WO2007138742A1 - シャワーの直下に吸熱器があるヒートポンプ式シャワーブース - Google Patents

Abstract

　ヒートポンプ式熱交換器をシャワーブースと一体化し、コンプレッサーの冷媒の出口に凝縮器として給水加熱タンクを配置し、膨張弁後の冷媒蒸発はシャワーブース下部にある金属板状吸熱器（冷媒蒸発器）を設置する。そこに廃水が一時的に溜まるように金属板状吸熱器（冷媒蒸発器）より高く設置する排水口と完全排水できる位置にある小さい排水口を設置することによって、廃水が溜まり、溜めた廃水の熱がその下部に浸された吸熱器で吸収されるような構成で、場所を取らずにメンテナンスも簡単で安定且つ高効率にシャワー廃水を再利用するヒートポンプ給水加熱式シャワーブースを提案する。

Description

明 細 書

シャワーの直下に吸熱器があるヒ一トポンプ式シャワーブース 技術分野

[0001 ] 本発明は、 冷媒、 コンプレッサーで構成するヒートポンプ式熱交換装置、 温水器、 除湿器、 省エネ装置に関するものであり、 シャワー、 風呂の用具で める。

背景技術

[0002] シャワーブースは給水、 シャワーヘッド、 排水、 シャワー水が飛び散らな いようにする扉、 カーテン及びその他の装置によって構成される。 シャワー 温水は一般的に電気式、 ガス式加熱のタンクによるものが多い。 又、 近年で はヒー卜ポンプ式加熱などによる省エネなものも増えている。

[0003] しかし、 従来のヒートポンプ式温水装置は吸熱部を室外に設置し、 室外空 気と熱交換するものが殆どで、 外気温の影響で安定した加熱効果が得られな いという問題がある。 又、 そのようなシャワー装置はせつかく加熱したシャ ヮー温水の廃水に含まれる熱を再利用しないまま、 排水しているので、 従来 の電気式、 ガス式加熱器と同様に廃水の熱が回収されないという欠点がある 。 そのような室外空気によるシャワー温水のヒートポンプ式加熱は効率が悪 いだけではなく、 装置の構成も複雑で製作材料の無駄と、 設置場所、 設置空 間を占める問題もある。 一方、 廃水の熱を回収するヒートポンプ式の風呂な ども提案されているが、 何れも廃水を溜める池、 タンクなどの廃水の溜め場 所が必要で、 汚れ処理などのメンテナンス面にも問題があり、 実用性に欠け る。 そのため、 省エネなヒートポンプ式温水器の普及には不利で、 現在でも 殆どのシャワーブースで電気式、 ガス式加熱器が使われている。

[0004] 更に従来のシャワーブースには換気がない、 又はシャワーブース内の温度 と湿度をそのまま排出する換気を装備しているのもが多く、 シャワーの快適 さを損ない、 シャワーブース周辺の湿気影響及び省エネには不利である。 特許文献 1 ：特開平 0 6— 0 5 8 6 2 4 発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0005] 解決しょうとする問題点は、 ヒー卜ポンプ式給水加熱器が外気から熱を吸 収する場合、 装置が複雑になる点。 又、 廃水から熱を再利用する場合、 廃水 を一時的に溜めておく場所と廃水の汚れ処理などの点である。

課題を解決するための手段

[0006] 本発明は、 シャワーブースの特徴を利用して、 ヒートポンプ式熱交換器を シャワーブースと一体化して配置する。 そのヒー卜ポンプのコンプレッサー 出口に冷媒凝縮器内蔵の給水加熱タンクを配置し、 コンプレッサー出口の高 温高圧ガスが凝縮器内で凝縮放熱することを利用して給水タンク内の水を加 熱する一方、 膨張弁の後ろの蒸発吸熱器として、 シャワーブース下部に金属 板状吸熱器 （冷媒蒸発器） を配置し、 その金属板状吸熱器 （冷媒蒸発器） 上 部に一時的に溜めたシャワー廃水の熱を吸収することにより、 容易に廃水に 含まれる熱を回収することができるヒートポンプ式給水加熱シャワーブース である。

[0007] 廃水が一時的に溜まるように、 シャワーブース下部排水用の排水口を金属板 状吸熱器 （冷媒蒸発器） より高く設置し、 廃水が金属板状吸熱器 （冷媒蒸発 器） を完全に浸すように構成することで、 場所を取らない廃水の溜めを可能 にしたうえ、 シャワー温水の自然落下力で、 溜めた廃水が攪拌され安定した 熱交換効果を得ることができる。

[0008] 更に、 高くなつた排水口と共にシャワーブース排水の最下部に小さい排水口 を設けることにより、 溜めた廃水のうち下層部の冷たくなつた廃水を優先的 に排水すると共に、 シャワー終了後には、 溜めた廃水を完全に排水すること ができるので掃除が簡単になる。

[0009] 又、 ヒートポンプユニットをシャワーブースに内蔵することにより、 その加 熱と冷却の機能を利用して、 シャワーブース内の温度と湿度を調整し、 より 快適なシャワー空間を実現する。 発明の効果

[0010] 本発明のヒートポンプ式シャワーブースは、 シャワー廃水をシャワーブー ス下部の特別な排水口によつて場所を取らずに簡単に溜めることができ、 そ の溜めた廃水の直下にある金属板状吸熱器により、 ヒー卜ポンプが廃水の熱 を吸収して、 給水を加熱することで、 廃水に含まれる熱の再利用を可能にし 、 熱の利用効率が大幅に向上する省電力、 省エネのシャワーブースを可能に した。

