明 細 書
板状粒子構造を有する有機変性粘土鉱物を含むゾル組成物、油性ゲル 組成物、およびそれを用いた wzo型乳化組成物
関連出願
[0001] 本出願は、 2006年 8月 9日付け出願の日本国特許出願第 2006— 216656号及 び第 2006— 216657号の優先権を主張しており、ここに折り込まれるものである。 技術分野
[0002] 本発明は、板状粒子構造を有する有機変性粘土鉱物を含むゾル組成物、油性ゲ ル組成物、及び W/O型乳化組成物に関し、特に、有機変性粘土鉱物の油分に対 する増粘 ·ゲル化能や w/o乳化物における安定化能、さらには組成物の使用感の 改善に関する。
背景技術
[0003] 従来、 W/O乳化系は様々な製品に使用されている。特にシリコーン油はなめらか な特性を有し、揮発性および撥水性に優れていることから、化粧料分野においては 重要な油分であり、無論、 w/o型の化粧料にも配合されることが望まれている。しか しながら、シリコーン油は安定な w/o乳化系を形成することが難しい。
[0004] また、使用感、取扱性等の観点から、化粧品、医薬部外品のみならず、塗料、樹脂 などの各種分野で油系での増粘、ゲル化が行われており、例えば高分子増粘剤、な いしワックスなどが用いられる力 油分の中でも特にシリコーン油は化粧料分野にお いて重要である。
[0005] これまで、シリコーン油のゲル化や、シリコーン油配合の W/O乳化系の安定化の ために、シリコーン油をワックス類とともに固化する方法、シリカまたは親水化処理した シリカを併用する方法などがとられてきた。
[0006] しかしながら、ワックス類とともに固化する方法はのびが重くベたつき等の使用感に おいて問題があり、流動性に乏しいため応用範囲も制限されるものであった。またシ リカを併用する方法は経時での安定性が悪レ、と!/、つた問題があった。
このような使用性、経時安定性の問題点を改善する方法として、ポリエーテル変性
シリコーン化合物を用いて有機変性粘土鉱物を処理し、ゲル組成物や w/o乳化物 に配合する方法が開発されている(例えば、特許文献 1および 2を参照)。
[0007] しかしながら、前述のポリエーテル変性シリコーン化合物を用いて処理された有機 変性粘土鉱物を含むゲル組成物のゲル形成能は持続性が低く、また w/o乳化物 に配合した場合の乳化剤としての機能は、十分に満足レ、くものではなかった。
さらに、従来から使用される有機変性粘土鉱物を用いて、乳化物の安定性を確保 しょうとすると、該成分の必要量によってもたらされるゲル特性はその粘弾性が比較 的高くなる傾向にあるため、低粘度でかつ安定性に優れた乳化物を得ることは非常 に困難であった。
特許文献 1:特開昭 61— 114721号公報
特許文献 2:特開昭 61— 212321号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0008] 本発明は前述の事情に鑑みなされたものであり、その目的は、一つには、油分に対 して優れた増粘 ·ゲル化能を発揮する有機変性粘土鉱物系増粘 ·ゲル化剤、ならび にこれを用いた油性ゲル組成物を提供することである。
また、一つには、 w/o乳化物に用いた場合に、経時的な乳化粒子の凝集 '合一 を抑制するなどの優れた経時安定化効果を発揮し得る有機変性粘土鉱物系乳化剤
、ならびにこれを用いた w/o乳化物を提供することである。
また、一つには、低粘度においても w/o乳化安定性化効果を発揮することができ 、使用感に優れる w/o乳化物を与えることができる有機変性粘土鉱物系乳化剤、 ならびにこれを用いた w/o乳化物を提供することである。
課題を解決するための手段
[0009] 前述のポリエーテル変性シリコーン化合物を用いて処理された有機変性粘土鉱物 を含むゲル組成物のゲル形成能は持続性が低ぐまた w/o乳化物に配合した場 合の乳化剤としての機能が不十分である点について、以下のように考えられた。 すなわち、粘土鉱物の形状は本来、厚みが数 nmの板状粒子が層状化 (積層)して V、るものであるが、市販の有機変性粘土鉱物ではその製造過程にお!/、て凝集が生じ
るために、この層状の粘土鉱物がさらに凝集しており、その平均厚さは通常 2 111以 上となっている。したがって、ポリエーテル変性シリコーン化合物による処理のみでは 、粘土鉱物の凝集体の微細化あるいは板状化はなされないために、有機変性粘土 鉱物が十分に分散されず、その結果、油分中で安定なゲルネットワーク構造が十分 形成されないと考えられた。そして、このこと力 ゲル化剤や乳化剤としての機能が劣 る原因になって!/、るのではな!/、かと考えられた。
[0010] このような考えに基づいて本発明者らが検討を行ったところ、有機変性粘土鉱物の 凝集体を機械的剪断力及び/又は衝撃力によって油分中で剥離処理して微細な板 状粒子へその形状を制御することにより、非イオン性界面活性剤共存下での増粘 -ゲ ル化能が著しく高くなることが判明した。また、 w/o乳化物における乳化安定化効 果も非常に高くなる。このため、有機変性粘土鉱物板状粒子及び非イオン性界面活 性剤の使用量を減量することにより、比較的低粘度で安定性に優れた w/o乳化物 を提供することが可能となる。
[0011] さらに本発明者等が検討を進めた結果、有機変性粘土鉱物板状粒子と非イオン性 界面活性剤とを含む油性ゲル組成物に COOH基及び/又は OH基を分子内に有 する油分を用いると、油性ゲル組成物さらにはこれを用レ、た W/O乳化物の粘度が 低下するにもかかわらず、乳化安定化効果が保持され、従来の有機変性粘土鉱物 凝集体を用いた場合に比べてものびやみずみずしさなどの使用感が向上することも 見出し、本発明を完成するに至った。
[0012] すなわち、本発明に力、かるゾル組成物は、平均厚さが 0. 1 m以下、平均長径が 0 . 5〜50 mである板状粒子構造を有する有機変性粘土鉱物を油分中に含むことを 特徴とする。なお、本発明において、各々の板状粒子は実質的に凝集していない。 本発明のゾル組成物にお!/、て、前記有機変性粘土鉱物が有機変性へクトライトで あることが好適である。
また、本発明のゾル組成物において、油分がシリコーン油を含むことが好適である
〇
また、本発明のゾル組成物において、平均厚さ 2 in以上である層状構造を有する 有機変性粘土鉱物の凝集体を、油分中で、機械的せん断力および/又は衝撃力に
よって剥離処理する方法で製造されることが好適である。
[0013] 本発明に力、かる油性ゲル組成物は、前記!/、ずれかに記載のゾル組成物と、非ィォ ン性界面活性剤とを含むことを特徴とする。
また、本発明に力、かる油性ゲル組成物は、下記成分の〜 (iii)を含有することを特徴 とする。
(i)平均厚さが 0· l ^ m以下、平均長径が 0· 5〜50 111である板状粒子構造を有す る有機変性粘土鉱物、
(ii)非イオン性界面活性剤
(iii)油分
本発明の油性ゲル組成物にお!/、て、前記板状粒子構造を有する有機変性粘土鉱 物が有機変性へクトライトであることが好適である。
また、本発明の油性ゲル組成物において、油分がシリコーン油を含むことが好適で ある。
[0014] また、本発明の油性ゲル組成物において、平均厚さ 2 μ m以上である層状構造を 有する有機変性粘土鉱物の凝集体を、非イオン性界面活性剤の存在下、油分中で 、機械的せん断力および/又は衝撃力によって剥離処理する方法で製造されること が好適である。
また、本発明の油性ゲル組成物において、平均厚さ 2 in以上である層状構造を 有する有機変性粘土鉱物の凝集体を、非イオン性界面活性剤の非存在下、油分中 で、機械的せん断力および/又は衝撃力によって剥離処理した後、非イオン性界面 活性剤を添加する方法で製造されることが好適である。
[0015] また、本発明の油性ゲル組成物にお!/、て、非イオン性界面活性剤がポリエーテル 変性シリコーン化合物であることが好適である。
また、前記いずれかに記載の油性ゲル組成物において、さらに分子内に COOH基 及び/又は OH基を有する油分を含むことが好適である。
[0016] 本発明の油性ゲル組成物において、平均厚さ 2 in以上である層状構造を有する 有機変性粘土鉱物の凝集体を、分子内に COOH基及び/又は OH基を有する油 分の非存在下、油分中で、機械的せん断力および/又は衝撃力によって剥離処理
した後に、分子中に COOH基及び/又は OH基を有する油分を添加する方法で製 造されることが好適である。
[0017] また、本発明の油性ゲル組成物において、平均厚さ 2 μ m以上である層状構造を 有する有機変性粘土鉱物の凝集体を、分子内に COOH基及び/又は OH基を有 する油分を含む油分中で、機械的せん断力および/又は衝撃力によって剥離処理 する方法で製造されることが好適である。
[0018] また、本発明に力、かる油性ゲル組成物にお!/、て、前記板状粒子構造を有する有機 変性粘土鉱物の配合量が油性ゲル組成物中 0. 25〜30質量%であることが好適で あり、さらには、前記板状粒子構造を有する有機変性粘土鉱物の配合量が油性ゲル 組成物中 0. 25〜; 10質量%であることが好適である。
[0019] また、本発明に力、かる油性ゲル組成物にお!/、て、前記非イオン性界面活性剤の配 合量が油性ゲル組成物中 0.;!〜 10質量%であることが好適である。
また、本発明に力、かる油性ゲル組成物において、分子内に COOH基及び/又は
OH基を有する油分が、油性ゲル組成物中 0.;!〜 5質量%であることが好適である。 本発明に力、かる W/O型乳化組成物または化粧料は、前記!/、ずれかに記載の油 性ゲル組成物を用いたことを特徴とする。
発明の効果
[0020] 本発明の板状粒子構造の有機変性粘土鉱物は、非イオン性界面活性剤との併用 により油分に対して優れた増粘ゲル化効果を発揮する。また、 w/o乳化物に対す る乳化安定化効果にも優れるので、板状粒子構造の有機変性粘土鉱物及び非ィォ ン性界面活性剤の使用量を低減することによって、低粘度で乳化安定性の高!/、W/ O乳化物を提供することが可能である。また、さらに COOH/OH基含有油分を用い ることにより、乳化安定性を維持したままで組成物の粘度を低下させることができ、低 粘度で乳化安定性に優れ、し力、ものびやみずみずしさなどの使用感に非常に優れる ? Lィ匕物を得ることができる。
図面の簡単な説明
[0021] [図 1]市販の有機変性粘土鉱物の SEM写真図である。
[図 2]板状粒子構造を有する有機変性粘土鉱物の SEM写真図である。
[図 3]凝集体又は板状粒子構造を有する有機変性粘土鉱物のシリコーン油中におけ るゲルネットワークの形成を模式的に示した図である。
[図 4]市販の有機変性粘土鉱物を高分散処理により油性ゲル組成物を調製した場合 (ゲル組成物 1 3)の、ポリエーテル変性シリコーン化合物添加前と後の分散状態を 示す写真図である。
[図 5]市販の有機変性粘土鉱物を通常の分散処理により油性ゲル組成物を調製した 場合 (ゲル組成物 1 4)の、ポリエーテル変性シリコーン化合物添加前と後の分散状 態を示す写真図である。
[0022] [図 6]本発明にかかる板状粒子構造を有する有機変性粘土鉱物を用いた油性ゲル 組成物の貯蔵弾性率(G' )とずり応力との関係を示した図である。
[図 7]市販の有機変性粘土鉱物の通常分散処理品を用いた油性ゲル組成物の貯蔵 弾性率 (G' )とずり応力との関係を示した図である。
[図 8]本発明に力、かる板状粒子構造を有する有機変性粘土鉱物を用いた油性ゲル 組成物の貯蔵弾性率(G' )とずり応力との関係を示した図である。
[図 9]市販の有機変性粘土鉱物の通常分散処理品を用いた油性ゲル組成物の貯蔵 弾性率 (G' )とずり応力との関係を示した図である。
[図 10]油性ゲル組成物 2— 3および 2— 4の膨潤性を、ポリエーテル変性シリコーン化 合物の添加量を変えて示した図である。
[0023] [図 11]市販の有機変性粘土鉱物を通常の分散処理して得られた油性分散物 3— 4の SEM写真である。
[図 12]市販の有機変性粘土鉱物を高分散処理して得られた油性分散物 3— 3の SE M写真である。
[図 13]油性分散物中の COOH/OH基含有油分濃度による粘度変化を示す図であ 発明を実施するための最良の形態
[0024] (1)有機変性粘土鉱物を含有するゾル組成物
