明 細 書
光符号通信システム
技術分野
[0001] 本発明は、符号化した信号光を送受信する OCDM (Optical Code Division Multiplex)方式の光符号通信システムに関する。
背景技術
[0002] 同じ伝搬媒体、同じ光周波数帯域を同時に符号で識別することにより複数信号で 共用できる光符号多重分割方式は、将来の光通信として検討されている。特に、誤 接続による妨害光を遮断する余地のある光周波数又は波長領域において、強度、位 相、周波数で符号化した光符号多重は有望である。
[0003] しかし、光周波数領域又は波長領域の光符号多重では、符号間干渉を抑圧可能 なノ ィポーラ方式及び擬似ノ ィポーラ方式であっても、媒体と光周波数帯域を共用 する複数符号間における符号光同士のビート雑音及びショット雑音による感度劣化 が無視できず、多重符号数に制限が発生するという課題が存在する (例えば、非特 許文献 1を参照。 ) o以下、この課題について説明する。
[0004] 図 1に、複数のユーザ側機器である ONU (Optical Network Unit)と光合分波 器 112とを単一光ファイバを介して単一の局側装置である OLT (Optical Line Te rminal)に接続して光符号多重(OCDM)した PON (Passive Optical Network )である擬似バイポーラ OCDM— PONの構成の 1例を示す。
[0005] ONU101— 1では、変調器 122によってユーザの送信データで光源 121からの光 を変調した変調光を符号器 123によって符号ィ匕して出力する。符号器 123は、 ONU 101 - 1, 101— 2〜101—n毎に定められた固有の符号に従う。そして、 OLT111 では、複数の ONU101— 1, 101— 2〜: L01— n力ら、 ONU毎に異なる符号で符号 化された符号光を復号器 131で復号し、差動検波器 132a, 132bで検波する。
[0006] ここで、符号器 123において符号ィ匕に用いる符号は、受信側の復号器 131による 復号と差動検波器 132a, 132bでの差動検波とにより符号間干渉が抑圧される符号 を用いる。 ONZOFFの光強度変調において、そのような符号としては、例えば、了
ダマール符号やビットシフトした M系列符号がある。
[0007] このような符号を用いると、受信対象の符号を構成する符号の値が「1」に相当する 光周波数チップは、略差動検波器 132a, 132bの一方の側に入力され、他方の側に は入力されないようにする。このとき、受信対象外の符号を構成する符号の値が「1」 に相当する光周波数チップは、差動検波器 132a, 132bの両方の側に略均等の強 度で入力される。そのため、対象外の符号を構成する光周波数チップが差動により 打ち消され、理想的には符号間干渉がなくなる。
[0008] 図 1の擬似バイポーラ OCDM— PONにおいて、符号 iの符号光 E、符号 pに対応 する復号器 131に対応する符号 iの符号間干渉の抑圧比 α、符号 ρに対応する復号 器 131を用いた際の検波後の雑音の分散 σ 2は、例えばそれぞれ次式で表せる。
[0009] [数 1]
Ε =∑Ε ∞5\2π f t+ φ )
[0011] [数 3]
(j = t + 2 + 3 + 4 4- a5
M \
11 22 KK MM (( 22 --22 \\ 22
pm pm p \ f J— ' pm ' i
•≠p m
1 KK KK MM ' \
/ 2
-/ pm pm / J— ^ im. i-^ jm -- a.
^ /■;/'≠/?./';./'≠/?,/ m
data
とする。 ここで E f 及び Φ は、符号 iの光周波数チップ mの電界強度、光周波数及び位 im im im
相をそれぞれ意味する。また、 iは 1から K (但し、 Kは 2以上の自然数とする。)までの 整数であり、 mは 1から M (但し、 Mは 2以上の自然数とする。)までの整数であり、 C
pm とじ 'は符号 p用の光周波数チップ mの復号器 131の 2出力の光パワー伝達関数で pm
あり、 Fはチップの周波数間隔である。また、 a , a , a , a及び aは、それぞれ受信
1 2 3 4 5
対象として選択した選択符号である符号 Pのショット雑音、それ以外の符号の非選択 符号のショット雑音、選択符号 非選択符号間ビート雑音、非選択符号 非選択符 号間ビート雑音及び暗電流を含む受信系の雑音でそれぞれの分散でガウス分布近 似できるとした。また、 eは素電荷であり、 Rは差動検波器 132a, 132bの変換効率で あり、 Bは受信系の電気段の帯域であり、 D (t)は 0または 1の値をとる時刻 tにおける
P
符号 Pのデータ値である。符号 p以外の符号に対応する値は 0と 1のデータ値を平均 化した値で示している。単純化のため全符号の信号電流強度は同一、符号間干渉 抑圧比(CMR)ひ iは同一値ひとし、各符号の符号光を構成する光周波数チップの電 界強度と偏波とは同一とし、異なる符号の符号光の偏波は一様分布とし、異なる番号
のチップ同士のビートは受信系の帯域外とし、異なる符号の符号光の同一番号のチ ップの周波数差は周波数間隔 Fの半分に一様分布と想定した。従って、数式(3)に おけるビート雑音のうち BZFのみが雑音に寄与する。また、この従来例におけるビー ト雑音の符号多重数に対する影響を緩和して評価するために、非選択符号一非選 択符号間ビート雑音は符号間干渉抑圧比の で抑圧できるものとした。この例にお ける符号誤り率 BERは、次の数式 (4)で表せる。数式 (4)において、 erfcは相補誤 差関数、 i は信号電流強度を意味する。
[0013] [数 4]
[0014] ここで、図 2に符号多重数とパワーペナルティとの関係を示す。図 2において、点線は 、数式 (4)に従う符号多重数に対するパワーペナルティを示す。 CMRは 30. 7dBと した。図 2の点線に示すように、従来の例では他符号光によるショット雑音およびビー ト雑音によるペナルティが無視できないことが分かる。この場合、受信感度を向上させ る方法として、符号光と所定の周波数の関係にあり強度のより強い局部発振光を用 いてコヒーレント検波を行う方法がある(例えば、非特許文献 2を参照。 )0従来、光 C DMでコヒーレント検波を行う方法として、例えば特許文献 1がある。
[0015] 特許文献 1 :特開平 10— 013306号公報
非特干文献 1 : C. F. Lam, et al, Experimental Demonstration 01 Dipolar optical CDMA System Using a Balanced Transmitter and Complimentar y Spectral Encoding, " IEEE Photon. Technol. Lett. , Vol. 10, No. 1 0, pp. 1504- 1506 (1998)
非特許文献 2 :オーム社「コヒーレント光通信工学」
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0016] しかし、上記特許文献 1は、時間領域における位相変調符号を用いて符号ィ匕した 信号光と信号光のレプリカとの間でのホモダイン検波を行うものであり、光周波数領 域又は波長領域の光符号多重ではない。そのため、妨害光を遮断する余地はなぐ またそのまま適用することもできない。以下、コヒーレント検波を従来の複数の光周波 数チップ力もなる光周波数領域の光符号に適用した場合の課題について説明する。
[0017] ここで、 ONU101— 1は、送信データで強度変調した符号光を送信し、 OLT111 は、復号器 131の前段で符号光と局部発振光とを混合する。また、 OLT111は、復 号器 131で復号した後、復号器 131からの 2出力を各経路について差動検波器 132 a, 132bに代えて 2つの検波器 (不図示)で検波し、当該検波器の出力を差動検波 器 132a, 132bに代えて加減算器 (不図示)で加減算して濾波器 133に向けて出力 する。なお、 ONU101— 1における変調方式は、強度変調に限らず他の変調方式で あっても同様である。
[0018] 上記構成の下、局部発振光 Eは、例えば次数式(5)と表せる。
し
[0019] [数 5]
EL = EL 、 {fim +f + (pJ
[0020] このときの符号 pの検波器における符号光強度 iは、次の数式 (6)と表せる。
P
[0021] 園
= 2 — C J , 。 ^ J十 — )
+ 2W , - 〕^ 。 て,, J+ - )
+2«∑∑
〔 ' C - v ," ノ ,じ。 4,か て J+ - ) +" ii)
[0022] ここで、 E , f +f 及び Φ は、それぞれ順に局部発振光の光周波数チップ mの
Lm im し m
電界強度、光周波数及び位相を意味する。 mは 1から M (但し、 Mは 2以上の自然数 とする。)までの整数であり、 f は中間周波数であり、 C とじ 'は符号 p用の光周波
数チップ mの復号器 131の 2つの出力のパワー伝達関数であり、 Fはチップの周波数 間隔であり、 Rは検波器の変換効率であり、 ては各検波器から中間周波数信号を加 減算する箇所までに中間周波数信号が被る遅延時間であり、 n (t)は暗電流等を含 む受信系の雑音である。単純化のため各符号の符号光を構成する光周波数チップ の偏波は同一とした。数式 (6)の第 1項と第 2項は局部発振光と符号光の直接検波 成分、第 3項は選択符号の信号電流、第 4項と第 5項は符号間干渉に起因する。
[0023] 中間周波数が光周波数チップの周波数間隔 Fより十分小さぐ直流より十分大きいと すると、第 1項、第 2項及び第 5項は電気段の濾波器 133により除去でき、信号電流 成分の第 3項及び符号間干渉成分の第 4項のみが残る。符号光と局部発振光の位 相同期を行わない包絡線検波の場合、信号電流成分の第 3項は、光周波数チップ 間の位相関係が不定であるため、中間周波数信号の位相に対応する値 (cos部分の 値)は 1から 1の値のランダムな値をとる。例えば、値が一様分布と考えた場合、第 3 項による信号電流の平均値は 0であり、符号光が送信されている場合も送信されてい な 、場合も 0となりデータ伝送ができな 、。
[0024] また、符号光と局部発振光の位相同期を行う同期検波の場合でも、符号光と局部発 振光との間では位相同期残差を残したまま中間周波数信号の位相を最小とするよう に同期を行うが、符号光を構成する光周波数チップ同士にコヒーレンス性がないため 、信号及び符号間干渉にランダムな揺らぎが生じる。そのため、特に符号間干渉成 分が相殺できずデータ伝送が困難となる。
[0025] 更に、復号器 131の異なる出力力も差動検波器 132a, 132bに代えて適用した加減 算器まで異なる経路を経由する信号の各経路における伝搬遅延は、高々データレー ト程度の周波数で合致するよう合わせてある。従って、特にへテロダインの場合、デ ータレートと中間周波数は大よそ 5倍程度以上が目安であるため、中間周波数信号 の位相が合致する保証はな 、。
課題を解決するための手段
[0026] 上記課題を解決するため、本発明では、各符号光を構成する光周波数チップ間及 び局部発振光を構成する光周波数チップ間でそれぞれコヒーレンス性の保たれた光 を用い、光受信機が光送信機力もの符号光を受信してから加減算器で加減算するま
での各経路で符号光及び z又は局部発振光及び z又は符号光が検波された中間 周波数信号の位相を調整するようにした。
具体的には本願発明に係る光符号通信システムは、光源力 の異なる光周波数の 複数の光を所定の符号で符号化した複数の光周波数チップを送信データで変調し た符号光を送信する光送信機と、前記光送信機からの符号光を受信し、受信した符 号光の光強度よりも大きく前記異なる光周波数の複数の光周波数チップのそれぞれ との光周波数差が略中間周波数に設定された複数の光を含む局部発振光を用いて 前記受信した符号光を処理して前記光送信機における送信データを取り出して出力 する光受信機と、前記光送信機と前記光受信機とを接続し前記光送信機からの符号 光を前記光受信機に向けて伝送する光伝送路と、を備える光符号通信システムであ つて、前記光受信機は、前記光送信機からの符号光と前記局部発振光とを混合する と共に前記光送信機からの符号光又は前記局部発振光の少なくとも一方を前記光 受信機の受信対象の符号の値が「1」の光周波数チップに応じた対象光周波数と前 記受信対象の符号の値が「0」の光周波数チップに応じた非対象光周波数とに分岐 し前記光送信機からの符号光と前記局部発振光とが混合した前記対象光周波数及 び前記非対象光周波数をそれぞれ出力する光混合復号器と、前記光混合復号器か らの対象光周波数と非対象光周波数とをそれぞれ検波し、前記対象光周波数と前 記非対象光周波数とのそれぞれの中間周波数信号を透過すると共に前記中間周波 数信号の一方力 他方を減算して出力する検波加減算濾波器と、を備え、前記光送 信機からの符号光は、前記検波加減算濾波器において検波される際に前記光送信 機力 の符号光を構成する光周波数チップ間でコヒーレンス性があり、前記局部発 振光は、前記検波加減算濾波器において検波される際に前記局部発振光を構成す る光周波数チップ間でコヒーレンス性があり、前記光混合復号器又は前記検波加減 算濾波器は、前記受信対象の符号で符号化され送信データの 1の値で変調された 符号光を前記光受信機が受信したときと前記受信対象の符号で符号化され送信デ ータの他の値で変調された符号光を前記光受信機が受信したときとで前記検波加減 算濾波器の出力のうち前記検波加減算濾波器における濾波の際の導通帯域内にあ る中間周波数信号の出力値又は絶対値が異なるように、前記中間周波数信号を減
算する際の前記導通帯域内にある中間周波数信号の位相を調整することを特徴と する。これにより雑音を抑制することができる。
[0028] 上記光符号通信システムにおいて、受信対象外の符号光の符号の値が「1」に対応 する光周波数チップは、前記導通帯域内にある前記中間周波数信号の半分が加算 され他の半分が減算されて互いに打ち消しあう関係にあり、前記局部発振光は、さら に前記他の符号に応じた符号光の符号の値が「1」に対応する光周波数チップの光 周波数差が略中間周波数に設定された光を含み、前記光混合復号器又は前記検 波加減算濾波器は、送信データの 1の値で変調された前記受信対象とする符号の 符号光を前記光受信機が受信したときの前記検波加減算濾波器の出力のうち前記 導通帯域内にある出力から前記受信対象としない符号の符号光を前記光受信機が 受信したときの前記検波加減算濾波器の出力のうち前記導通帯域内にある中間周 波数信号の電流値に各電流値の発生確率を乗じたものの総和を減じた出力が、送 信データの他の値で変調された前記受信対象とする符号の符号光を前記光受信機 が受信したときの前記検波加減算濾波器の出力のうち前記導通帯域内にある出力 に前記受信対象としない符号の符号光を前記光受信機が受信したときの前記検波 加減算濾波器の出力のうち前記導通帯域内にある中間周波数信号の電流値に各電 流値の発生確率を乗じたものの総和を加算した出力と比べてその値又はその絶対 値より大きくなるように位相を調整することが望ましい。これにより、符号間干渉を十分 小さくして雑音を抑制することができる。
[0029] また、上記光符号通信システムにおいて、前記光混合復号器は、前記受信した符号 光と前記局部発振光とを混合して混合光を出力する光合分波器と、前記光合分波器 からの混合光をそれぞれ前記対象光周波数と前記非対象光周波数とに分岐して出 力する復号器を備え、前記検波加減算濾波器は、前記復号器からの前記対象光周 波数及び前記非対象光周波数を検波し、濾波し及び加減算することが望ましい。こ れにより、具体的な光受信機を構成することができる。
[0030] また、上記光符号通信システムにおいて、前記光混合復号器は、前記受信した符号 光と前記局部発振光のそれぞれを前記対象光周波数と前記非対象光周波数とに分 岐して出力する復号器と、前記復号器からの対象光周波数同士及び非対象光周波
数同士をそれぞれ混合して出力する光合分波器と、を備え、前記検波加減算濾波器 は、前記光合分波器からの前記対象光周波数及び前記非対象光周波数を検波し、 濾波し及び加減算することが望ましい。これにより、符号光を復号するときの各光周 波数チップに対応する透過帯域を符号光の線幅に加えて変調拡がり程度でよくする ことができ、局部発振光を復号するときの当該透過帯域を局部発振光の線幅程度で よくすることがでさる。