[0011 ] シャワーの排水量と給水量は同じという特徴があるので、 本発明のシャワー ブース内の廃水から熱を吸収して給水を加熱するヒー卜ポンプ方式は従来の 外気との熱交換のヒートポンプ方式より天候による効率の変化がなくなり、 安定した高い熱交換率を得ることができる。

[0012] 本発明は、 その他の溜め池を必要とする廃水の熱を回収するヒートポンプ方 式より水の回路が短いので、 予め廃水を溜めなくても、 初期の熱が金属板状 吸熱器 （冷媒蒸発器） の潜熱で充分に給水タンクを予熱できる。 又、 シャヮ 一使用後は溜めた廃水を自動的に全部排水できるので、 節水、 衛生面にも優 れている。

[0013] 廃水を溜める場所はシャワーブース下部数センチの空間しか使わないので、 従来のシャワーブースの空間で簡単に設置でき、 従来のシャワーへの増設と シャワー装置の小型化、 簡易化にも有利である。

[0014] 更に、 ヒートポンプの全てをシャワーブースに内蔵することにより、 それの 加熱と吸熱の機能を利用して、 シャワーブース内の空調もできるという利点 ぁ 。

図面の簡単な説明

[0015] [図 1 ]本考案のヒートポンプ式シャワーブースの 1実施例の説明図である。

符号の説明

[0016] 1 防水ケース

2 コンプレッサー

3 加熱器 （凝縮器） 5 吸熱器 （蒸発器）

6 シャワーへッド

7 一時的に溜めた廃水

8 排水口

9 スノコ （足台）

1 0 吸気口

1 1 冷却部

1 2 加熱部

1 3 送風管

1 4 注入口

1 5 水道給水管

1 6 小さい排水口

発明を実施するための最良の形態

[0017] シャワーブース下部の板状吸熱器が吸熱性の良い金属で、 その表面が汚れ にくく、 掃除しやすい構造にする。 溜めた廃水が使用者に触れないように、 金属板状吸熱器の上部に掃除のための取リ外し可能なスノコのような断熱足 踏み台を設けると共に、 その足踏み台の下への漏水はより均一で、 流れと攪 拌の効果があるように漏水口を設けることにより、 吸熱器の吸熱効果を高め ることができる。

[0018] 図 1は、 本発明装置の 1実施例の略図であって、 1はシャワーブースの防 水ケース、 2は本シャワーブース動力部となるコンプレッサー、 3は加熱器 (凝縮器） 、 4は膨張弁、 5は吸熱器 （蒸発器） である。 2〜 5で一つのヒ 一卜ポンプ回路を構成する。

[0019] 6はシャワーヘッド、 7は一時的に溜めた廃水、 8は廃水を溜めるための シャワーブース底部にある金属板状熱交換器を廃水が浸たるような高さにす る排水口、 9は廃水に触れないようにするスノコ （足台） である。 6〜9は 吸熱器 6を安定して吸熱する環境を作る。

[0020] 1 0はシャワーブース内の換気のための吸気口、 1 1は濡れた空気を冷や して湿気を取る冷却部、 1 2は空気を暖める加熱部、 1 3は送風管、 1 4は 乾燥した空気をシャワーブースに送入する注入口で、 図示の構成はエアドラ ィ時の実施例であり、 冷却部と加熱部に通る空気の流れを変えることで、 シ ャヮーブース内の温度をある程度調整できる。

[0021 ] 1 5は水道の給水管、 1 6はシャワー終了後に溜めた廃水を全部排水させる ための小さい排水口である。

産業上の利用可能性

[0022] 本発明は、 従来のシャワーブースとヒートポンプ温水器と異なり、 給水の 加熱にヒートポンプを使うと共に、 吸熱はシャワーの廃水の熱を再利用する 外気温の影響が少ない、 エネルギー利用効率をより高く実現できるシャワー ブースであって、 ヒー卜ポンプとシャワーブースを一体化することにより、 生産工場での完成度が高く、 使用現場での作業を大幅に削減できる。 又、 そ の他の温水シャワー洗いブースにも適用できる。

Claims

請求の範囲

[1 ] 冷媒とコンプレッサーを利用するヒートポンプ回路を有するシャワーブー ス下部にある排水口を、 排水される前の水が一時的に溜まるように底面より やや高く設ける、 更に排水口の底部に小さい穴を設け、 シャワー停止後、 溜 まる廃水をゆっくり排水する構造を有する構成と、 シャワーブース下部に転 熱性のよい金属板状吸熱器 （冷媒蒸発器） を設け、 一時的に溜めたシャワー 廃水の熱をヒー卜ポンプの膨張する冷媒から吸収して、 冷媒の凝縮器となる シャワー水加熱タンクに放熱する構造及びそれによつて構成されたヒートポ ンプ式シャワーブース。

[2] ヒートポンプの加熱と吸熱の 2つの部分を利用し、 シャワーブース内の空 気循環をその 2つの部分の流れ順を切リ替えて循環させることにより、 冷風 、 温風、 乾燥風を作り、 シャワーブース内の換気、 温調、 霧取り、 除湿など の機能を有するシャワーブースの構成。