本発明に力、かるゾル組成物は、有機変性粘土鉱物粒子が油分中に分散した油性 分散物であって、平均厚さが 0. l ^ m以下、且つ平均長径が 0. 5〜50 111である
板状粒子構造を有する有機変性粘土鉱物粒子を含む。なお、各々の板状粒子は実 質的に凝集していない。
上記有機変性粘土鉱物は、平均厚さ 2 ,i m以上である層状構造を有する有機変性 粘土鉱物の凝集体を、油分中で、機械的せん断力および/又は衝撃力によって剥 離処理することにより得ること力 Sできる。具体的には、以下のような処理方法により、通 常低粘度で流動性のあるゾル組成物として得られる。
[0025] (処理方法)
市販の有機変性粘土鉱物(通常は平均厚さ 2 ,i m以上である層状構造を有する凝 集体である)と油分との混合物に、直径 lmm程度のガラスビーズほたはジルコ二アビ ーズなど)を同体積加え、ペイントシエイカ一(浅田鉄工株式会社)、ビーズミル (DIS PERMAT, VMA-GETZMANN GMBH Verfahrenstechnik)などを用いて 機械的せん断力および/または衝撃力を加えることにより薄片化する。
[0026] 原料として用いた市販の有機変性へクトライト(ベントン 38VCG、エレメンテイススぺ シャリテイーズ (英)社製)の SEM写真図(図 1)、およびこれを上記処理方法で処理 して得られた板状粒子構造を有する有機変性へクトライトの SEM写真図(図 2)を示 す。
(デカメチルシクロペンタシロキサン:有機変性へクトライトが 95: 5の配合比率で分散 させた後に、 SEM S— 4500 (株式会社日立ハイテクノロジーズ製)にて撮影) なお、上記剥離処理は後述する非イオン性界面活性剤及び/又は COOH/OH 基含有油分の存在下で行うこともできる。
[0027] 本発明に力、かる有機変性粘土鉱物は、前述の処理方法により、平均厚みが 0. 1 a m以下である板状の形状を有するものである。従来の粘土鉱物は、板状粒子が層状 化しており、これを有機変性処理して調製される市販の有機変性粘土鉱物は、その 層状構造を有する粘土鉱物がさらに凝集体を形成しており、その様態は図 1に示さ れる。
[0028] 本発明においては、この凝集体を剥離処理することにより、平均厚みが 0. 1 m以 下である板状粒子構造を有する有機変性粘土鉱物が単一粒子として独立に存在し たゾル組成物を得ることができる。一度得られた分散体は、シリコーン油などの油相
中において、再度凝集することなぐ良好な分散状態を維持することが可能である。 凝集体が十分に剥離されずに厚みが大きいままであると、後述するような増粘ゲル化 能や W/O乳化安定化能が十分に発揮されな!/、。
また、本発明にかかるゾル組成物に含まれる有機変性粘土鉱物は、平均長径が 0. 5〜50 111であることが好ましい。個々の粒子形状は、上記の厚みおよび長径の範 囲においてシート構造をとつていれば、特に限定されず、角張っていてもいなくてもよ い。
[0029] 本発明にかかるゾル組成物に含まれる有機変性粘土鉱物の平均厚さ、平均長径 は例えば、以下の測定方法により求められる。
(測定方法)
•平均厚さ
ゾル組成物をシリコーン油で十分希釈し、希釈液を乾燥したサンプルを走査型電 子顕微鏡(S— 4500、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて測定する。 •平均長径
ゾル組成物をシリコーン油で十分希釈し、粒度分布測定機(Microtrac VSR、 日機 装株式会社製)を用いて測定する。
また前記有機変性粘土鉱物の形状は SEM写真により決定される。
[0030] 本発明にかかる板状粒子構造を有する有機変性粘土鉱物を調製しょうとする場合 、その原料となる有機変性粘土鉱物は、化粧料に一般に使用されるものであれば特 に制限されず、いずれのものも使用することが可能である。具体的には、水膨潤性粘 土鉱物の層間カチオンをアルキル 4級アンモニゥム塩等のカチオン系界面活性剤で イオン交換して得られるものであり、ベンジルジメチルステアリルアンモニゥムイオンで 交換されたもの、ジメチルジステアリルアンモニゥムイオンで交換されたもの等が挙げ られる。また水膨潤性粘土鉱物は具体的にはモンモリロナイト、スメクタイト、ヘクトライ ト等が挙げられる。本発明において、好ましく用いられる有機変性粘土鉱物は、前述 の有機変性されたへクトライトであり、市販の有機変性粘土鉱物としては、例えばベン トン 27、ベントン 38 (エレメンテイススぺシャリテイーズ (英)社製)等が挙げられる。
[0031] 本発明にかかるゾル組成物にお!/、て、前記板状構造を有する有機変性粘土鉱物
の配合量は特に制限されないが、 0. 25〜35質量%とすることが好適である。配合 量が多すぎると剥離処理が困難となることがある。
[0032] また、前述の処理方法において用いる油分は、特に限定されない。化粧料や医薬 品等に通常配合される油分を 1種または 2種以上用いることが可能である力 S、全体と して常温(20°C)で液状の油分であることが好適である。特に本発明においてはシリ コーン油が好ましく用いられる。
[0033] シリコーン油としては、化粧料に一般的に使用されるものであれば特に限定されな い。具体的に示すと、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフエ二ルポリシロキサン 等の鎖状ポリシロキサン、オタタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタ シロキサン、ドデカメチノレシクロへキサシロキサン等の環状ポリシロキサンの他、特に 問題のない限り、 3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム各種 ポリシロキサン(ァミノ変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性 ポリシロキサン等)等が挙げられる。
本発明において、シリコーン油の 1種または 2種以上を選択して用いることも可能で ある。
[0034] 本発明の板状構造を有する有機変性粘土鉱物は、特にシリコーン油を主成分とす る油分中で良好に分散することができ、ポリエーテル変性シリコーン化合物などの非 イオン性界面活性剤とともに増粘 ·ゲル化を効果的に行うことが可能である。また、シ リコーン油を主成分とする W/O乳化組成物においても優れた乳化安定化効果を発 揮すること力 Sでさる。
[0035] シリコーン油以外の油分としては、例えば、炭化水素油、エステル油、植物性油脂 、動物性油脂、高級アルコール、高級脂肪酸等が挙げられる。
[0036] 炭化水素油としては、流動パラフィン、パラフィン、スクヮラン、スクワレン、ォゾケライ ト、プリスタン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
[0037] エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オタ チルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸プチル、ラウリン酸へキシル、 ミリスチン酸ミリスチル、ォレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸へキシルデシル、乳酸 セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソ
セチル、 12—ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ 2—ェチルへキサン酸エチレン グリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸 N—アルキ ルグリコーノレ、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ 2— へプチルゥンデカン酸グリセリン、トリ 2—ェチルへキサン酸トリメチロールプロパン、ト リイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン 酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル 2—ェチルへキサノ エート、テトラ 2—ェチルへキサン酸ペンタエリスリトール、トリ 2—ェチルへキサン酸グ リセリン、 2—ェチルへキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ 2—へプチ ルゥンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ォレイン酸ォレイル、ァ セトグリセライド、パルミチン酸 2—へプチルゥンデシル、アジピン酸ジイソブチル、 N —ラウロイルー L グルタミン酸 2—オタチルドデシルエステル、アジピン酸ジ - 2 一へプチルゥンデシル、ェチルラウレート、セバシン酸ジー 2—ェチルへキシル、ミリ スチン酸 2—へキシルデシル、パルミチン酸 2—へキシルデシル、アジピン酸 2—へキ シノレデシノレ、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸 2—ェチルへキシル、タエン酸トリエ チル等が挙げられる。
[0038] 植物性油脂としては、アポガド油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、 ォリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、落花生油、アーモンド油、大豆油、茶実油 、ホホバ油、胚芽油等が挙げられる。
動物性油脂としては、タートル油、卵黄油、ミンク油等が挙げられる。
高級アルコールとしては、ォレイルアルコーノレ、イソステアリルアルコーノレ、ォクチノレ ドデカノーノレ、デシノレテトラデカノーノレ、ホホバァノレコーノレ、セチノレアノレコーノレ、 ミリス チルアルコール等力 高級脂肪酸としては、ォレイン酸、イソステアリン酸、リノール酸 、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサへキサェン酸、パルミチン酸、ステアリン 酸等が挙げられる。
[0039] (2)有機変性粘土鉱物を含有するゲル組成物
上記のようなゾル組成物に非イオン性界面活性剤を併用した場合、ゾル組成物に 比して粘度が著しく上昇し、流動性が低下する。本発明においては、このような組成 物をゲル組成物と言う。このように、本発明のゲル組成物は、前記ゾル組成物(ゲル
組成物から非イオン性界面活性剤を除!/、た分散体)よりも増粘した油性分散物とレ、う こと力 Sでさる。
非イオン性界面活性剤の添加は、有機変性粘土鉱物を油分中で剥離処理する前 、剥離処理中、剥離処理後の何れであってもよい。
例えば、本発明に力、かる油性ゲル組成物は、前記ゾル組成物に非イオン性界面活 十生斉 IJを添カロすることにより得ること力できる。
あるいは、有機変性粘土鉱物凝集体 (通常平均厚さ 2 ^ m以上)を、非イオン性界 面活性剤の存在下、油分中で機械的剪断力及び/又は衝撃力によって剥離処理 することによって、得ることもできる。このような方法による油性ゲル組成物中でも、前 記板状粒子構造を有する有機変性粘土鉱物が形成される。
なお、前者の方法のように、有機変性粘土鉱物を油分中で高分散処理してゾル組 成物とした後で非イオン性界面活性剤を添加して調製された油性ゲル組成物の方が 、後者の方法のようにワンステップで調製された油性ゲル組成物よりも、ゲル組成物 やこれを用いた W/O乳化物の粘度が低くなる傾向があり、また、後述する COOH /OH基含有油分による粘度低下効果が大きくなる傾向がある。
本発明にかかる油性ゲル組成物に含まれる有機変性粘土鉱物の平均厚さ、平均 長径は例えば、以下の測定方法により求められる。
(測定方法)
•平均厚さ
油性ゲル組成物をシリコーン油で十分希釈し、希釈液を乾燥したサンプルを走査 型電子顕微鏡
(S— 4500、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて測定する。
•平均長径