[0031] また、上記光符号通信システムにお 、て、前記光混合復号器は、前記受信した符 号光を前記対象光周波数と前記非対象光周波数とに分岐して出力する復号器と、 前記局部発振光を前記復号器の分岐数に対応する数だけ分岐して出力する光分波 器と、前記復号器からの対象光周波数と前記光分波器からの局部発振光とを混合し て出力する光合分波器と、前記復号器からの非対象光周波数と前記光分波器から の局部発振光とを混合して出力する光合分波器と、を備え、前記検波加減算濾波器 は、前記光合分波器からの前記対象光周波数及び前記非対象光周波数を検波し、 濾波し及び加減算することが望ましい。これにより、符号光を復号するときの各光周 波数チップに対応する透過帯域を符号光の線幅に加えて変調拡がり程度でよくする ことができる。また、光受信機の全体的な光損失を小さくすることができる。
[0032] また、上記光符号通信システムにおいて、前記光混合復号器は、前記局部発振光を 前記対象光周波数と前記非対象光周波数とに分岐して出力する復号器と、前記受 信した符号光を前記復号器の分岐数に対応する数だけ分岐して出力する光分波器 と、前記復号器からの対象光周波数と前記光分波器からの符号光とを混合して出力 する光合分波器と、前記復号器からの非対象光周波数と前記光分波器からの符号 光とを混合して出力する光合分波器と、を備え、前記検波加減算濾波器は、前記光 合分波器からの前記対象光周波数及び前記非対象光周波数を検波し、濾波し及び 加減算することが望ましい。これにより、局部発振光を復号するときの各光周波数チ ップに対応する透過帯域を局部発振光の線幅程度でよくすることができる。また、光 受信機の全体的な光損失を小さくすることができる。
[0033] また、上記光符号通信システムにお 、て、前記受信した符号光と前記局部発振光 とは、互いの光周波数が略一致する関係にあり、前記光合分波器は、前記受信した
符号光と前記局部発振光を混合すると共に分岐して前記受信した符号光と前記局 部発振光の位相差が所定値異なる複数の混合光を出力する光ハイブリッドであり、 前記復号器は、前記光ハイブリッドからの複数の混合光をそれぞれ前記対象光周波 数及び前記非対象光周波数として分岐して出力し、前記検波加減算濾波器は、前 記光混合復号器からの位相差の異なる混合光のそれぞれにつ ヽて、前記光ハイプリ ッドからの複数の混合光のそれぞれに対応する前記対象光周波数と前記光ハイプリ ッドからの複数の混合光のそれぞれに対応する前記非対象光周波数とをそれぞれ 検波しそれぞれの中間周波数信号を透過すると共に位相差が等しい対象光周波数 と非対象光周波数の該中間周波数信号の一方力 他方を減算してそれぞれ出力し 、前記光受信機は、前記検波加減算濾波器からそれぞれ出力される中間周波数信 号を加算して出力する加算器を備えることが望ましい。これにより、位相ダイバシチに よるホモダイン検波が可能となる。また、中間周波数を小さくすることができ符号光に 必要な光周波数帯域を狭くすることができる。
[0034] また、上記光符号通信システムにお!/、て、前記受信した符号光と前記局部発振光と は、互いの光周波数が略一致する関係にあり、前記光合分波器は、前記光合分波 器に入力される複数の入力光を混合すると共に分岐して前記受信した符号光と前記 局部発振光の位相差が所定値異なる複数の混合光を出力する光ハイブリッドであり 、前記検波加減算濾波器は、前記光混合復号器からの位相差の異なる混合光のそ れぞれについて、前記光ハイブリッドからの受信した符号光と局部発振光の少なくと もいずれか一方が対象光周波数に応じた混合光と前記光ハイブリッドからの前記混 合光と位相差の等し 、受信した符号光と局部発振光の少なくとも 、ずれか一方が非 対象光周波数に応じた混合光とをそれぞれ検波しそれぞれの中間周波数信号を透 過すると共に該中間周波数信号の一方力 他方を減算してそれぞれ出力し、前記光 受信機は、前記検波加減算濾波器力 それぞれ出力される中間周波数信号を加算 して出力する加算器を備えることが望ましい。これにより、位相ダイバシチによるホモ ダイン検波が可能となる。また、中間周波数を小さくすることができ符号光に必要な 光周波数帯域を狭くすることができる。
[0035] また、上記光符号通信システムにお 、て、前記光混合復号器は、前記光送信機か
らの符号光及び前記局部発振光を混合する際に前記符号光と前記局部発振光とを 相対的に π Ζ2又は 3 π Ζ2だけ異なる 2つの偏波関係で混合し前記符号光と前記 局部発振光の偏波関係が異なる複数の対象光周波数に応じた混合光と非対称光周 波数に応じた混合光を出力し、
前記検波加減算濾波器は、前記光混合復号器からの偏波関係が異なる混合光の それぞれつ 、て、前記光混合復号器からの複数の混合光のそれぞれに対応する前 記対象光周波数と前記非対象光周波数とをそれぞれ検波しそれぞれの中間周波数 信号を透過すると共に偏波関係が等しい対象光周波数と非対象光周波数の該中間 周波数信号の一方から他方を減算してそれぞれ出力し、前記光受信機は、前記検 波加減算濾波器からの中間周波数信号を加算して出力する加算器と、をさらに備え ることが望ましい。これにより、光受信機を偏波無依存化することができる。
[0036] また、上記光符号通信システムにお!/ヽて、前記光混合復号器は、前記光送信機か らの符号光及び前記局部発振光を混合する際に前記符号光と前記局部発振光とを 相対的に π Ζ2又は 3 π Ζ2だけ異なる 2つの偏波関係で混合し前記符号光と前記 局部発振光の偏波関係と位相差の組み合わせに対応する複数の対象光周波数に 応じた混合光と非対象光周波数に応じた混合光を出力し、前記検波加減算濾波器 は、前記光混合復号器からの偏波関係と位相差の組合せに対応する混合光のそれ ぞれについて前記光混合復号器からの混合光のそれぞれに対応する前記対象光周 波数と前記非対称光周波数とをそれぞれ検波しそれぞれの中間周波数信号を透過 すると共に偏波関係と位相差の等しい対象光周波数と非対称光周波数の中間周波 数の一方力 他方を減算してそれぞれ出力し、前記光受信機は、前記検波加減算 濾波器力もの中間周波数信号をそれぞれ前記加算器にて加算することが望ましい。 これにより、光受信機を偏波無依存化することができる。
[0037] また、上記光符号通信システムにお 、て、前記局部発振光又は前記符号光の 、ず れか一方のみは、一つの送信データの値に対応する時間スロット内に前記局部発振 光又は前記符号光を構成する各光周波数チップに対応する光が直交する 2偏波の 光力ゝら構成されることが望ましい。これにより、光受信機を偏波無依存化することがで きる。
[0038] また、上記光符号通信システムにおいて、前記光受信機は、請求項 1から 8で用い る 2つの符号を連結した符号で前記光受信機における光周波数チップを構成し、前 記受信した符号光及び前記局部発振光のそれぞれは、前記連結した符号を構成す るそれぞれの符号を構成する光周波数チップは偏波が同一であり、前記光混合復号 器は、前記受信した符号光と前記局部発振光とを混合する際に連結符号を構成す る符号毎に前記符号光と前記局部発振光とを相対的に π Ζ2又は 3 π Ζ2だけ異な る 2つの偏波関係で前記受信した符号光と前記局部発振光とを混合することが望ま しい。これにより、光受信機を偏波無依存化することができる。また、光周波数チップ 毎の透過帯域を狭くすることができる。
[0039] また、上記光符号通信システムにお!/ヽて、前記光混合復号器が前記光送信機からの 符号光又は前記局部発振光の少なくとも一方を対象光周波数と非対象光周波数に 分岐した後に混合する場合において、前記光合分波器はそれぞ; 立相差が略 π異 なる 2つの混合光の組を出力し、前記検波加減算濾波器は、前記光合分波器から分 割して出力された前記位相差の略 π異なる 2つの混合光の組をそれぞれ差動検波 し対象光周波数と非対象光周波数の中間周波数信号を透過し相対応する対象光周 波数と非対象光周波数の一方力 他方を減算して出力することが望ましい。これによ り、信号成分に対して雑音となる符号光及び局部発振光の直接検出成分とコモンモ ードノイズの軽減が可能となる。
[0040] また、上記光符号通信システムにお!/、て、前記光混合復号器は、前記復号器にお いて前記対象光周波数と前記非対象光周波数とをそれぞれ前記複数の光周波数チ ップ毎に分岐して前記複数の光周波数チップ毎の前記対象光周波数及び前記非対 象光周波数として出力し、前記検波加減算濾波器は、前記光混合復号器からの対 象光周波数と非対象光周波数とのそれぞれについて前記複数の光周波数チップ毎 に検波することが望ましい。これにより、符号毎に符号光を分割する際の分割損を軽 減することができる。
[0041] また、上記光符号通信システムにおいて、前記光受信機は、前記検波加減算濾波 器における検波、濾波及び加減算よりも後段で且つ前記検波加減算濾波器力 そ れぞれ出力される中間周波数信号を加算して出力する加算器を備える場合は前記
加算器より前段に前記検波加減算濾波器力 の中間周波数信号を復調して出力す る復調器をさらに備えることが望ましい。これにより、光 PLLを不要とすることができる
[0042] また、上記光符号通信システムにおいて、前記光混合復号器又は前記検波加減算 濾波器は、前記異なる光周波数の複数の光周波数チップが前記光送信機において 送信データで変調されてから前記光受信機の前記検波加減算濾波器において加減 算されるまでの光周波数による伝送遅延を調整する分散調整器と、前記光源から前 記異なる光周波数の複数の光が出射されて力 前記検波加減算濾波器にぉ 、て検 波されるまでの光周波数チップ間の周波数間隔に応じた位相差を所定の範囲に収 めるように前記光送信機における変調前の符号光の伝搬時間を調整する位相調整 器と、前記光混合復号器にお!ヽて前記符号光と前記局部発振光とを混合する前段 又は前記光混合復号器の前段で前記局部発振光の伝搬時間を調整する位相調整 器と、のうち少なくとも 1つを備えることが望ましい。これにより、中間周波数信号の位 相ずれによる信号強度の低下と符号間干渉との抑制をすることができる。
発明の効果
[0043] 本発明は、光周波数領域又は波長領域に符号化した光符号通信システムにおけ る他符号光の重畳に起因するショット雑音とビート雑音とによる感度劣化を無視でき、 符号多重数制限を軽減した高精度な光通信が可能となる。
図面の簡単な説明
[0044] [図 1]従来の光符号通信システムを示した概略構成図である。
[図 2]従来例と本発明の ASKヘテロダイン包絡線検波の符号多重数とパワーペナル ティとの関係を示した図である。
[図 3]—実施形態に係る光符号通信システムを示した概略構成図である。
[図 4]一実施形態に係る光符号通信システムを示した概略構成図である。
[図 5]—実施形態に係る光符号通信システムを示した概略構成図である。
[図 6]符号器 54に入力される受信対象の符号光と受信対象外とする符号光と局部発 振光との光スペクトルを示した図である。
[図 7]検波器 64aでの受信対象の符号光と受信対象外とする符号光と局部発振光と
の光スペクトルを示した図である。
[図 8]検波器 64bでの受信対象の符号光と受信対象外とする符号光と局部発振光の 光スペクトルを示した図である。
[図 9]受光強度と受信対象の符号光の符号誤り率との関係を示した図である。
[図 10]—実施形態で説明した光受信機を示した概略構成図である。
[図 11]一実施形態で説明した光受信機を示した概略構成図である。
[図 12]—実施形態で説明した光受信機を示した概略構成図である。
[図 13]—実施形態で説明した光受信機を示した概略構成図である。
[図 14]一実施形態で説明した光受信機を示した概略構成図である。
[図 15]—実施形態で説明した光受信機を示した概略構成図である。
[図 16]—実施形態で説明した光受信機を示した概略構成図である。
[図 17]—実施形態で説明した光受信機を示した概略構成図である。
[図 18]—実施形態で説明した光受信機を示した概略構成図である。
[図 19]一実施形態で説明した光受信機を示した概略構成図である。
[図 20]—実施形態で説明した光受信機を示した概略構成図である。
[図 21]—実施形態で説明した光受信機を示した概略構成図である。
[図 22]—実施形態で説明した光受信機を示した概略構成図である。
[図 23]—実施形態で説明した光受信機を示した概略構成図である。
[図 24]—実施形態で説明した光受信機を示した概略構成図である。
[図 25]—実施形態で説明した光受信機を示した概略構成図である。
符号の説明
図面において使用されている符号は、以下の通りである。
10:光符号通信システム、 21:光送信機、 22:光受信機、 31:光源、 32:変調器、 33 :符号器、 41:局部発振光源、 42:光混合復号器、 43:光検波加減算濾波器、 44, 4 4-1, 44— 2:濾波器、 45, 45-1, 45— 2:包絡線検波器、 46:カロ算器、 51, 52: 調整器、 53, 59:光合分波器、 53a, 53b, 53a— 1, 53b— 1, 53a— 2, 53b— 2: 光合分波器、 54, 54a, 54b, 54-1, 54— 2:復号器、 55:光分波器、 56, 56-1, 56-2, 56— la, 56— lb, 56— 2a, 56— 2b:光ノヽイブジッド、、 57, 58:調整器、 61
a, 61b, 61a— 1, 61b— 1, 61a— 2, 61b— 2, 61— la, 61— lb, 61— 2a, 61— 2b, 61— la— 1, 61— la— 2, 61— lb— 1, 61— lb— 2, 61— 2a— 1, 61— 2a—
2, 61— 2b— 1, 61— 2b— 2 :検波器、 62a, 62b, 62a— 1, 62b— 1, 62a— 2, 62 b - 2, 62— la, 62— lb, 62— 2a, 62— 2b, 62— la— 1, 62— la— 2, 62— lb - 1, 62— lb— 2, 62— 2a— 1, 62— 2a— 2, 62— 2b— 1, 62— 2b— 2 :調整器、 6
3, 63 - 1, 63— 2 :カロ減算器、 64a, 64b, 64a— 1, 64b— 1, 64a— 2, 64b— 2 :差 動検波器、 71, 72, 74 :偏波保持光分波器、 73 :光偏波分波器、 81 :光伝送路、 82 :偏波保持光ファイノく、 101— 1〜: LOl— n : ONU、 l l l : OLT、 112 :光合分波器、 121 :光源、 122 :変調器、 123 :符号器、 131 :復号器、 132a, 132b :差動検波器、 133 :濾波器、 300 :光符号通信システム
[0046] 添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施の 形態は本発明の構成の例であり、本発明は、以下の実施の形態に制限されるもので はない。
[0047] (第一実施形態)
図 3、図 4及び図 5に、本実施形態に係る光通信システムの概略構成図を示す。
[0048] 図 3から図 5の光通信システム 10は、異なる光周波数の複数の光を所定の符号で 符号化した複数の光周波数チップを送信データで変調して符号光を送信する光送 信機 21と、光送信機 21からの符号光を受信し、受信した符号光を局部発振光に基 づ ヽて処理して光送信機 21における送信データを取り出して出力する光受信機 22 と、光送信機 21と光受信機 22との間で符号光を伝送する光伝送路 81と、を備える。
[0049] 光送信機 21は、異なる光周波数の複数の光で構成された光周波数チップを出力 する光源 31と、光源 31からの光を送信データで変調して出力する変調器 32と、光 源 31からの符号に応じた光周波数チップを選択して透過する符号器 33と、を備える
[0050] 光源 31が出力する光周波数チップは、コヒーレンス性が保たれている。光源 31とし ては、異なる複数の光の位相が揃っており、コヒーレンス性のあるモード同期レーザ 等のパルス光源や、種光源力 の光を変調した際の種となる光及び変調によるサイド バンドの光を出力する光源を適用することができる。また、後述する数式(11)又は後
述のように受信対象とする符号光を考慮した上で、数式 (22)力 数式 (33)に示す 関係式を満たすように互 ヽのコヒーレンス性が保てれば複数光源の組合せでもよ 、。
