JP5090382B2 - 光受信機、光通信システム及びヘテロダイン検波方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光信号をヘテロダイン同期検波する光受信機、これを含む光通信システム及びそのヘテロダイン検波方法に関する。
ポイント−マルチポイント光通信システムにおいて、秘匿性、妨害耐性に優れた占有型光サービスを提供する方式として光符号分割多重が期待されている。特に加入者側装置に簡便なシステムを使用できるスペクトル領域の強度符号を用いた光符号分割多重が期待されている。スペクトル領域の強度符号は、異なる光周波数の複数の光の組み合わせにより符号化する。このスペクトル領域の強度符号を用いた光符号分割多重では、同一のスペクトルを使用する信号光間のビート雑音による伝送特性の劣化が生ずる。このため、異なる光周波数の複数の光からなる局発光を用いたコヒーレント受信方式の適用が提案されている。このコヒーレント受信方式では、信号光と局発光を構成する異なる光周波数同士の位相差を一定にすることが求められている(例えば、非特許文献1を参照。)。
例えば、信号光と局発光を偏波分割多重又は時分割多重して送信機から送る方式とすることで、信号光と局発光を構成する異なる光周波数同士の位相差を一定にすることができる。伝送距離の異なる送信機からの信号を同時に受信する場合、この方式は自送信機からの局発光との位相差のばらつきを軽減することが可能である。しかし、複数の送信機が存在した場合、この方式は、他送信機からの信号光と位相差のばらつきのために生ずる多重アクセス干渉(Multiple Access Interference:MAI)を低減する必要がある。さらに、この方式は、複数の送信機からの局発光が混在することで生じる信号光と位相差のばらつきも低減する必要がある。
また、光符号分割多重しない光通信においても、ヘテロダイン検波をはじめとするコヒーレント検波が注目されている。コヒーレント検波には、包絡線検波と同期検波が存在する。非負の値しかとれない包絡線検波に対し、負の値もとれる同期検波は、1ビットの信号強度の最大値が同一とすると、受信感度を倍にできる。
M.Yoshino et al.,JLT,vol.26,pp.,963−970,Apr.2008 2005年電子情報通信学会総合大会C−4−9ねじり光ファイバを用いた偏波無依存型非対称四光波混合、東京大学 種村拓夫他 2008年、電子情報通信学会総合大会、B−10−53、吉野他、チャープ同期受信による光干渉抑圧 2007年 電子情報通信学会総合大会,隣接スペクトルチップの漏れ込みに強いSAC−OCDMA用復号器 吉野他
しかし、同期検波を行うためには、信号光と局発光との光の同期が必要である。受信機側で光位相同期を行うためには、局発光の光位相同期ループを構成しなければならない。光位相同期ループは通常、2光の光位相の誤差情報を光検波器により検出し、電気回路で局発光源にフィードバックする構成になっている。実用的な光位相同期ループを実現するには、2光のフリーランニング時の光周波数差が光位相同期ループの周波数引き込み範囲以内に常に収まり、位相誤差が小さくなるように、光位相同期ループの帯域幅を広くする必要がある。例えば、線幅10MHz程度の信号光の場合、GHzの帯域幅が要求される。GHzの帯域幅のためには、ループ遅延時間とループ長は高々0.1マイクロ秒と2cm程度にする必要がある。このため、光検波器と電気回路部品を集積化して光位相同期ループを構成する必要があり、現状では光位相同期ループの構成は困難であるという課題がある。更に、同一光周波数の複数の信号光が同時に到着する可能性のある光符号分割多重の場合、異なる位相の多数の信号光に一つの局発光の位相を同期することは本質的に不可能という課題もある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、局発光の光位相同期ループを用いることなく、1又は複数の信号光を位相によらずにヘテロダイン検波することができる光受信機、光通信システム及びヘテロダイン検波方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る光受信機、光通信システム及びヘテロダイン検波方法は、互いの位相差が一定である複数の光を四光波混合部にポンプ光として入力し、信号光とポンプ光との四光混合のアイドラー光を複数出力させ、これらの出力されたアイドラー光同士を信号光の伝送する伝送帯域以上の中間周波数でヘテロダイン検波することとした。
具体的には、本発明に係る光受信機は、信号光と、互いの位相差が一定である複数のポンプ光と、が入力され、前記信号光と前記ポンプ光との四光波混合のアイドラー光を複数出力する四光波混合部と、前記四光波混合部からの前記アイドラー光同士を前記信号光の伝送する伝送帯域以上の中間周波数でヘテロダイン検波するヘテロダイン検波部と、を備え、前記複数のポンプ光の光周波数は、前記アイドラー光の少なくとも一組の光周波数間隔が前記中間周波数となる周波数であり、前記四光混合部は、光周波数間隔が前記中間周波数である前記アイドラー光を少なくとも一組出力することを特徴とする。
本発明に係る光受信機は、信号光と、互いの位相差が一定である複数のポンプ光と、から、前記信号光と前記ポンプ光との四光波混合のアイドラー光を複数出力し、前記アイドラー光同士を前記信号光の伝送する伝送帯域以上の中間周波数でヘテロダイン検波し、前記ポンプ光は、前記アイドラー光の少なくとも一組の光周波数間隔が前記中間周波数となる周波数であることを特徴とするヘテロダイン検波方法を採用する。
また、本発明に係る光通信システムは、前記光受信機と、前記光受信機に前記信号光を送信する光送信機と、を含む。
四光波混合部が出力する、それぞれのアイドラー光は位相差が一定となる。このため、位相が互いに直交しない場合は、一つのアイドラー光を信号光、もう一つのアイドラー光を局発光としてヘテロダイン検波することができる。従って、本発明は、局発光の光位相同期ループを用いることなく、1又は複数の信号光を位相によらずにヘテロダイン検波することができる光受信機、光通信システム及びヘテロダイン検波方法を提供することができる。
本発明において前記信号光は、光周波数の異なる複数の信号光であり、前記複数の信号光と前記複数のポンプ光は、前記ヘテロダイン検波部でのヘテロダイン検波の対象となる前記アイドラー光の内、異なる前記信号光に基づく前記アイドラー光同士が前記伝送帯域の4倍以上かつ前記中間周波数の倍以上になる光周波数であることが好ましい。本発明に係る光受信機及び光通信システムは、それぞれの信号光に対応して互いに同期したアイドラー光の組が独立して発生するため、それぞれ混信することなくヘテロダイン検波を行うことができる。
本発明において前記信号光は、光周波数の異なる複数の信号光であり、前記複数の信号光と前記複数のポンプ光は、前記ヘテロダイン検波部でのヘテロダイン検波の対象となる前記アイドラー光の内、異なる前記信号光に基づく前記アイドラー光同士が前記伝送帯域の2倍以上かつ前記中間周波数の倍以上になる光周波数であり、前記四光波混合部は、前記信号光毎に前記アイドラー光を出力し、前記ヘテロダイン検波部は、前記信号光毎に前記アイドラー光をヘテロダイン検波することとしてもよい。本発明に係る光受信機及び光通信システムは、光符号分割多重の信号を受信することができる。また、本発明に係る光受信機及び光通信システムは、それぞれの信号光に対応して互いに同期したアイドラー光の組が独立して発生するため、それぞれ混信することなくヘテロダイン検波を行うことができる。