油性ゲル組成物をシリコーン油で十分希釈し、粒度分布測定機(Microtrac VSR、 日機装株式会社製)を用いて測定する。
これらの測定のために、油性ゲル組成物中の非イオン性界面活性剤をシリコーン 油で洗浄してもよい。
なお、本発明においては、上記の平均厚さおよび平均長径の測定は、有機変性粘
土鉱物をシリコーン油中に分散および希釈させたゾル組成物を測定サンプルとして 用いることも可能なものとする。
また、前記有機変性粘土鉱物の形状は SEM写真により決定される。
[0041] 本発明にかかる油性ゲル組成物中において、非イオン性界面活性剤は、前記板状 構造を有する有機変性粘土鉱物の板状粒子表面に吸着し、安定なゲルネットワーク の形成に寄与する。微細な板状粒子表面に非イオン性界面活性剤が吸着して!/、る ため、吸着率が向上し、従来の凝集体の有機変性粘土鉱物を用いたゲル組成物より も少ない非イオン性界面活性剤量でその配合効果が発揮される。
また、本発明に力、かる油性ゲル組成物を用いて W/O型乳化組成物を調製した場 合、非イオン性界面活性剤によって表面改善された有機変性粘土鉱物の微細分散 粒子が乳化粒子の膜壁を形成し、安定性に優れた乳化組成物となる。
[0042] 本発明において用いる非イオン性界面活性剤としては、通常医薬品、化粧料等に 用いられるものが挙げられる。
具体的には、例えば、 POE (2〜50)ォレイルエーテル、 POE (2〜40)ステアリル エーテル、 POE (2〜50)ラウリルエーテル、 POE (1〜50)アルキルフエニルエーテ ノレ、 POE (5〜30)ベへニルエーテル、 POE (5〜25) 2—デシルペンタデシルエー テル、 POE (3〜20) 2—デシルテトラデシルエーテル、 POE (5〜25) 2—オタチルド デシルエーテル等のエーテル型活性剤、および POE (4〜; 100)硬化ヒマシ油、 PO E (3〜60)ヒマシ油、 POE (2〜; 150)脂肪酸モノエステル、 POE (2〜150)脂肪酸 ジエステル、 POE (5〜20)ソルビタン脂肪酸エステルなどのエステル型活性剤、さら アレート、 POE (5〜60)硬化ヒマシ油トリイソステアレート等のエーテルエステル型活 性剤などのエチレンォキシド付加型界面活性剤、およびデカダリセリルテトラオレート ルテトラステアレート、デカグリセリルへプタオレート、デカグリセリルデカオレート、デ カグリセリルデカイソステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリルモノス テアレート、グリセリルモノイソステアレート、グリセリルモノォレート等のグリセリン脂肪 酸エステル等の多価アルコール脂肪酸エステル型界面活性剤などが挙げられる。非
イオン性界面活性剤は、 1種または 2種以上を選択して用いることができる。
[0043] 本発明にお!/、て好まし!/、非イオン性界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコー ン化合物が挙げられる。ポリエーテル変性シリコーン化合物としては、下記の一般式 (I)〜(VII)で表されるポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンが挙げられる
[0044] [化 1]
R R R R
R— SiO- ■SiO- ■SiO- -Si—— R
R R (CH
2)pO(C
3H
60 Rl R
」m L' s R n
[0045] [化 2]
[0046] [化 3]
R
R'(OC2H4)x(OC3H6)yO(CH2)p"|~ SiO (CH2)pO(C3H60)y(C2H40)xR' ■ ■ ■ (III)
R
[0047] [化 4]
R R R R
J
R— SiO-一 SiO SiO Si (CH2)pO(C3H60)y(C2H40)xR'
1
1
R R Ϊ (CH2)pO(C3H60)y(C2H40)xR'
m 」 t R
(IV)
[0049] [化 6」
(一般式 (I)〜(VII)中、 Rは炭素数 1〜3のアルキル基またはフエニル基、 R'は水素 または炭素数;!〜 12のアルキル基、 pは;!〜 50の整数、 mおよび aは;!〜 100の整数
、 n, q, x, ziま;!〜 50の整数、 tおよび yiま 0〜50の整数。 )
[0051] 上記一般式 (I)〜 (VII)で表されるポリエーテル変性シリコーン化合物を用いると、 本発明に力、かる油性ゲル組成物に含まれる油分がシリコーン油である場合に、特に 好適である。本発明においては、前記に表されるポリエーテル変性シリコーン化合物 のうち、 1種以上または 2種以上が任意に選択して用いられることが好適である。 上記一般式 (I)〜 (VII)で表される化合物として、市販のものを用いることも可能で あり、ポリオキシエチレン'メチルポリシロキサン共重合体などを挙げることができる。 なお、本発明に力、かる油性ゲル組成物において、シリコーン油の好適な配合量は ゲル組成物全量中 20〜90質量%である。
[0052] 本発明に力、かる油性ゲル組成物にお!/、て、非イオン性界面活性剤の好適な配合 量は該油性ゲル組成物全量中 0. ;!〜 10質量%である。
また、該油性ゲル組成物中において、板状構造を有する有機変性粘土鉱物に対 する非イオン性界面活性剤の質量比は、板状構造有機変性粘土鉱物:非イオン性 界面活性剤 = 1:;!〜 10: 1であることが好ましい。
非イオン界面活性剤が少なすぎるとその効果が十分発揮されず、一方、非イオン界 面活性剤を過剰に用いても効果の顕著な向上は期待できず、かえって使用感などに 悪影響を及ぼすことがある。
[0053] 本発明に力、かる油性ゲル組成物にお!/、て、板状粒子構造を有する有機変性粘土 鉱物の好適な配合量は該油性ゲル組成物全量中 0. 25〜30質量%であり、さらに 好ましくは 0. 25〜10質量%である。最も好ましくは、 0. 5〜5質量%である。 0. 25 質量%未満であると、配合効果が見られず、また 30質量%を超えて配合すると非ィ オン性界面活性剤との併用で固いゲルが形成される傾向にあり、増量による効果の 向上も認められない。
[0054] 本発明に力、かるゾル組成物や油性ゲル組成物には、特に問題のなレ、限りその他の 任意の油性成分を含有することも可能であり、また、必要に応じてシリコーン油やそ の他の油分を添加してもよレ、。
例えば、本発明にかかる好適な油性ゲル組成物として、板状粒子構造の有機変性 粘土鉱物、ポリエーテル変性シリコーン化合物、及びシリコーン油を主成分として含
むものが挙げられる力 S、シリコーン油以外の油分を加えることも可能である。
その他の油分としては、例えば、炭化水素油、エステル油、植物性油脂、動物性油 脂、高級アルコール、高級脂肪酸等が挙げられる。なお、これら油分は、シリコーン 油に溶解して全体として常温(20°C)で均一な液状となることが好ましレ、。
また、本発明に力、かる油性ゲル組成物において、油分の好適な配合量は油性ゲル 組成物全量中 70質量%以上である。
[0055] また、これら油分のうち、特に COOH基及び/又は OH基を分子内に有する油分( 本発明において、 COOH/OH基含有油分と言うことがある)を用いると、ゲル組成 物やこれを用いた W/O乳化物の安定性を損なうことなぐ粘度を低下させることが できる。よって、油相中に前記有機変性粘土鉱物板状粒子及び非イオン性界面活性 剤を含む W/O乳化物にお!/、て、油相中に COOH/OH基含有油分を用いること により、これを用いな力、つた場合と同程度の乳化安定性を有するにもかかわらず、粘 度が低くのびのよい W/O乳化物とすることができる。また、この W/O乳化物は、従 来の有機変性粘土鉱物凝集体を用いた場合に比べても、のびやみずみずしさ、なめ らカ、さなどの使用感も非常に高くなる。
この理由は明らかではないが、 COOH/OH基含有油分が有機変性粘土鉱物板 状粒子のゲルネットワーク構造を崩壊させることなくその結合力を弱めることが考えら れる。
[0056] このような COOH/OH基含有油分は、油性ゲル組成物中 0. ;!〜 5質量%、さらに は 0. 5〜3質量%であることが好ましい。 COOH/OH基含有油分が少なすぎるとそ の効果が十分得られないことがあり、一方過剰に配合した場合には顕著な効果は発 揮されず、かえって乳化安定性や使用感に悪影響を及ぼすことがある。
[0057] COOH/OH基含有油分としては通常医薬品や化粧料等に使用されるものであ れば何れも用いることができ、シリコーン油に溶解可能な常温液状の油分がより好ま しい。例えば、イソステアリン酸などの液状高級脂肪酸、イソステアリルアルコールな どの液状高級アルコール、高級脂肪酸、セスキイソステアリン酸ソルビタンなどの多価 アルコール脂肪酸エステル、等が挙げられる。
[0058] COOH/OH基含有油分を油性ゲル組成物に配合する場合、有機変性粘土鉱物
の剥離処理の前、間、後の何れの段階でも添加することができる力 剥離処理後に 添加する方が効果の点でより好まし!/ヽ。
また、 W/O乳化組成物に配合する場合には、 COOH/OH基含有油分を乳化 後に添加することもできる力 S、好ましくは乳化前に油相に添加する。
[0059] (3)W/0乳化組成物
次に本発明に力、かる W/O乳化組成物につ!/、て説明する。
W/O型乳化組成物を構成する水相としては、水および水溶性成分が配合される
〇
一方、油相には、前記油性ゲル組成物が主成分として用いられる。
[0060] 本発明にかかる W/O型乳化組成物は、常法の W/O型乳化組成物の製造方法 によって製造される。例えば、前記油性ゲル組成物を含む油相に水相を添加して乳 ィ匕することにより得られる。
W/O型乳化組成物全量中、前記水相:油相は 80: 20〜5: 95の割合であることが 好ましい。
[0061] 本発明に力、かる油性ゲル組成物又は W/O型乳化組成物には、化粧料に一般的 に使用されるその他の成分を適宜配合することも可能である。
例えば、薬剤、各種界面活性剤、無機粉末、有機粉末、顔料、色素、保湿剤、増粘 剤、金属封鎖剤、各種水溶性高分子、 pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤等が挙げら れる。
本発明に力、かる油性ゲル組成物又は W/O型乳化組成物は、従来の油性ゲル化 粧料ゃ W/O乳化化粧料の基剤として用いることができる。例えば、乳液、クリーム、 洗浄料、ノ ック、マッサージ用化粧料などのスキンケア化粧料;ファンデーション、 口 紅、頰紅、アイライナー、アイシャドウなどのメークアップ化粧料;サンスクリーン化粧 料;ヘアトリートメントや整髪料などの毛髪化粧料などが挙げられる力 S、これらに限定 されるものではない。
実施例
[0062] 以下、具体的に実施例を挙げて、本発明について更に詳しく説明する。本発明は これらの実施例により限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、配合量は
[0063] I.有機変性粘十鉱物を含有するゾル組成物
まず最初に、以下の実施例で用いる有機変性粘土鉱物のゾル組成物の調製方法 を示す。
ゾル組成物 1 1 4
市販の有機変性へクトライト(ベントン 38VCG、エレメンテイススぺシャリテイーズ(英 )社製)を 15質量%、デカメチルシクロペンタシロキサンを 85質量%混合した。この混 合物に、直径 lmmのガラスビーズを混合物と同体積添加した状態で、ビーズミルを用 いて機械的に高いせん断力および/または衝撃力を加えることにより薄片化する処 理を 5分間、 10分間、 15分間と処理時間を各々変えて行い、ゾル組成物 1 1 3を得た。
また、比較例として、ガラスビーズを添加せず、ビーズミルの代わりにデイスパーで 1 0分間処理して、ゾル組成物 1 4を得た。
[0064] 得られたゾル組成物に含まれる有機変性粘土鉱物の粒子形状を下記表 1に示す。
なお、平均厚さ、平均長径の測定は以下のように実施した。
(測定方法)
•平均厚さ
ゾル組成物をデカメチルシクロペンタシロキサンで十分希釈し、希釈液を乾燥した サンプルを走査型電子顕微鏡(S_4500、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用い て測定した。
•平均長径