[0051] 図 3では、光源 31と変調器 32とは、それぞれ別の構成とした力 光源 31において 複数の光を直接変調することで同一としてもよい。また、光送信機 21の構成として、 光源 31、変調器 32及び符号器 33からなる構成を示した力 変調器 32と符号器 33と の順番は入れ替えてもよい。また、符号器 33として光周波数に依存した遅延のある 符号器を適用してもよい。この場合には、光周波数チップ毎に変調器 32から後述の 検波器 6 la, 6 lbまでの伝搬遅延を略均一にする必要がある。 4チップの場合の例で ある図 4の光符号通信システム 10では、検波器 61a— 1, 61a— 2, 61b— 1, 61b— 2の場合も同様で、図 5の光符号通信システム 10では、差動検波器 64a, 64bの場 合も同様である。また、光源 31自体が符号に対応する複数の光を出力するか、又は 変調器 32が符号に対応する光のみ導通する場合は、符号器 33は省略することもで きる。また、光送信機 21が送信データの値に応じて異なる光周波数チップ力もなる符 号光を出力する場合には、光送信機 21は、異なる符号に対応する複数の符号器を 符号器 33として備える。そして、光源 31、符号器 33、変調器 32の並びとするときは、 変調器 33は、光源 31からの光をそれぞれ符号ィ匕した、複数の符号器の出力からい ずれかの出力を選択するスィッチの役目を果たす。一方、光源 31、変調器 32、符号 器 33の並びとするときは、変調器 32は、異なる符号に対応する複数の符号器のい ずれかに光源 31からの光を入力するかを切り替えるスィッチの役目を果たす。この場 合、光送信機 21は、符号器 33の後段に接続され複数の符号器力ゝらの符号光を合波 して出力する光合分波器 (不図示)、又は符号器 33の後段に接続され複数の符号器 力もの出力の切り替えを変調器 32に同期して行う変調器 (不図示)を備える。そして 、符号器 33は、不図示の当該光合分波器又は当該変調器を経由して符号光を出力 する。
[0052] ここで、符号器 32で符号ィ匕に用いる符号は、受信側での復号器 54、検波器 61a, 61b及び加減算器 63により符号間干渉が抑圧される符号を適用する。図 4及び図 5 の光符号通信システム 10では、図 4の検波器 61a— 1, 61a— 2, 61b— 1, 61b— 2 及び図 5の差動検波器 64a, 64bの場合も同様である。例えば、 ONZOFFの光強
度変調における直交符号としては、アダマール符号や、ビットシフトした M系列符号 でビットが 1又は 0のいずれかに相当する光周波数チップを送信する光符号がある。 本実施形態では、このような符号として値が 1に相当する光周波数チップのみを送出 するュ-ポーラ符号を用いて、擬似バイポーラ受信する場合にて説明する。選択した 符号を構成する光周波数チップで値が「1」である光周波数チップは、後述する光受 信機 22の加減算器 63の加算側の検波器 6 laが減算側の検波器 6 lbのいずれか一 方に入力され、他方の検波器には入力されないように復号器 54を構成する。符号の 直交性により、受信対象外の符号を構成する符号の値が「1」である光周波数チップ は、加算側と減算側の両方に略均等な強度で入力されることになり、差動により打ち 消され、理想的には符号間干渉がなくなる。
[0053] 光受信機 22は、受信した符号光の光強度よりも大きく光送信機 21の光源 31から出 力される異なる光周波数の複数の光のそれぞれとの光周波数差が略中間周波数に 設定された複数の光を含む局部発振光を出力する局部発振光源 41と、光送信機 21 力 の符号光と局部発振光源 41からの局部発振光とを混合すると共に光送信機 21 からの符号光又は局部発振光の少なくとも一方を光受信機 22の受信対象の符号の 値が「1」に対応する光周波数チップに応じた対象光周波数と受信対象の符号の値 が「0」に対応する光周波数チップに応じた非対象光周波数とに復号して分岐し光送 信機 21からの符号光と局部発振光とが混合した対象光周波数及び非対象光周波数 をそれぞれ出力する光混合復号器 42と、光混合復号器 42からの対象光周波数と非 対象光周波数とをそれぞれ検波し、対象光周波数と非対象光周波数とのそれぞれ の中間周波数信号を透過すると共に該中間周波数信号の一方力 他方を減算して 出力する検波加減算濾波器 43と、を備える。さらに、光受信機 22は、復調器 (本実 施形態では、整流器又はミキサー等と中間周波数成分を除去する低域濾波器力 な る包絡線検波器 45)を含む。また、光受信機 22は、光周波数領域-時間領域の二 次元符号の場合は、送信データの 1ビットの時間に対応する時間の積分を行う積分 器 (不図示)を備えてもよい。
[0054] 本実施形態では、光混合復号器 42は、局部発振光源 41からの局部発振光の遅 延又は位相を調整する調整器 51と、光送信機 21からの符号光の遅延又は位相を調
整する調整器 52と、光送信機 21から調整器 52を介した符号光と局部発振光源 41 から調整器 51を介した局部発振光とを混合して出力する光合分波器 53と、光合分 波器 53からの混合光を復号して出力する復号器 54と、を備え、検波加減算濾波器 4 3は、図 3においては、復号器 54からの対象光周波数を検波して出力する検波器 61 aと、復号器 54からの非対象光周波数を検波して出力する 61bと、検波器 61a, 61b 力もの中間周波数信号の遅延又は位相をそれぞれ調整する調整器 62a, 62bと、検 波器 61a, 61bから調整器 62a, 62bを介した中間周波数信号の一方力も他方を減 算して出力する加減算器 63と、変調信号が乗じた中間周波数信号を透過する濾波 器 44と、を備える。
[0055] 局部発振光源 41は、例えば、光受信機 22が受信する全符号光の光強度の総和よ り 20dBのように十分大きな強度で且つコヒーレンス性の保たれた局部発振光を出力 する。局部発振光は、選択する符号を復号するのに必要且つ選択しない符号を相殺 するのに必要な複数の光周波数を具備する。例えば、選択する符号が「11110000 」で flから f 4までの光周波数の信号を出力し、選択しない符号が「10101010」で奇 数番号の光周波数の信号を出力する場合、少なくとも fl, f2, f3, f4, f5, f7の光周 波数の局部発振光を出力する。全符号光の光強度の総和よりも十分大きな局部発 振光を用いることで、後述するように、他の符号光に起因するショットノイズや符号光 符号光間のビートノイズの光受信機における影響を無視できるようになる。本実施 形態では、局部発振光は、光受信機 22内に局部発振光源 41から出力するとしてい るが、後述する数式(11)又は後述のように受信対象としない符号光も考慮した上で 数式 (22)から数式 (33)に示す関係式を満たせば外部から供給された局部発振光 を用いてもよい。
[0056] 復号器 54は、光受信機 22が受信した符号光及び局部発振光源 41からの局部発 振光を取得し、符号を構成する値が「1」の光周波数チップに対応する光と符号を構 成する値が「0」の光周波数チップに対応する光とに分岐して出力する。分岐された 光のうち受信対象の符号の値力 S「1」の光周波数チップに応じた光は検波器 61aに、 受信対象の符号の値が「0」の光周波数チップに応じた光は検波器 61bにそれぞれ 入力する。
[0057] 検波器 61aは、符号の値が「1」の光周波数チップに対応する光を検波して出力し 調整器 62aを介して加減算器 63の加算側に入力し、検波器 61bは、符号の値が「0」 の光周波数チップに対応する光を検波して出力し調整器 62bを介して加減算器 63 の減算側に入力する。図 3では検波器 61a, 61b及び調整器 62a, 62bの 2つに分け ているが、図 4に示すように、検波器から出力される信号は、検波器 61a— 1, 61a- 2, 61b— 1, 6 lb— 2のように加減算器 63の加算側及び減算側への入力が一致す る限りそれぞれ分割してもよい。この場合、調整器 62a— 1, 62a— 2, 62b— 1, 62b —2は、検波器 61a— 1, 61a— 2, 61b— 1, 61b— 2にそれぞれ接続される。
[0058] 図 3の加減算器 63は、検波器 61a, 61b力もの出力を加減算して出力する。また、 濾波器 44は、加減算器 63からの中間周波数信号を透過して出力する。また、包絡 線検波器 45は、濾波器 44からの中間周波数信号を二乗検波して光送信機 21にお ける送信データを取り出して出力する。受信対象の符号を除く他の符号で符号化さ れた符号光 (以下、「受信対象の符号を除く他の符号で符号化された符号光」を「受 信対象外の符号光」とする。)を光受信機 22が受信した場合は、受信対象外の符号 光で値が「1」の光周波数チップは、濾波器 44の導通帯域内の中間周波数信号の半 分が加減算器 63で加算され、他の半分が加減算器 63で減算され打ち消しあう符号 関係にあるため、加減算器 63により打ち消される。このように、受信対象外の符号で 値力「l」の光周波数チップは、符号の直交性により加算側と減算側の両方の加減算 器 63に略均等な強度で入力され、加減算器 63における差動により打ち消されて、理 想的には符号間干渉がなくなる。一方、受信対象の符号で値が「1」の光周波数チッ プは、加減算器 63の加算側に接続される検波器 6 la又は減算側に接続される検波 器 61bのいずれかの一方に光周波数チップが略入力され、他方の検波器 61bには 入力されない。信号光を構成する複数の光周波数チップの光の強度や偏波状態に より、各周波数の光に対応する中間周波数信号が不均一である場合は、選択しない 符号が相殺されるように信号光を構成する複数の光周波数の光の間の強度比又は 局部発振光を構成する複数の光周波数の光の間の強度比を調整して打ち消される ようにする。加減算器 63の出力は、変調された中心周波数信号を透過する濾波器 4 4を経由し、中間周波数信号を包絡線検波器 45で二乗検波した後に光送信機 21に
おける送信データ信号として出力される。なお、復調器として適用した包絡線検波器
45は、変調信号のマークとスペースの値による強度差を検出することで送信データ を取り出すので、二乗検波に限定する必要はなぐ中間周波数信号を直接アナログ デジタル変換を行い、強度差を検出する場合は、デジタル信号処理で置き換える ことも可能である。デジタル信号処理で行う場合は、加減算器、濾波器、調整器もァ ナログ—デジタル変換後にデジタル信号処理で行うことが可能である。
[0059] 復号器 54の出力と検波器 6 la, 61bは、図 4に示すように光周波数チップ毎に分割 し、それぞれの光周波数チップ毎の出力を分岐し加減算器 63において符号に応じ て加減算を行うと、各符号に応じた加減算器 63の間で検波器以前を少なくとも共用 することができるので符号毎に光を分割する分割損を軽減することができる。また、濾 波器 44は、所定の周波数差の絶対値が中間周波数となり、中間周波数を含み略デ ータレート以上の透過帯域を有するバントパスフィルタである。加減算器 63と濾波器 44の順番は入れ替えてもよい。この場合、加減算器 63への入力数だけの濾波器が 加減算器 63の前段に接続される。復号器 54による分岐が 2出力の場合は、図 5に示 すように、図 3の検波器 61a, 61bと加減算器 63との組み合わせに代えて、差動検波 器 64a, 64bを用いてもよい。また、図 3の加減算器 63の加算側と減算側とは入れ替 えてもよい。検波器 6 la, 6 lbからの信号が加減算器 63の出力で反転するだけだか らである。
[0060] 調整器 51, 52, 62a, 62bは、受信対象の符号で符号化された符号光(以下、「受 信対象の符号で符号化された符号光」を「受信対象の符号光」とする。 )のみを光受 信機 22が受信する場合は、例えば、送信データがマークとスペースとの 2値の場合、 送信データがマークのときとスペースのときに加減算器 63からそれぞれ出力される信 号のうち濾波器 44の導通帯域内にある中間周波数信号の絶対値が異なるように中 間周波数信号の位相を調整する。例えば、送信データがマークのときがスペースのと きょり大きくなるように調整する。送信データが多値の場合も同様である。一方、受信 対象外の符号光も受信する場合は、受信対象の符号の送信データで出力が大と規 定した値に対応する送信データのときの加減算器 63の出力を所定の条件で処理し た値の絶対値が、他の受信対象の符号の送信データで出力が小と規定した値に対
応する送信データのときの加減算器 63の出力を所定の条件で処理した値よりも大き くなるように中間周波数信号の位相を調整する。この場合、「所定の条件で処理」は、 光受信機 22が受信対象外の符号光を受信したときに加減算器 63から出力される信 号のうち濾波器 44の導通帯域内にある中間周波数信号の電流値に各電流値の発 生確率を乗じたものの総和を受信対象の符号の出力が大と規定した値に対応する 送信データのときの加減算器 63の出力から減じ、出力が小と規定した値に対応する 送信データのときの加減算器 63の出力に加えることを 、う。
[0061] 図 3の調整器 62a, 62bは、電気段で調整を行う力 図 5の調整器 62a, 62bは、光 段で調整を行う。図 3においても、図 5と同様に光段で置き換えてもよい。また、図 3, 図 5では、光合分波器 53で混合する前段の符号光と局部発振光とのそれぞれ、及 び検波器 61a, 61bの前後のいずれかに調整器 62a, 62bを配置し、図 4では各光 周波数チップの検波器 61a— 1, 61a— 2, 61b— 1, 61b— 2の後段に調整器 62a— 1, 62a— 2, 62b— 1 , 62b— 2を配置している力 各データ値が弁別できるように中 間周波数信号の位相を合わせることができれば、調整器 62a, 62b, 62a— 1, 62a - 2, 62b - l, 62b— 2は、追カロ ·肖 'J減してもよい。調整器 51, 52, 62a, 62b, 62a —1, 62a— 2, 62b— 1 , 62b— 2としては、光送信機 21において光周波数チップを 変調して力も光受信機 22の加減算器 63までの光周波数による伝送遅延を調整する 分散調整器、光源 31力ら検波器 61a, 61b, 61a— 1, 61a— 2, 61b— 1, 61b— 2 ( 図 3又は図 4)又は差動検波器 64a, 64b (図 5)までの光周波数チップ間の周波数間 隔に応じた位相差を所定の範囲に収めるために変調前における符号光の伝搬時間 を調整する位相調整器の少なくとも 1つであることが望ましい。また、調整器 51として は、光合分波器 53における符号光と局部発振光との混合前に局部発振光の伝搬時 間を調整する位相調整器であることが望ましい。また、その両者の組合せである調整 器であることが望ましい。これにより、中間周波数信号の具体的な位相調整をするこ とがでさる。
[0062] 以下に、図 4の調整器 62a— 1, 62a— 2, 62b— 1, 62b— 2における位ネ目の調整に ついて説明する。受信対象の符号が「1100」、受信対象外の符号が「1010 」を一例として適用する。簡単のためにマークとスペースの 2値伝送であり、且つ「1」
の値の光周波数チップを送信し「0」の光周波数チップを送信しないものとする。また
、復号器の出力は、図 4の復号器 54に示すように光周波数チップ毎に独立している とし、検波器は、図 4の検波器 61a— 1, 61a— 2, 61b— 1, 61b— 2に示すように復 号器 54の出力毎に独立に接続され、調整器は、図 4の調整器 62a— 1, 62a— 2, 6 2b— 1, 62b— 2【こ示すよう【こ検波器 61a— 1, 61a— 2, 61b— 1, 61b— 2毎【こ接続 しているとする。また、光合分波器 53における符号光と局部発振光とのチップ iは、以 下の数式(7)で示されるとする。チップ番号の 1から 4は、それぞれ順に検波器 61a— 1, 61a— 2, 61b— 1, 61b— 2で検波される光周波数チップに対応する。
[0063] [数 7] 符号光 : E s c o S [ 2 T f 丄 — τ f 十 φ 5 ]
局部発振光: E L C O s T^ f i + f ! t + ^ L]