本発明において前記信号光は、複数の光周波数の光で光符号分割多重されており、前記四光波混合部は、前記アイドラー光を復号する符号に応じて分岐して出力し、前記ヘテロダイン検波部は、前記四光波混合部からの分岐された前記アイドラー光をそれぞれヘテロダイン検波し、ヘテロダイン検波後の中間周波数信号を符号に応じて加減算することが好ましい。
本発明に係る光受信機及び光通信システムは、すべての複数の光符号多重の信号光をそれぞれ構成する複数の光(スペクトルチップ)に対応してそれぞれ、位相差が一定の信号光と局発光の組を生成してヘテロダイン検波を行うことができる。本発明に係る光受信機及び光通信システムは、信号光−局発光間の位相差ばらつきによるMAIの課題を解消することができる。
本発明において前記信号光は、時間に対して光周波数が変化し、前記ポンプ光は、前記信号光の光周波数変化に同期して光周波数が変化することとしてもよい。本発明に係る光受信機及び光通信システムは、スペクトルチップの光周波数変動とポンプ光の光周波数変動とを同期させており、信号光−局発光間の位相差ばらつきによるMAIの課題を解消することができる。
本発明において前記ポンプ光は、互いに同一の円偏波状態であり、前記四光波混合部は、円偏波ねじり光ファイバで前記アイドラー光を生成することが好ましい。ヘテロダイン同期検波をするためには局発光と信号光の偏波を一致させ、偏波依存性を解消する必要がある。本発明に係る光受信機及び光通信システムは、四光波混合部を非特許文献2に記載される偏波無依存型四光波混合としている。すなわち、四光波混合部にポンプ光を入力する際に同一の円偏波状態とし、四光波混合部を円偏波ねじり光ファイバとすることで、四光波混合における偏波依存性を解消することができる。従って、本発明に係る光受信機及び光通信システムは、ヘテロダイン同期検波の偏波依存性を解消することができる。
本発明において前記四光波混合部は、非線形媒質部と偏波ビームコンバイナ(PBC)とからなるループで前記アイドラー光を生成してもよい。非線形媒質とPBCとを組み合わせることで直交するいずれの偏波成分に対しても同様の四光波混合を発生させることができる。この結果、それぞれのヘテロダイン検波の出力の総和は偏波に拠らず一定となる。従って、本発明に係る光受信機及び光通信システムは、四光波混合における偏波依存性を解消でき、ヘテロダイン同期検波の偏波依存性を解消できる。
本発明において前記ポンプ光は、それぞれ互いの偏波が直交し、互いの光強度が等しい2つの光からなることでもよい。異なる偏波のポンプ光に対応するアイドラー光の偏波が保持される場合、異なる偏波のアイドラー光同士のビート成分は発生しない。従って、本発明に係る光受信機及び光通信システムは、四光波混合における偏波依存性を解消でき、ヘテロダイン同期検波の偏波依存性を解消できる。
本発明は、局発光の光位相同期ループを用いることなく、1又は複数の信号光を位相によらずにヘテロダイン検波することができる光受信機、光通信システム及びヘテロダイン検波方法を提供することができる。
本発明に係る光通信システムの概略構成図である。 本発明に係る光通信システムの概略構成図である。 本発明に係る光通信システムの概略構成図である。 本発明に係る光通信システムの概略構成図である。 本発明に係る光通信システムの概略構成図である。 本発明に係る光通信システムの非線形媒質部が出力する光スペクトルを説明する図である。 本発明に係る光通信システムの光検出部が出力する電気スペクトルを説明する図である。 本発明に係る光通信システムの非線形媒質部が出力する光スペクトルを説明する図である。 本発明に係る光通信システムの光検出部が出力する電気スペクトルを説明する図である。 本発明に係る光通信システムの非線形媒質部を説明する図である。 本発明に係る光通信システムの非線形媒質部を説明する図である。 本発明に係る光受信機においてアイドラー光の光周波数が互いに重ならない場合を説明する図である。 本発明に係る光受信機においてアイドラー光の光周波数が互いに重ならない場合を説明する図である。 本発明に係る光受信機においてアイドラー光の光周波数が互いに重ならない場合を説明する図である。 本発明に係る光受信機においてアイドラー光の光周波数が互いに重ならない場合を説明する図である。 本発明に係る光通信システムの四光波混合部を説明する図である。
添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施の形態は本発明の構成の例であり、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の光通信システムの概略構成図である。本光通信システムは、光受信機301と、前記光受信機に信号光を送信する光送信機401と、光受信機にポンプ光を供給するポンプ光源402と、を含む。光送信機401は光波長f1の信号光を出力する。ここで、ポンプ光源は、信号光に対して光位相同期ループをかける必要がないため、光位相同期ループを用いる光受信機とは異なり、図1に示すように光受信機の外部に設置することが可能であり、複数の光受信機でポンプ光源を共用することも可能である。ポンプ光源は光受信機とは独立ではなく、内部に内蔵する構成であってもよい。
以下、ポンプ光が2で、縮退四光波混合を利用する場合で説明するが、後述するようにポンプ光は3以上でもよく、縮退以外の四光波混合を用いても良い。ポンプ光源402が出力するポンプ光は、互いの位相差が一定である。このようなポンプ光を出力するポンプ光源402は、例えば、連続光(Continuous Wave:CW)光源101、正弦波信号発生器102及び強度変調器103を有する。正弦波信号発生器102は、例えばシンセサイザーである。強度変調器103はCW光源101からの光周波数fpの連続光を正弦波信号発生器102からの正弦波信号で変調する。ここで、強度変調器103は、CW光源101の出力であるキャリア成分を抑圧し、二つの変調サイドバンドのみ出力する状態に調整し、ポンプ光として出力する。ポンプ光は二つの変調サイドバンドであるため、互いの位相は等しい。
また、以下、ポンプ光の位相が一致する場合を例に説明を行うが、ポンプ光の位相差が一定且つその位相差が90度以外の場合、アイドラー光の位相差も一定となり且つそのヘテロダイン検波の出力は常時零とはならない。そのため、位相差一定の場合も、出力強度の絶対値は減少するが位相が一致する場合と同様である。また、光源として変調サイドバンドを用いる例で示したが、位相差が一定で、後述のヘテロダイン検波で用いるアイドラー光同士の位相差が90度以外であれば、モードロックレーザや光周波数コム等の他の光源を用いても良い。
光受信機301は、四光波混合部31とヘテロダイン検波部21とを備える。具体的には、光受信機301は、信号光と、互いの位相差が一定である複数のポンプ光と、が入力され、信号光とポンプ光との四光波混合のアイドラー光を複数出力する四光波混合部31と、四光波混合部31からのアイドラー光同士を前記信号光の伝送する伝送帯域以上の中間周波数でヘテロダイン検波するヘテロダイン検波部21と、を備える。ここで、複数のポンプ光の光周波数は、アイドラー光の少なくとも一組の光周波数間隔が中間周波数となる周波数であり、四光波混合部は、光周波数間隔が中間周波数であるアイドラー光を少なくとも一組出力する四光波混合部である。
光受信機301は、信号光と、互いの位相差が一定である複数のポンプ光と、から、信号光とポンプ光との四光波混合のアイドラー光を複数生成し、アイドラー光同士を前記信号光の伝送する伝送帯域以上の中間周波数でヘテロダイン検波する。ここで、複数のポンプ光の光周波数は、アイドラー光の少なくとも一組の光周波数間隔が中間周波数となる周波数である。