ゾル組成物をデカメチルシクロペンタシロキサンで十分希釈し、粒度分布測定機 ( Microtrac VSR, 日機装株式会社製)を用いて測定した。
[0065] [表 1]
形状 平均厚さ( i m) 平均長径(ju m)
ゾル組成物 1一 1 板状 0.05 9.5
ゾル組成物 1一 2 板状 0.05 5.7
ゾル組成物 1一 3 板状 0.04 5.2
ゾル組成物 1 - 4 粒状 平均粒子径 19.9
[0066] デイスパーによる通常の分散処理で得られたゾル組成物 1 4では、図 1の SEM写 真のように、有機変性粘土鉱物は比較的大きな粒状 (凝集体)のままであった。一方 、ビーズミルによる高分散処理で得られたゾル組成物 1一;!〜 1 3では図 2のように 有機変性粘土鉱物は微細な板状粒子に剥離されていた。
[0067]
II. 有機栾†4¾十鉱物を含有する油†生ゲル組成物
さらに、上記のとおり調製した有機変性粘土鉱物のゾル組成物 1 1〜1 4を用い 、油性ゲル組成物 1 1〜1 4を調製した。製造例を以下に示す。
[0068] 油件ゲル組成物 1 1 4
前記有機変性粘土鉱物のゾル組成物 1一;!〜 1一 4を各々 33. 33重量部、ポリオキ チェチレン.メチルポリシロキサン共重合体(一般式 (I)タイプ、ポリオキシエチレン含 有率 20%、粘度 400〜800cs、 HLB4. 5、 R' =H、 p = 3、 y=0) 2. 5重量部、デ カメチルシクロペンタシロキサン(3· 5〜4· 5cs) 64. 17重量部をデイスパーで 10分 間、分散処理して、油性ゲル組成物 1一;!〜 1 4を得た(各油性ゲル組成物中の有 機変性粘土鉱物濃度は 5質量%)。
[0069] 前記油性ゲル組成物 1 1〜1 4に関し、膨潤性を調べた。その結果を下記表 2 に示す。膨潤性の評価方法および評価基準は以下のとおりである。
(油性ゲル組成物の膨潤性)
透明ガラス瓶にサンプルを入れ、 目視により以下の基準のもとに、各油性ゲル組成 物を評価した。
〇:液相の分離など変化が見られない。
△:ゲル組成物全体の 1/5以下が分離して!/、る。
X:ゲル組成物全体の 1/5以上が分離している。
[0070] [表 2]
[0071] 上記表 2の結果から明らかなように、デイスパー処理して得られた油性ゾル組成物 1
4と非イオン性界面活性剤とを用レヽて得られた油性ゲル組成物 1 4は膨潤性が 劣るものであった。
一方、ビーズミルにより処理して得られたゾル組成物 1 1〜1 3と非イオン性界 面活性剤とを用レ、て得られた油性ゲル組成物 1 1〜 1 3では、油性ゲル組成物 1 —4に比して高い膨潤性が得られ、また、ゾル組成物の処理時間を 10分間、 15分間 と延ばすにつれて、油性ゲル組成物の膨潤性が向上した。これは、表 1のように、有 機変性粘土鉱物の微細な剥離が処理時間と共に進行して!/、るためと考えられる。特 に、油性ゲル組成物 1 3に含まれる有機変性粘土鉱物は、平均厚さが 0. 以 下であり、平均長径も 5 m程度の分散性の良好な板状粒子構造であった。
[0072] 油性ゲル組成物 1 4に含まれる有機変性粘土鉱物粒子の形状は粒状であり、前 記板状粒子構造を有する有機変性粘土鉱物とは異なる形状である。
前記板状粒子構造の有機変性粘土鉱物では、板状粒子表面(平坦面)が疎水性、 端面が親水性を帯びる傾向にあるため、シリコーン油中において親水性部分の端面 の露出を減らすように配置される。模式的に表すと図 3のようなゲルネットワークを形 成し、高い膨潤性が発揮されると考えられる。
一方、粒状の有機変性粘土鉱物粒子では、親疎水性部分の寄与によるゲルネット ワークが形成され難いため、膨潤性が劣るものと考えられる。
[0073] また、ゾル組成物 1 1〜1 3に含まれる有機変性粘土鉱物は、処理時間によつ て板状粒子の平均長径および分散性の程度が異なるものである力 凡そ 15分間以 上の処理時間で薄片化されることにより、優れた膨潤性が得られることが上記の結果 から明らかである。
[0074] 前記油性ゲル組成物 1 3および 1 4の製造過程において、非イオン性界面活性 剤であるポリエーテル変性シリコーン添加前と添加後の有機変性粘土鉱物の分散状 態を、 SEM写真で撮影した(図 4および図 5を参照)。
この写真から、本発明に力、かるゾル組成物に含まれる板状粒子構造を有する有機 変性粘土鉱物を用いて油性ゲル組成物を調製した場合(図 4)、ポリエーテル変性シ リコーン化合物添加前と後の両者において、粘土鉱物の粒子は微細化された状態で 分散していることが明らかである。
一方、通常の分散処理を行なった粒状 (凝集体)の有機変性粘土鉱物を用いた場 合には(図 5)、ポリエーテル変性シリコーン化合物の添加によって有機変性粘土鉱 物凝集体の微細化が若干進行するものの、依然として大きな凝集体が確認され、分 散状態がょレ、ものとは認められなレ、。
[0075] さらに、上記油性ゲル組成物のゲル構造の安定性を、動的粘弾性の測定から評価 した。測定方法は次の通り。
(動的粘弾性測定)
測定装置:レオメーター AR1000— N (TA Instruments)
測定方法:コーン型プレートを用いて、動的粘弾性測定をおこなった。測定周波数を 1Hzの条件で、ずり応力(0· 01 - 50[Pa])に対するゲルの貯蔵弾性率 G' [Pa]を測 定した。
[0076] 本発明に力、かる油性ゲル組成物 1 3 (有機変性粘土鉱物:板状粒子)の貯蔵弾性 率(G' )とずり応力との関係図を図 6に、油性ゲル組成物 1 4 (有機変性粘土鉱物: 凝集体)の関係図を図 7に示す。また、各図には、それぞれの油性ゲル組成物に含 まれるポリエーテル変性シリコーン化合物濃度を変えた場合についても示した(増減
はデカメチルシクロペンタシロキサンで調整)。
[0077] 本発明に力、かる油性ゲル組成物 1 3のように有機変性粘土鉱物は板状粒子であ る場合には、一定のずり応力範囲においてゲルの弾性が高ぐ一定な状態が維持さ れ、安定なゲル構造をとつて!/、ることが確認された(図 6)。
一方、油性ゲル 1 4のように市販の有機変性粘土鉱物を通常の分散処理した粒 状 (凝集体)の有機変性粘土鉱物を用いた場合には、上記図 6の場合に比してゲノレ 弾性が小さぐゲル弾性状態が一定である安定領域も乏し!/、ものであった。
[0078] 以上の結果より、本発明に力、かるゾル組成物に含まれる板状粒子構造を有する有 機変性粘土鉱物は、油分中、非イオン性界面活性剤の存在下で、安定なゲル構造 の形成に優れた効果を発揮し、従来の凝集体構造をとる有機変性粘土鉱物と比較し て、増粘ゲル化効果が改善されていることが極めて明らかである。
[0079] また、以上のような傾向は、ゾル組成物を経由せず、有機変性粘土鉱物を非イオン 性界面活性剤の存在下において油分中でワンステップで剥離処理して得られた油 性ゲル組成物におレ、ても同様である(下記油性ゲル組成物 2— ;!〜 2— 4参照)。
[0080] 油件ゲル組成物 2— 1— 2 -4
市販の有機変性へクトライト(ベントン 38VCG、エレメンテイススぺシャリテイーズ(英 )社製)を各々 5重量部、ポリオキチェチレン'メチルポリシロキサン共重合体(一般式 (I)タイプ、ポリオキシエチレン含有率 約 20%、粘度 400〜800cs、 HLB4. 5、 R, =H、 p = 3、 y= 0) 2. 5重量部、デカメチルシクロペンタシロキサン 92· 5重量部に 対して、ガラスビーズほたはジルコユアビーズなど)を同体積加え、ビーズミルを用い て機械的せん断力および/または衝撃力によって攪拌、均一に混合する時間を 5分 、 10分、 15分として油性ゲル組成物 2— 1 2〜3を得た。
また、比較例として、ビーズを用いずビーズミルの代わりにデイスパーによる通常の 分散処理を 10分間行なうことによって、油性ゲル組成物 2— 4を得た。
[0081] 油性ゲル組成物 2— ;!〜 2— 4に含まれる有機変性粘土鉱物の粒子形状を SEM観 察したところ、油性ゲル組成物 2— 4中の有機変性粘土鉱物は、前記油性ゲル組成 物 1 4と同様に凝集体のままであつたが、油性ゲル組成物 2— ;!〜 2— 3中の有機 変性粘土鉱物は、前記油性ゲル組成物 1 1〜1 3と同様の微細な板状粒子構造
を有していた。
[0082] 前記油性ゲル組成物 2— ;!〜 2— 4に関し、膨潤性を調べた。その結果を下記表 3 に示す。
[0083] [表 3]
[0084] 上記表 3の結果から明らかなように、デイスパー処理で得られる油性ゲル組成物 2
4は S彭潤十生が劣るものであった。
一方、ビーズミルにより処理した油性ゲル組成物 2— ;!〜 2— 3は、処理時間を 10分 間、 15分間と延ばすにつれて膨潤性が向上し、特に油性ゲル組成物 2— 3に含まれ る有機変性粘土鉱物は、平均厚さが 0. l rn以下、平均長径が 5 m程度である分 散性の良好な板状構造であった。
[0085] 油性ゲル組成物 2— 4に含まれる有機変性粘土鉱物粒子の形状は粒状であり、前 記板状粒子構造を有する有機変性粘土鉱物とは異なる形状である。
前記板状粒子構造の有機変性粘土鉱物では、板状粒子表面(平坦面)が疎水性、 端面が親水性を帯びる傾向にあるため、シリコーン油中において親水性部分の端面 の露出を減らすように配置される。模式的に表すと図 3のようなゲルネットワークを形 成し、高い膨潤性が発揮されると考えられる。
一方、粒状の有機変性粘土鉱物粒子では、親疎水性部分の寄与によるゲルネット ワークが形成され難いため、膨潤性が劣るものと考えられる。
[0086] また、油性ゲル組成物 2— ;!〜 2— 3に含まれる有機変性粘土鉱物は、処理時間に よって板状粒子の平均長径および分散性の程度が異なるものである力 凡そ 15分
間以上の処理時間で薄片化されることにより、優れた膨潤性が得られることが上記の 結果から明らかである。
[0087] さらに、油性ゲル組成物のゲル構造の安定性を動的粘弾性から評価した。
本発明に力、かる油性ゲル組成物 2— 3 (有機変性粘土鉱物:板状粒子)の貯蔵弾性 率(G' )とずり応力との関係図を図 8に、油性ゲル組成物 2— 4 (有機変性粘土鉱物: 凝集体)の関係図を図 9に示す。また、各図には、それぞれの油性ゲル組成物に含 まれるポリエーテル変性シリコーン化合物濃度を変えた場合についても示した(増減 はデカメチルシクロペンタシロキサンで調整)。
[0088] 本発明に力、かる油性ゲル組成物 2— 3のように有機変性粘土鉱物は板状粒子であ る場合には、一定のずり応力範囲においてゲルの弾性が高ぐ一定な状態が維持さ れ、安定なゲル構造をとつて!/、ることが確認された(図 8)。
一方、油性ゲル組成物 2— 4のように市販の有機変性粘土鉱物を通常の分散処理 した粒状 (凝集体)の有機変性粘土鉱物を用いた場合には、上記図 8の場合に比し てゲル弾性が小さぐゲル弾性状態が一定である安定領域も乏しレヽものであった(図
9)。
[0089] 以上の結果より、本発明にかかる板状粒子構造を有する有機変性粘土鉱物は、油 分中、非イオン性界面活性剤の存在下で有機変性粘土鉱物凝集体を剥離処理して も形成され、安定なゲル構造の形成に優れた効果を発揮し、従来の凝集体構造をと る有機変性粘土鉱物と比較して、増粘ゲル化効果が改善されてレ、ることが極めて明 らかである。
[0090] 油性分散物 2— :!〜 2— 8
さらに、非イオン性界面活性剤の添加量を変えて油分中における有機変性粘土鉱 物の膨潤性を調べた。その結果を下記表 4に示す。また、図 10にはその膨潤の様子 を示した。なお、製造方法は次の通りである。
[0091] (油性分散物 2— ;!〜 2— 4)
有機変性粘土鉱物として市販の有機変性へクトライト (ベントン 38VCG、エレメンテ イススぺシャリテイーズ (英)社製)を用い、前記油性ゲル組成物 2— 4の製造方法と同 様にディスパーで調製した (通常分散処理)。得られた油性分散物中の有機変性粘
土鉱物は粒状の凝集体であった。
(油性分散物 2— 5〜2— 8)
有機変性粘土鉱物として市販の有機変性へクトライト (ベントン 38VCG、エレメンテ イススぺシャリテイーズ (英)社製)を用い、前記油性ゲル組成物 2— 3の製造方法と同 様にビーズミルで調製した(高分散処理)。得られた油性分散物中の有機変性粘土 鉱物は微細な板状粒子であった。
[表 4]
