支持部１１ａの軸芯Ｏ_１の周りに回転するので、カムローラ７の外輪郭がカム溝の縁辺と接触したところでボルト１８を締付固定すれば、カムローラを異なる直径のものに交換することなく、カムローラをカム溝の縁辺に接触させるための調整を容易に行うことができる。

　図１１の例は、図９の軸１１を凹凸嵌合部１１ｅで嵌め合いにし、軸１１の、凹凸嵌合部の左側と右側が相対的に回転可能とした場合の例である。
　この場合、ボルト１８を緩めた状態で、軸１１の左側と右側を独立して回転させることで、図５における隙間ｘが２個のカムローラにおいて異なる値であっても、それぞれのカムローラを個別に調整することが可能となる。調整完了後に、ボルト１８を締め付ければ、左右の軸は固定状態となる。

　図１２の例において、ロッド２の下部には、ロッド２を水平に貫いて軸１１が設けられている。軸１１は、ロッド２の下端部に形成した挿通孔１６に挿通されている。挿通孔１６の下側にはロッド２を左右に分断する縦溝１７がロッドの下端まで形成され、縦溝１７の溝幅を狭めるように締め付ける締付手段として、ボルト１８が設けられている。ボルト１８を緩めることで、軸１１を挿通孔１６に挿通し、また回転することができ、ボルト１８を締め付けることで軸１１はロッドに固定され、抜き差し及び回転ができなくなる。
　軸１１は外軸１４と内軸１５からなる。外軸１４は筒状をなし、ロッド２に支持されている被支持部１４ａと、被支持部１４ａから左側に連続して形成されカムローラ７の一つが軸着される第一軸着部１４ｂを有し、被支持部１４ａの軸芯と第一軸着部１４ｂの軸芯は偏芯している。
　内軸１５は外軸１４の内側に挿通され、外軸に対して回転可能であるが、図１２のように組み立てられてナット１２を締め付けると、回転不能に固定される。内軸１５は外軸１４内に軸着された内軸本体部１５ａと、内軸本体部１５ａから外軸の外側（右側）に連続して形成されもう一つのカムローラ７が軸着される第二軸着部１５ｂを有する。両端部には、雄ねじ部１１ｄが形成され、これにナット１２を螺着して全体が組み立てられる。前記被支持部１４ａの軸芯と第二軸着部１５ｂの軸芯も偏芯している。
　この場合も、左右２つのカムローラの軸着部が被支持部に対してそれぞれ独立に回転／固定可能であるので、図５における隙間ｘが２個のカムローラにおいて異なる値であっても、それぞれのカムローラを個別に調整することが可能となる。
　すなわち、ボルト１８及びナット１２を緩めた状態で、先ず外軸１４を回転して左側のカムローラ７の調整を行い、ボルト１８を締め付けて外軸１４を固定する。次に、内軸１５を回転させて右側のカムローラ７の調整を行い、ナット１２を締め付けて内軸１５を固定する。

　図１３は、図１２の中央縦断面の説明図である。これは、縦溝１７の溝幅を狭めるように締め付ける締付手段の例を示している。
　同図において、ロッド２の下端部にボルト孔１９が形成され、ボルト孔１９の左側部分には雌ねじが形成されている。ボルト１８をボルト孔１９に挿通して締め付けると、縦溝１７の溝幅が狭められて軸（外軸１４）が固定される。逆にボルト１８を緩めれば軸（外軸１４）は回転可能、抜き差し可能となる。

　図１４は実施例のファンネル駆動装置の略側面図である。アーム５にファンネル２８が取り付けられていること、ロッド２にエア通路が不要であること以外は前記バッフル駆動装置と全く同じ構成にすることができる。

　図１５は実施例のブローヘッド駆動装置の略側面図である。アーム５にブローヘッド２９が取り付けられていること以外は前記バッフル駆動装置と全く同じ構成にすることができる。