四光波混合部31は、信号光とポンプ光を入力して四光波混合を発生する非線形媒質部11、非線形媒質部11の出力する四光波混合のアイドラー光を抜き出す光濾波器12とを有する。非線形媒質部11は、例えば、半導体光増幅器(Semiconductor Optical Amplifier:SOA)、高非線形ファイバ (High Nonlinear Fiber:HNLF)、ゼロ分散シフトファイバ(Dispersion−shifted Fiber:DSF)等を用いることができる。非線形媒質部11は、信号光及びポンプ光の波長分散等を考慮しても十分な相互作用長が取れるものとする。
四光波混合部31は、信号光及び位相の揃ったポンプ光が入力されると、一方のポンプ光の縮退四光波混合のアイドラー光、他方のポンプ光の縮退四光波混合のアイドラー光、及び両ポンプ光の四光波混合のアイドラー光を出力する。これらのアイドラー光の位相は一致する。
ここで、信号光、ポンプ光及びアイドラー光に、信号光Ls、一方のポンプ光Lp1、他方のポンプ光Lp2、ポンプ光Lp1の縮退四光波混合のアイドラー光La1、ポンプ光Lp2の縮退四光波混合のアイドラー光La2、ポンプ光Lp1及びポンプ光Lp2の四光波混合のアイドラー光La3と名づけて説明する。信号光Ls、一方のポンプ光Lp1、他方のポンプ光Lp2、ポンプ光Lp1の縮退四光波混合のアイドラー光La1、ポンプ光Lp2の縮退四光波混合のアイドラー光La2、ポンプ光Lp1及びポンプ光Lp2の四光波混合のアイドラー光La3の位相をそれぞれφ1,φp1,φp2,φ1’,φ1’’,φ1’’’とする。また、信号光Ls、一方のポンプ光Lp1、他方のポンプ光Lp2、ポンプ光Lp1の縮退四光波混合のアイドラー光La1、ポンプ光Lp2の縮退四光波混合のアイドラー光La2、ポンプ光Lp1及びポンプ光Lp2の四光波混合のアイドラー光La3の光周波数をそれぞれf1,fp1,fp2,f1’,f1’’,f1’’’、とする。さらにポンプ光同士の光周波数間隔をdfとすると次式が成り立つ。
f1’=2fp1−f1
f1’’=2fp2−f1=2fp1+2df−f1
f1’’’=fp1+fp2−f1=2fp1+df−f1
φ1’=2φp1−φ1
φ1’’=2φp2−φ1=2φp1−φ1
φ1’’’=φp1+φp2−φ1=2φp1−φ1
ここで、アイドラー光(La1、La2、La3)は全て位相が同期している。なお、図面においては、アイドラー光(La1、La2、La3)の光周波数f1’,f1’’,f1’’’をまとめて“f1”と表している。
なお、ポンプ光と信号光の光周波数関係について示していないが、ポンプ光、信号光、アイドラー光は、その変調による光周波数拡がりを考慮して、それぞれ重ならないことが望ましい。ポンプ光と信号光またはポンプ光とアイドラー光が重なった場合、信号光やアイドラー光もポンプ光の一部となり、その変調成分が、不必要にそのポンプ光から生成されるアイドラー光に重畳される恐れがある。但し、信号光やアイドラー光とポンプ光とが重なる影響は、信号光やアイドラー光とポンプ光の強度比によるので、ポンプ光の強度が信号光やアイドラー光の強度に対して、例えば30dBのように十分に大きい場合、無視することができる。後述のへテロダイン検波の対象となるアイドラー光と他の光が重なった時は、後述のように光濾波器12で、アイドラー光のみを取り出すことができないので、光濾波器12で取り除けない成分が雑音となる。特に、重なる光がアイドラー光に対して強度が大きいポンプ光の場合は、その影響が大きくなる。
図12は、信号光が1つ、ポンプ光が2つの場合で互いに光周波数が重ならない例である。図12では、光周波数の低いほうから順に、信号光Ls、ポンプ光Lp1、ポンプ光Lp2、アイドラー光La1、アイドラー光La3、アイドラー光La2の順で並んでいる。ここで光周波数の高低を反転してもよく、この高低の反転は以降の説明でも同様に可能である。
信号光Lsの光周波数f1=fs、
ポンプ光Lp1の光周波数fp1=fs+D、
ポンプ光Lp2の光周波数fp2=fp1+df=fs+D+df、
アイドラー光La1の光周波数f1’
=2fp1−fs=2fs+2D−fs=fs+2D、
アイドラー光La3の光周波数f1’’’
=fp1+fp2−fs=2fp1+df−fs=fs+2D+df、
アイドラー光La2の光周波数f1’’
=2fp2−fs=2fp1+2df−fs=fs+2D+2df
と表せる。ここで、信号光Lsとポンプ光Lp1との光周波数間隔をD、ポンプ光間の光周波数間隔dfをへテロダイン検波する中間周波数とし、信号光の伝送帯域Bを中間周波数の半分とした。
ここで、光送信機401の伝送信号による変調は、伝送帯域に制限しており、変調メインローブ以外の変調成分は無視できる前提で、中間周波数は最小の中間周波数である伝送帯域の2倍とした。このような変調は、光送信機401において光変調器または直接変調レーザを変調する信号自体を3dB帯域が変調帯域の0.5−0.8倍の電気の低域濾波器等を通過させる等によって帯域制限した変調により実現できる。メインローブより高周波の変調成分が無視できない場合、中間周波数は、伝送帯域にメインローブより高周波成分で無視できない変調成分の周波数幅を加えた周波数とすればよい。
この時、変調を考慮して信号光とポンプ光が重ならないためには、
{fp1}−{fs}−0.5df={fs+D}−{fs}−0.5df=D−0.5df≧0、即ちD≧0.5dfが成立すればよい。
また、変調を考慮してアイドラー光とポンプ光が重ならないためには、
{2fp1−fs2}−{fp2}−0.5df={fs+2D}−{fs+D+df}−0.5df=D−1.5df≧0、即ちD≧1.5dfが成立すればよい。
従って、信号光Lsとポンプ光Lp1との光周波数間隔Dは、ポンプ光間隔dfの1.5倍以上であればこの条件を満たす。
ここで、後述する光濾波器12の透過光周波数と遮断光周波数は光周波数軸上でステップ上に切り替わることを前提としている。透過光周波数と遮断光周波数の切替わりがなだらかな場合は、アイドラー光とポンプ光の間隔は、伝送帯域Bに相当するポンプ光間隔の半分の0.5df以上の代わりに、ポンプ光が十分遮断できる間隔とすればよい。この光濾波器の特性の考慮は以降の説明においても同様に考慮すればよい。また、伝送帯域Bと中間周波数の関係は2倍としたが、後述する電気濾波器で中間周波数成分を抜き出すに必要な関係であれば良く2倍以上であっても良い。この電気濾波器の特性の考慮は以降の説明においても同様に考慮すればよい。
以下、図1の説明に戻る。光濾波器12は、アイドラー光(La1、La2、La3)のみを抜き出し、光検波器13に入力する。
ヘテロダイン検波部21は、光検波器13と、光検波器13の出力から中間周波数信号を抜き出す電気濾波器14とを有する。ここで、アイドラー光(La1、La2、La3)は全て位相が同期しているため、光検波器13は一のアイドラー光を信号光、他のアイドラー光を局発光とみなすことでヘテロダイン同期検波が可能となる。
図1に示すように、光濾波器12が、アイドラー光(La1、La2、La3)を全て導通する場合、光検波器13にて、アイドラー光La1−アイドラー光La3、アイドラー光La2−アイドラー光La3により中間周波数dfの中間周波数信号が発生し、アイドラー光La1−アイドラー光La2により中間周波数の倍の2dfの中間周波数信号が発生する。電気濾波器14で、中間周波数2dfの中間周波数信号を十分に抑圧し、中間周波数dfの中間周波数信号を抜き出すことにより、アイドラー光La1−アイドラー光La3とアイドラー光La2−アイドラー光La3の中間周波数信号のヘテロダイン同期検波が可能となる。この構成は信号強度的にはもっとも望ましい。