*1:商品名:ベントン 38VCG (エレメンテイススへ。シエリティ—ス' (英)社製、以下同じ。
*2 :商品名 リオキシエチレン チルホ 'リシロキサン共重合体 (KF6017、信越化学工業株式会社製)、
以下同じ。 上記表 4から明らかなように、通常分散処理をした凝集体の有機変性へクトライトを 用いた場合、非イオン性界面活性剤であるポリエーテル変性シリコーン化合物を添 カロしな!/、とほとんど膨潤せず(分散物 2— 1)、添加量を増加してレ、くと徐々に変化が みられるものの 5質量%に達してようやく適度な膨潤性が観察される程度であった(分 散物 2— 4)。
一方、ビーズミルを用いて高分散処理した板状粒子構造を有する有機変性へクトラ イトを用いた場合には、ポリエーテル変性シリコーン化合物を添加しない状態でも、 凝集体を用いた場合に比べればある程度の高い膨潤性が発揮されることが図 10か ら明らかである。そして、ポリエーテル変性シリコーン化合物の添加量が 1質量%を超 えると十分に満足のいく膨潤性が観察された。
以上の結果からも、板状構造を有する有機変性粘土鉱物を含む油性ゲル組成物 は、凝集体の有機変性粘土鉱物を含む油性ゲル組成物に比べて、極めて膨潤性が 高いことが明らかである。
[0094]
III. WZO乳化組成物
次に、 W/O乳化組成物において、本発明にかかる有機変性粘土鉱物板状粒子と 、従来の有機変性粘土鉱物凝集体との比較を行った。
[0095] l^K )l - 1— 1 -4
表 5の組成の W/O乳化物を調製した。調製方法は次の通り。
(乳化物 1一;!〜 1一 2)
市販の有機変性へクトライトと半量のシリコーン油とを混合し、ディスパ一により 15 分間分散処理して油性ゾル組成物を得た。これにポリエーテル変性シリコーン化合 物及び残りのシリコーン油を加えてさらにデイスパーで 10分間分散処理して、油性ゲ ル組成物を得た。この油性ゲル組成物中の有機変性粘土鉱物は、前記油性ゲル組 成物 1 4と同様の凝集体であった。
得られた油性ゲル組成物に、イオン交換水を徐添しながらディスパ一により乳化し て、 W/O型乳化組成物を得た。
[0096] (乳化物 1一 3〜;!一 4)
市販の有機変性へクトライトと半量のシリコーン油とを混合し、この混合物と同体積 のガラスビーズ(直径 lmm)を添加して、ビーズミルにより 15分間分散処理して油性 ゾル組成物を得た。これにポリエーテル変性シリコーン化合物及び残りのシリコーン 油を加えてさらにデイスパーで 10分間分散処理して、油性ゲル組成物を得た。この 油性ゲル組成物中の有機変性粘土鉱物は、前記油性ゲル組成物 1 3と同様の微 細な板状粒子であった。
得られた油性ゲル組成物に、イオン交換水を徐添しながらディスパ一により乳化し て、 W/O型乳化組成物を得た。
[0097] W/O乳化組成物の乳化安定性の評価方法および評価基準を下記に示す。
(安定性)
試料を各条件で保存し、外観変化を下記の評価基準に従い、 目視によって評価し た。
A :液相の分離、凝集など変化が見られない。
B:表層に若干の分離が認められる。
C:乳化組成物全体の 1/5以下が分離して!/、る。
D:乳化組成物全体の 1/5以上が分離している。
[表 5]
上記表 5の結果から明らかなように、市販の有機変性粘土鉱物を凝集体のまま用い て調製した乳化物 1 1および 1 2にお!/、ては、経時安定性が劣るものであった。 特に、有機変性粘土鉱物の含有量が 0. 5質量%であると (乳化物 1— 1)、粘度が極 めて低ぐ安定な乳化物を維持することは困難である。 1質量%に増やすと (乳化物 1 2)、粘度の向上は見られるものの、経時安定性は満足いくものではない。
一方、板状粒子構造を有する有機変性粘土鉱物を用いた場合には、その配合量 が 0. 5質量%のとき (乳化物 1— 3)、低粘度であるものの、同配合量の凝集体粘土 鉱物を用いた乳化物 1—1に比して、安定性は良いものであった。さらに、 1質量%に
増やすと(乳化物 1 4)、粘度は極めて高いものとなり、経時安定性が優れたものと なった。
[0100] 以上の結果より、凝集体の有機変性粘土鉱物を板状化することにより、より少ない 配合量で粘度の向上、および安定性に優れた w/o型乳化組成物を得ることができ ることが明らかとなった。
[0101] さらに、 w/o型乳化組成物にポリエーテル変性シリコーン化合物を配合せず、有 機変性粘土鉱物自身の乳化作用につ!/、ても検討を行った。
乳化物 1 5〜:!一 9
表 6の組成の W/O乳化物を調製した。乳化物 1 5〜;!一 6は前記乳化物 1一;!〜 1 2の方法に準じて調製した (有機変性粘土鉱物:凝集体)。乳化物 1 7〜;!一 9 は前記乳化物 1 3〜 1 4の方法に準じて調製した (有機変性粘土鉱物:板状粒子 )。粘度及び乳化粒子径の測定方法は次の通り。
(粘度)
30°Cの恒温槽で 1時間静置した後に、単一円筒型回転粘度計(芝浦システム株式 会社)を用いて 12rpmの条件で測定した(ローター No. 3または No. 4)。
(乳化粒子径)
各条件で保存後の試料の乳化粒子径を、光学顕微鏡(OLYMPUS BM60)を用い て測定した。
[0102] [表 6]
乳化物 (通常分散処理) 乳化物 (高分散処理)
1一 5 1 - 6 1一 7 1一 8 1一 9 有機変性へ外ラ仆 *1 (凝集体) 1 .0 1 .5 一 一 ― 有機変性へ外ラ仆 *1 (板状粒子) 一 一 0.5 1 .0 1 .5 ホ 'リエ—テル変性シリコ—ン化合物 *2 ― ― ― ― テカメチルシクロへ。ンタシロキサン to 100 to 100 to 100 to 100 to 100 イオン交換水 30.0 30.0 30.0 30.0 30.0 乳化粒子径 ( Ai m)翌日 乳化粒子無 乳化粒子無 15 10 10 翌日の粘度(mPa■ s) *口—タ— No.3 100以下 100以下 1 30 280 630 翌日の安定性 (室温) D D D D C
[0103] 上記表 6の結果から明らかなように、本発明にかかる有機変性粘土鉱物板状粒子 を用いた場合には、乳化物 1 7〜1 9のように、ポリエーテル変性シリコーン化合 物を配合していなくても粘土鉱物のみである程度の粘度調整が可能であり、また乳 化機能も発揮することができる。
これに対し、市販の凝集体有機変性粘土鉱物を凝集体のまま用いた場合には、乳 化物 1 5〜;!一 6のように、それ自身のみで適度な粘度を生み出すことが出来ず、ま た乳化安定性も劣るものであった。
以上の結果より、本発明にかかる板状構造を有する有機変性粘土鉱物は、他の活 性剤を配合せずとも、それ自身で増粘および乳化の機能を発揮することができること が確認された。ただし、安定性を良好に維持するためには、ポリエーテル変性シリコ ーン化合物を配合することが好まし!/、。
[0104] また、このような傾向は、ゾル組成物を経由せず、有機変性粘土鉱物を非イオン性 界面活性剤の存在下において油分中でワンステップで剥離処理して得られた油性 ゲル組成物を用レ、た W/O乳化物にお!/、ても同様である(下記乳化物 2—;!〜 2— 4 参照)。
[0105] 乳化物 2—:!〜 2— 4
表 7の組成の W/O乳化組成物を調製した。調製方法は次の通り。
(乳化物 2— ;!〜 2— 2)
市販の有機変性へクトライトとポリエーテル変性シリコーン化合物とシリコーン油を 混合し、デイスパーで 15分間分散処理して、油性ゲル組成物を得た。この油性ゲル 組成物中の有機変性粘土鉱物は、前記油性ゲル組成物 2— 4と同様の凝集体であ つた。
得られた油性ゲル組成物に、イオン交換水を徐添しながらディスパ一により乳化し て、 W/O型乳化組成物を得た。
[0106] (乳化物 2— 3〜2— 4)
市販の有機変性へクトライトとポリエーテル変性シリコーン化合物とシリコーン油を 混合し、この混合物と同体積のガラスビーズ(直径 lmm)を添加して、ビーズミルによ り 15分間分散処理して油性ゲル組成物を得た。この油性ゲル組成物中の有機変性 粘土鉱物は、前記油性ゲル組成物 2— 3と同様の微細な板状粒子であった。
得られた油性ゲル組成物に、イオン交換水を徐添しながらディスパ一により乳化し て、 W/O型乳化組成物を得た。
[0107] [表 7]
乳化物 (通常分散処理) 乳化物(高分散処理)
2-1 2-2 2-3 2-4 有機変性へ外ライト *1 (凝集体) 0.5 1.0 ― ― 有機変性へ外ライト *1 (板状粒子) 一 一 0.5 1.0 ホ°リエ-テル変性シリコ-ン化合物 *2 1.0 1.0 1.0 1.0 テカメチルシクロへ °ンタシロキサン to 100 to 100 to 100 To 100 イオン交換水 30.0 30.0 30.0 30.0 乳化粒子径 ( <m)1力月後 1-12.5 1-12.5 1-12.5 1-12.5 翌日(mPa's)*口一タ— No.3 100以下 860 120 1840 粘
度 1週間後(mPa-s) 100以下 800 110 1710
1力月後(mPa's) 100以下 790 100以下 1620 翌日(0°C、室温、 50°C) A A B A A B A A A A A A 安
定 1週間後 (0°C、室温、 50°C) C C D C B C B C C A B B 性
1力月後(0°C、室温、 50°C) D D D C C C C C C B B B
[0108] 上記表 7の結果から明らかなように、市販の有機変性粘土鉱物を凝集体のまま用い て調製した乳化物 2—1および 2— 2においては、経時安定性が劣るものであった。 特に、有機変性粘土鉱物の含有量が 0.5質量%であると (乳化物 2— 1)、粘度が極 めて低ぐ安定な乳化物を維持することは困難であることが分かる。 1質量%に増や すと(乳化物 2— 2)、粘度の向上は見られるものの、経時安定性は満足いくものでは ない。
一方、板状粒子構造を有する有機変性粘土鉱物を用いた w/o乳化組成物では
、その配合量が 0.5質量%のとき(乳化物 2— 3)、低粘度であるものの、同配合量の 凝集体粘土鉱物を用いた乳化物 2— 1に比して、安定性は良いものであった。さらに 、 1質量%に増やすと(乳化物 2— 4)、粘度は極めて高いものとなり、経時安定性が 優れたものとなった。
[0109] 以上の結果より、凝集体の有機変性粘土鉱物を板状化した有機変性粘土鉱物を
含む油性ゲル組成物を用いることにより、より少ない配合量で粘度の向上、および安 定性に優れた w/o型乳化組成物を得ることができることが明ら力、となった。
[0110] さらに、油性ゲル組成物に配合する非イオン性界面活性剤および油分の種類を変 えて検討を行った。結果を下記表 8〜9に示す。
乳化物 2— 5〜2— 8
下記表 8に示される W/O乳化物の調製方法は次の通りである。
(乳化物 2— 5〜2— 8)
有機変性へクトライトと非イオン性界面活性剤と油分とを混合し、この混合物と同体 積のガラスビーズ(直径 lmm)を添加して、ビーズミルにより 15分間分散処理して油 性ゲル組成物を得た。この油性ゲル組成物中の有機変性粘土鉱物は、前記油性ゲ ノレ組成物 2— 3と同様、微細な板状粒子であった。
得られた油性ゲル組成物に、イオン交換水を徐添しながらディスパ一により乳化し て、 W/O型乳化組成物を得た。
[0111] [表 8]
[0112] 上記表 8の結果から明らカ、なように、非イオン性界面活性剤を変更した乳化物 2— 6
、および油分を炭化水素油、エステル油に変更した乳化物 2— 7〜2— 8において、 W/O型乳化組成物の安定性はある程度に維持された。本発明にかかる板状構造 を有する有機変性粘土鉱物を利用すると、シリコーン油中において最も良好に安定 性を維持することが可能である。したがって幅広い種類の W/O型乳化組成物、特 にシリコーン油の配合が主流となっている化粧料へ応用することが期待される。
[0113] に化物 1— 10〜:!一 13
下記表 9に示される W/O乳化物の調製方法は次の通りである。
(乳化物 1一 10〜;!一 13)
市販の有機変性へクトライトと半量の油分とを混合し、この混合物と同体積のガラス ビーズ(直径 lmm)を添加して、ビーズミルにより 15分間分散処理して油性ゾル組成 物を得た。これに非イオン性界面活性剤及び残りの油分を加えてさらにデイスパーで 10分間分散処理して、油性ゲル組成物を得た。この油性ゲル組成物中の有機変性 粘土鉱物は、前記油性ゲル組成物 1 3と同様の微細な板状粒子であった。