[0064] ここで、 iは 1から 4のチップ番号を示し、 E 、 Eはそれぞれ符号光及び局部発振光
し
の各光周波数チップの電界強度を示し、 Φ 、 Φ
しはそれぞれ符号光及び局部発振 光の初期位相を示し、 fは符号光のチップ iの周波数を示し、 Fは符号光と局部発振 光それぞれの隣接する光周波数チップ間の周波数差を示し、 f
IFは中間周波数を示 し、 Riま検波器 61a— 1, 61a— 2, 61b— 1, 61b— 2の効率を示す。 τ 、 て 、 τ 及
fi d e び τ は、それぞれ光送信機 21から光合分波器 53までの光伝送路 81の遅延と、光 合分波器 53から検波器 61a— 1, 61a— 2, 61b— 1, 61b— 2までの遅延と、検波器 61a— 1, 61a— 2, 61b— 1, 61b— 2から加減算器 63までの遅延及び調整器 62a - 1, 62a— 2, 62b— 1, 62b— 2の遅延を示し、 て 以外は光周波数チップによらず 同一値とする。
[0065] 4つの光周波数チップは、復号器 54により分岐されそれぞれ検波器 61a— 1, 61a
- 2, 61b— 1, 61b— 2に入力され検波され出力される。加減算器 63において、光 周波数チップ 1, 2に対応する信号は加算され、光周波数チップ 3, 4に対応する信号 は減算される。各光周波数チップの加減算器 63における加減算と濾波器 44におけ る濾波後の中間周波数信号は、次の数式 (8)と表せる。
[0066] [数 8]
R E s E L c o s [ 2 π f I F(t_T ά_τ 6_τ c i)
+ φ1_-φ 5+2π ί ί τ {]
[0067] 受信対象の符号光がマークのとき、光周波数チップ 1と光周波数チップ 2の信号と が加減算器 63において加算されるので、両者を加算した値は、次の数式(9)と表せ る。一方、受信対象外の符号光がマークのとき光周波数チップ 1が加算され光周波 数チップ 3の信号が減算されるので両者を減算した干渉成分の値は、次の数式(10) と表せる。そして、調整器 62a— 1, 62a— 2, 62b— 1, 62b— 2は、それぞれ数式(1 0)で示された干渉成分を最小化し、信号成分を最大化するように設定して前述した 受信対象の符号光と受信対象外の符号光との関係を満たせばよい。
[0068] [数 9]
R E s E L c o s [ 2 π I I F(t 0. 5 τ cl 0. 5 2) + φ L
— φ s+27c(f 1 + F/2)T f]c o s [7i(F τ 厂 f I F c l+ τ c 2)) ]
[0069] [数 10]
-R E s E L s i n [ 2 π f i F( t - τ d- τ e-0. 5 τ cl 0. 5 τ c 3) + φ
L— φ5+2π(ί + f]s i n[7i(F τ厂 f IF cl+ τ c3)) ]
[0070] 本実施形態では、変調方式によらないが、代表例として ASK2値伝送でマークのとき のみ符号光を送信する場合の符号誤り率について示す。符号 i(iは 1から K (但し、 K は 2以上の自然数とする。;))の符号光 E及び局部発振光 Eは、例えばそれぞれ次
i し
の数式(11)で表せる。
[0072] 数式(11)において、 Ε , Ε とは、それぞれ符号光と局部発振光の光周波数チッ
im Lm
プ m(mは 1から M (但し、 Mは 2以上の自然数とする。))の電界強度を示し、 ,
i φ は、それぞれ符号 iの符号光と局部発振光との光周波数チップの初期位相を示す。 f
, f は、それぞれチップ mの周波数と中間周波数を示す。
m IF
[0073] 符号 pの符号光の加減算器後の出力電流は、次の数式(12)と表せる。
[0074] [数 12]
[0075] ここで、 Rは検波器の感度を示し、 C 、 C' は符号 pを受信対象の復号器 54の光
pm pm
周波数チップ mのパワー伝達関数を示し、 n(t)は光受信機 22の雑音を示す。第 1, 第 2項は出力電流の式の局部発振光と符号光の直接検波成分であり、第 3項は受信 対象の信号成分であり、第 4及び第 5項は符号間干渉成分 (MAI)である。第 1、第 2 及び第 5項は中間周波数を透過する濾波器 44により除去される。第 4項は符号の直 交性により理想的には抑圧される。ここで受信対象信号の電流成分 i
dataに対する第 4 項の MAI電流の残留成分の符号間干渉抑圧比(CMR) aは以下の数式(13)で示 せるとする。
[0077] 更に簡略化のため MAI電流と符号間干渉抑圧比は同一とすると出力電流は次の 数式(14)と表せる。
[0078] [数 14]
i。 = 2RACPI„ - CJEP,,,EL {2 + φρ - φ)
A+xj+y =x + = ^_
1 (; mark)
:
[0079] 数式(14)において、 ΓΊま包絡線を示し、 φ .'は位相差を示し、 Αは信号強度を示し 、 N(t)は濾波器 44を透過した雑音を示し、 aは符号間干渉抑圧比を示し、 D (t)は 0又は 1の値をとる時刻 tにおける符号 iのデータ値を示し、 Xと yは同相成分と直交成 分の雑音を示す。同相の MAI成分が最大の条件として位相差が πの場合と 0の場 合は、 A'は、 ΜΑΙ電流強度 ζを用いて次の数式(15)と書き換えられる。
[0080] [数 15]
z = ∑ ΑΌ
ί{ήαβ
ι , Q
i 1, Φ=
_1, φ-π
[0081] また、 ζの確率密度は次の数式(16)と表せる。
[0082] [数 16]
― (2,― u)aA)
[0083] 数式(16)において、 uと sはデータ値がマークと位相が 0の場合の受信対象外の符 号光の数である。 x'と yが互いに無相関のガウス分布であると想定すると、雑音の分 散 σ 2は次の数式(17)と表せる。
[0084] [数 17] び = is + + iL + id + is—b + ib—b + ie iL + i( 2eBR∑{ppm+Cpn E +ic
[0085] 数式(17)において、第 1項から順に受信対象の符号光のショット雑音、受信対象 外の符号光のショット雑音、局部発振光のショット雑音、暗電流のショット雑音、受信 対象の符号光と受信対象外の符号光とのビート雑音、受信対象外の符号光同士の ビート雑音、受信系のその他の雑音のそれぞれの分散を示す。また、 eは素電荷であ り、 Bは受信系の電気の帯域である。 zを与えたときの条件付確率密度は次の数式(1 8)と表せる。
[0086] [数 18]
[0087] よって、 zを与えたときの結合確率密度は次の数式(19)となる。
[0088] [数 19]
_ r +A
e 2び2 , ム
[0089] 数式(19)において、 I (ν)は零次の第 1種の変形ベッセル関数である。このとき、符 号誤り率は次の数式(20)で表せる。
[0090] [数 20]
BER =丄 £ ί— : Ρ^) pz (r)dzdr + Π—: p(z) pz {r)dzdr
2
1 ん -i « c Γ r(A + (2s - u)aA) r A+{2S-U
1 1 V — 1し M Mし S
つ Ζ—ι ん-- 1+« 2 β 2σ dr «=0 ,s=0 . σ σ ノ
t +a
Q(a,b) ^ i- l0(at)e 2 dt
T = A / 2
[0091] 数式(20)において、 Q (a, b)はマーカムの Q関数であり、 Tはマークとスペースの 閾値である。 符号数がガウス分布により 2項分布近似するのに十分な場合は、更に 次の数式(21)のように近似することができる。
[0092] [数 21]
ィ曰-し、 MAI = とする。
[0093] 数式(21)において、 MAIは MAI電流の分散であり、その値は(K 1) (i ) 2 « 2 data
Z2である。更に、本実施形態において「2光送信機— 1光受信機」の構成とした場合 の測定結果について説明する。図 5を基に説明する。
[0094] 前提条件として光送信機 21側の光源 31及び局部発振光源 41は、種光を出力す るレーザダーオード (LD) (不図示)、シンセサイザ (不図示)及び強度変調器 (不図 示)で構成される。当該強度変調器は、当該シンセサイザからの 12. 5GHzの正弦波 で駆動し当該 LD力 の種光自身とダブルサイドバンドの周波数間隔 Fが 12. 5GHz の 3光周波数チップを構成する。符号光と局部発振光との位相はシンセサイザからの サイドバンド生成用の強度変調器までの電気の遅延線またはサイドバンド生成用の
強度変調器後段の光の遅延線により調整した。これらの遅延線は本構成の調整器の 一部をなす。符号光と局部発振光との光周波数は、中間周波数 2. 5GHzだけ離れ ている。符号器 33は、 FSR力 0GHzと 20GHzのマッハツェンダー干渉計を用いた 。光送信機 21は、これらの符号器 33において受信対象の符号「0011」及び受信対 象外の符号「0101」の符号光を構成する。符号光は lGbitZsの 27— 1の擬似ランダ ムパターンでデータ変調用の強度変調器(図 5の変調器 32)により変調した。光受信 機 22では、復号器 54として 25GHz間隔の 2chの光フィルタを用いた。復号器 54と 当該差動検波器の間は両経路の位相差と強度差を補正するための光遅延線 (不図 示)と光減衰器 (不図示)をそれぞれ挿入してある。調整器 51, 52, 62a, 62bは、光 遅延線と前述の電気又は光の遅延線とにより構成される。
[0095] 図 6a、図 6b、図 6cに、復号器 54に入力される受信対象の符号光,受信対象外の 符号光及び局部発振光の光スペクトルをそれぞれ示す。また、図 7a、図 7b、図 7cに 、検波器 64aに入力される受信対象の符号光,受信対象外の符号光及び局部発振 光の光スペクトルをそれぞれ示す。また、図 8a、図 8b、図 8cに、検波器 64bに入力さ れる受信対象の符号光、受信対象外の符号光及び局部発振光の光スペクトルをそ れぞれ示す。具体的には、図 6a,図 7a及び図 8aは、受信対象の符号光の光スぺク トルを示し、図 6b,図 7b及び図 8bは、受信対象外の符号光の光スペクトルを示し、 図 6c,図 7c及び図 8cは、局部発振光の光スペクトルを示している。
[0096] 差動検波器 64a, 64bの出力は、中間周波数増幅器で増幅した後、 1. 25GHzか ら 3. 75GHzを透過する濾波器 44により濾波し、ダイオードと低域濾波器力もなる包 絡線検波器 45で復調される。光周波数チップの強度の不均一性を考慮した符号間 干渉抑圧比(CMR) αは、 30. 7dBである。
[0097] 図 9に受信対象外の符号光がある場合とない場合の受信対象の符号光の符号誤り 率を示す。白丸は受信対象外の符号光がない場合で、黒丸、白三角、黒ひし形はそ れぞれ受信対象外の符号光がない場合に符号誤り率が 10_9となる符号光の強度よ りも 0, 5, 10dBだけ大きな強度の受信対象外の符号光がある場合の符号誤り率で あり、符号光の数が多い場合を模擬している。実線と点線は数式(20)に基づき、実 測したパラメータを用いた受信対象外の符号光の強度が OdBと 10dBのときのそれぞ
れの計算値である。
[0098] 図 2に符号多重数を横軸にした数式(20)に従う符号誤り率 10_9でのパワーペナ ルティを示す。一点鎖線、二点鎖線及び実線は、符号間干渉抑圧比 aが 25, 30. 7 , 35dBの場合である。点線に示す従来例の計算値と比べて改善効果は明らかであ る。黒丸は受信対象外の符号光強度が 0, 5, 10dBの場合の実測値であり、計算値 と略一致している。なお、数式(20)に基づいた計算値を示したが、数式(21)に基づ いた計算値でも略一致する。
[0099] 本実施形態について一般的な式を用いて示せば、以下となる。簡単化のため、送 信データの値はマークとスペースの 2値伝送で且つ受信対象外の符号光のない状 況にて示すが、多値であっても受信対象外の符号光があっても同様である。検波器 61aに到達する局部発振光を構成する i番目の光を eA とし、送信データの値がマ
LI— i
ークのときの符号光を構成する j番目の光を eA とし、送信データの値がスペース
ml _ ]
のときの符号光を構成する j番目の光を eA とし、検波器 61bに到達する局部発振
si_i
光を構成する i番目の光を eB とし、送信データの値がマークのときの
LI— i 符号光を構 成する j番目の光を eB とし、送信データの値がスペースのときの符号光を構成す
ml _ ]
る j番目の光を eB とし、濾波器 44の導通帯域を Be、 iと jに関する総和を∑∑と表
sl」
すと、送信データの値がマークのときの符号光と局部発振光とのビート電流のうち濾 波器 44の導通帯域 Be内にあるビート電流の iと jに関する総和であるマークのときの ビート電流総和の二乗は、局部発振光と送信データの値がスペースのときの符号光 とのビート電流のうち濾波器 44の導通帯域 Be内にあるビート電流の iと jに関する総 和であるスペースのときのビート電流総和の二乗よりも大きく数式(24)で表せる。ここ で、マークのときの符号光と局部発振光とのビート電流の iと jに関する総和は、数式( 22)と表せ、スペースのときの符号光と局部発振光とのビート電流の iと jに関する総和 は、数式(23)と表せる。
[0100] [数 22]
∑∑t e Α τ , i · e Am l j B e - e iS j^ ; · e B m l j β e }
[0101] [数 23]
∑∑{e AL1一 e As B e_e BL1j . e B s B e} [0102] [数 24]
(∑∑{eAL1_; - eAml Be- eBL1— i · e Bml B e}) 2>
(∑∑{eAL1_; · eAs l B e- eBL1— i · eBsl B e}) 2
[0103] 数式(24)に示す関係式により、本実施形態では、異なる光周波数の複数の光によ るデータ伝送をコヒーレント検波で検波することが可能となる。以下、変調方式に即し て説明する。
[0104] a) ASKの場合
検波器 61aに到達する局部発振光を構成する i番目の光 eA の電界強度を EA
1— i 1— とし、周波数を f とし、初期位相を ΦΑ とし、送信データの値がマークのときの i l_i l_i
符号光を構成する j番目の光 eA の電界強度を DAm EA とし、周波数を f ml _ ] si _ ] si _ ] si とし、位相を ΦΑ とし、対応する局部発振光を構成する光に対する偏波面の角
sl
度差の余弦を PA とし、送信データの値がスペースのときの符号光を構成する j番
si_i
目の光 eA の電界強度を DAs EA とし、周波数を f とし、位相を Φ A と
sl _ ] si _ ] si _ ] si _ ] si _ ] し、対応する局部発振光を構成する光に対する偏波面の角度差の余弦を PA とし
si_i
、検波器 61bに到達する局部発振光を構成する i番目の光 eB の電界強度を EB l_i 1 とし、周波数を f とし、初期位相を ΦΒ とし、送信データの値がマークのときの
_i l_i l_i
符号光を構成する j番目の光 eB の電界強度を DBm EB とし、周波数を f ml _ ] sl _ ] sl _ ] sl _ ] とし、位相を ΦΒ とし、対応する局部発振光を構成する光に対する偏波面の角度
si_i
差の余弦を PB とし、送信データの値がスペースのときの符号光を構成する j番目
si_i
の光 eB の電界強度を DBs EB とし、周波数を f とし、位相を ΦΒ とし、 sl _ ] sl _ ] sl _ ] sl _ ] sl _ ] 対応する局部発振光を構成する光に対する偏波面の角度差の余弦を PB とすると
si_i
、局部発振光と送信データの値がマークのときの符号光とのビート電流の iと jに関す る総和で濾波器 44の導通帯域 Be内にあるマークのときのビート総和の二乗は、局部 発振光と送信データの値がスペースのときの符号光とのビート電流の iと jに関する総 和で濾波器 44の導通帯域 Be内にあるスペースのときのビート総和の二乗よりも大き