電気濾波器14は、アイドラー光La1−アイドラー光La2の中間周波数信号である2dfの中間周波数信号を抜き出してもよい。また、光濾波器12がアイドラー光(La1、La2、La3)の内の任意の二つを抜き出してもよい。例えば、アイドラー光La1−アイドラー光La3とアイドラー光La2−アイドラー光La3のいずれかを抜き出してもよい。この場合、抜き出したアイドラー光同士の中間周波数信号しか光検波器13で発生しないこととなる。なお、アイドラー光La1−アイドラー光La2のみを抜き出すと、電気濾波器14の低周波側の減衰要求が緩和される効果もある。即ち光周波数2dfの中間周波数信号を抜き出す電気濾波器14が光周波数dfの中間周波数信号を完全に抑圧できなくとも、光受信機301はヘテロダイン同期検波が可能である。
上記説明では、信号光Ls1の中心光周波数は一定であることを前提としたが、非特許文献3に記載されるように時間に対して光周波数が変化する光であってもよい。この場合、ポンプ光(Lp1、Lp2)の光周波数が信号光Ls1の時間に対する光周波数変化に同期して変化すればよい。
本実施形態では、光増幅器を示していないが適宜使用することとしてもよい。
本実施形態では、ポンプ光を2つ用いた縮退四光波混合を例として説明を加えたが、3以上のポンプ光を用いてもよい。例えば、光周波数軸上で信号光の低周波数側に1ポンプ光、高周波数側に2ポンプ光が配置される3ポンプ光を用いるとする。ここで、低周波数側のポンプ光の光周波数をfp1とし、高周波数側のポンプ光の光周波数をfp2とfp2+dfとする。このときfp2よりも高周波数側の光周波数f1の信号光に対する光周波数がfp1とfp2のポンプ光に対するアイドラー光の光周波数をf、光周液数がfp1とfp2+dfのポンプ光に対するアイドラー光の光周波数をf&&とする。このときアイドラー光の光周波数f1とf1&&について次式が成り立つ。
f1=fp2+f1−fp1=(fp2−fp1)+f1
f1&&=fp2+df+f1−fp1=(fp2−fp1)+f1+df
この場合、周波数間隔がdfだけ離れた光周波数f1とf1&&の2つのアイドラー光が生成する。この2つのアイドラー光を光検波することにより、中間周波数dfでのヘテロダイン同期検波が可能となる。なお、ここで、高周波側に2つのポンプ光を配したが、低周波数側に2つのポンプ光を配するとしても同様である。両ポンプ光は、信号光とアイドラー光がその両ポンプ光の間に収まる間隔であればよい。
光周波数f1とf1&&のアイドラー光の光周波数は、信号光、ポンプ光、光周波数f1とf1&&、以外のアイドラー光から光濾波器12で十分遮断できる光周波数であるか、電気濾波器14で遮断できる光周波数、例えばdf以上異なるとする。
ここで、ポンプ光の間に信号光が入る例で示したが、信号光の高周波側又は、低周波側にポンプ光が位置していても良い。図13は、信号光が1つ、ポンプ光が3つの場合で互いに光周波数が重ならない例である。図13では、光周波数の低いほうから順に、信号光Ls、ポンプ光Lp1、ポンプ光Lp2、第3のポンプ光Lp3、アイドラー光La1、La3、アイドラー光La2、ポンプ光Lp3とポンプ光Lp1又はポンプ光Lp2とのアイドラー光(La4、La5とする)、ポンプ光Lp3の縮退四光波混合のアイドラー光Lp6の順で並んでいるが、光周波数の高低を反転してもよい。また図13では、アイドラー光La4とLa5をヘテロダイン検波の対象としているが、アイドラー光La1、La3、La2を用いてヘテロダイン検波をしても良い。
信号光の光周波数f1=fs、
ポンプ光Lp1の光周波数fp1=fs+D、
ポンプ光Lp2の光周波数fp2=fp1+df=fs+D+df、
ポンプ光Lp3の光周波数fp3=fs+H、
アイドラー光La1、La3、La2、La4、La5、La6の光周波数をそれぞれ
f1’=2fp1−fs=2fs+2D−fs=fs+2D、
f1’’’=fp1+fp2−fs=2fp1+df−fs=fs+2D+df、
f1’’=2fp2−fs=2fp1+2df−fs=fs+2D+2df、
f1’’’’=fp1+fp3−fs=fs+D+H、
f1’’’’’=fp2+fp3−fs=fs+D+H+df、
f1’’’’’’=2fp3−fs=2fs+2H−fs=fs+2H
と表せる。ここで、信号光Lsとポンプ光Lp1との光周波数間隔をD、信号光Lsとポンプ光Lp3との光周波数間隔をH、ポンプ光Lp1とポンプ光Lp2との間の光周波数間隔dfをヘテロダイン検波する中間周波数、信号光の伝送帯城Bを、中間周波数の半分とした。
この時、変調を考慮して、信号光とポンプ光が重ならないためには、変調サイドバンドが伝送帯域Bとすると
{fp1}−{fs}−0.5df={fs+D}−{fs}−0.5df=D−0.5df≧0、即ちD≧0.5dfが成立すればよい。
変調を考慮してアイドラー光とポンプ光が重ならないためには、
{2fp1−fs}−{fp3}−0.5df={fs+2D}−{fs+H}−0.5df=2D−H−0.5df≧0、即ちH≦2D−0.5dfが成立すればよい。
それぞれの変調を考慮してアイドラー光La4とアイドラー光La2が重ならないためには、
{2fp3−fs}−{fp2+fp3−fs}−1df={fs+2H}−{fs+D+H+df}=H−D−2df≧0、即ちH≧D+2dfが成立すればよい。
それぞれの変調を考慮してアイドラー光La5とアイドラー光La6が重ならないためには、
{2fp3−fs}−{fp2+fp3−fs}−1df={fs+D+H}−{fs+2D+2df}−df=H−D−4df≧0、即ちH≧D+4dfが成立すればよい。
従って、信号光Lsとポンプ光Lp1との光周波数間隔Dは、ポンプ光間隔dfの4.5倍であればこの条件を満たす。ポンプ光Lp3がポンプ光Lp1よりも低周波数の場合も、同様である。
また例えば、周波数間隔がdfの互いに位相の揃った4ポンプ光を用いる場合、縮退四光波混合以外の6つのアイドラー光の光周波数をそれぞれfa、fb、fc、fd、fe、ffとすると次式が成り立つ。
fa=2fp1+df−f1
fb=2fp1+2df−f1
fc=2fp1+3df−f1
fd=2fp1+4df−f1
fe=2fp1+5df−f1
ff=2fp1+6df−f1
なお、縮退四光波混合の4つのアイドラー光の光周波数はf1’、fb=f1’’、fc、ffである。この場合、df、2df、3df、4df、5df、6dfの中間周波数信号が発生するので、任意の中間周波数信号を選択してヘテロダイン同期検波すればよい。
本実施形態の光受信機及び光通信システムは、局発光の位相同期を行う光位相同期ループを用いずにヘテロダイン同期検波を実現することができる。
(第2の実施形態)
図2は、信号光に複数の光周波数が含まれる場合の光通信システムを説明する概略図である。図1と図2の光通信システムの違いは信号光のみである。本光通信システムが伝送する信号光は、異なる光周波数の複数の光からなる。
図6は、信号光を構成する異なる光周波数の光の数が2、その周波数間隔が中間周波数の4倍、伝送帯域の8倍とした場合の光スペクトルの模式図である。図7は、この場合に光検波器13が出力する電気スペクトルの模式図である。図6の横軸は光周波数で、縦の矢印は光スペクトルの中心周波数で、実線の台形は変調成分を意味する。図7の横軸は周波数で、実線の台形は変調成分を意味し、台形内の縦線は電気スペクトルの中心周波数を意味し、破線の台形は電気濾波器14の透過帯域を意味する。図6に示すように、信号光を構成する異なる光周波数の二つの光に対応するアイドラー光は光周波数で中間周波数の倍の2df以上離れる。このため、中間周波数dfの中間周波数信号を抜き出す電気濾波器14は、図7に示すように中間周波数の倍の2dfの中間周波数信号を十分抑圧可能であり、光検波器13の出力から中間周波数dfの中間周波数成分のみを抜き出すことが可能である。従って、図2の光受信機301は、信号光を構成する異なる光周波数の複数の光間でのビートによる雑音を抑圧でき、信号光を構成する異なる光周波数の複数の光毎にヘテロダイン同期検波が可能となる。