得られた油性ゲル組成物に、イオン交換水を徐添しながらディスパ一により乳化し て、 W/O型乳化組成物を得た。
[0114] [表 9]
乳化物(高分散処理)
1 - 1 0 1 - 1 1 1 - 1 2 1 - 1 3 有機変性へ外ラ仆 *1 (板状粒子) 1.0 1.0 1.0 1.0 ホ°リエ-テル変性シリコ-ン化合物 *2 1.0 ― 1.0 1.0 シ "イソステアリン酸ゲリセリル 一 1.0 一 一 テカメチルシクロへ °ンタシロキサン to 100 To 100 一 一 流動パラフィン 一 一 to 100 一 トリ 2-ェチルへキサン酸ゲリセリル ― ― _ to 100 イオン交換水 30.0 30.0 30.0 30.0 乳化粒子径 ( U m)翌日 10 7.5 50 12.5 翌日の粘度(mPa ' s) *口—タ— No.3 280 800 460 3,140 翌日の安定性 (室温) A B C B
[0115] 上記表 9の結果力も明らかなように、非イオン性界面活性剤を変更した乳化物 1—1 1、および油分を炭化水素油、エステル油に変更した乳化物 1— 12〜1— 13におい て、 W/O型乳化組成物の安定性はある程度に維持された。本発明にかかる板状構 造を有する有機変性粘土鉱物を利用すると、シリコーン油中において最も良好に安 定性を維持することが可能である。したがって幅広!/、種類の W/O型乳化組成物、 特にシリコーン油の配合が主流となっている化粧料へ応用することが期待される。
[0116] 以下、本発明の板状構造を有する有機変性粘土鉱物を含む油性ゲル組成物を用 いた W/O型乳化組成物を化粧料に用いた実施例を示す。本発明はこれらに限定 されるものではない。
化粧料 1 1 : サンスク リーン
(質量%)
Zデカメチルシクロペンタシロキサン (1/20) のゾル組成物 21
(2) トリメチルシロキシケィ酸 1
(3) ポリオキシエチレン ·メチルポリシロキサン共重合体
(一般式 (I) 型、 HLB 4. 5、 POE含有率 約 20%、
400〜800 c s、 R' =H、 p = 3、 y = 0) 0. 5
(4) スクヮラン 5
(5) シリコーン被覆微粒子酸化チタン (20 nm) 10
(6) タルク (疎水化処理品) 6
(7) パラメ トキシ桂皮酸 2 ェチルへキシル 7
(8) ジパラメ トキシ桂皮酸モノー 2—ェチルへキサン酸グリセ 0. 5
(9) 球状ポリエチレン粉末 5
(1 0) ジプロピレングリコール 4
(1 1) ェデト酸三ナトリウム 0. 02
(1 2) パラベン 適量
(1 3) フエノキシエタノール 適量
(14) 精製水 残余 ( 1 5 ) 香料 適量 (製法)
予めビーズミルなどを用い微細粒子に分散したゾル組成物 (1) に、 (2) ~ (9) を添加し混合攪拌した。 そこに (10) 〜 (14) の水相パーツを添加し乳化した後 に、 (1 5) を加え、 目的のサンスクリーンを得た。
化粧料 1 2 :サンスクリーン
(質量%) ノデカメチルシクロペンタシロキサン (1/2 0) のゾル組成物 2 1
(2) トリメチルシロキシケィ酸 1
(3) ポリオキシエチレン ·メチルポリシロキサン共重合体
(一般式 (V) 型、 HL B 3〜4、 POE含有率 約 1 9%、
20 0〜 70 0 c s、 R' =H、 p = 3、 y = 0) 0. 3
(4) 2—ェチノレへキサン酸セチノレ 3
(5) メチルポリシロキサン 5
(6) シリコーン被覆微粒子酸化チタン ( 2 0 n m) 5
(7) シリコーン被覆微粒子酸化亜鉛 ( 20 n m) 1 0
(8) パラメ トキシ桂皮酸 2—ェチルへキシル 5
(9) 4— tert ブチル 4 ' ーメ トキシベンゾィルメタン 0. 5
( 1 0) 球状シリコーン樹脂粉末 5
(1 1) 1 , 3—プチレングリコール 4
( 1 2) ェデト酸三ナトリウム 0. 0 2
( 1 3) パラベン 適量
( 1 4) フエノキシエタノール 適量
( 1 5) 精製水 残余 ( 1 6 ) 香料 適量 (製法)
予めビーズミルなどを用い微細粒子に分散したゾル組成物 (1) に、 (2) 〜 (1 0) を添加し混合攪拌した。 そこに (1 1) 〜 (1 5) の水相パーツを添加し乳化し た後に、 (1 6) を加え、 目的のサンスクリーンを得た。
化粧料 1—3 :保湿クリーム
(質量%)
(1) ジメチルジステアリルアンモニゥムヘクトライ ト
ノデカメチルシクロペンタシロキサン (2/18) のゾル組成物 20
(2) ワセリン 2
(3) マイクロクリスタリンワックス 3
(4) ジメチルポリシロキサン (5. 6 c s/25。C) 5
(5) スクヮラン 3
(6) ポリオキシエチレン ·メチルポリシロキサン共重合体
(一般式 ( I) 型、 HLB 4. 5、 POE含有率 約 20%、
400〜800 c s、 R' =H、 p = 3、 y = 0) 1. 5
(7) ィソステアリン酸 1
(8) 2—ェチルへキサン酸セチル 3 ( 9 ) グリセリン 10
(10) 1, 3—ブチレングリコール 4
(1 1) キシリ トール 2
(1 2) 塩化ナトリウム 0. 5
(1 3) へキサメタリン酸ナトリウム 0. 05
(14) グリチルレチン酸ステアリノレ 0. 05
(1 5) DL—ピロリ ドンカルボン酸ナトリウム 1
( 1 6) ゥコンエキス 0. 1
(1 7) ェデト酸三ナトリウム 0. 1
(1 8) パラベン 適量
(19) 精製水 残余
(20) 香料 適量 (製法)
予めビーズミルなどを用い微細粒子に分散したゾル組成物 (1) に、 (2) 〜 (7) を添加し混合攪拌した。そこに(8)〜(19)の水相パーツを添加し乳化した後に、 (20) を加え、 目的の保湿クリームを得た。
化粧料 1一 4 :乳化ファンデーション
(質量%)
(1) ジメチルジステアリルアンモ-ゥムヘクトライ ト
Zデカメチルシクロペンタシロキサン (1/20) のゾル組成物 21
(2) ジメチルポリシロキサン (5. 6 cs/25°C) 1 5
(3) ポリオキシエチレン ·メチルポリシロキサン共重合体
(一般式 ( I) 型、 HLB 4. 5、 POE含有率 約 20%、
400〜800 c s、 R' =H、 p = 3、 y = 0) 5
(4) パルミチン酸 0. 5
(5) 2—ェチルへキサン酸セチル 5
(6) シリコーン被覆黄酸化鉄 2
(7) シリコーン被覆ベンガラ 1
(8) シリコーン被覆黒酸化鉄 0. 3
(9) シリコーン被覆酸化チタン 1 0
(10) シリコーン被覆タルク 1. 5
(1 1) シリコーン被覆紡錘状酸化チタン 3
(1 2) 球状ナイロン末 1
(1 3) マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル 0. 1
(14) 酌酸 DL— α—トコフェローノレ 0. 1 ( 1 5 ) グリセリン 5
(1 6) 1, 3—ブチレングリコール 10
(1 7) パラォキシ安息香酸エステル 適量
(1 8) 精製水 残余 ( 1 9 ) 香料 適量 (製法)
予めビ一ズミルなどを用い微細粒子に分散したゾル組成物 (1) に、 (2) 〜 (1
4) を添加し混合分散した。 そこに (15) 〜 (18) の水相パーツを添加し乳化し た後に、 (1 9) を加え、 目的の乳化ファンデーションを得た。
化粧料 1一 5 :サンスクリーン
(1) ジメチルジステアリルアンモニゥムヘクトライ ト
/デカメチルシクロペンタシロキサン (1/20) のゾル組成物
(2) トリメチルシロキシケィ酸
(3) ポリオキシエチレン .メチルポリシロキサン共重合体
(一般式 (VI) 型、 HLB 3〜4、 200〜800 c s)
(4) スクヮラン
(5) シリコーン被覆微粒子酸化チタン (20 nm)
(6) タルク (疎水化処理品)
(7) パラメ トキシ桂皮酸 2—ェチルへキシル
(8) ジパラメ トキシ桂皮酸モノ一 2—ェチルへキサン酸グリセリル
(9) 球状ポリエチレン粉末
(10) ジプロピレングリコ一ル
(1 1) ェデト酸三ナトリゥム
(12) パラベン
(13) フエノキシエタノー/レ
(14) 精製水
(1 5) 香料
(製法)
予めビーズミルなどを用い微細粒子に分散したゾル組成物 ( 1 ) に、
を添加し混合攪拌した。 そこに (10) 〜 (14) の水相パーツを添加し乳化した後 に、 (1 5) を加え、 目的のサンスクリーンを得た。
化粧料 1 6 :乳化ファンデーション
(質量。/。)
/デカメチルシクロペンタシロキサン (1Z20) のゾル,組成物 21
(2) ジメチルポリシロキサン (5. 6 csZ25。C) 1 5
(3) ポリオキシエチレン .メチルポリシロキサン共重合体
(一般式 (VII) タイプ、 HLB 3〜4、 200〜700 c s、
R' =H、 p = 3、 y = 0) 5
(4) /く/レミチン酸 0. 5
(5) 2—ェチノレへキサン酸セチノレ 5
(6) シリ コーン被覆黄酸化鉄 2
(7) シリ コーン被覆ベンガラ 1
(8) シリ コーン被覆黒酸化鉄 0. 3
(9) シリコーン被覆酸化チタン 10
(10) シリコーン被覆タルク 1 - 5
(1 1) シリコーン被覆紡錘状酸化チタン 3
(12) 球状ナイロン末 1
(1 3) マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル 0. 1
(14) 酢酸 D L ひ トコフエ口ール 0. 1
(1 5) グリセリン 5
(1 6) 1 , 3—ブチレングリコール 10
(1 7) パラォキシ安息香酸エステル 適量
(1 8) 精製水 残余
、
(1 9) 香料
(製法)
予めビーズミルなどを用い微細粒子に分散したゾル組成物 (1) に、 (2) 〜 (1 4) を添加し混合分散した。 そこに (1 5) 〜 (1 8) の水相パーツを添加し乳化し た後に、 (19) を加え、 目的の乳化ファンデーションを得た。
化粧料 2— 1 :サンスクリーン
(質量%)
(1) ジメチルジステアリルアンモニゥムヘクトライ ト/
ボリォキシエチレン ·メチルポリシロキサン共重合体 (一般式 ( I) 型、
HLB 4. 5、 POE含有率 20%、 400〜800 c s、
R' =H、 p = 3、 y = 0) Zデカメチルシクロペンタシロキサン
(0. 8/0. 4/19. 8)
21
:2) トリメチルシロキシケィ酸 1
:3) ジメチルポリシロキサン (5. 6 c s / 25 °C) 5
:4) 2—ェチ /レへキサン酸セチノレ 5
:5) シリコーン被覆微粒子酸化亜鉛 ( 20 n m) 1 5
:6) パラメ トキシ桂皮酸 2—ェチルへキシル 7
:7) ジパラメ トキシ桂皮酸モノ一 2—ェチルへキサン酸グリセリル 0. 5
:8) 球状ポリエチレン粉末 3
;9) ジプロピレングリコール 4
: 10) ェデト酸三ナトリウム 0. 02
:1 1) パラベン 適量
:12) フエノキシエタノール 適量
:13) 精製水 残余
:14) 香料 適量 :製法)
予めビーズミルなどを用い微細粒子に分散したゲル組成物 (1) に (2) 〜 (8) を添加し混合分散した。そこに(9)〜(1 3) の水相パーツを添加し乳化した後に、 (14) を加え、 目的のサンスクリーンを得た。
化粧料 2— 2 :保湿クリーム
(質量0 /0)
(1) ジメチルジステアリルアンモニゥムヘク トライ ト/
ポリオキシエチレン 'メチルポリシロキサン共重合体 (一般式 (VI) 型、 HLB 3〜4、 200〜800 c s) ノデカメチルシクロペンタシロキサン (2/1/1 7)
20
2) ワセリン 2
3) ジメチルポリシロキサン (5. 6 c s / 25 °C) 5
4) スクヮラン 1
5) ィソステアリン酸 1
6) 2—ェチルへキサン酸セチル 5
7) グリセリン 12
8) 1 , 3—ブチレングリコール 4
9) エリスリ トール 2
10 ) 塩化ナトリウム 0.