く数式(27)が成り立てばよい。ここで、マークのときの符号光と局部発振光とのビート 電流の iと jに関する総和は、数式(25)と表せ、スペースのときの符号光と局部発振光 とのビート電流の iと jに関する総和は、数式(26)と表せる。
[0105] [数 25]
∑∑{PAs l— j EAL1—【DAms l i E As x c o s [2 π 〔 f s
「 f L1_J t +ΦΑ5 1— AL 1— e-PB s l_J EBL 1_i
DBms E B s c o s [2 π f s f L1— ; t +Φ B s l
^ -ΦΒ^_;]Β β}
[0106] [数 26]
∑∑(PAs l」 EAL 1_;DA s s l— j EAs l—』 c o s [2 π 〔 f s
f L 1_〖〕 t + As l_ AL1— B e- P B S 1 EBL 1
DB s s l_J EB s l_J c o 8 [2 π 〔f s l—「 f L 1_J t +ΦΒ
i - L·1 【]B e}
[0107] [数 27]
(∑∑{PAs l— E AL 1— iDAms EAs l c o s [2 π [ f s
i— f L1j t + As l_j - AL 1_i]B e-PB s l_j EBL1_
iDBms l_j EB s l_j c o s [2 π 〔 f s f Li i t +Φ B s
BL 1— JB e}) 2> (∑∑{PAS 1— j EAL1— ;DA s s l
EAS 1_J c o 8 [2 π [ f s l f L 1_J +ΦΑ6 ΐ ΦΑ
— ]B e_PB s l— j EBL1— ;DB s s l— j EB s l— j c o s [2 π 〔f
s l — f L1_J t + B s l BL1 B e}) 2
B)FSK (その 1)の場合
マークの場合と、スペースの場合で同一の局部発振光を用いる場合の例を初めに示 す。検波器 61aに到達する局部発振光を構成する i番目の光 eA の電界強度を E
LI— i
A とし、周波数を f とし、位相を ΦΑ とし、送信データの値がマークのときの し 1 し 1 し 1
符号光を構成する j番目の光 eA の電界強度を EA とし、周波数を fm とし、
ml _ ] si _ ] sl _ ] 位相を ΦΑ とし、対応する局部発振光を構成する光に対する偏波面の角度差の
sl_)
余弦を PA とし、送信データの値がスペースのときの符号光を構成する j番目の光 eA の電界強度を EA とし、周波数を fs とし、位相を ΦΑ とし、対応する局 sl _ ] si _ ] si _ ] si _ ]
部発振光を構成する光に対する偏波面の角度差の余弦を PA とし、検波器 61bに
」
到達する局部発振光を構成する i番目の光 eB の電界強度を EB とし、周波数
し し
を f とし、位相を ΦΒ とし、送信データの値がマークのときの符号光を構成する j し し
番目の光 eB の電界強度を EB とし、周波数を fm とし、位相を ΦΒ とし、 対応する局部発振光を構成する光に対する偏波面の角度差の余弦を PB とし、送 信データの値がスペースのときの符号光を構成する j番目の光 eB の電界強度を E
B とし、周波数を fs とし、位相を ΦΒ とし、対応する局部発振光を構成する 光に対する偏波面の角度差の余弦を PB とすると、局部発振光と送信データの値 がマークのときの符号光とのビート電流の iと jに関する総和で濾波器 44の導通帯域 B e内にあるマークのときのビート総和の二乗は、局部発振光と送信データの値がスぺ ースのときの符号光とのビート電流の iと jに関する総和で濾波器 44の導通帯域 Be内 にあるスペースのときのビート総和の二乗よりも大きく数式(30)が成り立てばよい。こ こで、マークのときの符号光と局部発振光とのビート電流の iと jに関する総和は、数式 (28)と表せ、スペースのときの符号光と局部発振光とのビート電流の iと jに関する総 和は、数式(29)と表せる。
[0109] [数 28]
∑∑{PAs l_J EAL1_1EAs l_J c o s [2 π ms l—「 ί L1_J
t +ΦΑ5 ΐ_]-ΦΑί1_ί]Β θ-ΡΒ 5 ΐ_] E B L^. E B , ^, C O S [
2 π [: ί ms l―, _ ί L1―,〕 t +ΦΒ5 ΐ_ί-ΦΒ1,1_1]Β e}
[0110] [数 29]
∑∑{PAs l_] EAL1_1EAs l_] c o s[2 π [f s s l iL1 J
1 +ΦΑ5 ΐ_ί-ΦΑ^_ί]Β θ-ΡΒ5 ΐ_ί ΕΒ^_ίΕΒ 5 ΐ_ί c o s [
2 Cf s L1_ t + Bs l BL1 ] B e}
[0111] [数 30]
(∑∑{P As E AL1— ; E As j c o s [2 π [ f msl_j - f L
t+ Asl_J- AL1_i]B e- PBS1 EBL1— EBS 1_
j c o s [2 π f msl f L1 J t + Bs l j- BLl i]B
e}) 2> (∑∑{P Asl EAL1— ; EAsl c o s [2 π [f s s l
— f L1— t + As l_J- AL1_i]B e-PBs l_JEBL1_i
EB S 1 C 0 S[2TI f s s l f L1— ; t+ B S L j — ΦΒ
L1_;]B e}) 2 C)FSK (その 2)の場合
周波数の偏移が大きぐマークの場合とスペースの場合で異なる局部発振光を用 いる場合の例を次に示す。検波器 61aに到達する局部発振光を構成する i番目の光 eA の内で送信データの値がマークのときの符号光に対応する場合の電界強度
LI— i
を EAm とし、周波数を fm とし、位相を ΦΑπι と表し、送信データの値がス し l_i し l_i し l_i
ペースのときの符号光に対応する場合の電界強度を EAs とし、周波数を fs と
LI— i Ll_i し、位相を Φ As と表し、送信データの値がマークのときの符号光を構成する j番目
LI— i
の光 eA の電界強度を EAm とし、周波数を fm とし、位相を ΦΑπι とし、 ml _ ] si _ ] si _ ] si _ ] 対応する局部発振光を構成する光に対する偏波面の角度差の余弦を PAm とし、
si_i 送信データの値がスペースのときの符号光を構成する j番目の光 eA の電界強度
si_i
を EAs とし、周波数を fs とし、位相を ΦΑ3 とし、対応する局部発振光を構成 sl _ ] si _ ] si _ ]
する光に対する偏波面の角度差の余弦を PAs とし、検波器 61bに到達する局部
si_i
発振光を構成する i番目の光 eB の内で送信データの値がマークのときの符号光
LI— i
に対応する場合の電界強度を EBm とし、周波数を fm とし、位相を ΦΒπι と
し l_i し l_i し l_i 表し、送信データの値がスペースのときの符号光に対応する場合の電界強度を EBs とし、周波数を fs とし、位相を ΦΒ3 と表し、送信データの値がマークのとき し l_i し l_i し l_i
の符号光を構成する j番目の光 eB の電界強度を EBm とし、周波数を fm と
ml _ ] sl _ ] sl _ ] し、位相を ΦΒπι とし、対応する局部発振光を構成する光に対する偏波面の角度
sl」
差の余弦を PBm とし、送信データの値がスペースのときの符号光を構成する j番
si_i
目の光 eB の電界強度を EBs とし、周波数を fs とし、位相を ΦΒ3 とし、対
sl _ ] sl _ ] sl _ ] sl _ ] 応する局部発振光を構成する光に対する偏波面の角度差の余弦を PBs とすると
sl_)
、局部発振光と送信データの値がマークのときの符号光とのビート電流の iと jに関す る総和で濾波器 44の導通帯域 Be内にあるマークのときのビート総和の二乗は、局部 発振光と送信データの値がスペースのときの符号光とのビート電流の iと jに関する総 和で濾波器 44の導通帯域 Be内にあるスペースのときのビート総和の二乗よりも大き く数式(33)が成り立てばよい。ここで、マークのときの符号光と局部発振光とのビート 電流の iと jに関する総和は、数式(31)と表せ、スペースのときの符号光と局部発振光 とのビート電流の iと jに関する総和は、数式(32)と表せる。
[0113] [数 31]
∑∑{PAms l j E AmL1_; E Ams c o s [ 2 π 〔f ms l j―
f m t +Φ Ams j -Φ Am, 【]B e-PBms l j EBm
L1 _i EBms c o s [2 π C f ms f mL1 t +Φ Bm
s l ί- BmL·1 【]B e}
[0114] [数 32]
∑∑{P A s sし j EA s iE A s s l c o s [ 2 π [ f s , Ί j―
f s L1_J t +ΦΑ s ΦΑ 3 ;]B e— PB s s l」 EB
s L ± ; E B s s x j c o s [ 2 π [ f s ; , - f s L1 J t +Φ B
s s l 「ΦΒ s L1 ;]B e}
[0115] [数 33]
(∑∑{P Am
s 1_
j E
EAm
s 1_
j c o s [2 π [ f m
s 1_
j - f
t + Φ AmE Φ AmL1 '] B e -P BmE 1_J E BmL1_i E Bms c o s [2 π 〔 f ms 」 一 ί mLし J t+$Bms l—「 Φ
BmL1— ;コ Be}) 2> (∑∑{P A s s E A s L1―】 E A s s c o s
[2 π [f s 5 ΐ_3- f s L1_J t + ΦΑ s s —,一 ΦΑ s L1_;]B e— P
B s s ij EB s L1— ; EB s s ij c o s [2 π [ f s s l_j - f s L1_;
〕 t + ΦΒ s s l ΦΒ s L1 e}) 2
[0116] (第 2実施形態)
図 10及び図 11に、本実施形態に係る光受信機の概略構成図を示す。第 1実施形
態で説明した図 3と図 4の光受信機 22に対応する。図 10及び図 11の光受信機 22は 、局部発振光と符号光をそれぞれ復号器 54a, 54bで受信対象の符号に応じて分岐 した後にそれぞれ光合分波器 53a, 53bで混合する点力 図 3及び図 4の光受信機 2 2と異なる。図 11では、復号器 54a, 54bからの出力は、光周波数チップ毎に分割し て出力され、光合分波器 53a— 1, 53a— 2, 53b— 1, 53b— 2は、各周波数チップ 毎に光を混合して出力する。図 10及び図 11では、図 3及び図 4と符号が同一の構成 要素は相互に同一の構成要素を示すため説明は省略する。
[0117] 図 3及び図 4の光受信機 22では、各光周波数チップに対応する透過帯域として符 号光の変調拡がりに加えて中間周波数だけ離れた局部発振光までの透過帯域が必 要であるが、図 10及び図 11の光受信機 22では、局部発振光と符号光とをそれぞれ 個別に復号器 54a, 54bを通すので、符号光に用いる復号器 54aは、透過帯域が符 号光の線幅に加えて変調拡がり程度でよぐ局部発振光に用いる復号器 54bは、透 過帯域が局部発振光の線幅程度でよい効果がある。但し、図 10及び図 11の光受信 機 22では、局部発振光と符号光とを復号器 54a, 54bそれぞれ分岐した後に光合分 波器 53a, 53b混合するので、分岐点から混合点までの経路長により局部発振光と 符号光の位相差が異なる。そのため、光の波長オーダで位相差が同程度になるよう に調整する必要がある。この調整のために局部発振光側の復号器と光合分波器の 間に調整器 57, 58を有する。局部発振光側ではなく符号光側であっても両側であつ てもよ 、。図 10にしか記載して ヽな 、が図 11及び以降の形態で用いる図 12から図 1 5、図 19から図 24でも同様である。
[0118] (第 3実施形態)
図 12及び図 13に、本実施形態に係る光受信機の概略構成図を示す。第 1実施形 態で説明した図 3と図 4の光受信機 22に対応する。図 12及び図 13の光受信機は、 図 10及び図 11の光受信機 22における符号光側の復号器 54aを復号器 54に置き換 え、光受信機 22における局部発振光側の復号器 54bを光分波器 55に置き換えた構 成である。図 12及び図 13では、図 10及び図 11と符号が同一の構成要素は相互に 同一の構成要素を示すため説明は省略する。
[0119] 図 12及び図 13の光受信機 22は、局部発振光を分割する光分波器 55の光損失に
対して、図 10及び図 11の光受信機 22における局部発振光側の復号器 54bの光損 失が大きいときは、図 10及び図 11の光受信機 22と比較して光損失を小さくすること ができる。その他の効果は、図 10及び図 11の光受信機 22で得られる効果と同様で 図 3及び図 4の光受信機 22と比較して復号器 54の透過帯域の要求を軽減できる。
[0120] (第 4実施形態)
図 14及び図 15に、本実施形態に係る光受信機の概略構成図を示す。第 1実施形 態で説明した図 3と図 4の光受信機に対応する。図 14及び図 15の光受信機 22は、 図 10及び図 11の光受信機 22における符号光側の復号器 54aを光分波器 55に置き 換え、光受信機 22における符号光側の復号器 54bを復号器 54に置き換えた構成で ある。図 14及び図 15では、図 10及び図 11と符号が同一の構成要素は相互に同一 の構成要素を示すため説明は省略する。
[0121] 図 14及び図 15の光受信機 22は、符号光を分割する光分波器 55の光損失に対し て、図 10及び図 11の光受信機 22における局部発振光側の復号器 54bの光損失が 大きいときは、図 10及び図 11の光受信機 22と比較して光損失を小さくすることがで きる。また、図 12及び図 13の光受信機 22と比較して復号器 54の透過帯域の要求を より軽減できる。その他の効果は、図 10及び図 11の光受信機 22で得られる効果と同 様で図 3及び図 4の光受信機 22と比較して復号器 54の透過帯域の要求を軽減でき る。
[0122] (第 5実施形態)
図 16に、本実施形態に係る光受信機の概略構成図を示す。図 16の光受信機 22 は、局部発振光と符号光とを混合する光合分波器及び検波器の構成が図 10と異な る。つまり、図 16の光合分波器は、それぞれ 2出力を出力する光合分波器 53a, 53b であり、検波器は光合分波器 53a, 53bの 2出力を受ける差動検波器 64a— 1, 64a - 2, 64b - 1, 64b— 2である。また、図 16の光受信機 22は、図 10の調整器 62a, 6 2bに相当する調整器 57, 58を備える。図 16では、図 10及び図 11と符号が同一の 構成要素は相互に同一の構成要素を示すため説明は省略する。
[0123] 例えば、 2つの入力である符号光と局部発振光とを π位相差が異なる 2出力として 出力する理想的な 2 X 2光合分波器とした場合、光合分波器 53a, 53bが略等しい光
路長で混合光を差動検波器 64a— 1, 64a - 2, 64b - 1, 64b— 2に入力し差動検 波することで、これにより、信号成分に対して雑音となる符号光及び局部発振光の直 接検出成分と符号光間のビート成分等のコモンモード雑音の軽減が可能となる。
[0124] 同様の構成は、図 11、図 12、図 13、図 14及び図 15の復号器 54, 54a, 54bより 後段で光合分波器 53a, 53b, 53a— 1, 53a— 2, 53b— 1, 53b— 2により符号光と 局部発振光を混合する各光受信機 22の構成でも適用可能である。つまり、光合分波 器 53a, 53b, 53a— 1, 53a— 2, 53b— 1, 53b— 2力それぞれ 2出力し、各光合分 波器の当該 2出力をそれぞれ図 16の差動検波器 64a— 1, 64a— 2, 64b— 1, 64b 2により検波する構成とする。
[0125] (第 6実施形態)