ここで、光送信機401の伝送信号による変調は、伝送帯域に制限しており、変調メインローブ以外の変調成分は無視できる前提で、中間周波数は最小の中間周波数である伝送帯域の2倍とした。このような変調は、光送信機401において光変調器または直接変調レーザを変調する信号自体を3dB帯域が変調帯域の0.5−0.8倍の電気の低域濾波器等を通過させる等によって帯域制限した変調により実現できる。メインローブより高周波の変調成分が無視できない場合、中間周波数は、伝送帯域にメインローブより高周波成分で無視できない変調成分の周波数幅を加えた周波数とすればよい。さらに、信号光を構成する複数の光周波数間隔は、この中間周波数の4倍以上とすればよい。
なお、中間周波数の倍の2dfの中間周波数信号を、電気濾波器14で取り出してヘテロダイン同期検波するためには、信号光を構成する異なる光周波数の光の周波数間隔を中間周波数の5倍以上離せばよい。この場合、信号光を構成する異なる光周波数の光に対応するアイドラー光は中間周波数の3倍の3df以上離れる。
なお、上記の例ではポンプ光と信号光の光周波数関係について示していないが、ヘテロダイン検波の対象となるアイドラー光同士の光周波数間隔に加えて、ポンプ光、信号光、アイドラー光は、その変調による光周波数拡がりを考慮して、それぞれ重ならないことが望ましい。以下、ヘテロダイン検波の対象となるアイドラー光の組同士は2df間隔以上、ヘテロダイン検波の対象とならないアイドラー光は光濾波器12によって遮断することを前提に、ヘテロダイン検波の対象のアイドラー光と対象でないアイドラー光は、1df間隔以上、変調成分の乗っていないポンプ光と信号光又はアイドラー光は0.5df間隔以上として、それぞれの光周波数関係の例を示す。なお、ヘテロダイン検波の対象とならないアイドラー光は光濾波器12によって遮断できない場合は、ヘテロダイン検波の対象のアイドラー光同士と同様に2df間隔以上であることが望ましいことは同様である。
図14は、信号光が2つ、ポンプ光が2つの場合で互いに光周波数が重ならない例である。図14では、光周波数の低いほうから順に、信号光Ls1、Ls2、ポンプ光Lp1、Lp2、信号光Ls1のアイドラー光、信号光Ls2のアイドラー光の順で並んでいる。ここで、光周波数の配置の高低は反転してもよい。
信号光Ls1の光周波数f1=fs、
信号光Ls2の光周波数f2=fs+S、
ポンプ光Lp1の光周波数fp1=fs+D、
ポンプ光Lp2の光周波数fp2=fp1+df=fs+D+df、
信号光Ls1とポンプ光Lp1及びLp2とのアイドラー光の光周波数をそれぞれ
f1’=2fp1−fs=2fs+2D−fs=fs+2D、
f1’’’=fp1+fp2−fs=2fp1+df−fs=fs+2D+df、
f1’’=2fp2−fs=2fp1+2df−fs=fs+2D+2df、
信号光Ls2とポンプ光Lp1及びLp2のアイドラー光の光周波数をそれぞれ
f2’=2fp1−f2=fs+2D−S、
f2’’’=fp1+fp2−f2=fs+2D+df−S、
f2’’=2fp2−f2=fs+2D+2df−S
と表せる。ここで、信号光間の光周波数間隔をS、信号光Lsとポンプ光Lp1との光周波数間隔をD、ポンプ光間の光周波数間隔dfをヘテロダイン検波する中間周波数、信号光の伝送帯域Bを、中間周波数の半分とした。
ここで、光送信機401の伝送信号による変調は、伝送帯域に制限しており、変調メインローブ以外の変調成分は無視できる前提で、中間周波数は最小の中間周波数である伝送帯域の2倍とした。このような変調は、光送信機401において光変調器または直接変調レーザを変調する信号自体を3dB帯域が変調帯域の0.5−0.8倍の電気の低域濾波器等を通過させる等によって帯域制限した変調により実現できる。メインローブより高周波の変調成分が無視できない場合、中間周波数は、伝送帯域にメインローブより高周波成分で無視できない変調成分の周波数幅を加えた周波数とすればよい。
この時、ヘテロダイン検波対象とするアイドラー光の中で、異なる信号光に対応する中間周波数成分がないためには、2df以上離れればよい。従って、{2fp1−fs}−{2fp2−f2}−2df={fs+2D}−{fs+2D+2df−S}−2df=S−4df≧0、即ち、S≧4dfを満たせばよい。
変調を考慮して信号光とポンプ光が重ならないためには、
{fp1}−{f2}−0.5df={fs+D}−{fs+S}−0.5df=D−S−0.5df≧0、即ちD≧S+0.5dfが成立すればよい。
変調を考慮してアイドラー光とポンプ光が重ならないためには、
{2fp1−f2}−{fp2}−0.5df={fs+2D−S}−{fs+D+df}−0.5df=D−S−1.5df≧0、即ちD≧S+1.5dfが成立すればよい。従って、信号光間の光周波数間隔Sは4df、信号光Lsとポンプ光Lp1との光周波数間隔Dは、ポンプ光間隔dfの5.5倍以上であればこの条件を満たす。
ここで、後述する光濾波器12の透過光周波数と遮断光周波数は光周波数軸上でステップ上の切り替わることを前提としている。透過光周波数と遮断光周波数の切替わりがなだらかな場合は、アイドラー光とボンプ光の間隔は、伝送帯域Bに相当するポンプ光間隔の半分の0.5dfの代わりに,ポンプ光が十分遮断できる間隔とすればよい。また。伝送帯域Bと中間周波数の関係は2倍としたが、後述する電気濾波器で中間周波数成分を抜き出すに必要な関係であれば良く、2倍以上であっでも良い。
また、ヘテロダイン検波対象とするアイドラー光を信号毎に、後述の第3の実施形態と同様に光濾波器でそれぞれ分岐し、それぞれ異なる光検波器でヘテロダイン検波する場合は、異なる信号光に対応するアイドラー光の変調成分同士が重ならなければよい。即ち伝送帯域の倍であるdf以上離れればよいので、信号光間の光周波数間隔SはS≧3dfを満たせばよいのは明らかである。この関係は以降の説明でも同様である。
また、信号光が3以上の場合は、信号光間の光周波数間隔Sに信号光数から1を引いた数を乗じた光周波数間隔で、信号光とポンプ光の光周波数間隔の関係式を計算すれば同様に求まる。この関係は以降の説明でも同様である。
ポンプ光が3以上の場合も、信号光を構成する異なる光周波数の光に対応するアイドラー光が、電気濾波器14で取り出してヘテロダイン同期検波したい周波数以上離れればよいのは同様である。
例えば、光周波数軸上で信号光の低周波数側に1つのポンプ光、高周波数側に2つのポンプ光が配置される3ポンプ光を用いるとする。ここで、低周波数側のポンプ光の光周波数をfp1とし、高周波数側のポンプ光の光周波数をfp2とfp2+dfとする。このときfp2よりも高周波数側に位置する光周波数f1及びf2の信号光に対する光周波数がfp1とfp2のポンプ光に対するアイドラー光の光周波数をf1、f1&&、光周波数f2の信号光に対する光周波数がfp1とfp2+dfのポンプ光に対するアイドラー光の光周波数をf2、f2&&とする。このときアイドラー光の光周波数f1、f1&&、f2、f2&&について次式が成り立つ。
f1=fp2+f1−fp1=(fp2−fp1)+f1
f1&&=fp2+df+f1−fp1=(fp2−fp1)+f1+df
f2=fp2+f2−fp1=(fp2−fp1)+f2
f2&&=fp2+df+f2−fp1=(fp2−fp1)+f2+df