1 1) へキサメタリン酸ナトリウム 0.
1 2) リン酸 Lーァスコルビルマグネシウム 2
1 3) チォタウリン 0.
14) ゥコンエキス 0.
1 5) ェデト酸三ナトリウム 0.
1 6 ) ノ ラベン 適量
1 7) 精製水 残余
1 8 ) 香料 適重 製法)
予めビーズミルなどを用い微細粒子に分散したゲル組成物 (1) に (2) 〜 (6) を添加し混合攪拌した。そこに (7)〜(1 7) の水相パーツを添加し乳化した後に、 (1 8) を加え、 目的の保湿クリームを得た。
化粧料 2— 3 :乳化フ了ンデーション
(質量%)
(1) ジメチルジステアリルアンモニゥムヘクトライ ト Z
ポリオキシエチレン 'メチルポリシロキサン共重合体 (一般式 (I) タイプ、 HLB 4. 5、 POE含有率 20%、 400〜800 c s、 R' =H、 p = 3、 y = 0) Zデカメチルシクロペンタシロキサン (1Z0. 5/19. 5)
21
(2) ジメチルポリシロキサン (5. 6 c sZ25°C) 5
(3) パルミチン酸 0. 5
(4) スクヮラン 5
(5) デキストリン脂肪酸処理二酸化チタン 15
(6) デキストリン脂肪酸処理黄酸化鉄 3
(7) デキストリン脂肪酸処理ベンガラ 1. 5
(8) デキストリン脂肪酸処理黒酸化鉄 0. 5
(9) 金属石酸処理タルク ' 3
(10) シリコーン被覆紡錘状酸化チタン 3
(1 1) 架橋型シリコーン末 (トレフィル E— 506) 0. 1
(1 2) ベンガラ被覆雲母チタン 0. 5
(1 3) N—ラウロイル一 L—リジン 2
(14) 酢酸 DL— α—トコフエロール 0. 1
(1 5) グリセリン 3
(16) 1, 3—ブチレングリコール 5
(17) パラォキシ安息香酸エステル 適量
(1 8) 精製水 残余 ( 19 ) 香料 適量 (製法)
予めビーズミルなどを用い微細粒子に分散したゲル組成物 (1) に (2) 〜 (13) を添加し混合分散した。 そこに (14) 〜 (18) の水相パーツを添加し乳化した後 に、 (1 9) を加え、 目的の乳化ファンデーションを得た。
化粧料 2— 4 :乳ィヒファンデーション
(質量%) ポリオキシエチレン .メチルポリシロキサン共重合体 (一般式 (W) タイプ、 HL B 3〜4、 200〜700 c s、 R' =H、 p = 3、 y = 0) / デカメチルシクロペンタシロキサン ( 1ノ0. 5/1 9. 5)
2 1
2) ジメチルポリシロキサン (5. 6 c s/25°C) 5
3) スクヮラン 5
4) 'ン処理二酸化チタン 2
5) シリコーン処理黄酸化鉄 3
6) ーン処理 · 1. 5 7) ーン処理黒酸化鉄 0. 5 8) ーン処理セリサイ ト 5 9) シリ ーン被覆紡錘状酸 3
(10) 架橋型シリコーン末 (トレフィル E— 506) 0. 1
(1 1) ベンガラ被覆雲母チタン 0. 5
(1 2) 球状シリ力 3
(1 3) ジプロピレングリコーノレ 3
:14) 1, 3—ブチレングリコール 5
{1 5) ノ ラオキシ安息香酸エステノレ
(1 6) 精製水 残余
〔1 7) ァノレコール' 5
(1 8) 香料 適直
:製法)
予めビーズミルなどを用い微細粒子に分散したゲル組成物 (1) に (2) 〜 (1 2) を添加し混合分散した。 そこに (13) 〜 (16) の水相パーツを添加し乳化した後 に、 (1 7) 〜 (1 8) を加え、 目的の乳化ファンデーションを得た。
化粧料 2— 5 :サンスクリーン
(質量%)
(1) ジメチルジステアリルアンモニゥムヘクトライ ト Z
ポリオキシエチレン ·メチルポリシロキサン共重合体 (一般式 (V) タイプ、 HLB 3〜4、 POE含有率 1 9%、 200〜700 c s、 R' =H、
(0. 8/0. 4/1 9. 8)
21
2) トリメチルシロキシケィ酸 1
3) ジメチルポリシロキサン (5. 6 c s/25°C) 5
4) 2—ェチノレへキサン酸セチノレ 5
5) シリ コーン被覆微粒子酸化亜鉛 ( 20 n m) 1 5 :6) ノ ラメ トキシ桂皮酸 2—ェチルへキシル 7
7) ジパラメ トキシ桂皮酸モノー 2—ェチルへキサン酸グリセリル 0. 5
8) 球状ポリエチレン粉末 3
9) ジプロピレングリコール 4 :10) ェデト酸三ナトリウム 0. 02 :1 1) パラベン 適量 :1 2) フエノキシエタノール 適量 :1 3) 精製水 残余
: 14 ) 香料 適量 :製法)
予めビーズミルなどを用い微細粒子に分散したゲル組成物 (1) に (2) 〜 (8) を添加し混合分散した。そこに (9)〜(1 3)の水相パーツを添加し乳化した後に、 (14) を加え、 目的のサンスクリーンを得た。
IV. COOH/OH某含有油分の使用
上述したように、有機変性粘土鉱物板状粒子の油性分散物は、非イオン性界面活 性剤を含まな!/、場合には通常低粘度ゾル状であり、これを W/O乳化組成物の油相 に用いた場合には十分な乳化安定性は得られな!/、。
一方、このような油性分散物に非イオン性界面活性剤を併用すれば高粘度のゲル
状となり、これを w/o乳化組成物の油相に用いた場合には、非常に高い乳化安定 十生を得ること力 Sでさる。
しかしながら、油相が高粘度であるために w/o乳化組成物も高粘度となり、これを 化粧料として用いようとすると、のびにお!/、て十分とは言えな!/、。
[0129] そこで、比較的低粘度でありながら、 W/O乳化組成物の油相に用いた場合には 乳化安定性にお!/、て優れた効果を発揮する有機変性粘土鉱物油性分散物にっレヽ て、さらに検討を行った。
その結果、以下に説明する通り、分子内に COOH基及び/又は OH基を有する油 分に顕著な効果があることが判明した。
[0130] 油件分散物 3— :!〜 3— 4
表 10の組成の油性分散物を調製した。調製方法は次の通り。
(油性分散物 3— ;!〜 3— 3)
市販の有機変性へクトライト(ベントン 38VCG、エレメンテイススぺシャリテイーズ(英
)社製)及びセスキォレイン酸ソルビタン以外の成分を混合し、この混合物に対して、 ジルコユアビーズ(直径 lmm)を同体積加え、ビーズミルを用いて 15分間処理し、こ れにセスキォレイン酸ソルビタンを添加してデイスパーで均一に混合し、油性分散物 を得た。油性分散物中の有機変性粘土鉱物は微細な板状粒子であった。
(油性分散物 3— 4)
市販の有機変性へクトライト(ベントン 38VCG、エレメンテイススぺシャリテイーズ(英 )社製)及びセスキォレイン酸ソルビタン以外の成分を混合し、この混合物をディスパ 一を用いて 15分間処理し、これにセスキォレイン酸ソルビタンを添加してデイスパー で均一に混合し、油性分散物を得た。油性分散物中の有機変性粘土鉱物は比較的 大きな凝集体のままであった。
[0132] 表 10のように、ビーズミルによる高分散処理で調製した場合、有機変性粘土鉱物 のみを分散させた油性分散物 3— 1は低粘度ゾル状で膨潤性も低い。これに、ポリエ 一テル変性シリコーン化合物などの非イオン性界面活性剤を併用すれば、油性分散 物 3— 2のように粘度ゃ膨潤性が非常に高いゲル組成物となる。
これに対し、さらにセスキォレイン酸ソルビタンを併用すると、油性分散物 3— 3のよ うに組成物の膨潤性は高く維持したままで粘度が著しく低下した。
一方、油性分散物 3— 3と基本的には同じ組成でも、デイスパーによる通常の分散 処理で調製した油性分散物 3— 4では、低粘度ではあるものの膨潤性にお!/、て著しく 劣っていた。
さらに、 W/O乳化組成物を調製して比較した。
[0133] 乳化物 3— :!〜 3— 4
表 11の組成の W/O乳化組成物を調製した。調製方法は次の通り。
(乳化物 3— ;!〜 3— 3)
市販の有機変性へクトライト(ベントン 38VCG、エレメンテイススぺシャリテイーズ(英 )社製)及び他の油相成分を用いて、前記油性分散物 3— ;!〜 3— 3の方法と同様に
ペイントシェーカーにより油性分散物を調製した(有機変性粘土鉱物:板状粒子)。こ れにイオン交換水を徐添しながらデイスパーで乳化して、乳化物を得た。
(乳化物 3— 4)
市販の有機変性へクトライト(ベントン 38VCG、エレメンテイススぺシャリテイーズ(英 )社製)及び他の油相成分を用いて、前記油性分散物 3— 4の方法と同様にディスパ 一により油性分散物を調製した (有機変性粘土鉱物:凝集体)。これにイオン交換水 を徐添しながらデイスパーで乳化して、乳化物を得た。
[表 11]
表 11に示すように、セスキォレイン酸ソルビタンを用いて高分散処理した油性分散 物を油相とする乳化物 3— 3では、セスキォレイン酸ソルビタンを用いなかった場合( 乳化物 3— 2)と同等の乳化安定性を維持しながら、乳化物の粘度が低下し、のびが 向上した。
一方、乳化物 3— 3と同じ組成でも通常の分散処理による油性分散物を油相とする 乳化物 3— 4では、乳化物 3— 3に比べて粘度が著しく高くなるにもかかわらず乳化安 定性が低ぐのびやみずみずしさ、なめらかさなどの使用感にも劣っていた。
[0136] 図 11はデイスパーによる通常の分散処理で得られた油性分散物 3— 4の SEM写 真、図 12はビーズミルによる高分散処理で得られた油性分散物 3— 3の SEM写真で ある。
通常分散処理による分散物 3— 4では、図 11のように、有機変性粘土鉱物は比較 的大きな粒状の凝集体(平均粒子径約 20 、平均厚さは 2 以上)であるのに対 し、高分散処理による分散物 3—;!〜 3— 3では、図 12のように有機変性粘土鉱物が 微細な板状粒子(平均厚さ 0.; m以下、平均長径 10 m以下)となっていた。