本実施形態では、光受信機の検波方法が図 3から図 5及び図 10から図 15で説明 した光受信機 22における検波方法と異なる。図 3から図 5及び図 10から図 15の光受 信機 22では包絡線検波器 45による二乗検波を適用しているが、本実施形態では、 包絡線検波に代えて同期検波を行う。まず、符号光を構成する各光周波数チップと 局部発振光を構成する各光周波数チップの光周波数と位相を同期する光段でのホ モダインの場合について説明する。この場合、図 3から図 5及び図 10から図 15の光 受信機 22の包絡線検波器 45に代えて光位相同期のための局部発振光源 41の位 相を調整する位相調整回路 (不図示)を具備する。位相調整回路は、加減算器 63の 出力信号について位相同期を行うことが望ましいが、図 4、図 11、図 13及び図 15の ように光周波数チップ毎に光検波する構成の場合は、検波器 61a— 1, 61a— 2, 61 b - 1, 61b— 2から加減算器 63までの位相をそれぞれ出力信号にカ卩味して位相を 調整してちょい。
[0126] また、図 3から図 5及び図 10から図 15の光受信機 22では送信データの値に対して 加減算器 63の出力の絶対値の差が異なることが必要であつたが、本実施形態では、 包絡線検波を行わないので負の値もとりうるため出力の値が異なればよい。そのため 、図 3力ら図 5及び図 10力ら図 15の調整器 62a, 62b, 62a— 1, 62a— 2, 62b— 1, 62b— 2は、送信データの値に応じて出力の絶対値ではなく出力の値が異なるように 調整する。マークの場合とスペースの場合で送信する光周波数チップを入れ替える
ような送信データを伝送する場合は、一方の値の場合のみ送信するのに比べて信号 強度が差し引きで 2倍になる効果がある。
[0127] 本実施形態について第 1実施形態と同様に一般的な式を用いて示せば、以下とな る。簡単化のため、送信データの値はマークとスペースの 2値伝送で且つ受信対象 外の符号光のな 、状況にて示すが、多値であっても受信対象外の符号光があっても 同様である。検波器 61a, 61a— 1, 6 la— 2に到達する局部発振光を構成する i番目 の光を eA とし、送信データの値がマークのときの符号光を構成する j番目の光を e
Ll_i
A とし、送信データの値がスペースのときの符号光を構成する j番目の光を eA ml _ ] si _ ] とし、検波器 61b, 61b— 1, 61b— 2に到達する局部発振光を構成する i番目の光を eB とし、送信データの値がマークのときの符号光を構成する j番目の光を eB
L1― i ml _ ] とし、送信データの値がスペースのときの符号光を構成する j番目の光を eB とし、
si_i 濾波器 44の導通帯域を Be、 iと jに関する総和を∑∑と表すと、送信データの値がマ ークのときの符号光と局部発振光とのビート電流のうち濾波器 44の導通帯域 Be内に あるビート電流の iと jに関する総和であるマークのときのビート電流総和は、局部発振 光と送信データの値がスペースのときの符号光とのビート電流のうち濾波器 44の導 通帯域 Be内にあるビート電流の iと jに関する総和であるスペースのときのビート電流 総和よりも大きく数式 (36)で表せる。ここで、マークのときの符号光と局部発振光との ビート電流の iと jに関する総和は、数式(34)と表せ、スペースのときの符号光と局部 発振光とのビート電流の iと jに関する総和は、数式(35)と表せる。
[0128] [数 34]
∑∑t e AT, ; · e AM L j B e-e Bu ; · e B ml j B e | [0129] [数 35]
∑∑{e AL1_; · eAs l」 B e- e BL 1_ e B s l」 B e}
[0130] [数 36]
∑∑{ e AL 1_; · e Am l」 B e - e B L 1j · e B m l_J B e }>∑∑{
e AL 1_; - e A s l— j B e - e B L 1— ; · e B s j B d
[0131] 数式(36)に示す関係式により、本実施形態では、異なる光周波数の複数の光によ るデータ伝送をコヒーレント検波で検波することが可能となる。以下、変調方式に即し て説明する。
[0132] a) ASKの場合
検波器 61a, 61a— 1, 61a— 2に到達する局部発振光を構成する i番目の光 eA
Ll_i の電界強度を EA とし、周波数を f とし、初期位相を ΦΑ とし、送信データの
LI— i Ll_i LI— i
値がマークのときの符号光を構成する j番目の光 eA の電界強度を DAm EA ml _ ] si _ ] si とし、周波数を f とし、位相を ΦΑ とし、対応する局部発振光を構成する光に
」 sl」 sl」
対する偏波面の角度差の余弦を PA とし、送信データの値がスペースのときの符 si_i
号光を構成する j番目の光 eA の電界強度を DAs EA とし、周波数を f と sl _ ] si _ ] si _ ] si _ ] し、位相を ΦΑ とし、対応する局部発振光を構成する光に対する偏波面の角度差 si_i
の余弦を PA とし、検波器 61b, 61b— 1, 61b— 2に到達する局部発振光を構成 si_i
する i番目の光 eB の電界強度を EB とし、周波数を f とし、初期位相を ΦΒ
し l_i し l_i し l_i し 1 とし、送信データの値がマークのときの符号光を構成する j番目の光 eB の
ml」 電界 強度を DBm EB とし、周波数を f とし、位相を ΦΒ とし、対応する局部発 sl _ ] sl _ ] sl _ ] sl _ ] 振光を構成する光に対する偏波面の角度差の余弦を PB とし、送信データの値が si_i
スペースのときの符号光を構成する j番目の光 eB の電界強度を DBs EB と sl _ ] sl _ ] sl _ ] し、周波数を f とし、位相を ΦΒ とし、対応する局部発振光を構成する光に対す sl _ ] sl _ ]
る偏波面の角度差の余弦を PB とすると、局部発振光と送信データの値がマーク si_i
のときの符号光とのビート電流の iと jに関する総和で濾波器 44の導通帯域 Be内にあ るマークのときのビート総和は、局部発振光と送信データの値がスペースのときの符 号光とのビート電流の iと jに関する総和で濾波器 44の導通帯域 Be内にあるスペース のときのビート総和よりも大きく数式(39)が成り立てばよい。ここで、マークのときの符 号光と局部発振光とのビート電流の iと jに関する総和は、数式(37)と表せ、スペース のときの符号光と局部発振光とのビート電流の iと jに関する総和は、数式(38)と表せ
る。
[0133] [数 37]
∑
EA
L1_
iDAm
s l_
j EA
s l」 c o s [2 π [f
s
「 f L 1 〕 t + As l_J - AL1_i]B e- PB S 1」E BL 1
DBms l」 E B s l」 c o s [2 π [ f s x_j - f L1_J t +Φ B
-*BL 1_;]B e}
[0134] [数 38]
∑∑{PAs l— j EAL1—【DA s s l」 EAs l— j c o s [2 π 〔f s
j _ f L1 〕 t + Φ As - AL1_;]B e-PB s l_j E BL 1
DB s s l_J EB s l_J c o 8 [2 π [ f sェ—」 f Lェ— J t +ΦΒ
, - BL1 ;]B e}
[0135] [数 39]
∑∑{P As l_j EAL 1_iDAms l_j EAs l—」 c o s [2 π (ί s l_
j _ f L i— i〕 t + ΦΑ51— j Φ AL1—【]B e_PB s l j EBL 1— ;
DBms l_J EB s l_J c o 8 [2 π [ f s l—「f L1— J ΐ +ΦΒ 5 ΐ
ΦΒ ]B e}>∑∑{PAS 1 j E AL 1 ;DA E A(
』 c o s [2 π 〔 f s l j f L1—【〕 t +Φ As l J -Φ A
PB ^^ EBL 1_;DB s ΕΒ 51^ c o s [2 π
【〕 t + B s l , -ΦΒ^ B e}
[0136] B)PSKの場合
検波器 61a, 61a— 1, 61a— 2に到達する局部発振光を構成する i番目の光 eA
Ll_i の電界強度を EA とし、周波数を f とし、位相を ΦΑ とし、送信データの値が
LI— i Ll_i LI— i
マークのときの符号光を構成する j番目の光 eA の電界強度を EA とし、周波数
ml _ ] si _ ]
を f とし、位相を ΦΑηι とし、対応する局部発振光を構成する光に対する偏波 sl _ ] si _ ]
面の角度差の余弦を PA とし、送信データの値がスペースのときの符号光を構成
si_i
する j番目の光 eA の電界強度を EA とし、周波数を f とし、位相を Φ As と
si _ ] sl _ ] sl _ ] sl _ ] し、対応する局部発振光を構成する光に対する偏波面の角度差の余弦を PA とし
sl_)
、検波器 61b, 61b— 1, 61b— 2に到達する局部発振光を構成する i番目の光 eB
し 1 の電界強度を EB とし、周波数を f とし、位相を ΦΒ とし、送信データの値が
し 1 し 1 し 1
マークのときの符号光を構成する j番目の光 eB の電界強度を EB とし、周波数
mi _ ] si _ ]
を f とし、位相を ΦΒπι とし、対応する局部発振光を構成する光に対する偏波面 sl _ ] si _ ]
の角度差の余弦を PB とし、送信データの値がスペースのときの符号光を構成す si_i
る j番目の光 eB の電界強度を EB とし、周波数を f とし、位相を ΦΒ3 とし、
si _ ] sl _ ] sl _ ] sl _ ] 対応する局部発振光を構成する光に対する偏波面の角度差の余弦を PB とすると si_i
、局部発振光と送信データの値がマークのときの符号光とのビート電流の iと jに関す る総和で濾波器 44の導通帯域 Be内にあるマークのときのビート総和は、局部発振光 と送信データの値がスペースのときの符号光とのビート電流の iと jに関する総和で濾 波器 44の導通帯域 Be内にあるスペースのときのビート総和よりも大きく数式 (42)が 成り立てばよい。ここで、マークのときの符号光と局部発振光とのビート電流の iと jに 関する総和は、数式 (40)と表せ、スペースのときの符号光と局部発振光とのビート電 流の iと jに関する総和は、数式 (41)と表せる。
[0137] [数 40]
∑∑{PAs l_i EAL1_iEAs l_i c o 3 [2 π ί ί ε ί t
+ Φ Am ] — AL1―'] B e PBs l―] EBL1— 1EBs l―] c o s [
2 π 〔 —〕 ί L1 ュ〕 t +i>Bms l <iBL1 ] B e}
[0138] [数 41]
∑∑{PAs l_J EAL1_1EAs l_i c o s[2 π [ί ε 1_,~ ί
+ ΦΑ s s 」 一 Φ AL 1―'] B e-PBE l_J EBL1_iEB s l
2 π [f ε 1 L1 Λ t +ΦΒ s ε 1 ,-ΦΒ^ B e}
[0139] [数 42]
∑∑{PAs l_i EAL1_iEAs l_i c o s[2 π s l—, 一 i L1―,〕 t
+ Ams l— ]— AL1— ^B e— PBs l―] EBL1— 1EB s l―」 c o s [
2 π〔f s —コ— f L1—ュ〕 +ΦΒηιε - ΦΒ]^1_1]Β e}>∑∑{PA
s l_JEAL1_1EAs l_J c o s [2 π ί ί s ί l_; j ί +ΦΑ5 ε
1_]-$AL1_1]B e-PBE l_JEBL1_1EBE l_] c o s[2 π [f s l
—「 i L1―'〕 t +ΦΒ s 5 ΐ_ί-ΦΒ^_ί]Β β} C)FSK (その 1)の場合
マークの場合と、スペースの場合で同一の局部発振光を用いる場合の例を初めに示 す。検波器 61a, 61a-l, 6 la— 2に到達する局部発振光を構成する i番目の光 eA し の電界強度を EA とし、周波数を f とし、位相を ΦΑ とし、送信データの l_i し l_i し l_i し l_i
値がマークのときの符号光を構成する j番目の光 eA の電界強度を EA とし、周 ml _ ] si _ ] 波数を fm とし、位相を ΦΑ とし、対応する局部発振光を構成する光に対する sl _ ] sl _ ]
偏波面の角度差の余弦を PA とし、送信データの値がスペースのときの符号光を si_i
構成する j番目の光 eA の電界強度を EA とし、周波数を fs とし、位相を Φ A si _ ] sl _ ] sl _ ] s とし、対応する局部発振光を構成する光に対する偏波面の角度差の余弦を PA
1」 sl— とし、検波器 61b, 61b— 1, 61b— 2に到達する局部発振光を構成する i番目の光 e B の電界強度を EB とし、周波数を f とし、位相を ΦΒ とし、送信データ
LI— i Ll_i LI— i LI— i
の値がマークのときの符号光を構成する j番目の光 eB の電界強度を EB とし、 ml _ ] sl _ ] 周波数を fm とし、位相を ΦΒ とし、対応する局部発振光を構成する光に対する sl _ ] sl _ ]
偏波面の角度差の余弦を PB とし、送信データの値がスペースのときの符号光を si_i
構成する j番目の光 eB の電界強度を EB とし、周波数を fs とし、位相を ΦΒ sl _ ] sl _ ] sl _ ] sl とし、対応する局部発振光を構成する光に対する偏波面の角度差の余弦を PB
」 sl」 とすると、局部発振光と送信データの値がマークのときの符号光とのビート電流の に関する総和で濾波器 44の導通帯域 Be内にあるマークのときのビート総和は、局部 発振光と送信データの値がスペースのときの符号光とのビート電流の iと jに関する総 和で濾波器 44の導通帯域 Be内にあるスペースのときのビート総和よりも大きく数式( 45)が成り立てばよい。ここで、マークのときの符号光と局部発振光とのビート電流の i と jに関する総和は、数式 (42)と表せ、スペースのときの符号光と局部発振光とのビ
ート電流の iと jに関する総和は、数式 (43)と表せる。
[0141] [数 43]
∑∑{PA5 l J EAL1 ,EA5 l 3 c o s[2 π [ f ms l 3~ f L1 J
ί + ΦΑ5 ΐ_]-ΦΑ1_1_ί]Β e- PBs l―〕 EBL1―】 EB s l— ^ c o s [
2 π 〔f ms l ί L1―,〕 t + <I Bsし】— <! BL1— jB e}
[0142] [数 44]
∑∑{PAs l_jEAL1_iEAs l_i c o s [2 π [f s s l_3 - t +ΦΑ5し ΦΑυ―,] B e- PB s l— 3 EBL1— iEBs l—
π [f s s l L1 J 1 +ΦΒ51 ,-ΦΒ^ ;]Β β}
[0143] [数 45]
∑∑{PAs l EAL1— iEAs l— 5 c o 8 [2 π 〔i ms l—「 i L1―,〕
t +*As l -ΦΑ^_1]Β e-PB s l_j EBL1_1EBs l_i c o s[
2 π [ f ms f L1_ t + ΦΒ 5 ΐ_]-ΦΒ^_1]Β e}>∑∑{PA
s l_,EAL: EAs l― C O S[2 TC 〔f s s l f L1―】〕 ΐ. + ΦΑ,
ΦΑΤ ] B e-PBc l EBT 1 ,EB , c o s [2 π [ f s r f Lし J t十 ΦΒ51—「 BLし,] B e]
[0144] D)FSK (その 2)の場合
周波数の偏移が大きぐマークの場合とスペースの場合で異なる局部発振光を用 いる場合の例を次に示す。検波器 61a, 61a— 1, 61a— 2に到達する局部発振光を 構成する i番目の光 eA の内で送信データの値がマークのときの符号光に対応す
LI— i
る場合の電界強度を EAm ,周波数を fm とし、位相を ΦΑηι と表し、送信
し l_i し l_i し l_i
データの値がスペースのときの符号光に対応する場合の電界強度を EAs とし、周
LI— i 波数を fs とし、位相を ΦΑ3 と表し、送信データの値がマークのときの符号光を