この場合、隣接する信号光に対するアイドラー光の間隔が3df以上であれば、それぞれの信号光を独立してヘテロダイン検波することが可能である。このため、信号光を構成する異なる光周波数の複数の光の光周波数間隔は、|f2−f1|≧3df以上、即ち、中間周波数の3倍以上とする。ここで、高周波側に2つのポンプ光を配したが、低周波数側に2つのポンプ光を配するとしても同様である。なお、両ポンプ光は、信号光とアイドラー光がその両ポンプ光の間に収まる間隔であればよい。
光周波数f1とf1&&のアイドラー光の光周波数は、信号光、ポンプ光、光周波数f1とf1&&以外のアイドラー光から光濾波器12で十分遮断できる光周波数であるか、電気濾波器14で遮断できる光周波数、例えばdf以上異なるとする。
ここで、ポンプ光の間に信号光が入る例で示したが、信号光の高周波側又は低周波側に
ポンプ光が位置していても良い。図15は、信号光が2つ、ポンプ光が3つの場合で互いに光周波数が重ならない例である。図15では、光周波数の低いほうから順に、
信号光Ls1、Ls2、ポンプ光Lp1、Lp2、Lp3、
信号光Ls2とポンプ光Lp1とLp2に対応するアイドラー光、
信号光Ls1とポンプ光Lp1とLp2に対応するアイドラー光、
信号光Ls2とポンプ光Lp3とLp1又は2に対応するアイドラー光、
信号光Ls1とポンプ光Lp3とLp1 又はLp2に対応するアイドラー光、
信号光Ls2又はLs1とポンプ光Lp3に対応するアイドラー光
の順で並んでいる。光周波数の高低は反転してもよい。また図15では、ポンプ光Lp3とLp1又はLp2に対応するアイドラー光をヘテロダイン検波の対象としている。
信号光の光周波数をそれぞれf1=fs、f2=fs+S、
ポンプ光Lp1、Lp2、Lp3の光周波数をそれぞれfp1=fs+D、fp2=fp1+df=fs+D+df、fp3=fs+H、
アイドラー光の光周波数をそれぞれ
f2’=2fp1−f2=2fs+2D−fs−S=fs+2D−S、
f2’’’=fp1+fp2−f2=2fp1+df−fs−S=fs+2D+df−S、
f2’’=2fp2−f2=2fp1+2df−fs−S=fs+2D+2df−S、
f2’’’’=fp1+fp3−f2=fs+D+H−S、
f2’’’’’=fp2+fp3−f2=fs+D+H+df−S、
f2’’’’’’=2fp3−f2=2fs+2H−fs−S=fs+2H−S、
f1’=2fp1−fs=2fs+2D−fs=fs+2D、
fl’’’=fp1+fp2−fs=2fp1+df−fs=fs+2D+df、
f1’’=2fp2−fs=2fp1+2df−fs=fs+2D+2df、
f1’’’’=fp1+fp3−fs=fs+1D+H、
f1’’’’’=fp2+fp3−fs=fs+D+H+df、
f1’’’’’’’=2fp3−fs=2fs+2H−fs=fs+2H
と表せる。ここで、信号光の間の光周波数間隔をS、信号光Ls1とポンプ光Lp1との光周波数間隔をD、信号光Ls1とポンプ光Lp3との光周波数間隔をH、ポンプ光Lp1とポンプ光Lp2との間の光周波数間隔dfをヘテロダイン検波する中間周波数、信号光の伝送帯域Bを、中間周波数の半分とした。
この時、へテロダイン検波対象とするアイドラー光の中で、異なる信号光に対応する中間周波数成分がないためには、2df以上離れればよいので、
{fp1+fp3−fs}−{fp2+fp3−f2}−2df={fs+D+H}−{fs+D+H+df−S}−2df=S−3df≧0、即ち、S≧3df
を満たせばよい。
変調を考慮して、信号光とポンプ光が重ならないためには、変調サイドバンドが伝送帯域Bとすると、
{fp1}−{f2}−0.5df={fs+D}−{fs+S}−0.5df=D−S−0.5df≧0、即ちD≧S+0.5df≧3.5dfが成立すればよい。
変調を考慮してアイドラー光とポンプ光が重ならないためには、
{2fp1−f2}−{fp3}−0.5df={fs+2D−S}−{fs+H}−0.5df=2D−H−S−0.5df≧0、即ちH≦2DーS−0.5dfが成立すればよい。
それぞれの変調を考慮してヘテロダイン対象のアイドラー光とそれ以外のアイドラー光が重ならないためには、
{fp1+fp3−fs2}−{2fp2−fs}−1df={fs+D+H−S}−{fs+2D+2df}−df=H−D−S−3df≧0、
即ちH≧D+S+3df≧D+6df
及び
{2fp3−fs2}−{fp2+fp3−fs}−1df={fs+2H−S}−{fs+D+H+df}−df=H−D−S−2df≧0、
即ちH≧D+S+2df≧D+5df
が成立すればよい。
従って、信号光Lsとポンプ光Lp1との光周波数間隔Dは、ポンプ光間隔dfの9.5倍であればこの条件を満たす。ポンプ光Lp3がポンプ光Lp1よりも低周波数の場合も、同様である。
以上述べたように、本光通信システムは、それぞれの信号光に対応して互いに同期したアイドラー光の組が独立して発生するため、それぞれ混信することなくヘテロダイン同期検波を行うことができる。
(第3の実施形態)
図3は、第3の実施形態の光通信システムを説明する概略図である。図2の光通信システムと本光通信システムとの違いは、受信機302の代替として受信機303を有している点である。光受信機303は、信号光毎にアイドラー光を出力する四光波混合部33、及び信号光毎にアイドラー光をヘテロダイン検波するヘテロダイン検波部23を有する。
四光波混合部33は復号器15を持ち、複数の光周波数の光のアイドラー毎にアイドラー光を出力する。ヘテロダイン検波部23は、複数の光周波数の光のアイドラー毎に光検波する光検波器(13a〜13d)を持つ。その他の点に関しては、第1の実施形態と同様である。信号光は、互いの光周波数間隔が前記帯域の6倍以上の光周波数、且つ前記中間周波数の3倍以上の光周波数であり、ポンプ光は2波長の場合で説明する。
図8は、信号光を構成する異なる光周波数の光の数が2、その周波数間隔が中間周波数の3倍、伝送帯域の6倍とした場合の光スペクトルの模式図である。図9は、この場合に光検波器(13a〜13d)が出力する電気スペクトルの模式図である。図8の横軸は周波数で、縦の矢印は光スペクトルの場合は中心周波数で、実線の台形は変調成分を、破線の台形は濾波器の透過帯域を意味する。図8に示すように、信号光を構成する異なる光周波数の二つの光に対応するアイドラー光はdf以上離れる。このため、第2の実施形態と異なり、信号光を構成する異なる光周波数の二つの光のアイドラー光同士の周波数間隔がdfとなる。図2の構成で、ポンプ光が中間周波数dfだけ異なる2波長とした場合、光検波した後では、信号光を構成する異なる光周波数の複数の光間でのビートを電気濾波器14で除去できないので、ビートによる雑音が無視できない。しかし、本実施形態の光受信機303は、復号器15で信号光を構成する異なる光周波数の複数の光毎に分離し、それぞれを光検波器(13a〜13d)で光検波するので、異なる光周波数の複数の光間でのビートが発生しない。光検波器(13a〜13d)で光検波した電気信号は、加減算器17で加減算され、電気濾波器14で必要な中間周波数の信号だけ取り出される。このため、本光通信システムは、信号光を構成する異なる光周波数の複数の光毎にヘテロダイン同期検波が可能となる。
光送信機401の伝送信号による変調は、第2の実施形態と同様に伝送帯域に制限しており、変調メインローブ以外の変調成分は無視できる前提で、中間周波数は最小の中間周波数である伝送帯域の2倍とした。メインローブより高周波の変調成分が無視できない場合も同様に、中間周波数は、伝送帯域にメインローブより高周波成分で無視できない変調成分の周波数幅を加えた周波数とすればよい。さらに、信号光を構成する複数の光周波数間隔は、この中間周波数の4倍以上とすればよい。