[0137] 図 13は、セスキイソステアリン酸ソルビタンを初めとする各種被験油分の添加効果 につ!/、て調べた結果である。
すなわち、油性分散物 3— 3 (高分散処理)において、セスキォレイン酸ソルビタン の代わりに異なる油分を用い、さらにはその配合量も変えて油性分散物を調製 (増減 はデカメチルシクロペンタシロキサンで調整)し、得られた油性分散物の粘度を比較 した(油性分散物 3— 3a〜3— 3d)。用いた被験油分 a〜dは次の通り。
被験油分 a:セスキォレイン酸ソルビタン
被験油分 b: 8—メチルヘプタデカン酸
被験油分 c :イソステアリルアルコール
被験油分 d: 2—ェチルへキサン酸 2—ェチルへキシル
[0138] 図 13からわかるように、高分散処理により得られた油性分散物において、被験油分 a〜cのように COOH基や OH基を分子内に有する油分を用いることにより、分散物 粘度が顕著に低下した (分散物 3— 3a〜3— 3c)。
これに対して、被験油分 dのように COOH基や OH基を分子内に持たない油分で は、配合量を増量しても粘度にほとんど変化がな力 た(分散物 3— 3d)。
[0139] また、図 13の分散物 3— 4aは、前記油性分散物 3— 4 (通常分散処理)において、 セスキォレイン酸ソルビタン (被験油分 a)の配合量を変えて調製した油性分散物の 結果を示している。通常分散処理で得られた油性分散物 3— 4aでは、分散物 3— 3a と同じ成分を用いているにもかかわらず、 COOH/OH基含有油分による粘度低減 効果は認められな力 た。
[0140] SEM観察によれば、通常分散処理した分散物 3— 4aでは何れの COOH/OH基
含有油分濃度でも、有機変性粘土鉱物は図 11のような比較的大きな粒状 (凝集体) であったのに対し、高分散処理した分散物 3— 3a〜3— 3dでは何れの COOH/O H基含有油分濃度でも、図 12のような微細な板状粒子となっていた。
[0141] 高分散処理により有機変性粘土鉱物が微細な板状粒子に剥離されると、板状粒子 表面は疎水性、板状粒子端面は親水性を帯びる傾向がある。このため、シリコーン油 中にお!/、て板状粒子が親水性部分である端面を減らすように配置される。その結果 、図 3の模式図に示すようなゲルネットワークを形成し、膨潤性が発揮されるものと考 えられる。そして、被験油分の種類や濃度によって有機変性粘土鉱物の粒子形状に ほとんど変化がないにもかかわらず、 COOH基や OH基を分子内に有する油分での み分散物の粘度が低下することから、これら油分が粘土鉱物の板状粒子の親水性部 位に作用し、板状粒子同士のゲルネットワークを壊さずにインタラクションを弱めること により粘度が低下するのではないかと考えられる。
[0142] 一方、通常の分散処理で得られた分散物では有機変性粘土鉱物が剥離されずに 大きな凝集体のままであり、高分散処理して得られた分散物とは分散状態が明らか に異なる。従って、このような粘土鉱物凝集体では親水性部位がほとんど表出してお らず、 COOH基や OH基を分子内に有する油分による影響がほとんどないために、 高分散処理時の場合のような粘度低下を生じないものと考えられる。
[0143] 乳化物 3— 5〜3— 9
さらに、高分散処理で得られた油性分散物を油相とする W/O乳化物において、 水相比率を変えて検討を行った。結果を表 12に示す。乳化物の調製方法は次の通 り。
(乳化物 3— 5〜3— 9)
前記油性分散物 3— 3と同様にビーズミルにより高分散処理して得られた油性分散 物を得た。油性分散物中の有機変性粘土鉱物は微細な板状粒子であった。
この油性分散物を油相とし、これに水相を徐添しながらデイスパーで乳化して、 W /〇乳化組成物を得た。
[0144] 表 12に示すように、何れの W/O乳化組成物においても、 COOH/OH基含有油 分を含む方力 これを含まない場合に比して乳化物の粘度が低くなるにもかかわらず
高い乳化安定性が維持された。また、乳化物ののびも COOH/OH基含有油分を 含む方が優れていた。
[表 12]
に化物 3— 10〜3— 12
また、通常分散処理で得られた油性分散物を油相とする W/O乳化物においても 、水相比率を変えて調べた。
表 13の乳化物は、前記油性分散物 3— 4と同様に通常分散処理して得られた油性 分散物 (有機変性粘土鉱物:凝集体)を油相とし、これに水相を徐添しながらディスパ 一で乳化して得られた W/O乳化組成物である。
表 13からわかるように、通常分散処理で得られた油性分散物を油相とした W/O 乳化組成物では、 COOH/OH基含有油分を配合した方が粘度が高くなり、表 12と
は逆の傾向を示した。その理由は明らかではないが、有機変性粘土鉱物分散粒子 の形状の違いが原因の一つであると考えられる。
また、表 12と表 13の COOH/OH基含有油分を配合した系で比較した場合には、 有機変性粘土鉱物が板状粒子である場合の方力 凝集体である場合に比して低粘 度でのびがよぐみずみずしさ、なめらかさなどの使用感にも優れていた。
[表 13]
油性分散物3— 13〜3— 14及び乳化物3— 13〜3— 14
さらに、 COOH/OH基含有油分の添加方法についても検討を行った。
下記表 14において、分散物 3— 14は、前記分散物 3— 3と同様に、セスキォレイン 酸ソルビタン以外の成分で高分散処理した後にセスキォレイン酸ソルビタンを添カロし て得られた有機変性粘土鉱物板状粒子の油性分散物である(後添加)。
これに対し、分散物 3— 13は、基本的には分散物 3— 14と同じ組成である力 S、セス キォレイン酸ソルビタンをその他成分と一緒に混合した後で高分散処理して得られた 有機変性粘土鉱物板状粒子の油性分散物である(前添加)。
[0149] 表 14のように、有機変性粘土鉱物の高分散処理後に COOH/OH基含有油分を 添加した場合(後添加)には、高分散処理前に添加した場合(前添加)に比して、油 性分散物における粘度がより低下した。
[0150] [表 14]
[0151] また、表 15は、分散物 3— 13又は分散物 3— 14を 75質量部に対し、イオン交換水 25質量部を徐添しながらデイスパーで乳化して得られた W/O乳化組成物である。 表 15に示すように、 COOH/OH基油分を前添加した分散物 3— 13を用いた乳化 物 3— 13よりも、後添加して得られた分散物 3— 14を用いた乳化物 3— 14の方が粘 度が顕著に低下し、また平均乳化粒子径も小さくなつた。
従って、本発明におレ、て COOH基及び/又は OH基を有する液状油分の効果を 十分発揮させるためには、有機変性粘土鉱物の高分散処理後に該油分を添加する ことがより好適である。
[0152] [表 15]
乳化物 3 - 13 乳化物 3 - 14
油性分散物 3-13 ((a)前添加) 75 _
油性分散物 3-14 ((a)後添加) _ 75
イオン交換水 25 25
乳化粒子径(平均値) m) 1 -10(20) 1 -7.5(15)
粘度(mPa - s) 42,500* 33,500*
*口 -タ _No.4で測定
[0153] 化粧料 3— :!〜 3— 2 W/Oファンデーション
表 16の組成で、 W/Oファンデーションを製造した。製造方法は次の通りである。 (化粧料 3— 1)
有機変性粘土鉱物をシリコーン油中でガラスビーズとともにビーズミルにより高分散 処理して得られたゾル分散物中へ他の油性成分、および粉末をそれぞれ添加し、ホ モミキサーを用いて分散した。この油性分散物を油相とし、これに水相を徐添しなが らホモミキサーで乳化して、 W/Oファンデーションを得た。
(化粧料 3— 2)
油性成分、および粉末をそれぞれ添加し、ホモミキサーを用いて分散した。この油 性分散物を油相とし、これに水相を徐添しながらホモミキサーで乳化して、 W/Oファ ンデーシヨンを得た。
[0154] また、使用感について、次のように評価した。
(使用感)
専門パネル 10名により、肌上に塗布した際の使用感の各項目についてアンケート を行い、下記の基準で評価した。
〇:良いと回答したパネルが 8〜; 10名
△:良いと回答したパネルが 5〜7名
X:良いと回答したパネルが 0〜4名
表 16からわかるように、高分散処理による有機変性粘土鉱物板状粒子分散物を用 いた W/O乳化化粧料 (化粧料 3— 1)では、基本的には同じ組成であるにもかかわ らず、通常分散処理による有機変性粘土鉱物凝集体分散物を用いた W/O乳化化 粧料 (化粧料 3— 2)に比して粘度が低いにもかかわらず、乳化安定性が高かった。ま た、のびの軽さやみずみずしさ、なめらかさに優れ、カバー力、仕上がりの均一さに ぉレ、ても優れるものであった。
[表 16]
No. 成分 化粧料 3-1 化粧料 3-2
1亍"カメチルシクロへ °ンタシロキサン 32 32
2有機変性へ外ラ仆 *1 (板状粒子) 1 _
2有機変性へ外ラ仆 *1 (凝集体) 一 1
3ホ 'リエ-テル変性シリコーン化合物 *2 2 2
4セスキイソス亍アリン酸ソルビタン (a) 1 1
5才クチルメトキシシンナメート 2 2
6架橋型メチルポリシロキサン 8 8
7酸化チタン 9.7 9.7
8黄酸化鉄 1.6 1.6
9赤酸化鉄 0.6 0.6
10黒酸化鉄 0.1 0.1
1 1イオン交換水 31 31
12保湿剤 10 10
13キレート剤 1 1
14防腐剤 適至 適至 粘度 (mPa ' s) 当日 *口-タ- Νο·3で測定 5,800 7,100
1ヶ月後 (室温) 5,500 6,500 乳化安定性(1力月後、室温) A C なめらかさ 〇 Δ のびの軽さ 〇 Δ みずみずしさ 〇 Δ カバ一力 〇 Δ 仕上がりの均一さ 〇 Δ