し 1 し 1
構成する j番目の光 eA の電界強度を EAm とし、周波数を fm とし、位相を ml _ ] sl _ ] sl _ ]
ΦΑπι とし、対応する局部発振光を構成する光に対する偏波面の角度差の余弦 si_i
を PAm とし、送信データの値がスペースのときの符号光を構成する j番目の光 eA si_i
の電界強度を EAs とし、周波数を fs とし、位相を ΦΑ3 とし、対応する局 sl _ j sl _ ] sl _ ] sl _ ]
部発振光を構成する光に対する偏波面の角度差の余弦を PAs とし、検波器 61b
si_i
, 61b— 1, 61b— 2に到達する局部発振光を構成する i番目の光 eB の内で送信
LI— i
データの値がマークのときの符号光に対応する場合の電界強度を EBm とし、周
LI— i 波数を fm とし、位相を ΦΒπι と表し、送信データの値がスペースのときの符号
LI— i Ll_i
光に対応する場合の電界強度を EBs とし、周波数を fs とし、位相を ΦΒ3 と
LI— i Ll_i LI— i 表し、送信データの値がマークのときの符号光を構成する j番目の光 eB の電界強
ml _ ] 度を EBm とし、周波数を fm とし、位相を ΦΒπι とし、対応する局部発振光
sl _ ] si _ ] si _ ]
を構成する光に対する偏波面の角度差の余弦を PBm とし、送信データの値がス
si_i
ペースのときの符号光を構成する j番目の光 eB の電界強度を EBs とし、周波
sl _ ] sl _ ]
数を fs とし、位相を ΦΒ3 とし、対応する局部発振光を構成する光に対する偏 sl _ ] sl _ ]
波面の角度差の余弦を PBs とすると、局部発振光と送信データの値がマークのと
si_i
きの符号光とのビート電流の iと jに関する総和で濾波器 44の導通帯域 Be内にあるマ ークのときのビート総和は、局部発振光と送信データの値がスペースのときの符号光 とのビート電流の iと jに関する総和で濾波器 44の導通帯域 Be内にあるスペースのと きのビート総和よりも大きく数式 (48)が成り立てばよい。ここで、マークのときの符号 光と局部発振光とのビート電流の iと jに関する総和は、数式 (46)と表せ、スペースの ときの符号光と局部発振光とのビート電流の iと jに関する総和は、数式 (47)と表せる
[0145] [数 46]
∑∑{PAms l_j EAmL1 _; E Ams x c o s[27i [f m j―
f mL1_J t +Φ Ams -Φ AmT - 【]B e_PBms l」 EBm
L1 ; E B m s c o s [ 2 π [f ms l f mL1 J t +Φ Bm
」一 BmL1 ;]B e}
[0146] [数 47]
∑∑{PA s s EA s L1_tE A s s l_ c o s [ 2 π [ f s s x 」一
f s L1_J t +Φ A s s -Φ A s L; 【]B e P B s s E B
s L1 ; E B s s c o s [ 2 [ f s , — j f s L1_J t +ΦΒ
s s l 」一 ΦΒ s L1 ;]B e}
[0147] [数 48]
∑∑{P Am s 1 j EAmL1 ; E Am s x j c o s [ 2 π 〔f ms l i―
f mL1—【〕 t +Φ Ams u -Φ AmL1_;]B e-PBms l j E Bm
L1 j β m s x j c o s [ 2 π 〔f ms l j— ί mL1 J t + Φ B m
su— BmujB e}>∑∑{PA s s l」 EA sL1—〖EA s s l
_j c o s [2 π 〔f s s l」— f sL1一;〕 t +Φ A s s x_j -Φ A s L
し;コ B e PB s s丄」 E B s L1j EB s s丄」 c o s [2 π [f s s
i」 _ f s Li i〕 t +ΦΒ s s l」—ΦΒ s L1」]B e}
[0148] 更に図 10から図 15の光受信機 22では包絡線検波であつたので中間周波数がデ ータレートに比べて十分大きいヘテロダイン検波にし力適用できないが、本実施形態 では、同期検波であるのでヘテロダインとホモダインの両方に適用することができる。 これに伴い、図 10から図 15の濾波器 44は、透過帯域が略データレートの半分以上 でありかつ、直流成分を導通しない濾波器である。このような濾波器 44としては、例 えば直流成分をカットする DCブロックと低域濾波器の組合せにより構成することがで きる。また、第 2実施形態から第 4実施形態で説明した図 10から図 15の光合分波器 53a, 53b, 53a— 1, 53a— 2, 53b— 1, 53b— 2と検波器 61a, 61b, 61a— 1, 61 a-2, 61b— 1, 61b— 2についても図 16の光受信機 22と同様に差動検波器 64a, 64b, 64a- 1, 64a— 2, 64b— 1, 64b— 2に置き換える構成も可能である。
[0149] (第 7実施形態)
本実施形態では、光受信機の検波方法が第 6実施形態で説明した光受信機にお ける検波方法と異なる。第 6実施形態で説明した光受信機では局部発振光源 (図 3 力も図 5及び図 10から図 15の局部発振光源 41)の位相を同期させる光位相同期ル ープにより同期検波を行ったが、本実施形態では、第 6実施形態で説明した位相調 整回路に代えて、中間周波数信号の位相を同期させる電気の位相同期ループによ り位相同期させた中間周波数信号を発生する発生器 (不図示)と、当該発生器により 発生した中間周波数信号と符号光及び局部発振光により発生した中間周波数信号 とを混合させる混合器 (不図示)と、カゝらなる復調器を、具備する。本実施形態でも、 包絡線検波を行わないので負の値もとり得るため出力の値が異なればよい。そのた
め、本実施形態の調整器(図 3から図 5及び図 10から図 15の調整器 62a, 62b, 62a -1, 62a— 2, 62b— 1, 62b— 2)は、送信データの値に応じて出力の絶対値では なく出力の値が異なるように調整する。マークの場合とスペースの場合で送信する光 周波数チップを入れ替えるような送信データを伝送する場合は、一方の値の場合の み送信するのに比べて信号強度が差し引きで 2倍になる効果がある。また、本実施 形態に係る光受信機では、光周波数における位相と同期する第 6実施形態で説明し た光受信機と比較して、中間周波数信号の位相に同期するので当該同期を容易に することができる。また、第 2実施形態から第 4実施形態で説明した図 10から図 15の 光合分波器 53a, 53b, 53a— 1, 53a— 2, 53b— 1, 53b— 2と検波器 61a, 61b, 6 la-1, 61a-2, 61b— 1, 61b— 2につ!/、ても図 16の光受信機 22と同様に差動検 波器 64a, 64b, 64a— 1, 64a— 2, 64b— 1, 64b— 2に置き換える構成も可能であ る。
[0150] ここで、自符号を(1100)の符号とし、 2チップ力もなる自符号の中間周波数信号を 数式(51)とする。また、他符号を(1010)の符号とし、 2チップからなる他符号の中間 周波数信号を数式 (52)とする。
[0151] [数 51]
Ax c o s (2 π f IF_A1 t + ΔΦΑ1)+Α2 c o s (2 π f IF_A2 t +Δ ΦΑ2) [0152] [数 52]
B J c o s (2兀 f IF— B1 t + Δ ΦΒ1)— B3 c o s (2 π f tF— B3 t +厶 ΦΒ3)
[0153] 上記の条件で両符号の中間周波数信号の合計は、数式(51)及び数式(52)より、 数式(53)となる。
[0154] [数 53]
Aj c o s (2 π f 1 F— A1 t +厶 ΦΑ1) + Α2 c o s (2 π f IF_A2 t + Δ Φ A2) + B J c o s (2 π f IF_B1 t +Δ ΦΒ1)— B3 c o s ( 2 π f Ϊ F B3 t +厶 ΦΒ3)
[0155] ここで、各チップに対応する中間周波数信号の振幅電圧 A、 A、 B、 Bはそれぞれ
略等しぐまた中間周波数 f 、f 、f 、f はそれぞれ略等しいとする。
IF-A1 IF-A2 IF-B1 IF— B3
他符号による MAIがなくなるためには、他符号の中間周波数信号が相殺してその出 力が零となればよい。そのために、本実施形態では、他符号光と局部発振光のそれ ぞれを構成する光周波数チップの位相差、即ち中間周波数の位相項が少なくとも Δ Φ ^ Δ Φ となるように揃えている。
Bl Β3
[0156] 前述の第 6実施形態では、光 PLLにより、符号光と局部発振光とのそれぞれを構成 する光周波数チップ毎に位相同期して、理想的には位相差を Δ Φ = Δ Φ = Δ
Al Α2
Φ = Δ Φ =0となるように揃える。従って、両符号の中間周波数信号の合計は、
Bl Β3
数式(54)と表せる。
[0157] [数 54]
A1 c o s ( 2 π f I F_A 1 t )+A2 c o s ( 2 π r , F_A2 t )
+ B ! c o s ( 2 π f I F_B 1 t )— B 3 c o s ( 2 π f t F_B 2 t )
[0158] そのため、他符号による中間周波数信号成分がなくなり、自符号の中間周波数信号 成分だけとなる。
[0159] 中間周波数が略零のホモダイン検波の場合は、復調器は不要である。上数式(54) のうち「cos」の項の括弧の中が略零となり、中間周波数信号がベースバンド信号とな る力らである。一方、中間周波数が有限の値となるヘテロダイン検波の場合は、中間 周波数信号をベースバンド信号にするために、復調器が必要である。復調器は、デ ータの値に応じて絶対値の異なる出力となる設定であれば、第 1実施形態と同様に 包絡線検波器としてよい。包絡線検波器としては、例えば入力を二乗して出力するダ ィオード検波器、ダイオードブリッジ又はアンプ等のデバイスの組合せで構成される 全波整流検波器や、予め分割した入力をミキサ等の混合器の複数の入力にそれぞ れ入力する構成としたミキサ等の混合器でもよい。入力を二乗して出力する復調器の 場合、そのベースバンド信号の出力は、 2A 2となる。しかし、負の値をとることはでき ない。なお、復調器のアナログ回路としての処理について説明をしたが、光検波の後 段で、アナログ—デジタル変換し、デジタル回路として復調器を構成してもよい。
[0160] 一方、本実施形態では、符号光と局部発振光のそれぞれを構成する光周波数チッ プ毎の位相差は必ずしも零とはならない。本実施形態では、光 PLLを用いていない 力 である。しかし、他の実施形態と同様に、他符号光と局部発振光のそれぞれを構 成する光周波数チップの位相差、即ち中間周波数信号の位相が少なくとも Δ Φ ^
B1
Δ Φ となるように揃えている。従って、両符号の中間周波数信号の合計は、数式(5
B3
5)と表せる。
[0161] [数 55]
Aj c o s (2 π f IF— A1 t +厶 ΦΑ1)+Α2 c o s (2 π f IF_A2 t +Δ ΦΑ2) +B1c o s (2 π f IF— B1 t +厶 ΦΒ1)_Β3 c o s ( 2 π f t B2 t +厶 ΦΒ1) = 2 Ax c o s (2 π f IF_A1 t + ΔΦΑ1)
[0162] そのため、他符号による中間周波数信号成分がなくなり、自符号の中間周波数信号 成分だけとなる。本実施形態では、中間周波数信号をベースバンド信号に復調する 復調器は、前述の第 1実施形態と異なり電気の PLLを用いた同期検波器である。同 期検波器は、例えば、中間周波数信号を発振して出力する発振器と、自符号の符号 光に起因する中間周波数信号の位相に当該発振器の出力する中間周波数信号の 位相を同期させる電気の PLL中に設けられるミキサ等の混合器と、で構成される。当 該ミキサ等の混合器は、当該発振器からの中間周波数信号と符号光に起因する中 間周波数信号とを掛け合わせる。また、光検波以降でアナログ—デジタル変換して、 デジタル回路として復調器を構成してもよ ヽ。
[0163] なお、前述の第 6実施形態で用いる復調器を包絡線検波器として例示したが、当該 復調器としては、出力の値として負の値をとりうる本実施形態の同期検波器を用 、る ことが望ましい。前述の第 6実施形態では、中間周波数信号の位相項が零となって いるので、発振器力ゝらの中間周波数信号も位相項が零で混合器に到着するように設 定すればよいので本実施形態の電気の PLLよりも位相同期は容易である。
[0164] また、本実施形態の他の構成として、位相調整についても中間周波数信号の電気の PLLで行う構成がある。この構成では、各光周波数チップの中間周波数信号に発振 器力もの中間周波数信号を掛け合わせる際に位相を同期させる電気の PLLを用い
た復調器により、中間周波数信号を光周波数チップ毎にそれぞれ復調する。このとき 、復調後のベースバンド信号を加減算器により加減算する。加減算後の両符号の中 間周波数信号の振幅電圧の合計は、 A +A +B -B = 2Aとなる。この構成では、
1 2 1 2 1
各光周波数チップ間の位相差を光段で調整する代わりに、光検波した後の光周波 数チップ毎の中間周波数信号をそれぞれ同期検波して復号し、その後に加減算す ることで、光段での処理を電気段での処理にできる効果がある。
[0165] (第 8実施形態)
図 17及び図 18に、本実施形態に係る光受信機の概略構成図を示す。第 1実施形 態で説明した図 3と図 4の光受信機 22に対応する。図 17及び図 18の光受信機 22で は、図 3及び図 4の光受信機 22における光合分波器 53に代えて光ハイブリット 56を 適用する。光ハイブリッド 56は、入力光を所定の複数の位相差で複数に分岐して出 力する。そして、図 17では、光ハイブリッド 56で分岐した経路ごとに復号器 54— 1, 5 4 2と検波器 61— la, 61— lb, 61— 2a, 61— 2bとカロ減算器 63— 1, 63— 2の糸且 を備え、各組の出力を加算して出力する加算器 46を備える構成が図 10及び図 11の 光受信機 22と異なっている。図 18では、復号器 54— 1, 54— 2は、混合光をそれぞ れ光周波数チップ毎に分割して出力し、検波器 61— la— 1, 61— la— 2, 61— lb - 1, 61— lb— 2, 61— 2a— 1, 61— 2a— 2, 61— 2b— 1, 61— 2b— 2は、復号器 54 - 1, 54— 2からの混合光を光周波数チップ毎に検波する。図 17及び図 18では 、図 10及び図 11と符号が同一の構成要素は相互に同一の構成要素を示すため説 明は省略する。
[0166] 本実施形態では、図 3及び図 4の光受信機 22におけるホモダイン検波として位相 ダイバシチを適用した例である。図 17及び図 18の光受信機 22では、光ハイブリッド 56として光 90° ハイブリットを想定し、復号器と検波器と加減算器の組は、(復号器 5 4—1、検波器 61— la, 61— lb、加減算器 63— la, 63— lb)及び (復号器 54— 2 ,検波器 61— 2a, 61— 2b、加減算器 63— 2a, 63— 2b)の二組である。従って、図 3及び図 4の光受信機 22における光合分波器 53、復号器 54、検波器 61a, 61b及 び加減算器 63が、光ハイブリッド 56と、二組の(復号器 54— 1、検波器 61— la, 61 — lb、加減算器 63— la, 63— lb)及び (復号器 54— 2,検波器 61— 2a, 61— 2b
、加減算器 63— 2a, 63 - 2b)に置き換わった構成である。なお、光ハイブリッド 56と して 3 X 3結合回路による 120° ハイブリットを適用する場合には、図 3及び図 4の復 号器 54、検波器 61a, 61b及び加減算器 63の組が 3組となる。なお、図 18では、光 周波数チップ毎に検波器 61— la— 1, 61— la— 2, 61— lb— 1, 61— lb— 2及び 調整器 62— la— 1, 62— la— 2, 62— lb— 1, 62— lb— 2を備えている。