このようにして、本光通信システムは、非特許文献1に示された構成における信号光を構成する異なる光周波数の光(スペクトルチップ)の光周波数間隔の最小値の3dfである信号光を2ポンプ光の場合に、ヘテロダイン検波することができる。さらに、第2の実施形態に示したように、3ポンプ光の場合に、光周波数間隔2dfの信号光をヘテロダイン検波することも可能である。また、光濾波器12により、アイドラー光を間引くことで、信号光を構成する異なる光周波数の光に対応するアイドラー間のビート成分を削減することも可能である。
以上述べたように、本光通信システムは、それぞれの信号光に対応して互いに同期したアイドラー光の組が独立して発生するため、それぞれ混信することなくヘテロダイン同期検波を行うことができる。
(第4の実施形態)
図4及び図5は、第4の実施形態の光通信システムを説明する概略図である。本光通信システムは、信号光を構成するスペクトルチップを用いた光符号多重の信号光を受信する。このような光符号分割多重の信号光は同一の光周波数の光を複数の信号光で利用する。
図2の光通信システムと本光通信システムとの違いは、送受信機で送受する信号光が光符号多重の信号光であることに加えて、受信機301の代替として受信機304又は受信機305を有している点である。光受信機304又は受信機305は、アイドラー光を復号する符号に応じて分岐して出力する四光波混合部(33、35)と、四光波混合部(33、35)からの分岐されたアイドラー光をヘテロダイン検波後に復号する符号に応じてそれぞれ加減算するヘテロダイン検波部25を有する。
図4の光受信機304は、光濾波器12の後に、非特許文献1に記載される信号光を構成するスペクトルチップを復号する符号に応じて分岐する復号器15を四光波混合部33に持ち、復号器15で分岐した出力を差動検波する差動光検波器16をヘテロダイン検波部25に持つ。差動光検波器16の出力は中間周波数の電気濾波器14へ入力される。図4には記載されないが、ヘテロダイン検波部25は、図3のヘテロダイン検波部23のように復号器15と各出力を検波する光検波器(13a〜13d)、それぞれの光検波器の出力を中間周波数の電気濾波器(14a〜14d)を通し、符号に合わせて加減算する加減算器を有していてもよい。
なお、アイドラー光と信号光は光周波数の並びが反転することを鑑みて、復号器15の符号は符号器で符号化するときの符号と光周波数軸で反転した並びとなっている。図4では、符号(1100)または(0011)に応じた復号器15で説明している。ここで、符号は例であり、他の符号でもよいし、4以外の符号長であってもよい。各スペクトルチップの周波数間隔は、各スペクトルチップのアイドラー光の間隔となっている。
また、復号器15又は光濾波器12により、アイドラー光を間引くことで、異なるスペクトルチップに対応するアイドラー間のビート成分を削減することも可能である。
また、光濾波器12は、図5のように復号器15の後に配置してもよいし、復号器と一体であってもよい。
図4の光受信機304と図5の光受信機305との違いは、復号器15の配置にある。図5の光受信機305の場合、復号器15は、非線形媒質部11の前に位置し、信号光のみが入力される。また、光受信機305は、少なくとも加算するスペクトルチップと、減算するスペクトルチップとが入力される複数の非線形媒質部11を具備する。それぞれの非線形媒質部11は、復号器15の各出力をそれぞれ四光波混合する。なお、非線形媒質部11はスペクトルチップ毎に具備してもよい。この構成は、光周波数の並びが反転するアイドラー光ではなく、信号光をそのまま復号器15に入力するので、復号器15の符号は光周波数軸で反転した並びではなく、符号器で符号化したときと同じスペクトルチップの並びとなる。また、復号器15の符号の周波数間隔も信号光のスペクトルチップの周波数間隔と等しく、光送信機401に搭載される符号器と同じ構成の復号器をそのまま使用できる。
以上述べたように、本光通信システムは、すべての複数の光符号多重の信号光を構成する複数のスペクトルチップに対応して位相差が一定の信号光と局発光の組をそれぞれ生成してヘテロダイン同期検波を行う。このため、本光通信システムは、信号光−局発光間の位相差ばらつきによるMAIの課題を解消することができる。
(第5の実施形態)
本光通信システムと第4の実施形態との違いは、信号光、ポンプ光、復号器が用いる符号にある。その他は第4の実施形態と同様である。光通信システムの信号光は、信号光を構成するスペクトルチップがそれぞれ時間に対して周波数が同様に変化する。具体的には複数のスペクトルチップのそれぞれが、非特許文献3に示されるように変化する。
ポンプ光は信号光の時間に対する周波数変化に同期して周波数が同様に変化する光である。また、符号は、非特許文献4で提案された隣接スペクトルチップでの漏れ込みで直交化のために不足するスペクトルチップを追加している符号である。具体的には、符号の巡回性を用いて、漏れ込みのあるスペクトルチップに対応するチップを符号の反対側に配置した符号を復号する復号器15としている。例えば、元の符号が0010111であり、±1スペクトルチップ漏れ込みの場合、100101110とする。漏れ込みのあるスペクトルチップ数の範囲内でスペクトルチップシフトして同じ符号となる符号による干渉は避けられないので、それらの符号同士は同時には用いない。使用しない符号数は隣接スペクトルチップの漏れ込み以外が無視できる場合、スペクトルチップシフトしたM系列符号では半分、ウオルシュアダマール符号では高々1となる。
本光通信システムは、この符号を用い、且つ図5の構成をとることで、各スペクトルチップの周波数間隔に応じた復号器15であっても、光符号分割多重の信号をヘテロダイン同期検波することが可能である。これは、通常、復号器に用いられる光濾波器では、透過強度が減少するところで光の位相が回転するため、信号光と局発光の位相差が変化する。このため、上記のような信号光の場合、一つのシンボル時間内でも位相関係が変動する。そのため、各スペクトルチップの周波数間隔に応じた復号器では、信号光−局発光間の位相差ばらつきによるMAIが発生する。しかし、本光通信システムは、位相差ばらつきが発生しないため信号光−局発光間の位相差ばらつきによるMAIを解消することができる。
(第6の実施形態)
本光通信システムは、互いに同一の円偏波状態であるポンプ光を使用し、円偏波ねじり光ファイバの四光波混合部で前記アイドラー光を生成する。本光通信システムと第1から第5の実施形態との違いは、ポンプ光源402からのポンプ光の偏波と非線形媒質部11にある。即ち、ポンプ光源402はポンプ光を同一の円偏波状態とし、四光波混合部は円偏波ねじり光ファイバとする。このため、本光通信システムは、四光波混合における偏波依存性を解消でき、ヘテロダイン周期検波の偏波依存性を解消できる。
(第7の実施形態)
本光通信システムは、非線形媒質71と偏波ビームコンバイナ(Polarization Beam Combiner:PBC)72を含む非線形媒質部11を備える。非線形媒質71は、例えば、非線形媒質ファイバである。非線形媒質部11は、非線形媒質ファイバの両端から信号光及びポンプ光を入力し、アイドラー光を生成する。
非線形媒質部11は、図10に示すように非線形媒質71とPBC72とでループを形成する。PBC72は直交する両偏波で等しい光強度のポンプ光を非線形媒質71の両端から入力する。図10では、入力された光はPBC72で互いに直交する2偏波に分離され、それぞれPBC72の一端から非線形媒質71を経て再びPBC72に戻る。この際、PBC72から出力されたときと再びPBC72に戻ってくる際の偏波は同一である。あるいは、非線形媒質部11は、図11に示すように非線形媒質71とPBC72とのループ及びPBC72への入出力を分離する光サーキュレータ73からなる。図11の非線形媒質部11の構成では、非線形媒質71の中点で偏波が90度回転しているが、ループの別の箇所であってもよい。図11の構成では、途中で偏波が90度回転しているため、PBC72から出力されたときと直交する偏波で再びPBC72に戻ってくる。また図10及び図11の非線形媒質71は分布型でなく、集中型であってもよい。図10及び図11の横矢印αと二重丸βはそれぞれ直交する偏波を意味する。図10及び図11に示すように直交するいずれの偏波成分に対しも同様に四光波混合を発生するので、それぞれのヘテロダイン検波の出力の総和は偏波に拠らず一定となる。