Claims

　垂直に配設されバッフル、ファンネル又はブローヘッドを取り付け可能なロッドと、該ロッドを上下動させる駆動機構と、ロッドが上下動する際にこれを回転させるカム機構を有する駆動装置において、
前記カム機構は、前記ロッドが挿通され２個のカム溝が形成されている円筒部と、前記ロッドからそれぞれのカム溝の中に突出して設けられている２個のカムローラを備え、
前記カム溝の幅は前記カムローラの直径よりも広く形成され、
前記カムローラは、前記ロッドを水平に貫いて設けられ、中央の被支持部を前記ロッドで支持された軸の、前記被支持部の両側の軸着部に回転自在に軸着され、
前記２個のカムローラは、平面視において前記カム溝の前記軸に対する同じ側の縁辺に接触していることを特徴とするバッフル、ファンネル又はブローヘッド駆動装置。
　垂直に配設されバッフル、ファンネル又はブローヘッドを取り付け可能なロッドと、該ロッドを上下動させる駆動機構と、ロッドが上下動する際にこれを回転させるカム機構を有する駆動装置において、
前記カム機構は、前記ロッドが挿通され２個のカム溝が形成されている円筒部と、前記ロッドからそれぞれのカム溝の中に突出して設けられている２個のカムローラを備え、
前記カム溝の幅は前記カムローラの直径よりも広く形成され、
前記カムローラは、前記ロッドを水平に貫いて設けられ、中央の被支持部を前記ロッドに回転／固定可能に支持された軸の、前記被支持部の両側の軸着部に回転自在に軸着されており、
前記被支持部の軸芯と、前記軸着部の軸芯とが偏芯しており、
前記２個のカムローラは、平面視において前記カム溝の前記軸に対する同じ側の縁辺に接触していることを特徴とするバッフル、ファンネル又はブローヘッド駆動装置。
　垂直に配設されバッフル、ファンネル又はブローヘッドを取り付け可能なロッドと、該ロッドを上下動させる駆動機構と、ロッドが上下動する際にこれを回転させるカム機構を有する駆動装置において、
前記カム機構は、前記ロッドが挿通され２個のカム溝が形成されている円筒部と、前記ロッドからそれぞれのカム溝の中に突出して設けられている２個のカムローラを備え、
前記カム溝の幅は前記カムローラの直径よりも広く形成され、
前記カムローラは、前記ロッドを水平に貫いて設けられ、中央の被支持部を前記ロッドに回転／固定可能に支持された軸の、前記被支持部の両側の軸着部に回転自在に軸着されており、
前記被支持部の軸芯と、前記軸着部の軸芯とが偏芯しており、
かつ、２つのカムローラの前記軸着部が前記被支持部に対してそれぞれ独立に回転／固定可能であり、
前記２個のカムローラは、平面視において前記カム溝の前記軸に対する同じ側の縁辺に接触していることを特徴とするバッフル、ファンネル又はブローヘッド駆動装置。
　垂直に配設されバッフル、ファンネル又はブローヘッドを取り付け可能なロッドと、該ロッドを上下動させる駆動機構と、ロッドが上下動する際にこれを回転させるカム機構を有する駆動装置において、
前記カム機構は、前記ロッドが挿通され２個のカム溝が形成されている円筒部と、前記ロッドからそれぞれのカム溝の中に突出して設けられている２個のカムローラを備え、
前記カム溝の前記はカムローラの直径よりも広く形成され、
前記カムローラは、前記ロッドを水平に貫いて、回転／固定可能に該ロッドに支持された軸に回転自在に軸着されており、
前記軸は、外軸と内軸で構成され、
該外軸は筒状をなし、前記ロッドに支持されている被支持部と、該被支持部から一方側に連続して形成され前記カムローラの一つが軸着される第一軸着部を有し、前記被支持部の軸芯と第一軸着部の軸芯は偏芯しており、
該内軸は前記外軸の内側に回転／固定可能に軸着された内軸本体部と、該内軸本体部から前記外軸の外側に連続して形成されもう一つのカムローラが軸着される第二軸着部を有し、前記被支持部の軸芯と第二軸着部の軸芯は偏芯しており、
前記２個のカムローラは、平面視において前記カム溝の前記軸に対する同じ側の縁辺に接触していることを特徴とするバッフル、ファンネル又はブローヘッド駆動装置。
　請求項１～４のいずれかの駆動装置において、前記ロッドの下端部に前記軸を挿通するための挿通孔を形成し、該挿通孔の下側に前記ロッドを左右に分断する縦溝をロッド下端まで形成し、前記縦溝の溝幅を狭めるように締め付ける締付手段を設け、該締付手段を緩めたときに軸の挿通及び回転が可能となり、該締付手段を締め付けたときに軸が固定されることを特徴とするバッフル、ファンネル又はブローヘッド駆動装置。