[0167] 光ハイブリッド 56として適用する光 90° ハイブリッドは、入力される 2つの入力光の 位相差が 2つの出力で 90° 位相差が異なる関係で出力する。濾波器 44—1, 44 2は、中間周波数がデータレートに比べて小さいので、ホモダイン検波又はホモダイ ン検波に類した検波となる。そのため、透過帯域が略データレートの半分以上であり かつ、直流成分を導通しない。このような濾波器 44—1, 44 2としては、例えば直 流成分をカットする DCブロックと低域濾波器の組合せにより構成することができる。 本実施形態で中間周波数力 SOHzの場合の図 3及び図 4の光受信機 22で説明した数 式 (12)の各加減算器出力における中間周波数成分 i 、i は雑音項を除くと次の数
i 2
式 (49)で表せる。
[0168] [数 49]
: - ^2 _CJ c。^― )
/P2=2 - Jn cO 2)+2 ΆΟ -^Ε^ φ-φ^Ι2)
[0169] 数式 (49)において、 i 、i のそれぞれの第 2項が符号の直交性により十分小さい
i 2
とすると両者を加算した後に包絡線検波器 45— 1, 45— 2で二乗すると、数式 (49) は、局部発振光と符号光の対応する光周波数チップ同士の位相差によらず一定とな る。本実施形態では図 3及び図 4の光受信機 22と比較して中間周波数が小さい分だ け符号光の条件として必要となる光周波数帯域を狭くすることができる。
[0170] (第 9実施形態)
図 19から図 24に、本実施形態に係る光受信機の概略構成図を示す。第 2実施形 態力も第 4実施形態で説明した図 10から図 15の光受信機 22に対応する。図 19から 図 24の光受信機 22では、図 10, 12及び 14の光受信機 22における光合分波器 53 a, 53bに代えて光ノヽイブジッ卜 56— 1, 56— 2を適用し、図 11, 13及び図 15の光合
分波器 53a— 1, 53a— 2, 53b— 1, 53b— 2【こ代えて光ノヽイブリツド 56— la, 56— lb, 56 - 2a, 56— 2bを適用する。図 19力ら図 24の光ノヽイブリツ 56 1, 56 - 2, 56— la, 56— lb, 56— 2a, 56— 2bのそれぞれは、入力光を所定の複数の位相差 で複数に分岐して出力する。そして、本実施形態では、光ハイブリッド 56— 1, 56 - 2, 56— la, 56— lb, 56 - 2a, 56— 2bで分岐した経路ごとに(検波器 61— la, 61 lb、加減算器 63— 1 )と (検波器 61— 2a, 61— 2b、加減算器 63— 2)との二組を 備え、各組の出力を加算して出力する加算器 46を備える構成が図 10から図 15の光 受信機 22と異なっている。また、図 19から図 24の光受信機 22は、各経路に濾波器 44 - 1, 44— 2を備えている。さらに、各経路に調整器 62— 1, 62— 2を備えている 。なお、図 20,図 22,図 24では、光周波数チップ毎に (検波器 61— la— 1, 61— 1 a- 2, 61— lb— 1, 61— lb— 2、カロ減算器 63— 1)及び (検波器 61— 2a— 1, 61 2a— 2, 61— 2b— 1, 61— 2b— 2、カロ減算器 63— 2)を備免、さらに調整器 62— la— 1, 62— la— 2, 62— lb— 1, 62— lb— 2, 62— 2a— 1, 62— 2a— 2, 62— 2 b - 1, 62 - 2b - 2を備えている。図 19から図 24では、図 10から図 15と符号が同一 の構成要素は相互に同一の構成要素を示すため説明は省略する。
[0171] 本実施形態では、図 10から図 15の光受信機 22におけるホモダイン検波として位 相ダイバシチを適用した例である。図 19から図 24の光受信機 22では、光ハイブリツ ド 56— 1, 56 - 2, 56— la, 56— lb, 56— 2a, 56— 2bとして光 90° ノヽイブリットを 想定し、検波器と加減算器の組は二組である。従って、図 10から図 15の光受信機 2 2における光合分波器、検波器、加減算器が光ハイブリット 56— 1, 56 - 2, 56— la , 56— lb, 56 - 2a, 56— 2bと、二糸且の(検波器 61—1 a, 61— lb、カロ減算器 63— 1)及び (検波器 61— 2a, 61— 2b、加減算器 63— 2)に置き換わった構成である。図 19から図 24の光受信機 22においても光ハイブリットの出力が π Z2異なる出力に対 応してそれぞれと位相差が π異なる出力を有する光ハイブリット 56— 1, 56 - 2, 56 - la, 56— lb, 56— 2a, 56— 2bを適用すれば検波器 61— 1, 61— 2をそれぞれ 図 16の光受信機 22と同様に差動検波器 64a, 64bに置き換えてそれぞれ π位相差 が異なる 2入力を差動検波する構成も可能である。
[0172] (第 10実施形態)
第 1実施形態から第 9実施形態で説明した光受信機 22では、符号光と局部発振光 の偏波が合致したシステムあるいは合致させる手段を具備するシステムであることを 前提に説明した。本実施形態では、第 1実施形態から第 9実施形態で説明した光受 信機を偏波無依存に動作させるための構成について説明する。本実施形態に係る 光受信機と第 1実施形態から第 9実施形態で説明した光受信機との違いは、直交す る 2偏波の符号光又は局部発振光が一つの送信データに対応する時間であるビット 時間内に半分ずつ存在する偏波スクランブルを符号光又は局部発振光に施してい ること、及びビット時間単位で出力を積分する積分器 (不図示)を具備することにある 。不図示の積分器は、第 1実施形態力ゝら第 8実施形態で説明した光受信機 22の電 気段に設けることができる。例えば、図 3の検波器の 61a, 61bの後段に検波器 61a, 61b毎に設けることができる。他の光受信機 22においても同様である。このように偏 波スクランブルを施すことにより、光受信機 22の出力を偏波によらず略一定の出力と することができる。以下、本実施形態における偏波無依存ィ匕について、局部発振光 を偏波スクランブルして 、る場合で説明する。
[0173] 局部発振光の直交する偏波を TEと TMとし、強度はそれぞれ 0. 5Lとし、符号光と TEの偏波の角度を Θとし、強度を Sとすると、信号強度は次の数式(50)と表せる。
[0174] [数 50]
O.5 LS cos2( 0 ) + 0.5 L S sin2 ( θ ) [0175] よって、符号光の偏波によらず一定の信号が得られる。
[0176] なお、符号光に対する偏波スクランブルは、ビット時間の半分の時間のタイミング、 又は送信データによる変調のタイミングと 1Z2ビット時間ずらしたタイミングで偏波変 調器 (不図示)において符号光を変調することで施すことができる。一方、局部発振 光に対する偏波スクランブルは、ビット時間の半分の時間で偏波変調器 (不図示)に より符号光を変調することでかけることができる。また、ビット時間に対してノ ルス幅が 小さいパルス光を用いるのであれば、ビット時間内に複数のノ ルス光を用いる。複数 のパルス光を用いる場合は、局部発振光または符号光の略同数の各偏波のパルス 光力 対応する符号光又は局部発振光のパルス光にっ 、てそれぞれコヒーレント検
波する必要がある。複数のパルス光の生成方法としては、例えばパルス周期がビット 時間の 2の自然数倍のパルス光源を用いて、パルス光の半分の偏波を偏波変調器 ( 不図示)を用いて π Ζ2変調すればょ 、。またパルス周期がビット時間の自然数倍以 上のパルス光源を用いて、ノ ルス光を分岐し、半数のパルスの偏波を π Ζ2回転さ せてパルス光同士が衝突しないように遅延して合波すればよい。なお、符号光と局部 発振光の両光ともパルス光である場合は、パルス同士がビートを生ずるように時間的 に衝突させるためにスクランブルを施さない側の光も分岐して同様の遅延を与えた上 で合波することも必要である。
[0177] なお、本実施形態で適用した偏波スクランブルに加えて、位相スクランブルをかけ、 濾波器の透過帯域を第 8又は第 9実施形態で説明した光受信機 22の濾波器 44—1 , 44 2の透過帯域に合わせれば、第 1実施形態から第 5実施形態で説明した光受 信機 22でホモダイン検波を行うことができる。位相スクランブルは 1ビット時間を 4分 割してそれぞれに π Ζ2ずつ位相の異なる光が必要となる。それぞれ偏波スクランプ ルのニ偏波が必要なので、 1ビット時間を 8分割する必要がある。スクランブルは位相 変調器 (不図示)や分岐した光に必要回数だけ 45度ファラデー鏡 (不図示)で反射 するなどにより実施することができる。以上のようにして、本実施形態に係る光受信機 では、偏波無依存化することができる。
[0178] (第 11実施形態)
本実施形態では、第 10実施形態で説明した光受信機と同様に第 1実施形態から 第 9実施形態で説明した光受信機を偏波無依存に動作させるための構成について 説明する。本実施形態に係る光受信機では、符号光又は局部発振光の一方を構成 する各光周波数チップの偏波が互いに直交した異なる光周波数の 2光力もなる。こ れらの 2光と対応する光の光周波数チップとの中間周波数は、検波器 6 la, 61b (例 えば、図 3)で検波した後の中間周波数信号同士の少なくとも変調のメインローブが 重ならないような中間周波数である必要がある。中間周波数の差としては、シンボル レートの 2. 5倍以上であることが望ましい。本実施形態に係る光受信機では、中間周 波数を透過する濾波器 44 (例えば、図 3)は、それぞれの中間周波数の少なくとも変 調のメインローブを透過させる透過帯域が必要である。直交する 2光の光周波数チッ
プと 1光の光周波数チップとのビートによる信号強度の和は一定となるので本実施形 態に係る光受信機も第 10実施形態で説明した光受信機と同様に偏波無依存ィ匕の 効果がある。また、第 10実施形態で説明した光受信機と比較してシンボルレートの 2 倍の動作速度の偏波変調器 (第 10実施形態で説明した偏波変調器)を不要とするこ とがでさる。
[0179] (第 12実施形態)
本実施形態では、第 10実施形態で説明した光受信機と同様に第 1実施形態から 第 9実施形態で説明した光受信機 22を偏波無依存に動作させるための構成につい て説明する。本実施形態に係る光受信機 22では、第 1実施形態から第 8実施形態で 説明した光受信機 22で適用した符号に代えて 2つの符号を光周波数軸上に連結し た連結符号を用いる。ここで、連結符号としては、符号の利用効率から同じ符号を 2 回繰り返し用いることが望ましい。本実施形態では、連結符号を構成する一方の符号 に用いる符号光を構成する光周波数チップと他方の符号に用いる符号光を構成す る光周波数チップとはそれぞれ偏波が直交している。また、局部発振光は連結符号 を構成する両方の符号で偏波が同一である。また、図 3から図 5及び図 10から図 24 の光合分波器 53, 53a, 53b, 53a— 1, 53b— 1, 53a— 2, 53b— 2及び光ノヽイブジ ッド 56, 56 - 1, 56— 2は、符号光及び局部発振光について連結符号を構成する一 つの符号毎に略同じ偏波状態で且つ 2つの符号間で相対的に π Ζ2又は 3 π /2l け異なる偏波状態で混合する。
[0180] これにより、符号光の偏波状態によらず一定の出力信号をうることができる。なお、 ここでは連結符号を構成する各符号同士の偏波状態は、符号光では異なり、局部発 振光では同一としたが、逆でもよい。本実施形態に係る光受信機は、偏波無依存ィ匕 することができる。また、第 10実施形態で説明した光受信機のようにスクランブルによ る変調で復号器における符号光の透過帯域が拡大したり、第 11実施形態で説明し た光受信機のように光周波数チップ毎に 2倍の中間周波数波数以上離れた 3光を透 過する光受信機と比較して光周波数チップ毎の透過帯域を狭くすることができる。
[0181] (第 13実施形態)
本実施形態では、第 10実施形態で説明した光受信機と同様に第 1実施形態から
第 9実施形態で説明した光受信機を偏波無依存に動作させるための構成について 説明する。第 1実施形態で説明した光受信機の構成に即して説明するが、本実施形 態に係る光受信機 22の構成は、他の第 2実施形態力も第 8実施形態で説明した光 受信機においても同様に適用できる。
[0182] 図 25に、本実施形態に係る光受信機 22の概略構成図を示す。本実施形態では、 光合分波器 59は、符号光と局部発振光を混合する際の偏波関係が π Ζ2あるいは 3 π Ζ2異なる 2つの偏波関係で混合する光合分波器であり、光合分波器 59から包絡 線検波器 45— 1, 45— 2までの構成は二組の偏波関係で混合した光を個別に処理 する構成である。また、濾波器 44— 1, 44— 2の出力を加算する加算器 46を具備し て偏波ダイバシチを実現している。図 25では、図 3から図 5及び図 10から図 24と符 号が同一の構成要素は相互に同一の構成要素を示すため説明は省略する。
[0183] 図 25の光受信機 22において適用される光合分波器 59は、例えば、図 25に示すよ うに、一つの光偏波分波器 73と、 3つの 2 X 2の偏波保持光分波器 71, 72, 74と、を 偏波保持光ファイバ 82で結合して構成することができる。なお、局部発振光は、互い に直交する偏波の同じ強度の 2つの光として光偏波分波器 73が出力するように調整 されている。偏波保持光分波器 71は、偏波を保持したまま同じ強度の 2つの光として 出力する。本実施形態では、光偏波分波器 73によって分岐された上の組の局部発 振光と下の の局部発振光とのビート信号の強度が符号光の偏波状態によって異な る力 両方の加算器 46における和は同一である。よって、図 25の光受信機 22は、第 10実施形態で説明した光受信機と同様に偏波無依存化することができる。なお、図 25では一つの局部発振光源 41と光偏波分波器 73を用いて、一つの局部発振光を 偏波の直交する同じ強度の二つの光として出力するとして 、るが、互 、の光周波数 が略等しく同じ強度で且つ符号光に対する偏波状態が π Ζ2ずれた偏波状態で混 合するようにすれば、二つの局部発振光源に置き換えることも可能である。
[0184] 本実施形態では、光合分波器 59は、復号器 54—1, 54— 2の前段に設けた。
[0185] 図 4及び図 5の光受信機においても同様である。
[0186] 図 10力ら図 16の光受信機 22にお!/ヽて ίま、光合分波器 53a, 53b, 53a— 1, 53b
- 1, 53b— 2を図 25の光合分波器 59と同様の構造の光合分波器に差替える。そし
て、同じ偏波関係の出力ごとに光検波加減算濾波器 44と包絡線検波器 45を備えて 、それぞれの出力を加算器 46にて加算し出力する。
[0187] 図 17及び図 18の光受信機 22においては、光ハイブリッド 56の代わりに光合分波 器 59を変形した構造の光合分波器に差替える。光合分波器 59の変形した構造の光 合分波器は光合分波器 59の偏波保持光分波器 72と偏波保持光分波器 74とを偏波 保持する光ハイブリッドに差替えたものである。光合分波器 59の変形した構造の光 合分波器を構成する光ハイブリッドの出力にはそれぞれ復号器を備え、復号器の出 力毎に光検波加減算濾波器 43と包絡線検波器 45を備えて、それぞれの出力をカロ 算器 46にて加算し出力する。
[0188] 図 19から図 24の光受信機 22においては、光ハイブリッド 56— 1, 56- 2, 56— la , 56— lb, 56 - 2a, 56— 2bの代わりに光合分波器 59を変形した構造の光合分波 器に差替える。光合分波器 59の変形した構造の光合分波器は偏波保持光分波器 7 2と偏波保持光分波器 74とを偏波保持する光ハイブリッドに差替えたものである。そ して、同じ偏波関係且つ同じ位相関係の出力毎に光検波加減算濾波器 44と包絡線 検波器 45を備えて、それぞれの出力を加算器 46にて加算して出力する。
産業上の利用可能性
[0189] 本発明の光符号通信システムは、符号化した信号光を送受信する OCDM方式の 光符号通信システムとして利用することができる。