このため、本光通信システムは、四光波混合における偏波依存性を解消でき、ヘテロダイン同期検波の偏波依存性を解消できる。
(第8の実施形態)
本光通信システムと第1から第5実施形態との違いは、ポンプ光にある。本光通信システムのポンプ光は第1から第5実施形態に示す一つのポンプ光に対して、直交する異なる偏波の等強度の二つのポンプ光から構成される。アイドラー光の偏波がポンプ光の偏波と同一偏波に保持される場合、異なる偏波のアイドラー光同士のビート成分は発生しない。
一つのポンプ光に対応する互いに直交する偏波の二つのポンプ光の光周波数差は、それぞれの偏波のアイドラー光同士から発生する中心周波数信号が電気濾波器14の導通帯域に入る程度の範囲内であり、且つ異なる偏波の二つのポンプ光が単一の偏波の一つのポンプ光とならない程度の光周波数差であれば好ましい。光検波の前に偏波毎に分離してそれぞれ光検波後に電気信号を合流する必要がない。
一方、光検波の前に偏波毎に分離してそれぞれ光検波後に電気信号を合流する場合は、異なる偏波の二つのポンプ光が単一の偏波の一つのポンプ光とならない程度の光周波数差であればよい。
異なる偏波の二つのポンプ光が合波すると単一の偏波の一つのポンプ光となる場合、四光波混合部は、信号光を直交する二つの偏波に分離し、分離した信号光と同一偏波のポンプ光との四光波混合のアイドラー光をそれぞれ出力する四光波混合部とする。偏波が直交するポンプ光に加えて直交する偏波のそれぞれに対応する四光波混合部を備えることで、直交するいずれの偏波成分に対しても同様の四光波混合を発生させることができる。このような四光波混合部の例を図16に示す。図16ではPBCで直交する偏波に分離し、偏波毎に非線形媒質を経由してPBCで再合波するとしているが、再合波せずにそれぞれ別のヘテロダイン検波部でヘテロダイン検波しても良い。いずれの場合も偏波分離した信号光又はそのヘテロダイン検波の出力を合流するまでの経路長差は、シンボル長に比べて十分短い長さ、例えばシンボル長の数十分の1程度に抑える。この結果、それぞれのヘテロダイン検波の出力の総和は信号光の偏波によらず一定となる。なお、ヘテロダイン検波部は偏波毎にそれぞれ備えてもよいが、直交する偏波の信号光とポンプ光に対応するアイドラー光の偏波が保持される場合、直交する偏波のアイドラー光同士のビート成分は発生しないので、単一のヘテロダイン検波部に入力しても良い。
このため、本光通信システムは、四光波混合における偏波依存性を解消でき、ヘテロダイン同期検波の偏波依存性を解消できる。
11:非線形媒質部
12:光濾波器
13、13a、13b、13c、13d:光検波器
14、14a、14b、14c、14d:電気濾波器
15:復号器
16:差動光検波器
17:加減算器
21、23、25:ヘテロダイン検波部
31、33、35:四光波混合部
71:非線形媒質
72:偏波ビームコンバイナ(PBC)
73:サーキュレータ
101:CW光源
102:正弦波信号発生器
103:強度変調器
301、303、304、305:光受信機
401:光送信機
402:ポンプ光源

Claims (10)

  1. 信号光と、互いの位相差が一定である複数のポンプ光と、が入力され、前記信号光と前記ポンプ光との四光波混合であり、互いの位相差が一定であるアイドラー光を複数出力する四光波混合部と、
    前記四光波混合部からの前記アイドラー光同士を前記信号光の伝送する伝送帯域以上の中間周波数でヘテロダイン検波するヘテロダイン検波部と、
    を備え、
    前記複数のポンプ光の光周波数は、前記アイドラー光の少なくとも一組の光周波数間隔が前記中間周波数となる周波数であり、
    前記四光混合部は、光周波数間隔が前記中間周波数である前記アイドラー光を少なくとも一組出力することを特徴とする光受信機。

  2. 前記信号光は、光周波数の異なる複数の信号光であり、
    前記複数の信号光と前記複数のポンプ光は、前記ヘテロダイン検波部でのヘテロダイン検波の対象となる前記アイドラー光の内、異なる前記信号光に基づく前記アイドラー光同士が前記伝送帯域の4倍以上かつ前記中間周波数の倍以上になる光周波数であることを特徴とする請求項1に記載の光受信機。
  3. 前記信号光は、光周波数の異なる複数の信号光であり、
    前記複数の信号光と前記複数のポンプ光は、前記ヘテロダイン検波部でのヘテロダイン検波の対象となる前記アイドラー光の内、異なる前記信号光に基づく前記アイドラー光同士が前記伝送帯域の2倍以上かつ前記中間周波数の倍以上になる光周波数であり、
    前記四光波混合部は、前記信号光毎に前記アイドラー光を出力し、
    前記ヘテロダイン検波部は、前記信号光毎に前記アイドラー光をヘテロダイン検波することを特徴とする請求項1に記載の光受信機。
  4. 前記信号光は、複数の光周波数の光で光符号分割多重されており、
    前記四光波混合部は、前記アイドラー光を復号する符号に応じて分岐して出力し、
    前記ヘテロダイン検波部は、前記四光波混合部からの分岐された前記アイドラー光をそれぞれヘテロダイン検波し、ヘテロダイン検波後の中間周波数信号を符号に応じて加減算することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光受信機。
  5. 前記信号光は、時間に対して光周波数が変化し、
    前記ポンプ光は、前記信号光の光周波数変化に同期して光周波数が変化することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光受信機。
  6. 前記ポンプ光は、互いに同一の円偏波状態であり、
    前記四光波混合部は、円偏波ねじり光ファイバで前記アイドラー光を生成することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の光受信機。
  7. 前記四光波混合部は、非線形媒質部と偏波ビームコンバイナとからなるループで前記アイドラー光を生成することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の光受信機。
  8. 前記ポンプ光は、それぞれ互いの偏波が直交し、互いの光強度が等しい2つの光からなることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の光受信機。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の光受信機と、
    前記光受信機に前記信号光を送信する光送信機と、
    を含む光通信システム。
  10. 信号光と、互いの位相差が一定である複数のポンプ光と、から、前記信号光と前記ポンプ光との四光波混合のアイドラー光を複数出力し、前記アイドラー光同士を前記信号光の伝送する伝送帯域以上の中間周波数でヘテロダイン検波し、前記ポンプ光は、前記アイドラー光の少なくとも一組の光周波数間隔が前記中間周波数となる周波数であることを特徴とするヘテロダイン検波方法。
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